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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/24 20140101AFI20231026BHJP
   A63F 13/90 20140101ALI20231026BHJP
   A63F 13/211 20140101ALN20231026BHJP
【FI】
A63F13/24
A63F13/90
A63F13/211
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022116075
(22)【出願日】2022-07-21
(62)【分割の表示】P 2019532355の分割
【原出願日】2017-11-10
(65)【公開番号】P2022137286
(43)【公開日】2022-09-21
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2017147001
(32)【優先日】2017-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 賢
(72)【発明者】
【氏名】野村 有加
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 維吹
【審査官】関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-024140(JP,A)
【文献】特開2000-250396(JP,A)
【文献】特開2012-020016(JP,A)
【文献】特開平06-327836(JP,A)
【文献】特開2001-104633(JP,A)
【文献】特開2017-058971(JP,A)
【文献】特開2011-004976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F9/24
13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部に設けられ、少なくとも座部が回転可能な椅子と、
前記椅子に設けられ、前記椅子に着座したユーザによる入力操作を受け付ける入力装置と、
前記入力装置に設けられ、少なくとも、前記椅子の回転方向における基準方向に対する前記入力装置の相対方向情報を取得するセンサと、
前記椅子に着座したユーザと対面するように前記入力装置に設けられ、前記相対方向情報及び前記入力操作に応じた画像を表示する表示装置と、を有し、
前記入力装置は、前記椅子に着座したユーザの頭部の一部に当接可能な遮蔽部材を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記入力装置は、前記椅子に対して仰俯角方向に回転可能に設けられ、
前記センサは、前記仰俯角方向における基準角度に対する前記入力装置の相対角度情報を更に取得し、
前記表示装置は、前記相対方向情報及び前記相対角度情報と前記入力操作とに応じた画像を表示する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記椅子は背もたれを有し、当該背もたれは前記座部に対してリクライニング可能に設けられ、
前記入力装置は、前記背もたれのリクライニング動作に伴って前記仰俯角方向に回転するように前記背もたれに固定されている、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記椅子は背もたれを有し、当該背もたれは前記座部に対して固定するように設けられ、
前記入力装置は、前記背もたれに対して前記仰俯角方向に回転可能に前記背もたれに設けられている、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項5】
すり鉢状に形成され、前記椅子に着座したユーザの足を置くための台座をさらに有する、請求項1~4の何れか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
仮想空間内で操作対象を前記表示装置に表示し、且つ、前記入力操作に応じて、前記相対方向情報に応じた位置に向けて前記操作対象に対する特定の処理を行うゲームを実行する制御装置をさらに有する、請求項1~5の何れか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記表示装置は、前記椅子に着座したユーザと対面する第1位置と、前記第1位置とは異なる第2位置との間を回動可能に前記入力装置に設けられる、請求項1~6の何れか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記入力装置を、前記座部から第1距離だけ離れた位置から、前記座部から前記第1距離よりも長い第2距離だけ離れた位置に移動させる駆動部を更に有し、
前記入力装置は、前記駆動部を駆動させるための移動入力部を有する、請求項1~7の何れか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記入力装置は、細長い形状を有するとともに、前記椅子に着座した前記ユーザの肩よりも上部に配置され、
前記表示装置は、前記入力装置の側面に設けられている、請求項1~8の何れか一項に記載のゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、VR(Virtual Reality、仮想現実)に対応したゲームシステムが普及している。このようなゲームシステムでは、例えば、ユーザの頭部にヘッドマウントディスプレイを装着させて、ユーザの位置又は方向を検出し、検出した位置又は方向に応じた画像をヘッドマウントディスプレイに表示させる。
【0003】
特許文献1には、ゲーム機と、表示装置と、コントローラとを備えるゲームシステムが開示されている。表示装置は、ユーザの頭に装着されるヘッドマウントディスプレイとして構成され、磁気センサ、角速度センサ、若しくは加速度センサを備えて、ユーザの頭の向きを検知し、ユーザの頭の動きに追従するように表示画像を変化させる。また、コントローラは、ユーザの手に把持され、磁気センサ、角速度センサ、若しくは加速度センサを内蔵して、コントローラの位置及び姿勢を検出し、検出した値に対応するデータをゲーム機へ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-99608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたゲームシステムは、コントローラの各センサによって検知された検知データに基づいて、コンピュータゲーム内の操作対象オブジェクトの動きを制御する。また、従来、ユーザの頭の動きを検知するセンサを用いた入力装置がヘッドマウントディスプレイに内蔵され、ユーザの頭の動きに応じてゲーム内のオブジェクトの動きを制御するヘッドマウントディスプレイが開発されている。しかしながら、ヘッドマウントディスプレイを装着する、又はヘッドマウントディスプレイを装着した状態でコントローラを把持して操作する等の作業はユーザにとって煩雑であり、この種のゲームシステムにおいてユーザビリティを向上させることが望まれている。
