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  • 特許-自転車固定装置及び自転車固定ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】自転車固定装置及び自転車固定ユニット
(51)【国際特許分類】
   B62H 3/02 20060101AFI20231026BHJP
   B62H 3/08 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B62H3/02
B62H3/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023026858
(22)【出願日】2023-02-24
【審査請求日】2023-02-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼ 車両の運行日:バスの運行_公開内容一覧(別紙1)参照 車両の運行場所:バスの運行_公開内容一覧(別紙1)参照 ▲2▼ 刊行物の発行者:福島民報社 刊行物名:福島民報 刊行物の発行日:刊行物_公開内容一覧(別紙2)参照 ▲3▼ ウェブサイトの掲載年月日:ウェブサイト_公開内容一覧(別紙3)参照 ウェブサイトの掲載アドレス:ウェブサイト_公開内容一覧(別紙3)参照
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510293464
【氏名又は名称】郡山中央交通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】曽部 紀彦
(72)【発明者】
【氏名】桑原 秀治
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-143987(JP,U)
【文献】特開平2-182589(JP,A)
【文献】特開2008-201295(JP,A)
【文献】特開2011-121512(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0272264(US,A1)
【文献】特開2011-225061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62H 3/02
B62H 3/04
B62H 3/08
B62H 3/10
E04H 6/02
E04H 6/04
E04H 6/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定される自転車が立てた状態でその車輪が載せられる車輪載置部と、
前記車輪載置部に車輪が載せられる自転車のシートポストに対応する該自転車の横の位置に立設される固定支柱と、
前記固定支柱の上端部により回動軸を介して回動自在に下端部が支持される回動支柱と、
前記固定支柱に対する前記回動支柱の回動角度を変更可能に設定するための回動角度設定手段と、
前記回動支柱に対して、該回動支柱の長手方向周りについては固定され該回動支柱の長さ方向についてはスライド可能に取り付けられるスライド部と、
前記回動支柱における前記スライド部のスライド位置を変更可能に設定するためのスライド位置設定手段と、
前記スライド部に基端部が固定され、前記回動軸に略平行な方向に延在するアーム部と、
前記アーム部の先端部に、該アーム部の延在方向の回りで回転可能に取り付けられ、前記自転車のシートポストが固定されるポスト固定部とを備えることを特徴とする自転車固定装置。
【請求項2】
前記回動角度設定手段は、
前記回動支柱の下端部に固定され、該回動支柱の前記回動軸の周りの回動可能範囲に対応する長孔が設けられた回動規制板と、
前記固定支柱の前記長孔に対応する位置に設けられ、雌ねじが形成された固定支柱ねじ穴と、
前記長孔を通して前記固定支柱ねじ穴に螺合させることにより、前記回動規制板を前記固定支柱に固定することが可能な角度固定ねじとを備えることを特徴とする請求項1に記載の自転車固定装置。
【請求項3】
前記スライド位置設定手段は、
前記スライド部の外側から内側にかけて前記回動軸に略平行に貫通した摺動固定孔と、
前記回動支柱に対して、その長さ方向に沿って間隔を置いて設けられた複数の位置決め穴と、
