(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】物品検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/85 20060101AFI20231026BHJP
B65G 47/14 20060101ALI20231026BHJP
G01N 21/59 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
G01N21/85 A
B65G47/14 102B
G01N21/59 Z
(21)【出願番号】P 2021041241
(22)【出願日】2021-03-15
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】谷口 英治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴志
【審査官】三宅 克馬
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05008533(US,A)
【文献】特開2019-155422(JP,A)
【文献】特開2009-271011(JP,A)
【文献】特開平8-040535(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0127018(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/01
G01N 21/17 - G01N 21/61
G01N 21/84 - G01N 21/958
B65G 47/00 - B65G 47/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品(W)を収容して回転方向に整列する複数の収容部(12B)が設けられ、前記収容部に収容された前記物品を物品検査位置(P5)に搬送する回転自在な搬送部(12)を有し、前記物品検査位置で前記物品を透過した光の分光特性に基づいて前記物品の品質を検査する物品検査装置であって、
前記収容部は、光が通過する開口部(12c)が形成され、前記物品が載置される載置面(12d)を有する底壁(12C)と、前記底壁から上方に延在し、前記物品の外周側面(Wa)を取り囲む周壁(12D)とを備え、
前記底壁は、前記開口部の径方向内端部(12s)と径方向外端部(12t)とを連結し、前記開口部の一部を閉じる載置補助部(12g)を有し、
前記物品は、前記載置面と前記載置補助部に載置された状態で前記収容部に収容される物品検査装置。
【請求項2】
前記載置補助部は、前記搬送部の回転方向の両側に前記開口部が形成されるように、前記開口部の上方を通過して前記開口部の径方向内端部と径方向外端部とを連結する渡り板(12g)から構成されている請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項3】
前記搬送部は、前記収容部に対して前記搬送部の径方向内方または径方向外方に設けられ、前記物品を前記収容部に案内する溝部(12A)を有し、
前記溝部は、前記搬送部の径方向内方から径方向外方に延在し、前記搬送部の回転時に前記物品の外周側面が接触可能な側壁(12E)を有し、
前記載置補助部は、前記側壁の延在方向と平行に延在している請求項1または請求項2に記載の物品検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤などの成形品を検査装置に搬送する搬送装置が知られている(特許文献1参照)。この搬送装置は、回転体の基部の外周面に、径方向に沿って内側方に凹み、かつ、外側方に開口するポケットが設けられており、回転体は、ポケットに成形品を吸着して回転軌道に沿って検査装置に搬送する。
【0003】
検査装置は、成形品の移動の軌跡と平面視で重なり合う位置に設置した光源および受光素子であるセンサを有し、光源とセンサは、成形品と成形品を搬送する回転体を挟んで上下方向に対向している。
【0004】
検査装置は、光源から放たれた光のうち、成形品を透過した透過光を信号光としてセンサに入射させ、その信号光を分析することにより、成形品の品質を検査する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載される搬送装置は、検査装置に搬送された成形品が閉空間に収容されていないので(特許文献1の
図10参照)、センサによって適切な光の分析を行うことができないおそれがある。
【0007】
具体的には、成形品を透過した光の分光特性に基づいて成形品の品質を検査する場合には、成形品を透過する際の光の減衰が大きく、成形品を透過した光(透過光)は、成形品に照射される光に比べ非常に微弱となる。
【0008】
