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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】表示システム、制御装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20231027BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20231027BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20231027BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231027BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20231027BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
G06F3/041 522
G06F3/041 550
G06F3/044 124
G06F3/041 410
G06F3/041 512
G06F3/044 120
G09G3/36
G09G3/20 621E
G09G3/20 624E
G09G3/20 691D
G09G3/20 611C
G09G3/20 611A
G09G3/20 621A
G09G3/20 624D
G09G3/20 642P
G09G3/20 670E
G02F1/133 530
G02F1/1343
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021507124
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(86)【国際出願番号】 JP2020006974
(87)【国際公開番号】W WO2020189175
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2019053503
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019053505
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】小松 夏樹
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-007528(JP,A)
【文献】特開2017-162255(JP,A)
【文献】特開2011-210016(JP,A)
【文献】特開2013-020479(JP,A)
【文献】特開2014-238818(JP,A)
【文献】特開2009-054141(JP,A)
【文献】特開2015-115070(JP,A)
【文献】特開2014-132415(JP,A)
【文献】特開2008-292446(JP,A)
【文献】特開2012-079661(JP,A)
【文献】特表2013-531327(JP,A)
【文献】国際公開第2018/159460(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G09G 3/36
G09G 3/20
G02F 1/133
G02F 1/1343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のグループに分けられた複数のセンサ電極を含む表示装置と、
前記複数のセンサ電極に対してグループごとに異なる位相のタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、
前記複数のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて前記表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、
を備え
前記表示装置は、複数のタッチ検出領域を含み、
前記複数のセンサ電極は、それぞれのタッチ検出領域に複数ずつ配置され、
前記複数のタッチ検出領域は、第1タッチ検出領域と、第2タッチ検出領域と、前記第1タッチ検出領域と前記第2タッチ検出領域との間に配置される第3タッチ検出領域と、を含み、
第1タッチ検出期間において、前記駆動回路は、前記第1タッチ検出領域に配置される複数のセンサ電極に第1タッチ駆動信号を供給し、前記第2タッチ検出領域および前記第3タッチ検出領域に配置される複数のセンサ電極に第2タッチ駆動信号を供給し、
第2タッチ検出期間において、前記駆動回路は、前記第1タッチ検出領域および前記第3タッチ検出領域に配置される複数のセンサ電極に前記第1タッチ駆動信号を供給し、前記第2タッチ検出領域に配置される複数のセンサ電極に前記第2タッチ駆動信号を供給し、
前記第1タッチ駆動信号の位相は前記第2タッチ駆動信号の位相とは異なる、
ことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記複数のセンサ電極は、2つのグループに分けられ、
前記駆動回路は、一方のグループのセンサ電極に前記第1タッチ駆動信号を供給し、他方のグループのセンサ電極に前記第2タッチ駆動信号を供給し、
前記第1タッチ駆動信号は、第1位相のタッチ駆動信号であり、前記第2タッチ駆動信号は、前記第1位相と180°異なる第2位相のタッチ駆動信号である、ことを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
記センサ電極は、画像表示およびタッチ検出に共用される共通電極であり、
前記タッチ検出回路は、前記複数のタッチ検出領域のうち検出対象のタッチ検出領域のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて、当該検出対象のタッチ検出領域への物体のタッチを検出し、
前記複数のグループのうち1つのグループは、前記検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極を含む、ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記タッチ検出回路は、前記検出対象のタッチ検出領域を順次変更し、
前記表示システムは、
前記検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極と、当該検出対象のタッチ検出領域に隣接する複数のセンサ電極とが同一のグループに含まれるように、グループの分割パターンを切り替え可能な制御回路を備える、ことを特徴とする請求項3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記タッチ検出回路は、前記検出対象のタッチ検出領域への物体のタッチを検出する場合、前記複数のタッチ検出領域のうち別の検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて、当該別の検出対象のタッチ検出領域への物体のタッチも検出し、
前記別の検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極は、前記検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極のグループとは異なるグループに含まれる、ことを特徴とする請求項3に記載の表示システム。
【請求項6】
前記タッチ検出回路は、前記検出対象のタッチ検出領域および前記別の検出対象のタッチ検出領域を順次変更し、
前記表示システムは、
前記検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極と、当該検出対象のタッチ検出領域に隣接する複数のセンサ電極とが同一のグループに含まれ、かつ、前記別の検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極と、当該別の検出対象のタッチ検出領域に隣接する複数のセンサ電極とが同一のグループに含まれるように、グループの分割パターンを切り替え可能な制御回路を備える、ことを特徴とする請求項5に記載の表示システム。
