(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】バーチャルゴルフシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231026BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023076853
(22)【出願日】2023-05-08
【審査請求日】2023-05-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506386837
【氏名又は名称】株式会社日本ブレーン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 一孝
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0250939(US,A1)
【文献】特開2003-228640(JP,A)
【文献】特開2019-150395(JP,A)
【文献】特開2022-173096(JP,A)
【文献】特報 エンジョイゴルフ!,週刊ファミ通,株式会社エンターブレイン,2005年06月24日,Vol.20 No.25,p.66
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想ゴルフコースを表すオリジナルコースデータを、第1のユーザが指定した設計情報に基づいて作成するコース作成装置と、
前記オリジナルコースデータを含むコースデータ群を管理する管理装置と、
前記第1のユーザとは異なる第2のユーザにより前記コースデータ群から選択されたコースデータの表す仮想ゴルフコースをスクリーンに投影すると共に、前記第2のユーザのショットに応じたゴルフボールの弾道を前記スクリーン上に再現するシミュレーション装置と、を含み、
前記管理装置は、前記仮想ゴルフコース内の場所又はアイテムに掲載される広告を表す広告データを、前記オリジナルコースデータに追加する、
ことを特徴とするバーチャルゴルフシステム。
【請求項2】
前記設計情報は、ホールの種類、ホールの形状及び性質、ハザードの形状及び性質、障害物の形状及び性質、並びに、文字列を表示するメッセージボードの形状及び性質の少なくとも1つに関連する情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のバーチャルゴルフシステム。
【請求項3】
前記管理装置は、広告データを含む前記オリジナルコースデータが、前記第2のユーザにより選択されると、前記第1のユーザ、前記第1のユーザから所有権を譲渡された第3のユーザ、又は、第1のユーザに使用権を許諾された第4のユーザに支払う報酬額として、広告料に応じた報酬額を算出する、
ことを特徴とする請求項
1に記載のバーチャルゴルフシステム。
【請求項4】
前記設計情報は、前記広告の掲載場所を表す情報を含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載のバーチャルゴルフシステム。
【請求項5】
前記管理装置は、前記オリジナルコースデータが前記第2のユーザにより選択されると、前記第1のユーザにポイントを付与する、
ことを特徴とする請求項1に記載のバーチャルゴルフシステム。
【請求項6】
仮想ゴルフコースを表す複数のコースデータからなるコースデータ群を管理する管理装置であって、
前記仮想ゴルフコース内の場所又はアイテムに掲載される広告を表す広告データを前記コースデータに追加する管理装置と、
ユーザにより前記コースデータ群から選択されたコースデータの表す仮想ゴルフコースをスクリーンに投影すると共に、前記ユーザのショットに応じたゴルフボールの弾道を前記スクリーン上に再現するシミュレーション装置と、を含む、
ことを特徴とするバーチャルゴルフシステム。
【請求項7】
前記管理装置は、前記コースデータに、前記ユーザとは異なる他のユーザが指定した広告掲載情報に基づいて前記広告データを追加する、
ことを特徴とする請求項
6に記載のバーチャルゴルフシステム。
【請求項8】
前記広告掲載情報には、前記仮想ゴルフコースにおいて、広告を掲載する場所又は広告を掲載するアイテムを示す情報を含む、
ことを特徴とする請求項
7に記載のバーチャルゴルフシステム。
【請求項9】
前記管理装置は、広告データを含む前記コースデータが、前記ユーザにより選択されると、前記他のユーザに支払う報酬額として、広告料に応じた報酬額を算出する、
ことを特徴とする請求項
7に記載のバーチャルゴルフシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想ゴルフコースにユーザのショットに応じたゴルフボールの弾道を再現するバーチャルゴルフシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザのショットを計測し、そのショットに応じたゴルフボールの弾道を、スクリーンに投影した仮想ゴルフコース上に再現することによって、実際にゴルフ場でプレイしているかのような体験をすることができるバーチャルゴルフが普及している。バーチャルゴルフは、実際のゴルフ場に行くことなく世界中のゴルフコースでプレイする体験ができること、室内でプレイするため天候に左右されないこと、更に、ユーザ自身のタイミングでプレイすることができること等から、初心者から上級者まで楽しめることが魅力である。
【0003】
一般的に、バーチャルゴルフは、予めシステムに登録されている仮想ゴルフコースの中からプレイする仮想ゴルフコースを選択する。そのため、ユーザの好みに適したコースが登録されていない、選択できる仮想ゴルフコースの自由度が低い等の問題が生じている。その結果、ユーザはプレイ回数の増加に伴い、飽きを感じてしまう。また、バーチャルゴルフは、高性能なシミュレーション装置等の機器を使用することによりリアルな体験を提供する。そのため、装置の導入コストやメンテナンス等の維持費が高額になる傾向がある。シミュレーション装置を導入するためには、天井が高く面積が広い店舗物件が必要になる点も、導入コストを押し上げる一因になる。その結果、バーチャルゴルフの利用料金が高めに設定され、普及の妨げとなっているという問題が生じている。
