(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】便座装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/00 20060101AFI20231026BHJP
E03D 9/08 20060101ALN20231026BHJP
【FI】
E03D9/00 C
E03D9/08 A
(21)【出願番号】P 2020035008
(22)【出願日】2020-03-02
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】野越 勇介
(72)【発明者】
【氏名】松下 大剛
(72)【発明者】
【氏名】雨森 博彰
(72)【発明者】
【氏名】林 功明
(72)【発明者】
【氏名】神田 祥吾
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-240374(JP,A)
【文献】特開2005-155152(JP,A)
【文献】特開2010-242486(JP,A)
【文献】特開2007-138605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00-17/02
E03D 9/00- 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の後方に配置される本体部と、
前記本体部に回動可能に軸支される便座部と、
前記便器の内部と前記便座部とのうち少なくとも一方にミストを噴霧する噴霧部と、
前記噴霧部の動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記本体部は、前記噴霧部を収納する収納室を有し、
前記噴霧部は、上下方向に延びる回転軸を中心に回転する回転体を有し、前記回転体の上に液体を供給することによって前記ミストを噴霧し、
前記収納室は、後壁と、側壁と、底壁と、を有し、
前記収納室の前記後壁は、前記回転軸を中心とする円に沿うように湾曲した湾曲部を有することを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記側壁は、前記後壁と連続的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の便座装置。
【請求項3】
前記収納室は、前記ミストを前方に噴霧する開口を前方に有し、
前記開口は、前記側壁と連続的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の便座装置。
【請求項4】
前記収納室は、下方に開口し、前記ミストの噴霧にともなって前記側壁及び前記底壁に沿って前方に流れる水を下方に落下させる排水部を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の便座装置。
【請求項5】
前記底壁は、前記排水部の後方側から前記排水部に向かうに従って下方に下がり、前記側壁及び前記底壁に沿って前方に流れる前記水を前記排水部にガイドするガイド部を有することを特徴とする請求項4記載の便座装置。
【請求項6】
前記排水部は、下方に開口する貫通孔状であり、
前記排水部の前方側の上端は、前記ガイド部の下端よりも高い位置に配置されていることを特徴とする請求項5記載の便座装置。
【請求項7】
前記本体部の下面は、前記排水部の周囲に設けられ、前記排水部から排出された水が前記本体部の前記下面を伝って広がることを抑制する突起状又は溝状の広がり抑制部を有することを特徴とする請求項4~6のいずれか1つに記載の便座装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便座と便器内を除菌するために、除菌液をミスト状に噴霧する噴霧部を備えた便座装置が知られている(例えば、特許文献1)。この噴霧部は、便座装置の本体部内の収納室内に設けられており、上面視円形状の回転体の上に液体を供給することにより、収納室の前方に設けられた開口からミストを収納室外に噴霧する。
【0003】
このような噴霧部を備えた便座装置において、収納室内に残水が発生すると、収納室内の汚れなどの要因となってしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、噴霧部を収納する収納室内に残水が発生してしまうことを抑制可能な便座装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、便器の後方に配置される本体部と、前記本体部に回動可能に軸支される便座部と、前記便器の内部と前記便座部とのうち少なくとも一方にミストを噴霧する噴霧部と、前記噴霧部の動作を制御する制御装置と、を備え、前記本体部は、前記噴霧部を収納する収納室を有し、前記噴霧部は、上下方向に延びる回転軸を中心に回転する回転体を有し、前記回転体の上に液体を供給することによって前記ミストを噴霧し、前記収納室は、後壁と、側壁と、底壁と、を有し、前記収納室の前記後壁は、前記回転軸を中心とする円に沿うように湾曲した湾曲部を有することを特徴とする便座装置である。
【0007】
この便座装置によれば、収納室の後壁が、回転軸を中心とする円に沿うように湾曲した湾曲部を有する。これにより、回転体から回転成分を含むように放射状に噴射されて後壁に衝突したミストが、回転成分及び湾曲部の湾曲を利用して滑らかに前方側に排出されるようになる。このため、収納室の後方側に水が残留してしまうことを抑制することができる。従って、噴霧部を収納する収納室内に残水が発生してしまうことを抑制可能な便座装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、噴霧部を収納する収納室内に残水が発生してしまうことを抑制可能な便座装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係るトイレ装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1中のトイレ装置を矢示A-A方向からみた断面図である。
【
図3】便座装置の要部構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4(a)~
図4(e)は、便座装置の本体部を示す平面図および斜視図である。
【
図5】
図4(c)中の本体部と噴霧部とを矢示B-B方向からみた断面図である。
【
図6】噴霧部の支持状態を模式的に示す模式図である。
【
図7】実施形態に係る便座装置の噴霧部及び収納室を模式的に表す断面図である。
【
図8】実施形態に係る便座装置の噴霧部及び収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
【
図9】実施形態に係る便座装置の噴霧部及び収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
【
図10】実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面斜視図である。
【
図11】実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
【
図12】実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面斜視図である。
【
図13】実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
【
図14】実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面斜視図である。
【
図15】実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
