(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】リーケージトランス
(51)【国際特許分類】
H01F 38/08 20060101AFI20231027BHJP
【FI】
H01F38/08 D
H01F38/08 B
(21)【出願番号】P 2021511369
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2020011271
(87)【国際公開番号】W WO2020203197
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】P 2019069213
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小谷 淳一
(72)【発明者】
【氏名】森家 制
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久賀
(72)【発明者】
【氏名】朝日 俊行
【審査官】森岡 俊行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/061329(WO,A1)
【文献】特開2002-57045(JP,A)
【文献】特開2014-63856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 38/08
H01F 30/10
H01F 27/28
H05K 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1磁脚と、前記第1磁脚から間隔をあけて配置されている第2磁脚とを備えるコアと、
絶縁部と導体配線とを有するプリント配線板と、
を備え、
前記導体配線は、
第1巻線からなり、前記第1磁脚に巻かれ、かつ前記第2磁脚には巻かれていない第1コイルと、
第2巻線からなり、前記第1磁脚に巻かれ、かつ前記第2磁脚には巻かれていない第1部分と、前記第1磁脚と前記第2磁脚との両方に跨がって巻かれている第2部分とを備える第2コイルと、
を含む、
リーケージトランス。
【請求項2】
前記第1部分における前記第2巻線の巻き方向と、前記第2部分における前記第2巻線の巻き方向とは、同じである、
請求項1に記載のリーケージトランス。
【請求項3】
前記コアは、前記第1磁脚及び前記第2磁脚とは異なる2つ以上の磁脚を更に備える、
請求項1又は2に記載のリーケージトランス。
【請求項4】
前記コアは、前記第1磁脚内と、前記第2磁脚内と、前記磁脚内とのいずれにもギャップを有さない、
請求項3に記載のリーケージトランス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リーケージトランスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、中脚及び側脚を備えるコアと、中脚及び側脚にそれぞれ巻装された1次側巻線と、側脚に巻装された2次側巻線とを備える、変圧器が開示されている。
【0003】
しかし、特許文献1の場合、1次側巻線は中脚及び側脚の各々に巻装されているため、巻線が長くなりやすい。そして、巻線が長いほど、この巻線の長さに応じて電気抵抗及び電力損失が大きくなりやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、リーケージインダクタンスを生じさせることに起因する電気抵抗及び電力損失の増大を生じにくくできるリーケージトランスを提供することである。
【0006】
本開示の一態様に係るリーケージトランスは、コアと、プリント配線板とを備える。前記コアは、第1磁脚と、第2磁脚とを備える。前記第2磁脚は前記第1磁脚から間隔をあけて配置されている。前記プリント配線板は、絶縁部と導体配線とを備える。前記導体配線は、第1コイルと、第2コイルとを含む。前記第1コイルは第1巻線からなる。前記第1コイルは前記第1磁脚に巻かれ、かつ前記第2磁脚には巻かれていない。前記第2コイルは第2巻線からなる。前記第2コイルは第1部分と第2部分とを備える。前記第1部分は前記第1磁脚に巻かれ、かつ前記第2磁脚には巻かれていない。前記第2部分は前記第1磁脚と前記第2磁脚との両方に跨がって巻かれている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るリーケージトランスの模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るリーケージトランスの斜視図である。
【
図3】
図3Aは、同上のリーケージトランスを、第1磁脚と第2磁脚とが並ぶ方向と直交する一方向から見た平面図である。
図3Bは、
