(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】分離可能な基部を有する音声起動式電子装置アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20231026BHJP
H04R 1/40 20060101ALI20231026BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
H04R1/02 101Z
H04R1/40 310
H04R3/00 310
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022161769
(22)【出願日】2022-10-06
(62)【分割の表示】P 2019517941の分割
【原出願日】2017-10-03
【審査請求日】2022-11-04
(32)【優先日】2017-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タク,ジュン・グン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,エイミー
(72)【発明者】
【氏名】マクレラン,ウィラード
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/054100(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/136062(WO,A1)
【文献】特開2005-159863(JP,A)
【文献】特開2007-174271(JP,A)
【文献】実開平6-1821(JP,U)
【文献】ELECOM,Bluetoothワイヤレスポータブルスピーカー LBT-SPP500シリーズ,取扱説明書,2014年,インターネット<URL:https://www.elecom.co.jp/support/manual/avd/speaker/lbt-spp500/lbt-spp500_v1.pd
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00- 1/08
H04R 1/20- 1/40
H04R 3/00- 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置であって、
上部部分及び基部を含む外面を備え、前記上部部分及び前記基部は分離可能であり、前記上部部分は上面及び第1の周囲を有し、前記基部は底面及び前記底面に連続する第2の周囲を有し、前記上面、第1の周囲の断面、底面、及び第2の周囲の断面の各々は実質的に円形であり、前記基部の前記第2の周囲は、音響透過性の壁を含み、
前記外面内に隠されている2つ以上のスピーカをさらに備え、前記2つ以上のスピーカの少なくとも1つは前記上部部分に取り付けられて前記上部部分の下方に延在し、前記2つ以上のスピーカの少なくとも1つは前記基部の前記音響透過性の壁に面
し、
前記上部部分に結合されて少なくとも一部が前記基部内に収容される電子部品をさらに備え、
前記電子部品は第1の電気コネクタを含み、前記第1の電気コネクタは、前記基部の開口部を通して外部電源コネクタに接続されたとき、前記電子部品に電力を供給するように構成され、前記基部の前記開口部は、前記上部部分と前記基部とが接合されたときに前記第1の電気コネクタと位置合わせされ、
前記第1の電気コネクタは、前記外部電源コネクタと電気的に結合するように構成される、電子装置。
【請求項2】
オーディオ入力を受けるように構成された1つ以上のマイクロフォンと、
前記上部部分内に装着される1つ以上のディスプレイLEDと、
前記マイクロフォン、前記2つ以上のスピーカ、および前記1つ以上のディスプレイLEDに電気的に結合される1つ以上のプロセッサと、
前記基部に配置され、外部電源に結合して前記電子装置に電力を供給するように構成された電源コネクタとをさらに備える、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記2つ以上のスピーカは少なくとも2つの別個の方向を向く、請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記上部部分及び前記基部は、接合位置と分離位置との間で移動可能であり、前記上部部分及び前記基部が前記接合位置にあるとき、前記上部部分の第1の外面及び前記基部の第2の外面が前記電子装置の全体の外面を形成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項5】
前記基部は円形開口部を有し、前記上部部分及び前記基部は、前記基部の前記円形開口部を通って前記2つ以上のスピーカを移動させることによって、前記分離位置から前記接合位置に移動するように構成される、請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記基部は、前記基部の前記円形開口部とは別個の第1の開口部をさらに含み、前記基部の前記第1の開口部は、前記基部の底部側に位置し、前記上部部分と前記基部とが前記接合位置にあるときに前記上部部分の底部側を露出させるように構成される、請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記基部の前記第1の開口部は円形であり、前記基部の前記円形開口部と環を形成する、請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
前記基部の前記音響透過性の壁は、前記2つ以上のスピーカによって提供される音が前記電子装置から流れ出るように構成された多孔性の壁を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項9】
前記上部部分及び前記基部は、前記分離位置と前記接合位置との間で前記上部部分及び前記基部を移動させるように、前記上部部分及び前記基部の一方又は両方を人間が手動操作することによって、確実に接合され分離されるように構成される、請求項4~7のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項10】
前記第1の電気コネクタは、前記電子部品の基面と実質的に同一平面上にあるパターンに形成される複数の第1の電気接点を含み、
前記第1の電気コネクタの前記第1の電気接点は、前
記外部電
源コネクタの対応する第2の電気接点と電気的に結合するように構成される、請求項1に記載の電子装置。
【請求項11】
前記第1の電気コネクタは、前記電子部品に有線ネットワーク接続を提供して高速ネットワーク動作を可能にするように構成される、請求項
1に記載の電子装置。
【請求項12】
前記第1の電気コネクタは、前記電子部品によって実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションにより与えられるデジタル信号を出力するように構成され、前記デジタル信号は、ビデオ情報、オーディオ情報、可聴命令を含むユーザインタラクション情報、制御データ、及び位置情報のうち1つ以上を伝達する、請求項
1~11
のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項13】
前記電子部品は、ユーザから前記電子部品の機能を介して伝達されるユーザゲーミング入力
を出力するように構成される、請求項
