(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】反比例の関係にある周波数とピーク電圧を印加する電気刺激装置
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20231026BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
(21)【出願番号】P 2021526416
(86)(22)【出願日】2019-11-01
(86)【国際出願番号】 US2019059492
(87)【国際公開番号】W WO2020106435
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-07-09
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521204138
【氏名又は名称】エヌユーエネルキ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NUENERCHI, INC.
【住所又は居所原語表記】1900 S. Norfolk Street, Suite #350, San Mateo, California 94403 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン, サム アイラ
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス, ジェフリー カール
(72)【発明者】
【氏名】ナッシュ, ブルース ウェーン
(72)【発明者】
【氏名】ハギス, ジョン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ソルター, サード, ロバート エム.
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0004715(US,A1)
【文献】特開2018-050879(JP,A)
【文献】特開2000-116797(JP,A)
【文献】特開平07-116267(JP,A)
【文献】登録実用新案第3193996(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型電気刺激装置であって、
電気信号を提供するように構成された波形信号生成器と、
前記電気信号に基づいて刺激パルスを出力するように構成された一対の電極と、を含み、
前記波形信号生成器はさらに、複数のレベルのうちの1つで前記電気信号を生成するように構成され、複数のレベルのそれぞれは、少なくとも周波数、ピーク電圧及びピーク電流によって規定され、
前記レベルのそれぞれについて、
前記周波数は、
50Hz~500Hzの範囲にあり、
前記ピーク電圧は、
40V~250Vの範囲にあり、
前記ピーク電流は、
25mA~150mAの範囲にあり、
前記周波数と前記ピーク電圧は、前記周波数が減少するにつれて前記ピーク電圧が概ね増加し、前記周波数が増加するにつれて前記ピーク電圧が概ね減少するという略反比例の関係にある携帯型電気刺激装置。
【請求項2】
前記波形信号生成器がさらに、厳密に正の電圧を有する波形信号を生成するように構成される請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項3】
前記波形信号生成器がさらに、
実質的に等しい正のパルス幅を有する波形信号を生成し、
前記波形信号の中性パルス幅を変更することにより、前記各レベルの周波数を調整するように構成される請求項1の携帯型電気刺激装置。
【請求項4】
前記波形信号生成器がさらに、
第1のレベルから第1のレベルとは異なる第2のレベルに移行するコマンドを受信し、
前記受信したコマンドに応答して、波形信号の前記ピーク電圧を前記第2のレベルに関連する前記ピーク電圧まで徐々に増加させるように構成される請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項5】
前記波形信号生成器が、前記波形信号生成器の出力と直列に配置された電流制限器を含む請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項6】
前記電流制限器が、抵抗要素及び/又は負の温度係数(NTC)サーミスタを含む請求項5に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項7】
前記波形信号生成器が、前記電極に有線又は無線で接続される請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電極は、ユーザに適用される第1の強度レベルを有する前記刺激パルスに応答してユーザの反応を感知するように構成された1つ以上のセンサを含み、前記波形信号生成器が、前記感知されたユーザの反応に基づいて、前記電気信号のレベルを前記第1の強度レベルとは異なる第2の強度レベルに自動的に調整するように構成される請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項9】
前記波形信号生成器が、前記第1の強度レベルを有する刺激パルスにユーザが不快感を覚えていることを示す前記感知されたユーザの反応に応答して、前記電気信号のレベルを前記第1の強度レベルよりも低い前記第2の強度レベルに自動的に調整するように構成される請求項8に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの電極が、ユーザに適用される第1の強度レベルを有する前記刺激パルスに応答してユーザのインピーダンスを感知するように構成された1つ以上のセンサを含み、前記波形信号生成器が、前記感知されたユーザのインピーダンスに基づいて、前記電気信号のレベルを前記第1の強度レベルとは異なる第2の強度レベルに自動的に調整するように構成される、請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項11】
前記波形信号生成器が、所定の期間、前記第1の強度レベルを有する前記刺激パルスによる前記ユーザの反応を感知しない前記1つ以上のセンサに応答して、前記電気信号のレベルを前記第1の強度レベルよりも高い前記第2の強度レベルに自動的に調整するように構成される、請求項10に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項12】
ユーザ及び強度レベルに対するユーザの反応に関する情報を記憶するように構成されたメモリをさらに含む、請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項13】
前記波形信号生成器が、前記メモリに記憶された前記情報に基づいて前記電気信号を生成するように構成される、請求項
12に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項14】
前記各電極が、
フィルタと、
前記フィルタの上に配置された高密度スポンジと、
前記高密度スポンジの上に配置された可撓性の導電性接触子と、
前記可撓性の導電性接触子を覆うカバーと、
前記可撓性の導電性接触子に接続された電線と、を含む請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの電極が、円形、正方形、又は他の多角形のうちのいずれかの形状を有する請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項16】
前記波形信号生成器がさらに、身体負荷が存在するときに、前記周波数
の328Hzか
ら60Hzへの減少に応答して
、56Vか
ら156Vに増加するように前記ピーク電圧を生成するように構成される請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項17】
前記波形信号生成器がさらに、
身体負荷がないときに、前記周波数
の328Hzか
ら60Hzへの減少に応答して
、92Vか
ら210Vに増加するように前記ピーク電圧を生成するように構成される請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項18】
前記波形信号生成器がさらに、厳密に正の電流を有する波形信号を生成するように構成される請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【請求項19】
