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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】背負子式ゴルフ練習用具
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20231027BHJP
【FI】
A63B69/36 541G
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019089622
(22)【出願日】2019-05-10
(65)【公開番号】P2020185039
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】500449983
【氏名又は名称】株式会社コーホー
(74)【代理人】
【識別番号】100147740
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 俊
(72)【発明者】
【氏名】松嶋 成治
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-515774(JP,A)
【文献】特開2008-000378(JP,A)
【文献】特開2006-068088(JP,A)
【文献】特開平08-336421(JP,A)
【文献】米国特許第04257607(US,A)
【文献】[コールマン]Coleman デイパック C-スリムパック [online],2013年12月31日,<URL:https://www.amazon.co.jp/dp/B00GBQ6Y9S>,[2023年2月9日検索]
【文献】ainiel 3way タイプ メンズ 大容量 円筒形 リュックサック 登山用 バッグ バックパック [online],2015年03月12日,<URL:https://amazon.co.jp/dp/B00UKMFKG2>,[2023年2月9日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00-71/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状のボックスを有し、前記柱状ボックスにショルダーベルトが備わり、前記柱状ボックスを背中に背負うようにした背負子式ゴルフプレー練習用具であって、
前記柱状ボックスの形状は、上部(上面)が略平坦面であり、前記上面において、前記柱状ボックスの背中に当接する面(背中当接側面と言う)に対して略平行な複数の縞状模様が描写されており、
前記縞状模様を用いて、ゴルフクラブをボールに当てるときのゴルフプレーヤーの上半身の傾斜度合いを調整することを特徴とする背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項2】
前記柱状ボックスの形状は、前記柱状ボックスの背中に当接する面(背中当接側面と言う)を除いて略円柱側面形状となる部分円柱であることを特徴とする、請求項1に記載の背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項3】
前記柱状ボックスの形状は底面が略多角形形状の多角形柱であり、前記多角形柱の側面のうちの1つが背中に当接する面(背中当接側面と言う)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項4】
前記柱状ボックスの主材料はプラスチックであることを特徴とする、請求項1~3のいずれかの項に記載の背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項5】
前記背中当接側面に柔軟性部材が配置されていることを特徴とする、請求項1~4いずれかの項に記載の背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項6】
前記柱状ボックスは、気体で膨らませて形成する風船体であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかの項に記載の背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項7】
前記風船体の外側(外層)材料はゴムまたはエラストマーまたは布または紙であることを特徴とする、請求項6に記載の背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項8】
柱状のボックスを有し、前記柱状ボックスにショルダーベルトが備わり、前記柱状ボックスを背中に背負うようにした背負子式ゴルフプレー練習用具であって、
