(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】通気化された中空セグメントを備えたエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
A24D 3/18 20060101AFI20231026BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20231026BHJP
【FI】
A24D3/18
A24F47/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019230503
(22)【出願日】2019-12-20
【審査請求日】2020-04-03
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-02
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム ユテュリー
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】鈴木 充
【審判官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/198838(WO,A1)
【文献】特表2010-506594(JP,A)
【文献】特表2016-531572(JP,A)
【文献】特表2015-519915(JP,A)
【文献】特表2016-538847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A24D 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル発生物品が、
エアロゾル発生基体のロッドと、
濾過材料のプラグを含むマウスピースセグメントであって、前記ロッドの下流に配置され、かつ前記ロッドと長軸方向に整列される、マウスピースセグメントと、
前記ロッドと前記マウスピースセグメントとの間の位置にある中空の管状セグメントであって、前記ロッドおよび前記マウスピースセグメントと長軸方向に整列され、前記中空の管状セグメントが前記マウスピースセグメントの上流端まで全体に延びるくぼみを画定する、中空の管状セグメントと、
前記中空の管状セグメントに沿った位置にある通気ゾーンと、を含み、
前記通気ゾーンは、前記中空の管状セグメントの周辺壁を通して形成された一列以上の穿孔を、前記中空の管状セグメントの上流端から18ミリメートル未満の位置に含み、
前記エアロゾル発生物品の全長が40ミリメートル~70ミリメートルであり、
前記エアロゾル発生基体のロッドの長さが40ミリメートル未満であり、
前記中空の管状セグメントが、10ミリメートル~30ミリメートルの長さを有し、
前記通気ゾーンの前記位置における前記中空の管状セグメントの相当内径が少なくとも5ミリメートルであり、
前記エアロゾル発生基体のロッドが、少なくともエアロゾル形成体を含み、乾燥質量基準で少なくとも10パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記中空の管状セグメントがラッパーを含み、前記ラッパーが前記ロッドおよび前記マウスピースセグメントを囲む、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記中空の管状セグメントが高分子材料またはセルロース系材料から形成された管を含み、前記加熱式エアロゾル発生物品がさらに前記ロッド、前記管、および前記マウスピースセグメントを囲むラッパーを含む、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記中空の管状セグメントの相当内径が前記中空の管状セグメントの長さに沿って実質的に一定である、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記通気ゾーンが、前記中空の管状セグメントに沿って、前記マウスピースセグメントの上流端から少なくとも4ミリメートルの位置にある、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記通気ゾーンが、前記中空の管状セグメントに沿って、前記マウスピースセグメントの下流端から25ミリメートル未満の位置にある、請求項4に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記通気ゾーンを介して前記エアロゾル発生物品の中へと入る通気気流と、エアロゾル気流と前記通気気流の合計との容積比が、60パーセント未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記ロッドが、15ミリメートル未満の長さを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記通気ゾーンの前記位置における前記中空の管状セグメントの周辺壁の厚さが1.5ミリメートル未満であ
り、かつ100マイクロメートル以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記エアロゾル発生物品のRTDが30ミリメートルH
2O~90ミリメートルH
2Oである、請求項1~
9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱時に吸入可能なエアロゾルを発生させるように適合されたエアロゾル発生基体を備えるエアロゾル発生物品に関連する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品が当業界で周知である。典型的に、こうした加熱式喫煙物品においてエアロゾルは、熱源に接触して、熱源の中、熱源の周囲、または熱源の下流に位置していてもよい物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に、熱源からの熱を伝達することによって生成される。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは、凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
多数の従来の技術の文書で、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置が開示されている。例えば、こうした装置には、エアロゾル発生装置の一つ以上の電気発熱体から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式エアロゾル発生装置が含まれる。
【0004】
加熱式エアロゾル発生物品用の基体は、これまでは一般に無作為な向きのたばこ材料の断片、より糸、または細片を使用して製造されてきた。別の方法として、たばこ材料のシートの集合体から形成される、加熱式エアロゾル発生物品用のロッドが、例えば、国際特許出願WO-A-2012/164009号に提案されている。WO2012/164009号で開示されたロッドは、空気がロッドを通して引き込まれるようにする長軸方向の空隙率を有する。事実上、たばこ材料シートの集合体内の折り目は、ロッドを通した長軸方向のチャネルを画定する。
【0005】
加熱式エアロゾル発生物品用の代替的なロッドは、国際特許出願WO-A-2011/101164号から周知である。これらのロッドは、均質化したたばこ材料のより糸から形成され、粒子状たばこおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む混合物を鋳造、圧延、カレンダ成形、または押し出して、均質化したたばこ材料のシートを形成することによって形成されうる。また、代替的な実施形態において、WO-A-2011/101164号のロッドは、粒子状たばこおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む混合物を押し出して、均質化したたばこ材料の連続的な長さを形成することによって得られる均質化したたばこ材料のより糸から形成されうる。
【0006】
加熱式エアロゾル発生物品用の基体は通常、エアロゾル形成体、すなわち、使用時にエアロゾルの形成を促進し、エアロゾル発生物品の使用温度で熱分解に対して実質的に耐性があることが好ましい化合物または化合物の混合物をさらに含む。適切なエアロゾル形成体の例には、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテートなど)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられる。
【0007】
また、加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するための、同一のラッパー内で基体と共に組み立てられる一つ以上の追加的な要素をエアロゾル発生物品内に含めることが一般的である。こうした追加的な要素の例には、マウスピース濾過セグメント、エアロゾル発生物品に構造的強度を与えるように適合された支持要素、マウスピースに到達する前のエアロゾルの冷却に有利に働くように適合された冷却要素等が含まれる。ところが、こうした追加的な要素の包含は、それらの有利な効果を考慮して提案されているが、一般的にエアロゾル発生物品の全体的な構造を複雑にし、製造をより複雑かつ高価にする。実際には、このような複数要素エアロゾル発生物品の製造は、一般的により複雑な製造機械および機械の組み合わせを必要とする。
【0008】
この点から、より単純な構造を有するエアロゾル発生物品が提案されてきた。しかし、例えば、エアロゾル冷却要素などの特定の追加的構成要素が存在しない場合、消費者に満足のいくエアロゾル送達およびRTDを一貫して提供するエアロゾル発生物品を製造することはより困難となりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、使用中に消費者に満足のいくエアロゾル送達を一貫して提供することを可能にするエアロゾル発生物品を提供することが望ましい。さらに、こうした満足のいくRTD値を有する改善されたエアロゾル発生物品を提供することが望ましい。効率的かつ高速で製造され、好ましくは物品間のRTD変動が小さい、こうしたエアロゾル発生物品を提供することも同様に望ましい。本発明は、上述の望ましい結果のうち少なくとも一つを達成するよう適合された技術的解決策を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品が提供されており、エアロゾル発生物品は、
