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特許7373260条件生成装置、条件生成システム、生体情報測定システム、条件生成方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】条件生成装置、条件生成システム、生体情報測定システム、条件生成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20231026BHJP
【FI】
G16H10/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022202319
(22)【出願日】2022-12-19
(62)【分割の表示】P 2022119948の分割
【原出願日】2022-07-27
【審査請求日】2023-03-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】田口 健太
(72)【発明者】
【氏名】中西 剛
(72)【発明者】
【氏名】古谷 佳大
(72)【発明者】
【氏名】米山 暁夫
(72)【発明者】
【氏名】高井 公一
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-170751(JP,A)
【文献】特開2017-029232(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0110460(US,A1)
【文献】国際公開第2019/131246(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/054519(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/008090(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/203622(WO,A1)
【文献】特開2019-115505(JP,A)
【文献】特開2015-219726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの第1生体情報の測定を推奨するか否かの判定に用いる判定条件を生成する条件生成装置であって、
測定された前記ユーザの活動情報又は前記第1生体情報とは異なる前記ユーザの第2生体情報と、前記ユーザの前記第1生体情報の測定結果に基づいて判定された異常の有無を示す測定結果情報とを取得する情報取得部と、
前記活動情報若しくは前記第2生体情報と前記測定結果情報との第1相関、又は、前記活動情報の測定時刻若しくは前記第2生体情報の測定時刻と前記測定結果情報との第2相関を特定する相関特定部と、
特定された前記第1相関又は前記第1相関と前記第2相関に基づき、前記活動情報又は前記第2生体情報の前記判定条件を特定する判定条件特定部と
を備える、
条件生成装置。
【請求項2】
前記活動情報又は前記第2生体情報は、前記ユーザが生活している間に測定された結果を含む情報である、請求項1に記載の条件生成装置。
【請求項3】
前記測定結果情報は、前記ユーザの前記第1生体情報の測定時刻の情報を含む、請求項1に記載の条件生成装置。
【請求項4】
前記第1生体情報の測定時刻から所定の時間まで遡った時刻から、前記第1生体情報の測定時刻までの間に測定された前記活動情報又は前記第2生体情報と、前記測定結果情報とを関連付けて記憶部に記憶させる情報制御部を更に備える、請求項1に記載の条件生成装置。
【請求項5】
前記活動情報は、前記ユーザの1日の歩数、起床時刻と就寝時刻、及び食事毎の摂取カロリのうち少なくとも1つを含む情報であり、
前記判定条件は、前記活動情報に対応する、所定の歩数、所定の睡眠時間、及び所定の合計摂取カロリのうち少なくとも1つを含む条件である、
請求項1に記載の条件生成装置。
【請求項6】
前記第2生体情報は、前記ユーザの心拍数、血圧、体重、脳波、及び体温のうち少なくとも1つを含む情報であり、
前記判定条件は、前記第2生体情報に対応する、所定の心拍数、所定の血圧、脳波の所定の波形範囲、及び所定の体温のうち少なくとも1つを含む条件である、
請求項1に記載の条件生成装置。
【請求項7】
前記相関特定部は、前記活動情報のうち所定の活動情報の測定時刻から前記第1生体情報の測定時刻までの経過時間と前記測定結果情報との前記第2相関を特定し、
前記判定条件特定部は、特定された前記第2相関に基づき、前記経過時間の前記判定条件を特定する、
請求項1に記載の条件生成装置。
【請求項8】
前記第1生体情報は、前記ユーザの疾患を発見するための参考情報であり、
前記情報取得部は、前記活動情報を測定したときの気温、湿度、測定に用いたデバイス、及び測定に用いたアプリケーションの情報のうち少なくとも1つを含む測定環境情報と、前記ユーザの前記疾患の種類、性別、年齢、持病のうち少なくとも1つを含むユーザ情報とを取得し、
前記測定結果情報と前記測定環境情報と前記ユーザ情報とを関連付けて記憶部に記憶させる情報制御部を更に備え、
前記判定条件特定部は、特定した前記活動情報の前記判定条件を、前記測定環境情報と前記ユーザ情報とに含まれている情報のうち少なくとも1つの情報に基づいて更に補正した条件を、前記判定条件として特定する、
請求項1に記載の条件生成装置。
【請求項9】
前記情報制御部は、前記測定結果情報と前記ユーザ情報とを前記ユーザの識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させる、請求項8に記載の条件生成装置。
【請求項10】
前記第1生体情報は、前記ユーザの疾患を発見するための参考情報であり、
前記情報取得部は、前記ユーザが前記疾患の診療を申し込んだか否かを示す診療状況情報と、診療機関における前記ユーザの前記疾患の診断結果を示す疾患記録情報とを更に取得し、
前記情報制御部は、
前記活動情報又は前記第2生体情報と、前記測定結果情報と、前記診療状況情報と、前記疾患記録情報とを前記ユーザの識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させ、
外部からの前記ユーザの識別情報と共に情報の要求を受け取った場合、対応する前記ユーザの情報を要求元に供給する、
請求項4に記載の条件生成装置。
【請求項11】
前記第1生体情報は、前記ユーザの疾患を発見するための参考情報であり、
前記相関特定部は、
前記測定結果情報が前記疾患の疑いのある異常を示す場合、前記活動情報又は前記第2生体情報と前記測定結果情報との前記第1相関の大きさとして正の相関を示す値を特定し、
前記測定結果情報が前記疾患の疑いのない正常を示す場合、前記活動情報又は前記第2生体情報と前記測定結果情報との前記第1相関の大きさとして負の相関を示す値を特定する、
請求項1に記載の条件生成装置。
【請求項12】
前記ユーザは、第1ウェアラブルデバイスと前記第1ウェアラブルデバイスとは異なる第2ウェアラブルデバイスとを装着しており、
前記情報取得部は、前記第1ウェアラブルデバイスから前記測定結果情報を取得し、前記第2ウェアラブルデバイスから前記活動情報又は前記第2生体情報を取得する、
請求項1に記載の条件生成装置。
【請求項13】
前記ユーザに装着され、前記ユーザの前記第1生体情報を測定するウェアラブルデバイスと、
測定された前記ユーザの前記活動情報又は前記第1生体情報とは異なる前記第2生体情報と、前記ウェアラブルデバイスが測定した前記第1生体情報の前記測定結果情報とを取得して、前記ウェアラブルデバイスによる前記第1生体情報の測定を推奨するか否かの判定に用いる前記判定条件を生成する、請求項1から12のいずれか一項に記載の前記条件生成装置と
を備える、
条件生成システム。
【請求項14】
前記ユーザに装着され、前記ユーザの前記第1生体情報を測定するウェアラブルデバイスと、
測定された前記ユーザの前記活動情報又は前記第1生体情報とは異なる前記第2生体情報と、前記ウェアラブルデバイスが測定した前記第1生体情報の前記測定結果情報とを取得して、前記ウェアラブルデバイスによる前記第1生体情報の測定を推奨するか否かの判定に用いる前記判定条件を生成する、請求項1から12のいずれか一項に記載の前記条件生成装置と、
前記条件生成装置が生成した前記判定条件を用いて、前記ウェアラブルデバイスによる前記第1生体情報の測定を推奨するタイミングを生成するタイミング生成装置と
を備え、
前記タイミング生成装置は、
前記条件生成装置が生成した前記判定条件と、測定した測定タイミングの情報を含む前記ユーザの前記活動情報とを取得する情報取得部と、
前記ユーザの前記活動情報が前記判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記ユーザの前記活動情報が前記判定条件を満たすと判定した場合、前記ユーザに前記活動情報の測定タイミングを基準とした前記第1生体情報の測定タイミングを示す第1メッセージを通知する通知部と