前記ピーク電圧が、前記複数のレベルが第1のレベルから前記第1のレベルよりも高い第2のレベルに増加するにつれて概ね増加し、前記周波数が、前記複数のレベルが前記第1のレベルから前記第2のレベルに増加するにつれて概ね減少する請求項1に記載の携帯型電気刺激装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年2月20日に米国特許商標庁に出願された仮出願62769997号の優先権及び利益を主張し、そのすべての内容は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
上述した技術は、一般に電気刺激装置に関連し、特に、スポーツ、フィットネス、健康及び/又はウェルネス産業用の予防的治療、損傷回復、疼痛管理及び全体の健康のための独特の電気療法技術に関連する。
【背景技術】
【0003】
携帯型電気刺激装置は、筋肉、関節、及び関連組織の炎症や痛みを緩和するために使用することができる。そのような装置の一例は、経皮的電気神経刺激(TENS)装置である。携帯型電気刺激装置は、炎症、筋肉痛、関節、及び関連組織などの特定の症状を治療するためにユーザに適用可能な低電圧電流を発生させることができる。市販されている多くのTENS装置は、一時的に疼痛を緩和するに過ぎず、治療中に患者やユーザに不快感を与えることが多いという点で、一般的に効果がない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様は、携帯型電気刺激装置であって、ユーザに電気的に結合されるように構成された一対の電極と、一対の電極を介してユーザに電気信号を提供するように構成された波形信号生成器と、を含み、波形信号生成器はさらに、複数のレベルのうちの1つで電気信号を生成するように構成され、複数のレベルのそれぞれは、少なくとも周波数、ピーク電圧及びピーク電流によって規定され、レベルのそれぞれについて、周波数は、約50Hz~約500Hzの範囲にあり、ピーク電圧は、約40V~約250Vの範囲にあり、ピーク電流は、約25mA~約150mAの範囲にあり、そして周波数とピーク電圧は、略反比例の関係にある。
【0005】
特定の実施形態では、波形信号生成器はさらに、厳密に正の電圧を有する波形信号を生成するように構成される。
【0006】
特定の実施形態では、波形信号生成器はさらに、実質的に等しい正のパルス幅を有する波形信号を生成し、波形信号の中性パルス幅を変更することにより、各レベルの周波数を調整するように構成される。
【0007】
特定の実施形態では、波形信号生成器はさらに、第1のレベルから第1のレベルとは異なる第2のレベルに移行するコマンドを受信し、受信したコマンドに応答して、波形信号のピーク電圧を第2のレベルに関連するピーク電圧まで徐々に増加させるように構成される。
【0008】
特定の実施形態では、波形信号生成器は、波形信号生成器の出力と直列に配置された電流制限器を含む。
【0009】
特定の実施形態では、電流制限器は、抵抗要素及び/又は負の温度係数(NTC)サーミスタを含む。
【0010】
別の態様は、携帯型電気刺激装置であって、ユーザに電気的に結合されるように構成された一対の電極と、一対の電極を介してユーザに電気信号を提供するように構成された波形信号生成器と、を含み、波形信号生成器はさらに、複数のレベルのうちの1つで電気信号を生成するように構成され、複数のレベルのそれぞれは、少なくとも周波数、ピーク電圧及びピーク電流によって規定され、レベルのそれぞれについて、ピーク電流は、約25mA~約150mAの範囲にあり、そして周波数とピーク電圧は、略反比例の関係にある。
【0011】
さらに別の態様は、携帯型電気刺激装置であって、ユーザに電気的に結合されるように構成された一対の電極と、一対の電極を介してユーザに電気信号を提供するように構成された波形信号生成器であって、波形信号生成器の出力と直列に配置された電流制限器を含む波形信号生成器と、を含み、波形信号生成器はさらに、複数のレベルのうちの1つで電気信号を生成するように構成され、複数のレベルのそれぞれは、少なくとも周波数、ピーク電圧及びピーク電流によって規定され、レベルのそれぞれについて、周波数は、約50Hz~約500Hzの範囲にあり、ピーク電圧は、約40V~約250Vの範囲にある。
【0012】
さらに別の態様は、携帯型電気刺激装置を使用する方法であって、一対の電極のうちの第1の電極をユーザの第1の位置に配置するステップと、一対の電極のうちの第2の電極をユーザの第2の位置に配置するステップと、一対の電極を介してユーザに電気信号を提供するように構成された波形信号生成器を介して、第1の電極及び第2の電極に印加される電気信号の複数のレベルのうちの1つを選択するステップと、電気信号が一対の電極に提供されている間に、第1の電極及び第2の電極の少なくとも1つをユーザの皮膚の部位に沿って移動させるステップと、を含む。
【0013】
特定の実施形態では、該方法は、第1の位置及び第2の位置とは異なるユーザの第3の位置に第3の電極及び第4の電極を配置するステップをさらに含み、第3の電極及び第4の電極に電気信号が提供される間に、移動を行う。特定の実施形態では、第3の位置は、ユーザの足である。
【0014】
別の態様は、携帯型電気刺激装置を使用する方法であって、一対の電極のうちの第1の電極を第1のユーザの第1の位置に配置するステップと、一対の電極のうちの第2の電極を第2のユーザの第2の位置に配置するステップと、一対の電極を介して第1のユーザ及び第2のユーザに電気信号を提供するように構成された波形信号生成器を介して、第1の電極及び第2の電極に印加される電気信号の複数のレベルのうちの1つを選択するステップと、第2のユーザが第1のユーザにマッサージを行っている間に、波形信号生成器を用いて第1の電極及び第2の電極に電気信号を印加することにより、第1のユーザと第2のユーザとの間の直接接触を介して第1の電極と第2の電極との間に電気経路を形成するステップと、を含む。
【0015】
さらに別の態様は、電気刺激装置であって、電気信号を提供するように構成された波形信号生成器と、電気信号に基づいて刺激パルスを出力するように構成された少なくとも1つの電極と、を含み、波形信号生成器はさらに、複数のレベルのうちの1つで電気信号を生成するように構成され、複数のレベルのそれぞれは、少なくとも周波数、ピーク電圧及びピーク電流によって規定され、レベルのそれぞれについて、周波数は、約50Hz~約500Hzの範囲にあり、ピーク電圧は、約40V~約250Vの範囲にあり、ピーク電流は、約25mA~約150mAの範囲にあり、そして周波数とピーク電圧は、略反比例の関係にある。
【0016】
特定の実施形態では、電気刺激装置は、携帯型又は固定式である。
【0017】
特定の実施形態では、波形信号生成器は、少なくとも1つの電極に有線又は無線で接続される。
【0018】
特定の実施形態では、少なくとも1つの電極は、ユーザに適用される第1の強度レベルを有する刺激パルスに応答してユーザの反応を感知するように構成された1つ以上のセンサを含み、波形信号生成器は、感知されたユーザの反応に基づいて、電気信号のレベルを第1の強度レベルとは異なる第2の強度レベルに自動的に調整するように構成される。
【0019】
特定の実施形態では、波形信号生成器は、第1の強度レベルを有する刺激パルスに対してユーザが不快感を覚えていることを示す感知されたユーザの反応に応答して、電気信号のレベルを第1の強度レベルよりも低い第2の強度レベルに自動的に調整するように構成される。
【0020】
特定の実施形態では、少なくとも1つの電極は、ユーザに適用される第1の強度レベルを有する刺激パルスに応答してユーザのインピーダンスを感知するように構成された1つ以上のセンサを含み、波形信号生成器は、感知されたユーザのインピーダンスに基づいて、電気信号のレベルを第1の強度レベルとは異なる第2の強度レベルに自動的に調整するように構成される。
【0021】
特定の実施形態では、波形信号生成器は、所定の期間、第1の強度レベルを有する刺激パルスによるユーザの反応を感知しない1つ以上のセンサに応答して、電気信号のレベルを第1の強度レベルよりも高い第2の強度レベルに自動的に調整するように構成される。
【0022】
特定の実施形態では、該装置は、ユーザ及び強度レベルに対するユーザの反応に関する情報を記憶するように構成されたメモリをさらに含む。
【0023】
特定の実施形態では、波形信号生成器は、メモリに記憶された情報に基づいて電気信号を生成するように構成される。
【0024】
特定の実施形態では、少なくとも1つの電極は、フィルタと、フィルタの上に配置された高密度スポンジと、高密度スポンジの上に配置された可撓性の導電性接触子と、可撓性の導電性接触子を覆うカバーと、可撓性の導電性接触子に接続された電線と、を含む。
【0025】
特定の実施形態では、少なくとも1つの電極は、円形、正方形のうちのいずれかの形状を有する。
【0026】