【0006】
ゲームシステムは、このような課題を解決すべくなされたものであり、ユーザの姿勢に応じた画像を表示するゲームシステムにおいてユーザビリティを向上させることを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ゲームシステムは、基部と、前記基部に設けられ、少なくとも座部が回転可能な椅子と、前記椅子に設けられ、前記椅子に着座したユーザによる入力操作を受け付ける入力装置と、少なくとも、前記椅子の回転方向における基準方向に対する前記入力装置の相対方向情報を取得するセンサと、前記椅子に着座したユーザと対面するように前記入力装置に設けられ、前記相対方向情報及び前記入力操作に応じた画像を表示する表示装置と、を有する。
【0008】
また、ゲームシステムにおいて、前記椅子に設けられ且つ鉛直上方向に延在する保持部を更に有し、前記入力装置は、前記保持部に設けられることが好ましい。
【0009】
また、ゲームシステムにおいて、前記入力装置は、前記椅子に対して仰俯角方向に回転可能に設けられ、前記センサは、前記仰俯角方向における基準角度に対する前記入力装置の相対角度情報を更に取得し、前記表示装置は、前記相対方向情報及び前記相対角度情報と前記入力操作とに応じた画像を表示することが好ましい。
【0010】
また、ゲームシステムにおいて、前記椅子は、前記座部に対してリクライニング可能に設けられた背もたれを有し、前記入力装置は、前記背もたれのリクライニング動作に伴って前記仰俯角方向に回転するように前記背もたれに固定されていることが好ましい。
【0011】
また、ゲームシステムにおいて、前記椅子は、前記座部に対して固定するように設けられた背もたれを有し、前記入力装置は、前記背もたれに対して前記仰俯角方向に回転可能に前記背もたれに設けられていることが好ましい。
【0012】
また、ゲームシステムにおいて、すり鉢状に形成され、前記椅子に着座したユーザの足を置くための台座をさらに有することが好ましい。
【0013】
また、ゲームシステムにおいて、仮想空間内で操作対象を前記表示装置に表示し、且つ、前記入力操作に応じて、前記相対方向情報に応じた位置に向けて前記操作対象に対する特定の処理を行うゲームを実行する制御装置をさらに有することが好ましい。
【0014】
また、ゲームシステムにおいて、前記椅子に着座したユーザと対面する第1位置と、前記第1位置とは異なる第2位置との間を回動可能に前記入力装置に設けられることが好ましい。
【0015】
また、ゲームシステムにおいて、前記入力装置を、前記座部から第1距離だけ離れた位置から、前記座部から前記第1距離よりも長い第2距離だけ離れた位置に移動させる駆動部を更に有し、前記入力装置は、前記駆動部を駆動させるための移動入力部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
ゲームシステムによって、ユーザの姿勢に応じた画像を表示するゲームシステムにおいてユーザビリティを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ゲームシステム1の概略構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係るゲームシステム1の模式的な斜視図である。
図3】本実施形態に係るゲームシステム1の模式的な斜視図である。
図4】椅子101及び入力装置102等の正面図である。
図5】椅子101及び入力装置102等の側面図である。
図6】椅子101を側方から見た図4のA-A’線断面図である。
図7】入力装置102のシステム構成図である。
図8】制御装置110の概略構成の一例を示す図である。
図9】ゲーム処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
図10】他の実施形態に係るゲームシステム2の模式的な斜視図である。
図11】椅子201を側方から見た図10のA-A’線断面図である。
図12】他の実施形態に係るゲームシステム3の模式的な斜視図である。
図13】椅子301及び入力装置302等の正面図である。
図14】他の実施形態に係るゲームシステム4の模式的な斜視図である。
図15】椅子401及び入力装置402等の正面図である。
図16】回動可能に設けられた表示装置を説明するための模式的な斜視図である。
図17】回動可能に設けられた表示装置を説明するための模式的な斜視図である。
図18】移動機構を説明するための模式的な斜視図である。
図19】移動入力スイッチを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0019】
図1は、ゲームシステム1の概略構成の一例を示す図である。
【0020】
図1に示すように、ゲームシステム1は、基部100、椅子101、入力装置102、センサ103及び表示装置104等を有する。
【0021】
基部100は、床面等に固定するように設けられている。椅子101は、ゲームをプレイするユーザが着座する椅子であり、基部100に、水平方向A1に回転可能に設けられる。入力装置102は、椅子101に着座したユーザによる入力操作を受け付ける操作部102Aを有し、椅子101の水平方向A1の回転に伴って水平方向A1に回転するように椅子101に固定される。また、入力装置102は、椅子101の前後方向A2へのリクライニング動作に伴って仰俯角方向A3に移動(回転)可能に椅子101に設けられている。
【0022】
センサ103は、入力装置102に設けられ、少なくとも、椅子101の回転方向(即ち水平方向A1)における基準方向に対する入力装置102の相対方向情報と、仰俯角方向A3における基準角度に対する入力装置102の相対角度情報とを取得する。なお、基準方向及び基準角度は、ゲーム開始時等の所定のタイミングに、入力装置102の初期方向及び初期角度として設定される。表示装置104は、椅子に着座したユーザと対面するように入力装置102に設けられ、センサ103が取得した入力装置102の相対方向情報及び相対角度情報と、操作部102Aが取得したユーザによる入力操作に応じた画像を表示する。
【0023】
このゲームシステム1では、ユーザは、椅子101に座った状態のまま、足の力により椅子101を水平方向A1に回転させたり、背中又は腰の力により椅子101を前後方向A2へリクライニングさせることにより、入力装置102の位置及び方向を変化させる。入力装置102の位置及び方向の変化はセンサ103によって検出され、入力装置102の水平方向の向き及び仰俯角方向の角度の変化に応じて、表示装置104に表示される画像が変化する。これにより、ゲームシステム1では、ユーザは、座った状態のまま体を動かすことにより、その動きに応じてゲームを実行することが可能となる。したがって、ゲームシステム1は、椅子101に座った状態のユーザのゲーム操作性を向上させることが可能となる。
【0024】
図2図3は、本実施形態に係るゲームシステム1の模式的な斜視図である。
【0025】