【請求項7】
前記駆動回路は、予め定められたタッチ検出期間の間、前記タッチ駆動信号を供給し、前記タッチ検出期間以外では前記タッチ駆動信号の供給を停止し、
前記タッチ検出回路は、前記タッチ駆動信号の供給が停止されている場合、センサ電極から受信した検出信号に含まれる前記タッチ駆動信号の周波数のノイズを検出し、
前記タッチ検出回路でノイズが検出された場合、前記駆動回路は、前記複数のセンサ電極に対して、ノイズの周波数と異なる周波数のタッチ駆動信号であって、グループ毎に異なる位相のタッチ駆動信号を供給する、ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の表示システム。
【請求項8】
複数のグループに分けられた複数のセンサ電極を含む表示装置を制御する制御装置であって、
前記複数のセンサ電極に対してグループごとに異なる位相のタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、
前記複数のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて前記表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、
を備え
前記表示装置は、複数のタッチ検出領域を含み、
前記複数のセンサ電極は、それぞれのタッチ検出領域に複数ずつ配置され、
前記複数のタッチ検出領域は、第1タッチ検出領域と、第2タッチ検出領域と、前記第1タッチ検出領域と前記第2タッチ検出領域との間に配置される第3タッチ検出領域と、を含み、
第1タッチ検出期間において、前記駆動回路は、前記第1タッチ検出領域に配置される複数のセンサ電極に第1タッチ駆動信号を供給し、前記第2タッチ検出領域および前記第3タッチ検出領域に配置される複数のセンサ電極に第2タッチ駆動信号を供給し、
第2タッチ検出期間において、前記駆動回路は、前記第1タッチ検出領域および前記第3タッチ検出領域に配置される複数のセンサ電極に前記第1タッチ駆動信号を供給し、前記第2タッチ検出領域に配置される複数のセンサ電極に前記第2タッチ駆動信号を供給し、
前記第1タッチ駆動信号の位相は前記第2タッチ駆動信号の位相とは異なる、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項9】
複数のグループに分けられた複数のセンサ電極を含む表示装置を制御する制御方法であって、
前記複数のセンサ電極に対してグループごとに異なる位相のタッチ駆動信号を供給する供給ステップと、
前記複数のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて前記表示装置への物体のタッチを検出する検出ステップと、
を備え
前記表示装置は、複数のタッチ検出領域を含み、
前記複数のセンサ電極は、それぞれのタッチ検出領域に複数ずつ配置され、
前記複数のタッチ検出領域は、第1タッチ検出領域と、第2タッチ検出領域と、前記第1タッチ検出領域と前記第2タッチ検出領域との間に配置される第3タッチ検出領域と、を含み、
前記供給ステップにおいて、第1タッチ検出期間では、前記第1タッチ検出領域に配置される複数のセンサ電極に第1タッチ駆動信号を供給し、前記第2タッチ検出領域および前記第3タッチ検出領域に配置される複数のセンサ電極に第2タッチ駆動信号を供給し、
前記供給ステップにおいて、第2タッチ検出期間では、前記第1タッチ検出領域および前記第3タッチ検出領域に配置される複数のセンサ電極に前記第1タッチ駆動信号を供給し、前記第2タッチ検出領域に配置される複数のセンサ電極に前記第2タッチ駆動信号を供給し、
前記第1タッチ駆動信号の位相は前記第2タッチ駆動信号の位相とは異なる、
ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タッチ検出機能を有する表示システム、制御装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのタッチ位置を検出するためのタッチセンサが表示パネル内に組み込まれたインセル型の表示装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。この表示装置では、液晶表示パネルの画素に共通電圧を供給するための共通電極を複数に分割して、これらの共通電極をタッチセンサ電極としても利用する。画像表示期間において共通電圧が複数の共通電極に供給され、タッチ検出期間においてタッチ検出用のタッチ駆動信号が複数の共通電極に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/123813号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示装置において、更なる改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の表示システムは、複数のグループに分けられた複数のセンサ電極を含む表示装置と、複数のセンサ電極に対してグループごとに異なる位相のタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、複数のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、を備える。
【0006】
本開示の別の態様は、制御装置である。この装置は、複数のグループに分けられた複数のセンサ電極を含む表示装置を制御する制御装置であって、複数のセンサ電極に対してグループごとに異なる位相のタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、複数のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、を備える。
【0007】
本開示のさらに別の態様は、制御方法である。この方法は、複数のグループに分けられた複数のセンサ電極を含む表示装置を制御する制御方法であって、複数のセンサ電極に対してグループごとに異なる位相のタッチ駆動信号を供給するステップと、複数のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて表示装置への物体のタッチを検出するステップと、を備える。
【0008】
本開示の別の態様の表示システムは、複数のタッチ検出領域と、それぞれのタッチ検出領域に複数ずつ配置された複数の共通電極とを含む表示装置と、複数の共通電極にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極から受信した信号にもとづいて、当該検出対象のタッチ検出領域への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、駆動回路を制御する制御回路と、を備える。制御回路は、検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極以外の少なくとも1つの共通電極に供給されるタッチ駆動信号の振幅を、検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極に供給されるタッチ駆動信号の振幅より小さく制御する。
【0009】
本開示の別の態様は、制御方法である。この方法は、複数のタッチ検出領域と、それぞれのタッチ検出領域に複数ずつ配置された複数の共通電極とを含む表示装置と、複数の共通電極にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極から受信した信号にもとづいて、当該検出対象のタッチ検出領域への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、を備える表示システムにおける制御方法であって、検出対象のタッチ検出領域以外の少なくとも1つのタッチ検出領域の複数の共通電極に供給されるタッチ駆動信号の振幅を、検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極に供給されるタッチ駆動信号の振幅より小さく制御するステップを含む。