前記摺動固定孔、及び前記複数の位置決め穴のいずれかに挿入され、該摺動固定孔又は該位置決め孔に設けられた雌ねじと螺合することにより、前記スライド部のスライド位置を決定する位置決めボルトとを備えることを特徴とする請求項2に記載の自転車固定装置。
【請求項4】
前記ポスト固定部には、前記シートポストを該ポスト固定部に固定するためのベルトを通す複数のスリット状の固定孔が設けられることを特徴とする請求項1に記載の自転車固定装置。
【請求項5】
前記ポスト固定部は、前記シートポストを受ける部分円柱状のポスト受部と、該ポスト受部により受けられた前記シートポストを該ポスト受部に固定するための面ファスナとを備えることを特徴とする請求項1に記載の自転車固定装置。
【請求項6】
2台の自転車を相互に逆向きかつ並列に固定し得るように相互に逆向きに配置されて車両に搭載される請求項3の自転車固定装置を2台備え、
各自転車固定装置の車輪載置部は、自転車の前輪及び後輪を載せる直線状に延びた溝部を備えるとともに、連結部により相互に連結され、
各自転車固定装置の固定支柱は、前記連結部に立設され、
前記2台の自転車固定装置の逆向きの配置は、各自転車固定装置の角度固定ねじ及び位置決めボルトが、両自転車固定装置の間に位置する配置であり、
前記連結部により連結された前記2台の自転車固定装置は、前記車両に設けられて前記溝部に交差する方向に沿ったレール上を移動可能に構成されことを特徴とする自転車固定ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内で自転車を固定するのに適した自転車固定装置及びこれを用いた自転車固定ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自転車を立てた状態で固定する自転車固定装置として、自転車のシートピラー(シートポスト)を、駐輪場の地面や床などの設置面に設置された支柱に固定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された自転車保持装置は、設置面から略垂直に伸びる棒状のポール及びそのポールを上下に移動可能であってかつポールに固定可能な保持部を備える。この保持部は、ポールに略直交する方向に伸びたアーム部と、アーム部の先端側に取り付けられた把持部とを有し、その把持部が自転車のシートピラーを保持するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-121512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された自動車保持装置によれば、自転車のシートピラーを保持する保持部は、ポールに直交する方向に伸びたアーム部と、アーム部の先端側に取り付けられた把持部とで構成され、上下方向に延びたポールに対して自転車のシートピラーは傾斜している。このため、保持部が保持するシートピラー(シートポスト)の部分の高さに応じて、ポールに対する自転車の位置が前後する。このため、種々の大きさ・種類の自転車について、ポールに対する前後位置を適切に設定しつつ固定することが困難である。
【0006】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、装置に対する自転車の前後位置を適切に設定しつつ、種々の大きさ・種類の自転車に容易に対応できる自転車固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の自転車固定装置は、
固定される自転車が立てた状態でその車輪が載せられる車輪載置部と、
前記車輪載置部に車輪が載せられる自転車のシートポストに対応する該自転車の横の位置に立設される固定支柱と、
前記固定支柱の上端部により回動軸を介して回動自在に下端部が支持される回動支柱と、
前記固定支柱に対する前記回動支柱の回動角度を変更可能に設定するための回動角度設定手段と、
前記回動支柱に対して、該回動支柱の長手方向周りについては固定され該回動支柱の長さ方向についてはスライド可能に取り付けられるスライド部と、
前記回動支柱における前記スライド部のスライド位置を変更可能に設定するためのスライド位置設定手段と、
前記スライド部に基端部が固定され、前記回動軸に略平行な方向に延在するアーム部と、
