(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/264 20210101AFI20231026BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20231026BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20231026BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20231026BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20231026BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20231026BHJP
H01G 11/10 20130101ALI20231026BHJP
【FI】
H01M50/264
H01M50/262 S
H01M50/209
H01M50/291
H01M50/204 401H
H01M50/262 P
H01G11/78
H01G11/10
(21)【出願番号】P 2020525821
(86)(22)【出願日】2019-06-21
(86)【国際出願番号】 JP2019024701
(87)【国際公開番号】W WO2019245029
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-04-05
(31)【優先権主張番号】P 2018118854
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】西村 洋介
(72)【発明者】
【氏名】長縄 伸之
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 健太
(72)【発明者】
【氏名】歳岡 芳昌
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-170258(JP,A)
【文献】国際公開第2017/104535(WO,A1)
【文献】特開2009-087773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/20-50/298
H01G11/00-11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置であって、
第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
前記複数の蓄電素子に沿って配置されるフレームと、
を備え、
前記複数の蓄電素子は、それぞれ、前記第一方向と直交する第二方向に向いた外面を有し、
前記フレームは、
導電性を有する接続部材とインシュレータとを備えると共に、
前記外面に沿って前記第一方向に延びる第一部位と、
前記第一部位の少なくとも一部から、前記蓄電装置が設置される対向面に向けて前記第二方向に延びる第二部位と、を有
し、
前記第一部位は、前記接続部材における前記複数の蓄電素子に沿って延びる第一延設部と、前記インシュレータにおける前記第一延設部の前記外面を向いた面を覆う第一被覆部と、によって構成され、
前記第二部位は、前記接続部材における前記第一延設部から前記対向面に向けて延びる第二延設部と、前記インシュレータにおける前記第一被覆部から前記対向面に向け且つ前記第二延設部に沿って延びる第二被覆部と、によって構成され、
前記第二部位では、前記第二被覆部が前記第二延設部に対し、前記第一方向及び前記第二方向のそれぞれと直交する第三方向における該蓄電装置の中心側に配置されている、ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
蓄電装置であって、
第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
前記複数の蓄電素子に沿って配置されるフレームと、
前記複数の蓄電素子のうち前記第一方向に隣り合う二つの蓄電素子の間、又は、前記第一方向の最も端の蓄電素子と該蓄電素子に対して該第一方向に並ぶ部材との間に配置される隣接部材であって、隣接する蓄電素子との間に該蓄電素子の温度調整用の流体が流通可能な流路を形成する隣接部材と、
を備え、
前記複数の蓄電素子は、それぞれ、前記第一方向と直交する第二方向に向いた外面を有し、
前記フレームは、前記第一方向及び前記第二方向のそれぞれと直交する
第三方向における前記複数の蓄電素子の両側に配置され、
各フレームは、
前記外面に沿って前記第一方向に延びる第一部位と、
前記第一部位の少なくとも一部から、前記蓄電装置が設置される対向面に向けて前記第二方向に延びる第二部位と、を
それぞれ有
し、
前記各フレームの第二部位は、前記対向面と共に、前記流路に前記流体を案内する案内流路を区画する、ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項3】
前記第二部位は、前記第一部位の前記第一方向における全域から、前記対向面に向けて前記第二方向に延びている、請求項1