を有する、
生体情報測定システム。
【請求項15】
コンピュータが実行する、ユーザの第1生体情報の測定を推奨するか否かの判定に用いる判定条件を生成する方法であって、
測定された前記ユーザの活動情報又は前記第1生体情報とは異なる前記ユーザの第2生体情報と、前記ユーザの前記第1生体情報の測定結果に基づいて判定された異常の有無を示す測定結果情報とを取得するステップと、
前記活動情報若しくは前記第2生体情報と前記測定結果情報との第1相関、又は、前記活動情報の測定時刻若しくは前記第2生体情報の測定時刻と前記測定結果情報との第2相関を特定するステップと、
特定された前記第1相関又は前記第1相関と前記第2相関に基づき、前記活動情報又は前記第2生体情報の前記判定条件を特定するステップと
を有する、
条件生成方法。
【請求項16】
コンピュータにより実行されると、前記コンピュータを請求項1から12のいずれか一項に記載の前記条件生成装置として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、条件生成装置、条件生成システム、生体情報測定システム、条件生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数項目の生体指標(血圧値、血糖値、体重、体脂肪率、血清総コレステロール等)の測定値を蓄積し、一の生体指標において変動パターンから外れた値が測定された場合に、当該一の生体指標と相関の大きい他の生体指標を、健康状態の評価に必要な生体指標として提示してユーザに測定を促す技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-57552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ユーザの健康状態を評価するための生体指標に加えて、心電図等といったユーザの疾患の早期発見に役立つ生体情報を携帯型の装置等で簡易的に測定できるようになった。しかしながら、疾患に関わるような予兆が測定結果に表れるタイミングは限定されており、このような装置で予兆を把握すること、疾患に罹患しているか否か等を判定することは困難であった。また、予兆の把握のために、このような生体情報を定期的に測定して測定結果を大量に蓄積して解析することもできるが、ユーザにとっては手間と負担が大きかった。そこで、ユーザの生体情報の適切な測定タイミングを生成できることが望まれていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザの生体情報を測定するタイミングか否かを判定するための判定条件を容易に生成して、ユーザの疾患を発見しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、ユーザの第1生体情報の測定を推奨するか否かの判定に用いる判定条件を生成する条件生成装置であって、測定された前記ユーザの活動情報又は前記第1生体情報とは異なる前記ユーザの第2生体情報と、前記ユーザの前記第1生体情報の測定結果に基づいて判定された異常の有無を示す測定結果情報とを取得する情報取得部と、前記活動情報若しくは前記第2生体情報と前記測定結果情報との第1相関、又は、前記活動情報の測定時刻若しくは前記第2生体情報の測定時刻と前記測定結果情報との第2相関を特定する相関特定部と、特定された前記第1相関又は前記第2相関に基づき、前記活動情報又は前記第2生体情報の前記判定条件を特定する判定条件特定部とを備える、条件生成装置を提供する。
【0007】
前記活動情報又は前記第2生体情報は、前記ユーザが生活している間に測定された結果を含む情報であってもよい。
前記測定結果情報は、前記ユーザの前記第1生体情報の測定時刻の情報を含んでもよい。
【0008】
前記第1生体情報の測定時刻から所定の時間まで遡った時刻から、前記第1生体情報の測定時刻までの間に測定された前記活動情報又は前記第2生体情報と、前記測定結果情報とを関連付けて記憶部に記憶させる情報制御部を更に備えてもよい。
【0009】
前記活動情報は、前記ユーザの1日の歩数、起床時刻と就寝時刻、及び食事毎の摂取カロリのうち少なくとも1つを含む情報であり、前記判定条件は、前記活動情報に対応する、所定の歩数、所定の睡眠時間、及び所定の合計摂取カロリのうち少なくとも1つを含む条件であってもよい。
【0010】
前記第2生体情報は、前記ユーザの心拍数、血圧、体重、脳波、及び体温のうち少なくとも1つを含む情報であり、前記判定条件は、前記第2生体情報に対応する、所定の心拍数、所定の血圧、脳波の所定の波形範囲、及び所定の体温のうち少なくとも1つを含む条件であってもよい。
【0011】
前記相関特定部は、前記活動情報のうち所定の活動情報の測定時刻から前記第1生体情報の測定時刻までの経過時間と前記測定結果情報との前記第2相関を特定し、前記判定条件特定部は、特定された前記第2相関に基づき、前記経過時間の前記判定条件を特定してもよい。
【0012】
前記第1生体情報は、前記ユーザの疾患を発見するための参考情報であり、前記情報取得部は、前記活動情報を測定したときの気温、湿度、測定に用いたデバイス、及び測定に用いたアプリケーションの情報のうち少なくとも1つを含む測定環境情報と、前記ユーザの前記疾患の種類、性別、年齢、持病のうち少なくとも1つを含むユーザ情報とを取得し、前記測定結果情報と前記測定環境情報と前記ユーザ情報とを関連付けて記憶部に記憶させる情報制御部を更に備え、前記判定条件特定部は、特定した前記活動情報の前記判定条件を、前記測定環境情報と前記ユーザ情報とに含まれている情報のうち少なくとも1つの情報に基づいて更に補正した条件を、前記判定条件として特定してもよい。
【0013】
前記情報制御部は、前記測定結果情報と前記ユーザ情報とを前記ユーザの識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0014】
前記第1生体情報は、前記ユーザの疾患を発見するための参考情報であり、前記情報取得部は、前記ユーザが前記疾患の診療を申し込んだか否かを示す診療状況情報と、診療機関における前記ユーザの前記疾患の診断結果を示す疾患記録情報とを更に取得し、前記情報制御部は、前記活動情報又は前記第2生体情報と、前記測定結果情報と、前記診療状況情報と、前記疾患記録情報とを前記ユーザの識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶させ、外部からの前記ユーザの識別情報と共に情報の要求を受け取った場合、対応する前記ユーザの情報を要求元に供給してもよい。
【0015】
前記第1生体情報は、前記ユーザの疾患を発見するための参考情報であり、前記相関特定部は、前記測定結果情報が前記疾患の疑いのある異常を示す場合、前記活動情報又は前記第2生体情報と前記測定結果情報との前記第1相関の大きさとして正の相関を示す値を特定し、前記測定結果情報が前記疾患の疑いのない正常を示す場合、前記活動情報又は前記第2生体情報と前記測定結果情報との前記第1相関の大きさとして負の相関を示す値を特定してもよい。
【0016】
前記ユーザは、第1ウェアラブルデバイスと前記第1ウェアラブルデバイスとは異なる第2ウェアラブルデバイスとを装着しており、前記情報取得部は、前記第1ウェアラブルデバイスから前記測定結果情報を取得し、前記第2ウェアラブルデバイスから前記活動情報又は前記第2生体情報を取得してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様においては、前記ユーザに装着され、前記ユーザの前記第1生体情報を測定するウェアラブルデバイスと、測定された前記ユーザの前記活動情報又は前記第1生体情報とは異なる前記第2生体情報と、前記ウェアラブルデバイスが測定した前記第1生体情報の前記測定結果情報とを取得して、前記ウェアラブルデバイスによる前記第1生体情報の測定を推奨するか否かの判定に用いる前記判定条件を生成する、第1の態様の前記条件生成装置とを備える、条件生成システムを提供する。
【0018】
本発明の第3の態様においては、前記ユーザに装着され、前記ユーザの前記第1生体情報を測定するウェアラブルデバイスと、測定された前記ユーザの前記活動情報又は前記第1生体情報とは異なる前記第2生体情報と、前記ウェアラブルデバイスが測定した前記第1生体情報の前記測定結果情報とを取得して、前記ウェアラブルデバイスによる前記第1生体情報の測定を推奨するか否かの判定に用いる前記判定条件を生成する、第1の態様の前記条件生成装置と、前記条件生成装置が生成した前記判定条件を用いて、前記ウェアラブルデバイスによる前記第1生体情報の測定を推奨するタイミングを生成するタイミング生成装置とを備え、前記タイミング生成装置は、前記条件生成装置が生成した前記判定条件と、測定した測定タイミングの情報を含む前記ユーザの前記活動情報とを取得する情報取得部と、前記ユーザの前記活動情報が前記判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部が前記ユーザの前記活動情報が前記判定条件を満たすと判定した場合、前記ユーザに前記活動情報の測定タイミングを基準とした前記第1生体情報の測定タイミングを示す第1メッセージを通知する通知部とを有する、生体情報測定システムを提供する。
