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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】物体検知装置
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/20 20060101AFI20231026BHJP
   B25J 19/06 20060101ALI20231026BHJP
   B25J 19/02 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
G01V8/20 N
B25J19/06
B25J19/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020537105
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(86)【国際出願番号】 JP2019032087
(87)【国際公開番号】W WO2020036217
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-03-12
(31)【優先権主張番号】P 2018153329
(32)【優先日】2018-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018220779
(32)【優先日】2018-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501397920
【氏名又は名称】旭光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136205
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 康
(74)【代理人】
【識別番号】100127166
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 政憲
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】樫 俊太郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 徹
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-209077(JP,A)
【文献】国際公開第2016/063546(WO,A1)
【文献】特開平11-258356(JP,A)
【文献】特開2013-083615(JP,A)
【文献】特開2018-103345(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008063081(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 8/00 - 8/26
B25J 19/02
B25J 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の物体を検知する物体検知センサ部、
複数の前記物体検知センサ部が配置され、柔軟性を有するセンサ配置柔軟部材、
前記物体検知センサ部の動作を制御する制御部、
前記物体検知センサ部と前記制御部とを接続する接続ハーネス、
を有する物体検知装置であって、
前記センサ配置柔軟部材は、
前記物体検知センサ部が配置されるセンサ配置部材、
隣接する前記物体検知センサ部の間をカスケード接続するセンサ間接続線であって、柔軟性を有するセンサ間接続線
を有し、
前記センサ間接続線を覆うことによって保護するセンサ間接続線保護部、
を有し、
前記センサ間接続線保護部は、
環状構造を有する中空円筒形状を有し、前記環状構造を有する前記中空円筒形状の内部 空間に、前記物体検知センサ部、及び、前記センサ間接続線を有する筐体を有すること、
を特徴とする物体検知装置。
【請求項2】
請求項1に係る物体検知装置において、
前記筐体は、
複数に分割されていること、
を特徴とする物体検知装置。
【請求項3】
請求項2に係る物体検知装置において、
前記筐体は、
前記環状構造を有する前記中空円筒形状を分割した第1筐体、及び、第2筐体を有する こと、
を特徴とする物体検知装置。
【請求項4】
請求項2、又は、請求項3に係る物体検知装置において、
前記筐体は、
隣接する前記複数に分割されている前記筐体を接続するヒンジ部を有すること、
を特徴とする物体検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体検知装置に関し、特に、物体検知センサ部を、設置場所の形状にかかわらず、容易に配置することができるものに関する。また、本発明は、物体検知装置に関し、特に、物体検知センサ部を取り付ける取付対象物の表面近傍を検知するものに関する。さらに、本発明は、物体検知システムに関し、特に、検知領域を、適宜、調整できるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物体検知装置について、図12に示す物体検知装置Z100を用いて説明する。図12には、物体検出装置Z100(図示せず)の使用例として、産業用ロボットの外表面に配置した状態を示している。物体検出装置Z100は、複数の光センサユニットZSU及び1つの中央制御部Z115を有している。光センサユニットZSUでは、複数の光センサ部Z111と1つのユニット制御部Z113とが、光センサ用接続線ZL111を介してスター型に接続されている。1つのグループラインZGLに属するユニット制御部Z113は、ユニット制御部用接続線ZL113を介してカスケード型に接続される。カスケード型に接続されるユニット制御部Z113の一つは、ユニット制御部用接続線ZL113を介して中央制御部Z115に接続される。フレキシブル性を有する光センサ用接続線ZL111及びユニット制御部用接続線ZL113を用いることによって、設置場所の形状に合わせて、自由に光センサ部Z111及びユニット制御部Z113を配置し、設置場所での検知範囲を自由に設定することができる。
【0003】
産業用ロボットZ50は、7軸の可動軸を有するロボットである。産業用ロボットZ50は、アームZAM1~ZAM7、可動回転ジョイントZJ1~ZJ13、土台ZB1、及び、ハンドZH1を有している。アームZAM1~ZAM7、ハンドZH1、土台ZB1の各外周面に物体検出装置Z100が配置されている。
【0004】
アームZAM1~ZAM7、土台ZB1、及び、ハンドZH1には、それぞれ1つのユニット制御部及び複数の光センサ部Z111が配置されている。図12に示すように、光センサ部Z111は、アームZAM1~ZAM7、ハンドZH1、土台ZB1等、設置場所の形状にかかわらず、いずれの場所にも配置することができる。このように、物体検出装置Z100を、設置対象である装置の外表面に容易に光センサ部Z111を配置することができるので、産業用ロボットの周辺に人等の物体を検出したときに、ロボットを緊急停止させることが可能となる。つまり、設置対象装置、例えば産業用ロボットの安全性を高めることができる。
【0005】
また、光センサ用接続線ZL111の長さを調整することにより、どのような位置にでも光センサ部Z111を配置することができる。よって、角柱状のアームZAM1~ZAM7、円柱状の土台ZB1等、設置場所の形状にかかわらず、全周囲に光センサ部111を配置することができる。これにより、ロボットの全周縁で人等の物体を検出することができるので、設置対象装置の安全性を高めることができる。
【0006】
さらに、ハンドZH1のような複雑な形状であっても、自由に光センサ部Z111を配置することができる。よって、光センサ部Z111を配置するにあたって死角の発生を防止できるので、設置対象装置の安全性を高めることができる。
【0007】
さらに、可動回転ジョイントZJ1~ZJ13のように、光センサ部Z111を配置するアームZAM1~ZAM7等の間に障害物があったとしても、ユニット制御部用接続線ZL113の長さを調整することにより、障害物を回避しながら、ユニット制御部Z113同士を接続することができる。このように、物体検知装置Z100では、配置する装置の形状にかかわらず、自由に配置することができる。
【0008】
物体検知装置Z100では、どのような設置形状であっても、光センサ部Z111及びユニット制御部Z113の数、配置位置、また、光センサ用接続線ZL111、ユニット制御部用接続線ZL113の長さを調整するだけで、容易に物体検知装置を配置することができる。また、物体検知装置Z100は、検知位置、検知範囲の変更、設置位置の変更、設置対象装置の形状の変更等、設置環境の変化にあわせて、光センサ部Z111、ユニット制御部Z113の設置位置を変更したり、設置数を追加、減少させたりすることによって、容易に設置環境の変化に対応することができる(以上、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2013-083615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
1.前述の物体検知装置Z100には、以下に示すような改善すべき点がある。物体検知装置Z100では、複数の光センサ部Z111及びユニット制御部Z113を、個別に設置対象物に配置する必要がある。このため、光センサ部Z111及びユニット制御部Z113の配置作業が繁雑であり、時間を要する、という改善すべき点がある。
【0011】
また、複数の光センサ部Z111及びユニット制御部Z113が、各接続線で接続されているため、物体検知装置Z100の持ち運び等、取り扱いが面倒である、という改善すべき点がある。
【0012】
そこで、本発明は、取り扱いが簡単で、物体検知センサ部を、設置場所の形状にかかわらず、容易に配置することができる物体検知装置を提供することを目的とする。
【0013】
2.前述の物体検知装置Z100には、以下に示すような改善すべき点がある。物体検知装置Z100では、複数の光センサ部Z111は、設置対象物である産業用ロボットZ50の表面から外側に向かって、つまり、各アームの表面から放射方向に向かって、検知光を投光する。このため、産業用ロボットZ50の各アームの表面付近を検知することができない、という改善すべき点がある。
【0014】
また、表面付近で検知できない範囲をできるだけ少なくしようとすると、多数の光センサ部Z111を配置する必要がある。光センサ部Z111の配置に要する作業負担が非常に大きくなるため、表面付近を検知するために多数の光センサ部Z111を配置することは、現実的でない、という改善すべき点がある。
【0015】
そこで、本発明は、設置対象物の表面付近を容易に検知することができる物体検知装置を提供することを目的とする。
【0016】
3.前述の物体検知装置Z100には、以下に示すような改善すべき点がある。物体検知装置Z100では、設置対象物の形状によっては、各光センサ部Z111が、自らが設置されている設置対象物自体を意図せずに検知してしい、設置対象物の動作を意図せず停止させてしまうことがある、という改善すべき点がある。
【0017】
そこで、本発明は、取付対象の形状にかかわらず、意図しない物体検知を防止できる物体検知システムを提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0019】
本発明に係る物体検知装置は、周囲の物体を検知する物体検知センサ部、複数の前記物体検知センサ部が配置され、柔軟性を有するセンサ配置柔軟部材、前記物体検知センサ部の動作を制御する制御部、前記物体検知センサ部と前記制御部とを、直接的に、または、間接的に接続する接続ハーネス、を有する。
【0020】
これにより、センサ配置柔軟部材を変形させることによって、物体検知センサ部を、設置場所の形状にかかわらず、容易に配置することができる。このように、物体検知センサ部を設置対象物の外表面に容易に配置することができるので、設置対象物の周辺に物体を検出したときに、設置対象物の動作を制御する動作制御システムを容易に構築できる。
【0021】
また、複数の物体検知センサ部がセンサ配置柔軟部材に一体として配置されているため、取り扱いを容易にできる。
【0022】
本発明に係る物体検知装置では、前記センサ配置柔軟部材は、帯形状を有し、前記帯形状の長軸に沿って直線状に配置された前記物体検知センサ部を有すること、を特徴とする。
【0023】
これにより、帯形状のセンサ配置柔軟部材を、物体検知装置を配置する対象である配置対象物に巻き付けるだけで、物体検知センサ部を配置対象物に配置できる。
【0024】
本発明に係る物体検知装置では、前記センサ配置柔軟部材は、前記物体検知センサ部が配置されるセンサ配置部材、前記センサ配置部材の間を連結する中間柔軟部材であって、柔軟性を有する中間柔軟部材、を有すること、を特徴とする。
【0025】
これにより、センサ配置部材に柔軟性を付与し、センサ配置柔軟部材を変形させることができるので、物体検知センサ部を、設置場所の形状にかかわらず、容易に配置することができる。このように、物体検知センサ部を設置対象物の外表面に容易に配置することができるので、設置対象物の周辺に物体を検出したときに、設置対象物の動作を制御する動作制御システムを容易に構築できる。
【0026】
本発明に係る物体検知装置では、前記中間柔軟部材は、長さを調整する伸縮機構を有すること、を特徴とする。
【0027】
これにより、物体検知センサ部を所望の位置に配置することができる。
【0028】
本発明に係る物体検知装置では、前記センサ配置柔軟部材は、前記物体検知センサ部が配置される複数の単位柔軟部材、を有し、前記単位柔軟部材は、隣接する他の前記単位柔軟部材と連結する連結機構を有すること、を特徴とする。
【0029】
これにより、センサ配置部材に柔軟性を付与し、センサ配置柔軟部材を変形させることが出来ので、物体検知センサ部を、設置場所の形状にかかわらず、容易に配置することができる。このように、物体検知センサ部を設置対象物の外表面に容易に配置することができるので、設置対象物の周辺に物体を検出したときに、設置対象物の動作を制御する動作制御システムを容易に構築できる。
【0030】
本発明に係る物体検知装置では、前記接続ハーネスは、前記物体検知センサ部のそれぞれを前記制御部に直接的に接続すること、を特徴とする。
【0031】
これにより、物体検知センサ部は、他の物体検知センサ部を介して、つまり、他の物体検知センサ部と接続されなくともよい。よって、物体検知センサ部を、物体検知センサ部と制御部との間の間隔等、制御部との位置関係のみを考えて配置できるため、他の物体検知センサ部の配置位置にかかわらず、自由に配置できる。また、制御部17に対して接続する物体検知センサ部の数を、容易に増減できる。
【0032】
本発明に係る物体検知装置では、前記接続ハーネスは、前記物体検知センサ部の間をカスケード接続すること、を特徴とする。
【0033】
これにより、カスケード接続された複数の物体検知センサ部のうち端部に位置するもののみを制御部と接続すればよい。つまり、簡易な構成で、物体検知センサ部と制御部とを接続できる。
【0034】
本願発明に係る物体検知装置は、周囲の物体を検知する物体検知センサ部、複数の前記物体検知センサ部が配置され、柔軟性を有するセンサ配置柔軟部材、前記物体検知センサ部の動作を制御する制御部、前記物体検知センサ部と前記制御部とを接続する接続ハーネス、を有する物体検知装置であって、前記センサ配置柔軟部材は、前記物体検知センサ部が配置されるセンサ配置部材、前記物体検知センサ部の間をカスケード接続する中間接続ハーネスであって、柔軟性を有する中間接続ハーネス、を有すること、を特徴とする。
【0035】
これにより、中間接続ハーネスを用いるだけで、センサ配置部材の間を、センサ配置部材を接続するとともに、物体検知センサ部を電気的に接続できるので、物体検知装置を簡易な構成にできる。
【0036】
本発明に係る物体検知装置では、前記中間接続ハーネスは、長さを調整する伸縮機構を有すること、を特徴とする。
【0037】
これにより、簡易な構成で物体検知センサ部を所望の位置に配置することができる。
【0038】
本発明に係る物体検知装置では、前記接続ハーネスは、隣接する前記物体検知センサ部間を接続するセンサ間接続線、及び、前記物体検知センサ部と前記制御部とを、直接的に接続する接続線、を有し、前記センサ間接続線を覆うことによって保護するセンサ間接続線保護部、を有する。
【0039】
これにより、センサ間接続線は、センサ間接続線被覆部によって保護され、センサ間接続線が外部からの力によって損傷を受けることを防止できる。
【0040】
本発明に係る物体検知装置では、前記センサ間接続線保護部は、隣接する前記物体検知センサ部間毎に配置されること、を特徴とする。
【0041】
これにより、センサ間接続線保護部は、センサ間接続線毎に対応して形成されるため、センサ配置柔軟部材の柔軟性を毀損することがない。
【0042】
本発明に係る物体検知装置では、前記センサ間接続線保護部は、環状構造を有すること、を特徴とする。
【0043】
これにより、官状に配置された物体検知センサ部間を接続するセンサ間接続線を、容易に保護することができる。
【0044】
本発明に係る物体検知装置では、前記センサ間接続線保護部は、前記物体検知センサ部を配置するためのセンサ用開口を有すること、を特徴とする。
【0045】
これにより、物体検知センサ部を、容易に環状に固定することができる。
【0046】
本発明に係る物体検知装置は、所定の設置対象物の表面に設置する物体検知装置であって、前記表面の法線方向に対して交差する方向に検知光を投光する投光部、及び、前記表面の前記法線方向に対して交差する方向から前記検知光を受光する受光部の少なくともいずれか一方、を有する。
【0047】
これにより、設置対象物の表面の法線方向に対して交差する方向に対して、容易に、物体を検知できる。投光部を設置対象物の表面に近い位置に設置すれば、設置対象物の表面の近くで、物体検知できる。
【0048】
本発明に係る物体検知装置では、さらに、前記投光部、及び/又は、受光部が内部に位置する筐体部であって、環状構造を有する筐体部、を有する。
【0049】
これにより、容易に投光部、受光部を取付対象に取り付けることができる。
【0050】
本発明に係る物体検知装置では、前記筐体部は、前記表面の前記法線方向に対して交差する方向を法線方向とする端面、を有し、前記端面は、前記検知光を投光するための開口、及び/又は、前記検知光を受光するための開口、を有すること、を特徴とする。
【0051】
これにより、投光部、受光部を保護しながら、容易に取付対象に取り付けることができる。
【0052】
本発明に係る物体検知装置では、前記投光部は、他の物体検知装置の前記受光部に対して前記検知光を投光し、前記受光部は、他の物体検知装置の前記投光部が投光した前記検知光を受光すること、を特徴とする。
【0053】
これにより、検知光が遮断され、検知光を受光できなかった時に、物体を検知したと判断するようにできる。
【0054】
本発明に係る物体検知装置では、互いに対をなす前記投光部、及び、前記受光部を有し、前記受光部は、対をなす前記投光部が投光した前記検知光を受光すること、を特徴とする。