このため、光源から照射された光が成形品の外周から漏れてセンサに入ると、すなわち、光源から照射された光が錠剤を透過せずにセンサに入ると(この光を迷光という)、センサでサチュレーション(光飽和)を生じることや、成形品を透過した光が迷光と混じることにより、センサで適切な光の分析を行うことができないおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、迷光による影響を受けないように物品を物品検査位置に搬送することができ、物品を透過した光の分析を適切に行うことができる物品検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の物品検査装置は、物品を収容して回転方向に整列する複数の収容部が設けられ、前記収容部に収容された前記物品を物品検査位置に搬送する回転自在な搬送部を有し、前記物品検査位置で前記物品を透過した光の分光特性に基づいて前記物品の品質を検査する物品検査装置であって、前記収容部は、光が通過する開口部が形成され、前記物品が載置される載置面を有する底壁と、前記底壁から上方に延在し、前記物品の外周側面を取り囲む周壁とを備え、前記底壁は、前記開口部の径方向内端部と径方向外端部とを連結し、前記開口部の一部を閉じる載置補助部を有し、前記物品は、前記載置面と前記載置補助部に載置された状態で前記収容部に収容されるものである。
【0011】
この構成により、迷光による影響を受けないように物品を物品検査位置に搬送することができ、物品を透過した光の分析を適切に行うことができる。
【0012】
また、本発明の物品検査装置において、前記載置補助部は、前記搬送部の回転方向の両側に前記開口部が形成されるように、前記開口部の上方を通過して前記開口部の径方向内端部と径方向外端部とを連結する渡り板から構成されているものである。
【0013】
この構成により、物品の先端部を渡り板に接触させ易く、物品の先端部が開口部に落ちて渡り板に引っ掛かることや、開口部に斜めに落ちることを防止できる。
【0014】
また、本発明の物品検査装置において、前記搬送部は、前記収容部に対して前記搬送部の径方向内方または径方向外方に設けられ、前記物品を前記収容部に案内する溝部を有し、前記溝部は、前記搬送部の径方向内方から径方向外方に延在し、前記搬送部の回転時に前記物品の外周側面が接触可能な側壁を有し、前記載置補助部は、前記側壁の延在方向と平行に延在しているものである。
【0015】
この構成により、物品の先端部を渡り板に接触させ易く、物品の先端部が開口部に落ちて渡り板に引っ掛かることや、開口部に斜めに落ちることを防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、迷光による影響を受けないように物品を物品検査位置に搬送することができ、物品を透過した光の分析を適切に行うことができる物品検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る物品検査装置の概略平面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る物品検査装置の供給容器を
図1のII-II方向で切った断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る物品検査装置の外側搬送装置の溝部および収容部の一部分の拡大図である。
【
図5】
図5は、
図3のV-V方向断面を斜め上方から見た図である。
【
図6】
図6(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の一実施形態に係る物品検査装置の溝部に載置される錠剤の態様を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る物品検査装置の物品検査位置に設けられた物品検査部の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る物品検査装置の構成について、
図1から
図7に基づいて説明する。
【0019】
図1において、一実施形態に係る物品検査装置1は、検査対象の物品を整列して単品搬送させながら所定の物品検査位置で光を照射し、この光の照射に伴って物品を透過した光の分光特性に基づいて物品の品質を検査する。
【0020】
検査対象である物品は、光の照射領域が検査対象の物品に光を照射する照射口の径に比較的近い小径の物品であり、非包装で単品搬送が可能な外径φ:数mm~数十mmの物品、一口サイズの物品の他、既存の製造設備や検査機能を持たない製造設備で製造された所定形状の物品や成形品、特に搬送過程で形が変化しない物品を含む。
【0021】
該当する物品としては、例えば錠剤、カプセル剤、トローチ剤、ドロップ剤などの製剤、飴、チョコレートなどがある。以下、検査対象の物品として、平面視で円形とされ、その直径に比して高さ(厚さ)の小さい側面視が略円柱状の錠剤Wを例にとって説明する。本実施形態の錠剤Wは、物品を構成する。
【0022】
図1に示すように、物品検査装置1は、錠剤Wを円周状の搬送コースに沿って搬送する物品搬送装置2と、搬送コースの途中の物品検査位置P5で錠剤Wの検査を行なう物品検査部3とを備えている。
【0023】
図1、
図2に示すように、物品搬送装置2は、回転する深皿状の供給容器10と、供給容器10の内部に設置され、供給容器10と別の駆動源で回転する円形の内側搬送部11とを有する。
【0024】
図2に示すように、供給容器10は、上面が開放され、上面から下方に向かって断面積が漸次小さくなる円形形状に形成されている。供給容器10は、上面の開口部10aに全周にわたって所定幅で設けられた水平な環状のフランジであり、錠剤Wの搬送経路となる外側搬送部12と、一部分に貫通孔13bを有し、外側搬送部12よりも直径が小さい円形の底壁13と、外側搬送部12と底壁13をつなぐ筒状の側壁14とを備えている。
