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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】照明器具及び照明システム
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20231027BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231027BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20231027BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20231027BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20231027BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231027BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20231027BHJP
【FI】
F21S8/08 200
F21V23/00 110
F21Y101:00 100
F21Y103:00
F21Y113:13
F21Y115:10
F21Y115:30
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019061991
(22)【出願日】2019-03-27
(65)【公開番号】P2020161423
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】尾身 隆
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-002773(JP,A)
【文献】特開平09-219102(JP,A)
【文献】特開2018-058412(JP,A)
【文献】特開2017-199525(JP,A)
【文献】登録実用新案第3193713(JP,U)
【文献】特開2002-201617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/08
F21V 23/00
F21Y 101/00
F21Y 103/00
F21Y 113/13
F21Y 115/10
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯体と、
前記灯体内に設けられる第1光源及び第2光源と、
を備え、
前記第1光源は、人が通行する場所に照明光を照射し、
前記第2光源は、前記場所の水位レベルが所定以上になった場合に、前記場所に存在する構造物の位置を示す表示光を照射する、
照明器具。
【請求項2】
前記表示光は、前記水位レベルに応じて配光が制御される、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
灯体と、
前記灯体内に設けられる第1光源及び第2光源と、
を備え、
前記第1光源は、人が通行する場所に照明光を照射し、
前記第2光源は、前記場所に存在する構造物の位置を示す表示光を照射し、
前記構造物は、側溝であり、
前記第2光源は、前記場所を上面視した場合に、前記側溝の前記人が通行する側に前記側溝から離間し、かつ、前記側溝の前記人が通行する側から、前記場所を上面視した場合の前記場所における前記第2光源と前記側溝との間の領域に向けて、前記表示光を照射する、
照明器具。
【請求項4】
前記構造物は、側溝である、
請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項5】
前記表示光は、前記照明光とは光色が異なる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記表示光は、前記照明光よりも指向性が高い光である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記第2光源は、レーザ光源である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記第2光源は、前記場所が属する地域に、浸水又は雨に関する気象警報が発令された場合に、前記表示光を照射する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の照明器具と、
前記水位レベルを検知するセンサと、を備える、
照明システム。
【請求項10】
前記センサは、水面からの反射光によって前記水位レベルを検知する、
請求項に記載の照明システム。
【請求項11】
請求項1からのいずれか1項に記載の照明器具を複数備え、
複数の前記照明器具それぞれの前記第2光源は、同一の前記構造物の位置を示す前記表示光を照射する、
照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