【0055】
これにより、取り付け時には、検知光の投受光にともなう投光部における検知光の投光方向、受光部における受光方向の調整を不要にできるため、より簡単に投光部、受光部を取付対象に取り付けることができる。
【0056】
本発明に係る物体検知装置では、前記端面に対向して位置する反射面であって、前記投光部が投光した検知光を、前記検知光を投光した前記投光部と対をなす前記受光部に対して反射する反射面を有する反射部、を有すること、を特徴とする。
【0057】
これにより、検知光が遮断され、検知光を受光できなかった時に、物体を検知したと判断するようにできる。
【0058】
本発明に係る物体検知システムは、所定の検知光を所定の検知領域に投光し、前記検知光の反射光を受光することによって、周囲の物体を検知し、検知の結果を検知結果情報とする物体検知センサ部、自身の移動状態を示す移動情報を取得する移動情報取得部、前記検知結果情報、及び、前記位置情報を送信する送信部、前記検知領域を調整する検知領域調整情報を受信する受信部、前記検知領域調整情報を受信すると、次に前記検知光を投光する際に、前記検知領域調整情報を用いて、前記検知領域を調整する検知領域調整部、取付対象に取り付けるための筐体部、を有する物体検知センサユニット、及び、前記検知結果情報、及び、前記移動情報を受信する受信部、受信した前記移動情報を用いて、前記取付対象の形状を推定する形状推定部、前記物体検知センサ部の検知領域を推定し、推定した前記検知領域と推定した前記取付対象の形状とが干渉するか否かを判断する検知領域干渉判断部、推定した前記検知領域と推定した前記取付対象の形状とが干渉すると判断した場合に、前記検知領域を調整する検知領域調整情報を生成する検知領域調整情報生成部、生成した前記検知領域調整情報を、推定した前記取付け対象の形状と干渉する前記検知領域を形成する前記物体検知センサ部に対して、送信する検知領域調整情報送信部、を有する物体検知制御装置、を有する。
【0059】
これにより、取付対象の形状、及び、検知領域とが干渉しているか否かを判断した上で検知領域を調整するため、意図しない物体の検知を防止できる。
【0060】
本発明に係る物体検知センサユニットは、
所定の検知光を所定の検知領域に投光し、前記検知光の反射光を受光することによって、周囲の物体を検知し、検知の結果を検知結果情報とする物体検知センサ部、自身の移動状態を示す移動情報を取得する移動情報取得部、前記検知結果情報、及び、前記位置情報を送信する送信部、前記検知領域を調整する検知領域調整情報を受信する受信部、前記検知領域調整情報を受信すると、次に前記検知光を投光する際に、前記検知領域調整情報を用いて、前記検知領域を調整する検知領域調整部、取付対象に取り付けるための筐体部、を有する。
【0061】
これにより、取付対象の形状、及び、検知領域とが干渉しているか否かを判断した上で検知領域を調整できるので、意図しない物体の検知を防止できる。
【0062】
本発明に係る物体検知センサユニットでは、前記検知領域調整部は、前記検知領域を減縮するまたは、0(ゼロ)にするように調整すること、を特徴とする。
【0063】
これにより、容易に検知領域を調整し、意図しない物体の検知を防止できる。
【0064】
本発明に係る物体検知センサユニットでは、前記移動情報取得部は、3軸の加速センサであること、を特徴とする。
【0065】
これにより、容易に、取付対象の形状、及び、検知領域を推定できる。
【0066】
本発明に係る物体検知制御装置は、所定の検知光を所定の検知領域に投光し、前記検知光の反射光を受光することによって、周囲の物体を検知し、検知の結果を検知結果情報とする物体検知センサ部、自身の移動状態を示す移動情報を取得する移動情報取得部、前記検知結果情報、及び、前記位置情報を送信する送信部、前記検知領域を調整する検知領域調整情報を受信する受信部、前記検知領域調整情報を受信すると、次に前記検知光を投光する際に、前記検知領域調整情報を用いて、前記検知領域を調整する検知領域調整部、取付対象に取り付けるための筐体部、を有する物体検知センサユニットに対して前記検知領域調整情報を送信する物体検知制御装置であって、前記検知結果情報、及び、前記移動情報を受信する受信部、受信した前記移動情報を用いて、前記取付対象の形状を推定する形状推定部、前記物体検知センサ部の検知領域を推定し、推定した前記検知領域と推定した前記取付対象の形状とが干渉するか否かを判断する検知領域干渉判断部、推定した前記検知領域と推定した前記取付対象の形状とが干渉すると判断した場合に、前記検知領域を調整する検知領域調整情報を生成する検知領域調整情報生成部、生成した前記検知領域調整情報を、推定した前記取付け対象の形状と干渉する前記検知領域を形成する前記物体検知センサユニットに対して、送信する検知領域調整情報送信部、を有する。
【0067】
これにより、取付対象の形状、及び、検知領域とが干渉しているか否かを判断した上で検知領域を調整するため、意図しない物体の検知を防止できる。
【0068】
本発明に係る物体検知制御装置では、前記検知領域調整情報生成部は、前記検知領域を減縮するまたは、0(ゼロ)にするように調整する前記検知領域調整情報を生成すること、を特徴とする。
【0069】
これにより、容易に検知領域を調整し、意図しない物体の検知を防止できる。
【0070】
本発明に係る物体検知制御装置では、前記検知領域調整情報生成部は、前記物体検知センサユニットの前記物体検知センサ部における前記反射光を受光可能とする受光待機時間を短縮する前記検知領域調整情報を生成すること、を特徴とする。
【0071】
これにより、容易に、検知領域を調整できる。
【0072】
本願発明に係る検知領域調整プログラムは、
コンピュータを、所定の検知光を所定の検知領域に投光し、前記検知光の反射光を受光することによって、周囲の物体を検知し、検知の結果を検知結果情報とする物体検知センサ部、自身の移動状態を示す移動情報を取得する移動情報取得部、前記検知結果情報、及び、前記位置情報を送信する送信部、前記検知領域を調整する検知領域調整情報を受信する受信部、前記検知領域調整情報を受信すると、次に前記検知光を投光する際に、前記検知領域調整情報を用いて、前記検知領域を調整する検知領域調整部、取付対象に取り付けるための筐体部、を有する物体検知センサユニットに対して前記検知領域調整情報を送信する物体検知制御装置として動作させる検知領域調整プログラムであって、前記検知領域調整プログラムは、前記コンピュータを、前記検知結果情報、及び、前記移動情報を受信する受信部、受信した前記移動情報を用いて、前記取付対象の形状を推定する形状推定部、前記物体検知センサ部の検知領域を推定し、推定した前記検知領域と推定した前記取付対象の形状とが干渉するか否かを判断する検知領域干渉判断部、推定した前記検知領域と推定した前記取付対象の形状とが干渉すると判断した場合に、前記検知領域を調整する検知領域調整情報を生成する検知領域調整情報生成部、生成した前記検知領域調整情報を、推定した前記取付け対象の形状と干渉する前記検知領域を形成する前記物体検知センサユニットに対して、送信する検知領域調整情報送信部、として動作させる。
【0073】
これにより、取付対象の形状、及び、検知領域とが干渉しているか否かを判断した上で検知領域を調整するため、意図しない物体の検知を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】本発明に係る物体検知装置の一実施例である物体検知装置10を示す図である。
図2】物体検知センサ部13のハードウェア構成を示す図である。
図3】センサ配置柔軟部材15を示す図である。
図4】制御部17のハードウェア構成を示す図である。
図5】物体検知装置10の設置例を示すである。
図6】本発明に係る物体検知装置の一実施例である物体検知装置20のハードウェア構成を示す図である。
図7】物体検知装置20の物体検知センサユニット21を示す図である。
図8】本発明に係る物体検知装置の一実施例である物体検知装置30のハードウェア構成を示す図である。
図9】物体検知装置30の物体検知センサユニット31のハードウェア構成を示す図である。
図10】物体検知装置のその他の実施例を示す図である。
図11】物体検知装置のその他の実施例を示す図である。
図12】従来の物体検知装置を示す図である。
図13】本発明に係る物体検知装置の一実施例である物体検知装置40の直線状状態を示す図である。
図14】物体検知装置40の直線状状態を示す図である。
図15】物体検知装置40の環状状態を示す図である。
図16】ユニット配置部433の上面側から見た斜視図である。
図17】ユニット配置部433の下面側から見た斜視図
図18】センサ間接続線保護部49の上面側から見た斜視図である。
図19】センサ間接続線保護部49の下面側から見た斜視図である。
図20】本発明に係る物体検知装置の一実施例である物体検知装置50のハードウェア構成を示す図である。
図21】物体検知センサユニット51を示す図である。
図22】物体検知センサユニット51を示す図である。
図23】センサ間接続線保護部59を示す図である。
図24】センサ間接続線保護部59の断面を示す図である。
図25】本発明に係る物体検知装置の一実施例である物体検知装置60のハードウェア構成を示す図である。
図26】センサ間接続線保護部69を示す図である。
図27】物体検知センサユニット61を示す図である。
図28】本発明に係る物体検知装置の一実施例である物体検知装置X10を示す図である。
図29】物体検知センサユニットX11の外観を示す図である。
図30】物体検知センサユニットX11の内部を示す図である。
図31】制御部X19のハードウェア構成を示す図である。
図32】物体検知装置X10の設置例を示すである。
図33】本発明に係る物体検知装置の一実施例である物体検知装置X20を示す図である。
図34】物体検知センサユニットX21の外観を示す図である。
図35】物体検知センサユニットX21の内部を示す図である。
図36】物体検知装置X20の設置例を示すである。
図37】本発明に係る物体検知装置の一実施例である物体検知装置X30の物体検知センサユニットX31の外観を示す図である。
図38】物体検知センサユニットX31の内部を示す図である。
図39】物体検知装置のその他の実施例を示す図である。
図40】物体検知装置のその他の実施例を示す図である。
図41】物体検知装置のその他の実施例を示す図である。
図42】物体検知装置のその他の実施例を示す図である。
図43】物体検知装置のその他の実施例を示す図である。
図44】本発明に係る物体検知システムの一実施例である物体検知システム100を示す図である。
図45】物体検知センサユニット110の外観を示す図である。
図46】物体検知センサユニット110の一部の内部を示す図である。
図47】物体検知センサユニット110の筐体部119を示す図である。
図48】第1物体検知センサ部111のハードウェア構成を示す図である。
図49】第2物体検知センサ部113のハードウェア構成を示す図である。
図50】制御部170のハードウェア構成を示す図である。
図51】取付対象である産業用ロボットRBTの初期状態を示す図である。
図52】制御部170の動作を示すフローチャートである。
図53】制御部170の動作を示すフローチャートである。
図54】制御部170の動作を示すフローチャートである。
図55】取付対象である産業用ロボットRBTの所定時間動作後の状態を示す図である。
図56】検知領域の状態を示す図である。
図57】検知領域の状態を示す図である。
図58】第1物体検知センサ部111の動作を示すフローチャートである。
図59】第2物体検知センサ部113の動作を示すフローチャートである。
図60】本発明に係る物体検知システムのその他の実施例を示す図である。
図61】本発明に係る物体検知システムのその他の実施例を示す図である。
図62】本発明に係る物体検知システムのその他の実施例を示す図である。
図63】本発明に係る物体検知システムのその他の実施例を示す図である。
図64】本発明に係る物体検知システムのその他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例1】
【0076】
本発明に係る物体検知装置について、図1に示す物体検知装置10を例に説明する。物体検知装置10は、周囲に物体が存在するか否かを検知し、物体の検知結果に基づき所定の動作をさせるものである。
【0077】
第1 ハードウェア構成
物体検知装置10は、物体検知センサユニット11、制御部17、及び、接続ハーネス19を有している。物体検知センサユニット11は、複数の物体検知センサ部13、及び、センサ配置柔軟部材15を有している。
【0078】
物体検知センサ部13は、所定の光を検知光として投光し、検知光の反射を受光することによって、物体が存在するか否かを検知する。物体検知センサ部13のハードウェア構成を図2に示す。
【0079】
物体検知センサ部13は、投光素子13a、投光レンズ13b、受光素子13c、及び、センサ用通信回路13dを有している。投光素子13aは、所定の検知光、例えば近赤外線を投光する。投光レンズ13bは、投光素子13aが投光した検知光を所定の範囲(検知領域R13)に拡散する。例えば、シリンドリカルレンズを用いることによって、所定の方向に直線状に延びた検知領域を形成することができる。なお、投光レンズ13bについては、レンズの形状や特性を、適宜、選択することによって、物体検知センサ部13を配置する対象である産業用ロボット等の配置対象物を誤検知することがないように調整しておいてもよい。受光素子13cは、投光素子13aが投光した検知光の物体による反射光を受光する。
【0080】
投光素子13aとしては、例えば近赤外LED(Light Emitting Diode)等を利用することができる。受光素子13cとしては、例えばフォトトランジスタやフォトダイオード、増幅回路内蔵受光素子等を用いることができる。なお、フォトダイオードを使用する場合は、増幅回路やフィルター回路を、受光素子13cと合わせて配置するようにしてもよい。
【0081】
センサ用通信回路13dは、制御部17のセンサ制御用通信回路17gと接続され、物体検知センサ部13と制御部17とが通信できるようにする。なお、各物体検知センサ部13のセンサ用通信回路13dは、直接的に、つまり、パラレルに制御部17に接続される。
【0082】
図1に戻って、センサ配置柔軟部材15は、柔軟性を有する部材であって、取り付ける対象物の表面に沿って配置できるものをいう。センサ配置柔軟部材15を形成し得る素材としては、例えば、薄いゴムプレートを用いることができる。物体検知センサ部13が配置されたセンサ配置柔軟部材15の平面図を図3Aに示す。センサ配置柔軟部材15は、帯形状、つまり、細長い矩形状を有している。センサ配置柔軟部材15は、帯形状の長軸J15に沿って、直線上に配置された複数の物体検知センサ部13を有している。なお、物体検知センサ部13は、等間隔でセンサ配置柔軟部材15に配置されている。センサ配置柔軟部材15には、所定の固定部材、接着剤、ネジ等、所定の固定手段によって、物体検知センサ部13が固定される。
【0083】
図3Bに示すように、センサ配置柔軟部材15に直線状に配置された物体検知センサ部13のそれぞれが形成する検知領域R13によって、センサ配置柔軟部材15上に帯形状の検知領域R11が形成される。つまり、帯形状のセンサ配置柔軟部材15上に、帯形状の検知領域R13が形成される。
【0084】
図1に戻って、制御部17は、各物体検知センサ部13から、接続ハーネス19を介してセンサ検知情報を受信する。制御部17は、受信したセンサ検知情報、及び、各物体検知センサ部13間の接続関係、または/及び、各物体検知センサ部13と制御部17との接続関係の配置位置を示すセンサ接続情報から、物体検知センサ部13の周囲に物体が存在するか否かを判断する。センサ接続情報については、予め所定のメモリ等の記憶手段に記憶しておく。
【0085】
制御部17のハードウェア構成について図4を用いて説明する。制御部17は、CPU17a、メモリ17b、センサ制御用通信回路17g、及び、動作制御用通信回路17hを有している。
【0086】
CPU17aは、メモリ17bに記録されているオペレーティング・システム(OS)、センサ制御プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ17bは、CPU17aに対して作業領域を提供するとともに、オペレーティング・システム(OS)、センサ制御プログラム等その他のアプリケーションのプログラム、及び、各種データを記録保持する。
【0087】
センサ制御用通信回路17gは、物体検知センサ部13のセンサ用通信回路13d(図2参照)と接続ハーネス19(図1参照)を介して接続され、両者間での情報の送受信を行う。なお、センサ制御用通信回路17gは、物体検知センサ部13のそれぞれと、直接的に、つまり、パラレルに接続される。動作制御用通信回路17hは、物体検知センサユニット11による物体の存在検知に基づき、動作を制御する対象に接続され、両者間での情報の送受信を行う。
【0088】
図1に戻って、接続ハーネス19は、各物体検知センサ部13と制御部17とを直接的に接続する。つまり、接続ハーネス19は、各物体検知センサ部13を制御部17に対してパラレル接続するための接続線である。
【0089】
第2 使用例
物体検知装置10の使用例として、産業用ロボットの外表面に配置した状態を図5に示す。産業用ロボットRBTは、7軸の可動軸を有するロボットである。産業用ロボットRBTは、アームAM1~AM7、可動回転ジョイントJ1~J13、土台B1、及びハンドH1を有している。アームAM3、AM5、土台B1の各外周面に物体検知装置10の物体検知センサユニット11が配置されている。アームAM3、AM5、及び、土台B1に配置されている3つの物体検知センサユニット11は、制御部17に接続されている。また、制御部17は、産業用ロボットRBTの可動回転ジョイントJ1~J13を動作させる動力源(図示せず)に接続されている。制御部17は、動力源の動作を制御することによって、アームAM1~AM7の動作を制御する。
【0090】
各物体検知センサユニット11は、センサ配置柔軟部材15を各アームの外周に沿うように配置されている。センサ配置柔軟部材15を変形させることによって、物体検知センサユニット11を、設置場所であるアームAM3、AM5の形状にかかわらず、簡単に配置することができる。このように、物体検知センサユニット11を設置対象である装置の外表面に容易に配置することができるので、産業用ロボットの周辺に人等の物体を検出したときにロボットを緊急停止させる安全システムを容易に構築できる。つまり、設置対象装置、例えば産業用ロボットの安全性を容易に構築できる。
【0091】
また、複数の物体検知センサ部13がセンサ配置柔軟部材15に一体として配置されているため、持ち運び等、容易に取り扱うことができる。
【0092】
なお、図5においては、センサ配置柔軟部材15の長さ、及び、配置する物体検知センサ部13の数を調整することにより、どのような形状にでも物体検知センサユニット11を配置することができる。よって、角柱状のアームAM1~AM7、円柱状の土台B1等、設置場所の形状にかかわらず、表面に物体検知センサユニット11を配置することができる。これにより、ロボットの全周縁等、必要な範囲で人等の物体を容易に検出することができるので、設置対象装置の安全性を容易に高めることができる。
