(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】袋供給装置及びこれに用いる袋連続帯
(51)【国際特許分類】
B65B 67/12 20060101AFI20231026BHJP
B65D 30/10 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B65B67/12 A
B65B67/12 C
B65D30/10 M
B65D30/10 R
(21)【出願番号】P 2022116728
(22)【出願日】2022-07-21
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】505063832
【氏名又は名称】株式会社ラオウ
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本田 幸由
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-512690(JP,A)
【文献】登録実用新案第3226447(JP,U)
【文献】特開2014-088186(JP,A)
【文献】実開昭59-016807(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 67/12
B65D 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋となる部分が連続方向に繰り返し設けられたシート状の袋連続帯から、前記袋を供給する袋供給装置であって;
前記袋連続帯は、前記連続方向に連続する支持部と、この支持部における前記連続方向と直交する方向の一方側に隣接し、前記連続方向に繰り返し設けられた収容部とを有し、
前記収容部は、正面部と、これと対面する背面部と、前記支持部側の縁に設けられた、前記正面部及び前記背面部の間の収容空間に通じる開口部と、前記開口部の縁と反対側に位置する底部の縁と、前記開口部の縁の両端から前記底部の縁の両端に至る側縁とを有し、
前記支持部は、各前記収容部の前記正面部の前記支持部側の縁に沿って連続する正面筒状部、及び前記背面部の前記支持部側の縁に沿って連続する背面筒状部からなり、
前記正面筒状部の内空及び前記背面筒状部の内空は、前記袋連続帯の前記連続方向の全体にわたりそれぞれ連続しており、
前記正面部のうち前記開口部の縁に位置する部分は、前記連続方向の中間に位置し、前記正面筒状部に接続された接続部と、前記接続部の両側方の全体にわたる、前記正面筒状部から分離されているか又は分離可能に接続された一対の分離部とを有しており、
前記背面部のうち前記開口部の縁に位置する部分は、前記連続方向の中間に位置し、前記背面筒状部に接続された接続部と、前記接続部の両側方の全体にわたる、前記背面筒状部から分離されているか又は分離可能に接続された一対の分離部とを有しており、
前記袋連続帯における隣接する前記収容部は切離し可能に連続しているか又は分離しており、
前記正面筒状部及び前記背面筒状部は、前記連続方向に隣接する一対の前記分離部と対応する位置で切離し可能に連続しており;
前記袋供給装置は、前記袋連続帯の前記正面筒状部内及び前記背面筒状部内にそれぞれ挿入される一対のガイドロッドを有し、
前記一対のガイドロッドは、一対の先端部と、前記一対の先端部にそれぞれ続く部分であって、かつ間隔を空けて設けられた一対の本体部とを有するとともに、各ガイドロッドの前記先端部及び前記本体部は前記先端部と反対側だけで支持されており、
前記一対の本体部は前記先端部から離れた位置に、前記正面筒状部及び前記背面筒状部をその長手方向に沿って断裂させる断裂部をそれぞれ有する、
ことを特徴とする袋供給装置。
【請求項2】
前記一対の本体部は、前記一対の先端部から遠ざかるにつれて相互間隔が拡大する一対の拡大部分を有する、
請求項1記載の袋供給装置。
【請求項3】
前記一対の本体部は、
前記一対の先端部にそれぞれ続く部分であって、かつ一定の第1の相互間隔で延びた一対の第1部分と、
前記一対の第1の部分にそれぞれ続く部分であって、かつ前記第1部分から遠ざかるにつれて前記第1の相互間隔からこれよりも大きい第2の相互間隔に間隔が拡大する一対の拡大部分と、
前記一対の拡大部分にそれぞれ続く部分であって、かつ前記拡大部分から遠ざかるように一定の第2の相互間隔で、かつ一枚分の前記袋の幅の50%以上延びた一対の第2部分とを有し;
前
記断裂部は、前記一対の第2部分にそれぞれ続く部分である、
請求項1記載の袋供給装置。
【請求項4】
前記第1部分は上下方向に延びる部分であり、前記第2部分は横方向に延びる部分である、
請求項3記載の袋供給装置。
【請求項5】
前記断裂部は、前記ガイドロッドの外周面から突出する切断刃を有する部分である、
請求項1又は2記載の袋供給装置。
【請求項6】
袋となる部分が連続方向に繰り返し設けられたシート状の袋連続帯であって;
前記袋連続帯は、前記連続方向に連続する支持部と、この支持部における前記連続方向と直交する方向の一方側に隣接し、前記連続方向に繰り返し設けられた収容部とを有し、
前記収容部は、正面部と、これと対面する背面部と、前記支持部側の縁に設けられた、前記正面部及び前記背面部の間の収容空間に通じる開口部と、前記開口部の縁と反対側に位置する底部の縁と、前記開口部の縁の両端から前記底部の縁の両端に至る側縁とを有し、
前記支持部は、各前記収容部の前記正面部の前記支持部側の縁に沿って連続する正面筒状部、及び前記背面部の前記支持部側の縁に沿って連続する背面筒状部からなり、
前記正面筒状部の内空及び前記背面筒状部の内空は、前記袋連続帯の前記連続方向の全体にわたりそれぞれ連続しており、
前記正面部のうち前記開口部の縁に位置する部分は、前記連続方向の中間に位置し、前記正面筒状部に接続された接続部と、前記接続部の両側方の全体にわたる、前記正面筒状部から分離されているか又は分離可能に接続された一対の分離部とを有しており、
前記背面部のうち前記開口部の縁に位置する部分は、前記連続方向の中間に位置し、前記背面筒状部に接続された接続部と、前記接続部の両側方の全体にわたる、前記背面筒状部から分離されているか又は分離可能に接続された一対の分離部とを有しており、
前記袋連続帯における隣接する前記収容部は切離し可能に連続しているか又は分離しており、
各袋となる部分の前記正面筒状部及び前記背面筒状部は、各収容部の先頭側の前記分離部と対応する位置であって、かつ前記接続部側の端部で、隣接する袋となる部分の前記正面筒状部及び前記背面筒状部に対し切離し可能に連続している、
ことを特徴とする、袋連続帯。
【請求項7】
袋となる部分が連続方向に繰り返し設けられたシート状の袋連続帯であって;
前記袋連続帯は、前記連続方向に連続する支持部と、この支持部における前記連続方向と直交する方向の一方側に隣接し、前記連続方向に繰り返し設けられた収容部とを有し、