【
図16】実施形態に係る便座装置の変形例を模式的に表す底面図である。
【
図17】実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
【
図18】実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
【
図19】実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係るトイレ装置を示す斜視図である。
図2は、
図1中のトイレ装置を矢示A-A方向からみた断面図である。
図1に示すトイレ装置1は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器100」と称する)と、便座装置10と、を備える。便器100は、汚物を受ける凹状のボウル部101を有する。便座装置10は、便器100の上部に設置されている。
【0012】
便座装置10は、便器100の後方に配置される本体部12と、本体部12に回動可能に軸支される便座部14と、便器100の内部と便座部14とのうち少なくとも一方にミストMを噴霧する噴霧部60と、噴霧部60の動作を制御する制御装置70と、を備えている。
【0013】
便座部14の後側には、本体部12に回動可能に軸支される便蓋16が設けられている。
図1の状態は、便座部14が閉じた状態(下げられた状態)であり、便蓋16が開いた状態(上げられた状態)である。便蓋16は、閉じた状態では、便座部14の座面14aを上方から覆う。
【0014】
本体部12には、使用者が便座部14に座ったことを検知する着座検知センサ20が設けられている。また、本体部12の内部には、便座部14に座った使用者の人体局部(「おしり」など)の洗浄を実現する身体洗浄機能部58などが内蔵されている。着座検知センサ20が便座部14に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコンなどの手動操作部24を操作すると、身体洗浄機能部58の洗浄ノズル(以下説明の便宜上、単に「ノズル58a」と称する)を便器100のボウル部101内に進出させることができる。なお、
図1に示す便座装置10では、ノズル58aがボウル部101内に進出した状態を表している。
【0015】
ノズル58aの先端部には、ひとつまたは複数の吐水口が設けられている。そして、ノズル58aは、その先端部に設けられた吐水口から水を噴射して、便座部14に座った使用者の「おしり」などを洗浄することができる。なお、本願明細書において、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「左側方」、および「右側方」のそれぞれは、開いた便蓋16に背を向けて便座部14に座った使用者から見た方向である。
【0016】
図2に示すように、便器100は、ボウル部101の上に設けられたリム部102を有する。リム部102は、便器100の上縁部を形成する環状部分である。リム部102は、上面103と、内壁面104と、を有する。上面103は、閉じられた便座部14の裏面14bと対面している。ボウル部101内には、溜水が溜められている。例えば、使用者が、手動操作部24(リモコン)に設けられたスイッチによって便器洗浄の操作を行ったり、使用者が便座部14から立ち上がったりすると、便器洗浄(ボウル部101内の汚物を排出し、ボウル部101の表面を洗浄する動作)が実行される。便器洗浄においては、ボウル部101内に洗浄水が供給される。
【0017】
図3は、便座装置の要部構成を示すブロック図である。
なお、
図3は、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
着座検知センサ20は、使用者の便座部14への着座の有無を検知することができる。着座検知センサ20は、使用者の着座および離座を検知する。着座検知センサ20には、マイクロ波センサ、測距センサ(赤外線投光式センサ)、超音波センサ、タクトスイッチ、静電容量スイッチ(タッチセンサ)、または歪みセンサを用いることができる。
【0018】
なお、タクトスイッチ、静電センサおよび歪みセンサなどのセンサを用いる場合には、これらのセンサは、便座部14に設けられる。便座部14に使用者が座ると、使用者の体重によってタクトスイッチが押下される。または、使用者が静電センサの上に着座する。または、使用者の体重によって歪みセンサに圧力が加えられる。これらのセンサからの電気信号により、使用者の着座を検知することができる。
【0019】
人体検知センサ22は、便器100の前方にいる使用者、すなわち便座部14から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる。つまり、人体検知センサ22は、トイレ室に入室して便座部14に近づいてきた使用者を検知することができる。このような人体検知センサとして、例えば焦電センサ、マイクロ波センサ、超音波センサ、または測距センサ(赤外線投光式センサ)を用いることができる。人体検知センサ22は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室する直前の使用者、すなわちトイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知してもよい。例えば、マイクロ波センサを用いた場合には、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。
【0020】
手動操作部24は、使用者が例えば任意のタイミングで除菌水の噴霧を行うための操作部である。手動操作部24は、スイッチまたはボタンなどを有するリモコンであり、使用者が手動操作部24を操作すると、除菌水の噴霧を指示する操作情報(信号)が制御装置70に送られる。制御装置70は、その操作情報に基づいて除菌装置54や噴霧部60を制御する。これにより、使用者は、手動操作部24を操作することで、除菌水の噴霧を行うことができる。また、手動操作部24は、除菌水の噴霧だけでなく、使用者が便座装置10の各機能を操作するためのスイッチやボタンなどを有していてもよい。各機能に対応した操作が行われると、その操作情報が制御装置70に送られ、制御装置70は、その操作情報に基づいて、便座装置10の各部の動作を制御する。
【0021】
また、本体部12の内部には、便座用モータ26、便蓋用モータ28、便座ヒータ30、送風装置32、温風ヒータ34、および風向き変更部36が設けられている。便座用モータ26は、制御装置70からの指令に基づいて、電動で便座部14を回動させ開閉する。便蓋用モータ28は、制御装置70からの指令に基づいて、電動で便蓋16を回動させ開閉する。
【0022】
便座ヒータ30は、例えば便座部14の内部に設けられている。便座ヒータ30は、例えば便座部14の中央に形成された開口の周りに沿って設けられた環状の金属部材を有する。便座ヒータ30は、制御装置70からの指令に基づいて通電が行われることで、便座部14を温める。便座ヒータ30としては、例えばチュービングヒータや、シーズヒータ、ハロゲンヒータ、カーボンヒータなどを用いてもよい。金属部材は、例えばアルミニウムや銅などで構成される。また、金属部材の形状は、シート状やワイヤ状、メッシュ状など、種々の形状を採用することができる。
【0023】
送風装置32は、例えば本体部12の内部に設けられたファンである。送風装置32は、制御装置70からの指令に基づいて動作する。送風装置32は、例えばモータの回転に伴い羽根が回転することにより、便器100内(ボウル部101内)に向けて送風することができる。送風装置32は、噴霧部60から噴出されるミストMを風に乗せて便器100および便座部14にミストMを送る。送風装置32は、例えばモータの回転制御により、風量を変更可能な風量変更部となっている。また、送風装置32は、便座部14に座った使用者の局部に送風してもよい。