【0093】
さらに、可動回転ジョイントJ1~J13のように、物体検知センサユニット11を配置するアームAM1~AM7等の間に障害物があったとしても、センサ配置柔軟部材15の長さ、及び、配置する物体検知センサ部13の数を調整することにより、障害物を回避しながら、物体検知センサユニット11を配置することができる。このように、物体検知装置10では、配置する物体の形状にかかわらず、自由に物体検知センサユニット11を配置することができる。
【0094】
また、物体検知装置10では、センサ配置柔軟部材15上に検知領域R11が形成されるため(図3参照)、センサ配置柔軟部材15の形状に沿った検知領域R11が形成される領域を把握できるため、所望の領域に容易に物体検知装置10の検知領域R11を形成することができる。
【実施例2】
【0095】
前述の実施例1にかかる物体検知装置10における物体検知センサユニット11では、センサ配置柔軟部材15に物体検知センサ部13を配置していいた。一方、本実施例にかかる物体検知装置20における物体検知センサユニット21では、物体検知センサ部13を配置するセンサ配置部材251、及び、センサ配置部材251を接続する中間柔軟部材253を有するセンサ配置柔軟部材25を用いる。なお、以下においては、実施例1と同様の構成については、同様の符号を付し、また、詳細な説明を省略する。
【0096】
第1 ハードウェア構成
物体検知装置20のハードウェア構成について、図6を用いて説明する。物体検知装置20は、物体検知センサユニット21、制御部17、及び、接続ハーネス19を有している。
【0097】
センサ配置柔軟部材25のハードウェア構成について、図7を用いて説明する。物体検知センサユニット21は、複数の物体検知センサ部13、及び、センサ配置柔軟部材25を有している。センサ配置柔軟部材25は、センサ配置部材251及び中間柔軟部材253を有している。センサ配置部材251は、角盤形状を有しており、物体検知センサ部13が配置される。中間柔軟部材253は、センサ配置部材251の間に配置され、センサ配置部材251間を接続する。中間柔軟部材253は、ベルト253a及び伸縮機構253bを有している。ベルト253aは、柔軟性を有し、例えば、カバンのショルダーベルトに用いられているような布製物を用いる。伸縮機構253bは、隣接するセンサ配置部材251の間のベルト253aの長さを調整する。伸縮機構253bとしては、例えば、カバンのショルダーベルトに用いられているような長さの調整機構を用いる。
【0098】
センサ配置部材251及び中間柔軟部材253を用いてセンサ配置柔軟部材25を形成することによって、センサ配置柔軟部材25は全体として柔軟性を有し、センサ配置柔軟部材25を取り付ける対象物の表面に沿って配置できる。また、長さを調整できる伸縮機構253bを用いることによって、隣接するセンサ配置部材251の間の長さを調整できるので、物体検知センサ部13を所望の位置に配置できる。さらに、センサ配置部材251及び中間柔軟部材253の数を増減することによって、センサ配置柔軟部材25全体の長さを調整できるので、配置する対象物の大きさ、長さに応じたセンサ配置柔軟部材25を容易に準備することができる。
【0099】
なお、各物体検知センサ部13は、接続ハーネス19(図6参照)を用いて、パラレル接続で制御部17に接続される。
【実施例3】
【0100】
前述の実施例2にかかる物体検知装置20における物体検知センサユニット21では、センサ配置部材251、中間柔軟部材253を用いてセンサ配置柔軟部材25に柔軟性を付与し、取り付ける対象物の表面に沿って配置するものであった。一方、本実施例にかかる物体検知装置30における物体検知センサユニット31では、複数の単位柔軟部材351を連結するセンサ配置柔軟部材35を用いる。なお、以下においては、実施例1、実施例2と同様の構成については、同様の符号を付し、また、詳細な説明を省略する。
【0101】
第1 ハードウェア構成
物体検知装置30のハードウェア構成について、図8を用いて説明する。物体検知装置30は、物体検知センサユニット31、制御部17、及び、接続ハーネス19を有している。
【0102】
物体検知センサユニット31のハードウェア構成について、図9を用いて説明する。物体検知センサユニット31は、複数の物体検知センサ部13、及び、センサ配置柔軟部材35を有している。センサ配置柔軟部材35は、複数の単位柔軟部材351を有している。単位柔軟部材351は、矩形状の板形状を有しており、物体検知センサ部13が配置される。また、単位柔軟部材351は、隣接して位置する他の単位柔軟部材351と連結するための連結機構を有している。連結機構としては、例えば、クローラーやキャタピラー等と呼称されている無限軌道のベルトの連結機構を用いる。
【0103】
単位柔軟部材351を用いてセンサ配置柔軟部材35を形成することによって、センサ配置柔軟部材35に柔軟性を付与し、センサ配置柔軟部材35を対象物の表面に沿って配置することができる。また、接続する単位柔軟部材351の数を増減でき、センサ配置柔軟部材35の全体の長さを容易に変更することができる。このため、対象物の大きさや形状に合わせたセンサ配置柔軟部材35を容易に準備することができる。
【0104】
なお、各物体検知センサ部13は、接続ハーネス19(図8参照)を介して、パラレル接続で制御部17に接続される。
【実施例4】
【0105】
前述の実施例1にかかる物体検知装置10における物体検知センサユニット11では、センサ配置柔軟部材15に配置される物体検知センサ部13は、パラレルに制御部17に接続されていた。一方、本実施例にかかる物体検知装置40では、各物体検知センサ部13を隣接する物体検知センサ部13と、柔軟性を有する接続線でカスケード接続するとともに、物体検知センサ部13間の接続線を保護するものである。なお、以下においては、実施例1と同様の構成については、同様の符号を付し、また、詳細な説明を省略する。
【0106】
第1 ハードウェア構成
物体検知装置40のハードウェア構成について、図13図15を用いて説明する。物体検知装置40の物体検知センサユニット41(後述)は、センサ配置柔軟部材45(後述)を直線状に配置した直線状状態(図13図14参照)、及び、センサ配置柔軟部材45の両端を接続した環状状態(図15参照)を有している。また、直線状状態において、センサ間接続線保護部49を取り付けた状態を図13に、センサ間接続線保護部49を取り外した状態を図14に、それぞれ示す。なお、図13図14においては、物体検知センサユニット41の一端部側のみを示している。
【0107】
図13に示すように、物体検知装置40は、物体検知センサユニット41、制御部17、及び、接続ハーネス19を有している。物体検知センサユニット41は、複数の物体検知センサ部43、センサ配置柔軟部材45、及び、センサ間接続線保護部49を有している。さらに、図14に示すように、物体検知センサユニット41は、複数のセンサ間接続線47を有している。
【0108】
図13に示すように、物体検知センサ部43は、センサ基板431、及び、ユニット配置部433を有している。センサ基板431は、回路基板であり、投光素子13a、投光レンズ13b、受光素子13c、及び、センサ用通信回路13d(以上、図2参照)を有している。
【0109】
ユニット配置部433の上面側から見た斜視図を図16に、下面側から見た斜視図を図17に、それぞれ示す。図16に示すように、ユニット配置部433は、ユニット保護筐体部433a、及び、センサ配置柔軟部材係止部433bを有している。ユニット保護筐体部433aは、センサ基板431を内部に収納するケースである。ユニット保護筐体部433aは、センサ基板配置用内部空間433a1、投光用開口433a2、及び、受光用開口433a3、及び、センサ間接続線用開口433a4を有している。なお、互いに接続された物体検知センサ部43のうち、端部に位置するものの一つは、さらに、ユニット保護筐体部433aに、制御部17に接続するための接続ハーネス19を接続するための接続ハーネス用開口433a5(図15参照)を有している。
【0110】
センサ基板配置用内部空間433a1は、センサ基板431を配置するための空間である。投光用開口433a2は、センサ基板配置用内部空間433a1に配置されたセンサ基板431における投光素子13a、投光レンズ13b(図2参照)の配置位置に対応して形成される。センサ基板431は、投光用開口433a2を介して、検知光を投光する。受光用開口433a3は、センサ基板配置用内部空間433a1に配置されたセンサ基板431における受光素子13c(図2参照)の配置位置に対応して形成される。センサ基板431は、受光用開口433a3を介して、投光した検知光の反射光を受光する。センサ間接続線用開口433a4は、センサ基板配置用内部空間433a1に配置されたセンサ基板431におけるセンサ用通信回路13d(図2参照)の配置位置に対応して形成される。センサ基板431は、センサ間接続線用開口433a4を介して、センサ間接続線47(後述)によって隣接する他のセンサ基板431と接続される。なお、ユニット保護筐体部433aの上面を、投光素子13aの投光面、受光素子13cの受光面と平行とすることによって、投光素子13aにおける検知光の投光、受光素子13cにおける反射光の受光、それぞれを阻害しないようにできる。
【0111】
センサ配置柔軟部材係止部433bは、ユニット保護筐体部433aの下部、つまり、ユニット保護筐体部433aの投光用開口433a2、受光用開口433a3が形成されている面とは反対側の面から突出するように形成されている。図17に示すように、センサ配置柔軟部材係止部433bは、断面L字状の凸形状を有している。センサ配置柔軟部材係止部433bは、2つを1組として、それぞれの断面L字状の端部が対向するように形成される。センサ配置柔軟部材係止部433bは、柔軟部材挿入空間433b1、及び、柔軟部材配置空間433b2を有している。柔軟部材挿入空間433b1は、センサ配置柔軟部材45を柔軟部材配置空間433b2に挿入するための空間である。柔軟部材配置空間433b2は、センサ配置柔軟部材45を配置するための空間である。柔軟部材配置空間433b2に配置されたセンサ配置柔軟部材45は、センサ配置柔軟部材係止部433bによって、ユニット保護筐体部433aに固定される。
【0112】
センサ配置柔軟部材45は、物体検知センサ部43、及び、センサ間接続線保護部49を直線状に保持し、両者を一体とする。センサ配置柔軟部材45は、柔軟性を有する帯状物である。センサ配置柔軟部材45としては、例えば、両ファスナーが用いられる。
【0113】
なお、センサ配置柔軟部材45の一つの端部45T1(図13参照)と、他の端部45T2(図示せず)とを結合することによって、図15に示すように、物体検知センサユニット41を環状状態とし、取付対象、例えば産業用ロボットのアームに巻き付けて固定する。取付対象の大きさ、検知範囲等の条件によって、センサ配置柔軟部材45の長さや、センサ配置柔軟部材45に取り付ける物体検知センサ部43の数、隣接する物体検知センサ部43の間隔(ピッチ)を調整する。
【0114】
図14に示すように、センサ間接続線47は、隣接するセンサ基板431をカスケード接続するための電気的接続線である。センサ間接続線47は、柔軟性を有し、物体検知センサ部43の位置的ずれを吸収する。センサ間接続線47は、センサ配置柔軟部材45に沿って配置される。なお、図14において、センサ間接続線47は、直線状に記載されているが、ある程度の余裕、または、蛇腹状等によってある程度の冗長性を有しているものである。
【0115】
センサ間接続線保護部49の上面側から見た斜視図を図18に、下面側から見た斜視図を図19に、それぞれ示す。図18に示すように、センサ間接続線保護部49は、センサ間接続線被覆部49a、及び、センサ配置柔軟部材係止部49bを有している。センサ間接続線被覆部49aは、センサ基板431間を接続しているセンサ間接続線47を覆うように、つまり、センサ間接続線47の上部に形成される。センサ配置柔軟部材係止部49bは、センサ間接続線被覆部49aの下部から突出するように形成されている。センサ配置柔軟部材係止部49bは、断面L字状の凸形状を有している。センサ配置柔軟部材係止部49bは、2つを1組として、それぞれの断面L字状の端部が対向するように形成される。
【0116】
センサ間接続線保護部49は、柔軟部材挿入空間49b1、及び、センサ間接続線・柔軟部材配置空間49b2を有している。柔軟部材挿入空間49b1は、センサ間接続線47、センサ配置柔軟部材45をセンサ間接続線・柔軟部材配置空間49b2に挿入するための空間である。センサ間接続線・柔軟部材配置空間49b2は、センサ間接続線47、及び、センサ配置柔軟部材45を配置するための空間である。センサ間接続線・柔軟部材配置空間49b2に配置されたセンサ間接続線47は、センサ間接続線被覆部49aによって保護される。これによって、センサ間接続線47が外部からの力によって損傷を受けることを防止できる。センサ間接続線・柔軟部材配置空間49b2に配置されたセンサ配置柔軟部材45は、センサ配置柔軟部材係止部49bによって、センサ間接続線保護部49に固定される。
【0117】
また、センサ間接続線保護部49は、センサ基板431間を接続する各センサ間接続線47に対応して形成されるため、センサ配置柔軟部材45の柔軟性を毀損することがない。
【実施例5】
【0118】
前述の実施例4にかかる物体検知装置40では、センサ間接続線保護部49は、センサ基板431間を接続するセンサ間接続線47毎に形成される一方、本実施例にかかる物体検知装置50では、複数のセンサ間接続線47を一体として被覆するものである。なお、以下においては、実施例4と同様の構成については、同様の符号を付し、また、詳細な説明を省略する。
【0119】
第1 ハードウェア構成
物体検知装置50のハードウェア構成について、図20を用いて説明する。物体検知装置50は、物体検知センサユニット51、制御部17、及び、接続ハーネス19を有している。
【0120】
物体検知センサユニット51は、複数の物体検知センサ部43、センサ配置柔軟部材45(図22参照)、センサ間接続線47(図22参照)、及び、センサ間接続線保護部59を有している。センサ間接続線保護部59は、中空円筒形状を有している。センサ間接続線保護部59は、第1筐体591、第2筐体592、及び、ヒンジ部593を有している。第1筐体591、及び、第2筐体592は、それぞれ、ヒンジ部593を中心に矢印R21方向、矢印R22方向に回転させることによって、中空円筒形状の内部空間に、物体検知センサ部43等を配置する。
【0121】
第1筐体591、及び、第2筐体592は、それぞれ、中空円筒形状を軸に沿って分割した中空半円筒形状を有している。第1筐体591と第2筐体592とは、ヒンジ部593とは異なる端部において互いに係合し、一体となるように構成されている。
【0122】
第1筐体591の一つの端部591d、及び、第2筐体592の一つの端部592dを取り除いた状態を図21に示す。第1筐体591は、センサ間接続線被覆部591a、中空円筒形状の端面に沿った端部591b、中空円筒形状の内周面に沿った内周部591c、及び、端部591bに対向して位置する端部591dを有している。なお、端部591bと内周部591cとは一体として形成されている。また、一体として形成された端部591b及び内周部591cに対して、センサ間接続線被覆部591a、及び、端部591dが嵌合することによって、第1筐体591が形成される。第2筐体592についても同様である。
【0123】
図21に示す第1筐体591からセンサ間接続線被覆部591aを、第2筐体592からセンサ間接続線被覆部592aを、それぞれ取り除いた状態を図22に示す。図21、及び、図22から明らかなように、センサ間接続線被覆部591a、592aは、センサ基板431(図13参照)間を接続しているセンサ間接続線47を覆う位置に形成される。
【0124】
また、図21に示すセンサ間接続線保護部59から、物体検知センサ部43、センサ配置柔軟部材45、及び、センサ間接続線47を取り除いた状態を図23に示す。センサ間接続線被覆部591aは、2分割された環状構造を有している。センサ間接続線被覆部591aは、物体検知センサ部43を配置するためのセンサ配置用開口591a1を有している。センサ間接続線被覆部591aのうち、センサ配置用開口591a1が形成されていない部分が、センサ間接続線47を覆う位置に対応し、センサ間接続線47を保護する機能を有する。
【0125】
なお、センサ間接続線被覆部591aと内周部591cとによって形成される内部空間に物体検知センサ部43が配置される。また、センサ配置用開口591a1と物体検知センサ部43とが係合することによって、センサ間接続線被覆部591aに対する物体検知センサ部43の位置が固定される。以上は、第2筐体についても同様である。
【0126】
このように、中空円筒形状のセンサ間接続線保護部59を用いることによって、センサ間接続線47に対して外部から力が作用することを防止できる。つまり、センサ間接続線47の破損を防止できる。また、センサ間接続線保護部59では、取付対象に取り付ける前に、物体検知センサユニット51の形状を固定できるため、取付対象に、容易に取り付けることができる。
【0127】
なお、図24に示すように、センサ間接続線保護部59は、投光素子13a、受光素子13cからセンサ間接続線被覆部591aの外周面までの距離L1は、物体検知センサ部43において予め設定された検知領域R13、及び、物体検知センサ部43において予め設定された受光範囲R14等、センサの計測性能を阻害しない距離とする。一般的には、投光素子13a、受光素子13cからセンサ間接続線被覆部591aの外周面までの距離L1は短く、例えば、センサ間接続線保護部59の厚さを薄くするようにすればよい。第2筐体592についても、同様である。
【実施例6】
【0128】
前述の実施例5にかかる物体検知装置50では、ユニット配置部433を有する物体検知センサ部43をセンサ間接続線保護部59内に配置するものであった。一方、本実施例にかかる物体検知装置60では、ユニット配置部433を有さない物体検知センサ部63をセンサ間接続線保護部69内に配置するものである。なお、以下においては、実施例1?実施例5と同様の構成については、同様の符号を付し、また、詳細な説明を省略する。
【0129】
第1 ハードウェア構成
物体検知装置60のハードウェア構成について、図25を用いて説明する。物体検知装置60は、物体検知センサユニット61、制御部17、及び、接続ハーネス19を有している。
【0130】
物体検知センサユニット61は、複数の物体検知センサ部63、センサ間接続線67(図27参照)、及び、センサ間接続線保護部69を有している。センサ間接続線保護部69は、中空円筒形状を有している。センサ間接続線保護部69は、第1筐体691、第2筐体692、及び、ヒンジ部593を有している。第1筐体691、及び、第2筐体692は、それぞれ、ヒンジ部593を中心に矢印R31方向、矢印R32方向に回転し、中空円筒形状の内部空間に物体検知センサ部63、センサ配置柔軟部材65を挿入するための空間を形成する。
【0131】