【発明の効果】
【0010】
上記の態様により、更なる改善を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施の形態に係る表示システムのブロック図である。
図2図1の表示装置の回路構成を概略的に示す図である。
図3図2の共通電極の配置を示す上面図である。
図4図1の表示装置における単位フレーム期間のタイミングを示す図である。
図5図5(a)は、図4のタッチ検出期間T1aにおける表示装置の動作を説明する図であり、図5(b)は、第1位相のタッチ駆動信の波形を示す図であり、図5(c)は、第2位相のタッチ駆動信号の波形を示す図である。
図6図6(a)は、タッチ検出期間T2aにおける表示装置の動作を説明する図であり、図6(b)は、タッチ検出期間T3aにおける表示装置の動作を説明する図であり、図6(c)は、タッチ検出期間T4aにおける表示装置の動作を説明する図である。
図7】第1の実施の形態と比較例における輻射のピークレベルの周波数特性を示す図である。
図8】第1位相と第2位相の差が180°である場合の輻射の低減を説明する図である。
図9図1の表示システムの起動処理を示すフローチャートである。
図10図10(a)は、第2の実施の形態に係るタッチ検出期間T1aにおける表示装置の動作を説明する図であり、図10(b)は、タッチ検出期間T4aにおける表示装置の動作を説明する図である。
図11図11(a)は、第3の実施の形態に係る第1位相のタッチ駆動信号の波形を示す図であり、図11(b)は、第3の実施の形態に係る第2位相のタッチ駆動信号の波形を示す図である。
図12図12(a)は、第4の実施の形態に係るタッチ検出期間T1aにおける表示装置の動作を説明する図であり、図12(b)は、図12(a)の表示装置における水平方向の位置とタッチ駆動信号の振幅の関係を示す図であり、図12(c)は、タッチ検出期間T2aにおける表示装置の動作を説明する図であり、図12(d)は、図12(c)の表示装置における水平方向の位置とタッチ駆動信号の振幅の関係を示す図である。
図13図1の表示装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の基礎となった知見)
実施の形態を具体的に説明する前に、基礎となった知見を説明する。タッチディスプレイにおいて、タッチを検出するためのタッチ駆動信号に起因する電磁波の輻射が発生し、この輻射が周囲の受信機などに影響を与える可能性があるという課題を本発明者は発見した。この課題を解決するために、本開示に係る表示システムは以下のように構成される。
【0013】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、工程には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る表示システム1のブロック図である。表示システム1は、自動車などの車両に搭載された車載の表示システム1である一例について説明するが、用途は特に限定されず、携帯機器などに用いてもよい。
【0015】
表示システム1は、ホスト10と、表示モジュール20とを備える。ホスト10は、ラジオ、カーナビゲーション、Bluetooth(登録商標)通信などの各種機能を実行するとともに、表示モジュール20を制御する。ホスト10は、制御装置12を備える。
【0016】
制御装置12は、たとえばCPUであり、ホストCPUとも呼ばれる。制御装置12は、画像データDDと制御データCDを表示モジュール20に供給し、これらのデータをもとに表示モジュール20を制御する。
【0017】
表示モジュール20は、表示装置22と、制御装置24とを備える。表示装置22は、たとえば、カーナビゲーション画面などが表示される車室内のセンターディスプレイなどとして利用される。
【0018】
表示装置22は、インセル型のIPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置であり、タッチディスプレイとして構成され、タッチ位置を検出可能である。表示装置22の構成は、例えば、以下に説明する周知の構成となっている。
【0019】
図2は、図1の表示装置22の回路構成を概略的に示す。図2は、各構成要素の概略的な配置も示す。表示装置22は、行方向に延びる複数のゲート線G1,G2,・・・と、列方向に延びる複数のソース線S1,S2,・・・と、複数の画素スイッチング素子30と、複数の画素電極32と、複数の共通電極34とを備える。各画素スイッチング素子30は、薄膜トランジスタであり、ゲート線とソース線の交点付近に画素に対応して設けられる。各画素スイッチング素子30において、ゲートにはゲート線が接続され、ソースにはソース線が接続され、ドレインには画素電極32が接続される。1つの共通電極34に対して、複数の画素スイッチング素子30と複数の画素電極32が配置される。画素電極32と共通電極34との間の電界により液晶層が制御される。共通電極34は、画像表示およびタッチ検出に共用される。そのため、電極の層数を削減して、表示装置22を薄く構成できる。共通電極34は、センサ電極と呼ぶこともできる。
【0020】
図3は、図2の共通電極34の配置を示す上面図である。複数の共通電極34は、マトリクス状に配置される。各共通電極34は、信号線36で制御装置24に接続される。
【0021】
表示装置22は、自己容量方式によりタッチ位置を検出する。表示装置22の表示面に指が近づくと、共通電極34と指の間に静電容量が発生する。静電容量が発生すると共通電極34における寄生容量が増加し、共通電極34にタッチ駆動信号を供給するときの電流が増加する。この電流の変動量にもとづいてタッチ位置が検出される。
【0022】
図1に戻る。制御装置24は、たとえばICとして構成され、ホスト10からの制御データCDと画像データDDにしたがって表示装置22を制御する。制御装置24は、制御回路70と、第1駆動回路72と、第2駆動回路74と、タッチ検出回路76とを備える。
【0023】
制御回路70は、たとえばマイコンで構成され、第1駆動回路72と第2駆動回路74の信号生成タイミング、タッチ検出回路76のタッチ検出タイミングなどを制御する。
【0024】
制御回路70は、単位フレーム期間(1フレーム期間)に、表示画像の1フレームが表示装置22に描画され、かつ、1画面のタッチ検出が少なくとも1回実行されるよう、第1駆動回路72、第2駆動回路74およびタッチ検出回路76を制御する。単位フレーム期間は、垂直同期期間とも呼べる。単位フレーム期間の詳細は後述する。
【0025】
第1駆動回路72は、制御回路70の制御にしたがい、基準クロック信号を生成する。第1駆動回路72は、制御回路70の制御にしたがい、ホスト10からの画像データDDにもとづいて、生成された基準クロック信号に同期したソース信号SSを生成する。第1駆動回路72は、制御回路70の制御にしたがい、生成された基準クロック信号に同期したゲート信号GSを生成する。
【0026】
第1駆動回路72は、ソース信号SSを表示装置22の複数のソース線に順次供給し、ゲート信号GSを表示装置22の複数のゲート線に順次供給する。
【0027】
第1駆動回路72は、基準クロック信号を第2駆動回路74に供給する。第2駆動回路74は、制御回路70の制御にしたがい、予め定められた固定電圧である基準電圧VCOMを生成し、かつ、基準クロック信号にもとづいて矩形波のタッチ駆動信号TXを生成する。第2駆動回路74は、図3の信号線36を介して、基準電圧VCOMまたはタッチ駆動信号TXを表示装置22の全体の複数の共通電極34に供給する。後述するように、第2駆動回路74は、第1位相のタッチ駆動信号TX1を一部の共通電極34に供給し、第1位相と異なる第2位相のタッチ駆動信号TX2を残りの共通電極34に供給する。
【0028】