本実施形態のゲームシステム1は、ユーザにアーケードゲームを提供する。ゲームシステム1が提供するゲームは、仮想現実で実行されるゲームである。なお、ゲームシステム1が提供するゲームは、仮想現実で実行されるゲーム以外のゲームでもよい。図2図3に示すように、ゲームシステム1は、基部100、椅子101、入力装置102、センサ103、表示装置104、台座105、第2入力装置106及び第2表示装置107等を有する。
【0026】
基部100は、床面等に固定するように設けられている。なお、基部100は、台座105に固定するように設けられていてもよい。
【0027】
椅子101は、ゲームをプレイするユーザが着座する椅子であり、基部100に、水平方向A1に回転可能に設けられる。また、椅子101は、着座したユーザによるリクライニング動作が可能なように、前後方向A2に搖動可能に設けられている。図2に示す例では、椅子101の回転軸(支持部)と平行な方向をヨー軸Yとし、ヨー軸Yと直交し且つ椅子101の背もたれの表面から背面に向かう方向をロール軸Zとし、ヨー軸Y及びロール軸Zと直交する方向をピッチ軸Xとしている。水平方向A1は、ヨー軸Yを中心とする回転方向であり、前後方向A2は、ピッチ軸Xを中心に回転する方向である。
【0028】
入力装置102は、椅子101に着座したユーザによる入力操作を受け付ける装置であり、椅子101の水平方向A1の回転に伴って水平方向A1に回転するように椅子101に固定される。また、入力装置102は、椅子101の前後方向A2へのリクライニング動作に伴って仰俯角方向A3に移動(回転)可能に椅子101に設けられている。仰俯角方向A3は、ピッチ軸Xを中心に回転する方向である。
【0029】
入力装置102は、ゲームで使用される武器等のゲーム媒体を模した形状を有しており、本実施形態では、大型銃(バズーカ)を模した形状を有している。大型銃を模した入力装置102は細長い形状を有している。以下、入力装置102の背もたれ側の端部を後端部、その反対側を先端部という。
【0030】
入力装置102は、操作部102A及び支持部材102Bを有する。操作部102Aは、ボタン又はレバー等であり、ユーザによる入力操作を受け付ける。支持部材102Bは、ユーザが入力装置102を支持するための部材であり、操作部102Aよりも入力装置102の先端部側に配置される。なお、支持部材102Bは、操作部102Aよりも入力装置102の後端部側に配置されてもよい。ユーザは、支持部材102Bを把持して入力装置102を固定させることができる。
【0031】
センサ103は、入力装置102の相対方向情報、相対角度情報及び位置情報を取得する位置トラッキングデバイスである。相対方向情報は、椅子101の回転方向(水平方向A1)における基準方向に対する入力装置102の相対的な方向(ヨー角)を示す情報であり、相対角度情報は、仰俯角方向A3における基準角度に対する入力装置102の相対的な角度(ピッチ角)を示す情報である。基準方向及び基準角度は、ゲーム開始時等の所定のタイミングに、入力装置102の初期方向及び初期角度として設定される。なお、基準方向及び基準角度は、予め設定されてもよい。位置情報は、入力装置102の現在位置を示す情報である。
【0032】
センサ103は、入力装置102の内部に設けられる。なお、センサ103は、入力装置102の外部に設けられてもよい。また、入力装置102が椅子101に回転不能に固定されている場合、センサ103は、椅子101に設けられてもよい。または、センサ103は、表示装置104が配置された筐体に設けられていてもよい。
【0033】
センサ103は、入力装置102の回転角速度を3軸方向毎に検出する3軸ジャイロセンサを有し、3軸ジャイロセンサが検出した各回転角速度から入力装置102の相対方向情報及び相対角度情報を算出する。なお、センサ103は、入力装置102に加わる加速度を3軸方向毎に検出する3軸加速度センサを有し、3軸加速度センサが検出した各加速度から入力装置102の位置情報を算出してもよい。また、センサ103は、地磁気を3軸方向毎に検出する3軸地磁気センサを有し、3軸地磁気センサが検出した地磁気の方向から入力装置102の位置情報を算出してもよい。センサ103は、3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ、及び地磁気センサのうち一つ又は複数を備える。または、センサ103は、例えば、外部に設けられた、レーザを照射する照射部からのレーザを受光する受光部を有し、受光部が受光した光に基づいて相対方向情報、相対角度情報及び位置情報を算出してもよい。センサ103は、相対方向情報、相対角度情報及び位置情報を取得できるものであれば、どのようなものでもよく、上記した構成に限定されない。
【0034】
表示装置104は、画像を表示するディスプレイであり、センサ103が取得した入力装置102の相対方向情報、相対角度情報及び位置情報と、操作部102Aが受け付けたユーザによる入力操作に応じた画像を表示する。表示装置104は、入力装置102の側方に、椅子101に着座したユーザと対面するように設けられ、そのユーザの眼に向けて画像を表示する。表示装置104として、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。または、表示装置104として、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、タブレットPC(Personal Computer)等が用いられてもよい。
【0035】
表示装置104は、遮蔽部材104Aを有する。遮蔽部材104Aは、表示装置104の上方、下方及び側方を覆うように設けられる。特に、遮蔽部材104Aは、椅子101に着座したユーザの頭部の側方、特にユーザの目の周りを覆うように設けられる。遮蔽部材104Aの少なくとも内側は、反射率の低い素材で形成されている。遮蔽部材104Aは、ユーザの目の周り以外の部分を覆うものでもよく、例えばヘルメット型に形成されてもよい。遮蔽部材104Aが設けられることにより、ユーザは表示装置104に表示された画像以外の光(外光)を見ることがなくなるので、仮想現実への没入感を向上させることが可能となる。
【0036】
台座105は、椅子101に着座したユーザの足を置くための台座である。台座105は、椅子101の下方に、椅子101の回転軸(支持部)を取り囲むように設けられ、すり鉢状に形成されている。すなわち、台座105の表面(ユーザの足を置く面)は、椅子101の回転軸(支持部)に近づくほど床面からの高さが低くなるように傾斜している。また、台座105の表面は、ゴム部材等の滑りにくい部材で覆われている。台座105がすり鉢状に形成されていることにより、椅子101に着座したユーザは、台座105に足を置き易くなり、且つ、台座105に置いた足に力を入れて踏ん張り易くなる。これにより、ユーザは、椅子101を水平方向A1に回転させ易くなり、且つ、椅子101を前後方向A2に搖動させてリクライニングさせ易くなる。
【0037】
第2入力装置106は、ボタン又はレバー等を有し、ユーザによるゲーム開始指示等の入力操作等を受け付ける。
【0038】
第2表示装置107は、ゲーム説明画面等の画像を表示するディスプレイである。第2表示装置107として、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が用いられる。