前記収容部は、正面部と、これと対面する背面部と、前記支持部側の縁に設けられた、前記正面部及び前記背面部の間の収容空間に通じる開口部と、前記開口部の縁と反対側に位置する底部の縁と、前記開口部の縁の両端から前記底部の縁の両端に至る側縁とを有し、
前記支持部は、各前記収容部の前記正面部の前記支持部側の縁に沿って連続する正面筒状部、及び前記背面部の前記支持部側の縁に沿って連続する背面筒状部からなり、
前記正面筒状部の内空及び前記背面筒状部の内空は、前記袋連続帯の前記連続方向の全体にわたりそれぞれ連続しており、
前記正面部のうち前記開口部の縁に位置する部分は、前記連続方向の中間に位置し、前記正面筒状部に接続された接続部と、前記接続部の両側方の全体にわたる、前記正面筒状部から分離されているか又は分離可能に接続された一対の分離部とを有しており、
前記背面部のうち前記開口部の縁に位置する部分は、前記連続方向の中間に位置し、前記背面筒状部に接続された接続部と、前記接続部の両側方の全体にわたる、前記背面筒状部から分離されているか又は分離可能に接続された一対の分離部とを有しており、
前記袋連続帯における隣接する前記収容部は切離し可能に連続しているか又は分離しており、
各袋となる部分の前記正面筒状部及び前記背面筒状部は、前記連続方向に隣接する一対の前記分離部と対応する位置で、隣接する袋となる部分の前記正面筒状部及び前記背面筒状部に対し切離し可能に連続しており、
前記正面筒状部及び前記背面筒状部に、前記連続方向に沿う断裂を容易にする易断裂部が形成されている、
ことを特徴とする、袋連続帯。
【請求項8】
連続帯状の可撓性シートが連続方向と直交する直交方向に二つ折りされて第1の折り目が前記底部の縁として形成されるとともに、前記第1の折り目を境界として一方側の部分及び他方側の部分のうち、前記第1の折り目と反対側の端部がそれぞれ前記第1の折り目側に折り返されて第2の折り目及び折り返し部分が形成され、
前記一方側の部分及び前記他方側の部分のうち、前記第1の折り目と前記折り返し部分との間の部分により前記正面部及び前記背面部がそれぞれ形成され、
前記一方側の部分及び前記他方側の部分のうち、前記折り返し部分とこれに対面する部分が前記第2の折り目から間隔を空けて接合されて前記正面筒状部及び前記背面筒状部がそれぞれ形成され、
前記一方側の部分における前記正面部の前記一対の分離部となる位置、及び前記他方側の部分における前記背面部の前記一対の分離部となる位置に、スリット又は易切離し部がそれぞれ形成され、
前記第1の折り目及び前記正面筒状部及び前記背面筒状部が形成された連続帯状の可撓性シートにおける、前記連続方向に前記袋の幅に相当する間隔を空けて、前記前記正面筒状部及び前記背面筒状部を切り離すための第1易切離し部並びに前記収容部を切り離すための第2易切離し部が形成されるとともに、前記第2易切離し部の前記連続方向の両側で、前記一方側の部分及び前記他方側の部分の対向面が前記直交方向に連続的に接合された、
請求項6又は7記載の袋連続帯。
【請求項9】
前記分離部の前記連続方向の長さが、一つの前記収容部の幅の1/5~1/3倍である、
請求項6又は7記載の袋連続帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用時に袋の開口部を容易に開くことができる袋供給装置及びこれに用いる袋連続帯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、小売店において販売者が販売する際、若しくは購入者が商品を持ち帰る際、青果や鮮魚、総菜等の一部の商品では、漏れ出した汁や結露が他の商品に付着するのを防止するために、ポリ袋に入れることが行われている。
【0003】
このように使用されるポリ袋は、個々の袋となる部分がミシン目を介して連続方向に繰り返す連続帯のロールとして用意されており、使用に際して一枚ずつ袋を切離し、開口部を開いて使用することが一般的となっている。
【0004】
しかし、一般的なポリ袋連続帯は、ポリエチレンフィルムからなる連続帯状のチューブを用い、その連続方向に間隔を空けて底部となる溶着部を形成するとともに、個々の袋となる部分の境界に沿ってミシン目を形成しただけのものであり、開口部の対向面が静電気等で密着状態にあるため、開口部を開きにくいという問題点を有している。
【0005】
この問題点を解決するために種々の工夫が提案されている。例えば、特許文献1には、袋連続帯から袋を切り取る際に開口部の対向面が少しだけ開いた状態になるような袋の供給装置が提案されている。また、特許文献2には、開口部の対向面を形成する一方のシート及び他方のシートから互いに重ならない摘み片が突出した袋が提案されている。
【0006】
これら先行例は、いずれも袋の開口部を摘まみやすくするものであり、摘まむことができれば容易に開くことができるが、その作業は煩雑であるという問題点が残る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実用新案登録第3226447号公報
【文献】実用新案登録第3224764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、使用時に袋の開口部を容易に開くことができる袋供給装置及びこれに用いる袋連続帯を提供すること等にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した袋供給装置及びこれに用いる袋連続帯は以下のとおりである。
<第1の態様>
袋となる部分が連続方向に繰り返し設けられたシート状の袋連続帯から、前記袋を供給する袋供給装置であって;
前記袋連続帯は、前記連続方向に連続する支持部と、この支持部における前記連続方向と直交する方向の一方側に隣接し、前記連続方向に繰り返し設けられた収容部とを有し、
前記収容部は、正面部と、これと対面する背面部と、前記支持部側の縁に設けられた、前記正面部及び前記背面部の間の収容空間に通じる開口部と、前記開口部の縁と反対側に位置する底部の縁と、前記開口部の縁の両端から前記底部の縁の両端に至る側縁とを有し、
前記支持部は、各前記収容部の前記正面部の前記支持部側の縁に沿って連続する正面筒状部、及び前記背面部の前記支持部側の縁に沿って連続する背面筒状部からなり、
前記正面筒状部の内空及び前記背面筒状部の内空は、前記袋連続帯の前記連続方向の全体にわたりそれぞれ連続しており、
前記正面部のうち前記開口部の縁に位置する部分は、前記連続方向の中間に位置し、前記正面筒状部に接続された接続部と、前記接続部の両側方の全体にわたる、前記正面筒状部から分離されているか又は分離可能に接続された一対の分離部とを有しており、
前記背面部のうち前記開口部の縁に位置する部分は、前記連続方向の中間に位置し、前記背面筒状部に接続された接続部と、前記接続部の両側方の全体にわたる、前記背面筒状部から分離されているか又は分離可能に接続された一対の分離部とを有しており、
前記袋連続帯における隣接する前記収容部は切離し可能に連続しているか又は分離しており、
前記正面筒状部及び前記背面筒状部は、前記連続方向に隣接する一対の前記分離部と対応する位置で切離し可能に連続しており;