【0004】
ユーザの好みに適したコースが登録されていない、又は、選択できる仮想ゴルフコースの自由度が低いという課題を解決する技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の技術では、ユーザが仮想ゴルフコースの特徴に関するパラメータを選択することにより、当該ユーザオリジナルの仮想ゴルフコースを作成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の技術では、予め選択できるコース設定をユーザ(プレイヤ)自身が変更した状態のコースでしかプレイできないという制約がある。そのため、ユーザ自身が度々コース設定を変更する手間が生じる。また、依然として、バーチャルゴルフの利用料金が高めに設定されていることにより普及が妨げられているという課題は解決していない。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、仮想ゴルフコースの選択の自由度を拡大すること、及び、バーチャルゴルフの利用料金の低減に寄与することができるバーチャルゴルフシステムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るバーチャルゴルフシステムは、仮想ゴルフコースを表すオリジナルコースデータを、第1のユーザが指定した設計情報に基づいて作成するコース作成装置と、前記オリジナルコースデータを含むコースデータ群を管理する管理装置と、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザにより前記コースデータ群から選択されたコースデータの表す仮想ゴルフコースをスクリーンに投影すると共に、前記第2のユーザのショットに応じたゴルフボールの弾道を前記スクリーン上に再現するシミュレーション装置と、を含んでいる。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るバーチャルゴルフシステムは、仮想ゴルフコースを表す複数のコースデータからなるコースデータ群を管理する管理装置であって、広告データを前記コースデータに追加する管理装置と、ユーザにより前記コースデータ群から選択されたコースデータの表す仮想ゴルフコースをスクリーンに投影すると共に、前記ユーザのショットに応じたゴルフボールの弾道を前記スクリーン上に再現するシミュレーション装置と、を含んでいる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、仮想ゴルフコースの選択の自由度を拡大すること、及び、バーチャルゴルフの利用料金の低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係るバーチャルゴルフシステムの構成を示す模式図である。
【
図2】実施形態1に係るバーチャルゴルフシステムに含まれる管理装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態1に係るバーチャルゴルフシステムが備えているユーザ端末1に表示される表示画像の一例を示す模式図である。
【
図4】実施形態1に係るバーチャルゴルフシステムの付加機能1に係る処理の一例を示すフロー図である。
【
図5】実施形態1に係るバーチャルゴルフシステムの付加機能2に係る処理の一例を示すフロー図である。
【
図6】実施形態2に係るバーチャルゴルフシステムの構成を示す模式図である。
【
図7】実施形態2に係るバーチャルゴルフシステムに含まれる管理装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】実施形態2に係るバーチャルゴルフシステムの処理の一例を示すフロー図である。
【
図9】本発明のバーチャルゴルフシステムの使用例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図6を参照して説明する。
【0013】
(バーチャルゴルフシステムSの概要)
本発明の一態様に係るバーチャルゴルフシステムSは、第1のユーザUaが指定した設計情報に基づいて作成された仮想ゴルフコースを、第1のユーザUaとは異なる第2のユーザUbがバーチャルゴルフでプレイすることができることを特徴とするシステムである。
(バーチャルゴルフシステムSの構成)
バーチャルゴルフシステムSの構成について、
図1を参照して説明する。
【0014】
バーチャルゴルフシステムSは、
図1に示すようにユーザ端末1と、コース作成装置2と、管理装置3と、少なくとも1つのシミュレーション装置4と、を含んでいる。ユーザ端末1及びコース作成装置2は、ネットワークを介し管理装置3と通信可能に構成されている。シミュレーション装置4は、ネットワークを介し管理装置3と通信可能に構成されている。
【0015】
ユーザ端末1は、バーチャルゴルフにおいて使用可能な仮想ゴルフコースを設計する第1のユーザUaが所持している。ユーザ端末1は、第1のユーザUaによる仮想ゴルフコースのホールの種類、ホールの形状及び性質、ハザードの形状及び性質、障害物の形状及び性質、並びに、文字列を表示するメッセージボードの形状及び性質の少なくとも1つに関連する情報を含む設計情報の入力を受け付ける。また、第1のユーザUaは、自身が設計する仮想ゴルフコースに任意の名前を付してもよい。この場合、第1のユーザUaは、上記設計情報に加えて仮想ゴルフコースに付する名前を示す情報をユーザ端末1に入力する。
【0016】
ここで「ホールの種類に関する情報」は、第1のユーザUaがショートホール、ミドルホール、又はロングホール等の選択肢から選択した情報であってもよいし、第1のユーザUaが任意に設定したヤード数のホールを示す情報であってもよい。「ホールの形状及び性質に関する情報」は、第1のユーザUaがホールの傾斜、フェアウェイの幅又は長さ、ラフの広さ等の各々を選択肢から選択した情報であってもよいし、第1のユーザUaが任意に入力した情報であってもよい。「ハザードの形状及び性質に関する情報」は、第1のユーザUaが木、バンカー、池、又は道路等の選択肢からハザードを選択し、大きさ及び位置を任意に設定した情報であってもよい。「障害物の形状及び性質に関する情報」は、第1のユーザUaがフラッグ、カラーコーン(登録商標)等の選択肢から障害物を選択し、大きさ及び位置を任意に設定した情報であってもよい。「文字列を表示するメッセージボードの形状及び性質に関する情報」は、第1のユーザUaがメッセージボードの大きさ及び位置、当該メッセージボードに表示されるメッセージを任意に設定した情報であってもよい。メッセージの具体例としては、「お誕生日おめでとう」等が挙げられる。なお、設計情報に含まれる情報は上述したものに限定されない。例えば、天候に関する情報、遠景に関する情報等が設計情報に含まれていてもよい。