前記アーム部の先端部に、該アーム部の延在方向の回りで回転可能に取り付けられ、前記自転車のシートポストが固定されるポスト固定部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、固定支柱に対する回動支柱の回動角度、及び回動支柱におけるスライド部のスライド位置を、回動角度設定手段及びスライド位置設定手段により適宜設定することにより、アーム部先端のポスト固定部を、スライド部のスライド可能範囲と回動支柱の回動可能角度範囲とで決まる扇状の領域内において任意に位置決めすることができる。したがって、装置に対する自転車の前後位置を適切に設定しつつ、種々の大きさ・種類の自転車に容易に対応できる自転車固定装置を提供することことができる。
【0009】
そして、かかる位置決めを行いつつ、アーム部の延在方向の回りにおけるポスト固定部の角度を該シートポストの傾斜角度にフィットさせることにより、該シートポストをポスト固定部に対してガタツキなく固定することができる。
【0010】
(2)本発明において、前記回動角度設定手段は、
前記回動支柱の下端部に固定され、該回動支柱の前記回動軸の周りの回動可能範囲に対応する長孔が設けられた回動規制板と、
前記固定支柱の前記長孔に対応する位置に設けられ、雌ねじが形成された固定支柱ねじ穴と、
前記長孔を通して前記固定支柱ねじ穴に螺合させることにより、前記回動規制板を前記固定支柱に固定することが可能な角度固定ねじとを備えてもよい。
【0011】
これによれば、角度固定ねじの操作によって、回動規制板の固定支柱に対する固定及び固定の解除を行うことにより、固定支柱に対する回動支柱の回動角度を変更可能に設定することができる。
【0012】
(3)前記スライド位置設定手段は、
前記スライド部の外側から内側にかけて貫通した摺動固定孔と、
前記回動支柱に対して、その長さ方向に沿って間隔を置いて設けられた複数の位置決め穴と、
前記摺動固定孔、及び前記複数の位置決め穴のいずれかに挿入され、該摺動固定孔又は該位置決め孔に設けられた雌ねじと螺合することにより、前記スライド部のスライド位置を決定する位置決めボルトとを備えてもよい。
【0013】
これによれば、位置決めボルトを挿入する位置決め穴を選択することにより、スライド部のスライド位置を任意に設定することができる。
【0014】
(4)前記ポスト固定部には、前記シートポストを該ポスト固定部に固定するためのベルトを通すスリット状の複数の固定孔が設けられてもよい。これによれば、バックル付きのシートベルトにより、シートポストをポスト固定部に対して容易かつ確実に固定することができる。また、種々の断面形状を有するシートポスト、例えばかまぼこ型形状や真円型形状を有するシートポストに対しても、支障なく適用することができる。
【0015】
(5)前記ポスト固定部は、前記シートポストを受ける部分円柱状のポスト受部と、該ポスト受部により受けられた前記シートポストを該ポスト受部に固定するための面ファスナとを備えてもよい。
【0016】
これによれば、該ポスト受部と面ファスナにより、シートポストをポスト固定部に対して容易かつ確実に固定することができる。また、種々の断面形状を有するシートポスト、例えばかまぼこ型形状や真円型形状を有するシートポストに対しても、支障なく適用することができる。
【0017】
(6)本発明の自転車固定ユニットは、2台の自転車を相互に逆向きかつ並列に固定し得るように相互に逆向きに配置されて車両に搭載される2台の前記自転車固定装置を備え、
各自転車固定装置の車輪載置部は、自転車の前輪及び後輪を載せる直線状に延びた溝部を備えるとともに、連結部により相互に連結され、
各自転車固定装置の固定支柱は、前記連結部に立設され、
前記2台の自転車固定装置の逆向きの配置は、各自転車固定装置の角度固定ねじ及び位置決めボルトが、両自転車固定装置の間に位置する配置であり、
前記連結部により連結された前記2台の自転車固定装置は、前記車両に設けられて前記溝部に交差する方向に沿ったレール上を移動可能に構成されてもよい。
【0018】
これによれば、自転車固定ユニットに2台の自転車を相互に逆向きにして固定できるとともに、2台分の固定支柱に対応する角度固定ねじ及び位置決めボルトが、2台の自転車固定装置の間に位置し、かつ相互に干渉しないので、2台の自転車を、相互に接近させてコンパクトに固定することができる。
【0019】
