(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】発光装置および発光素子収容体
(51)【国際特許分類】
H01S 5/022 20210101AFI20231026BHJP
【FI】
H01S5/022
(21)【出願番号】P 2020150782
(22)【出願日】2020-09-08
【審査請求日】2022-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(74)【代理人】
【識別番号】100182718
【氏名又は名称】木崎 誠司
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 真悟
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-022954(JP,A)
【文献】特開2015-065144(JP,A)
【文献】国際公開第2017/056469(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、前記底部に接続された側壁部と、前記側壁部に接続されて前記底部と対向する蓋部と、を有する収容体と、
光を出射する発光素子と、
前記発光素子から出射される光の波長を変換し、変換された光を出射する波長変換体と、
を備える発光装置であって、
前記底部は、
前記蓋部側から見たときの中央部が、前記蓋部側から見たときの外縁部より前記蓋部側に突出しており、
前記中央部に、前記蓋部と対向する平坦な頭頂面を有し、
前記頭頂面の周りに傾斜面を有し、
前記発光素子は、前記傾斜面に配置され、
前記波長変換体は、前記頭頂面に配置され、前記蓋部に向かって光を出射し、
前記蓋部は、
前記波長変換体に対向する部分の少なくとも一部に、前記波長変換体から出射された光を透過する透過部と、
前記透過部とは異なる部分であって、前記発光素子から出射された光を、正反射により、前記波長変換体へと入射させる反射部と、
を有し、
前記発光素子は複数配置され、
前記蓋部側から見たとき、前記発光素子のうち少なくとも2つは、前記波長変換体を挟んで、かつ、それぞれが出射する光の光軸が前記波長変換体上において重ならないように配置されていることを特徴とする、発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記蓋部は、前記波長変換体から出射された光を透過する板状部材と、前記板状部材のうち前記波長変換体と対向する面に設けられ、前記発光素子から出射された光を正反射する膜部材と、を有し、前記膜部材が設けられた箇所を前記反射部とし、前記膜部材が設けられていない箇所を前記透過部とすることを特徴とする、発光装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の発光装置であって、
前記底部と前記蓋部との対向方向において、前記波長変換体は、前記発光素子よりも前記蓋部側に配置されていることを特徴とする、発光装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記反射部の反射面の法線は、前記底部と前記蓋部との対向方向に対して、前記波長変換体に向かう方向へ傾斜していることを特徴とする、発光装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記反射部は、金属で形成されていることを特徴とする、発光装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記底部の前記頭頂面に配置される板状の反射板を有し、
前記蓋部側から見たとき、前記反射板は前記波長変換体の周りを囲むように配置されていることを特徴とする、発光装置。
【請求項7】
光を出射する発光素子と、
前記発光素子から出射される光の波長を変換し、変換された光を出射する波長変換体と、
を収容する発光素子収容体であって、
前記発光素子収容体は、
底部と、前記底部に接続された側壁部と、前記側壁部に接続されて前記底部と対向する蓋部と、を有し、
前記底部は、
前記蓋部側から見たときの中央部が、前記蓋部側から見たときの外縁部より前記蓋部側に突出しており、
前記中央部に、前記蓋部と対向する平坦な頭頂面を有し、
前記頭頂面の周りに傾斜面を有し、
前記傾斜面に前記発光素子を配置する発光素子配置部を有し、
前記頭頂面に前記波長変換体を配置する波長変換体配置部を有し、
前記蓋部は、
前記波長変換体配置部に対向する部分の少なくとも一部に、前記波長変換体配置部に配置された前記波長変換体から出射された光を透過する透過部と、
前記透過部とは異なる部分であって、前記発光素子配置部に配置された前記発光素子から出射された光を、正反射により、前記波長変換体配置部に配置された前記波長変換体へと入射させる反射部と、
を有し、
前記発光素子配置部は複数形成され、
前記蓋部側から見たとき、前記発光素子配置部のうち少なくとも2つは、前記波長変換体配置部を挟んで、かつ、