第1筐体691、及び、第2筐体692は、それぞれ、中空円筒形状を軸に沿って分割した形状を有している。第1筐体691と第2筐体692とは、ヒンジ部593とは異なる端部において互いに係合し、一体となるように構成されている。
【0132】
第1筐体691の一つの端部691d、及び、第2筐体692の一つの端部692dを取り除いた状態のセンサ間接続線保護部69を図26に示す。第1筐体691は、センサ間接続線被覆部691a、中空円筒形状の端面に沿った端部691b、中空円筒形状の内周面に沿った内周部691c、及び、端部691bに対向して位置する端部691d(図26に図示せず、図25参照)を有している。なお、端部691bと内周部691cとは一体として形成されている。また、一体として形成された端部691b及び内周部691cに対して、センサ間接続線被覆部691a、及び、端部691dが嵌合することによって、第1筐体691が形成される。
【0133】
センサ間接続線被覆部691aは、物体検知センサ部63の投光素子13aにおける検知光の投光を阻害しないように投光用開口691a1、及び、受光素子13cにおける反射光の受光を阻害しないように受光用開口691a2を有している。
【0134】
物体検知センサ部63は、センサ間接続線被覆部691aと内周部691cとによって形成される内部空間に配置される。
【0135】
図26に示す第1筐体691からセンサ間接続線被覆部691aを取り除いた状態を図27に示す。図27に示すように、物体検知センサ部63は、回路基板であり、センサ基板631、投光素子13a、投光レンズ13b(図示せず、図2参照)、受光素子13c、及び、センサ用通信回路13dを有している。
【0136】
また、隣接するセンサ基板631は、センサ間接続線67によって接続されている。なお、センサ間接続線67は、物体検知センサ部63のセンサ用通信回路13dに接続され、隣接する物体検知センサ部63を電気的に接続する機能を有するとともに、柔軟性を有し、取り付ける対象物であるセンサ基板631隣接するもの同士を物理的に接続する機能も有する。
【0137】
なお、図25、及び、図27から明らかなように、センサ間接続線被覆部691aは、物体検知センサ部63(図27参照)を覆う位置に形成されるとともに、センサ間接続線67を覆う位置にも形成されている。センサ間接続線被覆部691aのうち、物体検知センサ部63を覆う位置以外の部分が、センサ間接続線67を保護する機能を有する。センサ間接続線被覆部691aの物体検知センサ部63(図27参照)を覆う面を、投光素子13aの投光面、受光素子13cの受光面と平行とすることによって、投光素子13aにおける検知光の投光、受光素子13cにおける反射光の受光、それぞれを阻害しないようにできる。以上は、第2筐体についても同様である。
【0138】
このように、中空円筒形状のセンサ間接続線保護部69を用いることによって、センサ間接続線67に対して外部から力が作用することを防止できる。つまり、センサ間接続線67の破損を防止できる。また、センサ間接続線保護部69では、物体検知センサ部63を取付対象(例えば、産業用ロボット)に取り付ける前に、物体検知センサ部63の形状を円環状に固定できるため、取付対象に、容易に取り付けることができる。
【実施例7】
【0139】
本発明に係る物体検知装置について、一実施例である図28に示す物体検知装置X10を例に説明する。物体検知装置X10は、所定の検知領域に物体が存在するか否かを検知し、物体の検知結果に基づき所定の動作をさせるものである。
【0140】
第1 構成
物体検知装置X10の構成について、図28を用いて説明する。物体検知装置10は、物体検知センサユニットX11、及び、制御部X19を有している。物体検知装置X10では、2つの物体検知センサユニットX11が対として、互いに対向するように配置される。一方の物体検知センサユニットX11から投光された検知光を、他方の物体検知センサユニットX11が受光するか否か判断することによって、物体を検知する。
【0141】
物体検知センサユニット11の外観を図29に示す。物体検知センサユニットX11は、筐体部X13、軸方向投光部X15(後述)、及び、軸方向受光部X17(後述)を有している。筐体部X13の内部には、軸方向投光部X15、及び、軸方向受光部X17が配置されている。筐体部X13は、薄い中空円筒形状を有している。
【0142】
筐体部X13は、第1筐体部131、第2筐体部132、及び、ヒンジ部133を有している。第1筐体部131、及び、第2筐体部132は、それぞれ、ヒンジ部133を中心に矢印A21方向、矢印A22方向に回転する。
【0143】
第1筐体部131、及び、第2筐体部132は、それぞれ、中空円筒形状を2つに分割した中空半円筒形状を有している。第1筐体部131と第2筐体部132とは、ヒンジ部133とは異なる端部において互いに係合し、一体となるように構成されている。
【0144】
第1筐体部131は、外周部131a、投受光用開口形成端部131b、投受光用開口形成端部131bに対向して位置する端部131c、及び、内周部131dを有している。なお、投受光用開口形成端部131b、端部131c、及び、内周部131dは一体として形成される。また、一体として形成された投受光用開口形成端部131b、端部131c、及び、内周部131dに対して、外周部131aが嵌合することによって、第1筐体部131が形成される。
【0145】
外周部131aは、中空円筒形状の外周面に対応する薄い円筒形状として形成される。
【0146】
投受光用開口形成端部131bは、中空円筒形状の一端面を閉じる円環形状の蓋として形成される。投受光用開口形成端部131bは、物体検知センサユニットX11が設置対象物、例えば、産業用ロボットのアームに設置された際に、設置対象物の表面の法線方向に対して交差する方向を法線方向N13とする端面P131bを有している。投受光用開口形成端部131bは、複数の投受光用開口R131aを有している。投受光用開口R131aは、所定間隔で形成されている。
【0147】
端部131cは、中空円筒形状の他の一端面を閉じる円環形状の蓋として形成される。端部131cは、外周部131a、内周部131dを介して、投受光用開口形成端部131bに対向して形成される。
【0148】
内周部131dは、中空円筒形状の内周面に対応する薄い円筒形状として形成される。
【0149】
以上は、第2筐体部132についても同様である。
【0150】
筐体部X13を用いることによって、物体検知センサユニットX11を、容易に、取り付け対象、例えば、産業用ロボットのアームに取り付けることができる。
【0151】
物体検知センサユニットX11の内部構造を図30に示す。図30には、図29に示す物体検知センサユニットX11から、筐体部X13の外周部131a、132aを取り除いた状態を示している。軸方向投光部X15は、所定の検知光、例えば近赤外線を投光する。軸方向投光部X15は、例えば、近赤外LED(Light Emitting Diode)等を用いて近赤外線を投光する。なお、軸方向投光部X15は、所定の投光レンズ等を用いて検知光を所定の範囲に投光する。
【0152】
軸方向受光部X17は、軸方向投光部X15から投光された検知光を受光する。軸方向受光部X17は、例えば、フォトトランジスタやフォトダイオード、増幅回路内蔵受光素子等を用いて、検知光を受光する。なお、フォトダイオードを使用する場合は、増幅回路やフィルター回路を配置するようにしてもよい。
【0153】
軸方向投光部X15、及び、軸方向受光部X17は、それぞれ、所定の基板Sに配置される。基板Sは、所定のセンサ用通信線W末端の基板Sは、制御部接続線(図示せず)を用いて、制御部接続線用コネクタCを介して、制御部X19に接続される。
【0154】
軸方向投光部X15、及び、軸方向受光部X17は、交互に、筐体部X13の内部に配置される。また、軸方向投光部X15は、投光する検知光が筐体部X13の投受光用開口R131a、R132aから筐体部X13の外部に向かって投光できるように、投受光用開口R131a、R132aの位置に合わせて配置される。つまり、軸方向投光部X15は、検知光を端面P131bの法線方向N13、つまり、筐体部X13の軸方向に沿って検知光を投光する。なお、軸方向投光部X15は、制御部X19から、投光タイミング示す投光制御情報を取得し、適宜、検知光を投光する。
【0155】
軸方向受光部X17は、投光される検知光を筐体部X13の投受光用開口R131a、R132aを介して受光できるように、投受光用開口R131a、R132aの位置に合わせて配置される。つまり、軸方向受光部X17は、筐体部X13の軸方向に沿って投光された検知光を受光する。軸方向受光部X17は、検知光を受光したか否かの情報を検知情報として制御部X19へ送信する。また、軸方向受光部X17は、検知光の受光タイミングを示す受光制御情報を取得し、適宜、検知光を受光する。
【0156】
これにより、図28に示すように、互いに対向するように2つの物体検知センサユニットX11を、一方の物体検知センサユニットX11の軸方向投光部X15が投光した検知光を、他方の物体検知センサユニットX11の軸方向受光部X17が受光するように配置することによって、一方の物体検知センサユニットX11から他方の物体検知センサユニットX11までの軸方向に沿った領域に対して、物体を検知できる。例えば、物体検知センサユニットX11を産業用ロボットのアームに設置することによって、アームに沿った領域に対して、物体を検知できる。つまり、アームにより近い領域に対する物体を検知できる。
【0157】
図28に戻って、制御部X19は、物体検知センサユニットX11から検知情報を受信する。制御部X19は、受信した検知情報から、検知領域に物体が存在するか否かを判断する。また、制御部X19は、軸方向投光部X15に対して投光制御情報を、軸方向受光部X17に対して受光制御情報を、それぞれ送信する。
【0158】
制御部X19は、軸方向受光部X17が検知光を受光できなくなった、つまり、軸方向投光部X15から投光された検知光が遮断された場合に、何らかの物体が存在すると判断する。
【0159】
制御部X19のハードウェア構成について図31を用いて説明する。制御部19は、CPU19a、メモリ19b、センサ制御用通信回路19g、及び、動作制御用通信回路19hを有している。
【0160】
CPU19aは、メモリ19bに記録されているオペレーティング・システム(OS)、物体検知プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ19bは、CPU19aに対して作業領域を提供するとともに、オペレーティング・システム(OS)、物体検知プログラム等その他のアプリケーションのプログラム、及び、各種データを記録保持する。
【0161】
センサ制御用通信回路19gは、物体検知センサユニットX11の軸方向投光部X15、軸方向受光部X17と接続され、両者間での情報の送受信を行う。動作制御用通信回路19hは、物体検知センサユニットX11による物体の存在検知に基づき、動作を制御する対象に接続され、両者間での情報の送受信を行う。
【0162】
第2 使用例
物体検知装置X10の使用例として、産業用ロボットの外表面に配置した状態を図32に示す。産業用ロボットRBTは、3軸の可動軸を有するロボットである。産業用ロボットRBTは、アームAM11~AM15を有している。アームAM1、AM3の各外周の表面に沿って、物体検知装置X10(図28参照)の一対の物体検知センサユニットX11が取り付けられている。なお、一方の物体検知センサユニットX11の軸方向投光部X15が投光した検知光は、他方の物体検知センサユニットX11の軸方向受光部X17で受光されるように、それぞれの物体検知センサユニットX11の取り付け位置が調整されている。一対の物体検知センサユニットX11は、制御部X19(図28参照)に接続されている。また、制御部X19は、産業用ロボットRBTのアームAM11~AM15を動作させる動力源(図示せず)に接続されている。なお、一対の物体検知装置X11を設置する際には、ヒンジ部133の位置を合わせることによって、それぞれの軸方向投光部X15と軸方向受光部X17との位置を合わせることができる。
【0163】
このように、物体検知センサユニットX11を設置対象物の表面に容易に取り付けできるので、産業用ロボットの表面近くに人等の物体を検出したときにロボットを緊急停止させる安全システムを容易に構築できる。つまり、設置対象物、例えば産業用ロボットの安全性を容易に構築できる。
【0164】
また、複数の軸方向投光部X15、軸方向受光部X17を一体として取り付けることができるため、持ち運び等、容易に取り扱うことができる。
【0165】
さらに、物体検知センサユニットX11を取り付けるアームAM1~AM3等の間に障害物があったとしても、取り付ける物体検知センサユニットX11の数を調整することにより、障害物を回避できる。このように、物体検知装置X10では、取り付ける物体の形状にかかわらず、自由に物体検知センサユニットX11を取り付けることができる。
【実施例8】
【0166】
前述の実施例7にかかる物体検知装置X10においては、対となる物体検知センサユニットX11を所定間隔で対向して配置し、一方の物体検知センサユニットX11が投光した検知光を、他方の物体検知センサユニットX11が受光するか否かで、物体を検知した。一方、本実施例にかかる物体検知装置X20においては、物体検知センサユニットX21が投光した検知光を、自身が受光するか否かで、物体を検知するものである。なお、以下においては、実施例7と同様の構成については、同様の符号を付し、また、詳細な説明を省略する。
【0167】
第1 構成
物体検知装置X20の構成について、図33を用いて説明する。物体検知装置X20は、物体検知センサユニットX21、制御部X19、及び、反射部X200を有している。物体検知センサユニットX21は、自らが投光した検知光を、反射部X200で反射させ、反射部X200で反射した検知光を受光するか否か判断することによって、物体を検知する。
【0168】
物体検知センサユニットX21の外観を図34に示す。物体検知センサユニットX21は、筐体部X23、軸方向投光部X15(図35参照)、及び、軸方向受光部X17(図35参照)を有している。筐体部X23の内部には、軸方向投光部X15、及び、軸方向受光部X17が配置されている。筐体部X23は、薄い中空円筒形状を有している。
【0169】
筐体部X23は、第1筐体部231、第2筐体部232、及び、ヒンジ部133を有している。第1筐体部231、及び、第2筐体部232は、それぞれ、ヒンジ部133を中心に矢印A71方向、矢印A72方向に回転する。
【0170】
第1筐体部231、及び、第2筐体部232は、それぞれ、中空円筒形状を2つに分割した中空半円筒形状を有している。第1筐体部231と第2筐体部232とは、ヒンジ部133とは異なる端部において互いに係合し、一体となるように構成されている。
【0171】
第1筐体部231は、外周部131a、投受光用開口形成端部231b、端部131c、及び、内周部131dを有している。なお、投受光用開口形成端部231b、端部131c、及び、内周部131dは一体として形成される。また、一体として形成された投受光用開口形成端部231b、端部131c、及び、内周部131dに対して、外周部131aが嵌合することによって、第1筐体部231が形成される。
【0172】
投受光用開口形成端部231bは、中空円筒形状の一端面を閉じる円環形状の蓋として形成される。投受光用開口形成端部231bは、物体検知センサユニットX21が設置対象物、例えば、産業用ロボットのアームに取り付けられた際に、取付対象の表面の法線方向に対して交差する方向を法線方向N13とする端面P231bを有している。
【0173】
投受光用開口形成端部231bは、複数の投光用開口R231a、及び、複数の受光用開口R231bを有している。1つの投光用開口R231aと1つの受光用開口R231bとが対をなして、互いに隣接して形成される。1対の投光用開口R231a、及び、受光用開口R231bは、所定間隔で形成されている。以上は、第2筐体部232についても同様である。
【0174】
筐体部X23を用いることによって、物体検知センサユニットX21を、容易に、取り付け対象、例えば、産業用ロボットのアームに取り付けることができる。
【0175】
物体検知センサユニットX21の内部構造を図35に示す。図35には、図34に示す物体検知センサユニットX21から筐体部X23の外周部131a、232(図示せず)aを取り除いた状態を示している。軸方向投光部X15は、所定の検知光、例えば近赤外線を投光する。軸方向投光部X15は、例えば、近赤外LED(Light Emitting Diode)等を用いて近赤外線を投光する。なお、軸方向投光部X15は、所定の投光レンズ等を用いて検知光を所定の範囲に投光する。
【0176】
軸方向受光部X17は、軸方向投光部X15から投光された検知光を受光する。軸方向受光部X17は、例えば、フォトトランジスタやフォトダイオード、増幅回路内蔵受光素子等を用いて、検知光を受光する。なお、フォトダイオードを使用する場合は、増幅回路やフィルター回路を配置するようにしてもよい。
【0177】
軸方向投光部X15、及び、軸方向受光部X17は、交互に、筐体部X13の内部に配置される。また、軸方向投光部X15は、投光する検知光が筐体部X23の投光用開口R231a、R232aから筐体部X23の外部に向かって投光できるように、投光用開口R231a、R232aの位置に合わせて配置される。つまり、軸方向投光部X15は、検知光を筐体部X23の軸方向に沿って検知光を投光する。なお、軸方向投光部X15は、制御部X19から、投光タイミング示す投光制御情報を取得し、適宜、検知光を投光する。
【0178】
軸方向受光部X17は、投光された検知光の反射光を筐体部23の受光用開口R231b、R232bを介して受光できるように、受光用開口R231b、R232bの位置に合わせて配置される。つまり、軸方向受光部X17は、対をなす軸方向投光部X15から筐体部X23の軸方向に沿って投光され、反射部X200で反射し、筐体部X23の軸方向に沿って反射してきた検知光を受光する。軸方向受光部X17は、検知光を受光したか否かの情報を検知情報として制御部X19へ送信する。また、軸方向受光部X17は、対となる軸方向投光部X15が投光した検知光を受光できる受光タイミングを示す受光制御情報を取得し、適宜、検知光を受光する。
【0179】
図33に戻って、制御部X19は、物体検知センサユニットX21から検知情報を受信する。制御部X19は、受信した検知情報から、検知領域に物体が存在するか否かを判断する。また、制御部X19は、投光を開始させる投光制御情報を、各軸方向投光部X15に対して、順次、送信する。また、制御部X19は、受光を開始する受光制御情報を、投光制御情報を送信した軸方向投光部X15と対をなす軸方向受光部X17に対して、対をなす軸方向投光部X15が投光した検知光の反射光を受光できるように送信する。
【0180】
制御部X19は、軸方向受光部X17が検知光を受光しなかった、つまり、軸方向投光部X15から投光された検知光の反射光を受光しなかった場合に、何らかの物体が存在すると判断する。
【0181】
