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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】射出装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/17 20060101AFI20231026BHJP
   B29C 45/50 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B29C45/17
B29C45/50
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020563370
(86)(22)【出願日】2019-12-25
(86)【国際出願番号】 JP2019050936
(87)【国際公開番号】W WO2020138213
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】P 2018245947
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000227032
【氏名又は名称】日精エー・エス・ビー機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】荻原 一樹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 信介
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-006206(JP,A)
【文献】特開2017-013348(JP,A)
【文献】特開2008-284843(JP,A)
【文献】特開2001-248706(JP,A)
【文献】特開2008-080640(JP,A)
【文献】特開2012-011642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00 - 45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱シリンダとスクリューとを備える射出装置であって、
前記加熱シリンダがある方向を前方とした場合において、前記加熱シリンダが固定される前方プレートと、前記前方プレートよりも後方に位置し、かつ前記スクリューを軸方向で進退させる進退機構が設けられる後方プレートと、前記前方プレートと前記後方プレートとの前記スクリューを基準としたときの左右の端部それぞれ接続する一対の側方支持プレートと、該側方支持プレート上にスライド可能に搭載され前記スクリューの端部のうち前記加熱シリンダから遠い方の端部である後端部が軸支される中間部材と、を備え、
前記側方支持プレートの上面には、前記中間部材をスライド移動させるように案内する案内部材が設けられ、前記側方支持プレートにおける前記案内部材が設けられた部分よりも外側の第1の領域には、前記案内部材が設けられている第2の領域よりも撓み変形し易い撓み緩衝部が設けられている、射出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の射出装置であって、
前記撓み緩衝部は、前記第2の領域よりも厚さが薄くなっている、射出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の射出装置であって、
前記側方支持プレートの少なくとも外面に凹部が形成されて、前記撓み緩衝部の厚さが前記第2の領域よりも薄くなっている、射出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の射出装置であって、
前記凹部が、前記側方支持プレートの幅方向に亘って連続的に設けられている、射出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の射出装置であって、
前記撓み緩衝部は、前記第2の領域の両外側の前記第1の領域にそれぞれ設けられている、射出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の射出装置であって、
前記側方支持プレートは、所定幅の本体部と、該本体部の長さ方向の端部に設けられて前記本体部よりも幅の広い幅広部と、を備えており、
前記撓み緩衝部は、前記本体部の前記幅広部との境界近傍に設けられている、射出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、射出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、射出成形機や射出ブロー成形機で用いられる射出装置には、前方プレート、後方プレート及び中間部材(中間プレート、プッシャープレートとも呼ばれる)を備えた3プレート式のフレームを有するものが存在する。このフレームは、前方プレートと後方プレートをタイバーや側方支持プレートで連結し、その間に中間部材をスライド移動可能に支持した構造となっている。前方プレートには加熱シリンダ(加熱筒)が設けられ、後方プレートにはスクリューを進退させるための進退機構が設けられ、中間部材にはスクリューやその駆動機構等が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
