(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】車両用バックドア
(51)【国際特許分類】
B60J 5/10 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
B60J5/10 Z
B60J5/10 R
(21)【出願番号】P 2019214202
(22)【出願日】2019-11-27
【審査請求日】2022-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】390026538
【氏名又は名称】ダイキョーニシカワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉俣 恵児
(72)【発明者】
【氏名】山下 純一郎
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-154155(JP,A)
【文献】特開2016-215719(JP,A)
【文献】特開2017-193314(JP,A)
【文献】特開2020-100361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/00 - 5/14
B60R 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インナパネル(10)とアウタパネル(20)とが内部空間(30)を有するように結合してなる車両用バックドア(1)であって、
上記内部空間(30)は、車両前後方向の長さが相対的に大きい大空間部(31)と、該大空間部(31)に隣接するように設けられ、車両前後方向の長さが相対的に小さい小空間部(32、33)とを有し、
上記インナパネル(10)及び上記アウタパネル(20)の一方における上記内部空間(30)に臨む内面には、上記大空間部(31)と上記小空間部(32、33)との間を隔てる隔壁リブ(40、41)が形成され、
上記隔壁リブ(40、41)の先端と、上記インナパネル(10)及び上記アウタパネル(20)の他方との間には隙間(42、43)が形成され、
上記隙間(42、43)には第1防音材(50)が挟まって
おり、
上記隙間(42、43)は第1防音材(50)のみで密閉されている
ことを特徴とする車両用バックドア(1)。
【請求項2】
請求項1記載の車両用バックドア(1)において、
前記隔壁リブ(41)は、上記インナパネル(10)及び上記アウタパネル(20)の接合体の外周縁部に沿って延び、該外周縁部に上記小空間部(33)を形成する
ことを特徴とする車両用バックドア(1)。
【請求項3】
請求項1
又は2記載の車両用バックドア(1)において、
上記第1防音材(50)は独立気泡発泡体で構成されている
ことを特徴とする車両用バックドア(1)。
【請求項4】
請求項3記載の車両用バックドア(1)において、
上記第1防音材(50)は、上記隔壁リブ(40、41)の先端で折り返され、上記隔壁リブ(40、41)の側面に貼り付けられている
ことを特徴とする車両用バックドア(1)。
【請求項5】
請求項1
又は2記載の車両用バックドア(1)において、
上記第1防音材(50)は接着剤で構成されている
ことを特徴とする車両用バックドア(1)。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか1つに記載の車両用バックドア(1)において、
上記インナパネル(10)、上記アウタパネル(20)及び上記隔壁リブ(40、41)のうち少なくとも1つにおける上記小空間部(32、33)に臨む面には、第2防音材(60)が設けられている
ことを特徴とする車両用バックドア(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用バックドアに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インナパネルとアウタパネルとが内部空間を有するように結合してなる自動車のバックドアが開示されている。特許文献1のバックドアは、インナパネルの内部空間に対応する内面に一体に突設された支柱の先端とアウタパネルとの間に挟持された吸音マットを有している。これによれば、車外から車室内に侵入しようとする音が吸音される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両で発生した音や振動によってバックドアの内部空間で共鳴が発生し、こもり音になる場合がある。このこもり音が車室内に透過すると、車内騒音になるという問題がある。