又は請求項2記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記フレームは、前
記第三方向に並ぶように、一対設けられている、請求項1
に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記複数の蓄電素子のうち最も端に位置する蓄電素子の外側で該蓄電素子と前記第一方向において並ぶ終端部材、
を備え、
前記終端部材は、
前記第一方向から見て、前記最も端に位置する蓄電素子と対向する本体部と、
前記本体部から少なくとも前記第二部位の先端まで前記第二方向に延びる延出部と、を有する、請求項1~請求項
4のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記フレームは、導電性を有する接続部材と、インシュレータとを備え、
前記複数の蓄電素子と前記接続部材との間に前記インシュレータが配置される、請求項
2に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定方向に並んだ複数の蓄電素子と該複数の蓄電素子に沿って配置されたフレームとを備えた蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定方向に並んだ複数の蓄電素子と該複数の蓄電素子に沿って配置されたフレームとを備えたバッテリシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的に、このバッテリシステムは、
図8に示すように、積層された複数の電池セル102と、複数の電池セル102の両端に配置された一対のエンドプレート140と、複数の電池セル102の両側面に配置された連結バー143と、を備える。連結バー143は、帯状であり、電池セル102の積層方向における両端を内側に折曲して設けた折曲片をエンドプレート140に固定している。これにより、複数の電池セル102が積層状態に固定される。
【0003】
ところで、バッテリシステム(蓄電装置)が設置される場合に、電池セル102がこの電池セル102の底面と対向する対向面から離れた状態でバッテリシステム(蓄電装置)の両端が固定されると、バッテリシステムにおける両端の間に位置する中央部分が、バッテリシステムの両端と比べて沈む、即ち、バッテリシステムが撓んでしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本実施形態では、複数の蓄電素子を備える蓄電装置が設置されたときに、蓄電素子の並び方向と直交する方向を向いた蓄電素子の外面と対向する対向面から蓄電素子が離れた状態で蓄電装置の両端が固定されても、撓み難い蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の蓄電装置は、
第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
前記複数の蓄電素子に沿って配置されるフレームと、
を備え、
前記複数の蓄電素子は、それぞれ、前記第一方向と直交する第二方向に向いた外面を有し、
前記フレームは、
前記外面に沿って前記第一方向に延びる第一部位と、
前記第一部位の少なくとも一部から、前記蓄電装置が設置される対向面に向けて前記第二方向に延びる第二部位と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る蓄電装置の斜視図である。
【
図3】
図3は、前記蓄電装置が設置面に配置された状態を説明するための側面図である。
【
図6】
図6は、変形例に係る蓄電装置におけるフレームの側面図である。
【
図7】
図7は、変形例に係る蓄電装置におけるフレームの側面図である。
【
図8】
図8は、従来の蓄電装置を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態の蓄電装置は、
第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
前記複数の蓄電素子に沿って配置されるフレームと、
を備え、
前記複数の蓄電素子は、それぞれ、前記第一方向と直交する第二方向に向いた外面を有し、
前記フレームは、
前記外面に沿って前記第一方向に延びる第一部位と、
前記第一部位の少なくとも一部から、前記蓄電装置が設置される対向面に向けて前記第二方向に延びる第二部位と、を有する。
【0009】
かかる構成によれば、蓄電装置を設置したときに、蓄電素子の外面と間隔をあけた状態で対向する対向面に向けて第一部位から第二部位が延びているため、蓄電装置が撓んだとき又は撓もうとしたときに第二部位が対向面に当接することで蓄電装置が支持され、これにより蓄電装置の撓みが抑えられる。即ち、蓄電装置が撓みにくくなる。
【0010】
前記蓄電装置では、
前記第二部位は、前記第一部位の前記第一方向における全域から、前記対向面に向けて前記第二方向に延びてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、第二部位が第一方向における広い範囲で蓄電装置を支持できるため、蓄電装置がより撓み難い。しかも、第一方向において延びる第一部位の第一方向の全域において該第一方向と直交する方向(第二方向)に延びる第二部位が連続しているため、フレームの剛性も確保でき、蓄電装置がより撓みにくくなる。