前記袋供給装置は、前記袋連続帯の前記正面筒状部内及び前記背面筒状部内にそれぞれ挿入される一対のガイドロッドを有し、
前記一対のガイドロッドは、一対の先端部と、前記一対の先端部にそれぞれ続く部分であって、かつ間隔を空けて設けられた一対の本体部とを有するとともに、各ガイドロッドの前記先端部及び前記本体部は前記先端部と反対側だけで支持されており、
前記一対の本体部は前記先端部から離れた位置に、前記正面筒状部及び前記背面筒状部をその長手方向に沿って断裂させる断裂部をそれぞれ有する、
ことを特徴とする袋供給装置。
【0010】
(作用効果)
本袋供給装置では、例えば次のように袋連続帯を引き出して開口させた後、一枚分を切り離すことができる。すなわち、準備段階として、袋連続帯の始端における正面筒状部及び背面筒状部の開口に、一対のガイドロッドを先端部から順に本体部まで挿入しておく。このとき、正面筒状部及び背面筒状部が、少なくとも始端側の分離部(好ましくは一対の分離部の両方)で正面部及び背面部から分離されて、間隔を空けて設けられた一対のガイドロッドの本体部にそれぞれ支持されることにより、先頭の収容部の開口部は、少なくとも始端側において自動的に開口した状態となる。よって、この状態で先頭の収容部の開口部に指を入れて始端側の側部を摘むことができるため、収容部の正面部及び背面部を引き離す作業が不要となる。次に、先頭の収容部の開口部に指を掛け(側部を摘むとなおよい)て、先頭の収容部を一対のガイドロッドに沿って断裂部側に引っ張ると、正面筒状部及び背面筒状部が一対の断裂部でそれぞれ長手方向に沿って断裂することにより、先頭の収容部及びこれに接続(連続若しくは接合)された正面筒状部及び背面筒状部を開口状態で一対のガイドロッドから離脱させることができる。一方、先頭の収容部を断裂部側に引っ張ると、少なくとも支持部(正面筒状部及び背面筒状部)が連続していることにより、後続の収容部が順次自動的に引き出されて、その正面筒状部内及び背面筒状部内に一対のガイドロッドが先端部から自動的に挿入され、後続の収容部の準備が自動的に整うこととなる。この実現のために、正面筒状部及び背面筒状部は切離し可能に連続しているとともに、正面筒状部の内空及び背面筒状部の内空は、袋連続帯の連続方向の全体にわたりそれぞれ連続したものとなっている。先頭の収容部は後続の収容部から切り離すことができるか又は予め分離しており、正面筒状部及び背面筒状部のうち先頭の収容部に接続された部分は、後続の収容部に接続された部分に一対のガイドロッドが挿入された後(例えば一対のガイドロッドから離脱した後)に、後続の収容部に接続された部分から切り離すことができる。そして、これらの切り離しにより、袋連続帯から独立した袋を得ることができる。
【0011】
<第2の態様>
前記一対の本体部は、前記一対の先端部から遠ざかるにつれて相互間隔が拡大する一対の拡大部分を有する、
第1の態様の袋供給装置。
【0012】
(作用効果)
本態様の拡大部分を備えると、正面筒状部及び背面筒状部が拡大部分を通る際に正面筒状部及び背面筒状部の相互間隔が広がることにより、当該正面筒状部及び背面筒状部に接続された収容部の開口部を自動的に広げることができるため好ましい。
【0013】
<第3の態様>
前記一対の本体部は、
前記一対の先端部にそれぞれ続く部分であって、かつ一定の第1の相互間隔で延びた一対の第1部分と、
前記一対の第1の部分にそれぞれ続く部分であって、かつ前記第1部分から遠ざかるにつれて前記第1の相互間隔からこれよりも大きい第2の相互間隔に間隔が拡大する一対の拡大部分と、
前記一対の拡大部分にそれぞれ続く部分であって、かつ前記拡大部分から遠ざかるように一定の第2の相互間隔で、かつ一枚分の前記袋の幅の50%以上延びた一対の第2部分とを有し;
前記断裂部は、前記一対の第2部分にそれぞれ続く部分である、
第1の態様の袋供給装置。
【0014】
(作用効果)
本袋供給装置では、正面筒状部及び背面筒状部が第1部分、拡大部分、第2部分の順に移動するのに伴い収容部の開口部が自動的に広がり、かつ第2部分に位置する収容部は開口部が広がった状態に維持される。特に、比較的に間隔の狭い第1部分を有することにより正面筒状部及び背面筒状部を一対のガイドロッドに挿入しやすくなる。また、準備段階で、先頭の収容部が第2部分まで移動することにより、先頭の収容部の開口部が大きく開口した状態となる。よって、この状態で第2部分に支持された先頭の収容部内に商品等を入れることも可能となる。
【0015】
<第4の態様>
前記第1部分は上下方向に延びる部分であり、前記第2部分は横方向に延びる部分である、
第3の態様の袋供給装置。
【0016】
(作用効果)
本態様によれば、袋供給装置の設置面積を小さくすることができる。
【0017】
<第5の態様>
前記断裂部は、前記ガイドロッドの外周面から突出する切断刃を有する部分である、
第1~4のいずれか1つの態様の袋供給装置。
【0018】
(作用効果)
本態様のような切断刃により断裂部を設けると、正面筒状部及び背面筒状部を容易に断裂させることができる。
【0019】
<第6の態様>
袋となる部分が連続方向に繰り返し設けられたシート状の袋連続帯であって;
前記袋連続帯は、前記連続方向に連続する支持部と、この支持部における前記連続方向と直交する方向の一方側に隣接し、前記連続方向に繰り返し設けられた収容部とを有し、
前記収容部は、正面部と、これと対面する背面部と、前記支持部側の縁に設けられた、前記正面部及び前記背面部の間の収容空間に通じる開口部と、前記開口部の縁と反対側に位置する底部の縁と、前記開口部の縁の両端から前記底部の縁の両端に至る側縁とを有し、
前記支持部は、各前記収容部の前記正面部の前記支持部側の縁に沿って連続する正面筒状部、及び前記背面部の前記支持部側の縁に沿って連続する背面筒状部からなり、
前記正面筒状部の内空及び前記背面筒状部の内空は、前記袋連続帯の前記連続方向の全体にわたりそれぞれ連続しており、
前記正面部のうち前記開口部の縁に位置する部分は、前記連続方向の中間に位置し、前記正面筒状部に接続された接続部と、前記接続部の両側方の全体にわたる、前記正面筒状部から分離されているか又は分離可能に接続された一対の分離部とを有しており、
前記背面部のうち前記開口部の縁に位置する部分は、前記連続方向の中間に位置し、前記背面筒状部に接続された接続部と、前記接続部の両側方の全体にわたる、前記背面筒状部から分離されているか又は分離可能に接続された一対の分離部とを有しており、
前記袋連続帯における隣接する前記収容部は切離し可能に連続しているか又は分離しており、
前記正面筒状部及び前記背面筒状部は、前記連続方向に隣接する一対の前記分離部と対応する位置で切離し可能に連続している、
ことを特徴とする、袋連続帯。
【0020】
(作用効果)
第1の態様と同様の作用効果を奏する。
【0021】
<第7の態様>