街路灯等の人が通行する場所に設置される照明器具は、設置された場所周辺に光を照射し、夜間においても通行人の視認性を確保するため等に用いられる。特許文献1では、通常の街路灯の機能に加え、通信手段及びセンサ等を備えた街路灯が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-059414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような、人が通行する場所を照射できるように設置される照明器具は、通行人の視認性を確保することで、通行人の安全性を高めている。しかし、視認性を高めるだけでは、通行人が危険にさらされる可能性があり、視認性を高める以外での安全性を高める手段が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、通行人の安全性をさらに高めることができる照明器具等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る照明器具は、灯体と、前記灯体内に設けられる第1光源及び第2光源と、を備え、前記第1光源は、人が通行する場所に照明光を照射し、前記第2光源は、前記場所に存在する構造物の位置を示す表示光を照射する。
【0007】
本発明の一態様に係る照明システムは、上記照明器具と、前記水位レベルを検知するセンサと、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る照明システムは、上記照明器具を複数備え、複数の前記照明器具それぞれの前記第2光源は、同一の前記構造物の位置を示す前記表示光を照射する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る照明器具等によれば、通行人の安全性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る照明システムを説明するための概略図である。
図2図2は、実施の形態に係る照明システムの上面視図である。
図3図3は、実施の形態に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、動作例1における第2光源の動作のフローチャートである。
図5図5は、動作例2における第2光源の動作のフローチャートである。
図6図6は、動作例3における第2光源の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成要素については同じ符号を付している。
【0013】
(実施の形態)
[照明システムの概要]
まず、本実施の形態に係る照明システムの全体構成に関して説明する。図1は、本実施の形態に係る照明システムを説明するための概略図である。図2は、実施の形態に係る照明システムの上面視図である。
【0014】
図1及び図2に示されるように、照明システム1000は、照明器具100とセンサ200とを備える。照明器具100は、人が通行する場所を照射できるように設置される照明器具である。照明器具100は、例えば、街路灯であり、街路300に設置される。具体的には、照明器具100は、側溝310等の構造物が存在する街路300に設置される。本明細書において、街路300は、人が通行する場所の一例であり、側溝310は街路300に存在する構造物の一例である。また、人が通行する場所に存在する構造物は、人が通行する場所の内部に存在する構造物だけでなく、人が通行する場所に接して存在している構造物も含まれる。
【0015】
なお、照明器具100は、人が通行する場所に設置されればよく、例えば、公園、駐車場、林道、集合住宅の敷地内又は、工場の敷地内等の屋外空間等に設置されてもよい。
【0016】
照明器具100は、灯体10と、灯体10内に設けられる第1光源11及び第2光源12とを備える。
【0017】
灯体10は、第1光源11及び第2光源12を内部に備える。灯体10は、街路300に立設する柱状部材110により、支持部材120を介して、街路300の上方で支持される。また、図1においては、灯体10は、街路300上に立設する柱状部材110に支持されているが、照明器具100が街路300を照射することができれば、設置の方法に制限は無く、例えば、周囲の建物等に取り付けられていてもよい。
【0018】
第1光源11は、街路300に照明光111を照射する。第1光源11は、従来の街路灯と同様に、通行人400の視認性を高めるために、照明器具100周辺の街路300を広範囲にわたって照らすための光源である。
【0019】
第2光源12は、側溝310の位置を示す表示光112を照射する。これにより、通行人400は、側溝310の位置を認識しやすくなり、側溝310に転落する可能性が下がる。よって、通行人400の安全性を高めることができる。図1では、豪雨等により、街路300が雨水320で冠水している状態が示されている。街路300が冠水し、街路300における水位レベルhが所定以上になると、通行人400から側溝310が見えなくなるため、通行人400が側溝310に気づかずに転落する可能性が高まる。表示光112が照射されていることで、通行人400が側溝310の位置を認識しやすくなることから、通行人の安全性をさらに高めることができる。
【0020】
なお、構造物として側溝310が例示されているが、これに限られず、構造物は、街路300に存在する凹部又は凸部等、通行人400に転倒又は転落等の危険を引き起こす構造物である。特に、側溝310のように凹部を有する街路300に構造物が存在する場合、街路300が冠水すると通行人400から認識されにくくなるため、本実施の形態の照明システム1000は有効である。
【0021】