また、角度固定ねじ及び位置決めボルトが、自転車固定ユニットの内側に位置するので、自転車固定ユニットを複数並列させて配置する際にも、各自転車固定ユニットを近接させて配置することができる。これにより、自転車固定ユニットの配列の省スペース化を図ることができる。
【0020】
さらに、自転車固定ユニットがレール上を移動可であるため、固定する自転車の大きさや種類に応じて、自転車固定ユニット同士の間隔を、省スペース化を図りつつ最適となるように調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る自転車固定装置を備える自転車固定ユニットを示す斜視図である。
図2図1の自転車固定装置を備える自転車固定ユニットを別の角度から見た様子を示す斜視図である。
図3図1の自転車固定装置のスライド部、アーム部及びポスト固定部の一例を示す斜視図である。
図4図1の自転車固定装置のスライド部、アーム部及びポスト固定部の別の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る自転車固定装置を備える自転車固定ユニットを相互に異なる角度で見た様子を示す。図1図2に示すように、各自転車固定ユニット1は、2台の自転車を相互に逆向きかつ並列に固定し得るように相互に逆向きに配置されて車両に搭載される2台の自転車固定装置2を備える。
【0023】
各自転車固定装置2は、固定される自転車3が立てた状態でその車輪が載せられる車輪載置部4と、車輪載置部4に車輪が載せられる自転車3のシートポスト5に対応する該自転車3の横の位置に立設される固定支柱6と、固定支柱6の上端部により回動軸7を介して回動自在に下端部が支持される回動支柱8と、固定支柱6に対する回動支柱8の回動角度を変更可能に設定するための回動角度設定手段9とを備える。
【0024】
回動支柱8には、回動支柱8の周方向の位置が固定されつつ回動支柱8の長さ方向にスライド可能なスライド部10が取り付けられる。回動支柱8におけるスライド部10のスライド位置は、スライド位置設定手段11により、変更可能に設定することができる。なお、スライド部10は、自転車固定装置2を使用しないときには、その回動支柱8から取り外して保管されてもよい。
【0025】
スライド部10には、回動軸7に略平行な方向に延在するアーム部12の基端部が固定される。アーム部12の先端部には、自転車3のシートポスト5が固定されるポスト固定部13が、アーム部12の延在方向の回りに回転可能に取り付けられる。
【0026】
回動角度設定手段9は、回動支柱8の下端部に固定され、回動支柱8の回動軸7の周りの回動可能範囲に対応する長孔14が設けられた回動規制板15と、固定支柱6の長孔14に対応する位置に設けられ、雌ねじが形成された固定支柱ねじ穴16と、長孔14を通して固定支柱ねじ穴16に螺合させることにより、回動規制板15を固定支柱6に固定することが可能なレバー付きの角度固定ねじ17とを備える。
【0027】
スライド位置設定手段11は、スライド部10の外側から内側にかけて、回動軸7に略平行な方向に貫通した摺動固定孔18と、回動支柱8に対して、その長さ方向に沿って間隔を置いて設けられた複数の位置決め穴19と、摺動固定孔18、及び複数の位置決め穴19のいずれかに挿入され、摺動固定孔18又は位置決め穴19に設けられた雌ねじと螺合することにより、スライド部10のスライド位置を決定する位置決めボルト20とを備える。
【0028】
図3は、スライド部10、アーム部12及びポスト固定部13を示す。図3に示すように、アーム部12先端のポスト固定部13には、自転車3のシートポスト5をポスト固定部13に固定するためのバックル付きベルト21を通すスリット状の固定孔22が設けられる。ポスト固定部13は、アーム部12の延在方向に沿った軸線の回りに回転し得るように、アーム部12の内部に嵌合する支軸の先端に固定される。
【0029】
アーム部12には、ポスト固定部13の回転方向に沿って、その回転量を規制する長孔21aと、長孔12aを通して上記支軸に螺合するレバー付ボルト12bとが設けられる。ポスト固定部13の回転位置は、レバー付ボルト12bで支軸をアーム部12に対して解除可能に固定することによって調整することができる。ポスト固定部13とシートポスト5とが接触する部分には、クッション材13cを設けてもよい。
【0030】
