(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】検査システム、及び、検査用照明装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20231026BHJP
G01N 21/88 20060101ALI20231026BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20231026BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231026BHJP
【FI】
G01N21/84 E
G01N21/88 Z
F21V8/00 310
F21Y115:10 100
F21Y115:10 500
F21Y115:10 300
(21)【出願番号】P 2019196462
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】戸川 拓三
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-024584(JP,A)
【文献】特開2017-199454(JP,A)
【文献】特開平08-308696(JP,A)
【文献】登録実用新案第3085233(JP,U)
【文献】特開2009-266636(JP,A)
【文献】特開2008-213659(JP,A)
【文献】特開2004-313263(JP,A)
【文献】実開平04-07736(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84- G01N 21/958
G01N 21/00- G01N 21/01
G01N 21/17- G01N 21/61
G01B 11/00- G01B 11/30
G01M 11/04
A47F 5/00- A47F 5/16
F21S 2/00
F21V 8/00
F21Y 115/00- F21Y 115/30
G12B 5/00
H01L 33/00- H01L 33/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状に並べて設けられた複数の発光体と、
複数の前記発光体を内側に向けて保持する環状の保持体と、
複数の前記発光体から射出された光が側周面に設けた光入射面から入射し、面板部である発光面から射出されるように構成され、前記発光面上にワークが載置される導光板と、
前記導光板の発光面上に載置されているワークを撮像する撮像機構と、を備え、
前記導光板
は、前記光入射面が前記保持体の内側周面及び前記複数の発光体と離間するように設けられるとともに、前記保持体に対して回転可能に構成されており、
前記導光板の前記側周面における前記光入射面よりも前記発光面側には、前記光入射面に対して外側に突出
して、前記光入射面と前記保持体の内側周面との間の隙間を覆う環状の鍔が形成されていることを特徴とする検査システム。
【請求項2】
前記導光板が、少なくとも一部が概略円板状をなすものであり、
前記導光板を前記保持体の内側において同軸状に配置するとともに、前記導光板を周方向に対して回転可能に支持する回転機構を備えた請求項1記載の検査システム。
【請求項3】
前記回転機構が、
軸受と、
前記軸受の外側が嵌合されるとともに、前記保持体が固定されるハウジングと、
前記軸受の内側に嵌合されるとともに、一方の端部に前記導光板が固定されるカップリングと、を備えた請求項2記載の検査システム。
【請求項4】
前記カップリングの他方の端部がターンテーブル上に載置される請求項3記載の検査システム。
【請求項5】
環状に並べて設けられた複数の発光体と、
複数の前記発光体を内側に向けて保持する環状の保持体と、
複数の前記発光体から射出された光が側周面に設けた光入射面から入射し、面板部である発光面から射出されるように構成され、前記発光面上にワークが載置される導光板と、
前記導光板
は、前記光入射面が前記保持体の内側周面及び前記複数の発光体と離間するように設けられるとともに、前記保持体に対して回転可能に構成されており、
前記導光板の前記側周面における前記光入射面よりも前記発光面側には、前記光入射面に対して外側に突出