【0025】
本実施形態の内側搬送部11は、外側搬送部12の径方向内方に設けられている。換言すれば、外側搬送部12は、物品搬送装置2の上面視で内側搬送部11の周囲を取り囲むように内側搬送部11の径方向外方に設けられている。
【0026】
供給容器10は、図示しない本体フレームに回転自在に取付けられている。供給容器10の回転軸は、底壁13の中心を通り、底壁13に垂直な線に一致する。供給容器10の底壁13の下面には、底壁13に中心を一致させて環状の内歯ギア10bが固定されている。
【0027】
本体フレームには第1のモータ21が取付けられており、第1のモータ21の駆動軸21aに設けられたピニオン22が内歯ギア10bに噛み合っている。第1のモータ21が駆動されると、供給容器10(外側搬送部12)は、その回転中心軸の周りを回転方向A(
図1参照)に向けて回転する。本実施形態においては、物品搬送装置2の平面視で供給容器10の回転方向Aは、反時計回転方向である。
【0028】
図1、
図2に示すように、内側搬送部11は、供給容器10の内部において傾斜して配置されている。内側搬送部11の直径は、供給容器10の底壁13の直径よりも大きいので、内側搬送部11を供給容器10内に傾斜して収容できる。すなわち、供給容器10は、上面が開放され、上面から底壁13に向かって断面積が小さくなる円形形状に形成されているので、内側搬送部11を供給容器10に傾斜して収容できる。
【0029】
図2に示すように、内側搬送部11の傾斜方向の上端部11bは、供給容器10の側壁14の上縁に対峙しており、内側搬送部11の周方向について上端部11bとは180°反対側に位置する傾斜方向の下端部11cは、供給容器10の側壁14の下縁に対峙している。
【0030】
すなわち、内側搬送部11の傾斜方向の下端部11cは、供給容器10の側壁14の下縁に対峙している部分が最も低く、内側搬送部11の傾斜方向の上端部11bは、供給容器10の側壁14の上縁に対峙している部分が最も高い。内側搬送部11の下面の中央には駆動軸11a(
図2参照)が内側搬送部11に対して垂直に固定されており、駆動軸11aは、傾斜した状態で供給容器10の底壁13の貫通孔13bを挿通して第2のモータ23(
図2参照)に連結されている。
【0031】
第2のモータ23は、供給容器10を支持する本体フレームに取付けられており、第2のモータ23が駆動されると、供給容器10の内部において内側搬送部11は、駆動軸11aの周りを回転方向B(
図1参照)に回転する。内側搬送部11の回転方向Bと外側搬送部12の回転方向Aは同一方向である。
【0032】
図1に示すように、物品搬送装置2は、物品供給部24を備えており、物品供給部24は、物品搬送装置2の上方に設置されている。物品供給部24は、例えば、既存の製造設備や検査機能を持たない製造設備で製造された成形品の錠剤Wが投入されると、投入された錠剤Wを蓄積するとともに、蓄積された錠剤Wを排出口24aから物品投入位置P1に排出し、物品投入位置P1で内側搬送部11に供給する。
【0033】
物品供給部24は、投入された錠剤Wを内側搬送部11に搬送するもので、例えば、直進フィーダやコンベアなどから構成されている。
【0034】
物品供給部24は、内側搬送部11と外側搬送部12が錠剤Wを搬送する能力に合わせて錠剤Wを供給する機能を有している。換言すれば、物品供給部24は、物品搬送装置2が錠剤Wを搬送する能力(例えば単位時間当たりの錠剤Wの搬送数など)に合わせて内側搬送部11に対する錠剤Wの供給量が設定される。
【0035】
物品搬送装置2において、物品供給部24から内側搬送部11に錠剤Wを投入しつつ、第1のモータ21と第2のモータ23を同方向に同速度または速度を違えて駆動し、内側搬送部11と供給容器10を、同速度で回転方向Aと回転方向Bにそれぞれ回転させると、物品供給部24の最も低い部分(傾斜方向の下端部11c側)に落下した錠剤Wは、内側搬送部11の回転に伴い、内側搬送部11の最も高い部分(傾斜方向の上端部11b側)まで移動し、外側搬送部12に載る。
【0036】
図1、
図3に示すように、外側搬送部12には溝部12Aと収容溝12Bが設けられている。
図4、
図5に示すように、溝部12Aは、外側搬送部12の上面12aから下方に窪んでおり、外側搬送部12の径方向に延在している。本実施形態の収容溝12Bは、収容部を構成する。
【0037】
溝部12Aは、外側搬送部12の周方向に等間隔に複数並んで設けられており、外側搬送部12の周方向にこれら複数の溝部12Aが外側搬送部12の上面12aを挟んで隣接している。
【0038】
図3に示すように、溝部12Aは、外側搬送部12の径方向の内端部12nから外端部12mに向かうに従って周方向の幅が漸次狭くなるように形成されている。溝部12Aの内端部12nの周方向の幅は、錠剤Wを周方向に2つに並べたときの幅、すなわち、錠剤Wの直径の2倍の幅よりも小さく(あるいは2つの錠剤Wを周方向に縦向きと横向きにして並べたときの幅よりも小さく)形成されており、錠剤Wが同時に2つ侵入し難い形状に形成されている。
【0039】