【0017】
また、ユーザ端末1は、第1のユーザUaによって入力された上述のような設計情報をコース作成装置2に送信する。なお、本実施形態においては、第1のユーザUaが所持しているデスクトップPC(Personal Computer)をユーザ端末1として利用するが、これに限定されない。例えば、スマートフォン、又はタブレット端末等をユーザ端末1として利用してもよい。
【0018】
コース作成装置2は、ユーザ端末1から受信した第1のユーザUaが指定した設計情報に基づいて仮想ゴルフコースを表すオリジナルコースデータを作成する。また、コース作成装置2は、作成したオリジナルコースデータ及び第1のユーザUaに関する情報を管理装置3に送信する。本実施形態においてコース作成装置2は、バーチャルゴルフをプレイする施設外に配置される。一例として、データセンターに配置される。コース作成装置2として利用可能なデバイスとしては、例えば、クラウドサーバを構成するワークステーションを挙げることができる。
【0019】
管理装置3は、コース作成装置2から受信したオリジナルコースデータを含むコースデータ群を管理する。また、管理装置3は、後述するシミュレーション装置4から受信した信号に基づいて、コースデータ群の中からコースデータを抽出してシミュレーション装置4に送信する。本実施形態において管理装置3は、コース作成装置2と同様にバーチャルゴルフをプレイする施設外に配置される。したがって、コース作成装置2と管理装置3とは、同じ場所に配置されてもよいし、それぞれ異なる場所に配置されてもよい。管理装置3として利用可能なデバイスとしては、例えば、クラウドサーバを構成するワークステーションを挙げることができる。
【0020】
シミュレーション装置4は、バーチャルゴルフをプレイすることができる施設に配置され、バーチャルゴルフをプレイする第2のユーザUbによって操作される。ここで第2のユーザUbとは、仮想ゴルフコースを設計する第1のユーザUaとは異なるユーザであることを想定するが、第1のユーザUaと第2のユーザUbは同一であってもよい。第2のユーザUbは、管理装置3に格納されているコースデータ群からバーチャルゴルフでプレイする仮想ゴルフコースを表すコースデータを選択する操作をシミュレーション装置4に入力する。シミュレーション装置4は、第2のユーザUbによるコースデータの選択を受け付けると、選択したコースデータの送信を指示する信号を管理装置3に送信する。また、シミュレーション装置4は、管理装置3から受信したコースデータの表す仮想ゴルフコースをスクリーンに投影すると共に、第2のユーザUbのショットに応じたゴルフボールの弾道を再現してスクリーンに投影する。本実施形態においては、バーチャルゴルフをプレイする施設に配置されている公知の装置をシミュレーション装置4として利用する。
【0021】
上述した各装置同士を接続するためのネットワークは、任意に選択することができる。利用可能なネットワークとしては、例えば、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、CAN(Campus Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)、又は、これらのネットワークを含むインターネットワークが挙げられる。インターネットワークは、イントラネットであってもよいし、エクストラネットであってもよいし、インターネットであってもよい。
【0022】
上述したバーチャルゴルフシステムSを構成する装置の詳細について、
図2を参照して説明する。
図2は、バーチャルゴルフシステムSが備えている装置の内部構成の一例を示すブロック図である。なお、本実施形態においては、ユーザ端末1及びシミュレーション装置4として公知の装置を利用するため、以下での説明は省略する。
【0023】
(コース作成装置2の構成)
コース作成装置2は、
図2に示すように、通信部21、制御部22、及び記憶部23を備えている。
【0024】
[通信部21]
通信部21は、ネットワークを介してユーザ端末1及び管理装置3と通信を行う。一例として、通信部21は、ユーザ端末1から第1のユーザUaが指定した設計情報を受信する。また、通信部21は、第1のユーザUaが指定した設計情報に基づいて作成したオリジナルコースデータ及び第1のユーザUaに関する情報を管理装置3に送信する。
【0025】
[制御部22]
制御部22は、CPU(Central Processing unit)を含む。当該CPUが記憶部23に格納されている制御プログラム(図示せず)を実行することにより、コース作成装置2が備えている各構成要素を制御する。また、制御部22は、コースデータ作成部221を備えている。
【0026】
コースデータ作成部221は、仮想ゴルフコースを表すコースデータを作成する。一例として、コースデータ作成部221は、ユーザ端末1から受信した第1のユーザUaが指定した設計情報を反映した仮想ゴルフコースを表すオリジナルコースデータを作成する。
【0027】
[記憶部23]
記憶部23には、各種情報が格納されている。一例として、記憶部23には、ユーザ端末1から受信した設計情報や第1のユーザUaに関する情報、ユーザ端末1から受信した設計情報に基づいて作成したオリジナルコースデータが格納されている。また、記憶部23には、上述したものに限らず、コース作成装置2が実施するあらゆる処理に関連する情報を格納される。
【0028】
