IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルンスト グロープ アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

特許7373567冷間成形によって加工片をプロファイリングするための装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】冷間成形によって加工片をプロファイリングするための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B21H 1/20 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
B21H1/20
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021526693
(86)(22)【出願日】2019-11-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2019081280
(87)【国際公開番号】W WO2020099536
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】01419/18
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】593041147
【氏名又は名称】エルンスト グロープ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Ernst Grob AG
【住所又は居所原語表記】Rohrgasse 9, Maennedorf, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デリアツ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】カプキン,エクレム
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,ヤン
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-154927(JP,A)
【文献】特開昭61-123440(JP,A)
【文献】実公昭49-024787(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0126440(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第03400315(DE,A1)
【文献】特公昭49-024787(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21H 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸(Z)と、加工領域(11)内の外面(11a)とを含む加工片(1)を冷間再成形することによって、プロファイル(P)を有するプロファイル体(1p)を製造するための方法であって、前記プロファイル(P)は、前記外面(11a)内に生成され、前記加工片(1)は、前記長手方向軸(Z)を中心とした回転運動(R1)を実行し、連続的に実行される複数の再成形係合において第1の工具(2)によって機械加工され、前記再成形係合の各々において、前記第1の工具(2)のアクティブ領域(21)は、前記加工領域(11)と接触し、前記第1の工具(2)は、第1の工具ホルダ(5;5a1...)によって保持され、前記第1の工具ホルダ(5;5a1,...)は、
前記第1の工具ホルダ(5;5a1,...)の回転軸(W)を中心に回転可能であるように、軌道周回体(8)内に取り付けられ、前記回転軸(W)を中心に転回運動(R5)を実行するように駆動され、以下で使用される方位角(ly)という用語は、前記回転軸(W)によって定義され、
前記軌道周回体(8)によって軌道周回運動(R8)を実行するように駆動され、
前記加工片(1)の前記回転運動(R1)は、前記第1の工具ホルダ(5;5a1,...)の前記軌道周回運動(R8)と同期され、
前記第1の工具ホルダ(5;5a1,...)の前記転回運動(R5)は、前記第1の工具ホルダ(5;5a1,...)の前記軌道周回運動(R8)と同期される、方法。
【請求項2】
前記加工片(1)の前記回転運動(R1)は、前記再成形係合のいくつかが前記加工片(1)の周縁にわたって分布する様々な異なる位置の各々において行われるように、前記第1の工具ホルダ(5;5a1,...)の前記軌道周回運動(R8)と同期され、
第1の工具(2)が前記再成形係合の各々において同じ方位(φ)を通るように、前記第1の工具ホルダ(5;5a1,...)の前記転回運動(R5)は、前記第1の工具ホルダ(5;5a1,...)の前記軌道周回運動(R8)と同期される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記軌道周回体(8)は、軌道周回体軸(V)に沿って回転(R8’)を実行し、前記軌道周回体軸(V)および前記回転軸(W)は、互いに平行に位置整合される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の工具ホルダ(5;5a1,....)は、前記長手方向軸(Z)に向かって半径方向に向けられた送り運動(L2)と前記軌道周回運動(U)との重ね合わせから生じる軌道(T)を記述する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の工具(2)の前記アクティブ領域(21)は、前記第1の工具(2)が前記第1の工具ホルダ(51;5a1,...)によって保持されるとき、セクタのみにわたって方位角方向に延在する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記加工片は、前記加工領域(11)に隣接するプロファイル画定構造(13)を備え、前記再成形係合の各々における前記アクティブ領域(21)は、前記プロファイル画定構造(13)に至るまで前記加工領域(1)と接触する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記工具ホルダ(5;5a1,...)の前記転回運動(R5)は、遊星ギア(40)によって前記第1の工具ホルダ(5;5a1,...)の前記軌道周回運動(R8)と同期される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記遊星ギア(40)は、リングギア(41)と、前記リングギア(41)内を走る遊星歯車(45)とを備え、前記遊星歯車(45)は、前記第1の工具ホルダ(5;5a1,...)の一部であり、前記第1の工具ホルダ(5;5a1,...)と共に前記転回運動(R5)を実行する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記加工片は、複数の再成形係合において第2の工具(2b)によって同時に機械加工され、前記再成形係合の各々において、前記第2の工具(2b)のアクティブ領域が前記加工領域(11)と接触る、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の工具(2b)の前記連続的に実行される再成形係合の各々は、前記長手方向軸(Z)に関して前記加工片(1)の位置とは反対側にある前記第2の工具(2b)の位置において行われ、同時に前記第1の工具(2a)の再成形係合が行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記加工片は、連続的に実行される複数の再成形係合においてさらなる工具(2a2,2a1’)によってさらに機械加工され、前記再成形係合の各々において、前記さらなる工具(2a2,2a1’)のアクティブ領域が前記加工領域(11)と接触る、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記さらなる工具(2a1’)を保持する工具ホルダ(5,5a2,....)が、既に述べた前記工具ホルダ(5;5a1,...)と同じ軌道周回運動(R8)を実行し、前記工具ホルダ(5;5a2)は、前記既に述べた工具ホルダ(5;5a1,...)と同一であるか、または異なる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記さらなる工具(2a1’)が、前記第1の工具(2;2a1)と同じ工具ホルダ(5a1)によって保持される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記2つの工具(2a1;2a1’)の前記アクティブ領域が、互いに方位角方向に離れている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の工具ホルダ(5a1)とは異なり、以て前記さらなる工具(2a2)が保持される第2の工具ホルダ(5a2)が設けられ、前記第1の工具ホルダおよび前記第2の工具ホルダの前記軌道周回運動は、1つの同じ周回経路(Ua)を記述する、請求項11または12に記載の方法。
