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  • 特許-ソレノイドアセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】ソレノイドアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/46 20060101AFI20231026BHJP
   F16F 9/34 20060101ALI20231026BHJP
   F16F 9/19 20060101ALI20231026BHJP
   B60G 13/08 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
F16F9/46
F16F9/34
F16F9/19
B60G13/08
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022153670
(22)【出願日】2022-09-27
(65)【公開番号】P2023053911
(43)【公開日】2023-04-13
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】17/492,534
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202210945812.8
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510288840
【氏名又は名称】ベイジンウェスト・インダストリーズ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BEIJINGWEST INDUSTRIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.85 Puan Road,Doudian Town,Fangshan District,Beijing,The People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(74)【代理人】
【識別番号】100175617
【弁理士】
【氏名又は名称】三崎 正輝
(72)【発明者】
【氏名】インコ アイ.グラジェダ
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0271371(US,A1)
【文献】特開2018-80833(JP,A)
【文献】特開2008-89037(JP,A)
【文献】特開平04-307135(JP,A)
【文献】特開2019-160994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 9/00-9/58
B60G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアヘッド(78)およびコアボディ(76)を有するコア(74)と、
空間(82)を形成するよう前記コアボディ(76)の周囲に延設されるスプール(80)と、
前記空間(82)において前記スプール(80)に巻き付けられるコイル(84)と、
前記スプール(80)と前記コアヘッド(78)との間に少なくとも部分的に配置されるインダクションプレート(90)と、
を備える車両のサスペンションシステム(20)のためのソレノイドアセンブリ(48)。
【請求項2】
請求項1に記載のソレノイドアセンブリ(48)であって、前記インダクションプレート(90)は、前記スプール(80)と前記コアヘッド(78)との間に配置される最上部リング部(92)を有するソレノイドアセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のソレノイドアセンブリ(48)であって、前記最上部リング部(92)の内径部分は、前記コイル(84)の巻き付き部分の内径部分よりも径方向内側に位置するソレノイドアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のソレノイドアセンブリ(48)であって、前記最上部リング部(92)の外径部分は、前記コイル(84)の巻き付き部分の外径部分よりも径方向外側に位置するソレノイドアセンブリ。
【請求項5】
