(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】曲げ工具、及び、表示部材
(51)【国際特許分類】
B21D 7/14 20060101AFI20231026BHJP
B25B 33/00 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B21D7/14
B25B33/00
(21)【出願番号】P 2020088509
(22)【出願日】2020-05-20
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100203460
【氏名又は名称】加藤 肇
(72)【発明者】
【氏名】酒井 昭弘
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-126698(JP,A)
【文献】特開平04-133717(JP,A)
【文献】登録実用新案第3212014(JP,U)
【文献】実開昭60-160930(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0182129(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 7/14
B25B 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状部材の曲げに使用される曲げ工具であって、
第1方向を軸心とする軸と、
前記軸に対して一方の端部側の側方に設けられ、前記軸心に向かって凹み、前記第1方向と交差する方向の両端が開放された曲げ部と、
前記端部側における前記曲げ部が設けられる側とは反対側の側方に設けられ、前記第1方向に対する角度を表示する角度表示部と、を備える、曲げ工具。
【請求項2】
前記角度表示部は、
前記第1方向を示す直線である直線表示と、
前記直線表示から傾斜した直線である角度表示と、を有する、請求項1に記載の曲げ工具。
【請求項3】
前記角度表示部は、着脱可能に設けられている、請求項1又は2に記載の曲げ具。
【請求項4】
前記角度表示部の取り付け方向を示す指示部をさらに備え、前記角度表示部は前記指示部に合わせて取り付けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の曲げ具。
【請求項5】
第1方向を軸心とする軸と、前記軸に対して一方の端部側の側方に設けられ、前記軸心に向かって凹み、前記第1方向と交差する方向の両端が開放された曲げ部と、を備える曲げ工具の、
前記端部側における前記曲げ部が設けられる側とは反対側の側方に設けられに取り付け可能な表示部材であって、
前記第1方向に対する角度を表示する角度表示部を備える、表示部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺状部材などの長尺状部材の曲げ作業に使用される曲げ工具、及び、曲げ工具により曲げられた長尺状部材の角度の確認に使用される表示部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺状部材の曲げ作業を行ううえで、素手で曲げることには限界があるため、曲げ工具が利用されている。この曲げ作業で使用される曲げ工具として、特許文献1に記載の曲げ工具がある。特許文献1の曲げ工具では、軸の先端に湾曲部及び係止部を備えており、軸と交差するように長尺状部材を保持して梃子の原理を用いて長尺状部材を曲げることを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
長尺状部材の曲げ作業を行ううえで、曲げた後に曲げ角度を確認する必要があることが一般的である。この点、特許文献1に記載の曲げ工具では、曲げ角度の確認方法について一切言及されておらず、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、長尺状部材を曲げることができ、且つ、曲げた後に角度を容易に確認可能な曲げ工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の構成は、長尺状部材の曲げに使用される曲げ工具であって、第1方向を軸心とする軸と、前記軸に対して一方の端部側の側方に設けられ、前記軸心に向かって凹み、前記第1方向と交差する方向の両端が開放された曲げ部と、前記端部側における前記曲げ部が設けられる側とは反対側の側方に設けられ、前記第1方向に対する角度を表示する表示部と、を備える。