前記柱状ボックスの背中に当接する面(背中当接側面と言う)以外の側面において、前記柱状ボックスの底面に略直角に複数の縦縞状模様が描写されており、
前記縦縞状模様を用いて、バックスイングのトップの位置におけるゴルフプレーヤーの上半身の回転度合いを調整可能であることを特徴とする、背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項9】
前記柱状ボックスの形状は、前記柱状ボックスの背中に当接する面(背中当接側面と言う)を除いて略円柱側面形状となる部分円柱であることを特徴とする、請求項8に記載の背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項10】
前記柱状ボックスの形状は底面が略多角形形状の多角形柱であり、前記多角形柱の側面のうちの1つが背中に当接する面(背中当接側面と言う)であることを特徴とする、請求項8または9に記載の背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項11】
前記柱状ボックスの主材料はプラスチックであることを特徴とする、請求項8~10のいずれかの項に記載の背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項12】
前記背中当接側面に柔軟性部材が配置されていることを特徴とする、請求項8~11のいずれかの項に記載の背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項13】
前記柱状ボックスは、気体で膨らませて形成する風船体であることを特徴とする、請求項8~12のいずれかの項に記載の背負子式ゴルフプレー練習用具。
【請求項14】
請求項1~7のいずれかの項に記載された背負子式ゴルフプレー練習用具のショルダーベルトを肩にかけて、前記背中当接側面をゴルフプレーヤーの背中に当接して、前記背負子式ゴルフプレー練習用具を背負うステップ、
ゴルフクラブを持ちゴルフボールを打つときの前傾姿勢を取るステップ、および
前記背負子式ゴルフプレー練習用具の上面に描写された前記背中当接側面に対して略平行な複数の縞状模様の一部が、ゴルフプレーヤーの前面に配置された鏡を通してゴルフプレーヤーの頭の上に見える状態でゴルフボールを当てるときのゴルフプレーヤーの上半身の傾斜度を調整するステップ
を含む、ゴルフプレーの練習方法。
【請求項15】
請求項8~13のいずれかの項に記載された背負子式ゴルフプレー練習用具のショルダーベルトを肩にかけて、前記背中当接側面をゴルフプレーヤーの背中に当接して前記背負子式ゴルフプレー練習用具を背負うステップ、
ゴルフクラブを持ちバックスイングのトップの位置にゴルフクラブを振り上げるステップ、および
前記背負子式ゴルフプレー練習用具の側面に描写された複数の縦縞状模様がゴルフプレーヤーの前面に配置された鏡を通して見える様子でバックスイングのトップ状態におけるゴルフプレーヤーの上半身の回転度合を調整するステップ
を含む、ゴルフプレーの練習方法。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフプレーヤーのアドレス時の姿勢を定めるゴルフ練習用具に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフは止まっているボールを打つので簡単なスポーツに見えるが、ゴルフプレーヤーがボールを所望の方向および距離に飛ばすには、身体の姿勢を最良な状態にしてボールをインパクトする必要がある。初心者はどのような姿勢でボールを打てば良いか分からないのでボールに当てても方向が定まらず苦労する。特に、難しいのが、上半身の前傾角度やバックスイング時の上半身の回転度合いである。すなわち、ボールの方向を定めボールの飛距離を伸ばすにはゴルフクラブの適切なスイングが必要であり、この適切なスイングを行なうには、ボールと足の位置を最適な状態にし、ゴルフクラブをボールに当てるときの上半身の前傾姿勢および回転姿勢を適切にする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-200484
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には主柱、真直棒および三脚からなるゴルフ練習具が提案されている。このゴルフ練習具はゴルフプレーヤーの正面に置いて、その真直棒の位置を変えそれに合わせてゴルフプレーヤーの姿勢を規定しながらスイング練習等を行なうものである。しかし、真直棒の位置を変えながら行なうために、どのような位置にするかは専門的な知識が必要であるから、特に初心者にとっては姿勢を矯正することは困難である。また、道具が大掛かりであり持ち運ぶことも面倒であるから、移動しながら練習するのに苦労する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、初心者でも簡単にゴルフプレーを上達できるゴルフ練習用具を提供するものであり、 具体的には以下の特徴を有する。