請求項2に記載のソレノイドアセンブリ(48)であって、インダクションプレート(90)は、前記コアヘッド(78)の周囲を囲繞するように係合するように前記最上部リング部(92)から延設されるブリッジ部(94)を有するソレノイドアセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載のソレノイドアセンブリ(48)であって、前記インダクションプレート(90)は、さらに、前記ブリッジ部(94)から径方向外側へ延設されるフック部分(96)を有するソレノイドアセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載のソレノイドアセンブリ(48)であって、空間が前記フック部分(96)と前記ブリッジ部(94)との間に形成されており、Oリング(98)が前記空間に配置されるソレノイドアセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載のソレノイドアセンブリ(48)であって、溶接境界面(100)が、前記インダクションプレート(90)と前記コア(74)との間に配置されており、溶接境界面(100)が、前記インダクションプレート(90)と前記コア(74)を接続しているソレノイドアセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載のソレノイドアセンブリ(48)であって、前記インダクションプレート(90)は、導電率が少なくとも1,100,000ジーメンス/mである材料で形成されているソレノイドアセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載のソレノイドアセンブリ(48)であって、前記インダクションプレート(90)は銅で形成されているソレノイドアセンブリ。
【請求項11】
請求項9に記載のソレノイドアセンブリ(48)であって、前記インダクションプレート(90)はアルミニウムで形成されているソレノイドアセンブリ。
【請求項12】
請求項9に記載のソレノイドアセンブリ(48)であって、前記インダクションプレート(90)はステンレス鋼で形成されているソレノイドアセンブリ。
【請求項13】
請求項12に記載のソレノイドアセンブリ(48)であって、
前記スプール(80)と前記コア(74)と前記インダクションプレート(90)との周囲に延設される本体(54)を備えており、
前記本体(54)は、前記コイル(84)に電気的に接続されるよう配置されるケーブル(50)を収容するためのカラー通路(66)が形成されているカラー部(64)を有するソレノイドアセンブリ。
【請求項14】
軸(A)に沿って第一端部(26)と第二端部(28)との間で延設されるとともにチャンバ(36,38)を形成する外側リザーバチューブ(24)と、
前記チャンバ(36,38)内に少なくとも部分的に配置されるピストンアセンブリ(30)であって、ピストンロッド(32)とピストンヘッド(34)とを有しているピストンアセンブリ(30)と、
前記ピストンロッド(32)に接続される請求項1~13のいずれか1項に記載のソレノイドアセンブリ(48)と、
を備える車両のサスペンションシステム(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、サスペンションシステムのためのソレノイドアセンブリおよびソレノイドアセンブリを備えるサスペンションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車といった車両は、一般的に、車両の車輪と車体または基礎構造との間に装着される緩衝装置(アブソーバ)ユニットを有するサスペンションシステムを備える。車両の車輪または他の部分への力からエネルギーを吸収することによって車輪が走行面と接し続けるよう、サスペンションシステムが、通常、車両と一体的に構成されている。技術の進歩に伴い、種々のタイプのアブソーバユニットが開発されている。特に普及している一のタイプのアブソーバユニットは、二つの異なる剛性設定のうちの一方で動作可能に構成されている。二つの異なる剛性設定は、「快適モード」および「スポーツモード」としてもよく知られている。
【0003】
このような従来技術の一つのアブソーバユニットは米国特許第10746247号明細書に開示されている。アブソーバユニットは、中心軸上に配置されるピストンアセンブリを有する。ピストンアセンブリは、中心軸上に配置されるとともにピストンヘッドに取り付けられるピストンロッドを有する。調節器(レギュレータ)が、ピストンロッドに取り付けられて、ピストンヘッドを受ける隔室を形成している。レギュレータは、第一孔と第二孔とを有する。制限器(リストリクタ)は、隔室を第一部分と第二部分とに分割する。アクチュエータが、隔室内に配置されるとともに、開位置と閉位置との間で移動可能である。動作剛性設定間での切り換えを行うために電磁場を生成するコイルが、コアの周囲に配置される。剛性設定間での切り換え時に、コイルへの入力周波数に変化に反応する磁力脈動(リップル)の結果、不安定となりシステム挙動が快適モードまたはスポーツモードから外れてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第10746247号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、磁力リップル反応を低減しながら剛性のモード切り換えを可能にするサスペンションシステムの動作構成および効率を向上することが求められ続けている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上では、以下の本発明の詳細な説明をより理解しやすくするために、本発明の特徴および技術的利点を概括的に概説した。本発明の特許請求の範囲の主題を形成している本発明のさらなる特徴および利点を以下に説明する。開示する概念および特定の態様を、本発明の同じ目的を実施するために変更し他の態様を設計することによってもそのまま利用できることは、当業者には理解されよう。また、添付の請求項に記載する本発明の精神および範囲から逸脱しないこのような均等物に相当する態様を、当業者は実現できよう。ここでの記載事項は、本開示の概略的要約を提供するものであって、本開示に関係する対象、面、特徴および利点のすべてを完全に包括的に列記するものではない。