図1及び図2においては、照明器具100は、1つの第2光源12を備えているが、第2光源12を複数備え、1つの照明器具100が複数の構造物の位置を示す表示光112を照射してもよい。
【0022】
表示光112は、例えば、図2に示されるように、街路300上に側溝310に沿った形で線状に照射される。表示光112は、矢印形状又は縞状に照射されてもよく、街路300上に文字が表示されるように照射されてもよい。また、表示光112は、単一の光色の光であってもよく、複数の光色の光を組み合わせられた光であってもよい。なお、図1及び図2において、表示光112は、側溝310よりも通行人400が通行する側の街路300に照射されているが、通行人400が表示光112を認識できる範囲に照射されていればよい。表示光112は、例えば、側溝310の周囲に照射されてもよく、側溝310上に照射されてもよい。
【0023】
図1及び図2に示されるように、照明器具100は、第2光源12が側溝310の通行人400が通行する側から、上面視で第2光源12と側溝との間に表示光112を照射してもよい。この場合、冠水により街路300の水面330の位置が上昇すると、表示光112が水面330上に照射される位置が、側溝310よりも通行人400が通行する側に移動する。そのため、水面330の位置が上昇しても、側溝310と表示光112が照射される位置との間隔が広がるため、より通行人400が側溝310に近づきにくくなる。
【0024】
また、図2に示されるように、照明システム1000は、複数の照明器具100を備える。複数の照明器具100それぞれの第2光源12は、図2に示されるように、同一の側溝310の位置を示す表示光112を照射し、それぞれの表示光112の一部が重なっている。2つの第2光源12が同一の側溝310の位置を示す表示光112を照射することにより、一方の照明器具100の第2光源12が故障した場合であっても、他方の照明器具100の第2光源12より表示光112が照射される。なお、照明器具100の数は、側溝310等の構造物に応じて設定すればよく、図2に示されるような2つとは限らない。また、照明器具100それぞれの第2光源12は、異なる構造物の位置を示す表示光112を照射してもよい。また、照明器具100それぞれの第2光源12は、重なる位置に表示光112を照射してもよい。
【0025】
センサ200は、照明器具100の周囲における街路300の水位レベルhを検知するセンサである。センサ200は、照明器具100と通信可能であり、検知した水位レベルhを照明器具100に通知する。
【0026】
[照明システムの構成]
以下、照明システム1000の詳細な構成について説明する。図3は、実施の形態に係る照明システム1000の機能構成を示すブロック図である。
【0027】
照明システム1000は、照明器具100とセンサ200とを備える。照明器具100は、灯体10内に設けられる、第1光源11、第2光源12、制御部13、点灯回路14、通信部15及び駆動部16を備える。なお、制御部13、点灯回路14及び通信部15は、灯体10内に設けられておらず、別の筐体等に設けられて、灯体10と接続されていてもよい。
【0028】
まず、照明器具100の各要素について説明する。
【0029】
灯体10は、第1光源11、第2光源12、制御部13、点灯回路14、通信部15及び駆動部16を収容する筐体であり、金属及び樹脂等の材料により形成されている。灯体10は、例えば、各構成部材を密閉できる構造となっており、風雨及び衝撃等から各構成部材を保護する。
【0030】
第1光源11は、照明光111を照射する光源である。第1光源11は、制御部13によって、設定されているタイムスケジュール等に従い、点灯及び消灯が制御される。第1光源11は常時点灯していてもよい。第1光源11が照明光111を照射することで、照明器具100は一般的な街路灯として機能する。第1光源11としては、例えば、白色光を発する、LED(Light Emitting Diode)発光モジュール、蛍光灯及び白熱灯等が挙げられる。例えば、第1光源11がLED発光モジュールである場合、第1光源11は、基板上に複数のLED素子が実装された発光モジュールであってもよく、照明光111を拡散させるために、光拡散性のレンズ又は透光カバーを備えていてもよい。
【0031】
第2光源12は、設置される場所の構造物の位置を示す表示光112を照射する。第2光源12は、制御部13によって点灯及び消灯が制御される。第2光源12は常時点灯していてもよい。第2光源12は、制御部13によって表示光112の配光を制御されてもよい。
【0032】
また、表示光112と照明光111とは、異なる光色であってもよい。例えば、表示光112の光色は、赤色、オレンジ色又は黄色であってもよい。赤色、オレンジ色又は黄色の光は、人が危険であると感じやすい色であるため、通行人400に注意意識を喚起できる。
【0033】
また、第2光源12が照射する表示光112は、照明光111よりも指向性の高い光であるとよい。これにより、表示光112に照射された位置が明確になり、通行人400が側溝310を認識しやすくなる。
【0034】
第2光源12としては、例えば、半導体レーザ及びガスレーザ等のレーザ光源が挙げられる。これにより、第2光源12は、容易に指向性が高い表示光112を照射できる。第2光源12は、1つのレーザ光源で構成されてもよく、同じ種類のレーザ光源が複数用いられた構成であってもよく、光色又は光量の異なるレーザ光源が複数用いられた構成であってもよい。
【0035】