【0019】
本発明の第4の態様においては、コンピュータが実行する、ユーザの第1生体情報の測定を推奨するか否かの判定に用いる判定条件を生成する方法であって、測定された前記ユーザの活動情報又は前記第1生体情報とは異なる前記ユーザの第2生体情報と、前記ユーザの前記第1生体情報の測定結果に基づいて判定された異常の有無を示す測定結果情報とを取得するステップと、前記活動情報若しくは前記第2生体情報と前記測定結果情報との第1相関、又は、前記活動情報の測定時刻若しくは前記第2生体情報の測定時刻と前記測定結果情報との第2相関を特定するステップと、特定された前記第1相関又は前記第2相関に基づき、前記活動情報又は前記第2生体情報の前記判定条件を特定するステップとを有する、条件生成方法を提供する。
【0020】
本発明の第5の態様においては、コンピュータにより実行されると、前記コンピュータを第1の態様の前記条件生成装置として機能させる、プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザの生体情報を測定するタイミングか否かを判定するための判定条件を容易に生成して、ユーザの疾患を発見しやすくできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態に係る第1生体情報測定システムS1の構成例を示す。
図2】本実施形態に係るタイミング生成装置100の構成例を示す。
図3】本実施形態に係る第1生体情報測定システムS1の動作フローの一例を示す。
図4】本実施形態に係る条件生成システムTの構成例を示す。
図5】本実施形態に係る条件生成装置400の構成例を示す。
図6】本実施形態に係る条件生成システムTの動作フローの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1生体情報測定システムS1の構成例>
図1は、本実施形態に係る第1生体情報測定システムS1の構成例を示す。第1生体情報測定システムS1は、ユーザの生体情報の適切な測定タイミングを生成してユーザに通知する。また、第1生体情報測定システムS1は、ユーザが生体情報を測定した場合、生体情報の測定結果を生体情報の測定タイミングの生成条件にフィードバックする。第1生体情報測定システムS1は、活動情報測定装置10と、タイミング生成装置100と、第1生体情報測定装置200と、携帯端末300とを備える。
【0024】
活動情報測定装置10は、ユーザに装着され、ユーザが生活している間にユーザの活動情報を測定する(図1の(1))。活動情報測定装置10は、ユーザが生活している間に測定した活動情報を測定する。ここで、活動情報は、例えば、ユーザの1日の歩数、起床時刻、就寝時刻、及び食事毎の摂取カロリのうち少なくとも1つを含む情報である。
【0025】
活動情報測定装置10は、所定の時間間隔で活動情報を測定してもよく、これに代えて、又はこれに加えて、所定の時刻に活動情報を測定してもよい。活動情報測定装置10は、例えば、活動情報を検出するための検出器が組み込まれたウェアラブル端末、携帯端末、携帯型の測定装置等である。図1は、活動情報測定装置10がスマートウォッチである例を示す。
【0026】
タイミング生成装置100は、活動情報測定装置10と通信して、ユーザの活動情報の測定結果を取得する(図1の(2))。タイミング生成装置100は、活動情報の測定結果に基づいてユーザの第1生体情報を取得するタイミングを生成する(図1の(3))。タイミング生成装置100は、例えば、ユーザの活動情報が所定の条件を満たした場合に、第1生体情報の測定タイミングを生成する。タイミング生成装置100の詳細については後述する。
【0027】
第1生体情報は、ユーザの疾患を発見するための参考情報である。本実施形態において、第1生体情報がユーザの心電図波形を含む情報である例を説明する。この場合、タイミング生成装置100は、ユーザの心電図を測定するタイミングを生成してユーザに通知する(図1の(4))。タイミング生成装置100は、例えば、ユーザの携帯端末300に測定タイミングを示すメッセージを通知する。携帯端末300は、例えば、スマートフォン、タブレット、スマートグラス、スマートウォッチ、携帯型PC等である。
【0028】
これに代えて、タイミング生成装置100は、活動情報測定装置10にメッセージを通知してもよい。また、タイミング生成装置100は、第1生体情報測定装置200にメッセージを通知してもよい。このような通知を受信した装置は、表示部等にメッセージを表示することにより、ユーザに第1生体情報を測定することを促すことができる。また、ユーザは、第1生体情報を測定するタイミングを容易に把握することができる。
【0029】
第1生体情報測定装置200は、ユーザの第1生体情報を測定するための装置である。第1生体情報測定装置200は、ユーザに装着可能であるか、又は携帯可能であり、ユーザの操作によって第1生体情報を容易に測定可能な装置である。第1生体情報測定装置200は、例えば、第1生体情報を測定するための測定器が組み込まれたウェアラブル端末、携帯端末、携帯型の測定装置等である。図1は、活動情報測定装置10が第1生体情報測定装置200と同一の装置である例を示す。
【0030】
以上のように、第1生体情報測定装置200は、簡便にユーザの第1生体情報を測定できるので、タイミング生成装置100が第1生体情報の測定を促すことにより、ユーザは第1生体情報を適切なタイミングで測定しやすくなる。ここで、ユーザは、第1生体情報測定装置200を操作して、第1生体情報を測定したとする(図1の(5))。この場合、第1生体情報測定装置200は、第1生体情報の測定結果をタイミング生成装置100に送信する(図1の(6))。
【0031】
第1生体情報の測定結果を受け取ったタイミング生成装置100は、第1生体情報の測定タイミングを生成する条件に第1生体情報の測定結果をフィードバックする(図1の(7))。これにより、タイミング生成装置100は、ユーザに合わせてより適切な第1生体情報の測定タイミングを生成することができる。このようなタイミング生成装置100について、次に説明する。
【0032】
<タイミング生成装置100の構成例>
図2は、本実施形態に係るタイミング生成装置100の構成例を示す。タイミング生成装置100は、第1生体情報を取得するタイミングを生成する。タイミング生成装置100は、例えば、サーバ等のコンピュータである。タイミング生成装置100は、第1通信部110と、第1記憶部120と、第1制御部130とを備える。
【0033】
第1通信部110は、活動情報測定装置10、第1生体情報測定装置200、及び携帯端末300と通信ネットワーク等を介して通信する。第1通信部110は、インターネット回線、無線LAN、携帯電話網等の通信ネットワークに接続するためのインターフェースである。
【0034】
第1記憶部120は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。また、第1記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置を含んでもよい。第1記憶部120は、例えば、コンピュータがタイミング生成装置100として機能する場合、コンピュータを機能させるOS(Operating System)、及びプログラム等の情報を格納してもよい。また、第1記憶部120は、プログラムの実行時に参照されるデータベースを含む種々の情報を格納してもよい。
【0035】
また、第1記憶部120は、タイミング生成装置100が動作の過程で生成する(又は利用する)中間データ、算出結果、閾値、基準値、及びパラメータ等をそれぞれ記憶してもよい。また、第1記憶部120は、タイミング生成装置100内の各部の要求に応じて、記憶したデータを要求元に供給してもよい。
【0036】
第1記憶部120は、ユーザの第1生体情報の測定の要否を判定するための判定条件を記憶する。判定条件は、活動情報測定装置10が測定するべき活動情報に対応する、所定の歩数、所定の睡眠時間、及び所定の合計摂取カロリのうち少なくとも1つを含む条件である。判定条件は、医師、医療機関等による知見、論文等に基づく条件であることが望ましい。判定条件は、例えば、睡眠中及び安静時の脈拍と生活習慣との関連の研究結果、日常の生活の中で心臓に異常が出やすく心電図の測定を勧める時間帯の臨床データ等に基づいて予め定められた条件である。