エアロゾル発生基体のロッドと、濾過材料のプラグを含み、ロッドの下流に配置され、かつ第一のセグメントと長軸方向に整列されたマウスピースセグメントと、ロッドとマウスピースセグメントとの間の位置にある中空の管状セグメントとを備える。中空管セグメントは、ロッドおよびマウスピースセグメントと長軸方向に整列されている。さらに、中空の管状セグメントは、マウスピースセグメントの上流端まで全体に延びるくぼみを画定する。エアロゾル発生物品は、中空の管状セグメントに沿った位置に通気ゾーンをさらに備える。通気ゾーンの位置における中空の管状セグメントの相当内径は、少なくとも約5ミリメートルである。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくともエアロゾル形成体を含み、エアロゾル発生基体のロッドは、乾燥質量基準で少なくとも約10パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する。
【0011】
「エアロゾル発生物品」という用語は本明細書で使用される場合、エアロゾル発生基体が加熱されて消費者に送達する吸入可能なエアロゾルを生成する物品を意味する。本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、加熱時に揮発性化合物を放出してエアロゾルを生成する能力を有する基体を意味する。
【0012】
従来的な紙巻たばこは、ユーザーが炎を紙巻たばこの一方の端に付けて、他方の端を通して空気を吸う時に点火される。炎と紙巻たばこを通して吸われた空気中の酸素によって提供される局部的な熱が、紙巻たばこの端部を着火させ、その結果生じる燃焼が吸入可能な煙を発生する。対照的に、加熱式エアロゾル発生物品では、エアロゾルは風味発生基体(たばこなど)を加熱することによって生成される。既知の加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば、電気加熱式エアロゾル発生物品、およびエアロゾルが可燃性燃料要素または熱源から、物理的に分離されたエアロゾル形成材料への熱の伝達によって生成されるエアロゾル発生物品が挙げられる。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの中へと挿入されるように適合された内部ヒーターブレードを有する電気加熱式エアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムとして特定の用途がある。このタイプのエアロゾル発生物品は、従来技術、例えば、欧州特許第EP0822670号に記載されている。
【0013】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体と相互作用してエアロゾルを発生するヒーターを備える装置を意味する。
【0014】
本明細書では、「管状セグメント」という用語は、その長軸方向軸に沿った内腔または気流通路を画定する細長い要素を意味するために使用される。特に、「管状」という用語は、以下において、実質的に円筒形の断面を有し、管状要素の上流端と管状要素の下流端との間の途切れない流体連通を確立する少なくとも一つの気流コンジットを画定する、管状要素に対して使用される。ただし、管状要素の断面の代替的な幾何学的形状も可能でありうることが理解されよう。
【0015】
本明細書で使用される場合、「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生物品の上流端と下流端の間に延びる、エアロゾル発生物品の主要な長軸方向軸に対応する方向を指す。本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾル発生物品を通してエアロゾルが搬送される方向に対する、エアロゾル発生物品の要素(または要素の部分)の相対的な位置を記述する。
【0016】
使用中、空気はエアロゾル発生物品を通して長軸方向に引き出される。「横断方向」という用語は、長軸方向に対して直角を成す方向を指す。エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生物品の構成要素の「断面」に対する任意の言及は、別段の指定がない限り、横断断面を指す。
【0017】
「長さ」という用語は、長軸方向におけるエアロゾル発生物品の構成要素の寸法を意味する。例えば、ロッドまたは細長い管状要素の長軸方向における寸法を意味するために使用されうる。
【0018】
「管状要素の周辺壁の厚さ」という用語は、本明細書では、管状要素の周辺を仕切る壁の外表面と内表面との間で測定される最小距離を意味するために使用される。実際には、所与の位置における距離は、管状要素の外表面および内表面に対して局所的に実質的に直角を成す方向に沿って測定される。実質的に円形断面を有する管状要素について、距離は、管状要素の実質的に半径方向に沿って測定される。
【0019】
いくつかの実施形態において、管状要素の周辺壁の厚さは一定である。代替的な実施形態において、管状要素の周辺壁の厚さは、管状要素の長さに沿って変化する。これは、管状要素が不規則な表面仕上げを有する材料から形成されるためでありうる(例えば、管状要素は酢酸セルロース管の形態で提供される)。あるいは、これは、管状要素が先細りのセクション等を含むように設計されているためでありうる。管状要素の周辺壁の厚さが管状要素の長さに沿って変化する実施形態において、「管状要素の周辺壁の厚さ」は、管状要素の長さに沿った異なる位置における壁の外表面と内表面との間の最小距離として測定されたいくつかの値に基づいて計算された平均値とみなされる。
【0020】
いずれの実施形態でも、特に有意なパラメータは、通気ゾーンの位置にある管状要素の周辺壁の厚さである。
【0021】
「不透気性の材料」という表現は本明細書の全体を通して、材料の隙間や細孔を通して流体、特に空気および煙、の通過を許容しない材料を意味する。中空の管状セグメントが空気およびエアロゾル粒子に対して不浸透性の材料で形成される場合、中空の管状セグメントを通して引き出された空気およびエアロゾル粒子は、強制的に中空の管状セグメントによって内部的に画定された気流コンジットを通して流れるが、中空の管状セグメントの周辺壁を横切って流れることはできない。
【0022】
本明細書で使用される時、「均質化したたばこ材料」という用語はたばこ材料の粒子の凝集によって形成される任意のたばこ材料を包含する。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎の一方または両方を粉砕することによって、またはその他の方法で粉末化することによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成される。さらに、均質化したたばこ材料は、たばこの処理、取り扱い、および発送の間に形成された少量のたばこダスト、たばこ微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料のシートは、鋳造、押し出し、製紙プロセス、または当業界で周知のその他任意の適切なプロセスによって製造されうる。
【0023】
「多孔性」という用語は本明細書で使用される場合、材料を通した空気の通過を許容する複数の細孔または開口部を提供する材料を指す。
【0024】
「通気レベル」という用語は、本明細書全体を通して、通気ゾーン(通気気流)を介してエアロゾル発生物品の中へと入る気流と、エアロゾル気流と通気気流の合計との容積比を意味するために使用される。通気レベルが大きいほど、消費者に送達されるエアロゾル流の希釈が高くなる。
【0025】
簡単に上述した通り、本発明のエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドと、濾過材料のプラグを含むマウスピースセグメントと、ロッドとマウスピースセグメントとの間の位置にある中空の管状セグメントとを備える。これらの三つの要素は長軸方向に整列されている。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む。
【0026】
周知のエアロゾル発生物品とは対照的に、エアロゾル発生基体のロッドは、乾燥質量基準で少なくとも約10パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する。さらに、中空の管状セグメントは、マウスピースセグメントの上流端まで全体に延びるくぼみを確定し、通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った位置に提供される。さらに、中空管セグメントの相当内径は、少なくとも約5ミリメートルである。
【0027】
マウスピースセグメントの上流端まで全体に延びるくぼみを画定する中空の管状要素が、エアロゾル発生基体のロッドとマウスピースとの間に配置されるエアロゾル発生物品を提供することにより、物品の全体的な構造的複雑さが、既存のエアロゾル発生物品と比べて、著しく低減されうる。これは有利なことに、製造プロセスを簡略化し、製造、および製造プロセスを実施するために必要な装置を組み合わせる複雑さを低減する。
【0028】
こうしたエアロゾル発生物品の一つは、例えば、国際特許出願WO2013/120565号に記載されたエアロゾル発生物品の場合のように、エアロゾル発生物品を通して引き出されたエアロゾルの流れの温度を低減させるように適合されたエアロゾル冷却要素を必ずしも備えない。
【0029】
発明者らは、物品の加熱時に生成され、中空の管状要素を通して引き出されたエアロゾルの流れの満足のいく冷却は、中空の管状セグメントに沿った位置に通気ゾーンを提供することによって達成されることを見出した。さらに、意外なことに発明者は、少なくとも約5ミリメートルの相当内径を有する中空の管状セグメントを利用することにより、流通空気を物品の中へと入れることで生じる増大したエアロゾル希釈の影響を相殺することが可能でありうることを見出した。
【0030】
理論に束縛拘束されるものではないが、エアロゾルがマウスピースセグメントに向かって移動するにつれて、流通空気の導入によってエアロゾル流の温度が急速に低減されるため、流通空気が中空の管状セグメントの上流端に比較的近い(すなわち、熱源およびエアロゾル発生基体のロッドに十分に近い)位置でエアロゾル流に入り、エアロゾル流の劇的な冷却が達成され、これがエアロゾル粒子の凝縮および核生成に有利な影響を有すると考えられる。従って、エアロゾル粒子相とエアロゾルガス相との全体的な比率が、既存の無通気のエアロゾル発生物品と比べて向上されうる。