【請求項16】
加工片(1)を冷間再成形することにより、プロファイル(P)を有するプロファイル体(1p)を製造するための装置(100)であって、前記装置(100)は、
前記加工片(1)を保持するための、長手方向軸(Z)を中心に回転可能な加工片ホルダ(10)と、
前記長手方向軸(Z)を中心とした前記加工片ホルダ(10)の回転運動(R1)を生成するための駆動デバイス(A1)と、
軌道周回体(8)と、
第1の工具(2;2a1)を保持するための第1の工具ホルダ(5;5a1)であって、前記工具ホルダ(5;5a1)は、前記工具ホルダ(5;5a1)の回転軸(W)を中心に回転可能であるように前記軌道周回体(8)内に取り付けられる、第1の工具ホルダと、
前記第1の工具ホルダ(5a;5a1)の回転軸(W)を中心とした転回運動(R5)を生成するための駆動デバイス(A5)と、
前記第1の工具ホルダ(5;5a1)が軌道周回運動(R8)を実行するように駆動可能である、前記軌道周回体(8)の運動を生成するための駆動デバイス(A8)と、
前記加工片ホルダ(10)の前記回転運動(R1)を、前記第1の工具ホルダ(5;5a1)の前記軌道周回運動(R8)と同期させるための第1の同期デバイス(S1)と、
前記第1の工具ホルダ(5;5a1)の前記転回運動(R5)を、前記第1の工具ホルダ(5;5a1)の前記軌道周回運動(R8)と同期させるための第2の同期デバイス(S5)とを備える、装置。
【請求項17】
前記第2の同期デバイス(S5)の構成要素である、および/または前記回転軸(W)を中心とした前記第1の工具ホルダ(5;5a1)の転回運動(R5)を生成するための前記駆動デバイス(A5)の構成要素である遊星ギア(40)を備える、請求項16に記載の装置(100)。
【請求項18】
前記軌道周回体(8)は、プロファイリングヘッド(3)内に取り付けられ、前記装置(100)は、前記プロファイリングヘッド(3)を前記長手方向軸(Z)に向かって運動させるための駆動部(A2)を備える、請求項16または17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に冷間再成形(冷間成形とも呼ばれる)による、例えば回転対称の中実部品または中空部品のプロファイルの生成の分野に関する。本発明は、特許請求の範囲の前文による装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中実または中空部品を冷間再成形法でプロファイリングするための様々な方法が、現行技術水準から知られている。
【0003】
例えば、周縁に分散され、板金部品を装置に挿入すると、プロファイル間隙が生成される板金部品に係合する複数の工具を備える装置によって、プロファイリングされていない板金部品が再成形されることによって、単一のステップにおいてプロファイルを有する中空部品を提供することが知られている。歯がポットの中間軸まで延在する内歯付きおよび/または外歯付きポット状板金部品を製造するための対応する方法が、例えば独国特許出願公開第102014002971号明細書から知られている。
【0004】
そのような方法の欠点は、例えば、プロファイル間隙形状の変更がすべての工具の交換を必要とし、別の直径を有する板金部品の機械加工への再構成が、対応して適合された新たな装置の作成を必要とするため、それらが非常に非柔軟性であるという事実である。
【0005】
他の冷間再成形方法では、例えば国際公開第2005/075125号パンフレットから知られているように、加工片は、プロファイルを生成するために、軌道周回運動を実行するように駆動される工具によってハンマー方式で周期的に機械加工される。この方法は、他の製品への再構成または製品仕様の変更が非常に少ない労力で可能であるため、その適用において非常に柔軟である。他方、国際公開第2005/075125号パンフレットから知られている方法では、工具の軌道周回運動のために、半径方向外側に大きく突出する肩部の近くまでプロファイルを継続させることは容易に可能ではない。
【0006】
加工片の外側に突出した肩部の近くまで(肩部に至るまで)加工片においてプロファイルを生成することを可能にする方法が、例えば国際公開第2007/009267号パンフレットから知られている。当該文献に記載されている方法では、外側プロファイリングされているマンドレル上に着座した円筒形の薄肉中空部品に、少なくとも成形工具を中空部品の半径方向外側から長手方向軸に向かって急激なハンマリング方式で中空部品に作用させることによって、中空部品の長手方向軸に本質的に平行に延在するプロファイルが冷間再成形方式で与えられる。ここでは、成形工具は、長手方向軸に垂直な方向に振動するように中空部品の表面に作用させられ、したがって、半径方向に、直線的に往復運動する。一定の半径方向送り深さが与えられると、成形工具は、所望のプロファイル長さに達するまで中空部品に対して軸方向に変位し、中空部の機械加工は、中空部の外側に突出する肩部において開始することができる。
【0007】
表面量に対する要求が特に高い場合、各係合を有する中空部品は、わずかな鱗状の粗さをもたらす可能性がある短い軸方向断面において成形工具によってのみ機械加工されるため、中空部の後加工を国際公開第2007/009267号パンフレットによる方法に続いて実行する必要があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、プロファイルを有するプロファイル体を製造するための方法、およびまた上述の欠点を有しない対応する装置を提供することである。
【0009】
例えば、他の製品の製造のために、または製品仕様の変更を実現するために、方法または装置を容易かつ安価な様式で再構成することを可能にすべきである。
【0010】
本発明のさらなる可能な目的は、特に高い表面品質を有するプロファイル作成を可能にすることである。
【0011】
本発明のさらなる可能な目的は、特に高い生産性でプロファイル作成を可能にすることである。
【0012】
本発明のさらなる可能な目的は、加工片突出部に近づくまで、例えばプロファイリングされるべき加工片の外側に突出する肩部に近づくまでプロファイルを可能にすることである。
【0013】
本発明のさらなる可能性のある目的は、2つのプロファイル画定構造間およびこれらまでのプロファイルを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの目的の少なくとも1つは、以下に説明する装置および/または方法によって達成することができる。
【0015】
この方法では、工具ホルダおよびこれに伴う、工具ホルダによって保持される工具は、少なくとも2つの成分、例えば遊星と同様に周回経路に沿った軌道周回運動、およびそれ自体の軸を中心とした転回運動を含む複雑な運動を実行するように駆動される。ここで、これら2つの運動は互いに同期している。軌道周回運動は、周期運動であり得る。転回運動を生成するために、対応する駆動デバイスを設けることができる。