【0037】
より具体的には、ユーザの発作が発生した日の前日にユーザが歩いた歩数は、発作が発生していない日の前日に歩いた歩数よりも有意に多く、疲労がリスク因子になると学会で報告されている。これより、判定条件は、例えば、「前日の歩数が7000歩以上」といった条件を含む。また、ユーザの発作が発生した日の前日のユーザの睡眠時間は、発作が発生していない日の前日の睡眠時間よりも有意に短いことが学会で報告されている。これより、判定条件は、「前日の睡眠時間が6時間以下」といった条件を含んでもよい。
【0038】
同様に、心房細動発作が生じている場合、心拍数は安静時の心拍数よりも有意に高いことが学会で報告されていることから、判定条件は、所定の心拍数の値を含んでもよい。このように、第1記憶部120は、臨床研究に基づく1又は複数の条件を判定条件として記憶する。
【0039】
第1制御部130は、タイミング生成装置100の各部を制御する。例えば、第1制御部130は、第1通信部110を介して種々の情報を授受する。第1制御部130は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。第1制御部130は、第1情報取得部131と、判定部132と、通知部133と、条件更新部134と、第1情報制御部135とを有する。言い換えると、CPUは、第1記憶部120に記憶されたプログラムを実行することにより、第1情報取得部131、判定部132、通知部133、条件更新部134、及び第1情報制御部135を有する第1制御部130として機能する。
【0040】
第1情報取得部131は、第1通信部110を介して、ユーザが生活している間に測定した測定タイミングの情報を含むユーザの活動情報を活動情報測定装置10から取得する。第1情報取得部131は、例えば、所定の時間間隔で活動情報測定装置10が測定した活動情報を取得する。これに代えて、又はこれに加えて、第1情報取得部131は、所定の時刻に活動情報を取得してもよい。また、第1情報取得部131は、ユーザが第1生体情報測定装置200を用いて第1生体情報を測定した場合、第1生体情報の測定結果を示す測定結果情報を第1生体情報測定装置200から取得する。
【0041】
判定部132は、ユーザの活動情報が判定条件を満たすか否かを判定する。判定部132は、例えば、第1記憶部120から判定条件を読み出し、活動情報測定装置10が測定した活動情報と対応する判定条件とを比較して、活動情報が判定条件を満たすか否かを判定する。
【0042】
通知部133は、判定部132がユーザの活動情報が判定条件を満たすと判定した場合、ユーザに活動情報の測定タイミングを基準とした第1生体情報の測定タイミングを示す第1メッセージを通知する。通知部133は、第1通信部110を介して、活動情報測定装置10、第1生体情報測定装置200、及び/又は携帯端末300に第1メッセージを送信する。
【0043】
通知部133は、例えば、第1情報取得部131が昨日のユーザの歩数が8000歩といった活動情報の測定結果を活動情報測定装置10から取得し、当該活動情報が「前日の歩数が7000歩以上」といった判定条件を満たすと判定部132が判定した場合、「本日、心電図を測定してください」といった第1メッセージを携帯端末300に通知する。通知部133は、第1生体情報の測定をする時間帯、測定回数等、より好ましい詳細な測定条件を含めた第1メッセージを通知してもよい。
【0044】
以上のタイミング生成装置100によれば、活動情報測定装置10が測定したユーザの活動情報に基づき、第1生体情報の適切な測定タイミングをユーザに把握させることができる。なお、測定タイミングの判定は、臨床研究に基づく判定条件を用いることを説明したが、判定条件は、ユーザの第1生体情報の測定結果に応じて、ユーザに適した条件となるように調節されてもよい。このような動作を、条件更新部134が実行する。
【0045】
例えば、判定条件が1又は複数の条件を含み、判定部132がユーザの活動情報が判定条件のうちの第1条件を満たすと判定し、通知部133が第1メッセージをユーザに通知した後に、ユーザが第1生体情報測定装置200を用いて第1生体情報を測定した場合を考える。ここで、第1情報取得部131は、上述のように、第1生体情報測定装置200から第1生体情報の測定結果を示す測定結果情報を更に取得する。
【0046】
条件更新部134は、第1情報取得部131が取得した測定結果情報が疾患の疑いのある異常を示す場合、より広い範囲の活動情報が第1条件を満たすように第1条件を変更して、第1記憶部120に記憶されている判定条件を更新する。条件更新部134は、例えば、第1条件が「前日の歩数が7000歩以上」であり、心電図の測定結果に心房細動が検出された場合、第1条件を「前日の歩数が6000歩以上」に変更して、第1記憶部120の判定条件を更新する。
【0047】
このように、条件更新部134は、ユーザの生体情報に異常が検出された場合は、ユーザの活動情報がより判定条件を満たしやすいように判定条件を変更する。これにより、ユーザの生体情報の測定を促す機会を増加させて、生体情報の異常の測定漏れを低減させることができる。
【0048】
また、条件更新部134は、測定結果情報が疾患の疑いのない正常を示す場合、より狭い範囲の活動情報が第1条件を満たすように第1条件を変更して、第1記憶部120に記憶されている判定条件を更新してもよい。条件更新部134は、例えば、第1条件が「前日の睡眠時間が6時間以下」であり、心電図の測定結果に異常が検出されなかった場合、第1条件を「前日の睡眠時間が7時間以下」に変更して、第1記憶部120の判定条件を更新する。
【0049】
このように、条件更新部134は、ユーザの生体情報に異常が検出されなかった場合は、ユーザの活動情報がより判定条件を満たしにくいように判定条件を変更する。これにより、ユーザの生体情報の測定を促す機会を減少させて、ユーザが生体情報を測定する負担を軽減させることができる。
【0050】
なお、第1情報取得部131が第1生体情報測定装置200から取得した測定結果情報が、通知部133が通知した測定タイミングとは異なるタイミングで測定した結果を示す場合や、通知した測定回数よりも少ない測定回数の測定結果を示している場合がある。そこで、第1情報制御部135は、第1情報取得部131が取得した測定結果情報が所定の条件を満たした測定結果を示す場合に、測定結果情報を第1記憶部120に記憶させる。第1情報制御部135は、例えば、測定結果情報が第1メッセージに含まれている条件を満たしていない測定結果を示す場合、当該測定結果情報を破棄する。
【0051】
そして、条件更新部134は、第1記憶部120に記憶されている測定結果情報に応じて、第1記憶部120に記憶されている判定条件を更新する。これにより、条件更新部134は、通知部133が通知した測定タイミングで生体情報を測定した場合に、判定条件を更新することができる。言い換えると、条件更新部134は、測定結果情報が通知した条件を満たした測定結果ではない場合には、判定条件の更新に用いる情報としては用いない。これにより、条件更新部134は、適切な測定結果を用いて判定条件を精度よく更新することができる。
【0052】
<第1生体情報測定システムS1の動作フローの一例>
図3は、本実施形態に係る第1生体情報測定システムS1の動作フローの一例を示す。図3の例は、ユーザが活動情報測定装置10と第1生体情報測定装置200とを身につけ、携帯端末300を保持しているものとする。そして、タイミング生成装置100は、第1メッセージを携帯端末300に送信する例を説明する。なお、活動情報測定装置10及び第1生体情報測定装置200は、別個独立の装置であってもよく、これに代えて、1つの装置であってもよい。
【0053】
また、第1生体情報測定システムS1は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報(ユーザID)を用いて、複数の装置間におけるデータのやりとりを管理することが望ましい。この場合、ユーザIDは、活動情報測定装置10、タイミング生成装置100、第1生体情報測定装置200、携帯端末300のうち、少なくとも1つの装置で登録された情報であることが望ましい。ユーザIDは、例えば、携帯端末300に予め登録されているユーザ固有の情報、電話番号、携帯端末300において利用している決済サービスに用いられるユーザID、携帯端末300に固有の情報等である。
【0054】
まず、活動情報測定装置10は、ユーザが生活している間にユーザの活動情報を測定する(S51)。活動情報測定装置10は、所定の測定項目(ユーザが歩いた1日の歩数、起床時刻、就寝時刻、食事毎の摂取カロリ、心拍数等)を所定の測定タイミングで測定し、測定結果と測定タイミングの情報を蓄積する。なお、活動情報測定装置10は、ユーザからの入力に基づく食事毎の摂取カロリを蓄積してもよい。
【0055】