【0005】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両用バックドアの内部空間で発生したこもり音が車室内に透過するのを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明では、バックドアの内部空間の大空間部と小空間部との間を隔てる隔壁リブを形成し、隔壁リブの先端とインナパネル又はアウタパネルとの間の隙間に第1防音材を設けた。
【0007】
具体的に、第1の発明は、インナパネルとアウタパネルとが内部空間を有するように結合してなる車両用バックドアであって、上記内部空間は、車両前後方向の長さが相対的に大きい大空間部と、該大空間部に隣接するように設けられ、車両前後方向の長さが相対的に小さい小空間部とを有し、上記インナパネル及び上記アウタパネルの一方における上記内部空間に臨む内面には、上記大空間部と上記小空間部との間を隔てる隔壁リブが形成され、上記隔壁リブの先端と、上記インナパネル及び上記アウタパネルの他方との間には隙間が形成され、上記隙間には第1防音材が挟まっていることを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、上記第1防音材は、独立気泡発泡体で構成されていることを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、第1の発明において、上記第1防音材は、接着剤で構成されていることを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、第1~3のいずれか1つの発明において、上記インナパネル、上記アウタパネル及び上記隔壁リブのうち少なくとも1つにおける上記小空間部に臨む面には、第2防音材が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明によれば、インナパネル及びアウタパネルの一方における内部空間に臨む内面には、大空間部と小空間部との間を隔てる隔壁リブが形成され、この隔壁リブの先端と、インナパネル及びアウタパネルの他方との間には隙間が形成され、この隙間には第1防音材が挟まっている。このため、この第1防音材によって、大空間部で発生したこもり音が、空気による音の減衰効果が大空間部よりも低い小空間部に透過するのを抑制することができ、車両用バックドアの内部空間で発生したこもり音が車室内に透過するのを抑制することができる。
【0012】
第2の発明によれば、第1防音材は、遮音性能を有する独立気泡発泡体で構成されているので、大空間部で発生したこもり音が小空間部に透過するのをより一層抑制することができる。
【0013】
また、独立気泡発泡体は、緩衝性能も有するので、外力によるアウタパネルの凹みを抑制することができ、アウタパネルの外観性を向上させることができる。
【0014】
第3の発明によれば、第1防音材は接着剤で構成されているので、この接着材によって、隔壁リブをインナパネル及びアウタパネルの他方に確実に固定することができ、隔壁リブを、アウタパネルを内部空間から支える支柱とすることができる。このため、車両用バックドアの剛性を向上させることができる。
【0015】
第4の発明によれば、インナパネル、アウタパネル及び隔壁リブのうち少なくとも1つにおける小空間部に臨む面には、第2防音材が設けられているので、この第2防音材によって、車外で発生した外部音が、空気による減衰効果が相対的に低い小空間部を通って車室内に透過するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態1に係る車両用バックドアの分解斜視図である。
【
図2】インナパネルを車両後方側から見た正面図である。
【
図3】
図2のIII-III線の矢視断面図である。
【
図4】
図3の一点鎖線で囲まれた領域IVの拡大図である。
【
図5】
図3の一点鎖線で囲まれた領域Vの拡大図である。
【
図6】実施の形態2に係る第1防音材を示す
図5相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施の形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係る車両用バックドア1の分解斜視図を示す。
図2は、インナパネル10を車両後方側から見た正面図を示す。