タッチ検出回路76は、表示装置22への物体のタッチを検出する。タッチ検出回路76は、制御回路70の制御にしたがい、共通電極34にタッチ駆動信号TXが供給されたときのタッチ検出信号RXを共通電極34から受け、タッチ検出信号RXにもとづいてタッチ位置を検出する。タッチ検出回路76は、検出したタッチ位置の情報を制御回路70に出力する。
【0029】
制御回路70は、タッチ検出回路76からのタッチ位置の情報にもとづいてタッチ位置の座標データTDを導出し、その座標データTDをホスト10の制御装置12に出力する。制御装置12は、座標データTDに応じて各種処理を実行する。
【0030】
制御装置12、制御回路70の構成は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、またはハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてアナログ素子、マイクロコンピュータ、DSP、ROM、RAM、FPGA、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源としてファームウェア等のプログラムを利用できる。
【0031】
以下、制御回路70による表示装置22の制御、および、表示装置22の動作を具体的に説明する。制御回路70は、画面内の複数の表示領域の1つに対する部分的な画像表示と、画面内の複数のタッチ検出領域の2つに対する部分的なタッチ検出とを交互に繰り返して、画像表示とタッチ検出を時分割に制御する。
【0032】
図4は、図1の表示装置22における単位フレーム期間Faのタイミングを示す。単位フレーム期間Faは、4つの表示期間Daと、4つのタッチ検出期間T1a,T2a,T3a,T4aとを含む。表示期間Daとタッチ検出期間は交互に配置される。単位フレーム期間Faにおいて、表示期間Da、タッチ検出期間T1a、表示期間Da、タッチ検出期間T2a、表示期間Da、タッチ検出期間T3a、表示期間Da、タッチ検出期間T4aは、この順に並ぶ。表示期間Daのそれぞれの長さは等しい。タッチ検出期間T1aからT4aのそれぞれの長さは等しい。単位フレーム期間Faの表示期間Daの数とタッチ検出期間の数は、それぞれ「4」に限定されない。
【0033】
表示装置22は、表示期間Da毎に1フレームを1/4ずつ表示する。単位フレーム期間Faの4つの表示期間Daにより、1フレームが表示される。具体的には表示期間Daの間、第1駆動回路72は、複数のソース線にソース信号SSを供給し、対象のゲート線にゲート信号GSを供給し、第2駆動回路74は複数の共通電極34に基準電圧VCOMを供給する。第2駆動回路74は、表示期間Daにはタッチ駆動信号TXの供給を停止する。
【0034】
図5(a)は、図4のタッチ検出期間T1aにおける表示装置22の動作を説明する図である。表示装置22は、観察者から見て水平方向に左から右に順に並ぶタッチ検出領域R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8を含む。表示装置22の全体の複数の共通電極34は、タッチ検出領域R1からR8のそれぞれに複数ずつ配置される。表示装置22のタッチ検出領域の数は「8」に限定されない。
【0035】
複数の共通電極34は、2つのグループGR1とグループGR2に予め分けられている。タッチ検出領域R1からR4の共通電極34は、グループGR1に含まれる。タッチ検出領域R5からR8の共通電極34は、グループGR2に含まれる。たとえば、グループGR1の共通電極34の数は、グループGR2の共通電極34の数に等しい。
【0036】
第2駆動回路74は、タッチ検出期間T1aの間、タッチ検出領域R1,R2,R3,R4の複数の共通電極34に第1位相のタッチ駆動信号TX1を同時に供給し、タッチ検出領域R5,R6,R7,R8の複数の共通電極34に第2位相のタッチ駆動信号TX2を同時に供給する。つまり、第2駆動回路74は、複数の共通電極34に対して、グループごとに異なる位相のタッチ駆動信号TXを同時に供給する。第2駆動回路74は、タッチ検出期間のそれぞれで同じ動作を行う。
【0037】
図5(b)は、第1位相のタッチ駆動信号TX1の波形を示し、図5(c)は、第2位相のタッチ駆動信号TX2の波形を示す。この例では第1位相は0°であり、第2位相は90°である。つまりタッチ駆動信号TX1とタッチ駆動信号TX2の位相差は90°である。タッチ駆動信号TX1とタッチ駆動信号TX2の周波数は実質的に等しく、デューティ比も実質的に等しい。
【0038】
タッチ検出回路76は、タッチ検出期間T1aの間、複数のタッチ検出領域のうち検出対象のタッチ検出領域R1の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、タッチ検出領域R1への物体のタッチを検出する。タッチ検出回路76は、タッチ検出期間T1aの間、複数のタッチ検出領域のうち別の検出対象のタッチ検出領域R5の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、タッチ検出領域R5への物体のタッチを検出する。検出対象のタッチ検出領域R1と、別の検出対象のタッチ検出領域R5は、隣接しない。
【0039】
図6(a)は、タッチ検出期間T2aにおける表示装置22の動作を説明する図である。タッチ検出回路76は、タッチ検出期間T2aの間、検出対象のタッチ検出領域R2の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、タッチ検出領域R2への物体のタッチを検出し、別の検出対象のタッチ検出領域R6の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、タッチ検出領域R6への物体のタッチを検出する。
【0040】
図6(b)は、タッチ検出期間T3aにおける表示装置22の動作を説明する図である。タッチ検出回路76は、タッチ検出期間T3aの間、検出対象のタッチ検出領域R3の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、タッチ検出領域R3への物体のタッチを検出し、別の検出対象のタッチ検出領域R7の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、タッチ検出領域R7への物体のタッチを検出する。
【0041】
図6(c)は、タッチ検出期間T4aにおける表示装置22の動作を説明する図である。タッチ検出回路76は、タッチ検出期間T4aの間、検出対象のタッチ検出領域R4の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、タッチ検出領域R4への物体のタッチを検出し、別の検出対象のタッチ検出領域R8の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、タッチ検出領域R8への物体のタッチを検出する。
【0042】
このようにタッチ検出回路76は、検出対象のタッチ検出領域および別の検出対象のタッチ検出領域を順次変更し、タッチ検出期間毎に異なるタッチ検出領域でタッチを検出する。単位フレーム期間Faの4つのタッチ検出期間により、1画面のタッチ検出が1回実行される。この例では単位フレーム期間Faに含まれるタッチ検出期間の数の2倍の数のタッチ検出領域が表示装置22に含まれるため、1つのタッチ検出期間で同時に2つのタッチ検出領域のタッチを検出する。一方、単位フレーム期間Faのタッチ検出期間の数と同数のタッチ検出領域が表示装置22に含まれてもよく、この場合、タッチ検出回路76は、それぞれのタッチ検出期間において1つのタッチ検出領域でタッチを検出する。
【0043】
ここで、比較例について説明する。比較例では、表示装置22内の全体の複数の共通電極34に共通のタッチ駆動信号TXが供給されることが、本実施の形態と異なる。つまり、全ての共通電極34に同位相のタッチ駆動信号TXが同時に供給される。そのため、それぞれの共通電極34から表示装置22の外に放射されるノイズは同位相で加算され、加算されたノイズが輻射となる。