図3AのA-A断面図である。
【
図4】
図4は、同上のリーケージトランスの説明図である。
【
図6】
図6は、同上のリーケージトランスを含む回路図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係るリーケージトランスの斜視図である。
【
図8】
図8Aは、同上のリーケージトランスを、第1磁脚と第2磁脚とが並ぶ方向と直交する一方向から見た平面図である。
図8Bは、
図8AのB-B断面図である。
【
図9】
図9は、同上のリーケージトランスの説明図である。
【
図12】
図12は、同上のリーケージトランスを含む回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
まず、本開示に至った理由を説明する。
【0009】
特許文献1のようなリーケージトランスでは、中脚及び側脚の各々に巻線を巻装し、かつ中脚に巻線を巻装する方向とは逆方向にして側脚に巻線を巻装している。そして、中脚及び側脚以外に巻線を巻装しない他の脚をコアに設け、この他の脚に磁束を漏らすことでコア内のリーケージインダクタンスを調整している。
【0010】
そこで、発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、中脚と側脚の各々に巻線を巻装することによって、リーケージトランスの巻線が長くなりやすいことを発見した。そして、巻線が長くなると電気抵抗及び電力損失が大きくなる。
【0011】
以上より、発明者らは、巻線を短くし、かつ電気抵抗及び電力損失を小さくすることを図るため、本開示に至った。
【0012】
<第1実施形態>
次に、第1実施形態に係るリーケージトランス1の概要を説明する。
【0013】
図1は模式図であり、本実施形態に係るリーケージトランス1は、
図2~
図5に示すように、プリント基板5を備えたものであるが、
図1においては、説明のため、プリント基板5の図示を省略している。本実施形態に係るリーケージトランス1は、
図1のように、コア2と、第1コイルW1と、第2コイルW2とを備える。コア2は第1磁脚21と、第2磁脚22とを備える。第2磁脚22は第1磁脚21から間隔をあけて配置されている。第1コイルW1は第1巻線A1からなる。第1コイルW1は第1磁脚21に巻かれ、かつ第2磁脚22には巻かれていない。第2コイルW2は第2巻線A2からなる。第2コイルW2は第1部分P1と第2部分P2とを備える。第1部分P1は第1磁脚21に巻かれ、かつ第2磁脚22には巻かれていない。第2部分P2は第1磁脚21と第2磁脚22との両方に跨がって巻かれている。
【0014】
このようなリーケージトランス1によれば、第2巻線A2からなる第2部分P2が第1磁脚21及び第2磁脚22の両方に跨っているため、第2コイルW2における第2巻線A2を短くできる。言い換えると、第2巻線A2を第1磁脚21及び第2磁脚22の各々に巻く場合と比べて、第2部分P2では第2巻線A2が第1磁脚21及び第2磁脚22の間を通る部分を省略できる。このため、第2コイルW2における第2巻線A2を短くでき、第2コイルW2における電気抵抗及び電力損失を小さくすることができる。
【0015】
次に、本実施形態に係るリーケージトランス1を、
図1を参照して詳細に説明する。
図1は、コア2と第1コイルW1と第2コイルW2との関係を模式的に示す。
【0016】
リーケージトランス1は、
図1のように、コア2と、第1コイルW1と、第2コイルW2とを備える。コア2は、第1磁脚21と、第2磁脚22と、第3磁脚23と、第4磁脚24と、第1接続部25と、第2接続部26とを備える。
【0017】
ここで、本実施形態を説明するにあたり、
図1のように、第1磁脚21と第2磁脚22とが並ぶ方向をX方向とし、X方向と直交する方向をY方向とする。本明細書では「直交する」とは、X方向とY方向とが厳密に直交する態様だけでなく、実質的に直交する態様も含む。
【0018】
コア2は、上記の通り、第1~第4磁脚21、22、23、24を備える。すなわち、コア2は、第1及び第2磁脚21、22に加えて、この第1磁脚21及び第2磁脚22とは異なる2つの磁脚(第3及び第4磁脚)23、24を備える。第1及び第2磁脚21、22は、第3磁脚23と第4磁脚24との間にある。そして、第1~第4磁脚21、22、23、24は、X方向において、間隔を空けて配置されている(
図1参照)。第3及び第4磁脚23、24のいずれにも、コイルは巻かれていない。
【0019】
第1~第4磁脚21、22、23、24のいずれも柱状である。X方向における第1~第4磁脚21、22、23、24の各々の断面形状は任意に選択できる。この断面形状としては、例えば、円、楕円、及び四角形等の多角形が挙げられる。
【0020】