少なくとも2つの前記発光素子配置部に配置された前記発光素子のそれぞれが出射する光の光軸が前記波長変換体配置部上において重ならない位置に形成されていることを特徴とする、発光素子収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置および発光素子収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
光の波長を変換する波長変換体を備える発光装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1に記載された発光装置では、光を出射する発光素子を収容する収容体の内部が、波長変換体で充填されている。特許文献2に記載された発光装置では、発光素子および波長変換体を収容する収容体内において、発光素子は、傾斜している収容体の内壁に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2010-506379号公報
【文献】米国特許出願公開第2018/0316160号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された発光装置では、発光素子から出射された光は、収容体の内部での多重反射により、波長変換体や発光素子に吸収されて、光出力が低下するおそれがある。また、収容体の内部での光の多重反射により、波長変換体の励起光および発光が増減するため、発光装置から出射される白色光の色度が安定しないおそれがある。
【0005】
特許文献2に記載された発光装置では、傾斜している内壁に配置された発光素子は、底面に配置されている波長変換体に向けて光を出射し、波長変換体で反射された光が収容体の上部から出射される。この構造では、波長変換体で反射された光の一部が、発光素子を構成する半導体層や電極および発光素子に導通するための金ワイヤーに吸収され、光出力が低下するおそれがある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、発光装置から出射される光の出力低下を抑制し、当該光の色度を安定させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。底部と、前記底部に接続された側壁部と、前記側壁部に接続されて前記底部と対向する蓋部と、を有する収容体と、光を出射する発光素子と、前記発光素子から出射される光の波長を変換し、変換された光を出射する波長変換体と、を備える発光装置であって、前記底部は、前記蓋部側から見たときの中央部が、前記蓋部側から見たときの外縁部より前記蓋部側に突出しており、前記中央部に、前記蓋部と対向する平坦な頭頂面を有し、前記頭頂面の周りに傾斜面を有し、前記発光素子は、前記傾斜面に配置され、前記波長変換体は、前記頭頂面に配置され、前記蓋部に向かって光を出射し、前記蓋部は、前記波長変換体に対向する部分の少なくとも一部に、前記波長変換体から出射された光を透過する透過部と、前記透過部とは異なる部分であって、前記発光素子から出射された光を、正反射により、前記波長変換体へと入射させる反射部と、を有し、前記発光素子は複数配置され、前記蓋部側から見たとき、前記発光素子のうち少なくとも2つは、前記波長変換体を挟んで、かつ、それぞれが出射する光の光軸が前記波長変換体上において重ならないように配置されていることを特徴とする、発光装置。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
【0008】
(1)本発明の一形態によれば、底部と、前記底部に接続された側壁部と、前記側壁部に接続されて前記底部と対向する蓋部と、を有する収容体と、光を出射する発光素子と、前記発光素子から出射される光の波長を変換し、変換された光を出射する波長変換体と、を備える発光装置が提供される。この発光装置は、前記底部は、前記蓋部側から見たときの中央部が、前記蓋部側から見たときの外縁部より前記蓋部側に突出しており、前記中央部に、前記蓋部と対向する平坦な頭頂面を有し、前記頭頂面の周りに傾斜面を有し、前記発光素子は、前記傾斜面に配置され、前記波長変換体は、前記頭頂面に配置され、前記蓋部に向かって光を出射し、前記蓋部は、前記波長変換体に対向する部分の少なくとも一部に、前記波長変換体から出射された光を透過する透過部と、前記透過部とは異なる部分であって、前記発光素子から出射された光を、正反射により、前記波長変換体へと入射させる反射部と、を有する。
【0009】
この構成によれば、底部において、外縁部よりも突出している中央部の頭頂面には波長変換体が配置されて、頭頂面の周りに形成された傾斜面には発光素子が配置されている。また、蓋部において、波長変換体に対向する部分の少なくとも一部には透過部が形成され、透過部とは異なる部分には反射部が形成されている。この反射部は、発光素子から出射された光を正反射して波長変換体へと入射させる。そのため、本構成の発光装置では、蓋部の反射部により反射された光を波長変換体へと入射させることができる。これにより、収容体内で発光素子から出射される光が多重反射する発光装置と比較して、本構成の発光装置では、波長変換体の励起光および発光の増減が抑制される。この結果、本構成の発光装置では、発光装置から出射される光の出力低下を抑制し、当該光の色度を安定させることができる。