1~12のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項14】
前記電子部品は
、携帯電子システムの動作を制御するために、その電子部品の機能により伝達される制御情報を出力するように構成され、前記機能は、ユーザコマンド及び前記電子部品によって実行されるアプリケーションの出力のうち、1つ以上を反映している、請求項
1~13のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項15】
前記第1の電気接点は実質的に平坦でありかつ前記基部は実質的に平坦であるため、前記電子装置は、実質的に平坦な外部電源及び/又はデータコネクタの前記対応する第2の電気接点に接続することができる、請求項1
0に記載の電子装置。
【請求項16】
前記上部部分は、第1の取り付け構造を有する第1の内面と、前記第1の内面を越えて前記第1の取り付け構造と反対方向に延在する第1の外面とを含み、
前記基部は、第2の取り付け構造及び円形開口部を有する第2の内面と、第2の外面とを含み、
前記第1及び第2の内面は適合性のある形状を有し、前記上部部分及び前記基部が接合位置にあるとき、前記第1及び第2の内面は前記第1及び第2の取り付け構造間の相互作用を可能にする入れ子配置を形成しかつ前記上部部分は前記基部に接する、請求項1~3のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項17】
前記第1及び第2の取り付け構造は、前記上部部分及び前記基部が接合されたとき、磁気引力を介して互いに確実であるが分離可能な接続を形成するように構成される、請求項16に記載の電子装置。
【請求項18】
前記第1及び第2の取り付け構造が、互いに第1の好ましい向きにあるとき、前記第1及び第2の取り付け構造間の前記磁気引力が最も強く、前記第1の好ましい向きは、前記第1及び第2の取り付け構造が互いに取り得る向きの一部である、請求項17に記載の電子装置。
【請求項19】
前記外面の側面の少なくとも一部はテーパ状である、請求項1~18のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項20】
オーディオ入力を受けるように構成された1つ以上のマイクロフォンと、
前記上部部分内に装着される1つ以上のディスプレイLEDとをさらに備え、前記1つ以上のディスプレイLEDは、前記1つ以上のマイクロフォンによって取り込まれたユーザからの音声の要求に関連する音声処理の状態を示すように構成される、請求項1に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願はスマートホーム又はスマートメディア環境においてユーザインターフェースとして使用される音声起動式電子装置を提供するための方法及びシステムを含むが、これらの方法やシステムに限定されないコンピュータ技術に一般的に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロフォンと一体化された電子装置は、ユーザからの音声入力を収集し、音声入力に従って異なる音声起動機能を実施するために広く使用されてきた。例えば、多くの最先端のモバイル装置は、電話をかけたり、レストランを検索したり、地図上でルーティングを開始したり、カレンダーで予定を作成したり、ソーシャルネットワークへの投稿を追加したり、曲を認識したり、その他多くのタスクを完了させたりするのに、音声入力を使用するように構成された音声アシスタントシステム(例えば、Google Assistant)を含む。携帯装置は、音声入力を行うユーザが音声入力を介して要求されたタスクの状態をチェックすることを可能にするディスプレイ画面をしばしば含む。いくつかの実装形態では、比較的単純な構造を有し低コストで作られた電子装置が、携帯装置によって提供されるものと同様の音声起動機能を実装するために用いられている。ディスプレイ画面をそのような電子装置に搭載することは、装置のコストを大幅に増加させる。したがって、一つ以上のマイクロフォンを含み、音声インターフェイスとして機能する電子装置において、音声入力処理の状態を表示するための単純で低コストのユーザインターフェースに対してニーズがある。
【0003】
さらに、現在携帯装置に実装されている音声起動機能は、リモートサーバ(例えば、検索エンジン、ソーシャルネットワークサーバ、又は音声アシスタントサーバ)を含むインターネットを基礎とした機能に限定されている。音声起動機能の結果は、携帯装置自体(すなわち、音声入力を受信するために使用されるモバイル装置)に表示されるか、又はそれを制御するために使用され、ユーザがアクセス可能な他のリモート又はローカルの電子装置に影響を及ぼさない。したがって、音声起動式電子装置が、ユーザの音声入力に作用してユーザがアクセス可能な他のリモート又はローカルの電子装置に影響を及ぼすこと及び/又は制御することができれば、有用であろう。
【0004】
もしユーザが、音声起動機能から利益を得るであろう様々なスマートホーム及び/又は職場環境において、単一の音声起動式電子装置を便利に配備することができれば、ユーザにとって有用であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
スモールフォームファクタにおける音声アシスタント機能を提供する音声起動式電子装置が開示される。その音声アシスタント機能は、ユーザが自然言語音声コマンドによって一連の活動を実行することを可能にし、その一連の活動は、ローカル及びリモート電子装置を制御すること、リモートサーバへサービス及び情報の要求を発行すること、及び/又はそのユーザ又は他のユーザによる消費のために他の電子装置へメディア情報を送信することのうち一つ以上を含む。いくつかの実装形態において、音声起動式電子装置は、ユーザからの音声の要求に関連する音声処理の状態を示すために使用される、一つ以上のフルカラーLEDなどの視覚的表示器を含む。いくつかの実装形態において、音声起動式電子装置は、可聴情報をユーザに中継して、ユーザ要求(検索クエリ又はバスケットボールのスコアの要求など)に対する回答を提供したり、音声処理動作の状態を音声で提供したり
、選択した楽曲を演奏したり、及び/又は現在のニュース又は現在の天気予報の概要を読み上げたりするために用いることができる1つ以上のスピーカを含む。音声入力がユーザにとって便利であることを考えると、いくつかの実装形態では、ユーザが音声入力を利用することによって、リモートサーバ及び携帯装置から、インターネットを基礎としたサービス及び機能を要求することに加えて、ユーザにとってアクセス可能な他の電子装置を制御することを可能にする。
【0006】
したがって、関連するメディアプレーヤ装置上で音声起動機能を起動させたり、リモートサーバに情報要求を発行したり、可聴情報又はメディアを消費したり、及び/又は、スマートメディア又はスマートホーム環境において音声起動式電子装置内に結合されたスマートホーム又はスマートメディア装置を制御したりすることがユーザにとって可能になる、アイズフリーかつハンズフリーな音声インターフェイスを提供する電子機器の実装形態が、本明細書に記載されている。本明細書に記載の様々な実装形態において、スマートメディア環境は、1つ以上の音声起動式電子装置及び複数のメディア表示装置を含み、それらの装置はそれぞれ別個の場所に配置される。また、いくつかの実装形態において、これらのデバイスは、キャストデバイス(例えば、セットトップボックス、グーグルクロムキャスト(Google ChromecastTM)、スマートテレビ等)に結合される。これら装置は、ユーザによって口頭で特定されたメディアアイテムを再生するよう、音声起動式電子装置に対して発行された音声要求を介して指示され得る。