して、前記光入射面と前記保持体の内側周面との間の隙間を覆う環状の鍔が形成されていることを特徴とする検査用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを撮像画像に基づいて検査するために用いられる検査システム、及び、検査用照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ワークの画像検査を行う場合、導光板の側周面にLEDから射出された光を入射させ、導光板の面板部である発光面から射出されるように構成されたフラット照明が用いられることがある。
【0003】
特許文献1では、ワークの上方にフラット照明を配置するとともに、ワークで反射、散乱され、導光板を厚み方向に通過した光によってワークを撮像する態様が示されている。
【0004】
ところで、このようなフラット照明の発光面上にワークを載置して全周から照明されるようにするとともに、フラット照明自体をターンテーブル等で回転させることにより、カメラを固定したままでワークを様々な方向から撮像することが試みられようとしている。
【0005】
しかしながら、フラット照明を回転させるとLEDに電力を供給するためのケーブルも回転するので、ケーブルの長さによってワークをカメラに対して回転させられる範囲が制限されてしまったり、ケーブルが絡まってしまったりするという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述したような問題に鑑みてなされたものであり、発光面上に載置されているワークを全周から照明しつつ、ワークを制限なく回転させることができる検査システム、及び、検査用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係る検査システムは、環状に並べて設けられた複数の発光体と、複数の前記発光体を内側に向けて保持する環状の保持体と、複数の前記発光体から射出された光が側周面部から入射し、面板部である発光面から射出されるように構成され、前記発光面上にワークが載置される導光板と、前記導光板の発光面上に載置されているワークを撮像する撮像機構と、を備え、前記導光板が、前記保持体に対して回転可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る検査用照明装置は、環状に並べて設けられた複数の発光体と、複数の前記発光体を内側に向けて保持する環状の保持体と、複数の前記発光体から射出された光が側周面部から入射し、面板部である発光面から射出されるように構成され、前記発光面上にワークが載置される導光板と、前記導光板が、前記保持体に対して回転可能に構成されていることを特徴とする。
【0010】
このようなものであれば、ワークが発光面上に載置される前記導光板が、前記保持体に対して回転可能に構成されているので、複数の前記発光体及び前記保持体については固定したまま、前記導光板のみを回転させることができる。
【0011】
したがって、前記発光体に電力を供給するためのケーブル等については回転させないようにでき、前記導光板の回転を妨げないようにすることができる。このため、ワークを全周から照明しながら、回転範囲に制限なくワークを回転させることが可能となる。
【0012】
また、撮像機構の位置や姿勢を固定したままの状態でワークを全周から照明しながら、ワークを様々な方向から撮像できるので、複雑な形状のワークであっても撮像画像に基づいて好適に検査できる。
【0013】
複数の前記発光体に対して前記導光板を回転させた場合でも、ワークに対する照明状態に変化が生じにくくするには、前記導光板が、少なくとも一部が概略円板状をなすものであり、前記導光板を前記保持体の内側において同軸状に配置するとともに、前記導光板を周方向に対して回転可能に支持する回転機構を備えたものであればよい。このようなものであれば、前記導光板を回転させても当該導光板の側面部と複数の前記発光体との間の距離や光の入射角度をほとんど変化しないようにでき、前記導光板の発光面から射出される光の状態を一定に保つことができる。
【0014】
前記保持体に対して前記導光板を回転可能にするための具体的な構成例としては、前記回転機構が、軸受と、前記軸受の外側が嵌合されるとともに、前記保持体が固定されるハウジングと、前記軸受の内側に嵌合されるとともに、一方の端部に前記導光板が固定されるカップリングと、を備えたものが挙げられる。
【0015】