各自転車固定装置2の車輪載置部4は、自転車3の前輪及び後輪を載置する直線状に延びた溝部23を備える。溝部23は、長尺の金属板材をV字状に曲げて形成される。
【0031】
車輪載置部4は、前輪が載置されたときに、前輪が左右方向に回転しないように、前輪を挟んで保持する保持部24を有したり、溝部23が、載置される前輪の前側で上方に反っていて前輪の回転を阻止する形状の阻止部25を有していたりしてもよい。双方の車輪載置部4は、板状の連結部26によって相互に連結される。
【0032】
各自転車固定装置2の固定支柱6は、連結部26に立設される。2台の自転車固定装置2の逆向きの配置は、各自転車固定装置2の角度固定ねじ17及び位置決めボルト20が、両自転車固定装置2の間の側に位置する配置である。2台の自転車固定装置2は、車両27に設けられ、溝部23に交差する方向に沿ったレール28上をある程度移動可能に構成される。
【0033】
この構成において、自転車固定ユニット1に自転車3を固定する際には、まず、自転車3の前輪と後輪を、一方の自転車固定装置2の溝部23に載せる。このとき、前輪が左右方向に回転しないように、前輪を保持部24により保持させ、あるいは阻止部25より回転が阻止されるように配置する。
【0034】
次に、スライド部10を、回動支柱8の先端部から回動支柱8の外側に嵌合させる。そして、スライド部10を回動支柱8上でスライドさせつつ、スライド部10の摺動固定孔18を、自転車3の大きさに適合した、回動支柱8の所望の位置決め穴19に合わせ、位置決めボルト20を摺動固定孔18及び当該位置決め穴19に挿入し、摺動固定孔18又は位置決め穴19に螺合させる。
【0035】
この間、必要に応じて自転車3の形状や大きさ、シートポスト5の傾きなどに応じて、回動角度設定手段9により、回動支柱8の回動位置を調整することができる。これにより、アーム部12のポスト固定部13を、シートポスト5のポスト固定部13を固定する位置に対応した位置に位置決めすることができる。
【0036】
次に、バックル付きベルト21をポスト固定部13の固定孔22に通し、自転車3のシートポスト5に回して該ベルト21によりシートポスト5をポスト固定部13に固定する。ことのとき、シートポスト5の傾斜角に適合するにように、ポスト固定部13が、アーム部12の中心軸の周りで回動され、固定される。このとき、レバー付ボルト12bが適宜操作される。なお、前輪や後輪を、さらに、バックル付きベルト21で溝部23に固定してもよい。
【0037】
さらに、隣の自転車固定ユニット1にも自転車を固定する場合には、自転車固定ユニット1をレール28上で多少移動させることにより、隣り合う自転車固定ユニット1同士の間隔を調整し、省スペースを図りつつ、効率よく自転車3を固定することができる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、固定支柱6に対する回動支柱8の回動角度、及び回動支柱8におけるスライド部10のスライド位置を回動角度設定手段9及びスライド位置設定手段11により適宜設定変更できるので、アーム部12先端のポスト固定部13を、種々の大きさ・種類の自転車3のシートポスト5の固定位置に対して適切に位置決めすることができる。
【0039】
さらに、かかる位置決めを行いつつ、ポスト固定部13の回転角度をシートポスト5の傾斜角度にフィットさせることができる。これにより、シートポスト5を、ポスト固定部13に対してガタツキなく固定することができる。
【0040】
また、回動角度設定手段9が、回動規制板15と、固定支柱ねじ穴16と、角度固定ねじ17とを備えるので、角度固定ねじ17の操作によって回動規制板15の固定支柱6に対する固定及び固定の解除を行うことにより、固定支柱6に対する回動支柱8の回動角度を任意に設定することができる。
【0041】
また、スライド位置設定手段11が、摺動固定孔18と、複数の位置決め穴19と、位置決めボルト20とを備えるので、位置決めボルト20を挿入する位置決め穴19を選択することにより、スライド部10のスライド位置を任意に設定することができる。
【0042】
また、自転車固定ユニット1は、2台の自転車3を相互に逆向きかつ並列に固定し得るように相互に逆向きに配置されて車両27に搭載され、レール28上を移動可能な2台の自転車固定装置2を備え、角度固定ねじ17及び位置決めボルト20が、両自転車固定装置2の間の側に位置し、相互に干渉しないので、2台の自転車3を、相互に接近させてコンパクトに固定することができる。