【0007】
いくつかの実装形態では、本明細書で説明されているスマートホーム環境は、音声起動式電子装置を使用して様々な音声起動機能を提供することができる広範囲の環境/アプリケーションを含む。例えば、これらのアプリケーションは、職場/オフィス環境における音声起動式電子装置の配備により、ユーザの音声入力に応答して、職場/オフィス装置を制御したり、環境内のディスプレイ上に情報を提供したりすることを含む。ネットワーク接続型の音声起動式電子装置は、適合性のあるフォームファクタ並びに電気的及び/又は機械的特徴を提供する交通、公共、スポーツ及び/又は類似の環境においても制限なく使用することができる。その適合性のあるフォームファクタ並びに電気的及び/又は機械的特徴は、便利な電気的接続を有する適合性のある電子機器を提供するため(例えば、データ信号及び/又は電力及び/又は追加のユーザインターフェース又はディスプレイを提供する/受け取るため)、及び物理的接続を提供するため(例えば、安全ではあるが、一時的に、装置を都合のよい場所に配置するため)のものである。
【0008】
例えば、本明細書に記載の物理的及び電気的接続の特徴を利用して、ユーザの単一の音声起動式電子装置を一時的に、ユーザの自動車、ユーザのオフィス、様々なホームエンターテイメント装置、又は公共の会議場に配備することができる。そして、使い慣れた音声インターフェイスを介して環境に適した音声起動機能を提供することができる(いくつかの例においては、特定のユーザを認識し、最適に対応するようにトレーニングされている)。さらに、適合性のあるフォームファクタ及び電気的及び/又は機械的機能を含む、本明細書に記載の装置接続機能は、複数の異なるタイプの適合性のある音声起動式装置及び適合性のある取り付け構造の開発を可能にする。これらは、異なる環境の間及び異なるアプリケーション間において、それぞれの音声起動式かつネットワーク方式の音声起動式装置を、ユーザが容易に接続したり移動したりすることを可能にする。集合的に又は個別的に、本願の目的に対して、これらの様々な環境及びアプリケーションはすべて、先述の装置接続及び携帯性機能の適用から利益を受けるであろうスマートホーム又はスマートメディア環境であると考えられる。
【0009】
ネットワーク接続型の音声起動式電子装置は、通常、スマートホーム環境の異なる場所の表面に配置される。そういうわけで、いくつかの実装形態においては、音声アシスタント電子装置は、スマートホーム環境全体に適合し及び/又はその環境全体を通して複数の
適合性のある表面及び装置と統合することができるフォームファクタ及び外観を有するように構成される。例えば、いくつかの実装形態においては、音声起動式電子装置は、様々なホーム環境における表面仕上げにより良く合致するように交換することができる分離可能な基部を含む。いくつかの実装形態において、分離可能な基部は、布地、皮革、金属、及び平滑など、様々な表面外観を有する分離可能なグリル(grill)である場合もある。
いくつかの実装形態においては、基部は、磁気吸引力を介して電子装置の上部部分に接続され、これにより、電子装置の基部及び上部部分を確実に固定するが、ユーザの手動操作を用いて分離可能にすることができる。いくつかの実装形態においては、基部と上部部分は、ねじれ動作とその後の分離動作によって分離でき、またいくつかの実装形態においては、分離動作のみで基部と上部部分を分離できる。
【0010】
いくつかの実装形態においては、基部は円形の断面を有し、第1の表面に円形の開口部を含む。その円形の開口部は、(電気装置の電子部品を含む)上部部分における電源及び/又はデータコネクタ(すなわち、電気コネクタ)を、その円形の開口部を通して適合性のある外部電源及び/又はデータコネクタに接続することを可能にする。いくつかの実装形態では、上部部分の電気コネクタは実質的に平面的である。したがって、本明細書の説明に従って設計された電子装置は、電力及び/又はデータを提供するか、又は電子装置によるデータ出力(例えば、その装置によって実行されるプログラムによって生成されたデータ)を受信する広範囲の異なる表面、適合性のある基部、ドック、及び/又は他の電子装置に対して、適合性のある外部電源及び/又はデータコネクタを介して結合できる。いくつかの実装形態においては、電子装置によって提供される電気コネクタは、実質的に平面的な配置の複数の小さな電気接点を含む。いくつかの例では、コネクタは、一列に配置された4つの電気の接点を含む。
【0011】
本願の一つの側面によれば、電子装置は、第1の取り付け構造を有する第1の内面と、第1の内面を越えて第1の取り付け構造と反対方向に延在する第1の外面を備えた第1の部分と、第2の取り付け構造と、円形の開口部を有する第2の内面を備えた第2の部分とを含む。第1及び第2の内面は、第2の部分の円形開口部を通じた第1の内面の移動によって、第1及び第2の部分を分離位置から接合位置に移動可能にする適合性のある形状を有する。それにより、第1の部分と第2の部分とが接合位置にある場合、第1及び第2の内面は、第1及び第2の取り付け構造の間での相互作用を可能にする入れ子状に配置され、延在部分は第2の部分に接する。第1及び第2の取り付け構造は、第1及び第2の部分が接合位置にあるときには、磁気吸引力を介して、確実ではあるが互いに分離可能であるような接続を形成するように構成される。第1の部分及び第2の部分は、第1の部分及び第2の部分の一方又は両方の人間による手動操作により、互いに確実に結合されるが分離可能である接続を形成して、第1の部分及び第2の部分を分離位置と接合位置との間で移動させるように構成される。
【0012】
本願の一つの側面によれば、電子装置のためのカバー部分は、第2の取り付け構造を有する第2の内面と円形開口部とを備えた基部を含む。基部は、第1の取り付け構造を有する第1の内面と、第1の内面を越えて第1の取り付け構造と反対方向に延在する第1の外面とを備えた、電子装置の第1の部分と接合するように構成される。第2の内面は、第1の内面が基部の円形開口部を通って移動できるように構成される。その結果、第1の部分と第2の部分とを、分離位置(例えば、
図2A)から接合位置(例えば、
図1A及び
図1B)に移動する場合に、第1及び第2の内面は、第1及び第2の取り付け構造の間での相互作用を可能にする入れ子状の配置を形成し、延在部分は第2の部分に接する。第2の取り付け構造は、第1及び第2の部分が接合位置にある場合に、磁気引力を介して第1の取り付け構造への確実ではあるが分離可能な接続を形成するように構成される。基部は、分離位置と接合位置との間で第1及び第2の部分を移動させるよう、第1の部分と第2の部分の一方又は両方の人間による手動操作により、第1の部分に確実に接合されかつ第1の
部分から分離可能であるように構成される。
【0013】
上記に記載された様々な実装形態のより良い理解のために、添付の図面と併せて、以下の実施についての説明を参照する必要がある。図面全体を通して、同様の参照番号は対応する部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】いくつかの実装形態に従う、例示的な音声起動式電子装置の正面図である。
【
図1B】いくつかの実装形態に従う、例示的な音声起動式電子装置の背面図である。
【
図2A】いくつかの実装形態に従うオープン構成における電子装置の基部に収容されたスピーカを示す例示的な音声起動式電子装置の斜視図である。