【0007】
第1の構成では、軸と交差する方向に曲げ部が設けられているため、梃子を利用して長尺状部材を曲げることができる。加えて、曲げ部の反対側の外面に表示部が設けられているため、曲げ工具を長尺状部材から離脱させた後に曲げ部の向きを変更することなく、曲げ角度を確認することができる。したがって、曲げ工程と角度確認工程とを素早く連続して行うことが可能となり、長尺状部材の曲げ作業の効率を向上させることができる。また、長尺状部材を複数箇所で曲げる場合に、曲げた箇所のそれぞれの角度を確認することができるうえ、長尺状部材を複数箇所曲げて3次元形状とする場合においても、曲げた箇所のそれぞれの角度を確認することができる。
【0008】
第2の構成は、第1の構成に加えて、前記表示部は、前記第1方向を示す直線である直線表示と、前記直線表示から傾斜した直線である角度表示と、を有する。
【0009】
第2の構成では、直線表示及び角度表示に沿うように長尺状部材を配置すれば曲げ角度を確認することができるため、曲げ角度の確認を直感的に行うことができる。
【0010】
第3の構成は、第1又は第2の構成に加えて、前記表示部は、着脱可能に設けられている。
【0011】
第3の構成では、曲げ作業で必要な角度や、曲げ作業の対象である長尺状部材の径などに応じて表示部を変更することができる。
【0012】
第4の構成は、第1~第3のいずれかの構成に加えて、前記表示部の取り付け方向を示す指示部をさらに備え、前記角度表示部は前記指示部に合わせて取り付けられている。
【0013】
第4の構成では、表示部を取り付ける際における、第1方向に対する角度のずれを抑制することができる。
【0014】
第5の構成は、第1方向を軸心とする軸と、前記軸に対して一方の端部側の側方に設けられ、前記軸心に向かって凹み、前記第1方向と交差する方向の両端が開放された曲げ部と、を備える曲げ工具の、前記端部側における前記曲げ部が設けられる側とは反対側の側方に取り付け可能な表示部材であって、前記第1方向に対する角度を表示する表示部を備える。
【0015】
第5の構成の表示部材を用いれば、第1の構成の曲げ工具において表示部を交換することができるため、表示部の角度が長尺状部材の曲げに必要な角度と異なっていたり、表示部が劣化したりする場合において、表示部材を変更することができる。また、表示部を備えない曲げ工具に対しても第6の構成に係る表示部材を取り付ければ、第1の構成に準ずる効果を奏する曲げ工具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図10】長尺状部材の曲げ方を説明する背面図である。
【
図11】長尺状部材の曲げ角度の確認方法を説明する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施形態に係る曲げ工具10について、
図1~
図8を参照して説明する。本実施形態に係る曲げ工具10は、線材や管材等の長尺状部材の曲げ作業に使用されるものである。曲げ工具10の全体形状は、長尺状であり、その長手方向を上下方向として定義する。また、人が保持した際に視認する側を正面として定義する。
【0018】
曲げ工具10は、上下方向に延びる長尺円柱状の軸部20を備えている。この軸部20の断面形状は円形であり、上下方向(長手方向)に亘って略同形状である。また、軸部20の材質は特に定められることは無いが、長尺状部材の曲げ作業に用いられるものであるため、例えば、ステンレスやスチール等の金属で形成されている。
【0019】
軸部20の下端側には、上下方向に延びる長尺状の柄部30が設けられている。この柄部30は、有底円筒状であり、内径は軸部20の外径と略等しく、外径は長手方向に亘って略一定である。そして、この柄部30に軸部20が差し込まれ、ネジ止め等により軸部20と柄部30とが接続される。なお、柄部30の材質についても特に定められることは無いが、人が手で把持する部分であるため、ゴム等の一定の滑り止め効果を有する素材であることが好ましい。
【0020】
軸部20の上端端には、ホルダー部40が設けられている。ホルダー部40の外形は、前後方向を中心軸とする円柱形であり、その円柱の直径は軸部20の直径よりも大きい。このホルダー部40は、内径が軸部20の外径と略等しい円筒形の接続部41と一体成型されており、その接続部41に軸部20が挿入されることで軸部20と接続されている。