【0016】
軌道周回運動によって、工具ホルダ、したがって工具も、機械加工される加工片まで周期的に導かれ、これに再成形的に作用し、その後これに再び接近するなどのために、加工片からそれ自体を再び取り外すことができる。例えば、工具は、軌道ごとに1回(または1つおきの軌道または2つおきの軌道とも)加工片と再成形係合することができる。
【0017】
軌道周回運動と共にそれ自体の軸を中心とする転回運動により、工具は加工片上で工具運動を実行することができ、上記工具運動は転動運動を含む。したがって、工具は、加工片の加工領域内で少なくとも部分的に転動運動を実行するアクティブ領域を備えることができる。工具運動は、転動運動成分および摺動運動成分を含むことができる。
【0018】
したがって、工具と加工片との係合は、工具(より正確には、工具のアクティブ領域)が加工片と接触している期間中に周期的に(軌道周回運動に起因して)行うことができ、この期間内に、工具は工具ホルダの回転軸の周りを回転し、その結果、(上述の期間中に)加工片上で工具の運動(工具運動)が行われる。したがって、アクティブ領域の複数の異なる位置が、再成形係合中に加工領域の異なる位置と連続的に接触する。これは、例えば、上述の国際公開第2005/075125号パンフレットおよび国際公開第2007/009267号パンフレットから知られているようなハンマリング加工とは対照的であり、ここで行われるのは、工具と加工片とのほぼ瞬間的な接触のみであり、工具と加工片との係合により、工具の完全なアクティブ領域が同時に加工片と接触する。
【0019】
これにより、単回の係合中に、加工片を、製造される軸方向プロファイル延伸範囲の大部分に沿って機械加工することができるため、高い表面品質を達成することができる。特に、製造される軸方向プロファイルの延伸範囲全体に本質的に沿った加工片の機械加工は、単一の係合中に行うことができる。したがって、表面品質に対する特に高い要求が与えられる国際公開第2007/009267号パンフレットによる方法の場合に必要であり得るような後加工は、機械加工が軸方向プロファイル延伸範囲に沿った複数の個々の機械加工ステップから構成されず、上記機械加工ステップが互いに軸方向に変位し、互いにわずかに重なり合うだけであるため、回避することができる。これにより、実行される工具係合の数が著しく少なくなるため、より高い生産性を達成することもできる。
【0020】
また、上述の同期化と共にそれ自体の軸を中心とした転回運動により、工具が、各場合に、所望のまたは所定の方位角位置整合において、例えば常に同じ方位角位置整合において、またはより正確には常に同じ方位角範囲内で、加工片と係合することを達成することができる。(工具ホルダによって与えられる)工具の方位角位置整合の変更は、上述の転回運動のために各係合中に空間をとり、方位角位置整合は、例えば工具の各係合と同じように、係合の持続時間にわたって変化する。
【0021】
例えば、工具が再成形係合の各々において同じ方位を通るように、工具ホルダの転回運動を工具ホルダの軌道周回運動と同期させることができる。
【0022】
本明細書における方位角および方位角によってという用語は、反対のことが述べられていない限り、工具ホルダの回転軸に関する。
【0023】
同期は、(工具が工具ホルダに取り付けられたときの上述の回転軸に関して)非回転対称形状を有する工具の有用な適用を可能にする。特に、方位角セクタ上にのみ延在するアクティブ領域を備える工具を適用することができる。したがって、工具は扇形工具とすることができる。これは、例えば、国際公開第2005/075125号パンフレットから知られている回転対称工具とは対照的である。
【0024】
例えば、工具は、アクティブ領域に続いて終端するか、またはアクティブ領域に相対して(上述の回転軸に対して)半径方向に後退することができる。このため、アクティブ領域に隣接する方位角範囲にわたって延在する自由領域が存在し得る。
【0025】
そのような扇形工具は、工具投影に至るプロファイルを生成するのに適し得る。これは、前述の国際公開第2005/075125号パンフレットから知られており、アクティブ領域が全周にわたって延在し、さらに同期転回運動はもちろん、規定された転回運動も実行しない回転対称工具とは対照的である。本明細書で提示される工具は、(回転軸に関して)非回転対称形状を有するアクティブ領域を含むことができる。
【0026】
アクティブ領域に隣接し、例えば加工片肩部などの加工片突出部が空間を有する自由領域は、それ自体の回転軸を中心とした工具ホルダの回転により、係合後の実行後に加工片に面することができ、結果、扇形工具による工具突出部の再成形を回避することができる。
【0027】
したがって、工具は、アクティブ領域の(方位角)端部に達するまで、各係合によって、説明したように少なくとも部分的に転動するように加工片を再成形することができ、次いで、(加工片投影が工具と接触することなく)加工片投影が上述の自由領域内の空間を見出すように、回転軸を中心にさらに回転することができる。
【0028】
転回運動は、例えば、完全な周回中に、または連続的に行うことができる。これにより、工具ホルダの転回運動と工具ホルダの軌道周回運動との良好な同期能力を達成することができる。
【0029】
例えば、2つの運動の同期は、機械的に実現することができる。したがって、この同期のために機械的同期デバイスを提供することができる。しかしながら、上述の運動は、例えば電子的に、したがって電子同期デバイスによって、別様に互いに同期させることもできる。
【0030】
いくつかの実施形態の例では、以下で第2の同期デバイスとしても示される前述の同期デバイスは、遊星ギアを備える。例えば、これは、リングギアと、リングギア内を走る遊星歯車とを備えることができ、遊星歯車は、工具ホルダの一部を表すことができ、または少なくとも工具ホルダに固定的に接続されることができ、または回転軸を中心とした工具ホルダの転回運動と共回転することができ、上述の軌道周回運動にも関与する。遊星歯車の軸は、回転軸と同軸であり得る。
【0031】
他方、遊星ギアはまた、その回転軸を中心とした転回運動のために工具ホルダを駆動することもできる。したがって、その回転軸を中心とした工具ホルダの転回運動を生成するための既に述べた駆動デバイスは、遊星ギアを備えることができる。
【0032】
したがって、その回転軸を中心とした工具ホルダの転回運動を同時に生成し、この転回運動を工具ホルダの軌道周回運動と同期させる遊星ギアを提供することができる。
【0033】
上述の、例えば、遊星様の軌道周回運動は、軌道周回体によって工具ホルダに付与することができる。工具ホルダは、軌道周回体内に取り付けることができ、特にその回転軸を中心に回転可能に取り付けることができる。軌道周回体は、例えば、軌道周回体軸に沿って回転を実行することができ、工具ホルダの回転軸は、軌道周回体軸に対して距離があり、その結果、回転軸は、本質的に円形経路に沿って軌道周回運動を実行する。
【0034】
上述の遊星ギアが設けられている場合、この軌道周回運動は、遊星ギアによって与えられる工具ホルダの転回運動を生成することができる。このために、軌道周回体軸は、リングギアの軸と同軸に位置整合させることができる。したがって、その回転軸を中心とした工具ホルダの転回運動を生成するための既に述べた駆動デバイスは、軌道周回体および遊星ギアを備えることができる。同様に、軌道周回体軸を中心とした回転のために軌道周回体を駆動するための駆動シャフトは、上述の駆動デバイスに属することができる。
【0035】
軌道周回体に加えて、その軌道周回体軸を中心としたその回転のために軌道周回体を駆動するための駆動シャフトもまた、軌道周回体の運動を生成するための駆動デバイスに属することができる。
【0036】
さらに、加工片または加工片を保持する加工片ホルダの長手方向軸に垂直な工具または工具ホルダの半径方向送りを提供することができ、それにより、機械加工の過程で工具と加工片とのさらにより深い係合が可能になる。所望のプロファイル深さに達するまで、工具を半径方向に送ることができる。
【0037】
