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特許7373693無線周波数センシングを行うネットワークを制御するためのネットワーク制御デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】無線周波数センシングを行うネットワークを制御するためのネットワーク制御デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/12 20060101AFI20231026BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20231026BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20231026BHJP
   H04W 4/029 20180101ALI20231026BHJP
【FI】
G01V3/12 A
H04W64/00 173
H04W88/18
H04W4/029
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023513995
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2021072249
(87)【国際公開番号】W WO2022048865
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】63/073,167
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20195628.1
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】クラインツ ヒューゴ ホセ
(72)【発明者】
【氏名】ダイクスラー ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンダール レーンダート テウニス
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンス ヘンドリック
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/043592(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/105128(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0184842(US,A1)
【文献】特開昭62-206482(JP,A)
【文献】特開昭62-226083(JP,A)
【文献】特許第6041074(JP,B1)
【文献】特開2019-193225(JP,A)
【文献】特開平1-245380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00-99/00
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数センシングを行うネットワークデバイスを含むネットワークを制御するためのネットワーク制御デバイスであって、前記ネットワークは、センシングエリアの各々が空間領域に対応するように各センシングエリアに割り当てられる前記ネットワークのネットワークデバイスによって定義されるセンシングエリアを含み、各センシングエリアにおいて、無線周波数センシングが、他のセンシングエリアにおける無線周波数センシングとは独立して行われ、当該ネットワーク制御デバイスは、
センシングエリアの各々における無線周波数センシングのセンシング結果を提供するためのセンシング結果提供ユニットと、
少なくとも2つのセンシングエリアのセンシング結果の比較に基づいて、センシング結果に基づいて決定される検出結果が、前記センシングエリアのうちの少なくとも1つのセンシングエリアの一部である及び/又は前記センシングエリアのうちの少なくとも1つのセンシングエリアに隣接する空間領域において潜在的に信頼できないかどうかを決定するための潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットと、
新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングを行うために新たなセンシングエリアに前記ネットワークのネットワークデバイスを割り当てることによって新たなセンシングエリアを定義するための新たなセンシングエリア定義ユニットであって、前記新たなセンシングエリアは、検出結果が潜在的に信頼できない前記空間領域の少なくとも一部に対応し、前記新たなセンシングエリアにおける無線周波数センシングは、他のセンシングエリアにおける無線周波数センシングとは独立している、新たなセンシングエリア定義ユニットと、
を含み、
前記センシング結果提供ユニットは、前記新たなセンシングエリアにおける無線周波数センシングの新たなセンシング結果を提供するように構成され、
少なくとも1つのセンシング結果及び前記新たなセンシング結果に基づいて、潜在的に信頼できない検出結果が決定される前記空間領域の少なくとも前記一部について検出結果が決定される、ネットワーク制御デバイス。
【請求項2】
センシングエリアに対応する空間領域のうちの少なくとも2つの空間領域が、オーバーラップ部分に対して少なくとも2つのセンシング結果が提供され得るようにオーバーラップする、及び/又は、ネットワークデバイスが分布する空間領域の一部が、非カバー部分に対してセンシング結果が提供され得ないようにセンシングエリアに対応せず、潜在的に信頼できない検出結果が決定される前記空間領域の前記一部は、前記オーバーラップ部分及び/又は前記非カバー部分にそれぞれ少なくとも部分的に対応する、請求項1に記載のネットワーク制御デバイス。
【請求項3】
少なくとも2つのセンシングエリアのセンシング結果の前記比較は、少なくとも2つのセンシング結果の時間相関及び/又はアクティビティフィンガープリント及び/又はモーショントレイルを決定することを含む、請求項1又は2に記載のネットワーク制御デバイス。
【請求項4】
前記新たなセンシングエリア定義ユニットは、前記ネットワークの既知の特性に基づいて新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てるように構成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のネットワーク制御デバイス。
【請求項5】
前記新たなセンシングエリア定義ユニットは、以前の検出結果及び/若しくは以前のセンシング結果に基づいて並びに/又はセンシング結果及び/若しくは検出結果の予想に基づいて新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てるように構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のネットワーク制御デバイス。
【請求項6】
前記ネットワークの前記既知の特性は、ネットワークデバイスの空間分布、ネットワークデバイスの現在の状態、ネットワークデバイスの環境条件、ワイヤレスノイズ、外乱及び/又はネットワークデバイスの一般能力を示す情報を含み、前記新たなセンシングエリア定義ユニットは、ネットワークデバイスの前記示された空間分布、現在の状態、環境条件、ワイヤレスノイズ、外乱及び/又は能力に基づいて新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てるように構成される、請求項4に記載のネットワーク制御デバイス。
【請求項7】
前記潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、センシングエリアによって形成される空間領域の各部分について、センシング結果に基づいて決定された検出結果に対する信頼レベルを決定するように構成され、前記新たなセンシングエリア定義ユニットは、信頼値に基づいて新たなセンシングエリアを定義するように構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のネットワーク制御デバイス。
【請求項8】
センシング結果は、少なくとも1つの物理的イベントに関し、少なくとも2つのセンシングエリアのセンシング結果の前記比較は、同じ物理的イベントが少なくとも2回検出されたかどうか及び/又は物理的イベントが前記センシングエリアのうちの1つによって見逃されたかどうかが判断されるように行われる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のネットワーク制御デバイス。
【請求項9】
前記新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシングエリアにおけるセンシング感度が他のセンシングエリアにおけるセンシング感度より低くなるように及び/又は新たなセンシング結果が他のタイプのセンシング結果に関するように新たなセンシングエリアを定義するように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のネットワーク制御デバイス。
【請求項10】
前記新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシングエリアにおけるセンシング感度が、特定のセンシング結果の決定のために他のセンシングエリアにおけるセンシング感度より高くなるように新たなセンシングエリアを定義するように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のネットワーク制御デバイス。
【請求項11】
前記新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングが行われる限り、ネットワークデバイスが以前に割り当てられたセンシングエリアにおいて無線周波数センシングが行われないように新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てるように構成され、前記新たなセンシングエリアにおいて行われる無線周波数センシングが完了した後、前記新たなセンシングエリア定義ユニットは、前記ネットワークデバイスが以前に割り当てられたセンシングエリアにネットワークデバイスを再び割り当てるように構成される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のネットワーク制御デバイス。
【請求項12】
前記新たなセンシングエリア定義ユニットは、センシングエリア及び新たなセンシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスを、前記新たなセンシングエリア及びセンシングエリアに割り当てられているネットワークデバイスによって行われる総処理量及び/又は該ネットワークデバイスの総通信負荷が、前記新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングが行われる限り、前記新たなセンシングエリアの定義前に行われる処理量及び/又は該定義前の総通信負荷と比較して同じままである又は低くなるように制御するように構成される、及び/又は、前記新たなセンシングエリア定義ユニットは、センシングエリア及び新たなセンシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスを、ネットワークデバイスによるセンシングに費やされない時間が、前記新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングが行われる限り、前記新たなセンシングエリアの定義前のセンシングに費やされない時間と比較して同じままである又は高くなるように制御するように構成される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のネットワーク制御デバイス。
【請求項13】
空間領域に分布する、無線周波数センシングを行うための複数のネットワークデバイスと、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のネットワーク制御デバイスと、
を含む、ネットワーク。
【請求項14】
無線周波数センシングを行うネットワークデバイスを含むネットワークを制御するためのネットワーク制御方法であって、前記ネットワークは、センシングエリアの各々が空間領域に対応するように各センシングエリアに割り当てられる前記ネットワークのネットワークデバイスによって定義されるセンシングエリアを含み、各センシングエリアにおいて、無線周波数センシングが、他のセンシングエリアにおける無線周波数センシングとは独立して行われ、当該ネットワーク制御方法は、
センシングエリアの各々における無線周波数センシングのセンシング結果を提供することと、
少なくとも2つのセンシングエリアのセンシング結果の比較に基づいて、センシング結果に基づいて決定される検出結果が、前記センシングエリアのうちの少なくとも1つのセンシングエリアの一部である及び/又は前記センシングエリアのうちの少なくとも1つのセンシングエリアに隣接する空間領域において潜在的に信頼できないかどうかを決定することと、
新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングを行うために新たなセンシングエリアに前記ネットワークのネットワークデバイスを割り当てることによって新たなセンシングエリアを定義することであって、前記新たなセンシングエリアは、検出結果が潜在的に信頼できない前記空間領域の少なくとも一部に対応し、前記新たなセンシングエリアにおける無線周波数センシングは、他のセンシングエリアにおける無線周波数センシングとは独立している、ことと、
前記新たなセンシングエリアにおける無線周波数センシングの新たなセンシング結果を提供することと、
少なくとも1つのセンシング結果及び前記新たなセンシング結果に基づいて、潜在的に信頼できない検出結果が決定される前記空間領域の少なくとも前記一部について検出結果を決定することと、
を含む、ネットワーク制御方法。
【請求項15】