【0024】
温風ヒータ34は、送風装置32によって本体部12の外部へ送られる空気を温める。これにより、使用者の局部に向けて温風を送り、局部を乾燥させることができる。また、風向き変更部36は、本体部12から便器100内に向けて送られる風の向きを変更する。風向き変更部36は、例えばモータによりダンパやルーバなどの向きを変更させて、便器100内に送出される風の向きを変更する。また、風向き変更部36は、コアンダ効果により風の向きを可変に制御してもよい。風向き変更部36は、便器100内の風向きを変更することで、噴霧部60から噴出されたミストMを便器100および便座部14に効率よく行き渡らせる。
【0025】
水路系において、便座装置10は、管路40~43、電磁弁50、バキュームブレーカ52、除菌装置54、切替弁56、ノズル58a、ノズル洗浄室58c、および噴霧部60を有する。これらは、本体部12内に配置されている。
【0026】
管路40は、水道や貯水タンクなどの図示しない給水源から供給された水を噴霧部60やノズル58aなどに導くためのものである。管路40の上流側には、電磁弁50が設けられている。電磁弁50は、開閉可能な電磁バルブであり、本体部12の内部に設けられた制御装置70からの指令に基づいて水の供給を制御する。
【0027】
管路40上において、電磁弁50の下流には、バキュームブレーカ52が設けられている。このバキュームブレーカ52は、例えば水を流すための流路と、流路内に空気を取り込むための吸気口と、吸気口を開閉する弁機構と、を有する。弁機構は、例えば流路に水が流れているときに吸気口を塞ぎ、水の流れの停止とともに吸気口を開放して流路内に空気を取り込む。すなわち、バキュームブレーカ52は、管路40に水の流れがないときに、に空気を取り込む。弁機構には、例えばフロート弁が用いられる。バキュームブレーカ52は、上記のように管路40内に空気を取り込むことにより、例えば管路40のバキュームブレーカ52よりも下流の部分の水抜きを促進させる。バキュームブレーカ52は、例えば、ノズル58aや噴霧部60からの水抜きを促進する。
【0028】
管路40上において、バキュームブレーカ52の下流には、除菌水を生成する除菌装置54が設けられている。除菌装置54は、例えば次亜塩素酸などを含む除菌水を生成する。除菌装置54としては、例えば電解槽ユニットが挙げられる。電解槽ユニットは、制御装置70からの通電の制御によって、陽極板(図示せず)と陰極板(図示せず)との間の空間(流路)を流れる水道水を電気分解する。なお、除菌水は、次亜塩素酸を含むものには限定されない。除菌水は、例えば銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む溶液、電解塩素やオゾンなどを含む溶液、酸性水またはアルカリ水などでもよい。除菌装置54は電解槽に限らず、除菌水を生成可能な任意の構成でよい。
【0029】
管路40上において、除菌装置54の下流には、切替弁56が設けられている。切替弁56の下流には、身体洗浄機能部58のノズル58aやノズル洗浄室58c、噴霧部60が設けられている。管路40は、切替弁56により、ノズル58aへ水を導く管路41、ノズル洗浄室58cへ水を導く管路42、および噴霧部60へ水を導く管路43に分岐している。切替弁56は、制御装置70からの指令に基づいて、管路41、管路42、および管路43のそれぞれの開閉を制御する。つまり、切替弁56は、ノズル58a、ノズル洗浄室58c、および噴霧部60への水の供給を制御する。また、切替弁56は、その下流に供給する水の流量を変更する。
【0030】
身体洗浄機能部58は、ノズル58a、ノズルモータ58b、ノズル洗浄室58c、およびノズルダンパ58dを有している。ノズル58aは、非使用時にはノズルダンパ58dの後方に位置して本体部12内に収納されている。そして、人体局部の洗浄時などにおいて、ノズル58aは、ノズルモータ58bからの駆動力を受け、本体部12に対して開閉可能なノズルダンパ58dを押圧して、便器100のボウル部101内に進出する。ノズルモータ58bは、制御装置70からの指令に基づいて駆動する。ノズル58aは、本体部12から前方へ進出した状態で、吐水口から水を吐出して、人体局部を洗浄する。ノズル洗浄室58cは、その内部に設けられた吐水口から除菌水あるいは水道水を噴射することにより、ノズル58aの外周表面(胴体)を洗浄する。
【0031】
噴霧部60は、便器100の内部(ボウル部101)と便座部14とのうち少なくとも一方にミストMを噴霧する。噴霧部60は、水道水または除菌装置54で生成された除菌水をミスト状にして、そのミストMをボウル部101、リム部102、および便座部14に噴霧する。換言すると、噴霧部60は、除菌水のミストMまたは水道水のミストMを、ボウル部101、リム部102、および便座部14に付着させる。
【0032】
制御装置70には、図示しない電源回路から電力を供給される回路が用いられる。制御装置70は、例えばマイコンなどの集積回路を含む。制御装置70は、使用者を検知する人体検知センサ22または着座検知センサ20の検知情報、手動操作部24の操作情報に基づいて、便座用モータ26、便蓋用モータ28、便座ヒータ30、送風装置32、温風ヒータ34、風向き変更部36、電磁弁50、除菌装置54、切替弁56、ノズルモータ58b、および噴霧部60を制御する。
【0033】
制御装置70は、人体検知センサ22の検知情報(使用者の存在の有無を示す信号)や、着座検知センサ20の検知情報(使用者の着座の有無を示す信号)を受信し、受信した検知情報に基づいて、便座装置10の各部の動作を制御する。
【0034】
制御装置70は、噴霧部60の動作を制御する。制御装置70は、例えばプレミストモード、アフターミストモード、定期ミストモード、および手動ミストモードを実行可能である。プレミストモードは、使用者のトイレ装置1の使用前に、人体検知センサ22の検知情報に基づいて、除菌水または水道水のミストMを自動で噴霧する動作モードである。アフターミストモードは、使用者のトイレ装置1の使用後に、人体検知センサ22の検知情報に基づいて、除菌水のミストMを自動で噴霧する動作モードである。定期ミストモードは、例えば便座装置10がトイレ装置1の不使用時間帯を学習制御して、除菌水のミストMを自動で噴霧する動作モードである。手動ミストモードは、手動操作部24の操作情報に基づいて、除菌水のミストMを噴霧する動作モードである。
【0035】
図4(a)~
図4(e)は、便座装置の本体部を示す平面図および斜視図である。
図4(a)に示すように、噴霧部60、ノズルダンパ58d、および送風ダンパ36aは、便座装置10が便器100の上部に設置された状態において、ボウル部101の後方上部に位置する。
図4(b)は、
図4(a)の一部を拡大して示している。なお、
図4(b)では、噴霧部60の前方に位置する本体部12の前壁部126を破断して、噴霧部60が収容される収納室121を表している。
図4(c)~
図4(e)は、噴霧部60、ノズルダンパ58dおよび送風ダンパ36aの周辺を拡大して表す斜視図である。
【0036】
ノズルダンパ58dは、本体部12の前壁12aに対して回動可能に軸支されている。ノズル58aは、本体部12の内部に後退している状態では、ノズルダンパ58dの後方に位置する。人体局部の洗浄時などにおいて、ノズル58aは、ノズルダンパ58dに当接し、ノズルダンパ58dを回動させて開き、本体部12の内部から進出する。
【0037】
送風ダンパ36aは、ノズルダンパ58dの左側方に位置して、本体部12の前壁12aに対して回動可能に軸支されている。送風ダンパ36aは、風向き変更部36の一部を構成している。送風ダンパ36aの後方には、送風装置32、温風ヒータ34、および風向き変更部36のルーバなどが配置されている。送風ダンパ36aは、本体部12の開口120を覆う。送風装置32から送られた空気は、風向き変更部36により風向きを制御された状態で開口120から便器100内へ送られる。