【0007】
本発明は、剛性のモード切り換えを可能にするサスペンションシステムに、コイルへの入力周波数に変化に起因する磁力リップルを低減するまたは排除するインダクションプレートを提供することによって、その動作構成および効率を向上させるソレノイドアセンブリを備えるサスペンションシステムを提供する。
【0008】
本発明の一の面では、車両のサスペンションシステムのためのソレノイドアセンブリを提供する。ソレノイドアセンブリは、コアヘッドとコアボディとを有するコアを備える。スプールが、空間を形成するようコアボディの周囲に延設される。コイルが、空間においてスプールに巻き付けられる。インダクションプレートが、スプールとコアヘッドとの間に少なくとも部分的に配置される。
【0009】
本発明の他の面では、車両のサスペンションシステムを提供する。サスペンションシステムは、軸に沿って第一端部と第二端部との間で延設されるとともにチャンバを形成する外側リザーバチューブを備える。ピストンアセンブリは、チャンバ内に少なくとも部分的に配置される。ピストンアセンブリは、ピストンロッドとピストンヘッドとを有する。ソレノイドアセンブリは、ピストンロッドに接続される。ソレノイドアセンブリは、コアヘッドとコアボディとを有するコアを備える。スプールが、空間を形成するようコアボディの周囲に延設される。コイルが、空間においてスプールに巻き付けられる。インダクションプレートが、スプールとコアヘッドとの間に少なくとも部分的に配置される。
【0010】
適用可能性のあるさらなる分野があることは、ここで提供する記載から明らかとなろう。この要約における説明および具体例は、説明の目的のみを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0011】
本発明の他の利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明からより理解され、明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の原理にかかるサスペンションシステムの斜視図である。
図2図1におけるサスペンションシステムのピストンアセンブリの斜視図である。
図3図2におけるピストンアセンブリのピストンヘッドの断面斜視図である。
図4】ソレノイドアセンブリおよびインダクションプレートを示す、図3におけるピストンヘッドの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、例示の実施形態を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。概して、本実施形態は、車両のサスペンションシステムのためのソレノイドアセンブリに適用されたものである。なお、例示の実施形態を、本開示が詳細でありその範囲を当業者に十分に伝えるためにのみ、提供する。本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、例えば構成部品、デバイスおよび方法の例といった多数の具体的な細部を説明する。具体的な細部を必ずしも用いる必要はなく、例示の実施形態をいくつかの異なる態様で実現でき、本開示の範囲を限定するものではないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示の実施形態において、周知のプロセス、周知のデバイス構造および周知の技術は詳細には説明しない。
【0014】
図面を参照して、ソレノイドアセンブリを備えるサスペンションシステムを説明する。図面では、対応する部品には同じ符号を付している。本ソレノイドアセンブリは、剛性のモード切り換えを可能にするサスペンションシステムに、コイルへの入力周波数に変化に起因する磁力リップルを低減するまたは排除するインダクションプレート(誘導プレート)を提供することによって、その動作構成および効率を向上させる。
【0015】
