(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】食品の冷凍装置及び食品の冷凍方法
(51)【国際特許分類】
F25D 13/00 20060101AFI20231026BHJP
F25D 19/00 20060101ALI20231026BHJP
F25D 13/06 20060101ALI20231026BHJP
F25D 17/08 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
F25D13/00 A
F25D19/00 520
F25D13/06
F25D17/08 301
(21)【出願番号】P 2018139577
(22)【出願日】2018-07-25
【審査請求日】2021-05-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504139846
【氏名又は名称】下田 一喜
(73)【特許権者】
【識別番号】501376338
【氏名又は名称】株式会社エイディーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100135828
【氏名又は名称】飯島 康弘
(72)【発明者】
【氏名】下田 裕人
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-055567(JP,A)
【文献】特開2015-161442(JP,A)
【文献】特開平10-267444(JP,A)
【文献】特開2008-128606(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0054225(KR,A)
【文献】実開昭54-142861(JP,U)
【文献】国際公開第2008/150105(WO,A2)
【文献】特開2005-201526(JP,A)
【文献】特開2004-293966(JP,A)
【文献】実開昭59-189079(JP,U)
【文献】特開昭59-229162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 13/00
F25D 19/00
F25D 13/06
F25D 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品が配置される冷却室を有している冷却庫と、
前記冷却室内に-80℃以下の空気を送り込むチラーと、
冷媒ラインと、
切換部と、
制御部と、
を有しており、
前記チラーは、前記冷却庫の外部に蒸発器を有しており、
前記蒸発器は、前記冷却室に送り込まれる前の前記空気を、冷媒との熱交換によって冷却し、
前記冷媒ラインは、
食品を保持した状態で前記冷却室内に
出し入れされる保持具に固定される部分を有しており、前記チラーから供給された前記冷媒が流れ、
前記制御部は、前記切換部が、
前記空気が前記冷却室内に送り込まれており、かつ前記冷媒が前記冷媒ラインに流れていない状態と、
前記空気が前記冷却室内に送り込まれておらず、かつ前記冷媒が前記冷媒ラインに流れている状態と、
前記空気が前記冷却室内に送り込まれており、かつ前記冷媒が前記冷媒ラインに流れている状態と、の間で冷却状態を切換えるように、前記切換部を制御する
冷凍装置。
【請求項2】
食品が配置される冷却室と、
前記冷却室内に-80℃以下の空気を送り込むチラーと、
冷媒ラインと、
を有しており、
前記チラーは、冷媒が循環する主流路を有しており、前記主流路は、前記冷却室の外部に蒸発器を有しており、
前記蒸発器は、前記冷却室に送り込まれる前の前記空気を、前記冷媒との熱交換によって冷却し、
前記冷媒ラインは、
一端が前記主流路のうちの前記蒸発器の上流に接続されており、他端が前記主流路のうちの前記蒸発器の下流に接続されており、
食品を保持した状態で前記冷却室内に
出し入れされる保持具に固定される部分を有しており、前記チラーから供給された前記冷媒が流れ、
前記主流路から分岐してから前記主流路に合流するまでの間に膨張弁及びキャピラリーチューブを有していない
冷凍装置。
【請求項3】
前記空気が前記冷却室内に送り込まれており、かつ前記冷媒が前記冷媒ラインに流れていない状態と、
前記空気が前記冷却室内に送り込まれておらず、かつ前記冷媒が前記冷媒ラインに流れている状態と、
前記空気が前記冷却室内に送り込まれており、かつ前記冷媒が前記冷媒ラインに流れている状態と、の間で冷却状態を切換える切換部を更に有している
請求項2に記載の冷凍装置。
【請求項4】
前記冷却室内に配置され、食品が載置される金属製のプレートを更に有している
請求項1~3のいずれか1項に記載の食品の冷凍装置。
【請求項5】
前記プレートは、複数の食品が配置される複数の凹部を有している
請求項4に記載の食品の冷凍装置。
【請求項6】
積層される複数の前記プレートを有している
請求項4又は5に記載の食品の冷凍装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の冷凍装置を用い、食品が配置されている前記冷却室に-80℃以下の空気を送り込むステップ
