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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/58 20060101AFI20231026BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20231026BHJP
   B65B 61/18 20060101ALN20231026BHJP
【FI】
B65D75/58
B65D33/00 C
B65B61/18
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018244771
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020104879
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000111487
【氏名又は名称】ハウス食品グループ本社株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】中島 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】門田 恭明
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特許第5992505(JP,B2)
【文献】登録実用新案第3113476(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0150371(US,A1)
【文献】特開平10-203567(JP,A)
【文献】特開平07-285562(JP,A)
【文献】特開2015-168452(JP,A)
【文献】特開2012-210946(JP,A)
【文献】特開2010-241484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/58
B65D 33/00-33/38
B65B 61/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有する包装袋であって、
前記包装袋の上縁を封止する段付きシール部であって、包装袋の一側縁から他側縁方向に延びる幅広部と、該幅広部の他側縁側に接続され下縁が前記幅広部の下縁より上方側に位置する幅狭部とを有する段付きシール部と、
前記幅広部の前縁と、前記幅狭部の下縁と、前記幅広部の前縁に対向する前記包装袋の他側縁とによって規定され、前記包装袋の内部空間と連通する取出し通路と、
前記包装袋の一側縁から前記取出し通路に向けて前記幅広部を前記包装袋の他側縁に向かって横方向に延び前記幅広部内で終端する弱化線であって、 該弱化線は点線状に直線的に配列された複数の切断線を含む弱化線と、
前記弱化線の終端と前記取出し通路との間に設けられ、上方に向かって開口する略U字状を有し1本の切込みからなるU字切断線と、を備えている、
ことを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記U字切断線と前記取出し通路との間に設けられた誘導切断線を備えている、
請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記U字切断線の一端が、前記弱化線の先端部に隣接している、
請求項1または2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記U字切断線の他端が、前記誘導切断線の一端に隣接している、
請求項2に記載の包装袋。
【請求項5】
前記U字切断線の一端が、前記弱化線の先端部より上方に位置している、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の包装袋。
【請求項6】
前記U字切断線の一端が、前記弱化線の先端部と略同一の高さ位置に位置している、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の包装袋。
【請求項7】
段付きシール部の幅広部の前縁と下縁との接続部分が湾曲形状を有している、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関し、詳細には、開封するための弱化線が形成されている包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
七味唐辛子、乾燥ハーブ等の粉粒状香辛料、フレーバーシュガー、旨味成分入り食塩等の調味料、トマトケチャップ等のソースなどを消費者に提供するために種々の包装袋が提案されている。
【0003】
この種の包装袋には、刃物等を使用することなく適切に開封できることが求められている。このような要請に応じるべく、上端のシール部分に弱化線が形成された包装袋が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-137931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、環境意識の高まりから、容器に収容された内容物、例えば七味唐辛子等の調味料を使い果たすと、詰め替え用の内容物(調味料等)を購入し、空になった容器に補充して使用するという使用態様が増加しつつある。詰め替え用の内容物は、包装袋に収容され販売等されているため、上記の使用態様では、詰め替え用の内容物を包装袋から容器に移す作業が必要となる。