既存のターンテーブルにおいてワークの下側から照明する機能を付加して、均一な照明を実現しつつワークを各方向から撮像できるようにするには、前記カップリングの他方の端部がターンテーブル上に載置されるものであればよい。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明によれば、複数の前記発光体を保持する前記保持体に対して前記導光板が、複数の前記発光体の配列方向に対して回転可能に構成されているので、前記導光板の発光面に載置されたワークを照明しながら回転させることができる。また、ワークを回転させても前記保持体は固定されたままなので、例えば前記発光体に電力を供給するケーブルは動くことがなく、前記導光板及びワークの回転を妨げない。これらのことから、前記撮像機構の位置や姿勢を固定したままの簡素な構成で、ワークを照明しながら様々な方向から撮像でき、複雑な形状のワークであっても好適な画像検査を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る検査システムを示す模式的斜視図。
【
図2】同実施形態における検査システムを示す模式図。
【
図3】同実施形態における検査用照明装置の模式的縦断面図。
【
図4】同実施形態における検査用照明装置の模式的部分拡大図。
【
図5】同実施形態における検査用照明装置を用いたワークの回転例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係る検査システム200について各図を参照しながら説明する。
【0019】
本実施形態の検査システム200は、例えばリング形状を有する製品やボトル等のワークWの外周、内周の検査を行うものである。
【0020】
具体的にこの検査システム200は、
図1及び
図2に示すように、ワークWが発光面32に載置されるとともに当該ワークWの下側からワークWを照明する検査用照明装置100と、ワークWの斜め上方に固定された撮像機構であるカメラ5と、を備えたものである。すなわち、本実施形態の検査システム200は、検査用照明装置100の発光面32を回転させることにより、ワークWを照明しながら回転させ、固定されているカメラ5によりワークWを様々な方向から撮像できるように構成されている。
【0021】
各部について詳述する。
【0022】
図1乃至
図4に示すように検査用照明装置100は、環状に並べて設けられた複数の発光体1と、複数の発光体1を保持する環状の保持体2と、ワークWが載置される発光面32を具備するとともに、保持体2に対して回転可能に設けられた導光板3と、導光板3を発光体1の配列方向に対して回転可能に支持する回転機構4と、を備えている。本実施形態では保持体2は
図1及び
図2に示すように固定アームSAにより固定されており、ターンテーブルTTの回転が回転機構4を介して導光板3に伝達され、保持体2が固定されたまま導光板3のみが回転するように構成されている。
【0023】
発光体1は、
図4の拡大図に示すように例えば砲弾型のLEDであって、
図1及び
図3に示すように所定半径の円をなすように環状に配列されている。なお、LEDは砲弾型に限られるものではなく、SMDやCOBであってもかまわない。また、各発光体1の光軸は、互いに平行で同一平面内に位置し、かつ、各発光体1で形成される円の中心点で交差するように設定されているが、導光板3の側面部から光が入射すれば各発光体1の位置や姿勢は何ら限定されるものではない。
【0024】
保持体2は、
図3及び
図4に示すように所定幅を有した平面視で概略円環状をなす筐体であり、内部に各発光体1、各発光体1に接続される基板が収容されるものである。この保持体2の内側周面側は開口しており、各発光体1から射出された光が保持体2の中心点に向かって半径方向に沿って射出される。また、保持体2の外側周面からは、内部の基板に接続され、各発光体1に電力や制御信号を供給するためのケーブルCが外部へ露出される。ここで、本実施形態では導光板3を回転させても保持体2は回転しないように構成されているので、このケーブルCが回転して絡まったり、回転の妨げになったりしないように構成されている。
【0025】
導光板3は
図1乃至
図3に示すように、ガラス、アクリル等の透光性部材で形成された概略円板状をなすものであり、その側面部が各発光体1の光軸と交差するように保持体2の内側に配置される。言い換えると、導光板3は保持体2及び環状に配置されている複数の発光体1に対して同心円状に配置されている。また、導光板3の側面部は
図4に示すように、各発光体1から射出された光が全周から入射する光入射面31として作用する。また、導光板3において
図3及び
図4おける下側の面板部には例えば上側の面板部側へ光を反射する微小な反射膜(図示しない)が所定間隔ごとに印刷されている。すなわち、導光板3の側面部から入射した光は、下側の面板部において前述した反射膜に入射しない限りは、導光板3の上側の面板部と下側の面板部との間で全反射を繰り返しながら内部を進行する。また、全反射を繰り返して反射膜に入射した光は、上側の面板部から外部に射出されることになる。このようにして、導光板3の上側の面板部は全体が均一に発光する発光面32として作用するように構成されている。
