(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 9/02 20060101AFI20231027BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231027BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231027BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20231027BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20231027BHJP
F21V 3/06 20180101ALI20231027BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20231027BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231027BHJP
【FI】
F21S9/02 200
F21S2/00 230
F21V23/00 140
F21V23/00 120
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21S8/04 300
F21V3/00 340
F21V3/06
F21Y103:10
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2022133085
(22)【出願日】2022-08-24
(62)【分割の表示】P 2021064318の分割
【原出願日】2016-12-28
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 信久
(72)【発明者】
【氏名】長岡 慎一
(72)【発明者】
【氏名】三枝 浩和
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲崎▼ 晃史
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩司
(72)【発明者】
【氏名】今安 一哉
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-088433(JP,A)
【文献】特開2016-134206(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0033434(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
F21S 2/00
F21V 23/00
F21S 8/04
F21V 3/00
F21V 3/06
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
常用照明を行う常用照明装置と、非常用照明を行う非常用照明装置と、前記常用照明装置及び前記非常用照明装置を収容する器具本体とを備え、
前記非常用照明装置は、非常用光源ユニットと、少なくとも1つの蓄電池を有する非常用電源ユニットと、前記蓄電池を充電し、かつ、前記蓄電池から放電される電力で前記非常用光源ユニットを点灯する制御装置と、前記非常用光源ユニットから放射される光が通過する孔を有して前記非常用光源ユニットを覆うカバーと
、前記非常用光源ユニットが取り付けられる放熱板とを備え、
前記器具本体は、前記常用照明装置の隣に前記非常用照明装置を並べて収容し、
前記非常用電源ユニットは、所定方向から見て前記非常用光源ユニットと重ならないように前記器具本体に収容されており、
前記カバーは、前記器具本体に対して着脱可能に取り付けられ
、
前記制御装置は、所定方向から見て前記非常用光源ユニットと重なるように前記器具本体に収容されており、
前記放熱板は、前記非常用光源ユニットと前記制御装置の間に配置されることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記カバーは、金属のような不燃性の材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記所定方向は、前記常用照明装置と前記非常用照明装置が並ぶ方向に直交する方向であり、かつ、前記常用照明装置及び前記非常用照明装置が前記器具本体の外に突出する方向であることを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記カバーは、前記非常用電源ユニットを覆うことを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記器具本体は、長尺の箱形に形成され、
前記常用照明装置及び前記非常用照明装置は、前記器具本体の長手方向に沿って並ぶように前記器具本体に収容されていることを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載の照明器具
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関し、より詳細には、常用照明と非常時照明を行う照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、特許文献1記載の照明器具を例示する。この従来例は、器具本体と、常用照明用の常用光源ユニットと、非常時照明用の非常用照明装置とを備えている。器具本体は、下面が開口する長尺かつ矩形の箱形に形成されている。常用光源ユニットは、複数のLEDモジュールと、各LEDモジュールが取り付けられる取付部材と、各LEDモジュールを覆うようにして取付部材に取り付けられるカバーと、各LEDモジュールを点灯する電源装置とを備えている。常用光源ユニットは、器具本体の下面からカバーを露出するようにして器具本体内に収容される。
【0003】