タイバーで中間部材をガイドする方式では、タイバーの平行度不良、たわみ等の影響により、中間部材とタイバーとの間の摺動抵抗が大きくなると、中間部材の移動に悪影響を及ぼしてしまう。例えば、射出工程時、タイバーは、前方プレート及び後方プレートを介して射出圧(射出力)を受けて不可避的に撓み変形する。撓み変形量が大きくなると摺動抵抗も大きくなり、中間部材の直進性や平行度を確保できず、中間部材の移動が不安定になる。
【0004】
この結果、中間部材に軸支されたスクリューの芯ズレやボールねじ等の駆動機構に余計な負荷が生じてしまう虞がある。また、タイバーと中間部材との摺動抵抗が大きくなると、計量工程時における溶融樹脂の圧力(背圧)の検出精度も悪くなり、樹脂計量の安定性も確保できなくなる虞がある。
【0005】
一方、側方支持プレートで中間部材をガイドする方式では、側方支持プレート上面に配された案内部材(例えば、リニアガイド等)によって中間部材が移動可能に支持される。このような構成とすることで、フレームの剛性度は、タイバーを用いたものよりも一般的に高くなり、中間部材の直進性や平行度を確保し易く、摺動抵抗も低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】日本国特開2017-013348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、側方支持プレートで中間部材をガイドする方式においても、射出圧による側方支持プレートの撓み変形を完全になくすことは難しく、この撓み変形に起因して、中間部材の移動が不安定になる虞がある。
【0008】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであり、中間部材の移動の安定性を向上することができる射出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本開示の一つの態様は、加熱シリンダとスクリューとを備える射出装置であって、前記加熱シリンダが固定される前方プレートと、前記スクリューを軸方向で進退させる進退機構が設けられる後方プレートと、前記前方プレートと前記後方プレートとを左右の端部でそれぞれ接続する一対の側方支持プレートと、該側方支持プレート上にスライド可能に搭載され前記スクリューの後端部が軸支される中間部材と、を備え、前記側方支持プレートの上面には、前記中間部材をスライド移動させるように案内する案内部材が設けられ、前記側方支持プレートにおける前記案内部材が設けられた部分よりも外側の第1の領域には、前記案内部材が設けられている第2の領域よりも撓み変形し易い撓み緩衝部が設けられている、射出装置にある。
【0010】
ここで、前記撓み緩衝部は、前記第2の領域よりも厚さが薄くなっていることが好ましい。また前記側方支持プレートの少なくとも外面に凹部が形成されて、前記撓み緩衝部の厚さが前記第2の領域よりも薄くなっていることが好ましい。さらに前記凹部が、前記側方支持プレートの幅方向に亘って連続的に設けられていることが好ましい。
【0011】
また前記撓み緩衝部は、前記第2の領域の両外側の前記第1の領域にそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0012】
さらに、前記側方支持プレートは、所定幅の本体部と、該本体部の長さ方向の端部に設けられて前記本体部よりも幅の広い幅広部と、を備えており、前記撓み緩衝部は、前記本体部の前記幅広部との境界近傍に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
かかる本開示の射出装置によれば、射出圧による側方支持プレートの撓み変形を中間部材の可動領域外で吸収して可動領域内への影響を抑制(低減)しているため、スクリューが連結(軸支)される中間部材の移動の安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る射出装置を例示する正面図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る射出装置を例示する平面図である。
図3図3は、本開示の一実施形態に係る射出装置を例示する左側面図であって、図1のA-A線断面図である。
図4図4は、本開示の一実施形態に係る射出装置を例示する右側面図である。
図5図5は、本開示の一実施形態に係る射出装置を例示する断面図である。
図6図6は、本開示の一実施形態に係る側方支持プレートの概略構造を例示する斜視図である。
図7図7は、本開示の一実施形態に係る側方支持プレートの撓み緩衝部を例示する拡大図である。
