(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-24
(45)【発行日】2023-11-01
(54)【発明の名称】面シームレス鋼鉄レール
(51)【国際特許分類】
E01B 11/26 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
E01B11/26
(21)【出願番号】P 2022536620
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(86)【国際出願番号】 CN2020111239
(87)【国際公開番号】W WO2021114725
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】201911278113.7
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522234172
【氏名又は名称】スージョウ トゥルーラン エンバイロメント テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】チュー ショウリャン
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-018605(JP,A)
【文献】特開昭61-060902(JP,A)
【文献】実開昭57-079603(JP,U)
【文献】実開昭51-060008(JP,U)
【文献】国際公開第2010/012227(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面シームレス鋼鉄レールであって、
鋼鉄レールの一方の側に位置付けられた右接続部と、
鋼鉄レールの他方の側に位置付けられた左接続部と、
鋼鉄レールの上側に位置付けられたシームレスバネ部品と、
を備え、
前記左接続部及び前記右接続部の両方が、互いに埋め込み係合されたプラグ部分を含み、
前記シームレスバネ部品は、一端に固定部分及び他端に自由部分を含み、該固定部分は、前記左接続部及び前記右接続部のうちの一方の前記プラグ部分の上側に固定的に接続され、
前記左接続部及び前記右接続部のうちの他方には、その内部本体に円弧状チャネルが設けられ、前記シームレスバネ部品の前記自由部分は、該円弧状チャネルの中に適切に挿入される、
ことを特徴とする面シームレス鋼鉄レール。
【請求項2】
前記シームレスバネ部品の
前記固定部分は、溶接によって前記プラグ部分の上側に接続されるものであることを特徴とする請求項1に記載の面シームレス鋼鉄レール。
【請求項3】
前記シームレスバネ部品は、前記固定部分において平たく積み重ねられて互いに溶接された複数のバネシート層から構成され、該シームレスバネ部品の前記自由部分の端部は、前記円弧状チャネルの中に嵌合する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の面シームレス鋼鉄レール。
【請求項4】
前記シームレスバネ部品の前記自由部分の前記端部は、90度よりも小さい角度を有することを特徴とする請求項3に記載の面シームレス鋼鉄レール。
【請求項5】
前記左接続部及び前記右接続部は、同じ全体高さを有し、該左接続部及び該右接続部の前記プラグ部分は、同じ高さ及び同じ長さを有することを特徴とする請求項1に記載の面シームレス鋼鉄レール。
【請求項6】
前記プラグ部分の前記高さは、前記左接続部及び前記右接続部の前記高さをよりも低く、前記高さの差は、前記シームレスバネ部品の厚みに等しい、
ことを特徴とする請求項5に記載の面シームレス鋼鉄レール。
【請求項7】
前記円弧状チャネルの上縁が、前記プラグ部分と間近で隣接する前記左接続部又は前記右接続部の上部と一致することを特徴とする請求項1に記載の面シームレス鋼鉄レール。
【請求項8】
前記シームレスバネ部品の前記自由部分と前記円弧状チャネルの間の嵌合公差が、該シームレスバネ部品の厚みが該円弧状チャネルの幅よりもそれだけ大きい厚み値に対応する、0.03mmから0.1mm締り嵌めの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の面シームレス鋼鉄レール。
【請求項9】
前記シームレスバネ部品の前記固定部分の長さが、前記左接続部及び前記右接続部の前記プラグ部分と同じであることを特徴とする請求項1に記載の面シームレス鋼鉄レール。
【請求項10】