【0012】
前記蓄電装置では、
前記フレームは、前記第一方向及び前記第二方向と直交する第三方向に並ぶように、一対設けられてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、フレームが第三方向に並ぶように一対設けられるため、第二部位が第三方向に間隔をあけた複数箇所において蓄電装置を支持することにより、蓄電素子の第一方向と直交する面に沿った蓄電装置のがたつきや揺れを抑えることができる。
【0014】
前記蓄電装置では、
前記複数の蓄電素子のうち最も端に位置する蓄電素子の外側で該蓄電素子と前記第一方向において並ぶ終端部材、
を備え、
前記終端部材は、
前記第一方向から見て、前記最も端に位置する蓄電素子と対向する本体部と、
前記本体部から少なくとも前記第二部位の先端まで前記第二方向に延びる延出部と、を有してもよい。
【0015】
かかる構成によれば、終端部材の延出部を所定の面に固定することで、各蓄電素子が対向面と間隔をあけた状態で蓄電装置を固定できる、即ち、他の部材等を用いることなく、蓄電装置単体で、各蓄電素子が対向面から離れた状態で該蓄電装置を設置(固定)できる。
【0016】
前記蓄電装置では、
前記フレームは、導電性を有する接続部材と、インシュレータとを備え、
前記複数の蓄電素子と前記接続部材との間に前記インシュレータが配置されてもよい。
【0017】
かかる構成によれば、蓄電素子と導電性を有する接続部材との間にインシュレータが配置されることで絶縁を図ることができる。
【0018】
以上より、本実施形態によれば、複数の蓄電素子を備える蓄電装置が設置されたときに、蓄電素子の並び方向と直交する方向を向いた蓄電素子の外面と対向する対向面から蓄電素子が離れた状態で蓄電装置の両端が固定されても、撓み難い蓄電装置を提供することができる。
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図5を参照しつつ説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
【0020】
蓄電装置は、
図1及び
図2に示すように、所定方向に並ぶ複数の蓄電素子2と、複数の蓄電素子2に沿って配置されるフレーム7と、を備える。本実施形態の蓄電装置1は、所定方向において蓄電素子2と隣り合う隣接部材3と、複数の蓄電素子2の両側に配置される一対の終端部材40と、異なる蓄電素子2同士を導通可能に接続するバスバ6と、複数の蓄電素子2の入出力を行う外部入出力用端子49と、を備える。尚、本実施形態のフレーム7は、一対の終端部材40と共に、複数の蓄電素子2を保持する保持部材4を構成する。
【0021】
複数の蓄電素子2のそれぞれは、一次電池、二次電池、キャパシタ等である。本実施形態の蓄電素子2は、充放電可能な非水電解質二次電池である。より具体的には、蓄電素子2は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この蓄電素子2は、いわゆる角型のリチウムイオン二次電池である。
【0022】
複数の蓄電素子2のそれぞれは、電極体と、電極体を電解液と共に収容するケース21と、少なくとも一部がケース21の外側に露出する外部端子22と、を有する(
図2参照)。
【0023】
ケース21は、開口を有するケース本体211と、ケース本体211の開口を塞ぐ(閉じる)板状の蓋板216と、を有する。本実施形態のケース本体211は、有底角筒状であり、ケース21は、扁平な直方体形状である。ケース本体211は、矩形板状の閉塞部212と、閉塞部212の周縁に接続される筒状の胴部(周壁)213と、を備える。胴部213は、偏平な角筒形状を有する。この胴部213は、閉塞部212の周縁における長辺から延びる一対の長壁部214と、閉塞部212の周縁における短辺から延びる一対の短壁部215とを有する。短壁部215が一対の長壁部214の対応する端部同士をそれぞれ接続することによって、扁平な角筒状の胴部213が形成される。蓋板216は、ケース本体211の開口を塞ぐ矩形板状の部材である。この蓋板216には、一対の外部端子22が間隔をあけて配置されている。
【0024】
本実施形態の蓄電装置1では、複数の蓄電素子2は、ケース21(ケース本体211)の長壁部214同士を互いに対向させた状態で並んでいる。
【0025】
以下では、複数の蓄電素子2が並ぶ所定方向(第一方向)を直交座標系のX軸とし、ケース本体211の短壁部215が対向する方向(第三方向)を直交座標系のY軸とし、閉塞部212の外面の向く方向(第二方向)を直交座標系のZ軸とする。
【0026】
また、本実施形態の蓄電装置1は、
図3~
図5に示すように、設置面S1に設置される。本実施形態の設置面S1は、蓄電装置1が設置された状態において、複数の蓄電素子2の外面(例えば、閉塞部212の外面)が間隔をあけた状態で対向する対向領域(対向面)S2と、蓄電装置1のX軸方向における両端が固定される設置領域S3と、を含む。本実施形態の設置面S1は、水平面である。
【0027】