(1)本発明は、柱状のボックスを有するゴルフ練習用具であって、前記柱状ボックスにショルダーベルトが備わり、前記柱状ボックスを背中に背負うようにした背負子式ゴルフ練習用具であり、前記柱状ボックスの形状は、上部(上面)が略平坦面であり、前記上面において、前記柱状ボックスの背中に当接する面(背中当接側面と言う)に対して略平行な複数の縞線模様または縞状模様が描写されており、前記縞線模様または縞状模様を用いて、上半身の傾斜度合いを調整することが可能であることを特徴とする背負子式ゴルフ練習用具である。
(2)本発明は、(1)に加えて、前記柱状ボックスの形状は、前記柱状ボックスの背中に当接する面(背中当接側面と言う)を除いて略円柱側面形状となる部分円柱であり、または前記柱状ボックスの形状は底面が略台形形状の台形柱であり、前記台形形状の長い底辺(長底辺と言う)に対応する台形中の側面が背中に当接する面(背中当接側面と言う)であり、または前記柱状ボックスの形状は底面が略多角形形状の多角形柱であり、前記多角形柱の側面のうちの1つが背中に当接する面(背中当接側面と言う)であることを特徴とする。
【0006】
(3)本発明は、(1)または(2)に加えて、前記柱状ボックスの背中に当接する面(背中当接側面と言う)以外の側面において、前記柱状ボックスの底面に略直角に複数の縦縞線模様または縦縞状模様が描写されており、前記縦縞線模様または前記縦縞状模様を用いて、ゴルフの上半身の回転度合いを調整可能であることを特徴とする。
(4)本発明は、(1)または(2)または(3)に加えて、前記柱状ボックスの主材料はプラスチックであり、前記プラスチックは発泡プラスチックであり、前記柱状ボックスの主材料は発砲ウレタンまたは発砲スチロールであり、または前記柱状ボックスは、気体で膨らませて形成する風船体であり、前記背中当接側面に柔軟性部材が配置されており、前記柔軟性部材は、エアーマットであることを特徴とする。
(5)本発明は、腕にかける腕輪(腕サポーターと言う)を有する腕サポーター式ゴルフ練習用具であり、前記腕サポーターに長手方向に略平行に縦縞線模様または縦縞模様を配しており、前記縦縞線模様または縦縞模様を用いて腕の状態を調整可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の背負子式ゴルフ練習用具は、背負って練習する用具なのでゴルフプレーヤーへの負担も軽く、また軽量なので持ち運びも楽である。本発明の背負子式ゴルフ練習用具を背負いながらゴルフ場のラウンドをまわってプレーしながら練習することもできる。本発明の背負子式ゴルフ練習用具は視覚に直接覚え込ませることが可能であるから、簡単に理解しやすいので、初心者でも簡単にゴルフプレーの姿勢を会得することができる。特に小学生の子供が興味を持ちながらゴルフプレーヤーの基本姿勢を簡単に学ぶことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の背負子式ゴルフ練習用具を示す図である。
図2図2は、背負子式ゴルフ練習用具本体の3面図(平面図、立面図、側面図)を示す図である。
図3図3は、本発明の背負子式ゴルフ練習用具の使用方法について説明する図である。
図4図4は、図3に示す背負子式ゴルフ練習用具を背中に背負ったゴルフプレーヤーを正面から見た状態を示す図である。
図5図5は、本発明の背負子式ゴルフ練習用具を背中に身に着けてバックスイングの状態を示す図である。
図6図6は、本発明のゴルフ練習用腕サポーター(腕輪式(腕サポータ式)ゴルフ練習用具)を示す図である。
図7図7は、本発明のゴルフ練習用腕サポーター(腕輪式(腕サポータ式)ゴルフ練習用具)の使用方法の一例を示す図である。
図8図8は、背負子式ゴルフ練習用具の概略サイズを示した図である。
図9図9は、図1に示す部分円柱形状の背負子式ゴルフ練習用具の変形実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の背負子式ゴルフ練習用具10を示す図である。本発明の背負子式ゴルフ練習用具は図3図5に示すように、ゴルフプレーヤーの背中にランドセルやリュックサックと同じように背負って練習する。従って、ランドセル(リュックサック)型(式)ゴルフ練習用具と呼んでも良い。本発明の背負子式ゴルフ練習用具(以下、単にゴルフ練習用具とも記載)10は、柱状の背負子式ゴルフ練習用具本体11、背負子式ゴルフ練習用具本体10を背中に背負いゴルフプレーヤーの左右の肩にかけるショルダー(肩)ベルト(肩紐)16、18から構成される。