前記シームレスバネ部品の前記自由部分の長さが、セグメントレール長さ、レール熱膨脹係数、地域最高温度差、及び補正係数の積によって決定されることを特徴とする請求項1に記載の面シームレス鋼鉄レール。
【請求項11】
前記補正係数は、1.05と1.2の間で選択され、好ましくは1.1であることを特徴とする請求項10に記載の面シームレス鋼鉄レール。
【請求項12】
同じ高さを有する鋼鉄レールの上部の断面と同じ断面を有することを特徴とする請求項1に記載の面シームレス鋼鉄レール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道軌道の技術分野に関する。具体的には、本発明は、シームレス面を有する鋼鉄レールに関する。
【背景技術】
【0002】
高速レール、高速列車、及び他の列車の開発及び普及と共に、列車の走行速度は益々上がり、今日では、それは、バラストレス軌道の段階に入り、従って、高速列車は、軌道レールに対して益々厳しい要件を有する。過去には、列車が従来軌道上を走行した時に、常に揺れ及びガタゴト音があった。これは、鉄道レールの継ぎ目での間隙に起因するものであり、これは、線路全体をがたつかせた。従って、従来軌道上を走行する列車は、騒音が伴い、かつ高速で運転することができない。
【0003】
上述の問題を解決するために、現在では、列車が騒音をたてることなく高速で走行することを可能にするシームレス溶接レールが、殆どの鉄道線路に対して使用されている。しかし、レールの敷設は、熱膨張及び収縮によって引き起こされる隠れたリスクを考慮する必要がある。昼と夜の間の温度変動及び季節温度差は、レール座屈又はレール破損のような問題を引き起こすことになる。従って、レールを敷設する時に、熱膨張及び収縮によってもたらされる隠れたリスクを考慮することが必要である。この隠れたリスクを緩和するために、シームレス溶接レールを敷設する時に、レールの温度は、予め決められた値に制御しなければならない。同時に、この問題を解決するために、複数の手法、例えば、高強度レールを使用すること、留め具の強度を高めること、より大きい湾曲部でレールを曲げること、夜間又は始発列車の到着前のレールの検査、季節が変わる時のレールの調節、及び高温変化が予想される時に橋上又は領域内でレールを交換することが、問題を解決するために採用されなければならない。同時に、シームレス溶接レールの敷設は、工場での複数レールの事前溶接と、次に、溶接された長いレールの建設現場までの搬送とを必要とし、これらの溶接された長いレールの溶接を建設現場で再び実行しければならない。しかし、搬送されることになる工場からの溶接された長いレールは、多くの場合に100メートルまでに達する可能性がある。溶接された長いレールのこれらの敷設及び検査方法は、時間を消費し、かつ労働集約的であり、これは、建設コストを有意に増大する。同時に、これらの方法は、隠れたリスクの可能性を制御し、それらをそれらが出現した後の最短時間に排除することのみができるが、問題を根本的に解決することはできない。例えば、軌道不良が始発走行後に発生した時に、その後の列車は、その日の残りにわたって不良レール上で走行することになり、有意な潜在的な惨事が発生する可能性があると考えられる。これに加えて、隠れたリスクの故障点検は、多くの場合に長時間掛かり、これは、この路線及び他の関連の路線のその日の予め設定された時刻表に影響を与え、多くの乗客への有意な不便性及び経済損失を引き起こす場合がある。
【0004】
一部の非溶接鋼鉄レール設計は、中国実用新案特許第201621273608.2号明細書(「プラグ-イン型レール」)及び中国特許出願第201711264975.5号明細書(「鋼鉄レールを指関節及びシーム保存モードで接続する方法」)に開示されているように熱膨張及び収縮に起因する上述の問題を解決するために発明されている。中国実用新案特許第201621273608.2号明細書は、継ぎ目の両端に凸面接続本体及び凹面接続本体を有し、固定スプリントがレールの両側に設けられたレールを開示している。中国特許出願第201711264975.5号明細書は、熱膨張及び収縮問題を解決するために歯付き端部を有するレールを開示している。このタイプのレールは、熱膨張及び収縮によって引き起こされる隠れたリスクを解決するが、それは、レールの上面上に多くの間隙を残すことになる。従って、それは、低速列車にのみ使用することができる。高速列車がこれらのタイプの接続部を通過する時に、高速列車の車輪は、軌道と高速で共振して衝突することになり、線路土台を弛め、レールを破壊し、かつ車輪車軸を破断する危険をもたらす。従って、それは、高速列車の滑らかな走行を保証しながら熱膨張及び収縮の問題を解決することができる適切なレールを欠いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】中国実用新案特許第201621273608.2号明細書