隣接部材3は、X軸方向に隣り合う二つの蓄電素子2の間(例えば、各蓄電素子2の間のそれぞれ)、又は、X軸方向の最も端の蓄電素子2と該蓄電素子2に対してX軸方向に並ぶ部材(本実施形態の例では、保持部材4の一部)との間に配置される(
図2参照)。この隣接部材3は、樹脂等の絶縁性を有する部材によって構成される。また、隣接部材3は、隣接する蓄電素子2との間に該蓄電素子2の温度調整用の流体が流通可能な流路35を複数形成する(
図5参照)。本実施形態の複数の流路35のうちの少なくとも一つの流路35は、Z軸方向における隣接部材3の他方側の端部位置(蓄電素子2の閉塞部212と対応する位置)に形成される開口(入口)35aから、Y軸方向における隣接部材3の一方側及び他方側の端部位置(蓄電素子2の各短壁部215と対応する位置)に形成される開口(出口)35bまで延びている。この流路35は、長手方向の途中位置において曲がっている。
【0028】
保持部材4は、複数の蓄電素子2と複数の隣接部材3との周囲を囲むことにより、これら複数の蓄電素子2及び複数の隣接部材3をひとまとめに保持する(
図1参照)。また、保持部材4は、X軸方向において複数の蓄電素子2の両側に配置される一対の終端部材40と、X軸方向に沿って配置されるフレーム7と、を含む。
【0029】
一対の終端部材40のそれぞれは、X軸方向の端に配置された蓄電素子2との間に隣接部材3を挟み込むように配置される(
図2参照)。換言すると、複数の蓄電素子2のうち最も端に位置する蓄電素子2の外側で該蓄電素子2とX軸方向において並ぶ。これら一対の終端部材40のそれぞれは、Y-Z面(Y軸とZ軸とを含む面)に沿って広がり且つX軸方向から見て蓄電素子2と重なる部位である終端部材本体(本体部)41と、終端部材本体41から延びる延設部(延出部)42と、を有する。
【0030】
終端部材本体41は、X軸方向から見て最も端に位置する蓄電素子2と対向する部位である。本実施形態の終端部材本体41は、蓄電素子2と対応した矩形状の部位である。
【0031】
延設部42は、終端部材本体41からZ軸方向に沿って延びる部位である。本実施形態の延設部42は、矩形状の終端部材本体41における蓄電素子2の閉塞部212と対応する辺41AからZ軸方向に沿って延びると共に、Z軸方向における他方側ほどX軸方向の外側に広がるように延びる部位である。そのため、本実施形態の延設部42のZ軸方向における他方側に位置する端縁は、蓄電素子2の閉塞部212よりZ軸方向における他方側に位置する(
図3~
図5参照)。
【0032】
本実施形態の終端部材40は、Y軸方向に間隔をあけて配置される二つの延設部42を有する。二つの延設部42は、それぞれ、Z軸方向に貫通する穴420を有する(
図1参照)。例えば、この穴420にボルト421が挿通された状態で、該ボルト421が設置領域S3に設けられたネジ穴に螺入されることで、二つの延設部42が設置領域S3に固定され、これにより、蓄電装置1のX軸方向における両端(終端部材本体41)が設置領域S3からZ軸方向において離れた状態で、蓄電装置1は設置領域S3に固定される(
図3~
図5参照)。
【0033】
フレーム7は、例えば、複数の蓄電素子2に沿って配置される接続部材43と、接続部材43と複数の蓄電素子2との間に配置されるインシュレータ5と、を含む(
図1参照)。本実施形態のフレーム7では、接続部材43の材質は、インシュレータ5の材質と異なる。また、本実施形態のフレーム7では、接続部材43は、インシュレータ5と別体である。
【0034】
接続部材43は、例えば、金属等の導電性を有する部材によって構成されている。本実施形態の接続部材43は、終端部材40と別体であり、固定部材45により終端部材40に固定(連結)される。本実施形態の蓄電装置1では、一対の接続部材43が、Y軸方向に並ぶように設けられると共に、一対の終端部材40におけるY軸方向の両方の端部同士を接続している。
【0035】
一対の接続部材43は、Y軸方向において複数の蓄電素子2の両側に配置される(
図2参照)。これら一対の接続部材43のそれぞれは、複数の蓄電素子2に沿って配置される。また、一対の接続部材43のそれぞれは、複数の蓄電素子2のそれぞれの短壁部215に沿ってX軸方向に延びる接続部材本体44と、複数の蓄電素子2のそれぞれの閉塞部212に沿って延びる第一延設部46と、第一延設部46からZ軸方向に沿って延びる第二延設部47と、を有する。さらに、一対の接続部材43のそれぞれは、接続部材本体44のX軸方向の各端部から終端部材40におけるX軸方向の外側を向いた面に沿ってY軸方向に延びる被連結部48を有する。
【0036】
接続部材本体44は、Z軸方向に間隔をあけてそれぞれがX軸方向に延びる一対の梁部441と、それぞれがZ軸方向に延び且つ一対の梁部441の対応する(Z軸方向に対向する)端部同士を接続する一対の端部接続部442と、それぞれがZ軸方向に延び且つ一対の梁部441のX軸方向の途中位置におけるZ軸方向に対向する部位同士を接続する複数の中間接続部443と、を有する。複数の中間接続部443は、X軸方向に間隔をあけて配置されている。換言すると、接続部材本体44は、複数の蓄電素子2の短壁部215を覆うと共に、Y軸方向に貫通する複数の窓(開口部)が設けられた部位である。
【0037】