コア2は、上記の通り、第1接続部25と、第2接続部26とを備える。第1及び第2接続部25、26は、Y方向において、間隔を空けて並んでいる。そして、第1及び第2接続部25、26の間に第1~第4磁脚21、22、23、24があり、第1及び第2接続部25、26と、第1~第4磁脚21、22、23、24とが一体となってコア2を構成する。Y方向において、第1接続部25は第1~第4磁脚21、22、23、24の各々の一端に接続し、第2接続部26は第1~第4磁脚21、22、23、24の各々の他端に接続する。
【0021】
第1コイルW1は、第1磁脚21に巻かれ、かつ第2磁脚22には巻かれていない。
【0022】
第2コイルW2の第1部分P1は第1磁脚21に巻かれ、かつ第2磁脚22には巻かれていないコイル状の部分である。なお、第1磁脚21に対する第2コイルW2の巻き数は、特に限定されず、任意に設定できる。
【0023】
第2部分P2は第1磁脚21と第2磁脚22との両方に跨がって巻かれた部分である。第2部分P2では、第2巻線A2が第1及び第2磁脚21、22の間を通らない。このため、第2巻線A2を第1磁脚21及び第2磁脚22の各々に巻く場合と比べて、第2コイルW2における第2巻線A2を短くすることができる。これにより、第2コイルW2における電気抵抗及び電力損失を小さくすることができる。
【0024】
本実施形態では、第1部分P1における第2巻線A2の巻き方向と、第2部分P2における第2巻線A2の巻き方向とは、同じである。このため、リーケージトランス1の通電時に、第2部分P2によって発生してコア2内で第2磁脚22から第21磁脚22へ向かう磁束は、第1及び第2接続部25、26において、第1部分P1によって発生した磁束によって相殺される。このため、コア2内の鎖交磁束が減る。これにより、第1及び第2コイルW1、W2間の結合係数が小さくなりやすく、そのため、リーケージインダクタンスが大きくなりやすい。
【0025】
なお、
図1は、Y方向において第1接続部25越しで第2コイルW2を見たときの、第1及び第2部分P1、P2の各々における第2巻線A2の巻き方向が反時計回りである態様を示している。なお、
図1では、第1部分における第2巻線A2の巻き方向、及び第2部分における第2巻線A2の巻き方向を、それぞれ矢印で模式的に示してある。しかし、第1及び第2部分P1、P2で巻き方向が同じであればよく、第1及び第2部分P1、P2における第2巻線A2の巻き方向は時計回りであってもよい。
【0026】
第2コイルW2は、複数の第1部分P1と複数の第2部分P2とを備えてもよい。この場合、第1部分P1と第2部分P2とが交互に繋がっていることが好ましい。
【0027】
コア2が、上記の通り、第3及び第4磁脚23、24を備えることで、第1磁脚21を通る磁束が第1及び第2接続部25、26を介して第3磁脚23を通るように誘導される。また、第2磁脚22を通る磁束が第1及び第2接続部25、26を介して第4磁脚24を通るように誘導される。このため、リーケージトランス1で発生する磁束が、コア2の外部へ漏れにくくなる。
【0028】
また、一般的なリーケージトランスでは、磁気飽和を避けることを目的として、磁脚にギャップを設けることがある。ギャップを設けることで、外部への磁束の漏れが大きくなる。これに対し、本実施形態では、コア2は、第1~第4磁脚21、22、23、24内のいずれにもギャップを有さないことが好ましい。このため、コア2内の磁束は外部に漏れにくくなる。
【0029】
上記のように磁束がコア2の外部に漏れにくくなると、ノイズの発生を抑制することができる。具体的には、コア2の外部へ磁束が漏れにくくなることで、例えばプリント配線板等に設けられた導体配線(例えば銅線)と鎖交する磁束が小さくなり、磁束によるノイズが導体配線で発生しにくくなる。
【0030】
なお、「コア2はギャップを有さない」とは、コア2が実質的にギャップを有さないことを意味する。コア2は2つの部材を接合して作製されることが一般的であるため、この「実質的に」は、コア2の作製時に生じた部材同士間の界面又は小さな空隙、あるいは2つの部材を接着する接着層の存在を許容することを意味する。
【0031】
コア2は磁束を伝達する金属系磁性材料により構成されていてもよく、この金属系磁性材料は特に限定されない。金属系磁性材料を用いたコアとしては、例えば、ダストコアが挙げられる。
【0032】
次に、第1実施形態に係るリーケージトランス1の具体的な構造を、
図2~
図6を参照して説明する。下記説明において、
図1に示したリーケージトランスと共通する構成は、図面に同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0033】
本実施形態に係るリーケージトランス1は、
図2及び
図3Aのように、コア2と、プリント配線板5とを備える。