非常用照明装置は、非常用光源ユニットと、制御装置とを備える。非常用光源ユニットは、LEDモジュール、レンズ、カバー、非常用電源(蓄電池)などを備える。LEDモジュールの前方にレンズが配置される。カバーは、レンズを前方に露出するようにしてLEDモジュールの前方に配置される。非常用電源は、LEDモジュールの後方に配置されている。制御装置は、常用電源から供給される電力で非常用電源を充電する充電回路と、常用電源の停電時に非常用電源を電源としてLEDモジュールを点灯させる非常用電源回路とを備える。また、制御装置は、点検スイッチによる操作入力を受け取って点検動作を行う制御回路を備える。常用電源は、例えば、常用光源ユニットの電源装置に給電する電源(商用の交流電源)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、非常用電源としての蓄電池、例えば、ニッケル水素電池の充電特性は、温度が高くなるほど充電効率が低下する特性を示す。したがって、非常用電源は、可能な限り熱源(光源や光源を点灯する電源装置及び制御装置など)から離れて配置されることが好ましい。ただし、非常用電源が熱源から離して配置されるためには、非常用電源及び熱源を支持している器具本体の大型化を招く可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、器具本体の大型化を抑えつつ非常用電源ユニットの充電特性の低下の抑制を図ることが可能な照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る照明器具は、常用照明を行う常用照明装置と、非常用照明を行う非常用照明装置と、前記常用照明装置及び前記非常用照明装置を収容する器具本体とを備えている。前記非常用照明装置は、非常用光源ユニットと、少なくとも1つの蓄電池を有する非常用電源ユニットと、前記蓄電池を充電し、かつ、前記蓄電池から放電される電力で前記非常用光源ユニットを点灯する制御装置とを備えている。前記非常用照明装置は、更に、前記非常用光源ユニットから放射される光が通過する孔を有して前記非常用光源ユニットを覆うカバーと、前記非常用光源ユニットが取り付けられる放熱板とを備えている。前記器具本体は、前記常用照明装置の隣に前記非常用照明装置を並べて収容する。前記非常用電源ユニットは、所定方向から見て前記非常用光源ユニットと重ならないように前記器具本体に収容されている。前記カバーは、前記器具本体に対して着脱可能に取り付けられる。前記制御装置は、所定方向から見て前記非常用光源ユニットと重なるように前記器具本体に収容されている。前記放熱板は、前記非常用光源ユニットと前記制御装置の間に配置される。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、器具本体の大型化を抑えつつ非常用電源ユニットの充電特性の低下の抑制を図ることが可能な照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る照明器具の分解斜視図である。
【
図2】
図2Aは、同上の照明器具の正面図である。
図2Bは、同上の照明器具の平面図である。
図2Cは、同上の照明器具の左側面図である。
【
図3】
図3は、同上の照明器具における非常用照明装置の斜視図である。
【
図4】
図4A、同上の非常用照明装置の正面図である。
図4Bは、同上の非常用照明装置の平面図である。
図4Cは、同上の非常用照明装置の右側面図である。
【
図5】
図5Aは、同上の非常用照明装置の背面図である。
図5Bは、同上の非常用照明装置の下面図である。
【
図6】
図6は、同上の非常用照明装置の分解斜視図である。
【
図7】
図7は、同上の非常用照明装置の断面図である。
【
図8】
図8は、同上の非常用照明装置の分解斜視図である。
【
図9】
図9は、同上の照明器具における非常用光源ユニットと制御装置の分解斜視図である。
【
図10】
図10は、同上の照明器具における非常用電源ユニットの分解斜視図である。
【
図11】
図11は、同上の照明器具の一部省略した分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る照明器具の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の照明器具1は、例えば、執務室などの天井に直付けされる天井直付け形の照明器具であるが、天井埋込形の照明器具や壁に取り付けられる照明器具であってもよい。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
本実施形態の照明器具1は、
図1及び
図2A~
図2Cに示すように、常用照明を行う常用照明装置2と、非常用照明を行う非常用照明装置3と、常用照明装置2及び非常用照明装置3を収容する器具本体10とを備えている。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、
図1に示す向きにおいて、照明器具1の上下、左右及び前後の各方向を規定する。
【0012】
器具本体10は、金属材料によって長尺の箱形に形成されている。器具本体10は、長尺の矩形平板状の天板11と、天板11の長手方向(左右方向)に沿った2つの端縁のそれぞれから下向きに突出する一対の第1側板12とを有している。器具本体10は、さらに、天板11の短手方向(前後方向)に沿った2つの端縁のそれぞれから下向きに突出する一対の第2側板13を有している。さらに、器具本体10は、天板11に対向する下面に開口部を有している。天板11は、その左右方向におけるほぼ中央に、電線を通すための孔110を有している。また、天板11は、その左右方向における両端寄りの位置に吊りボルトを通すための孔111を有している(
図1参照)。さらに、天板11の下面には、孔110から引き込まれる電線が結線される端子台14が取り付けられている。
【0013】