【0010】
背負子式ゴルフ練習用具本体11は柱状であり、背中に当接する部分(背中当接部分)14は、背負子式ゴルフ練習用具本体11の(柱状部分の)側面であり、略長方形状の平面形状である。すなわち、背負子式ゴルフ練習用具本体11は、柱状の底面に対して垂直方向に柱状部分を切断したような形状である。図1に示す背負子式ゴルフ練習用具本体11は、底面が円形の円柱を底面の円形に対して垂直方向に切断したような柱状形状(部分円柱形状または切断円柱形状と呼んでも良い)である。部分円はゴルフプレーヤーの身体やその習熟度に合わせて、半円形、半円形より広い部分円形、または半円形より狭い部分円形にしても良い。背中当接部分は背中に当接しやすいように凹凸状態になっていても良い。
【0011】
底面形状は、図1に示す円形以外にも楕円形、三角形状、矩形(長方形または正方形)状、多角形状、または任意の曲線形状でも良いし、これらに類似した形状でも良い。尚、三角形状等の多角形状の場合は背中に当接する背中当接部分14はその一部の側面部分でも良い(すなわち、切断面のようなものでなくても良い)。
【0012】
背中が当接する部分(背中当接部分)14は、図1では平面形状であるが凹凸部分が形成されていても良い。凹凸部分が形成されていることにより、背中で当接部分14が移動しにくくなるので、背負子式ゴルフ練習用具本体11がゴルフプレーヤーの背中で安定する。あるいは、背中当接部分14は背中の形状にフィットする(適合する)ような形状で形成されていても良い。この場合も背中で当接部分14が移動しにくくなるので、背負子式ゴルフ練習用具本体11がゴルフプレーヤーの背中で安定する。あるいは、当接部分14に柔軟性部材を取り付ければ(あるいは、当接部分14そのものを柔軟性部材として)、当接部分14が背中の形状に従い変形してフィットし、当接部分14が移動しにくくなるので、背負子式ゴルフ練習用具本体11がゴルフプレーヤーの背中で安定する。しかも柔軟性部材が背中に当たるので違和感がなく、長時間の練習でも疲労感が少ない。柔軟性部材は、たとえば、柔軟性プラスチックや各種ゴムや各種スポンジ類であり、柔軟性プラスチックとしてたとえばウレタン樹脂や塩化ビニル(PVC)である。また空気等の気体を入れたエアーマット(エアーパット)でも良い。
【0013】
肩ベルト16、18の両端は背中当接部分14または背負子式ゴルフ練習用具本体11の外側側面13に固定されている。肩ベルト16は右肩へ、肩ベルト18は左肩へかけて、長さ調節部分17、19で肩ベルト16、18の長さを調節して背負子式ゴルフ練習用具本体11を背中の所定部分にかけて背中から動かないようにする。また、腰ベルト20を背負子式ゴルフ練習用具本体11へ取り付けて、さらに背負子式ゴルフ練習用具本体11が動かないようにしても良い。21は腰ベルト20の長さを調節する長さ調節部分である。腰ベルト20の両端は背負子式ゴルフ練習用具本体11の下部の背中当接部分14または背負子式ゴルフ練習用具本体11の外側側面13に固定されている。
【0014】
本発明の背負子式ゴルフ練習用具本体11の上面(底面)12には、縞状の模様31、32、33が形成されている。この縞状模様31~33は後に示すようにゴルフプレーヤーの上半身の傾斜角度を規定する。この縞状模様31~33は、この傾斜角度を規定しやすくするために、背中当接部分14に略平行に描写されるのが好ましい。また、縞状模様31~33は直線状である方が描写しやすいので、作製コストを低減できる。もちろん、曲線形状で作製することもできる。線状の場合は縞線と呼んでも良い。縞状模様31~33の数はもっと多くても良い。ただし、余り多いと傾斜角度を規定しにくくなるので、ゴルフプレーヤーの習熟度に合わせて調整しても良い。縞状模様は色彩や明度を変えて見やすくすることもできる。また、縞状模様31~33の間を色分けしても良いし、色模様で色分けしても良い。
【0015】
本発明の背負子式ゴルフ練習用具本体11の側面13にも、図1に示すように縞状の模様35、36、37が形成されている。図1は斜視図面であるので、背負子式ゴルフ練習用具本体11の側面13の裏側は見えていないが、側面13の裏側の側面13にも同様な縞状模様が形成されている。この縞状模様35~37は後に示すようにゴルフプレーヤーの上半身の回転角度を規定する。この縞状模様35~37は、この傾斜角度を規定しやすくするために、上面(底面)12に略垂直に描写するのが良い。また、また、縞状模様35~37は直線状である方が描写しやすいので、作製コストを低減できる。もちろん、曲線形状で作製することもできる。縞状模様35~37の数はもっと多くても良い。ただし、余り多いと傾斜角度を規定しにくくなるので、ゴルフプレーヤーの習熟度に合わせて調整しても良い。縞状模様は色彩や明度を変えて見やすくすることもできる。また、縞状模様35~37の間を色分けしても良いし、色模様で色分けしても良い。