を有している食品の冷凍方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食品の冷凍装置(瞬間冷凍装置を含む)及び食品の冷凍方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品の保存及び/又は輸送等のために食品を凍結させる方法が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1では、食品を載せたベルトコンベアが通過する冷凍室に冷却された空気を送り込んで食品を凍結させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食品を好適に冷凍できる冷凍装置及び食品の冷凍方法が提供されることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る冷凍装置は、食品が配置される冷却室と、前記冷却室内に-80℃以下の空気を送り込むチラーと、を有している。
【0006】
一例において、前記チラーは、該チラー内において冷媒との熱交換によって前記空気を冷却し、前記冷媒が流れ、前記冷却室内に位置する部分及び前記冷却室に沿っている部分の少なくとも一方を有している冷媒ラインが設けられている。
【0007】
一例において、前記冷凍装置は、前記空気が前記冷却室内に送り込まれており、かつ前記冷媒が前記冷媒ラインに流れていない状態と、前記空気が前記冷却室内に送り込まれておらず、かつ前記冷媒が前記冷媒ラインに流れている状態と、前記空気が前記冷却室内に送り込まれており、かつ前記冷媒が前記冷媒ラインに流れている状態と、の間で冷却状態を切換える切換部を更に有している。
【0008】
一例において、前記チラーからの前記空気を前記冷却室内に向けて送出する送出口を有しており、前記送出口は、前記空気を前記食品に直接に吹き付けず、前記冷却室内の空気を攪拌させ、その攪拌による気流が前記食品に吹き付けられる。
【0009】
一例において、前記冷凍装置は、複数の前記送出口を有している。
【0010】
一例において、前記冷凍装置は、前記冷却室内に配置され、食品が載置される金属製のプレートを更に有している。
【0011】
一例において、前記プレートは、複数の食品が配置される複数の凹部を有している。
【0012】
一例において、前記冷凍装置は、積層される複数の前記プレートを有している。
【0013】
本開示の一態様に係る冷凍方法は、食品が配置されている冷却室に-80℃以下の空気を送り込むステップを有している。
【発明の効果】
【0014】
上記の構成又は手順によれば、食品を好適に冷凍できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の実施形態に係る食品の冷凍装置の全体構成を示す模式図。
【
図2】
図1の冷凍装置のチラーの構成を示す模式図。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は
図1の冷凍装置のプレートの変形例及び他の変形例を示す模式的な断面図。
【
図4】第2実施形態に係る冷凍装置の要部を示す模式的な斜視図。
【
図6】
図5の冷凍装置の冷却室の天井を示す平面図。
【
図7】
図5の冷凍装置の保持具の裏面を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
[冷凍装置の全体構成]
図1は、本開示の第1実施形態に係る冷凍装置1の全体構成を示す模式図である。
【0017】
冷凍装置1は、食品101の周囲に-80℃以下(又は-100℃以下)の空気を送り込むことによって食品101を凍結させる。このような冷凍方法を実現するために、冷凍装置1は、例えば、主要な構成要素として、食品101を収容する冷却庫3と、冷却庫3内に-80℃以下の空気を送り込むチラー5と、チラー5を制御する制御部7とを有している。食品101は、例えば、保持具9に保持された状態で冷却庫3に出し入れされる。制御部7は、例えば、冷却庫3内の温度を検出する温度センサ11の検出値に基づいてチラー5を制御する。これらの具体的な構成は、例えば、以下のとおりである。
【0018】
[食品]
冷凍の対象とされる食品(食材を含む。)は、種々のものとされてよい。例えば、食品は、生鮮食品であってもよいし、加工(調理含む)が施されたもの(加工食品)であってもよい。生鮮食品としては、例えば、鮮魚(魚介類)、精肉(肉類)及び青果を挙げることができる。加工食品としては、1次加工食品(白米、味噌及び漬物等)、2次加工食品(製麺及びバター等)及び3次加工食品(調理加工済み食品。菓子及び総菜等)を挙げることができる。
図1では、食品の一例として、生のままの貝の剥き身が模式的に(現実の大きさは考慮されずに)例示されている。
【0019】