一対の梁部441は、蓄電素子2の蓋板216と短壁部215とによって構成されるケース21の第一角部21Aに沿って延びる第一梁部441Aと、蓄電素子2の閉塞部212と短壁部215とによって構成されるケース21の第二角部21Bに沿って延びる第二梁部441Bと、によって構成される(
図4、
図5参照)。
【0038】
第一梁部441Aは、各蓄電素子2のケース21の第一角部21Aにおける蓋板216に沿ってX軸方向に延びる第一部位4411と、各蓄電素子2のケース21の第一角部21Aにおける短壁部215に沿ってX軸方向に延びる第二部位4412と、を有する。この第一梁部441AのY-Z面に沿った断面形状は、L字状である。
【0039】
第二梁部441Bは、各蓄電素子2のケース21の第二角部21Bにおける短壁部215に沿ってX軸方向に延びる。
【0040】
本実施形態の第一延設部46は、接続部材本体44のZ軸方向の他方側の端部(例えば、第二梁部441BのZ軸方向の他方側の端部)からY軸方向における内側に延びると共に、X軸方向にも延びる(
図2参照)。また、本実施形態の第一延設部46は、接続部材本体44のZ軸方向の他方側の端部のX軸方向における全域から延びている。さらに、本実施形態の蓄電装置1では、第一延設部46がY軸方向において一対の接続部材43にそれぞれ設けられると共に、一対の接続部材43が複数の蓄電素子2のY軸方向における両側に配置されているため、一対の第一延設部46は、蓄電素子2の閉塞部212のうちY軸方向における両端部(Y軸方向における両外側に配置された端部)を被覆する(
図4、
図5参照)。
【0041】
第二延設部47は、第一延設部46のX軸方向における少なくとも一部から、Z軸方向に沿って延びる(
図2参照)。尚、第二延設部47がZ軸方向に沿って延びるとは、第二延設部47の延出方向がZ軸方向成分を含んでいることをいう。本実施形態の第二延設部47は、第一延設部46のX軸方向における全域から、Z軸方向における他方側まで延びている。また、本実施形態の第二延設部47は、第一延設部46に連続し且つZ軸方向に対して傾斜した状態でZ軸方向に沿って延びる傾斜部位470と、傾斜部位470に連続し且つZ軸方向に対して平行に延びる平行部位471と、を含む。本実施形態の傾斜部位470は、Z軸方向における他方側に位置する部位ほどY軸方向における内側に位置するよう傾斜している(
図4、
図5参照)。また、傾斜部位470は平板状である。本実施形態の平行部位471のZ軸方向における先端は、終端部材40の延設部42の先端(Z軸方向における他方側に位置する先端)よりZ軸方向において内側(一方側)に位置している。
【0042】
インシュレータ5は、絶縁性を有し、接続部材43と複数の蓄電素子2との間に配置される(
図2参照)。また、インシュレータ5は、Y軸方向において複数の蓄電素子2の両側に一対配置される。これら一対のインシュレータ5のそれぞれは、複数の蓄電素子2に沿って配置される。さらに、一対のインシュレータ5のそれぞれは、接続部材43における少なくとも複数の蓄電素子2と対向する領域を覆う。具体的に、各インシュレータ5は、接続部材本体44における各蓄電素子2を向いた面を覆う本体被覆部50と、本体被覆部50から複数の蓄電素子2のそれぞれの閉塞部212に沿って延びる第一被覆部(第一部位)51と、第一被覆部51からZ軸方向に沿って延びる第二被覆部(第二部位)52と、を有する。
【0043】
一対の本体被覆部50は、一対の梁部441と蓄電素子2との間の絶縁を図る一対の梁部被覆部53と、一対の端部接続部442と蓄電素子2との絶縁を図る一対の端部被覆部54と、複数の中間接続部443と蓄電素子2との絶縁を図る複数の中間被覆部55と、を有する。各被覆部53、54、55は、接続部材43の梁部441、端部接続部442、中間接続部443と対応する形状を有する。
【0044】
一対の梁部被覆部53のうちの第一梁部441Aを被覆する梁部被覆部である蓋板側被覆部53Aは、第一梁部441Aの内側(蓄電素子2側)において、第一部位4411と第二部位4412との境界位置からY軸方向の内側に向けて延びると共にX軸方向に延びることで、第一部位4411における蓋板216側を向いた面を覆う第一内側部531と、第一内側部531のY軸方向の先端(Y軸方向の内側の端)からZ軸方向の一方側に延びると共にX軸方向に延びることで、第一部位4411のY軸方向の先端面を覆う第二内側部532と、第一内側部531のY軸方向の外側の端(第一部位4411と第二部位4412との境界位置)からZ軸方向の他方側に延びると共にX軸方向において延びることで、第二部位4412における短壁部215側を向いた面を覆う第三内側部533と、を有する。一対の梁部被覆部53のうちの第二梁部441Bを被覆する梁部被覆部である閉塞部側被覆部53Bは、第二梁部441Bの内側(蓄電素子2側)においてZ軸方向に延びる第四内側部534等を有する。
【0045】
一対の端部被覆部54のそれぞれは、Z軸方向に延び且つ端部接続部442における蓄電素子2側を向いた面を覆う。複数の中間被覆部55のそれぞれは、Z軸方向に延び且つ中間接続部443における蓄電素子2側を向いた面を覆う(
図2参照)。
【0046】