まず図1を参照して、サスペンションシステム20は、チャンバ36,38を形成する外側リザーバチューブ24を有する。外側リザーバチューブ24は、軸Aに沿って第一端部26と第二端部28との間で延設される。サスペンションシステム20は、チャンバ36,38内に配置されるとともに軸Aに沿って延設されるピストンアセンブリ30を有する。ピストンアセンブリ30は、リザーバチューブ24の内径と同様な大きさに構成されるピストンヘッド34へと延設されるピストンロッド32を有する。ピストンヘッド34は、チャンバ36,38を圧縮(コンプレッション)チャンバ36と反発(リバウンド)チャンバ38とに分割する。圧縮チャンバ36は、第二端部28とピストンヘッド34との間に形成される。反発チャンバ38は、第一端部26とピストンヘッド34との間に形成される。動作において、ピストンヘッド34は、圧縮時には第一端部26から第二端部28へと向かって(すなわち圧縮方向に)移動し、反発時には第二端部28から第一端部26へと向かって(すなわち反発方向に)移動する。サスペンションシステム20を関連車両に接続するために、取付けリング40を第二端部28に配置することができる。ロッド案内(ガイド)スリーブ42を第一端部26に配置することができる。ロッドガイドスリーブ42は、外側リザーバチューブ24を囲繞する軸方向延設部44と、第一端部26を被覆する径方向延設部46と、を有する。径方向延設部46には、ピストンロッド32を摺動可能に収容し案内するための開口部が形成される。
【0016】
ソレノイドアセンブリ48が、ピストンヘッド34をピストンロッド32に接続するよう、ピストンロッド32の遠端部とピストンヘッド34との間に延設される。これにより、ピストンロッド32によって、ピストンヘッド34を圧縮行程(ストローク)と反発ストロークとの間で容易に移動させることができる。ケーブル50が、ピストンロッド32に形成される通路52(図2および図3)を通ってソレノイドアセンブリ48に電気的に接続され、これにより、電磁場を生成するよう電流をソレノイドアセンブリ48へ供給することができる。
【0017】
図2は、内部にある内部構成部品を示すためにピストンヘッド34およびソレノイドアセンブリ48の一部を切り取った、ピストンアセンブリ30の斜視図である。図3は、図2におけるピストンヘッド34およびソレノイドアセンブリ48の拡大図である。ソレノイドアセンブリ48は、略円筒状である本体54と、同じく略円筒状でありピストンロッド32の遠端部に隣接して配置される最上部56と、を有する。最上部56は、中心軸Aを中心として環状にかつ中心軸Aから径方向外側へ延設される。本体54はさらに、中心軸Aを中心として環状に、最上部56から径方向外側で近端部60へと延設される底部58を有する。本体54は、ピストンヘッド34を受けるよう、最上部56と近端部60との間で延びる隔室62を形成する。換言すると、底部58は、ピストンヘッド34とピストンロッド32との間で延設されて、ピストンヘッド34とピストンロッド32とを接続している。ある態様では、本体54はさらに、ピストンロッド32の通路52に配置されているとともに軸Aに沿って延設されて本体54をピストンロッド32に接続する略円筒状のカラー部64を有することができる。カラー部64は、さらに、ケーブル50を収容しケーブル50をソレノイドアセンブリ48に接続するよう、中心軸Aに沿って延びるカラー通路66を有することができる。ある態様において、本体54には、少なくとも一の第一孔68と少なくとも一の第二孔70とが形成される。少なくとも一の第二孔70は、少なくとも一つの第一孔68から軸方向に間隔を空けて配置される。ある態様では、少なくとも一の第一孔68には、軸方向において位置が合わせられ、周方向に配置される複数の第一孔68が含まれる。ある態様では、少なくとも一の第二孔70には、軸方向において位置が合わせられ、周方向に配置される複数の第二孔70が含まれる。ベアリングリング71を、最上部56の外面とピストンロッド32との間に配置することができる。
【0018】
アクチュエータ72を、隔室62内に少なくとも部分的に配置することができる。アクチュエータ72は、閉位置と開位置との間で移動可能である。閉位置においては、アクチュエータ72が、第一孔68および第二孔70のうちの少なくとも一方からの流体の流れを制限し、これにより、より剛性が高い吸収特性が得られる。開位置においては、第一孔68および第二孔70を通る流体の流れが制限されず、剛性が低い吸収特性が得られる。
【0019】
ソレノイドアセンブリ48は、隔室62内にアクチュエータ72に隣接して配置されるコア74を有する。コア74は、ピストンヘッド32へと向かってコアヘッド78まで延設されるコア体(ボディ)76を有することができる。コアヘッド78は、コアボディ76から径方向外側へと延設される。凸部79は、コアヘッド78からコアボディ76の反対側へと軸方向に延設される。スプール80は、コアボディ76の周囲に延設される。また、スプール80は、内径および外径を有するリング状の巻き線を形成するようスプールの周囲に巻き付けられるコイル84を配置するための空間82を形成する。ケーブル50は、電磁場を生成するために、コイル84に電気的に接続される。アクチュエータ72は、コアボディ76とは反対側に、コアヘッド78と当接するプランジャ86を有する。ある態様では、プランジャ86の外径はコアヘッド78の外径と同じである。プランジャ86は、コアヘッド78から第二端部28へと向かって延設される。プランジャ案内部(ガイド)88が、プランジャ86の周囲を囲繞するように係合するように、プランジャ86の周囲に延設される。ある態様では、プランジャ86は、磁性材料で形成することができ、この場合、プランジャ86は電磁場の有無に応じて開位置と閉位置との間で移動する。ある態様では、プランジャガイド88は、磁束をプランジャ86へ案内することができる。より具体的には、閉位置においては、プランジャ86が、コア74へと向かって移動して、第一孔68および第二孔70の少なくとも一方を通る流体の流れを制限し、これにより、より剛性が高い減衰特性が得られる。開位置においては、プランジャ86が、コア74から離れるよう移動して、流体が第一孔68および第二孔70を通って流れることが可能となり、これにより、剛性が低いすなわち柔らかい減衰特性が得られる。
