(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】真空包装機、および真空包装機のロギングシステム
(51)【国際特許分類】
B65B 31/02 20060101AFI20231026BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B65B31/02 B
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2019168076
(22)【出願日】2019-09-17
【審査請求日】2021-12-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 外食ビジネスウィーク2019/第14回 ラーメン産業展 令和1年8月27日~29日 〔刊行物等〕 SOUZAI JAPAN 2019 令和1年9月11日~13日
(73)【特許権者】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【氏名又は名称】井上 正則
(72)【発明者】
【氏名】浅利 達也
(72)【発明者】
【氏名】古瀬 義昭
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 利隆
【審査官】岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-178324(JP,A)
【文献】特開2002-145210(JP,A)
【文献】特開2017-214081(JP,A)
【文献】特開2002-230179(JP,A)
【文献】特開平11-160160(JP,A)
【文献】特表2006-507193(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0216486(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 31/02
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を真空包装する真空包装機であって、
前記真空包装の動作の設定値を入力する入力手段と、
真空包装動作中の測定値と、前記設定値とからなる複数のレコードを1つの蓄積ファイルとして複数記憶される内部メモリと、
前記内部メモリに記憶される前記蓄積ファイルを外付けメモリに保存するためのメモリ接続手段と、
を具備する真空包装機。
【請求項2】
被包装物を真空包装する真空包装機であって、
前記真空包装の動作の設定値を入力する入力手段と、
真空包装動作中の測定値と、前記設定値とからなる複数のレコードを1つの蓄積ファイルとして複数記憶される内部メモリと、
前記内部メモリに記憶される前記蓄積ファイルを外部の携帯端末に無線通信により出力する無線通信手段と、
を具備する真空包装機。
【請求項3】
前記入力手段は、タッチパネルで構成され、
前記タッチパネルには、前記蓄積ファイルを前記
外付けメモリに保存する動作を指示するためのスイッチが表示される請求項1に記載の真空包装機。
【請求項4】
前記入力手段は、タッチパネルで構成され、
前記タッチパネルには、前記蓄積ファイルを前記携帯端末に出力する動作を指示するためのスイッチが表示される請求項2に記載の真空包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空包装機、および真空包装機のロギングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報処理装置等の分野においては、例えば、電子装置の動作状況を履歴情報として保存し、故障又はトラブル発生時にはその履歴情報を解析することで、問題解決をスムーズに行うことが実施されている。
【0003】
また、食品製造分野でも、食品の生産加工全般にわたる温度履歴や使用設備等の食品生産情報を収集して、記録媒体に自動記録し、総合的な管理情報を出力する食品生産情報収集管理システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、弁当や惣菜等複数の食材を取り扱うラインを有する食品工場で作業する作業者の衛生情報も含めて管理する食品の製造履歴情報管理方法およびシステムが提案されている(例えば、特許文献2)。更に、パン製造工程に組み込まれてパン製造作業においても、各製造工程における複数の処理工程の各々における製造の履歴情報を、各処理工程における処理単位毎に管理して、食品のトレーサビリティー(追跡可能性)を向上させることが提案されている(例えば、特許文献3)。
【0005】
しかしながら、真空包装機の分野では、大量の包装袋を真空包装する作業であることから、包装袋毎の真空動作に関する履歴情報を保存することは実施されていない。このため、トラブル発生時には、オペレータ(ユーザ)がどのような設定を行ったか、或いは、どのような操作を行ったか等をヒアリングして、真空包装機に対して実施した行為(内容)を把握する必要があり、トラブル解消に多くの時間を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平11-160160号公報
【文献】特許第4457621号公報