反射部X200は、物体検知センサユニットX21の筐体部X23と同様の構成を有している。ただし、反射部X200は、投受光用開口形成端部231b、232bに、投光用開口R231a、R232a、受光用開口R231b、R232bを有さず、端部131c、132cと同様の構成となっている。また、反射部X200は、内部に、軸方向投光部X15、軸方向受光部X17等の内部回路を有していない。
【0182】
図33に示すように、物体検知センサユニットX21と反射部X200とを、物体検知センサユニットX21の軸方向投光部X15が投光した検知光を、反射部X200で反射させ、反射した検知光を物体検知センサユニットX21の軸方向受光部X17が受光するように、互いに対向するように取り付けることによって、物体検知センサユニットX21から反射部X200までの軸方向に沿った領域に対して、物体を検知できる。例えば、物体検知センサユニットX21を産業用ロボットのアームに設置することによって、アームに沿った領域に対して、物体を検知できる。つまり、アームにより近い領域に対する物体を検知できる。
【0183】
第2 使用例
物体検知装置X20の使用例として、産業用ロボットRBTの外表面に配置した状態を図36に示す。アームAM11、AM13の各外周の表面に沿って、物体検知装置X20(図28参照)の物体検知センサユニットX21、及び、反射部X200が取り付けられている。物体検知センサユニットX21の軸方向投光部15が投光した検知光は、反射部X200で反射されるように、それぞれの取り付け位置が調整されている。物体検知センサユニットX21は、制御部X19(図33参照)に接続されている。また、制御部X19は、産業用ロボットRBTのアームAM11~AM15を動作させる動力源(図示せず)に接続されている。
【0184】
このように、物体検知センサユニットX21を設置対象物の表面に容易に取り付けできるので、産業用ロボットの近くに人等の物体を検出したときにロボットを緊急停止させる安全システムを容易に構築できる。つまり、設置対象物、例えば産業用ロボットの安全性を容易に構築できる。
【0185】
また、複数の軸方向投光部X15、軸方向受光部X17を一体として取り付けることができるため、持ち運び等、容易に取り扱うことができる。
【0186】
さらに、物体検知センサユニットX21を取り付けるアームAM1~AM3等の間に障害物があったとしても、取り付ける物体検知センサユニットX21、反射部X200の数を調整することにより、障害物を回避できる。このように、物体検知装置X20では、取り付ける物体の形状にかかわらず、自由に物体検知センサユニットX21を取り付けることができる。
【0187】
さらに、物体検知センサユニットX21では、予め想定されている使用範囲では、軸方向投光部X15及び軸方向受光部X17における検知光の投受光の位置が調整されているため、検知光の投受光調整が必要なため、より簡単に物体検知センサユニットX21を設置対象物に取り付けることができる。
【実施例9】
【0188】
前述の実施例8にかかる物体検知装置X20においては、物体検知センサユニットX21の軸方向に沿って、物体を検知するものであった。一方、本実施例にかかる物体検知装置X30においては、軸方向沿って検知するだけでなく、軸からの放射方向にも物体を検知するものである。なお、以下においては、実施例7、実施例8と同様の構成については、同様の符号を付し、また、詳細な説明を省略する。
【0189】
第1 構成
物体検知装置X30の構成については、実施例8(図33参照)と同様である。物体検知装置X30は、物体検知センサユニットX21に代わる物体検知センサユニットX31、及び、制御部X19、反射部X200を有している。物体検知センサユニットX31は、軸方向に対しては、自らが投光した検知光を、反射部X200で反射させ、反射部X200で反射した検知光を受光するか否か判断することによって物体を検知するとともに、軸に対する放射方向には、自らが投光した検知光を受光するか否か判断することによって物体を検知する。
【0190】
物体検知センサユニットX31の外観を図37に示す。物体検知センサユニットX31は、筐体部X33、軸方向投光部X15(図38参照)、軸方向受光部X17(図38参照)、放射方向投光部X35(図38参照)、及び、放射方向受光部X37(図38参照)を有している。筐体部X33の内部には、軸方向投光部X15、軸方向受光部X17、放射方向投光部X35、放射方向受光部X37が配置されている。筐体部X33は、薄い中空円筒形状を有している。
【0191】
筐体部X33は、第1筐体部331、第2筐体部332、及び、ヒンジ部133を有している。第1筐体部331、及び、第2筐体部332は、それぞれ、ヒンジ部133を中心に矢印A101方向、矢印A102方向に回転する。
【0192】
第1筐体部331、及び、第2筐体部332は、それぞれ、中空円筒形状を2つに分割した中空半円筒形状を有している。第1筐体部331と第2筐体部332とは、ヒンジ部133とは異なる端部において互いに係合し、一体となるように構成されている。
【0193】
第1筐体部331は、外周部331a、投受光用開口形成端部231b、端部131c、及び、内周部131dを有している。一体として形成された投受光用開口形成端部231b、端部131c、及び、内周部131dに対して、外周部331aが嵌合することによって、第1筐体部331が形成される。
【0194】
外周部331aは、中空円筒形状の外周面に対応する薄い円筒形状として形成される。外周部331aは、複数の放射方向投光用開口R331a、及び、複数の放射方向受光用開口R331bを有している。1つの放射方向投光用開口R331aと1つの放射方向受光用開口R331bとが対をなして、互いに隣接して形成される。1対の放射方向投光用開口R331a、及び、放射方向受光用開口R331bは、所定間隔で形成されている。以上は、第2筐体部332についても同様である。
【0195】
物体検知センサユニットX31の内部構造を図38に示す。図38には、図37に示す物体検知センサユニットX31から筐体部X33の外周部331a、332a(図示せず)を取り除いた状態を示している。放射方向投光部X35は、軸方向投光部X15と同様に、所定の検知光、例えば近赤外線を投光する。軸方向投光部X15は、例えば、近赤外LED(Light Emitting Diode)等を用いて近赤外線を投光する。なお、放射方向投光部X35は、所定の投光レンズ等を用いて検知光を所定の範囲に投光する。
【0196】
放射方向受光部X37は、放射方向受光部X17と同様に、放射方向投光部X35から投光された検知光の反射光を受光する。放射方向受光部X37は、例えば、フォトトランジスタやフォトダイオード、増幅回路内蔵受光素子等を用いて、検知光を受光する。なお、フォトダイオードを使用する場合は、増幅回路やフィルター回路を配置するようにしてもよい。
【0197】
対となる放射方向投光部X35、及び、放射方向受光部X37は、所定間隔で、筐体部X33の内部に配置される。また、放射方向投光部X35は、投光する検知光が筐体部X33の放射方向投光用開口R331a、R332aから筐体部X33の軸に対する放射方向、外部に向かって投光できるように、放射方向投光用開口R331a、R332aの位置に合わせて配置される。つまり、放射方向投光部X35は、検知光を筐体部X33の軸に対して放射方向に検知光を投光する。なお、放射方向投光部X35は、制御部X19から、投光タイミング示す投光制御情報を取得し、適宜、検知光を投光する。
【0198】
放射方向受光部X37は、放射方向投光部X35から投光された検知光の反射光を筐体部X33の放射方向受光用開口R331b、R332bを介して受光できるように、放射方向受光用開口R331b、R332bの位置に合わせて配置される。つまり、放射方向受光部X37は、対をなす放射方向投光部X35から筐体部X33の軸に対する放射方向に投光され、物体によって、筐体部X33の軸に対する放射方向に沿って反射してきた検知光を受光する。放射方向受光部X37は、検知光を受光したか否かの情報を検知情報として制御部X19へ送信する。また、放射方向受光部X37は、対となる放射方向投光部X35が投光した検知光を受光できる受光タイミングを示す受光制御情報を取得し、適宜、検知光を受光する。
【0199】
なお、物体検知装置X30の制御部X19は、物体検知センサユニットX31から検知情報を受信する。制御部X19は、受信した検知情報から、物体検知センサユニットX31の軸方向に沿う検知領域に物体が存在するか否か、また、物体検知センサユニットX31の軸に対する放射方向の検知領域に物体が存在するか否か、を判断する。また、制御部X19は、投光を開始させる投光制御情報を、各軸方向投光部X15、放射方向投光部X35に対して、順次、送信する。また、制御部X19は、受光を開始する受光制御情報を、投光制御情報を送信した軸方向投光部X15と対をなす軸方向受光部X17に対して、対をなす軸方向投光部X15が投光した検知光の反射光を受光できるように送信する。
【0200】
制御部X19は、軸方向受光部X17が検知光を受光しなかった、つまり、軸方向投光部X15から投光された検知光の反射光を受光しなかった場合に、取付対象の近くに何らかの物体が存在すると判断する。また、制御部X19は、放射方向受光部X37が検知光を受光した、つまり、放射方向投光部X35から投光された検知光の反射光を受光した場合に、何らかの物体が放射方向に存在すると判断する。
【実施例10】
【0201】
本発明に係る物体検知装置について、図44に示す物体検知装置100を例に説明する。図44においては、物体検知装置100を、産業用ロボットRBTを設置対象物として設置した状態を示している。物体検知装置100は、所定の設置対象物に設置し、設置対象物等、検知する必要がない検知対象物を誤検知することなく、周囲に物体が存在するか否かを検知するものである。
【0202】
第1 ハードウェア構成
物体検知装置100のハードウェア構成について、図44を用いて説明する。物体検知装置100は、物体検知センサユニット110、制御部170、及び、接続ハーネス190を有している。物体検知センサユニット110は、産業用ロボットRBTのアームに取り付けられる。物体検知センサユニット110は、接続ハーネスを介して、制御部170に接続される。
【0203】
制御部170は、物体検知センサユニット110の動作を制御するとともに、物体検知センサユニット110から取得する検知情報に基づき、設置対象物である産業用ロボットRBTの動作を制御する。
【0204】
1.物体検知センサユニット110
物体検知センサユニット110の構成について、図45図49を用いて説明する。図45に、物体検知センサユニット110の外観斜視図を示す。図46に、図45に示す物体検知センサユニット110から、一部を取り除いた状態を示す。図47に、図46に示す物体検知センサユニット110から、筐体部119(後述)の内部空間に配置される構成物を取り除いた状態を示す。
【0205】
図45及び図46に示すように、物体検知センサユニット110は、1つの第1物体検知センサ部111、複数の第2物体検知センサ部113、センサ間接続線117、及び、筐体部119を有している。第1物体検知センサ部111、及び、第2物体検知センサ部113は、センサ間接続線117によってカスケード接続され、筐体部119の内部に配置される。
【0206】
(1)第1物体検知センサ部111
第1物体検知センサ部111の構成について図48を用いて説明する。物体検知センサ部111は、投光素子111a、投光レンズ111b、受光素子111c、センサ用通信インターフェイス111d、センサ制御部111e、制御部用通信インターフェイス111f、及び、加速度センサ111g有している。
【0207】
投光素子111aは、所定の検知光、例えば近赤外線を投光する。投光レンズ111bは、投光素子111aが投光した検知光を所定の範囲(検知領域R111)に拡散する。なお、投光レンズ111bについては、レンズの形状や特性を、適宜、選択することによって、物体検知センサユニット110を配置する対象である産業用ロボット等の配置対象物を誤検知することがないように調整しておいてもよい。投光素子111aとしては、例えば近赤外LED(Light Emitting Diode)等を利用することができる。
【0208】
受光素子111cは、投光素子111aが投光した検知光の物体による反射光を受光する。受光素子111cとしては、例えばフォトトランジスタやフォトダイオード、増幅回路内蔵受光素子等を用いることができる。なお、フォトダイオードを使用する場合は、増幅回路やフィルター回路を、受光素子111cと合わせて配置するようにしてもよい。
【0209】
センサ用通信インターフェイス111dは、隣接する第2物体検知センサ部113のセンサ用通信インターフェイス113dと接続され、第1物体検知センサ部111と第2物体検知センサ部113とが通信できるようにする。
【0210】
センサ制御部111eは、制御部170からセンサ制御情報を取得し、投光素子111a、受光素子111cによる物体検知を制御し、物体検知情報を制御部170へ送信する。また、センサ制御部111eは、加速度センサ部111gから取得する移動情報を制御部へ送信する。
【0211】
制御部用通信インターフェイス111fは、制御部170のセンサ制御用通信回路170g(図50参照)と接続され、制御部170と第1物体検知センサ部111とが、つまり、物体検知センサユニット110と制御部170とが、通信できるようにする。なお、各物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111の制御部用通信インターフェイス111fは、直接的にパラレルに制御部170に接続される。このため、複数の物体検知センサユニット110は、それぞれパラレルに、制御部170に接続される。
【0212】
加速度センサ部111gは、3軸加速度センサを有している。3軸加速度センサは、所定の座標空間(X軸、Y軸、Z軸)において、各軸に沿う方向の加速度を計測し、移動情報を生成する。計測された加速度を2回積分することによって、各軸に沿った変位を算出できる。
【0213】
(2)第2物体検知センサ部113
第2物体検知センサ部113の構成について図49を用いて説明する。物体検知センサ部113は、投光素子113a、投光レンズ113b、受光素子113c、センサ用通信インターフェイス113d、及び、センサ制御部113eを有している。なお、投光素子113a、投光レンズ113b、受光素子113c、センサ用通信インターフェイス113d、及び、センサ制御部113eは、第1物体検知センサ部111の投光素子111a、投光レンズ111b、受光素子111c、センサ用通信インターフェイス111d、及び、センサ制御部111eと同様であるため詳細な記述を省略する。
【0214】
(3)センサ間接続線117
図46に示すように、センサ間接続線117は、隣接する第1物体検知センサ部111と第2物体検知センサ部113との間、及び、隣接する2つの第2物体検知センサ部113の間を接続する。なお、センサ間接続線117は、第1物体検知センサ部111のセンサ用通信インターフェイス111d、第2物体検知センサ部113のセンサ用通信インターフェイス113dに接続され、隣接する第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113を電気的、及び、物理的に接続する。
【0215】
(4)筐体部119
図47に示すように、筐体部119は、中空円筒形状を有している。筐体部119は、第1筐体部1191、第2筐体部1192、及び、ヒンジ部1193を有している。第1筐体部1191、及び、第2筐体部1192を、それぞれ、ヒンジ部1193を中心に矢印R31方向、矢印R32方向に回転させ、一端を開放することによって、物体検知センサユニット110を取付対象物に取り付ける。
【0216】
第1筐体部1191、及び、第2筐体部1192は、それぞれ、中空円筒形状の長軸J119、及び、ヒンジ部1193の回転軸J1193を含む面に沿って中空円筒形状を分割した半中空円筒形状を有している。なお、半中空円筒形状を有する第1筐体部1191、及び、第2筐体部1192は、ヒンジ部1193とは異なる端部において互いに係合して、一体となり、中空円筒形状を形成する。
【0217】
第1筐体部1191は、外周部1191a、中空円筒形状の端面に沿った端部1191b、中空円筒形状の内周面に沿った内周部1191c、及び、端部1191bに対向して位置する端部1191dを有している。なお、外周部1191a、端部1191b、及び、内周部1191cとは一体として形成されている。また、一体として形成された外周部1191a、端部1191b、及び、内周部1191cに対して、端部1191dが嵌合することによって、第1筐体部1191が形成される。
【0218】
外周部1191aは、第2物体検知センサ部113の投光素子113aの検知光の投光を阻害せず、また、第2物体検知センサ部113の受光素子113cの反射光の受光を阻害しないような大きさ、形状を有する投受光用開口1191a1を、第2物体検知センサ部113の投光素子113a及び受光素子113cに対応する位置に有している。
【0219】
以上は、第2筐体部1192についても同様である。なお、第2筐体部1192の外周部1192a(図示せず)は、第2物体検知センサ部113の投光素子113a、及び、受光素子113cに対応する位置に加えて、第1物体検知センサ部111の投光素子111a、及び、受光素子111cに対応する位置に、投受光用開口1192a1(図示せず)を有している。
【0220】
このように、ヒンジ部1193を中心に、第1筐体部1191、第2筐体部1192を左右に開いて、所定の取り付け対象、例えば、産業用ロボットのアームの外周に沿って配置し、第1筐体部1191、第2筐体部1192を閉じるだけで、簡単に、物体検知センサユニット110を取り付けることができる。
【0221】
2.制御部170
制御部170のハードウェア構成について図50を用いて説明する。制御部170は、CPU170a、メモリ170b、センサ制御用通信回路170g、及び、動作制御用通信回路170hを有している。
【0222】
CPU170aは、メモリ170bに記録されているオペレーティング・システム(OS)、検知領域調整プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ170bは、CPU170aに対して作業領域を提供するとともに、オペレーティング・システム(OS)、検知領域調整プログラム等その他のアプリケーションのプログラム、及び、各種データを記録保持する。
【0223】
センサ制御用通信回路170gは、物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111に配置される制御部用通信インターフェイス111f(図48参照)と接続ハーネス190(図44参照)を介して接続され、両者間での情報の送受信を行う。なお、センサ制御用通信回路170gは、各物体検知センサユニット110と、直接的に、つまり、パラレルに接続される。動作制御用通信回路170hは、物体検知センサユニット110による物体の存在検知に基づき、動作を制御する制御対象、例えば産業用ロボットRBTに接続され、両者間での情報の送受信を行う。
【0224】
3.接続ハーネス190