図3は、
図2のIII-III線の矢視断面図を示す。
図4は、
図3の一点鎖線で囲まれた領域IVの拡大図を示す。
図5は、
図3の一点鎖線で囲まれた領域Vの拡大図を示す。
【0019】
車両用バックドア1は、
図1~
図3に示すように、インナパネル10とアウタパネル20とが内部空間30を有するようにその外周縁部で結合してなる。
【0020】
インナパネル10とアウタパネル20とは共に樹脂材で成形されている。インナパネル10の上部の車幅方向中央部には、略矩形のインナパネル側開口部10aが形成されている。このインナパネル側開口部10aの外周縁部には、車両後方側へ立ち上がる略矩形の立ち上がり壁11が形成されている。この立ち上がり壁11の先端部は、アウタパネル20の後述するアウタパネル側開口部20aの外周縁部に接着される第1接着部12を構成している。インナパネル10の外周縁部は、車両後方側(内部空間30側)に凹陥するように形成されている。この凹陥部は、後述するウェザーストリップSに対応するようにインナパネル10の外周縁部に全周に亘って配置されている。上記凹陥部の外周縁部は、アウタパネル20の外周縁部に接着される第2接着部13を構成している。
【0021】
アウタパネル20は、インナパネル10の車両後方側に配置されている。アウタパネル20の上部の車幅方向中央部には、インナパネル側開口部10aに対応するように略矩形のアウタパネル側開口部20aが形成されている。このアウタパネル側開口部20aには、ウインドガラス21が取り付けられている。アウタパネル20の下部の車幅方向略中央部には、略台形のライセンスプレート収容部22が形成されている。ライセンスプレート収容部22は、車両前方側(内部空間30側)へ凹陥するように形成されている。ライセンスプレート収容部22の底部には、ライセンスプレート23が設置されている。
【0022】
内部空間30は、
図3~
図5に示すように、車両前後方向の長さ(断面厚さ)が相対的に大きい略矩形環状の大空間部31と、この大空間部31に隣接するように設けられ、車両前後方向の長さが相対的に小さい略台形の第1小空間部32と、大空間部31に隣接するように設けられ、車両前後方向の長さが相対的に小さい略矩形環状の第2小空間部33とを有している。詳細に、第1小空間部32は、大空間部31よりも車両前後方向の長さが小さく、第2小空間部33は、第1小空間部32よりも車両前後方向の長さが小さい。
【0023】
大空間部31は、車両用バックドア1の下部に形成されている。大空間部31は、インナパネル10と、アウタパネル20と、インナパネル10の立ち上がり壁11と、後述する第1隔壁リブ40及び第2隔壁リブ41とで区画されている。
【0024】
第1小空間部32は、ライセンスプレート収容部22の底部に対応するように車両用バックドア1の下部の車幅方向中央部に断面略矩形に形成されている。第1小空間部32は、インナパネル10とアウタパネル20と第1隔壁リブ40とで区画されている。第1小空間部32は、大空間部31に取り囲まれるように配置されている。
【0025】
第2小空間部33は、車両用バックドア1の外周縁部に断面略三角形に形成されている。第2小空間部33は、インナパネル10とアウタパネル20と第2隔壁リブ41とで区画されている。第2小空間部33は、大空間部31を取り囲むように配置されている。
【0026】
図3~
図5では、インナパネル10の立ち上がり壁11と第1隔壁リブ40との間の大空間部31と、第1小空間部32と、第1隔壁リブ40と第2隔壁リブ41との間の大空間部31と、第2小空間部33とが、この順で上方から並置されている。
【0027】
インナパネル10の車両後方側の面(内部空間30に臨む内面)には、
図2~
図5に示すように、大空間部31と第1小空間部32との間を隔てる略台形の第1隔壁リブ40と、大空間部31と第2小空間部33との間を隔てる略矩形の第2隔壁リブ41とが一体に形成されている。
【0028】
第1隔壁リブ40と第2隔壁リブ41とは共に樹脂材で成形されている。第1隔壁リブ40と第2隔壁リブ41とは、インナパネル10から車両後方側へ延びるように形成されている。第1隔壁リブ40は、ライセンスプレート収容部22の底部の外周縁部に対応するように配置されている。第2隔壁リブ41は、インナパネル10の外周縁近傍であって第2接着部13よりも内方にその全周に亘って配置されている。
【0029】
第1隔壁リブ40の先端とアウタパネル20との間には第1隙間42が形成されている。第2隔壁リブ41の先端とアウタパネル20との間には第2隙間43が形成されている。