【0010】
(2)上記態様の発光装置において、前記蓋部は、前記波長変換体から出射された光を透過する板状部材と、前記板状部材のうち前記波長変換体と対向する面に設けられ、前記発光素子から出射された光を正反射する膜部材と、を有し、前記膜部材が設けられた箇所を前記反射部とし、前記膜部材が設けられていない箇所を前記透過部としてもよい。
この構成によれば、板状部材のうちの膜部材が設けられた箇所が反射部として機能する。一方で、板状部材のうち、膜部材が設けられていない箇所が透過部として機能する。すなわち、本構成の蓋部は、反射部として機能する膜部材以外の部分の全てが透過部として機能している。そのため、蓋部により収容体内での光の閉じ込めが抑制されるため、本構成の発光装置から出力される光の出力低下がより一層抑制される。
【0011】
(3)上記態様の発光装置では、前記底部と前記蓋部との対向方向において、前記波長変換体は、前記発光素子よりも前記蓋部側に配置されていてもよい。
この構成によれば、発光素子が波長変換体よりも底部側に位置する。そのため、波長変換体から出射された光が、発光素子、および、発光素子と電極とを接続する金ワイヤーなどの導線に吸収されることが抑制されるため、発光装置から出力される光の出力低下をより一層抑制できる。
【0012】
(4)上記態様の発光装置において、前記発光素子は複数配置され、前記蓋部側から見たとき、前記発光素子のうち少なくとも2つは、前記波長変換体を挟んで、かつ、それぞれが出射する光の光軸が前記波長変換体上において重ならないように配置されていてもよい。
この構成によれば、複数の発光素子から出射されて波長変換体に入射する光のそれぞれの位置が分散するため、光の入射による波長変換体の発熱が抑制される。これにより、波長変換体が過剰に発熱しないため、波長変換体の変換効率の低下を抑制できる。
【0013】
(5)上記態様の発光装置において、前記反射部の反射面の法線は、前記底部と前記蓋部との対向方向に対して、前記波長変換体に向かう方向へ傾斜していてもよい。
この構成によれば、反射部の反射面の法線が波長変換体に向かう方向へ傾斜しているため、反射部により反射される光の光軸は、頭頂面に平行な方向に近づく。本構成の発光装置では、頭頂面に平行な面に形成された反射部と比較して、反射部が配置される位置を波長変換体の中心よりも外縁部側に離れた位置に配置できる。これにより、波長変換体が対向する蓋部が有する透過部の面積が大きくなるため、本構成の発光装置からの光の出力低下をより一層抑制できる。
【0014】
(6)上記態様の発光装置において、前記反射部は、金属で形成されていてもよい。
この構成によれば、反射部が金属で形成されているため、反射部の製造が容易である。
【0015】
(7)上記態様の発光装置において、前記底部の前記頭頂面に配置される板状の反射板を有し、前記蓋部側から見たとき、前記反射板は前記波長変換体の周りを囲むように配置されていてもよい。
この構成によれば、波長変換体が出射した光は、反射部により底部側に反射されても、反射板により蓋部側へと再び反射される。これにより、収容体内で吸収される光が減少するため、発光装置の光の出力低下がより一層抑制される。
【0016】
(8)本発明の他の一態様によれば、光を出射する発光素子と、前記発光素子から出射される光の波長を変換し、変換された光を出射する波長変換体と、を収容する発光素子収容体が提供される。この発光素子収容体は、底部と、前記底部に接続された側壁部と、前記側壁部に接続されて前記底部と対向する蓋部と、を有し、前記底部は、前記蓋部側から見たときの中央部が、前記蓋部側から見たときの外縁部より前記蓋部側に突出しており、前記中央部に、前記蓋部と対向する平坦な頭頂面を有し、前記前記頭頂面の周りに傾斜面を有し、前記傾斜面に前記発光素子を配置する発光素子配置部を有し、前記頭頂面に前記波長変換体を配置する波長変換体配置部を有し、前記蓋部は、前記波長変換体配置部に対向する部分の少なくとも一部に、前記波長変換体配置部に配置された前記波長変換体から出射された光を透過する透過部と、前記透過部とは異なる部分であって、前記発光素子配置部に配置された前記発光素子から出射された光を、正反射により、前記波長変換体配置部に配置された前記波長変換体へと入射させる反射部と、を有する。
この構成によれば、底部において、外縁部よりも突出している中央部の頭頂面には波長変換体が配置される波長変換体配置部が形成されて、頭頂面の周りに形成された傾斜面には発光素子が配置される発光素子配置部が形成されている。また、蓋部において、波長変換体配置部に対向する部分の少なくとも一部には透過部が形成されて、透過部とは異なる部分には反射部が形成されている。この反射部は、発光素子配置部に配置された発光素子から出射された光を、正反射して波長変換体へと入射させる。そのため、本構成の発光素子収容体では、発光素子配置部に配置された発光素子が出射した光を、蓋部の反射部により反射し、波長変換体配置部に配置された波長変換体へと入射させることができる。これにより、収容体内で発光素子から出射される光が多重反射する発光装置と比較して、本構成の発光素子収容体を使用した発光素子では、波長変換体の励起光および発光の増減が抑制される。この結果、本構成の発光素子収容体では、発光素子収容体から出射される光の出力低下を抑制し、当該光の色度を安定させることができる。