次に、タイミング生成装置100の第1情報取得部131は、活動情報測定装置10の測定結果と測定タイミングの情報を含むユーザの活動情報を取得する(S52)。判定部132は、ユーザの活動情報が判定条件を満たすか否かを判定する(S53)。判定部132は、判定条件が複数の条件を含む場合、条件毎に活動情報が条件を満たすか否かを判定する。判定条件は、例えば、「前日の歩数が7000歩以上」、「前日の睡眠時間が6時間以下」、「安静時の心拍数が1分間に70回以上」等である。
【0056】
判定部132がユーザの活動情報が判定条件のうちの第1条件を満たすと判定した場合(S53:Yes)、通知部133は、第1生体情報の測定タイミングを示す第1メッセージを携帯端末300に通知する(S54)。通知部133は、ユーザの活動情報が判定条件のうち少なくとも1つの条件を満たしたと判定部132が判定した場合に、第1メッセージを通知してよい。通知部133は、第1メッセージを所定の回数だけ繰り返し通知してもよい。この場合、通知部133は、所定の時間間隔で第1メッセージを通知する。
【0057】
通知部133は、例えば、活動情報が第1条件の「前日の歩数が7000歩以上」を満たしたと判定部132が判定した場合に、第1メッセージを通知する。そして、携帯端末300は、例えば、「本日、心電図を測定してください」といった第1メッセージを表示させる。ユーザは、携帯端末300のメッセージを確認することで、生体情報の測定タイミングを把握することができる。ここで、ユーザの操作により、第1生体情報測定装置200が第1生体情報を測定したものとする(S55)。
【0058】
タイミング生成装置100の第1情報取得部131は、第1生体情報測定装置200から第1生体情報の測定結果を示す測定結果情報を取得する(S56)。第1情報制御部135は、測定結果情報が所定の条件を満たした測定結果を示す場合に(S57:Yes)、測定結果情報を第1記憶部120に記憶させる(S58)。第1情報制御部135は、例えば、測定結果情報が第1メッセージを通知した日の測定結果であることを示す場合、測定結果情報を第1記憶部120に記憶させる。
【0059】
条件更新部134は、第1記憶部120に測定結果情報が記憶されていることに応じて、第1記憶部120に記憶されている判定条件のうち、判定部132の直前の判定に用いた第1条件を更新する(S59)。条件更新部134は、測定結果情報が異常を示す場合、より広い範囲の活動情報が第1条件を満たすように第1記憶部120に記憶されている第1条件を更新する。条件更新部134は、例えば、心電図の測定結果に心房細動が検出された場合、第1条件を「前日の歩数が6000歩以上」に変更して、第1記憶部120の判定条件を更新する。
【0060】
なお、第1生体情報測定装置200は、測定結果情報が異常を示す場合、ユーザに医療機関の受診することを促すメッセージを表示部等に表示させてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、タイミング生成装置100の通知部133は、測定結果情報が異常を示す場合、ユーザに医療機関を受診することを促すメッセージを携帯端末300に通知してもよい。このように、第1生体情報測定システムS1は、疾患の発見、疾患の再発、疾患の悪化等の診断結果を速やかに把握するために、医療機関の受診をユーザに促すこともできる。
【0061】
また、条件更新部134は、測定結果情報が正常を示す場合、より狭い範囲の活動情報が第1条件を満たすように第1記憶部120に記憶されている第1条件を更新する。条件更新部134は、例えば、心電図の測定結果に異常が検出されなかった場合、第1条件を「前日の歩数が8000歩以上」に変更して、第1記憶部120の判定条件を更新する。なお、条件更新部134は、第1条件が予め定められた上限値から下限値の範囲であれば、このような更新を繰り返してよく、第1条件が上限値から下限値の範囲を超える場合は更新をしなくてもよい。
【0062】
以上の第1生体情報測定システムS1は、ユーザ等によって処理の停止が入力された場合、メンテナンス又は異常動作等によって動作を停止する場合等は(S60:Yes)、動作を終了させる。第1生体情報測定システムS1は、動作を終了させずに処理を継続する場合は(S60:No)、S51に戻り、動作を終了させるまでS51からS60の処理を繰り返す。なお、第1生体情報測定システムS1は、判定部132がユーザの活動情報が判定条件を満たさないと判定した場合(S53:No)、測定結果情報が所定の条件を満たさなかった測定結果を示す場合(S57:No)も、S60に移動して、処理を継続させるか、動作を終了させる。
【0063】
以上の本実実施形態に係る第1生体情報測定システムS1によれば、ユーザの生活において負担なく測定できる活動情報に基づき、疾患に関わるような予兆を把握するための生体情報の適切な測定タイミングをユーザに通知することができる。また、第1生体情報測定システムS1は、ユーザの生体情報の測定結果に基づき、測定タイミングを生成するための条件を更新して、測定タイミングを精度よく生成することができる。これにより、第1生体情報測定システムS1は、ユーザの疾患を発見しやすくすることができる。
【0064】
以上の本実実施形態に係る第1生体情報測定システムS1において、タイミング生成装置100の条件更新部134が、活動情報の判定条件を更新する例を説明した。この場合、通知部133は、条件更新部134の更新結果に対応して、通知内容を変更してもよい。例えば、通知部133は、条件更新部134がより広い範囲の活動情報が条件を満たすように判定条件を更新した後に、判定部132がユーザの活動情報が判定条件を満たすと判定した場合、第1メッセージをユーザに通知する回数を前回の通知回数から増加させる。
【0065】
ユーザの活動情報が過去に判定条件を満たしている場合、更に活動情報が判定条件を満たしたことに応じて、疾患の予兆が検出される可能性が高い。そこで、通知部133は、通知の回数を増加させることで、ユーザが生体情報をより確実に測定するように促すことができる。また、通知部133は、生体情報の測定をより強く促すように第1メッセージを変更してもよい。通知部133は、例えば、複数回の測定を勧めるメッセージ、医師への相談を勧めるメッセージ等を第1メッセージに含める。
【0066】
ここで、通知部133は、前回の第1メッセージの文言に比べてより強い指示の文言に変更した第1メッセージを通知してもよい。通知部133は、例えば、前回の第1メッセージが「8時に測定してください。」といった文言を含む場合、当該文言を「必ず8時に測定してください。」と変更して今回の第1メッセージとする。タイミング生成装置100は、このような強い指示を第1メッセージとすることにより、ユーザが生体情報を測定することを強く促して、ユーザに自覚症状がなく異常が発生しても第1生体情報を測定して異常の発生を検出できるようにする。これにより、タイミング生成装置100は、ユーザの異常の検出率の向上を図ることができる。
【0067】
また、通知部133は、過去に第1メッセージを通知した時刻と、第1生体情報測定装置200が第1生体情報を測定したタイミングとに基づき、第1メッセージの内容を変更してもよい。この場合、例えば、図3のS54において、第1情報制御部135は、通知部133が第1メッセージをユーザに通知した通知時刻の情報を、第1記憶部120に記憶させる。ここで、第1情報制御部135は、ユーザIDに関連付けて通知時刻の情報を記憶させることが望ましい。
【0068】
これにより、通知部133は、S54において、同一のユーザに対して第1メッセージを過去に通知しているか否かを把握することができる。そして、通知部133は、過去に第1メッセージを通知しているユーザに対して第1メッセージを通知する場合、過去の第1メッセージの通知時刻と活動情報を測定した測定タイミングとの時間差に基づくタイミングで第1メッセージを通知してもよい。
【0069】
通知部133は、例えば、当該時間差が閾値よりも大きい場合、より早いタイミングで第1メッセージを通知する。これにより、タイミング生成装置100は、第1生体情報を測定するタイミングをより早くするように促すメッセージをユーザに通知できる。
【0070】
これに代えて、又はこれに加えて、通知部133は、過去の第1メッセージの通知時刻と活動情報を測定した測定タイミングとの時間差に基づく情報を含めて、第1メッセージを通知してもよい。通知部133は、例えば、当該時間差が2時間の場合、「今から2時間以内に心電図を測定してください」という第1メッセージを通知する。これにより、タイミング生成装置100は、第1生体情報のより詳細な測定タイミングを生成してユーザに通知できる。
【0071】