【文献】特許第4346580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、包装袋を真空包装する都度、設定値と測定値を含むレコードを内部メモリに記憶すると共に、外付けメモリに保存することが可能な真空包装機、および真空包装機のロギングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の真空包装機は、被包装物を真空包装する真空包装機であって、前記真空包装の動作の設定値を入力する入力手段と、真空包装動作中の測定値と、前記設定値とからなる複数のレコードを1つの蓄積ファイルとして複数記憶される内部メモリと、前記内部メモリに記憶される前記蓄積ファイルを外付けメモリに保存するためのメモリ接続手段と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実施形態に係るメモリ接続部材の詳細な構造を示す図。
【
図3】第1実施形態に係るロギング機能を実現する制御ブロックの構成を示す図。
【
図4】実施形態に係る真空包装機の各種データをSRAMに格納する動作を示すフローチャート。
【
図5】実施形態に係るSRAMに格納する各種データを外付けメモリ(SDメモリカード)に出力する動作を示すフローチャート。
【
図6】実施形態に係る外付けメモリ(SDメモリカード)への保存動作、並びにデバイス設定での蓄積ファイルの保存動作のタイミング図。
【
図7】実施形態に係るSRAMに蓄積したロギングデータを外付けメモリ(SDメモリカード)に出力する際の第1操作画面を示す図。
【
図8】実施形態に係るSRAMに蓄積したロギングを外付けメモリ(SDメモリカード)に出力する際の第2操作画面を示す図。
【
図9】実施形態に係るホットパックのロギングデータの一例を示す図。
【
図10】実施形態に係るホットパックのロギングデータの一例を示す図。
【
図11】第2実施形態の係るロギング機能を実現する制御ブロックの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る真空包装機の構造を示す図である。真空包装機10は、本体20と、タッチパネル30と、メモリ接続部材40と、外付けメモリ(SDメモリカード)50と、を有して構成される。タッチパネル30は、本体20の正面に設けられ、オペレータ(ユーザ)によって動作メニューの選択、各種データの設定値を入力する時に使用される。メモリ接続部材40は、本体20の前側面に設けられ、外付けメモリ(SDメモリカード)50が挿抜される。外付けメモリ(SDメモリカード)50は、真空包装機10の内部メモリ(不揮発性メモリ、例えばSRAM)に蓄積記憶した設定値データ、および真空包装動作中の各種測定値データ(例えば、温度、圧力、時間)をロギングデータ(レコードとも言う)として保存する。ここでは、外付けメモリ50としてSDメモリカードを使用する例を示すが、他のメモリ(例えば、USBメモリ)であっても良い。なお、以下では内部メモリをSRAM、外部メモリをSDメモリカードと称して説明する。
【0011】
図2は、実施形態に係るメモリ接続部材40の詳細な構造を示す図である。なお、
図2(a)はメモリ接続部材40の組み立て図、
図2(b)はメモリ接続部材40の分解図を示す。メモリ接続部材40は、コネクタ部410と、取付保持部420,430と、緩衝部材440,450と、ネジ460、接続ケーブル470で構成される。コネクタ部410は、SDメモリカード50が挿抜されるコネクタを内蔵している。コネクタ部410は、緩衝部材440,450を介して両側から取付保持部420,430によって挟んだ状態で、2つのネジ460で保持される。コネクタ部410は、接続ケーブル470によってタッチパネル30に接続される。メモリ接続部材40は、取付保持部420,430のつば部420a、430aによって本体20に固定される。
【0012】
図3は、第1実施形態の係るロギング機能を実現する制御ブロック600の構成を示す図である。制御ブロック600は、プロセッサ610が実装される制御装置620、およびロギングデータを蓄積記憶するSRAM630等で構成されている。制御装置620は、CPU基板等で構成され、本体20に実装されているタイマー(時計)640、圧力センサー650、温度センサー660、タッチパネル30(
図1のタッチパネルと同じ)と接続されている。これらタイマー(時計)640、圧力センサー650、温度センサー660は、蓄積対象デバイスとなる。プロセッサ610は、ROM680に格納されている「ログ取得&出力プログラム」を実行することで、ロギング機能を実現する。SRAM630には、ロギングデータを蓄積記憶するロギング用記録エリア630aが設けられている。ROM680内には、真空包装機の動作を制御するプログラム等が格納されているが、本発明と直接関係ないのでその説明は省略する。なお、
図3では、タッチパネル30とSRAM630を離して記載しているが、タッチパネル30から入力される設定値が簡単に記憶できるように、タッチパネル30の基板の裏面側にSRAM630が実装されている。
【0013】