本実施形態では、食品に直接に触れる冷媒は空気である。従って、例えば、冷媒の種類に起因する衛生上又は安全上の問題は生じない。ひいては、食品は、包装されていてもよいし、包装されていなくてもよい。包装は、食品を密封するものであってもよいし、密封しないものであってもよい。食品が密封されている場合、包装内は脱気されていてもよいし(真空包装がなされてもよいし)、脱気されていなくてもよい。また、包装は、内面が食品に触れていてもよいし、触れていなくてもよい。
図1では、密封されていない状態の食品が例示されている。食品が直接に-80℃の空気に触れる場合においては、食品が包装されている場合に比較して、例えば、速やかに食品を冷却することができる。なお、凍結時に包装されていなかった食品は、凍結後に包装(例えば密封)されても構わない。
【0020】
[冷却庫]
冷却庫3は、食品101が収容される冷却室3rを構成している。冷却室3rは、ある程度の密閉性を有している。その具体的な構成は、適宜なものとされてよい。例えば、冷却庫3は、業務用又は家庭用の、公知の冷凍庫又は冷蔵庫の容器部分と同様の構成を有していてよい。また、例えば、冷却庫3の側面、上面及び/又は下面は、樹脂の板及び/又は金属の板と、断熱材の板とを組み合わせて構成されていてよい。断熱材は、例えば、発泡ウレタンである。断熱材に加えて、又は代えて、空気層及び/又は真空層が設けられていてもよい。
【0021】
冷却庫3の大きさは適宜に設定されてよい。例えば、家庭用の冷蔵庫程度の大きさであってもよいし、これよりも小さくてもよいし、人が出入りできる程に大きくてもよい。また、冷却庫3の概略形状も適宜に設定されてよく、例えば、概略形状は直方体状である。
【0022】
冷却庫3は、食品101を出し入れするための開口(符号省略)を有している庫本体3aと、庫本体3aを開閉する扉3bとを有している。庫本体3aの開口(別の観点では扉3b)は、上面、側面及び下面の何れに位置していてもよく、その広さ及び数も任意である。例えば、開口は、食品101及び保持具9のみを出し入れできる大きさであってもよいし、人が出入りできる大きさであってもよい。また、例えば、庫本体3aの開口(扉3b)は、1側面のみに形成されていてもよいし、2以上の側面に形成されていてもよいし、1側面においてその全体に形成されていてもよいし、1側面においてその一部に形成されていてもよい。また、例えば、食品101の冷却庫3への搬入と食品101の冷却庫3からの搬出とに兼用される開口(扉3b)が設けられてもよいし、搬入専用の開口及び搬出専用の開口が設けられてもよい。また、例えば、冷却庫3内に複数の棚が設けられている場合において、棚毎に、又は複数の棚をグループ分けしたグループ毎に開口(扉3b)が設けられてもよい。
【0023】
扉3bの形式は適宜なものとされてよい。例えば、扉3bは、蝶番を軸に回転して開かれる開き戸(ドア)であってもよいし、スライド式の引き戸であってもよいし、リンク機構を利用したグライドスライドドアであってもよいし、折り畳まれる折戸であってもよい。また、扉3bは、1つの開口に2つで設けられる両開きであってもよいし、1つの開口に1つで設けられる片開きであってもよい。扉3bは、人力で開閉されるものであってもよいし、アクチュエータによって開閉されるものであってもよい。アクチュエータは、例えば、電動機、油圧シリンダ又はエアシリンダである。
【0024】
冷却庫3は、-80℃以下の空気を冷却庫3内に流入させるための流入口3c(送出口の一例である。)と、冷却庫3内の空気を流出させるための流出口3dとを有している。流入口3c及び流出口3dは、例えば、庫本体3a(又は扉3b)の内面(上面、側面及び下面)から突出している管の先端によって構成されていてもよいし(図示の例)、庫本体3a(又は扉3b)の内面に開口しているものであってもよい。
【0025】
流入口3cは、例えば、食品101(又は保持具9)に対向していない。従って、流入口3cから流入した空気は、直接的に食品101に吹き付けるのではなく、冷却庫3の内面に当たって反射することなどによって冷却庫3内の雰囲気を攪拌する流れ(例えば乱気流)を生じ、その攪拌による気流が食品101に吹き付けられる。別の観点では、-80℃の空気は、食品101の一面を集中的に冷却するのではなく、冷却庫3内を全体的に冷却し、ひいては食品101を全体的に冷却する。
【0026】
上記のような流れを実現する流入口3cの向き等は、種々可能である。例えば、流入口3cは、図示の例のように、食品101よりも上方で側方(水平方向)又は側方よりも上方側を向いていてもよいし、食品101の側方で上方又は下方に向いていてもよいし、食品101よりも下方で側方又は側方よりも下方側を向いていてもよい。また、流入口3cが食品101の方向に向いている場合に、その間に気流を遮断する部材を設けてもよい。なお、冷却庫3内には、流入口3cからの空気を食品101に向けて吹き付けるための部材(例えば食品101に対向するノズル)は設けられていない。
【0027】