また、以上の条件更新部134は、ユーザから判定条件を更新することを確認してから判定条件を更新してもよい。この場合、例えば、図3のS54において、通知部133は、第1メッセージに加えて、活動情報が条件を満たした判定条件をユーザに通知する。一例として、通知部133は、「前日の歩数が7000歩以上でした。本日、心電図を測定してください。」といったメッセージを通知する。
【0072】
そして、通知部133は、ユーザが第1生体情報を測定した場合、条件更新部134が判定条件を更新する前に、判定条件を更新させるか否かを示す第2メッセージをユーザに通知する。通知部133は、第1メッセージを送信した送信先に、第2メッセージを送信することが望ましい。一例として、図3のS56とS57の間において、通知部133は、「前日の歩数が7000歩以上という判定条件を、前日の歩数が6000歩以上という判定条件に更新しますか?」といったメッセージを携帯端末300に通知する。
【0073】
次に、第1情報取得部131は、ユーザから判定条件を更新させるか否かを示す入力情報を更に取得する。ここで、第2メッセージを表示したデバイス(例えば、活動情報測定装置10、第1生体情報測定装置200、又は携帯端末300)は、ユーザからの入力を受け付け可能な構成を有するものとする。そして、入力情報が判定条件を更新させることを示す場合に、タイミング生成装置100はS57からの動作を実行させ、条件更新部134は、判定条件を更新する。
【0074】
これにより、ユーザは、判定条件を更新させるか否かをタイミング生成装置100に指示することができる。例えば、ユーザが第1生体情報を測定しても、安静時ではなかったり、第1生体情報測定装置200の操作が正しくなかったりして、正確な測定結果をタイミング生成装置100が取得していない場合がある。この場合において、ユーザは、判定条件を更新させないことを選択して指示できるので、タイミング生成装置100は不正確な測定結果情報を用いずに、精度よく判定条件を更新することができる。
【0075】
なお、以上の条件更新部134は、ユーザが疾患に罹患している場合、設定に応じた更新動作を実行してもよい。この場合、例えば、第1記憶部120は、ユーザが疾患の診断結果を示す疾患記録情報をさらに記憶する。そして、一例として、図3のS58の後に、条件更新部134は、疾患記録情報に基づいて、判定条件を更新するか否かを判定する。
【0076】
条件更新部134は、例えば、ユーザが疾患に罹患していることを疾患記録情報が示す場合、判定条件を更新しない。例えば、ユーザが疾患に罹患しており、判定条件を固定して経過を観察したい場合、判定条件を変更してもあまり意味がない場合等がある。そこで、条件更新部134は、ユーザが疾患を有する場合は判定条件を更新しないように設定可能な構成を有する。ここで、条件更新部134の設定値は、第1記憶部120に記憶されていてもよい。
【0077】
また、条件更新部134は、ユーザが疾患に罹患していることを疾患記録情報が示す場合、判定条件を更新してもよい。例えば、ユーザが疾患に罹患しており、判定条件を微調整して判定条件を最適化したい場合もある。そこで、条件更新部134は、ユーザが疾患を有する場合は判定条件を更新するように設定可能な構成を有し、設定値は第1記憶部120に記憶されていてもよい。以上により、タイミング生成装置100は、疾患を有するユーザに対して、目的に応じた適切な判定条件を用いることができる。
【0078】
ここで、ユーザの疾患の診断結果を示す疾患記録情報は、ユーザからの入力によって第1記憶部120が記憶してもよく、これに代えて、診療機関等から取得してもよい。この場合、診療機関等が管理するサーバとタイミング生成装置100の第1通信部110とが通信可能であり、第1情報取得部131は、ユーザが疾患の診療を申し込んだか否かを示す診療状況情報と、診療機関におけるユーザの疾患の診断結果を示す疾患記録情報とを取得することが望ましい。
【0079】
そして、第1情報制御部135は、活動情報、判定部132の判定結果、測定結果情報、診療状況情報、及び疾患記録情報をユーザIDに関連付けて第1記憶部120に記憶させることが更に望ましい。これにより、タイミング生成装置100は、ユーザの健康状態を示す情報から疾患に関わる情報までを管理することができる。そして、第1情報制御部135は、ユーザIDと共に情報の要求を内部又は外部から受け取った場合、対応するユーザの情報を要求元に供給してもよい。
【0080】
例えば、条件更新部134は、ユーザIDに対応する疾患記録情報を第1記憶部120から読み出し、ユーザの疾患記録情報に基づいて、判定条件を更新するか否かを判定する。このように、タイミング生成装置100は、ユーザIDに基づくデータベースとして機能することもできる。
【0081】
以上の本実施形態に係る第1生体情報測定システムS1において、タイミング生成装置100がユーザの活動情報に基づき、ユーザの第1生体情報を測定する測定タイミングを生成する例を説明したが、これに限定されることはない。タイミング生成装置100は、第1生体情報とは異なる第2生体情報に基づき、第1生体情報を測定する測定タイミングを生成してもよい。
【0082】
例えば、活動情報測定装置10は、ユーザの心拍数、血圧、体重、脳波、及び体温のうち少なくとも1つを含む第2生体情報を測定可能に構成されている。また、ユーザは、第2生体情報を測定可能なウェアラブルデバイス等を更に装着していてもよい。第1情報取得部131は、このような活動情報測定装置10、ウェアラブルデバイス等から第2生体情報を更に取得する。
【0083】
この場合、第1記憶部120は、第2生体情報に対応する、所定の心拍数、所定の血圧、脳波の所定の波形範囲、及び所定の体温のうち少なくとも1つを含む判定条件を記憶する。そして、判定部132は、ユーザの活動情報及び第2生体情報が判定条件を満たすか否かを判定する。
【0084】
この場合、条件更新部134は、第2生体情報の判定条件も、活動情報の判定条件と同様に更新してもよい。以上のタイミング生成装置100は、活動情報及び第2生体情報を用いることにより、より正確に第1生体情報を測定する測定タイミングを生成することができる。
【0085】
以上の本実施形態において、タイミング生成装置100が用いた判定条件は、臨床データ等に基づいて予め定められた条件である例を説明したが、これに限定されることはない。判定条件は、ユーザの活動情報及び生体情報の測定結果に基づいて生成可能であることが望ましい。そこで、判定条件を生成する装置、システムについて次に説明する。
【0086】
<条件生成システムTの構成例>
図4は、本実施形態に係る条件生成システムTの構成例を示す。条件生成システムTは、タイミング生成装置100が用いる判定条件を生成する。条件生成システムTは、活動情報測定装置10と、第1生体情報測定装置200と、条件生成装置400とを備える。
【0087】
活動情報測定装置10は、ユーザに装着され、ユーザが生活している間にユーザの活動情報を測定する(図4の(1))。また、活動情報測定装置10は、第1生体情報とは異なる第2生体情報を測定する(図4の(2))。第1生体情報測定装置200は、ユーザに装着され、ユーザの疾患を発見するための参考情報である第1生体情報を測定する(図4の(3))。
【0088】
活動情報測定装置10及び第1生体情報測定装置200については既に説明したので、ここでは重複する説明を省略する。なお、本実施形態において、第1生体情報測定装置200を第1ウェアラブルデバイスと呼ぶことがあり、活動情報又は第2生体情報を測定する装置を第2ウェアラブルデバイスと呼ぶことがある。
【0089】
例えば、図4において、ユーザは、第1ウェアラブルデバイス及び第2ウェアラブルデバイスとして機能する1つのウェアラブルデバイスを装着している例を示す。これに代えて、ユーザは、第1ウェアラブルデバイスと第1ウェアラブルデバイスとは異なる第2ウェアラブルデバイスとを装着していてもよい。
【0090】
条件生成装置400は、活動情報又は第2生体情報と、第1生体情報の測定結果に基づいて判定された疾患の疑いの有無を示す測定結果情報とを取得する(図4の(4))。ここで、活動情報、第2生体情報、及び測定結果情報は、それぞれ測定時刻の情報をそれぞれ含むものとする。そして、条件生成装置400は、ユーザの疾患を発見するための参考情報である第1生体情報の測定を推奨するか否かの判定に用いる判定条件を生成する(図4の(5))。条件生成装置400については後述する。
【0091】
条件生成装置400は、例えば、生成した判定条件をタイミング生成装置100に供給する(図4の(6))。また、条件生成装置400は、生成した判定条件をデータベース等に格納してもよい。これにより、タイミング生成装置100は、条件生成システムTが生成した判定条件を用いて、上述のように、ユーザの第1生体情報の測定タイミングを生成することができる。
【0092】
ここで、条件生成システムTとタイミング生成装置100とを備える構成を第2生体情報測定システムS2としてもよい。このような第2生体情報測定システムS2は、ユーザの活動情報及び/又は生体情報に基づいて判定条件を生成し、また、更新可能な構成となる。