請求項13に記載のネットワークを制御するためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、請求項1に記載のネットワーク制御デバイスに、請求項14に記載のネットワーク制御方法を実行させるプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数センシングを行うネットワークデバイスを含むネットワークを制御するためのネットワーク制御デバイス、ネットワーク制御方法及びコンピュータプログラムプロダクト、並びに前記制御デバイスを含むネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
無線周波数センシング(radiofrequency sensing)は、例えば、人体がエリア内のワイヤレス信号に与える影響に基づいて該エリア内の人の存在をセンシングするための技術を指す。この技術は、とりわけ、ある密度のワイヤレスデバイスをエリア内に既に含むシステムに適している。なぜなら、このような場合、システムは、それらの主要機能性、例えば、照明機能性に加えて、エリア内の人の存在をセンシングするために、無線周波数信号を送信する既存の能力を利用することができるからである。
【0003】
一般に、無線周波数センシングは、動き検出、存在検出、呼吸検出、転倒検出、プライバシーセーフティ/セキュリティ監視、人カウント(people counting)等の複数のタスクに適用されることができる。しかしながら、とりわけ、キッチン、ダイニングルーム、リビングルームの組み合わせ等のオープンプランエリアにおいて、又は大きなオフィスエリアにおいて、無線周波数センシングに関する検出精度の問題が生じる可能性がある。例えば、このようなオープンエリアは、機能的に異なるセクションに、斯くして、異なる検出粒度を必要とする異なるセンシングエリアに分割され、これらのエリア間に明確な物理的境界がないことがある。これは、同じイベント、例えば、人がリビングルームに入ることが、2回、すなわち、リビングルームに対応するセンシングエリアにおいて及びダイニングルームに対応するセンシングエリアにおいてピックアップされるように、無線周波数センシングネットワークの検出エリアのオーバーラップをもたらす可能性がある。別の例では、あるエリアにいる従業員が、別のセンシングエリアに存在するものとしてもピックアップされ、斯くして、ネットワークシステムが、当該エリアにいる人数が実際よりも多いと見なすように2回カウントされる可能性がある。
【0004】
センシングエリアがオーバーラップする問題は、例えば、センシングエリアの検出感度を低下させることによって解決される可能性がある。しかしながら、この解決策は、人の存在が検出されないギャップ又は死角をもたらす可能性があり、これは、望ましくない性能にもつながり得る。この問題に対する他の解決策は、検出精度を高めるために膨大な量のデータに機械学習、パターン認識等の技術が適用されることができるようにセンシングエリアについて生成されるデータの量を増やすことに関する。しかしながら、このような解決策は、一般に、処理能力(processing power)及び記憶能力(storing capability)の両方において計算コストが高く、したがって、主機能性に対する追加機能性としてのみ無線周波数センシングを行う及びリソースに制約があることが多いネットワークデバイスで実行するには適していないことが多い。
【0005】
無線周波数センシングについて、上記の問題は、ネットワークデバイスが同時に複数のセンシングエリアの一部となることを可能にし、斯くして、連続的にオーバーラップするセンシングエリアを可能にすることにより解決され得ることが提案されている。この提案は、二重検出の問題を解決する可能性があるが、ネットワークデバイスによって提供される、CPU時間、メモリ等、必要な計算リソースの大幅な増加をもたらし、また、ネットワーク内のデータトラフィックのさらなる増加をもたらし、これは、ネットワークのクロッギング(clogging)を引き起こす可能性がある。照明デバイス等、無線周波数センシングを適用する多くのネットワークデバイスは、これらのデバイスに適用され得るリソースに強い制約があるので、解決策に必要な計算リソースを増やさずに検出結果の迅速な確認(confirmation)又は却下(rejection)を可能にする解決策が存在することは有利であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、必要な処理リソースを大幅に増やすことなく無線周波数センシングネットワークのセンシング信頼性(sensing reliability)を向上させることができるネットワーク制御デバイス、ネットワーク制御デバイスを含むネットワーク、ネットワーク制御方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様において、無線周波数センシングを行うネットワークデバイスを含むネットワークを制御するためのネットワーク制御デバイスであって、ネットワークは、センシングエリアの各々が空間領域に対応するように各センシングエリアに割り当てられるネットワークのネットワークデバイスによって定義されるセンシングエリアを含み、各センシングエリアにおいて、無線周波数センシングが、他のセンシングエリアにおける無線周波数センシングとは独立して行われる、ネットワーク制御デバイスが提示される。ネットワーク制御デバイスは、a)センシングエリアの各々における無線周波数センシングのセンシング結果を提供するためのセンシング結果提供ユニット(sensing result providing unit)と、b)少なくとも2つのセンシングエリアのセンシング結果の比較に基づいて、センシング結果に基づいて決定される検出結果が、前記センシングエリアのうちの少なくとも1つのセンシングエリアの一部である及び/又は前記センシングエリアのうちの少なくとも1つのセンシングエリアに隣接する空間領域において潜在的に信頼できないかどうかを決定するための潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット(potentially unreliable detection result determination unit)と、c)新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングを行うために新たなセンシングエリアにネットワークのネットワークデバイスを割り当てることによって新たなセンシングエリアを定義するための新たなセンシングエリア定義ユニット(new sensing area defining unit)であって、新たなセンシングエリアは、検出結果が潜在的に信頼できない空間領域の少なくとも一部に対応し、新たなセンシングエリアにおける無線周波数センシングは、他のセンシングエリアにおける無線周波数センシングとは独立している、新たなセンシングエリア定義ユニットとを含み、センシング結果提供ユニットは、新たなセンシングエリアにおける無線周波数センシングの新たなセンシング結果を提供するように構成され、少なくとも1つのセンシング結果及び新たなセンシング結果に基づいて、潜在的に信頼できない検出結果が決定される空間領域の少なくとも一部について検出結果が決定される。
【0008】
潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットが、潜在的に信頼できない検出結果を決定し、新たなセンシングエリア定義ユニットが、検出結果が潜在的に信頼できない空間領域の少なくとも一部において無線周波数センシングを行うための新たなセンシングエリアを定義するので、潜在的に信頼できない検出結果を有するエリアに関する追加情報が、必要な処理量を増やすことなく提供されることができる。さらに、検出結果が、新たなセンシングエリアからの追加情報に基づいて、すなわち、新たなセンシング結果に基づいて、さらに、元の(original)センシングエリアのセンシング結果に基づいて決定されることができるので、検出結果がより信頼できるようになる。斯くして、ネットワーク制御デバイスは、処理リソースの増加なく無線周波数ネットワークのセンシング信頼性を向上させることができる。
【0009】
ネットワークは、無線周波数センシングを行うように構成されるネットワークデバイスを含む。とりわけ、ネットワークは、ネットワークデバイスが空間領域において無線周波数センシングを行うことができるように空間領域に分布する複数のネットワークデバイスを含む。しかしながら、無線周波数センシングを行うように構成されるネットワークデバイスに加えて、ネットワークは、無線周波数センシングを行うように構成されないネットワークデバイスを含むこともできる。一般に、ネットワークデバイスは、ネットワークデバイス通信ユニットを含む、斯くして、ネットワーク能力(network capability)を有する任意のデバイスであることができる。ネットワークデバイス通信ユニットは、ワイヤレス信号、とりわけ、無線周波数信号、及び/又は有線信号を受信及び送信するように構成される。例えば、ネットワークデバイス通信ユニットは、無線周波数信号を受信及び送信するためのネットワークデバイストランシーバ、又は無線周波数信号を送信するためのトランスミッタ及び無線周波数信号を受信するためのレシーバを含むことができる。ネットワーク能力に加えて、すなわち、ネットワークデバイス通信ユニットに加えて、ネットワークデバイスは、他の機能性、好ましくは、照明機能性を実行するように構成されることができる。ネットワークは、Wi-Fi(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Thread、Bluetooth(登録商標)等の任意の既知のネットワークプロトコルを利用することによりネットワークデバイス間で形成されことができる。
【0010】
ネットワーク制御デバイスは、複数のネットワークデバイスの少なくとも一部を制御することによってネットワークを制御するように構成される。ネットワーク制御デバイスは、ネットワークの一部であるとみなされることができ、とりわけ、ネットワークデバイスの少なくとも一部と通信するものとみなされることができる。例えば、ネットワーク制御デバイスは、ネットワーク制御デバイスがネットワークデバイスの少なくとも一部と無線周波数信号を使用して通信することができるように、例えば、通信ユニットの形態で、通信能力を含むスタンドアロンデバイスであることができる。しかしながら、ネットワーク制御デバイスは、ネットワークの一部で直接あることなくネットワークデバイスの少なくとも一部と通信することもでき、例えば、ネットワーク制御デバイスは、それ自体がネットワークの一部であることなくネットワークデバイスを制御するためにネットワークデバイスに信号を送信するためにネットワークデバイスの一部への直接接続を有することができる。また、ネットワーク制御デバイスは、ネットワークデバイスの1つの一部として提供されることもでき、この場合、ネットワーク制御デバイスは、ネットワークデバイスと統合され、他のネットワークデバイスを制御するために他のネットワークデバイスと通信するためにネットワークデバイスの通信ユニットを採用するように構成されることが好ましい。さらに、ネットワークは、2つ以上のネットワーク制御デバイスを含むこともでき、この場合、異なるネットワーク制御デバイスは、この場合、ネットワーク制御デバイスが異なる物理的エンティティに分散される1つのネットワーク制御デバイスとみなされることができるようにネットワークを制御するために互いに通信するように構成される。さらに、ネットワーク制御デバイス自体が、複数の異なるスタンドアロン又はネットワークデバイスに分散されることができ、スタンドアロンデバイスはネットワークに直接関連しないが、例えば、サーバ、ゲートウェイ又はプロキシを介して、ネットワークと通信することができる。例えば、ネットワーク制御デバイスのセンシング結果提供ユニットは、1つのネットワークデバイスの一部であることができ、新たなセンシングエリア定義ユニットは、スタンドアロンデバイス又は別のネットワークデバイスの一部であることができる。この場合、ネットワーク制御デバイスは、ネットワーク制御デバイスの分散機能を有するネットワークデバイス又はスタンドアロンデバイスの互いの及び/又はネットワークとの通信によって構築される。
【0011】
ネットワークは、少なくとも2つのセンシングエリアを含み、センシングエリアは、各センシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスによって定義される。センシングエリアへのネットワークデバイスの割り当ては、ネットワークデバイスのグルーピングとみなされることもでき、各ネットワークデバイスはグループに割り当てられ、ネットワークデバイスの各グループはセンシングエリアにおいて無線周波数センシングを行う。ネットワークデバイスのグループのセンシングエリアは、ネットワークデバイスが無線周波数センシングを行うことができる空間領域に対応する。センシングエリアが対応する空間領域は、センシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスが、ネットワークに与えられる検出タスクを十分な信頼性で行うことを可能にする信号を提供することができるエリアと定義される。例えば、センシングエリアは、例えば、ネットワークデバイスの少なくとも1つによって提供され、人等の物体によって影響を受けた信号が、センシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスの少なくとも1つによって十分な信頼性で、例えば、基準無線周波数パターンと比較できるほど強い無線周波数信号の強度、位相又は振幅の変化で依然として検出され得るように定義されることができる。一般に、センシングエリアは、空間内の三次元領域であるが、空間領域内の既存又は仮想の水平面、例えば、底床、天井、部屋の中央を通る平面等に対する三次元領域の二次元投影又は二次元スライスとして解釈されることもできる。ネットワークデバイスのグループのセンシングエリアは、例えば、グループのネットワークデバイスの空間分布、センシング感度、無線周波数センシングの指向性等によって物理的に決定される。ほとんどの場合、センシングエリアは、このセンシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスが分布する空間領域によっておおよそ(roughly)定義される。しかしながら、場合によっては、センシングエリアは、ネットワークデバイスの空間分布エリアから逸脱することができる。例えば、場合によっては、ネットワークデバイスのグループは、ネットワークデバイスの真下に「死角」を含み得る。一般に、センシングエリアは、ネットワークデバイスの無線周波数信号の既知の伝送特性、とりわけ、伝送パワー及び放射パターン、ネットワークデバイスの既知のロケーション、並びに、例えば、壁等のロケーションに関する情報による、周囲空間の既知のレイアウトを考慮することにより適切な精度で推定されることができる。しかしながら、本明細書で定義される本発明のために、センシングエリアの境界の正確な定義は必要ではなく、センシングエリアの概算境界(approximate boundary)が、例えば、センシングエリアに関する実験によって又は経験から推定され得ることで十分である。例えば、あるエリアにいる人が少なくとも2つのセンシングエリアの一部であると検出され、少なくとも2つのセンシングエリアがオーバーラップしていることを示すこと、又は、あるエリアにいる人がいずれのセンシングエリアにも検出されず、いずれのセンシングエリアも人が存在する場所に対応しない及びネットワークの死角がこのエリアに見られることを示すことが、例えば、実験又は経験によって、決定されることができれば十分であり得る。さらに、このような実験、経験又は一般に知られている仮定に基づいて、センシングエリアに1つ以上のネットワークデバイスを割り当てる効果も推定されることができる。例えば、センシングに寄与するネットワークデバイスの各ペアの周りにある範囲を有するエリアにおいて、十分な信頼性があるセンシングが行われることができるという良い推定(good estimate)が実験から分かっており、この場合、センシングエリアは、センシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスのセンシングに寄与するすべてのネットワークデバイスペアの周りにこのエリアを設けることによっておおよそ決定されることができる。しかしながら、センシングエリアを推定する他の可能性も利用されることができる。