第一被覆部51は、接続部材43における各蓄電素子2の閉塞部212を向いた面を覆う部位である。具体的に、第一延設部46における各蓄電素子2の閉塞部212を向いた面を覆う部位である。また、第一被覆部51は、本体被覆部50のZ軸方向における端部と連続すると共に、Y軸方向に沿って延びている。(
図2、
図4、
図5参照)。本実施形態の第一被覆部51は、本体被覆部50(例えば、第四内側部534)のZ軸方向の他方側の端部のX軸方向における全域から延びている(
図4、
図5参照)。また、本実施形態の第一被覆部51は、蓄電素子2の閉塞部212のうちY軸方向における外側に位置する端部を被覆する。尚、本実施形態の蓄電装置1では、第一被覆部51が、Y軸方向において一対のインシュレータ5にそれぞれ設けられるため、一対の第一被覆部51は、蓄電素子2の閉塞部212のうちY軸方向における両端部を被覆する。
【0047】
第二被覆部52は、第二延設部47におけるZ軸方向の内側を向いた面を覆う部位である。また、第二被覆部52は、第一被覆部51のY軸方向における端部と連続すると共に、Z軸方向に沿って延びる。さらに、第二被覆部52は、第一被覆部51のX軸方向における少なくとも一部から、Z軸方向に沿って延びる。本実施形態の第二被覆部52は、第一被覆部51のX軸方向における全域から、Z軸方向における他方側まで延びている(
図2参照)。また、本実施形態の第二被覆部52は、終端部材40の延設部42の先端(Z軸方向における他方側に位置する先端)よりもZ軸方向における一方側の位置まで延びている(
図4、
図5参照)。さらに、本実施形態の第二被覆部52は、第一被覆部51に連続し且つZ軸方向に対して傾斜した状態でZ軸方向に沿って延びる傾斜部位520と、傾斜部位520に連続し且つZ軸方向に対して平行に延びる平行部位521と、平行部位521に連続し且つY軸方向における両側に延びる先端部位522と、を有する。本実施形態の第二被覆部52は、設置面S1(対向領域S2)と共に、X軸方向において各流路35に流体を案内する案内流路38を区画している。
【0048】
傾斜部位520は、第二延設部47の傾斜部位470のZ軸方向における一方側を向いた面を被覆している。本実施形態の傾斜部位520は、Z軸方向における他方側に位置する部位ほどY軸方向における内側に位置するよう傾斜している。また、傾斜部位520は平板状である。平行部位521は、第二延設部47の平行部位471のY軸方向における内側の面を被覆している。先端部位522は、平行部位521のZ軸方向における外側(他方側)の端縁から延びている。また、先端部位522は、第二延設部47の平行部位471の先端面(例えば、Z軸方向における他方側を向いた面)を被覆している。さらに、先端部位522の延出側の端面(先端面)は平坦な面である。本実施形態の先端部位522が、蓄電素子2の閉塞部212が対向領域S2から離れた状態で蓄電装置1のX軸方向における両端(一対の終端部材40)が設置領域S3に固定された状態において、先端部位522は対向領域S2に当接している(
図3~
図5参照)。尚、本実施形態の先端部位522は、対向領域S2に対して間接に当接している。具体的には、シール部材8を介して対向領域S2に対して間接に当接している。シール部材8の材質は、例えば、インシュレータ5の材質よりも柔らかい。
【0049】
本実施形態では、フレーム7は、接続部材43の第一延設部46とインシュレータ5の第一被覆部51とで第一部位を構成し、接続部材43の第二延設部47とインシュレータ5の第二被覆部52とで第二部位を構成する。
【0050】
以上の保持部材4では、終端部材40の延設部42は、少なくともインシュレータ5の第二被覆部52の先端(先端部位522)まで延びる。本実施形態の保持部材4では、延設部42は、第二被覆部52の先端(先端部位522)よりZ軸方向における他端側の位置まで延びる。
【0051】
バスバ6は、金属等の導電性を有する板状の部材である(
図1参照)。バスバ6は、蓄電素子2の外部端子22同士、又は、蓄電素子2の外部端子22と外部入出力用端子49とを導通させる。バスバ6は、蓄電装置1において複数(複数の蓄電素子2の数及び外部入出力用端子49の数と対応する数)設けられる。本実施形態の複数のバスバ6は、蓄電装置1に含まれる複数の蓄電素子2の全てを直列に接続する(導通させる)。
【0052】
以上の蓄電装置1によれば、蓄電装置1を設置したときに、蓄電素子2の閉塞部212の外面と間隔をあけた状態で対向する対向領域S2に向けて、第一被覆部51から第二被覆部52がZ軸方向に沿って延びているため、蓄電装置1が撓んだとき又は蓄電装置1が撓もうとしたときに、第二被覆部52が対向領域S2に当接することで蓄電装置1が支持され、これにより、蓄電装置1が撓み難い。しかも、本実施形態の蓄電装置1では、第二被覆部52がX軸方向の全域において第一被覆部51からZ軸方向に沿って延びているため、第二被覆部52がX軸方向における広い範囲で蓄電装置1を支持していることから、蓄電装置1がより撓み難い。さらに、本実施形態の蓄電装置1によれば、X軸方向において延びる第一延設部46のX軸方向の全域においてZ軸方向に沿って延びる第二延設部47が連続しているため、フレーム7(例えば、接続部材43)の剛性も確保できる。
【0053】