【0031】
同時に、5ミリメートル以上の相当内径を有する中空の管状要素を利用することにより、エアロゾル構成要素がエアロゾル発生基体のロッドを離れるとすぐにエアロゾルが核生成プロセスを開始するのに利用可能である、中空の管状要素の全体的な内部容積、および、中空の管状セグメントの断面表面積が効果的に最大化されることが確実となる一方で、同時に、中空の管状セグメントが、エアロゾル発生物品の崩壊を防止するととともにエアロゾル発生基体のロッドに対してある程度の支持を提供するのに必要な構造的強度を有すること、および中空の管状セグメントのRTDが最小化されることが確実になる。中空の管状セグメントのくぼみの断面表面積の大きな値は、エアロゾル発生物品に沿って移動するエアロゾル流の低減された速度に関連付けられ、さらに、核生成に有利に働くものと理解される。実際には、理論に束縛されないが、本発明による物品の場合のように、このような大きな容積を有するくぼみを提供することにより、その内部において、エアロゾル流の流れを減速させることによって核生成現象減少が向上するため、物品の口側の端の上流におけるエアロゾル粒子の凝縮に有利に働きうる、冷却チャンバーが効果的に提供される。
【0032】
エアロゾル発生基体のロッドの下流に十分に広い管状のくぼみを提供することは、使用中の十分な量のエアロゾル形成に有利に働くと理解される。その結果、生成されたエアロゾル粒子のより大きな割合が、物品の口側の端に到達する前に凝縮し始める。
【0033】
実際には、意外にも発明者らは、本発明によるエアロゾル発生物品でエアロゾル送達の満足のいく値が一貫して達成されるように、向上した核生成の有利な効果が、どのように希釈の望ましくない効果を著しく相殺するかを見出した。これは、エアロゾル発生基体のロッドの長さが約40ミリメートル未満、好ましくは25ミリメートル未満、さらにより好ましくは20ミリメートル未満である、あるいは、エアロゾル発生物品の全長が約70ミリメートル未満、好ましくは約60ミリメートル未満、さらにより好ましくは50ミリメートル未満のものなど、「短い」エアロゾル発生物品に特に有利である。理解される通り、こうしたエアロゾル発生物品では、エアロゾル形成のための、およびエアロゾルの粒子相が消費者への送達に対して利用可能となるための、時間および空間が少ない。
【0034】
さらに、中空の管状要素は実質的にエアロゾル発生物品のRTDに寄与しないため、本発明によるエアロゾル発生物品では、エアロゾル発生基体のロッドの長さおよび密度、または、マウスピースの濾過材料のセグメントの長さおよび密度を調整することで、有利なことに、物品の全体的なRTDが微調整されうる。これにより、通気の存在下でさえも、満足のいくレベルのRTDを消費者に提供できるように、所定のRTDを有するエアロゾル発生基体を一貫してかつ非常に正確に製造することが可能になる。
【0035】
本発明によるエアロゾル発生物品は、高速で効率的に実行可能な連続的なプロセスで製造でき、製造装置の広範な修正を必要とすることなく、加熱式エアロゾル発生物品の製造用の既存の生産ラインで簡便に製造されうる。
【0036】
エアロゾル発生基体のロッドは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0037】
エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも5ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~およそ12ミリメートル、例えば約5ミリメートル~約10ミリメートル、または約6ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有しうる。好ましい一つの実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは7.2ミリメートル±10パーセントの外径を有する。
【0038】
エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約100mmの長さを有しうる。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約5ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することがより好ましい。加えて、または別の方法として、エアロゾル発生基体のロッドは、約80ミリメートル未満の長さを有することが好ましく、約65ミリメートル未満の長さを有することがより好ましく、約50ミリメートル未満の長さを有することがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは、約35ミリメートル未満の長さを有し、25ミリメートル未満の長さを有することがより好ましく、約20ミリメートル未満の長さを有することがさらにより好ましい。一つの実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約10ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約12ミリメートルの長さを有する。
【0039】
エアロゾル発生基体のロッドは、ロッドの長さに沿って実質的に均一な断面を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、実質的に円形断面を有することが特に好ましい。
【0040】
好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は、一つ以上の均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。一つ以上の均質化されたたばこ材料のシートは、テクスチャ加工されることが好ましい。本明細書で使用される「テクスチャ加工されたシート」という用語は、捲縮され、型押しされ、デボス加工され、穿孔され、または別途変形されたシートを意味する。本発明で使用するための均質化されたたばこ材料のきめのあるシートは、複数の間隔を置いたへこみ、突起、穿孔またはそれらの組み合わせを含みうる。本発明の特に好ましい実施形態によれば、エアロゾル発生基体のロッドは、ラッパーによって囲まれた均質化されたたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。
【0041】
本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、「しわ付けしたシート」という用語と実質的に同義語であることが意図され、複数の実質的に平行した隆起または波型形状のあるシートを意味する。均質化されたたばこ材料の捲縮したシートは、実質的に本発明によるロッドの円筒軸に平行な複数の隆起または波型形状を有することが好ましい。これは、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を都合良く容易にしてロッドを形成する。ところが、当然のことながら、本発明で使用するための均質化されたたばこ材料の捲縮したシートは、別の方法としてまたは追加的に、ロッドの円筒軸に対して鋭角または鈍角を成す複数の実質的に平行な隆起または波型形状を持つ。一定の実施形態において、本発明の物品のロッドで使用するための均質化されたたばこ材料シートは、実質的にその表面全体にわたって実質的に均等にテクスチャ加工されうる。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品で使用するためのロッドの製造に使用するための均質化されたたばこ材料の捲縮したシートは、シートの幅にわたって実質的に均一に間隔を介した複数の実質的に平行した隆起または波型形状を含みうる。
【0042】
本発明で使用するための均質化されたたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥質量基準で少なくとも約40重量パーセントのたばこ含有量を有してもよく、乾燥質量基準で少なくとも約60重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、乾燥質量基準で少なくとも約70重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、乾燥質量基準で少なくとも約90重量パーセントのたばこ含有量を有することが最も好ましい。
【0043】
エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートまたはウェブは、粒子状のたばこを凝集するのを補助するための、たばこ内因性結合剤である一つ以上の固有の結合剤、たばこ外来性結合剤である一つ以上の外因性結合剤、またはそれらの組み合わせを含みうる。別の方法として、または加えて、エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成剤、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒およびこれらの組み合わせを含むが限定されないその他の添加剤を含んでもよい。
【0044】
エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートまたはウェブにおける封入体のための適切な外因性結合剤は当業界で周知であり、ゴム、例えば、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴムおよびローカストビーンガムなど、セルロース結合剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなど、多糖類、例えば、デンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、寒天およびペクチンなどの有機酸の共役塩基塩など、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0045】
エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートまたはウェブに含めるための適切な非たばこ繊維は当業界で周知であり、セルロース繊維、柔らかい木材繊維、堅い木材繊維、ジュート繊維およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートに含める前に、非たばこ繊維は、当業界で周知の適切なプロセスによって処理されてもよく、それには機械式パルプ化;精製;化学的パルプ化;脱色;硫酸塩パルプ化;およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0046】
