(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】部品接合装置及びその方法と実装構造体
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20231027BHJP
H01L 21/52 20060101ALI20231027BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20231027BHJP
【FI】
H05K13/04 B
H01L21/52 H
H01L33/48
(21)【出願番号】P 2018204567
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2021-06-02
(31)【優先権主張番号】P 2017240223
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】藤田 亮
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-245471(JP,A)
【文献】特開平06-252183(JP,A)
【文献】特開平02-163945(JP,A)
【文献】特開2009-267349(JP,A)
【文献】特開平10-335391(JP,A)
【文献】特開2001-351949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
H01L 21/52
H01L 33/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の接合領域を、1つの加熱ステージの加熱領域上に配置する基板セット工程と、
前記基板の前記加熱領域上に半田を配置し、前記基板において前記加熱領域の外縁から前記基板の端部にまで至る領域である周辺領域を浮かして前記1つの加熱ステージと非接触とした状態で
、前記半田を加熱冷却
して前記半田を前記基板に仮固定する半田仮固定工程と、
前記基板の前記周辺領域を浮かして前記1つの加熱ステージと非接触とした状態で
、前記基板に仮固定された前記半田を溶か
すとともに、部品供給ヘッドにより保持された部品を、前記半田を介して前記基板上に配置させて、前記部品を前記基板の接合領域に接合する部品接合工程と、を含み、
前記周辺領域は矩形状の前記基板における4つの端辺を含む領域であ
り、
前記部品接合工程において、前記部品供給ヘッドにより前記部品を前記基板上に配置させた後、前記加熱ステージによる加熱を停止させて、前記部品供給ヘッドによる前記部品の保持を継続しながら前記半田を凝固させて前記部品を前記基板に接合する、部品接合方法。
【請求項2】
前記部品接合工程で、前記基板の接合領域外に気体を吹き付ける、請求項
1に記載の部品接合方法。
【請求項3】
前記部品接合工程を、不活性ガス中で行う、請求項
1または2に記載の部品接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品接合装置及び方法と実装構造体に関する。特に、高温で基板に部品を加熱接合する際に、基板の熱膨張の影響を回避して部品と基板の高精度な位置決めを実現する部品接合技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の部品接合装置において、部品を高精度に位置決め接合する方法として、ピンなどで位置を決める構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
図5、
図6は、特許文献1に記載された従来の位置決め構造を示すものである。
図5は、固体撮像装置の平面図である。
図6は
図5のA-A断面図である。
【0003】
まず、上面にカバーガラス26を有する固体撮像素子21が固定されたセラミック容器22と、金属で作製された位置決め用の孔23a,24aをもつ位置決め部材23,24とを準備する。
【0004】
次に、位置決め部材23,24にペースト状の高融点の半田25を塗布する。
【0005】
接合の際に、組立治具にセラミック容器22をセットし、組立治具の基準ピンを、孔23a,24aに挿入して、加熱・接合する。
【0006】