常用照明装置2は、常用光源と、常用光源が取り付けられる取付部材21と、常用光源を覆う透光カバー20と、常用光源を点灯する電源装置とを備えている。常用光源は、長尺の基板と、基板の表面に実装される多数のLED(light emitting diode)とを有している。取付部材21は、金属材料によって長尺の樋状に形成されている。取付部材21は、長尺の矩形板状に形成された底板と、底板の短手方向(前後方向)における両端から上向きに立ち上がる一対の側板210とを有している。常用光源は、取付部材21の底板の下面に取り付けられる。電源装置は、端子台14を介して常用電源(例えば、商用の交流電源)から供給される交流電力を直流電力に変換するように構成されている。電源装置は、取付部材21の底板の上面に取り付けられる。常用光源と電源装置は、底板に設けられた挿通孔に挿通される電線によって電気的に接続される。常用光源は、電線を介して電源装置から直流電力が供給されることによって点灯する。
【0014】
透光カバー20は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料により上面が開口する長尺の箱形に形成されている。透光カバー20の下面は、短手方向(前後方向)において両端から中央に向かってなだらかに下向きに突出する曲面形状に形成されている(
図1参照)。なお、透光カバー20を形成する合成樹脂材料には、拡散材が混入されている。すなわち、常用光源から放射される光は、透光カバー20を透過する際に拡散される。
【0015】
常用照明装置2は、透光カバー20を除く部分(取付部材21の一対の側板210及び電源装置など)を器具本体10に収容し、透光カバー20を器具本体10の開口部から下向きに突出させるようにして器具本体10に取り付けられる(
図2A~
図2C参照)。また、常用照明装置2は、器具本体10の開口部の大部分を透光カバー20で塞ぐようにして器具本体10に着脱可能に取り付けられる(
図2A~
図2C参照)。ここで、器具本体10は、常用照明装置2の取付部材21と天板11の間に空間(デッドスペース)を形成している。そして、常用照明装置2の電源装置が器具本体10のデッドスペースに配置される。ただし、常用照明装置2を器具本体10に着脱可能に取り付ける構造は、特許文献1に記載されている従来例と共通であるから、詳細な説明及び図示は省略する。
【0016】
次に、非常用照明装置3について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
非常用照明装置3は、非常用光源ユニット4と、非常用電源ユニット5と、制御装置6と、カバー7と、押さえ具8とを備えている(
図1~
図8参照)。
【0018】
非常用光源ユニット4は、
図7及び
図8に示すように、LEDモジュール40と、ホルダ41と、一対の端子板42と、放熱シート43と、レンズ44とを有している。LEDモジュール40は、矩形平板状の実装基板400の中央に少なくとも1個のLEDチップが実装されて構成されている。LEDチップは、例えば、青色光を放射する青色発光ダイオードであることが好ましい。また、LEDチップを含む実装基板400の実装面(下面)は、LEDチップから放射される青色光を波長変換する蛍光物質が混入された封止樹脂401で封止されている(
図8参照)。さらに、実装基板400は、その対角の位置にある一対の角部の下面にそれぞれ電極を有している。一方の電極は、LEDチップのカソードと電気的に接続され、他方の電極は、LEDチップのアノードと電気的に接続されている。さらに、これら2つの電極は、一対の端子板42のうちの対応する端子板42と電気的に接続されている。
【0019】
レンズ44は、例えば、ガラス製であって、レンズ本体440と、レンズ本体440の周縁から外向きに突出する環状の外鍔部441とを有している(
図8参照)。レンズ44は、非球面形状の入射面442及び出射面443を有し(
図7参照)、いわゆるバットウイング(batwing)状の配光特性を実現する広角配光レンズであることが好ましい。ただし、レンズ44は、ガラス繊維が混入されることで耐熱性(難燃性)が向上された合成樹脂材料(例えば、ポリカーボネート樹脂など)で形成されてもよい。
【0020】
放熱シート43は、高熱伝導率、電気絶縁性及び難燃性を有するシリコーン樹脂製のシート材で構成されることが好ましい。放熱シート43は、LEDモジュール40の実装基板400の上面に接触している。
【0021】
ホルダ41は、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂材料により、上下方向から見て、おおよそ菱形に形成されることが好ましい(
図8参照)。ホルダ41は、LEDモジュール40の発光面(下面)にレンズ44のレンズ本体440を重ねるようにして、LEDモジュール40とレンズ44を保持している。また、ホルダ41は、端子板保持部410を有している。端子板保持部410は、上向きに伸びた角筒状に形成され、一対の端子板42を内部に収容して保持している(
図7及び
図8参照)。
【0022】
非常用電源ユニット5は、
図10に示すように、乾電池型の複数(図示例では5本)の蓄電池50と、これら複数の蓄電池50を収容する合成樹脂材料製のケース51と、第1導体54と、第2導体55とを備えている。ケース51は、ケースボディ52とケースカバー53を有する。ケースボディ52は、矩形の底壁520と、底壁520の前後両端縁から下向きに突出する一対の第1側壁521とを有している。また、ケースボディ52は、底壁520の右側の端縁から下向きに突出する第2側壁522と、底壁520の左側の端縁から下向きに突出する第3側壁523とを有している。ただし、第3側壁523は、一対の第1側壁521及び第2側壁522よりも上下方向の高さを高くするように形成されている。
【0023】
底壁520は、その下面から下向きに突出する5つの突台部526を有している。これら5つの突台部526は、底壁520の下面において左右方向に並んでいる。また、各突台部526の下面は、半円筒面形状に形成されている。各突台部526の下面に蓄電池50が1本ずつ載せられて支持される(
図7参照)。ただし、5つの突台部526のうちで左端の突台部526は、他の4つの突台部526よりも下方に位置している。