【0012】
さらに、センシングエリアは、無線周波数センシングが、他のセンシングエリアにおける無線周波数センシングとは独立して各エリアについて行われるという点で定義される。このコンテキストにおいて、無線周波数センシングの独立した性能は、とりわけ、異なるセンシングエリアにおける無線周波数センシングの独立した処理を指す。例えば、ネットワークデバイスは、2つのセンシングエリアに割り当てられ、斯くして、それぞれのセンシングエリアに割り当てられる他のネットワークデバイスから無線周波数信号を受信及び提供することができる。しかしながら、ネットワークデバイスは、両ネットワークデバイスグループからの受信信号を独立して処理する、すなわち、第1のセンシングエリアに属する無線周波数信号から行われる処理は、第2のエリアに属する無線周波数信号の処理に影響を与えない。斯くして、各センシングエリアは、他のセンシングエリアのセンシング又はセンシング結果とは独立したセンシング結果を提供する。
【0013】
センシング結果提供ユニットは、センシングエリアの各々における無線周波数センシングのセンシング結果を提供するように構成される。センシング結果提供ユニットは、例えば、センシングエリアの各々のセンシング結果を記憶する記憶ユニットであることができる、又は、センシングエリアの各々のセンシング結果を記憶する記憶ユニットに接続されることができる。また、センシング結果提供ユニットは、各センシングエリアの少なくとも1つのネットワークデバイスに直接接続され、これらのネットワークデバイスの各々からセンシング結果を直接受けることもでき、この場合、センシング結果提供ユニットは、同じものを提供するように構成される。センシング結果は、対応するセンシングエリアにおいて行われる無線周波数センシングの結果を指し、無線周波数信号において検出され得る所定のイベントを示す1つ以上の量(quantity)を指すことができる。ネットワークに与えられるタスクに基づいて、これらのイベント、斯くして、センシング結果は、例えば、センシングエリアにおける人の数、センシングエリアにおける1人以上の人の存在又は不在、センシングエリアにおける人の呼吸運動、センシングエリアにおける転倒検出、センシングエリアにおける物体又は人の位置変化等を示すことができる。好ましい実施形態において、各センシングエリアのセンシング結果は、センシングエリアに存在すると検出された人の数を示す。
【0014】
潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、検出結果が、少なくとも2つのセンシングエリアのうちの少なくとも1つのセンシングエリアの一部である及び/又は少なくとも2つのセンシングエリアのうちの少なくとも1つのセンシングエリアに隣接する空間領域において潜在的に信頼できないかどうかを決定するように構成される。一般に、検出結果自体は、センシングエリアによって提供されるセンシング結果に基づいて決定される。ネットワーク及び/又はネットワークデバイスのうちの少なくとも1つのネットワークデバイスに与えられるタスクに基づいて、検出結果は、例えば、部屋の異なるエリアに存在する人の量のインディケーション(indication)、部屋のあるエリアにおける人又は物体の存在の存在又は不在のインディケーション、転倒が検出されたロケーションのインディケーション、人が存在しないエリアのインディケーション等を指すことができる。しかしながら、ある状況下では、空間エリアにおける検出結果は、潜在的に信頼できない(potentially unreliable)。
【0015】
潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、少なくとも2つのセンシングエリアのセンシング結果の比較に基づいて、検出結果が空間領域において潜在的に信頼できないかどうかを決定するように構成される。この比較のために、例えば、異なるセンシングエリアにおけるセンシング結果に関する論理的予測を指す論理的ルールが適用されることができる。例えば、第1のセンシングエリアが部屋への唯一の入口をカバーし、第2のセンシングエリアが部屋への唯一の入口を含まない部屋の領域をカバーしているとする。この場合、センシング結果として第2のセンシングエリアについて、人の突然の存在が決定され、一方、センシング結果として第1のセンシングエリアについて、人が検出されていない場合、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、第2のセンシングエリア及び/又は第1のセンシングエリアにおけるセンシング結果が潜在的に信頼できないと決定し、斯くして、信頼できないセンシング結果に基づく検出結果も決定するように構成されることができる。一般に、センシング結果に基づく検出結果が潜在的に信頼できないかどうかを決定するためにセンシング結果の比較に適用される論理的ルールは、過去の経験、ネットワークの環境、センシングエリアの分布、達成されるべき検出結果、すなわち、ネットワークに与えられるタスク、センシング結果の既知の信頼性等に基づいて提供される所定の論理的ルールを指すことができる。さらに、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、検出結果が潜在的に信頼できない場合に提示された過去のケースについて学習するように構成されることもできる。例えば、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、センシングエリアの複数の過去のセンシング結果と、センシング結果のうちどれが信頼できる検出結果をもたらし、どれが信頼できない検出結果をもたらしたかを示すデータセットとを提供されることによって、決定に適用されるべきルールを学習するように構成されることができる。
【0016】
潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットが、少なくとも2つのセンシングエリアのセンシングの比較に基づいて、検出結果が潜在的に信頼できないものではない、すなわち、信頼できる可能性が非常に高いと決定する場合、以下で述べられるように、新たなセンシングエリアを定義すること、及び、新たなセンシング結果にさらに基づいて検出結果を決定することは、省略されることができる。その代わり、例えば、制御デバイスに設けられる検出結果決定ユニットを利用するネットワークは、センシング結果に直接基づいて検出結果を決定するように構成されることができる。
【0017】
新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングを行うために新たなセンシングエリアにネットワークのネットワークデバイスを割り当てることによって新たなセンシングエリアを定義するように構成される。例えば、元のセンシングエリアの1つに以前に割り当てられていたネットワークデバイスが、新たなセンシングエリア定義ユニットによって新たなセンシングエリアに割り当てられることができる。しかしながら、どのセンシングエリアにも以前に割り当てられていなかったネットワークデバイスも、新たなセンシングエリアに割り当てられることができる。この新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシングエリアが、検出結果が潜在的に信頼できない空間領域の少なくとも一部に対応するように、ネットワークデバイスを割り当てるように構成される。新たなセンシングエリア定義ユニットは、例えば、検出結果が潜在的に信頼できない空間領域の近傍におけるネットワークデバイスの既知の空間分布に基づいて、検出結果が潜在的に信頼できない空間領域をカバーすることができることを示すネットワークデバイスの既知のセンシング特性に基づいて等、ネットワークデバイスを割り当てるように構成されることができる。さらに、新たなセンシングエリア定義ユニットは、所定のルールに基づいてネットワークデバイスを割り当てるように構成されることができる。これらのルールは、例えば、設置中又はネットワークを使用してしばらく作業した後にユーザによって、予め決定され、新たなセンシングエリア定義ユニットに提供されることができる。ルールは、ネットワークによって提供される検出結果に対するユーザの経験に基づくことができる。例えば、ユーザが、あるエリアで検出結果が信頼できないことが多いと判断する場合、ユーザは、最も信頼できない検出結果が発生するエリアをカバーするようにユーザによって特に選択されるネットワークデバイスを新たなネットワークに割り当てるためのルールを、新たなセンシングエリア定義ユニットに提供することができる。さらに、新たなセンシングエリアを定義するためのネットワークデバイスを選択するために、新たなセンシングエリア定義ユニットは、a)ネットワークが設置されているエリアのレイアウト/フロアプラン、b)ネットワークによって提供されるネットワーク近隣テーブル、c)ネットワークデバイスの信号特性、とりわけ、それらの空間関係を示す信号強度及び/又は信号品質のうちの1つ以上についての情報、及び/又はネットワークデバイスのどれがセンシングエリアのセンシング結果に最も貢献したかについての情報を利用するように構成されることができる。
【0018】
新たなセンシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスは、他のセンシングエリアにおける無線周波数センシングとは独立して、新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングを行うことができる。このコンテキストにおいて、独立したセンシングは再び、無線周波数信号の独立した処理を指し、すなわち、他のセンシングエリアにおけるセンシング結果は、新たなセンシングエリアにおけるセンシング結果に影響を与えない。
【0019】
センシング結果提供ユニットは、新たなセンシングエリアにおける無線周波数センシングの新たなセンシング結果を提供するように構成される。斯くして、全体的な検出結果が潜在的に信頼できない空間領域に対する特定の情報が提供されることができる。新たなセンシングエリアに対して提供されるセンシング結果、すなわち、新たなセンシング結果と、新たなセンシングエリアの定義の前に定義されたセンシングエリアに対して提供されるセンシング結果とをよりよく区別するために、以下では、後者のセンシング結果を元のセンシング結果と呼び、対応するセンシングエリアを元のセンシングエリアと呼ぶことがある。
【0020】
少なくとも、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットによって潜在的に信頼できない検出結果が決定された空間領域の一部について、新たなセンシング結果と元のセンシングエリアのセンシング結果の少なくとも1つとに基づいて、検出結果が決定される。例えば、検出結果は、ネットワーク又はネットワーク制御デバイスの一部である専用の検出結果決定ユニットによって決定されることができる。しかしながら、検出結果は、ネットワーク又はネットワーク制御デバイスの任意の他のユニットによって決定されることもでき、又はそれ自体はネットワーク又はネットワーク制御デバイスの一部ではないが、検出結果が上述したように決定されるようにネットワーク又はネットワーク制御デバイスと通信するユニットによって決定されることもできる。好ましい実施形態において、このような検出結果決定ユニットは、ネットワーク制御デバイスの一部であり、新たなセンシング結果及び少なくとも1つの元のセンシング結果に基づいて検出結果を決定するように構成され、任意選択的に、例えば、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットが潜在的に信頼できない検出結果を決定しなかった場合、元のセンシング結果のみに基づいて検出結果を決定するようにも構成される。
【0021】
検出結果の決定のために、とりわけ、新たなセンシング結果によって提供される情報が、信頼できる検出結果が決定されることができるように考慮されることができる。例えば、ネットワークに提供されるタスクに基づく論理的ルールが、信頼できる検出結果を決定するために元のセンシングエリアのセンシング結果及び新たなセンシングエリアの新たなセンシング結果に適用されることができる。例えば、第1の元のセンシングエリアのセンシング結果が空間領域における人の存在を示し、第2の元のセンシングエリアのセンシング結果が同じ空間領域に人が存在しないことを示す場合、このコンフリクト(conflict)は、コンフリクトが決定された空間領域を特にカバーするセンシングエリアに関する新たなセンシング結果に基づいて解決されることができる。
【0022】