【0034】
コア2は、
図3Bのように、第1磁脚21と、第2磁脚22と、第3磁脚23と、第4磁脚24と、第1接続部25と、第2接続部26とを備える。
【0035】
プリント配線板5は、
図3Bのように、第1貫通孔52と、第2貫通孔53とを有する。第1貫通孔52は、第1磁脚21が通される孔である。第2貫通孔53は、第2磁脚22が通される孔である。プリント配線板5は、
図4のように、絶縁部51と、導体配線56とを更に有する。また、プリント配線板5は、互いに平行な第1面5a及び第2面5bを有する。
【0036】
導体配線56は、複数の配線層(具体的には、第1層L1、第2層L2、第3層L3、及び第4層L4)を含む。絶縁部51は、例えば複数の絶縁層を含む。プリント配線板5では、例えば、配線層と絶縁層とが交互に並んで積層している。
【0037】
導体配線56は、第1コイルW1と、第2コイルW2とを含む。導体配線56において、各配線層は、第1コイルW1の少なくとも一部を構成する第一配線部分91と、第2コイルW2の少なくとも一部を構成する第二配線部分92とのうち、少なくとも一方を含む(
図5A~
図5D参照)。
【0038】
第二配線部分92は、第1部分P1の少なくとも一部を構成する部分921と、第2部分P2の少なくとも一部を構成する部分922とのうち、少なくとも一方を含む(
図5A及び
図5B参照)。
【0039】
部分921は、第1及び第2貫通孔52、53のうち、第1貫通孔52のみを取り巻くように螺旋状に形成されている。
【0040】
部分922は、第1及び第2貫通孔52、53との両方を同時に取り巻くように螺旋状に形成されている。
【0041】
第一配線部分91は、第1及び第2貫通孔52、53のうち、第1貫通孔52のみを取り巻くように螺旋状に形成されている(
図5C及び
図5D参照)。
【0042】
導体配線56が複数の第一配線部分91を含む場合、第一配線部分91をビアで電気的に接続することで、第1コイルW1が構成される。
【0043】
次に、本実施形態に係るプリント配線板5を、
図4~
図5Bを参照して、詳細に説明する。
図4は、プリント配線板5の略図であって、プリント配線板5内の接続を説明しやすくするため、コア2を示していなく、しかも第1ビアV1及び第2ビアV2が重ならないように示すと共に、第3ビアV3及び第4ビアV4が重ならないように示している。
【0044】
導体配線56は、第1層L1と、第2層L2と、第3層L3と、第4層L4と、第1ビアV1と、第2ビアV2と、第3ビアV3と、第4ビアV4と、ビアV6と、ビアV7とを備える。
【0045】
図4のようなプリント配線板5は、Y方向に沿って、第1面5aから、第1層L1と、第2層L2と、第3層L3と、第4層L4とがこの順で並んだ積層構造を有する。第1ビアV1は、第1面5aと第3層L3とに接続する。第2ビアV2は、第1面5aと第4層L4とに接続する。第3ビアV3は、第1面5aと第1層L1とに接続する。第4ビアV4は、第1面5aと第2層L2とに接続する。
【0046】
第1層L1はビアV7に接続し、このビアV7は第2層L2に接続している。第3層L3はビアV6に接続し、このビアV6は第4層L4に接続している。
【0047】
第1層L1は、
図5Aのように、第1部分P1と、第1部分P1と第3ビアV3とに接続する第2部分P2とを有する層であって、第2巻線A2からなる。第1部分P1は、第1磁脚21に巻かれ、かつ第2磁脚22には巻かれていない部分である。第2部分P2は、第1磁脚21と第2磁脚22との両方に跨がって巻かれた部分である。第2部分P2における第2巻線A2は、第4磁脚24と第2磁脚22との間を通り、第1磁脚21と第2磁脚22との間を通らない。
【0048】
第2層L2は、
図5Bのように、第1部分P1と、第1部分P1と第4ビアV4とに接続する第2部分P2とを有する層であって、第2巻線A2からなる。第1部分P1は、第1磁脚21に巻かれ、かつ第2磁脚22には巻かれていない部分である。第2部分P2は、第1磁脚21と第2磁脚22との両方に跨がって巻かれた部分である。第2部分P2における第2巻線A2は、第4磁脚24と第2磁脚22との間を通り、第1磁脚21と第2磁脚22との間を通らない。
【0049】
第2巻線A2は、銅箔等の金属箔からなる。すなわち、第1層L1及び第2層L2の各々を形成する際、金属箔にエッチング処理を施して不要な部分を取り除くことで第2巻線A2が形成される。
【0050】
第1層L1と第2層L2との間をビアV7で接続することにより、第2コイルW2が形成される。
【0051】
第2コイルW2の第2部分P2では、第2巻線A2が第1磁脚21及び第2磁脚22の間を通らないため、第2コイルW2における第2巻線A2を短くできる。このため、第2コイルW2における電気抵抗及び電力損失を小さくすることができる。