【0038】
図4(c)は、送風装置32が動作を停止した状態であり、
図4(d)および
図4(e)は、送風装置32が作動し、ボウル部101内に向けて送風している状態を示す。
図4(c)に示すように、送風が停止した状態においては、送風ダンパ36aは、閉じている。
図4(d)に示すように、送風装置32が作動すると、送風ダンパ36aは、送風装置32から送られる空気の圧力(風圧)により回動して開く。これにより、送風装置32は、例えば矢示Cのように、ボウル部101内の後方上部からボウル部101内の前方下部へ向けて送風する。
【0039】
図4(e)の状態においては、
図4(d)の状態に比べて、送風装置32が送る風量が多い(または風速が高い)。この場合には、送風ダンパ36aは、
図4(d)の状態に比べて、さらに回動して開く。これにより、送風装置32は、例えば矢示Dのように、ボウル部101内の後方上部からボウル部101内の前方上部へ向けて送風する。なお、送風ダンパ36aの後方に風向き変更部36を構成するルーバなどを設けて、このルーバの向きを可変とすることにより、風向きを左右方向に変更させてもよい。
【0040】
このように、送風装置32から送られる風の方向は、風向き変更部36(送風ダンパ36a)によって変化する。送風装置32は、風量(風速)によって送風方向を制御することができる。送風装置32からの送風によって生じる気流に、噴霧部60から噴霧されたミストMを乗せることで、ミストMが付着する範囲および各範囲におけるミストMの付着量(各範囲に付着する除菌水または水道水の量)を制御することができる。
【0041】
図5は、
図4(c)中の本体部と噴霧部とを矢示B-B方向からみた断面図である。
図6は、噴霧部の支持状態を模式的に示す模式図である。
図5及び
図6に表したように、噴霧部60は、モータ61と、回転体62と、回転軸63と、を有する。回転体62は、上下方向に延びる回転軸63を介してモータ61と接続されている。モータ61の回転は、例えば、制御装置70によって制御される。回転体62は、モータ61からの駆動力を受けることにより、回転軸63を中心に回転する。噴霧部60は、回転体62の上に水W(液体)を供給することによって、ミストMを噴霧する。
【0042】
なお、回転軸63は、必ずしも上下方向と平行である必要は無く、少なくとも上下方向に延びる成分を有していればよい。回転軸63は、上下方向に対して傾斜していてもよい。また、回転体62の駆動力は、モータ61から供給する構成に限ることなく、例えば、他の機器などから供給する構成などとしてもよい。モータ61は、必要に応じて設けられ、省略可能である。噴霧部60は、少なくとも上下方向に延びる回転軸63を中心に回転する回転体62を有していればよい。
【0043】
回転体62の上方には、管路43の給水口43aが設けられている。給水口43aから回転体62の上面に水W(水道水または除菌装置54で生成された除菌水)が供給される。モータ61が回転すると、回転の駆動力が回転体62に伝達され、回転体62が回転する。回転体62の回転中に、水Wを供給することで、回転体62は水Wをミスト状にして噴霧する。すなわち、噴霧部60は、回転体62の回転によりミストMを生成する回転霧化式となっている。
【0044】
なお、管路43の給水口43aは、1つに限らず、複数設けられていてもよい。例えば、複数の給水口43aを回転体62の外周に沿って略等間隔に配置することにより、噴霧部60の周囲において、ミストMの粒径や流量の偏りを抑え、均一な噴霧を行うことができる。
【0045】
回転体62は、例えば、円盤状のディスクである。
図5に示すように、回転体62は、例えば円錐形状からなり、水Wが滴下される上端側から下端側(径方向外側)に向けて下向きに傾斜する傾斜面62aを有している。回転体62は、傾斜面62aの径方向外側の端部62bからミストMを噴霧する。
【0046】
回転する回転体62の上面に滴下された水Wは、遠心力によって回転体62上で膜状に広がり、端部62bから放射される。これにより、回転体62は、鉛直方向(上下方向)よりも水平方向(左右方向)に広がるようにミストMを噴霧する。また、回転体62は、傾斜面62aを有することで、水平方向に対して下方に向けてミストMを噴霧する。
【0047】
ここで、水Wは、回転体62の端部62bから膜状のまま分裂したり、糸状となった後に分裂したりし、その後に微粒子(ミストM)となる。この噴霧部60では、回転体62の回転速度、すなわち、モータ61の回転速度によって、ミストMの粒径を制御することができる。この場合、回転速度が高い程、ミストMの粒径は小さくなる。例えば、回転速度が1000(rotation per minute:rpm)程度の低速回転、回転速度が10000rpm程度の中速回転または回転速度が20000rpm程度の高速回転が適宜用いられ、所望の粒径が得られる。また、噴霧部60では、例えば、管路43の給水口43aから噴霧部60に供給される水Wの流量を調整することによって、ミストMの粒径を制御することもできる。
【0048】
なお、粒径とは、ボウル部101および便座部14に付着する前の空中に存在する微粒子の粒径であり、例えばザウター平均粒径(総体積/総表面積)である。また、ミストMとは、粒径が10マイクロメートル(μm)以上300μm以下の範囲をいう。ミストMの粒径が10μm未満であると、ボウル部101、リム部102、便座部14などの対象部位を濡らすために長い時間が必要となってしまう。また、次亜塩素酸を含む除菌水を用いた場合、ミストMの粒径が10μm未満であると、ミストM中の次亜塩素酸の濃度が減衰しやすく、除菌性能が低下しやすい。一方、ミストMの粒径が300μmより大きいと、ミストMが拡散しにくく、広範囲にミストMを噴霧することが困難となる。
【0049】
なお、回転体62の形状は、円盤状に限ることなく、回転によってミストMを生成可能な任意の形状でよい。
【0050】
噴霧部60は、本体部12の内部に設けられている。噴霧部60は、便座装置10が便器100の上部に設置された状態において、便座部14よりも下方に配置され、便器100内に向けてミストMを噴霧する。ここで、噴霧部60が便座部14よりも下方に配置されている状態とは、噴霧部60の少なくとも一部(この例では回転体62)が便座部14よりも下方であることをいう。これにより、便座部14よりも下方から、便器100内に水道水または除菌水のミストMが噴霧される。
【0051】
本体部12は、噴霧部60を収納する収納室121を有する。収納室121は、噴霧部60の回転体62を収納する。収納室121は、少なくとも噴霧部60の回転体62を収納していればよく、必ずしも噴霧部60の全体を収納していなくてもよい。収納室121は、噴霧部60の少なくとも一部を収納する。但し、収納室121は、噴霧部60の全体を収納する構成でもよい。
【0052】
本体部12は、例えば、回転体62の下方を覆う底壁部122と、回転体62の側方及び後方を覆う側壁部123と、回転体62の上方を覆う上壁部124と、を有する。収納室121は、例えば、底壁部122と側壁部123と上壁部124とで構成される。このように、収納室121は、回転体62の上方、下方、後方、及び両側方を覆う。収納室121は、ミストMを前方に噴霧する開口125を前方に有する。収納室121は、換言すれば、回転体62の前方のみを開放する。
【0053】