ある態様のいずれかの特徴は、本明細書で特定されるすべての態様に適用可能である。さらに、ある態様のいずれかの特徴は、任意の方法で本明細書に記載の他の態様と部分的又は全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、又は3つ以上の態様は、全体的又は部分的に組み合わせることができる。さらに、ある態様のいずれかの特徴は、他の態様に対して任意選択とすることができる。方法のいずれかの態様は、電気刺激装置又は携帯型電気刺激装置の別の態様を含むことができ、電気刺激装置又は携帯型電気刺激装置のいずれかの態様は、別の態様の方法を実行するように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】
図1Aは、本開示の態様に係る例示的な携帯型電気刺激装置を示す斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、本開示の態様に係る
図1Aの携帯型電気刺激装置をユーザに接続する方法を示す例示的な図である。
【
図2】
図2は、本開示の態様に係る携帯型電気刺激装置に含まれ得る構成要素の例を示すブロック図である。
【
図3A1】
図3A1は、本開示の態様に係る
図2のブロック図の一部を実装する例示的な第1の回路図である。
【
図3A2】
図3A2は、本開示の態様に係る
図2のブロック図の一部を実装する例示的な第2の回路図である。
【
図3B1】
図3B1は、本開示の態様に係る
図2のブロック図の一部を実装する例示的な第3の回路図である。
【
図3B2】
図3B2は、本開示の態様に係る
図2のブロック図の一部を実装する例示的な第4の回路図である。
【
図3C】
図3Cは、本開示の態様に係る
図2のブロック図の一部を実装する例示的な第5の回路図である。
【
図4A】
図4Aは、本開示の態様に係る
図1Bに示される電極の例示的な実施形態の第1の図である。
【
図4B】
図4Bは、本開示の態様に係る
図1Bに示される電極の例示的な実施形態の第2の図である。
【
図4C】
図4Cは、本開示の態様に係る
図1Bに示される電極の例示的な実施形態の第3の図である。
【
図4D】
図4Dは、本開示の態様に係る
図1Bに示される電極の例示的な実施形態の第4の図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示の態様に係る携帯型電気刺激装置によって生成された複数のレベルにわたるピーク電圧と周波数との間の関係を示す例示的なグラフである。
【
図5B】
図5Bは、本開示の態様に係る携帯型電気刺激装置の波形信号生成器によって生成され得る例示的な波形を示す第1の図である。
【
図5C】
図5Cは、本開示の態様に係る携帯型電気刺激装置の波形信号生成器によって生成され得る例示的な波形を示す第2の図である。
【
図5D】
図5Dは、本開示の態様に係る携帯型電気刺激装置の波形信号生成器によって生成され得る追加の例示的な波形を示すグラフである。
【
図6】
図6は、本開示の態様に係る携帯型電気刺激装置の例示的な使用モードを示す。
【
図7】
図7は、本開示のいくつかの態様に係る携帯型電気刺激装置でユーザを治療する方法を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本開示の他の態様に係る携帯型電気刺激装置でユーザを治療する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の説明では、説明の目的で、様々な実施形態の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細を示す。しかしながら、様々な実施形態がこれらの特定の詳細なしで実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0029】
携帯型電気刺激装置の概要
様々な例示的な実施形態に記載されるように、本明細書では、携帯型電気刺激装置が説明される。例示的な実施形態は、説明の便宜上、携帯型電気刺激装置に関して説明されているが、説明された技術は、非携帯型又は固定式電気刺激装置に適用することができる。
【0030】
図1Aは、本開示の態様に係る例示的な携帯型電気刺激装置100を示す斜視図である。
図1Bは、本開示の態様に係る
図1Aの携帯型電気刺激装置100をユーザ110に接続する方法を示す例示的な図である。
【0031】
図1Aを参照すると、携帯型電気刺激装置100は、ユーザインタフェース225、スタンド103、及び外部構成要素及び/又は装置に接続されるように構成された1つ以上の接続ポート(図示せず)を含む携帯装置として具現化することができる。
図1Aに示される携帯型電気刺激装置100は、一例に過ぎず、異なる構造、形状、及び/又はユーザインタフェースを有することができる。また、携帯型電気刺激装置100は、所定の構成要素を取り外してもよいし、他の構成要素を追加してもよい。例えば、スタンド103は取り外されてよく、及び/又はユーザインタフェース225は、入力タッチパッド/ボタンの異なる設計及び/又は配置を有してよい。ユーザインタフェース225は、ユーザインタフェース用の一体型タッチLED画面を含んでよい。LED画面はさらに、携帯型電気刺激装置100が複数の異なる強度レベルの中で特定の強度レベルにあることを示す色変化LEDインジケータを含んでよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、携帯型電気刺激装置100は、スマートフォンなどのユーザの携帯型通信装置(図示せず)に有線又は無線で接続されてよい。これらの実施形態では、スマートフォンは、ユーザがスマートフォンを介してユーザインタフェースを制御できるように、ユーザインタフェース225の機能に関連するプログラム又はアプリケーションをダウンロードすることができる。
【0033】
図1Bに示すように、携帯型電気刺激装置100は、ユーザ110に配置されるように構成された1つ以上の電極105に結合することができる。携帯型電気刺激装置100と電極105との間の接続は、有線であっても無線であってもよい。使用中、電極105は、電極105のそれぞれがユーザ110の皮膚と電気的接続を形成するように配置されてよい。以下により詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、電極105の一方は固定されてよく、他方の電極は使用中に移動可能であってよい。さらに他の実施形態では、電極105の両方は、使用中に移動可能であってもよい。さらに他の実施形態では、電極105の両方は、使用中に固定されてもよい。さらに、電極105の一方は、第1のユーザの皮膚と電気的に接触して配置されてよく、他方の電極は、第1のユーザを治療している第2のユーザの皮膚上に配置されてよい。特定の実施形態では、ユーザ110と電極105との間の電気伝導率は、1つ以上の電極105とユーザ110の皮膚との間に導電性又は潤滑性クリーム(図示せず)を提供することによって増加させることができる。導電性又は潤滑性クリームは、使用中にユーザに快適性を提供することができる。
【0034】
携帯型電気刺激装置100は、足、足首、膝、ふくらはぎ、太もも、腰、肩部、肩甲骨、腰背部、二頭筋、腱、筋肉、肩甲骨、皮膚、首又は尻の筋肉を含むがこれらに限定されない、身体の様々な標的部位を治療することができる。さらに、個人ユーザによる使用に解剖学の知識は必要ではなく、いくつかの実施形態において、電極105の位置は効果的な治療にとって重要ではない可能性がある。様々な実施形態は、少なくとも患者の体における電極の配置が標準的なTENS装置の有効性にとって重要であるという点で、標準的なTENS装置よりも有利である。
【0035】
図2は、本開示の態様に係る携帯型電気刺激装置100に含まれ得る構成要素の例を示すブロック図である。例えば、
図2の実施形態では、携帯型電気刺激装置100は、マイクロコントローラ205(特定の実装形態では、1つ以上のマイクロコントローラとして具現化されてよい)、メモリ210、電極インタフェースモジュール220、グラフィカルユーザインタフェース225、生体情報ユーザ識別モジュール230、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート235、DC電源管理モジュール240、LED245、スピーカー及び/又はマイクロフォン250、無線インタフェース255、及びアナログ/デジタルデータ収集モジュール260を含む。特定の実施形態では、携帯型電気刺激装置100は、音声活性化モジュール(図示せず)を含んでもよく、該音声活性化モジュールは、別個のモジュールとして実装されてもよいし、及び/又はマイクロフォン250を入力として使用してマイクロコントローラ205上で実行されるソフトウェアによって実装されてもよい。
図2は、携帯型電気刺激装置100の一例に過ぎず、携帯型電気刺激装置100は、多くの異なる構成を有することができる。例えば、携帯型電気刺激装置100から図示したブロックを1つ以上省略してよく、携帯型電気刺激装置100に1つ以上の追加ブロックを追加してよく、2つ以上のブロックを組み合わせ、及び/又は1つのブロックを複数のブロックに分離してよい。