なお、本実施形態においては、コース作成装置2として、ユーザ端末1から受信した設計情報に基づいて自動でオリジナルコースデータを作成する構成を採用したがこれに限定されない。第1のユーザUaからヒアリングした設計情報をサービス提供者(例えば、バーチャルゴルフシステムSの所有者)がコース作成装置2に入力し、入力された設計情報に基づいてオリジナルコースデータを作成してもよい。この場合、コース作成装置2は、サービス提供者による設計情報の入力を受け付けるための入力部及び入力した設計情報に基づくプレビュー画像を表示するための表示部を更に備える必要がある。
【0029】
(管理装置3の構成)
管理装置3の構成について、引き続き
図2を参照して説明する。
【0030】
管理装置3は、
図2に示すように、通信部31、制御部32、及び、記憶部33を備えている。
【0031】
[通信部31]
通信部31は、ネットワークを介してユーザ端末1及びコース作成装置2と通信を行い、ネットワークを介してシミュレーション装置4と通信を行う。一例として、通信部31は、コース作成装置2から第1のユーザUaの指定した設計情報に基づいて作成されたオリジナルコースデータ及び第1のユーザUaに関する情報を受信する。また、通信部31は、シミュレーション装置4から第2のユーザUbが選択した仮想ゴルフコースを表すコースデータの送信を指示する信号を受信し、当該コースデータをシミュレーション装置4に送信する。
【0032】
[制御部32]
制御部32は、CPUを含む。当該CPUが記憶部33に格納されている制御プログラム(図示せず)を実行することにより、管理装置3が備えている各構成要素を制御する。また、制御部32は、データベース作成部321及びデータ管理部322を備えている。
【0033】
データベース作成部321は、各種データベースの作成(更新)を行う。一例として、データベース作成部321は、コース作成装置2から受信したオリジナルコースデータと、そのオリジナルコースデータの基となった設計情報を指定した第1のユーザUaに関する情報とを関連づけたデータを含むコースデータ群であるコース情報データベースを作成(更新)する。なお、コース情報データベースには、実際に存在するゴルフ場を模倣した仮想ゴルフコースを表すコースデータが含まれていてもよい。
【0034】
データ管理部322は、各種データベースからの情報の抽出を行う。一例として、データ管理部322は、シミュレーション装置4から受信した第2のユーザUbが選択した仮想ゴルフコースを表すコースデータの送信を指示する信号に基づいて、コースデータをコース情報データベースから抽出し、シミュレーション装置4に送信する。また、データ管理部322は、各種データベースから抽出したデータに基づいたデータ処理を実施する。
【0035】
[記憶部33]
記憶部33には、各種情報が格納されている。一例として、記憶部33には、コース情報データベース、第2のユーザUbが選択した仮想ゴルフコースの履歴を示す情報が格納されている。また、記憶部33には、上述した例に限らず、管理装置3が実施するあらゆる処理に関連する情報が格納される。
【0036】
(バーチャルゴルフシステムSが実施する処理)
[コース作成処理]
バーチャルゴルフシステムSが第1のユーザUaが指定する設計情報に基づいた仮想ゴルフコースを作成するために実施するコース作成処理について説明する。
【0037】
まず、ユーザ端末1が第1のユーザUaによる仮想ゴルフコースのホールの種類、ホールの形状及び性質、ハザードの形状及び性質、障害物の形状及び性質、並びに、文字列を表示するメッセージボードの形状及び性質の少なくとも1つに関連する情報を含む設計情報の入力を受け付ける。入力を受け付けたユーザ端末1は、設計情報をコース作成装置2に送信する。
【0038】
コース作成装置2のコースデータ作成部221は、受信した設計情報に基づいて仮想ゴルフコースを表すオリジナルコースデータを作成する。
【0039】
管理装置3のデータベース作成部321は、コース作成装置2において作成されたオリジナルコースデータと、当該オリジナルコースデータの基になった設計情報を入力した第1のユーザUaとを関連付けた情報をコース情報データベースに記録する。これにより、バーチャルゴルフをプレイする第2のユーザUbが第1のユーザUaが指定した設計情報に基づいて作成された仮想ゴルフコースを選択可能になる。
【0040】
[仮想ゴルフコースの提供処理]
第2のユーザUbがバーチャルゴルフをプレイするために、シミュレーション装置4に仮想ゴルフコースを表すコースデータを提供する仮想ゴルフコースの提供処理について説明する。
【0041】
まず、シミュレーション装置4が第2のユーザUbによる仮想ゴルフコースの選択を受け付ける。この時、シミュレーション装置4は、選択された仮想ゴルフコースを表すコースデータの送信を指示する信号を管理装置3に送信する。
【0042】
管理装置3のデータ管理部322は、記憶部33に格納されているコース情報データベースから選択された仮想ゴルフコースを表すコースデータを抽出する。
【0043】
管理装置3の通信部31は、コース情報データベースから抽出された、第2のユーザUbが選択した仮想ゴルフコースを表すコースデータをシミュレーション装置4に送信する。これにより、第2のユーザUbは、自身が選択した仮想ゴルフコースでバーチャルゴルフをプレイすることができる。
【0044】
(表示例)
第1のユーザUaが設計情報をユーザ端末1に入力するとき、ユーザ端末1に表示される表示画面について、
図3を参照して説明する。
図3は、第1のユーザUaが設計情報を入力するときにユーザ端末1の表示部に表示される表示画像の一例を示す図である。
【0045】
図3に示す表示画像の一例では、仮想ゴルフコースに配置する障害物の選択肢と、入力した設計情報を反映した仮想ゴルフコースとが示されている。一例として、第1のユーザUaは、障害物の選択肢の中から障害物をドラッグアンドドロップする操作により、障害物の形状又は性質に関する情報をユーザ端末1に入力する。
【0046】
(付加機能1)
本実施形態に係るバーチャルゴルフシステムSは、第1のユーザUaが指定した設計情報に基づいて作成された仮想ゴルフコースが第1のユーザUaとは異なる第2のユーザUbに選択されると、第1のユーザUaにポイントを付与する機能を有していてもよい。この機能を発揮するために、管理装置3のデータベース作成部321は、第1のユーザUaと獲得ポイントとを関連付けたデータからなるポイントデータベースを作成(更新)する。