図44に示すように、接続ハーネス190は、各物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111の制御部用通信インターフェイス111fと、制御部170のセンサ制御用通信回路170gとを接続し、各物体検知センサユニット110と制御部170とを直接的に接続する。
【0225】
第2 制御部170における検知領域調整処理
制御部170のCPU170aが検知領域調整プログラムに基づき実施する検知領域調整処理について、物体検知装置100を産業用ロボットの外表面に配置した場合を例に説明する。
【0226】
1.設置対象物
物体検知装置100の配置する設置対象物として、図51に示すような産業用ロボットRBTを設定する。産業用ロボットRBTは、3軸の回転軸を有するロボットである。産業用ロボットRBTは、アームAM1~AM7、土台B1、及び、作業端部H1を有している。
【0227】
アームAM1は、土台B1に配置され、自身の長軸方向に設定される回転軸RJ1を中心に回転運動する。アームAM3は、隣接するアームAM1と接続され、一つの端部に設定される回転軸RJ3を中心に、アームAM1に対して回転運動する。アームAM5は、隣接するアームAM3と接続され、一つの端部に設定される回転軸RJ5を中心に、アームAM3に対して回転運動する。アームAM7は、隣接するアームAM5と接続され、一つの端部に設定される回転軸RJ7を中心に、アームAM5に対して回転運動する。
【0228】
アームAM3、AM5、AM7の各外周面に物体検知装置100の物体検知センサユニット110が配置されている。アームAM3、AM5、AM7に配置されている6つの物体検知センサユニット110は、制御部170に接続される。また、制御部170は、産業用ロボットRBTの各アームAM1~AM7を動作させる動力機構(図示せず)に接続されている。制御部170は、動力機構の動作を制御することによって、アームAM1~AM7の動作を制御する。
【0229】
各物体検知センサユニット110は、各アームの外周に沿うように配置される。物体検知センサユニット110は、設置対象である装置の外表面に容易に配置できるので、産業用ロボットの周辺に人等の物体を検出したときにロボットを緊急停止させる安全システムを容易に構築できる。つまり、設置対象装置、例えば産業用ロボットの安全性を容易に構築できる。
【0230】
2.初期設定情報
検知領域調整処理を実施する前に、所定の初期設定値を設定しておく。まず、物体検知センサユニット110を取り付けた産業用ロボットRBTの初期状態を設定する。ここで、産業用ロボットRBTを、例えば、図51に示すように、土台B1、アームAM1~AM7、作業端部H1を有するものとする。
【0231】
土台B1は、産業用ロボットRBTを支持する。土台B1は、平坦な上面を有し、上面から上に突出するようにアームAM1が配置される。各アームAM1~AM7は、それぞれの長軸LJ1~LJ7(図55参照)に沿った円柱形状を有している。なお、各アームの長軸LJ1~LJ7は、図51においては、Z軸上に存在する。アームAM1には、土台B1と接続される端部とは異なる端部において、アームAM3が、回転軸RJ3を中心に回転できるように接続されている。なお、アームAM3の長軸LJ3と回転軸RJ3との交点を回転中心C3とする。アームAM5、AM7についても、同様である。アームAM7には、アームAM5と接続される端部とは異なる端部において、作業端部H1が接続されている。
【0232】
ここで、初期状態を、例えば、図51に示すような、最下位に位置するアームAM1の底面の中心を原点Oとして垂直方向にZ軸、底面内にX軸、Y軸を有する座標軸を設定し、各アームAM1~AM7が垂直に直線状に、つまり、アームAM1~AM7それぞれの長軸LJ1~LJ7がZ軸に沿って直線的に配置された状態に設定する。
【0233】
初期状態において、設定した座標軸における回転中心点C3~C7の位置(C3(0)~C7(0))、各回転中心点間の長さ(L1、L3、・・・)を初期設定情報の一部として、メモリ170bに記憶保持する。
【0234】
産業用ロボットRBTに取り付ける物体検知センサユニット110の中心から各投光素子までの半径R、隣接する第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113間の中心角度α、第1物体検知センサ部111の検知領域R111、第2物体検知センサ部113の検知領域R113の形状を円錐として特定する頂角θを初期設定情報の一部として、メモリ170bに記憶保持する。
【0235】
産業用ロボットRBTに物体検知センサユニット110を所定の位置に取り付ける。なお、産業用ロボットRBTには、アームAM3~AM7のそれぞれに2つの物体検知センサユニット110を取り付け、下方から順番に、物体検知センサユニット110_1、110_2、・・・とし、同様に、各物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111についても、下方から順番に、第1物体検知センサ部111_1、111_2、・・・とする。
【0236】
産業用ロボットRBTを初期状態とした後、設定した座標軸における各物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111の初期位置(P111_1(0)、P111_2(0)、・・・)を初期設定情報の一部として、メモリ170bに記憶保持する。
【0237】
3.検知領域調整処理
制御部170のCPU170aが検知領域調整プログラムに基づき実施する検知領域調整処理について、図52図57に示すフローチャート、及び、図53を用いて説明する。
【0238】
図52に示すように、CPU170aは、物体検知装置100の動作開始後、各物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113に対して、物体検知開始情報を送信する(S901)。物体検知開始情報については後述する。
【0239】
物体検知開始情報を取得する物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113の動作については後述する。
【0240】
CPU170aは、各物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113からセンサ情報を取得する(S903)。センサ情報については後述する。
【0241】
CPU170aは、全ての物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113からセンサ情報を取得したと判断すると(S905)、移動情報を有している第1物体検知センサ部111に関するセンサ情報を抽出し(S907)、産業用ロボットRBTのその時点での形状を判断する形状推定処理を実施する(S909)。
【0242】
形状推定処理について、図53に示すフローチャート、及び、図55を用いて説明する。なお、図55には、産業用ロボットRBTの所定時間動作後の状態を示している。以降においては、複数存在する構成要素については、初期状態において下に位置するものから順に、サフィックス「_n(nは自然数)」を付加して特定する。例えば、初期状態において、下から2番目に位置する第1物体検知センサ部111については、第1物体検知センサ部111_2と表記する。なお、特に特定しない場合には、第1物体検知センサ部111_nと表記する。
【0243】
図53に示すように、CPU170aは、取得した移動情報から、第1物体検知センサ部111_n毎に、前の位置からの変位(m111_n(x):図55参照)を算出する(S1001)。次に、CPU170aは、第1物体検知センサ部111_n毎に、前の位置(P111_n(x-1):図55参照)に、算出した変位(m111_n(x))を加算し、現在の位置(P111_n(x):図55参照)算出する(S1003)。なお、現在の第1物体検知センサ部111_nの位置(P111_n(x))は、初期状態での第1物体検知センサ部111の位置(P111_n(0):図51参照)を用いて、演繹的に算出できる。
【0244】
次に、CPU170aは、初期状態において下側に位置するアームAM1から上側に位置するアームAM3、AM5、AM7へと、順番に、対象アームとして、以下の処理を実行する。
【0245】
CPU170aは、対象アームに物体検知センサユニット110が取り付けられていると判断すると(S1005)、対象アームについて、現在の下側の回転中心Cm(x)(m=3、5、7)から、第1物体検知センサ部111_nの現在の位置P111_n(x)へのベクトルが、現在の下側の回転中心Cm(x)を起点とする、初期状態における対象アームの下側の回転中心Cm(0)から第1物体検知センサ部111_nの位置P111_(0)へのベクトルを、現在の下側の回転中心Cmを通る回転軸RJmを中心に、回転させて一致させた回転角度r_n(x)を算出する(S1007)。
【0246】
例えば、アームAM3について、現在の下側の回転中心C3(x)から、第1物体検知センサ部111_2の現在の位置P111_2(x)へのベクトルが、現在の下側の回転中心C3(x)を起点とする、初期状態における対象アームの下側の回転中心C3(0)から第1物体検知センサ部111_nの位置P111_(0)へのベクトルを、現在の下側の回転中心C3(x)を通る回転軸RJ3を中心に、回転させて一致させた回転角度r_3(x)を算出する。なお、回転中心C3は移動しないため、現在の回転中心の位置C3(x)は、初期状態の回転中心C3の位置C3(0)(図51参照)となる。
【0247】
CPU170aは、算出した回転角度r_n(x)を用いて、対象アームの初期状態の長軸LJmを、対象アームの現在の下側の回転中心Cm(x)に移動して、回転角度r_n(x)だけ回転させて、現在の下側の回転中心Cm(x)を通る現在の長軸LJ_n(x)の位置を算出する(S1009)。そして、CPU170aは、対象アームの回転中心間距離(L3、L5、L7(図51参照))を用いて、上側の回転中心Cm(x)の位置を算出する(S1011)。
【0248】
CPU170aは、全てのアームに対して、ステップS1005~S1013の処理を実行する(S1013)。CPU170aは、算出した各アームの半径等を用いて、産業用ロボットRBTの現在の形状を算出する(S1015)。
【0249】
図52に戻って、CPU170aは、産業用ロボットRBTに対する形状推定処理を終了すると、検知領域調整情報生成処理を実行する(S911)。
【0250】
検知領域調整情報生成処理について、図54を用いて説明する。CPU170aは、各アームの第1物体検知センサ部111の位置、及び、各アームの長軸の位置から、物体検知センサユニット110毎に、第1物体検知センサ部111以外の第2物体検知センサ部113の位置を算出する(S1101)。CPU170aは、算出した第2物体検知センサ部113の位置、及び、算出した産業用ロボットRBTの形状から、各物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113が形成する検知領域を算出する(S1103)。なお、検知領域は、図56に示すように、物体検知センサユニット110の中心から第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113の位置に向かって放射状に、つまり、産業用ロボットRBTの表面に垂直な方向に、形成される。
【0251】
CPU170aは、算出した検知領域と、形状推定処理(図53参照)において算出した産業用ロボットRBTの形状とが干渉するか否かを算出する(S1105)。例えば、図56に示すような形状にある産業用ロボットRBTでは、互いに対向する位置にあるアームAM3、アームAM7において、それぞれのアームに取りつけられている物体検知センサユニット110_2、110_5については、一部の第1物体検知センサ部111、及び/又は、第2物体検知センサ部113が形成する検知領域が、もう一方のアームと干渉すると判断する。
【0252】
ここで、図56に示す産業用ロボットRBTを、同図右側から見た状態を図57に示す。図57に示すように、互いに対向する位置にあるアームAM3、アームAM7において、アームAM3においては、対向する側の面F3に位置する第1物体検知センサ部111、及び/又は、第2物体検知センサ部113が形成する検知領域は、もう一方のアームAM7と干渉すると判断する。アームAM7についても同様に判断する。また、その他のアームについても同様に判断する。
【0253】
図55に戻って、CPU170aは、両者が干渉すると判断すると、干渉する第1物体検知センサ部111、又は、第2物体検知センサ部113についての検知領域調整情報を生成する(S1107)。
【0254】
ここで、検知領域調整情報について説明する。検知領域調整情報は、第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113のそれぞれの受光素子において反射光を受光するための受光待機期間を調整するための情報である。受光待機期間を調整することによって、実質的に検知光が届く領域、つまり、検知領域を限定できる。例えば、受光待機期間を所定の期間の30%の期間に短縮すると、取付対象物から距離が近い検知領域に限定し、アーム同士の干渉により反射する反射光を有効な検知としないようにできる。
【0255】
CPU170aは、全ての物体検知センサユニット110について、ステップS1101~S1107の処理を実行したと判断すると(S1209)、検知領域調整情報生成処理を終了する。
【0256】
図52に戻って、CPU170aは、検知領域調整情報生成処理を終了すると、所定のタイミングで、次の物体検知を開始する物体検知開始情報を生成する(S913)。
【0257】
ここで、物体検知開始情報について説明する。物体検知開始情報は、物体検知センサユニット110が有する第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113に物体検知を開始させるための情報である。物体検知開始情報を取得した第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113は、それぞれの投光素子、受光素子等を用いて、物体検知を開始する。物体検知開始情報は、各物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113を特定するためのセンサ特定情報と関連づけられて生成される。また、検知領域を調整する必要があると判断される第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113については、ステップS1207で生成した検知領域調整情報とも関連づけられる。
【0258】
CPU170aは、所定時間になると(S915)、生成した物体検知開始情報を各物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113へ送信する等、ステップS901~S915の処理を、動作終了まで繰り返す。
【0259】
なお、CPU170aは、ステップS903において、各物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113からセンサ情報を取得し、その中のから検知結果情報を抽出し、抽出した検知結果情報が、物体を検知したことを示すものであった場合には、取付対象である産業用ロボットRBTの動作を停止させる停止信号を、産業用ロボットRBTへ送信する。
【0260】
4.第1物体検知センサ部111の動作
図57に示すように、物体検知センサユニット110の第1物体検知センサ部111のセンサ制御部111eは、制御部用通信インターフェイス111fを介して物体検知開始情報を取得すると(S1301)、取得した物体検知開始情報が自身に対応するものであるか否かを判断する(S1303)。センサ制御部111eは、自身に対する物体検知開始情報であると判断すると、物体検知開始情報が有する検知領域調整情報を抽出し(S1305)、抽出した検知領域調整情報に基づき、受光素子111cが検知光に対する反射光を受光する期間である受光待機期間を調整する(S1307)。
【0261】
センサ制御部111eは、投光素子111aを介して、検知光を投光する(S1309)。センサ制御部111eは、受光素子111cを介して反射光を受光するか否かを監視する。センサ制御部111eは、反射光を受光したと判断すると(S1311)、物体を検知した旨を示す検知結果情報を生成する(S1315)。センサ制御部111eは、加速度センサ部111gから測定した加速度を移動情報として取得する(S1317)。センサ制御部111eは、生成した検知結果情報、及び、移動情報を、自身を特定するセンサ特定情報とともにセンサ情報として、制御部170へ送信する(S1319)。
【0262】
一方、センサ制御部111eは、ステップS1309において検知光を投光してから、反射光を受光せずに所定の受光待機期間を経過したと判断すると(S1313)、物体を検知しなかった旨を示す検知結果情報を生成する(S1315)。センサ制御部111eは、加速度センサ部111gから測定した加速度を移動情報として取得する(S1317)。センサ制御部111eは、生成した検知結果情報、及び、移動情報を、自身を特定するセンサ特定情報とともにセンサ情報として、制御部170へ送信する(S1319)。
【0263】
また、センサ制御部111eは、ステップS1301において取得した物体検知開始情報が自身に対応するものでないと判断すると、取得した物体検知開始情報を、センサ用通信インターフェイス113dを介して、隣接する第2物体検知センサ部113へ送信する(S1321)。
【0264】
また、センサ制御部111eは、センサ用通信インターフェイス113dを介して、隣接する第2物体検知センサ部113から検知結果情報を取得すると、制御部用通信インターフェイス111fを介して、制御部170へ送信する。
【0265】
5.第2物体検知センサ部113の動作
図57に示すように、物体検知センサユニット110の第2物体検知センサ部113のセンサ制御部113eは、センサ用通信インターフェイス113dを介して物体検知開始情報を取得すると(S1401)、取得した物体検知開始情報が自身に対応するものであるか否かを判断する(S1403)。センサ制御部113eは、自身に対する物体検知開始情報であると判断すると、物体検知開始情報が有する検知領域調整情報を抽出し(S1405)、抽出した検知領域調整情報に基づき、受光素子113cが検知光に対する反射光を受光する期間である受光待機期間を調整する(S1407)。
【0266】
センサ制御部113eは、投光素子113aを介して、検知光を投光する(S1409)。センサ制御部113eは、受光素子113cを介して反射光を受光するか否かを監視する。センサ制御部113eは、反射光を受光したと判断すると(S1411)、物体を検知した旨を示す検知結果情報を生成する(S1415)。センサ制御部113eは、生成した検知結果情報、及び、自身を特定するセンサ特定情報をセンサ情報として、制御部170へ送信する(S1419)。
【0267】