また、本実施形態の蓄電装置1では、フレーム7(例えば、インシュレータ5)がY軸方向に並ぶように一対設けられるため、第二被覆部52がY軸方向に並ぶ二箇所において蓄電装置1を支持することにより、蓄電素子2のX軸方向と直交する面(Y-Z面)に沿った蓄電装置1のがたつきや揺れを抑えることができる。
【0054】
さらに、本実施形態の蓄電装置1では、終端部材40の一対の延設部42を設置領域S3に固定することで、各蓄電素子2の閉塞部212が対向領域S2と間隔をあけた状態で蓄電装置1の両端を設置領域S3に固定できる、即ち、他の部材等を用いることなく、蓄電装置1単体で、各蓄電素子2が対向領域S2から離れた状態で該蓄電装置1を設置(固定)できる。
【0055】
本実施形態の蓄電装置1では、案内流路38がインシュレータ5の第二被覆部52及び設置面S1(対向領域S2)により区画されると共に、第二被覆部52が傾斜部位520を有するため、案内流路38のZ軸方向における一方側の部位のY軸方向における幅が、傾斜部位520の傾斜(Z軸方向における一方側の部位ほどY軸方向において広がるような傾斜)の分だけ広くなり、これにより、蓄電素子2と隣接部材3との間に形成される流路35の入口35aをY軸方向におけるより広い範囲に配置することができる。
【0056】
また、本実施形態の蓄電装置1では、フレーム7(例えば、先端部位522)がシール部材8を介して対向領域S2に間接に当接すると共に、シール部材8の材質がフレーム7(例えば、インシュレータ5)の材質よりも柔らかいことで、対向領域S2の表面が凹凸形状を有していたり、フレーム7の対向領域S2に間接に当接する部位(例えば、先端部位522)の表面が凹凸形状を有していたり、フレーム7の対向領域S2に間接に当接する部位(例えば、先端部位522)の表面が対向領域S2の表面に対して傾斜したりしていても、フレーム7が確実に対向領域S2に密接する。
【0057】
尚、本発明の蓄電装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0058】
例えば、フレーム7は、金属等の導電性を有する部材により構成された接続部材43と、樹脂等の絶縁性を有する部材により構成されたインシュレータ5と、を含んでいたが、導電性を有する骨組み部材と、該骨組み部材の表面を被覆する絶縁性被膜と、を含んでいてもよい。尚、フレーム7は、導電性を有する部材及び絶縁性を有する部材の少なくとも一方を含んでいればよい。
【0059】
また、フレーム7の形状は、複数の蓄電素子2の閉塞部212に沿ってX軸方向に延びる第一部位と、該第一部位のX軸方向における少なくとも一部から、対向領域S2に向かいZ軸方向に沿って延びる第二部位と、を有する形状であればよく、上記実施形態の形状に限られない。以下、フレーム7の形状の変形例について、導電性を有する骨組み部材と、該骨組み部材の表面を被覆する絶縁性被膜と、を含むフレーム7を挙げて説明する。
【0060】
例えば、フレーム7において、第二部位は、第一部位のX軸方向における一部から延びていてもよい。
図6に示すように、フレーム7は、蓄電素子2の短壁部215に沿ってX軸方向に延びる本体部位70と、蓄電素子2の閉塞部212に沿ってX軸方向に延びる第一部位71と、第一部位71のX軸方向における一部(例えば、X軸方向における中央領域)からZ軸方向に沿って延びる第二部位72と、を有してもよい。第二部位72が第一部位71のX軸方向における一部のみから延びている構成であっても、各蓄電素子2が対向領域S2から離れた状態で蓄電装置1が設置されたときに、蓄電装置1の両端からX軸方向において離れていることにより撓みやすいX軸方向における中央領域において、第二被覆部52が第一被覆部51からZ軸方向に沿って延びて蓄電装置1を支持するため、蓄電装置1の撓みを確実に抑えられる。
【0061】
また、フレーム7において、第二部位72は、第一部位71のX軸方向における複数の位置から延びていてもよい。例えば、
図7に示すように、第二部位72が第一部位71のX軸方向における複数の位置(例えば、二つの位置)からそれぞれ一つずつZ軸方向に沿って延びてもよい。一対の第二延設部47は、それぞれ同一形状であると共に、本体部位70のX軸方向における中心軸Cを挟んで略対称に配置されていてもよい。第二部位72が第一部位71のX軸方向における一部のみから延びている構成であっても、各蓄電素子2が対向領域S2から離れた状態で蓄電装置1が設置されたときに、第二部位72が第一部位71からZ軸方向に沿って延びてX軸方向における複数の位置で蓄電装置1を支持することで、蓄電装置1の撓みを抑えられる。
【0062】
さらに、フレーム7が、本体部位70を有していなくてもよい。この場合、第一部位71及び第二部位72で構成されるフレーム7が、各蓄電素子2の閉塞部212に対するZ軸方向における他方側において、Y軸方向に並ぶように複数設けられてもよいし、X軸方向に並ぶように複数設けられてもよい。
【0063】
第二部位72は、X軸方向から見たとき、階段状や湾曲した形状であってもよい。また、第二部位72は、傾斜部位或いは平行部位のうち一方を有していてもよい。第二部位72が、平行部位のみを含む場合、例えば、第一部位71のY軸方向における内側に位置する端部からZ軸方向に対して平行に延びていてもよい。