【文献】中国特許出願第201711264975.5号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、熱膨張及び収縮の上述の問題を解決し、一方で列車の滑らかな走行を保証することができる面シームレス鋼鉄レールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、鋼鉄レールの一方の側に位置付けられた右接続部と、鋼鉄レールの他方の側に位置付けられた左接続部と、鋼鉄レールの上側に位置付けられたシームレスバネ部品とを備える面シームレス鋼鉄レールを提供し、左接続部及び右接続部の両方は、互いに埋め込み係合したプラグ部分を含み、シームレスバネ部品は、一端に固定部分及び他端に自由部分を含み、固定部分は、左接続部及び右接続部のうちの一方のプラグ部分の上側に固定的に接続され、左接続部及び右接続部のうちの他方には、その内部に円弧状チャネルが設けられ、シームレスバネ部品の自由部分は、円弧状チャネルの中に適切に挿入される。
【0008】
本発明の実施形態では、シームレスバネ部品の固定接続は、溶接によって実現することができる。
【0009】
本発明の実施形態では、シームレスバネ部品は、固定部分において平たく積み重ねられて互いに溶接された複数のバネシート層から構成され、シームレスバネ部品の自由部分の端部は、円弧状チャネルに嵌合する形状を有する。
【0010】
本発明の実施形態では、シームレスバネ部品の自由部分の端部は、90度よりも小さい角度にある。
【0011】
本発明の実施形態では、左接続部及び右接続部は、同じ全体高さを有し、左接続部及び右接続部のプラグ部分は、同じ高さ及び同じ長さを有する。
【0012】
本発明の実施形態では、プラグ部分の高さは、左接続部及び右接続部の高さをよりも低く、高さの差は、シームレスバネ部品の厚みに等しい。
【0013】
本発明の実施形態では、円弧状チャネルの外縁は、プラグ部分と間近で隣接する左接続部又は右接続部の上部と一致する。
【0014】
本発明の実施形態では、シームレスバネ部品の自由部分と円弧状チャネルとの間の嵌合公差は、シームレスバネ部品の厚みが円弧状チャネルの幅よりもそれだけ大きい厚み値に対応する0.03mmから0.1mmの範囲にある。
【0015】
本発明の実施形態では、シームレスバネ部品の固定部分の最大長さは、左接続部及び右接続部のプラグ部分と同じであるか、又は溶接強度の要件を満足するのに必要である長さであるのみである場合がある。
【0016】
これに加えて、シームレスバネ部品の固定部分の長さがプラグ部分の長さよりも小さい時に、等しい高さを有する接続部の上側部分でのより少ない部分が、プラグ部分の上部に向けて横方向に延びる。
【0017】
本発明の実施形態では、シームレスバネ部品の自由部分の長さは、セグメントレール長さ、レール熱膨脹係数、地域最高温度差、及び補正係数の積によって決定される。補正係数は、1.05と1.2の間で選択され、好ましくは1.1である。
【0018】
本発明は、熱膨張及び収縮に起因するいずれのリスク、揺れ、及び騒音も列車が上を走行する時に発生しないことになることを保証するために寒い又は暑い気候であるかに関わらずレール全体が滑らかでシームレスのレールであること、及び同時にそれが高速レールに対する建設及びレール維持のコストを劇的に低減することを保証する。
【0019】
本発明により、既存の高速レールシステムは、迅速にかつコスト効率的に修正することができ、従来の低速レールも容易に再構成することができる。従って、通常の線路は、より滑らかにかつ騒音なく走行することができ、保守及び管理コストを低減することができ、走行速度は、有意に、更に高速列車のレベルにまでも増大させることができる。
【0020】
ここで添付図面を参照して本発明の詳細説明を以下に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明によりシームレスバネ部品が右接続部に溶接された時にまだ接続されていない左接続部及び右接続部の斜視図である。
【
図2】本発明によりシームレスバネ部品が右接続部に溶接された時に互いに接続されている左接続部及び右接続部の斜視図である。
【
図3】本発明によりシームレスバネ部品が右接続部に溶接された時に互いに接続されている左接続部及び右接続部の側面図である。
【
図4】本発明の実施形態による鋼鉄レールの左接続部及び右接続部の前面の概略図である。