【
図2B】いくつかの実装形態に従う、スピーカを含む例示的な音声起動式電子装置の上部部分の底面図である。
【
図2C】いくつかの実装形態に従う、上部部分のスピーカを含むように構成された例示的な音声起動式電子装置の基部の上面図である。
【
図2D】いくつかの実装形態に従う、例示的な音声起動式電子装置の底面図であり、その装置において上部部分のスピーカは基部内に組み立てられる。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実装形態に従う、音声起動式電子装置及びドッキングデバイスを含む例示的な電子システムである。
【
図3B】いくつかの実装形態に従う、音声起動式電子装置の上部部分及びドッキングデバイスを含む別の例示的な電子システムである。
【
図3C】いくつかの実装形態に従う、音声起動式電子装置又は音声起動式電子装置の上部部分を受けるように構成された例示的なドッキングデバイスの上面図である。
【
図3D】いくつかの実装形態に従う、移動可能な音声起動式電子装置を受けるように構成された例示的な薄型ドッキングステーションである。
【
図4A】音声起動式電子装置がメディアプレーヤのドッキングインタフェース上に配置された、いくつかの実装形態に従う例示的な電子システムである。
【
図4B】いくつかの実施形態に従う例示的な電子システムであり、その電子システムにおいて、音声起動式電子装置の上部部分は、メディアプレーヤのドッキングインタフェース上に配置される。
【
図4C】いくつかの実施形態に従う例示的な電子システムであり、その電子システムにおいて、音声起動式電子装置の上部部分は、メディアプレーヤのドッキングインタフェース内に部分的に含まれる。
【
図5A】いくつかの実装形態に従う、出荷箱に梱包された音声起動式電子装置100の斜視図である。
【
図5B】いくつかの実装形態に従う、音声起動式電子装置を受けるように構成された例示的な出荷箱である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面全体を通して、同じ参照番号は、その対応する部分を指すものとする。
実装形態の説明
デジタル革命は今まで、情報のオープンな共有を可能にすることからグローバルな一体感に至るまで、多くの恩恵をもたらしてきた。しかし、新しく登場する新技術は、消費者の間で混乱、疑い、恐れをしばしば引き起こし、そのことは、消費者がその技術から恩恵を受けることを妨げる。電子装置は、ユーザからの音声入力を受信して音声起動機能を開始する音声インターフェイスとして便利に使用されている。それによって、電子装置は、
既存技術および新たに登場した技術の両方に対して簡単で生産的なユーザ対話を可能にするアイズフリーかつハンズフリーの解決策を提供する。具体的には、音声動作機能を備えた電子装置で受信された音声入力は、ユーザの視線が不明瞭でそのユーザの手が塞がっていたとしても、指示や情報を伝えることができる。ハンズフリー及びアイズフリーの体験を可能にするために、本発明に従う音声起動式電子装置は、常時またはそうするようにトリガされたときにのみ(例えば、電子装置の動作をトリガするための「ホットワード」をユーザが発話することを介して)、周囲を「聴取」する(すなわち、周囲から収集された音声信号を処理する)。一方、ユーザのアイデンティティは、ユーザの声およびユーザによって使用される言語に結び付けられる。ユーザのアイデンティティを保護するために、これらの音声起動式電子装置は、通常、保護され、管理された個人的な空間(例えば、家庭および車)である非公開の場所で使用される。しかし、公共の場所での使用も可能であり、本明細書に記載の装置の携帯性および接続機能の実装により、便利に利用することが可能になる。
【0016】
具体的に、いくつかの実装形態では、電子装置は、スマートメディアまたはホーム環境内に結合された他のメディア再生装置またはスマートホーム装置上で、音声起動機能を起動させるためのアイズフリーでハンズフリーの音声インターフェイスを提供する。スマートメディア環境は、各々が別々の場所に配置された、1つ以上の音声起動式電子装置および複数のメディア表示装置を含む。電子装置のうちのいくつかは、キャスト装置(例えばセットトップボックスまたはメディアストリーミング装置)に結合されるか、またはそれを含む。そのキャスト装置は、無線ネットワークを介して、1つの装置からネットワーク接続された表示装置へ、メディアのセッションをキャストすることができる。各音声起動式電子装置は、サーバがユーザの音声要求を決定する音声メッセージを取り込む/記録するように構成され、その音声メッセージから、サーバはユーザの音声要求(例えば、メディアの再生要求、メディアの転送要求、またはクローズドキャプションの開始要求)を決定する。次に、サーバは、音声メッセージによって示されるように、ユーザの音声要求を宛先キャスト装置に転送する。いくつかの実装形態では、サーバは、メディアサーバ(「クラウドキャスト」装置と呼ばれることもある)を含み、そのメディアサーバは、ユーザ指定のメディアコンテンツを、ユーザ指定のメディア再生装置に送信する(例えば、いくつかの実装形態では、電子装置によって受信された音声コマンドにより、メディアコンテンツとメディア再生装置との両方が指定され、サーバに送信される)。同様の方法が、スマートホーム装置を制御してスマートホーム環境において音声起動機能を実装するために、使用することができる。そのような方法は、スマートメディア又はホーム環境においてメディア装置又はスマートホーム装置を制御するために、ユーザにリモコンまたはクライアント装置を使用することを要求する従来の方法を任意に補完または置換する。
【0017】
本明細書で説明されている様々な実装に従い、ネットワーク接続型の音声起動式電子装置は、通常、スマートホーム環境の異なる場所の表面に配置される。各音声起動式電子装置は、スマートホーム環境全体と合致するフォームファクタを有するように構成される。例えば、音声起動式電子装置は、デスクトップ、家具の表面、ドッキングステーション、メディアプレーヤ装置または他の面を含む様々なタイプの表面と合致しかつ接触することができる基部を含む。そのような、音声起動式電子装置は、コンパクトで堅牢な方法でその基部に結合するように構成され、それによって様々なホーム環境に自然に溶け込む。
【0018】
ここで実装について詳細に言及するが、その例は添付の図面に示されている。以下の詳細な説明では、記載されている様々な実装形態の徹底した理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明されている。しかしながら、記載された様々な実装形態が、これらの具体的な詳細が無しに実施されてよいことは当業者にとっては明らかであろう。他の例では、その実装形態の局面を不必要に曖昧にしないように、よく知られている方法、手順、構成要素、回路、およびネットワークは詳細には説明されていない。
【0019】
図1Aおよび
図1Bは、いくつかの実装形態に従う、例示的な音声起動式電子装置100の正面図および背面図である。電子装置100は、上部部分120および基部110を含む全体の外面と、全体の外面に含まれる電子部品とを含む。電子装置100は、家の多くの場所に自然に合うように、温かく魅力的な外観を持つように設計されている。いくつかの実装形態では、電子装置100は、1つ以上のマイクロフォン102とフルカラーLED104のアレイとを含む。フルカラーLED104は、電子装置100の上面の下に隠すことができ、それらが点灯されていないときにはユーザに見えないようにすることができる。いくつかの実装形態では、フルカラーLED104のアレイは、物理的にリング状に配置される。いくつかの実装形態では、様々なスマートホーム環境に適合するように、LEDは様々な色の範囲および構成を備える。さらに、電子装置100の背面は、電源と接合するように構成された電源コネクタ108をオプションとして含む。