一対の第1側壁521はそれぞれ、一対の突片5210を有している。一対の突片5210は、矩形の板状に形成され、第1側壁521の下端から下に突出している。また、各突片5210は、その先端(下端)に、三角柱状の爪5211を有している。ただし、前方の第1側壁521が有する各突片5210の爪5211は前方へ突出し、後方の第1側壁521が有する各突片5210の爪5211は後方へ突出している。
【0024】
第2側壁522の右側面における後端から、突部524が右向きに突出している。突部524は、おおよそ直方体状に形成されている。ただし、突部524の右下の辺は、凸曲面形状に形成されることが好ましい。
【0025】
第3側壁523は、矩形の板状に形成されている。第3側壁523は、その左側面における前方の下部に、端子保持部527を有している。端子保持部527は、軸方向を上下方向に一致させた角筒状に形成されている。また、端子保持部527内の空間は、隔壁5270によって2つに区切られている(
図10参照)。また、端子保持部527は、その前面における上端部分に、矩形板状のガイド片5271を有している。ガイド片5271は、厚み方向を左右方向に一致させるようにして端子保持部527の前面から前方へ突出している。
【0026】
ケースカバー53は、矩形の第1底壁530と、第1底壁530の左側の端縁から左斜め下向きに突出する矩形の第1側壁531と、第1底壁530及び第1側壁531の前後両端縁から上向きに突出する一対の第2側壁532とを有している。また、ケースカバー53は、第1底壁530の右側の端縁から上向きに突出する第3側壁533と、第1側壁531の左側の端縁から左向きに突出する第2底壁534とを有している。
【0027】
一対の第2側壁532はそれぞれ、一対の貫通孔5320を有している。また、前方の第2側壁532は、階段状に形成されている。
【0028】
第3側壁533は、突片5330を有している。突片5330は、第3側壁533の後端寄りの上端から上に突出している。また、突片5330は、その先端(上端)に、三角柱状の爪5331を有している。爪5331は、突片5330の上端における右側面から右方へ突出している。
【0029】
第2底壁534は、矩形の板状に形成されている。第2底壁534は、その前方左端に蓋部535を有している。蓋部535は、左右方向から見た形状がU字状となるように形成されている。
【0030】
5本の蓄電池50は、各々の径方向に沿って互い違いに並ぶように配置される。右端の蓄電池50の負極端子に、第1導体54の一端部(右端部)が電気的に接続される。また、左端の蓄電池50の正極端子に、第2導体55の一端部(右端部)が電気的に接続される。右端の蓄電池50の正極端子と、右から2番目の蓄電池50の負極端子とが導体板56によって電気的に接続される。右から2番目の蓄電池50の正極端子と、右から3番目の蓄電池50の負極端子とが導体板56によって電気的に接続される。左端の蓄電池50の負極端子と、左から2番目の蓄電池50の正極端子とが導体板56によって電気的に接続される。右から3番目の蓄電池50の正極端子と、左から2番目の蓄電池50の負極端子とが導体板56によって電気的に接続される。つまり、5本の蓄電池50は、4枚の導体板56によって電気的に直列接続されている。
【0031】
第1導体54は、金属板によってS字状に形成されている(
図10参照)。第1導体54の長手方向の一端部(右端部)が右端の蓄電池50の負極端子と電気的に接続される。第1導体54は、その長手方向の他端部(左端部)に第1コンタクト57を有している。第1コンタクト57は、角筒状の枠体570と、枠体570内に収容されるばね体とを有している。ばね体は、枠体570の上端に結合され、枠体570内において左右方向に撓み可能となるように枠体570と一体に形成されている。第1導体54は、上側の第1側壁521及び第3側壁523に沿ってケースボディ52内に収容される。また、第1コンタクト57は、端子保持部527内の2つの空間のうちで隔壁5270の上側の空間に収容される。
【0032】
第2導体55は、金属板によってS字状に形成されている。第2導体55は、その長手方向の一端部(右端部)が左端の蓄電池50の正極端子と電気的に接続される。第2導体55は、その長手方向の他端部(左端部)に第2コンタクト58を有している。第2コンタクト58は、角筒状の枠体と、枠体内に収容されるばね体とを有している。ばね体は、枠体の上端に結合され、枠体内において左右方向に撓み可能となるように枠体と一体に形成されている。第2導体55は、下側の第1側壁521及び第3側壁523に沿ってケースボディ52内に収容される。また、第2コンタクト58は、端子保持部527内の2つの空間のうちで隔壁5270の下側の空間に収容される。
【0033】
ケースボディ52にケースカバー53が結合されることによってケース51が組み立てられる(
図8参照)。ケースボディ52が有する4つの突片5210がそれぞれ、ケースカバー53が有する4つの貫通孔5320のうちの対応する貫通孔5320に挿入される。さらに、ケースカバー53が有する突片5330が、ケースボディ52の突部524に設けられている貫通孔5240に挿入される。そして、突片5210、5330の先端に設けられている爪5211、5331が、貫通孔5320、5240の縁にそれぞれ引っ掛かることでケースボディ52とケースカバー53が結合される。なお、ケースボディ52の端子保持部527の下側の開口部は、ケースカバー53の蓋部535が被さることで閉じられる(
図8参照)。
【0034】
制御装置6は、
図9に示すように、第1回路ブロック60、第2回路ブロック61、筐体62及び放熱板63を備えている。第1回路ブロック60は、矩形板状の第1プリント配線板600、複数種類の電子部品601、受け側コネクタ64、入力端子台603、出力コネクタ602及び第1コネクタ604を有している。複数種類の電子部品601のうちでリード付きの電子部品601が第1プリント配線板600の下面(部品面)に挿入実装されている。また、複数種類の電子部品601のうちで表面実装型の電子部品601が第1プリント配線板600の上面(はんだ面)に表面実装されている(
図7参照)。ただし、第1プリント配線板600の部品面には、受け側コネクタ64、入力端子台603、出力コネクタ602及び第1コネクタ604も挿入実装されている。