【0036】
電極インタフェースモジュール220は、電極フィードバックモジュール221及び波形信号生成器223を含む。本明細書で説明するように、波形信号生成器223は、電極105を介してユーザ110に提供される電気信号を生成するように構成される。したがって、電極インタフェースモジュール220は、電極105を波形信号生成器223に電気的に接続するように構成されてよい。特定の実施形態では、波形信号生成器223はさらに、複数のレベルのうちの1つで電気信号を生成するように構成される。各レベルは、周波数、ピーク電圧、波形、及び電流の1つ以上のパラメータによって規定されてよい。電極フィードバックモジュール221は、ユーザ110に提供される電気信号の1つ以上のパラメータを示すフィードバック信号を受信してよい。
【0037】
図3A、3B及び3Cは、本開示の態様に係る
図2の携帯型電気刺激装置100のブロック図の一部を実装する例示的な回路図である。
図3A~3Cに示す回路図は一例に過ぎず、他の回路構成を使用することもできる。また、
図3A~3Cに示す回路図には、特定の回路部品を取り外すか、又は他の回路部品を追加することができる。
図3A~3Cに示すように、携帯型電気刺激装置100は、USBポート235、マイクロコントローラ205、バッテリ充電器モジュール310、レギュレータ315、バッテリコネクタ320、プログラミング/デバッグポート325、試験ポート330、1つ以上のタイミング水晶335、拡張ポート340、1つ以上のLED345、1つ以上の制御スイッチ350、及び電気出力回路355を含んでもよい。
【0038】
図3A1及び3A2を含む
図3Aを参照すると、USBポート235は、外部USB充電器に接続して携帯型電気刺激装置100に電力を供給するように構成されてよい。特定の実施形態では、マイクロコントローラ205は、USBポート235を介して外部装置(例えば、コンピュータ、携帯電話、別の携帯型電気刺激装置100、フィードバック装置など)と通信するように構成されてよい。したがって、USBポート235からの特定のラインは、マイクロコントローラ205に電気的に接続され得る。バッテリ充電器310は、USBポート235からUSB電力を受け取ったときに、バッテリコネクタ320に接続されたバッテリ(図示せず)を充電するように構成されてよい。携帯型電気刺激装置100がUSBポート235又はバッテリのいずれから給電されるかに応じて、レギュレータ315は、USBポート235又はバッテリから受け取った電圧を、携帯型電気刺激装置100の他の構成要素によって使用される電圧に上昇及び/又は低下させるように構成されてよい。いくつかの実施形態では、例えば3.3Vより低い電源によって駆動されたときに、レギュレータ入力を生成するために、直列昇圧回路を使用することができる。他の実施形態は、3.3V以上が供給されたときに、例えば、3.3Vを生成する低損失レギュレータを使用することができる。図示されていないが、電気刺激装置100は、USBポート235に加えて、又はこれに代えて、電力AC-DCアダプタを使用した電源コンセント(例えば、100V~240V)から給電されてもよい。特定の実施形態では、レギュレータ315は、5Vの電源電圧を特定の構成要素によって使用される3.3Vに降圧することができる。
【0039】
図3B1及び3B2を含む
図3Bに示すように、マイクロコントローラ205は、1つ以上のポート325、330、及び340を介して他の内部及び/又は外部構成要素に接続するように構成されてもよい。これらのポート325、330、及び340は、マイクロコントローラ205の再構成を可能にするように構成されてよい。グラフィカルユーザインタフェース225を介して出力を提供することに加えて、マイクロコントローラ205は、LED345を介して出力を提供し、制御スイッチ350を介して制御入力を受信するように構成されてもよい。マイクロコントローラ205は、タイミング水晶335から受信した入力を使用して、電極105に提供される電気信号を生成するために使用される昇圧クロック信号などの制御信号を生成してもよい。特定の実施形態では、ポート325、330、及び340、LED345、スイッチ350、及びタイミング水晶335のうちの1つ以上を省略し、及び/又は他の構成要素を使用して実装し得ることが理解されるべきである。
【0040】
図3Cを参照すると、電気出力回路355は、マイクロコントローラ205から昇圧クロック信号BOOST_CLK及びパルス出力信号PULSE_OUTを受信し、高電極ポート380及び低電極ポート385を介して電気信号を電極105に出力するように構成されてよい。特定の実施形態では、電気出力回路355は、昇圧クロック信号によって提供される信号を昇圧するための昇圧コンバータとして構成されてもよい。昇圧クロック信号BOOST_CLK及びパルス出力信号PULSE_OUTは、マイクロコントローラ205によって生成され、電極105に提供される電気信号の生成を制御してよい。パルス出力信号PULSE_OUTは、電極105への治療パルスの生成及び/又は印加中にハイであってよい。昇圧クロック信号BOOST_CLKは、所望のレベルのパルスを有する電気信号を生成するために、積極活動療法中にハイとローの間で循環し得る。電気治療を提供していないときは、昇圧クロック信号BOOST_CLKとパルス出力信号PULSE_OUTが両方ローになる可能性がある。
【0041】
例えば、トランジスタ360(例えば、MOSスイッチトランジスタ)は、昇圧クロック信号BOOST_CLKがハイであるときに、インダクタL2を介して電源レールVccから電流を引き込むようにスイッチオンされるように構成されてよい。例えば、トランジスタ360は、昇圧クロック信号BOOST_CLKがハイである間、インダクタL2を介して電流をグランドにシンクするように構成されてよく、昇圧クロック信号BOOST_CLKがローに切り替えられると、インダクタL2からのエネルギーは、電極ポート380、385に供給される前に、電流が蓄積された1つ以上のコンデンサ365に転送されてよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のコンデンサ365は、コンデンサ365の静電容量を調整するために、直列及び/又は並列に配置された1つ以上の追加のコンデンサ(例えば、コンデンサC24A、C24B)を含んでよく、それによって所定の電圧で1つ以上のコンデンサ365に蓄積され得るエネルギーの量に影響を与えている。
【0042】
マイクロコントローラ205は、昇圧クロック信号を調整することによって、ライン370上で生成される電圧(VHV電圧とも呼ばれる)を制御することができる。特定の実施形態では、昇圧クロック信号は、マイクロコントローラ205によって調整可能な矩形波又はパルス波(パルス列とも呼ばれる)であってよい。例えば、マイクロコントローラ205は、デューティサイクル(例えば、正のパルス幅を介して)、適用されるパルスの数、マイクロコントローラに提供されるフィードバック信号(
図3CではVHV_DIV100として示される)、周波数、正のパルス幅、中性パルス幅などの昇圧クロック信号のパラメータのうちの1つ以上を調整するように構成されてもよい。コンデンサ365がインダクタL2を介して電源レールVccに結合されているので、トランジスタ360が昇圧クロック信号によってアクティブ化された後の上昇期間に、コンデンサ365に印加される電圧は増加する可能性がある。したがって、昇圧クロック信号の正のパルス幅が長くなると、コンデンサ365に供給される電圧信号が高くなる可能性がある。
【0043】
マイクロコントローラ205は、ドレインが供給電圧VCC(例えば、3.3V電源であり得る)に電気的に接続されたトランジスタ360のゲートを駆動するパルス波を生成することができる。昇圧クロックパルス波を生成したマイクロコントローラ205は、昇圧回路の入力を切り替えて、コンデンサ365を所望のレベルに充電するために使用することができる。次に、昇圧クロックを無効にしてよく、かつコンデンサ365に蓄積されたエネルギーは、治療パルスを作成するために使用してよい。コンデンサ365に蓄積されたエネルギーは、マイクロコントローラ205によってコンデンサ365に適用される昇圧クロックサイクル数の関数であってよい。したがって、マイクロコントローラ205を介して昇圧クロックサイクル数及び昇圧クロックのデューティサイクルを制御することによって、電圧調整を行うことができる。他の実施形態では、マイクロコントローラ205は、矩形波又はパルス波以外の形状を有する電気信号を生成することができる。例えば、特定の実施形態では、マイクロコントローラ205は、正弦波、三角波などの非長方形波を生成することができる。
【0044】