【0020】
いくつかの実装形態では、電子装置100は目に見えるボタンが無いきれいな外観を提示し、電子装置100との対話は、音声およびタッチジェスチャに基づく。あるいは、いくつかの実装形態では、電子装置100は、限られた数の物理的なボタン(例えば、その背面上のボタン106)を含み、電子装置100との対話は、音声およびタッチジェスチャに加えて、さらにボタンを押すことに基づく。
【0021】
図2Aは、いくつかの実装形態に従うオープン構成における電子装置100の基部110に収容されたスピーカ122を示す音声起動式電子装置100の斜視図である。1つ以上のスピーカ122が、電子装置100内に配置され、隠されている。電子装置100の基部110は、スピーカ122によって発生された音波が基部110を通過する(すなわち、基部110の向こう側に聞こえる)ことを可能にするため、多孔性又は音響透過性の壁を有する。より具体的には、電子装置100は上部部分120を含み、上部部分120は第1の取り付け構造を有する第1の内面と、第1の内面を越えて第1の取り付け構造と反対方向に延在する第1の外面とを有する。電子装置100はさらに基部110を含み、その基部110は、第2の取り付け構造を有する第2の内面と、円形の開口部218とを有する。第1および第2の内面は、第2の部分の円形開口部を通って第1の内面を移動することにより、第1および第2部分を分離位置(
図2Aに示す)から接合位置(
図1Aおよび
図1Bに示す)に移動可能にする適合性のある形状を有する。その結果、上部部分120と基部110とが接合位置にあるとき、第1および第2の内面が入れ子状の配置を形成して、第1および第2の取り付け構造間の相互作用を可能にし、延在部分は第2の部分に接している。いくつかの実装形態では、入れ子状配置は、第1および第2の取り付け構造間の相互作用を可能する。この相互作用は上部部分と基部とが分離位置にあるときには不可能である。第1および第2の取り付け構造は、第1および第2の部分が接合位置にあるときには、互いに確実であるが分離可能な接続を形成するように構成されている。上部部分120および底部は、分離位置と接合位置との間で第1および第2の部分を移動するために、上部部分120および基部110の一方または両方の人間の手動操作により確実に接合されかつ分離されるように構成されている。
【0022】
任意で、第1の取り付け構造を有する第1の内面は、上部部分120に固定され、上部および基部が接合位置にあるときには、電子装置内に隠される。任意で、第2の取り付け構造を有する第2の内面は基部110上に固定され、上部部分と基部が接合位置にあるときには、電子装置内に隠される。いくつかの実装形態では、第1および第2の取り付け構造は、上部部分および基部が接合位置にあるときには、磁気引力を介して、互いに確実ではあるが分離可能な接続を形成するように構成される。第1および第2の取り付け構造に関する、さらなる詳細は、
図2Bおよび
図2Cを参照して説明される。いくつかの実装形態では、人間の操作は、上部部分および基部の一方または両方の外面に適用され、電子装置100の上部部分および基部の接合または分離を容易にするためのいかなる道具も含ま
ない。
【0023】
いくつかの実装形態では、電子装置100は、フルカラーLED104のアレイのサブセット、1つ以上のマイクロフォン102、1つ以上のスピーカ122、デュアルバンドWiFi 802.11ac無線、ブルートゥース(登録商標)LE無線、環境光センサ、USBポート、プロセッサ、およびプロセッサによる実行のためのプログラムを少なくとも1つ格納するメモリを含む。さらに、いくつかの実装形態では、電子装置100は、電子装置100の上面がタッチされたことを検出するように構成されたタッチセンスアレイをさらに含む。タッチセンスアレイは、電子装置100の上面の下に配備されており、隠されている。いくつかの実装形態では、タッチセンスアレイが、ビアホールの配列を含む回路基板の上面に配置され、フルカラーLEDが、回路基板のビアホール内に配備される。回路基板が電子装置100の上面のすぐ下に配置された場合、フルカラーLED104およびタッチセンスアレイ124の両方が、電子装置100の上面のすぐ下に同様に配備される。
【0024】
いくつかの実装形態では、上部部分120は電子部品をさらに含み、外部電源に接続されたときに電子部品に電力を供給するように構成された電気コネクタ204を含む。基部110はカバー部を含み、第2の内面へのアクセスを可能にするように構成された第2の開口部を備えた第2の外面を含む。その結果、第1の部分と第2の部分が接合されると、第1の外面と第2の外面は電子装置の全体の外面を形成し、第2外面の第2開口部214は、第2の開口部214を通して挿入された電源コネクタを介して電気コネクタが外部電源に接続されたときに電子部品に電力が供給されるように、電気コネクタと位置合わせされる。いくつかの実装形態では、上部部分120および基部110はそれぞれ第1の内面および第2の内面を有する。上部部分120と基部110とを接合するために、上部部分120と基部110との第1と第2の内面との間の界面に接続が行われる。さらに、上部部分120は、第3の内面および第3の取り付け構造を有する任意の数の第3の部分と別々に接合することができ、その第3の内面および第3の取り付け構造は、基部110の第2の内面および第2の取り付け構造とそれぞれ同じ構成を有する。それにより、電子装置100が、第1の外面と組み合わせて、様々なカバー部分を提供することが可能になる。
【0025】
図2Aを参照すると、いくつかの実装形態では、上部部分120および基部110を接合位置(
図1Aおよび
図1B)から分離位置(
図2A)に移動させる人間の操作は、第1および第2の取り付け構造間の確実だが分離可能な接続を分離するのに十分な上部部分および基部の回転動作Bを含む。さらに、いくつかの実装形態では、上部部分および基部120および110を接合位置(
図1Aおよび
図1B)から分離位置(
図2A)に移動させる人間の操作は、第1および第2の取り付け構造間の確実だが分離可能な接続を分離するのに十分な上部部分および基部の回転動作Bを含み、その回転動作Bの後に第1および第2の部分の分離動作Aが続く。
【0026】
あるいは、いくつかの実装形態では、上部部分120および基部110を分離位置(
図2A)から接合位置(
図1Aおよび1B)に移動させる人間の操作は、第1および第2の取り付け構造が確実ではあるが分離可能な接続を形成する位置まで行われる上部部分および基部の閉鎖動作Aを含む。いくつかの実装形態では、上部部分120および基部110を分離位置(
図2A)から接合位置(
図1Aおよび1B)に移動させるための人間の操作は、上部部分および基部の閉鎖動作Aを含み、この閉鎖動作Aの後に、第1と第2の取り付け構造が確実ではあるが分離可能な接続を形成する位置に来るまで行われる上部部分および基部の回転動作Bが続く。いくつかの実装形態では、上部部分120は、第3の内面および第3の取り付け構造を有する任意の数の第3の面と別々に接合することができ、その第3の内面および第3の取り付け構造は、基部110の第2の内面および第2の取り付け構造とそれぞれ適合性のある構成を有する。それにより、上部部分120は適合性のあ