【0035】
出力コネクタ602は、一対のコンタクト6020を有している(
図9参照)。出力コネクタ602の各コンタクト6020は、非常用光源ユニット4の一対の端子板42のうちの対応する端子板42と接触して導通する。
【0036】
受け側コネクタ64は、第1コンタクト受け641と、第2コンタクト受け642と、ベース640とを有している(
図9参照)。ベース640は、電気絶縁性を有した合成樹脂材料によって矩形の板状に形成されている。第1コンタクト受け641及び第2コンタクト受け642は棒状に形成されて、ベース640を厚み方向に貫通した状態でベース640に支持されている。第1コンタクト受け641は、非常用電源ユニット5の第1コンタクト57の枠体570内に挿入された状態において、枠体570内のばね体によって枠体570に押し付けられることで第1コンタクト57と電気的に接続される。第2コンタクト受け642は、非常用電源ユニット5の第2コンタクト58の枠体内に挿入された状態において、枠体内のばね体によって枠体に押し付けられることで第2コンタクト58と電気的に接続される。
【0037】
第1回路ブロック60は、第1プリント配線板600に形成されているプリント配線と、第1プリント配線板600の部品面及びはんだ面に実装されている複数種類の電子部品601とで構成されたプリント回路を有している(
図7及び
図9参照)。第1回路ブロック60のプリント回路は、例えば、直流電源回路、充電回路、点灯回路、停電検出回路、制御回路を含んでいる。直流電源回路は、例えば、リンギングチョークコンバータなどの自励型のスイッチング電源回路で構成され、常用電源から入力端子台603に入力される交流電圧を直流電圧に変換するように構成されている。充電回路は、常用電源から給電されているときに受け側コネクタ64を通して一定の充電電流を出力するように構成されている。点灯回路は、非常用電源ユニット5から受け側コネクタ64に入力される直流電流を定電流化し、定電流化した直流電流を出力コネクタ602より非常用光源ユニット4に供給するように構成されている。停電検出回路は、直流電源回路の出力電圧に基づいて常用電源の停電を検出して制御回路に通知するように構成されている。制御回路は、停電検出回路が常用電源の停電を検出していないときに充電回路を動作させ、かつ、点灯回路を停止させるように構成されている。また、制御回路は、停電検出回路が常用電源の停電を検出しているときに充電回路を停止させ、かつ、点灯回路を動作させるように構成されている。
【0038】
第2回路ブロック61は、矩形板状の第2プリント配線板610、2つの押釦スイッチ611、612、表示素子613、受光素子614並びに第2コネクタ615を有している(
図9参照)。第2コネクタ615は、第2プリント配線板610の下面における長手方向の一端(前端)に実装されている。一方の押釦スイッチ611は、第2プリント配線板610の下面における第2コネクタ615の後方に実装されている。他方の押釦スイッチ612は、第2プリント配線板610の下面における長手方向の他端(後端)に実装されている。表示素子613は、例えば、緑色光を放射するLEDチップを有している。表示素子613は、第2プリント配線板610の下面における押釦スイッチ612の前方に実装されている。受光素子614は、赤外線を通信媒体とする制御信号を受信し、受信した制御信号から送信フレームを復調するように構成されている。この制御信号は、定期点検の作業を行う作業者に操作されるリモートコントローラから送信される。受光素子614は、第2プリント配線板610の下面における表示素子613と押釦スイッチ611の間に実装されている。第2コネクタ615は、例えば、ケーブルによって第1回路ブロック60の第1コネクタ604と電気的に接続される。第1回路ブロック60の制御回路は、ケーブルを通して各押釦スイッチ611、612の操作状態(オン及びオフ)を監視するように構成されている。また、制御回路は、受光素子614で復調される制御信号の送信フレームをケーブルを通して受け取るように構成されている。さらに、制御回路は、第1回路ブロック60の充電回路が動作している場合、ケーブルを通して表示素子613に電流を流すことで表示素子613を発光させるように構成されている。
【0039】
なお、制御回路は、一方の押釦スイッチ611がオンされた場合、及び受光素子614から送信フレームを受け取った場合に定期点検動作を行うように構成されている。定期点検動作を行う制御回路は、充電回路を停止させ、かつ、点灯回路を動作させる。さらに、制御回路は、他方の押釦スイッチ612がオンされた場合、自己点検動作を行うように構成されている。自己点検動作を行う制御回路は、充電回路を停止するとともに点灯回路を数秒間動作させた後、再度、点灯回路を停止させ、かつ、充電回路を動作させる。ただし、制御回路は、自己点検動作を行うように指示する送信フレームを受光素子614から受け取った場合も自己点検動作を行うように構成されることが好ましい。
【0040】
筐体62は、第1筐体620と第2筐体621を有している。第1筐体620は、底部6200と、側壁部6201とを有している。底部6200は、おおよそ矩形の箱形に形成されている。底部6200は、第1回路ブロック60の第1プリント配線板600のはんだ面を厚み方向(上下方向)から支持するように構成されている。側壁部6201は、板状に形成されている。側壁部6201は、ヒンジを介して底部6200に連結されている。ゆえに、側壁部6201は、ヒンジを軸にして底部6200に対して回転可能となるように構成されている。また、側壁部6201は、第2回路ブロック61の第2プリント配線板610の長手方向に沿った端部(左端部)を厚み方向から挟んで支持するように構成されている。
【0041】
第2筐体621は、上面及び左側面が開放された箱状に形成されている。第2筐体621は、第1筐体620と結合される。第2筐体621の上面は、第1筐体620の底部6200によって閉じられる。また、第2筐体621の左側面は、第1筐体620の側壁部6201によって閉じられる(
図7参照)。
【0042】