例えば、半径方向送りは、軌道周回体、または特に軌道周回体の軌道周回体軸が長手方向軸に動く、したがって、この文脈では半径方向の前進を受けることによって実現することができる。
【0038】
例えば、軌道周回体は、プロファイリングヘッドに取り付けられ、その軌道周回体軸を中心に回転可能であるように、プロファイリングヘッドに取り付けられ、プロファイリングヘッドは長手方向軸への運動のために駆動可能である。したがって、軌道周回体は、その軌道周回体軸を中心に回転する間、半径方向送りのための駆動部によって長手方向軸に動かすことができる。したがって、軌道周回体軸は、長手方向軸に動かすことができる。
【0039】
これにより、説明した工具の複雑な運動は、さらに別の成分、具体的には、長手方向軸に対して半径方向にわたる説明した運動(送り運動)を含むことができる。したがって、工具ホルダの回転軸は、円の中心の直線運動に重ね合わされる円形運動から生じる運動を実行することができ、特に、直線運動は、円形運動によって画定される平面内で行われる。
【0040】
さらに、長手方向軸を中心とした加工片または加工片ホルダの回転運動は、例えば適切な駆動デバイスによって、例えばトルクモータによって生成することができ、その結果、加工片は、加工片の周縁に分布する異なる位置において工具によって機械加工することができる。したがって、生成されることになるプロファイルの複数の異なるプロファイル間隙を、工具によって生成することができる。以下でさらに説明するように、いくつかの工具を設けることができ、その結果、単一の工具(または複数の工具の各々)は、必ずしもプロファイルのすべてのプロファイル間隙の形成に寄与するわけではない。これにもかかわらず、プロファイルのプロファイル間隙が生成されることになり、したがってプロファイルのすべてのプロファイル間隙の形成に寄与する、加工片の周縁に沿った各位置において加工片と係合する工具を想定することができる。
【0041】
上述の回転運動は、変化する回転速度、特に少なくとも部分的に周期的に変化する回転速度を含むことができる。上述の回転運動は、例えば、断続的な回転であってもよい。
【0042】
相対的に高い回転速度および相対的に低い回転速度の連続する段階を含む、加工片または加工片ホルダの回転運動の回転速度を想定することができる。特に、工具による加工片の機械加工は、比較的低い回転速度の段階で行うことができる。工具の係合中に加工片がより低速に回転するか、加工片がより長く低速に回転するか、または比較的低い回転速度の段階で停止しているほど、最終的に生成されるプロファイルの高い精度をより良好に達成することができる。
【0043】
例えば、加工片が静止している回転運動の段階で加工片を機械加工する工具を想定することができる。例えば、加工片の断続的な回転の回転停止(回転停止は回転速度0を有する)の段階で加工片を機械加工する工具を想定することができる。
【0044】
加工片ホルダの回転運動と工具ホルダの軌道周回運動との同期を想定することができる。これにより、加工片の機械加工が加工片の周縁に沿った同じ位置で常に再び空間をとることを確実にすることができる。
【0045】
例えば、さらに第1の同期デバイスとしても示される対応する同期デバイスは、電子同期デバイスとすることができる。
【0046】
遊星ギアおよび軌道周回体を有する前述の実施形態の例では、第1の同期デバイスは、例えば、加工片または加工片ホルダの回転のための駆動部を、軌道周回体をその軌道周回体軸を中心とした回転のために駆動するための駆動シャフトと同期させることができる。
【0047】
したがって、特に、本方法は、加工片の冷間再成形によって、プロファイルを有するプロファイル体を製造するための方法であり得、加工片は長手方向軸を含むことができ、加工領域は、プロファイルが生成される外面を含むことができる。外面は、長手方向軸に沿って延在することができる。特に、外面は、例えば円錐形または円筒形など、長手方向軸と同心であってもよい。しかしながら、例えば角柱状の加工領域を有する、例えば多角形などの外面の他の形状も可能である。
【0048】
ここで、加工片は、長手方向軸を中心とした回転運動を実行する。そして、加工片、特に上述の外面は、連続的に実行される複数の再成形係合において工具によって機械加工され、再成形係合部の各々において、工具のアクティブ領域が加工領域と接触する。対応する工具運動については、既にさらに上述した。
【0049】
工具は、工具ホルダによって保持され、工具ホルダは、上記工具ホルダの回転軸を中心に回転可能となるように軌道周回体に取り付けられ、その回転軸を中心に転回運動を行うように駆動される。また、工具ホルダは、軌道周回運動を実行するために軌道周回体によって駆動される。特に、工具ホルダは、周回経路に沿って運動を実行するために軌道周回体によって駆動される。
【0050】
さらに、
加工片の回転運動が、工具ホルダの軌道周回運動と同期しており、
工具ホルダの転回運動が、工具ホルダの軌道周回運動と同期していることを想定することができる。
【0051】
特に、いくつかの再成形係合が加工片の周縁にわたって分布する複数の異なる位置で行われるように、加工片の回転運動が工具ホルダの軌道周回運動と同期されることを想定することができる。外側プロファイルが作成される場合、上述の位置は、プロファイルのプロファイル間隙が作成される位置とすることができる。加工片の内側プロファイルが本方法によって生成される場合、位置は、生成される内側プロファイルの隣接するプロファイル間隙の間にあるような位置とすることができる。
【0052】
また特に、工具が再成形係合の各々において同じ方位を通るように、工具ホルダの転回運動が工具ホルダの軌道周回運動と同期されることを想定することができる。
【0053】
それぞれの再成形係合中に工具が通過する方位が再成形係合の各々において同一であるように、工具ホルダの転回運動が工具ホルダの軌道周回運動と同期される場合、例えば、例として加工片の突出部などのプロファイル画定構造に至るプロファイルを作成することができる。
【0054】
本方法はまた、加工片をプロファイリングする方法として、および/または加工片にプロファイルを生成する方法と考えることもできる。
【0055】
加工片は、中空部品、特に回転対称で、例えば円筒形の中空部品であってもよい。
加工片は、中実部品、特に回転対称で、例えば円筒形の中実部品であってもよい。
【0056】
加工片は、金属加工片であってもよい。
加工領域は、プロファイルが作成される領域、したがってプロファイリングされる領域とすることができる。加工領域は、加工片の軸方向に限定された区画、例えば管状または棒状加工片の末端部であってもよい。
【0057】
加工片は、加工領域に接続する第2の領域を含むことができる。この第2の領域は、加工領域に隣接して、プロファイル画定構造、例えば、少なくとも長手方向軸を中心とする(方位角)角度領域内に、加工片投影に隣接する加工領域内の外面の半径方向延伸範囲よりも大きい半径方向延伸範囲を有する加工片投影を含むことができる。プロファイル制限構造は、プロファイル障害物、例えば加工片肩部とすることができる。
【0058】
プロファイル画定構造は、プロファイルの端部または区切りを形成することができる。
加工領域の外面は、例えば、回転対称、例えば円筒形または同様に円錐形であってもよい。しかしながら、外面は、これとは異なるように、例えば多角形に設計することもできる。
【0059】
プロファイルは、外側プロファイルとすることができる。これは、中空部品または中実部品内に作成することができる。例えば、中空部品の場合、例えば、その加工領域内の加工片が外側プロファイリングされているマンドレル上に着座していると想定される場合、外側プロファイルと内側プロファイルとを同時に生成することも可能である。さらに、外側歯部も同時に製造することなく、内側歯部を中空部品に製造することも可能である。加工領域内の加工片が外側プロファイリングされているマンドレル上に着座していることも想定することができる。
【0060】
プロファイルは、周縁にわたって分布する、特に例えば周縁にわたって均一に分布する複数のプロファイル間隙(加工領域において加工片が深くなっているところ)を含むことができる。しかしながら、プロファイル間隙は、周縁にわたって不規則に分布することもできる。