本体部12は、例えば、収納室121の前方の一部を覆う前壁部126をさらに有する。前壁部126は、換言すれば、収納室121の開口125の前方の一部を覆う。また、本体部12は、ミストMを噴霧するための開口部128を有する。開口部128は、収納室121の前方の一部を開放させ、収納室121の内部の空間を本体部12の外部と連通させる。回転体62から噴霧されたミストMは、収納室121の開口125及び本体部12の開口部128を介して本体部12の外部に排出される。換言すれば、ミストMは、開口部128から便器100の内部又は便座部14に噴霧される。
【0054】
開口部128は、前壁部126と底壁部122との間に設けられている。開口部128は、例えば、前壁部126の下端126a側の一部を切り欠くことにより形成される。これにより、開口部128は、前壁部126の下端126aと底壁部122の前端122aとの間に位置して、ボウル部101の内部と収納室121との間を連通させる。
【0055】
前壁部126は、本体部12の前壁12aの一部を構成している。底壁部122は、本体部12の底板12b(ベースプレート)の一部を構成している。前壁部126と底壁部122とは、本体部12に一体的に設けられていてもよいし、本体部12とは別体で設けられていてもよい。
【0056】
開口部128は、噴霧部60の回転体62から噴霧されたミストMを便器100の内側(ボウル部101)に通過させるためのものである。開口部128は、ミストMが噴霧されない状態においても開口している。すなわち、開口部128は、開閉可能なカバー部などで閉塞されることなく、便器100の内側と収納室121との間を常時連通させている。これにより、収納室121の通気性がよくなるので、収納室121内の残水を効率よく乾燥させることができ、スケールが収納室121内に発生することを抑制することができる。
【0057】
図5に示すように、開口部128は、本体部12の下端側に設けられている。開口部128は、例えば、回転体62よりもΔLだけ下方に配置されている。これにより、前壁部126は、噴霧部60の前側の略全体を覆っているので、例えばボウル部101から跳ねた尿や汚水が開口部128から収納室121内に浸入してとしても、噴霧部60にかかってしまうことを抑制することができる。
【0058】
図4に示すように、開口部128は、鉛直方向(上下方向)よりも水平方向(左右方向)が長く形成された横長スリット形状となっている。これにより、前壁部126の前面126bを上側から下側(開口部128側)に伝わる尿や汚水を開口部128から収納室121内に浸入しにくくさせることができる。
【0059】
図5に示すように、底壁部122の上面122b(底壁)は、開口部128に向けて下降傾斜している。これにより、収納室121内に供給された水Wは、底壁部122の上面122bを伝わって開口部128からボウル部101内に排出させることができる。従って、底壁部122の上面122bに残水が発生するのを低減することができるので、収納室121にスケールや菌が繁殖するのを抑制することができる。
【0060】
回転体62は、開口部128よりも上方に位置している。回転体62の傾斜面62aは、例えば、前壁部126側において開口部128に向けて傾斜している。回転体62は、上面に滴下された水Wを、端部62bから開口部128に向かって横長状に噴霧する。これにより、開口部128の横長スリット形状に合わせた形状で端部62bからミストMが放射されるので、ミストMを効率よく開口部128から便器100内に向けて噴霧させることができる。また、開口部128の左右方向の幅は、回転体62の左右方向の幅(直径)よりも広い。これにより、横長状に噴霧されるミストMを効率よく開口部128から便器100内に向けて噴霧させることができる。
【0061】
噴霧部60のモータ61は、上壁部124の上に設けられている。換言すれば、モータ61は、収納室121の上方に設けられる。回転軸63は、上壁部124に設けられた貫通孔を介して上壁部124の上方から収納室121内に入り込む。回転体62は、回転軸63の下端に設けられる。これにより、回転体62を回転可能に収納室121内に配置することができる。但し、回転体62を配置する構成は、これに限ることなく、回転体62を回転可能に収納室121内に配置可能な任意の構成でよい。
【0062】
図7は、実施形態に係る便座装置の噴霧部及び収納室を模式的に表す断面図である。
図7は、
図5中の噴霧部と収納室とを矢示C-C方向からみた断面図である。
図7に表したように、収納室121は、後壁131と、側壁132、133と、底壁134と、を有する。
【0063】
後壁131は、回転体62よりも後方に位置する壁面である。換言すれば、後壁131は、回転体62の後方を覆う壁面である。側壁132は、回転体62の左右の一方の側方に位置する壁面である。換言すれば、側壁132は、回転体62の一方の側方を覆う壁面である。側壁133は、回転体62の左右の他方の側方に位置する壁面である。換言すれば、側壁133は、回転体62の他方の側方を覆う壁面である。底壁134は、回転体62の下方に位置する壁面である。換言すれば、後壁131は、回転体62の下方を覆う壁面である。
【0064】
図7に表したように、側壁部123は、例えば、略U字状に曲がった板状の部材である。後壁131及び側壁132、133は、側壁部123によって形成される。このように、後壁131及び側壁132、133は、一つの部材で構成される。但し、後壁131及び側壁132、133は、これに限ることなく、複数の板状の部材などを組み合わせて形成してもよい。底壁134は、底壁部122によって形成される。底壁134は、換言すれば、底壁部122の上面122bである。
【0065】
収納室121の後壁131は、回転体62の回転軸63を中心とする円に沿うように湾曲した湾曲部CPを有する。この例では、後壁131の略全体が、回転体62の回転軸63を中心とする円に沿うように湾曲した湾曲部CPである。換言すれば、後壁131は、回転体62の回転軸63を中心とする円に沿うように湾曲する。後壁131は、例えば、上面視において、回転軸63を中心とする円の同心円状に湾曲する。後壁131は、例えば、上面視において略半円状に湾曲する壁面である。ここで、半円状とは、必ずしも回転体62と同心円の真円でなくてもよい。後壁131は、排水が滑らかに伝わって排出できるように湾曲していればよい。
【0066】
側壁132、133は、後壁131と連続的に接続されている。側壁132は、段差や角部などを介することなく、後壁131の一端に連続的に接続されている。側壁133は、段差や角部などを介することなく、後壁131の他端に連続的に接続されている。
【0067】
側壁132は、例えば、半円状の後壁131の一端から、後壁131の一端の接線方向に直線状に延びる。これにより、段差や角部などを介することなく、後壁131の一端と側壁132とを連続的に接続することができる。同様に、側壁133は、例えば、半円状の後壁131の他端から、後壁131の他端の接線方向に直線状に延びる。これにより、段差や角部などを介することなく、後壁131の他端と側壁132とを連続的に接続することができる。
【0068】
また、開口125は、側壁132、133と連続的に接続されている。開口125は、段差や角部などを介することなく、側壁132、133と連続的に接続されている。
【0069】
側壁132は、例えば、半円状の後壁131の一端から底壁部122の前端122aまで、後壁131の一端の接線方向に直線状に延びる。これにより、後壁131の一端から底壁部122の前端122aまで、段差や角部などを有しない連続した壁面を形成することができる。換言すれば、側壁132は、後壁131の一端から開口125の一端まで段差や角部などを有しない連続面を形成する。同様に、側壁133は、例えば、半円状の後壁131の他端から底壁部122の前端122aまで、後壁131の他端の接線方向に直線状に延びる。換言すれば、側壁132は、後壁131の他端から開口125の他端まで段差や角部などを有しない連続面を形成する。
【0070】