【0039】
図2は入力装置102の長手方向がピッチ軸X及びロール軸Zと略平行である水平姿勢の例を示し、図2に示される画像20は、その状態において表示装置104に表示される画像の例を示す。一方、図3は椅子101がリクライニングされて、入力装置102の先端部が後端部よりも鉛直方向上方に配置された傾斜姿勢の例を示し、図3に示される画像30は、その状態において表示装置104に表示される画像の例を示す。
【0040】
画像20及び画像30には、仮想空間(ゲーム空間)内に、武器21、地上を移動する攻撃対象22及び空中を移動する攻撃対象23が表示されている。攻撃対象22及び攻撃対象23は操作対象の一例である。入力装置102が水平姿勢である状態における画像20では、武器21は地上を移動する攻撃対象22に向けられており、入力装置102が傾斜姿勢である状態における画像30では、武器21は空中を移動する攻撃対象23に向けられている。このように、表示装置104に表示される画像は、入力装置102の水平方向の向き及び仰俯角方向の角度に応じて変化し、ユーザは、入力装置102の向き及び角度を変化させることにより、表示装置104に表示される画像を変化させることができる。
【0041】
図4は、椅子101及び入力装置102等の正面図であり、図5は、椅子101及び入力装置102等の側面図である。
【0042】
図4及び図5に示すように、椅子101は、座部101A、背もたれ101B及び支持部101C等を有する。
【0043】
座部101Aは、ユーザが着座する部材である。背もたれ101Bは、ユーザの背が当接される部材であり、座部101Aの後方に、座部101Aに対して前後方向A2にリクライニング可能に設けられる。支持部101Cは、椅子101全体を支持する部材であり、座部101Aの下方に、座部101Aの中心部分を支持するように設けられる。
【0044】
入力装置102は、背もたれ101Bのリクライニング動作に伴って仰俯角方向A3に移動(回転)するように背もたれ101Bに固定されている。入力装置102と背もたれ101Bは、例えば連結部によって連結される。入力装置102は、例えば入力装置102の外周面から突出する連結部に形成された貫通孔と、背もたれ101Bに形成された穴部とにボルト等の締結部材を締結することによって椅子101に固定される。連結部は、入力装置102の筐体と一体に成形されていてもよいし、入力装置102と別個に設けられて入力装置102に連結されていてもよい。なお、入力装置102は、背もたれ101Bの上端に設けられた突出部を、入力装置102に形成された穴部に挿通することによって、椅子101に固定されてもよい。入力装置102と椅子101とを連結させる構成は、入力装置102が椅子101の回転に伴って回転可能であれば、どのようなものでもよく、上記した構成に限定されない。
【0045】
図6は、椅子101を側方から見た、図4のA-A’線断面図である。
【0046】
図6に示すように、椅子101が水平方向A1に回転できるように、椅子101の支持部101Cには、ベアリング等の回転機構101Dを介して、基部100に固定される。なお、図6に示す例では、基部100は台座105の下面に固定されているが、基部100は床面等に直接固定されてもよい。
【0047】
また、椅子101が前後方向A2へリクライニングできるように、背もたれ101Bにはリクライニング機構101Eが設けられている。リクライニング機構101Eは、ユーザが背もたれ101Bに対して押圧力を加えたときに背もたれ101Bを傾斜させ、押圧力を解除したときに付勢力により背もたれ101Bを初期位置に戻すものであれば、どのようなものでもよい。図6に示す例では、後方にリクライニングされた背もたれ101Bに対して、元の位置に戻る力が加わるように、座部101Aと背もたれ101Bの間にバネによるリクライニング機構101Eが設けられている。
【0048】
また、ユーザが、椅子101を水平方向A1に回転させ易くなるように、台座105の上面(ユーザの足が置かれる面)105Aは、すり鉢状に形成されている。
【0049】
図7は、入力装置102のシステム構成図である。
【0050】
図7に示すように、入力装置102の操作部102Aは、後述する制御装置と接続されるインタフェース回路を有し、ユーザによる入力操作に応じた信号を制御装置に出力する。
【0051】
センサ103は、制御装置と接続されるインタフェース回路を有し、入力装置102の相対方向情報、相対角度情報及び位置情報を制御装置に出力する。
【0052】
表示装置104は、入力装置102の先端部と後端部の間であって、入力装置102の筐体の外周面のうち側方の位置に設けられる。表示装置104は、制御装置と接続されるインタフェース回路を有し、制御装置から出力された映像データに応じた映像、画像データに応じた画像等を表示する。制御装置は、左右の目に対し同じ映像又は画像を表示させる。また、表示装置104の前面には、レンズ104Bが設けられてもよい。レンズ104Bは、表示装置104に表示された画像を、椅子101に着座したユーザ側から見たときに光学的に拡大する。レンズ104Bは、例えば所定の倍率(例えば6倍)を有する凸型フレネルレンズである。
【0053】
また、入力装置102には、振動発生装置108が設けられる。振動発生装置108は、振動を発生させるモータ及び制御装置と接続されるインタフェース回路を有し、制御装置から出力された指示信号に応じてモータに振動を発生させる。
【0054】
図8は、制御装置110の概略構成の一例を示す図である。
【0055】
制御装置110は、インタフェース部111と、記憶部112と、処理部113とを備える。
【0056】
インタフェース部111は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、操作部102A、センサ103、表示装置104、第2入力装置106、第2表示装置107及び振動発生装置108と電気的に接続して各種の信号を送受信する。また、インタフェース部111の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、例えば無線LAN(Local Area Network)等の所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する通信部が用いられてもよい。
【0057】
記憶部112は、例えば、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ等の半導体メモリ、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。記憶部112は、処理部113での処理に用いられるコンピュータプログラム、データ等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM(compact disk read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disk read only memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部112にインストールされてもよい。また、コンピュータプログラムは、特定のサーバ装置等から無線通信を介して記憶部112にインストールされてもよい。また、記憶部112は、データとして、ゲームの進行に係る映像データ、画像データ等を記憶する。さらに、記憶部112は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0058】