また、流入口3cは、複数設けられていてもよい。この場合、全ての流入口3cが上記のように空気を食品101に直接に吹き付けないように設けられていてもよいし、一部の流入口3cのみが上記のように設けられていてもよい。また、複数の流入口3cは、互いに同一の方向に向いていてもよいし、互いに逆向き、又は互いに交差する方向に向いていてもよい。複数の流入口3cの位置及び向きは、例えば、冷却庫3内(食品101の周囲)の雰囲気が効率的に攪拌されるように適宜に設定されてよい。
【0028】
流出口3dは、冷却庫3内の適宜な位置で適宜な向きで設けられていてよい。例えば、流出口3dは、流入口3cが設けられている面(上面、側面及び下面)と同一の面に設けられていてもよいし(図示の例)、流入口3cが設けられている面とは異なる面に設けられていてもよい。流出口3dは、流入口3cの向きに対して、同一の方向に向いていてもよいし(図示の例)、逆方向に向いていてもよいし、交差する方向に向いていてもよい。流出口3dの流入口3cに対する相対的な位置及び向きは、例えば、冷却庫3内(食品101の周囲)の雰囲気が効率的に攪拌されるように適宜に設定されてよい。また、流出口3dも流入口3cと同様に、複数で設けられてもよい。なお、明示的な流出口3dが設けられず、冷却庫3の隙間から冷却庫3内の空気が漏れ出るようにしてもよい。
【0029】
[保持具]
保持具9は、例えば、複数の食品101を保持した状態で冷却庫3に出し入れされる。これにより、例えば、食品101を直接に冷却庫3に出し入れする場合(この場合も本開示に係る技術に含まれる。)に比較して作業性が向上する。なお、保持具9は、1つの食品101を保持するものであっても構わない。保持具9は、例えば、食品101が載置されるプレート9aと、プレート9aを支持する脚部9bとを有している。
【0030】
プレート9aは、例えば、金属からなる。金属は、例えば、アルミニウム又は銅である。別の観点では、プレート9aは、比較的熱伝導率が高い材料からなる。プレート9aの形状及び寸法は適宜に設定されてよい。
図1では、一定の厚さの平板が例示されている。
【0031】
脚部9bは、プレート9aと、プレート9aが載置される面(例えば冷却庫3の下面又は冷却庫3内の不図示の棚)とを離すスペーサとして機能している。脚部9bの形状及び寸法は適宜に設定されてよい。図示の例では、脚部9bは、紙面貫通方向に延びる梁状に形成されている。脚部9bは、プレート9aと同一の材料によって一体的に形成されていてもよいし、プレート9aとは別個に形成されてプレート9aにねじなどによって固定されていてもよい。脚部9bは、熱伝導率が高い材料(例えば金属)によって形成されていてもよいし、熱伝導率が低い材料(例えば樹脂又はセラミック)によって形成されていてもよい。
【0032】
[チラー]
図2は、チラー5の構成を示す模式図である。なお、この図では、冷却庫3に送り込まれる空気(2次冷媒)を冷却するための冷媒(1次冷媒)の流れる方向を二等辺三角形で示している。
【0033】
チラー5は、例えば、吸入路12aから流入した空気を冷却して送出路12bから流出させる。送出路12bは、冷却庫3の流入口3cに繋がっている。吸入路12aは、冷却庫3の流出口3dに繋がっている。従って、冷却庫3が密閉されている状態においては、空気は、送出路12b、流入口3c、冷却庫3内、流出口3d及び吸入路12aを順に経由して循環される。これにより、冷却庫3の外部の空気を吸入路12aから吸入して冷却する場合(この場合も本開示に係る技術に含まれる)に比較して、チラー5の負担が軽減される。
【0034】
チラー5は、例えば、吸入路12aからの空気を冷却するチラー本体5aと、冷却された空気の温度を検出する温度センサ13と、送出路12bから送り出す空気の流量を調整する流量調整部14とを有している。チラー本体5aは、例えば、温度センサ13が検出する温度が制御部7によって指定された温度になるように吸入路12aからの空気を冷却する。流量調整部14は、例えば、制御部7によって指定された流量で送出路12bから空気が送出されるように流量を制御する。冷却庫3に送り込まれる空気の流量及び/又は温度が制御されることによって、冷却庫3内の温度は所望の温度とされる。
【0035】
流量調整部14は、例えば、特に図示しないが、吸入路12a側から送出路12b側への流れを形成するポンプを含んでおり、ポンプの吐出量によって送出路12bから冷却庫3へ流れる空気の流量が調整される。ただし、ポンプに加えて、バルブが設けられ、バルブによって流量が調整されてもよい。また、図示の例では、流量調整部14は、送出路12bに設けられているが、一部又は全部が吸入路12aに設けられていてもよい。
【0036】
チラー本体5aは、例えば、冷却庫3に送り込まれる空気(2次冷媒)を冷却する冷媒(1次冷媒)が循環する主流路15を有している。また、チラー本体5aは、例えば、主流路15の一部に対して並列になるように両端が主流路15に接続されたホット流路17、自冷流路19及び圧力流路21を有している。さらに、チラー本体5aは、チラー5の各部を制御するためのサーモスタット47を有している。
【0037】