なお、開口125は、必ずしも側壁132の全体と連続的に接続されていなくてもよい。例えば、側壁132の上端付近や下端付近においては、一部に段差状の部分や角状の部分があってもよい。開口125は、側壁132の少なくとも一部と連続的に接続されていればよい。同様に、開口125は、側壁133の少なくとも一部と連続的に接続されていればよい。
【0071】
回転体62よりも前方側の部分において、側壁132と側壁133との間の左右方向の距離DSは、回転体62の左右方向の幅(直径)以上である。換言すれば、回転体62よりも前方側の部分において、収納室121の左右方向の幅は、回転体62の左右方向の幅以上である。より詳しくは、側壁132と側壁133との間の左右方向の距離DSは、回転体62の位置から開口125の位置までの全体に亘って回転体62の左右方向の幅(直径)以上である。
【0072】
この例において、側壁132と側壁133との間の左右方向の距離DSは、回転体62の位置から開口125の位置まで実質的に一定である。側壁132と側壁133との間の左右方向の距離DSは、回転体62から開口125に向かう方向において広がるように変化させてもよいが、狭まるようには変化させないことが好ましい。
【0073】
以上、説明したように、本実施形態に係る便座装置10では、収納室121の後壁131が、回転軸63を中心とする円に沿うように湾曲した湾曲部CPを有する。これにより、
図7において実線の矢線で表したように、回転体62から回転成分を含むように放射状に噴射されて後壁131に衝突したミストMが、回転成分及び湾曲部CPの湾曲を利用して滑らかに前方側に排出されるようになる。このため、収納室121の後方側に水が残留してしまうことを抑制することができる。従って、噴霧部60を収納する収納室121内に残水が発生してしまうことを抑制可能な便座装置10を提供することができる。
【0074】
また、便座装置10では、側壁132、133が、後壁131と連続的に接続されていることにより、後壁131に沿って前方側に向かって流れる水FWを急減速させることなく滑らかに側壁132、133に沿わせることができる。これにより、収納室121内に残水が発生してしまうことをより確実に抑制することができる。
【0075】
また、便座装置10では、開口125が、側壁132、133と連続的に接続されていることにより、側壁132、133に沿って前方側に向かって流れる水FWを急減速させることなく開口125から前方に排出することができる。これにより、収納室121内に残水が発生してしまうことをより確実に抑制することができる。
【0076】
また、回転体62よりも前方側の部分において、側壁132と側壁133との間の左右方向の距離DSを、回転体62の左右方向の幅以上とすることにより、側壁132、133が、ミストMの噴霧の妨げとなることを抑制できるとともに、側壁132、133に沿って前方側に向かって流れる水FWを、より排出し易くすることができる。
【0077】
図8は、実施形態に係る便座装置の噴霧部及び収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。これは、以下の別の実施形態においても同様とする。
図8に表したように、この例では、収納室121の後壁131が、側壁132との接続部分に設けられた湾曲部CP、及び側壁133との接続部分に設けられた湾曲部CPの2つの湾曲部CPを有するとともに、2つの湾曲部CPの間に設けられた直線部SPを有する。すなわち、この例では、後壁131が、側壁132、133との角部を丸めるように湾曲させた形状に形成されている。
【0078】
このように、後壁131は、必ずしも全体を湾曲させる必要は無く、一部に直線状の部分を有していてもよい。湾曲部CPは、必ずしも一定の曲率で曲がる円状の湾曲でなくてもよい。湾曲部CPは、例えば、曲率が変化する曲面などでもよい。湾曲部CPは、少なくとも回転軸63を中心とする円に沿うように湾曲する任意の曲面でよい。
【0079】
後壁131に設けられる湾曲部CPの数は、1つ又は2つに限ることなく、3つ以上でもよい。後壁131の形状は、少なくとも1つの湾曲部CPを有し、後壁131に衝突したミストMを滑らかに前方側に排出させることが可能な任意の形状でよい。
【0080】
図9は、実施形態に係る便座装置の噴霧部及び収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
図9に表したように、この例では、側壁132、133が、湾曲して後壁131と接続されている。このように、側壁132、133は、必ずしも直線状に延びるものでなくてもよい。側壁132、133は、滑らかに湾曲する部分や浅い角度で屈曲する部分などを有していてもよい。
【0081】
側壁132、133は、例えば、側壁132と側壁133との間の左右方向の距離DSが急激に変化する段差などを有するものでなければ、湾曲や屈曲していてもよい。側壁132、133の形状は、側壁132と側壁133との間の左右方向の距離DSが、回転体62から開口125に向かって実質的に一定又は連続的に増加する形状であれば、任意の形状でよい。
【0082】
図10は、実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面斜視図である。
図11は、実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
図11は、
図10中の収納室を矢示D-D方向からみた断面図である。また、
図10及び
図11では、便宜的に噴霧部60の図示を省略している。
図10及び
図11に表したように、この例では、収納室121が、排水部141、142を有する。
【0083】
排水部141は、下方に開口し、ミストMの噴霧にともなって側壁132及び底壁134に沿って前方に流れる水FWを下方に落下させる。排水部141は、例えば、側壁132と接するように底壁134及び底壁部122に設けられた貫通孔状である。
【0084】
排水部142は、下方に開口し、ミストMの噴霧にともなって側壁133及び底壁134に沿って前方に流れる水FWを下方に落下させる。排水部142は、例えば、側壁133と接するように底壁134及び底壁部122に設けられた貫通孔状である。
【0085】
また、排水部141、142は、貫通孔状であるとともに、下方に向かって延びる筒状である。これにより、水FWをより確実に下方に落下させることができる。
【0086】
図7などに表したように、回転体62を時計回りに回転させた場合には、側壁133及び底壁134に沿って水FWが流れる。この場合には、水FWを排水部142から下方に落下させることができる。反対に、回転体62を反時計回りに回転させた場合には、側壁132及び底壁134に沿って水FWが流れる。この場合には、水FWを排水部141から下方に落下させることができる。
【0087】
このように、2つの排水部141、142を設けることにより、回転体62を時計回り及び反時計回りのどちらに回転させた場合でも、適切に水FWを下方に落下させることができる。但し、回転体62の回転方向が予め決まっている場合には、排水部141、142のいずれか一方のみを設けてもよい。
【0088】
図11に表したように、この例では、底壁134が、排水部142の後方側から排水部142に向かうに従って下方に下がり、側壁133及び底壁134に沿って前方に流れる水FWを排水部142にガイドするガイド部144を有する。
【0089】
ガイド部144は、例えば、排水部142の後方側から排水部142に向かって下降傾斜する傾斜面である。この例では、例えば、底壁134が、下降傾斜する傾斜面であり、底壁134自体が、ガイド部144として機能する。このため、底壁134は、排水部141の後方側から排水部141に向かうに従って下方に下がり、側壁132及び底壁134に沿って前方に流れる水FWを排水部141にガイドするガイド部としても機能する。