【0093】
以上の条件生成システムTにおいて、条件生成装置400は、活動情報測定装置10から活動情報又は第2生体情報を取得し、第1生体情報測定装置200から測定結果情報を取得する例を説明したが、これに限定されることはない。条件生成装置400は、ネットワーク等に接続されているデータベース等から、活動情報又は第2生体情報と測定結果情報とを取得してもよい。また、条件生成装置400は、タイミング生成装置100がデータベースとして機能している場合、タイミング生成装置100から活動情報又は第2生体情報と測定結果情報とを取得してもよい。
【0094】
これに代えて、条件生成装置400は、一部の情報をデータベースから取得してもよい。例えば、条件生成装置400は、第1生体情報をウェアラブルデバイスから取得して、活動情報又は第2生体情報をデータベースから取得する。また、条件生成装置400は、第1生体情報をデータベースから取得して、活動情報又は第2生体情報をウェアラブルデバイスから取得してもよい。なお、データベースの情報は、過去にユーザが装着したウェアラブルデバイスが測定した結果を示す情報であってもよく、これに代えて、シミュレーション等によって算出された情報であってもよい。以上のような条件生成装置400について、次に説明する。
【0095】
<条件生成装置400の構成例>
図5は、本実施形態に係る条件生成装置400の構成例を示す。条件生成装置400は、タイミング生成装置100が用いる判定条件を生成する。条件生成装置400は、例えば、ユーザの活動情報及び第1生体情報に基づき、活動情報に対応する第1判定条件を生成する。
【0096】
第1判定条件は、活動情報測定装置10が測定するべき活動情報に対応する、所定の歩数、所定の睡眠時間、及び所定の合計摂取カロリのうち少なくとも1つを含む条件である。この場合、タイミング生成装置100は、上述のように、ユーザの活動情報が第1判定条件を満たす場合に、ユーザに第1メッセージを通知する。
【0097】
また、条件生成装置400は、ユーザの第2生体情報及び第1生体情報に基づき、第2生体情報に対応する第2判定条件を生成する。第2判定条件は、第2生体情報に対応する、所定の心拍数、所定の血圧、脳波の所定の波形範囲、及び所定の体温のうち少なくとも1つを含む条件である。この場合、タイミング生成装置100は、上述のように、ユーザの第2生体情報が第2判定条件を満たす場合に、ユーザに第1メッセージを通知する。
【0098】
条件生成装置400は、例えば、サーバ等のコンピュータである。条件生成装置400は、タイミング生成装置100とは別個のコンピュータであってもよく、これに代えて、同一のコンピュータであってもよい。条件生成装置400は、第2通信部410と、第2記憶部420と、第2制御部430とを備える。
【0099】
第2通信部410は、活動情報測定装置10、第1生体情報測定装置200、携帯端末300、及びタイミング生成装置100と通信ネットワーク等を介して通信する。第2通信部410は、インターネット回線、無線LAN、携帯電話網等の通信ネットワークに接続するためのインターフェースである。
【0100】
第2記憶部420は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。また、第2記憶部420は、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置を含んでもよい。第2記憶部420は、例えば、コンピュータが条件生成装置400として機能する場合、コンピュータを機能させるOS(Operating System)、及びプログラム等の情報を格納してもよい。また、第2記憶部420は、プログラムの実行時に参照されるデータベースを含む種々の情報を格納してもよい。
【0101】
また、第2記憶部420は、条件生成装置400が動作の過程で生成する(又は利用する)中間データ、算出結果、閾値、基準値、及びパラメータ等をそれぞれ記憶してもよい。第2記憶部420は、条件生成装置400内の各部の要求に応じて、記憶したデータを要求元に供給してもよい。第2記憶部420は、条件生成装置400がウェアラブルデバイス、外部のデータベース、装置等から取得した情報を記憶する。
【0102】
第2制御部430は、条件生成装置400の各部を制御する。例えば、第2制御部430は、第2通信部410を介して種々の情報を授受する。第2制御部430は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。第2制御部430は、第2情報取得部431と、第2情報制御部432と、相関特定部433と、判定条件特定部434とを有する。言い換えると、CPUは、第2記憶部420に記憶されたプログラムを実行することにより、第2情報取得部431、第2情報制御部432、相関特定部433、及び判定条件特定部434を有する第2制御部430として機能する。
【0103】
第2情報取得部431は、ユーザが生活している間に測定したユーザの活動情報又は第2生体情報と、第1生体情報の測定結果に基づいて判定された疾患の疑いの有無を示す測定結果情報とを取得する。第2情報取得部431は、活動情報又は第2生体情報と測定結果情報とを第2通信部410を介してウェアラブルデバイス又はデータベースから取得する。
【0104】
第2情報取得部431は、例えば、条件生成装置400が第1判定条件を生成する場合、ユーザの活動情報と測定結果情報とを取得する。この場合、第2ウェアラブルデバイスは、ユーザの第2生体情報を測定しなくてもよい。第2情報取得部431は、条件生成装置400が第2判定条件を生成する場合、ユーザの第2生体情報と測定結果情報とを取得する。この場合、第2ウェアラブルデバイスは、ユーザの活動情報を測定しなくてもよい。また、第2情報取得部431は、条件生成装置400が第1判定条件及び第2判定条件の両方を生成する場合、ユーザの活動情報、第2生体情報、及び測定結果情報を取得する。
【0105】
第2情報制御部432は、第1生体情報の測定時刻から所定の時間まで遡った時刻から、第1生体情報の測定時刻までの間に測定された活動情報又は第2生体情報と、測定結果情報とを関連付けて第2記憶部420に記憶させる。第2情報制御部432は、活動情報及び/又は第2生体情報と、測定結果情報とをユーザIDに関連付けて第2記憶部420に記憶させることが望ましい。
【0106】
相関特定部433は、活動情報又は第2生体情報と測定結果情報との相関の大きさを特定する。相関特定部433は、例えば、条件生成装置400が第1判定条件を生成する場合、ユーザの活動情報と測定結果情報との相関の大きさを特定する。また、相関特定部433は、条件生成装置400が第2判定条件を生成する場合、ユーザの第2生体情報と測定結果情報との相関の大きさを特定する。
【0107】
判定条件特定部434は、特定された相関の大きさに基づき、活動情報又は第2生体情報の判定条件を特定する。判定条件特定部434は、例えば、「前日の歩数が7000歩以上」、「前日の睡眠時間が6時間以下」、「安静時の心拍数が1分間に70回以上」等といった第1判定条件を特定する。以上の条件生成装置400を備える条件生成システムTの動作について次に説明する。
【0108】
<条件生成システムTの動作フローの一例>
図6は、本実施形態に係る条件生成システムTの動作フローの一例を示す。図6の例は、ユーザが第1ウェアラブルデバイスと第2ウェアラブルデバイスとを身につけているものとする。第1ウェアラブルデバイスは第1生体情報を測定可能な構成を有し、第2ウェアラブルデバイスは活動情報及び第2生体情報を測定可能な構成を有する。また、図6は、条件生成装置400が活動情報に対応する第1判定条件を生成する例を説明する。
【0109】
まず、第2ウェアラブルデバイスは、ユーザが生活している間にユーザの活動情報を測定する(S71)。第2ウェアラブルデバイスは、例えば、ユーザが1日に歩いた歩数を測定する。また、第1ウェアラブルデバイスは、ユーザの第1生体情報を測定する(S72)。第1ウェアラブルデバイスは、例えば、ユーザの心電図を測定し、心電図の測定結果情報を出力する。
【0110】
次に、第2情報取得部431は、第1ウェアラブルデバイスから測定結果情報を取得し、第2ウェアラブルデバイスから活動情報を取得する(S73)。第2情報取得部431は、異なる時刻に測定した測定結果情報及び活動情報をより多く取得することが望ましい。これにより、条件生成装置400は、統計的により確からしい判定条件を生成することができる。
【0111】
そこで、条件生成システムTは、S71からS73の動作を繰り返してもよい。また、第2情報取得部431は、第1ウェアラブルデバイス及び第2ウェアラブルデバイスがそれぞれ所定の期間に継続して測定して蓄積した測定結果をまとめて取得してもよい。