【0021】
ホルダー部40の背面側には、正面側へ向けて凹み、且つ、左右の両側が開口している曲げ部42が設けられている。この曲げ部42の左右方向の中央近傍である曲げ部中央43は、左右方向の中心から左右方向のそれぞれの所定位置に至るまで設けられている。この曲げ部中央43は、上下方向で対向する一対の平面と、その平面の正面側を繋ぎ、側面視にて円弧状の曲面とにより構成されている。曲げ部中央43の右端側には、上下方向に徐々に離間する一対の曲面と、その曲面の正面側を繋ぎ、側面視にて円弧状の曲面とにより構成される曲げ部右端44が形成されている。同様に、曲げ部中央43の左端側には、上下方向に徐々に離間する一対の曲面と、その曲面の正面側を繋ぎ、側面視にて円弧状の曲面とにより構成される曲げ部左端45が形成されている。
【0022】
ホルダー部40の正面には、正面視にて円形であり且つ深さが略均一な窪み46が設けられている。この窪み46の上端側の周面には、上側へ向かって凹んだ指示部47が設けられている。この指示部47の位置は、平面視にて軸部20の軸心の延長線上に位置している。窪み46には、
図9に示すように、表示部50が貼着される。この表示部50は、裏面に粘着剤が塗布された円形のシートであり、表示部50を窪み46に貼着するうえで、表示部50の上端が指示部47の位置と略一致するように貼り付ける。
【0023】
表示部50には、前後方向の中心よりもやや右寄りに、前後方向に対して平行な直線である右側直線表示60が、印刷等により表示されている。この右側直線表示60から枝分かれするように、直線状の右側第1~第5角度表示61~65が印刷等により表示されている。右側第1角度表示61は、右側直線表示60との角度が30°となるように右側へ延びる線分であり、右側直線表示60とは、円弧状の線により接続されている。そして、その角度である30°を数字で示す表示である右側第1数値表示61aが、線分の上側に沿うように印刷等により設けられている。
【0024】
同様に、右側第2~第5角度表示62~65は、それぞれ、右側直線表示60との角度が45°、60°、75°、90°となるように右側へ延びる線分であり、右側直線表示60とは、円弧状の線により接続されている。そして、その角度である45°、60°、75°、90°を数字で示す表示である右側第2~第5数値表示62a~65aが、各線分の上側に沿うように印刷等により設けられている。
【0025】
表示部50には、前後方向の中心よりもやや左寄りに、前後方向に対して平行な直線である左側直線表示70が、印刷等により表示されている。この左側直線表示70から枝分かれするように、直線状の左側第1~第5角度表示71~75が印刷等により表示されている。左側第1角度表示71は、左側直線表示70との角度が30°となるように左側へ延びる線分であり、左側直線表示70とは、円弧状の線により接続されている。そして、その角度である30°を数字で示す表示である左側第1数値表示71aが、線分の上側に沿うように印刷等により設けられている。
【0026】
同様に、左側第2~第5角度表示72~75は、それぞれ、左側直線表示70との角度が45°、60°、75°、90°となるように左側へ延びる線分であり、左側直線表示70とは、円弧状の線により接続されている。そして、その角度である45°、60°、75°、90°を数字で示す表示である左側第2~第5数値表示72a~75aが、各線分の上側に沿うように印刷等により設けられている。
【0027】
以上のように、右側直線表示60及び右側第1~第5角度表示61~65が設けられているため、右側直線表示60は軸部20の延びる方向に沿った直線であり、右側第1~第5角度表示61~65は、軸部20の延びる方向から時計回りの角度を示していることとなる。同様に、左側直線表示70も軸部20の延びる方向に沿った直線であり、左側第1~第5角度表示71~75は、軸部20の延びる方向から半時計回りの角度を示していることとなる。
【0028】
以上説明した曲げ工具10を用いて曲げ作業の対象となる長尺状部材100を湾曲させる場合の使用方法について、
図10~12を参照して説明する。なお、
図10~12では、正面視にて右方向へ60°の角度で湾曲させる例を示している。このとき、曲げ対象である長尺状部材100としては、径が曲げ部中央43の幅と略等しいか、若しくは、径が曲げ部中央43の幅よりも小さいものが適用される。換言すれば、曲げ部42の内部空間が長尺状部材100の外径よりも大きいと言える。