一実施形態において、センシングエリアに対応する空間領域のうちの少なくとも2つの空間領域が、オーバーラップ部分(overlapping part)に対して少なくとも2つのセンシング結果が提供され得るようにオーバーラップする、及び/又は、ネットワークデバイスが分布する空間領域の一部が、非カバー部分(non-covered part)に対してセンシング結果が提供され得ないようにセンシングエリアに対応せず、潜在的に信頼できない検出結果が決定される空間領域の一部は、オーバーラップ部分及び/又は非カバー部分にそれぞれ少なくとも部分的に対応する。
【0023】
センシングエリアに対応する空間領域のオーバーラップは、例えば、センシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスが、無線周波数センシングの選択された感度に基づいて、物体の存在を示す信号が両方のセンシングエリアにおいて少なくとも1つのネットワークデバイスによって依然として決定され得るように互いの近傍に位置する場合に生じ得る。この結果、2つのセンシングエリアのオーバーラップエリアに存在する人は、両方のセンシングエリアによってカウントされ、斯くして2回カウントされる。これらのセンシング結果に基づいて、例えば、ネットワークが位置するエリアにおけるすべての人の全体的なカウントの検出結果が決定される場合、結果は、少なくともオーバーラップエリアについて、信頼できないものとなる。オーバーラップするセンシングエリアの場合、新たなセンシングエリア定義ユニットは、オーバーラップエリアの少なくとも一部が新たなセンシングエリアによってカバーされるように、新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てることによって新たなセンシングエリアを定義するように構成されることができる。例えば、新たなセンシングエリア定義ユニットは、オーバーラップエリアの少なくとも一部を新たなセンシングエリアでカバーするために、オーバーラップエリアの近傍にあるネットワークデバイスを新たなセンシングエリアに割り当てるために選択することができる。オーバーラップエリアに人が存在するという上記の与えられた例に関して、新たなセンシングエリアに対する新たなセンシング結果は、例えば、オーバーラップエリアに1人の人だけが存在することを結果として提供することができ、この新たなセンシング結果は、検出結果を決定する際に考慮されることができる。
【0024】
オーバーラップエリアのケースは、一般に、センシングエリアにおける無線周波数センシングの感度を低下させることによって回避されることができる。しかしながら、感度のこのような低下は、場合によっては、センシング結果が提供されることができない、少なくとも2つのセンシングエリア間の空間領域、すなわち、ネットワークが分布する空間領域における、少なくとも1つのセンシングエリアによってカバーされないエリアをもたらす可能性がある。斯くして、例えば、ネットワークが非カバーエリアを含む場合、非カバーエリアに存在する人は、ネットワークのいずれのセンシングエリアにおいてもセンシングされないことになる。斯くして、この場合、すべてのセンシングエリアのセンシング結果に基づく検出結果は、再び信頼できないものとなる。したがって、この場合にも、新たなセンシングエリア定義ユニットは、例えば、非カバーエリアの近傍の新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てることによって、以前の非カバーエリアが新たなセンシングエリアによって少なくとも部分的にカバーされるように、新たなセンシングエリアを定義するように構成されることができる。
【0025】
一実施形態において、少なくとも2つのセンシングエリアのセンシング結果の比較は、少なくとも2つのセンシング結果の時間相関(time correlation)及び/又はアクティビティフィンガープリント(activity fingerprint)を決定することを含む。例えば、センシング結果の比較は、人の存在、転倒検出、呼吸イベント等、イベントが少なくとも2つのセンシングエリアのうちの1つにおいてどの時点で検出されたかを決定することを含むことができ、さらに、この時点を少なくとも2つのセンシングエリアのうちの他のセンシングエリアによって類似のイベントが検出された時点と比較することを含むことができる、時間相関を決定することを含む。類似のイベントが異なる時点で検出された場合、検出が同じイベントに起因した可能性は低い。しかしながら、類似のイベントが実質的に同じ時点で検出される場合、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、両方のセンシングエリアにおける検出が、オーバーラップエリアで起こった1つの同じイベントの結果であり得ると決定するように構成されることができる。この場合、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、これらのセンシング結果に基づいて決定される検出結果が潜在的に信頼できないと決定するように構成されることができる。しかしながら、センシングエリアにおいて検出されるイベント間の時間差、又はセンシングエリアにおいてある順序でイベントが検出されるか否かも、センシング結果の時間相関によって決定されることができ、潜在的に信頼できない検出結果を決定するために利用されることができる。例えば、センシング結果が、センシングエリアから人が出るイベントを指し、隣接するセンシングエリアのセンシング結果が、人の対応する存在を示さない、又はかなり後の時間に人が入ることを示す場合、信頼できない検出結果決定ユニットは、例えば、2つのセンシングエリア間に非カバーエリアが存在することを上記の例から推測することに起因して、検出結果が信頼できないと決定するように構成されることができる。
【0026】
追加的に又は代替的に、センシング結果の比較は、2つのセンシング結果のアクティビティフィンガープリントを決定することを含むこともできる。アクティビティフィンガープリントは、例えば、当該時間にセンシングエリアに存在する人のアクティビティを示す経時的な信号を決定することを指すことができる。例えば、単に机に座ってコンピュータで作業している人は、歩き回っている人、又はどこかに立って他の人としゃべっている人とは別のアクティビティフィンガープリント、すなわち、当該人のアクティビティを示す別の信号を示すことになる。センシングエリアのセンシング結果から決定されるアクティビティフィンガープリントは比較されることもできる。例えば、フィンガープリントが互いに非常に異なる場合、それらが同じ人の検出に起因する可能性は非常に低く、一方、アクティビティフィンガープリントが実質的に類似している場合、これは、少なくとも2つのセンシングエリアによる同じ人、例えば、オーバーラップエリアに存在する人の検出に起因し得る。斯くして、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、少なくとも2つのセンシングエリア、好ましくは、少なくとも2つの隣接するセンシングエリアにおいて決定されるアクティビティフィンガープリントが実質的に類似している場合、検出結果が潜在的に信頼できないと決定するように構成されることができる。さらに、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、少なくとも2つのセンシングエリアのセンシング結果の比較に基づいて類似性尺度(similarity measure)を決定するように構成されることができ、決定された類似性尺度に基づいて、例えば、決定された類似性尺度が所定の閾値を超えるかどうかに基づいて、センシング結果に基づいて決定される検出結果が潜在的に信頼できないかどうかを決定することができる。
【0027】
一実施形態において、新たなセンシングエリア定義ユニットは、ネットワークの既知の特性に基づいて新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てるように構成される。好ましくは、一実施形態において、ネットワークの既知の特性は、ネットワークデバイスの空間分布、ネットワークデバイスの現在の状態、ネットワークデバイスの環境条件、ワイヤレスノイズ、外乱、及び/又はネットワークデバイスの一般能力(general capability)を示す情報を含み、新たなセンシングエリア定義ユニットは、ネットワークデバイスの示された空間分布、現在の状態、環境条件、ワイヤレスノイズ、外乱及び/又は能力に基づいて新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てるように構成される。より好ましくは、ネットワークの空間分布は、ネットワークのネットワークデバイスの相対位置及び/又は絶対位置を示す情報を含み、この場合、新たなセンシングエリア定義ユニットは、ネットワークデバイスの位置情報に基づいて、どのネットワークデバイスが新たなセンシングエリアに割り当てられるべきかを決定するように構成される。好ましくは、新たなセンシングエリア定義ユニットは、検出結果が潜在的に信頼できないエリアの近傍にあるネットワークデバイスを新たなセンシングエリアに割り当てるように構成される。さらに、ネットワークの特性は、ネットワークデバイスの状態に関する情報、ネットワークに存在するネットワークデバイスのタイプに関する情報、ネットワークデバイスの無線周波数センシング感度に関する情報、ネットワークデバイス間の無線周波数センシングの指向性に関する情報等を含むこともでき、新たなセンシングエリア定義ユニットは、上記情報に基づいて新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てるように構成されることもできる。さらに、ネットワークの特性は、温度、湿度等、ネットワークデバイスの環境条件、例えば、他のWi-Fi(登録商標)デバイスとの干渉によって引き起こされる、ネットワークデバイスの近傍のワイヤレスノイズ、及び/又は動物の存在、気流をもたらし、斯くしてカーテン等の物体の動きをもたらす可能性のある窓の開閉等、既知の外乱に関する情報を含むこともできる。この情報も、新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てる際に考慮されることができる。
【0028】
一実施形態において、新たなセンシングエリア定義ユニットは、以前の検出結果及び/若しくは以前のセンシング結果に基づいて並びに/又はセンシング結果及び/若しくは検出結果の予想(expectation)に基づいて新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てるように構成される。例えば、以前の検出結果は、以前の検出中にエリアに存在する人の量に関する情報を含むことができ、新たなセンシングエリア定義ユニットは、センシングエリアにおける人の量に基づいて新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てるように構成されることができる。例えば、以前の検出又はセンシング結果が、エリアにおける人の量がある閾値を超えることを示す場合、新たなセンシングエリア定義ユニットは、エリアにおける人の量がある閾値を下回る場合よりも少ないネットワークデバイスを新たなセンシングエリアに割り当てるように構成されることができ、これは、例えば、エリアで眠っている1人の人だけより、多くの人を検出することがより容易であるためである。さらに、一実施形態において、新たなセンシングエリア定義ユニットは、以前の検出結果及び/若しくは以前のセンシング結果に基づいて並びに/又はセンシング結果及び/若しくは検出結果の予想に基づいて、検出結果が潜在的に信頼できないが、新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てない、すなわち、新たなセンシングエリアの提供を省略することを決めるように構成されることができる。例えば、検出結果及び/又は以前のセンシング結果が、検出エリアが非常に混雑していることを示す場合、人数(person count)が信頼できない場合でも、このことが、ネットワークに与えられるタスクと干渉しないように、人の正確な数を知る必要はない可能性がある。これとは対照的に、検出エリアに数人しか分布していない場合、人の信頼できる検出がより望ましい。センシング結果及び/又は検出結果の予想は、例えば、過去の経験、又はネットワークが設置されている環境に関する提供された知識に基づくことができる。例えば、過去数日間にネットワークが、部屋が一日のうちの特定の時間帯に1人によって占有され、他の時間帯には2人以上によって占有されると決定した場合、この予想が、新たなセンシングエリアを定義する際に考慮されることができる。さらに、ネットワークデバイスが、特定の量の人がデスクエリアで作業しているオフィス環境に設置されていることが事前に知られている場合、この情報が考慮されることもできる。さらに、センシング結果及び/又は検出結果の予想は、類似の環境を含み、類似のネットワークデバイスのネットワークを含む他の空間領域におけるセンシング結果及び/又は検出結果に基づくこともできる。例えば、オフィスビルが、ネットワークデバイス及び机の空間的配置が部屋全体又は異なる階でも繰り返されるオープンプランオフィスを含む場合、ビル内の繰り返されるオフィス配置の1つに設置されるネットワークのセンシング結果及び/又は検出結果が予想を決定するために採用されることもできる。以前の検出及び/若しくはセンシング結果並びに/又は予想される検出及び/又はセンシング結果に関する情報は、例えば、少なくとも2つのセンシング結果を以前のセンシング結果及び/又は予想されるセンシング結果と比較することによって、潜在的に信頼できない検出結果を決定するために潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットによって考慮されることもできる。
【0029】