【0017】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、発光装置、発光素子収容体、発光デバイス、照明、車載用ランプ、およびこれらを備える部品、およびこれらの製造方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態としての発光装置の説明図である。
【
図2】本発明の第1実施形態としての発光装置の説明図である。
【
図3】本発明の第1実施形態としての発光装置の説明図である。
【
図4】第1実施形態の第1変形例の発光装置の説明図である。
【
図5】第1実施形態の第2変形例の発光装置の説明図である。
【
図6】第1実施形態の第3変形例の発光装置の説明図である。
【
図7】第1実施形態の第3変形例の発光装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
図1ないし
図3は、本発明の第1実施形態としての発光装置100の説明図である。本実施形態の発光装置100は、半導体レーザ(LD:Laser Diode)の青色光を、光波長変換部材である蛍光体(例えばYAG蛍光体)によって波長変換することにより、白色光を出力する。
図1には、蓋部11がない状態の発光装置100の概略上面図が示されている。なお、蓋部11の詳細については後述する。
図2には、
図1のA-A断面を後述するX軸負方向側から見た場合の発光装置100の概略矢視図が示されている。
図3には、
図1のB-B断面における発光装置100の概略断面図が示されている。
【0020】
図1に示されるように、本実施形態の発光装置100は、光を出射する半導体レーザ(発光波長:440~460nm)である2つの発光素子20と、発光素子20を収容している収容体(発光素子収容体)10と、発光素子から出射される光の波長を変換する蛍光体(波長変換体)30と、第1配線41と、第2配線51と、第3配線61と、各配線41,51,61と発光素子20とを接続する4本の金ワイヤー70と、を備えている。なお、
図1に示される直交座標系CSは、それぞれが直交するX軸、Y軸、Z軸から構成され、
図2以降で示される直交座標系CSと対応している。
【0021】
図2および
図3に示されるように、収容体10は、底部13と、底部13に接続されている側壁部12と、側壁部12に接続されて底部13と対向している蓋部11と、を備えている。底部13は、Cu(銅)により形成されている。
図2に示されるように、底部13では、蓋部11側(Z軸正方向側)から見たとき、外縁部13Oよりも中心軸OL側の中央部13Cが、蓋部11側に突出している。なお、中心軸OLは、底部13の重心を通るZ軸に平行な軸である。底部13は、中央部13Cにおいて、蓋部11と対向する平坦な頭頂面13Sと、頭頂面13Sの周りに形成された傾斜面13Iと、を備えている。本実施形態の頭頂面13Sは、XY平面に平行な面として形成されている。傾斜面13Iは、頭頂面13Sの外縁に接続し、中心軸OLから遠ざかるにつれてZ軸負方向側へと下る斜面である。
【0022】
本実施形態の側壁部12は、セラミックであるAl
2O
3(アルミナ)により形成されている。側壁部12は、
図1ないし
図3に示されるように、略直方体から、Z軸方向に平行な中心軸OL(
図2,3)を重心とする矩形形状がくり抜かれた側壁本体部12Bと、側壁本体部12Bから中心軸OL側に延出しているフランジ部12Fと、を備えている。フランジ部12FのZ軸正方向側の面には、各配線41,51,61が形成されている。フランジ部12FのZ軸負方向側の面は、銀(Ag)ろう材により、底部13のZ軸正方向側の面に接合されている。
【0023】
蓋部11は、蛍光体30から出射された光を透過する板状部材11Pと、発光素子20から出射された光を正反射する膜部材11Rと、を備えている。板状部材11Pは、XY平面に平行な矩形形状の面を有する板状の部材である。板状部材11Pの両面の全面には、SiO2、TiO2が積層された反射防止膜が蒸着されている。板状部材11Pの外周側が、AuSnはんだにより、側壁部12の側壁本体部12Bに接合されている。板状部材11Pにおいて、AuSnはんだにより側壁部12に接合される部分には、Cr50nm/Ni100nm/Au500nmがパターン蒸着されている。各部が接合されることより、蓋部11と、底部13と、側壁部12とによって収容体10内に、発光素子20などを収容する空間が形成される。板状部材11Pは、ホウケイ酸ガラスやサファイアなどの光を透過する材料で形成されている。
【0024】