【0112】
次に、第2情報制御部432は、取得した測定結果情報及び活動情報を第2記憶部420に記憶させる(S74)。次に、相関特定部433は、活動情報と測定結果情報との相関の大きさを特定する(S75)。相関特定部433は、例えば、ユーザの1日に歩いた歩数と、次の日の心電図に現れた異常の有無との相関係数を算出する。
【0113】
相関特定部433は、例えば、測定結果情報が疾患の疑いのある異常を示す場合、活動情報と測定結果情報との相関の大きさとして正の相関を示す値を特定する。また、相関特定部433は、測定結果情報が疾患の疑いのない正常を示す場合、活動情報と測定結果情報との相関の大きさとして負の相関を示す値を特定する。
【0114】
次に、判定条件特定部434は、相関特定部433が特定した相関の大きさに基づき、活動情報の判定条件である第1判定条件を特定する(S76)。判定条件特定部434は、例えば、相関の大きさが閾値を超えた場合、当該相関の大きさに対応する活動情報の測定値を第1判定条件に用いる。判定条件特定部434は、一例として、ユーザの1日に歩いた歩数が7500歩以上で相関係数が閾値を超えた場合、「前日の歩数が7500歩以上」といった第1判定条件を特定する。
【0115】
次に、第2情報制御部432は、判定条件特定部434が特定した判定条件をタイミング生成装置100に送信する(S77)。第2情報制御部432は、判定条件特定部434が特定した判定条件を第2記憶部420又は外部のデータベース等に記憶させてもよい。以上により、条件生成システムTは、ユーザの活動情報に対応する第1判定条件をユーザの活動情報及び測定結果情報に基づいて生成することができる。なお、条件生成システムTは、ユーザの第2生体情報を取得することにより、ユーザの第2生体情報に対応する第2判定条件をユーザの第2生体情報及び測定結果情報に基づいて生成することもできる。
【0116】
以上の条件生成システムTによれば、所定の期間に測定されたユーザの活動情報/又は第2生体情報に基づいて判定条件を生成するので、ユーザの状況に対応してより適した判定条件を生成することができる。これにより、タイミング生成装置100は、ユーザの第1生体情報の測定タイミングをより適切に生成することができる。また、タイミング生成装置100が判定条件を更新する場合、より適切な判定条件に収束する速度を速めることができる。
【0117】
以上の本実施形態に係る条件生成システムTにおいて、条件生成装置400がユーザの活動情報又は第2生体情報と測定結果情報との相関に基づいて判定条件を生成する例を説明したが、これに限定されることはない。条件生成装置400は、更に、活動情報又は第2生体情報の測定時間と測定結果情報との相関に基づいて判定条件を生成してもよい。
【0118】
この場合、相関特定部433は、例えば、S75において、活動情報のうち所定の活動情報の測定時刻から第1生体情報の測定時刻までの経過時間と測定結果情報との相関の大きさを更に特定する。相関特定部433は、一例として、ユーザの歩数を計数した日の24:00から第1生体情報の測定時刻までの経過時間と測定結果情報との相関係数を算出する。
【0119】
そして、判定条件特定部434は、S76において、特定された相関の大きさに基づき、経過時間の判定条件を特定する。判定条件特定部434は、例えば、相関の大きさが閾値を超えた時刻又は時間帯に対応して、判定条件を特定する。判定条件特定部434は、一例として、経過時間が7時間から11時間の間で相関の大きさが閾値を超えた場合、「前日の歩数が7500歩以上で現在時刻が午前7時から午前11時まで」といった第1判定条件を特定する。
【0120】
このように、条件生成装置400は、より異常が検出されやすい条件を生成することができる。また、タイミング生成装置100は、このような第1判定条件を用いた結果として第1生体情報の測定タイミングを示す第1メッセージを通知する場合、例えば、「本日の午前11時までに心電図を測定してください」といった測定時刻を指定するメッセージを通知できる。
【0121】
また、条件生成装置400は、ユーザの疾患に関連する情報、活動情報又は第2生体情報の測定環境に関連する情報を用いて、相関の大きさ又は判定条件を補正してもよい。この場合、第2情報取得部431は、例えば、S73において、活動情報を測定したときの気温、湿度、測定に用いたデバイス、及び測定に用いたアプリケーションの情報のうち少なくとも1つを含む測定環境情報と、ユーザの疾患の種類、性別、年齢、持病のうち少なくとも1つを含むユーザ情報とを取得する。
【0122】
第2情報取得部431は、ユーザから入力された測定環境情報を取得してもよく、これに代えて、第2ウェアラブルデバイスから測定環境情報を取得してもよい。また、第2情報取得部431は、ユーザから入力されたユーザ情報を取得してもよく、これに代えて、診療機関等からユーザ情報を取得してもよい。この場合、診療機関等が管理するサーバと条件生成装置400の第2通信部410とが通信可能であることが望ましい。
【0123】
そして、第2情報制御部432は、S74において、測定結果情報と測定環境情報とユーザ情報とを関連付けて第2記憶部420に記憶させる。第2情報制御部432は、測定結果情報と測定環境情報とユーザ情報とをユーザIDに関連付けて第2記憶部420に記憶させることが望ましい。
【0124】
そして、判定条件特定部434は、S76において、特定した活動情報の判定条件を、測定環境情報とユーザ情報とに含まれている情報のうち少なくとも1つの情報に基づいて補正する。判定条件特定部434は、例えば、測定環境情報が誤差の大きくなる測定環境を示す場合、誤差の余裕を追加するように判定条件を補正する。これに代えて、又はこれに加えて、相関特定部433は、S75において、相関の大きさを補正してもよい。
【0125】
判定条件特定部434は、一例として、第2ウェアラブルデバイスが簡易的な歩数計の機能を有し、誤差が大きい場合、「前日の歩数が7500歩以上」といった第1判定条件を「前日の歩数が7700歩以上」といった条件に補正する。判定条件特定部434は、このように補正した条件を、判定条件として特定する。これにより、条件生成装置400は、よりユーザの測定環境及びユーザ自身の状況に対応する判定条件を生成することができる。
【0126】
以上の条件生成装置400は、ユーザの疾患の診断に関連する情報を取得してもよい。この場合、第2情報取得部431は、例えば、ユーザが疾患の診療を申し込んだか否かを示す診療状況情報と、診療機関におけるユーザの疾患の診断結果を示す疾患記録情報とを取得する。第2情報取得部431は、ユーザから入力された診察状況情報と疾患記録情報とを取得してもよく、これに代えて、診療機関等から診察状況情報及び診断結果情報を取得してもよい。
【0127】
そして、第2情報制御部432は、活動情報又は第2生体情報と、測定結果情報と、診療状況情報と、疾患記録情報とをユーザIDに関連付けて第2記憶部420に記憶させることが更に望ましい。これにより、条件生成装置400は、ユーザの健康状態を示す情報、ユーザに合わせた判定条件、疾患に関わる情報を総合的に管理することができる。そして、第2情報制御部432は、ユーザIDと共に情報の要求を内部又は外部から受け取った場合、対応するユーザの情報を要求元に供給してもよい。これにより、条件生成装置400は、ユーザIDに基づくデータベースとして機能することもできる。
【0128】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0129】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0130】
10 活動情報測定装置
100 タイミング生成装置
110 第1通信部
120 第1記憶部
130 第1制御部
131 第1情報取得部
132 判定部
133 通知部
134 条件更新部
135 第1情報制御部
200 第1生体情報測定装置
300 携帯端末
400 条件生成装置
410 第2通信部
420 第2記憶部
430 第2制御部
431 第2情報取得部
432 第2情報制御部
433 相関特定部
434 判定条件特定部
【要約】
【課題】ユーザの生体情報を測定するタイミングか否かを判定するための判定条件を容易に生成して、ユーザの疾患を発見しやすくする。
【解決手段】測定されたユーザの活動情報又は第2生体情報と、ユーザの第1生体情報の測定結果に基づいて判定された異常の有無を示す測定結果情報とを取得する情報取得部と、活動情報若しくは第2生体情報と測定結果情報との第1相関、又は、活動情報の測定時刻若しくは第2生体情報の測定時刻と測定結果情報との第2相関を特定する相関特定部と、特定された相関に基づき、活動情報又は第2生体情報の判定条件を特定する判定条件特定部とを備える、条件生成装置。
【選択図】図5

図1
図2
図3
図4
図5
図6