具体的には、溝部12Aは、錠剤Wが2つ同時に溝部12Aに侵入しないように形状が設定されている。また、溝部12Aは、錠剤Wが外側搬送部12の上面12aに乗り上げた場合に、上面12aに乗り上げた錠剤Wが溝部12Aに正常な姿勢(横向き)で供給された錠剤Wの高さよりも高さが高くなるように形状が設定されている。
【0040】
さらに、溝部12Aは、1つの錠剤Wが正常な姿勢(横向き)となり、1つの錠剤Wが姿勢不良(縦向き)になったときに、2つの錠剤Wが同時に溝部12Aに供給されないように、溝部12Aの形状が設定されている。ここで、錠剤W、W1の姿勢が横向きとは、錠剤W、W1の長辺が横方向で短辺が縦方向となった姿勢であり、錠剤W、W1の姿勢が縦向きとは、錠剤W、W1の長辺が縦方向で短辺が横方向となった姿勢であり、錠剤W、W1が縦向きとなった状態では、錠剤W、W1が横向きとなった状態よりも姿勢が高くなる。
【0041】
内側搬送部11の回転によって外側搬送部12に乗り上げた錠剤Wは、溝部12Aの径方向の内端部12nから溝部12Aに入り込み、外側搬送部12の回転による遠心力と、後述する物品案内部部27によって、溝部12Aから収容溝12Bに案内されて収容溝12Bに収容される。
【0042】
図3、
図4に示すように、収容溝12Bは、溝部12Aに対して外側搬送部12の径方向外方に位置している。収容溝12Bは、平面視で錠剤Wよりも少しだけ大きい円形に形成されており、溝部12Aの底面12bよりも下方に窪んでいる、または、溝部12Aと同一高さとしてもよい。
【0043】
具体的には、収容溝12Bは、溝部12Aの底面12bよりも下方に位置する環状の載置面12dを有する底壁12Cを備えている。底壁12Cには載置面12dの内方に位置し、検査用の光が通過する円形の開口部12cが形成されている。すなわち、載置面12dは、円形の開口部12cを取り囲むように開口部12cの径方向外方に設けられており、環状の載置面12dには開口部12cを上方から閉止するように錠剤Wが載置される。
【0044】
収容溝12Bは、底壁12Cから上方に延在し、錠剤Wの外周側面Waを取り囲む周壁12Dを備えており、収容溝12Bには錠剤Wが嵌まった状態で収容される。
【0045】
具体的には、溝部12Aの底面12bと収容溝12Bの載置面12dの段差と、溝部12Aの上面12aと収容溝12Bの載置面12dの段差とによって収容溝12Bの周壁12Dが形成されている。
【0046】
開口部12cは、外側搬送部12の平面視において錠剤Wの外径よりも小径に形成されているので、収容溝12Bに錠剤Wが収容された状態では開口部12cが上方から目視不能となり、錠剤Wが開口部12cから落下することを防止できる。
【0047】
外側搬送部12の回転中心軸から全ての収容溝12Bの中心部までの距離は、同一の距離となっており、錠剤Wが収容溝12Bに収容された状態において、錠剤Wは、外側搬送部12の回転方向に一列に整列される。すなわち、収容溝12Bの中心部(開口部12cの中心部)を回転方向に結んだ線は円となる。これにより、外側搬送部12が回転すると、収容溝12Bに収容された錠剤Wは、外側搬送部12の回転方向に一列に整列される。
【0048】
また、錠剤Wが収容溝12Bに収容された状態においては錠剤Wの外周側面Waと周壁12Dの隙間が極小となる。これにより、錠剤Wと周壁12Dの隙間から光が漏出することや、錠剤Wと周壁12Dの隙間に光が入り込むことを防止できる。すなわち、周壁12Dは、錠剤Wの外周側面Waから後述する光検出部32に入射する光を遮る。本実施形態の周壁12Dは、遮光部を構成し、錠剤Wの外周側面Waは、物品の外周側面を構成する。
【0049】
なお、錠剤Wの外周側面Waと周壁12Dの隙間は、周壁12Dによって錠剤Wの外周側面Waから光が漏れることや外周側面Waから光が入り込むことを防止でき、錠剤Wが収容溝12Bに確実に収容される隙間に設定されていることを条件とする。
【0050】
図4に示すように、収容溝12Bに錠剤Wが収容された状態において、錠剤Wの高さ方向の寸法a、すなわち、収容溝12Bの載置面12dから錠剤Wの上面までの寸法aは、収容溝12Bの載置面12dから溝部12Aの上面12aの高さ方向の寸法bよりも大きい。
【0051】
これにより、収容溝12Bに錠剤Wが収容された状態において、錠剤Wの上面は、溝部12Aの上面12aよりも上方に突出している。
なお、収容溝12Bに錠剤Wが収容された状態において、錠剤Wの高さ方向の寸法aを収容溝12Bの載置面12dから溝部12Aの上面12aまでの高さ方向の寸法bよりも小さくしてもよい。この場合、収容溝12Bに錠剤Wが収容された状態において、錠剤Wの上面は、溝部12Aの上面12aよりも下方に位置する。
【0052】
図1に示すように、物品搬送装置2には、物品規制部25が設けられている。物品規制部25は、錠剤Wが溝部12Aに1つだけ供給されるように錠剤Wの供給数を規制し、錠剤Wを外側搬送部12の回転方向に1例に整列させる。
【0053】
物品規制部25は、外側搬送部12の回転方向に一定の長さで湾曲して延在し、かつ、上下方向に延在するガイド板から構成されており、供給容器10を支持する本体フレームに固定されている。
【0054】