【0006】
一方、調味料等の内容物を収容する容器の口は、狭い(小径の)ものが多いため、詰め替え用の内容物を容器に移す作業では、容器の狭い口から、詰め替え用の内容物を容器内に充填していくことになる。
【0007】
このため、詰め替え用の内容物を容器に移す際に、時間を要する、内容物を容器に上手く移せずこぼしてしまう等の問題が生じていた。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、刃物を使用することなく開封を的確に行うことのでき、さらに、口の狭い容器に内容物を移し替える作業を迅速且つ確実に行うことができる包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、
内部空間を有する包装袋であって、
前記包装袋の上縁を封止する段付きシール部であって、包装袋の一側縁から他側縁方向に延びる幅広部と、該幅広部の他側縁側に接続され下縁が前記幅広部の下縁より上方側に位置する幅狭部とを有する段付きシール部と、
前記幅広部の前縁と、前記幅狭部の下縁と、前記幅広部の前縁に対向する前記包装袋の他側縁とによって規定され、前記包装袋の内部空間と連通する取出し通路と、
前記包装袋の一側縁から前記取出し通路に向けて前記幅広部を前記包装袋の他側縁に向かって横方向に延び前記幅広部内で終端する弱化線であって、 該弱化線は点線状に直線的に配列された複数の切断線を含む弱化線と、
前記弱化線の終端と前記取出し通路との間に設けられ、上方に向かって開口する略U字状を有するU字切断線と、を備えている、
ことを特徴とする包装袋が提供される。
【0010】
このような構成では、包装袋を開封する際には、使用者は、包装袋の一側縁から取出し通路に向けて延びる弱化線の上の部分(上方部)と下の部分(本体部)とを左右の手でそれぞれ把持し、弱化線に沿って、上方部を本体部から引き離すことにより、包装袋の上方部を、本体部から順次、切り離し、包装袋の本体部の上端に切断部を形成していく。
【0011】
弱化線の終端と取出し通路の間には略U字状を有するU字切断線が設けられているので、切断部は、U字切断線において略U字状に湾曲したU字切断部分を形成した後、幅広部の他端に達する。
【0012】
さらに、使用者が包装袋の上方部の引き離しを継続することにより、切断部は、取出し通路を横断して包装袋の他端に達し、上方部が本体部から完全に分離される。このとき、取出し通路の上端は、開口となり、この開口を通して包装袋の内容物を包装袋の外に放出あるいは流出させることが可能となる。
【0013】
上述したように、切断部は、略U字状のU字切断部分を備えているので、包装袋の上端に形成された切断部には、取出し通路の開口の近傍位置にU字状の凹所が形成されることになる。
【0014】
このような包装袋では、開封後、包装袋の内容物を瓶等に移す際には、取出し通路の開口が瓶の狭い口に挿入される。このとき、取出し通路の開口の近傍位置に形成されたU字状の凹所に瓶の口の上縁を差し込むことにより、取出し通路を瓶の口に対して確実に固定し、包装袋の内容物を迅速かつ確実に瓶等の容器に移すことができる。
【0015】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記U字切断線と前記取出し通路との間に設けられた誘導切断線を備えている。
【0016】
このような構成によれば、切断部は、U字切断線を通過した後、誘導切断線に導かれるので、誘導切断線によって、切断部がU字切断線を通過後に進む方向を、取り出し通路をその全幅にわたって横断し包装袋の他側縁に至る方向に、より確実に誘導することができる。
【0017】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記U字切断線の一端が、前記弱化線の先端部に隣接している。
【0018】
このような構成によれば、切断部は、弱化線の終端を通過した後、より確実にU字切断線に導かれる。
【0019】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記U字切断線の他端が、前記誘導切断線の一端に隣接している。
【0020】
このような構成によれば、切断部は、U字切断線を通過した後、より確実に誘導切断線に導かれる。
【0021】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記U字切断線の一端が、前記弱化線の先端部より上方に位置している。
【0022】
このような構成によれば、切断部は、弱化線の終端を通過した後、より確実にU字切断線に導かれる。
【0023】
本発明の他の好ましい態様によれば、
前記U字切断線の一端が、前記弱化線の先端部と略同一の高さ位置に位置している。
【0024】
本発明の他の好ましい態様によれば、
段付きシール部の幅広部の前縁と下縁との接続部分が湾曲形状を有している。
【0025】
このような構成によれば、段付きシール部の幅広部と幅狭部との接続部分は、取出し通路の入口部を規定する部分であるので、この接続部分が湾曲していることにより、包装袋の内容物を取出し通路から流出させる際に、この接続部分で内容物の流れが滞ることが抑制され、円滑な流出が可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、刃物を使用することなく開封を的確に行うことのでき、さらに、内容物を口の狭い容器に移し替える作業を迅速且つ確実に行うことができる包装袋が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の好ましい実施形態の包装袋の斜視図である。