【0052】
また、
図5A及び
図5Bのように、第1部分P1における第2巻線A2の巻き方向と、第2部分P2における第2巻線A2の巻き方向とは、同じである。つまり、第2巻線A2が通電されると、第2コイルW2の軸方向から見て、第1部分P1と第2部分P2とには同じ向きに電流が流れる。このため、リーケージトランス1の通電時に、第1磁脚21で生じる磁束は、第1及び第2接続部25、26において、第2磁脚22で生じる磁束により相殺されるため、第1コイルW1に鎖交する磁束が減る。これにより第1及び第2コイルW1、W2間の結合係数が小さくなりやすく、そのため、リーケージインダクタンスが大きくなりやすい。なお、
図5A及び
図5Bの例では、Y方向において第1接続部25越しでプリント配線板5を見たときの、第2巻線A2の巻き方向は、第3ビアV3を基準にして反時計回りである。
【0053】
第1層L1と第2層L2との間をビアV7で接続するにあたって、このビアV7は、第1層L1において第3ビアV3から最も離れた位置にある第2巻線A2の先端部と、第2層L2において第4ビアV4から最も離れた位置にある第2巻線A2の先端部との間にある。
【0054】
第3層L3は、
図5Cのように、第1磁脚21に巻かれ、かつ第2磁脚22には巻かれていない層であって、第1巻線A1からなる。第3層L3は、第1ビアV1に接続する。
【0055】
第4層L4は、
図5Dのように、第1磁脚21に巻かれ、かつ第2磁脚22には巻かれていない層であって、第1巻線A1からなる。第4層L4は、第2ビアV2に接続する。
【0056】
第1巻線A1は、銅箔等の金属箔からなる。すなわち、第3層L3及び第4層L4の各々を形成する際、金属箔にエッチング処理を施して不要な部分を取り除くことで第1巻線A1が形成される。
【0057】
第3層L3と第4層L4との間をビアV6で接続することにより、第1コイルW1が形成される。
【0058】
第3層L3と第4層L4との間をビアV6で接続するにあたって、このビアV6は、第3層L3において第1ビアV1から最も離れた位置にある第1巻線A1の先端部と、第4層L4において第2ビアV2から最も離れた位置にある第1巻線A1の先端部との間にある。なお、
図5C及び
図5Dの例では、Y方向において第1接続部25越しでプリント配線板5を見たときの、第1巻線A1の巻き方向は、第1ビアV1を基準にして時計回りである。
【0059】
プリント配線板5は、上記の通り、絶縁部51を備える。絶縁部51は、
図4のように第1~第4層L1、L2、L3、L4と、第1~第4ビアV1、V2、V3、V4と、ビアV6と、ビアV7とを覆っている。特に、絶縁部51は、第2層L2と第3層L3との間に介在している。このため、第1及び第2層L1、L2は、絶縁部51により、第3及び第4層L3、L4と絶縁されている。なお、第1~第4ビアV1、V2、V3、V4の各々の一部は、第1面5aで露出していてもよい。
【0060】
絶縁部51は、電気絶縁性を有する材料により構成される。この材料は、プリント配線板の製造に利用できる任意の化合物である。電気絶縁性を有する材料として、例えばエポキシ樹脂が挙げられる。
【0061】
本実施形態では、第1コイルW1及び第2コイルW2を導体配線56として形成することにより、第1コイルW1及び第2コイルW2の各々の形状が安定しやすくなる。これにより、リーケージトランス1を大量に製造しても、この製造品毎のリーケージインダクタンスのバラツキを小さくできる。
【0062】
プリント配線板5は、
図3Bのように、第1貫通孔52と、第2貫通孔53とを更に備える。
【0063】
第1貫通孔52は、Y方向にプリント配線板5を貫通する孔である。この第1貫通孔52に第1磁脚21が挿入されている。
【0064】
第2貫通孔53は、Y方向にプリント配線板5を貫通する孔である。この第2貫通孔53に第2磁脚22が挿入されている。
【0065】
プリント配線板5は、
図3Aのように、第1溝部54と、第2溝部55とを更に備える。第1溝部54は、Y方向に沿った溝状の部分であって、第3磁脚23に対応する位置にある。第2溝部55は、Y方向に沿った溝状の部分であって、第4磁脚24に対応する位置にある。
【0066】
本実施形態に係るプリント配線板5を製造する際は、多層プリント配線板を製造する任意の方法を採用することができる。
【0067】
コア2は、上記の通り、第1磁脚21と、第2磁脚22と、第3磁脚23と、第4磁脚24とを備える。第1~第4磁脚21、22、23、24の各々の断面形状は、
図5A~
図5Dの例では四角形であるが、特に限定されない。第1~第4磁脚21、22、23、24の各々の断面形状の他例として、円、楕円、多角形が挙げられる。
【0068】
本実施形態に係るリーケージトランス1の接続例は、