物品規制部25は、物品投入位置P1に対して外側搬送部12の回転方向の下流側の規制位置P2に設けられている。換言すれば、物品投入位置P1は、物品搬送装置2の平面視で物品規制部25に対して上流側に設置されている。ここで、外側搬送部12の回転方向と錠剤Wの搬送方向は、同一方向である。
【0055】
内側搬送部11から溝部12Aの径方向の内端部12nを通して溝部12Aに1つの錠剤Wが供給されると、物品規制部25には錠剤Wの径方向の外端部が接触する。すなわち、物品規制部25と溝部12Aの内端部12nにおける外側搬送部12の径方向の寸法は、錠剤Wが溝部12Aから内側搬送部11に落ちないように、錠剤Wの直径と同じ寸法、錠剤Wの直径よりも少し大きい寸法、または錠剤Wの直径よりも少し小さい寸法に設定されている。これにより、物品規制部25によって溝部12Aに錠剤Wが1つだけ供給されるように錠剤Wの供給数が規制される。
【0056】
また、溝部12Aに1つだけ供給された錠剤Wは、物品規制部25によって外側搬送部12の径方向外方に移動することが規制され、外側搬送部12の回転方向に一列に整列した状態で物品検査位置P5に向かって搬送される。
【0057】
物品搬送装置2には物品調整部26が設けられている。物品調整部26は、物品規制部25に対して外側搬送部12の回転方向の下流側の物品調整位置P3に設けられており、溝部12Aに正規の姿勢で位置していない錠剤Wを溝部12Aで正規の姿勢に戻すとともに、溝部12Aからはみ出している錠剤Wを溝部12Aから除去する。ここで、錠剤Wの正規の姿勢とは、例えば、溝部12Aから収容溝12Bに円滑に移動して収容溝12Bに横向きで収容可能な姿勢である。
【0058】
物品調整部26は、ブラシやエアー、排除板などから構成されており、溝部12Aに供給された錠剤Wが外側搬送部12の上面12aに乗り上げた場合に、錠剤を溝部12Aにおいて正常な姿勢となるように調整し、または溝部12Aから排除する。
【0059】
また、1つの錠剤Wが姿勢不良(縦向き)になったときに、当該錠剤Wを溝部12Aから排除する。溝部12Aから排除された錠剤Wは内側搬送部11に戻される。
【0060】
具体的に、物品調整部26は、溝部12Aで正常な姿勢となる錠剤Wの上面よりも上方に錠剤Wが位置している場合には、錠剤Wの上面よりも上方にエアー供給することや、排除板を作用させることにより、姿勢不良となる錠剤Wを調整(姿勢矯正または排除)する。
【0061】
物品搬送装置2には物品案内部27が設けられている。物品案内部27は、物品調整部26に対して外側搬送部12の回転方向の下流側の物品案内位置P4に設けられており、溝部12Aに供給された錠剤Wを溝部12Aに沿って収容溝12Bに案内する。物品案内部27は、外側搬送部12の回転方向に一定の長さで湾曲して延在し、かつ、上下方向に延在するガイド板から構成されており、供給容器10を支持する本体フレームに固定されている。
【0062】
物品案内部27は、外側搬送部12の回転方向において溝部12Aの内端部12nから外端部12mに向かうように一定の長さで延在し、かつ上下方向に延在するガイド板から構成されている。物品案内部27は、上流端部27aが外側搬送部12の径方向で溝部12Aの内端部12nよりも内側搬送部11側に位置しており、下流端部27bが外側搬送部12の径方向で収容溝12Bよりも溝部12Aの内端部12n側に位置し、かつ、溝部12Aの外端部12m付近に位置している。
【0063】
物品案内部27は、規制位置P2において収容溝12Bの内端部12n側で外側搬送部12の回転方向に一列に整列された錠剤Wを、外側搬送部12の回転に伴って溝部12Aに沿って収容溝12B側に移動させ、収容溝12Bに収容する。
【0064】
物品案内位置P4において、外側搬送部12の下方には図示しない吸引ノズルが設けられている。吸引ノズルは、物品案内位置P4で溝部12Aから収容溝12Bに錠剤Wが案内される過程で、収容溝12Bの開口部12cを通して錠剤Wを吸引して収容溝12Bに収容する。
【0065】
収容溝12Bに収容された錠剤Wは、外側搬送部12の回転によって物品検査部3に搬送される。
図1に示すように、物品検査部3は、外側搬送部12の回転方向で物品案内位置P4よりも下流側の物品検査位置P5に設けられている。
【0066】
物品搬送装置2には物品阻止部28が設けられている。物品阻止部28は、物品案内部27の外側搬送部12の回転方向の途中から外側搬送部12の回転方向で物品検査位置P5よりも下流側まで設けられている。
【0067】
物品阻止部28は、外側搬送部12の回転方向に湾曲して一定の長さで延在し、かつ、上下方向に延在するガイド板から構成されており、供給容器10を支持する本体フレームに固定されている。
【0068】
物品阻止部28は、物品案内部27によって収容溝12Bに収容された錠剤Wが外側搬送部12の回転による遠心力によって収容溝12Bから径方向外方に移動することを阻止する。
【0069】
図3、
図4に示すように、底壁12Cには直線状の渡り板12gが設けられている。渡り板12gは、開口部12cの径方向内端部12sと径方向外端部12tとを連結し、開口部12cの一部を閉じている。換言すれば、渡り板12gは、開口部12cの径方向外端部12tから径方向内端部12sに延在している、または、開口部12cの径方向内端部12sから径方向外端部12tに延在している。開口部12cの一部は、開口部12cの外側搬送部12の回転方向の中央部である。