【0061】
工具ホルダの軌道周回運動は、連続的な運動とすることができ、特に一定の速度で行うことができる。
【0062】
工具ホルダの転回運動は、連続的な運動とすることができ、特に一定の回転速度で行うことができる。
【0063】
特に、これらの2つの速度は、互いに一定の比率を有することができる。
軌道周回運動は、円形運動であり得る。
【0064】
工具ホルダの運動を記述する軌道(運動経路)は、軌道周回運動と、長手方向軸に垂直な運動(半径方向運動)との重ね合わせから生じ得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、軌道周回体は、軌道周回体軸を中心とした回転を実行する。これにより、工具ホルダの軌道周回運動を生じさせることができる。工具ホルダの軌道周回運動は、軌道周回体軸に垂直な平面内で行うことができる。
【0066】
軌道周回体軸および回転軸は、互いに平行に位置整合させることができる。
工具ホルダの軌道周回運動は、長手方向軸が平行に位置整合される平面内で行うことができる。
【0067】
軌道周回体の回転は、連続運動を含むことができ、特に一定の回転速度を有することができる。また、工具ホルダの転回運動は、連続運動とすることができ、特に一定の回転速度を有することができる。また、これらの2つの回転速度は、互いに時間的に一定の比を有することができる。これらの2つの回転速度の同期は、既に上述したように、例えば遊星ギアによって達成することができる。
【0068】
遊星ギアは、リングギアと、リングギア内を走る遊星歯車とを備えることができる。遊星歯車は、工具ホルダの一部とすることができる。これと共に、遊星歯車は転回運動を実行することができる。遊星歯車の位置は、工具ホルダ上に保持された工具の位置に対して固定することができる。
【0069】
リングギアは、軌道周回体が取り付けられる、特に回転可能に取り付けられるプロファイリングヘッド内に固定することができる。
【0070】
プロファイリングヘッドは、装置の部品を受け入れるかまたは取り付けるための軸受ハウジングとすることができる。例えば、プロファイリングヘッド内で、
軌道周回体を、取り付けられることができ、特に、回転可能に取り付けられることができる。
【0071】
軌道周回体の回転のための駆動部を取り付けることができ、
存在する限り、リングギアを固定することができる。
【0072】
さらに、プロファイリングヘッドは、半径方向送りのための駆動部、例えば線形駆動部に能動的に接続することができる。
【0073】
2つのプロファイリングヘッドを設けることもでき、各々が少なくとも1つの工具を有し、例えば、第1のプロファイリングヘッド内に第1の工具があり、第2のプロファイリングヘッド内に第2の工具がある。これらは、長手方向軸に対して互いに対向して配置することができ、例えば、長手方向軸を含む平面に対して鏡像化される。
【0074】
特に軌道周回体およびリングギアなどの内部に設けられた装置部品を含む2つのプロファイリングヘッドは、等しく設計することができ、または同じ仕様に従って製造することができ、装置部品の運動は、長手方向軸を含む平面に対して鏡像化されて行われる。
【0075】
2つの言及された工具のそれぞれの軌道周回運動は、互いに異なっていてもよく、特に、長手方向軸を含む平面に対して互いに鏡像化されて行われてもよい。ここで、上述の2つの工具のそれぞれの軌道周回運動は、1つの同じ平面内で行うことができる。
【0076】
したがって、(第1のプロファイリングヘッドの)第1の工具の軌道周回運動は、上述の2つの工具の再成形係合が各々同時に行われるように、(第2のプロファイリングヘッドの)第2の工具の軌道周回運動と同期させることができる。
【0077】
長手方向軸に向けられるそれぞれの力が本質的に互いに打ち消し合うため、(鏡面)対称構造により、加工片ホルダの機械的負荷を低く保つことができる。
【0078】
いくつかの工具は、他の理由で、他の場所、例えば同じプロファイリングヘッド内に設けることもできる。
【0079】
他方、単一の工具ホルダが、例えば、それらのアクティブ領域が工具ホルダの回転軸に対して方位角方向に均一に分布するように、2つ以上の工具を保持することができる。
【0080】
例えば、これらの工具は、連続軌道中に交互になるように加工片と再成形係合することができる。
【0081】
これにより、個々の工具の耐用年数を延ばすことができる。
他方、各々が(少なくとも)1つの工具を保持する工具ホルダを2つ以上設けることができる。これらの工具ホルダの軌道周回運動は、例えば、同じ周回経路を記述することができる。それらは、周回経路に沿って均一に分布させることができる。例えば、これらの工具ホルダは、軌道周回体軸に対して方位角方向に均一に分布させることができる。
【0082】
例えば、加工片との1つの係合は、工具ホルダごとに軌道周回体の回転軌道ごとに行うことができる。
【0083】
これにより(軌道周回体の軌道の数が等しい場合)、時間当たりの係合の乗算、したがって加工片のより迅速な機械加工を達成することができる。N回の再成形係合を、軌道周回体の回転周期中に行うことができ、Nは、各々が(少なくとも)1つの工具を有する工具ホルダの数を指定する。
【0084】
Nが、各々がn個の工具を有する工具ホルダの数を指定し、2つの同一の(例えば、鏡像化された)構成のスタンピングヘッドが提供される場合、加工片の機械加工は、例えば2 N・n個の工具を用いて行うことができる。
【0085】
工具または少なくともそれらのアクティブ領域は、例えば同じ仕様に従って製造することができる。
【0086】
工具は、圧延パンチとすることができる。
アクティブ領域に(方位角方向に)接続する工具は、凹部、例えば内側に向いた肩部を含むことができる。自由領域は、そこから始まることができ、上記自由領域は、例えば、係合実行後に、加工片突出部が工具によって再成形されないように加工片突出部のための空間を提供する。
【0087】
自由領域では、工具ホルダによって取り付けられた工具は、アクティブ領域に対して半径方向に後退させることができる。
【0088】
係合中に長手方向軸に垂直なアクティブ領域を通る断面において、工具は、生成されるプロファイルのプロファイル間隙の形状の陰型に対応する形状を有することができる。特に、これは、プロファイルが外側プロファイルであるか、または外側プロファイルを含む場合に提供することができる。内側プロファイルがまた、任意選択的に、外側プロファイルと同時に生成されてもよく、または生成されなくてもよい。
【0089】
アクティブ領域は、工具が加工片と(直接)接触する工具の領域であるという点で定義することができる。
【0090】
工具が工具ホルダによって保持される場合、工具および工具ホルダは、互いに対して一定の相対位置を有することができる。工具は、関連する工具ホルダと共回転することができる。また、工具ホルダの一部である遊星歯車が設けられている場合、遊星歯車に対する工具の相対位置も一定であり得る。
【0091】
工具は、工具ホルダに固定することができる工具インサートの一部とすることができる。
【0092】
装置は、加工片を冷間再成形することによって、プロファイルを有するプロファイル体を製造するための装置とすることができる。このために、装置は、
加工片を保持するための、その長手方向軸を中心に回転可能な加工片ホルダと、
長手方向軸を中心とした加工片ホルダの回転運動を生成するための駆動デバイスであって、特に回転運動が断続的であり、すなわち停止の持続時間と回転運動の持続時間とを交互に有する、駆動デバイスと、
軌道周回体と、
工具を保持するための工具ホルダであって、特に、工具ホルダが、工具ホルダの回転軸を中心に回転可能であるように軌道周回体に取り付けられる、工具ホルダと、
工具ホルダの回転軸を中心とした転回運動を生成するための駆動デバイスと、
軌道周回体の運動を生成するための駆動デバイスであって、それによって工具ホルダを駆動して、特に周回経路に沿って軌道周回運動を実行することができる、駆動デバイスとを備えることができる。
【0093】
本装置は、