連続帯状の可撓性シートが連続方向と直交する直交方向に二つ折りされて第1の折り目が前記底部の縁として形成されるとともに、前記第1の折り目を境界として一方側の部分及び他方側の部分のうち、前記第1の折り目と反対側の端部がそれぞれ前記第1の折り目側に折り返されて第2の折り目及び折り返し部分が形成され、
前記一方側の部分及び前記他方側の部分のうち、前記第1の折り目と前記折り返し部分との間の部分により前記正面部及び前記背面部がそれぞれ形成され、
前記一方側の部分及び前記他方側の部分のうち、前記折り返し部分とこれに対面する部分が前記第2の折り目から間隔を空けて接合されて前記正面筒状部及び前記背面筒状部がそれぞれ形成され、
前記一方側の部分における前記正面部の前記一対の分離部となる位置、及び前記他方側の部分における前記背面部の前記一対の分離部となる位置に、スリット又は易切離し部がそれぞれ形成され、
前記第1の折り目及び前記正面筒状部及び前記背面筒状部が形成された連続帯状の可撓性シートにおける、前記連続方向に前記袋の幅に相当する間隔を空けて、前記前記正面筒状部及び前記背面筒状部を切り離すための第1易切離し部並びに前記収容部を切り離すための第2易切離し部が形成されるとともに、前記第2易切離し部の前記連続方向の両側で、前記一方側の部分及び前記他方側の部分の対向面が前記直交方向に連続的に接合された、
第6の態様の袋連続帯。
【0022】
(作用効果)
本態様の袋連続帯は、材料の無駄が無く、かつ簡素な構造となる。
【0023】
<第8の態様>
前記分離部の前記連続方向の長さが、一つの前記収容部の幅の1/5~1/3倍である、
第6又は7の態様の袋連続帯。
【0024】
(作用効果)
分離部の長さは、後述する袋供給装置における袋の開口限界を定めるものであるとともに、分離部以外の部分である接続部の長さはガイドロッドにより支持される袋の形状安定性に影響するものである。また、前述の袋連続帯から切り離した個々の袋には、連続方向に断裂された正面筒状部及び背面筒状部が紐状に突出する部分として残ることになるが、この紐状に突出する部分の長さは分離部の長さによって決まり、これが十分な長さを有していると袋の開口部を縛るために用いることができる。よって、これらの観点から、袋連続帯の連続方向における分離部の長さは、本態様の範囲内であると好ましい。
【0025】
<第9の態様>
前記正面筒状部及び前記背面筒状部は、各収容部の先頭側の前記分離部と対応する位置であって、かつ前記接続部寄りの位置で切離し可能に連続している、
第6~8のいずれか1つの態様の袋連続帯。
【0026】
(作用効果)
本袋連続帯では、正面筒状部及び背面筒状部のうち収容部に対して接続されていないが接続部よりも先頭側に残らないか、又は残るとしても短いため、前述の袋供給装置において収容部を引っ張ることにより断裂部に正面筒状部及び背面筒状部を押し付けて断裂する際、正面筒状部及び背面筒状部に効果的に力を加えることができる。よって、断裂作業が容易となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、使用時に袋の開口部を容易に開くことができるようになる、等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】展開状態の袋連続帯の正面図である。なお、背面は正面と対称に表れる。
【
図5】展開状態の袋連続帯の正面図である。なお、背面は正面と対称に表れる。
【
図6】展開状態の袋連続帯の正面図である。なお、背面は正面と対称に表れる。
【
図7】(a)ロール状の袋連続帯の斜視図、及び(b)折り返し積層した袋連続帯の斜視図である。
【
図11】使用状態を示す袋供給装置の正面図である。
【
図15】展開状態の袋連続帯の正面図である。なお、背面は正面と対称に表れる。
【
図16】使用状態を示す袋供給装置の斜視図である。
【
図17】(a)
図10及び
図11に示す袋供給装置の右側面図、及び(b)他の袋供給装置の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、上述した袋供給装置及びこれに用いる袋連続帯の例について、添付図面を参照しつつ詳説する。なお、以下の説明における接合は、ヒートシールや超音波シール等の溶着により行うことができる他、ホットメルト接着剤等の接着剤により行うこともできる。図中の符号W1,W2は溶着部を示している。
【0030】
<袋連続帯の例>
図1~
図4は、袋1となる部分が連続方向D1に繰り返し設けられたシート状の袋連続帯10の一例を示している。本袋連続帯10は、連続方向D1に連続する支持部91と、この支持部91における連続方向D1と直交する方向D2の一方側に隣接し、連続方向D1に繰り返し設けられた収容部92とを有し、各収容部92は、正面部11と、これと対面する背面部12と、支持部91側の縁に設けられた、正面部11及び背面部12の間の収容空間16に通じる開口部13と、開口部13の縁と反対側に位置する底部14の縁と、開口部13の縁の両端から底部14の縁の両端に至る側縁15とを有している。支持部91は、各収容部92の正面部11の支持部91側の縁に沿って連続する正面筒状部21、及び各収容部92の背面部12の支持部91側の縁に沿って連続する背面筒状部22からなる。このことからも分かるように、開口部13の縁は、正面部11における正面筒状部21側の縁、及び背面部12における背面筒状部22側の縁からなる。正面筒状部21の内空21i及び背面筒状部22の内空22iは、袋連続帯10の連続方向D1の全体にわたりそれぞれ連続している。また、正面部11のうち開口部13の縁に位置する部分は、連続方向D1の中間に位置し、正面筒状部21に接続された接続部32と、接続部32の両側方の全体にわたる(つまり、図示のように接続部32の連続方向D1の両端から両側縁15までそれぞれ続く)、正面筒状部21から分離された一対の分離部31とを有している。同様に、背面部12のうち開口部13の縁に位置する部分は、連続方向D1の中間に位置し、背面筒状部22に接続された接続部32と、接続部32の両側方の全体にわたる(つまり、図示のように接続部32の連続方向D1の両端から両側縁15までそれぞれ続く)、背面筒状部22から分離された一対の分離部31とを有している。さらに、袋連続帯10は、隣接する収容部92が切離し可能に連続しており、正面筒状部21及び背面筒状部22は、連続方向D1に隣接する一対の分離部31と対応する位置で切離し可能に連続している。
【0031】
袋連続帯10は可撓性シートにより形成することができる。可撓性シートは、特に限定されず、ポリエチレンフィルム(HDPE、LDPE、LLPE等)又はポリプロピレンフィルム(OPP、CPP等)等のポリオレフィンフィルムの他、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム等の合成樹脂フィルムを好適に用いることができ、また、紙を用いることもできる。可撓性シートの厚みは特に限定されないが、合成樹脂フィルムの場合0.01mm~0.1mm程度とすることができる。
【0032】
正面筒状部21及び背面筒状部22は、