【0044】
この比較例に対して本実施の形態では、既述のように位相が異なるタッチ駆動信号TX1とタッチ駆動信号TX2が供給されるため、タッチ駆動信号TX1が供給された共通電極34から放射されるノイズと、タッチ駆動信号TX2が供給された共通電極34から放射されるノイズは、位相がずれて加算される。その結果、輻射のピークレベルが比較例より低下する。
【0045】
図7は、第1の実施の形態と比較例における輻射のピークレベルの周波数特性を示す。タッチ駆動信号TXの周波数をfとして、本実施の形態における周波数fや3倍の周波数3fなどの周波数成分のピークレベルは、比較例のピークレベルに対して低い。よって、タッチ駆動信号TXに起因する表示装置22からの電磁波の輻射を比較例より低減できる。
【0046】
なお、第1位相と第2位相の差は、特に限定されないが、180°に近いほど好ましい。輻射を低減する効果が高まりやすいためである。図8は、第1位相と第2位相の差が180°である場合の輻射の低減を説明する図である。表示装置22から、第1位相のタッチ駆動信号TX1に起因するノイズN1と、第2位相のタッチ駆動信号TX2に起因するノイズN2が放射される。ノイズN1とノイズN2も逆位相であるため、ノイズN1とノイズN2が加算されることで、それらがキャンセルされ、たとえば表示装置22の表示面の正面に位置する外部受信機のアンテナ100の位置において輻射をより低減できる。
【0047】
次に、以上の構成による表示システム1の全体的な動作を説明する。図9は、図1の表示システム1の起動処理を示すフローチャートである。ホスト10は制御装置24を起動し(S10)、制御装置24は、位相が異なる2種類のタッチ駆動信号TXで表示装置22を駆動し(S12)、処理を終了する。
【0048】
本実施の形態によれば、タッチ駆動信号TX1とタッチ駆動信号TX2が位相差を有するので、タッチ駆動信号に起因する表示装置22からの輻射を比較例より低減できる。また、タッチ駆動信号TX1が供給される共通電極34とタッチ駆動信号TX2が供給される共通電極34は、予め定められており、単位フレーム期間Fa内で変更されないため、制御を単純化できる。
【0049】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、検出対象のタッチ検出領域および検出対象のタッチ検出領域に隣接するタッチ検出領域の共通電極34に対して、同位相のタッチ駆動信号TXが供給されることが第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0050】
図10(a)は、第2の実施の形態に係るタッチ検出期間T1aにおける表示装置22の動作を説明する図である。制御回路70は、検出対象のタッチ検出領域および検出対象のタッチ検出領域に隣接するタッチ検出領域の複数の共通電極34が同一のグループに含まれ、かつ、別の検出対象のタッチ検出領域および別の検出対象のタッチ検出領域に隣接するタッチ検出領域の複数の共通電極34が同一のグループに含まれるように、グループの分割パターンを切り替え可能である。制御回路70は、タッチ検出期間T1aの開始までにグループの分割パターンを切り替える。
【0051】
タッチ検出期間T1aでは、タッチ検出領域R1からR3の共通電極34は、グループGR1に含まれる。タッチ検出領域R4からR8の共通電極34は、グループGR2に含まれる。第2駆動回路74は、タッチ検出期間T1aの間、タッチ検出領域R1,R2,R3の複数の共通電極34に第1位相のタッチ駆動信号TX1を同時に供給し、タッチ検出領域R4,R5,R6,R7,R8の複数の共通電極34に第2位相のタッチ駆動信号TX2を同時に供給する。つまり、第2駆動回路74は、検出対象のタッチ検出領域R1および検出対象のタッチ検出領域R1に隣接するタッチ検出領域R2の共通電極34に同位相のタッチ駆動信号TX1を供給し、別の検出対象のタッチ検出領域R5および別の検出対象のタッチ検出領域R5に隣接するタッチ検出領域R4,R6の共通電極34に同位相のタッチ駆動信号TX2を供給する。
【0052】
制御回路70は、タッチ検出期間T2aの開始までにグループの分割パターンを第1の実施の形態と同一に切り替える。第2駆動回路74は、タッチ検出期間T2aでは、第1の実施の形態の図6(a)と同じ動作を行い、タッチ検出期間T3aでは、第1の実施の形態の図6(b)と同じ動作を行う。
【0053】
図10(b)は、第2の実施の形態に係るタッチ検出期間T4aにおける表示装置22の動作を説明する図である。制御回路70は、タッチ検出期間T4aの開始までにグループの分割パターンを切り替える。タッチ検出期間T4aでは、タッチ検出領域R1からR5の共通電極34は、グループGR1に含まれる。タッチ検出領域R6からR8の共通電極34は、グループGR2に含まれる。第2駆動回路74は、タッチ検出期間T4aの間、タッチ検出領域R1,R2,R3,R4,R5の複数の共通電極34に第1位相のタッチ駆動信号TX1を同時に供給し、タッチ検出領域R6,R7,R8の複数の共通電極34に第2位相のタッチ駆動信号TX2を同時に供給する。つまり、第2駆動回路74は、検出対象のタッチ検出領域R4および検出対象のタッチ検出領域R4に隣接するタッチ検出領域R3,R5の共通電極34に同位相のタッチ駆動信号TX1を供給し、別の検出対象のタッチ検出領域R8および別の検出対象のタッチ検出領域R8に隣接するタッチ検出領域R7の共通電極34に同位相のタッチ駆動信号TX2を供給する。
【0054】
以上の制御により、検出対象のタッチ検出領域の共通電極34と、それに隣接する共通電極34との間の寄生容量はタッチ駆動信号TX1により充電されず、別の検出対象のタッチ検出領域の共通電極34と、それに隣接する共通電極34との間の寄生容量もタッチ駆動信号TX2により充電されない。よって、全ての共通電極34を共通のタッチ駆動信号で駆動する比較例に対して、検出対象のタッチ検出領域および別の検出対象のタッチ検出領域の共通電極34の寄生容量の充電時間が長くならないため、タッチ検出のタイミングを維持できる。タッチ検出のタイミングを維持しても充電が不十分にならないため、タッチ検出の感度の低下も抑制できる。
【0055】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、外来ノイズの検出結果にもとづいてタッチ駆動信号TXの周波数を変更することが第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0056】
表示システム1の周囲の電子機器などから放射される外来ノイズの周波数がタッチ駆動信号TXの周波数と等しい場合、タッチ検出の精度や感度が低下する可能性がある。そこで表示システム1は、外来ノイズの量に応じて、いわゆる周波数ホッピングの制御を行う。周波数ホッピングには、周知の技術を利用できる。
【0057】
タッチ検出回路76は、タッチ駆動信号TXの供給が停止されている場合、すなわち表示期間Daにおいて、表示装置22の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXに含まれる所定の複数の周波数のノイズ量を測定する。複数の周波数は、タッチ駆動信号TXの周波数を含む。タッチ検出回路76は、タッチ駆動信号TXの周波数の所定レベル以上のノイズが検出された場合、測定されたノイズ量が最小である周波数の情報を含むノイズ検出情報を制御回路70に出力する。
【0058】
制御回路70は、ノイズ検出情報にもとづいて、タッチ駆動信号TXの周波数をノイズ量が最小である周波数に変更するように第2駆動回路74を制御する。第2駆動回路74は、制御回路70の制御にしたがい、ノイズ量が最小である周波数のタッチ駆動信号TX、すなわち所定レベル以上のノイズの周波数と異なる周波数のタッチ駆動信号TXを共通電極34に供給する。これにより、外来ノイズによるタッチ検出精度や感度の低下を抑制できる。
【0059】