冷媒の種類はチラー本体5aに要求される冷却能力等に応じて適宜に設定されてよい。例えば、冷媒として、複数種類(例えば5種類)のフロン、アルゴン及びクリプトンを適宜な混合比で混合したものを利用してよい。このような冷媒を用いると、例えば、冷媒の温度を-80℃以下とすることが容易である。
【0038】
(主流路の構成)
主流路15は、冷却を直接に担う部分である。主流路15は、例えば、冷媒の流れ方向に順に、アキュムレータ23、圧縮機25、凝縮器27、温度センサ29、ドライヤー31、サイトグラス33、膨張弁35及び蒸発器36を有している。
【0039】
アキュムレータ23は、例えば、流入した冷媒から液状の冷媒を分離し、気体状の冷媒のみを圧縮機25へ供給する。なお、圧縮機25及びアキュムレータ23の組み合わせを圧縮機と捉えてもよい。
【0040】
圧縮機25は、気体状となっている冷媒を圧縮する。圧縮機25の能力(最高吐出圧力等)は適宜に設定されてよい。
【0041】
凝縮器27は、圧縮機25によって圧縮された冷媒を冷却して凝縮させる。
図2では、凝縮器27として空冷式のものが示されている。具体的には、例えば、凝縮器27は、冷媒が流れるラジエータ27aと、ラジエータ27aへ送風を行うファン27bとを有している。
【0042】
温度センサ29は、冷媒の温度を検出する。
【0043】
ドライヤー31は、凝縮器27によって液状とされた冷媒から水分を除去する。
【0044】
サイトグラス33は、液状の冷媒を視認可能とするための窓を構成する。
【0045】
膨張弁35は、凝縮器27によって液状とされた冷媒の流量を調整して蒸発器36へ流れる冷媒の圧力を低下させる(冷媒を膨張させる。)。なお、膨張弁35に代えて、又は加えて、キャピラリーチューブ(広義の膨張弁の一種)が設けられてもよい。
【0046】
蒸発器36は、膨張弁35からの冷媒を気化させつつ、吸入路12aから送出路12bへ流れる空気から熱を奪う。
【0047】
(ホット流路の構成)
ホット流路17は、例えば、一端が圧縮機25と凝縮器27との間に接続され、他端が膨張弁35と蒸発器36との間に接続されている。ホット流路17は、例えば、凝縮器27によって冷却される前の冷媒を冷却及び膨張がなされた冷媒に混ぜることにより、蒸発器36に供給される冷媒の温度を調節することに寄与する。
【0048】
ホット流路17は、例えば、ホット流路17を流れる冷媒の流量を調整可能なホット弁37を有している。ホット弁37によって冷媒の流量を調整することによって、蒸発器36に供給される冷媒の温度を調節することができる。
【0049】
(自冷流路の構成)
自冷流路19は、例えば、一端が凝縮器27と膨張弁35との間(より具体的には、例えば、サイトグラス33と膨張弁35との間)に接続され、他端が蒸発器36と圧縮機25との間(より具体的には、例えば、蒸発器36とアキュムレータ23との間)に接続されている。自冷流路19は、例えば、凝縮器27によって冷却されつつも膨張弁35から排出されずに滞留している冷媒を更に冷却すること、及び/又は主流路15の圧力を低減して機器(例えば圧縮機25)の負荷を低減することに寄与する。
【0050】
自冷流路19は、例えば、膨張弁35側から順に、自冷弁39と、自冷膨張弁41とを有している。自冷弁39の開閉によって自冷流路19への冷媒の流れが許容又は禁止される。自冷膨張弁41によって冷媒の流量を調整することによって、主流路15及び/又は自冷流路19の温度及び/又は圧力が調整される。
【0051】
(圧力流路の構成)
圧力流路21は、例えば、一端が凝縮器27と膨張弁35との間(より具体的には、例えば、温度センサ29とドライヤー31との間)に接続され、他端が蒸発器36と圧縮機25との間(より具体的には、例えば、自冷流路19の接続位置とアキュムレータ23との間)に接続されている。圧力流路21は、例えば、主流路15の圧力を低減して機器(例えば圧縮機25)の負荷を低減することに寄与する。
【0052】
圧力流路21は、例えば、冷媒貯留部43と、圧力計45とを有している。冷媒貯留部43は、特に図示しないが、例えば、冷媒を貯留するアキュムレータと、アキュムレータの上流にて冷媒の流れを許容及び禁止するバルブと、アキュムレータの下流にて冷媒の流れを許容及び禁止するバルブとを有している。圧力計45は、冷媒貯留部43の上流側の圧力と、下流側の圧力とを検出する。そして、例えば、両圧力の差が閾値を超えると、凝縮器27の下流の冷媒がアキュムレータに貯留されて主流路15の圧力が低減され、両圧力の差が閾値を下回ると、アキュムレータへの冷媒の貯留が禁止され、また、アキュムレータの冷媒が圧縮機25の上流へ戻される。
【0053】
(サーモスタット)
サーモスタット47は、例えば、送出路12bから送出される空気の温度及び/又は流量が制御部7によって指定された温度及び/又は流量になるように、チラー本体5a及び流量調整部14を制御する。例えば、サーモスタット47は、空気の目標温度及び目標流量に応じた熱交換がなされる冷媒の目標温度及び目標流量を設定し、当該目標温度及び目標流量が実現されるように、チラー本体5aの各部の動作を制御する。なお、冷媒の温度及び流量は、空気の温度及び/又は流量をフィードバック制御するときの操作量として、そのフィードバック制御のゲイン等に応じて目標値が設定されてもよい。また、サーモスタット47は、例えば、温度センサ29の検出した冷媒の温度に基づいて、当該温度が目標値に集束するように膨張弁35及び/又はホット弁37等の開度を制御する。なお、図示の例では、サーモスタット47と制御部7とを別個のものとして図示しているが、両者は区別できない構成であってもよい。