コンデンサ365に蓄積されたエネルギーは、電極ポート380及び385を介して電極105(ひいてはユーザ110)に供給することができる。マイクロコントローラ205は、トランジスタ390に提供されるパルス出力信号を介して、コンデンサ365に蓄積されたエネルギーの電極ポート380及び385への印加を制御することができる。さらに、低電極ポート385を介してユーザ110から受信した電気信号の一部は、電気信号を測定するために使用されるフィードバック信号IOUT_X10(
図3Cの「TO MICROCONTROLLER205」のテキストの左側を参照)としてマイクロコントローラ205に提供することができる。特定の実施形態では、フィードバック信号IOUT_X10は、マイクロコントローラ205に提供される前に、電極フィードバックモジュール221及びアナログ/デジタルデータ収集モジュール260に提供される。
【0045】
電気出力回路355は、電極ポート380及び385のうちの少なくとも1つと直列に配置された電流制限要素375をさらに含んでよい。特定の実施形態では、電流制限要素375は、電極105への出力の前に直列に配置された1つ以上の抵抗要素として具現化され、かつ電流出力の量を制限するように機能する。他の実施形態では、電流制限要素375は、負の温度係数(NTC)サーミスタなどの他の回路で構成することができる。携帯型電気刺激装置100のマイクロコントローラ205又は追加のプロセッサ(図示せず)も、出力される電流の量をソフトウェアによって制限することができる。電流制限素子は、携帯型電気刺激装置100の安全性を高め、ユーザ110に不快感を与え得る過度の電力の供給を防止することができる。
【0046】
図4A、4B、4C及び4Dは、本開示の態様に係る
図1Bに示される電極の例示的な実施形態の図である。
図4A、4B及び4Cに示すように、電極105は、可撓性の導電性接触子405、カバー410、電線415、高密度スポンジ420、及びカバー430を含む。いくつかの実施形態では、カバー430は、濡れた紙タオル又は「ティーバッグ」フィルタを含むが、詳細な説明はそれに限定されない。特定の実施形態では、可撓性の導電性接触子405は導電性グラファイトで形成されてよく、カバー410はシリコーンで形成されてもよい。導電性クリーム425は、電極105がユーザ110の皮膚に取り付けられる前に、カバー430に塗布されてもよい。導電性クリーム425は、電極105とユーザ110の皮膚との間の電気伝導率を改善することができ、及び/又は、特に1つの電極105の移動時に、ユーザ110に快適性を提供する潤滑性クリームとして使用することができる。電極105がユーザの100の足に取り付けられる実施形態では、高密度スポンジ420及び導電性クリーム425は、電極105から省略されてよい。
図4Dは、高密度スポンジ420及び導電性クリーム425なしでフットパッドとして使用することができる電極105の実施形態を示す。
図4Dでは、参照符号415は電線を表す。
図4A、4B、4C及び4Dに示すように、電極105は、円形又は正方形のいずれであってもよい。しかしながら、電極105の形状はそれらに限定されず、他の実施形態では、電極105は様々な他の形状(例えば多角形)を有し得る。
【0047】
特定の実施形態では、少なくとも1つの電極105は、治療前及び/又は治療中にユーザ110の生体パラメータを感知するように構成された1つ以上のセンサを含んでもよい。センサは、ユーザの予想強度よりも高い強度による第1の強度レベルに応答して、ユーザのインピーダンス、他の身体特性、又は物理的反応(例えば、突然の動き又は揺れ)を感知することができる。マイクロコントローラ205は、測定されたパラメータを使用して、電気信号に対するユーザの応答のモデルに基づいて、生成された電気信号のレベルを自動的に調整してもよい。例えば、マイクロコントローラ205は、強度レベルを、第1の強度レベルよりも低い第2の強度レベルに自動的に調整することができる。別の例として、センサが、所定の期間、第1の強度レベルで治療を受けているユーザからの反応を感知しない(例えば、測定された反応が閾値レベル未満である)場合、マイクロコントローラ205は、強度レベルを第1の強度レベルよりも高い第2の強度レベルに自動的に調整することができる。感知及び自動強度レベル調整は、例えば、所定の時間の長さ及び/又は初期強度レベルから変更される強度レベルに関して、ユーザが構成することができる。さらに、ユーザ構成情報及び/又は設定は、特定の個人が将来使用するために、メモリ210に保存することができる。他の実施形態では、ユーザ構成情報及び/又は設定は、携帯型電気刺激装置100と通信するために、クラウドデータベース又はユーザの携帯端末などのネットワークシステムに保存することができる。
【0048】
特定の実施形態では、マイクロコントローラ205は、装置のオン/オフ、タイマー持続時間、強度レベルの変化などの携帯型電気刺激装置100の動作に関連して、マイクロフォン250(
図2を参照)を介して受信したユーザの音声コマンドを認識することができる。例えば、ユーザの音声コマンドが強度レベルを第1のレベルから第1のレベルとは異なる第2のレベルに変更することである場合、マイクロコントローラ205は、強度レベルを第1のレベルから第1のレベルとは異なる第2のレベルに変更するように、波形信号生成器223を制御することができる。
【0049】
電気信号のパラメータ
特定の実施形態では、マイクロコントローラ205は、複数の強度レベルのうちの1つで電気信号を生成するように構成される。各レベルは、少なくとも周波数、ピーク電圧、及び/又は電流を含むパラメータによって規定することができる。特定の実施形態では、マイクロコントローラ205は、以下の表1によって規定されるパラメータを有する5つのレベルのうちの1つを選択できるように構成されてもよい。
【0050】
【0051】
上記レベルのピーク電流は、約5mA~約250mAの間で変動する可能性があり、ピーク電圧Vmaxパラメータ及び電極105間のユーザ110の電流抵抗に基づいて決定され得る。上記のレベルの平均電流は、約1mA~約15mAの間で変動し得る。したがって、特定の実施形態では、各レベルについて、周波数は、約50Hz~約500Hzの範囲にあってよく、ピーク電圧は、約40V~約250Vの範囲にあってよく、ピーク電流は、約5mA~約250mAの範囲にあってよい。周波数は、約60Hz~約400Hz、約70Hz~約350Hz、又は約80Hz~約300Hzの範囲、又は約50Hz~約500Hzの範囲内の他の任意の周波数範囲にあってもよい。ピーク電圧は、約60V~約200V、約70V~約180V、又は約80V~約160Vの範囲、又は約50V~約250Vの範囲内の他の電圧範囲にあってもよい。さらに、ピーク電圧は、ユーザ110によって波形信号生成器223に提示される負荷に応じて、及び/又は電極105がユーザ110に接続されない場合、変化する可能性がある。表1に示す値は、ユーザ110の例示的な身体負荷について測定されたピーク負荷の例であってよく、かつユーザ110に応じて変化し得る。
【0052】
ピーク電流は、約5mA~約250mA、約10mA~約175mA、約25mA~約150mAの範囲、又は約5mA~約250mAの範囲内の他の任意のピーク電流範囲にあってもよい。平均電流は、約1mA~約15mA、約2.5mA~約7.5mA、約4mA~約6mAの範囲、又は約1mA~約15mAの範囲内の他の任意のピーク電流範囲にあってもよい。さらに、周波数とピーク電圧は、
図5Aに示すように、レベルが増加するにつれてピーク電圧が概ね増加し、レベルが増加するにつれて周波数が概ね減少するという略反比例の関係であり得る。強度レベルは、5未満又は5以上(例えば、3、7、又は任意の整数又はその他の非整数値)であってよい。さらに、表1に示される数値は、例示的な数値に過ぎず、周波数及びピーク電圧が略反比例の関係にある限り、及び/又は周波数、ピーク電圧及び電流が上記の範囲を満たす限り、異なる数値を有することができる。
【0053】
表1に示されていないが、二乗平均平方根(RMS)電圧は、レベル全体で比較的安定している可能性があり、供給される全体的な電力は、上記電流制限素子375又は電流制限ソフトウェアによって(ハードキャップ又はソフトキャップで)制限され得る。さらに、特定の実施形態では、正のパルス幅は、電極105間の開回路で測定されたときのレベルに関わらず、静的である。したがって、マイクロコントローラ205は、中性パルス幅を調整して選択されたレベルの周波数を実現するように構成されてもよい。マイクロコントローラ205は、厳密に正のパルスを生成するように構成されてもよい。他の実施形態では、マイクロコントローラ205は、生成された波形信号の周期を変更することによって、実質的に等しいアクティブパルス幅(例えば、少なくとも1つのアクティブパルスは必ずしも正でない可能性がある)を有する波形信号を生成するように構成されてもよい。