第2筐体621は、下面の左端から下方へ突出する突台部6210を有している(
図9参照)。突台部6210は、おおよそ角錐台状に形成されている。突台部6210は、2つの操作部材(第1操作部材6214及び第2操作部材6215)を有している。第1操作部材6214は、突台部6210の下面における前端に設けられている。また、第2操作部材6215は、突台部6210の下面における後端に設けられている。第1操作部材6214及び第2操作部材6215は、突台部6210の下面に対して上下方向に移動可能となるように構成されている。つまり、上向きに押された第1操作部材6214が押釦スイッチ611の押釦を押すことにより、押釦スイッチ611がオンする。また、上向きに押された第2操作部材6215が押釦スイッチ612の押釦を押すことにより、押釦スイッチ612がオンする。さらに、突台部6210は、その下面における第1操作部材6214と第2操作部材6215の間に、2つの円形の窓6216、6217を有している。前方の窓6216は、上下方向において第2回路ブロック61の受光素子614と対向している。後方の窓6217は、上下方向において第2回路ブロック61の表示素子613と対向している。つまり、リモートコントローラから送信される制御信号は、前方の窓6216を通して受光素子614に到達する。また、表示素子613が発する光(緑色光)は、後方の窓6217を通して筐体62の外に放射される。
【0043】
また、第2筐体621は、右端に3つの開口部6211、6212、6213を有している。これら3つの開口部6211、6212、6213は、前後方向に沿って一列に並んでいる(
図9参照)。前端の開口部6211は、第1回路ブロック60の受け側コネクタ64と対向している。後端の開口部6213は、入力端子台603が挿通される。中央の開口部6212は、出力コネクタ602と対向している(
図8参照)。
【0044】
放熱板63は、非常用光源ユニット4が取り付けられる取付部630と、一対の脚部631と、一対の固定部632とを有している(
図9参照)。取付部630は、おおよそ台形状に形成されている。一対の脚部631は、平坦な板状に形成されて取付部630の前端及び後端から上方へ突出している。一対の固定部632は、一対の脚部631の上端から前後方向に沿って互いに近付く向きに突出している。ただし、取付部630と一対の脚部631と一対の固定部632とは、アルミ又はアルミ合金製の板材によって一体に形成されることが好ましい。
【0045】
放熱板63は、
図8に示すように、取付部630を第2筐体621の下面に対向させ、一対の脚部631を第2筐体621の前面及び後面に対向させ、一対の固定部632を第1筐体620の底部6200の上面に引っ掛けるようにして筐体62に取り付けられる。また、放熱板63は、一対の脚部631に設けられている矩形の嵌合孔633のそれぞれに、第2筐体621の上面及び下面の上端から突出する突部6218を嵌合させることによって筐体62に対して位置決めされている(
図8及び
図9参照)。
【0046】
非常用光源ユニット4は、放熱板63の取付部630に設けられているねじ孔6300に対して、2本の取付ねじ45でホルダ41がねじ止めされることによって取付部630に取り付けられている(
図6~
図9参照)。また、非常用光源ユニット4は、第2筐体621の中央の開口部6212から露出する出力コネクタ602にホルダ41の端子板保持部410が差込接続されることにより、制御装置6の第1回路ブロック60と電気的に接続される(
図7参照)。さらに、LEDモジュール40は、放熱シート43を介して放熱板63の取付部630と熱的に結合される(
図7参照)。
【0047】
制御装置6は、器具本体10内の左端に収容される(
図11参照)。制御装置6は、放熱板63の一対の固定部632が天板11にねじ止めされることによって器具本体10に固定されることが好ましい。ゆえに、LEDモジュール40が発する熱は、放熱シート43から放熱板63に伝導され、さらに、放熱板63から器具本体10に伝導されて放熱される。
【0048】
押さえ具8は、
図6に示すように、主片80、引掛片81、側片82、第1差込片83、第2差込片84及び第3差込片85を有している。なお、主片80、引掛片81、側片82、第1差込片83、第2差込片84及び第3差込片85は、金属板によって一体に形成されることが好ましい。
【0049】
主片80は、下方から見てL字状に形成されている。主片80は、雌ねじ部800を有している。引掛片81は、円弧状に湾曲した湾曲部810と、湾曲部810と主片80を連結する連結部811と、湾曲部810の下端から突出する矩形の平坦部812とを有している(
図4A~
図4C及び
図6参照)。引掛片81は、連結部811によって主片80の左端の下部と連結されている。なお、引掛片81は、連結部811が厚み方向に撓むことにより、湾曲部810を左右方向に変位可能とするように構成されている。側片82は、矩形に形成されている。側片82は、主片80の後端から下向き及び左向きに突出している。側片82の下部は後方に向かって傾斜している。第1差込片83及び第2差込片84は、前後方向から見てL字状に形成されている(
図4B及び
図5B参照)。なお、第2差込片84は、主片80に切り起こし形成されることが好ましい。第3差込片85は、前後方向から見てL字状に形成されている(
図4B及び
図5B参照)。第3差込片85は、側片82の左端の上端から上方へ突出している(
図4B参照)。
【0050】
押さえ具8は、天板11を貫通する3つの孔に第1差込片83、第2差込片84及び第3差込片85が一対一に対応して差し込まれ、第1差込片83、第2差込片84及び第3差込片85のそれぞれが天板11を挟むように構成されている。そして、押さえ具8は、天板11に設けられるねじ挿通孔に挿通されたねじが主片80の雌ねじ部800にねじ込まれることによって天板11の下面に取り付けられる(
図11参照)。
【0051】
非常用電源ユニット5は、器具本体10の天板11に取り付けられた制御装置6と押さえ具8の間に配置される(