図2(a)に示すように正面部11及び背面部12を形成する可撓性シートを、それぞれ開口部13の縁で内側(又は外側)に折り返し、この折り返した部分の下端部を対向面に接合することにより形成してもよいし、
図2(b)に示すように収容部92とは別に製造した筒状体21t,22tの下端部を、収容部92における正面部11及び背面部12の上縁(開口部13の縁)に沿って接合することにより形成してもよい。なお、
図2(a)に示される接合は、可撓性シートの溶着により溶着部W1が形成されるものであるが、接着剤を用いた接合に変更可能である。同様に、
図2(b)に示される例の接合は接着剤B1によるものであるが、可撓性シートの溶着により行うこともできる。
【0033】
正面筒状部21及び背面筒状部22の内径は、後述する袋供給装置50の一対のガイドロッド52を挿入可能であれば特に限定されないが、遊びをもって挿入可能であることが好ましく、例えば扁平状態での内寸y2は5~30mm程度とすることができる。
【0034】
一対の分離部31は、
図1、
図3及び
図4に示すように正面部11のうち開口部13の縁に位置する部分及び背面部12のうち開口部13の縁に位置する部分に沿ってスリット40(直交方向の幅を有しない)を形成するか、又は
図5に示すように、それらに沿って延びる細長状の打ち抜き孔41(直交方向の幅を有する)を形成することにより設けることができる。これらの場合、スリット40又は打ち抜き孔41が正面部11と正面筒状部21の境界、及び背面部12及び背面筒状部22との境界に位置するため、開口部13の縁はスリット40又は打ち抜き孔41の一対の縁のうち、正面部11及び背面部12側の縁に一致することとなる。また、
図2(b)に示すように別途製造された筒状体21t,22tが正面部11及び背面部12に接合されて正面筒状部21及び背面筒状部22が形成される場合には、筒状体21t,22tを正面部11及び背面部12の接続部32となる部分のみに接合し、分離部31となる部分には接合しないことにより、分離部31及び接続部32を設けることもできる。
【0035】
また、分離部31は、
図6に示すように正面部11のうち開口部13の縁に位置する部分及び背面部12のうち開口部13の縁に位置する部分の下縁に沿ってミシン目や脆弱部等の易切離し部42を形成し、この易切離し部42を事前に又は袋1の開口部13を広げるときに切り離すことにより設けることができる。
図2(b)に示すように別途製造された筒状体21t,22tが正面部11及び背面部12に接合されて正面筒状部21及び背面筒状部22が形成される場合には、それらの接合に際して分離部31となる部分のみ剥離可能に弱く接合(それ以外は剥離しないように強く接合する)し、この弱く接合した部分を事前に又は袋1の開口部13を広げるときに剥離することにより分離部31を設けることもできる。
【0036】
袋連続帯10の連続方向における分離部31の寸法x2は適宜定めることができるが、分離部31の寸法x2は、後述する袋供給装置における袋1の開口限界を定めるものであるとともに、接続部32の長さはガイドロッドにより支持される袋1の形状安定性に影響するものである。また、袋連続帯10から切り離した個々の袋1には、
図9等に示すように、連続方向D1に断裂された正面筒状部21及び背面筒状部22が紐状に突出する部分として残ることになるが、この紐状部分の長さは分離部31の長さによって決まり、これが十分な長さを有していると袋1の開口部13を縛るために用いることができる。よって、これらの観点から、袋連続帯10の連続方向における分離部31の寸法x2は、一つの収容部92の幅x1の1/5~1/3倍程度とすることが望ましい。
【0037】
袋連続帯10を構成する個々の袋1は、上述のように正面筒状部21及び背面筒状部22の連続性が維持されるとともに一対の分離部31及び接続部32を有する限り、適宜の形状とすることができるが、扁平状態で少なくとも収容部92(正面部11及び背面部12)は一般にポリ袋やビニル袋と呼ばれるものと同様に正方形状又は長方形状であると好ましい。個々の袋1の全体形状は、支持部91を切り離すための第1易切離し部43aの位置と、収容部92を切り離すための第2易切離し部43bの位置とが連続方向D1において揃っているか、ズレているかによって変わり、前者の場合、個々の袋1の全体形状は
図4に示すように収容部92を直交方向D2に延長しただけの形状となり、後者の場合には
図16に示すように収容部92の開口部13に沿って残る支持部91が連続方向D1の一方側に突出した形状となる。
【0038】
また、袋連続帯10を構成する個々の収容部の構造は特に限定されないが、例えばサイドシール袋と呼ばれる構造を採用すると、特に簡素で、材料の無駄なく製造できる袋連続帯10となるため好ましい。すなわち、
図1~
図4に示される袋連続帯10では、連続帯状の可撓性シートが連続方向と直交する直交方向に二つ折りされて第1の折り目C1が各袋1の底部14の縁として形成されるとともに、第1の折り目C1を境界として一方側の部分及び他方側の部分のうち、第1の折り目C1と反対側の端部がそれぞれ第1の折り目C1側に折り返されて第2の折り目C2及び折り返し部分FPが形成され、第1の折り目と折り返し部分との間の部分により正面部11及び背面部12がそれぞれ形成されている。また、これら一方側の部分及び他方側の部分のうち、折り返し部分FPとこれに対面する部分が第2の折り目C2から間隔を空けて溶着されて溶着部W1、正面筒状部21及び背面筒状部22がそれぞれ形成されている。さらに、一方側の部分における正面部11の一対の分離部31となる位置、及び他方側の部分における背面部12の一対の分離部31となる位置に、スリット40(又は
図6に示すようにミシン目等の易切離し部42でもよい)がそれぞれ形成されている。そして、第1の折り目C1及び正面筒状部21及び背面筒状部22が形成された連続帯状の可撓性シートにおける、連続方向に袋1の幅に相当する間隔を空けて、正面筒状部21及び背面筒状部22を切り離すための第1易切離し部43a並びに収容部92を切り離すための第2易切離し部43bが形成されるとともに、第2易切離し部43bの連続方向の両側で、一方側の部分及び他方側の部分の対向面が第2易切離し部43bに沿って連続的に接合(図示例では溶着部W2が形成)されている。この説明からも分かるように、既存のサイドシール袋の製造技術に、正面筒状部21及び背面筒状部22の形成工程(折り返し工程及び接合工程)と、スリット40又は易切離し部42の形成工程とを追加するだけで、上述の袋連続帯10を形成することができる。
【0039】
袋連続帯10は、正面筒状部21及び背面筒状部22が、連続方向D1に隣接する一対の分離部31と対応する位置でミシン目や脆弱部等の第1易切離し部43aを介して切離し可能に連続している限り、
図1や
図6に示すように収容部92も第2易切離し部43bを介して切離し可能に連続していてもよいし、