【0054】
[制御部]
図1に戻って、制御部7は、例えば、特に図示しないが、CPU、RAM、ROM及び外部記憶装置を含むコンピュータによって構成されている。CPUがROM及び外部記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、種々の制御乃至は演算を担う複数の機能部が構成される。
【0055】
制御部7は、例えば、不図示の入力装置を介して冷却庫3内の空気の目標温度を受け付ける。そして、制御部7は、例えば、温度センサ11の検出温度が目標温度に収束するようにチラー5のフィードバック制御を行う。具体的には、例えば、制御部7は、検出温度が目標温度よりも高い場合は、その差に応じた適宜なゲインで、チラー5から冷却庫3に送り込む空気の目標温度を下げるように、及び/又は当該空気の目標流量を増加させるようにサーモスタット47に指示する。逆に、制御部7は、検出温度が目標温度よりも低い場合は、その差に応じた適宜なゲインで、チラー5から冷却庫3に送り込む空気の目標温度を上げるように、及び/又は当該空気の目標流量を減少させるようにサーモスタット47に指示する。
【0056】
なお、単純な比例制御ではなく、PI(Proportional-Integral)制御、PD(Proportional-Differential)制御、PID制御が行われてもよい。また、例えば、温度差が所定の閾値を上回ったときにチラー5が送り込む空気の目標温度及び/又は目標流量を変化させるようなファジー制御が行われてもよい。上記では、制御部7によるメインループ内に、サーモスタット47によるマイナーループが形成されているが、マイナーループが廃されて、冷却庫3内の検出温度と目標温度との偏差に基づいて直接にチラー5の構成要素(例えば膨張弁35及び/又はホット弁37等)が制御されてもよい。逆に、制御部7が設けられずに、作業者がチラー5に対して空気又は冷媒の目標温度等を設定することによって、冷却庫3内の温度が目標値に維持されてもよい。
【0057】
冷却庫3内の温度(別の観点では冷却庫3内に送り込まれる空気の温度及び流量)は、冷却庫3の容積及び食品101の種類等に応じて適宜に設定されてよい。例えば、冷却庫3内の温度又は冷却庫3に送り込まれる空気の温度は、-80℃以下、-100℃以下又は-120℃以下とされる。冷却庫3に送り込まれる空気の流量は、例えば、50リットル/分以上又は100リットル/分以上とされる。
【0058】
[作用]
以上のとおり、本実施形態に係る冷凍装置1は、食品101が配置される冷却室3rと、冷却室3r内に-80℃以下の空気を送り込むチラー5と、を有している。
【0059】
従って、例えば、-80℃以下という極めて低い温度の雰囲気を利用することから、食品101を凍結する時間を短くすることができる。例えば、貝の剥き身を常温から-10℃程度へ2分程度で冷却することができる。その結果、例えば、氷の結晶の成長に伴う細胞破壊を抑制し、ひいては、食品101の品質の低下を抑制することができる。また、食品101を冷却するために食品101に触れるのは空気であることから、食品101を包装しておいたり、密閉しておいたりする必要は無く、作業性が向上する。また、例えば、-80℃以下という極めて低い雰囲気によって、食品101の表面の水分を瞬間的に凍結させて氷の被膜を早期に形成することができる。この氷の被膜は、例えば、食品101内の水分が失われることを抑制することに寄与する。
【0060】
なお、食品が冷却されていく過程において、食品の温度が-1℃~-5℃の温度帯を通過する時間が30分以内である場合、瞬間凍結、急速凍結又は急速冷凍等と呼ばれている。本実施形態の冷凍装置1は、このような瞬間凍結が可能なものであるから、瞬間凍結装置と捉えられてよい。
【0061】
また、本実施形態では、冷凍装置1は、チラー5からの空気を冷却室3r内に向けて送出する送出口(流入口3c)を有している。流入口3cは、空気を食品101に直接に吹き付けず、冷却室3r内の空気を攪拌させ、その攪拌による気流が食品101に吹き付けられる。
【0062】
従って、例えば、食品101の一面を集中的に冷却するのではなく、冷却庫3内を全体的に冷却し、ひいては食品101を全体的に冷却することができる。ひいては、食品101の全体の品質を保つことができる。
【0063】
また、本実施形態では、冷凍装置1は、冷却室3r内に配置され、食品101が載置される金属製のプレート9aを更に有している。
【0064】