工具ホルダの転回運動を工具ホルダの軌道周回運動と同期させるための第1の同期デバイスと、
工具ホルダの転回運動を工具ホルダの軌道周回運動と同期させるための第2の同期デバイスとをさらに備えることができる。
【0094】
工具ホルダの回転軸を中心とした回転モーメントを生成するための駆動デバイスは、第2の同期デバイスと少なくとも部分的に同一であり得る。例えば、既に説明した遊星ギアは、一方では、この駆動デバイスの一部とすることができ、それによって、軌道周回体の運動を工具ホルダの転回運動に変換し、他方では、第1の同期デバイスの一部とする(または第1の同期デバイスに対応する)ことができ、それによって、工具ホルダの転回運動を工具ホルダの軌道周回運動に結合する。
【0095】
軌道周回体の運動を生成するための駆動デバイスは、例えば駆動スピンドルを備えることができる。これはまた、例えば遊星ギアによって与えられる、その回転軸を中心とした工具ホルダの回転モーメントを生成するための駆動デバイスの一部とすることができる。
【0096】
軌道周回体は、プロファイリングヘッド内に取り付けられることができ、特に、回転可能に取り付けられることができる。そして、これは、駆動部によって、半径方向送り運動のために長手方向軸に向かって駆動することができる。例えば、駆動部は、長手方向軸に対して垂直に行われるプロファイリングヘッドの運動のための駆動部とすることができる。
【0097】
第1の同期デバイスおよび第2の同期デバイスは、1つの同じ同期デバイスであってもよく、または互いに完全にもしくは部分的に異なっていてもよい。
【0098】
第1の同期デバイスは、第1の工具ホルダの軌道周回運動の軌道周回周波数が加工片の回転運動の速度に対して固定された(時間的に変化しない)比にあることを保証するように構成することができる。
【0099】
第2の同期デバイスは、工具ホルダの軌道周回運動の軌道周回周波数が工具ホルダの転回運動の速度に対して固定された(時間的に変化しない)比にあることを保証するように構成することができる。
【0100】
装置は、加工片の冷間再成形が、複数の連続的に実行される再成形係合によって行われ得るように構成することができる。これは、1つの同じ工具の係合、またはいくつかの工具の係合であってもよい。
【0101】
また、いくつかの再成形係合が各場合において加工片の周縁にわたって分布する複数の異なる位置で行われるように、第1の同期デバイスは、加工片ホルダの回転運動を工具ホルダの軌道周回運動と同期するように構成することができる。
【0102】
装置は、工具の(例えば、1つの同じ工具または一方でまたいくつかの工具の)アクティブ領域が、再成形係合の各々において加工領域と接触するように構成することができる。ここで、工具(より正確には、アクティブ領域)は、(加工領域内の)外面上で転動することができる。再成形係合の各々において、アクティブ領域の複数の異なる位置が、係合の持続時間中に加工領域の異なる位置と連続的に接触する。
【0103】
また、第2の同期デバイスは、工具が工具の再成形係合の各々において同じ方位を通るように、工具ホルダの回転運動を工具ホルダの軌道周回運動と同期させるように構成することができる。
【0104】
いくつかの工具または1つもしくはいくつかの工具ホルダ(各々が工具のうちの少なくとも1つを保持する)が設けられる場合、各工具がそれぞれの工具の再成形係合の各々において同じ方位を通るように、第2の同期デバイスが、少なくとも1つの工具ホルダの転回運動をそれぞれの工具ホルダの軌道周回運動と同期させるように構成されることを想定することができる。
【0105】
例えば、生成されるプロファイルがr個のプロファイル間隙を含み、デバイスがN個の工具ホルダを含み、その軌道周回運動が1つの同じ周回経路を表す場合、第1の同期デバイスは、例えば、軌道周回運動のN番目の周期持続時間が、加工片の回転運動の周期持続時間の整数倍またはr番目の周期持続時間に等しくなるように構成することができる。これにより、係合は、プロファイル間隙が生成される加工片の周縁に沿った位置において精密に行われる。特に、第1の同期デバイスは、例えば、軌道周回運動のN番目の周期持続時間が加工片の回転運動のr番目の周期持続時間に等しくなるように構成することができる。これにより、各係合は、隣接するプロファイル間隙位置で行われる。
【0106】
本発明は、記載された方法の特徴に対応する特徴を有する装置を包含し、その逆に、記載された装置の特徴に対応する特徴を有する方法も包含する。
【0107】
さらなる実施形態および利点は、従属請求項および図面から導き出される。
本発明の主題は、以下において、実施形態の例および添付の図面によって、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0108】
図1】冷間再成形による加工片のプロファイルのための方法を実行するための装置の図である。
図2A】方法の連続する段階の図である。
図2B】方法の連続する段階の図である。
図2C】方法の連続する段階の図である。
図2D】方法の連続する段階の図である。
図3】工具を有する工具ホルダの、その回転軸を通る断面図である。
図4図3による遊星歯車を有する遊星ギアの詳細図である。
図5】記号化された半径方向送り部を有する2つのプロファイリングヘッドを有する装置の詳細図である。
図6A】工具ホルダの周回経路の図である。
図6B】半径方向送り運動を記号的に示す図である。
図6C】軌道周回運動と半径方向送りとの重ね合わせとしての工具ホルダの軌道の図である。
図7】各々が2つの工具を有する3つの工具ホルダを各々が備える2つのプロファイリングヘッドを有する装置の詳細図である。
図8】外側に突出する肩部を有するプロファイル体の図である。
図9】長手方向軸に垂直な断面における、外側プロファイリングされているマンドレル上の加工片の詳細図である。
図10】長手方向軸を含む断面における、円錐形の加工領域を有する加工片の図である。
図11】長手方向軸に垂直な断面における、多角形の外面を有する加工片の図である。
図12】間にプロファイルが生成されている、2つの軸方向に離間した半径方向外側に向けられたプロファイル画定構造を有する加工片またはプロファイル体の図である。
図13】間にプロファイルが生成されている、2つの軸方向に離間した半径方向内側および半径方向外側に向けられたプロファイル画定構造を有する加工片またはプロファイル体の図である。
図14】プロファイル画定構造を有しない加工片またはプロファイル体の図である。
図15】長手方向軸に垂直な断面における、非回転対称プロファイル画定構造を有する加工片の図である。
図16】長手方向軸に垂直な断面における、方位角方向に不均一に分布したプロファイル間隙を有する加工片またはプロファイル体の図である。
【発明を実施するための形態】
【0109】
本発明をよりよく理解するために、ある程度必須ではない部分は示されていない。説明した実施形態例は、本発明の主題の例示であり、または、その説明の役割を果たし、限定の効果はない。
【0110】
図1は、加工片1の冷間再成形プロファイルのための方法を実行するための装置100を示す。加工片1は、図1に記号的に表され、同時に加工片1の長手方向軸でもある長手方向軸Zを有する加工片ホルダ10内に保持される。
【0111】
図示の例では、加工片1は、長手方向軸Zに対して回転対称であり、外面11aを有し、例として円筒状に設計され、プロファイルが生成され、第2の領域12が接続される加工領域11を有し、第2の領域では、加工片1は加工領域11よりも大きい直径を有する。これにより、加工片肩部13として設計されたプロファイル画定構造が領域11と12との間に形成される。
【0112】
図1に記号的に表されている軌道周回体8がさらに設けられ、上記軌道周回体は、特に表されている例では、図1には表されていない軌道周回体軸の周りを回転し、したがって回転R8’を実行することによって、運動R8’を実行する。軌道周回体8の運動R8’のために、周回経路Uに沿って軌道周回運動R8を実行する工具ホルダ5が、軌道周回体8内に取り付けられている。
【0113】