る様々な表面を有する確実ではあるが分離可能な接続と嵌合することができる。
【0027】
いくつかの実装形態では、第1および第2の取り付け構造は、上部部分および基部が接合位置にあるときに、磁気引力を介して互いに確実ではあるが分離可能な接続を形成するように構成される。
図2Bは、いくつかの実装形態に従う、スピーカ122を含む例示的な音声起動式電子装置100の上部部分120の底面
図220である。
図2Cは、いくつかの実装形態に従う、上部部分120のスピーカ122を含むように構成された例示的な音声起動式電子装置100の基部110の上面
図240である。
図2Dは、いくつかの実装形態に従う、例示的な音声起動式電子装置の底面図であり、その装置において上部部分のスピーカは基部内に組み立てられる。
【0028】
上部部分120は、一つ以上の第1の取り付け構造202とコンタクトピンポート208と含み、その両方は、上部部分120の底面206に配置される。上部部分120は、底面206から凹んだ側面に配置された電源ポート204をさらに含み、電源ポート204は、電源コネクタを受けるように構成される。基部110は、1つ以上の第2の取り付け構造212と、第2の開口部214と、第1の開口部216とを含み、それらのすべては基部110の内側の底面に配置される。
図2Dを参照して、上部部分120と基部110とがその接合位置で接合された場合、底面206は第1の開口部216から露出し、上部部分120の電源ポート204は、基部110の第2の開口部214から露出して、電源コネクタが電源ポート204にアクセスすることを可能にする。いくつかの実装形態では、基部110の開口部216は円形であり、基部110の円形開口部218と環状である。基部110の開口部216は底部側に位置する。
【0029】
図2Bを参照して、任意で、上部部分120の第1の取り付け構造202の各々は磁石(「M」)を含み、基部110の第2の取り付け構造212の各々は、磁気に吸着する材料で作られる。
図2Cを参照して、任意で、第2の取り付け構造212の各々は磁石(「M」)を含み、第1の取り付け構造202の各々は、磁気に吸着する材料で作られる。
【0030】
第1及び第2の取り付け構造202及び212の間の磁気引力は、第1及び第2の取り付け構造202及び212が互いに第1の好ましい向きにあるときに最も強い。第1の好ましい向きは、第1及び第2の取り付け構造202及び212の互いの可能な向きの一部である。一例では、第1の可能な向きに従って、第1の取り付け構造202A及び202Bが第2の取り付け構造212A及び212Bとそれぞれ位置が合うときに、第1の取り付け構造202と第2の取り付け構造212とは第1の好ましい向きにある。別の例では、第2の可能な向きに従って、第1の取り付け構造202及び第2の取り付け構造212は、第1の取り付け構造202Aが第2の取り付け構造212Bと位置が合い、第1の取り付け構造202Bが第2の取り付け構造212Aと位置が合うときに、第1の好ましい向きにある。さらに、いくつかの実装形態では、第1の取り付け構造202及び第2の取り付け構造212は、上部部分及び基部が互いに第2の好ましい向きにあるとき、第1の好ましい向きにある。第2の好ましい向きでは、上部部分120と基部110とは、上部部分と基部が組み立てられるとき、電源コネクタが電源ポート204にアクセスできるように、上部部分120の電源ポート204と基部の開口部214とが重なり合うように位置合わせされる。
【0031】
いくつかの実装形態では、第1の取り付け構造202及び第2の取り付け構造212は、第1の取り付け構造202及び第2の取り付け構造212が好ましい向きにあるときにかみ合うように構成された相補的な表面トポロジーを有する。例えば、第2の取り付け構造212A及び212Bは、基部210の内部底面の上に隆起しており、第2の外形及び第2の隆起高さを有する。第1の取り付け構造202A及び202Bは、第1の取り付け構造202A及び202Bが配置されている表面から陥没しており、第1の外形及び第1
の陥没深さを有する。任意的に、第1及び第2の外形は互いに一致する。任意的に、第1の陥没深さ及び第2の隆起高さは互いに一致する。
【0032】
いくつかの実装形態では、第1及び第2の取り付け構造の相補的表面トポロジーはさらに、第1の取り付け構造202及び第2の取り付け構造212を、好ましくない向きから好ましい向きに導くように構成される。好ましい向きと好ましくない向きとの間の相違は、第1の部分と第2の部分とを手動で操作して接合位置に動かす人間により、検出可能である。いくつかの実装形態では、相補的表面トポロジーは、基部110に対する上部部分120の回転に応答して(例えば、
図2Aの方向Bに沿って)、第1の取り付け構造202及び第2の取り付け構造212を好ましい向きに導くように構成されている。さらに、いくつかの実装形態では、第1の取り付け構造202及び第2の取り付け構造212が好ましくない向きにあるときに、上部部分120と基部110との外面の間に目に見える隙間がある。上部部分及び基部の外面は、第1及び第2の取り付け構造が好ましくない向きにあるとき、隣接面を形成する。いくつかの実装形態では、接合部は、上部部分と基部の外面間の界面で識別可能である。
【0033】
いくつかの実装形態では、相補的表面トポロジーは、窪んだ多角形構造を有する第1及び第2の取り付け構造(202又は212)のうちの1つと、この窪んだ多角形構造と形状が相補的な突出した多角形構造を有する第1及び第2の取り付け構造(212又は202)の他方とを備える。その結果、上部部分120及び基部110が第2の好ましい向きにあるときが、窪んだ構造と突出した構造とが互いに嵌合する。いくつかの実施態様では、多角形構造はランプ形状(ramp-shape)の構造を備える。
【0034】
図2B~
図2Dを参照すると、いくつかの実装形態では、電子装置100は、上部部分120及び基部110をさらに含む外部全体を含む。外部全体に含まれる電子部品は、第1の電気コネクタ208(コンタクトピンポート208とも呼ばれる)を含み、この第1の電気コネクタ208は外部電源及び/又はデータコネクタに接続されたとき、電子部品に電力及び/又はデータを供給するように及び/又は電子部品からのデータ信号を出力するように構成される。第1の電気コネクタ208は、電子部品の基面206と実質的に同一平面上にあるパターンに形成される複数の第1の電気接点を含む。任意に、第1の接点は一列に配置される。基部は第1の開口部216を含み、この開口部は電子部品の基面における第1の電気コネクタ208の位置及び大きさに対応している。第1の開口部216は、第1の電気コネクタの複数の第1の電気接点208が、電子装置100の外部の第2の表面に設けられた外部電源及び/又はデータコネクタの対応する複数の第2の電気接点と電気的に結合することが可能になるように構成される。いくつかの実装形態では、電子装置と、適合性のある外部のデータ及び/又は電源接続部との間の接続は、重力によって維持される。
【0035】
いくつかの実装形態では、電力及び/又はデータコネクタは、電子部品にDC動作電力を供給するように構成されている。いくつかの実装形態では、電力及び/又はデータコネクタは、電子部品への有線ネットワーク接続を提供するように構成されている。いくつかの実装形態では、電力及び/又はデータコネクタは、電子部品によって実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションにより与えられるデジタル信号を出力するように構成されている。デジタル信号は、ビデオ情報、オーディオ情報、可聴命令を含むユーザインタラクション情報、制御データ、及び位置情報のうち1つ以上を伝達する。