【0090】
なお、ガイド部144は、傾斜面に限ることなく、例えば、凹状又は凸状に湾曲した曲面状などでもよい。ガイド部144は、必ずしも底壁134の全体でなくてもよい。例えば、底壁134の一部を傾斜又は湾曲させることによって、底壁134の一部をガイド部144として機能させてもよい。
【0091】
この例では、側壁132、133及び底壁134に沿って前方に流れる水FWを開口125より手前で下方に落下させることができるため、側壁132、133及び底壁134に沿って前方に流れる非ミスト状の水FWが、開口125から噴霧されるミストMに干渉し、ミストMの量を低下させてしまうことを抑制することができる。従って、より効率良くミストMを便器100の内部又は便座部14に噴霧することができる。また、ミストMの噴霧時に多量の水FWが開口125(開口部128)から排出され、ミストMの噴霧の見栄えが低下してしまうことを抑制することもできる。
【0092】
また、この例では、底壁134が、排水部141、142の後方側から排水部141、142に向かうに従って下方に下がり、側壁132、133及び底壁134に沿って前方に流れる水FWを排水部141、142にガイドするガイド部144を有することにより、側壁132、133及び底壁134に沿って前方に流れる非ミスト状の水FWを、より排水部141、142から排出し易くすることができる。
【0093】
図12は、実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面斜視図である。
図12に表したように、この例では、収納室121が、側壁132及び側壁133と接するように、側壁132と側壁133との間に連続して底壁134及び底壁部122に設けられた1つの貫通孔状の排水部143を有している。
【0094】
このように、貫通孔状の排水部を設ける場合には、2つの排水部141、142を設けることなく、側壁132と側壁133との間に連続する1つの排水部143としてもよい。この場合にも、排水部141、142を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
【0095】
図13は、実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
図13に表したように、この例では、ガイド部144(底壁134)が、貫通孔状の排水部142との境界部分において傾きを大きくする面取り部144aを有している。この例では、曲面状の面取り部144aを示しているが、面取り部144aは、これに限ることなく、傾きを大きくする傾斜面状でもよい。
【0096】
そして、この例では、面取り部144aを設けたことにより、排水部142の前方側の上端142aが、ガイド部144の下端144bよりも高い位置に配置されている。
【0097】
このように、排水部142の前方側の上端142aを、ガイド部144の下端144bよりも高い位置に配置することにより、側壁133及び底壁134に沿って前方に流れる非ミスト状の水FWが、排水部142を飛び越えて開口125側に向かうことを抑制することができる。従って、側壁133及び底壁134に沿って前方に流れる非ミスト状の水FWを、より排水部142から排出し易くすることができる。
【0098】
なお、排水部142の前方側の上端142aを、ガイド部144の下端144bよりも高い位置に配置する構成は、面取り部144aに限ることなく、排水部142の前方側の上端142aを、ガイド部144の下端144bよりも高い位置に配置可能な任意の構成でよい。
【0099】
図14は、実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面斜視図である。
図14に表したように、2つの排水部141、142を設ける場合、排水部141、142は、貫通孔状に限ることなく、切り欠き状の形状としてもよい。排水部141、142の構成は、下方に開口し、ミストMの噴霧にともなって側壁132、133及び底壁134に沿って前方に流れる水FWを下方に落下させることが可能な任意の構成でよい。
【0100】
図15は、実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
図15に表したように、この例では、本体部12の下面12cが、広がり抑制部150を有する。広がり抑制部150は、排水部141、142の周囲に設けられ、排水部141、142から排出された水FWが本体部12の下面12cを伝って広がることを抑制する。本体部12の下面12cは、換言すれば、底壁部122の下面である。広がり抑制部150は、例えば、下面12cよりも上方に向かって凹む溝状である。
【0101】
図16は、実施形態に係る便座装置の変形例を模式的に表す底面図である。
図16に表したように、溝状の広がり抑制部150は、例えば、排水部141、142の後方及び側方を囲むように設けられる。また、広がり抑制部150は、排水部141、142の後方及び側方を囲み、底壁部122の前端122aまで連続して設けられる。広がり抑制部150は、換言すれば、開口125の周囲を囲むように設けられる。
【0102】
また、
図15に表したように、広がり抑制部150の排水部141、142の後方に位置する部分は、便器100のリム部102の後方側の上面103よりも前方に位置する。換言すれば、広がり抑制部150の排水部141、142の後方に位置する部分は、排水部141、142と便器100の上面103との間に位置する。これにより、下面12cを伝う水が、下面12cと便器100の上面103との間に入り込んでしまうことを抑制することができる。また、下面12cを伝う水の広がりを抑制した際に、下面12cを伝う水をボウル部101内に落下させることができる。
【0103】
このように、広がり抑制部150を設けることにより、排水部141、142から下方に排出された水FWが、本体部12の下面12cを伝って本体部12の下面12cの広い範囲を濡らしてしまうことなどを抑制することができる。
【0104】
図17は、実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
図17に表した、広がり抑制部152のように、広がり抑制部152は、溝状に限ることなく、例えば、下面12cよりも下方に向かって突出する突起状でもよい。突起状の広がり抑制部152の構成は、凹凸の違いを除いて、溝状の広がり抑制部150の構成と同様とすることができる。このような突起状の広がり抑制部152とした場合にも、溝状の広がり抑制部150と同様の効果を得ることができる。
【0105】
図18は、実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
図19は、実施形態に係る便座装置の収納室の変形例を模式的に表す断面図である。
図18及び
図19に表したように、この例では、本体部12の開口部128の左右方向の幅WD1が、収納室121の開口125の左右方向の幅WD2よりも狭い。また、この例では、底壁部122の前端122aが、前壁部126よりも後方に位置する。これにより、この例では、底壁部122の前端122aと前壁部126との間の空間が、下方に開口し、ミストMの噴霧にともなって側壁132、133及び底壁134に沿って前方に流れる水FWを下方に落下させる排水部160として機能する。このように、排水部160は、底壁部122と前壁部126との間の空間としてもよい。
【0106】
図19に表したように、この例においても、底壁134は、排水部142の後方側から排水部142に向かうに従って下方に下がり、側壁132、133及び底壁134に沿って前方に流れる水FWを排水部160にガイドするガイド部162を有する。上記と同様に、この例では、底壁134自体が、ガイド部162として機能する。
【0107】