【0030】
第1隙間42と第2隙間43とには第1防音材50が挟まっている。この第1防音材50は独立気泡発泡体で構成されている。独立気泡発泡体とは、固体物質の中に多数の気泡があり、気泡中の気体が互いに独立している多孔材料である。独立気泡発泡体は、遮音性能や緩衝性能を有している。
【0031】
第1隙間42に挟まった第1防音材50は、
図4に示すように、第1隔壁リブ40の先端で折り返された状態で、第1隔壁リブ40における大空間部31側の面と第1小空間部32側の面とに貼り付けられている。第1隙間42に挟まった第1防音材50は、第1隔壁リブ40における大空間部31側の面への貼り付け部の方が、第1小空間部32側の面への貼り付け部よりも長い。
【0032】
第2隙間43に挟まった第1防音材50は、
図5に示すように、第2隔壁リブ41の先端で折り返された状態で、第2隔壁リブ41における大空間部31側の面と第2小空間部33側の面とに貼り付けられている。第2隙間43に挟まった第1防音材50は、第2隔壁リブ41における大空間部31側の面への貼り付け部の方が、第2小空間部33側の面への貼り付け部よりも長い。
【0033】
インナパネル10における第1小空間部32及び第2小空間部33に臨む車両後方側の面には、
図3~
図5に示すように、それぞれ第2防音材60が設けられている。この第2防音材60は、独立気泡発泡体又は連続気泡発泡体で構成されている。連続気泡発泡体とは、固体物質の中に多数の気泡があり、気泡中の気体が互いに連続している多孔材料である。連続気泡発泡体は、吸音性能を有している。
【0034】
第1小空間部32に設けられた第2防音材60は、インナパネル10における第1小空間部32に臨む車両後方側の面の、上下方向の全体に亘って貼り付けられている。第2小空間部33に設けられた第2防音材60は、インナパネル10と第2隔壁リブ41とがなす隅部で折り曲げられた状態で、インナパネル10の車両後方側の面の、上下方向の全体に亘って貼り付けられているとともに、第2隔壁リブ41における第2小空間部33側の面に貼り付けられている。第2小空間部33に設けられた第2防音材60は、インナパネル10への貼り付け部の方が、第2隔壁リブ41への貼り付け部よりも長い。
【0035】
このように構成された車両用バックドア1は、
図1に仮想線で示す自動車Aの車両後方に形成された開口aの外周縁部にヒンジ(図示なし)を介して取り付けられ、この開口aを開閉するようになっている。
【0036】
車両後方に形成された開口aの外周縁部には、
図1及び
図3に示すように、その全周に亘ってウェザーストリップSが設置されている。その開口aを車両用バックドア1が閉じた状態では、車両と車両用バックドア1との間が密閉されるようになっている。この状態では、ウェザーストリップSがインナパネル10の外周縁部に形成された凹陥部に当接するようになっている。ウェザーストリップSは、例えば中空の樹脂材からなるシール部材である。ウェザーストリップSの構造は公知のものなので、詳細な説明は省略する。
【0037】
したがって、この実施の形態1では、インナパネル10における内部空間30に臨む内面には、大空間部31と小空間部32,33との間を隔てる隔壁リブ40,41が形成され、これらの隔壁リブ40,41の先端と、アウタパネル20との間にはそれぞれ隙間42,43が形成され、これらの隙間42,43には第1防音材50が挟まっている。このため、この第1防音材50によって、大空間部31で発生した
図4及び
図5に示すこもり音Bが、空気による音の減衰効果が大空間部31よりも低い小空間部32,33に透過するのを抑制することができ、車両用バックドア1の内部空間30で発生したこもり音Bが車室内に透過するのを抑制することができる。
【0038】
また、第1防音材50は、遮音性能を有する独立気泡発泡体で構成されているので、大空間部31で発生したこもり音Bが小空間部32,33に透過するのをより一層抑制することができる。さらに、独立気泡発泡体は、緩衝性能も有するので、外力によるアウタパネル20の凹みを抑制することができ、アウタパネル20の外観性を向上させることができる。
【0039】
また、インナパネル10の小空間部32に臨む面、並びに、インナパネル10及び隔壁リブ41の小空間部33に臨む面には、第2防音材60が設けられているので、この第2防音材60によって、車外で発生した
図4及び
図5に示す外部音Cが、空気による減衰効果が相対的に低い小空間部32,33を通って車室内に透過するのを抑制することができる。