一実施形態において、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、センシングエリアによって形成される空間領域の各部分について、センシング結果に基づいて決定された検出結果に対する信頼レベル(confidence level)をさらに決定するように構成され、新たなセンシングエリア定義ユニットは、信頼値に基づいて新たなセンシングエリアを定義するように構成される。例えば、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、あるエリアに対するセンシング結果を、当該エリアに対する予想されるセンシング結果と比較するように構成されることができ、比較の結果に基づいて、センシングエリアに対する信頼レベルを決定するように構成されることができる。別の例では、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、ネットワークのネットワークデバイスの及び/又はセンシングエリアのセンシング結果の一般的信頼(general confidence)に関する知識を考慮することができるように構成されることができる。例えば、センシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスが、例えば、一般に低い無線周波数センシング感度に起因して、信頼できない結果を提供することが知られている場合、信頼できないネットワークデバイスが割り当てられるセンシングエリアのセンシング結果は、センシング結果の信頼性(reliability)における低い信頼(low confidence)を示す低い信頼レベルを与えられることができる。さらに、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、信頼できないネットワークデバイスが寄与するセンシングエリアの部分にのみ低い信頼レベルを提供するように構成されることができ、一方、センシングエリアの他の部分は、より高い信頼レベルを含むことができる。斯くして、センシングエリアの全体的なセンシング結果は、信頼できない可能性のあるネットワークデバイスがセンシング結果に寄与したか否かに基づいて信頼レベルを提供されることができる。
【0030】
一実施形態において、センシング結果は、少なくとも1つの物理的イベント(physical event)に関し、少なくとも2つのセンシングエリアのセンシング結果の比較は、同じ物理的イベントが少なくとも2回検出されたかどうか及び/又は物理的イベントが前記センシングエリアのうちの1つによって見逃された(has been missed)かどうかが判断されるように行われる。好ましくは、同じ物理的イベントが2回検出されたかどうか及び/又は物理的イベントがセンシングエリアのうちの1つによって検出されなかったかどうかは、センシング結果の比較に適用される予め定められたルールに基づいて決定される。予め定義されたルールは、例えば、ネットワークの設置中に、ユーザによって提供されることができ、又は、例えば、既知の機械学習アルゴリズムに基づいて、ネットワークによって学習されることができる。これらのルールは、例えば、ネットワークが設置されている環境に関する知識、ネットワークのセンシングエリアによってカバーされる空間領域に関する知識、センシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスのセンシング感度に関する知識等を考慮することができる。例えば、2つのセンシングエリアが互いに隣接し、一方のセンシングエリアが部屋への唯一のドアをカバーしていることが知られている場合、部屋へのドアをカバーしているセンシングエリアによって所定のイベントが以前に提供されていない場合、ドアをカバーしていないセンシングエリアにおけるセンシング結果は信頼できない可能性があるというルールが適用されることができる。このようなルールは、人はドアを通って部屋に入らなければならず、斯くして、ドアから離れたセンシングエリアにおいてセンシングされ得る前に、ドアをカバーしているセンシングエリアにおいてまずセンシングされなければならないという論理をカバーすることになる。しかしながら、設置後にセンシング結果を処理する際にネットワーク自体によって決定及び学習されることができる、全く異なるルールが適用されることもできる。
【0031】
一実施形態において、新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシングエリアにおけるセンシング感度が他のセンシングエリアにおけるセンシング感度より低くなるように及び/又は新たなセンシング結果が他のタイプのセンシング結果に関するように新たなセンシングエリアを定義するように構成される。とりわけ、新たなセンシングエリアに対するセンシング感度は、新たなセンシングエリア定義ユニットによって、潜在的に信頼できな検出結果決定ユニットによって提供される少なくとも2つのセンシング結果の比較に基づいて決定されることができる。例えば、比較が、オーバーラップエリアに存在する人を2回カウントすることに起因して検出結果が潜在的に信頼できないことを示す場合、人の単純な存在又は不在は低い感度で容易に決定され得るので、新たなセンシングエリア定義ユニットは、他のセンシングエリア、すなわち、元のセンシングエリアにおいて使用される感度に対して新たなセンシングエリアの感度を減少させるように構成されることができる。しかしながら、検出結果、斯くして、ネットワークのタスクが、呼吸検出等、より微妙な検出に関する場合、新たなセンシングエリアにおける感度は、他のセンシングエリアにおけるものと同じであるように提供されることができる。さらに、一実施形態において、新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシングエリアにおけるセンシング感度が他のセンシングエリアにおけるセンシング感度より高くなるように新たなセンシングエリアを定義するように構成されることもできる。とりわけ、新たなセンシングエリア定義ユニットが、新たなセンシングエリアによってカバーされるべき空間エリアの近傍におけるネットワークデバイスの分布が最適ではない、例えば、まばら(sparse)であると決定する場合、新たなセンシングエリア定義ユニットは、増加した感度で所望の空間エリアが依然としてカバーされ得るように、新たなセンシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスの感度を増加するように構成されることができる。したがって、新たなセンシングエリア定義ユニットは、ネットワークの既知のネットワーク特性、例えば、ネットワークデバイスの空間分布に基づいて新たなセンシングエリアの感度を決定するように構成されることもできる。
【0032】
一実施形態において、新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシングエリアにおけるセンシング感度が、特定のセンシング結果の決定のために他のセンシングエリアにおけるセンシング感度より高くなるように新たなセンシングエリアを定義するように構成される。例えば、センシングエリアに存在する人の呼吸パターンをセンシング結果として決定することは、センシングエリアにおける人の転倒を決定することよりも高い感度を必要とする。したがって、新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシング結果が全体的な検出結果と同じタスクに関することが必要であるかどうかを決定する、及び、新たなセンシング結果によって提供されるべきセンシング結果に基づく感度を決定するように構成される。例えば、ネットワークの全体的なタスクが、高いセンシング感度が必要であるエリアにおける人の量を検出結果として決定することである場合、新たなセンシングエリア定義ユニットは、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットによって提供される比較に基づいて、新たなセンシングエリアについて、人が現在このエリアで現在動いているかどうかを単に決定する必要しかなく、このタスクについて、新たなセンシングエリアのセンシング感度は、他のセンシングエリアのセンシング感度と比較して低くされ得ることを決定するように構成されることができる。
【0033】
一実施形態において、新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングが行われる限り、ネットワークデバイスが以前に割り当てられたセンシングエリアにおいて無線周波数センシングが行われないように新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てるように構成され、新たなセンシングエリアにおいて行われる無線周波数センシングが完了した後、新たなセンシングエリア定義ユニットは、ネットワークデバイスが以前に割り当てられたセンシングエリアにネットワークデバイスを再び割り当てるように構成される。したがって、この実施形態において、新たなセンシングエリアは、新たなセンシング結果を提供するというそのタスクを行うために必要な時間の間だけ存在する。例えば、新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシングエリアは所定の期間だけ存在し、期間の終了後に、再び、以前から存在していたセンシングエリアへと解消される(dissolved)ように構成されることができる。例えば、新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てる前に、センシングエリアへのネットワークデバイスの割り当てに関する情報を、例えば、リストの形態で記憶するように構成されることができ、その後、新たなセンシングエリアを解消し(dissolve)、この記憶された情報に基づいてネットワークデバイスをそれらの元のセンシングエリアに割り当てるように構成されることができる。さらに、新たなセンシングエリア定義ユニットは、新たなセンシングエリアへのネットワークデバイスの割り当てを、例えば、リストの形態で記憶するように構成されることもでき、新たなセンシング結果が同じ空間エリアに対して再び必要とされる場合、新たなセンシングエリア定義ユニットは、例えば、どのネットワークデバイスが空間エリアの近傍にあるかの決定が省略され得るように、記憶された情報に基づいて新たなセンシングエリアにネットワークデバイスを割り当てるように構成されることができる。これは、ネットワークデバイスの割り当てがより効果的になり、より速く又はより少ないリソースを消費するようになるという利点を有する。
【0034】
一実施形態において、新たなセンシングエリア定義ユニットは、センシングエリア及び新たなセンシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスを、新たなセンシングエリア及びセンシングエリアに割り当てられているネットワークデバイスによって行われる総処理量及び/又は該ネットワークデバイスの総通信負荷が、新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングが行われる限り、新たなセンシングエリアの定義前に行われる処理量及び/又は該定義前の総通信負荷と比較して同じままである又は低くなるように制御するように構成される、及び/又は、新たなセンシングエリア定義ユニットは、センシングエリア及び新たなセンシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスを、ネットワークデバイスによるセンシングに費やされない時間が、新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングが行われる限り、新たなセンシングエリアの定義前のセンシングに費やされない時間と比較して同じままである又は高くなるように制御するように構成される。この実施形態は、無線周波数センシングが、センシングエリア、すなわち、元のセンシングエリア、及び新たなセンシングエリアにおいて同時に行われることができるという利点を有する。さらに、新たなセンシングエリアは、例えば、ネットワークの検出結果に基づいてライトをオンにする際の時間遅延等、ネットワークにおける性能損失を招く可能性がある高い処理能力を必要とする又はネットワークデバイスに高い通信負荷を与えることなくより長期間にわたってキープアライブされることができる。一例として、元のセンシングエリアのうちの1つ及び新たなセンシングエリアに割り当てられているネットワークデバイスによって行われる処理量及び/又は該ネットワークデバイスの総通信負荷は、ネットワークデバイスによって送信及び/又は処理される無線周波数信号が一定に保たれる又は低くされる場合、低くされる又は同じに保たれることができる。このために、新たなセンシングエリア定義ユニットは、センシングエリア及び新たなセンシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスを、可能な通信又は処理量が、ネットワークデバイスが割り当てられるセンシングエリアとこの新たなセンシングエリアとの間で分けられるように制御するように構成されることができる。例えば、センシングエリアに利用される通信量又は処理量は、残りの量が新たなセンシングエリアにおける無線周波数センシングに使用され得るように半分に減らされることができる。しかしながら、もちろん、行われる処理量又は総通信負荷を分割するための他の比率、例えば、2:1、3:1等が利用されることもできる。上述したのと同じ原理は、新たなセンシングエリア定義ユニットが、センシングエリア、すなわち、元のセンシングエリア、及び新たなセンシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスを、新たなセンシングエリア及び元のセンシングエリアにおけるセンシングに費やされない時間が同じままである又は高くなるように制御するように構成される実施形態に適用されることができる。とりわけ、センシングに費やされない時間は、無線周波数センシングに利用される処理量又は通信負荷によって決定されることができる。しかしながら、無線周波数センシングに費やされない時間は、他の要因によって決定されることもでき、この場合、新たなセンシングエリア定義ユニットは、これらの他の要因も制御するように構成される。
【0035】
本発明の別の態様において、a)空間領域に分布する、無線周波数センシングを行うように構成される複数のネットワークデバイスと、b)上述したいずれかによるネットワーク制御デバイスとを含む、ネットワークが提示される。
【0036】