【0016】
図2は、図1に示す背負子式ゴルフ練習用具本体11の3面図(平面図、立面図、側面図)を示す図である。図2(a)が平面図(上(底)面図)、図2(b)は平面図(a)に示すA矢印方向の逆方向(すなわち、背中当接面と逆方向、平面図(a)では上方向)から見た立面図(正面図)、図2(c)は側面図である。A方向から見る図は背負子式ゴルフ練習用具本体11の背中当接部分14であり、この背中当接部分14は練習には使用しないので、模様はなくても良い。図2の模様は、略長方形状の色模様で描写されている。このような色模様でもゴルフプレーヤーの姿勢を規定する練習に使用できる。図2(a)は背負子式ゴルフ練習用具本体11の上面41を示すもので、略長方形状の色模様46、47、48、49、50が形成される。この色模様46~50を用いて、後で示すように、ゴルフプレーヤーの上半身の傾斜度を規定する練習を行なうことができる。この色模様46~50の数はもっと少なくて良いし、もっと多くても良く、ゴルフプレーヤーの技術レベルに合わせて調整することができる。
【0017】
図2(b)は、A方向と反対方向から見た立面図(正面図)であり、背負子式ゴルフ練習用具本体11の側面42を示す図であるが、背負子式ゴルフ練習用具本体11を背中に背負ったときに、垂直方向に長い長方形状の色模様51、52、53、54、56、57、58が形成されている。図2(c)は、A方向と直角方向から見た側面図であり、背負子式ゴルフ練習用具本体11の側面43を示す図であるが、背負子式ゴルフ練習用具本体11を背中に背負ったときに、垂直方向に長い長方形状の色模様61、62、63、64、65、66が形成されている。背負子式ゴルフ練習用具本体11の側面は曲面であるから、上記の長方形状色模様51~58、61~66の幅は同じ幅で形成しても、立面図(b)、側面図(c)では幅が変化するが、その変化は考慮されていない。隣同士の模様変化を大きくするほど、視認しやすくなるので、傾斜度合いや回転度合いを覚えやすくなる。また、色模様の数を増やしたり減らしたりして、ゴルフプレーヤーの技術レベルに合わせることもできる。尚、図2で上面や側面を色模様で埋めているが、図1で示すような縞状模様(縞線と呼んでも良い)の場合も同様である。このような縞状模様は、たとえば種々の色彩の色テープで貼りつけて作製することもできる。色テープであれば、プレーヤーの技術レベルに合わせて貼り替えて変更することもできるし、またプレーヤーの好みで色彩を変えることもできる。さらに、プレーヤーのスタイルが固定したら、常にその状態になるように目立つ色彩の色テープを貼り付けることもできる。
【0018】
図3は、本発明の背負子式ゴルフ練習用具の使用方法について説明する図で、本発明の背負子式ゴルフ練習用具をゴルフプレーヤーの背中に背負って、練習する様子を示す図である。ゴルフプレーヤーが、適切な方向にボールを打ち、しかもボールの飛距離を出すためには、適切にゴルフクラブをスイングする必要があり、それにはゴルフクラブをボールに当てるときの上半身の前傾姿勢を適切な角度(前傾姿勢角度という)にする必要がある。スイング時の適切な前傾姿勢角度は、これまでの経験と研究から30度~35度と言われているが、ゴルフプレーヤーの体格や運動能力や技術レベル等によって、当然変化する。すなわち、自分の状態(体格、運動能力、技術レベル等)に合った前傾角度を知る必要がある。本発明の背負子式ゴルフ練習用具を使用すれば、簡単に自分の状態合わせた前傾角度を一定角度に定めることができる。
【0019】
図3は、本発明の背負子式ゴルフ練習用具10背中に背負い、前傾姿勢を取りボールをインパクトする(打つ)ときの身体の状態を横方向から見た図である。ゴルフプレーヤーは、ボールをインパクトする(打つ)ときの様子を頭に描きながらその状態になるように、インパクトする(打つ)ときの身体の状態をイメージしながら練習する。しかし、前傾姿勢がどのような状態になっているか基準を定めるものがないとイメージが非常に難しいので、実際のスイングのときにイメージした姿勢にするのが困難である。本発明の背負子式ゴルフ練習用具10を使用した場合、図3に示すように、前傾姿勢を取ったときに背中に背負った背負子式ゴルフ練習用具10の本体11の上面12が正面に配置した鏡73に映る。
【0020】