【0070】
すなわち、渡り板12gは、外側搬送部12の回転方向の両側(上流側と下流側)に開口部12cが形成されるように、開口部12cの上方を通過して開口部12cの径方向内端部12sと径方向外端部12tとを連結している。
【0071】
渡り板12gの上面は、載置面12dと同じ高さ位置に位置している。すなわち、渡り板12gの上面と載置面12dは、同一平面上に位置している。なお、渡り板12gは、錠剤Wの形状に合わせて下方に窪ませることや、上方に突起状にすることにより、同一平面上からずれるように構成してもよい。
【0072】
これにより、錠剤Wは、載置面12dと渡り板12gに載置された状態で収容溝12Bに収容される。本実施形態の渡り板12gは、載置補助部を構成する。
【0073】
図3に示すように、溝部12Aは、側壁12E、12Fを有する。側壁12E、12Fは、溝部12Aの底壁12Cから上方に延在しており、収容溝12Bの周壁12Dに連絡されている。すなわち、側壁12E、12Fは、周壁12Dに連続しており、周壁12Dと一体である。
【0074】
側壁12E、12Fは、外側搬送部12の径方向内方から径方向外方に延在しており、外側搬送部12の回転方向で対向している。側壁12Eは、外側搬送部12の回転方向において側壁12Fに対して外側搬送部12の上流側に設けられている。
【0075】
これにより、外側搬送部12の回転時に、内側搬送部11から溝部12Aに供給される錠剤Wは、側壁12Eに接触しながら溝部12Aに沿って収容溝12Bに移動する。渡り板12gは、側壁12Eの延在方向と平行に延在している。
【0076】
物品案内位置P4において、錠剤Wは物品案内部27によって溝部12Aから収容溝12Bに移動する。
【0077】
具体的には、
図1、
図6に示すように、錠剤Wは、物品案内位置P4において物品案内部27によって溝部12Aから収容溝12Bに向かって案内される(X1、X2参照)。このとき、錠剤Wは、溝部12Aの側壁12Eに沿って収容溝12B側に移動する。
【0078】
次いで、錠剤Wは、物品案内部27によって溝部12Aに案内されるときに、X3で示すように、進行方向の先端部Wu(
図6(c)参照)から収容溝12Bに向かって落下する。
【0079】
ここで、渡り板12gは、側壁12Eの延在方向と平行に延在している。これに加えて、錠剤Wは、略円柱状に形成されている。このため、錠剤Wの進行方向の先端部Wuが収容溝12Bに向かって落下すると、錠剤Wの落下方向に渡り板12gを位置させることができ、渡り板12gに錠剤Wの先端部Wuを確実に接触させることができる。
【0080】
すなわち、渡り板12gが側壁12Eの延在方向と平行に延在している場合には、渡り板12gに対する円柱形状の錠剤Wの先端部Wuの接触点は1点となり、そこに渡り板12gを設置することにより、錠剤Wの先端部Wuを渡り板12gに確実に接触させることができる。
【0081】
物品搬送装置2は、物品案内位置P4において吸引ノズルによって開口部12cを通して吸引を行っている。これにより、錠剤Wは吸引ノズルによって吸引されてその底面が渡り板12gに接触しながら、収容溝12Bの径方向内端部12sから径方向外端部12tに移動し、開口部12cの上方に位置するようにして収容溝12Bに収容される(
図6(d)参照)。錠剤Wは、収容溝12Bに収容された状態で外側搬送部12の回転方向に一列に整列され、物品検査位置P5に搬送される。
【0082】
図7に示すように、物品検査部3は、光照射部31と光検出部32から構成されている。物品検査部3は、物品検査位置P5において光照射部31から広帯域の光Lを、開口部12c側から収容溝12Bに収容された錠剤Wに照射し、錠剤Wを透過した光を光検出部32によって検出する。
【0083】
光照射部31は、光源31a、ライトガイド31b、集光レンズ31cを備えている。光源31aは、検査対象の錠剤Wに広帯域の光を照射するため、例えばハロゲンランプから構成されている。光源31a、ライトガイド31b、集光レンズ31cは、図示しない放熱フィンが形成された図示しないケースと共に一体的に組み立てられた光源ユニットを構成しており、光源ユニットは、供給容器10を支持する本体フレームに取付けられている。
【0084】
ライトガイド31bは、ガラス光ファイバを多数束ねて構成されており、光源31aからの光を集光する集光レンズ31cに導く。集光レンズ31cは、ライトガイド31bからの光を物品検査位置P5で錠剤Wに集光する。
【0085】
光照射部31は、光源31aからの広帯域の光を、ライトガイド31bを介して集光レンズ31cに出射し、集光レンズ31cにより物品検査位置P5で錠剤Wの上面全てをカバーするように集光レンズ31cの倍率(集光レンズ31c、光源31aと錠剤Wの位置)を調整し、物品検査位置P5において光源31aからの光を効率よく錠剤Wに照射する。
【0086】
光検出部32は、光ファイバ32aと分光器32bとを備えて一体的に組み立てられた光検出ユニットを構成しており、図示しない保持手段に一体的に保持されて供給容器10を支持する本体フレームに取付けられている。
【0087】