【0047】
なお、ここで付与するポイントは、例えば、現金に換算して別の仮想ゴルフコースを作成する費用やバーチャルゴルフの利用料金の割引に充てることができるポイントであってもよいし、ゴルフ用品等と交換可能なポイントであってもよい。
【0048】
[ポイント付与の処理]
バーチャルゴルフシステムSが実施するポイント付与の処理の流れについて
図4を参照して説明する。ポイント付与の処理は、上述したバーチャルゴルフシステムSが実施する第2のユーザUbがバーチャルゴルフをプレイするための処理と並行して実施される。
図4は、バーチャルゴルフシステムSが実施するポイント付与の処理の流れを示すフロー図である。
【0049】
まず、シミュレーション装置4が第2のユーザUbによる仮想ゴルフコースの選択を受け付ける(ステップS101:コース選択)。この時シミュレーション装置4は、線選択された仮想ゴルフコースを表すコースデータの送信を指示する信号を管理装置3に送信する。
【0050】
管理装置3のデータ管理部322は、コース情報データベースで第2のユーザUbが選択した仮想ゴルフコースを表すコースデータを照会して、当該コースデータに関連付けられている第1のユーザUaを特定する(ステップS102:第1のユーザUaの特定)。
【0051】
管理装置3のデータ管理部322は、特定した第1のユーザUaが第2のユーザUbと同一でないかを判定する(ステップS103)
【0052】
特定した第1のユーザUaが第2のユーザUbと同一でない場合(ステップS103にてYES)、管理装置3のデータ管理部322は、ポイントデータベースを更新する(ステップS104:ポイントの付与)。特定した第1のユーザUaが第2のユーザUbと同一である場合(ステップS103にてNO)、ポイントデータベースを更新せず処理を終了する。
【0053】
なお、第1のユーザUaは自身の獲得ポイントを確認することができる。この場合、第1のユーザUaがユーザ端末1を操作して、獲得ポイントの閲覧を要求する信号を管理装置3に送信する。当該信号を受信した管理装置3は、ポイントデータベースで第1のユーザUaの獲得ポイントを照会し、獲得ポイントに関する情報をユーザ端末1に送信する。
【0054】
(付加機能2)
本実施形態に係るバーチャルゴルフシステムSは、第1のユーザUaが指定した設計情報に基づいて作成された仮想ゴルフコースに広告を掲載する機能を有していてもよい。また、バーチャルゴルフシステムSは、広告を掲載した仮想ゴルフコースが第1のユーザUaとは異なる第2のユーザUbに選択されると、掲載している広告の広告料に応じた報酬が第1のユーザUaに支払われる機能を有していてもよい。これらの機能を発揮するために、管理装置3のデータベース作成部321は、仮想ゴルフコースに掲載される広告を表す広告データと広告料を示す情報とが関連付けられたデータからなる広告データベース、及び、第1のユーザUaと支払われるべき報酬額とが関連付けられた報酬データベースを作成する。
【0055】
バーチャルゴルフシステムSが上述したような機能を発揮するために実施する処理について説明する。
[コース作成処理]
バーチャルゴルフシステムSが広告掲載可能な仮想ゴルフコースを作成するために実施するコース作成処理について説明する。
【0056】
まず、第1のユーザUaが仮想ゴルフコース上において、広告を掲載する場所又は広告を掲載するアイテムを示す情報を含む設計情報をユーザ端末1に入力する。例えば、第1のユーザUaは、グリーン、フェアウェイ、木の上、バンカー脇、ラフ等から広告を掲載する場所を選択したり、飛行船、バルーン、ピン、フラッグ等から広告を掲載するアイテムを選択したりする。また、第1のユーザUaが入力する設計情報は、広告を掲載する場所又は広告を掲載するアイテムを示す情報の他に、広告を掲載する大きさ等を示す情報を含んでいてもよい。
【0057】
コース作成装置2のコースデータ作成部221は、入力された設計情報に基づいて仮想ゴルフコースを表すオリジナルコースデータを作成する。なお、ここで作成されたオリジナルコースデータは、仮想ゴルフコースに掲載される広告を示す広告データが抜けた状態である。
【0058】
管理装置3のデータベース作成部321は、作成されたオリジナルコースデータと、当該オリジナルコースデータの基になった設計情報を入力した第1のユーザUaとを関連付けた情報をコース情報データベースに記録する。これにより、バーチャルゴルフをプレイする第2のユーザUbは、広告を掲載した仮想ゴルフコースが選択可能になる。
【0059】
[報酬額の算出処理]
バーチャルゴルフシステムSが第1のユーザUaに支払う報酬額を算出するために実施する報酬額の算出処理について、
図5を参照して説明する。
図5は、バーチャルゴルフシステムSが実施する報酬額算出の処理の流れを示すフロー図である。
【0060】
まず、シミュレーション装置4が第2のユーザUbによる仮想ゴルフコースの選択を受け付ける(ステップS201:コース選択)。この時シミュレーション装置4は、線選択された仮想ゴルフコースを表すコースデータの送信を指示する信号を管理装置3に送信する。
【0061】
管理装置3のデータ管理部322は、第2のユーザUbが選択した仮想ゴルフコースを表すコースデータを記憶部33に格納されているコース情報データベースから抽出し、抽出したコースデータに関連付けられている第1のユーザUaが第2のユーザUbと同一でないか否かを判定する(ステップS202:第1のユーザUa≠第2のユーザUであるかの判定)。第1のユーザUa=第2のユーザUb(ステップS202にてNO)である場合、ステップS207に進む。
【0062】
第1のユーザUa≠第2のユーザUb(ステップS202にてYES)である場合、
更に、ステップS202において抽出したコースデータは、広告データを追加するコースデータか否かを判定する(ステップS203:広告の掲載有無の判定)。抽出したコースデータが広告データを追加するデータではない(ステップS203にてNO)場合、ステップS207に進む。
【0063】