一方、センサ制御部113eは、ステップS1409において検知光を投光してから、反射光を受光せずに所定の受光待機期間を経過したと判断すると(S1413)、物体を検知しなかった旨を示す検知結果情報を生成する(S1415)。センサ制御部113eは、生成した検知結果情報を、自身を特定するセンサ特定情報とともにセンサ情報として、制御部170へ送信する(S1419)。
【0268】
また、センサ制御部113eは、ステップS1403において取得した物体検知開始情報が自身に対応するものでないと判断すると、取得した物体検知開始情報を、センサ用通信インターフェイス113dを介して、隣接する第1物体検知センサ部111、又は、第2物体検知センサ部113へ送信する(S1421)。
【0269】
また、センサ制御部113eは、センサ用通信インターフェイス113dを介して、隣接する第2物体検知センサ部113からセンサ情報を取得すると、制御部用通信インターフェイス111fを介して、隣接する第1物体検知センサ部111、又は、第2物体検知センサ部113へ送信する。
【0270】
[その他の実施形態]
(1)センサ配置柔軟部材15:前述の実施例1においては、センサ配置柔軟部材15は、ゴムプレートにより形成されるとしたが、柔軟性を有し、設置対象物の表面に沿って変形するものであれば、例示のものに限定されない。例えば、繊維状のシートや、フレキシブルに変形するプラスチック等であってもよい。前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0271】
また、センサ配置柔軟部材15は、帯形状を有するとしたが、複数の物体検知センサユニット11を配置できる広さ、領域を有するものであれば、矩形状や、その他の多角形形状等であってもよい。前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0272】
(2)センサ配置柔軟部材25:前述の実施例2においては、センサ配置柔軟部材25は、調整できる伸縮機構253bを有する中間柔軟部材253を用いていたが、隣接するセンサ配置部材251の間の長さを調整できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、伸縮機構253bを有さず、ベルト253aを、伸縮性を有する素材、例えば、所定のゴム素材によって形成するようにしてもよい。前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0273】
(3)センサ配置柔軟部材35:前述の実施例3の単位柔軟部材351において、連結方向の長さが異なる複数のタイプを用意し、適宜、選択して連結することによって、物体検知センサ部13の配置位置を調整できるようにしてもよい。センサ配置柔軟部材35全体の長さを調整できるので、容易に対象物に適合させることができる。
【0274】
(4)検知領域R13の形状:前述の実施例1~実施例3においては、投光レンズ13bとしてシリンドリカルレンズを用いて直線状の検知領域R13を形成するとしたが、所望の検知領域を形成できるものであれば、どのような投光レンズ13bを用いるようにしてもよい。例えば、図10に示すように、円形の凸レンズである投光レンズ143bを用いて、円形状の検知領域R143を形成するようにしてもよい。
【0275】
また、投光レンズ143bの投光方向を調整できるようにしてもよい。この場合、例えば、図10に示すように、物体検知センサ部143の投光素子13a、投光レンズ143bを、矢印a6方向に、上下左右に回転させるようにすればよい。
【0276】
さらに、全ての物体検知センサ部143について同一方向に検知領域R143を形成せずに、図11Aに示すように、複数の方向に検知領域R143を形成するようにしてもよい。
【0277】
実施例1における物体検知装置10についても、投光素子13a、投光レンズ13b(図2参照)を回転できる物体検知センサ部153を用いて、図11Bに示すように、同様に、複数の方向に検知領域R153を形成するようにしてもよい。実施例2における物体検知装置20、実施例3における物体検知装置30についても、同様である。以上は、前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0278】
(5)物体検知センサ部13の配置:前述の実施例1~実施例3においては、物体検知センサ部13を直線状に配置し、検知領域R11をセンサ配置柔軟部材15上に形成するとしたが、マトリクス状、その他の規則性を沿って配置しても、また、規則性を持たずにランダムに配置し、所望の検知範囲を形成できるものであれば、例示のものに限定されない。前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0279】
また、実施例1における物体検知装置10の物体検知センサ部13の配置を、一定ではなく、適宜、変更できるようにしてもよい。例えば、センサ配置柔軟部材15に、複数の取付凹部を形成しておき、所望の取付凹部を選択して、物体検知センサ部13の取付凸部を係合させて、物体検知センサ部13を配置するようにしてもよい。また、センサ配置柔軟部材15に、レールを配置しておき、物体検知センサ部13のレールの所望位置で係合させて、物体検知センサ部13を配置するようにしてもよい。実施例2、実施例3についても同様である。
【0280】
(6)中間柔軟部材253:前述の実施例2においては、中間柔軟部材253を接続ハーネス19とは別に配置したが、物体検知センサ部13をカスケード接続するのであれば、中間柔軟部材253と接続ハーネス19とを一体として形成し、伸縮機構を有し、伸縮可能な接続ハーネス(中間接続ハーネス)を中間柔軟部材として用いるようにしてもよい。前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0281】
(7)物体検知センサ部13の機能:前述の実施例1~実施例3においては、物体検知センサ部13は、物体の存在を検知するものとしたが、物体までの距離や方向を検知するものであってもよい。物体検知センサ部13によって距離を検知することによって、物体検知センサ部13を配置する配置対象物から任意の設定距離内に侵入した物体や人を検知できる。これにより、配置対象物からの距離に基づき、配置対象物の動作を制御できる。前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0282】
また、物体検知センサ部13は、所定の検知光を用いて物体の存在を検知するものとしたが、物体の存在を検知できるものであれば、赤外線、音波等その他の検知波を用いるようにしてもよい。前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0283】
(8)制御部17の構成:前述の実施例1~実施例3においては、CPU17aを用いて制御部17の動作を実現したが、制御部17の動作を実現できる構成であれば、例示のものに限定されない。例えば、専用のロジック回路を設計して用いるようにしてもよい。前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0284】
(9)物体検知センサ部13の接続:前述の実施例1~実施例3においては、各物体検知センサ部13を制御部17にパラレルに接続するとしたが、各物体検知センサ部13同士をカスケード接続し、端部の物体検知センサ部13を制御部17へ接続するようにしてもよい。
【0285】
また、物体検知装置10では、各物体検知センサユニット11と制御部17とを接続ハーネス19で接続するとしたが、無線によって、接続するようにしてもよい。実施例2の物体検知装置20、実施例3の物体検知装置30についても同様である。前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0286】
さらに、物体検知装置10では、物体検知センサ部13と制御部17とを接続ハーネス19を用いて接続するとしたが、複数の物体検知センサ部13を1つの中間インターフェイス部に接続し、中間インターフェイス部を制御部17に接続するように、つまり、中間インターフェイス部を介して、物体検知センサ部13と制御部17とを接続するようにしてもよい。実施例2の物体検知装置20、実施例3の物体検知装置30についても同様である。前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0287】
(10)光用フィルタの使用:前述の実施例1~実施例3において、さらに、光用フィルタを用いて、所定の光のみを用いて、物体を検知するようにしてもよい。前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0288】
(11)センサ接続情報:前述の実施例1において、センサ接続情報は、予め、メモリに記憶保持しておくとしたが、物体検知装置10を使用する段階でセンサ接続情報を取得するようにしてもよい。例えば、制御部17の起動時に、制御部17がセンサ用通信回路13dを介して各物体検知装置10と情報を送受信し、物体検知装置10が接続されているか否かを判断し、センサ接続情報を生成するようにしてもよい。また、センサ用通信回路13dにおける物体検知装置10の接続位置(例えば、接続ポート)を判断するようにしてもよい。実施例2の物体検知装置20、実施例3の物体検知装置30についても同様である。前述の実施例4、実施例5についても同様である。
【0289】
(12)投光素子13aと受光素子13cとの分離:前述の実施例4においては、投光素子13aが投光した検知光がユニット配置部433の内部において、反射し、受光素子13cで受光されないように、ユニット配置部433の内部に、投光素子13aから投光する検知光と受光素子13cが受光する反射光とを分離する隔壁を配置するようにしてもよい。
【0290】
実施例5におけるセンサ間接続線保護部59、実施例6におけるセンサ間接続線保護部69についても同様に、それぞれの内部に、投光素子13aから投光する検知光と受光素子13cが受光する反射光とを分離する隔壁を配置するようにしてもよい。実施例6におけるセンサ間接続線保護部69についても同様である。
【0291】
(13)センサ間接続線保護部59、69の分割数:前述の実施例5において、センサ間接続線保護部59は、第1筐体591、第2筐体592の2つによって形成されるとしたが、3つ以上の筐体により形成するようにしてもよい。センサ間接続線保護部69についても同様である。
【0292】
(14)物体検知センサ部における発光素子、受光素子の数:前述の実施例1における各物体検知センサ部13では、1対の投光素子13a、及び、受光素子13cを配置するとしたが、複数対の投光素子13a、及び、受光素子13cを配置するようにしてもよい。例えば、これにより、製造コストを低減できる。また、物体検知センサ部13と制御部17とを接続する接続ハーネス19の数を低減することができる。実施例2から実施例6についても同様である。なお、実施例4から実施例6においては、各センサ間接続線の数を低減できる。
【0293】
(15)検知状況の視覚化:前述の実施例1における物体検知センサ部13において、さらに、物体の検知状況を示す検知状況表示部を配置するようにしてもよい。検知状況表示部としては、例えば、LED、及び、LEDの発光制御回路を用いる。物体検知センサ部において物体を検知すると、LEDが発行するようにする。
【0294】
また、LEDにおける発光を、物体の検知状況によって、変化させるようにしてもよい。例えば、多色発光LED、及び、発光色を制御する発光制御回路を用いて、物体を検知していない状況では青色に発光させ、物体を検知した状況では、検知した物体までの距離に応じて、黄色から赤色に変化させる。
【0295】
また、検知した物体までの距離によって、発光の明るさを変化させるようにしてもよい。例えば、LEDに流れる電流を制御する発光制御回路を用いて、物体を検知していない状況では発光させず、物体を検知した状況では、検知した物体までの距離に応じて、明るさを暗い状態から明るい状態に変化させる。
【0296】
これにより、物体の検知状態を簡単に知ることができる。また、物体検知センサの動作の不具合を容易に知ることができる。実施例2から実施例6の各物体検知センサ部についても同様である。
(16)各筐体部の形状:前述の実施例7~実施例9においては、各筐体部は、中空円筒形状としたが、所定の設置対象物の表面に取り付けることができる形状であれば、例示のものに限定されない。例えば、直線形状や、中空角柱形状であってもよい。
【0297】
また、各筐体部を取り付ける設置対象物は、産業用ロボットRBTのアームAM11~AM13のような円柱形状でなくともよい。例えば、角柱形状のアームであっても、断面における頂点を各物体検知センサユニットの各内周部で支えるようにして、各物体検知センサユニットを取り付けるようにしてもよい。さらに、設置対象物と各物体検知センサユニットの内周部との間に所定のスペーサを配置することによって、物体検知センサユニットを設置対象物に取り付けるようにしてもよい。
【0298】
(17)投受光用開口形成端部131b、132b:前述の実施例7においては、投受光用開口形成端部131b、132bは、検知光を投受光できるように投受光用開口R131aを有するとしたが、検知光を投受光できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、投受光用開口形成端部131b、132bに投受光用開口R131aを形成せずに、検知光を投受光できる半透明の円環形状として形成するようにしてもよい。実施例8、実施例9についても同様である。
【0299】
また、投受光用開口形成端部131b、132bにだけ投受光用開口R131aを形成せずに、端面P131b、P132bにも、軸方向投光部X15、軸方向受光部X17を配置し、対応する投受光用開口を形成するようにしてもよい。実施例8、実施例9についても同様である。
【0300】
(18)反射部X200の存在:前述の実施例8においては、物体検知センサユニットX21は、軸方向投光部X15から投光された検知光を反射する反射部X200を有するとしたが、図39に示す物体検知装置X40のように、反射部X200を用いないようにしてもよい。この場合、物体検知センサユニットX21の制御部X19は、投光した検知光の反射光を受光した場合に、物体Xが存在すると判断する。
【0301】
(19)投光方向の調整:前述の実施例7~実施例9において、軸方向投光部X15を回転できるようにし、軸方向投光部X15が検知光を投光する方向を調整できるようにしてもよい。軸方向受光部X17についても同様である。
【0302】
(20)軸方向投光部X15、軸方向受光部X17の配置:前述の実施例7においては、軸方向投光部X15と軸方向受光部X17とを、同一の物体検知センサユニットX11において交互に配置するとしたが、対を形成する物体検知センサユニットX11のうち一方に軸方向投光部X15のみを、他方に軸方向受光部X17のみを配置するようにしもてよい。
【0303】
(21)放射方向投光部X35、放射方向受光部X37の配置:前述の実施例9においては、実施例8の物体検知センサユニットX21に放射方向投光部X35、放射方向受光部X37を配置するとしたが、実施例7の物体検知センサユニットX11に放射方向投光部X35、放射方向受光部X37を配置するようにしてもよい。
【0304】
(22)物体検知センサユニットX21の機能:前述の実施例8においては、物体検知センサユニットX21は、物体の存在を検知するものとしたが、物体までの距離や方向を検知するものであってもよい。これにより、検知物体までの距離や方向に基づき、制御対象の動作を制御することもできる。前述の実施例9についても同様である。
【0305】
(23)検知光:前述の実施例7~実施例9においては、所定の検知光を用いて物体の存在を検知するものとしたが、物体の存在を検知できるものであれば、赤外線だけでなく、音波等その他の検知波を用いるようにしてもよい。
【0306】
(24)制御部X19の構成:前述の実施例7~実施例9においては、CPU19aを用いて制御部X19の動作を実現したが、制御部X19の動作を実現できる構成であれば、例示のものに限定されない。例えば、専用のロジック回路を設計して用いるようにしてもよい。
【0307】
(25)物体検知センサユニットの接続:前述の実施例7~実施例9においては、各物体検知センサユニットを所定の接続線を用いて制御部X19に接続するとしたが、無線によって、接続するようにしてもよい。
【0308】
(26)光用フィルタの使用:前述の実施例7~実施例9において、さらに、光用フィルタを用いて、所定の光のみを用いて、物体を検知するようにしてもよい。
【0309】
(27)軸方向投光部X15と軸方向受光部X17との分離:前述の実施例7~実施例9においては、軸方向投光部X15が投光した検知光が各筐体部の内部において、反射し、軸方向受光部X17で受光されないように、各筐体部の内部に、軸方向投光部X15から投光される検知光と軸方向受光部X17が受光する反射光とを分離する隔壁を配置するようにしてもよい。
【0310】
(28)各筐体部の分割数:前述の実施例7において、筐体部X13は、第1筐体部131、第2筐体部132の2つによって形成されるとしたが、3つ以上の筐体部により形成するようにしてもよい。実施例8、実施例9についても、同様である。
【0311】
(29)検知状況の視覚化:前述の実施例7~実施例9おける各物体検知センサユニットおいて、さらに、物体の検知状況を示す検知状況表示部を配置するようにしてもよい。検知状況表示部としては、例えば、LED、及び、LEDの発光制御回路を用いる。物体検知センサ部において物体を検知すると、LEDが発行するようにする。
【0312】
また、LEDにおける発光を、物体の検知状況によって、変化させるようにしてもよい。例えば、多色発光LED、及び、発光色を制御する発光制御回路を用いて、物体を検知していない状況では青色に発光させ、物体を検知した状況では、検知した物体までの距離に応じて、黄色から赤色に変化させる。
【0313】
また、検知した物体までの距離によって、発光の明るさを変化させるようにしてもよい。例えば、LEDに流れる電流を制御する発光制御回路を用いて、物体を検知していない状況では発光させず、物体を検知した状況では、検知した物体までの距離に応じて、明るさを暗い状態から明るい状態に変化させる。
【0314】
これにより、物体の検知状態を簡単に知ることができる。また、物体検知センサの動作の不具合を容易に知ることができる。
【0315】
(30)基板S:前述の実施例7における物体検知センサユニットおいては、筐体X13内において複数の基板Sを接続線Wで接続していたが、軸方向投光部X15、軸方向受光部X17を電気的に接続できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、筐体X13内配置できる円環状の基板を形成し、各軸方向投光部X15、軸方向受光部X17を配置し、基板に形成された配線により、電気的に接続するようにしてもよい。その他の実施例についても同様である。
【0316】