図8図8は、本開示の一実施形態に係る側方支持プレートの撓み緩衝部を例示する拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の射出装置は、射出成形機または射出ブロー成形機で用いられ、射出型締装置(図示は省略)に搭載された射出成形用金型に対して樹脂材料を射出できるように構成されている。
【0016】
図1図5に例示するように、射出装置10は、内部にスクリュー11を備える加熱シリンダ(加熱筒)12と、スクリュー11を加熱シリンダ12内で進退させる進退装置13と、スクリュー11を回転させる回転装置14と、これら加熱シリンダ12、進退装置13及び回転装置14が固定される固定フレーム15と、を備えている。
【0017】
固定フレーム15は、前方プレート16、後方プレート17、側方支持プレート18(18A,18B)及び中間部材(中間プレート、プッシャープレート)19を含んで構成されている。固定フレーム15は、ベース部材20上に固定されている。前方プレート16と、後方プレート17とは、一対の側方支持プレート18によって連結されている。一対の側方支持プレート18は、前方プレート16及び後方プレート17の間に設けられており、前方プレート16及び後方プレート17の左右の端部をそれぞれ連結している。本実施形態では、各側方支持プレート18は、その前方側の端面が前方プレート16に対して複数のボルト21によって固定され、後方側の端面が後方プレート17に対して複数のボルト21によって固定されている。
【0018】
また中間部材19は、一対の側方支持プレート18上に、前方プレート16と後方プレート17との間の所定範囲でスライド移動可能に設けられている。本実施形態では、側方支持プレート18上には、案内部材としてのガイドレール22が設けられ、中間部材19には、ガイドレール22に案内部材としてのリニアガイド部材23が設けられている。リニアガイド部材23は、ガイドレール22に対して摺動自在に篏合しており、中間部材19は、ガイドレール22が設けられた範囲でスライド移動可能となっている。
【0019】
そして、固定フレーム15を構成する前方プレート16には、内部にスクリュー11を備える加熱シリンダ12の後端近傍の部分が固定されている。図2に例示するように、スクリュー11の後端近傍の部分は、加熱シリンダ12の外側まで延設されており、スクリュー11の端部が、中間部材19によって回転可能に軸支されている。すなわち、スクリュー11の後方側の端部は中間部材19に連結されている。図1に例示するように、また中間部材19の上部には、スクリュー11を回転させるための例えば、電動モータ(サーボモータ)等で構成される回転装置14が固定されている。なお回転装置14は、図示は省略する固定部材によって中間部材19の上部に固定されている。
【0020】
図5に例示するように、スクリュー11の後端部近傍には、第1のプーリ24が設けられている。図1に例示するように、電動モータ(回転装置)14の回転軸14aには、第2のプーリ25が設けられている。図3に例示するように、第1のプーリ24の第1の直径は、第2のプーリ25の第2の直径よりも大きい。スクリュー11と回転装置(電動モータ)14とは、これら第1のプーリ24及び第2のプーリ25に巻き掛けられたタイミングベルト26によって連結されている。
【0021】
図1図5に例示するように、後方プレート17には、中間部材19によって支持されているスクリュー11を、その軸方向で進退させるための進退装置13が固定されている。進退装置13は、進退機構部27(図5参照)と、進退機構部27を駆動させる進退駆動部28(図1参照)とを備えている。進退機構部27は、例えば、ボールねじで構成されており、ボールねじ軸29の後端近傍の部分は、後方プレート17によって回転可能に支持されている。
【0022】
図5に例示するように、ボールねじ軸29の前端近傍の部分は、中間部材19によって回転可能に支持されている。すなわち、ボールねじ軸29が螺合するボールナット30が中間部材19に固定されており、ボールねじ軸29はこのボールナット30を介して中間部材19に支持されている。
【0023】
図1に例示するように、進退駆動部28は、例えば、電動モータ(サーボモータ)等で構成され、後方プレート17の上部に固定されている。図1および図5に例示するように、進退機構部27(図5参照)を構成するボールねじ軸29は、後方プレート17の外側(前方プレート16とは反対側)まで延在しており、ボールねじ軸29の端部近傍には、第3のプーリ31(図1参照)が設けられている。電動モータ(進退駆動部)28の回転軸28aには、第4のプーリ32が設けられている。図4に例示するように、第3のプーリ31の第3の直径は、第4のプーリ32の第4の直径よりも大きい。そして、ボールねじ(進退機構部)27(図5参照)と電動モータ(進退駆動部)28とは、これら第3のプーリ31及び第4のプーリ32に巻き掛けられたタイミングベルト33によって連結されている。
【0024】