【0036】
いくつかの実装形態では、第2の表面がゲーミングシステムで提供されるとき、電子部品は、ユーザから電子部品の機能を介して伝達されるユーザゲーミング入力を出力するように構成される。いくつかの実装形態では、第2の表面がオーディオシステムで提供されるとき、電子部品は、その電子部品の機能を介して伝達されるオーディオ情報を出力する
ように構成される。いくつかの実装形態では、第2の表面がデジタルメディアプレーヤシステムで提供されるとき、電子部品は、その電子部品の機能を介して伝達されるデジタルメディア情報を出力するように構成される。いくつかの実装形態では、第2の表面がオーディオシステムで提供されるとき、電子部品は、その電子部品の機能を介して伝達されるオーディオ情報を出力するように構成される。いくつかの実装形態では、第2の表面が携帯電子システムで提供されるとき、電子部品は、携帯電子システムの動作を制御するために、その電子部品の機能により伝達される制御情報を出力するように構成される。そして、その機能はユーザコマンド及び電子部品によって実行されるアプリケーションの出力のうち、一つ以上を反映している。
【0037】
上部部分120と基部110とは分離可能であることに留意されたい。いくつかの実装形態では、上部部分120が電子部品に結合され、それによって、適合性のある異なる複数の基部110と、基部110との交換が可能になる。適合性のある異なる複数の基部110の各々は、大きさ及び位置が基部110の第1の開口部216に対応する第2の開口部216を含む。上記で説明したように、いくつかの実装形態では、上部部分120及び基部110は、上部部分120及び基部110の一方又は両方の人間による手動操作によって、確実に接合されかつ分離可能であるように構成される。さらに、いくつかの実装形態では、上部部分120は、第1の取り付け構造202を有する第1の内面と、第1の内面を越えて第1の取り付け構造202とは反対方向に延在する第1の外面とを含む。第1の内面は電子部品の周囲を画定する。基部110は、第2の取り付け構造212と円形開口部218とを有する第2の内面を含む。第1及び第2の内面は、基部110の円形開口部218を通る第1の内面の移動によって上部部分及び基部を分離位置から接合位置に移動可能にする適合性のある形状を有する。その結果、上部部分120及び基部110が接合位置にあるとき、第1及び第2の内面は、第1の取り付け構造202と第2の取り付け構造212との間の相互作用を可能にする入れ子構造を形成し、かつ延在部は基部110に接する。
【0038】
いくつかの実装形態では、電気接点208は実質的に平坦でありかつ基部110は実質的に平坦であるため、電子装置110は、実質的に平坦な外部の電源及び/又はデータコネクタの対応する複数の電気接点に接続することができる。
【0039】
本出願の一側面に従って、電子装置のカバー部分は、第2の取り付け構造と円形開口部218とを有する第2の内面を備えた基部110を含む。基部110は、第1の取り付け構造を有する第1の内面と、第1の内面を越えて第1の取り付け構造と反対方向に延在する第1の外面とを備えた電子装置の第1の部分と接合されるように構成される。第2の内面は、基部の円形開口部を通る第1の内面の移動を可能にするように構成される。その結果、第1の部分と第2の部分とが分離位置(
図2A)から接合位置(
図1A及び
図1B)に移動するときに、第1及び第2の内面は、第1及び第2の取り付け構造間の相互作用を可能にする入れ子状の配置を形成し、かつ延在部は第2の部分に接する。第2の取り付け構造は、第1及び第2の部分が接合位置にあるときに、磁気引力を介した第1の取り付け構造への確実ではあるが分離可能である接続を形成するように構成される。基部110は、第1の部分と第2の部分を分離位置と接合位置との間で移動するために第1の部分及び第2の部分の一方又は両方の人間による手動操作により、第1の部分と確実に接合されたり、第1の部分から分離されたりするように構成される。
【0040】
図3Aは、いくつかの実装形態に従う、音声起動式電子装置100及びドッキングデバイス320を含む例示的な電子システム300を示す。
図3Bは、いくつかの実装形態に従う、音声起動式電子装置100の上部部分120及びドッキングデバイス320を含む別の例示的な電子システム340である。
図3Cは、いくつかの実装形態に従う、音声起動式電子装置100又は音声起動式電子装置100の上部部分120を受けるように構成
された例示的なドッキングデバイス320の上面図である。
図3Dは、いくつかの実装形態に従う、移動可能な音声起動式電子装置100を受けるように構成された例示的な薄型ドッキングステーション320である。
図4Aは、音声起動式電子装置100がメディアプレーヤ420のドッキングインタフェース上に配置された、いくつかの実装形態に従う例示的な電子システム400である。
図4B及び
図4Cはそれぞれ、いくつかの実施形態に従う2つの例示的な電子システム440及び460を示し、その電子システムにおいて、音声起動式電子装置100の上部部分は、メディアプレーヤ420のドッキングインタフェース上に配置され、そのドッキングインタフェース内に部分的に含まれる。
【0041】
上述のように、電子装置100は、上部部分120と基部110とをさらに含む外部全体を含む。基部は、電子部品の基面における第1の電気コネクタ208の位置及び大きさに対応する第1の開口部216を含む。第1の開口部216は、第1の電気コネクタの複数の第1の電気接点208が、電子装置100の外部の第2の表面に設けられた外部電源及び/又はデータコネクタの対応する複数の第2の電気接点312と電気的に結合できるように構成される。
図3A~
図3Dを参照して、いくつかの実装形態では、外部電源及び/又はデータコネクタの複数の第2の電気接点312を設けるように構成された電子装置100の外部の第2の表面は、独立型ドッキングステーション320の一部である。ドッキングステーション320は、電子装置100が基部110を含むか(
図3A)又は基部110を含まない(
図3B)ときに、電子装置100に電気的に結合するように構成される。いくつかの実装形態では、ドッキングステーション320の上面316の一部は実質的に平坦であるため、電子装置110は、ドッキングステーション320上の実質的に平坦な外部電源及び/又はデータコネクタの複数の第2の電気接点312に接続できるようになる。
【0042】
いくつかの実装形態では、ドッキングステーション320は電源コネクタ314をさらに含む。その電源コネクタ314は、電子装置100の電源ポート204と嵌合し、電子装置100が好ましい向きに従ってドッキングステーション320に取り付けられたときに、電子装置に電力を供給するように構成される。好ましい向きでは、ドッキングステーション320の複数の第2の電気接点312および電源コネクタ314は、それぞれ、電子装置100の複数の第1の電気接点208および電子装置100の電源ポート204と位置合わせされる。
【0043】