本発明の別の態様において、無線周波数センシングを行うネットワークデバイスを含むネットワークを制御するためのネットワーク制御方法であって、ネットワークは、センシングエリアの各々が空間領域に対応するように各センシングエリアに割り当てられるネットワークのネットワークデバイスによって定義されるセンシングエリアを含み、各センシングエリアにおいて、無線周波数センシングが、他のセンシングエリアにおける無線周波数センシングとは独立して行われる、ネットワーク制御方法が提示される。ネットワーク制御方法は、a)センシングエリアの各々における無線周波数センシングのセンシング結果を提供することと、b)少なくとも2つのセンシングエリアのセンシング結果の比較に基づいて、センシング結果に基づいて決定される検出結果が、前記センシングエリアのうちの少なくとも1つのセンシングエリアの一部である及び/又は前記センシングエリアのうちの少なくとも1つのセンシングエリアに隣接する空間領域において潜在的に信頼できないかどうかを決定することと、c)新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングを行うために新たなセンシングエリアにネットワークのネットワークデバイスを割り当てることによって新たなセンシングエリアを定義することであって、新たなセンシングエリアは、検出結果が潜在的に信頼できない空間領域の少なくとも一部に対応し、新たなセンシングエリアにおける無線周波数センシングは、他のセンシングエリアにおける無線周波数センシングとは独立している、ことと、d)新たなセンシングエリアにおける無線周波数センシングの新たなセンシング結果を提供することと、e)少なくとも1つのセンシング結果及び新たなセンシング結果に基づいて、潜在的に信頼できない検出結果が決定される空間領域の少なくとも一部について検出結果を決定することとを含む。
【0037】
本発明の別の態様において、ネットワークを制御するためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、上述したネットワーク制御デバイスに、上述したネットワーク制御方法を実行させるプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラムが提示される。
【0038】
ネットワーク制御デバイス、ネットワーク、ネットワーク制御方法及びコンピュータプログラムは、同様及び/又は同一の好適な実施形態、とりわけ、従属請求項に記載されるような実施形態を有することを理解されたい。
【0039】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせであり得ることも理解されたい。
【0040】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、ネットワーク及びネットワークを制御するためのネットワーク制御デバイスを概略的且つ例示的に示す。
図2図2は、ネットワークを制御するためのネットワーク制御方法を概略的且つ例示的に示す。
図3図3A~Cは、例示的な実施形態の動作原理を概略的且つ例示的に示す。
図4図4は、例示的な実施形態の動作原理を概略的且つ例示的に示す。
図5図5は、例示的な実施形態の動作原理を概略的且つ例示的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、ネットワーク100及びネットワーク100を制御するためのネットワーク制御デバイス130を概略的且つ例示的に示している。ネットワーク100は、複数のネットワークデバイス111、121を含む。好ましい実施形態において、ネットワーク100は、照明システムを指し、斯くして、ネットワークデバイス111、121の少なくとも一部は、ネットワーク通信及び無線周波数機能性に加えて、照明機能性を含む。より好ましくは、ネットワーク100は、無線周波数センシング結果及び/又はセンシング結果に基づいて決定される検出結果に基づいて、ネットワークデバイス111、121の追加の機能性、例えば、照明機能性を制御することが可能なシステムを指す。ネットワークデバイス111、121は、ネットワークデバイス111、121によって送信及び受信される無線周波数信号112、122を利用して無線周波数センシングを行うように構成される。一般に、ネットワーク100は、無線周波数センシングを行うように構成されるネットワークデバイスを含む任意のネットワークであることができ、ネットワーク100は、例えば、Wi-Fi(登録商標)通信プロトコル、Zigbee(登録商標)通信プロトコル、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル等に基づくことができる。ネットワーク100のネットワークデバイス111、121は、センシングエリア110、120に割り当てられる。この例示的な場合、ネットワークデバイス111はすべてセンシングエリア110に割り当てられ、ネットワークデバイス121はすべてセンシングエリア120に割り当てられている。センシングエリア110、120は、それぞれのセンシングエリアに割り当てられるネットワークデバイス111、121が適切な、好ましくは、所定の感度で無線周波数センシングを行うことができる空間領域に各々対応する。この実施形態において、2つの空間領域に対応するセンシングエリア110、120は、オーバーラップ領域140においてオーバーラップしている。
【0043】
一般に、ネットワーク100は、無線周波数センシングに関して1つ以上のタスクを与えられ、与えられたタスクに対応するセンシングエリア110、120についてのセンシング結果に基づいて検出結果を提供するように構成される。タスクは、例えば、ネットワーク100のエリアに存在する人のカウント、エリア100の少なくとも一部における存在の検出、ネットワーク100のエリアの少なくとも一部における呼吸検出、ネットワーク100のエリアの少なくとも一部における転倒検出等であることができる。以下の例において、ネットワーク100のタスク、斯くして、ネットワーク100によって提供される検出結果は、ネットワーク100のエリアの異なる部分における人の量を決定することを指す。したがって、センシングエリア110、120における無線周波数センシングのセンシング結果として、これらのセンシングエリアにおける人の量も提供される。一般に、ネットワーク100は、この場合、例えば、ネットワーク100の一部、例えば、ネットワークのネットワークデバイスの一部、ネットワークに接続されるサーバ又はネットワークに接続される他の専用ハードウェアであり得る検出結果決定ユニットを利用することによって、センシングエリア110、120についての検出結果に基づいて、ネットワーク100の異なるエリアにおける人の量を決定するように構成される。さらに、このような検出結果決定ユニットは、任意選択的に、ネットワーク制御デバイス130の一部であることもできる。
【0044】
ネットワーク制御デバイス130は、ネットワーク100の一部であるとみなされることができる、又はネットワーク100の一部ではないが、ネットワーク100の少なくとも1つのネットワークデバイスと通信するとみなされることができる。ネットワーク制御デバイス130は、ネットワーク100を制御するように、とりわけ、ネットワーク100のネットワークデバイス111、121のうちの1つ以上を制御することによってネットワーク100を制御するように構成される。ネットワークデバイス111、121の制御を実行するために、ネットワーク制御デバイス130は、例えば、無線周波数通信信号135を使用して、ネットワークデバイス111、121のうちの少なくとも1つと通信するように構成される。しかしながら、ネットワーク制御デバイス130は、ネットワークデバイス111、121のうちの少なくとも1つと通信するための任意の他の通信手段、例えば、有線通信、光通信、超音波通信等を使用することもできる。さらに、ネットワーク制御デバイス130は、例えば、ネットワークデバイスとハードワイヤードされることによって又はネットワークデバイスと同じハウジングに設けられることによって、ネットワークデバイス111、121のうちの少なくとも1つの一部であることもできる。この場合、ネットワーク制御デバイス130は、ネットワーク100を制御するために自身が設けられているネットワークデバイスの通信可能性を用いることができる。
【0045】
ネットワーク制御デバイス130は、センシング結果提供ユニット131と、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット132と、新たなセンシングエリア定義ユニット133とを含み、任意選択的に、図1に示されていない検出結果決定ユニットも含む。
【0046】
センシング結果提供ユニット131は、センシングエリア110、120の各々についてのセンシング結果を提供するように構成される。とりわけ、一例として、センシング結果提供ユニット131は、センシングエリア110、120の各々に対応する空間領域に存在するものとしてセンシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスの無線周波数センシングによって検出される人の量をセンシング結果として提供するように構成される。センシング結果提供ユニット131は、例えば、センシング結果を受けるために各センシングエリア110、120の少なくとも1つのネットワークデバイス111、121と通信することができる。しかしながら、センシング結果提供ユニット131は、1つのネットワークデバイスのみと通信するように構成されることもでき、このネットワークデバイスが、ネットワーク100のネットワーク通信を介して、すべてのセンシングエリア110、120のセンシング結果を受ける。さらに、センシング結果提供ユニット131は、ネットワークデバイス111、121のうちの少なくとも1つと通信し、センシングエリア110、120のセンシング結果をセンシング結果提供ユニット131に転送するように構成されるサーバ又は別の制御デバイスと通信するように構成されることもできる。センシング結果提供ユニット131は、センシング結果を少なくとも潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット132に提供するように構成される。
【0047】
潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット132は、センシング結果提供ユニット131によって提供されるセンシング結果に基づいて決定される検出結果が潜在的に信頼できないかどうかを決定するように構成される。とりわけ、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット132は、例えば、オーバーラップエリア140において、センシング結果が潜在的に信頼できない検出結果をもたらすかどうかを決定するために少なくとも2つのセンシングエリア110、120のセンシング結果を比較するように構成される。
【0048】
例えば、オーバーラップ領域140に人が存在する場合、センシングエリア110に割り当てられるネットワークデバイス111及びセンシングエリア120に割り当てられるネットワークデバイス121の両方が、オーバーラップ領域140に存在する人を検出することができる。これが本当にそうである場合、両方のセンシングエリア110、120のセンシング結果は、センシングエリア110、120の各々に1人の人が存在するということになる。斯くして、この場合、ネットワーク100は、例えば、ネットワークエリアに2人の人が存在すると決定する、又は、センシング結果が人が存在する領域に関するインディケーションを含む場合、オーバーラップ領域140に2人の人が存在すると決定することになる。ネットワーク100のこれらの誤った、すなわち信頼できない、検出結果を回避するために、この例では、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット132は、センシングエリア110のセンシング結果とセンシングエリア120のセンシング結果との比較が、センシング結果の時間相関を決定することを含むように構成されることができる。上記の例では、このような時間相関は、センシングエリア110、120の各々において検出される人が、センシングエリア110、120のそれぞれに割り当てられるネットワークデバイス111、121によって同じタイミングで検出されることを示す。斯くして、この例では、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット132は、例えば、所定の閾値を超える、センシング結果の時間相関は潜在的に信頼できない検出結果を示すと決定するように構成されることができる。しかしながら、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット132は、センシング結果を比較し、検出結果が潜在的に信頼できないと決定するために他の手段を使用することもできる。例えば、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット132は、センシングエリアのセンシング結果を比較するために、アクティビティフィンガープリント、ネットワークデバイスの分布、ネットワーク結果に関する過去の経験等、ネットワークの所定の知識及び/又は特性を利用するように構成されることができる。
【0049】
一例として、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット132は、例えば、ユーザによって、センシングエリアの以前のセンシング結果と、信頼できる又は信頼できないとマークされる結果として得られた検出結果とで訓練された、ニューラルネットワーク等、訓練された人工知能システムを含み、ゆえに、人工知能コンポーネントが、人工知能コンポーネントに組み込まれる学習済みのルールに基づいて検出結果が潜在的に信頼できないかどうかを決定することができる。
【0050】