背負子式ゴルフ練習用具本体11の上面12には、縞状模様31~33が描写されているので、ゴルフプレーヤー71の頭74の上に出る縞状模様(この場合は、縞線32)が矢印75のように進んで鏡73に映る。ゴルフプレーヤー71は正面に配置した鏡73に映った縞線模様32を確認するとともに、自分の前傾姿勢の状態をイメージすることができる。前傾姿勢角度を小さくした方が良い場合には、縞状模様33または縞状模様32と33の間が鏡73に映るようにすれば良い。前傾姿勢角度を大きくした方が良い場合には、縞状模様31または縞状模様32と31の間が鏡73に映るようにすれば良い。このように簡単に視覚により自分の前傾(姿勢)角度を知ることができ、その状態を記憶しておけば良い。鏡がない場合は、他の人に見て教えてもらえば良い。
【0021】
図4は、図3に示す背負子式ゴルフ練習用具10を背中に背負ったゴルフプレーヤー71を正面から見た状態を示す図である。すなわち、肩ベルト18、19をゴルフプレーヤー71の肩にかけ、腰ベルト20も使用して、背負子式ゴルフ練習用具本体11をゴルフプレーヤー71の背中に固定して、前傾姿勢を取った状態である。ゴルフプレーヤー71の正面から見ると良く分かるように、背負子式ゴルフ練習用具本体11の上面12が見えて、ゴルフプレーヤー71の頭74の上に縞線(縞状模様)32が見える。この前傾姿勢状態をイメージしながら、ゴルフクラブヲスイングしてボールをゴルフクラブでインパクトするときにこの前傾姿勢状態になるようにすれば良い。そして、このイメージした状態でゴルフクラブをスイングしてボールをインパクトすれば、そのときの前傾姿勢角度ではどの方向にどの程度の飛距離になるかが分かる。
【0022】
方向と飛距離が不十分であれば、前傾姿勢角度を変更すれば良い。たとえば、前傾姿勢角度を大きくする場合は、頭74の上に縞線32と31の間が鏡に見えるようにすれば良いし、前傾姿勢角度をもっと大きくするには頭74の上に縞線31が来るようにすれば良い。あるいは、前傾姿勢角度を小さくする場合は、頭74の上に縞線32と33の間が鏡に見えるようにすれば良いし、前傾姿勢角度をもっと小さくするには頭74の上に縞線33が来るようにすれば良い。このように、本発明の背負子式ゴルフ練習用具本体11を使用すれば、視覚的に一目瞭然で自分の前傾姿勢角度をイメージし一定角度に定めることができ、所望の方向へかつ所望の飛距離でボールを飛ばすことができる。尚、図3において、肩ベルト16、18を左右肩にかけ、また腰ベルト20を腰に回して背負子式ゴルフ練習用具本体10を背中に固定して、姿勢矯正練習中やゴルフクラブのスイング練習中に背負子式ゴルフ練習用具本体10が動かないようにすることも重要である。
【0023】
ゴルフプレーヤーは、少しでも遠くにボールを遠くに飛ばしたいと考えているので、バックスイングの姿勢とゴルフクラブを振り下ろすときの速度が重要である。バックスイング時の姿勢で重要なことは、腰および肩を適度に回転させることである。この腰および肩の回転度合いがゴルフクラブの振り下ろし速度もある程度決定する。バックスイングのトップでは、腰の回転は45度、肩は90度まわった状態が理想的であると言われるが、ゴルフプレーヤーの身体能力や技術レベルから最適の回転度合いを知ることが重要である。図5は、本発明の背負子式ゴルフ練習用具を背中に身に着けてバックスイングのトップ状態を示す図である。ゴルフプレーヤー71の下半身の動きを押さえながら身体の軸をキープしながら、上半身の腰および肩を矢印77のように回転させると、図5に示すように、背中に背負った本発明の背負子式ゴルフ練習用具本体11が回転し、背負子式ゴルフ練習用具本体11の側面13に描写され縦縞線模様がゴルフプレーヤー71の正面から見えるようになる。図5では縦縞線模様36、37が見えている。この状態のときからゴルフクラブの振り下ろしボールをインパクトしたときに、どの程度の飛距離が出るか知ることができる。上半身の捻じり(回転)度合いをこの縞線模様で把握して練習すれば、ほぼ一定の飛距離を出すことができる。このように本発明の背負子式ゴルフ練習用具を用いることにより、身体を捻じった(回転した)ときの縞状模様の見え方を正面に配置した鏡で知ることもできるので、他人の手を借りずとも一人で練習することができる。また鏡がなくても他人に見てもらって教えてもらうことができる。
【0024】