図5に示すように収容部92の一部又は全部が側縁スリット44等により予め分離していてもよい。同一寸法及び同一形状の袋1が連続する袋連続帯10とするために、収容部92の連続方向の寸法は一定とし、正面筒状部21及び背面筒状部22の第1易切離し部43aの間隔は収容部92の連続方向の寸法x1に等しくすることができる。
【0040】
支持部92(正面筒状部21及び背面筒状部22)を切り離すための第1易切離し部43aの位置は、
図1及び
図9に示すように収容部を切り離すための第2易切離し部43bの位置と連続方向において揃っていてもよいし、
図15及び
図16に示すようにズレていてもよい。後者の場合、第1易切離し部43aの位置は、各収容部92の先頭側の分離部31と対応する位置であって、かつ接続部32寄りの位置であると、筒状部21,22のうち収容部92に対して接続されていない部分が接続部32よりも先頭側に残らないか、又は残るとしても短いため、後述の袋供給装置50において収容部92を引っ張ることにより断裂部64に正面筒状部21及び背面筒状部22を押し付けて断裂する際、正面筒状部21及び背面筒状部22に効果的に力を加えることができる。よって、断裂作業が容易となる。この観点から、第1切離し部43aは、各収容部92の先頭側の分離部31と対応する位置であって、かつ接続部32側の端部に位置していると特に好ましい。
【0041】
図示しないが、個々の袋を製造した後に分離可能に繋げて袋連続帯を製造することもでき、その場合、各袋は、ボトムシール袋、三方シール袋、ガゼット袋、スタンド袋等と呼ばれる構造とすることもできる。
【0042】
袋連続帯10は、
図7(a)に示すように紙等で形成された筒状芯の周りに巻き取られたロールとなっていてもよいし、
図7(b)に示すように隣接する袋1の境界等、連続方向に一定の間隔で交互に折り返されて積層された積層物となっていてもよい。
【0043】
後述する正面筒状部21及び背面筒状部22の長手方向に沿う断裂を容易にするために、又は後述する切断刃なしに断裂を可能とするために、
図5に示すように、正面筒状部21及び背面筒状部22に、連続方向に沿うミシン目や脆弱部等の易断裂部45を形成することもできる。この易断裂部45は、正面筒状部21及び背面筒状部22のうち、袋1の底部14と反対側の縁又はその近傍に形成されていると好ましいが、これに限定されるものではない。
【0044】
<袋供給装置の例>
図8は、上述の袋連続帯10から袋1を供給する袋供給装置50の例を示している。この袋供給装置50は、袋連続帯10の正面筒状部21内及び背面筒状部22内にそれぞれ挿入される一対のガイドロッド52を有し、一対のガイドロッド52は、一対の先端部65と、一対の先端部にそれぞれ続く部分であって、かつ間隔を空けて設けられた一対の本体部60とを有するとともに、各ガイドロッド52の先端部65及び本体部60は先端部と反対側だけで支持されており、一対の本体部は先端部から離れた位置に、正面筒状部21及び背面筒状部22をその長手方向に沿って断裂させる断裂部64をそれぞれ有している。
【0045】
本袋供給装置50では、
図9に示すように袋連続帯10を引き出して開口させた後、一枚分を切り離すことができる。すなわち、準備段階として、袋連続帯10の始端における正面筒状部21及び背面筒状部22の開口に、一対のガイドロッド52を先端部65から順に本体部60まで挿入しておく。このとき、正面筒状部21及び背面筒状部22が、少なくとも始端側の分離部31(好ましくは一対の分離部31の両方)で正面部11及び背面部12から分離されて、間隔を空けて設けられた一対のガイドロッド52の本体部60にそれぞれ支持されることにより、先頭の収容部92の開口部13は、少なくとも始端側において自動的に開口した状態となる。よって、この状態で先頭の収容部92の開口部13に指を入れて始端側の側部を摘むことができるため、収容部92の正面部11及び背面部12を引き離す作業が不要となる。次に、先頭の収容部92の開口部13に指を掛け(側部を摘むとなおよい)て、先頭の収容部92を一対のガイドロッド52に沿って断裂部64側に(図中二点鎖線矢印で示す方向)引っ張ると、正面筒状部21及び背面筒状部22が一対の断裂部64でそれぞれ長手方向に沿って断裂することにより、先頭の収容部92及びこれに接続(連続若しくは接合)された正面筒状部21及び背面筒状部22を開口状態で一対のガイドロッド52から離脱させることができる。一方、先頭の収容部92を断裂部64側に引っ張ると、少なくとも支持部91(正面筒状部21及び背面筒状部22)が連続していることにより、後続の収容部92が順次自動的に引き出されて、その正面筒状部21内及び背面筒状部22内に一対のガイドロッド52が先端部65から自動的に挿入され、後続の収容部92の準備が自動的に整うこととなる。この実現のために、正面筒状部21及び背面筒状部22は切離し可能に連続しているとともに、正面筒状部21の内空21i及び背面筒状部22の内空22iは、袋連続帯10の連続方向D1の全体にわたりそれぞれ連続したものとなっている。先頭の収容部92は後続の収容部92から切り離すことができるか又は予め分離しており、正面筒状部21及び背面筒状部22のうち先頭の収容部92に接続された部分は、後続の収容部92に接続された部分に一対のガイドロッド52が挿入された後(例えば先頭の収容部92に接続された部分が断裂して一対のガイドロッド52から離脱した後)に、後続の収容部92に接続された部分から切り離すことができる。そして、これらの切離しにより、袋連続帯10から独立した袋1を得ることができる。
【0046】
ガイドロッド52の断面は円形であることが好ましいが、多角形や星形等の任意の形状であってもよい。ガイドロッド52はある部分では他の部分より太い等、断面積が変化してもよい。ガイドロッド52の外周面は正面筒状部21及び背面筒状部22の内周面に対する摩擦を小さくするため又は大きくするために、塗装やメッキ、機械加工等の表面処理により、平滑化又は粗面化されていてもよい。ガイドロッド52の素材は適宜定めることができるが、前述の袋連続帯10の移動操作により加わる力で簡単に塑性変形しない高剛性の素材であることが望ましく、また前述の袋連続帯10の移動操作を円滑に行うためにある程度の弾性を有していることが好ましい。
【0047】
袋供給装置50は、袋連続帯10の貯蔵部51を有していると好ましい。貯蔵部51は、袋連続帯10をその連続方向に順次繰り出し、一対のガイドロッド52の先端部65に供給できるものであれば特に限定されない。例えば、
図7(a)に示すような袋連続帯10が筒状芯に巻き取られたロールの場合、
図9等に示すように貯蔵部51は筒状芯10cの開口に挿入される回転支持軸51aを有し、この回転支持軸51aによりロールを周方向に回転可能に支持するように構成することができる。回転支持軸51aの方向は適宜定めることができ、
図9に示すように袋連続帯10の移動姿勢に合わせた向き(図示例では縦向き)としたり、
図10に示すように袋供給装置50をコンパクト化するために袋連続帯10の移動方向と直交する方向(図示例では横向き)としたりすることができる。また、袋連続帯101が