抽出したコースデータが広告データを追加するデータ(ステップS203にてYES)である場合、データ管理部322は、広告データベースから掲載する広告を示す広告データを抽出し、抽出したコースデータに追加する(ステップS204:広告データの追加)。
【0064】
データ管理部322は、ステップS204において追加した広告データに対応する広告料を示す情報に基づいて報酬額を算出する(ステップS205:報酬額の算出)。
【0065】
管理装置3のデータベース作成部321は、ステップS205において算出した報酬額に基づいて、記憶部33に格納されている報酬データベースを更新する(ステップS206:データベースの更新)。
【0066】
管理装置3の通信部31は、ステップS204において広告データが追加されたコースデータをシミュレーション装置4に送信する(ステップS207:コースデータの送信)。
【0067】
なお、バーチャルゴルフシステムSは、上述した付加機能1及び付加機能2の双方を有していてもよいし、何れか一方のみを有していてもよい。また、本付加機能では、広告を掲載した仮想ゴルフコースの所有者が、当該仮想ゴルフコースを設計した第1のユーザであることを想定しているが、これに限定されない。例えば、仮想ゴルフコースを設計した第1のユーザUaは、当該仮想ゴルフコースの所有権を第3のユーザに譲渡することができる。この場合、コース情報データベースには、第1のユーザUaが指定した設計情報に基づいて作成されたオリジナルコースデータと、第1のユーザUaに関する情報と、第1のユーザUaが所有権を譲渡した第3のユーザに関する情報が関連付けて記録される。報酬が発生した場合には、コース情報データベースの記録された情報に基づいて、第1のユーザUa又は第3のユーザに報酬が支払われてもよい。また、第1のユーザUaは、第4のユーザに使用権を許諾することができる。この場合、コース情報データベースには、第1のユーザUaが指定した設計情報に基づいて作成されたオリジナルコースデータと、第1のユーザUaに関する情報と、第1のユーザUaが使用権を許諾した第4のユーザに関する情報が関連付けて記録される。報酬が発生した場合には、コース情報データベースの記録された情報に基づいて、第1のユーザUa又は第4のユーザに報酬が支払われてもよい。
【0068】
(バーチャルゴルフシステムSの効果)
バーチャルゴルフシステムSによれば、仮想ゴルフコースの選択の自由度が拡大されたバーチャルゴルフシステムを実現することができる。
【0069】
特に、第1のユーザUaが指定した設計情報に基づいて作成された仮想ゴルフコースを、第1のユーザUaとは異なる第2のユーザUbが選択し、プレイすることができるという構成を採用することにより、仮想ゴルフコースの選択の自由度が拡大された。
【0070】
また、バーチャルゴルフシステムSは、ポイントを付与する機能及び広告を掲載する付加機能により、第1のユーザUaによる仮想ゴルフコースの設計が促進され、仮想ゴルフコースの選択の自由度が更に拡大されるという効果も奏する。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0071】
(バーチャルゴルフシステムS1の概要)
本実施形態に係るバーチャルゴルフシステムS1は、バーチャルゴルフでプレイ可能な仮想ゴルフコースに広告を掲載することを特徴とするシステムである。
【0072】
(バーチャルゴルフシステムS1の構成)
バーチャルゴルフシステムS1の構成について、
図6を参照して説明する。
図6は、バーチャルゴルフシステムS1の構成を示す模式図である。
【0073】
バーチャルゴルフシステムS1は、
図6に示すように、管理装置3aと、少なくとも1つのシミュレーション装置4と、を含んでいる。管理装置3aは、ネットワークを介し、シミュレーション装置4と通信可能に構成されている。
【0074】
管理装置3aは、バーチャルゴルフでプレイ可能な仮想ゴルフコースを表すコースデータからなるコースデータ群を管理する。また、管理装置3aは、シミュレーション装置4から受信した信号に基づいて、コースデータ群の中からコースデータを抽出してシミュレーション装置4に送信する。本実施形態において管理装置3aは、バーチャルゴルフをプレイする施設外に配置される。管理装置3aとして利用可能なデバイスとしては、例えば、クラウドサーバを構成するワークステーションを挙げることができる。
【0075】
(管理装置3aの構成)
管理装置3aの構成について、
図7を参照して説明する。
図7は、管理装置3aの内部構成の一例を示すブロック図である。
【0076】
図7に示すように、管理装置3aは、入力部30a、通信部31a、制御部32a、及び記憶部33aを備えている。
【0077】
[入力部30a]
入力部30aは、管理装置3に対する他のユーザUaの入力操作を受け付ける。一例として、入力部30aは、他のユーザUaから仮想ゴルフコースを表すコースデータ、広告掲載情報、他のユーザUaに関する情報の入力を受け付ける。ここで「広告掲載情報」とは、広告を掲載する場所又は広告を掲載するアイテムを示す情報を含む情報のことである。例えば、他のユーザUaは、グリーン、フェアウェイ、木の上、バンカー脇、ラフ等から広告を掲載する場所を選択したり、飛行船、バルーン、ピン、フラッグ等から広告を掲載するアイテムを選択したりすることにより広告を掲載する場所又は広告を掲載するアイテムを示す情報を入力部30aに入力する。また、他のユーザUaが入力する広告掲載情報は、広告を掲載する場所又は広告を掲載するアイテムを示す情報の他に、広告を掲載する大きさ等を示す情報を含んでいてもよい。
【0078】
[通信部31a]
通信部31aは、ネットワークを介してシミュレーション装置4と通信を行う。一例として、通信部31aは、シミュレーション装置4からバーチャルゴルフをプレイするユーザUbが選択した仮想ゴルフコースを表すコースデータの送信を指示する信号を受信し、当該コースデータをシミュレーション装置4に送信する。
【0079】
[制御部32a]
制御部32aは、CPUを含む。当該CPUが記憶部33aに格納されている制御プログラム(図示せず)を実行することにより、管理装置3aが備えている各構成要素を制御する。また、制御部32aは、データベース作成部321a及びデータ管理部322aを備えている。
【0080】