図11参照)。非常用電源ユニット5は、ケースボディ52を天板11に対向させた状態で器具本体10内の制御装置6と押さえ具8の間の空間に収容される。非常用電源ユニット5の端子保持部527は、第2筐体621の前端の開口部6211を通して筐体62内に挿入される。このとき、端子保持部527のガイド片5271が、第2筐体621の前面の右端に設けられているガイド溝6219に案内される(
図6参照)。そして、非常用電源ユニット5の第1コンタクト57が、制御装置6の第1コンタクト受け641と電気的に接続される。また、非常用電源ユニット5の第2コンタクト58が、制御装置6の第2コンタクト受け642と電気的に接続される。さらに、非常用電源ユニット5は、ケース51に設けられた突部524に、押さえ具8の引掛片81の湾曲部810が引っ掛かることによって押さえ具8に支持される(
図4A及び
図8参照)。ここで、引掛片81は、平坦部812に加えられる力によって連結部811が撓むと、湾曲部810が右向きに変位して湾曲部810と突部524との引っ掛かりが解除される。そして、非常用電源ユニット5は、湾曲部810と突部524との引っ掛かりが解除された状態で下向きに引っ張られると、第1コンタクト57及び第2コンタクト58が第1コンタクト受け641及び第2コンタクト受け642から引き抜かれる。つまり、作業者は、非常用電源ユニット5の器具本体10への収容作業とほぼ同時に非常用電源ユニット5と制御装置6との電気的な接続作業を完了させることができる。また、作業者は、非常用電源ユニット5の器具本体10からの取り外し作業とほぼ同時に非常用電源ユニット5と制御装置6との電気的な接続解除作業を完了させることができる。
【0052】
カバー7は、
図3に示すように、第1カバー71と第2カバー72を備えている。第1カバー71と第2カバー72は、前後方向から見てL字状に形成されている長尺の連結体73によって左右方向に並ぶように連結されている。なお、第1カバー71、第2カバー72及び連結体73は、金属のような不燃性の材料によって一体に形成されることが好ましい。例えば、カバー7は、アルミダイカストで構成されることが好ましい。ただし、カバー7は、金属以外の不燃性の材料、例えば、セラミックスなどで構成されてもよい。カバー7が不燃性の材料で構成されれば、火災によるカバー7の燃焼を防ぐことができる。また、第1カバー71と第2カバー72が一体に形成されれば、部品点数の削減と組立作業の簡略化を図ることができる。
【0053】
第1カバー71は、上面が開口する箱形に形成されている。第1カバー71の下面は、常用照明装置2の透光カバー20と同様に、短手方向(前後方向)において両端から中央に向かってなだらかに下向きに突出する曲面形状に形成されている(
図3及び
図6参照)。第1カバー71の下面に凹部710が形成されている。凹部710は、下方から見た形状が楕円形に形成されている(
図4A参照)。凹部710の中央(底)に孔711が貫通している。孔711は、レンズ44のレンズ本体440が挿通可能な形状(楕円形状)に形成されている。凹部710は、その長軸方向(左右方向)の両端を、その短軸方向(前後方向)の両端よりも下方へ突出させるように形成されている(
図4B参照)。
【0054】
第1カバー71は、その下面における左端に4つの貫通孔(第1貫通孔712、第2貫通孔713、第3貫通孔714、第4貫通孔715)を有している(
図4A及び
図6参照)。第1貫通孔712、第2貫通孔713、第3貫通孔714及び第4貫通孔715は、前方から後方に向かって1列に並ぶように配置されている。
【0055】
第1カバー71は、その上面における左端に2つの引掛部716を有している(
図5A参照)。引掛部716は、前後方向から見てL字状に形成されている(
図5B参照)。また、引掛部716は、その先端(左端)に近付くにつれて上方へ傾斜するように構成されている(
図5B参照)。
【0056】
第2カバー72は、
図6に示すように、平坦部720と、腕部721と、固定部722とを有している。平坦部720は、おおよそ矩形平板状に形成されている。平坦部720は、その左端において連結体73と連結されている。腕部721は、おおよそ矩形平板状に形成されている。腕部721は、平坦部720の右端における前端から上方へ立ち上がるように構成されている。固定部722は、おおよそ矩形平板状に形成されている。固定部722は、腕部721の上端から右方へ突出するように構成されている。また、固定部722は、その前方寄りの右隅に円形のねじ挿通孔723を有している。
【0057】
カバー7は、
図4A~
図4Cに示すように、第1カバー71によって非常用光源ユニット4、制御装置6及び非常用電源ユニット5の一部(左端部)を下から覆い、第2カバー72によって非常用電源ユニット5の残り全部を下から覆うように構成されている。非常用光源ユニット4のレンズ本体440は、第1カバー71の孔711に挿通されてカバー7の外に露出する。第1操作部材6214は、第1カバー71の第1貫通孔712と対向している(
図4A参照)。第1操作部材6214は、第1貫通孔712に挿通される治具によって押操作される。第2操作部材6215は、第1カバー71の第4貫通孔715に挿通されている(
図5B参照)。第2操作部材6215は、例えば、人の指によって押操作される。第1カバー71の第2貫通孔713は、制御装置6の受光素子614と対向している(
図4A参照)。また、第1カバー71の第3貫通孔714は、制御装置6の表示素子613と対向している(
図4A参照)。つまり、リモートコントローラから送信される制御信号は、第2貫通孔713を通して受光素子614に到達する。また、表示素子613が発する光(緑色光)は、第3貫通孔714を通してカバー7の外に放射される。
【0058】
カバー7は、第1カバー71の一対の引掛部716と、第2カバー72の固定部722とで器具本体10に固定される。一対の引掛部716は、器具本体10の左側の第2側板13の下端から右方に突出する突片130に引っ掛けられる(
図11参照)。固定部722は、器具本体10の天板11にねじ止めされる。固定部722をねじ止めするためのねじは、固定部722のねじ挿通孔723と、押さえ具8の主片80に設けられたねじ挿通孔801とに挿通された後、器具本体10の天板11に設けられている雌ねじにねじ込まれる(