図7(b)に示すような積層物の場合には、貯蔵部51は積層物を収容するトレイ(図示略)を有するものとすることができる。これら回転支持軸やトレイは、一対のガイドロッド52を構成する棒材を延長して形成することができる。また、貯蔵部51は、一対のガイドロッド52から独立した別の部分として備えることもできる。袋供給装置50をコンパクト化するために、
図10に示すように貯蔵部51は本体部60及び先端部65の下方に設置すると好ましいが、これに限られるものではない。
【0048】
本体部60は、
図8及び
図10に示す例のように、先端部65から遠ざかるにつれて相互間隔が拡大する拡大部分62を有すると、正面筒状部21及び背面筒状部22が拡大部分を通る際に正面筒状部21及び背面筒状部22の相互間隔が広がることにより、当該正面筒状部21及び背面筒状部22に接続された収容部92の開口部13を自動的に広げることができるため好ましい。
【0049】
本体部60の一つの好ましい例は、
図8及び
図10に示すように、一対の先端部65にそれぞれ続く部分であって、かつ一定の第1の相互間隔61dで延びた一対の第1部分61と、一対の第1の部分にそれぞれ続く部分であって、かつ第1部分61から遠ざかるにつれて第1の相互間隔61dからこれよりも大きい第2の相互間隔63dに間隔が拡大する一対の拡大部分62と、一対の拡大部分62にそれぞれ続く部分であって、かつ拡大部分62から遠ざかるように一定の第2の相互間隔63dで、かつ一枚分の袋1の幅の50%以上(より好ましくは80%以上、特に好ましくは100%以上)延びた一対の第2部分63とを有しており、断裂部64は、一対の第2部分63にそれぞれ続く部分であると好ましい。この袋供給装置50では、正面筒状部21及び背面筒状部22が第1部分61、拡大部分62、第2部分63の順に移動するのに伴い収容部92の開口部13が自動的に広がり、かつ第2部分63に位置する収容部92は開口部13が広がった状態に維持される。特に、比較的に間隔の狭い第1部分61を有することにより正面筒状部21及び背面筒状部22を一対のガイドロッド52に挿入しやすくなる。また、準備段階で、先頭の収容部92が第2部分63まで移動することにより、先頭の収容部92の開口部13が大きく開口した状態となる。よって、この状態で第2部分63に支持された先頭の収容部92内に商品等を入れることも可能となる。
【0050】
図8に示す例や、
図10及び
図17(a)に示す例のように、一対のガイドロッド52のうち、少なくとも先端部65から断裂部64までの部分が面対称(一対のガイドロッド52に対する最短距離が等しい点の集合である平面、図示例では断裂時の引張方向を含む垂直面に関して対称)であってもよい。しかし、貯蔵部51における袋連続帯10の支持部91の位置によっては、
図17(b)に示すように、先端部65が支持部91側に偏倚していると正面筒状部21及び背面筒状部22内にガイドロッド52を円滑に挿入できるため好ましい。また、この例に限らず、すべての例において一方のガイドロッド52の先端部65から断裂部64までの長さと、他方のガイドロッド52の先端部65から断裂部64までの長さとは等長であると好ましいが、不等長であってもよい。
【0051】
なお、一対の第1部分61及び一対の第2部分63が一定の相互間隔で延びるとは、第1部分61及び第2部分63が図示例の第2部分63のように直線状に延びることだけでなく、図示例の第1部分61のうち先端部65側に位置する部分のように弧状等の曲線状に延びることも含まれる。
【0052】
袋連続帯10における各収容部92が最大に開口するときの一対のガイドロッド52の相互間隔は、分離部31の幅をα、正面筒状部21及び背面筒状部22の扁平状態の内寸y2をβ、一対のガイドロッド52の間隔方向におけるガイドロッド52の直径をγとしたとき、おおよそ(2α+2β)-2γとなる。よって、本体部60における一対のガイドロッド52の相互間隔は(2α+2β)-2γより小さいことが好ましく、これは第2の相互間隔63dも同様である。また、本体部60における一対のガイドロッド52の相互間隔の下限は、2cm、より好ましくは3cmであると、開口した収容部92に指を掛けやすくなるため好ましく、5cmであると本体部60に支持された収容部92に商品等のものを入れやすくなるため好ましい。この下限は、第2の相互間隔63dも同様である。
【0053】
一対の先端部65の相互間隔及び第1の相互間隔61dは、第2の相互間隔63d未満であればよいが、扁平な袋連続帯10において近接する正面筒状部21及び背面筒状部22に一対のガイドロッド52を容易に挿入するために、一対の先端部65の相互間隔及び第1の相互間隔61dは小さいことが好ましい。一対の先端部65の相互間隔は第1の相互間隔61d以下であっても、第1の相互間隔61dより大きくてもよい。一対の先端部65を容易に引き離すことができる程度の弾性をガイドロッド52が有している場合には、一対の先端部65は
図13に示す例のように接触しており、袋連続帯10が挟持されるようになっていてもよい(間隔が無くてもよい)。一例としては、第1の相互間隔61dは2β―2γより大きく、第2の相互間隔63dの1/2以下とすることができる。
【0054】
正面筒状部21及び背面筒状部22に一対のガイドロッド52を挿入しやすくするため、又は筒状部21,22の破れを防止するため、一対のガイドロッド52の先端にキャップ等の先端保護部を取り付ける等により、図示例のように先端部65を球状や紡錘状に形成してもよい。
【0055】
本体部60は、
図8に示す例のように同一平面内を通るように形成されていてもよいが、一部(例えば第1部分61、拡大部分62、第2部分63等)が、異なる平面や曲面を通るように形成されていてもよい。例えば、
図10及び
図11に示すように、第1部分61は上下方向に延びる部分であり、第2部分63は横方向に延びる部分であると、袋供給装置50の設置面積を小さくすることができるため好ましい。この場合、拡大部分62は上下方向に延びる部分としたり、横方向(水平方向)に延びる部分としたりすることもできるが、図示例のように上下方向から横方向に曲線状に方向変化する部分とすると、よりコンパクトな設置面積となるため好ましい。さらにこの場合、断裂部64の方向は特に限定されないが、図示例のように第2部分63と同じ方向(図示例では横方向)に延びる部分であると作業が容易となるため好ましい。また、第2部分63が横方向に延びる場合、
図11に示す例のように第2部分63が第1部分61よりも低くなるように段差を設けると、袋連続帯10が逆戻りしにくくなるため好ましい。もちろん、各部の方向はこれに限られるものではなく、図示しないが、第1部分61が横方向に延びるとともに、第2部分63が上方向に延びる等、適宜の変更が可能である。
【0056】
本体部60は、
図12に示すように第1部分61及び断裂部64を有し、拡大部分62及び第2部分63を有しなくてもよい。また、本体部60は、