光検出部32において、物品検査位置P5で錠剤Wを透過した光は、光ファイバ32aの受光部としての入射面の端面(入射開口部)から入光する。入射面の端面から入光する光が光ファイバ32a内を通過して分光器32bに到達すると、分光器32bが光の波長による回折角度の差を利用したグレーティングによる分光を行う。
【0088】
物品検査部3は、光検出部32で得られた分光特性の信号を処理し、信号を処理した結果から錠剤Wの品質の良否判定を行う。
【0089】
図1に示すように、物品検査位置P5よりも外側搬送部12の回転方向の下流側にはNG品回収部35、全品回収部36およびOK品回収部37が外側搬送部12の回転方向に所定の間隔をおいて設けられている。
【0090】
物品搬送装置2は、物品検査部3が錠剤Wを不良品(NG品)と判定すると、当該不良品と判定された錠剤Wが物品検査部3に対して外側搬送部12の回転方向の下流側のNG品選別位置P6まで搬送されてきたときに、例えば、外側搬送部12の径方向の内側から錠剤Wにエアーを吹き付けて収容溝12BからNG品回収部35に排出する。なお、NG品選別位置P6で外側搬送部12の径方向外方から錠剤Wを吸引して収容溝12BからNG品回収部35に排出してもよい。
【0091】
一方、物品検査部3が錠剤Wを正常品(OK品)と判定すると、当該正常品と判定された錠剤WがNG品選別位置P6からOK品選別位置P7まで搬送されてきたときに、例えば、外側搬送部12の径方向の内側から錠剤Wにエアーを吹き付けて収容溝12BからOK品回収部37に排出する。なお、OK品選別位置P7で外側搬送部12の径方向外方から錠剤Wを吸引して収容溝12BからOK品回収部37に排出してもよい。
【0092】
全品回収部36は、外側搬送部12の回転方向でNG品選別位置P6とOK品選別位置P7の間の全排出位置P8に設けられている。
【0093】
全品回収部36は、物品検査装置1の運転開始時や、非常停止後の復帰動作後や、NG排出を失敗した錠剤Wなど、正常な検査ができなかった、または、排出を失敗した錠剤Wなどを回収するものであり、例えば、外側搬送部12の径方向の内側から錠剤Wにエアーを吹き付けて収容溝12Bから全品回収部36に排出する。
【0094】
なお、全排出位置P8で外側搬送部12の径方向外方から錠剤Wを吸引して収容溝12Bから全品回収部36に排出してもよい。
【0095】
また、外側搬送部12の回転方向でNG品回収部35の下流側の確認位置P9に確認センサ38を設け、確認センサ38によってNG品選別位置P6で不良品が排出されたか否かを確認してもよい。このようにすれば、不良品の選別の信頼性を向上できる。
【0096】
次に、本実施形態の物品検査装置1の効果を説明する。
本実施形態の物品検査装置1は、錠剤Wを収容して回転方向に整列する複数の収容溝12Bが設けられ、収容溝12Bに収容された錠剤Wを物品検査位置P5に搬送する回転自在な外側搬送部12を有し、物品検査位置P5で錠剤Wを透過した光の分光特性に基づいて錠剤Wの品質を検査する。
【0097】
収容溝12Bは、光が通過する開口部12cが形成され、錠剤Wが載置される載置面12dを有する底壁12Cと、底壁12Cから上方に延在し、錠剤Wの外周側面Waを取り囲む周壁12Dとを備えている。
【0098】
これにより、錠剤Wを底壁12Cと周壁12Dによって囲まれる空間に設置でき、物品検査部3において光検出部32によって適切な光の分析を行うことができる。
【0099】
具体的には、錠剤Wを透過した光の分光特性に基づいて錠剤Wの品質を検査する場合には、錠剤Wを透過する際の光の減衰が大きく、錠剤Wを透過した光(透過光)は、錠剤Wに照射される光に比べ非常に微弱である。
【0100】
このため、光照射部31から照射された光が錠剤Wの外周側面Waから漏れて光検出部32に入ると、すなわち、光照射部31から照射された光が錠剤Wを透過せずに光検出部32に入ると(この光を迷光という)、光検出部32でサチュレーション(光飽和)を生じることや、錠剤Wを透過した光が迷光と混じることにより、光検出部32で適切な光の分析を行うことができない。
【0101】
本実施形態の物品検査装置1の収容溝12Bが、光が通過する開口部12cが形成され、錠剤Wが載置される載置面12dを有する底壁12Cと、錠剤Wの外周側面Waを取り囲む周壁12Dとを備えている。
【0102】
これにより、錠剤Wが収容溝12Bに収容された状態において錠剤Wの外周側面Waと周壁12Dの隙間を極小にでき、錠剤Wの外周側面Waから光検出部32に入射する光を周壁12Dによって遮ることができる。すなわち、光照射部31から錠剤Wに照射された光を錠剤Wに効率よく透過させることができる。また、開口部12cが錠剤Wに対して十分小さい場合は、収容溝12Bの下方向への段差をなくした収容溝12Bとして測定しても、迷光と混じることを防止できる。このため、光検出部32でサチュレーションが生じることや、錠剤Wを通過した光が迷光と混じることを防止でき、光検出部32で適切な光の分析を行うことができる。
【0103】
一方、周壁12Dの高さを高くすれば、錠剤Wの高さ方向で錠剤Wの外周側面Waを長い距離にわたって周壁12Dで覆うことできる。このため、錠剤Wの外周側面Waから光検出部32に入射する光を周壁12Dによってより効果的に遮ることができる。
【0104】
ところが、周壁12Dの高さを高くすると、錠剤Wが溝部12Aから収容溝12Bに移動に移動したときに、錠剤Wが開口部12cに斜めに落ち易く、錠剤Wが開口部12cに斜めに落ちると、物品検査部3によって正常な検査を行うことができない。