結果、セラミック容器22に、位置決め用の孔23a,24aをもつ位置決め部材23,24が接合される。なお、位置決め部材23,24は、切欠き溝22a、切欠き部22bの部分に接合される。位置決め用の孔23a,24aを利用して、固体撮像装置が基板などにはめ込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の構成では、高温で半田接合する際に、基準ピンの位置を基準として部品が熱膨張する為、熱膨張による部品の接合部品と被接合部品の形状変化の違いによる位置決め精度は悪化する。
【0009】
よって、本願の課題は、熱膨張による部品の接合部品と被接合部品の形状変化の違いによる位置決め精度が悪くならない部品接合装置及び部品接合方法と実装構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する為に、部品を保持する部品供給ヘッドと、基板を加熱保持する加熱ステージと、を備え、上記加熱ステージと上記基板とが接触する加熱領域は、上記部品が接合させる上記基板の接合領域を含み、上記基板は、上記加熱ステージより大きく、上記基板の周辺部は、上記加熱ステージと非接触である部品接合装置を用いる。
【0011】
また、基板の接合領域を、加熱ステージの加熱領域上に配置する基板セット工程と、上記基板の上記加熱領域上に半田を配置し、加熱冷却する半田仮固定工程と、上記半田を溶かし、部品を接合する部品接合工程と、を含む部品接合方法を用いる。
【0012】
また、基板と、上記基板の一方面に実装された部品と、上記基板の他方面に、平面視で、上記部品が実装された全領域を含む熱処理された第1領域と、上記基板の他方面に、上記第1領域に囲まれる熱処理されていない第2領域と、を有する実装構造体を用いる。
【発明の効果】
【0013】
以上のような構造及び接合方法をとることにより、高温で基板を加熱しながら部品の接合を行う際に、基板の熱膨張による位置決め誤差を最小化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)本発明の実施の形態1部品接合装置の斜視図、(b)本発明の実施の形態1部品接合装置において、基板を上面から見た平面図
【
図2】本発明の実施の形態2の部品接合装置の断面図
【
図3】本発明の実施の形態3の部品接合装置の断面図
【
図4】本発明の実施の形態3の部品接合装置の断面図
【
図5】特許文献1に記載された従来の位置合わせ技術を説明するための撮像装置の平面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1(a)に、本発明の実施の形態1における接合装置の斜視図を示す。
図1(b)は、実施の形態1の部品接合装置に基板をセットした状態で、基板を上面から見た平面図である。
【0016】
<構造>
実施の形態1の部品接合装置は、部品供給ヘッド5と、加熱ステージ4とからなる。
【0017】
<部品供給ヘッド5>
部品供給ヘッド5は、部品2及び半田3を吸着保持することができ、加熱ステージ4上に配置された基板1上に位置決めすることができる。また、部品供給ヘッド5は、接合の際には上下に動作させることができる。部品供給ヘッド5は、接合時に、部品2を基板1に対し加圧を行う事ができる。
【0018】
< 加熱ステージ4>
加熱ステージ4は、基板1を吸着保持することができ、加熱することができる。基板1の接合される接合領域12を含む大きさである。接合領域12は、基板1内であり、部品などが接合される領域である。
【0019】
また、基板1の加熱ステージ4と接触している領域が加熱領域11となる。基板1は、加熱ステージ4より大きい。加熱領域11は、基板1の一方面に位置し、接合領域12は、基板1の他方面に位置し、基板1を平面視で見た時に、加熱領域11は、接合領域12を含む。
【0020】
加熱ステージ4の加熱は、パルスヒートのような急峻な加熱を行う事ができる物を使用する。本実施の形態は、半田3が加熱され融解し、その後、冷却されて凝固するまでの接合プロセスを含むため、急峻な加熱および高速の冷却を行う必要がある為である。
【0021】
ここで、基板1の内で、加熱領域11以外の非加熱領域13は、空中に浮かすなど外力を受けないようにしておく。基板1を吸着保持している時に、基板1が熱膨張した場合、加熱ステージ4と基板1の温度差はゼロではなく、かつ、お互いの線膨張係数も異なる為、お互いが接触している加熱領域11のいずれかの場所を基点に加熱ステージ4と基板1がずれる事になる。
【0022】