図13に示すように拡大部分62及び断裂部64を有し、第1部分61及び第2部分63を有しなくてもよい。さらに、本体部60は、
図14に示すように第2部分63及び断裂部64を有し、第1部分61及び拡大部分62を有しなくてもよい。
【0057】
第1部分61の長さ61L、及び拡大部分62の長さ62Lは適宜定めることができるが、それぞれ、一つの収容部92の幅x1の25%以上であると好ましく、50%以上であるとより好ましく、80%以上であると特に好ましい。
【0058】
断裂部64は、図示例のようにガイドロッド52の外周面から突出する切断刃を有する部分であると、正面筒状部21及び背面筒状部22を容易に断裂させることができるため好ましい。しかし、断裂部64は、切断刃を有せず、正面筒状部21及び背面筒状部22を力で破断する部分であってもよい。例えば、本体部60に、連続方向が90~180度変化するカーブ部分を形成(図示例の切断刃を省略した状態に等しい)し、このカーブ部分に正面筒状部21及び背面筒状部22を引っ掛けて引き千切るようにしてもよい。
【0059】
一対のガイドロッド52は、先端部65及び本体部60が先端部65と反対側だけで支持されている限り(つまり先端部65及び本体部60が非固定の自由部分であり、先端部65から正面筒状部21及び背面筒状部22に挿入可能である限り)、その支持方式は特に限定されない。例えば、テーブルや作業台上に袋供給装置50を載置する場合、袋供給装置50は、台座部54と、この台座部54から上方に延びる支柱部53とを有し、本体部60から先端部65と反対側に続く部分を支柱部53により片持ち支持し、各ガイドロッド52の先端部65及び本体部60を台座部54上方に浮かせて保持するように構成することができる。
【0060】
また、壁面や家具等の設備の側面に袋供給装置50を設置することもできる。例えば、
図12に示すように、袋供給装置50にねじ固定孔56を有する壁面取付部55を設け、この壁面取付部55により本体部60から先端部65と反対側に続く部分を片持ち支持し、各ガイドロッド52の先端部65及び本体部60を床面やテーブル面から上方に浮かせて保持するように構成することができる。
【0061】
上述した台座部54、支柱部53、壁面取付部55、貯蔵部51は、図示例のように一対のガイドロッド52を構成する棒材を本体部60から先端部65と反対側に延長して形成する他、ガイドロッド52とは別に台座部54、支柱部53、壁面取付部55を形成し(図示略)、ガイドロッド52における本体部60から先端部65と反対側に続く部分を、支柱部53又は壁面取付部55に固定してもよい。
【0062】
本袋供給装置50では、上述の袋連続帯10の移動が可能であれば、その移動のための通路又は空間の広狭は特に限定されないが、一対のガイドロッド52を最短距離で結ぶ線分の集合である面の一方側に、収容部92の長さ以上の通路又は空間を確保され、かつその通路又は空間が断裂部64の先まで延びていることが好ましい。より具体的には、袋連続帯10は図示例のように収容部92(正面部11及び背面部12)が支えのない状態で移動される場合、収容部92は支持部91(筒状部21,22)を支えとして自重により垂れ下がった姿勢となる。よって、図示例のように本体部60のうち少なくとも第2部分63以降が横方向に延びている場合、その横方向に延びる部分の下方に、収容部92の長さ以上の高さの空間が確保され、かつその高さの空間が断裂部64の先まで延びていることが好ましい。また、断裂部64における断裂作業を容易にするために、本体部60から断裂部64の先まで延びる空間は、断裂部64から袋連続帯10の引張方向に袋1一枚分の幅以上確保できることが好ましい。
【0063】
図8及び
図9に示す例では、貯蔵部51、先端部65、第1部分61、拡大部分62、第2部分63及び断裂部64がこの順に横方向に一列に並んでおり、先端部65から断裂部64までの部分の下方、及び断裂部64の側方に袋連続帯10の移動空間が確保されている。先端部65の側方に位置する貯蔵部51から引き出された袋連続帯10は、一対のガイドロッド52から垂れ下がった状態で先端部65から断裂部64まで移動され、断裂部64側方に引き出されることにより筒状部21,22の断裂がなされる。
【0064】
一方、
図10及び
図11に示す例では、貯蔵部51が下部に配置され、先端部65及び第1部分61が一方の側部に配置され、拡大部分62が一方の側部から上部に至る角部に配置され、第2部分63及び断裂部64が上部に配置されており、これらにより囲まれた部分、及び断裂部64の側方が袋連続帯10の移動空間として確保されている。下部に位置する貯蔵部51から引き出された袋連続帯10は、先端部65及び第1部分61に沿って上昇し、拡大部分62で方向転換した後、第2部分63から垂れ下がった状態で断裂部64まで横方向に移動され、断裂部64側方に引き出されることにより筒状部21,22の断裂がなされる。
【0065】
図示例の袋供給装置50は、ガイドロッド52とそれを支持する支持部、袋連続帯10の貯蔵部51以外に、これらを覆う筐体を備えていないが、そのような筐体を備えていてもよい(図示略)。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、上記例のような袋供給装置及びこれに用いる袋連続帯に利用できるものである。
【符号の説明】
【0067】
1…袋、10…袋連続帯、11…正面部、12…背面部、13…開口部、14…底部、15…側縁、16…収容空間、21…正面筒状部、21i,22i…内空、21t,22t…筒状体、22…背面筒状部、31…分離部、32…接続部、41…打ち抜き孔、42…易切離し部、43…袋切離し部、44…側縁スリット、45…易断裂部、50…袋供給装置、51…貯蔵部、52…ガイドロッド、53…支柱部、54…台座部、55…壁面取付部、56…ねじ固定孔、60…本体部、61…第1部分、61d…第1の相互間隔、62…拡大部分、63d…第2の相互間隔、63…第2部分、64…断裂部、65…先端部、91…支持部、92…収容部、C1…第1の折り目、C2…第2の折り目、D1…連続方向、FP…折り返し部分。
【要約】
【課題】使用時に袋の開口部を容易に開くことができるようにする。
【解決手段】袋連続帯10は、連続方向D1に連続する支持部91と、その一方側に隣接し、連続方向D1に繰り返し設けられた収容部92とを有する。支持部91は、各収容部92の支持部91側の縁に沿って連続する正面筒状部21及び背面筒状部22からなる。また、正面部11及び背面部12は、連続方向D1の中間に位置し、筒状部21,22に接続された接続部32と、接続部32の両側方の全体にわたる、筒状部21,22から分離された一対の分離部31とを有する。使用時には、袋連続帯10の始端の筒状部21,22の開口に袋供給装置50の一対のガイドロッド52が挿入され、筒状部21,22が一対のガイドロッド52により間隔を空けて支持され、分離部31では正面部11及び背面部12から分離されて、先頭の袋1の開口部13が自動的に開口される。
【選択図】
図9