膜部材11Rは、Al(アルミニウム)などの金属などで形成されている。本実施形態の膜部材11Rは、板状部材11Pにおける蛍光体30と対向する面に配置されている。
図1の破線で示されるように、膜部材11Rは、XY平面に平行な面に沿って円形状を有する膜である。
図1の概略上面図では、発光装置100のうち、板状部材11Pの図示が省略されている。
【0025】
発光素子20は、
図3の光軸方向(光軸)DRに示されるように、出射する光が蓋部11の膜部材11Rに入射するように、AuSnはんだにより底部13の傾斜面13Iに接合されている。蛍光体30は、AuSnはんだにより、底部13の頭頂面13Sに接合されている。本実施形態の蛍光体30は、底部13と蓋部11との対向方向であるZ軸方向において、発光素子20よりも蓋部11側(Z軸正方向側)に配置されている。蛍光体30は、発光素子20から出射される青色光を白色光へと変換し、変換された白色光LTを出射する。
図3の破線で示されるように、白色光LTは、光を透過する板状部材11Pを透過し、収容体10の外部へと出射される。本実施形態では、膜部材11Rが設けられた箇所が、発光素子20から出射された光を、正反射により蛍光体30へと入射される反射部として機能する。板状部材11Pのうち、膜部材11Rが設けられていない箇所が、蛍光体30から出射された光を透過する透過部として機能する。
【0026】
図2に示されるように、発光装置100は、第1配線41に電気的に接続しているビア42と、ビア42に電気的に接続している裏面電極43と、を備えている。第1配線41は、側壁部12のフランジ部12FにおけるZ軸正方向側の面に形成された配線パターンである。ビア42は、側壁部12をZ軸方向に沿って貫通する貫通孔に充填されている。裏面電極43は、側壁部12のZ軸負方向側の面に形成された電極である。第2配線51および第3配線61も、第1配線41と同様に、図示されていないビアおよび電極に接続されている。各金ワイヤー70は、Auワイヤーボンディングにより、各配線41,51,61と発光素子20とを電気的に接続している。
【0027】
以上説明したように、本実施形態の発光装置100は、光を出射する発光素子20と、発光素子20を内部に収容する収容体10と、発光素子20から出射される光の波長を変換する蛍光体30と、を備えている。底部13は、中央部13Cにおいて、蓋部11と対向する平坦な頭頂面13Sと、頭頂面13Sの周りに形成された傾斜面13Iと、を備えている。発光素子20は、底部13の傾斜面13Iに配置され、蛍光体30は、底部13の頭頂面13Sに配置されている。蓋部11において、蛍光体30に対向する部分には透過部としての板状部材11Pが位置し、一部に反射部としての膜部材11Rが位置している。蓋部11の膜部材11Rは、発光素子20から出射された光を、正反射により、蛍光体30へと入射させる。そのため、本実施形態の発光装置100では、蓋部11の膜部材11Rにより反射された光を蛍光体30へと入射させることができる。これにより、収容体10内で発光素子20から出射される光が多重反射する発光装置と比較して、本実施形態の発光装置100では、蛍光体30の励起光および発光の増減が抑制される。この結果、本実施形態の発光装置100では、発光装置100から出射される光の出力低下を抑制し、当該光の色度を安定させることができる。
【0028】
また、本実施形態の板状部材11Pのうちの膜部材11Rが設けられた箇所が、発光素子20から出射された光を、正反射により蛍光体30へと入射される反射部として機能する。一方で、板状部材11Pのうち、膜部材11Rが設けられていない箇所が、蛍光体30から出射された光を透過する透過部として機能する。すなわち、本実施形態の蓋部11は、反射部として機能する膜部材11R以外の部分の全てが透過部として機能している。そのため、蓋部11により収容体10内での光の閉じ込めが抑制されるため、発光装置100から出力される白色光LTの出力低下がより一層抑制される。
【0029】
また、本実施形態の蛍光体30は、底部13と蓋部11との対向方向であるZ軸方向において、発光素子20よりも蓋部11側(Z軸正方向側)に配置されている。すなわち、本実施形態の発光装置100では、発光素子20が蛍光体30よりも底部13側に位置している。そのため、蛍光体30から出射された白色光LTが、発光素子20および金ワイヤー70に吸収されることが抑制されるため、発光装置100から出力される白色光LTの出力低下をより一層抑制できる。
【0030】
また、本実施形態で反射部として機能する膜部材11Rは、金属で形成されているため、反射部の製造が容易である。
【0031】
<第1実施形態の第1変形例>
図4は、第1実施形態の第1変形例の発光装置100aの説明図である。
図4に示される発光装置100aでは、第1実施形態の発光装置100と比較して、蓋部11aの形状が異なり、そのほかの形状等については同じである。そのため、第2実施形態では、第1実施形態と異なる形状等について説明し、同じ形状等の説明は省略する。
図4には、第1実施形態の発光装置100における
図3に対応するB-B断面の第1変形例の発光装置100aの概略図が示されている。