【0026】
ここで、
図3及び
図4の断面図に示すように導光板3は、保持体2及び各発光体1に対して実質的に接触する部分が存在しないように構成されており、導光板3の側面部と保持体2の内側周面及び各発光体1とは所定距離離間させてある。また、導光板3の上側面板部は、外周側に外側へ突出する円環状の鍔33が形成されており、鍔33の下側面は保持体2の内周側上面の一部、及び、発光体1の上側を覆うように配置される。なお、鍔33と保持体2との間にも微小な隙間が形成されている。このように導光板3と保持体2とは接触する部分が存在しないように構成されているので、導光板3が自身の中心軸CA周りに回転しても保持体2に対して摺動する部分が存在しない。また、保持体2の厚み寸法と比較して導光板3の厚み寸法を小さくしてあり、導光板3が回転機構4に支持されている状態において、導光板3の下側の面板部は保持体2の下面よりも上方に配置されるように構成されている。また、鍔33は発光体1から射出された光が導光板3内に入射せずにカメラ5に入射するのを防ぐ機能を発揮する。すなわち、発光体1の側面から図面における上側に光が射出されたとしても、鍔33において反射される、あるいは、鍔33から導光板3内に光が入射するので、カメラ5に直接入射する光の量を低減できる。
【0027】
上述した発光体1及び保持体2がいわゆるリング照明を構成し、リング照明に導光板3を設けることで面発光を可能としたフラット照明が構成される。回転機構4は、フラット照明とターンテーブルTTとの間に介在し、ターンテーブルTTの駆動力を導光板3に伝達して導光板3のみを回転させるための機構である。
【0028】
具体的に回転機構4は
図3及び
図4の断面図に示すように軸受であるベアリング41と、ベアリング41の外輪が嵌合されるとともに保持体2が固定されるハウジング42と、ベアリング41の内輪に嵌合され、その一端が導光板3と連結されるカップリング43と、を備えている。
【0029】
ベアリング41は例えばボールベアリングであって、その中心軸CAが保持体2及び導光板3の中心軸CAと一致するように導光板3の下側に配置される。なお、ベアリング41はボールベアリングに限られるものではなく、ニードルベアリング等であってもかまわない。
【0030】
ハウジング42は、下向きに凸の概略中空二段円筒状をなすものであり、中央部にベアリング41が挿入される貫通孔が形成されている。またハウジング42の上面には、保持体2が嵌め込まれる円環状の第1凹部421が貫通孔と同軸となるように形成されている。すなわち、この凹部421の内径は保持体2の外径とほぼ一致させてあり、例えば保持体2は第1凹部421に対して挿入された状態で中心軸CA周りには回転しないようにしまりばめの状態となっている。
【0031】
カップリング43は、下向きに凸の概略中実三段円筒状をなすものであり、その上面に導光板3の下面と同形状の第2凹部431が形成されている。この第2凹部431に対して導光板3の下面側が挿入され、例えばしまりばめの状態で固定される。また、カップリング43の下面側はベアリング41の内径とほぼ同じ直径に形成されており、ベアリング41の厚み方向に対して上側から下側へ所定長さ分だけ外部にはみだすように圧入されてしまりばめの状態にされる。
【0032】
カップリング43の下面には滑り止め部材として例えばゴムシート441が固定されている。カップリング43の下面がターンテーブルTT上に載置されて、ゴムシート441の摩擦によりターンテーブルTTとカップリング43はほぼ滑ることなく、回転させられるようにしてある。カップリング43が回転すると固定されている導光板3も同様に回転する。ここで、ベアリング41の外輪が嵌合されているハウジング42は固定アームSAにより固定されているので、ベアリング41の外輪は回転せず、内輪のみがボールの転動により中心軸CA周りに回転することになる。この結果、発光体1及び保持体2を固定した状態のまま、導光板3のみを回転させることができる。
【0033】
なお、カップリング43のベアリング41の内輪に対する固定方法は圧入に限られるものではなく、ネジ止めや接着等の固定方法を用いてもよい。
【0034】
カメラ5は、ターンテーブルTT上に載置された照明装置100に対してその斜め上方に固定されており、少なくとも導光板3の上面における中心近傍を撮像するように構成されている。本実施形態ではカメラ5自体はその向きや位置は変更されない。