新たなセンシングエリア定義ユニット133は、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット132が検出結果が潜在的に信頼できないと決定する空間領域、又は空間領域の少なくとも一部に対応する新たなセンシングエリア150を定義するように構成される。例えば、上記の例では、新たなセンシングエリア定義ユニット133は、オーバーラップエリア140を含む新たなセンシングエリア150を定義するように構成されることができる。とりわけ、新たなセンシングエリア定義ユニット133は、新たなセンシングエリア150にネットワーク100のそれぞれのネットワークデバイス111、121を割り当てることによって、オーバーラップ領域140を含む新たなセンシングエリア150を定義する。上記の例では、新たなセンシングエリア定義ユニット133は、新たなセンシングエリア150にオーバーラップエリア140の隣にある4つのネットワークデバイス111、121を割り当てるように構成されることができる。好ましい実施形態において、新たなセンシングエリア定義ユニット133は、ネットワーク100の既知の特性に基づいて、例えば、ネットワークデバイス111、121の既知の空間分布、ネットワークデバイス111、121間の既知の関係、ネットワークデバイス111、121の既知の特性、とりわけ、センシング特性等に基づいて新たなセンシングエリア150にこれらのネットワークデバイス111、121を割り当てる。しかしながら、新たなセンシングエリア定義ユニット133は、所定のプランに基づいて又は過去の経験に基づいて新たなセンシングエリア150にネットワークデバイス111、121を割り当てるように構成されることもできる。例えば、ネットワーク100のレイアウトを知っているユーザは、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット132によって潜在的に信頼できない検出結果が決定されるすべての場合において、特定のネットワークデバイス111、121が、新たなセンシングエリア定義ユニット133によって、新たなセンシングエリア150に割り当てられるべきであると決定することができる。さらに、新たなセンシングエリア定義ユニット133は、ネットワークの特性に関する直接的な知識なしに、潜在的に信頼できない検出結果が決定された空間領域に基づいて、新たなセンシングエリア定義ユニット133がセンシングエリア150にネットワークデバイス111、121を割り当てることを可能にするネットワーク100の相応に提供される訓練データに基づいてルールを学習するように構成されることができる。しかしながら、学習プロセスを通じて、ネットワーク100の特性に関する間接的な洞察が、新たなセンシングエリア定義ユニット133によって学習されるルールに組み込まれることに留意されたい。
【0051】
センシング結果提供ユニット131は、例えば、上述したように、新たなセンシングエリア150に割り当てられるネットワークデバイス111、121のうちの1つと通信することによって、又は上述した他のやり方のうちのいずれかにおいて、新たなセンシングエリア150についての新たなセンシング結果を提供するように構成されることができる。
【0052】
少なくとも、潜在的に信頼できない検出結果が決定された空間領域の一部についての、例えば、少なくとも、オーバーラップ領域140についての検出結果が、新たなセンシング結果と、センシング結果、すなわち、元のセンシング結果の少なくとも1つとに基づいて決定される。例えば、検出結果を決定するために元のセンシング結果がどのように考慮されなければならないかを新たなセンシング結果に基づいて判断することを可能にする論理的ルールが適用されることができる。オーバーラップ領域140に人が存在することを含む上記の例では、新たなセンシング結果は、新たなセンシングエリア150に一人の人しか存在しないことを示す結果を指すことができる。ネットワーク100、例えば、ネットワーク100の一部である又は任意選択的にネットワーク制御デバイス130の一部である検出結果決定ユニットは、実際に両方のセンシング結果が少なくともオーバーラップ部分140において同じ人を指すと決定するために論理的ルールを適用するように構成されることができ、ゆえに、少なくともこの部分について、センシングエリア110、120のセンシング結果は単純に加算され得ず、検出結果は新たなセンシングエリア150についての新たなセンシング結果に従って訂正されなければならない。斯くして、この場合、ネットワーク100は、例えば、検出結果決定ユニットによって、ネットワーク100のエリア内に確かに一人の人しか存在しないと決定する。
【0053】
図2は、上述したネットワーク100等のネットワークを制御するための方法を概略的且つ例示的に示している。第1のステップ210において、方法200は、ネットワークの各センシングエリア、例えば、ネットワーク100のセンシングエリア110、120の無線周波数センシングのセンシング結果を提供することを含む。センシング結果は、上述したように、センシング結果提供ユニット131によって提供されることができる。次のステップ220において、センシング結果に基づいて決定される検出結果が、センシングエリア110、120のうちの少なくとも1つのセンシングエリアの一部である及び/又はセンシングエリア110、120のうちの少なくとも1つのセンシングエリアに隣接する空間領域において潜在的に信頼できないかどうかが決定される。例えば、ステップ210において、エリア110及び120のセンシング結果を比較することによって、オーバーラップエリア140について、上述の原理に従って、検出結果が潜在的に信頼できないと決定されることができる。潜在的に信頼できない検出結果は、例えば、上述したように、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニット132によって決定されることができる。潜在的に信頼できない検出結果が決定されない場合、方法200は、センシング結果に基づいて検出結果を決定することを含むことができ、以下のステップ230、240、250は省略されることができる。しかしながら、ネットワーク100のエリアの少なくとも一部において、検出結果が潜在的に信頼できないと決定される場合、方法200は、ステップ230、240、250を実行する。この場合、次のステップ230において、新たなセンシングエリアが、新たなセンシングエリア150において無線周波数センシングを行うために新たなセンシングエリア150にネットワークデバイス111、121を割り当てることによって定義され、新たなセンシングエリア150は、検出結果が潜在的に信頼できない空間領域の少なくとも一部に相当する。このステップは、新たなセンシングエリア定義ユニット133に関して上述した原理及び例に従っても実行されることができる。次のステップ240において、新たなセンシングエリア150における無線周波数センシングの新たなセンシング結果が、例えば、センシング結果提供ユニット131によって提供される。方法200の最後のステップ250において、検出結果が、少なくとも、潜在的に信頼できない検出結果が決定される空間領域の一部について決定され、検出結果は、やはり上述した原理に従って、センシング結果、すなわち、元のセンシング結果の少なくとも1つ及び新たなセンシング結果に基づいて決定される。
【0054】
以下では、よく発生するいくつかの状況に適用される本発明のより詳細な例が提供される。以下の例は、無線周波数センシングを実行する及びネットワークを形成することができる複数のネットワークデバイスを含む空間に関し、空間は、1つの通常の無線周波数センシングエリアが許容可能な性能でカバーすることができるものよりも大きい。斯くして、エリアごとに信頼性の高いイベント検出のための所望の感度レベルに設定される場合に部分的にオーバーラップすることができ、部分的にオーバーラップするエリアで起こるイベントが両方のエリアによってピックアップされる、少なくとも2つの無線周波数センシングエリアが提供される。本発明の主旨(main idea)は、このような場合に、センシングエリアの1つによって各々検出される、2つのイベントが同じ物理的イベントに対応する可能性があるかどうか、例えば、2つのイベントが単一の物理的イベントに起因するか否かを決定することに関する。さらに、本発明は、新たなセンシングエリアが作成され、新たなセンシングエリアにおけるセンシング結果に基づいて無線周波数センシングの結果が決定されるように、空間内のネットワークデバイスの構成(configuration)、すなわち、割り当てを再調整することを提案する。新たなセンシングエリアのセンシング性能は、ネットワークの元のセンシング目標(sensing goal)のための元のセンシングエリアのセンシング性能より低くなることができる。しかしながら、新たなセンシングエリアの性能は、例えば、この再構成をトリガする特定のロケーションにおける、特定のイベントの検出、例えば、呼吸検出のために、元のセンシングエリアの性能よりも高くなることもできる。
【0055】
図3Aに示される本発明の適用及び動作のための例は、全体的に一貫性のある照明(consistent lighting)を提供するために規則的なパターンで天井に取り付けられるネットワークデバイス1、2、3、4、5、6、7、8としてのワイヤレス照明器具311、312を含むオフィス空間300に関する。ネットワークデバイスは、新しく来た人が、人が少なく、それゆえノイズが少ない及び/又は利用可能な机が多いエリアに向けられる(directed)ことができるように、エリアごとの人の量をカウントするために無線周波数センシングを行うように構成される。これは、新たな同僚がいつ机に案内される必要があるか分からないので、各エリア及びフロア全体の人カウント(people count)が迅速に更新される必要があることを意味する。オフィス空間300は、2つの異なるセンシングエリア310、320を含む。図3Aは、これらのセンシングエリア310、320がオーバーラップを有することを示している。ある状況においては、隣接するエリアがオーバーラップを有するように構成することが望ましくあり得る。これは、潜在的な二重カウンティング(potential double counting)が行われ得る場合に本発明の利益を享受することを可能にする。しかしながら、オーバーラップを増やす/発生させるためにセンシングエリアのカバレッジを広げすぎることは、検出ゾーンの他のエッジ/隣接エリアでの望ましくないトリガ、例えば、廊下で人がピックアップされる等、をもたらし得ることも考慮されなければならない。この例では、センシングエリア310、320へのネットワークデバイス1、2、3、4、5、6、7、8のグループ化、すなわち、割り当て、及びそれらの性能パラメータは、デスクにいる人のカウンティング性能が最適化されるようなものである。しかしながら、入室、コーヒーブレイク、昼休み、会議から戻る、簡単なおしゃべりのために自分の机に座っている同僚の近くに立つ等、ある期間において、人々は、図3Bに概略的に示されるように、簡単なおしゃべりのために特定のキュービクルの周りにグループ化し、数分間そこにとどまり得る。これらは、ネットワークデバイスが依然として滞留者を検出することが可能であり、複数のセンシングエリア310、320がオーバーラップしているエリアであり得る。これは、図3Bに示されるように、いくつかのエリアの人々が、各センシングエリアについて1回ずつ、2回カウントされることにつながり得る。この場合、システムは、潜在的に、これを混雑したエリアとみなし、それゆえ、実際には新たな同僚に適したエリアであるにもかかわらず、新たな同僚をどこか別の場所に向け直し(redirect)得る。さらに、オフィス内のあるスポットに人々が滞留していることをシステムが検出する場合、対応する空間管理アプリで静かな作業スポットを探しているオフィスワーカを、オフィスのこの部分を使用することから遠ざけるように向ける可能性がある。
【0056】
このような状況において、本発明は、例えば、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットによって実行されるステップにおいて、エリア310、320間の人のカウンティングが単一の、固有のイベントにリンクしている可能性が最も高く、斯くして、センシング結果は潜在的に信頼できない検出結果をもたらすことになると決定されることを提案する。この決定は、例えば、センシング結果におけるセンシングされたイベントのトリガに関する時間相関に気付く(notice)ことに基づいて行われることができる。さらに、これが実際の二重イベントであるか単一のイベントであるかを確認するために、一時的に無線周波数センシングを行うための最も適したネットワークデバイスが、例えば、新たなセンシングエリア定義ユニットによって決定されることが提案される。ここで、これらの適したネットワークデバイスは、ネットワークデバイス2、4、5、及び7である。この決定は、例えば、オフィスのレイアウト/フロアプラン、ネットワークの近隣テーブル、近接性を決定するためのノードからの信号強度の解析、さらには、検出後の、イベントの影響を最も受けたネットワークデバイスがどこであったかの理解等に基づくことができる。この場合、図3Cに示されるように、ネットワークデバイス2、4、5、7を含む新たなセンシングエリア330が作成されることができ、これらのネットワークデバイスは、それらの周辺空間の人々をカウントするのにここで理想的に適している。元のセンシングエリア310、320は、この場合、例えば、一時的にディスエーブルされる(disabled)ことができる。代替的に、元のセンシングエリア310、320は、センシング結果を提供し続けることができる、又は、元のセンシングエリア310、320と新たなセンシングエリア330とで交互にセンシングが行われることができる。無線周波数センシングが、新たなセンシングエリア330によって、このエリアにおける人の実際の量を検証するために、所望の機能性、この場合は人をカウントすることついて行われる。この例では、検出結果が、例えば、検出結果決定ユニットによって、以下のシナリオに基づいて実装されるルールを適用することによって、新たなセンシング結果と元のセンシング結果とに基づいて決定されることができる。
【0057】
【0058】
検出結果が十分な信頼性をもって決定されることができた後、例えば、存在する人の数について十分な信頼性に達した後、新たなセンシングエリア330は、元のセンシングエリア310、320がそれらの通常の動作を続けることができるようにディスエーブルされることができ、又はエリア330におけるセンシングが単に停止されることができる。これは、センシングエリア310、320からセンシングエリア330を構築するためにどのようなアプローチが取られるかに依存し得る。新たなセンシングエリア330におけるセンシングの新たなセンシング結果は、必要に応じて、検出結果、ここでは人の総数が更新され得るように、人カウント統計を処理することに従事するシステムに提供されることができる。
【0059】
図4は、この状況に対するさらなる実施形態を示している。この場合、1つの新たなセンシングエリアが提供されるだけでなく、2つの小さい新たなセンシングエリア340、350がオーバーラップエリアに提供される。斯くして、人が存在する場所についてより詳細な印象が獲得されることができる。この例では、図示の2つのネットワークデバイス2と5、4と7のみをそれぞれ2つの新たなセンシングエリア340、350に割り当てることにより、検出は、当該2つのネットワークデバイス間のパスウェイ(pathway)にフォーカスされることができる。このような場合、無線周波数センシング感度は、パスウェイの特定のスポットにいる人のみが検出されるように十分に低く設定されることができる。この場合、人の位置がリライアブルに(reliably)決定されることができるだけでなく、存在する人についてのより詳細が決定されることができる。図4は、この例について、第2の新たなセンシングエリアに追加の人が存在するのを示している。このシナリオにおける検出結果の決定のために、上記の例に準じたルールが提供されることができる。