工具ホルダ5は、1つの転回運動R5が実行される回転軸Wを備える。この転回運動R5は、例えば駆動部(回転駆動部)によって直接生成することができ、または一方、以下でさらに詳細に説明するように、例えば遊星ギアによって、例えば機械的に、軌道周回体8の運動R8’から導出することができる。
【0114】
工具ホルダ5は、アクティブ領域21を備える少なくとも1つの工具2を保持し、アクティブ領域内で工具2は加工片1と冷間再成形接触し、具体的には、それによって、加工片1との係合中に、以下でさらに詳細に説明する動作を実行し、この運動は、少なくとも部分的な転動運動であってもよく、例えば(加工領域上のアクティブ領域の)転動動作および(加工片上の工具の)摺動動作から構成されてもよい。
【0115】
工具2によって加工片1内にプロファイル間隙を生成することができ、工具2はプロファイル間隙ごとに複数の係合を実行する。
【0116】
工具1が加工片1の周縁にわたって分布する複数の異なる位置において加工片1と係合することができるようにするために、加工片1は、加工片ホルダ10によって回転運動R1を実行するために長手方向軸Zの周りで駆動可能であり、特に、回転運動R1は断続的な回転とすることができ、その結果、工具係合は、加工片1の回転停止の段階で行うことができる。
【0117】
駆動の目的のための相互作用は、図1において破線によって表されており、同期化の目的のための相互作用(機械的および/または電子的に実現することができる)は、太い点線によって表されている。
【0118】
加工片ホルダ10の回転運動R1を生成するための駆動デバイスA1、例えばトルクモータまたは他の回転駆動デバイス、ならびに軌道周回体8の運動R8’を生成するための駆動デバイスA8が設けられている。駆動デバイスA8は、例えば駆動シャフトを備えることができる。
【0119】
回転軸Wの周りの工具ホルダ5の転回運動R5を生成するためのまたさらなる駆動デバイスA5は、既に上述したように、これも提供される。
【0120】
回転軸Wは、軌道周回体軸と平行に位置整合される。工具ホルダの軌道周回運動R8は、軸が垂直である平面内で行われる。長手方向軸は、この平面に平行に位置整合される。
【0121】
プロファイル間隙が生成される場所で工具係合が行われるために、加工片回転R1および軌道周回運動R8は、第1の同期デバイスS1によって、例えば加工片回転R1によって互いに同期され、軌道周回体8の運動R8’は、第1の同期デバイスS1によって互いに同期される。
【0122】
例えば、同調は、それらの回転時間の一定の比を有する2つの運動(R1およびR8またはR8’)にあり得る。例えば、工具2が1つだけ設けられ、工具2と加工片1との連続的な係合が隣接するプロファイル間隙内で行われる場合、工具ホルダ5の軌道周回運動R8の周回時間(周期)T8および加工片の周回時間(周期)T1を用いて、T8/T1=zを選択することができ、zは、生成されるプロファイル間隙の数である。
【0123】
この同期は、例えば電子同期デバイスS1によって実現することができる。しかしながら、他の同期デバイス、例えば機械的な同期デバイスも基本的に考えられる。
【0124】
さらに、第2の同期デバイスS5がさらに設けられ、これにより、工具ホルダ5の転回運動R5および工具ホルダ5の軌道周回運動R8が互いに同期される。これは、例えば電子同期デバイスによって実現することができ、この場合、これはまた第1の同期デバイスS1と同一であってもよい。図示の例では、この同期は、機械的に、具体的には既に述べた遊星ギアによって実現される。
【0125】
これに関する限り、駆動デバイスA5は、特に一方では転回運動R5を生成し、他方では回転モーメントR5と軌道周回運動R8との間の同期を達成する遊星ギアによって、第2の同期デバイスS5と少なくとも部分的に同一とすることができる。
【0126】
第2の同期デバイスS5によって達成される同期によって、続いて工具2に、加工片1との係合の各々の最中に(工具ホルダ5の回転軸Wに関して)同じ方位角位置整合をさせることができる。これは、図1に示すように、加工片1が外側に突出する加工片肩部13を含み、これに至るプロファイルが形成される場合に有利であり得る。これについては、図2A図2Dにおいて説明する。
【0127】
図2A図2Dは、本方法の連続する段階を示す。大部分の参照符号は既に上で説明されており、23は工具凹部または工具肩部を示し、22は工具2の自由領域を示し、φは回転軸Wに対する工具の方位角、またはより正確にはそれぞれの方位角(反時計回り方向に測定される)を示す。図2A図2D(およびまた図4、下記参照)に示されているように、
回転軸Wに対して垂直に位置整合され、アクティブ領域21の中央を通り、かつ回転軸Wを通る軸(図2A図2d中に破線で示す)、および
回転軸Wに対して垂直に位置整合され、アクティブ領域21の中央を通り、かつ軌道周回体軸を通る軸(図2A図2D中に点線で示す)を、
方位角方向の基準軸として選択することができる。
【0128】
図2Aは、工具2が加工片1にちょうど接触する、係合のおおよその開始時の状況を示す。図示の例における方位角φは、概ね317°であり、-43°に相当する。
【0129】
図2Bは、概ね係合途中の状況を示している。方位角φは、図示の例では数度である。
図2Cは、ほぼ係合の終わりの状況を示しており、工具2は依然として加工片1にちょうど接触している。方位角φは、図示例では概ね40°である。
【0130】
図2Dは、係合の終了直後の状況を示しており、工具2はちょうど加工片1と接触したままである。方位角φは、図示の例では少なくとも70°である。
【0131】
例えば、第2の同期デバイスS5によって、各々が周回している加工片1との係合中に、方位角領域、ここでは例えば-43°から少なくとも70°を通って動く工具2をもたらすことができる。
【0132】
これにより、工具2が加工片肩部13と(再成形)接触するのを防ぐことができるが、これにもかかわらず、プロファイルの形成は加工片肩部13に至るまで行われ得る。
【0133】
この目的のために、工具2は扇形工具である。これは、アクティブ領域の後にあり、(回転軸Wに対して)半径方向に後退している自由領域22を含む。
【0134】
図2Aから単純に認識できるように、右に示されている端部の加工片1は、そこで終端する代わりに、さらなる加工片突出部(図2Aに点線で示されている)を含むことができる。そのような場合、記載された方法によって、それぞれの加工片突出部に至るまで延在するように、2つの加工片突出部間にプロファイルを生成することが可能である。
【0135】
図3は、工具2を有する工具ホルダ5を、その回転軸Wを通る断面において示す。それは(任意選択的に)、その軸が回転軸Wと同軸である2つの遊星歯車45と、軌道周回体8(図1参照)内に回転可能に取り付けるための2つの軸受領域2 Lとを備える。工具ホルダ5は、一体部品として設計することができる。工具2は、工具ホルダ5に固定的に接続され、例えばこれにねじ込まれる工具インサート2eの一部を形成する。
【0136】
工具2は、遊星歯車45に対して回転可能に固定されるように工具ホルダ5に固定することができる。
【0137】
図4は、回転軸Wに垂直な断面の図において、例えば、図3に従って工具ホルダ5に一体化された遊星歯車45を備える装置の遊星ギア40の詳細を示しているが、図4ではそのうち1つのみが見える。
【0138】
遊星ギア40は、軸42を有するリングギア41を備え、これとは別に、図4には示されておらず、工具ホルダ5の第2の遊星歯車が通る第2のリングギアをさらに備えることができる。
【0139】
遊星歯車45の軸46は、回転軸Wと同軸である。また、軌道周回体軸V(工具キャリアの軌道周回運動の軸に対応する)は、リングギア41の軸42と同軸である。
【0140】
遊星ギア40の適切な寸法設定により、例えば、各軌道によって、工具2が、例えば加工片1との係合が終了される工具キャリア5の周回経路U(図1参照)に沿った特定の位置において同じ方位角位置整合を有することを確実にすることができる。
【0141】
2つのリングギアおよび2つの遊星歯車を有する遊星ギアの代わりに、遊星ギアは、例えば、1つ以下のリングギアおよび1つ以下の遊星歯車を用いて実現することもできる。