均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、エアロゾル形成体を含むことが好ましい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用において、エアロゾルの形成を容易にし、実質的にエアロゾル発生物品の使用温度にて熱分解に対して抵抗性のある任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を記述する。
【0047】
適切なエアロゾル形成剤は、当該技術分野において公知であり:プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコールおよびグリセリンなどの多価アルコール;グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテートなどの多価アルコールのエステル;およびジメチルドデカンジオアートおよびジメチルテトラデカンジオアートなどのモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステルを含むが、限定されない。
【0048】
好ましいエアロゾル形成体は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよび最も好ましくはグリセリンなどの多価アルコールまたはその混合物である。
【0049】
均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、単一のエアロゾル形成体を含みうる。別の方法として、均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含みうる。
【0050】
均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥質量基準で10パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有する。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥質量基準で12パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥質量基準で14パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有することがより好ましい。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥質量基準で16パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有することがさらにより好ましい。
【0051】
均質化したたばこ材料のシートは、乾燥質量基準でおよそ10パーセント~およそ30パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、乾燥質量基準で25パーセント未満のエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。
【0052】
好ましい実施形態において、均質化したたばこ材料のシートは、乾燥質量基準でおよそ20パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する。
【0053】
本発明のエアロゾル発生物品における使用のための均質化したたばこのシートまたはウェブは、当業界で周知の方法(例えば国際特許出願第WO2012/164009A2号で開示されている方法)によって製造されてもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品における使用のための均質化されたたばこ材料のシートは、鋳造プロセスによって粒子状のたばこ、グアーガム、セルロース繊維およびグリセリンを含むスラリーから形成される。
【0054】
エアロゾル発生物品で使用するためのロッド内の均質化したたばこ材料の代替的な配置は、当業者には周知であり、均質化したたばこ材料の複数の積み重ねられたシート、長軸方向の軸の周りに均質化したたばこ材料の細片を巻き取って形成された複数の細長い管状要素等を含みうる。
【0055】
さらなる代替として、エアロゾル発生基体のロッドは、ニコチン(例えば、ニコチン塩の形態で)およびエアロゾル形成体を配合した吸収材非たばこ材料のシートなど、非たばこベースのニコチン含有材料を含みうる。こうしたロッドの例は、国際出願WO-A-2015/052652号に記載されている。加えて、または別の方法として、エアロゾル発生基体のロッドは、芳香族非たばこ植物材料などの非たばこ植物材料を含んでもよい。
【0056】
本発明による物品のエアロゾル発生基体のロッドにおいて、エアロゾル発生基体はラッパーによって囲まれることが好ましい。ラッパーは、多孔性または非多孔性のシート材料で形成されうる。ラッパーは任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されうる。ラッパーは紙ラッパーであることが好ましい。
【0057】
マウスピースセグメントは、粒子状構成要素、ガス状構成要素、または組み合わせを除去することができる濾過材料のプラグを含む。適切な濾過材料は当業界で周知であり、例えば、酢酸セルローストウなどの繊維質の濾過材料、ビスコース繊維、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)繊維、ポリ乳酸(PLA)繊維および紙、例えば活性化アルミナ、ゼオライト、分子ふるいおよびシリカゲルなどの吸着剤、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。さらに、濾過材料のプラグは、一つ以上のエアロゾル修飾剤をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル修飾剤は当該技術分野で周知であり、例えば、メントールなどの風味剤を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、マウスピースは、濾過材料のプラグの下流に口側の端の窪みをさらに含みうる。一例として、マウスピースは、濾過材料のプラグと長軸方向に整列され、かつ濾過材料のプラグのすぐ下流に配置された中空管を含んでもよく、中空管は、マウスピースの下流端で外側環境に対して開いている、口側の端にあるくぼみを形成する。
【0058】
マウスピースの長さは少なくとも約4ミリメートルであることが好ましく、少なくとも約6ミリメートルであることがより好ましく、少なくとも約8ミリメートルであることがさらにより好ましい。加えて、または別の方法として、マウスピースの長さは25ミリメートル未満であることが好ましく、20ミリメートル未満であることがより好ましく、15ミリメートル未満であることがさらにより好ましい。一部の好ましい実施形態において、マウスピースの長さは約4ミリメートル~約25ミリメートルであり、約6ミリメートル~約20ミリメートルであることがより好ましい。例示的な実施形態において、マウスピースの長さは約7ミリメートルである。別の例示的な実施形態において、マウスピースの長さは約12ミリメートルである。
【0059】
中空の管状セグメントは、エアロゾル発生物品内の空気ギャップを仕切って画定する環状管であることが好ましい。実際には、中空の管状セグメントは、エアロゾル発生基体の加熱時に放出された揮発したエアロゾル構成要素を蓄積させ、中に流す、チャンバーを提供する。簡単に上述した通り、このチャンバーは、マウスピースの上流端まで全体に長軸方向に延びる。これは、中空の管状セグメントとマウスピースとの間に中間要素が提供されないことを意味し、エアロゾル発生物品を通って流れるエアロゾルが中空の管状セグメントの下流端に到達すると、エアロゾル発生物品を通って流れるエアロゾルは実質的にマウスピースの上流端にも到達することを意味する。より詳細には、エアロゾル発生物品を通って流れるエアロゾルは、一般に、マウスピースの濾過材料のセグメントの上流端に到達する。
【0060】
従って、本発明によるエアロゾル発生物品において、中空の管状セグメントは、エアロゾル発生基体のロッドを、マウスピースから所定の距離に維持し、エアロゾルを形成してマウスピースに向かって流す細長い気流コンジットを提供する。使用中、この気流コンジットに沿って熱勾配が確立される。実際には、温度差は、上流端において中空の管状セグメントに入る揮発したエアロゾル構成要素の温度が、下流端(すなわち、マウスピースの上流端)で中空の管状セグメントを出る揮発したエアロゾル構成要素の温度よりも大きくなるように、提供される。
【0061】
その一方で、中空の管状セグメントは、エアロゾル発生物品の製造中に中空の管状セグメントに印加されうる任意の軸方向の圧縮荷重または曲げモーメントに耐える必要がある。さらに、中空の管状セグメントは、消費者によって簡単に取り扱われ、使用のためにエアロゾル発生装置の中へと挿入されるように、エアロゾル発生物品に対して構造的強度を付与する必要がある。その一方で、エアロゾルの形成に有利に働き、かつ消費者に対するエアロゾルの送達を向上させるように、中空の管状要素によって内部的に画定されたチャンバーの全体的な容積はできるだけ大きいことが望ましい。
【0062】
これらの要件を満たすために、簡単に上述した通り、中空の管状セグメントの相当内径は少なくとも約5ミリメートルである。「相当内径」という用語は、本明細書で使用される場合、中空の管状セグメントによって内部的に画定された気流コンジットの断面と同一の表面積を有する円の直径を意味する。気流コンジットの断面は、適切な任意の形状を有しうる。しかしながら、簡単に上述した通り、円形断面が好ましい、すなわち、中空の管状セグメントは実質的に円筒形の管である。その場合、中空の管状セグメントの相当内径は、事実上円筒形の管の内径と一致する。
【0063】
中空の管状セグメントの相当内径は、少なくとも約5.25ミリメートルであることがより好ましく、少なくとも約5.5ミリメートルであることがさらにより好ましい。いくつかの実施形態において、中空の管状セグメントの相当内径は少なくとも約6ミリメートル、または少なくとも約6.5ミリメートル、または少なくとも約7ミリメートルである。
【0064】