図3Dを参照して、いくつかの実装形態では、電子装置100は移動可能であり、電子装置100を移動させるように構成されたモータを含む。いくつかの実装形態では、そのような移動可能な電子装置100は、ドッキングステーション320の電源にアクセスするため及び/又はドッキングステーション320と又はドッキングステーション320を介してデータを交換するため、ドッキングステーション320上を移動するように構成される。ドッキングステーション320は実質的に薄型であり、その結果、電子装置100が薄型のドッキングステーション320上を移動できる。いくつかの実装形態では、電子装置100は、複数の電気接点312の位置及び向きに従って、電子装置100自体をドッキングステーション320と位置合わせする。同様に、適合性のある外部コネクタを介して表面でデータおよび電源接続を提供する移動可能な装置(例えば、家事用ロボット)の表面上に電子装置をドッキングすることができ、それにより、電子装置100がその表面の動作を指令することができる。
【0044】
いくつかの実装形態では、外部電源及び/又はデータコネクタの複数の第2の電気接点312を提供するように構成された電子装置100外部の第2の表面は、カウンター、家具(例えばTVスタンド)、又は電気器具(例えばメディアプレーヤー420)の表面上に一体化される。
図4A~
図4Cを参照して、いくつかの実装形態では、メディアプレーヤ420は、電子装置100が基部110を含む場合(
図3A)も、含まない場合(
図3
B)も、電子装置100に電気的に結合されるように構成されたドッキング表面を有する。任意で、メディアプレーヤ420のドッキング表面は、外部電源及び/又はデータへのアクセスを電子装置100に提供する複数の第2の電気接点312を含む。いくつかの実装形態では、電子装置100は、電力を受信するため及び/又はデータを交換するためにメディアプレーヤ420に取り付けられたときに、実質的にメディアプレーヤ420の上部部分に位置する。代わりに、いくつかの実装形態では、電子装置100のスピーカ部又は基部110は、電力を受信するため及び/又はデータを交換するためにメディアプレーヤ420に取り付けられたとき、メディアプレーヤ420内に実質的に含まれる。
【0045】
図5Aは、いくつかの実装形態に従う、出荷箱502に梱包された音声起動式電子装置100の斜視図を示し、
図5Bは、いくつかの実装形態に従う、音声起動式電子装置100を受けるように構成された例示的な出荷箱502である。出荷箱502は、カバー部504と保持部506とを含む。カバー部504は、保持部506に対して開くように構成されている。保持部506の内部底面は、第1の凹部510と突出構造512とを含む。電子装置が出荷箱502内に配置されたとき、電子装置100の上部部分120と基部110とが接合される。電子装置100の基部110は、第1凹部510内に配置され固定される。いくつかの実装形態では、電子装置100は、第1の凹部510内に置かれたときに、突出構造512が電子装置100の電源ポート204に差し込まれように配向されることによって、追加の保持力を与えて電子装置100を出荷箱100内で確実に固定する。さらに、いくつかの実装形態では、出荷箱502のカバー部分504は、電子装置110の上部部分120の上面の幾何学的形状と一致するように構成された第2の凹部508をさらに含む。カバー部504が反転されて保持部506を覆うと、第2の凹部508が電子装置110の上部部分120の上面と接触し、それによって追加の保持力を与えて電子装置100を出荷箱100内に固定する。
【0046】
本明細書中に記載されるさまざまな実現例の説明で用いる術語は、特定の実現例のみを説明する目的のためのものであり、限定を意図するものではない。記載されるさまざまな実現例の説明及び添付の請求項で用いるような「a」、「an」、及び「the」という単数
形は、文脈が明確にそうでないと示していなければ、複数形も含むことが意図される。本明細書中で用いるような「及び/又は」という用語は、列挙される関連の項目のうち1つ以上のありとあらゆる可能な組合せを参照しかつこれを包含することも理解される。「含む」、「含んでいる」、「備える」、及び/又は「備えている」という用語は、この明細書で用いる場合、述べる特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はその群の存在又は追加を排除するわけではないことがさらに理解される。
【0047】
本明細書中で用いるような「ならば」という用語は、任意に、文脈に依存して、「したとき」又は「すると」又は「判定することに応答して」又は「検出することに応答して」又は「という判定に従って」を意味すると解釈される。同様に、「判定されれば」又は「[述べた条件又はイベントが]検出されれば」という句は、任意に、文脈に依存して、「判定すると」又は「判定に応答して」又は「[述べた条件又はイベントを]検出すると」又は「[述べた条件又はイベントを]検出するのに応答して」又は「[述べた条件又はイベントが]検出されるという判定に従って」を意味すると解釈される。
【0048】
「スマートメディア環境」は、単一世帯の家などの家庭用スマート環境を指し得るが、本教示の範囲はそのように限定されないことを認めるべきである。本教示は、限定されることなく、二世帯住宅、タウンホーム、複数ユニット共同住宅、ホテル、小売店、オフィスビル、工業用建物、及びより一般的に任意の生活空間又は作業空間にも適用可能である。
【0049】
ユーザ、顧客、設置作業者、住宅所有者、居住者、来客、テナント、家主、修理人などの用語は、本明細書中に記載されるある特定的な状況の文脈で行為を行なう1人の人又は複数の人を指すのに用いられ得るが、これらの参照は、そのような行為を行なっている1人の人又は複数の人に本教示の範囲を限定するものではないことも認めるべきである。このように、たとえば、ユーザ、顧客、購入者、設置作業者、加入者、及び住宅所有者という用語はしばしば、単一世帯住居の場合は、同じ人物を参照し得る。なぜなら、世帯主がしばしば購入の決定を行ない、ユニットを購入し、ユニットを設置しかつ構成し、かつユニットのユーザの1人でもある人物だからである。しかしながら、家主-テナント環境などの他のシナリオでは、顧客はユニットの購入については家主であり得、設置作業者はその土地のアパートの管理人であり得、第1のユーザはテナントであり得、第2のユーザは遠隔操作機能性については再び家主であり得る。重要なことに、行為を行なう人物のアイデンティティは、実現例のうち1つ以上が与える特定の利点に密接な関係があり得る一方で、以下の説明では、そのようなアイデンティティは、本教示の範囲をそれらの特定のアイデンティティを有するそれらの特定の個人に必ず限定すると解釈されるべきではない。
【0050】
さまざまな図面は特定の順序で複数の論理的段階を示すが、順序に依存しない段階を再度順序付けてもよく、他の段階を組合せたり切離したりしてもよい。何らかの再順序付け又は他のグループ分けに具体的に言及がされるが、他のものが当業者には自明であり、そのため、本明細書中に提示される順序付け及びグループ分けは代替策の網羅的な列挙ではない。さらに、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はその任意の組合せで段階を実現可能であることを認識すべきである。
【0051】
具体的な実現例を参照して、説明の目的のための以上の説明を記載した。しかしながら、例示的な上記の議論は、網羅的であること又は開示される正確な形態に請求項の範囲を限定することを意図しない。上記教示に鑑みて多数の修正例及び変更例が可能である。実現例は、請求項の基礎をなす原則及びそれらの実践的な適用例を最良に説明し、それにより、当業者が、企図される特定の用途に適するようなさまざまな修正例とともに実現例を最良に用いることができるようにするために選択された。