データベース作成部321aは、各種データベースの作成(更新)を行う。一例として、データベース作成部321aは、仮想ゴルフコースを表すコースデータと、他のユーザUaに関する情報と、他のユーザUaが入力した広告掲載情報とを関連付けたデータからなるコースデータ群であるコース情報データベース、仮想ゴルフコースに掲載する広告を示す広告データと広告料とが関連付けられたデータからなる広告データベース、及び、他のユーザUaと支払われるべき報酬額とが関連付けられた報酬データベースを作成(更新)する。なお、コース情報データベースに含まれているコースデータは、実際に存在するゴルフ場を模倣した仮想ゴルフコースを表すコースデータであってもよいし、架空のゴルフコースを表すコースデータであってもよい。また、本実施形態においては、他のユーザUaとして、コースデータの作成者、既成のコースデータに広告を掲載するユーザ(例えば、サービス提供者)を想定する。サービス提供者の例としては、バーチャルゴルフに使用する機器のメーカー等が挙げられる。
【0081】
データ管理部322aは、各種データベースからの情報の抽出を行う。一例として、データ管理部322aは、シミュレーション装置4から受信したユーザUbが選択した仮想ゴルフコースを表すコースデータの送信を指示する信号に基づいて、コースデータ及び広告掲載情報をコース情報データベースから抽出し、広告データベースから広告データ及び広告料に関する情報を抽出する。また、データ管理部322aは、抽出したデータに基づいたデータ処理を実施する。一例として、データ管理部322aは、広告掲載情報に基づいてコースデータに広告データを追加する処理や、広告料を示す情報に基づいて、報酬額を算出する処理を実施する。
【0082】
[記憶部33a]
記憶部33aには、各種情報が格納されている。一例として、記憶部33aには、コース情報データベース、広告データベース、報酬データベース等の各種データベースが格納されている。また、記憶部33aには、上述した例に限らず、管理装置3aが実施するあらゆる処理に関連する情報が格納される。
【0083】
(バーチャルゴルフシステムS1が実施する処理)
バーチャルゴルフシステムS1が、仮想ゴルフコースを表すコースデータの所有者に支払う報酬額を算出するために実施する報酬額の算出処理について、
図8を参照してする。
図8は、バーチャルゴルフシステムS1が実施する報酬額算出の処理の流れを示すフロー図である。
【0084】
[報酬算出の処理]
まず、シミュレーション装置4がユーザUbによる仮想ゴルフコースの選択を受け付ける(ステップS301:コース選択)。この時シミュレーション装置4は、選択された仮想ゴルフコースを表すコースデータの送信を指示する信号を管理装置3aに送信する。
【0085】
管理装置3aのデータ管理部322aは、ユーザUbが選択した仮想ゴルフコースを表すコースデータと広告掲載情報とを記憶部33aに格納されているコース情報データベースから抽出し、広告データベースから抽出した広告データを広告掲載情報に基づいて追加する(ステップS302:広告データの追加)。
【0086】
データ管理部322aは、ステップS402において追加した広告データに対応する広告料を示す情報に基づいて報酬額を算出する(ステップS303:報酬額の算出)。
【0087】
管理装置3aのデータベース作成部321aは、ステップS403において算出した報酬額に基づいて、記憶部33aに格納されている報酬データベースを更新する(ステップS304:データベースの更新)。
【0088】
管理装置3aの通信部31は、ステップS402において抽出したコースデータをシミュレーション装置4に送信する(ステップS305:コースデータの送信)。
【0089】
(バーチャルゴルフシステムS1の効果)
バーチャルゴルフシステムS1によれば、バーチャルゴルフの利用料金の低減に寄与するバーチャルゴルフシステムを実現することができる。
【0090】
特に、仮想ゴルフコースに広告を掲載することにより、他のユーザUaであるサービス提供者等に広告料に応じた報酬が支払われる構成を採用することにより、バーチャルゴルフの利用料金以外の収入が見込まれるようになり、結果としてバーチャルゴルフの利用料金の低減に寄与することができる。また、利用料金が低減することによりバーチャルゴルフが更に普及する可能性がある。
【0091】
〔バーチャルゴルフシステムの使用例〕
バーチャルゴルフシステムの使用例について、
図9を参照して説明する。
図9は、バーチャルゴルフシステムSのビジネスモデルの一例を示す模式図である。
【0092】
図9に示すように、バーチャルゴルフシステムSは、第1のユーザUaが指定した設計情報に基づいて作成される仮想ゴルフコースに広告を掲載し、当該コースがユーザUbによって選択された回数等に応じて広告主から広告料が第1のユーザUa及びサービス提供会社(例えば、バーチャルゴルフシステムの所有者等)に支払われるビジネスモデルに適用することができる。
【0093】
また、バーチャルゴルフシステムS1は、図示はしないが、広告を掲載した仮想ゴルフコースがユーザUbによって選択された回数に応じて広告主から広告料がコースの所有者であるサービス提供会社(例えば、バーチャルゴルフシステムの所有者等)に支払われるビジネスモデルに適用することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
コース作成装置2、管理装置3、管理装置3a(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部22、32、32aに含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0094】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0095】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0096】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0097】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0098】
〔まとめ〕