【0029】
まず、長尺状部材100を曲げ部42の曲げ部中央43に挟まれるように配置する。そして、このとき、
図11で示すように、長尺状部材100が上方では曲げ部左端45の曲面に当接し、下方では曲げ部右端44の曲面に当接する。このとき、柄部30等は力点して作用し、曲げ部左端45が支点として作用し、曲げ部右端44が作用点として作用して、梃子の原理を用いて長尺状部材100を湾曲させることができる。
【0030】
長尺状部材100を曲げた後、曲げ工具10から長尺状部材100を離脱させ、表示部50を利用して長尺状部材100の曲げ角度を確認する。このとき、長尺状部材100の直線状の箇所が軸部20の延在方向と略一致するように軸部20の真下に位置するとともに、長尺状部材100の曲げられた箇所がホルダー部40の概ね真下に位置するように、曲げ工具10の真下に長尺状部材100を配置する。このようにして曲げ工具10と長尺状部材100の位置関係を調節した後、長尺状部材100の曲げられた箇所よりも先の位置が、右方向に60°曲げられたことを示す右側第3角度表示63と略一致するか否かを確認する。このとき、長尺状部材100の位置が右側第2角度表示62側へ向かっていれば、曲げが不足しているため、さらに曲げる作業を行えばよい。一方、長尺状部材100の位置が右側第4角度表示64側へ向かっていれば、曲げすぎであるため、曲げ角度を若干修正する作業を行えばよい。
【0031】
なお、以上説明した曲げ工具10の使用方法はあくまで一例であって、長尺状部材を複数箇所で曲げる場合に、曲げた箇所のそれぞれの角度を確認することができるうえ、長尺状部材を複数箇所曲げて3次元形状とする場合においても、曲げた箇所のそれぞれの角度を確認することができる。
【0032】
上記構成により、本実施形態に係る曲げ工具10は、以下の効果を奏する。
【0033】
・曲げ部42が軸部20と交差する方向に開口しているため、梃子を利用して長尺状部材100を曲げることができる。加えて、ホルダー部40の曲げ部42が設けられる側とは反対側の外面に表示部50が設けられているため、曲げ工具10を長尺状部材から離脱させた後に曲げ工具10の向きを変更することなく、曲げ角度を確認することができる。したがって、曲げ工程と角度確認工程とを素早く連続して行うことが可能となり、長尺状部材の曲げ作業の効率を向上させることができる。
【0034】
・直線表示60,70及び角度表示61~65,71~75が直線状であるため、それらに沿うように長尺状部材100を配置すれば曲げ角度を確認することができ、曲げ角度の確認を直感的に行うことができる。
【0035】
・曲げ部42の内部空間の形状を長尺状部材100の外形よりも大きくしているため、断面形状が異なる様々な長尺状部材の曲げ作業に用いることができる。
【0036】
・表示部50を着脱可能としているため、曲げ作業で必要な角度や、曲げ作業の対象である長尺状部材100の径などに応じて表示部50を変更することができる。
【0037】
・指示部47を備えているため、表示部50を取り付ける際に、第1方向に対する角度のずれを抑制することができる。
【0038】
・表示部50をシールとしているため、表示部を交換することができ、表示部50の角度が長尺状部材100の曲げに必要な角度と異なっていたり、表示部50が劣化したりする場合において、表示部50を交換することができる。
【0039】
・表示部50の直線表示60,70、と、角度表示61~65,71~75とを弧状の線で接続しており、曲げ対象である長尺状部材100の湾曲させた箇所も弧状となっているため、角度の直感的に行うことができる。
【0040】
<変形例>
・ホルダー部40の曲げ部42について、軸部20の長手方向(上下方向)である第1方向に直交する方向の両側に開口しているものとしているが、必ずしも直交する方向の両側に開口する必要はなく、梃子の原理を利用するという性質上、第1方向と交差する方向の両側に開口していればよい。
【0041】
・曲げ部42について、実施形態では軸心方向へ向かい、且つ、その軸心の延長線を越えるまで凹んでいる形状としているが、軸心方向へ向かい、且つ、その軸心の延長線を越えない程度に凹むものとしてもよい。いずれの場合においても、曲げ部42は軸20の軸心方向である第1方向とは異なる方向へ向けて長尺状部材100を保持可能であるため、長尺状部材100を梃子の原理を利用して湾曲させることができる。
【0042】