この基点は接触面同士の微小な凹凸などにより決まるため、コントロールはできない。また、半田3を凝固させる際に加熱ステージ4と基板1とが冷却されるが、このときにも同様にお互いの接触面のいずれかの位置を基点にずれが発生する。
【0023】
その為、上記のように非加熱領域13を空中に浮かすことにより、基板1の熱膨張の基点が接合領域12内となり、この基板1と加熱ステージ4の膨張および収縮による加熱ステージ4に対する基板1の位置ずれの量を最小化することができる。
【0024】
また、非加熱領域13を加熱ステージ4から離す事により、半田3が凝固するまでの基板1の冷却時間の短縮も同時に実現できる。
【0025】
実施の形態1の部品接合装置は、部品2を基板1へ実装する。
【0026】
なお、非加熱領域13は、基板1の接合領域12以外の領域でもある。
【0027】
<部品2>
部品2は、LEDパッケージであり、□5mm程度のサイズである。裏面はLEDの排熱の為に全面半田などの熱伝導の良い物質と接合されているのが望ましい。ただし、LEDパッケージ以外LED素子、半導体ベアチップ、半導体パッケージ、パワーモジュールなどでも良い。
【0028】
<基板1>
基板1は、銅基板である。本実施の形態ではLEDパッケージを対象とするため、放熱性を上げる為に銅基板とするが、材質は問わない。サイズはここでは□30mm程度、厚みは2mm程度である。本実施の形態を実施するにあたり、大きさに制約はないが、部品2と基板1のサイズに差があるほど、効果は大きい。
【0029】
基板1には、裏面で加熱ステージ4と接触している加熱領域11と、その内側に部品2が接合される接合領域12があり、基板1の他の領域は、非加熱領域13である。
【0030】
<半田3>
半田3は、固形のAuSn半田を使用する。これは、この後SMT部品を同基板に実装することが出来るよう、融点が高温である必要がある為であるが、本実施の形態においては必須ではなく、通常の半田でも構わない。また、加熱して接合するものであれば半田でなくとも構わない。
【0031】
<プロセス>
(1)基板1をセットする工程
まず、基板1の加熱領域11が加熱ステージ4外形と一致するように位置決めし、加熱ステージ4の上に配置して吸着保持する。このようにすることで、基板1が熱膨張する際に加熱ステージ4との相対位置ずれが発生する基点を接合領域12の中にすることができ、結果、基板1と部品2の位置ずれを最小化できる。
【0032】
(2)半田3による仮固定工程
半田3を部品供給ヘッド5で吸着保持し、基板1の接合領域12内に水平方向を位置決めし、置く。その後、加熱ステージ4の加熱を開始する。加熱ステージ4の温度が規定の温度になった後、部品供給ヘッド5を下降させ、半田3を基板1に加圧し、一定時間加圧状態を保持し、半田3を基板1に仮固定する。その後、加熱ステージ4の加熱を停止させ、部品供給ヘッド5の吸着を破壊して上昇させる。この時の加熱・加圧の温度・時間は、半田3が液化せず、かつ、基板1に接合された状態となるようにしておく。
【0033】
(3)部品2を接合する工程
半田3の仮固定の後に部品2の接合を行う。まず部品供給ヘッド5で部品2を吸着保持する。その後、部品2が基板1の接合領域12の上にくるよう、部品供給ヘッド5を正確に位置決めする。
【0034】
その後、加熱ステージ4の加熱を開始する。加熱ステージ4の温度が規定の温度になった後、部品供給ヘッド5を降下させ、基板1に加圧し、一定時間加圧状態を保持する。
【0035】
その後、加熱ステージ4の加熱を停止させ、接合部が濡れ広がり、温度が下がって半田3が凝固するまで加熱ステージ4及び基板1が冷却するのを待つ。接合部の温度が下がり、半田3が凝固した後、部品供給ヘッド5の吸着を破壊し、ヘッドを上昇させる。
【0036】
ここで、接合開始の温度は、半田3が十分に溶融した状態になってから部品供給ヘッド5を下降して接合動作を行う。半田3を溶融させる前に部品2を半田3に接触させると、半田3が溶融する際に微小な表面凹凸状態によって内部に微小な空気をまきこみ、ボイドを発生しやすい。それに対し、半田3を先に溶融させると、その表面が表面張力により曲面になる。そのため、その上から部品2を接触させた際に、曲面の頂点から順に接触させることができる為気体を巻き込みにくく、接合部分にボイドが発生しにくい。
【0037】
<効果>
基板1は接合時の加熱で膨張し、冷却時には収縮する。しかし、加熱領域11を接合領域12と略一致させることで、接合の際にその熱膨張による基板1の位置ずれを最小化させることができる。