制御部13は、点灯回路14を介して、第1光源11及び第2光源12の点灯及び消灯を制御する。制御部13は、例えば、タイムスケジュール等の時間情報に基づき、第1光源11を点灯又は消灯させる。また、制御部13は、センサ200から水位レベルhの情報を取得し、水位レベルhの情報に基づいて、第2光源12を点灯又は消灯させる。制御部13は、通信部15に気象情報を受信させ、得られた気象情報に基づき、第2光源12を点灯又は消灯させてもよい。さらに、制御部13は、駆動部16を介して、センサ200から入手した水位レベルhの情報に基づいて、第2光源12が照射する表示光112の配光を制御してもよい。
【0036】
また、制御部13は、通行人400が表示光112に気づきやすくするために、駆動部16に、表示光112が照射される位置を変化させるように第2光源12を駆動させてもよいし、点灯回路14への電力の供給を制御して、表示光112を点滅させてもよい。
【0037】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等により構成される。制御部13は、プログラムを記憶するメモリとマイクロプロセッサとを内蔵するマイコンであってもよく、アナログ回路及びデジタル回路を含むハードウェアであってもよい。また、制御部13は、時計回路等を有していてもよい。
【0038】
点灯回路14は、第1光源11及び第2光源12に電力を供給することにより、第1光源11及び第2光源12を点灯させる回路である。点灯回路14は、第1光源11及び第2光源12を調光するための、PWM(Pulse Width Modulation)制御回路等の調光回路を含んでいてもよい。
【0039】
通信部15は、照明器具100がインターネット等の広域通信ネットワーク20を介して気象情報を受け取るための通信回路である。具体的には、通信部15は、街路300が属する地域における雨又は浸水に関する気象警報を受信する。通信部15は、受け取った情報を制御部13に送信する。雨又は浸水に関する気象警報は、例えば、大雨、洪水、波浪、高潮又は津波警報である。通信部15によって行われる通信は、有線通信であってもよいし無線通信であってもよい。通信部15が行う通信の通信規格は特に限定されない。通信部15は、有線用又は無線用の通信インターフェイス等により構成される。
【0040】
駆動部16は、表示光112の配光を変えるために、第2光源12を駆動させる。駆動部16は、例えば、電動モータ等から構成され、電動モータにより第2光源12を移動及び回転させることにより、第2光源12から照射される表示光112の方向を変更する。
【0041】
次に、センサ200について説明する。
【0042】
センサ200は、街路300の水位レベルhを検知する水位センサである。センサ200は、制御部13と接続されており、水位レベルhの情報を制御部13に出力する。センサ200としては、光波式、フロート式、電極棒を用いるアナログ式、又は、圧力検出式等、種々の水位センサを用いることができる。これらの中でも、センサ200は、水面からの反射光によって、水位レベルを検知する光波式水位センサであるとよい。具体的に、光波式水位センサは、水面へ赤外線レーザ等の光を照射し、反射光が返ってくるまでの時間を計測し、水面までの距離を計測することで水位レベルを測定する。センサ200が光波式水位センサであることで、センサ200が水面と接する必要が無くなるため、センサ200の設置する場所の選択肢が多くなり、例えば、照明器具100が設置されている柱状部材110に設置することができる。また、水面330の上方に設置されるためセンサ200が洪水等で流される可能性を低減できる。
【0043】
照明システム1000が複数の照明器具100を備える場合、1つのセンサ200が、複数の照明器具100に水位レベルhの情報を出力してもよいし、センサ200が複数備えられ、それぞれの照明器具100に異なるセンサ200が水位レベルhの情報を出力してもよい。
【0044】
なお、図2においては、センサ200は、制御部13と直接接続されているが、有線通信又は無線通信により、通信部15を介して、制御部13に水位レベルhの情報を送信してもよい。また、センサ200は、照明器具100に備えられていてもよい。
【0045】
[動作例1]
次に、照明システム1000の動作例1について説明する。まず、照明器具100の第1光源11の動作について説明する。通常、照明器具100の制御部13は、タイムスケジュール等に基づいて、点灯回路14への電力の供給を制御し、第1光源11に照明光111を照射させる点灯状態と照明光111を照射させない消灯状態とを日々繰り返す。例えば、第1光源11は、照明器具100が設置された周囲の街路300が暗くなる時間帯に点灯状態となり、街路300が明るくなる時間帯に消灯状態となる。これにより、照明器具100は、一般的な街路灯として機能する。第1光源11は、常時、照明光111を照射していてもよい。また、照明器具100が、さらに明るさセンサを備え、制御部13は、明るさセンサの情報に基づいて、第1光源11の点灯と消灯とを制御してもよい。
【0046】
次に、照明器具100の第2光源12の動作について、説明する。図4は、動作例1における第2光源12の動作のフローチャートである。
【0047】