【0105】
本実施形態の物品検査装置1によれば、底壁12Cは、開口部12cの径方向内端部12sと径方向外端部12tとを連結し、開口部12cの一部を閉じる渡り板12gを有し、錠剤Wは、載置面12dと渡り板12gに載置された状態で収容溝12Bに収容される。
【0106】
これにより、物品検査位置Pに対して外側搬送部12の回転方向の上流側において、錠剤Wが溝部12Aから収容溝12Bに移動したときに、錠剤Wの底面を渡り板12gに接触させながら開口部12cの径方向内端部12sから径方向外端部12tに向かって案内して収容溝12Bに案内できる。このため、錠剤Wが開口部12cに斜めに落ちることを防止でき、物品検査部3で適切な光の分析を行うことができる。
【0107】
このため、周壁12Dの高さを高くした場合でも、錠剤Wが開口部12cに斜めに落ちることを防止でき、物品検査部3で適切な光の分析をより確実に行うことができる。
【0108】
このように本実施形態の物品検査装置1は、迷光による影響を受けないように錠剤Wを物品検査位置P5に搬送することができ、錠剤Wを透過した光の分析を適切に行うことができる。
【0109】
なお、錠剤Wを透過した光の分光特性に基づいて錠剤Wの品質を検査する物品検査装置1においては、錠剤Wの光が乱反射して均一化されるので、開口部12cの一部を渡り板12gで覆った場合でも、渡り板12gが検査に影響を与えることはない。
【0110】
なお、物品検査位置P5において、収容溝12Bと光検出部32の間に、光が透過する開口部39aを有する遮光板39を設置してもよい(遮光板39を
図7の仮想線で示す)。このようにすれば遮光板39によって錠剤Wの外周側面Waから光検出部32に入射する光をより確実に遮ることができ、物品検査部3で適切な光の分析をよりより確実に行うことができる。
【0111】
また、本実施形態の収容溝12Bは、溝部12Aの底面12bよりも下方に窪む載置面12dを有するが、載置面12dと底面12bを同じ高さにしてもよい。収容溝12Bは、光が通過する開口部12cが形成され、錠剤Wが載置される載置面12dを有する底壁12Cと、錠剤Wの外周側面Waを取り囲む周壁12Dとを備えていれば、底壁12Cと周壁12Dによって錠剤Wを囲むことができる。
【0112】
このように構成することにより、物品検査装置1は、光検出部32でサチュレーションが生じることや、錠剤Wを通過した光が迷光と混じることを防止でき、光検出部32で適切な光の分析を行うことができる。
【0113】
また、本実施形態の物品検査装置1は、載置補助部を渡り板12gから構成しているが、これに限るものではなく、梯子形状でもよい。
【0114】
また、渡り板12gは、延在方向の中央部が下方に湾曲した形状であってもよい。このようにすれば、延在方向の中央部が上方に湾曲した形状である場合に比べて、錠剤Wを収容溝12Bに円滑に収容できる。
【0115】
また、本実施形態の物品検査装置1によれば、渡り板12gは、外側搬送部12の回転方向の両側に開口部12cが形成されるように、開口部12cの上方を通過して開口部12cの径方向内端部12sと径方向外端部12tとを連結している。
【0116】
これにより、錠剤Wの先端部Wuを渡り板12gに接触させ易く、錠剤Wの先端部Wuが開口部12cに落ちて渡り板12gに引っ掛かることや、開口部12cに斜めに落ちることをより効果的に防止できる。
【0117】
また、本実施形態の物品検査装置1によれば、外側搬送部12は、収容溝12Bに対して外側搬送部12の径方向内方に設けられ、錠剤Wを収容溝12Bに案内する溝部12Aを有する。溝部12Aは、外側搬送部12の径方向内方から径方向外方に延在し、外側搬送部12の回転時に錠剤Wの外周側面Waが接触可能な側壁12Eを有し、渡り板12gは、側壁12Eの延在方向と平行に延在している。
【0118】
これにより、錠剤Wの先端部Wuを渡り板12gに接触させ易く、錠剤Wの先端部Wuが開口部12cに落ちて渡り板12gに引っ掛かることや、開口部12cに斜めに落ちることをより効果的に防止できる。
【0119】
なお、本実施形態の物品検査装置1は、外側搬送部12の径方向内方に溝部12Aが形成され、溝部12Aに対して外側搬送部12の径方向外方に収容溝12Bが形成されているが、これに限定されるものではない。
【0120】
例えば、外側搬送部12の径方向外方に溝部12Aが形成され、溝部12Aに対して外側搬送部12の径方向内方に収容溝12Bが形成されてもよい。この場合には外側搬送部12の径方向外方から外側搬送部12の溝部12Aに錠剤を供給し、溝部12Aに沿って外側搬送部12の径方向内方に錠剤Wを移動させ、収容溝12Bに錠剤Wを収容すればよい。
【0121】
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0122】
1 物品検査装置
12 外側搬送部(搬送部)
12B 収容溝(収容部)
12C 底壁
12c 開口部
12D 周壁
12E 側壁(溝部の側壁)
12g 渡り板(載置補助部)
12s 径方向内端部(開口部の径方向内端部)
12t 径方向外端部(開口部の径方向外端部)
W 錠剤(物品)
Wa 外周側面(錠剤の外周側面)