さらに、中空の管状セグメントの相当内径は、約10ミリメートル未満であることが好ましい。中空の管状セグメントの相当内径は、約9.5ミリメートル未満であることがより好ましく、9ミリメートル未満であることがさらにより好ましい。
【0065】
中空の管状セグメントの相当内径は、通気ゾーンの位置で測定される。
【0066】
好ましい実施形態において、中空の管状セグメントの相当内径は、中空の管状セグメントの長さに沿って実質的に一定である。その他の実施形態において、中空の管状セグメントの相当内径は、中空の管状セグメントの長さに沿って変化しうる。
【0067】
意外にも、発明者らは、上述の範囲内の相当内径を有する中空の管状セグメント含む中空の管状セグメントを備える本発明によるエアロゾル発生物品が、特に満足のいくエアロゾル送達の値を提供しうることを見出した。理論に束縛されるものではないが、上述の範囲内にある相当内径を有する中空の管状セグメントに沿って流れるエアロゾル流は、入ってくるより冷たい流通空気の流れがエアロゾル流に受けられ、これと混合される時に、比較的低速で流れると考えられる。エアロゾル流は中空の管状セグメントに沿って比較的ゆっくりと移動するため、こうした条件の下でエアロゾルの核生成に与える有利な冷却の影響が、最大化されることが期待される。
【0068】
中空の管状セグメントの相当内径は、中空の管状セグメントの長さに沿って実質的に一定であることが好ましい。ただし、一部の実施形態において、中空の管状セグメントの断面表面積は、中空の管状セグメントの長さに沿って変化しうる。こうした実施形態において、相当内径は、通気ゾーンの位置で測定される。
【0069】
好ましい実施形態において、中空の管状セグメントの周辺壁の厚さは1.5ミリメートル未満である。中空の管状セグメントの周辺壁の厚さは、1250マイクロメートル未満であることがより好ましく、1000マイクロメートル未満であることがさらにより好ましく、900マイクロメートル未満であることが最も好ましい。特に好ましい実施形態では、中空の管状セグメントの周辺壁の厚さは、800マイクロメートル未満である。
【0070】
加えて、または別の方法として、中空の管状セグメントの周辺壁の厚さは、少なくとも約100マイクロメートルである。中空の管状セグメントの周辺壁の厚さは、少なくとも約200マイクロメートルであることが好ましい。
【0071】
理論に束縛されるものではないが、厚さが上述の範囲内にある周辺壁を有する中空の管状セグメントを利用することにより、有利なことに、エアロゾルの流れとのその接触および混合の前に、流通空気の拡散を制限または実質的に防止することさえできると思われる。これはさらに、核生成現象に有利に働くものと理解される。実際には、中空の管状セグメントを通して引き出された揮発した種の流れのより制御可能に局所化された冷却を提供することによって、新しいエアロゾル粒子の形成に対する冷却の効果を向上させることが可能である。
【0072】
簡単に上記で説明した通り、本発明によるエアロゾル発生物品は、中空の管状セグメントに沿った位置に通気ゾーンを備える。通気ゾーンは、中空の管状セグメントの上流端から約18ミリメートル未満の位置に提供されることが好ましい。通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離は、約15ミリメートル未満であることが好ましい。通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離は、約10ミリメートル未満であることがさらにより好ましい。
【0073】
加えて、または別の方法として、通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離は、少なくとも2ミリメートルであることが好ましい。通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離は、少なくとも約4ミリメートルであることがより好ましい。通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離は、少なくとも約6ミリメートルであることがさらにより好ましい。
【0074】
通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースの上流端から少なくとも2ミリメートルの位置に提供されることが好ましい。通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースの上流端から少なくとも4ミリメートルの位置に提供されることが好ましい。通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースの上流端から少なくとも6ミリメートルの位置に提供されることがさらにより好ましい。
【0075】
エアロゾル発生物品を通って流れる空気およびエアロゾル粒子の混合物が通気ゾーンに到達すると、通気ゾーンを介して中空の管状セグメントの中に引き出された外気がエアロゾルと混合する。このことは、エアロゾル混合物の温度を急速に低減させる一方で、空気とエアロゾル粒子の混合物を部分的に希釈する。以下により詳細に説明されるように、上述の範囲内にあるマウスピースセグメントの上流端からある距離に通気ゾーンを提供することによって、マウスピースのすぐ上流に冷却チャンバーが効果的に提供され、ここで核生成およびエアロゾル粒子の成長が有利に働きうる。このように、中空の管状セグメントの中に入る流通空気の希釈効果は少なくとも部分的に相殺され、これは有利なことに、消費者にとって満足のいくエアロゾル送達レベルの提供を可能にする。
【0076】
いくつかの実施形態において、通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離と、通気ゾーンの位置における中空の管状セグメントの相当内径との比は、4未満である。通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離と、通気ゾーンの位置における中空の管状セグメントの相当内径との比は、3.5未満であることが好ましい。通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離と、通気ゾーンの位置における中空の管状セグメントの相当内径との比は、3未満であることがより好ましい。通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離と、通気ゾーンの位置における中空の管状セグメントの相当内径との比は、2.5未満であることがさらにより好ましい。
【0077】
特に好ましい実施形態において、通気ゾーンと中空の管状セグメントの上流端との間の距離と、通気ゾーンの位置における中空の管状セグメントの相当内径との比は、2未満であり、1.5未満であることがより好ましく、1.2未満であることがさらにより好ましい。
【0078】
通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から少なくとも10ミリメートルの位置に提供されることが好ましい。通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から少なくとも12ミリメートルの位置に提供されることがより好ましい。通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から少なくとも15ミリメートルの位置に提供されることがさらにより好ましい。これは、使用中に、通気ゾーンが消費者の唇によって塞がれないことを確実にする点で有利である。
【0079】
加えて、または別の方法として、通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から25ミリメートル未満の位置にあることが好ましい。通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から20ミリメートル未満の位置にあることがより好ましい。これは有利なことに、使用中に、エアロゾル発生物品が電気加熱式エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内に受けられた時に、冷たい外気が中空の管状セグメントの中へと容易に引き出されうるように、通気ゾーンが、加熱チャンバーの外側に突出する中空の管状セグメントに沿った位置に効果的にあることを確実にする。
【0080】
一部の好ましい実施形態において、通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から約10ミリメートル~約25ミリメートル、より好ましくはマウスピースセグメントの下流端から約12ミリメートル~約20ミリメートルの位置に提供される。例示的な実施形態において、通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から18ミリメートルの位置に提供される。別の例示的な実施形態において、通気ゾーンは、中空の管状セグメントに沿った、マウスピースセグメントの下流端から13ミリメートルの位置に提供される。
【0081】
エアロゾル発生物品は通常、少なくとも約10パーセント、好ましくは少なくとも約20パーセントの通気レベルを有しうる。
【0082】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、少なくとも約30パーセントの通気レベルを有する。エアロゾル発生物品は、少なくとも約35パーセントの通気レベルを有することがより好ましい。加えて、または別の方法として、エアロゾル発生物品は、約60パーセント未満の通気レベルを有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、約50パーセント未満の通気レベルを有することがより好ましい。特に好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、約30パーセント~約60パーセントの通気レベルを有する。エアロゾル発生物品は、約35パーセント~約50パーセントの通気レベルを有することがより好ましい。いくつかの特に好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、約40パーセントの通気レベルを有する。
【0083】
理論に束縛されるものではないが、発明者は、より冷たい外気を、通気ゾーンを介して中空の管状セグメントの中へと入れることによって生じる温度降下が、エアロゾル粒子の核生成および成長に有利な効果を有しうることを見出した。
【0084】