【0040】
また、隔壁リブ40,41の先端とアウタパネル20との間にはそれぞれ隙間42,43が形成されているので、隔壁リブ40,41の先端とアウタパネル20との直接の当接による摩擦音の発生を抑制することができる。
【0041】
また、車両用バックドア1が車両後方に形成された開口aを閉じた状態で、ウェザーストリップSによって、隔壁リブ40,41の先端がアウタパネル20へ押し付けられようとしたとしても、隔壁リブ40,41の先端とアウタパネル20との間にはそれぞれ隙間42,43が形成されているので、これらの隙間42,43の分、隔壁リブ40,41の先端がアウタパネル20に押し付けられることが抑制される。さらに、隙間42,43には第1防音材50が挟まっているので、隔壁リブ40,41の先端がアウタパネル20に押し付けられることがより一層抑制される。したがって、外力によるアウタパネル20の凹みを抑制することができ、アウタパネル20の外観性を向上させることができる。
【0042】
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係る第1防音材50の拡大図を示す。実施の形態2では、
図6に示すように、第1防音材50が接着剤で構成されている。
図6では、第2隙間43に挟まった第1防音材50のみを図示している。この接着剤としては、ウレタン系接着剤又はエポキシ系接着剤を用いることが好ましい。ウレタン系接着剤は、ウレタン樹脂を主成分とする。ウレタン系接着剤は、一般に伸縮性に優れている。エポキシ系接着剤は、エポキシ樹脂を主成分とする。エポキシ系接着剤は、一般に接着強度に優れている。
【0043】
その他は、実施の形態1と同様に構成されているので、同一の構成箇所には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0044】
したがって、この実施の形態2では、実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0045】
また、第1防音材50は接着剤で構成されているので、この接着材50によって、隔壁リブ40,41をアウタパネル20に確実に固定することができ、隔壁リブ40,41を、アウタパネル20を内部空間30から支える支柱とすることができる。このため、車両用バックドア1の剛性を向上させることができる。
【0046】
(その他の実施の形態)
上記各実施の形態では、隔壁リブ40,41をインナパネル10の車両後方側の面に形成したが、アウタパネル20の車両前方側の面(内部空間30に臨む内面)に形成してもよい。この場合、隔壁リブ40,41の先端とインナパネル10との間に隙間を形成し、これらの隙間に第1防音材50を挟む。
【0047】
また、第1防音材50の配置は、上記各実施の形態で示したものに限られない。例えば、隙間42,43に挟まった発泡体からなる第1防音材50は、隔壁リブ40,41の先端で折り返された状態で、隔壁リブ40,41における大空間部31側の面の全面と小空間部32,33側の面の全面とに貼り付けてもよく、あるいは、隔壁リブ40,41の先端のみを覆うようにしてもよい。
【0048】
また、第2防音材60の配置は、上記各実施の形態で示したものに限られず、第2防音材60は、インナパネル10、アウタパネル20及び隔壁リブ40,41のうち少なくとも1つにおける小空間部32,33に臨む面に設ければよい。例えば、第2防音材60は、アウタパネル20における小空間部32,33に臨む車両前方側の面のみに設けてもよく、あるいは、隔壁リブ40,41における小空間部32,33に臨む面のみに設けてもよい。さらに、第2防音材60は、インナパネル10、アウタパネル20及び隔壁リブ40,41の小空間部32,33に臨む面の全てに設けてもよい。
【0049】
また、上記各実施の形態では、インナパネル10及びアウタパネル20を樹脂材で成形したが、鉄材等の金属材で成形してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
この発明は、車両用バックドアに利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 車両用バックドア
10 インナパネル
20 アウタパネル
30 内部空間
31 大空間部
32 第1小空間部
33 第2小空間部
40 第1隔壁リブ
41 第2隔壁リブ
42 第1隙間
43 第2隙間
50 第1防音材
60 第2防音材