本実施形態の態様1に係るバーチャルゴルフシステムは、仮想ゴルフコースを表すオリジナルコースデータを、第1のユーザが指定した設計情報に基づいて作成するコース作成装置と、前記オリジナルコースデータを含むコースデータ群を管理する管理装置と、前記第1のユーザとは異なる第2のユーザにより前記コースデータ群から選択されたコースデータの表す仮想ゴルフコースをスクリーンに投影すると共に、前記第2のユーザのショットに応じたゴルフボールの弾道を前記スクリーン上に再現するシミュレーション装置と、を含んでいる。
【0099】
上記の構成によれば、第1のユーザが指定した設計情報に基づくオリジナルコースデータを作成し、且つ、そのコースデータが表す仮想ゴルフコースを第1のユーザとは異なる第2のユーザがプレイすることができる。これにより、バーチャルゴルフシステムにおいてプレイすることができる仮想ゴルフコースの選択の自由度を拡大することができる。
【0100】
本実施形態の態様2に係るバーチャルゴルフシステムは、上記態様1において、前記設計情報は、ホールの種類、ホールの形状及び性質、ハザードの形状及び性質、並びに、障害物の形状及び性質の少なくとも1つに関連する情報を含んでいる。
【0101】
上記の構成によれば、ホールの種類、ホールの形状及び性質、ハザードの形状及び性質、並びに、障害物の形状及び性質等を自由に指定することができるため、より第1のユーザが設計したいコースを精度高く再現することができる。
【0102】
本実施形態の態様3に係るバーチャルゴルフシステムは、上記態様1又は2において、前記管理装置は、前記仮想ゴルフコースに掲載される広告を表す広告データを、前記前記オリジナルコースデータに追加する。
【0103】
上記の構成によれば、第1のユーザが設計した仮想ゴルフコースに広告を掲載することができる。
【0104】
本実施形態の態様4に係るバーチャルゴルフシステムは、上記態様3において、前記管理装置は、広告データを含む前記オリジナルコースデータが、前記第2のユーザにより選択されると、前記第1のユーザ、又は、前記第1のユーザから所有権を譲渡された第3のユーザに支払う報酬額として、広告料に応じた報酬額を算出する。
【0105】
上記の構成によれば、第1のユーザは、広告を掲載している自身が設計した仮想ゴルフコースが第2のユーザに選択されることにより収入を得ることができる。
【0106】
本実施形態の態様5に係るバーチャルゴルフシステムは、上記態様3又は4において、前記設計情報は、前記広告の掲載場所を表す情報を含んでいる。
【0107】
上記の構成によれば、第1のユーザは、仮想ゴルフコース上の任意の位置に広告を掲載することができる。これにより、広告を目立つように配置したり、プレイの邪魔にならない位置に広告を掲載したりできるため、広告掲載の自由度が高い。
【0108】
本実施形態の態様6に係るバーチャルゴルフシステムは、上記態様1から5の何れか1つにおいて、前記管理装置は、前記オリジナルコースデータが前記第2のユーザにより選択されると、前記第1のユーザにポイントを付与する。
【0109】
上記の構成によれば、第1のユーザは自身が設計した仮想ゴルフコースが第2のユーザによって選択される度にバーチャルゴルフシステムにおいて使用可能なポイントを獲得することができる。
【0110】
本実施形態の態様7に係るバーチャルゴルフシステムは、仮想ゴルフコースを表す複数のコースデータからなるコースデータ群を管理する管理装置であって、前記仮想ゴルフコースに掲載される広告を示す広告データを前記コースデータに追加する管理装置と、
第2のユーザにより前記コースデータ群から選択されたコースデータの表す仮想ゴルフコースをスクリーンに投影すると共に、前記ユーザのショットに応じたゴルフボールの弾道を前記スクリーン上に再現するシミュレーション装置と、を含んでいる。
【0111】
上記の構成によれば、バーチャルゴルフにおいて使用可能な仮想ゴルフコースに広告を掲載することができる。これにより、広告掲載商品の販売促進を図ることができる。
【0112】
本実施形態の態様8に係るバーチャルゴルフシステムは、上記態様7において、前記管理装置は、前記コースデータに、前記ユーザとは異なる他のユーザが指定した広告掲載情報に基づいて前記広告データを追加する。
【0113】
上記の構成によれば、他のユーザが広告掲載を自由に指定することができる。そのため、広告を掲載したいコースには掲載し、そうでないコースには掲載しない等自由度高く広告掲載を調整することができる。
【0114】
本実施形態の態様9に係るバーチャルゴルフシステムは、上記態様8において、前記広告掲載情報には、前記仮想ゴルフコースにおいて、広告を掲載する場所又は広告を掲載するアイテムを示す情報を含んでいる。
【0115】
上記の構成によれば、他のユーザが広告の掲載場所又は広告を掲載するアイテム等を指定することができる。これにより、広告をユーザが見やすい位置に設置する等工夫を凝らすことができ、より広告商品の販売促進を図ることができる。
【0116】
本実施形態の態様10に係るバーチャルゴルフシステムは、上記態様8又は9において、前記管理装置は、広告データを含む前記コースデータが、前記ユーザにより選択されると、前記他のユーザに支払う報酬額として、広告料に応じた報酬額を算出する。
【0117】
上記の構成によれば、仮想ゴルフコースがユーザに選択されることにより収入を得ることができる。
【符号の説明】
【0118】
1 ユーザ端末
2 コース作成装置
3、3a 管理装置
4 シミュレーション装置
【要約】
【課題】バーチャルゴルフシステムにおいて、仮想ゴルフコースの選択の自由度を拡大することができるバーチャルゴルフシステムを実現する。
【解決手段】バーチャルゴルフシステム(S)は、仮想ゴルフコースを表すオリジナルコースデータを、第1のユーザが指定した設計情報に基づいて作成するコース作成装置(2)と、オリジナルコースデータを含むコースデータ群を管理する管理装置(3)と、第1のユーザとは異なる第2のユーザによりコースデータ群から選択されたコースデータの表す仮想ゴルフコースをスクリーンに投影すると共に、第2のユーザのショットに応じたゴルフボールの弾道を前記スクリーン上に再現するシミュレーション装置(4)からなる。
【選択図】
図1