処理部113は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。処理部113は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、制御装置110の全体的な動作を統括的に制御する。なお、処理部113として、汎用プロセッサ、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。処理部113は、記憶部112に記憶されているプログラム、操作部102A、センサ103及び第2入力装置106からの入力等に基づいて制御装置110の各種処理が適切な手順で実行されるように、インタフェース部111、表示装置104、第2表示装置107及び振動発生装置108等の動作を制御する。処理部113は、記憶部112に記憶されているプログラムに基づいて処理を実行する。
【0059】
図9は、ゲームシステム1のゲーム処理に係るフローチャートの一例を示す図である。このフローチャートは、予め記憶部112に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部113により、ゲームシステム1の各要素と協働して実行される。
【0060】
まず、処理部113は、ユーザにより第2入力装置106が操作されてゲーム開始指示が入力されるまで待機する(ステップS101)。
【0061】
ゲームを行うユーザは、椅子101の座部101Aに着座する。ユーザが椅子101に着座したとき、ユーザの頭部は、背もたれ101Bと表示装置104との間に位置し、ユーザは表示装置104の表示面を視認可能となる。このため、ユーザは、ヘッドマウントディスプレイを頭部に装着する作業を行うことなく、仮想現実のゲームをプレイすることができる。また、遮蔽部材104A及び入力装置102の外周面によってユーザの目の周りが囲まれて遮蔽部材104Aの外側の光が遮られるため、ユーザは没入感を得ることができる。
【0062】
また、表示装置104は、ユーザの頭部に固定されていないため、ユーザは、椅子101に着座しながら表示装置104から目を一旦離して、操作部102A及び支持部材102Bの位置を確認することができる。このため、ユーザは、ヘッドマウントディスプレイを装着しながら現実世界のコントローラを把持するという、ユーザにとって困難な作業を行う必要がなくなり、コントローラをユーザに把持させるための補助者が不要となる。したがって、ゲームの実行に伴う作業においてユーザビリティを高めることができる。なお、第2入力装置106が、椅子101に着座したユーザの手の届く範囲に配置されている場合、第2入力装置106の操作は、ユーザが椅子101に着座した後に行われてもよい。
【0063】
第2入力装置106からゲーム開始指示を受信した場合、処理部113は、第2入力装置106にゲーム説明画面を表示させ、ゲームを開始させる(ステップS102)。
【0064】
次に、処理部113は、ユーザが実行するゲームのステージを決定する(ステップS103)。ゲームの各ステージは予め定められており、処理部113は、予め定められた各ステージを順次選択していく。
【0065】
例えば、最初のステージでは、攻撃対象として通常の敵が一体ずつ地上に出現し、武器としてユーザの一回の入力操作に応じて一発ずつ発射される通常のミサイルが用いられる。二番目のステージでは、攻撃対象として通常の敵より小さい(弱い)敵が複数の方向から複数まとめて地上に出現し、武器としてユーザの一回の入力操作に応じて複数まとめて発射される多弾ミサイルが用いられる。三番目のステージでは、攻撃対象として空中(垂直方向において地上と異なる位置)を飛来する敵が出現し、武器として空中に向けて常時発射されるビームが用いられる。四番目のステージでは、攻撃対象として通常の敵より大きい(強い)敵が一体ずつ地上に出現し、武器として通常のミサイルより攻撃力の大きい巨大ミサイルが用いられる。
【0066】
ユーザは、ステージ毎に出現する敵に対して適切な方向に武器が向くように、椅子101及び入力装置102の方向及び角度を変化させながら、画像中の攻撃対象に照準を合わせるとともに、照準を合わせた攻撃対象に対して操作部102Aを操作して攻撃を行う。このとき、ユーザの視線方向と照準方向とが一致するので、表示装置と入力装置が別体に設けられる場合と比較して、ユーザは容易に照準を合わせることができる。このゲームでは、各攻撃対象に命中した攻撃の数に応じてユーザにポイントが付与され、付与されたポイントの合計により、ユーザの評価が決定される。
【0067】
次に、処理部113は、決定したステージに係るゲームを実行する(ステップS104)。ゲームの実行中、処理部113は、各ステージに応じた攻撃対象を表示装置104に表示させる。攻撃対象が移動オブジェクトである場合、処理部113は、移動オブジェクトを移動させるための移動制御処理を実行して、移動オブジェクトを移動させる。また、処理部113は、センサ103から入力装置102の相対方向情報、相対角度情報及び位置情報を取得し、取得した相対方向情報、相対角度情報及び位置情報に応じて、表示装置104に表示させる画像を変化させる。
【0068】
また、処理部113は、椅子101に着座したユーザによる操作部102Aへの入力操作を検出し、検出した入力操作に応じて、入力装置102の相対方向情報、相対角度情報及び位置情報に応じた位置に向けて攻撃を行うゲームを実行する。攻撃は、操作対象に対する特定の処理の一例である。処理部113は、攻撃対象の位置を取得し、取得した攻撃対象の位置と入力装置102の相対方向情報、相対角度情報及び位置情報によって特定される仮想空間内の位置とが合致するか否かを判定し、攻撃対象に攻撃が命中したか否かを判定する。処理部113は、攻撃対象に攻撃が命中した場合、又は、プレイヤキャラクタが攻撃対象から攻撃を受けた場合、振動発生装置108を振動させて、ユーザに振動を与える。
【0069】
次に、処理部113は、決定したステージに係るゲームを開始してから所定時間(例えば30秒間)が経過したか否かを判定し、所定時間が経過するまで待機する(ステップS105)。
【0070】
決定したステージに係るゲームを開始してから所定時間が経過した場合、処理部113は、現在実行しているステージが最後のステージであるか否かを判定する(ステップS106)。
【0071】
現在実行しているステージが最後のステージでない場合、処理部113は、処理をステップS103に戻し、次のステージについてステップS103~S106の処理を繰り返す。一方、現在実行しているステージが最後のステージであった場合、処理部113は、ゲームの実行を終了する。
【0072】