本発明の背負子式ゴルフ練習用具本体は軽い方が違和感なく背負うことができる。たとえば、背負子式ゴルフ練習用具本体の材質はプラスチックや紙等の繊維である。プラスチックとして、たとえばポリ塩化ビニル(PVC)やポリウレタンがある。ポリ塩化ビニル(PVC)やポリウレタン等は柔軟性プラスチックなので、背負子式ゴルフ練習用具本体が身体に直接当たっても身体が痛くなる等の問題はない。特に子供にとっては身体に違和感を与えないことが重要である。もちろん、他の種々の柔軟性プラスチックを用いることもできる。また、発泡プラスチックにすればかなり軽量になり、子供でも簡単に背負うことができる。発泡プラスチックとして、たとえば発泡ウレタン、発泡スチロール、発泡プロピレンがある。中を空洞にすればかなり軽くなるので、外側(外層)材料を金属製(鉄製やステンレス製や各種合金)とすることもできる。金属製でもさらに軽くするには、たとえばチタンやその合金、アルミニウムやその合金でも良い。あるいは、折り畳み式で開いたときに所定の形状(たとえば、部分円柱状、部分楕円柱状、矩形柱状、台形柱状、多角形柱状)になるようにしても良い。あるいは、各種プラスチックを混合して作製しても良いし、種々の材料を組み合わせても良い。あるいは、中を発泡スチロール等の発泡プラスチックにして表面を別のプラスチック材料や布などとしても良い。たとえば、発泡プラスチックの表面をポリ塩化ビニルや布で被うこともできる。その場合、表面(被覆)材料に縞状模様を印刷することもできる。この場合表面(被覆)材料が汚れたら交換もできるし、洗濯も可能である。柱状ボックスの形状は底面が略台形形状の台形柱である場合、台形形状の長い底辺(長底辺と言う)に対応する台形中の側面が背中に当接する面(背中当接側面と言う)となる。柱状ボックスの形状は底面が略多角形形状の多角形柱である場合、多角形柱の側面のうちの1つが背中に当接する面(背中当接側面と言う)となる。
【0025】
あるいは、風船にすれば使用しないときはしぼませておき、使用するときだけ空気や窒素等の気体を入れて膨らませておけば、収納保管時は場所(スペース)も取らないので、どこでもおける。重くないので壁にかけて吊るして保管も可能である。風船式(風船体)の場合は、膨らましたときに所定の形状(たとえば、部分円柱状、部分楕円柱状、矩形柱状、台形柱状、多角形柱状)になるように枠体を作製すれば良い。膨らました時だけ所定の形状になるようにしても良い。外側(外層)材料はゴムや伸縮自在のエラストマーや布や紙である。風船体の場合はかなり軽くなるので実際のプレートほぼ同じ状態でプレーをすることができる。
【0026】
図9は、図1に示す部分円柱形状の背負子式ゴルフ練習用具の変形実施形態を示す図である。肩ベルトや腰ベルトは記載していない。本実施形態は、背負子式ゴルフ練習用具本体11の外側側面13と背中当接部分14の間に縁取り部分25を設けている。この縁取り部分25、26を両側に設けることによって、背中や腕や頭が角部に当たりにくくなり身体を動かしやすくなる。背中当接部分14が背中より広くなる場合にも、背中とほぼ同じか狭くなるように縁取りを取れば背負子式ゴルフ練習用具を背中に背負いやすく、身体も動きやすくプレーしやすくなる。また、図1に示すような縁取り部分がない場合は、角部の角度が小さいので角部が損傷しやすいが、縁取り部分25を設けることによって損傷を防止することもできる。縁取り部分25、26は平面的でも良いし、曲面となっていても良く、適宜変形しても良い。本発明で部分円柱形状と言う場合は、このような縁取りした場合も含むし、これらに類似した形状を含む。上面や底面についても平面的でなく膨らみを出した曲面でも良いし、少しへこんだ曲面でも良い。また側面についても多少の凹凸曲面を形成した場合や類似曲面も本発明の範囲に含まれる。さらに、他の種々の柱状形状についても本明細書に記載した形状に類似した形状も含む。
【0027】
人間が背中に背負う練習用具なのでそのサイズはこれまでの図や明細書への記載でほぼ自明であるが、本発明の背負子式ゴルフ練習用具の概略サイズを見積もる。図8は、部分円柱形状の背負子式ゴルフ練習用具を示す図であり、図1と同じ図であり、寸法を記載した図である。すなわち、図8は背負子式ゴルフ練習用具の概略サイズを示した図である。(符号は図1を参照)部分円柱11の底面12の半径rは約10cm~40cm、部分円柱11の高さ(背中当接部分の長さ)は約20cm~80cm、部分円の形状は中心角αで決められるが、αは約120度~約300度、当接部分の幅dはrとαによって決定されるが、約15cm~80cmである。もちろん、上記サイズより小さくすることも大きくすることも可能である。本発明の背負子式ゴルフ練習用具は子供でも使用できるし、大きな大人でも使用できるので、それぞれの身体サイズに合わせて適宜サイズを決定すれば良い。
【0028】
図6は、上述した本発明に類似する第2の発明であり、(腕輪式)ゴルフ練習用腕サポーター(腕サポーター式ゴルフ練習用具とも言う)80を示す図である。ボールの向きや速度をコントロールするには、腕の状態が重要である。図6は、腕に巻く(腕輪式)ゴルフ練習用腕サポーター80を示す図である。ゴルフ練習用腕サポーターは柔軟性を持つ円筒状の形状をしており、筒穴92に腕を通し、ゴルフ練習用腕サポーターの略中間部分を肘部分にあてる。ゴルフ練習用腕サポーターの外側側面周囲には、上述した柱状の背負子式ゴルフ練習用具と同じような腕の長さ方向に縦縞線模様(縦縞状模様)82~91が描写されている。外側側面周囲なので、図6では見えていない反対側にも縦縞線模様が描写されている。