一般に、金属は、熱伝導率が高い。従って、例えば、-80℃以下の空気のうち、食品101に触れた空気だけでなく、プレート9aに触れた空気も、食品101を冷却することに寄与する。本実施形態では、-80℃以下の空気を直接に食品101に吹き付ける構成ではなく、冷却庫3内の全体を冷却する構成であることから、プレート9aによる食品101の冷却は有効に作用する。
【0065】
[保持具の変形例]
図3(a)及び
図3(b)は、保持具の変形例及び他の変形例を示す断面図である。なお、変形例、後述する第2及び第3実施形態の説明においては、基本的に、第1実施形態との相違部分についてのみ説明する。特に言及がない事項については、第1実施形態と同様とされてよい。
【0066】
図3(a)に示す保持具151(プレート151a)は、一面に複数の食品101が配置される複数の凹部155を有している。1つの凹部155には、1つの食品101が配置される。
【0067】
凹部155の具体的な形状及び寸法は、食品101の形状及び寸法に応じて適宜に設定されてよい。例えば、凹部155は、食品101の下部又は全部が概ね嵌合する形状及び大きさとされてもよいし、そのような形状及び大きさよりも大きくてもよい。また、食品101が凍結前に変形可能なものである場合においては、食品101を凹部155の形状に合わせて変形させつつ凹部155に配置することによって、凍結後の食品101の形状を整えてもよい。なお、凍結前に変形可能な食品101としては、例えば、流動可能なもの(例えば練り物)、ある程度の変形が可能なもの(例えば肉、魚の切り身、貝の剥き身又は葉野菜)、複数個の食材からなり、複数個の食材の相対位置が変化可能なもの(例えばご飯)を挙げることができる。
【0068】
このように凹部155を設けることによって、例えば、金属製のプレート151aと食品101との接触面積を大きくして、プレート151aを介した冷却を促進することができる。また、上記の説明から理解されるように、凍結後の食品101の形状を任意の形状にすることもできる。
【0069】
図3(b)に示す保持具153(プレート153a)は、両面に凹部155を有している。これにより、例えば、保持具153は、いずれの面を上方とて用いることもできる。さらに、2点鎖線で示すように、複数の保持具153を積層して、複数の保持具153を冷却庫3に配置することもできる。この場合、食品101を上から覆うプレート153a(凹部155)は、食品101に当接してもよいし、当接しなくてもよい。
【0070】
なお、
図3(b)の例では、保持具153は、上面と下面とで構成が同じであるが、積層される複数の保持具は、上面と下面とで構成が異なっていてもよい。この場合、例えば、下面は、食品101の高さ以上でプレート間を離間させるスペーサが設けられている構成であってもよい。
【0071】
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態に係る冷凍装置201の要部の一部を模式的に示す斜視図である。
【0072】
第1実施形態では、扉3bを開閉することによって、冷却庫3内に食品101が出し入れされた。これに対して、第2実施形態では、食品101は、ベルトコンベア209によって搬送されて冷却室203rを通過し、その通過の間に凍結される。冷却室203r内は、冷却室3r内と同様に、チラー5によって-80℃以下の空気が送り込まれる。
図4では、冷却室203rの長手方向(ベルトコンベア209による食品101の搬送方向)の複数位置において、送出管203eを介して-80℃以下の空気が冷却室203r内に送り込まれる態様を例示している。
【0073】
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態に係る冷凍装置301の要部の構成を示す模式図である。
図6は、冷凍装置301の冷却室3rの天井を示す平面図である。
図7は、冷凍装置301の保持具9の裏面を示す平面図である。
【0074】
冷凍装置301では、冷却室3r内にチラー302の冷媒が流れる冷媒ライン303及び/又は305が設けられている点が第1実施形態と相違する。このような冷媒ラインを設けることによって、例えば、より迅速に冷却室3r内の食品101を冷却することができる。
【0075】
冷媒ライン303及び305の材料、位置、形状及び寸法等は適宜に設定されてよい。例えば、冷媒ライン303及び305は、金属等の熱伝導率が高い材料からなる管状部材(パイプ)からなる。管状部材の断面は、円形等の適宜な形状とされてよい。
【0076】
冷媒ライン303及び305のうち、冷媒ライン303は、冷却庫3に対して固定されているラインである。冷媒ライン303は、例えば、冷却室3rの天井(図示の例)、側面及び/又は下面に沿って延びている。これらの面の平面視において、冷媒ライン303は、ミアンダ状(図示の例)又は渦巻状等の適宜な経路で延びていてよい。冷媒ライン303は、例えば、特に図示しないが、適宜な留め具によって冷却庫3に固定され、又は冷却室3rの内面に接合されている。留め具は、例えば、冷媒ライン303が挿通されるリング状部分又は半リング状部分と、冷却庫3に螺合されるねじが挿通される部分とを有している。冷媒ライン303は、冷却室3rの内面に当接していてもよいし、当該内面から離れていてもよい。