以上説明してきたように、ユーザの姿勢に応じた画像を表示するゲームシステム1においてユーザビリティを向上させることが可能となる。また、ゲームシステム1では、ユーザは、椅子101に座った状態のまま体を動かすことにより、その動きに応じてゲームを実行することが可能となるので、ゲームシステム1は、椅子101に座った状態のユーザのゲーム操作性を向上させることが可能となる。
【0073】
また、ゲームシステム1では、表示装置104は入力装置102に取り付けられており、ユーザは、椅子101に着座することにより、表示装置104に表示された画像を見ることができる。これにより、ユーザは、ヘッドマウントディスプレイを頭に装着することなく、仮想現実を体験することが可能となる。即ち、ゲームシステム1では、ヘッドマウントディスプレイを装着させる技術に習熟した作業者(支援者)のサポートを必要とせずに、ユーザは仮想現実を体験することができる。また、ユーザはヘッドマウントディスプレイを装着しないため、ヘッドマウントディスプレイにより視界が遮られない。これにより、ユーザは、操作部102Aの位置を正しく把握することができ、操作部102Aを独力で把持することができる。したがって、ゲームシステム1では、ヘッドマウントディスプレイをユーザに装着させるための作業者の費用及び工数を低減することが可能となる。
【0074】
また、ゲームシステム1では、入力装置102は椅子101に固定されており、ユーザは入力装置102を両手で支持する必要がない。ユーザは、一方の手で入力装置102の支持部材102Bを支持しつつ、他方の手で操作部102Aを操作することが可能となり、ゲームシステム1は、ユーザの利便性を向上させつつ、ゲームへの没入感を向上させることが可能となる。
【0075】
また、ゲームシステム1では、入力装置102が大型銃(バズーカ)を模した形状を有しており、ユーザは、大型銃のスコープを覗き込んで狙いを付けるような動作を行うことによってゲームを実行できるため、仮想現実への没入感を向上させることが可能となる。
【0076】
また、ゲームシステム1では、ユーザが、椅子101を回転及びリクライニングさせて入力装置102を移動させるため、モータ等により椅子又は入力装置を移動させる必要がなく、ゲームシステム1全体の装置サイズ、装置コスト及び消費電力を低減させることが可能となる。
【0077】
また、ユーザは、椅子101を回転及びリクライニングさせることにより、入力装置102を水平及び垂直方向に回転させることができ、ゲームシステム1は、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0078】
図10は、他の実施形態に係るゲームシステム2の模式的な斜視図である。
【0079】
図10に示すゲームシステム2は、ゲームシステム1と同様の構成を有する。但し、ゲームシステム2では、椅子101の代わりに椅子201が用いられ、入力装置102の代わりに入力装置202が用いられる。
【0080】
椅子201は、椅子101と同様の椅子である。但し、椅子201では、着座したユーザによるリクライニング動作ができないように、背もたれが固定されている。
【0081】
入力装置202は、入力装置102と同様の機能を有する。但し、入力装置202は、椅子201に対して仰俯角方向A3に回転可能に設けられている。ユーザは、支持部材102Bを把持する手及び腕の力によって、入力装置202を椅子201に対して仰俯角方向A3に回転させることにより、表示装置104に表示される画像を変化させることができる。
【0082】
図11は、椅子201を側方から見た、図10のA-A’線断面図である。
【0083】
図11に示すように、椅子201は、背もたれ101Bの代わりに背もたれ201Bを有する。背もたれ201Bには、バネ等によるリクライニング機構が設けられておらず、背もたれ201Bは、座部101Aに対して固定するように設けられている。
【0084】
また、背もたれ201Bには入力装置202が設けられている。入力装置202は、背もたれ201Bに対して仰俯角方向A3に回転できるように、ベアリング等の回転機構201Fを介して背もたれ201Bに固定される。
【0085】
ゲームシステム2も、ゲームシステム1と同様の効果を奏することが可能となる。
【0086】
なお、入力装置の設置箇所は上述の実施形態に限定されない。例えば、入力装置は、椅子の背もたれ以外の部分に固定されてもよい。例えば、入力装置は、椅子のヘッドレストに固定されてもよい。または、入力装置は、入力装置を支持するために座部から鉛直上方向上方に延在し且つ背もたれとして機能しない保持部に固定されてもよい。以下、入力装置が、背もたれ以外の部分に固定された保持部に設けられる例について説明する。
【0087】
図12は、他の実施形態に係るゲームシステム3の模式的な斜視図である。
【0088】
図12に示すゲームシステム3は、ゲームシステム1と同様の構成を有する。但し、ゲームシステム3では、椅子101の代わりに椅子301が用いられ、入力装置102の代わりに入力装置302が用いられる。また、ゲームシステム3では、椅子301に設けられ且つ入力装置102を支持するための保持部114が、椅子301の背もたれ301B以外の設置箇所から鉛直上方向に延在する。
【0089】
椅子301は、椅子101と同様の椅子である。但し、椅子301では、背もたれ301Bに入力装置302が設けられていない。なお、背もたれ301Bは、背もたれ101Bのような、着座したユーザによるリクライニング動作が可能なリクライニング機構を備えていてもよく、また、背もたれ201Bのように、座部301Aに対して固定するように設けられていてもよい。
【0090】
入力装置302は、入力装置102と同様の機能を有する。但し、入力装置302は、保持部114に対して仰俯角方向A3に回転可能に設けられている。なお、入力装置302は、保持部114に対して仰俯角方向A3に回転できないように、保持部114に固定されていていてもよい。
【0091】
入力装置302は、保持部114に対して仰俯角方向A3に回転可能に設けられている場合、ユーザは、支持部材102Bを把持する手及び腕の力によって、入力装置302を保持部114に対して仰俯角方向A3に回転させることができる。これにより、表示装置104に表示される画像を変化させることができる。
【0092】
図13は、椅子301及び入力装置302等の正面図である。
【0093】
図13に示すように、保持部114は、固定部117を介して、支持部101C及び座部301Aの少なくともいずれか一方に固定される。これにより、入力装置302は、椅子301に座ったユーザの足の力による椅子301の水平方向A1の回転に伴って、固定部117を介して水平方向A1に回転する。なお、保持部114は、固定部117を介さずに支持部101Cに固定されていてもよい。
【0094】
保持部114は、上部保持部115及び下部保持部116を有し、下部保持部116は、下部保持部116に対して上部保持部115を上下に移動させるための移動機構を有する。これにより、保持部114は、入力装置302を、座部301Aから第1距離だけ離れた位置と、座部301Aから第1距離よりも長い第2距離だけ離れた位置との間に配置させることが可能になる。なお、移動機構の詳細は後述する。
【0095】