・実施形態では、ホルダー部40の曲げ部42について、左右の中央近傍において上下幅を一定とし、左右端のそれぞれに向かうにつれ徐々に拡幅するものとしているが、左右端に至るまで上下幅を一定としたり、上下幅が一定である範囲を狭めたりする等、形状について種々の変更が可能である。また、曲げ部42の正面端の形状についても、弧状とせず平面状としてもよい。すなわち、側面視にてU字状としなくてもよい。
【0043】
・実施形態では軸部20に取り付けたホルダー部40に曲げ部42を設けるものとしたが、軸部20の側面に直接曲げ部を設けるものとしてもよい。この場合には、軸部20がホルダー部を備えると言うこともできるし、軸部20がホルダー部の機能を兼ねるということもできる。
【0044】
・実施形態では、ホルダー部40の曲げ部42について、曲げ対象である長尺状部材の外径よりも大きい内部空間を有するものとしたが、長尺状部材の外径と一致する大きさの内部空間であってもよい。
【0045】
・ホルダー部40の外形について略円柱状としたが、形状はこれに限られない。すなわち、左右の両端に開口している曲げ部を備え、その曲げ部が設けられる側とは反対側に表示部が設けられるものであればよい。
【0046】
・指示部47を設ける位置及び形状はあくまで一例であって、表示部50を張り付ける際の基準となるものであれば種々の変更が可能である。
【0047】
・実施形態では、ひとつの表示部50で複数の角度の確認ができるように、第1~第5角度表示61~65,71~75を設けるものとしたが、いずれかひとつの角度表示に絞ってもよい。この場合には、その角度表示の角度へ曲げる場合に特化したものとすることができる。また、角度表示の数や、その角度表示に対応している角度についても、種々の変更が可能である。さらに、左右いずれか一方のみの角度表示としてもよいし、左右のそれぞれで異なる角度の角度表示を設けるものとしてもよい。
【0048】
・実施形態では直線表示60,70及び角度表示61~65,71~75を直線状としたが、ドットや記号等で表示する等、種々の変更が可能である。すなわち、軸部20の延びる方向である第1方向からの角度を示す表示があればよい。
【0049】
・表示部50について、粘着剤を備えるシールでなくてもよく、ホルダー部40の上面に対して直接印刷したり刻印したりすることで設けてもよい。また、表示部50をネジなど利用してホルダー部40に取り付けるものとしてもよいし、ホルダー部40の上面に返しを設けておき、その返しに対してシート状の表示部50を係合させる構造としてもよい。さらに、ホルダー部と表示部50の一方に磁石を設け、他方を鉄で構成する等して、磁着により取り付けるものとしてもよい。
【0050】
・実施形態では、表示部50をシールとしてホルダー部40の上面に固定するものとしたが、ホルダー部の40の上面で回動可能としてもよい。この場合には、例えば、ホルダー部40の上面に回動可能な部材を設けておき、その部材に表示部50を取り付けたり、張り付けたり、刻印したりしてもよい。また、上述したように、ホルダー部40の上面に返しを設けておき、その返しに対してシート状の表示部50を係合させる構造とした場合に、回動可能に係合させてもよい。
【0051】
・表示部50について、複数の種類を設け、必要とする曲げ角度に応じて取り換えて使用するものとしてもよい。
【0052】
・実施形態では、表示部50を円形としたが、多角形等の他の形状としてもよい。
【0053】
・ホルダー部40に長尺状のシール等を所定の角度で張り付けることで、角度表示の機能を付与するものとしてもよい。また、回動可能な時計の針のような部材をホルダー部の窪み等に設け、その部材の位置で角度を示すものとしてもよい。
【0054】
・実施形態では、表示部50に直線表示60,70と角度表示61~65,71~75を設けるものとしたが、長尺状部材100を軸部20に沿わせて角度を確認するものであり、軸部20は直線表示60,70の機能を有していると言えるため、直線表示60,70を設けなくてもよい。
【0055】
・表示部50を備えない曲げ工具に対しても、実施形態に係る表示部50や、各変形例で示した表示部50に準ずる部材を取り付ければ、実施形態に係る曲げ工具10に準ずる効果を奏する曲げ工具を得ることができる。
【符号の説明】
【0056】
曲げ工具…10、軸部…20、柄部…30、ホルダー部…40、曲げ部…42、指示部…47、表示部…50、右側直線表示…60、右側第1~第5角度表示…61~65、左側直線表示…70、左側第1~第5角度表示…71~75