【0060】
同じオフィス状況において、システムは、代替的に、例えば、無線周波数センシングが、人カウントに加え、占有に基づく照明制御にも用いられる場合に隣接エリアでライトがオンされることを避けるように、例えば、オーバーラップエリアが存在しないような感度設定を通じて、構成されることできる。しかしながら、図5に示されるように、このオーバーラップエリアの欠如は、センシングエリア310'と320'との間に発生する死角(blind spot)において人が検知されないことにつながる。これは、システムが、空きスポットがあるとして新たな同僚をこのエリアに案内することにつながり得るが、当該エリアは、死角にいる余分な人又は人々を考慮した場合、すでに定員に近くなってい得る。
【0061】
この場合、上述したような発明が適用されることができる。とりわけ、例えば、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットによって、信頼できない検出結果につながることになる潜在的な二重否定(potential double negative)が発生したかどうかが決定されることができる。この場合の決定は、例えば、以前検出エリア310'にいた人が去り、検出エリア320'にしか行くところがなく、現在どちらの検出エリアでもピックアップされていないと決定することに基づくことができる。また、人は、例えば、廊下を通って、上又は下のエリアから到着することができる。さらに、例えば、新たなセンシングエリア定義ユニットによって、これが、二重否定(double negative)又は以前のフォールスポジティブ(false positive)によっておそらくトリガされる本当の不在であるかどうかを確認するために、一時的に無線周波数センシングを行うための最も適したネットワークデバイスが決定される。この場合、最も適したネットワークデバイスは、ネットワークデバイス2、4、5、及び7である。ここでも、最も適したネットワークデバイスは、例えば、オフィスのレイアウト/フロアプラン、ネットワークの近隣テーブル、近接性を決定するためのノードからの信号強度の解析、さらには、検出後の、イベントの影響を最も受けたネットワークデバイスがどれであったかの理解等に基づくことができる。最も適したネットワークデバイスに基づいて、周辺空間にいる人々をカウントするのに理想的に適している、センシングデバイス2、4、5、及び7を含む新たなセンシングエリア330が作成されることができる。元の検出エリア310'及び320'は、この場合、一時的にディスエーブルされることができる。
【0062】
所望の機能性、この場合は人をカウントするための無線周波数センシングが、当該エリアにおける人の実際の量を検証するために行われる。この場合、無線周波数センシングのために異なる機能性に切り替える、すなわち、異なるタスクのために無線周波数センシングを行うことが有利であり得る。例えば、人カウントに代えて、単純なモーションセンシングアルゴリズムが適用されることができる。しかしながら、ここで提供される例における、人カウント機能と同じ機能性が維持されることもできる。最終的な検出結果を決定するために、例えば、人カウントを利用した以下のシナリオに基づくルールが実装されることができる。
【0063】
【0064】
検出結果が十分な信頼性をもって決定されることができた後、例えば、存在する人の数について十分な信頼性に達した後、新たなセンシングエリア330は、元のセンシングエリア310'及び320'がそれらの通常の動作を続けることができるようにディスエーブルされることができ、又は新たなセンシングエリア330におけるセンシングが単に停止されることができる。これは、センシングエリア310'及び320'から新たなセンシングエリア330を構築するためにどのようなアプローチが取られるかに依存し得る。新たなセンシングエリア330におけるセンシングの新たなセンシング結果は、必要に応じて、検出結果、ここでは人の総数が更新され得るように、人カウント統計を処理することに従事するシステムに提供されることができる。
【0065】
上述した実施形態に加えて、ネットワーク制御デバイスは、鈍い2値(blunt binary value)とは対照的に、検出のタイプごとの信頼レベルを示すように構成されることもできる。例えば、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、あるエリアに2人の人が存在する95%の信頼と、第3の人が存在する35%の信頼とを示すように構成されることができる。適切な性能を確保するために、検出結果を決定する際、ネットワークは、低い信頼レベルに基づく第3の人の存在を破棄する(discard)ことができる。しかしながら、信頼レベルは、新たなセンシングエリア定義ユニットによって新たなセンシングエリアが定義されるべきかどうかを判断するために使用されることができる。さらに、いくつかのアプリケーションでは、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットによって決定される信頼レベルは、例えば、95%の信頼で3人から5人の間の人がエリアにいると決定することによって、人カウントを行うために利用されることができる。このようなアプリケーションのために、信頼閾値(confidence threshold)が提供されることができ、信頼閾値を超える信頼で提供される結果は、新たなセンシングエリアを提供するステップを省略することを可能にする。信頼閾値は、ネットワークのアプリケーション又はネットワークに与えられる機能タスクに基づいて決定されることができる。例えば、おおよその人カウント(approximate people counting)は、部屋の空気の流れ、掃除の頻度等を最適化するのに非常に有用であり得るが、正確な数は、このようなアプリケーションには必要でない可能性がある。
【0066】
さらに、信頼レベルは、上述のように新たなセンシングエリアの作成、すなわち、定義をさらに最適化するために新たなセンシングエリア定義ユニットによって利用されることができる。例えば、エリア内の人の存在を確認するチャンス(chance)が増加されるように、新たなセンシングエリアが作成されることができる。とりわけ、あるセンシングエリアが、隣接するセンシングエリアよりも高い信頼レベルを有する場合、より信頼できるセンシングエリアにもともと割り当てられているネットワークデバイスをより多く利用するように、新たなセンシングエリアが定義されることができる。これは、より高いチャンスで存在/カウントをより迅速に確認するのに役立つ。
【0067】
追加の実施形態において、新たなセンシングエリアにおいて無線周波数センシングを行う間、元のセンシングエリアの非オーバーラップセクションで起こることを見失うことは好都合ではない可能性がある。例えば、ネットワークが、占有検出、ジェスチャ認識、転倒検出、呼吸検出等の機能性を実行するために利用される場合、これを見失うことは受け入れられない可能性がある。この場合、新たなセンシングエリア定義ユニットは、元のセンシングエリアを解体しないように構成されることができる。この場合、伝送レートは、ネットワーク負荷及び/又はデバイスリソース使用量の結果として生じる増加が許容可能である場合、すべての元のセンシングエリアについて新たなセンシングエリアを導入する前と同じに保たれることができる。しかしながら、元のセンシングエリアがディスエーブルされない場合、例えば、それらの伝送レートとしてこれらエリアのセンシング特性を変更することが好ましい。例えば、伝送レートは、以下の条件のうちの1つ以上を満たすように変更されることができる。好ましくは、伝送速度は、元のセンシングエリア及び新たなセンシングエリアに割り当てられるネットワークデバイスによって見られるネットワークトラフィックの総量が、ある時間ウィンドウにわたって同じままである、又は低くなるように変更される。例えば、元のセンシングエリアがその伝送速度を元の値SからS/2に下げる場合、新たなセンシングエリアは、自身もS/2の速度で伝送する限り、ネットワーク上の負荷を大幅に増加させることなく、同時に共存することができる。これは、ネットワーク負荷が検出のレイテンシよりも重要である状況において好ましい。別の好ましい実施形態において、伝送レートは、センシングエリアに属さない他のネットワークデバイスによって見られるトラフィックの総量が、新たなセンシングエリアの定義によって影響を受けるが、斯かるネットワークデバイスのワイヤレス範囲内で、著しく増加しないように変更されることができる。これは、2つ以上の隣接するエリアが存在し、それらの他のセンシングエリアにおけるネットワークデバイスがネットワークトラフィックの増加によって影響を受け得る場合に好ましく適用される。さらなる好ましい実施形態では、ネットワークトラフィックが、ネットワークデバイスによって見られるネットワークトラフィックの総量が、例えば上述のように決定される各元のセンシングエリアの相対的信頼レベルの関数であるように変更されることができる。例えば、第1のセンシングエリアの信頼レベルが、第2のセンシングエリアの信頼レベルの2倍であり、両方とも新たなセンシングエリアに関与する場合、第1のセンシングエリアがそのネットワークトラフィックをS/4に、第2のセンシングエリアがS/4に、新たなセンシングエリアがS/2に減少する等、ネットワークトラフィックが分割されることができる。
【0068】
一実施形態において、元のセンシングエリアはイネーブルされたままである、それゆえ、元のトラフィック量を生成することができるが、人カウントの代わりに単に存在等のより基本的な機能性を実行するように構成されることができる。これは、潜在的にネットワークトラフィックは高くなるが、カウントを行うことを継続した場合と比較して処理要件は低くなることも意味する。
【0069】
上記の実施形態では、ほとんど2つのセンシングエリアのみがネットワークに対して定義されたが、他の実施形態では、3つ以上、例えば、3つ又は任意の他の数のセンシングエリアが定義されることができる。この場合、3つ以上のセンシングエリアはオーバーラップすることもでき、又は無線周波数センシングが行われることができない領域に隣接することもできる。この場合、上述した原理は、3つ以上のセンシングエリアに相応に決定されることができ、例えば、3つのセンシングエリアがオーバーラップする場合、潜在的に信頼できない検出結果決定ユニットは、3つのセンシングエリアについてのセンシング結果を比較するように構成されることができる。
【0070】
上述の実施形態は、照明システムに関して又はオフィス分布システムに関して述べられたが、他の実施形態において、ネットワークは、オーディオ機能、センサ機能等、一般的なネットワーク通信及び無線周波数センシング機能に加えて他の機能性を含むことができ、例えば、ユーザの個人宅、都市の公共空間、高いセキュリティ環境等、他の状況において適用されることができる。斯くして、上述した実施形態において、ネットワークのタスク、斯くしてセンシング結果は、ネットワークのエリア内の人の数をカウントすることに関することが例示的に述べられたが、他のアプリケーションにおいて、及びネットワークの他の機能性に関連して、他のタスク、斯くして他の検出結果も、同様の原理に従って企図されることができる。例えば、ネットワークは、セキュリティアプリケーションにおける人の存在又は不在を決定するタスク、高齢者の家庭環境における人の転倒を決定するタスク、育児環境における人の呼吸を検出するタスク、個人宅又は公共空間における照明を制御するタスク等を備えることができる。
【0071】
図面、本開示、及び添付の請求項の検討によって、開示される実施形態に対する他の変形形態が、当業者により理解されることができ、また、特許請求される発明を実施する際に実行されることができる。
【0072】
請求項では、単語「含む」は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。
【0073】
単一のユニット又はデバイスが、請求項において列挙される、いくつかの項目の機能を果たしてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0074】
1つ又はいくつかのユニット又はデバイスによって実行される、センシング結果の提供、潜在的に信頼できない検出結果の決定、新たなセンシングエリアの定義、新たなセンシング結果の提供、検出結果の決定等のプロシージャは、他の任意の数のユニット又はデバイスによって実行されることができる。これらのプロシージャは、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として、及び/又は専用ハードウェアとして実装されることができる。
【0075】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、又は他のハードウェアの一部として供給される、光学記憶媒体又は固体媒体等、好適な媒体において記憶/頒布されてもよいが、インターネット、又は他の有線若しくはワイヤレス電気通信システム等を介して、他の形態で頒布されてもよい。
【0076】
請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0077】
本発明は、センシングエリアを含むネットワークを制御するためのデバイスに関する。デバイスは、a)センシングエリアにおける無線周波数センシングのセンシング結果を提供するための提供ユニットと、b)検出結果が空間領域において潜在的に信頼できないかどうかを決定するための決定ユニットと、c)検出結果が潜在的に信頼できない空間領域の一部に対応する新たなセンシングエリアを定義するための定義ユニットとを含む。提供ユニットは、新たなセンシングエリアにおける新たなセンシング結果を提供するように構成され、センシング結果及び新たなセンシング結果に基づいて、潜在的に信頼できない検出結果が決定される空間領域の少なくとも一部について検出結果が決定される。斯くして、本発明は、無線周波数センシングネットワークのセンシング信頼性を向上させることができるデバイスを提供する。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5