【0032】
図4に示されるように、蓋部11aは、一部が屈曲している板状部材11Paと、板状部材11Paにおける底部13側の面に接合された膜部材11Raと、を備えている。第1変形例の板状部材11Paは、側壁部12に接合している箇所から、中心軸OLに近づくにつれてZ軸正方向側に傾斜し、中心軸OL近傍で、底部13の頭頂面13Sに平行な面を有している。膜部材11Raは、板状部材11Paのうち、傾斜している部分に接合されている。すなわち、膜部材11Raの反射面の法線NLは、底部13と蓋部11aとが対向する方向(Z軸方向)に対して、蛍光体30に向かう方向へと傾斜している。
【0033】
以上説明したように、第1実施形態の第1変形例における膜部材11Raの反射面の法線は、底部13と蓋部11aとが対向する方向に対して、蛍光体30に向かう方向へと傾斜している。そのため、膜部材11Raにより反射される光軸方向DRaは、XY平面に平行な方向(水平方向)に近づく。この場合に、XY平面に平行な面に形成された膜部材と比較して、膜部材11Raが配置される位置を中心軸OLよりも離れた位置に配置できる。これにより、蛍光体30が対向する蓋部11aの面積が大きくなるため、白色光LTの出力低下をより一層抑制できる。
【0034】
<第1実施形態の第2変形例>
図5は、第1実施形態の第2変形例の発光装置100bの説明図である。
図5に示される発光装置100bでは、第1実施形態の発光装置100と比較して、蓋部11bの形状が異なり、そのほかの形状等については同じである。そのため、第2実施形態では、第1実施形態と異なる形状等について説明し、同じ形状等の説明は省略する。
図5には、第1実施形態の発光装置100における
図3に対応するB-B断面の第1変形例の発光装置100bの概略図が示されている。
【0035】
図5に示されるように、蓋部11bは、Alで形成されて発光素子20から出射された光を正反射する金属体(反射部)11Rbと、ホウケイ酸ガラスで形成されて蛍光体30から出射された白色光LTを透過する透過板(透過部)11Pbと、を備えている。金属体11Rbは、側壁部12に接合し、接合箇所から中心軸OLに近づくにつれてZ軸正方向側に傾斜している。透過板11Pbは、XY平面上で矩形状の板状部材である。透過板11Pbは、発光素子20が配置された空間を封止するように、中心軸OL上に位置し、金属体11Rbに接合されている。
【0036】
以上説明したように、第1実施形態の第2変形例の金属体11Rbは、金属のAlで形成されているため、製造が容易である。
【0037】
<第1実施形態の第3変形例>
図6および
図7は、第1実施形態の第3変形例の発光装置100cの説明図である。
図6および
図7に示される発光装置100cでは、第1実施形態の発光装置100と比較して、蓋部11cおよび側壁部12cの形状が異なり、そのほかの形状等については同じである。そのため、第2実施形態では、第1実施形態と異なる形状等について説明し、同じ形状等の説明は省略する。
図6には、第1実施形態の発光装置100における
図2に対応するA-A断面をX軸負方向側から見た場合の第1変形例の発光装置100cの概略矢視図が示されている。
図7には、第1実施形態の発光装置100における
図3に対応するB-B断面の第1変形例の発光装置100cの概略図が示されている。
【0038】
第3変形例の発光装置100cでは、第1実施形態において側壁部12で形成されていた一部が蓋部11cの一部として形成されている。
図6,7に示されるように、蓋部11cの板状部材11Pcは、外縁においてZ軸負方向側へと延出している。その代わりに、側壁部12cの側壁本体部12BcがZ軸正方向側に延出する長さが少なくなっている。この第3変形例のように、側壁部12cに接合している蓋部11cが側壁部12cの一部を形成してもよい。
【0039】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態の発光装置100dの説明図である。
図8に示される発光装置100dでは、第1実施形態の発光装置100と比較して、発光素子20および膜部材11Rの数および配置が異なり、そのほかの構成等については同じである。そのため、第2実施形態では、第1実施形態と異なる構成等について説明し、同じ構成等の説明は省略する。
図8には、
図1に示される第1実施形態の発光装置100の概略上面図のように、第2実施形態の発光装置100dにおける蓋部がない状態の概略上面図が示されている。
【0040】
図8に示されるように、第2実施形態の発光装置100dは、4つの発光素子20A~20Dと、4つの膜部材11RdA~11RdDと、を備えている。4つの発光素子20A~20Dは、底部13の傾斜面13I上において、中心軸OLを中心として90度ずつ回転させた位置に配置されている。4つの膜部材11RdA~11RdDは、板状部材11P(
図8では不図示)における底部13に対向する面において、中心軸OLを中心として90度ずつ回転させた位置に配置されている。
【0041】