図6のようになる。
【0069】
電源回路部6は、リーケージトランス1と、ダイオードDと、コンデンサ3と、を備える(
図6参照)。本実施形態の電源回路部6では、一次回路C1は第1コイルW1に接続し、二次回路C2は第2コイルW2に接続している。一次回路C1及び二次回路C2のうち、一次回路C1に電力が供給される。また、二次回路C2は負荷4と電気的に接続している。
【0070】
電源回路部6は、FET(Field Effenct Transister)を用いたスイッチング電源に利用することができる。これにより、一次回路C1に電力を供給し所望の出力電力を得ることができる。
【0071】
<第2実施形態>
次に第2実施形態に係るリーケージトランス1を、
図7~
図12を参照して説明する。下記説明において、第1実施形態と共通する構成は、図面に同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0072】
本実施形態に係るリーケージトランス1は、
図7及び
図8Aのように、コア2と、プリント配線板5とを備える。
【0073】
コア2は、
図8Bのように、第1磁脚21と、第2磁脚22と、第3磁脚23と、第4磁脚24と、第1接続部25と、第2接続部26とを備える。
【0074】
プリント配線板5は、
図8Bのように第1貫通孔52と、第2貫通孔53とを有する。プリント配線板5は、
図9のように、絶縁部51と、導体配線56とを更に有する。また、プリント配線板5は、互いに平行な第1面5a及び第2面5bを有する。
【0075】
導体配線56は、複数の配線層(具体的には、第1層L1、第2層L2、第3層L3、第4層L4、第5層L5、及び第6層L6)を含む。絶縁部51は、例えば複数の絶縁層を含む。プリント配線板5では、例えば、配線層と絶縁層とが交互に並んで積層している。
【0076】
導体配線56は、第1コイルW1と、第2コイルW2と、第3コイルW3とを含む。導体配線56において、各配線層は、第1コイルW1の少なくとも一部を構成する第一配線部分91と、第2コイルW2の少なくとも一部を構成する第二配線部分92と、第3コイルW3の少なくとも一部を構成する第三配線部分93とのうち、少なくとも一方を含む(
図10A~
図11B参照)。
【0077】
第三配線部分93は、第3部分P3の少なくとも一部を構成する部分931と、第4部分P4の少なくとも一部を構成する部分932とのうち、少なくとも一方を含む(
図11A及び
図11B参照)。
【0078】
部分931は、第1及び第2貫通孔52、53のうち、第1貫通孔52のみを取り巻くように螺旋状に形成されている。
【0079】
部分932は、第1及び第2貫通孔52、53との両方を同時に取り巻くように螺旋状に形成されている。
【0080】
導体配線56が複数の部分931と複数の部分932とを含む場合、部分931と部分932とが交互に繋がるようにして部分931をビアで電気的に接続すると共に、部分932をビアで電気的に接続することで、第3コイルW3が構成される。この場合、部分931を接続するビアと、部分932を接続するビアとが同じ絶縁層の位置に設けられていない。
【0081】
次に、本実施形態に係るプリント配線板5を、
図9~
図11Bを参照して詳細に説明する。
図9は、プリント配線板5の略図であって、プリント配線板5内の接続を説明しやすくするため、コア2を示していなく、しかも第1及び第2ビアV1、V2が重ならないように示すと共に、第3~第5ビアV3、V4、V5が重ならないように示している。
【0082】
導体配線56は、第1層L1と、第2層L2と、第3層L3と、第4層L4と、第5層L5と、第6層L6とを備える。導体配線56は、第1ビアV1と、第2ビアV2と、第3ビアV3と、第4ビアV4と、第5ビアV5と、ビアV6と、ビアV7と、ビアV8と更に備える。
【0083】
図9のようなプリント配線板5は、Y方向に沿って、第1面5aから、第1層L1と、第2層L2と、第3層L3と、第4層L4と、第5層L5と、第6層L6とがこの順で並んだ積層構造を有する。第1ビアV1は、第1面5aと第3層L3とに接続する。第2ビアV2は、第1面5aと第4層L4とに接続する。第3ビアV3は、第1面5aと第1層L1とに接続する。第4ビアV4は、第1面5aと第2層L2と第5層L5とに接続する。第5ビアV5は、第1面5aと第6層L6とに接続する。
【0084】
ビアV7は、
図9のように第1層L1と第2層L2とに接続している。ビアV6は、第3層L3と第4層L4とに接続している。ビアV8は、導電性を有し、第5層L5と第6層L6とに接続している。
【0085】
第1層L1と第2層L2との間をビアV7で接続することにより、第2コイルW2が形成される。なお、
図10A及び