様々な化学種を含有するガス状混合物からのエアロゾルの形成は、蒸気濃度、温度および速度場の変化を説明する、核生成、蒸発、および凝縮ならびに融合間の繊細な相互作用に依存する。いわゆる従来の核生成理論は、ガス相中の分子の一部が、十分な確率で(例えば、1/2の確率など)長時間コヒーレントなままであるのに十分に大きいとの想定に基づいている。これらの分子は、一過性の分子凝集体の中のある種類の臨界の、閾値分子クラスターを表しており、概して、小さな分子クラスターほどかなり迅速にガス相に分解しやすく、大きなクラスターほど概して成長しやすいことを意味している。こうした臨界クラスターは、蒸気からの分子の凝縮に起因して液滴が成長することが期待される、主要な核生成コアとして特定される。核生成されたばかりの未処理の液滴は、特定のオリジナルの直径を有して出現し、その後、いくつかの大きさだけ成長しうると想定される。これは、凝縮を誘起する、周囲の蒸気の高速な冷却によって促進され、強化されうる。この点について、蒸発および凝縮は、一つの同一のメカニズム、すなわちガスと液体の物質移動の二つの側面であることを念頭におくことが役立つ。蒸発は液滴からガス相への正味物質移動に関連し、凝縮はガス相から液滴相への正味物質移動である。蒸発(または凝縮)によって、液滴が縮小(または成長)するが、液滴数は変化しない。
【0085】
このシナリオでは、融合現象によってさらに複雑となる場合があるが、冷却の温度および速度は、システムがどのように応答するかを決定するのに重要な役割を果たしうる。一般に、異なる冷却速度は、核生成プロセスが一般的に非線形であるために、液相(液滴)の形成に関して、著しく異なる温度挙動につながりうる。理論に束縛されるものではないが、冷却することによって液滴凝縮数の急激な増加が生じ、その後この成長が、短期間に強力に増大しうる(バースト核生成)と仮定される。このバースト核生成は、低温でより有意であると思われる。さらに、高い冷却速度は、早期の核生成の開始に有利に働きうると思われる。対照的に、冷却速度の低減は、エアロゾル液滴が最終的に到達する最終サイズに有利な効果を有すると思われる。
【0086】
従って、外気を、通気ゾーンを介して中空の管状セグメントの中へと入れることで誘起される高速冷却は、エアロゾル液滴の核生成および成長に有利に働くのに有利に使用されうる。しかしながら、同時に、外気を中空の管状セグメントの中へと入れることは、消費者に送達されたエアロゾル流の希釈という直接の欠点を有する。
【0087】
意外なことに発明者らは、特に、エアロゾル形成体としてエアロゾル形成体に含まれるグリセリンの送達に対する効果を測定することによって評価されうる、エアロゾルに対する希釈効果が、通気レベルが30パーセント~50パーセントであるときに有利に最小化されることを見出した。特に、35パーセント~42パーセントの通気レベルが、特に満足のいくグリセリン送達の値につながることが見出された。
【0088】
さらに、発明者は、本発明によるエアロゾル発生物品では、上記の中空の管状セグメントによって画定されたコンジットに沿った位置における流通空気によって生じる冷却および希釈効果が、フェノール含有種の生成および送達に驚くべき低減効果を有することを見出した。
【0089】
通気ゾーンは、中空の管状セグメントの周辺壁を通して形成された一列以上の穿孔を含みうる。通気ゾーンは、一列の穿孔のみを含むことが好ましい。これは、中空管セグメントによって画定されたくぼみの短い部分上の通気によってもたらされる冷却効果を凝縮させることで、エアロゾルの核生成をさらに向上させることができるという点で有利であると理解される。これは、揮発した種の流れのより高速でより劇的な冷却が、エアロゾル粒子の新たな核の形成に特に有利に働くことが期待されるからである。
【0090】
一列以上の穿孔は、中空管の壁の周りに円周方向に配置されることが好ましい。通気ゾーンが、中空の管状セグメントの周辺壁を通して形成された二列以上の穿孔を含む場合、列は中空の管状セグメントに沿って互いに長軸方向に間隙を介している。一例として、隣接した穿孔の列は、約0.25ミリメートル~0.75ミリメートルの距離だけ互いに長軸方向に間隔を置いてもよい。
【0091】
通気穿孔の少なくとも一つの相当直径は、少なくとも約100マイクロメートルであることが好ましい。好ましくは、通気穿孔の少なくとも一つの相当直径は、少なくとも約150マイクロメートルである。通気穿孔の少なくとも一つの相当直径は、少なくとも約200マイクロメートルであることがさらにより好ましい。加えて、または別の方法として、通気穿孔の少なくとも一つの相当直径は、約500マイクロメートル未満であることが好ましい。通気穿孔の少なくとも一つの相当直径は、約450マイクロメートル未満であることがより好ましい。通気穿孔の少なくとも一つの相当直径は、約400マイクロメートル未満であることがさらにより好ましい。「相当直径」という用語は、本明細書で使用される場合、通気穿孔の断面と同一の表面積を有する円の直径を意味する。通気穿孔の断面は、任意の適切な形状を有しうる。しかしながら、円形の通気穿孔が好ましい。
【0092】
通気穿孔は均一なサイズのものとしうる。別の方法として、通気穿孔はサイズが変化してもよい。通気穿孔の数およびサイズを変化させることによって、消費者が使用中にエアロゾル発生物品のマウスピースを吸い込む時に、中空の管状セグメントの中へと入る外気の量を調整することが可能である。そのため、有利なことに、エアロゾル発生物品の通気レベルを調整することが可能である。
【0093】
通気穿孔は、任意の適切な技術、例えば、レーザー技術、エアロゾル発生物品の一部のとしての中空の管状セグメントの機械的穿孔、または、他の要素と組み合わされてエアロゾル発生物品を形成する前の中空の管状セグメントの事前穿孔を使用して形成されうる。通気穿孔は、オンラインレーザー穿孔によって形成されることが好ましい。
【0094】
中空の管状セグメントの長さは、少なくとも約10ミリメートルであることが好ましい。中空の管状セグメントの長さは、少なくとも約15ミリメートルであることがより好ましい。加えて、または別の方法として、中空の管状セグメントの長さは、約30ミリメートル未満であることが好ましい。中空の管状セグメントの長さは、約25ミリメートル未満であることがより好ましい。中空の管状セグメントの長さは、約20ミリメートル未満であることがさらにより好ましい。いくつかの好ましい実施形態において、中空の管状セグメントの長さは、約10ミリメートル~約30ミリメートルであり、約12ミリメートル~約25ミリメートルであることがより好ましく、約15ミリメートル~約20ミリメートルであることがさらにより好ましい。一例として、特に好ましい実施形態では、中空の管状セグメントの長さは約18ミリメートルである。別の特に好ましい実施形態では、中空の管状セグメントの長さは約13ミリメートルである。
【0095】
本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約40ミリメートルであることが好ましい。加えて、または代替として、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、約70ミリメートル未満であることが好ましく、60ミリメートル未満であることがより好ましく、50ミリメートル未満であることがさらにより好ましい。好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品の全長は、約40ミリメートル~約70ミリメートルである。例示的な実施形態において、エアロゾル発生物品の全長は約45ミリメートルである。
【0096】
中空の管状セグメントは、実質的に不通気性の材料から形成されることが好ましい。従って、中空の管状セグメントを通して引き出された空気およびエアロゾル粒子は強制的に中空の管状セグメントを通してその上流端からその下流端へと流れるが、中空の管状要素の周辺壁を横切って流れることはできない。
【0097】
いくつかの実施形態において、中空の管状セグメントはラッパーを含み、また、ラッパーはロッドおよびマウスピースセグメントを囲む。実際には、上述の範囲内にある厚さを有するラッパーは、エアロゾル発生基体のロッドおよびマウスピースセグメントを囲んで接続するために使用され、ラッパーは事実上、中空の管状要素の周辺壁を形成する。
【0098】
一例として、こうしたロッドを接続するラッパーとマウスピースセグメントの組み合わせは、少なくとも約70グラム/平方メートル(gsm)の坪量を有しうる。こうしたロッドを接続するラッパーとマウスピースセグメントの組み合わせは、少なくとも約80グラム/平方メートルの坪量を有することが好ましく、少なくとも約90グラム/平方メートルの坪量を有することがより好ましい。特に好ましい実施形態において、ロッドを接続するラッパーとマウスピースセグメントの組み合わせは、少なくとも約110グラム/平方メートルの坪量を有し、少なくとも約130グラム/平方メートルの坪量を有することがより好ましい。
【0099】
その他の実施形態において、中空の管状セグメントは、高分子材料またはセルロース系材料から形成された管を含み、加熱式エアロゾル発生物品は、ロッド、管およびマウスピースセグメントを囲むラッパーをさらに備える。一例として、セルロース系材料は、紙または厚紙またはそれらの混合物を含みうる。
【0100】
一例として、中空の管状セグメントは、押出成形されたプラスチック管から形成された管を含みうる。別の方法として、中空の管状セグメントは、複数の平行に巻かれた紙層または複数のらせん状に巻かれた紙層など、複数の重なり合った紙層から形成された管を含みうる。複数の重なり合った紙層から管を形成することは、崩壊または変形に対する抵抗力をさらに向上させるのに役立ちうる。管は二つ以上の紙層を含むことが好ましい。別の方法として、または追加的に、管は11個未満の紙層を含むことが好ましい。
【0101】
こうした管の一つは、実質的に不透気性の紙を使用することにより、不透気性でありうる。「実質的に不通気性の紙」という用語は、本明細書で使用される場合、ISO2965:2009に従い測定した約20コレスタ単位未満の空気浸透性、より好ましくは約10コレスタ単位未満の空気浸透性、最も好ましくは約5コレスタ単位未満の空気浸透性を有する紙を意味するのに使用される。別の方法として、管内の隣接する紙層は、管に密封特性を与える接着剤と共に保持されうる。
【0102】
管を形成するための適切な材料は当業界で周知であり、酢酸セルロース、固い紙(すなわち、少なくとも90グラム/平方メートルの坪量を有する紙)、セルロース系フィルムなどの高分子フィルム、および厚紙を含むが、これらに限定されない。
【0103】