図2】本発明の好ましい実施形態の包装袋の上部シール部の近傍を示す拡大図である。
図3】包装袋が開封された状態における図2に示す部分の拡大図である。
図4】本発明の変形例の包装袋のU字切断線近傍を示す模式図である。
図5】本発明の他の変形例の包装袋のU字切断線近傍を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施形態の包装袋10を図面に沿って説明する。図1は、本発明の好ましい実施形態の包装袋10の斜視図であり、図2は、本発明の好ましい実施形態の包装袋10の上部シール部を示す拡大図であり、図3は、開封された包装袋10の上部シール部を示す拡大図である。
【0029】
本実施形態の包装袋10は、詰め替え用の調味料等を収容するために使用される包装袋である。具体的には、七味唐辛子、一味唐辛子、粒こしょう等の粒状調味料、フレーバーシュガー等の砂糖加工食品などの内容物を詰め替え用内容物として収容する包装袋である。
なお、本発明は、このような包装袋に限定されるものではなく、他の用途で使用される包装袋にも広く適用されるものである。
【0030】
本実施形態の包装袋10は、長尺状のフィルム材料の長辺同士をヒートシールによって接合して得られた筒状体の上下を、更にヒートシールによって封止した所謂背シールタイプのピロー袋であり、側面視で矩形形状を有し、内容物を収容する内部空間が内部に形成されている。
【0031】
詳細には、本実施形態の包装袋10は、正面視で上下に細長い矩形形状を有し、フィルム材料の長辺同士をヒートシールによって接合することによって形成され、裏面に配置された背シール部12と、包装袋10の上端10aおよび下端10bを封止する上部シール部14および下部シール部16と、を備えている。
【0032】
背シール部12は、包装袋10の裏面の幅方向中央位置を上下に延びる帯状フラップの形状を有する。背シール部12は、典型的には、図示のように、包装袋10の背面の幅方向中央部に配置されるが、中央部から幅方向に変位した位置に配置されてもよい。
上部シール部14は、包装袋10の上端を幅方向に延びる段付き形状を有し、下部シール部16は、包装袋10の下端を幅方向に延びる帯状形状を有している。
【0033】
尚、以下の説明において、包装袋10「一側」とは、例えば、「一側縁10c」のように、フラップ状の背シール部12の基端側(図1では右側)の「側」を指す。一方、包装袋10の「他側」とは、「他側縁10d」のように、フラップ状の背シール部12の自由端側(図1では左側)の「側」を指す。
【0034】
上述したように、上部シール部14は段付き形状を有している。具体的には、上部シール部14は、包装袋10の一側縁から他側縁方向に向けて延びる幅広部18と、幅広部18の他側縁側に接続された幅狭部20とを有している。幅狭部20の下縁20aは、幅広部18の下縁18aより上方に位置している。幅広部18は、背シール部12を横断している。
【0035】
包装袋10には、さらに、包装袋10の他側縁側に位置する幅広部18の側縁(前縁)18bと、幅狭部20の下縁20aと、包装袋10の他側縁のうち前縁18bに対向する部分とによって規定された取出し通路22が形成されている。取出し通路22は、包装袋10の内部空間と連通する空間であり、後述するように、包装袋10の上部が切り離されると、上端が開口し、包装袋10の内部空間内の内容物を外部に排出する流路として使用される。
【0036】
包装袋10は、一側縁10cから取出し通路22に向けて幅広部18内を包装袋の他側縁10dに向かって横方向に延びる弱化線24を備えている。弱化線24は、取出し通路22の上端と下端との間の中間より下端寄りの高さ位置で、包装袋10の上縁と略平行に延び、幅広部18内、詳細には、取出し通路22の近傍で終端している。
【0037】
図1および図2に示されているように、弱化線24は、点線状に直線的に配列された複数の切断線24a、24b・・・24nによって構成されている。切断線のうちの最も包装袋10の一側縁側に位置する第1切断線24aは、包装袋10の一側縁に開放し且つ横方向に延びている。尚、第1切断線24aが、一側縁に開放しない構成でもよい。
【0038】
弱化線24は、第1切断線24aから続き、点線状に直線的に配列された複数の他の切断線24b、24c…24nをさらに備えている。
第1切断線24a、他の切断線24b、24c…24nは、いずれも包装袋10を構成するフィルム材料を貫通する短い直線状の切込みとして構成されている。
【0039】
また、第1切断線24a、および他の切断線24b、24c…24nは、短い直線状の切込みに限定されず、例えば、YあるいはV字を横倒しにした形状等の他の形状であってもよい。
変形例として、第1切断線24a、および他の切断線24b、24c…24nは、フィルム材料を貫通した切断線に限らず、ハーフカット等の容易に引き裂ける切断線であってもよい。
【0040】
包装袋10は、また、弱化線24の終端(包装袋10の他端側の端)である切断線24nと取出し通路22との間に設けられたU字切断線26を備えている、U字切断線26は、上方に向かって開口する略U字状を有している。
【0041】
本実施形態の包装袋10では、U字切断線26は、開口部の幅が約5mm、底部の湾曲部分の曲率半径が約2.5mm、深さが約3mmとされている。これらの寸法は、詰め替え先の容器の材質や縁の厚さ、形状に応じて、例えば、開口部が幅は2~10mm、深さが2~10mmの範囲で適宜、設定される。