実施形態では、SRAM630のロギング用記録エリア630aに16種類の蓄積ファイル1~16が設定できるようになっている。また、蓄積ファイル1~16の蓄積レコード数は、64レコードとしている。もしもロギングデータが、設定したファイル数を超える場合、最も古いファイルに上書きする構成としている。このように、ロギングデータを多数の蓄積ファイルに分けて格納することが出来るため、故障時のチェック対象のロギングデータを容易に見分けることができる。また、後述するように、内部メモリには、設定値が入力された真空包装機の真空包装動作中の測定値と、当該設定値が1つのレコードとしてファイル単位に記憶されるので、トラブル対応時のエラーチェックが容易に行える。
【0014】
そして、ロギングデータを蓄積してファイルを作成するためには、事前に次のような項目を設定する。
(1)タイマー(時間)設定
(2)蓄積デバイス情報の設定
(3)ロギングデータを蓄積するタイミングの設定
(4)ファイルに記憶するレコード数の設定
(5)同じタイミングで蓄積を実施するデータ数
(6)作成される蓄積ファイル数
【0015】
この内、SRAM630にロギングデータを蓄積するタイミングとしては、一定周期、時刻設定、条件設定が用意されている。一定周期は、決まった時間間隔でデータを蓄積したい用途に使用する。時刻設定は、1日の決まった期間のデータを蓄積する用途に使用する。条件設定は、条件が成立したときに、そのデータを蓄積する場合に使用する。また、同じタイミングで蓄積を実施するデータ数は、最大で128点まで設定できる。蓄積できるデータには、瞬時値と差分値のどちらかが選択できる。瞬時値は、蓄積周期ごとに、現在の値が記録される。差分値は、蓄積周期ごとに前回値を引いた値が記録される。
【0016】
図4は、実施形態の係る設定値データ、および真空包装動作中の各種測定値データをロギングデータとしてSRAM630に格納する動作を示すフローチャートを示す。真空包装機に実装されるロギング機能は、一定周期又は条件が成立したときに、制御装置620に接続される各種センサー等からのデバイス値をSRAM630に収集して、蓄積するものである。そして、SRAM630に蓄積されたデータは、本体20に設けられるメモリ接続部材40に装着したSDメモリカード50に、例えばCSV形式で保存することができる。このロギング機能は、本体20のタイマー(時計)640が正しく設定されていなければ、動作しない構成となっている。なお、タイマー(時計)640は、常時動作可能なように図示しないバックアップ電池が接続されている。
【0017】
図4のフローにおいて、オペレータは、被包装物に応じた真空包装のための設定条件を、タッチパネル30を用いて設定した後、本体20のチャンバーに当該真空包装袋をセットする(S100)。そして、オペレータは、タッチパネル30のスタートボタンを押して、真空包装を開始する(S110)。すると、プロセッサ110は、パネル操作した設定値と、真空包装機の真空包装動作の流れに従って各種センサーから読み取ったデータ(測定値)と、を含んだロギングデータをSRAM630のロギング用記録エリア630aに記憶する(S120)。つまり、内部メモリには、設定値が入力された真空包装機の真空包装動作中の測定値と、当該設定値が1つのレコードとしてファイル単位(ロギングデータ)に記憶される。ロギングデータの1つ1つは、ロギング用記録エリア630aのどのアドレスに記憶するかが予め定められている。従って、プロセッサ610は、真空包装動作を繰り返す都度(S130のYes)、ステップS100~S120を実行して、同じ測定箇所の測定値をSRAM630の同じアドレスに順次蓄積記憶することで、蓄積ファイルが構築される。SRAM630に64レコード以上蓄積されると、SDメモリカード用に仮ファイルを生成する。仮ファイルは、設定されたレコード数になるまでデータを蓄積していき、設定された条件に達するとCSV形式のファイルを生成する。
【0018】
図5は、実施形態の係るSRAM630に蓄積記憶するロギングデータをSDメモリカード50に出力する動作を示すフローチャートを示す。この操作は、許可された者(保守又は営業のサービスマン、許可されたオーナー)によって実施される。
図5のフローにおいて、サービスマンは、本体20のメモリ接続部材40にSDメモリカード50を装着し、タッチパネル30に表示される「ログ開示ボタン」を押す(S200)。その信号(指令)を受けたプロセッサ610は、SRAM630に蓄積記憶したロギングデータをSDメモリカード50に出力する(S210)。ロギングデータをSDメモリカード50に保存するまで、その動作を繰り返し実行する。そして、プロセッサ610は、全てのロギングデータの保存が完了したら(S220のYes)、SRAM630に格納していたロギングデータを削除して(S230)、終了する。なお、ロギングデータをSDメモリカード50に保存中、タッチパネル30に保存中のメッセージ「Saving Logging File」が表示される。
【0019】
図6(a)は、実施形態に係るSDメモリカード50への保存動作のタイミング図を示し、(b)はデバイス設定での蓄積ファイルの保存動作のタイミング図を示している。
図6(a)のSDメモリカード50への保存では、SDメモリカード50の設定で、書き込み中出力で設定したデータをONにする。従って、プロセッサ610がSDメモリカード50への蓄積を実行している間、書き込み中ビットがONしている。そのON期間中にSDメモリカード50への保存動作が実行され、保存動作が完了するとOFFになる。この書き込み中出力をランプ点灯すれば、保存中・完了を確認することができる。