【0043】
また、角度固定ねじ17及び位置決めボルト20が、自転車固定ユニット1の内側に位置するので、自転車固定ユニット1を複数並列させて配置する際にも、各自転車固定ユニット1を近接させて配置することができる。これにより、自転車固定ユニット1の配列の省スペース化を図ることができる。
【0044】
さらに、自転車固定ユニット1がレール28上を移動可であるため、固定する自転車3の大きさや種類に応じて、自転車固定ユニット1同士の間隔が省スペース化を図りつつ最適となるように調整することができる。なお、この省スペース効果は、図1図2において並列して配置された2つの自転車固定ユニット1に限らず、より多くの自転車固定ユニット1を、バスなどの車両27において、同様に並列させて設ける場合に、より効果的に発揮することができる。
【0045】
また、ポスト固定部13に対してバックル付きベルト21を用いてシートポスト5を固定するので、種々の断面形状を有するシートポスト5、例えばかまぼこ型形状や真円型形状を有するシートポスト5に対しても、支障なく適用することができる。
【0046】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、適宜変形して実施することができる。例えば、スライド部10、アーム部12及びポスト固定部13は、図4に示すようなものであってもよい。
【0047】
すなわち、ポスト固定部13は、シートポスト5を受ける部分円柱状のポスト受部13aと、ポスト受部13aにより受けられたシートポスト5をポスト受部13aに固定するための面ファスナ13bと、アーム部12から左右方向に突出した2つの突出部12cを備えてもよい。
【0048】
これによれば、ポスト受部13aと面ファスナ13bにより、シートポスト5をポスト固定部13に対して容易かつ確実に固定することができる。また、市販のフック付きゴムバンドを用い、その両端部のフックを各突出部12cに掛けて、シートポスト5をさらに確実に固定してもよい。この場合も、かまぼこ型形状や真円型形状等の種々の断面形状を有するシートポスト5に対して支障なく適用することができる。
【0049】
また、回動角度設定手段における回動規制板を、固定支柱に固定し、角度固定ねじを回動支柱に螺合させるようにしてもよい。また、スライド位置設定手段は、位置決めボルトが、回動支柱の回動軸に対して直交する方向に延在するものであってもよい。また、ポスト固定部に対するシートポストの固定は、バックルの付いたベルトによらず、ヒンジの付いた開閉式の固定手段によるものであってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…自転車固定ユニット、2…自転車固定装置、3…自転車、4…車輪載置部、5…シートポスト、6…固定支柱、7…回動軸、8…回動支柱、9…回動角度設定手段、10…スライド部、11…スライド位置設定手段、12…アーム部、12a…長孔、12b…レバー付ボルト、12c…突出部、13…ポスト固定部、13a…ポスト受部、13b…面ファスナ、13c…クッション材、14…長孔、15…回動規制板、16…固定支柱ねじ穴、17…角度固定ねじ、18…摺動固定孔、19…位置決め穴、20…位置決めボルト、21…バックル付きベルト、22…固定孔、23…溝部、24…保持部、25…阻止部、26…連結部、27…車両、28…レール。
【要約】
【課題】種々の大きさ・種類の自転車に容易に対応できる自転車固定装置を提供する。
【解決手段】車輪載置部4に車輪が載せられる自転車3のシートポスト5に対応する自転車3の横の位置に立設される固定支柱6と、固定支柱6の上端部により回動軸を介して支持される回動支柱8と、回動支柱8の回動角度を任意に設定するための回動角度設定手段9と、回動支柱8に対してスライド可能に取り付けられるスライド部10と、スライド部10のスライド位置を変更可能に設定するためのスライド位置設定手段11と、スライド部10に固定されるアーム部12と、アーム部12の先端部に、回転可能に取り付けられ、自転車3のシートポスト5が固定されるポスト固定部13とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4