【0054】
ユーザ110の身体は、携帯型電気刺激装置100によって印加される電気信号に適応してよい。したがって、治療中に印加されるレベルを調整することが望ましい。携帯型電気刺激装置100は、制御スイッチ350又はマイクロフォン250のグラフィカルユーザインタフェース225などの別のユーザインタフェースを介して、制御入力を受信してレベル(例えば、レベル1~5のうちの1つの選択)を切り替えるように構成されてもよい。携帯型電気刺激装置100が2つのレベルの間で切り替わる間、電気信号がユーザ110に印加されない短い無活動期間がある可能性がある。したがって、ユーザ110は、新たに選択されたレベルの全電圧が実質的に瞬時にユーザ110に印加された場合、「ショック」及び/又は不快感を経験する可能性がある。特定の実施形態では、携帯型電気刺激装置100は、新たに選択されたレベルに移行するときにVmaxパラメータを徐々に増加させて、そのような不快感及び/又はショックの発生を最小限に抑えるように構成されてもよい。携帯型電気刺激装置100は、上記レベル表の間のサブレベルで表されるパラメータ(例えば、ピーク電圧Vmax)を適用することによって、システムを選択されたレベルまでランピング及び/又はステッピングすることによってこの移行を発生させてよい。
【0055】
図5B及び5Cは、本開示の態様に係る携帯型電気刺激装置100の波形信号生成器223によって生成され得る例示的な波形を示すグラフである。特定の実施形態では、
図5B及び5Cに示す波形510及び520は、電極105への電気信号出力に対応してよい。波形510及び520は、
図5B及び5Cにパルス波として示されているが、本開示の態様は、それに限定されない。例えば、ユーザ110に印加される特定の波形は、ユーザ110に接続されたときに電極105に提示される負荷に依存してよく、例えば、電気信号の印加中のユーザ110の抵抗、ユーザ110における電極105の配置、及び/又は導電性クリーム425の使用の有無などに依存し得る。
【0056】
図5B及び5Cに示すように、携帯型電気刺激装置100によって生成される波形510及び520のそれぞれは、実質的に同じ正のパルス幅を有してよい。したがって、波形510と波形520との間の周波数を調整するために、携帯型電気刺激装置100は、中性パルス幅を調整してよい。中性パルス幅という用語は、正のパルスが電極105に印加されない期間を説明するために使用してよいが、携帯型電気刺激装置100は、厳密に負のパルスではなく、約0Vの電圧を有する電気信号を提供することができる。具体的には示されていないが、携帯型電気刺激装置100は、中性パルス幅を調整して周波数を設定することに加えて、選択されたレベルに従って中性パルス幅の電圧を調整することができる。
【0057】
図5Dは、本開示の態様に係る携帯型電気刺激装置100の波形信号生成器223によって生成され得る追加の例示的な波形530~570を示すグラフである。特に、
図5Dは、電気信号が負荷として機能するユーザ110に印加されたときの、レベル1で生成された例示的な波形530、レベル2で生成された例示的な波形540、レベル3で生成された例示的な波形550、レベル4で生成された例示的な波形560、及びレベル5で生成された例示的な波形570を示す。特定の実施形態では、ユーザ110によって提示される負荷は、約0.5kΩ~約6kΩの範囲、又は約3kΩ~約4kΩの範囲にあってよい。勿論、ユーザ110から提示される負荷は、厳密には抵抗性ではなく、インピーダンス値を形成する容量成分を含んでよい。
【0058】
図5Dに示すように、波形530~570は、コンデンサ365が電極105を通して除荷されると、急速にピーク値に近づくことができる。2.2kΩの例示的な負荷の場合、携帯型電気刺激装置100とユーザ110との間に形成される電気回路は、約0.3nsのIR時定数及び約1.3μsのRC時定数を有してよい。コンデンサ365、ユーザ110の静電容量、及び寄生容量及び/又はインダクタンスの他のソースは、携帯型電気刺激装置100によって生成されているレベルに応じて、波形530~570を約1μs~約20μs以内にピーク値まで上昇させる。他の実施形態では、波形530~570のピーク値への上昇は、約1μsよりも小さくてもよいし、約20μsよりも大きくてもよい。ピーク電圧値に達するのに必要な時間は、レベルの増加とともに増加し得る。
図5Dに示すように、波形530~570の電圧は、コンデンサ365に蓄積されたエネルギーが電極105を介してユーザ110に印加されるにつれて、ピーク値から低下し、減衰する。
【0059】
使用モード
携帯型電気刺激装置100は、複数の異なる使用モードで使用してよい。
図1Bは、2つの電極105がユーザ110の皮膚に適用される使用モードの特定の実施形態を示す。第1の使用モードでは、携帯型電気刺激装置100の使用時間を通して、電極105をユーザ110における固定位置に配置してよい。第2の使用モードでは、電極105の第1の電極を固定位置に配置する一方で、ユーザ110又は別のユーザが、電極105の第2の電極をユーザ110の身体の部位上で移動させてよい。特定の実施形態では、ユーザ110は、電極105を自らの身体上に配置してよい。電極105にクリームを塗布することができるため、ユーザ110が携帯型電気刺激装置100に触れて、携帯型電気刺激装置100によって生成される電気信号の現在適用されているレベルを調整することは、望ましくない可能性がある。上記のように、携帯型電気刺激装置100は、携帯型電気刺激装置100を操作するためにユーザ110から音声コマンドを受信するように構成可能なマイクロフォン250及び音声認識システム(例えば、マイクロコントローラ205によって実装されてよい)を含み得る。したがって、ユーザ110は、ユーザ110が電極105を位置決めしている間に、携帯型電気刺激装置100のレベルを調整するか、又は携帯型電気刺激装置100に他のコマンドを入力することができる。
【0060】
図6は、本開示の態様に係る携帯型電気刺激装置100の例示的な使用モード600を示す。
図6に示される使用モード600では、電極105の第1の電極は、第1のユーザ110(例えば、患者)に配置してよく、一方、電極105の第2の電極は、第2のユーザ610(例えば、理学療法士、マッサージ療法士、カイロプラクター、又はその他の医療提供者(専門家又は非専門家))に配置してよい。携帯型電気刺激装置100は、携帯型電気刺激装置100を第2のユーザ610に取り付けるためのストラップ605又は別の機能(例えば、ベルト、ベルクロ(登録商標)など)を介して、第2のユーザ610に取り付け、保持するか又は、結合してよい。しかしながら、他の実施形態では、携帯型電気刺激装置100は、より長い電線415を介して第2のユーザ610に電気的に結合された第2の電極105を備えた表面(例えば、テーブル、床など)に配置してもよい。第2のユーザ610は、第1のユーザ110の皮膚に自分の手を直接当てることによって、自分の手を用いて第1の電極105と第2の電極105との間の電気ループを完成させることができる。特定の実施形態では、導電性クリーム425及び/又は別の導電性マッサージオイルを使用することによって、第2のユーザの610の手と第1のユーザ110との間の電気的接続を改善することができる。
図6の使用モードでは、第2のユーザの610の手を介して携帯型電気刺激装置100によって提供される電気刺激を、(例えば、マッサージを介して)理学療法の効果と組み合わせて、2つの療法の効果を組み合わせることができる。第1のユーザ110に対する2つの治療の相加効果に加えて、第2のユーザの610の手による電気刺激は、第1のユーザ110に対するマッサージに一般的に関連する負担を軽減することができ、それによってマッサージを行う負担を軽減することができる。
【0061】
図7は、本開示のいくつかの態様に係る携帯型電気刺激装置100でユーザを治療する方法700を示すフローチャートである。方法700は、少なくとも1つの電極をユーザの皮膚の部位に沿って移動させる使用モードを含んでもよい。方法700は、ブロック701から始まる。ブロック705において、方法700は、ユーザ110の第1の位置に第1の電極105を配置することを含む。ブロック710において、方法700は、ユーザ110の第2の位置に第2の電極105を配置することを含む。ブロック715において、方法700は、波形信号生成器223を介して第1の電極及び第2の電極105に印加される電気信号の複数のレベルのうちの1つを選択することを含む。波形信号生成器223は、一対の電極105を介してユーザ110に電気信号を提供するように構成される。レベルは、少なくとも周波数、ピーク電圧、及び電流によって規定される。
【0062】
実施形態に応じて、ユーザは、携帯型電気刺激装置100上に、及び/又は携帯型電気刺激装置100のマイクロフォン250で受信した音声コマンドを介して形成された1つ以上の入力装置(例えば、スイッチ350)に選択されたレベルの入力を提供してよい。