図8に示されるように、発光素子20Aおよび膜部材11RdAと、発光素子20Cおよび膜部材11RdCとは、中心軸OLを通るYZ平面に対して、対称の位置には配置されていない。同じように、発光素子20Bおよび膜部材11RdBと、発光素子20Dおよび膜部材11RdDとは、中心軸OLを通るZX平面に対して、対称の位置には配置されていない。換言すると、蓋部側(Z軸正方向側)から見たとき、2つの発光素子20A,20C(または発光素子20B,20D)は、蛍光体30を挟んでいる位置に配置されている。さらに、2つの発光素子20A,20C(または発光素子20B,20D)のそれぞれが出射する光の光軸である光軸方向DRdA,DRdC(光軸方向DRdB,DRdD)が、蛍光体30上において重ならない位置に、2つの発光素子20A,20C(または発光素子20B,20D)が配置されている。
【0042】
以上説明したように、第2実施形態の発光装置100dでは、蓋部側から見たとき、2つの発光素子20A,20Cは、蛍光体30を挟み、かつ、2つの発光素子20A,20Cのそれぞれが出射する光の光軸である光軸方向DRdA,DRdC(光軸方向DRdB,DRdD)が重なっていない。そのため、第2実施形態の発光装置100dでは、複数の発光素子20A,20Cから出射される光が、蛍光体30に入射する位置が異なる。すなわち、光が入射する蛍光体30の位置が分散するため、光の入射による蛍光体30の発熱が抑制される。これにより、蛍光体30が過剰に発熱しないため、蛍光体30の変換効率の低下を抑制できる。
【0043】
<第3実施形態>
図9および
図10は、第3実施形態の発光装置100eの説明図である。
図9および
図10に示される発光装置100eは、第1実施形態の発光装置100と比較して、底部13の頭頂面13Sに配置された反射板80を備えること、および、膜部材11Reの材質が異なり、そのほかの工程等については同じである。そのため、第3実施形態では、第1実施形態と異なる構成等について説明し、同じ構成等の説明は省略する。
図9には、
図1に示される第1実施形態の発光装置100の概略上面図のように、第3実施形態の発光装置100eにおける蓋部がない状態の概略上面図が示されている。
図10には、第1実施形態の発光装置100における
図3に対応するB-B断面の第3実施形態の発光装置100eの概略図が示されている。
【0044】
図9および
図10に示されるように、第3実施形態の発光装置100eでは、頭頂面13SにAlで形成された板状の反射板80が配置され、反射板80の上に蛍光体30が配置されている。
図9に示されるように、蓋部11側(Z軸正方向側)から見たとき、反射板80は、頭頂面13Sの面積よりも若干小さく、かつ、蛍光体30の面積よりも大きい面積を有している。また、頭頂面13Sと、蛍光体30と、反射板80との重心は、中心軸OLに存在する。その結果、反射板80は、蓋部11側から見たとき、蛍光体30の周りを囲むように配置されている。第3実施形態の反射板80は、膜部材11Rと同じように入射する光を正反射する。第3実施形態の膜部材11Reは、Alではなく、Cr50nm/Ni100nm/Ag500nm/TiO
2/SiO
2がパターン蒸着された多層膜である。
【0045】
以上説明したように、第3実施形態の発光装置100eは、底部13の頭頂面13Sに配置される板状の反射板を備えている。反射板80は、蓋部11側から見たとき、蛍光体30の周りを囲むように配置されている。そのため、第3実施形態の発光装置100eでは、蛍光体30が出射した白色光LTは、膜部材11Rにより底部13側(Z軸負方向側)に反射されても、反射板80により蓋部11側(Z軸正方向側)へと再び反射される。これにより、収容体10内で吸収される白色光LTが減少するため、発光装置100eの出力低下がより一層抑制される。
【0046】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0047】
上記第1実施形態ないし第3実施形態では、発光装置の一例を挙げて説明したが、発光装置の構成および形状等については、種々変形可能である。発光装置100は、頭頂面13Sと傾斜面13Iとが形成された底部13および透過部と反射部とを有する蓋部11を備える収容体10と、傾斜面13Iに配置された発光素子20と、頭頂面13Sに配置された波長変換体とを備える範囲で、変形可能である。例えば、発光装置100は、2つ以上の発光素子20および反射部として機能する膜部材11Rを備えていなくてもよく、1つの発光素子20と膜部材11Rとを備えていてもよい。
【0048】