【0020】
図6(b)のデバイス設定での蓄積ファイルの保存では、プロセッサ610はファイル作成デバイス(デバイス=蓄積データ)のビットをONにして、SRAM630に蓄積されているデータをSDメモリカードへ保存する。ファイル作成デバイスがONして、プロセッサ610がSDメモリカード50への蓄積を実行している間、蓄積ファイル作成中がONとなり、蓄積ファイルをcsv.ファイルに生成する。そして、csv.ファイルが完了するとOFFになる。蓄積ファイル作成中がONの期間中に、SDメモリカード50への保存動作が実行される。蓄積ファイル作成中がONにされている時に、保存中を表示する設定を行えば、タッチパネル30にて蓄積ファイルNo.ごとの保存状態を表示確認することができる。
【0021】
図7は、実施形態に係るSRAM630に蓄積したロギングデータをSDメモリカード50に出力する際のタッチパネル30の第1操作画面を示す図である。この画面操作は、保守又は営業のサービスマンによって操作される画面である。保守又は営業のサービスマンは、本体20のメモリ接続部材40にSDメモリカード50を装着して、タッチパネル30に表示される
図7の画面(a)の「SDカード無し」ボタン300を操作して、画面(b)の「SDカード有り」300に切り替えると、画面(c)に示すログ収集画面が表示される。サービスマン又はオーナーは、タッチパネル30に表示される画面(c)の「ログデータ収集」ボタン350を1秒長押しすると、SRAM630に蓄積されているロギングデータがSDメモリカード50に記録される。
図7の画面(a)(b)は、サービスマンによってのみ操作できる画面であり、記録情報の保存性を高めている。
【0022】
図8は、実施形態に係るSRAMに630蓄積したロギングデータをSDメモリカード50に出力する際のタッチパネル30の第2操作画面を示す図である。この第2操作画面は、サービスマンを介さず、許可されたオーナー自らの操作でロギングデータをSDメモリカード50記録する場合に使用する。オーナーが、本体20のメモリ接続部材40にSDメモリカード50を装着して、タッチパネル30に表示される
図8の画面(a)の「SDカード無し」ボタン400を操作して、画面(b)の「SDカード有り」400に切り替えると、自動的に「ログデータ収集」ボタン450が表示される。オーナーは、「ログデータ収集」ボタン450を1秒長押しすると、SRAM630に蓄積されているロギングデータがSDメモリカード50に記録される。このように、SDメモリカード50への保存は、タッチパネル30からのボタン操作により簡単に実現することができる。
【0023】
図9は、実施形態に係るホットパックのロギングデータの一例を示す図である。ホットパックとは、真空包装対象である被包装物が常温よりも高温の液体を含んだもの、例えば、水、スープ、カレー、煮汁を含んだ煮物、加熱された油に漬け込んだ食品などのように、汁気のある温かい料理をビニール等の包装袋に入れて真空包装するものである。なお、ホットパックを対象とした真空包装機の動作については、出願人が保有する特許第5575827号公報等を参照されたい。
【0024】
図9において、各行は、作業時間(年月日、何時何分何秒)毎に、1つのホットパックの真空包装を行ったときの設定値並びに測定値を示す。先に述べたように1つの蓄積ファイルは64レコードが記録されている。ホットパックを対象とした真空包装機の設定値としては、以下の要素がある。これらを蓄積記憶するSRAM630には、それぞれの要素に固定のアドレスが設定され、蓄積された行単位(1レコード)のデータがロギングデータとしてそのままSDメモリカード50に出力されている。
2 用途
3 コース
10 真空安定秒数
11 吹きこぼれ防止秒数
12 真空圧力微調整値(冷:真空レベル)
13 脱泡工程回数(冷:真空時間)
14 シール秒数
15 シール冷却秒数
【0025】
ホットパックを対象とした真空包装機の測定値としては、以下の要素がある。同様にSRAM630には、それぞれの要素に固定のアドレスが設定され、蓄積された行単位(1レコード)のデータがロギングデータとしてそのままSDメモリカード50に出力されている。
4 フタスイッチ(SW)ON時の圧力
5 脱泡工程袋口閉圧力
6 脱泡工程袋口開圧力
7 シール時圧力
8 温度(脱泡工程前)
9 温度(再測定時)
【0026】
図10は、実施形態に係るホットパック以外(常温の液体又は固形物の真空包装)のロギングデータの一例を示す図である。
図10において、各行は、作業時間(年月日、何時何分何秒)毎に、1つの常温の固形物の真空包装を行ったときの設定値並びに測定値を示す。同様に1つの蓄積ファイルは、64レコードが記録されている。常温の液体又は固形物を対象とする真空包装機の動作については、
特開2019-206382号公報の
図14並びに段落[0060]~[0071]を参照されたい。
【0027】
常温の液体又は固形物を対象とする真空包装機の設定値としては、以下の要素がある。同様にSRAM630には、それぞれの要素に固定のアドレスが設定され、蓄積された行単位(1レコード)のデータがロギングデータとしてそのままSDメモリカード50に出力されている。
2 コースNo.