図10Bに示す第2コイルW2の例では、Y方向において第1接続部25越しでプリント配線板5を見たときの、第2巻線A2を巻く方向は、第3ビアV3を基準にして時計回りである。
【0086】
また、第3層L3と第4層L4との間をビアV6で接続することにより、第1コイルW1が形成される。なお、
図10C及び
図10Dに示す第1コイルW1の例では、Y方向において第1接続部25越しでプリント配線板5を見たときの、第1巻線A1を巻く方向は、第1ビアV1を基準にして反時計回りである。
【0087】
第5層L5は、
図11Aのように、第3部分P3と、この第3部分P3と第4ビアV4とに接続する第4部分P4とを有する層であって、第3巻線A3からなる。第5層L5の第3部分P3は、第1磁脚21に巻かれ、かつ第2磁脚22には巻かれていない部分である。第5層L5の第4部分P4は、第1磁脚21と第2磁脚22との両方に跨がって巻かれた部分である。第5層L5において、第4部分P4の第3巻線A3は、第4磁脚24と第2磁脚22との間を通り、第1磁脚21と第2磁脚22との間を通らない。
【0088】
第6層L6は、
図11Bのように、第3部分P3と、この第3部分P3と第5ビアV5とに接続する第4部分P4とを有する層であって、第3巻線A3からなる。第6層L6の第3部分P3は、第1磁脚21に巻かれ、かつ第2磁脚22には巻かれていない部分である。第6層L6の第4部分P4は、第1磁脚21と第2磁脚22との両方に跨がって巻かれた部分である。第6層L6において、第4部分P4の第3巻線A3は、第4磁脚24と第2磁脚22との間を通り、第1磁脚21と第2磁脚22との間を通らない。
【0089】
第3巻線A3は、銅箔等の金属箔からなる。すなわち、第5層L5及び第6層L6の各々を形成する際、金属箔にエッチング処理を施して不要な部分を取り除くことで第3巻線A3が形成される。
【0090】
第5層L5と第6層L6との間をビアV8で接続することにより、第3コイルW3が形成される。
【0091】
第3コイルW3の第4部分P4では、第3巻線A3が第1磁脚21及び第2磁脚22の間を通らないため、第3コイルW3における第3巻線A3を短くできる。このため、第3コイルW3における電気抵抗及び電力損失を小さくすることができる。
【0092】
また、
図11A及び
図11Bのように、第3部分P3における第3巻線A3の巻き方向と、第4部分P4における第3巻線A3の巻き方向とは、同じである。つまり、第3巻線A3が通電されると、第3コイルW3の軸方向から見て、第3部分P3と第4部分P4とには同じ向きに電流が流れる。このため、リーケージトランス1の通電時に、第1磁脚21で生じる磁束は、第1及び第2接続部25、26において、第2磁脚22で生じる磁束により相殺されるため、第2コイルW2と第3コイルW3との間の結合係数が小さくなりやすく、そのため、リーケージインダクタンスが大きくなりやすい。なお、
図11A及び
図11Bに示す第3コイルW3の例では、Y方向において第1接続部25越しでプリント配線板5を見たときの、第3巻線A3の巻き方向は、第4ビアV4を基準にして時計回りである。
【0093】
第5層L5と第6層L6との間をビアV8で接続するにあたって、ビアV8は、第5層L5において第4ビアV4から最も離れた位置にある第3巻線A3の先端部と、第4層L4において第5ビアV5から最も離れた位置にある第3巻線A3の先端部との間にある。これにより、第3コイルW3における実質的な第3巻線A3の巻き数は、ビアV8の位置により減りにくい。
【0094】
プリント配線板5は、上記の通り、絶縁部51を備える。絶縁部51は、
図9のように、第1~第6層L1、L2、L3、L4、L5、L6と、第1~第5ビアV1、V2、V3、V4、V5と、ビアV6と、ビアV7と、ビアV8を覆っている。特に、絶縁部51は、第2層L2及び第3層L3の間と、第4層L4及び第5層L5の間とに介在している。このため、第1及び第2層L1、L2は、絶縁部51により、第3及び第4層L3、L4と絶縁され、第3及び第4層L3、L4は、絶縁部51により、第5及び第6層L5、L6と絶縁されている。なお、第1~第5ビアV1、V2、V3、V4、V5の各々の一部は、第1面5aで露出していてもよい。
【0095】
本実施形態では、導体配線56が第1~第3コイルW1、W2、W3を含むことにより、第1~第3コイルW1、W2、W3の各々の形状が安定しやすくなる。これにより、リーケージトランス1を大量に製造しても、この製造品毎のリーケージインダクタンスのバラツキを小さくできる。
【0096】
本実施形態に係るリーケージトランス1の接続例は、
図12のようになる。
【0097】
図12のような電源回路6は、リーケージトランス1と、第1ダイオードD1と、第2ダイオードD2と、コンデンサ3と、を備える。本実施形態の電源回路6では、一次回路C1は第1コイルW1に接続し、二次回路C2は第2コイルW2および第3コイルW3に接続している。また、二次回路C2は負荷4と電気的に接続している。