(31)物体検知装置X10の積層設置:前述の実施例7における物体検知装置X11を、図40に示すように、設置対象物に対して積層するように設置してもよい。この場合、内側の物体検知装置X11-Sは、図28に示す物体検知装置X11と同様に、設置対象物の表面に沿って配置され、外側の物体検知装置X11-Lは、自身の内周部131d(図29参照)が、物体検知装置X11-Sの外周部131a(図29参照)に沿うように配置するようにする。これにより、図41a、図41bに示すように、対となる物体検知装置X11―Sと、対となる物体検知装置X11―Lとを、それぞれ、積層して配置することによって、図41cに示すように、設置対象物の表面からの距離に応じて、物体検知装置X11-Sの検知領域(実線矢印)と物体検知装置X11-Lの検知領域(点線矢印)といった複数層の検知領域を形成できる。つまり、設置対象物の表面からの距離に応じて、設置対象物に対する制御動作を変更することができる。例えば、外側の物体検知装置X11-Lで物体が検知された段階では警報発令とし、内側の物体検知装置X11-Sで物体が検知された段階で、設置対象物の動作停止にできる。なお、物体検知装置X11-S、X11-Lを積層して配置する場合には、ヒンジ部133(図29参照)が積層の障害とならないように、図40に示すヒンジ部133-S、133-Lのように、外周部131a(図29参照)から突出しない位置に形成するようにしてもよい。
【0317】
また、図42a、図42bに示すように、図40の内側の物体検知装置X11-Sを、図33に示す反射部X200のように、軸方向投光部X15、軸方向受光部X17を有さない高さ調整部X500としてもよい。これにより、図42cに示すように、物体検知装置X11-Lの、設置対象物の表面からの距離を自由に調整することができる。
【0318】
さらに、対となる物体検知装置X11を配置する際に、一方を、図28に示すように、設置対象物の表面に沿って配置し、他方を、図42aに示すように、高さ調整部X500の上に設置するようにしてもよい。これにより、図43に示すように、設置対象物の表面に沿って、傾斜するように検知領域を形成することができる。物体検知装置X11-Lが設置されている側では、物体検知装置X11-Sが設置されている側に比して、設置対象物の表面から遠い位置で物体を検知できるため、より早い段階で設置対象物の動作制御、例えば、より早く動作停止できる。以上は、その他の実施例についても同様である。
【0319】
(32)対となる物体検知装置の位置合わせ:前述の実施例7における物体検知装置X11では、ヒンジ部133の位置を合わせることによって、対となる物体検知装置X11、具体的には、軸方向投光部X15と軸方向受光部X17との位置を合わせたが、両者の位置合わせができるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、筐体X13に所定の位置合わせマークを配置するようにしてもよい。
(33)検知領域の調整:前述の実施例10においては、取付対象の推定形状と、推定した第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113の検知領域とが干渉する場合に、検知領域調整情報を生成するとしたが、検知領域調整情報を生成する場合は例示のものに限定されない。例えば、図60に示すように、推定した第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113の検知領域、地面に向かって生成される場合についても、検知領域調整情報を生成するようにしてもよい。
【0320】
この場合、地面に向かう位置にあるアームAM3、アームAM5において(図60参照)、図61に示すように、アームAM5の物体検地センサユニット110_3において、地面に向かう側の面F5に、例えば、対象アームにおいて最下位に位置する母線を中心に左右45度内に、位置する第1物体検知センサ部111、及び/又は、第2物体検知センサ部113が形成する検知領域は地面と干渉すると判断する。その他のアーム、その他の物体検知センサユニット110についても同様に判断する。
【0321】
また、前述の実施例10においては、取付対象である産業用ロボットRBTの形状推定において、対向して位置するアームが存在すると判断した場合、対向して位置するアームに干渉する検知領域については、所定の範囲に減縮するとしたが、干渉する検知領域を形成する第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113については、検知領域を0(ゼロ)とし、反射光を受光したとしても、物体を検知したとは判断しない、つまり、受光した反射光を無効とするようにしてもよい。これにより、第2物体検知センサ部113については、第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113毎に、推定した取付対象の形状に応じて、都度、検知領域を調整する必要がなくなるため、制御部170の処理負担を軽減できる。なお、干渉する検知領域を形成する第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113の検知領域を0にし、反射光の受光を無効にしたとしても、取付対象に対して環状に配置されている第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113のいずれかによって、例えば、外部から接近してくる人や物体を、検知できる場合が多い。
【0322】
さらに、前述の実施例10においては、検知領域を、予め定められた範囲に減縮するとしたが、取付対象の形状推定により、対向して位置するアームが存在すると判断した場合、推定した形状から算出されるアーム間距離を用いて、検知領域を調整するようにしてもよい。例えば、アーム間距離より短い距離に物体を検知した場合には、物体を検知した旨の検知結果情報を生成し、物体間距離以上に長い距離に物体を検知した場合には、物体を検知していない旨の検知結果情報を生成する。
【0323】
(34)検知領域の推定:前述の実施例10においては、取付対象の形状と、第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113の検知領域とを、具体的に、推定し、両者の干渉を判断したうえで、検知領域調整情報を生成するものとしたが、意図しない物体の検知を防止できるように、検知領域調整情報を生成できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、図62に示すように、対向して位置するアームAM3、AM7において、アームAM3のアームAM7に対向して位置する面の所定の領域F13に位置する第1物体検知センサ部111、及び/又は、第2物体検知センサ部113については、検知領域調整情報を生成するようにしてもよい。この場合、図63に示すように、アームAM3のアームAM7に対向して位置する面の所定の領域F13を、アームAM3の中心角βによって決定するようにしてもよい。
【0324】
(35)加速度センサ部:前述の実施例10においては、3軸の加速度センサ部111gを用いて、加速度を検知し、移動情報を生成するとしたが、移動情報を形成できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、3軸の加速センサに加えて、3軸の角速度センサを配置するようにしてもよい。これにより、アームが長軸を中心に回転するように動作する産業用ロボットRBTであっても、産業用ロボットRBTの形状を推定でき、また、第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113の位置、及び、各検知領域を推定できる。
【0325】
また、前述の実施例10においては、第1物体検知センサ部111に加速度センサ部111gを配置するとしたが、第2物体検知センサ部113にも配置するようにしてもよい。
【0326】
さらに、前述の実施例10においては、各アームに2つの物体検知センサユニット110を配置し、それぞれが、第1物体検知センサ部111を有しているとしたが、各アームに複数配置されている物体検知センサユニット110の一部、例えば、いずれか1つに加速度センサ部111gを配置するようにしてもよい。
【0327】
(36)移動情報の取得制御:前述の実施例10においては、第1物体検知センサ部111では、検地結果情報を生成した後、加速度情報を取得するとしたが(図58参照)、検地結果情報の生成にかかわらず、適宜、必要なタイミングで、加速度を取得し、移動情報を制御部170へ送信するようにしてもよい。これにより、制御部170において、取付対象である産業用ロボットRBTの動作状態に、リアルタイムに、追随することができるとともに、高速な処理を実現できる。
【0328】
この場合、図64に示すように、制御部170においても、CPU170aは、移動情報を取得する毎に(S2101)、取付対象の形状推定処理を実行する(S909)。また、CPU170aは、全ての第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113からセンサ情報を取得すると(S905)、形状推定処理によって推定されたその時点での産業用ロボットRBTの推定形状を取得し(S2109)、検知領域情報生成処理を実行する(S911)ようにしてもよい。
【0329】
また、前述の実施例10においては、第1物体検知センサ部111のセンサ制御部111eが、加速度センサ部111gからの移動情報の取得タイミングを制御するとしたが、移動情報の取得タイミングを制御できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、制御部170のCPU170aが、加速度センサ部111gからの移動情報の取得タイミングを制御するようにしてもよい。これにより、制御部170と第1物体検知センサ部111との間で生ずる通信オーバーヘッドを削減できる。第2物体検知センサ部113についても、同様である。
【0330】
(37)第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113:前述の実施例10においては、第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113をそれぞれの基板上に形成し、センサ間接続線で接続するとしたが、両者を同一の基板上に配置するようにしてもよい。
【0331】
(38)筐体部119:前述の実施例10においては、物体検知センサユニット110の筐体部119は、中空円筒形状を有しているとしたが、取付対象に取り付けることができる形状であれば、例示のものに限定されない。例えば、中空四角柱形状であってもよい。また、物体検知センサユニット110は筐体部119を有さず、取付対象に、第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113を取り付けるようにしてもよい。
【0332】
(39)第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113の機能:前述の実施例10においては、第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113は、物体の存在を検知するものとしたが、物体までの距離や方向を検知するものであってもよい。物体検知センサ部13によって距離を検知することによって、取付対象から任意の設定距離内に侵入した物体や人を検知できる。これにより、取付対象からの距離に基づき、取付対象の動作を制御できる。
【0333】
また、第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113は、所定の検知光を用いて物体の存在を検知するものとしたが、物体の存在を検知できるものであれば、赤外線、音波等その他の検知波を用いるようにしてもよい。
【0334】
(40)制御部170の構成:前述の実施例10においては、CPU170aを用いて制御部170の動作を実現したが、制御部170の動作を実現できる構成であれば、例示のものに限定されない。例えば、専用のロジック回路を設計して用いるようにしてもよい。
【0335】
(41)物体検知センサユニット110の接続:前述の実施例10においては、各物体検知センサユニット110を制御部170にパラレルに接続するとしたが、各物体検知センサユニット110同士をカスケード接続し、端部の物体検知センサユニット110を制御部170へ接続するようにしてもよい。
【0336】
また、物体検知装置100では、各物体検知センサユニット110と制御部170とを接続ハーネス190で接続するとしたが、無線によって、接続するようにしてもよい。
【0337】
さらに、物体検知装置100では、物体検知センサユニット110と制御部170とを接続ハーネス190を用いて接続するとしたが、複数の物体検知センサユニット110を1つの中間インターフェイス部に接続し、中間インターフェイス部を制御部170に接続するように、つまり、中間インターフェイス部を介して、物体検知センサユニット110と制御部170とを接続するようにしてもよい。
【0338】
(42)光用フィルタの使用:前述の実施例10において、さらに、投光レンズ111bに光用フィルタを用いて、所定の光のみを用いて、物体を検知するようにしてもよい。
【0339】
(43)筐体部119の分割数:前述の実施例10において、筐体部119は、第1筐体部1191、第2筐体部1192の2つによって形成されるとしたが、3つ以上の筐体により形成するようにしてもよい。
【0340】
(44)制御部170の構成:前述の実施例10においては、制御部170は、CPU170aを用いて、検知領域調整処理を実行するとしたが、検知領域調整処理を実行するものであれば、例示のものに限定されない。例えば、ロジック回路を設計し、検知領域調整処理を実行するようにしてもよい。
【0341】
(45)検知領域調整処理:前述の実施例10においては、検知領域調整処理として、図52?図54のフローチャートを示したが、同様の処理を実行できるものであれば、例示のフローチャートに限定されない。
【0342】
(46)第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113の処理:前述の実施例10においては、第1物体検知センサ部111、第2物体検知センサ部113、それぞれの処理として、図58図59のフローチャートを示したが、同様の処理を実行できるものであれば、例示のフローチャートに限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0343】
本発明に係る物体検知装置は、例えば、産業用ロボットに用いることができる。
【符号の説明】
【0344】
10 物体検知装置
11 物体検知センサユニット
13 物体検知センサ部
13a 投光素子
13b 投光レンズ
13c 受光素子
13d センサ用通信回路
15 センサ配置柔軟部材
J15 長軸
17 制御部
17a CPU
17b メモリ
17g センサ制御用通信回路
17h 動作制御用通信回路
19 接続ハーネス
R11 検知領域
R13 検知領域
20 物体検知装置
21 物体検知センサユニット
25 センサ配置柔軟部材
251 センサ配置部材
253 中間柔軟部材
253a ベルト
253b 伸縮機構
30 物体検知装置
31 物体検知センサユニット
35 センサ配置柔軟部材
351 単位柔軟部材
40 物体検知装置
41 物体検知センサユニット
43 物体検知センサ部
431 センサ基板
433 ユニット配置部
433a ユニット保護筐体部
433a1 センサ基板配置用内部空間
433a2 投光用開口
433a3 受光用開口
433a4 センサ間接続線用開口
433a5 接続ハーネス用開口
433b センサ配置柔軟部材係止部
433b1 柔軟部材挿入空間
433b2 柔軟部材配置空間
45 センサ配置柔軟部材
45T1 端部
45T2 端部
47 センサ間接続線
49 センサ間接続線保護部
49a センサ間接続線被覆部
49b センサ配置柔軟部材係止部
49b1 柔軟部材挿入空間
49b2 センサ間接続線・柔軟部材配置空間
50 物体検知装置
51 物体検知センサユニット
59 センサ間接続線保護部
591 第1筐体
591a センサ間接続線被覆部
591a1 センサ配置用開口
591b 端部
591c 内周部
591d 端部
592 第2筐体
592a センサ間接続線被覆部
592d 端部
593 ヒンジ部
60 物体検知装置
61 物体検知センサユニット
63 物体検知センサ部
631 センサ基板
65 センサ配置柔軟部材
67 センサ間接続線
69 センサ間接続線保護部
691 第1筐体
691a センサ間接続線被覆部
691a1 投光用開口
691a2 受光用開口
691b 端部
691c 内周部
691d 端部
692 第2筐体
692d 端部
L1 距離
143 物体検知センサ部
143b 投光レンズ
R143 検知領域
153 物体検知センサ部
R153 検知領域
RBT 産業用ロボット
AM1~AM7 アーム
J1~J13 可動回転ジョイント
B1 土台
H1 ハンド
X10 物体検知装置
X11 物体検知センサユニット
X13 筐体部
131 第1筐体部
131a 外周部
131b 投受光用開口形成端部
N13 法線方向
P131b 端面
R131a 投受光用開口
131c 端部
131d 内周部
132 第2筐体部
133 ヒンジ部
X15 軸方向投光部
X17 軸方向受光部
X19 制御部
19a CPU
19b メモリ
19g センサ制御用通信回路
19h 動作制御用通信回路
X20 物体検知装置
X21 物体検知センサユニット
X23 筐体部
231 第1筐体部
231b 投受光用開口形成端部
P231b 端面
R231a 投光用開口
R231a 投受光用開口
R231b 受光用開口
232 第2筐体部
X200 反射部
X30 物体検知装置
X31 物体検知センサユニット
X33 筐体部
331 第1筐体部
331a 外周部
R331a 放射方向投光用開口
R331b 放射方向受光用開口
332 第2筐体部
X35 放射方向投光部
X37 放射方向受光部
X40 物体検知装置
X11-L 物体検知装置
X11-S 物体検知装置
100 物体検知装置
110 物体検知センサユニット
111 第1物体検知センサ部
111a 投光素子
111b 投光レンズ
111c 受光素子
111d センサ用通信インターフェイス
111e センサ制御部
111f 制御部用通信インターフェイス
111g 加速度センサ部
R111 検知領域
113 第2物体検知センサ部
113a 投光素子
113b 投光レンズ
113c 受光素子
113d センサ用通信インターフェイス
113e センサ制御部
R113 検知領域
117 センサ間接続線
119 筐体部
J119 長軸
1191 第1筐体部
1191a 外周部
1191a1 投受光用開口
1191b 端部
1191c 内周部
1191d 端部
1192 第2筐体部
1192a 外周部
1192a1 投受光用開口
1192b 端部
1192c 内周部
1192d 端部
1193 ヒンジ部
J1193 回転軸
170 制御部
170a CPU
170b メモリ
170g センサ制御用通信回路
170h 動作制御用通信回路
190 接続ハーネス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64