【0029】
図7は、本発明のゴルフ練習用腕サポーター(腕輪式ゴルフ練習用具)の使用方法の一例を示す図である。図7に示すゴルフプレーヤーの状態はバックスイング時の状態であり、左腕を胸の方へ近づけて伸ばした状態である。ゴルフ練習用腕サポーター80は、左腕に通しその中間部を左腕の肘部(破線93で示す)に当てている。ゴルフ練習用腕サポーター80には縦縞線模様94~97が描写されている(見えていない部分にもあるので、数はもっと多い)。左腕はできるだけ真っ直ぐ伸ばした方が良いので、縦縞線模様はできるだけ真っ直ぐになっているのが良い。それを目で確認できる(図7では破線矢印で示す)ので、左腕の状態を理想の状態に近づけることができる。また、左腕にひねりを加えて方向をコントロールする場合は、縦縞線模様に色分けをしておき(所謂、縞状模様、ただし縞線模様を含めて縞状模様と呼んでも良い)、適当な位置に所定の色の縦縞線模様が来たときに左腕を保持できる。あるいは、縦縞線模様に番号を付けてその番号の縦縞線模様に合わせても良い。ひじの曲げ方にも本発明のゴルフ練習用腕サポーターを使用できる。たとえば、ひじ部分に本発明のゴルフ練習用腕サポーターを通して、肘を曲げる角度やひじをひねる角度を設定することもできる。
【0030】
本発明のゴルフ練習用腕サポーターの材料は、ゴム製、布製、紙製、各種伸縮性材料である。内側輪のサイズは腕に通る程度の大きさであれば良いし、両端でゴム止めして腕に固定できれば内側の輪サイズは腕周りより大きくても良い。またゴム等の伸縮性部材であれば、輪の内側サイズは腕周りより小さくても良く、腕に通した後は腕をある程度締め付けるようにフィットして固定される。尚、縦縞線模様の代わりに、図2と同様な縦帯状の色模様(縞線を帯状に太くしたものと考えても良い)にしても良い。腕の他の部分、たとえば、手首部分に使用しても良い。すなわち、本発明のゴルフ練習用腕サポーターを使って手首のひねり状態を把握することもできる。このときは、ゴルフ練習用手首サポーターと呼ぶこともできる。
【0031】
最近、ゴルフを行なう小学生が増えており、理論で教えるよりも視覚的に教えることが効果的であるし、視覚を使えば興味を持ちながら覚えることも早い。本発明は特にそのような子供たちへの教育用具としても適している。指導者も直接目で確認できるし、初心者への教育も簡単である。また、鏡を使えば一人でも練習可能であるから。秘密裏にゴルフ技術を上達することができる。
【0032】
以上詳細に説明した様に、本発明の背負子式ゴルフ練習用具およびゴルフ練習用腕サポーター(腕輪(腕サポーター)式ゴルフ練習用具)を身に着けて練習すれば、初心者でも簡単にゴルフプレーの基本姿勢を会得することができる。また小学生などの子供でも楽しみながらゴルフのレベルを上達することができる。本発明の縞状模様を配したゴルフ練習用具は、縞状模様を用いて足や腕や各種身体等の位置や動きを知ることができるので、上述した実施形態や実施例以外にも種々のゴルフ練習に使用できることも当然である。尚、本明細書において、明細書のある部分に記載し説明した内容について記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることは言うまでもない。また、本出願文書で記載した実施例や実施形態等の内容は、他の実施例や実施形態等の内容と組み合わせて使用できることも当然である。さらに、前記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が前記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の背負子式ゴルフ練習用具およびゴルフ練習用腕サポーター(腕輪式ゴルフ練習用具)は、野球やテニス等の練習用具としても使用できる。
【符号の説明】
【0034】
10・・・背負子式ゴルフ練習用具、11・・・背負子式ゴルフ練習用具本体、12・・・上面(底面)、13・・・側面、14・・・背中当接部分、15・・・中空状空間、16・・・肩(ショルダー)ベルト、17・・・(肩ベルト)長さ調節部分、18・・・肩(ショルダー)ベルト、19・・・(肩ベルト)長さ調節部分、20・・・腰ベルト、21・・・(腰ベルト)長さ調節部分、31、32、33・・・縞状模様、35、36、37・・・縞状模様、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9