【0098】
(変形例)
上記実施形態ではコア2は、第1及び第2磁脚21、22に加えて、この第1及び第2磁脚21、22と異なる2つの磁脚(第3及び第4磁脚23、24)を備えるが、変形例ではコア2は第1~第4磁脚21、22、23、24に加えて、他の磁脚を更に備えてもよい。すなわち、コア2は、第1及び第2磁脚21、22に加えて、この第1及び第2磁脚21、22と異なる2以上の磁脚を備えてもよい。ただし、第1及び第2磁脚21、22以外の磁脚は、第3及び第4磁脚23、24のみであることが特に好ましい。コア2が第1~第4磁脚21、22、23、24とは異なる磁脚を更に備えても、磁束の外部への漏れを低減する作用をあまり向上できず、コア2の大型化を招きやすい。
【0099】
上記実施形態ではコア2は第1~第4磁脚21、22、23、24を備えているが、変形例ではコア2は第3及び第4磁脚23、24を備えなくてもよい。この場合、コア2は、第1及び第2磁脚21、22内にいずれにもギャップを有さないことが好ましい。
【0100】
上記第1及び第2実施形態では一次回路C1は第1コイルW1に接続し、二次回路C2は第2コイルW2に接続している。しかし、変形例では一次回路C1は第2コイルW2に接続し、二次回路C2は第1コイルW1に接続してもよい。
【0101】
(まとめ)
上記の通り、第1態様は、リーケージトランス(1)であって、コア(2)と、プリント配線板(5)とを備える。コア(2)は、第1磁脚(21)と、第2磁脚(22)とを備える。第2磁脚(22)は第1磁脚(21)から間隔をあけて配置されている。プリント配線板(5)は、絶縁部(51)と導体配線(56)とを備える。導体配線(56)は、第1コイル(W1)と、第2コイル(W2)とを含む。第1コイル(W1)は第1巻線(A1)からなる。第1コイル(W1)は第1磁脚(21)に巻かれ、かつ第2磁脚(22)には巻かれていない。第2コイル(W2)は第2巻線(A2)からなる。第2コイル(W2)は第1部分(P1)と第2部分(P2)とを備える。第1部分(P1)は第1磁脚(21)に巻かれ、かつ第2磁脚(22)には巻かれていない。第2部分(P2)は第1磁脚(21)と第2磁脚(22)との両方に跨がって巻かれている。
【0102】
第1態様によれば、第2部分(P2)では第2巻線(A2)が第1磁脚(21)及び第2磁脚(22)の間を通る部分を省略できる。このため、第2巻線(A2)を第1磁脚(21)及び第2磁脚(22)の各々に巻く場合と比べて、第2コイル(W2)の第2巻線(A2)を短くでき、第2コイル(W2)における電気抵抗及び電力損失を小さくすることができる。また、第1態様によれば、第1コイル(W1)及び第2コイル(W2)の各々の形状が安定しやすくなる。これにより、リーケージトランス(1)を大量に製造しても、この製造品毎のリーケージインダクタンスのバラツキを小さくできる。
【0103】
第2態様は、第1態様のリーケージトランス(1)であって、第1部分(P1)における第2巻線(A2)の巻き方向と、第2部分(P2)における第2巻線(A2)の巻き方向とは、同じである。
【0104】
第2態様によれば、リーケージトランス(1)の通電時に、第1磁脚(21)で生じる磁束は、第2磁脚(22)で生じる磁束により相殺されるため、第1及び第2コイル(W1、W2)間の結合係数が小さくなりやすく、リーケージインダクタンスが大きくなりやすい。
【0105】
第3態様は、第1又は第2態様のリーケージトランス(1)であって、コア(2)は、第1磁脚(21)及び第2磁脚(22)とは異なる2つ以上の磁脚(23、24)を更に備える。
【0106】
第3態様によれば、第1磁脚(21)を通る磁束が磁脚(23)を通るように誘導され、第2磁脚(22)を通る磁束が磁脚(24)を通るように誘導される。このため、リーケージトランス(1)で発生する磁束が、コア(2)の外部へ漏れにくくなる。これにより、ノイズの発生を抑制することができる。
【0107】
第4態様は、第3態様のリーケージトランス(1)であって、コア(2)は、第1磁脚(21)内と、第2磁脚(22)内と、前記磁脚(23、24)内とのいずれにもギャップを有さない。
【0108】
第4態様によれば、コア(2)内の磁束は外部に漏れにくくなるため、ノイズの発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0109】
1 リーケージトランス
2 コア
21 第1磁脚
22 第2磁脚
23 磁脚(第3磁脚)
24 磁脚(第4磁脚)
5 プリント配線板
A1 第1巻線
A2 第2巻線
P1 第1部分
P2 第2部分
W1 第1コイル
W2 第2コイル