かかる本実施形態の射出装置10では、進退駆動部(電動モータ)28を駆動して、進退機構部27を構成するボールねじ軸29を所定方向に回転(例えば、正転又は逆転)させることで、中間部材19が前方プレート16と後方プレート17との間で移動(前進又後退)し、それに伴いスクリュー11が加熱シリンダ12内を移動(前進又は後退)するようになっている。また回転装置(電動モータ)14を駆動することで、スクリュー11が加熱シリンダ12内で所定方向に回転(正転又は逆転)するようになっている。
射出装置10の動作について説明する。まず、型締めされた金型の樹脂導入口(スプルー、ゲート)に、加熱シリンダ12の先端のノズル部を当接させる。このとき、原料投入口(ホッパ)60(図2参照)に固体プラスチック材料(ペレット)を満たした状態にする。次に、回転装置14を作動させ、スクリュー11を加熱シリンダ12内で回転させる。また、進退装置13を作動させ、スクリュー11を加熱シリンダ12内で後退させる。原料投入口60から加熱シリンダ12内に導入された固体プラスチック材料は、加熱シリンダ12内をスクリュー11の回転により搬送される間に溶融、混練される。これにより、加熱シリンダ12の先端に所定量の溶融樹脂が計量される。次に、回転装置14を静止させた状態で進退装置13を作動させ、加熱シリンダ12内でスクリュー11を前進させる。これにより、溶融樹脂が金型に射出される。
【0025】
ところで、このような射出装置10においては、計量時の圧力(背圧)や射出時の圧力(射出圧)によって固定フレーム15を構成する前方プレート16及び後方プレート17に撓み変形が生じることがあり、それに伴い一対の側方支持プレート18にも撓み変形が生じてしまう虞がある。特に、各側方支持プレート18には、固定フレーム15の内側を凸とする撓み変形が生じ易い。各側方支持プレート18に撓み変形が生ずると、中間部材19とガイドレール(案内部材)22との間の摺動抵抗が大きくなり、中間部材19の移動が不安定になる虞がある。この結果、計量時や射出時の圧力が精度よく検出できず、安定した射出成形が実施できなくなる虞がある。
【0026】
そこで本開示では、各側方支持プレート18に撓み緩衝部40を設けることで、このような側方支持プレート18の撓み変形を抑制している。以下、この撓み緩衝部40を備えた側方支持プレート18の構成について詳しく説明する。なお各側方支持プレート18A,18Bの構成は同様であるため、以下では、側方支持プレート18Aを例示して説明する。
【0027】
固定フレーム15を構成する一対の側方支持プレート18(18A)は、図6図8に例示するように、鉛直方向にて所定幅w1を有する本体部18aと、本体部18aの長さ方向の両端部に設けられて本体部18aよりも幅広の幅広部18bと、を備えている。各側方支持プレート18の本体部18aの上面には、上述したように中間部材19のスライド移動を案内するガイドレール(案内部材)22が設けられている。
【0028】
そして、側方支持プレート18の前後方向(長さ方向)の端部近傍には、側方支持プレート18の長さ方向の中央部よりも撓み変形し易い撓み緩衝部40が設けられている。本実施形態では、図7および図8に例示するように、撓み緩衝部40は、側方支持プレート18の本体部18aの前方側の端部近傍に設けられている。具体的には、撓み緩衝部40は、側方支持プレート18のガイドレール22が設けられた部分よりも外側の領域(第1の領域S1)に設けられている。
【0029】
したがって、撓み緩衝部40は、側方支持プレート18のガイドレール22が設けられている領域(第2の領域S2)よりも撓み変形し易くなっている。言い換えれば、撓み緩衝部40は、側方支持プレート18の第2の領域S2よりも相対的に剛性が低くなっている。なお、第1の領域S1は側方支持プレート18における中間部材19の可動範囲を含まない領域、第2の領域S2は側方支持プレート18における中間部材19の可動範囲を含む領域、とも言える。
【0030】
ここで、撓み緩衝部40は、側方支持プレート18のガイドレール22が設けられた部分よりも外側の領域(第1の領域S1)に設けられていればよいが、本体部18aに形成されていることが好ましい。すなわち撓み緩衝部40は、本体部18aのうちの第1の領域S1に相当する部分に設けられていることが好ましい。さらに撓み緩衝部40は、本体部18aの第1の領域S1内でも、特に、幅広部18bとの境界近傍に設けられていることが好ましい。
【0031】
図8に例示するように、この撓み緩衝部40は、本実施形態では、水平方向のその厚みd1が、本体部18aの第2の領域S2の厚さよりも薄くなっている。つまり、撓み緩衝部40の水平方向の厚みd1は、第2の領域S2における本体部18aの水平方向の厚みd2よりも薄い。具体的には、側方支持プレート18のガイドレール22が無い領域の側面に凹部50を設けることで、厚さd1(<d2)の撓み緩衝部40が形成されている。なお、撓み緩衝部40を構成する側方支持プレート18の厚さd1、凹部50の深さは、特に限定されず、側方支持プレート18の撓み変形の程度に応じて適宜設定されればよい。
【0032】