図11(a)は、第3の実施の形態に係る第1位相のタッチ駆動信号TX1の波形を示し、図11(b)は、第3の実施の形態に係る第2位相のタッチ駆動信号TX2の波形を示す。これらの波形は、表示期間Daの波形であり、共通電極34には供給されていない。
【0060】
タッチ駆動信号TX1とTX2が周波数f1である状態で、時刻t10で周波数f1の所定レベル以上の外来ノイズが検出されると、時刻t10以降、タッチ駆動信号TX1とTX2の周波数は、ノイズ量が最小である周波数f2に変更される。第2駆動回路74は、周波数の変更後も、グループ毎に異なる位相のタッチ駆動信号TXを生成する。つまり周波数の変更後も、タッチ駆動信号TX1とタッチ駆動信号TX2の位相差は90°である。
【0061】
本実施の形態によれば、外来ノイズが検出されたことでタッチ駆動信号TXの周波数が変更された場合でも、タッチ駆動信号TXの位相がグループ毎に異なるため、輻射を抑制できる。
【0062】
なお、第1から第3の実施の形態では複数の共通電極34を2つのグループに分けたが、3つ以上のグループに分けてもよい。この場合も、第2駆動回路74は、複数の共通電極34に対してグループごとに異なる位相のタッチ駆動信号TXを並行して供給する。たとえば第1の実施の形態では、タッチ検出領域ごとにグループを割り当て、複数の共通電極34を8つのグループに分けてもよいし、2つの隣接するタッチ検出領域ごとにグループを割り当て、複数の共通電極34を4つのグループに分けてもよい。この変形例では、輻射をより低減しやすい。
【0063】
第2の実施の形態において、制御回路70は、検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極34と、検出対象のタッチ検出領域に隣接するタッチ検出領域の共通電極34のうち少なくとも検出対象のタッチ検出領域に隣接する複数の共通電極34とが同一のグループに含まれ、別の検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極34と、別の検出対象のタッチ検出領域に隣接するタッチ検出領域の共通電極34のうち少なくとも別の検出対象のタッチ検出領域に隣接する複数の共通電極34とが同一のグループに含まれるように、グループの分割パターンを切り替えてよい。
【0064】
たとえば第2駆動回路74は、タッチ検出期間T1aの間、タッチ検出領域R4の複数の共通電極34のうち別の検出対象のタッチ検出領域R5に隣接しない複数の共通電極34に第1位相のタッチ駆動信号TX1を供給し、タッチ検出領域R4の複数の共通電極34のうち別の検出対象のタッチ検出領域R5に隣接する複数の共通電極34に第2位相のタッチ駆動信号TX2を供給してもよい。第2駆動回路74は、タッチ検出期間T4aの間、タッチ検出領域R5の複数の共通電極34のうち検出対象のタッチ検出領域R4に隣接する複数の共通電極34に第1位相のタッチ駆動信号TX1を供給し、タッチ検出領域R5の複数の共通電極34のうち検出対象のタッチ検出領域R4に隣接しない複数の共通電極34に第2位相のタッチ駆動信号TX2を供給してもよい。この変形例では、第2の実施の形態と比較して、タッチ検出期間T1aとT4aのそれぞれで、第1位相のタッチ駆動信号TX1が供給される共通電極34の数は、第2位相のタッチ駆動信号TX2が供給される共通電極34の数により近いため、輻射をより低減できる。また第2の実施の形態と同様に、タッチ検出のタイミングを維持でき、タッチ検出の感度の低下も抑制できる。
【0065】
また、第3の実施の形態を第2の実施の形態と組み合わせてもよい。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。
【0066】
また、第1から第3の実施の形態では制御装置24が表示モジュール20に含まれるが、制御装置24はホスト10に含まれてもよい。第1から第3の実施の形態では第1駆動回路72が基準クロック信号を生成するが、第2駆動回路74が基準クロック信号を生成してもよい。単位フレーム期間は、表示装置22のタッチ検出領域の数の2倍以上のタッチ検出期間を含んでもよい。これらの変形例では、表示システム1の構成の自由度を向上できる。
【0067】
第1から第3の実施の形態ではインセル型の表示装置22について説明したが、例えば、自己容量方式または相互容量方式によりタッチを検出するアウトセル型の表示装置22であってもよい。この場合、表示装置22は、グループごとに異なる位相のタッチ駆動信号TXが同時に供給されるタッチ検出専用の複数のセンサ電極を備え、画像表示と並行して、センサ電極を用いてタッチを検出する。アウトセル型の表示装置22の場合でも、輻射を抑制できる。
【0068】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、検出対象のタッチ検出領域に含まれない共通電極34に供給されるタッチ駆動信号TXの振幅を小さくする。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0069】
第2駆動回路74は、制御回路70の制御にしたがい、タッチ駆動信号TXの振幅を設定する。第2駆動回路74は、同じ位相、同じ周波数のタッチ駆動信号TXを複数の共通電極34に供給する。
【0070】
制御回路70は、検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極34以外の少なくとも1つの共通電極34に供給されるタッチ駆動信号TXの振幅を、検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極34に供給されるタッチ駆動信号TXの振幅V1より小さく制御する。これにより、全ての共通電極34に振幅V1のタッチ駆動信号TXを供給する場合と比較して、タッチ駆動信号TXに起因する輻射を低減でき、消費電力も低減できる。
【0071】
振幅V1は、検出対象のタッチ検出領域でタッチ検出が実行できるように、実験などにより適宜定めることができる。タッチ駆動信号TXは、ローレベルとハイレベルの間で変化し、ローレベルとハイレベルの差を振幅とする。
【0072】
相対的に大きい振幅V1のタッチ駆動信号TXを供給する共通電極34の数が少ないほど輻射と消費電力を低減できる。そのため、制御回路70は、検出対象のタッチ検出領域の共通電極34および検出対象のタッチ検出領域に隣接する共通電極34以外の共通電極34に供給されるタッチ駆動信号TXの振幅を振幅V1より小さく制御してもよい。
【0073】
この場合、制御回路70は、検出対象のタッチ検出領域の共通電極34および検出対象のタッチ検出領域に隣接する共通電極34以外の共通電極34に供給されるタッチ駆動信号TXの振幅を、一律に振幅V2に制御してもよい。振幅V2は、振幅V1より小さい。振幅V2は、実験などにより適宜定めることができ、0であってもよい。振幅V2が小さいほど輻射と消費電力の低減効果が高まる。
【0074】
制御回路70は、検出対象のタッチ検出領域に隣接する共通電極34に供給されるタッチ駆動信号TXの振幅を振幅V1と実質的に等しく制御する。検出対象のタッチ検出領域に隣接する共通電極34に供給されるタッチ駆動信号TXの振幅は、振幅V1より低くてもよいが、振幅V1に近いほど好ましく、振幅V1と実質的に等しいことがより好ましい。
【0075】
以下、単位フレーム期間Faのタッチ検出期間の数と同数のタッチ検出領域が表示装置22に含まれる一例を説明する。つまり、タッチ検出回路76は、それぞれのタッチ検出期間において1つのタッチ検出領域でタッチを検出する。なお、単位フレーム期間Faのタッチ検出期間の数と表示装置22に含まれるタッチ検出領域の数は特に限定されない。
【0076】
図12(a)は、第4の実施の形態に係るタッチ検出期間T1aにおける表示装置22の動作を説明する図である。図12(b)は、図12(a)の表示装置22における水平方向の位置とタッチ駆動信号TXの振幅の関係を示す。
【0077】
第2駆動回路74は、タッチ検出期間T1aの間、検出対象のタッチ検出領域R1の共通電極34および検出対象のタッチ検出領域R1に隣接する共通電極34に振幅V1のタッチ駆動信号TXを供給する。検出対象のタッチ検出領域R1に隣接する共通電極34は、タッチ検出領域R2における最もタッチ検出領域R1側の共通電極34である。