【0035】
このように構成された検査用照明装置100、及び、検査システム200によるワークWの検査例について
図5を参照しながら説明する。
【0036】
この例では
図5(a)に示すようにワークWはリング状に形成されている部分とリング状部分に対して立設する部分とからなるものであり、その形状や欠陥の有無について画像検査が行われる。
【0037】
図5(b)~(d)に示すようにターンテーブルTTの回転が回転機構4によって導光板3に対して伝達され、発光面32上に載置されているワークWのカメラ5に対する向きを順次変更することができる。そして、ワークWの各向きについてカメラ5で撮像することにより、各部分の形状や欠陥の有無について画像検査することができる。
【0038】
さらに
図5(b)~(d)に示すように、導光板3及びワークWを回転させている間も保持体2及び複数の発光体1の位置や姿勢については変化しない。このため、導光板3の発光面32上にあるワークWについては回転している間も下側から全周にわたって均一に照明し続けることができる。すなわち、ほぼ同じ照明状態を継続しながら、カメラ5に対するワークWの向きを順次変更していくことができる。
【0039】
このように本実施形態に係る検査用照明装置100、及び、検査システム200によれば、複数の発光体1及び保持体2の位置及び姿勢を固定したまま、導光板3のみを中心軸CA周りに回転させ、発光面32上にあるワークWのカメラ5に対する向きを変化させることができる。
【0040】
このため、ワークWを照明しながら撮像される向きを変化させることができ、例えばワークWの内周、外周等を1つの検査システム200で検査できる。
【0041】
また、導光板3のみが回転し、保持体2は固定された状態が維持されるので、複数の発光体1に対して電力を供給するケーブルCは回ることがなく、絡まったり、導光板3の回転動作を妨げたりすることがない。
【0042】
その他実施形態について説明する。
【0043】
本発明に係る検査用照明装置は、前述した形状のワークの検査のみ用いられるものではなく、様々な形状のワークを検査するために用いることができる。
【0044】
導光板については鍔を備えておらず、例えば完全な円板状に形成されていてもよい。また、発光体の配列については円環状に限られず、概略四角形状の環状に配列されており、保持体も同形状に形成されていてもよい。このような保持体に対して円板状の導光板を配置してもよいし、回転時に保持体と干渉しない形状の導光板を配置してもよい。また、鍔において発光面側の表面に白色塗料等を塗布しておき、発光体から射出され、直接カメラの方向に向かう光をさらに反射又は散乱させ、直接入射する光を低減するようにしてもよい。
【0045】
回転機構についても前記実施形態において説明したものに限られない。例えばカップリングを省略して導光板の一部がベアリングの内輪に対して直接嵌合されるようにしてもよい。また、カップリングは1つの部材で形成されたものに限られず、複数の部材から構成されるものであってもよい。例えばカップリングにおいて、導光板が固定される部分と、ターンテーブルに載置される部分を2つに分割し、それぞれの部分の一部をベアリングの内輪に嵌合させてもよい。このようにすれば、ベアリングに対するカップリングの挿入距離を小さくできるので組立性をよくすることができる。また、カップリングがターンテーブルに載置される場合には、下面がターンテーブルの天面に対して滑りが生じないものであればよく、カップリングの下面とターンテーブルの天面との間に粘着部材を設けたり、下面に荒目加工を施して摩擦を多くしたりしてもよい。加えて、カップリングはターンテーブル上に載置されるものに限られず、直接モータに接続されるものであってもよい。さらに回転機構を構成する軸受はベアリング等の転がり軸受に限られるものではなく、ブッシュ等の滑り軸受を用いたものであってもかまわない。
【0046】
撮像機構についても前記実施形態に限られず、その位置や向きについてはワークや検査内容に応じて適宜設定してもよい。
【0047】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、実施形態の一部を変形したり、各実施形態の一部同士を組み合わせたりしてもかまわない。
【符号の説明】
【0048】
200・・・検査システム
100・・・検査用照明装置
1 ・・・発光体
2 ・・・保持体
3 ・・・導光板
31 ・・・光入射面
32 ・・・発光面
33 ・・・鍔
4 ・・・回転機構
41 ・・・軸受(ベアリング)
42 ・・・ハウジング
43 ・・・カップリング