蓋部11は、蛍光体30から出射された光を透過する透過部と、発光素子20が出射した光を正反射する反射部とを備えていればよい。例えば、蓋部11は、透過部と反射部とのみで形成されてもよいし、透過部および反射部以外として機能する別の箇所を備えていてもよい。反射部として機能する膜部材11Rは、膜状の部材ではなく、発光素子20が出射した光を反射する範囲で、形状および材質を変更可能である。反射部の材質としては、銀、誘電体積層膜を採用してもよく、金属以外の材質が採用されてもよい。透過部の形状として、凹凸が存在してもよい。第1実施形態の第1の変形例および第2の変形例では、XY平面に対して傾斜している板状部材11Paに反射部としての膜部材11Raが形成されることにより、膜部材11Raの反射面の法線NLが蛍光体30に向かう方向に傾斜していたが、法線NLを傾斜させる態様については種々変形可能である。例えば、XY平面に対して水平な板状部材に、中心軸OLから離れるにつれて厚さが大きくなる膜部材が反射部として配置されていてもよい。この膜部材では厚さが中心側と外周側とで異なることにより、結果として、膜部材の反射面の法線NLが蛍光体30に向かう方向に傾斜している。
【0049】
側壁部12は、アルミナ以外であってもよく、窒化アルミニウム(AlN)やSiC(炭化ケイ素)などであってもよい。側壁部12は、絶縁体で形成されていることが好ましい。底部13は、銅以外の材質で形成されていてもよい。例えば、底部13は、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミニウム、およびダイヤモンド等で形成されていてもよい。底部13は放熱部として機能するために、底部13の熱伝導率は、側壁部12および蓋部11よりも高い方が好ましい。
【0050】
波長変換体としては、実施形態のYAG蛍光体に限られず、周知の波長変換体を採用できる。上記第1実施形態ないし第3実施形態では、発光素子20から出射された青色光が、波長変換体としての蛍光体30により白色光LTへと変換されたが、発光素子20から出射される光と、波長変換体により変換される光との組み合わせについては、周知技術の範囲で変更可能である。蛍光体30と反射部(例えば膜部材11R)との位置関係について、蓋部側(Z軸正方向側)から見たとき、蛍光体30の面積に対して反射部が重なっている部分の面積比は、50%未満が好ましい。
【0051】
上記第1実施形態ないし第3実施形態では、底部13と蓋部11との対向方向(Z軸方向)において、蛍光体30は発光素子20よりも蓋部11側に配置されていたが、蛍光体30と発光素子20との位置関係については、変形可能である。例えば、発光素子20が
図2に示されるよりも蓋部11側に配置され、発光素子20の一部が蛍光体30よりも蓋部11側に位置していてもよい。
【0052】
図8に示される第2実施形態の発光装置100dでは、蓋部側(Z軸正方向側)から見たとき、2つの発光素子20A,20Cは、蛍光体30を挟んでいる位置に配置されている。さらに、蛍光体30上において、2つの発光素子20A,20Cのそれぞれが出射する光の光軸方向DRdA,DRdCが重ならない位置に配置されていたが、発光素子20A,20Cの位置関係については、変形可能である。例えば、2つの発光素子20A,20Cが、中心軸OLを通るYZ平面に対して対称の位置には配置され、光軸方向DRdA,DRdCが蛍光体30状で重なっていてもよい。複数の発光素子から光が出射される場合に、波長変換体に入射する光の重なりが80%以下であることが好ましい。
【0053】
図9,10に示される第3実施形態の発光装置100eにおける反射板80は、一例であって、種々変形可能である。反射板80は、必ずしも蛍光体30の周りに配置されていなくてもよく、頭頂面13Sの一部(例えば、蛍光体30のY軸正方向側の一部)に配置されていてもよい。反射板80は、傾斜面13Iに配置されていてもよい。反射板80の形状は、矩形の板形状でなくてもよく、例えば円板状であってもよい。
【0054】
なお、
図1,3-5,7-9に示されるX軸,Y軸,Z軸で構成される直交座標系CSでは、蓋部11と底部13とが対向する対向方向がZ軸方向として定義された。さらに、直交座標系CSでは、Z軸に直交する平面上において、矩形状の発光装置100の直交する各辺に平行な軸をX軸、Y軸として定義したが、直交座標系CSは、蓋部11を上側として設定した場合の座標系の一例である。例えば、Z軸方向の正負を逆にした場合には、「蓋部11」と「底部13」との位置関係が上下反転してもよく、各座標軸の設定については変形可能である。
【0055】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0056】
10…収容体(発光素子収容体)
11,11a,11B,11c…蓋部
11P,11Pa,11Pb,11Pc…板状部材
11R,11Ra,11Rb,11RdA,11RdB,11RdC,11RdD,11Re…膜部材
12…側壁部
12B,12Bc,12c…側壁本体部
12F…フランジ部
13…底部
13O…外縁部
13C…中央部
13I…傾斜面
13S…頭頂面
20,20A,20B,20C,20D…発光素子
30…蛍光体(波長変換体)
41…第1配線
42…ビア
43…裏面電極
51…第2配線
61…第3配線
70…金ワイヤー
80…反射板
100,100a,100b,100c,100d,100e…発光装置
CS…直交座標系
DR,DRa,DRdA,DRdB,DRdC,DRdD…光軸方向(光軸)
LT…白色光
NL…膜部材の反射面の法線
OL…中心軸