ゲームシステム3も、ゲームシステム1と同様の効果を奏することが可能となる。
【0096】
図14は、他の実施形態に係るゲームシステム4の模式的な斜視図である。
【0097】
図14に示すゲームシステム4は、ゲームシステム3と同様の構成を有する。但し、ゲームシステム4では、椅子301の代わりに椅子401が用いられる。椅子401は、椅子301と同様の椅子である。但し、椅子401は、座部401Aを備えるが、背もたれは備えていない。
【0098】
図15は、座部401A及び入力装置302等の正面図である。図15に示す保持部114は、図13に示す保持部114と同様の構成を有する。
【0099】
ゲームシステム4も、ゲームシステム1と同様の効果を奏することが可能となる。
【0100】
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、入力装置として、大型銃(バズーカ)を模した形状を有する装置が使用される例について説明したが、入力装置は、椅子の水平方向の回転に伴って水平方向に回転し、且つ仰俯角方向に移動可能であれば、どのような形状を有していてもよい。例えば、入力装置として、潜水艦の外部を監視するための潜望鏡を模した形状を有する装置が使用され、海の中を散策したり、海に出現する操作対象である攻撃対象を攻撃するゲームが実行されてもよい。また、入力装置として、望遠鏡を模した形状を有する装置が使用され、遠方を観察したり、遠方の操作対象である攻撃対象を攻撃するゲームが実行されてもよい。
【0101】
なお、ゲームシステム1乃至4により実行されるゲームは、攻撃対象を攻撃するものに限定されず、操作対象であるオブジェクトについて、選択、取得、移動、停止又は閲覧等を行うものでもよい。これらの場合でも、入力装置は、仰俯角方向に回転可能に椅子に設けられる。また、表示装置が設けられる位置は入力装置の形状によって変更可能であり、入力装置の外周面に設けられてもよいし、先端部又は後端部に設けられてもよい。例えば、入力装置が潜望鏡を模した形状を有する場合、表示装置は、長手方向が鉛直方向(ヨー軸)と平行に配置された入力装置のうち上端部と下端部の間の任意の位置に設けられる。また、入力装置が望遠鏡を模した形状を有する場合、表示装置は、長手方向が水平方向(ピッチ軸)と平行に配置された入力装置のうち、ユーザ側の端部に設けられる。
【0102】
また、表示装置は、椅子に着座したユーザと対面する第1位置と、第1位置とは異なる第2位置との間を回動可能に入力装置に設けられてもよい。以下、図16及び17を参照して、回動可能な表示装置の一例について説明する。
【0103】
図16及び17は、ゲームシステム4において回動可能に設けられた表示装置104を説明するための模式的な斜視図である。
【0104】
図16及び17に示す表示装置104は、ユーザによる入力操作に応じた画像が表示される表示画面1041を備える。表示装置104は、回転保持部1042が固定されている。また、入力装置102には、回転保持部1042を回転させるための回転軸1043が固定されている。なお、回転保持部1042及び回転軸1043は、回動部の一例である。
【0105】
図16に示す例では、回動した表示装置104は、座部401A(椅子401)に着座したユーザと対面する第1位置にある。表示装置104が第1位置にある場合、ユーザの視線A5は、表示装置104の表示画面1041を向く方向と略同一方向にあり、これにより、ユーザは表示画面1041内の画像を視認することができる。
【0106】
回転保持部1042は、回転軸1043を中心として、入力装置302に対して表示装置104を回動させる。回転軸1043は、例えば、軸方向が視線A5の方向と略平行な方向となるように表示装置104に固定される。
【0107】
図17に示す例では、回動した表示装置104は、表示画面1041の少なくとも一部が座部401A(椅子401)に着座したユーザの視界A7から外れる第2位置にある。例えば、第2位置は、座部401Aに着座したユーザの頭部前方の空間外の位置である。このような第2位置に表示装置104がある場合、第1位置に表示装置104がある場合よりも、ユーザが現実空間を視認可能な範囲が広くなる。また、第2位置は、座部401Aに着座したユーザの身体前方の空間外の位置でもよい。このような第2位置に表示装置104がある場合、ユーザは、視線A5方向への移動が容易になる。なお、第2位置は、上述した例に限らず、第1位置と異なる位置であればどのような位置でもよい。
【0108】
なお、回転保持部1042の係止部1044が表示装置104の上面に当接することで、表示装置104が第1位置に保持される。また、回転軸1043自体又は回転軸1043に加えて、回転軸1043の回転を規制する規制部を設け、規制部によって所定の角度範囲でのみ回転軸1043が回転するようにしてもよい。また、第1の位置から第2の位置への回転角度は、回転軸1043を中心として例えば90度であるが、180度であっても120度であってもよい。
【0109】
なお、図16及び17において、ゲームシステム4を例にして説明したが、ゲームシステム1~3における表示装置104を回動可能に構成してもよい。
【0110】
また、椅子又は入力装置には、椅子と入力装置の鉛直方向における相対位置(高さ)を調整可能な高さ調整機構が設けられてもよい。例えば、椅子に高さ調整機構が設けられた場合、座部の高さが調整可能となる。入力装置及び入力装置の連結機構に高さ調整機能が設けられた場合、椅子の上端からの入力装置の高さが調整可能となる。これにより、ユーザは、座部に着座したときに自分の肩にフィットするように入力装置を配置させることができる。高さ調整機構として、例えばスプリング、空気ばね等の付勢部材、又は、調整した位置で各部品を固定するボルト等の締結部材等が用いられる。また、高さ調整機構として他の部材が用いられてもよい。
【0111】
以下、保持部114に高さ調整機構を適用した一例について、図18を参照して説明する。なお、高さ調整機構は、移動機構の一例である。
【0112】
図18に示す一例のように、保持部114の上部保持部115は、設置板1151、設置板保持部1152及び第1移動伝達部1153を有する。また、保持部114の下部保持部116は、基板1161及び駆動機構1162を有する。
【0113】
設置板1151は、入力装置が設置される板状部材である。入力装置は、設置板1151に対して回転可能に又は固定して設けられる。設置板保持部1152は、設置板1151に固定された部材であり、後述する第1移動伝達部1153に対して上下方向に働く力に応じて設置板1151とともに上下に移動する。
【0114】
基板1161は、支持部101C及び座部301Aの少なくともいずれか一方に固定されている。駆動機構1162は、基板1161に設置され、第1移動伝達部1153を上下方向に移動させるための力を出力するためのものであり、モータ1163及び第2移動伝達部1164を有する。なお、モータ1163は駆動部の一例である。
【0115】
モータ1163は、回転軸(図示せず)にトルクを生じさせ、当該回転軸と連結された第2移動伝達部1164を回転させる。なお、モータ1163の回転軸は、正回転及び逆回転に回転可能である。
【0116】