【
図5】本発明の実施形態による鋼鉄レールの左接続部及び右接続部の上面の概略図である。
【
図6】本発明の実施形態による鋼鉄レールのシームレスバネ部品の前面及び上面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明をより良く理解するために、本発明の内容を実施形態に関連して以下で更に示すが、本発明は、以下の特定の実施形態に限定されない。
【0023】
図4は、まだ互いに接続されていない左接続部101及び右接続部102の実施形態の前面図である。
【0024】
この実施形態では、左接続部101は、円弧状チャネル105が設けられて左プラグ部分103を有し、左接続部101の全体形状は、階段のステップの形状と類似である。プラグ部分103は、左接続部101の右端に位置付けられ、かつ円弧状チャネル105の右側に位置付けられ、その高さは、左接続部101の左半分の高さよりも僅かに低い。従って、全体として左接続部101は、左に高いステップ及び右に低いステップを有する形状を呈する。円弧状チャネル105は、左接続部101の中央に位置付けられた円弧の形状にあり、円弧状チャネル105の外縁の上部は、左接続部の上部平面と一致する。
【0025】
右接続部102は、プラグ部分104をプラグ部分103と反対の側に有する。右接続部102も、階段と類似のステップ形状を有するが、左接続部101のステップ形状に対して反対であり、右部分が高いが、左部分が低い形状を示している。プラグ部分104の上部106は、シームレスバネ部品201と溶接するのに使用され、一方でプラグ部分104から高さの差がある右接続部102の側面も、鋼鉄レール面をシームレスにするために溶接中にシームレスバネ部品201に溶接される必要がある。
【0026】
左接続部101及び右接続部102の全体高さは同じであり、両方が高さAである。プラグ部分103及びプラグ部分104の長さ及び高さも、互いに交差埋め込みされるのに適合するように同じであり、それらの長さは、両方ともSであり、それらの高さは、両方ともBである。ここで、長さSは、セグメントレール長さ、鋼鉄レールの熱膨脹係数、地域最高温度差、及び補正係数の積である。補正係数は、0.9と1.2の間で選択され、好ましくは1である。
【0027】
プラグ部分103及びプラグ部分104の高さBは、左接続部101及び右接続部102の全体高さAよりも低く、高さの差は、円弧状チャネル105の幅であり、それは、シームレスバネ部品201の厚みでもある。円弧状チャネル105の左縁及び右縁は、2つの同心円弧縁部である。この実施形態では、円弧状チャネル105の左縁は、右縁よりも僅かに長く、外縁の長さは、プラグ部分の長さSよりも僅かに長い。
【0028】
図5は、この実施形態の左接続部101及び右接続部102を示す上面図である。
図5に示すように、左接続部101及び右接続部102の全体幅は同じであり、それらの幅は、両方ともWである。この実施形態では、プラグ部分103及びプラグ部分104は、互いに嵌合する埋め込み構造であり、プラグ部分103は、歯の形状の3つの突起1031を有し、プラグ部分104は、突起1031の長さSに対応する4つのノッチ1041を有する。対応するノッチ1041は、突起1031を受け入れるようになっている。プラグ部分103とプラグ部分104の間の嵌合公差は、±0.1mm、好ましくは±0.05mmの範囲にある。
【0029】
図6は、この実施形態のシームレスバネ部品201を示している。シームレスバネ部品201は、ほぼ細長平坦プレートの形状にあり、かつ一端に自由部分202を含む。自由部分202は、ヘッド部分203を有する。シームレスバネ部品201は、他端に固定部分204も含む。
図6では、固定部分204は、シームレスバネ部品201の右端に位置付けられ、かつ右接続部102上の対応する位置での溶接に使用される。
【0030】
この実施形態では、シームレスバネ部品201は、バネシートの3つの層を平たく積み重ねることによって形成され、次に固定部分204上で溶接され、一方で自由部分202は、溶接は不要である。