【0042】
さらに、U字の中心線と包装袋10の他側縁10dとの距離は、容器の口の径に応じ、例えば、20~30mmの範囲で適宜、設定される。
【0043】
U字切断線26も、第1切断線24a等の切断線と同様に、包装袋10を構成するフィルム材料を貫通する切込みとして形成されている。図2に示されているように、本実施形態の包装袋10では、U字切断線26は、一端(包装袋10の一側側の先端)が、弱化線の先端部に隣接して配置されている。
なお、U字切断線26は、U字形状に限定されず、容器の縁が引っ掛かる他の形状、例えば、底部が矩形となり上方に向かって開口する略コ字状の形状、V字形状等でもよい。
【0044】
詳細には、図2に示されているように、U字切断線26は、一端(包装袋10の一側側の先端)26aが、弱化線24の先端部に隣接して配置されている。詳細には、U字切断線26の一端(包装袋10の一側側の先端)26aは、弱化線24の先端(包装袋10の最も他端側)に位置する切断線24nに隣接し、弱化線24と同じ高さ位置に配置されている。
【0045】
本実施形態の包装袋10は、さらに、U字切断線26と取出し通路22との間に設けられた誘導切断線28を備えている。誘導切断線28は、短い直線状の切込みであり、第1切断線24a等の切断線と同様に、包装袋10を構成するフィルム材料を貫通する切込みとして形成されている。誘導切断線28は、図2に示されているように、その中央部が、U字切断線26の他端26bの上方に位置するように配置されている。
【0046】
また、本実施形態の包装袋10では、幅広部18の前縁18b(包装袋10の他端側の縁)は、包装袋10の他側縁10dと平行に延びるように形成されている。さらに、幅広部18の前縁18bと下縁18aとは、これらの接続部分19で、湾曲形状(R形状)をなすように接続されている。
【0047】
更に、本実施形態の包装袋10は、幅広部18の弱化線24の上方の幅方向中央位置に、ランドルト環状の切込み部30が、開口30aが下方に向いた配向で形成されている。この切込み部30で囲まれた領域を押し込むことにより、上部シール部14の幅広部18に円形の開口が形成される。販売店においては、吊下げ用のフックを、この円形の開口に差込むことで、包装袋10を吊下げ状態で陳列することができる。
【0048】
次に、このような構成を有している包装袋10の開封作業、および開封した包装袋から内容物を移し替える作業について説明する。
【0049】
包装袋10を開封する際には、使用者は、まず、包装袋10の弱化線24の上の部分(上方部)と下の部分(本体部)を、左右の手でそれぞれ把持する。次いで、包装袋10の一側縁10cから取出し通路22に向けて延びる弱化線24に沿って、上方部を下方部から引き離し、包装袋の上方部を、本体部から順次、切り離し、包装袋の弱化線24の下方に位置する部分(本体部)の上端に切断部を形成していく。
【0050】
弱化線24の終端と取出し通路22の間には略U字状を有するU字切断線26が設けられているので、切断部は、弱化線24を通過した後、U字切断線26に至り、U字切断線26に沿って略U字状に湾曲したU字切断部分26aが形成される(図3)。
【0051】
さらに、引き離しが継続され、切断部は、誘導切断線28に入り、取出し通路22方向に向けて案内され、幅広部18の他端(前縁18b)に達する。
【0052】
さらに、包装袋の上方部の引き離しが継続されることにより、切断部は、取出し通路22を横断して包装袋10の他側縁10dに達し、上方部が本体部から完全に分離される(図3)。このとき、取出し通路22の上端は、開口となり、この開口を通して包装袋の内容物を包装袋10の外に放出あるいは流出させることが可能となる。
【0053】
上述したように、切断部は、略U字状のU字切断部分(U字状の凹所)26aを有することになるので、包装袋の上端に形成された切断部には、取出し通路の近傍位置にU字状の凹所が形成されている。
【0054】
このような包装袋では、開封後、包装袋の内容物を瓶等に移す際には、取出し通路22を瓶の狭い口に挿入することができる。このとき、取出し通路22の近傍位置に形成されたU字状の凹所26aに瓶の口の上縁が差し込まれるので、取出し通路が確実に瓶の口に対して固定され、包装袋の内容物を迅速かつ確実に瓶等の容器に移すことができる。
【0055】
本発明の前記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変更、変形が可能である。
【0056】
上記実施形態の包装袋10では、U字切断線26の一端(包装袋10の一側側の先端)26aの高さ位置が、弱化線24と同じ高さ位置に配置されていたが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、U字切断線26の一端(包装袋10の一側側の先端)26’aの高さ位置が、弱化線24より高い高さ位置に配置された構成(図4)、あるいは、U字切断線26”の他端(包装袋10の他側側の先端)26b”の高さ位置が、弱化線24より高い高さ位置に配置されていた構成(図5)でもよい。
【符号の説明】
【0057】
10:包装袋
10a:(包装袋の)上端
10b:(包装袋の)下端
10c:(包装袋の)一側縁
10d:(包装袋の)他側縁
12:背シール部
14:上部シール部
16:下部シール部
18:幅広部
18a:(幅広部の)下縁
18b:(幅広部の)前縁
20:幅狭部
20a:(幅狭部)の下縁
22:取出し通路
24:弱化線
24a:第1切断線
24b~n:切断線
26:U字切断線
28:誘導切断線
図1
図2
図3
図4
図5