第2移動伝達部1164は、例えばピニオンである。例えば、第2移動伝達部1164の各歯の回転力が、第1移動伝達部1153の側面の上下方向に設けられたラックの各歯に伝達することで、第1移動伝達部1153を上下方向に移動させるための力が生じる。
【0117】
上述したとおり、高さ調整機構のモータ1163の駆動によって、上部保持部115を上下に移動させることが可能となり、また、上部保持部115に保持された入力装置を上下に移動させることが可能になる。
【0118】
図19は、入力装置102に設けられた移動入力スイッチ118A及び118Bを説明するための模式図である。
【0119】
入力装置102に設けられた移動入力スイッチ118Aがユーザによって操作されることにより、モータ1163は、正回転の回転方向で回転軸にトルクを生じさせ、第1移動伝達部1153が上方向に移動するように第2移動伝達部1164が回転する。これにより、上部保持部115及び入力装置102は上方向(座部から離れる方向)に移動する。
【0120】
また、入力装置102に設けられた移動入力スイッチ118Bがユーザによって操作されることにより、モータ1163は、逆回転の回転方向で回転軸にトルクを生じさせ、第1移動伝達部1153が下方向に移動するように第2移動伝達部1164が回転する。これにより、上部保持部115及び入力装置102は下方向(座部に近づく方向)に移動する。なお、移動入力スイッチ118A及び118Bは、移動入力部の一例である。
【0121】
なお、図19において、ゲームシステム1を例にして説明したが、ゲームシステム2~4に対して、移動入力スイッチ118A及び118Bを適用してもよい。
【0122】
また、椅子又は入力装置には、椅子と入力装置のピッチ軸又はロール軸上の相対位置を調整可能な奥行位置調整機構が設けられてもよい。例えば、椅子及び入力装置を連結する連結機構に、入力装置をピッチ軸又はロール軸方向の正方向及び負方向に移動可能な奥行位置調整機構が設けられる。これにより、ユーザは、椅子に着座したときに、自分の手の長さ等に合わせて操作部及び支持部材の位置を適切に調整することができる。奥行位置調整機構として、例えばラックとピニオン等の歯車機構、又はスライド機構等が用いられる。また、奥行位置調整機構として他の部材が用いられてもよい。
【0123】
また、椅子の回転機構は、支持部と座部の間に設けられていてもよい。その場合、支持部は基部に対して回転不能に固定され、支持部と座部の間に回転盤等の回転機構が備えられる。このように、椅子は、ユーザが着座した状態において、少なくとも座部が回転可能に設けられていれば、どのようなものでもよく、上記した構成に限定されない。
【0124】
また、椅子は、ロール軸Zを中心とする回転方向に回転又は揺動可能に設けられてもよい。その場合、センサは、ロール軸Zを中心とする回転角であるロール角の情報を取得し、処理部は、相対方向情報及び相対角度情報に加えて、ロール角の情報に基づいて表示装置の画像の表示範囲を特定する。
【0125】
また、制御装置は、左右の目に対し異なる映像又は画像を表示させる複眼用の画像処理を実行してもよい。
【0126】
また、ゲームシステムにおいて、入力装置が椅子に直接に設けられず、表示装置が椅子に直接に設けられ、センサが入力装置でなく、椅子又は表示装置に設けられるように構成されてもよい。その場合、ゲームシステムは、基部と、基部に回転可能に設けられ、少なくとも座部が回転可能な椅子と、ユーザによる入力操作を受け付ける入力装置と、椅子に設けられた表示装置と、椅子又は表示装置に設けられ、少なくとも、椅子の回転方向における基準方向に対する椅子の相対方向情報と、椅子の仰俯角方向における基準角度に対する椅子の相対角度情報とを取得するセンサを有する。表示装置及び椅子は連結部により連結され、表示装置には椅子の相対方向情報、相対角度情報及び位置情報に応じた画像が表示される。また、入力装置の入力操作が、表示装置に表示された画像に反映される。このゲームシステムにおいても、ゲームシステム1と同様の効果を奏することができる。
【0127】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
[1]
基部と、
前記基部に設けられ、少なくとも座部が回転可能な椅子と、
前記椅子に設けられ、前記椅子に着座したユーザによる入力操作を受け付ける入力装置と、
少なくとも、前記椅子の回転方向における基準方向に対する前記入力装置の相対方向情報を取得するセンサと、
前記椅子に着座したユーザと対面するように前記入力装置に設けられ、前記相対方向情報及び前記入力操作に応じた画像を表示する表示装置と、を有することを特徴とするゲームシステム。
[2]
前記椅子に設けられ且つ鉛直上方向に延在する保持部を更に有し、
前記入力装置は、前記保持部に設けられる、[1]に記載のゲームシステム。
[3]
前記入力装置は、前記椅子に対して仰俯角方向に回転可能に設けられ、
前記センサは、前記仰俯角方向における基準角度に対する前記入力装置の相対角度情報を更に取得し、
前記表示装置は、前記相対方向情報及び前記相対角度情報と前記入力操作とに応じた画像を表示する、[1]又は[2]に記載のゲームシステム。
[4]
前記椅子は、前記座部に対してリクライニング可能に設けられた背もたれを有し、
前記入力装置は、前記背もたれのリクライニング動作に伴って前記仰俯角方向に回転するように前記背もたれに固定されている、[3]に記載のゲームシステム。
[5]
前記椅子は、前記座部に対して固定するように設けられた背もたれを有し、
前記入力装置は、前記背もたれに対して前記仰俯角方向に回転可能に前記背もたれに設けられている、[3]に記載のゲームシステム。
[6]
すり鉢状に形成され、前記椅子に着座したユーザの足を置くための台座をさらに有する、[1]~[5]の何れか一項に記載のゲームシステム。
[7]
仮想空間内で操作対象を前記表示装置に表示し、且つ、前記入力操作に応じて、前記相対方向情報に応じた位置に向けて前記操作対象に対する特定の処理を行うゲームを実行する制御装置をさらに有する、[1]~[6]の何れか一項に記載のゲームシステム。
[8]
前記表示装置は、前記椅子に着座したユーザと対面する第1位置と、前記第1位置とは異なる第2位置との間を回動可能に前記入力装置に設けられる、[1]~[7]の何れか一項に記載のゲームシステム。
[9]
前記入力装置を、前記座部から第1距離だけ離れた位置から、前記座部から前記第1距離よりも長い第2距離だけ離れた位置に移動させる駆動部を更に有し、
前記入力装置は、前記駆動部を駆動させるための移動入力部を有する、[1]~[8]の何れか一項に記載のゲームシステム。
【符号の説明】
【0128】
1、2、3、4 ゲームシステム
100 基部
101、201、301、401 椅子
101A、301A 座部
101B、201B、301B 背もたれ
102、202、302 入力装置
103 センサ
104 表示装置
105 台座
110 制御装置
111 インタフェース部
112 記憶部
113 処理部113
114 保持部
115 上部保持部
116 下部保持部
117 固定部
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