【0038】
さらに、基板1が保持されている加熱領域11以外の領域(基板1の周辺領域)は外力を受けないので、この加熱領域11を中心として基板1が膨張しても部品2と基板1の相対位置関係に影響を及ぼさない。
【0039】
接合領域12は、加熱領域11の内部にある為、基板1と部品2の相対位置は変化しない。また、加熱が終わり、半田3が凝固するまで冷却する際にも同様に基板1と部品2の相対位置は変化しない。
【0040】
このように、本構造をとることで、加熱、冷却による基板1の温度変化による膨張、収縮の位置ズレの影響をなくし基板1に部品2を正確に位置決めして接合することができる。
【0041】
(実施の形態2)
図2に、本実施の形態の実施の形態2における構造を示す。実施の形態2での部品接合装置は、部品供給ヘッド5と、加熱ステージ4と、チャンバー6からなる。
【0042】
実施の形態1と異なるところは、加熱ステージ4及び基板1をチャンバー6内に配置した事である。説明しない事項は実施の形態1と同様である。
【0043】
<構造>
加熱ステージ4に吸着保持された基板1があり、基板1の上面に半田3を配置し、その上方に部品2を吸着保持した部品供給ヘッド5を備える。さらに加熱ステージ4及び基板1を囲うようにチャンバー6を配置する。
【0044】
チャンバー6は基板1の横方向位置の壁に気体供給口62と、上面のチャンバー蓋61がありチャンバー蓋61には部品2を供給する部品供給用ヘッド用開口63を備える。
【0045】
<プロセス>
(1)基板1をセットする工程
まず、チャンバー蓋61を開け、基板1の加熱領域11が加熱ステージ4外形と一致するように位置決めする。基板1を、加熱ステージ4の上に吸着保持する。その後、チャンバー蓋61を閉じる。
【0046】
(2)半田3を仮固定する工程
まず、気体供給口62から窒素など不活性ガスを供給し、チャンバー6内を充満させる。酸素濃度が十分に下がった後、チャンバー蓋61を開け、半田3を部品供給ヘッド5で吸着保持し、基板1の接合領域12内に位置決めし置く。部品供給ヘッド5を上昇させ部品供給用ヘッド用開口63を塞ぎ、部品供給ヘッド5が基板1上の半田3に接触しない位置で待機させる。
【0047】
その後、気体供給口62から不活性ガスを供給し、チャンバー6内の酸素濃度を下げる。その後、加熱ステージ4の加熱を開始し、加熱ステージ4の温度が規定の温度になった後、部品供給ヘッド5を下降させる。
部品供給ヘッド5で、半田3を基板1に加圧し、一定時間加圧状態を保持する。
【0048】
その後、加熱ステージ4の加熱を停止させ、部品供給ヘッド5の吸着を破壊して上昇させる。この時の加熱・加圧の温度・時間は、半田3が液化せず、かつ、基板1に部品2が仮固定された状態となるようにしておく。
【0049】
(3)部品2を接合する工程
半田3の仮固定工程の後に、部品2の基板1への接合を行う。まず、部品供給ヘッド5で部品2を吸着保持する。その後、部品2は、基板1の接合領域12の上へ移動される。そして、部品供給ヘッド5を下降させ、部品2でチャンバー蓋61の部品供給用ヘッド用開口63を塞ぎ、かつ、部品2が基板1上の半田3に接触しない位置で待機させる。
【0050】
その後、気体供給口62から不活性ガスを供給し、チャンバー6内の酸素濃度を下げる。そして加熱ステージ4の加熱を開始し、加熱ステージ4の温度が規定の温度になり、かつ、目標酸素濃度に達した後、部品供給ヘッド5を降下させ、基板1に加圧し、一定時間加圧状態を保持する。
【0051】
その後、加熱ステージ4の加熱を停止させ、接合部が濡れ広がり、温度が下がって半田3が凝固するまで加熱ステージ4及び基板1が冷却するのを待つ。
【0052】
この間、気体供給口62から不活性ガスを供給し続け、基板1の非加熱領域13に不活性ガスを当てる事で基板1の冷却を加速させ、工程の生産性を向上させる。
接合部の温度が下がり、半田3が凝固した後、部品供給ヘッド5の吸着を破壊し、ヘッドを上昇させる。
部品供給用ヘッド用開口63は、加熱ステージ4、または、の真上に位置する。そのため、部品供給ヘッド5の水平方向の位置合わせは微調整のみでよく、短時間で調整できる。
【0053】
<効果>
本構造をとることで、基板1に部品2を半田3で接合する際に、加熱、冷却による基板1の温度変化による膨張、収縮の位置ズレの影響をなくすことができる。基板1に、部品2を正確な位置決めを可能にすることができる。さらに、基板1の冷却時間を短縮することで高生産な接合を実現することができる。