【0063】
ブロック720において、方法700は、電気信号が第1の電極及び第2の電極105に提供されている間に、第1の電極及び第2の電極105の少なくとも1つを、ユーザの110の皮膚の部位に沿って移動させることを含む。特定の実施形態では、当該部位は、ユーザ110が治療を望む部位(例えば、痛みのある部位及び/又は痛みを伴う部位)に対応し得る。したがって、所望の部位に電気信号を印加することができる。任意選択的に、方法700は、第1の電極及び第2の電極の少なくとも1つを、ユーザ110が当該部位の治療に最も効果的であると判断する部位のサブ部分に沿って移動させることを含んでもよい。方法700は、ブロック725で終了する。
【0064】
図8は、本開示の他の態様に係る携帯型電気刺激装置100でユーザを治療する方法800を示すフローチャートである。方法800は、第2のユーザが、携帯型電気刺激装置100の助けを借りて、第1のユーザに対してマッサージを行う使用モードを含んでよい。方法800は、ブロック801で始まる。方法800は、ブロック805において、第1のユーザ110の第1の位置に第1の電極105を配置することを含む。
【0065】
ブロック810において、方法800は、第2のユーザ610の第2の位置に第2の電極105を配置することを含む。ブロック815において、方法800は、波形信号生成器223を介して第1の電極及び第2の電極105に印加される電気信号の複数のレベルのうちの1つを選択することを含む。
【0066】
波形信号生成器は、一対の電極105及び第2のユーザ610を介して第1のユーザ110に電気信号を提供するように構成される。レベルは、少なくとも周波数、ピーク電圧、及び/又は電流によって規定される。波形信号生成器223は、第2のユーザ610が第1のユーザ110に対してマッサージを行っている間に、第1の電極及び第2の電極105に電気信号を印加することにより、第1のユーザ110と第2のユーザ610との間の直接接触を介して、第1の電極と第2の電極105との間に電気経路を形成するように構成される。方法800は、ブロック820で終了する。
【0067】
本開示の上記1つ以上の態様は、他の典型的なTENS装置に対して特定の利点をもたらし得る。例えば、携帯型電気刺激装置100は、身体の健康なレベルにある微小電流の波形信号と共鳴する微小電流波の送達を介して、痛み、炎症、凝り、及び他の関連する身体の軽度疾患を含む筋骨格の課題に対する治療を提供することができる。携帯型電気刺激装置100は、鍼治療及び西洋/東洋医学の原理を模倣することができ、不快感を伴うことなく深部組織マッサージの多くの利点を再現する。例えば、上述した技術は、身体の健康を改善することができる。このような改善は、i)痛みの軽減又は解消、ii)腫れの軽減、iii)筋肉の刺激及び弛緩ならびに筋緊張の刺激、iv)腱と靭帯の弾力性の増加、v)患者の可動域と可動性の増加、vi)体全体の循環と血流改善、vii)トレーニング後の回復支援及び毒素又は乳酸除去の促進の1つ以上を含むことができるが、それらに限定されない。
【0068】
上述した技術は、治癒と回復の利点を提供することもできる。このような利点は、i)様々な種類の損傷、スポーツ、日常生活中の治療の支援、ii)組織の治癒と結合組織の修復及び再生の促進、iii)より良い睡眠のための筋肉、腱の緊張緩和、身体の弛緩、iv)筋肉強化、血流の増加、炎症の除去による手術前後の支援の1つ以上を含むことができるが、それらに限定されない。
【0069】
上述した技術は、予防効果の向上を提供することもできる。このような効果は、i)筋肉と腱を緩めるための事前のウォーミングアップによる怪我の予防支援、ii)ウォームアップ中の柔軟性と強度の向上、身体の自然エネルギーの増強、iii)筋肉と腱の弛緩、全身の血液とエネルギーの流れの増加、iv)身体全体の炎症の軽減、柔軟性とパフォーマンスの向上、v)細胞レベルでの生理学的変化の促進、身体のあらゆるレベルでの調和の1つ以上を含むことができるが、それらに限定されない。
【0070】
他の変形例
前述の説明は、本明細書に開示されたシステム、装置、及び方法の特定の実施形態を詳述している。しかしながら、前述の内容がテキストにどれほど詳細に示されていても、システム、装置、及び方法は多くの方法で実施できることが理解されるであろう。本開示の特定の特徴又は態様を説明する際の特定の用語の使用は、その用語が関連する技術の特徴又は態様の特定の特徴を含むことに限定されるように本明細書で再定義されていることを意味すると解釈されるべきではない。
【0071】
当業者であれば、上述した技術の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更が可能であることを理解するであろう。そのような修正及び変更は、実施形態の範囲内に入ることが意図されている。当業者には、一実施形態に含まれる部品が他の実施形態と交換可能であることも理解されよう。描写された実施形態の1つ以上の部品は、他の描写された実施形態に任意の組み合わせで含まれ得る。例えば、本明細書に記載され、及び/又は図示されている様々な構成要素のいずれかを組み合わせたり、交換したり、又は他の実施形態から除外したりすることができる。
【0072】
本明細書における実質的に任意の複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈及び/又は用途に適合するように、複数形から単数形へ、及び/又は単数形から複数形へと読み替えることができる。明瞭化のために、様々な単数形/複数形の順列を本明細書に明示的に記載することができる。
【0073】
本明細書で使用される方向の用語(例えば、頂部、底部、側面、上、下、内向き、外向きなど)は、一般に、図示される方向又は遠近法を参照して使用されるものであって、限定を意図するものではない。例えば、本明細書で説明される「上方」の位置決めは、下方又は片側の位置決めを指すことができる。したがって、「上方」であると説明された特徴は、下方、片側などに含まれ得る。
【0074】
一般に、本明細書で使用される用語は、一般に「非限定的な」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、「including(含んでいる)」という用語は、「including but not limited to(含んでいるがこれに限定されない)」と解釈されるべきであり、「having(有する)」という用語は「having at least(少なくとも有する)」と解釈されるべきであり、「includes(含む)」という用語は「includes but is not limited to(含むがこれに限定されない)」と解釈されるべきであるなど)。当業者であれば、導入された請求項の記載の特定の数が意図されている場合、そのような意図は請求項に明確に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことをさらに理解するであろう。例えば、理解を容易にするために、以下の添付の請求項は、請求項の記載を導入するために「at least one(少なくとも1つ)」及び「one or more(1つ以上)」という導入語句の使用を含む場合がある。しかしながら、そのような語句を使用することは、同一の請求項に「one or more(1つ以上)」又は「at least one(少なくとも1つ)」という導入語句と「a」又は「an」などの不定冠詞との両方が含まれている場合であっても、不定冠詞「a」又は「an」により請求項の記載を導入した際に、そのような導入された請求項の記載を含む特定の請求項を、そのような記載を1つだけ含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「at least one(少なくとも1つ)」又は「one or more(1つ以上)」を意味すると解釈されるべきである)。請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用においても同様である。さらに、導入された請求項の記載の特定の数が明確に記載されている場合であっても、当業者であれば、そのような記載は通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語がない、単なる「2つの記載」という記載は、通常、少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)。
【0075】
本明細書で使用される「comprising(備えている)」という用語は、「including(含んでいる)」、「containing(含有している)」、又は「characterized by(によって特徴付けられる)」と同義であり、包括的又は開放式であり、追加の、記載されていない要素又は方法ステップを除外しない。