3 アイコン[カナ文字]
4 真空引き設定
5 真空安定時間
6 ガス設定
7 ガス設定時間
8 特殊運転
9 特殊パラメータ1
10 特殊パラメータ2
11 特殊回数
12 シール時間
13 シール冷却時間
14 ソフト開放時間
【0028】
また、測定値としては、以下の要素がある。同様にSRAM630には、それぞれの要素に固定のアドレスが設定され、蓄積された行単位(1レコード)のデータがロギングデータとしてそのままSDメモリカード50に出力されている。
15 フタ閉時圧力
16 シール前圧力
【0029】
図10の「3 アイコン[カナ文字]」において、丸数字4-7は、用意されたアイコン画面の中からオーナーによって任意に選択されたコースを示している。また、「9 特殊パラメータ1」と「10 特殊パラメータ2」と「特殊回数」は、特殊運転に対応して、[表1]に示すパラメータが設定される。
【表1】
【0030】
図11は、第2実施形態の係るロギング機能を実現する制御ブロックの構成を示す図である。
図1、
図2では、SDメモリカード50は接続ケーブル470を介してタッチパネル基板のSRAM30に接続される構成としたが、第2実施形態では、接続ケーブル470に代えて近距離無線の通信装置(例えば、BLUETOOTH(登録商標))700を使用して携帯端末800にダウンロードする構成を示している。したがって、タッチパネル30から携帯端末800の内蔵メモリにSRAM630の蓄積データをダウンロードする操作が選択された場合、プロセッサ610は、近距離無線通信装置700を介してSRAM630の蓄積データを携帯端末800に送信する。携帯端末800は、内蔵メモリにロギングデータを記録する。なお、第1実施形態で説明した技術は、SDメモリカード50の接続に係る要素の除き、第2実施形態に適用されることは言うまでもない。第2実施形態によれば、携帯端末800の画面にて、直ちにロギングデータを表示・確認することができるため、操作性が更に向上する。なお、携帯端末800としては、市販のスマートフォンを用いても良く、または専用端末を用いても良い。
【0031】
以上の説明の通り、実施形態によれば、真空包装機において、真空包装時の設定値データ、および真空包装動作中の各種測定値データをロギングデータとしてSRAMに収集して、蓄積することができる。そして、SRAMに蓄積されたデータは、本体に設けられるメモリ接続部材に装着したSDメモリカードに、例えばCSV形式で保存することができる。これにより、真空包装機の故障又はトラブル発生時の保守対応を著しく向上させることができる。また、SDメモリカードへの保存は、タッチパネルからのボタン操作により簡単に実現することができる。ロギングデータを多数の蓄積ファイルに分けて格納することが出来るため、故障対象のロギングデータを容易に見分けることができる。
【0032】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
10…真空包装機、 20…本体、 30…タッチパネル、 40…メモリ接続部材、
50…外部メモリ(SDメモリカード)、 410…コネクタ部、
420,430…取付保持部、 420a,430a…つば部、
440,450…緩衝部材、 460…ネジ460、 470…接続ケーブル、
600…制御ブロック、 610…プロセッサ、 620…制御装置、
630…内部メモリ(SRAM)、 630a…ロギング用記録エリア、
640…タイマー(時計)、 650…圧力センサー、 660…温度センサー、
700…通信装置、 800…携帯端末