図11参照)。
【0059】
ところで、蓄電池50に用いられるニッケル水素電池は、常温付近で電池容量が最も大きく、高温のときの電池容量が減少するという放電特性を有している。蓄電池50の放電特性が低下すると、非常用照明装置3の非常用照明の照度が低下したり、非常用照明の継続時間が短縮されてしまう可能性がある。したがって、蓄電池50を有する非常用電源ユニット5は、可能な限り熱源(非常用光源ユニット4)から離れて配置されることが好ましい。
【0060】
そこで、非常用電源ユニット5は、
図2A及び
図2Bに示すように、所定方向(上下方向)から見て非常用光源ユニット4と重ならないように器具本体10に収容されている。なお、所定方向は、常用照明装置2と非常用照明装置3が並ぶ方向(左右方向)に直交する方向であり、かつ、常用照明装置2及び非常用照明装置3が器具本体10の外に突出する方向(上下方向)である。ゆえに、非常用電源ユニット5は、特許文献1記載の従来例と比較して、熱源である非常用光源ユニット4から離れて配置されている。その結果、照明器具1は、非常用電源ユニット5が非常用光源ユニット4から受ける熱の影響を低減することにより、非常用電源ユニット5の放電特性の低下の抑制を図ることができる。
【0061】
さらに、蓄電池50に用いられるニッケル水素電池は、温度が高くなるほど充電効率が低下するという充電特性を有している。蓄電池50の充電効率が低下すると、非常用照明装置3の非常用照明の照度が低下したり、非常用照明の継続時間が短縮されてしまう可能性がある。したがって、蓄電池50を有する非常用電源ユニット5は、可能な限り熱源(常用照明装置2)から離れて配置されることが好ましい。しかしながら、非常用電源ユニット5が器具本体10の長手方向の一端に収容され、非常用電源ユニット5と常用照明装置2の間に非常用光源ユニット4が配置された場合、器具本体10の長手方向の寸法が大きくなってしまう。
【0062】
そこで、非常用照明装置3は、上下方向において常用照明装置2と非常用電源ユニット5の間に第2カバー72を配置している。つまり、非常用電源ユニット5のケースカバー53の第1底壁530は、第2カバー72を挟んで常用照明装置2の左端の上面と対向する(
図11参照)。したがって、非常用照明装置3は、常用照明装置2の発する熱を第2カバー72で遮るので、常用照明装置2の発する熱によって非常用電源ユニット5の温度が過度に上昇することを抑えることができる。
【0063】
上述のように照明器具1は、常用照明を行う常用照明装置2と、非常用照明を行う非常用照明装置3と、常用照明装置2及び非常用照明装置3を収容する器具本体10とを備えている。非常用照明装置3は、非常用光源ユニット4と、少なくとも1つの蓄電池50を有する非常用電源ユニット5と、蓄電池50を充電し、かつ、蓄電池50から放電される電力で非常用光源ユニット4を点灯する制御装置6とを備えている。非常用照明装置3は、更に、非常用光源ユニット4から放射される光が通過する孔711を有して非常用光源ユニット4を覆うカバー7を備えている。器具本体10は、常用照明装置2の隣に非常用照明装置3を並べて収容している。非常用電源ユニット5は、所定方向から見て非常用光源ユニット4と重ならないように器具本体10に収容されている。所定方向は、常用照明装置2と非常用照明装置3が並ぶ方向(左右方向)に直交する方向であり、かつ、常用照明装置2及び非常用照明装置3が器具本体10の外に突出する方向(上下方向)である。カバー7は、常用照明装置2と非常用照明装置3の間に配置される部位(第2カバー72)を備えている。
【0064】
照明器具1が上述のように構成されれば、常用照明装置2の発する熱を、常用照明装置2と非常用照明装置3の間に配置される部位(第2カバー72)で遮ることにより、非常用照明装置3を常用照明装置2の近くに配置しつつ、常用照明装置2の発する熱による非常用電源ユニット5の温度上昇を抑えることができる。しかも、非常用電源ユニット5は、所定方向(上下方向)において第2カバー72を挟んで常用照明装置2と対向しているので、器具本体の大型化を抑えることができる。その結果、照明器具1は、器具本体10の大型化を抑えつつ非常用電源ユニット5の充電特性の低下の抑制を図ることができる。
【0065】
また、照明器具1において、第2カバー72は、第1カバー71と一体に形成されていることが好ましい。
【0066】
照明器具1が上述のように構成されれば、第2カバー72と第1カバー71が別体に構成されている場合と比較して、部品点数の削減と組立作業の簡略化を図ることができる。
【0067】
さらに、照明器具1において、器具本体10は、長尺の箱形に形成されることが好ましい。常用照明装置2及び非常用照明装置3は、器具本体10の長手方向に沿って並ぶように器具本体10に収容されていることが好ましい。
【0068】
照明器具1が上述のように構成されれば、常用照明装置2及び非常用照明装置3を器具本体10の短手方向に沿って並ぶように収容する場合と比較して、器具本体10の短手方向の幅寸法を小さくすることができる。
【0069】
照明器具1において、第1カバー71及び第2カバー72は、金属のような不燃性の材料で形成されていることが好ましい。
【0070】
照明器具1が上述のように構成されれば、火災による第1カバー71及び第2カバー72の燃焼を防ぐことができる。
【0071】
照明器具1において、制御装置6は、所定方向(上下方向)から見て非常用光源ユニット4と重なるように器具本体10に収容されていることが好ましい。
【0072】
照明器具1が上述のように構成されれば、制御装置6が非常用光源ユニット4と左右方向に並べて器具本体10に収容される場合と比較して、左右方向における非常用照明装置3の小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 照明器具
2 常用照明装置
3 非常用照明装置
4 非常用光源ユニット
5 非常用電源ユニット
6 制御装置
7 カバー
10 器具本体
50 蓄電池
71 第1カバー
72 第2カバー