一部の実施形態において、中空の管状セグメントの重量と中空の管状セグメントによって画定された内部くぼみの容積との比は、1ミリグラム/ミリメートル未満であることが好ましい。中空の管状セグメントの重量と中空の管状セグメントによって画定された内部くぼみの容積との比は、0.5ミリグラム/立方ミリメートル未満であることがより好ましい。
【0104】
特に好ましい実施形態において、中空の管状セグメントの重量と中空の管状セグメントによって画定された内部くぼみの容積との比は、0.25ミリグラム/ミリメートル未満である。中空の管状セグメントの重量と中空の管状セグメントによって画定された内部くぼみの容積との比は、0.2ミリグラム/立方ミリメートル未満であることがより好ましい。中空の管状セグメントの重量と中空の管状セグメントによって画定された内部くぼみの容積との比は、0.1ミリグラム/立方ミリメートル未満であることがさらにより好ましい。
【0105】
中空の管状セグメントの重量と上述の範囲内にある中空の管状セグメントによって画定された内部くぼみの容積との比を有する中空の管状セグメントにおいて、くぼみの容積が有利に最大化される一方、中空の管状セグメントはエアロゾル発生物品の全体的な構造的強度に寄与し、エアロゾル発生基体のロッドをマウスピースから間隔を置いて効果的に維持することを確実にする。
【0106】
例示的な実施形態において、中空の管状セグメントは、7ミリメートルの相当直径を有し、110gsmの坪量を有するラッパーから形成され、重量は2.5ミリグラム/ミリメートルである。こうした中空の管状セグメントの一つについて、中空の管状セグメントの重量と中空の管状セグメントによって画定された内部くぼみの容積との比は、約0.065ミリグラム/立方ミリメートルである。
【0107】
別の例示的な実施形態において、5.3ミリメートルの相当内径を有する中空の管状セグメントは、9.5ミリグラム/ミリメートルの重量を有する酢酸セルロース管として提供されうる。こうした中空の管状セグメントの一つについて、中空の管状セグメントの重量と中空の管状セグメントによって画定された内部くぼみの容積との比は、約0.43ミリグラム/立方ミリメートルである。
【0108】
本発明によるエアロゾル発生物品において、中空の管状セグメントは実質的に空であり、そのため実質的にわずかに全体的なRTDに寄与するのみであるため、物品の全体的なRTDは、本質的にロッドのRTDおよびマウスピースのRTDに依存する。実際には、中空の管状セグメントは、およそ0ミリメートルH2O(約00Pa)~およそ20mミリメートルH2O(約200Pa)の範囲のRTDを発生させるように適合されうる。中空の管状セグメントは、およそ0ミリメートルH2O(約00Pa)~およそ10ミリメートルH2O(約100Pa)のRTDを発生させるように適合されることが好ましい。
【0109】
エアロゾル発生物品は、約90ミリメートルH2O(約900Pa)未満の全体的なRTDを有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、約80ミリメートルH2O(約800Pa)未満の全体的なRTDを有することがより好ましい。エアロゾル発生物品は、約70ミリメートルH2O(約700Pa)未満の全体的なRTDを有することがさらにより好ましい。
【0110】
加えて、または別の方法として、エアロゾル発生物品は、少なくとも約30ミリメートルH2O(約300Pa)の全体的なRTDを有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、少なくとも約40ミリメートルH2O(約400Pa)の全体的なRTDを有することがより好ましい。エアロゾル発生物品は、少なくとも約50ミリメートルH2O(約500Pa)の全体的なRTDを有することがさらにより好ましい。
【0111】
エアロゾル発生物品のRTDは、マウスピースを通して安定した空気流量17.5ml/sを維持するために、ISO3402で定義された試験条件下でマウスピースの下流端に印加される必要がある陰圧として評価されうる。上記のRTDの値は、通気ゾーンの穿孔を遮断することなく、それ自体がエアロゾル発生物品上で(すなわち、物品をエアロゾル発生装置の中へと挿入する前に)測定されることが意図される。
【0112】
望ましい場合、または必要な場合、例えば、エアロゾル発生物品の十分に高いRTDを達成するために、マウスピースの濾過材料の長さおよび密度(フィラメント数あたりのデニール)を調整しうる。加えて、または別の方法として、追加的なフィルターセクションがエアロゾル発生物品に含まれてもよい。一例として、こうした追加的なフィルターセクションは、エアロゾル発生基体のロッドと中空の管状セグメントとの間に含まれてもよい。こうした追加的なフィルターセクションは、例えば、酢酸セルロースなどの濾過材料を含むことが好ましい。追加的なフィルターセクションの長さは、約4ミリメートル~約8ミリメートルであることが好ましく、約5ミリメートル~約7ミリメートルであることが好ましい。
【0113】
いくつかの実施形態において、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドと中空の管状セグメントとの間に、これらと長軸方向に整列されて配置された、追加的な支持要素を備えうる。より詳細には、支持要素は、ロッドのすぐ下流に、かつ中空の管状要素のすぐ上流に提供されることが好ましい。
【0114】
支持要素は、管状要素として提供される。支持要素は任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、支持要素は、酢酸セルロース、ボール紙、捲縮した紙(捲縮した耐熱紙または捲縮した硫酸紙など)、および高分子材料(低密度ポリエチレン(LDPE)など)から成る群から選択される一つ以上の材料から形成されてもよい。好ましい実施形態において、支持要素は中空の酢酸セルロース管として提供される。
【0115】
支持要素はエアロゾル発生物品の外径とほぼ等しい外径を有することが好ましい。支持要素は、約5ミリメートル~約12ミリメートルの、例えば約5ミリメートル~約10ミリメートルの、または約6ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有してもよい。好ましい実施形態において、支持要素は約7.2ミリメートルの外径を有する。
【0116】
支持要素の周辺壁は、少なくとも1ミリメートルの厚さを有してもよく、少なくとも約1.5ミリメートルの厚さを有することが好ましく、少なくとも約2ミリメートルの厚さを有することがより好ましい。
【0117】
支持要素は、約5ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有しうる。好ましい一つの実施形態において、支持要素は約8ミリメートルの長さを有する。
【0118】
エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基質の中へのエアロゾル発生装置の発熱体の挿入の間、使用者は、エアロゾル発生装置の発熱体の挿入へのエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基質の抵抗性に打ち勝つためにいくつかの力を適用することを必要としてもよい。これは、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置の発熱体の一方または両方に損傷を与え得る。加えて、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基質の中へのエアロゾル発生装置の発熱体の挿入の間の力の適用により、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基質を置換してもよい。これは、エアロゾル形成基質の中に完全には挿入されていないエアロゾル発生装置の発熱体を生じ得るし、それは、結果としてエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基質の不均等な、および非効率的な加熱を引き起こし得る。有利なことに、支持要素は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基質の中へのエアロゾル発生装置の発熱体の挿入の間、エアロゾル形成基質の下流への移動に抵抗するように構成されている。
【0119】
通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、約50ミリメートル未満であることが好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、約45ミリメートル未満であることがより好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、約40ミリメートル未満であることがさらにより好ましい。
【0120】
加えて、または別の方法として、通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、少なくとも約12ミリメートルであることが好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、好ましくは少なくとも約15ミリメートルであることがより好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、好ましくは少なくとも約20ミリメートルであることがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態において、通気ゾーンとエアロゾル発生物品の上流端との間の距離は、少なくとも約25ミリメートルであることが好ましい。
【0121】
通気ゾーンとエアロゾル発生基体のロッドの下流端との間の距離は、少なくとも約2ミリメートルであることが好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生基体のロッドの下流端との間の距離は、少なくとも約5ミリメートルであることがより好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生基体のロッドの下流端との間の距離は、少なくとも約10ミリメートルであることがさらにより好ましい。一部の特に好ましい実施形態において、通気ゾーンとエアロゾル発生基体のロッドの下流端との間の距離は、少なくとも約15ミリメートルとしうる。
【0122】