ガイド部162(底壁134)は、排水部160との境界部分において傾きを大きくする面取り部162aを有している。前壁部126の下端126aは、ガイド部162の下端162b以下に配置される。すなわち、前壁部126の下端126aは、ガイド部162の下端162bと同じ高さ、もしくはガイド部162の下端162bよりも低い位置に配置される。
【0108】
このように、前壁部126の下端126aを、ガイド部162の下端162b以下に配置することにより、側壁132、133及び底壁134に沿って前方に流れる非ミスト状の水FWを、前壁部126の内側の面に当て、水FWを下方に落下させることができる。これにより、非ミスト状の水FWが、排水部160を飛び越えて開口部128から前方側に排出されてしまうことを抑制し、より排水部160から排出し易くすることができる。
【0109】
また、この例では、上記のように、本体部12の開口部128の左右方向の幅WD1が、収納室121の開口125の左右方向の幅WD2よりも狭い。これにより、側壁132、133に沿って前方に流れる非ミスト状の水FWも、前壁部126の内側の面に当てることができ、側壁132、133を沿う非ミスト状の水FWも、より下方に落下させ易くすることができる。
【0110】
従って、この例では、非ミスト状の水FWが、開口125から噴霧されるミストMに干渉し、ミストMの量を低下させてしまうことをより抑制することができる。また、ミストMの噴霧時に多量の水FWが開口125(開口部128)から排出され、ミストMの噴霧の見栄えが低下してしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0111】
以上説明した実施形態に基づく便座装置として、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
【0112】
第1の態様は、便器の後方に配置される本体部と、前記本体部に回動可能に軸支される便座部と、前記便器の内部と前記便座部とのうち少なくとも一方にミストを噴霧する噴霧部と、前記噴霧部の動作を制御する制御装置と、を備え、前記本体部は、前記噴霧部を収納する収納室を有し、前記噴霧部は、上下方向に延びる回転軸を中心に回転する回転体を有し、前記回転体の上に液体を供給することによって前記ミストを噴霧し、前記収納室は、後壁と、側壁と、底壁と、を有し、前記収納室の前記後壁は、前記回転軸を中心とする円に沿うように湾曲した湾曲部を有することを特徴とする便座装置である。
【0113】
この便座装置によれば、収納室の後壁が、回転軸を中心とする円に沿うように湾曲した湾曲部を有する。これにより、回転体から回転成分を含むように放射状に噴射されて後壁に衝突したミストが、回転成分及び湾曲部の湾曲を利用して滑らかに前方側に排出されるようになる。このため、収納室の後方側に水が残留してしまうことを抑制することができる。従って、噴霧部を収納する収納室内に残水が発生してしまうことを抑制可能な便座装置を提供することができる。
【0114】
第2の態様は、第1の態様において、前記側壁は、前記後壁と連続的に接続されていることを特徴とする便座装置である。
【0115】
この便座装置によれば、後壁に沿って前方側に向かって流れる水を急減速させることなく滑らかに側壁に沿わせることができる。これにより、収納室内に残水が発生してしまうことをより確実に抑制することができる。
【0116】
第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記収納室は、前記ミストを前方に噴霧する開口を前方に有し、前記開口は、前記側壁と連続的に接続されていることを特徴とする便座装置である。
【0117】
この便座装置によれば、側壁に沿って前方側に向かって流れる水を急減速させることなく開口から前方に排出することができる。これにより、収納室内に残水が発生してしまうことをより確実に抑制することができる。
【0118】
第4の態様は、第1~第3のいずれか1つの態様において、前記収納室は、下方に開口し、前記ミストの噴霧にともなって前記側壁及び前記底壁に沿って前方に流れる水を下方に落下させる排水部を有することを特徴とする便座装置である。
【0119】
この便座装置によれば、側壁及び底壁に沿って前方に流れる水を開口より手前で下方に落下させることができるため、側壁及び底壁に沿って前方に流れる非ミスト状の水が、開口から噴霧されるミストに干渉し、ミストの量を低下させてしまうことを抑制することができる。従って、より効率良くミストを便器の内部又は便座部に噴霧することができる。また、ミストの噴霧時に多量の水が開口から排出され、ミスト噴霧の見栄えが低下してしまうことを抑制することもできる。
【0120】
第5の態様は、第4の態様において、前記底壁は、前記排水部の後方側から前記排水部に向かうに従って下方に下がり、前記側壁及び前記底壁に沿って前方に流れる前記水を前記排水部にガイドするガイド部を有することを特徴とする便座装置である。
【0121】
この便座装置によれば、底壁が、排水部の後方側から排水部に向かうに従って下方に下がり、側壁及び底壁に沿って前方に流れる水を排水部にガイドするガイド部を有することにより、側壁及び底壁に沿って前方に流れる非ミスト状の水を、より排水部から排出し易くすることができる。
【0122】
第6の態様は、第5の態様において、前記排水部は、下方に開口する貫通孔状であり、前記排水部の前方側の上端は、前記ガイド部の下端よりも高い位置に配置されていることを特徴とする便座装置である。
【0123】
この便座装置によれば、側壁及び底壁に沿って前方に流れる非ミスト状の水が、排水部を飛び越えて開口側に向かうことを抑制することができる。従って、側壁及び底壁に沿って前方に流れる非ミスト状の水を、より排水部から排出し易くすることができる。
【0124】
第7の態様は、第4~第6のいずれか1つの態様において、前記本体部の下面は、前記排水部の周囲に設けられ、前記排水部から排出された水が前記本体部の前記下面を伝って広がることを抑制する突起状又は溝状の広がり抑制部を有することを特徴とする便座装置である。
【0125】
この便座装置によれば、排水部から下方に排出された水が、本体部の下面を伝って本体部の下面の広い範囲を濡らしてしまうことなどを抑制することができる。
【0126】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便器、便座装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0127】
1 トイレ装置、 10 便座装置、 12 本体部、 12a 前壁、 12b 底壁、 14 便座部、 14a 座面、 14b 裏面、 16 便蓋、 20 着座検知センサ、 22 人体検知センサ、 24 手動操作部、 26 便座用モータ、 28 便蓋用モータ、 30 便座ヒータ、 32 送風装置、 34 温風ヒータ、 36 風向き変更部、 36a 送風ダンパ、 40,41,42,43 管路、 43a 給水口、 50 電磁弁、 52 バキュームブレーカ、 54 除菌装置、 56 切替弁、 58 身体洗浄機能部、 58a ノズル、 58b ノズルモータ、 58c ノズル洗浄室、 58d ノズルダンパ、 60 噴霧部、 61 モータ、 62 回転体、 63 回転軸、 70 制御装置、 100 便器、 101 ボウル部、 102 リム部、 103 上面、 104 内壁面、 120 開口、 121 収納室、 122 底壁部、 123 側壁部、 124 上壁部、 125 開口、 126 前壁部、 128 開口部、 131 後壁、 132 側壁、 133 側壁、 134 底壁、 141 排水部、 142 排水部、 143 排水部、 144 ガイド部、 150 広がり抑制部、 152 広がり抑制部、 160 排水部、 162 ガイド部、 M ミスト、 FW 水