図6では、自由部分202は、鋼鉄レールの上面上にシームレスの滑らかな面を形成するために円弧状チャネル105の中に挿入されるのに使用されるシームレスバネ部品201の左端に位置付けられる。自由部分202は溶接されないので、シームレスバネ部品201を構成するバネ部品の3つの層は、自由に変形及び摺動することができる。従って、それが円弧状チャネル105に挿入された時に、それが円弧状チャネル105の形状に完全に適合することができることを保証することができ、バネ部品の自由部分の曲げによって引き起こされる内部応力を低減することができる。これに加えて、適合挿入は、例えば熱膨張及び収縮によって引き起こされる変形に起因する不適合が避けられるので保証される。その弾性に起因して、自由部分202は、常に円弧状チャネル105の左側に対することになる。シームレスバネ部品201が極寒に起因して薄くなる場合でさえも、シームレスバネ部品201が円弧状チャネル105の左側に対して常に押すことを同じく保証することができ、それによって左接続部101の上部平面に間隙がないことを保証する。
【0031】
この実施形態では、このシームレスバネ部品201の固定部分204は、プラグ部分104に適合するために同じ長さSを有し、そのヘッド203を含むシームレスバネ部品201の自由部分202の長さは、長さSよりも僅かに長い。埋め込みを容易にするために、ヘッド203は、約30°の傾斜角を有する。シームレスバネ部品201の幅は、左接続部101及び右接続部102の幅Wと同じであり、その断面は、完全に滑らかな上部平面を左接続部101及び右接続部102の結合後に構成することができるように鋼鉄レールの上部の断面と同一である。
【0032】
図1は、この特定の実施形態のシームレスバネシート201が右接続部102に溶接された時にまだ接続されていない左接続部101及び右接続部102の斜視図を示している。
図2は、この特定の実施形態のシームレスバネ部品201が右接続部102に溶接された時に接続されている左接続部101及び右接続部102の斜視図を示している。
図3は、この特定の実施形態のシームレスバネ部品201が右接続部102に溶接された時に接続されている左接続部101及び右接続部102の側面図を示している。
【0033】
シームレスバネ部品201の厚みとプラグ部分103及びプラグ部分104の高さBとの合計は、このシームレスバネ部品201が右接続部102のプラグ部分104の上部106に溶接された時に、右接続部102の上部が鋼鉄レールの滑らかなシームレス面を形成するように、左接続部101及び右接続部102の高さAに正確に適合することを図から見ることができる。
【0034】
左接続部101が右接続部102と接続する時に、プラグ部分103及びプラグ部分104は、互いに交差埋め込みされ、同時に、シームレスバネ部品201の自由部分202は、左接続部101の円弧状チャネル105の中に摺動し、円弧状チャネル105は、シームレスバネ部品201の自由部分202を受け入れるように協働することができ、円弧状チャネル105の左縁は、シームレスバネ部品201が円弧状チャネル105の中に挿入された時にシームレスバネ部品201が上部面とのシームレス嵌合を形成することができ、従って、左接続部101が右接続部102と接続された後に左接続部101の上部が滑らかなシームレス面であるように、左接続部101の上部面107と嵌合する(プラグ部分103と間近に隣接して)。シームレスバネ部品201と円弧状チャネル105の間の嵌合公差は、+0.05mmと0.1mmの間の範囲である。
【0035】
冬期、低温中、夏期、又は高温中であるかに関わらず、シームレスバネ部品201の自由部分202は、円弧状チャネル105内で熱膨張及び収縮に起因して拡張又は縮小することができ、かつ円弧状チャネル105から出る又は円弧状チャネル105に対して押すほどには過度に長くならないことになる。バネ部品の特性に起因して、シームレスバネ部品201は、左接続部101の上部及び右接続部102の上部が常に滑らかかつシームレスであることを保証するために、左接続部101の上部とのシームレス嵌合を常に保つことになる。同時に、プラグ部分103及びプラグ部分104は、約0.1mmの動的嵌合精度を有するので、左接続部101及び右接続部102が熱膨張及び収縮の影響を受けないことになることを保証することができる。
【0036】
本発明は、熱膨張及び収縮に起因するいずれのリスク、揺れ、及び騒音も列車の通過時に発生しないこと及び同時にそれがレールを維持するコストを劇的に低減することを保証するために、寒い又は暑い気候に関わらず、レール全体が滑らかでシームレスのレールであることを保証する。本発明により、既存のレールシステムは、機関車がより滑らかにかつ騒音なく走行することができ、保守及び管理コストを低減することができ、かつ走行速度を更に高速列車のレベルにまで有意に増大させることができるように迅速にかつコスト効率的に再構成することができる。
【符号の説明】
【0037】
101 左接続部
102 右接続部
103、104 プラグ部分
106 右接続部のプラグ部分の上部
201 シームレスバネ部品