【0078】
第2駆動回路74は、タッチ検出期間T1aの間、タッチ検出領域R2の残りの共通電極34、および、タッチ検出領域R3とタッチ検出領域R4の複数の共通電極34に、振幅V2のタッチ駆動信号TXを供給する。
【0079】
図12(c)は、第4の実施の形態に係るタッチ検出期間T2aにおける表示装置22の動作を説明する図である。図12(d)は、図12(c)の表示装置22における水平方向の位置とタッチ駆動信号TXの振幅の関係を示す。
【0080】
第2駆動回路74は、タッチ検出期間T2aの間、検出対象のタッチ検出領域R2の共通電極34および検出対象のタッチ検出領域R2に隣接する共通電極34に振幅V1のタッチ駆動信号TXを供給する。検出対象のタッチ検出領域R2に隣接する共通電極34は、タッチ検出領域R1における最もタッチ検出領域R2側の共通電極34、および、タッチ検出領域R3における最もタッチ検出領域R2側の共通電極34である。
【0081】
第2駆動回路74は、タッチ検出期間T2aの間、タッチ検出領域R1の残りの共通電極34、タッチ検出領域R3の残りの共通電極34、および、タッチ検出領域R4の複数の共通電極34に、振幅V2のタッチ駆動信号TXを供給する。
【0082】
図示は省略するが、第2駆動回路74は、タッチ検出期間T3a,T4aにおいても同様に動作する。
【0083】
本実施の形態によれば、全ての共通電極34を共通のタッチ駆動信号TXで駆動する場合と比較して、タッチ駆動信号TXに起因する表示装置22からの電磁波の輻射を低減でき、消費電力を低減することもできる。
【0084】
また、一部の共通電極34に供給されるタッチ駆動信号TXの振幅が小さい場合にも、検出対象のタッチ検出領域に隣接する共通電極34には、検出対象のタッチ検出領域と実質的に等しい振幅のタッチ駆動信号TXが供給される。そのため、検出対象のタッチ検出領域の共通電極34と、それに隣接する共通電極34との間の寄生容量はタッチ駆動信号TXにより充電されない。よって、全ての共通電極34を共通のタッチ駆動信号TXで駆動する場合と比較して、検出対象のタッチ検出領域の共通電極34の寄生容量の充電時間が長くならないため、検出対象のタッチ検出領域のタッチ検出のタイミングを維持できる。
【0085】
なお、制御回路70は、検出対象のタッチ検出領域の共通電極34および検出対象のタッチ検出領域に隣接する共通電極34以外の共通電極34に供給されるタッチ駆動信号TXの振幅を、検出対象のタッチ検出領域から離れるほど小さく制御してもよい。つまり、これらの共通電極34に供給されるタッチ駆動信号TXの振幅が位置に応じてスロープ状に変化してもよい。この変形例では、表示システム1の構成の自由度を向上できる。
【0086】
以上、本開示について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、また、そうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0087】
たとえば、第4の実施の形態では制御装置24が表示モジュール20に含まれるが、制御装置24はホスト10に含まれてもよい。第4の実施の形態では第1駆動回路72が基準クロック信号を生成するが、第2駆動回路74が基準クロック信号を生成してもよい。単位フレーム期間は、表示装置22のタッチ検出領域の数の2倍以上のタッチ検出期間を含んでもよい。これらの変形例では、表示システム1の構成の自由度を向上できる。
【0088】
表示装置22は、例えば以下に説明する構成を有してもよい。図13は、図1の表示装置22の縦断面図である。表示装置22は、厚さ方向に沿って順に重ねて配置されるバックライトユニット40、下偏光板42、薄膜トランジスタ基板(以下、TFT基板と呼ぶ)44、液晶層52、カラーフィルタ基板54、上偏光板56、接合層58、および、保護層60を備える。
【0089】
以下の説明では、表示装置22の厚さ方向のうち、TFT基板44に対して保護層60が位置する側を前面側とし、その逆を背面側とする。
【0090】
表示装置22は、バックライトユニット40から出射された光を用いて、画像光を前面側、即ち観察者側に出射する。
【0091】
TFT基板44は、ガラス基板46、ガラス基板46の前面側に配置された複数のゲート電極48、複数のソース電極50、および、複数の共通電極34を有する。図示は省略するが、TFT基板44は、図2の複数のゲート線G1,G2,・・・、複数のソース線S1,S2,・・・、複数の画素電極32および複数の画素スイッチング素子30も有する。TFT基板44の前面側に配置された液晶層52は、画素電極32と共通電極34との間に発生する横方向の電界により制御される。
【0092】
接合層58は、透光性を有し、上偏光板56と保護層60とを接合する。接合層58は、例えば、OCR(Optically Clear Resin)などの液状の透明樹脂、または、OCA(Optically Clear Adhesive)などの透明粘着シートが硬化したものである。
【0093】
保護層60は、表示装置22を保護するための透光性を有する層であり、ガラス基板またはプラスチック基板などで構成される。保護層60は、カバーレンズなどとも呼ばれる。
【0094】
本開示の一態様に係る表示システムは、
複数のグループに分けられた複数のセンサ電極を含む表示装置と、
前記複数のセンサ電極に対してグループごとに異なる位相のタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、
前記複数のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて前記表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、
を備える。
この態様によると、あるグループの共通電極から放射されるノイズと、別のグループの共通電極から放射されるノイズは、位相がずれて加算されるため、同位相のタッチ駆動信号の場合よりも輻射のピークレベルが低下する。よって、輻射を低減できる。
【0095】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記複数のセンサ電極は、2つのグループに分けられ、
前記駆動回路は、一方のグループのセンサ電極に第1位相のタッチ駆動信号を供給し、他方のグループのセンサ電極に前記第1位相と180°異なる第2位相のタッチ駆動信号を供給する、としてもよい。
この場合、第1位相のタッチ駆動信号に起因するノイズと、第2位相のタッチ駆動信号に起因するノイズがキャンセルされやすくなり、輻射をより低減できる。
【0096】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記表示装置は、複数のタッチ検出領域を含み、前記複数のセンサ電極は、それぞれのタッチ検出領域に複数ずつ配置され、
前記センサ電極は、画像表示およびタッチ検出に共用される共通電極であり、
前記タッチ検出回路は、前記複数のタッチ検出領域のうち検出対象のタッチ検出領域のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて、当該検出対象のタッチ検出領域への物体のタッチを検出し、
前記複数のグループのうち1つのグループは、前記検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極を含む、としてもよい。
この場合、画像表示およびタッチ検出に共用される共通電極により、表示装置を薄く構成できる。
【0097】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記タッチ検出回路は、前記検出対象のタッチ検出領域を順次変更し、
前記表示システムは、
前記検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極と、当該検出対象のタッチ検出領域に隣接する複数のセンサ電極とが同一のグループに含まれるように、グループの分割パターンを切り替え可能な制御回路を備える、としてもよい。