【0076】
「can(できる、可能性があるなど)」、「could(できる、可能性があるなど)」、「might(であり得る、であってよいなど)」、又は「may(であり得る、であってよいなど)」などの条件付きの言葉は、別途明記されていない限り、又は使用される文脈の中で他の解釈がなされない限り、一般的に、ある特徴、要素、及び/又はステップが、ある実施形態には含まれるが、他の実施形態には含まれないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付きの言葉は、一般的に、1つ以上の実施形態において特徴、要素、及び/又はステップが何らかの形で必須であるか、又は1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素及び/又はステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、又は実行されるかを、ユーザの入力又はプロンプトの有無にかかわらず決定するためのロジックを必ず含むことを示唆することを意図していない。
【0077】
本明細書で使用される「approximately(およそ)」、「about(約)」、「generally(概ね、一般的になど)」、及び「substantially(実質的に)」という用語などの程度を表す言葉は、依然として望ましい機能を実行し、及び/又は望ましい結果を達成する記載された値、量、又は特徴に近い値、量、又は特徴を表す。例えば、「approximately(およそ)」、「about(約)」、「generally(概ね、一般的になど)」、及び「substantially(実質的に)」という用語は、記載された量の10%以下、5%以下、1%以下、0.1%以下、及び/又は0.01%以下の範囲内の量を意味し得る。
【0078】
さらに、明細書、請求項、図面のいずれにおいても、2つ以上の代替的な用語を提示するあらゆる離接的な単語及び/又は語句は、それらの用語のうち一つ、それらの用語のいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を考慮しているものと理解できることが、当業者には理解されるであろう。例えば、「A又はB」という語句は、「A」もしくは「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解される。さらに、本明細書で使用される「each」という用語は、通常の意味を有することに加えて、「each」という用語が適用される要素のセットの任意のサブセットを意味し得る。
【0079】
「X、Y、及びZの少なくとも1つ」という語句のような接続的表現は、別途明記されていない限り、項目、用語などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために、一般的に使用される文脈内で理解される。したがって、このような接続的表現は、一般的に、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、及びZの少なくとも1つの存在を必要とすることを意味することを意図するものではない。
【0080】
本明細書に開示された実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両方の組み合わせとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、さまざまな例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。このような機能がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定のアプリケーション、及びシステム全体に課せられる設計上の制約によって決定される。上述した機能は、特定のアプリケーションごとにさまざまな方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本発明の実施形態の範囲からの逸脱となると解釈されるべきではない。
【0081】
本明細書で開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的なブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート又はトランジスタ論理、個別ハードウェア部品、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装又は実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であり得る。プロセッサはまた、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ以上の複数のマイクロプロセッサ、あるいは他の任意のそのような構成など、コンピューティングデバイスの組み合わせとして実装することもできる。
【0082】
本明細書で開示された実施形態に関連して記載された方法又はアルゴリズムのステップ及び機能は、直接ハードウェアで具体化されても、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具体化されても、又はその2つの組み合わせで具体化されてもよい。ソフトウェアで実装する場合、機能は、1つ以上の命令又はコードとして有形の非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、又は非一時的コンピュータ可読媒体を介して送信され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD ROM、又は、当技術分野で既知の任意の他の形態の記憶媒体内に存在してよい。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であってもよい。本明細書で使用する場合、ディスク(disk)及びディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、及びブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザーで光学的にデータを再生する。上記の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲の中に含まれるべきである。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に存在してよい。ASICは、ユーザ端末内に存在してよい。代替として、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ端末内に個別構成要素として存在してよい。
【0083】
上記の説明は、本開示のシステム、装置、デバイス、方法、及び材料の実施形態を開示している。本開示は、構成要素、部品、要素、ステップ、及び材料の変更、ならびに製造方法及び装置の修正を受け入れる余地がある。このような修正は、本開示の検討又は本開示の実施から当業者に明らかになるであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、以下の特許請求の範囲に具体化された主題の範囲及び精神に含まれるすべての修正及び代替を網羅することを意図するものである。
【符号の説明】
【0084】
100 携帯型電気刺激装置
103 スタンド
105 電極
110、610 ユーザ
205 マイクロコントローラ
210 メモリ
220 電極インタフェースモジュール
221 電極フィードバックモジュール
223 波形信号生成器
225 ユーザインタフェース
230 生体情報ユーザ識別モジュール
235 ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート
240 DC電源管理モジュール
245、345 LED
250 スピーカー及び/又はマイクロフォン
255 無線インタフェース
260 アナログ/デジタルデータ収集モジュール
310 バッテリ充電器モジュール
315 レギュレータ
320 バッテリコネクタ
325 プログラミング/デバッグポート
330 試験ポート
335 タイミング水晶
340 拡張ポート
350 制御スイッチ
355 電気出力回路
360 トランジスタ
365 コンデンサ
375 電流制限要素
380 高電極ポート
385 低電極ポート
405 可撓性の導電性接触子
410 カバー
415 電線
420 高密度スポンジ
425 導電性クリーム
430 カバー
510、520、530、540、550、560、570 波形
600 使用モード
605 ストラップ