【0020】
次に図3および図4を参照して、ソレノイドアセンブリ48をさらに詳細に説明する。ソレノイドアセンブリ48は、コイル84の下方に配置されるインダクション(誘導)プレート90を有する。誘導プレート90を、環状に形成し、スプール80と当接するよう配置することができる。誘導プレート90を、ステンレス鋼、鋼合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金で形成することができる。ある態様では、インダクションプレート90は、導電率が少なくとも1,100,00ジーメンス/mである材料、導電率が1,100,000のジーメンス/mである鋼材料、導電率が38,000,000のジーメンス/mであるアルミニウム材料、導電率が58,700,000のジーメンス/mである銅材料、またはそれらの組み合わせで形成される。インダクションプレート90は、スプール80とコアヘッド78との間で挟持される最上部リング部92を有する。最上部リング部92は、コイル84の巻き付き部分の内径部分よりも径方向内側に位置するような内径を有することができる。さらに、最上部リング部92は、コイル84の巻き付き部分の外径部分よりも径方向外側に位置するような外径を有することができる。ある態様では、最上部リング部92の外径部分は本体54の底部58と当接し、最上部リング部92の内径部分はコアボディ76の外径部分と当接する。インダクションプレート90はさらに、第二端部28へと向かってコイル84から離れるよう軸方向に延設される連結(ブリッジ)部94を有することができる。ブリッジ部94を、コアヘッド78の外径部分の周囲を囲繞するように係合させるとともに、本体54の底部58から間隔を空けて配置することができる。屈曲(フック)部96が、ブリッジ部94から径方向外側へ延設されて、本体54の底部58と当接する。最上部リング部92とブリッジ部94とフック部96と本体54の底部58とによって形成される空間に、Oリング98が配置される。ある態様では、少なくとも一の第一溶接境界面100を、インダクションプレート90とコア74との間に形成することができる。ある態様では、少なくとも一の第二溶接境界面102を、インダクションプレート90と本体54との間に形成することができる。こうすることによって、インダクションプレート90は、流体から分離するようソレノイドアセンブリ48の各部を密封するように封止することができる。
【0021】
動作時に、関連するコントローラは、コイル84への電流供給を制御する。ある態様では、この電流供給の周波数は約2kHzである。電流がコイル84に供給されるとき、電流の変化によって磁場が増減する。この磁場の増減によって、ソレノイドアセンブリ48全体にわたって渦電流が誘導される。この渦電流によって、インダクションプレート90に逆向きの磁場が誘導され、これにより、磁場の増減の磁力リップルを減じることができる。
【0022】
実施形態に関する上記の説明は例示のためのものであることは理解されよう。つまり、本開示の主題は、他を排除するものではなく、本開示にのみ限定されるものではない。特定の実施形態のそれぞれの要素または特徴はその特定の実施形態に必ずしも限定されるものではなく、特段の定めや記載がない限り、適用可能な場合には実施形態間で置き換え可能である。それぞれの要素または特徴は、種々の変形が可能である。このような変形は、本開示から逸脱するものではなく、このような変更はすべて本開示の範囲内にある。
【符号の説明】
【0023】
20 サスペンションシステム
24 外側リザーバチューブ
26 第一端部
28 第二端部
30 ピストンアセンブリ
32 ピストンロッド
34 ピストンヘッド
36 圧縮チャンバ
38 反発チャンバ
40 取付けリング
42 ロッドガイドスリーブ
46 径方向延設部
48 ソレノイドアセンブリ
50 ケーブル
52 通路
54 本体
56 最上部
58 底部
60 近端部
62 隔室
64 カラー部
66 カラー通路
68 第一孔
70 第二孔
71 ベアリングリング
72 アクチュエータ
74 コア
76 コアボディ
78 コアヘッド
79 凸部
80 スプール
82 空間
84 コイル
86 プランジャ
88 プランジャガイド
90 インダクションプレート
92 最上部リング部
94 ブリッジ部
96 フック部
98 Oリング
100 第一溶接境界面
102 第二溶接境界面
A 軸
図1
図2
図3
図4