【0064】
接続部材43の形状とインシュレータ5の形状とは対応していてもよく(略同一であってもよく)、異なっていてもよい。例えば、
図6及び
図7のフレーム7において、インシュレータ5の第二被覆部52は、接続部材43の第二延設部47のZ軸方向における他方側に位置する先端より、Z軸方向における他方側の位置まで延びていてもよい。また、接続部材43のZ軸方向における寸法が、上記実施形態の接続部材43のZ軸方向における寸法よりも短くてもよく、例えば、複数の蓄電素子2の短壁部215を覆うように配置された帯状(バンド状、長尺の板状)であってもよい。この場合、インシュレータ5が、複数の蓄電素子2の閉塞部212に沿ってX軸方向に延びる第一被覆部51と、第一被覆部51のX軸方向における少なくとも一部から、対向領域S2に向かいZ軸方向に沿って延びる第二被覆部52とを有していてもよい。即ち、接続部材43が帯状等である場合には、インシュレータ5がフレーム7の第一部位や第二部位を構成してもよい。尚、インシュレータ5のZ軸方向における寸法が、接続部材43のZ軸方向における寸法よりも短くてもよく、この場合、接続部材43がフレーム7の第一部位や第二部位を構成してもよい。例えば、接続部材43の第二延設部47が対向領域S2に向いてZ軸方向に沿って延びていてもよい。
【0065】
蓄電装置1の設置状態において、フレーム7の第二部位72は、対向領域S2に当接していなくてもよい。この場合においても、蓄電装置1を設置したときに、対向領域S2に向けて第一部位71から第二部位72が延びているため、蓄電装置1が撓んだときに第二部位72が対向領域S2に当接することで蓄電装置1が支持され、これにより蓄電装置1の撓みが抑えられる。即ち、蓄電装置が撓みにくくなる。
【0066】
蓄電装置1の設置状態において、フレーム7(上記実施形態のインシュレータ5の先端部位522)は、対向領域S2に対して直接に当接してもよい。また、蓄電装置1の両端は、終端部材40以外の箇所により設置領域S3に固定されていてもよい。さらに、蓄電装置1の両端は、蓄電装置1に含まれる部材とは異なる固定部材により設置領域S3に固定されていてもよい。設置面S1において、対向領域S2のZ軸方向における位置が、設置領域S3のZ軸方向における位置と異なってもよく、例えば、対向領域S2と設置領域S3との間に段差が設けられていてもよい。また、設置領域S3は、対向領域S2の延びる方向とは異なる方向に延びてもよい。さらに、設置領域S3は、対向領域S2と非連続であってもよい。例えば、対向領域S2が水平面(床面)であると共に、設置領域S3は壁面であってもよい。
【0067】
終端部材40は、ボルト421以外の固定部材や溶接等により設置領域S3に固定されてもよい。また、終端部材40は、一つのみ設けられていてもよいし、三つ以上の複数設けられていてもよい。終端部材40の延設部42は、一つの終端部材本体41に対して、一つ、或いは、三つ以上の複数設けられていてもよい。例えば、延設部42は、終端部材本体41における蓄電素子2の閉塞部212と対応する辺41Aの全域から延びていてもよい。終端部材40の延設部42は、少なくとも、終端部材本体41からZ軸方向に沿って第二被覆部52のZ軸方向における先端(例えば、先端部位522)まで延びていればよい。
【0068】
インシュレータ5と設置面S1とで区画される空間は、案内流路38として用いる以外に、蓄電装置1を構成する各部材同士或いはこの各部材と外部とを接続する配線を配置する領域として用いてもよい。
【0069】
蓄電装置1に含まれる蓄電素子2の数は複数に限らず、一つであってもよい。換言すると、蓄電装置1に含まれる蓄電素子2の数は少なくとも一つであればよい。
【符号の説明】
【0070】
1…蓄電装置、2…蓄電素子、20…電極体、21…ケース、21A…第一角部、21B…第二角部、22…外部端子、211…ケース本体、212…閉塞部、213…胴部、214…長壁部、215…短壁部、216…蓋板、217…ガス排出弁、3…隣接部材、315…ボルト、35…流路、35a…入口(開口)、35b…出口(開口)、38…案内流路、4…保持部材、40…終端部材、41…終端部材本体、41A…辺、42…延設部、420…穴、421…ボルト、43…接続部材、44…接続部材本体、441…梁部、441A…第一梁部、441B…第二梁部、4411…第一部位、4412…第二部位、442…端部接続部、443…中間接続部、45…固定部材、46…第一延設部、47…第二延設部、470…傾斜部位、471…平行部位、48…被連結部、49…外部入出力用端子、5…インシュレータ、50…本体被覆部、51…第一被覆部(第一部位)、52…第二被覆部(第二部位)、520…傾斜部位、521…平行部位、522…先端部位、53…梁部被覆部(被覆部)、53A…蓋板側被覆部、53B…閉塞部側被覆部、531…第一内側部、532…第二内側部、533…第三内側部、534…第四内側部、54…端部被覆部(被覆部)、55…中間被覆部(被覆部)、6…バスバ、7…フレーム、70…本体部位、71…第一部位、72…第二部位、8…シール部材、102…電池セル、140…エンドプレート、143…連結バー、S1…設置面、S2…対向領域、S3…設置領域、C…中心軸