この場合、検出対象のタッチ検出領域において共通電極の寄生容量の充電時間が長くならないので、タッチ検出のタイミングを維持しつつ、感度の低下も抑制できる。
【0098】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記タッチ検出回路は、前記検出対象のタッチ検出領域への物体のタッチを検出する場合、前記複数のタッチ検出領域のうち別の検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて、当該別の検出対象のタッチ検出領域への物体のタッチも検出し、
前記別の検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極は、前記検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極のグループとは異なるグループに含まれる、としてもよい。
この場合、同時に2つのタッチ検出領域でタッチを検出する場合に輻射を低減できる。
【0099】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記タッチ検出回路は、前記検出対象のタッチ検出領域および前記別の検出対象のタッチ検出領域を順次変更し、
前記表示システムは、
前記検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極と、当該検出対象のタッチ検出領域に隣接する複数のセンサ電極とが同一のグループに含まれ、かつ、前記別の検出対象のタッチ検出領域の複数のセンサ電極と、当該別の検出対象のタッチ検出領域に隣接する複数のセンサ電極とが同一のグループに含まれるように、グループの分割パターンを切り替え可能な制御回路を備える、としてもよい。
この場合、同時に2つのタッチ検出領域でタッチを検出する場合に、タッチ検出のタイミングを維持しつつ、感度の低下も抑制できる。
【0100】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記駆動回路は、予め定められたタッチ検出期間の間、前記タッチ駆動信号を供給し、前記タッチ検出期間以外では前記タッチ駆動信号の供給を停止し、
前記タッチ検出回路は、前記タッチ駆動信号の供給が停止されている場合、センサ電極から受信した検出信号に含まれる前記タッチ駆動信号の周波数のノイズを検出し、
前記タッチ検出回路でノイズが検出された場合、前記駆動回路は、前記複数のセンサ電極に対して、ノイズの周波数と異なる周波数のタッチ駆動信号であって、グループ毎に異なる位相のタッチ駆動信号を供給する、としてもよい。
この場合、タッチ検出回路でノイズが検出され、タッチ駆動信号の周波数が変更された場合にも、輻射を低減できる。
【0101】
本開示の一態様に係る制御装置は、
複数のグループに分けられた複数のセンサ電極を含む表示装置を制御する制御装置であって、
前記複数のセンサ電極に対してグループごとに異なる位相のタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、
前記複数のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて前記表示装置への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、
を備える。
この態様によると、あるグループの共通電極から放射されるノイズと、別のグループの共通電極から放射されるノイズは、位相がずれて加算されるため、同位相のタッチ駆動信号の場合よりも輻射のピークレベルが低下する。よって、輻射を低減できる。
【0102】
本開示の一態様に係る制御方法は、
複数のグループに分けられた複数のセンサ電極を含む表示装置を制御する制御方法であって、
前記複数のセンサ電極に対してグループごとに異なる位相のタッチ駆動信号を供給するステップと、
前記複数のセンサ電極から受信した検出信号にもとづいて前記表示装置への物体のタッチを検出するステップと、
を備える。
この態様によると、あるグループの共通電極から放射されるノイズと、別のグループの共通電極から放射されるノイズは、位相がずれて加算されるため、同位相のタッチ駆動信号の場合よりも輻射のピークレベルが低下する。よって、輻射を低減できる。
【0103】
本開示の一態様に係る表示システムは、
複数のタッチ検出領域と、それぞれのタッチ検出領域に複数ずつ配置された複数の共通電極とを含む表示装置と、
前記複数の共通電極にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、
検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極から受信した信号にもとづいて、当該検出対象のタッチ検出領域への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、
前記駆動回路を制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、前記検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極以外の少なくとも1つの共通電極に供給されるタッチ駆動信号の振幅を、前記検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極に供給されるタッチ駆動信号の振幅より小さく制御する。
この態様によると、タッチ駆動信号に起因する輻射を低減でき、消費電力も低減できる。
【0104】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記制御回路は、(1)前記検出対象のタッチ検出領域に隣接する共通電極に供給されるタッチ駆動信号の振幅を、前記検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極に供給されるタッチ駆動信号の振幅と実質的に等しく制御し、(2)前記検出対象のタッチ検出領域に隣接する共通電極以外の共通電極に供給されるタッチ駆動信号の振幅を、前記検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極に供給されるタッチ駆動信号の振幅より小さく制御する、としてもよい。
この場合、全ての共通電極を共通のタッチ駆動信号で駆動する場合と比較して、検出対象のタッチ検出領域のタッチ検出のタイミングを維持できる。
【0105】
本開示の一態様に係る制御方法は、
複数のタッチ検出領域と、それぞれのタッチ検出領域に複数ずつ配置された複数の共通電極とを含む表示装置と、
前記複数の共通電極にタッチ駆動信号を供給する駆動回路と、
検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極から受信した信号にもとづいて、当該検出対象のタッチ検出領域への物体のタッチを検出するタッチ検出回路と、
を備える表示システムにおける制御方法であって、
前記検出対象のタッチ検出領域以外の少なくとも1つのタッチ検出領域の複数の共通電極に供給されるタッチ駆動信号の振幅を、前記検出対象のタッチ検出領域の複数の共通電極に供給されるタッチ駆動信号の振幅より小さく制御するステップを含む。
この態様によると、タッチ駆動信号に起因する輻射を低減でき、消費電力も低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本開示は、タッチ検出機能を有する表示システム、制御装置および制御方法に利用できる。
【符号の説明】
【0107】
1…表示システム、22…表示装置、24…制御装置、34…共通電極、70…制御回路、72…第1駆動回路、74…第2駆動回路、76…タッチ検出回路。
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