また凹部50は、側方支持プレート18の幅方向(鉛直方向、図7中の上下方向)に亘って連続的に設けられている。ただし、この凹部50は、側方支持プレート18の幅方向で断続的に設けられていてもよい。撓み緩衝部40は、側方支持プレート18の第2の領域S2よりも撓み変形し易くなっていれば、その構成は特に限定されるものではなく、撓み緩衝部40の全体としての剛性が、側方支持プレート18の第2の領域S2よりも低くなっていればよい。
【0033】
本実施形態では、水平方向における、側方支持プレート18の外方の側面(中間部材19とは反対側の側面)に凹部50を設けることで撓み緩衝部40を形成するようにしたが、凹部50は側方支持プレート18の内方の側面(中間部材19側の側面)あるいは両側面に設けられていてもよい。つまり、凹部50は、側方支持プレート18の側面の少なくとも一方に設けられていればよい。
【0034】
このような撓み緩衝部40が側方支持プレート18に設けられていることで、射出圧に起因する側方支持プレート18の撓み変形を抑制することができる。すなわち、撓み緩衝部40が撓み変形することで、側方支持プレート18の他の部分(特に、ガイドレール22が設けられている本体部18aの第2の領域S2)の撓み変形を抑制することができる。
【0035】
さらに、側方支持プレート18の外面に凹部50が設けられることによって、撓み緩衝部40が形成されているので、撓み緩衝部40は、固定フレーム15の内側への撓み変形を許容し易くなる。
【0036】
これにより、一対の側方支持プレート18の間隔の変動を抑制または規制し、中間部材19が移動する際の摺動抵抗を低減させることができる。したがって、側方支持プレート18上にスライド可能に支持されている中間部材19の直進性や平行度を確保し易くなり、中間部材19の移動の安定性を向上することができる。また、計量工程時の溶融樹脂の圧力(背圧)の検出精度も向上するため、樹脂計量の安定性も確保できる。
【0037】
なお本実施形態では、撓み緩衝部40を側方支持プレート18の前方側にのみ設けた構成を例示したが、撓み緩衝部40は、側方支持プレート18の後方側にのみ設けるようにしてもよく、側方支持プレート18の前方側及び後方側のそれぞれに設けられていることが好ましい。すなわち、撓み緩衝部40は、側方支持プレート18の第2の領域S2の両外側の第1の領域S1にそれぞれ設けられていることが好ましい。これにより、射出圧に起因する側方支持プレート18の撓み変形をさらに抑制することができる。
【0038】
また本実施形態では、側方支持プレート18の長さ方向の両端部に本体部18aよりも幅広の幅広部18bが設けられ、この幅広部18bによって前方プレート16及び後方プレート17に固定されている。このため、側方支持プレート18が前方プレート16及び後方プレート17に当接する面積を比較的大きく確保することができ、側方支持プレート18と前方プレート16及び後方プレート17とを強固に接続することができる。
【0039】
なお、側方支持プレート18と前方プレート16及び後方プレート17との接続強度を確保することができれば、幅広部18bは必ずしも設けられていなくてもよい。
【0040】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではない。本開示は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能なものである。
【0041】
例えば、上述の実施形態では、撓み緩衝部40は、側方支持プレート18の第1の領域S1の一部に設けられているが、第1の領域S1の全体に設けられていてもよい。また撓み緩衝部40は、側方支持プレート18の第1の領域S1に設けられていればよく、必ずしも本体部18aに設けられていなくてもよく、幅広部18bに設けられていてもよい。
【0042】
さらに上述の実施形態では、撓み緩衝部40は、側方支持プレート18の本体部18aの長さ方向の一方(前方プレート16側)の端部近傍に設けるようにしたが、本体部18aの長さ方向の他方(後方プレート17側)の端部近傍に設けられていてもよい。勿論、撓み緩衝部40は、側方支持プレート18の本体部18aの長さ方向の両端部近傍にそれぞれ設けられていてもよい。
【0043】
また上述の実施形態では、固定フレーム15として、側方支持プレート18が前方プレート16及び後方プレート17に対してボルト21によって固定された構造を例示したが、固定フレーム15は、この構造に限定されるものではない。固定フレーム15は、前方プレート16、後方プレート17及び側方支持プレート18が一体的に形成されたものであってもよい。
【0044】
なお、この構成とした場合には、撓み緩衝部40は、できるだけ側方支持プレート18と前方プレート16又は後方プレート17との境界近傍に設けることが好ましい。これにより、射出圧に起因する側方支持プレート18の変形量をより確実に抑制することができる。
【0045】
本出願は、2018年12月27日出願の日本国特許出願(特願2018-245947号)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8