加えて、または別の方法として、通気ゾーンとエアロゾル発生基体のロッドの下流端との間の距離は、約35ミリメートル未満であることが好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生基体のロッドの下流端との間の距離は、約30ミリメートル未満であることがより好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生基体のロッドの下流端との間の距離は、約25ミリメートル未満であることがさらにより好ましい。
【0123】
実際には、通気ゾーンは、中空の管状セグメントによって内部的に画定されたくぼみを、中空の管状セグメントの上流端から通気ゾーンの位置まで長軸方向に延びる上流サブくぼみと、通気ゾーンの位置から中空の管状セグメントの下流端まで長軸方向に延びる下流サブくぼみとに分割する。理論に束縛されるものではないが、上流サブくぼみでは、中空の管状セグメントに沿って進むエアロゾル流の揮発した種が、中空の管状セグメントの周辺壁に対して熱の一部を与えることでゆっくりと冷え、エアロゾル粒子が核生成を始めるものと理解される。一方、下流サブくぼみでは、エアロゾル流および流通空気が急速に混合され、これがエアロゾル流の揮発した種を迅速に冷却し、エアロゾルがマウスピースに向かって進むにつれて、新たなエアロゾル粒子の核生成および既存のエアロゾル粒子の成長に有利に働く。
【0124】
上流くぼみの長さと下流くぼみの長さとの比は、1.5未満であることが好ましい。上流くぼみの長さと下流くぼみの長さとの比は、1未満であることがより好ましい。上流くぼみの長さと下流くぼみの長さとの比は、0.67未満であることがさらにより好ましい。
【0125】
加えて、または別の方法として、上流くぼみの長さと下流くぼみの長さとの間の比は、少なくとも約0.15であることが好ましい。上流くぼみの長さと下流くぼみの長さとの比は、好ましくは少なくとも約0.2であることがより好ましい。上流くぼみの長さと下流くぼみの長さとの比は、好ましくは少なくとも約0.35であることがさらにより好ましい。
【0126】
同様に、通気ゾーンは、エアロゾル発生物品を、通気ゾーンの位置のそれぞれ上流および下流である、二つのセクションに分割する。
【0127】
エアロゾル発生物品の上流セクションの長さとエアロゾル発生物品の下流セクションの長さとの比は、2.5未満であることが好ましい。エアロゾル発生物品の上流セクションの長さとエアロゾル発生物品の下流セクションの長さとの比は、2未満であることがより好ましい。エアロゾル発生物品の上流セクションの長さとエアロゾル発生物品の下流セクションの長さとの比は、1.5未満であることがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品の上流セクションの長さとエアロゾル発生物品の下流セクションの長さとの比は、1未満である。
【0128】
加えて、または別の方法として、エアロゾル発生物品の上流セクションの長さとエアロゾル発生物品の下流セクションの長さとの比は、少なくとも約0.25であることが好ましい。エアロゾル発生物品の上流セクションの長さとエアロゾル発生物品の下流セクションの長さとの比は、少なくとも約0.33であることがより好ましい。エアロゾル発生物品の上流セクションの長さとエアロゾル発生物品の下流セクションの長さとの比は、少なくとも約0.5であることがさらにより好ましい。
【0129】
本発明によるエアロゾル発生物品では、有利なことに、物品の全体的なRTDの調整および制御が容易である。これは、物品の全体的なRTDが、有限の、少数の構成要素のRTDに依存し、また、通気ゾーンの提供が物品の全体的RTDの低下に寄与するためである。従って、有利なことに、エアロゾル発生物品間のRTD変動を低減することができる。
【0130】
したがって、本発明は上述の通り10個以上のエアロゾル発生物品を備えるパックも提供しうるが、ここで少なくとも10個のエアロゾル発生物品の中で最も高いRTDを有するエアロゾル発生物品のRTDと、少なくとも10個のエアロゾル発生物品の中で最も低いRTDを有するエアロゾル発生物品のRTDとの差は、10mmH2O(約100パスカル)未満である。こうしたパックにおいて、少なくとも10個のエアロゾル発生物品の中で最も高いRTDを有するエアロゾル発生物品のRTDと、少なくとも10個のエアロゾル発生物品の中で最も低いRTDを有するエアロゾル発生物品のRTDとの間の差は9mmH2O(約90パスカル)未満であることが好ましくい、8mmH2O(約80パスカル)未満であることがより好ましく、7mmH2O(約70パスカル)未満であることがさらにより好ましい。
以下、添付図面を参照しながら本発明に関してさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【
図1】
図1は、本発明によるエアロゾル発生物品の概略側面断面図を示す。
【
図2】
図2は、本発明によるエアロゾル発生物品の別の実施例の概略側面断面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明によるエアロゾル発生物品のさらなる実施例の概略側面断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0132】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体12のロッド、中空の酢酸セルロース管14、中空の管状セグメント16およびマウスピースセグメント18を備える。これらの四つの要素は端と端を接して長軸方向に配置され、また外側ラッパー20によって囲まれて、エアロゾル発生物品10を形成する。エアロゾル発生物品10は、口側の端22と、口側の端22に対して物品の反対側の端に位置する遠位端24とを有する。
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル形成基体のロッドを加熱するためのヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置との併用に特に適切である。
【0133】
エアロゾル発生基体12のロッドは、約12ミリメートルの長さ、および約7ミリメートルの直径を有する。ロッド12は円筒形の形状であり、実質的に円形断面を有する。ロッド12は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含む。均質化したたばこ材料のシートは、乾燥基準で10重量パーセントのグリセリンを含む。中空の酢酸セルロース管14は、約8ミリメートルの長さ、および1ミリメートルの厚さを有する。
【0134】
マウスピースセグメント18は、フィラメント当たり8デニールであって、約7ミリメートルの長さを有する酢酸セルローストウのプラグを含む。
【0135】
中空の管状セグメント16は、約18ミリメートルの長さを有する円筒形管として提供され、管壁の厚さは約100マイクロメートルである。
【0136】
より詳細には、中空の管状セグメント16は、例えば110gsmの坪量を有する紙から形成されてもよく、45ミリグラムの重量を有する(すなわち、長さの2.5ミリグラム/ミリメートル)。中空の管状セグメント16の相当内径は、約7ミリメートルである。従って、中空の管状セグメント16によって内部的に画定されたくぼみの容積は、約693立方ミリメートルである。そのため、中空の管状セグメントの重量と中空の管状セグメント16によって画定された内部くぼみの容積との比は、約0.065である。エアロゾル発生物品10は、マウスピースセグメント18の上流端から約5ミリメートルに提供された通気ゾーン26を備える。従って、通気ゾーン26は、エアロゾル発生物品の下流端から約12ミリメートル、中空の管状セグメントの上流端から約13ミリメートルにある。
【0137】
従って、通気ゾーン26は、ロッド12の下流端から約21ミリメートルにある。
図2は、本発明によるエアロゾル発生物品の別の実施例を図示する。
図2のエアロゾル発生物品30は、
図1のエアロゾル発生物品10と同一の構造を有し、実質的に特定の構成要素の長さのみがエアロゾル発生物品10とは異なるため、エアロゾル発生物品10とは異なる限りにおいて以下で説明する。以下、同じ構造または機能的機能を有する対応する構成要素については、可能な限り同じ参照番号を使用する。
【0138】
図2のエアロゾル発生物品30では、ロッド12および中空の酢酸セルロース管14は、
図1のエアロゾル発生物品10と同じ長さを有する。しかしながら、マウスピースセグメントは、フィラメント当たり11デニールであって、約12ミリメートルの長さを有する酢酸セルローストウのプラグを含み、また、中空の管状セグメント14は、約13ミリメートルの長さを有する。通気ゾーン26は、マウスピースセグメント18の上流端から約6ミリメートル、かつ中空の管状セグメントの上流端から約7ミリメートルに提供されている。従って、通気ゾーン26は、ロッド12の下流端から約15ミリメートルにある。
【0139】
図2の実施形態では、中空の管状セグメント16は、例えば、約18ミリメートルの長さ、および約1ミリメートルの周辺壁厚さを有する酢酸セルロースの円筒形管として提供されてもよく、重量は171ミリグラムである(すなわち、長さの9.5ミリグラム/ミリメートル)。
【0140】
中空の管状セグメント16の相当内径は、約5.3ミリメートルであってもよい。従って、中空の管状セグメント16によって内部的に画定されたくぼみの容積は、約397立方ミリメートルである。そのため、中空の管状セグメントの重量と中空の管状セグメント16によって画定された内部くぼみの容積との比は、約0.43である。
図3は、本発明によるエアロゾル発生物品のさらに別の実施例を図示する。
図3のエアロゾル発生物品40は、支持要素として中空の酢酸セルロース管を含まないという点で、
図1のエアロゾル発生物品10および
図2のエアロゾル発生物品30とは構造的に異なる。そのため、三つの主要な構成要素の長さも異なる。以下、同じ構造または機能的機能を有する対応する構成要素については、可能な限り同じ参照番号を使用する。
【0141】
図3のエアロゾル発生物品40では、ロッド12は約12ミリメートルの長さを有し、中空の管状セグメント14は約26ミリメートルの長さを有し、マウスピースセグメント18は約12ミリメートルの長さ、およびフィラメント当たり11デニールを有する酢酸セルローストウのプラグを含む。通気ゾーン26は、マウスピースセグメント18の上流端から約5ミリメートル、およびこの実施形態ではロッド12の下流端と一致する、中空の管状セグメントの上流端から約21ミリメートルに提供される。