【0142】
2つの工具係合が各工具係合と共に、具体的には、長手方向軸に対して互いに対向し、特に同じ位置において(長手方向軸Zに対して)軸方向にも対向する加工物1の位置で行われる場合、工具ホルダ10に対する機械的要求を大幅に低減することができる。
【0143】
図5は、2つのプロファイリングヘッド3a、3bを有する装置100の詳細を示しており、さらに半径方向送りが記号化されている。軌道周回体(各々が少なくとも1つの工具キャリアを含む)および設けられている限り、遊星ギアは、プロファイリングヘッド3a、3bに取り付けることができる。
【0144】
プロファイリングヘッド3a、3bまたはそれらに取り付けられた部品は、本質的に同じタイプのものであり得るが、運動に関して鏡像化されるように設計され得る。
【0145】
これにより、図5に記号化された様式で示されている加工片1(破線)は、長手方向軸Zに対して互いに対向する2つの工具によって鏡像化されるように機械加工することができる。
【0146】
したがって、2つの軌道周回体の運動は、互いに同期させることができ、または1つの同じ運動、例えば1つの同じ回転駆動から生じることができる。また、1つまたは複数のリングギアを、プロファイリングヘッドの各々に固定することができる。
【0147】
機械加工の過程で、工具を半径方向に、したがって長手方向軸に垂直な方向に送ることができることが有利であり得る。なぜなら、出現する過程にあるプロファイル間隙は、係合の数が増加するにつれて深くなるためである。これは、単一のプロファイリングヘッドのみが設けられている場合、または工具係合が片側からのみ行われる場合、または単一の工具のみによって同時に行われる場合にも当てはまる。
【0148】
そのような半径方向送り運動は、図5において、L2で示される白色矢印によって表されている。これは、長手方向軸に対して垂直に延在し、工具ホルダの軌道周回運動によって記述される平面に平行な軸に沿って行うことができる。
【0149】
このために、半径方向送りのための駆動部A2を設けることができる。
半径方向送りによって、工具ホルダの軌道または運動経路は、図6A図6Cに概略的に示すように、軌道周回運動Uと(直線)半径方向送り運動との重ね合わせから生じる。
【0150】
ここで、図6Aは、工具ホルダの周回経路Uを表す。
図6Bは、半径方向送り運動L2を表す。
【0151】
図6Cは、軌道周回運動Uと半径方向送りL2との重ね合わせとして生じる工具ホルダの軌道Tを表す。ここで、実際には、おおよそ円形の軌道構成要素間の距離は、明確にするために図6Cに表されているものよりもはるかに小さい。
【0152】
図7は、各々が2つの工具2a1、2a1’および2a2、2a2’をそれぞれ有する3つの工具ホルダ5a1、5a2、5a3および5b1、5b2、5b3を各々備える2つのプロファイリングヘッドを有する装置100の詳細を示す。
【0153】
いくつかの工具ホルダ5a1、5a2、...が(場合によってはプロファイリングヘッドごとに)設けられることによって、いくつかの係合部が軌道周回体の軌道ごとに行うことができ、これにより、より迅速な機械加工がもたらされ、したがって、短時間でのプロファイルの作成を可能にすることができる。
【0154】
工具ホルダごとにいくつかの工具が提供されることにより、それらの耐用年数を延ばすことができ、したがって、より長い中断のないプロファイルが可能になる。例えば、第2の同期デバイスS5(図1参照)は、工具ホルダごとにn個の工具が与えられた場合、軌道周回体8の1つの軌道の後、工具キャリア5(例えば、加工片1との係合が終了される)の周回経路U(図1参照)に沿った特定の位置にある工具の各々が、周回の開始時の方位角方向位置と360°/nだけ異なる方位を有するように構成することができる。この差は、360°および360°の倍数と異なる限り、360°/nの倍数であってもよい。
【0155】
図7には、本明細書に記載の方法によって、2つのプロファイル画定構造間、例えば2つの加工片肩部13、13’間のプロファイルを作成することもでき、プロファイルは各々プロファイル画定構造まで到達することができることがさらに示されている。
【0156】
長手方向軸Zに垂直な断面において、図8は、記載された方法または記載された装置によって生成することができるプロファイルPを含むプロファイル体1pを示す。プロファイルは、複数のプロファイル間隙plを含む。これらのプロファイル間隙plの各々は、図8による断面において、生成されるプロファイル間隙plの形状に本質的に対応する形状を有するアクティブ領域21を各々含む1つまたは複数の工具2の複数の係合を連続的に実行することによって生じている。
【0157】
プロファイル体1pは、外側プロファイリングされたマンドレル6に着座し、外側に突出する肩部13を備える中空部品である。プロファイリングされたマンドレル6を使用するために、本方法によって外側プロファイルを生成することができるだけでなく、同時に内側プロファイルも生成することができる。
【0158】
プロファイリングされていないマンドレル上に着座する中実部品または中空部品が与えられると、内側プロファイルが同時に同時生成されることなく外側プロファイルを生成することができる。
【0159】
さらに、中空部品に外側プロファイルを生成することなく、中空部品に内側歯部を生成することが可能である。これを図9に示す。
【0160】
図9は、長手方向軸に垂直な断面において、外側プロファイリングされているマンドレル6に着座し、説明した方法で工具2によってまさに機械加工されようとしている加工片1の詳細を示している。次いで、加工物1の材料が、機械加工によってプロファイル間隙6p内に成形される。工具2は、広範なアクティブ領域を有する。
【0161】
図10は、長手方向軸Zを含む断面において、かつ一例として、加工片1の加工領域11の外面を円筒状に設計する必要はなく、例えば図示のように円錐状に設計することができることを示す。
【0162】
図11は、長手方向軸Zに垂直な断面において、かつ一例として、加工片1の加工領域11の外面11aが必ずしも回転対称である必要はなく、例えば図示のように多角形であってもよいことを示す。図11には、外面11aが6つの部分表面を含む場合を示しているが、より多くの部分表面を含む外面11aを想定することもできる。加工片1は、例えば関連する加工領域内でプリズム状に設計することができる。
【0163】
図12は、半径方向外側に立つ2つの軸方向に離間したプロファイル画定構造13、13’を有する加工片1またはプロファイル体1pの一例を示す。記載された方法によって生成されたプロファイル間隙plを有するプロファイルPは、これに到達する。
【0164】
プロファイル画定構造はまた、加工領域の隣接する区画に対して半径方向内側に向けられてもよい。図13は、この例を示し、加工領域12の端部のプロファイル画定構造13は半径方向内側に向けられ、加工領域11の他端のプロファイル画定構造13’は半径方向外側に向けられる。
【0165】
図14は、例として、プロファイル画定構造によって加工領域11を必ずしも片側または両側で画定する必要がないことを示す。加工領域11の両端がプロファイル画定構造に隣接していないプロファイル体が示されている。
【0166】
図15は、例として、加工片1のプロファイル画定構造13が回転対称である必要がないことを示す。図示の例では、異なる方位角位置に局在する半径方向外側に突出するいくつかの加工片突出部が設けられている。
【0167】
長手方向軸Lに垂直な断面において、図16は、プロファイル間隙1pが方位角方向に不均一に分布するプロファイルを有する加工片またはプロファイル体1pを示す。周縁にわたって均一に分布するプロファイル間隙が好ましいが、プロファイル間隙plの方位角方向に不規則な配置が有利である用途がある。
【0168】
当然のことながら、単一の加工片は、例えば互いに軸方向に距離を置くことができ、本明細書に記載された方法で各々にプロファイルが設けられた2つ以上の異なる加工領域を含むことができる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16