【0077】
冷媒ライン303及び305のうち、冷媒ライン305は、保持具9に対して固定されているラインである。冷媒ライン305は、例えば、保持具9の下面(図示の例)、側面及び/又は上面に沿って延びている。冷媒ライン305が保持具9の下面又は上面等の比較的広い面に設けられている場合において、冷媒ライン305は、ミアンダ状(図示の例)又は渦巻状等の適宜な経路で延びていてよい。冷媒ライン305は、例えば、特に図示しないが、適宜な留め具によって保持具9に固定され、又は保持具9に接合されている。留め具は、例えば、冷媒ライン305が挿通されるリング状部分又は半リング状部分と、保持具9に螺合されるねじが挿通される部分とを有している。冷媒ライン305は、保持具9に当接していてもよいし、保持具9から離れていてもよい。
【0078】
なお、特に図示しないが、冷媒ラインは、冷却庫3及び/又は保持具9に作り込まれていてもよい。例えば、冷却庫3の内面と外面との間に冷媒ラインとなる流路が構成されていたり、保持具9の内部に冷媒ラインとなる流路が構成されていたりしてもよい。このような流路は、細長のものに限定されず、例えば、冷却庫3の所定面(例えば上面)全体に亘る広さを有する薄型直方体状のものであってもよい。また、冷却庫3が断熱性を有するように構成されていない場合においては、冷却庫3の外面に沿って延びるように冷媒ラインとなる管状部材を設けてもよい。
【0079】
別の観点では、冷媒ラインは、冷却室3r内に位置している部分か、冷却室3r(の所定面:上面、側面又は下面)に沿っている部分を有していればよい。なお、図示の例の冷媒ライン303及び305は、冷却室3r内に位置しているとともに、冷却室3rに沿っている。
【0080】
冷凍装置301は、-80℃以下の空気を冷却室3r内に送り込むことによる冷却と、冷媒を冷媒ライン303及び/又は305に流すことによる冷却とを選択的に利用可能であってもよい。例えば、チラー302は、冷却状態を3つの状態の間で切り換える切換部307(
図5)を有している。なお、本実施形態のチラー302は、この切換部307を有している点、冷媒を冷媒ライン303及び305へ流すことが可能になっている点、これらに関わる細部等がチラー5と相違し、他は第1実施形態のチラー5と同様である。
【0081】
切換部307が切り換える3つの冷却状態のうち、1つは、-60℃以下の空気が冷却室3r内に送り込まれており、かつ冷媒が冷媒ライン303及び305に流れていない状態である。他の1つは、-60℃の空気が冷却室3r内に送り込まれておらず、かつ冷媒が冷媒ライン303及び305に流れている状態である。最後の1つは、-60℃の空気が冷却室3r内に送り込まれており、かつ冷媒が冷媒ライン303及び305に流れている状態である。なお、切換部307は、上記の3つ以外の状態を実現可能であってもよい。例えば、冷媒ライン303と冷媒ライン305とで流れが別個に制御されてもよい。
【0082】
このように冷却状態(冷却方法)を切り換えることが可能であることによって、例えば、食品101の種類に応じて適切な冷却状態を選択したり、冷却室3r内の温度変化の状況に応じて適切な冷却状態を選択したりすることができる。冷却状態の切換えは、例えば、食品101の種類が変更されたとき(換言すれば冷却開始前)に行われてもよいし、特定の食品101を冷却している途中で、冷却室3r内の温度が所定の設定温度に到達したときに行われてもよい。
【0083】
切換部307は、上記のような切換えが可能に適宜に構成されてよい。例えば、切換部307は、特に図示しないが、主流路15から冷媒ライン303及び305への流れを許容及び禁止するバルブと、送出路12bから流入口3cへの空気の流れを許容及び禁止するバルブとを有している。これらのバルブは、例えば、不図示の入力装置に対する操作に基づいて制御部7によって制御される。
【0084】
なお、
図5では、切換部307は、冷却室3rに対して上流側に図示されているが、空気又は冷媒の経路が循環経路である場合においては、上流側に代えて、又は加えて、下流側に切換部307を構成するバルブが設けられていてもよい。また、切換部307は、チラー307に設けられているが、一部又は全部が冷却庫3に設けられてもよい。
【0085】
本開示に係る技術は、上述した実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0086】
食品を保持する保持具は、金属製のプレートを含むものに限定されない。例えば、食品が載置される網を有するものであってもよい。ただし、プレートであれば、食品との接触面積が大きく、保持具を介した冷却が促進される。また、
図4では、食品101がベルト上に直接に載置されているが、ベルトの上に食品を保持している保持具が配置されてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…冷凍装置、3…冷却庫、5…チラー、101…食品。