【0054】
また,チャンバー蓋61の部品供給用ヘッド用開口63位置に部品供給ヘッド5で蓋をすることで、不活性ガスが漏れる事を防ぎことができる。その結果、チャンバー6内の酸素濃度を下げる時間を短縮でき、生産性を高めることが出来る。
【0055】
作製された基板1は、基板1の一方面に実装された部品と、基板1の他方面に、平面視で、部品が実装された全領域を含む熱処理された第1領域(加熱領域11)と、基板1の他方面に、第1領域に囲まれる熱処理されていない第2領域(接合領域12)と、を有する。
【0056】
なお、熱処理された第1領域(加熱領域11)は、加熱の跡が残る場合がある。たとえば、その跡は、表面の色や、折れ目や、熱歪や、結晶構造であったりする。
【0057】
(実施の形態3)
図3,4は、本実施の形態3における構造を示す断面図である。実施の形態3での部品接合装置は、実施の形態1,2と異なり、加熱ステージ4の構造が異なる。
【0058】
説明しない事項は、実施の形態1,2と同様である。なお、チャンバー6は必須でなく、無い場合もよい。
【0059】
図3では、加熱ステージ4にヒータ33と、吸着穴32と、フィン31とがある。
吸着穴32は、基板1を固定するためのもので、ポンプ(図示せず)に繋がっている。吸着穴32は、基板1の中央、または、接合領域12の中央に位置する。複数の穴でもよいが、中央部分にのみ位置する。
【0060】
ヒータ33は、実施の形態1,2の加熱ステージ4にもある。ヒータとしては、急激に温度上昇できるパルスヒータが好ましい。
【0061】
逆に、急激に温度を下げるため、ヒータ33の側面周囲には、複数のフィン31が位置する。
【0062】
また、この例では、このフィン31を介して、電気がヒータ33に送られる。
【0063】
ヒータ上部33aは、ヒータ33の他の部分より断面積が細い。断面積が小さいことで、電流により発熱させている。ヒータ開口33bを設けることで、断面積を小さくするが、外径は大きくして、基板1を載せやすく、加熱しやすくしている。
【0064】
フィン上部31aは、ヒータ上部33aと接触せず、空間31bがある。ヒータ上部33aの加熱を邪魔しないためである。また、この空間31bにより、ヒータ33の位置を規定している。つまり、空間31bの底面に、ヒータ33の突起部分(断面積が広い部分)が接触し固定される。ヒータ33を上部から差し込むだけで、高さが一定であり、位置も定まる。
【0065】
図4では、加熱ステージ4にヒータ33と、吸着穴32と、フィン31とがある。
吸着穴32は、基板1を固定するためのもので、ポンプ(図示せず)に繋がっている。吸着穴32は、基板1の中心、または、接合領域12の中心にはないが、基板1の中心、または、接合領域12の中心を囲むように配置されている。
【0066】
ヒータ33は、急激に温度を下げるため、ヒータ33の側面周囲には、複数のフィン31が位置する。
【0067】
また、この例では、このフィン31を介して、電気がヒータ33に送られる。
【0068】
フィン31の上部に、複数の突起31cがある。放熱性向上の為に、突起31cを設けている。
フィン31の右端がチャンバー6を通り抜けている。フィン31に外部から直接電流を流せるようにしている。チャンバー6の内容積を小さくしている。
(全体として)
実施の形態は組み合わせできる。例えば、実施の形態2、3のチャンバー6内の構造を、実施の形態1へ適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本実施の形態の部品接合装置は、部品と基板を加熱接合する際に基板の熱膨張の影響を最小化させ、高精度に位置決め、接合を行うことを可能にし、LED、撮像素子、システムLSIやパワーモジュール等の半導体素子の高精度位置決め実装等の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0070】
1 基板
2 部品
3 半田
4 加熱ステージ
5 部品供給ヘッド
6 チャンバー
11 加熱領域
12 接合領域
13 非加熱領域
21 固体撮像素子
22 セラミック容器
22a 溝
22b 部
23 部材
23a 孔
25 半田
26 カバーガラス
31 フィン
31a フィン上部
31b 空間
31c 突起
32 吸着穴
33 ヒータ
33a ヒータ上部
33b ヒータ開口
61 チャンバー蓋
62 気体供給口
63 部品供給用ヘッド用開口