まず、制御部13は、センサ200から出力される水位レベルhの情報に基づいて、街路300の水位レベルhが所定以上か否かを判定する(S11)。ステップS11の判定は、水位レベルhが所定以上と判定されるまで継続される(S11でNo)。つまり、水位レベルhが所定以下である間は、第1光源11のみが点灯状態と消灯状態とを日々繰り返し、照明器具100は、通常の街路灯として機能する。
【0048】
ステップS11において水位レベルhが所定以上であると判定されると(S11でYes)、制御部13は、点灯回路14を介して第2光源12に電力を供給することで、第2光源12を点灯させる。これにより、側溝310の位置を示す表示光112が照射される(S12)。第2光源12を点灯させるための判定に用いる水位レベルhは、街路300及び側溝310の形状等に応じて、通行人400が側溝310を認識しにくくなる水位レベルhに設定すればよい。
【0049】
次に、制御部13は、センサ200から出力される水位レベルhの情報に基づいて、街路300の水位レベルhが所定以下か否かを判断する(S13)。ステップS13の処理は、水位レベルhが所定以下と判定されるまで継続される(S13でNo)。つまり、水位レベルhが所定以上の間は、第2光源12から表示光112が照射され続ける。
【0050】
ステップS13において水位レベルhが所定以下であると判定されると(S13でYes)、制御部13は、点灯回路14を介して、電力の供給を止め、第2光源12を消灯させる(S14)。これにより、再び、第1光源11のみが点灯状態と消灯状態とを日々繰り返し、照明器具100は、一般的な街路灯として機能する。
【0051】
以上説明したように、動作例1では、照明システム1000において、照明器具100は、第1光源11に照明光111を照射させ、照明器具100の周囲の視認性を高める。さらに、照明器具100は、照明器具100の周囲の街路300の水位レベルを検知し、所定の水位レベル以上となった場合に、側溝310の位置を示す表示光112を第2光源12に照射させる。これにより、豪雨又は津波等で街路300が冠水し、側溝310が見えづらくなった場合でも、表示光112が側溝310の位置を示すため、通行人400は、側溝310を認識しやすくなり、側溝310に転落して流されることを抑制できる。よって、照明器具100は、通行人400の安全性をさらに高めることができる。
【0052】
また、所定の水位レベルh以上となっている間のみ、表示光112が照射されるため、側溝310の位置が認識しやすい平常時においては、指向性の高い光である表示光112が照射されず、通行人400の目を損傷するリスクも低下させることができる。
【0053】
[動作例2]
次に、照明システム1000の動作例2について説明する。照明器具100の第1光源11の動作については、動作例1と同じである。図5は、動作例2における第2光源12の動作のフローチャートである。
【0054】
まず、制御部13は、センサ200から出力される水位レベルhの情報に基づいて、街路300の水位レベルhが所定以上か否かを判定する(S21)。ステップS21の判定は、水位レベルhが所定以上と判定されるまで継続される(S21でNo)。
【0055】
ステップS21において水位レベルhが所定以上であると判定されると(S21でYes)、制御部13は、点灯回路14を介して第2光源12に電力を供給することで、第2光源12を点灯させる。これにより、側溝310の位置を示す表示光112が照射される(S22)。
【0056】
次に、制御部13は、センサ200から出力される水位レベルhの情報に基づいて、街路300の水位レベルhが変化したか否かを判定する(S23)。ステップS23の判定は、水位レベルhが変化するまで継続される(S23でNo)。
【0057】
ステップS23において、水位レベルhが変化したと判定されると(S23でYes)、制御部13は、さらに、水位レベルhが所定の水位以下か否かを判定する(S24)。水位レベルhが所定以下ではない場合(S24でNo)、制御部13は、駆動部16に第2光源12が照射する表示光112の配光を変更させる(S25)。具体的には、制御部13は、水位レベルが変化した場合でも、上面視での表示光112が照射される位置が変化しないように、表示光112の配光を変更させる。制御部13は、ステップS25の処理後、再びステップS23の判定を行う。
【0058】
ステップS24において水位レベルhが所定以下であると判定されると(S24でYes)、制御部13は、点灯回路14を介して、電力の供給を止め、第2光源12を消灯させる(S26)。これにより、再び、第1光源11のみが照明光111を街路300に照射し、照明器具100は、通常の街路灯として機能する。
【0059】
ステップS23からステップS25における表示光112の配光の変更では、水位レベルhの変化量に閾値を設定し、閾値以上の変化量であると判定した場合に配光が変更されてもよい。また、表示光112は、水位レベルhと配光とが連動するように連続的に制御されてもよい。
【0060】
以上説明したように、動作例2でも、動作例1と同様に、照明器具100は、照明器具100の周囲の街路300の水位レベルhを検知し、所定の水位レベルh以上となった場合に、第2光源12に、側溝310の位置を示す表示光112を照射させる。さらに、動作例2では、表示光112は、水位レベルhに応じて、配光が制御され、水位レベルhが変化しても、上面視での表示光112が照射される位置を同じにすることが可能となる。これにより、水位レベルhが変化して、街路300を上面視した場合の表示光112の位置が側溝310上方等に移動することを防止でき、通行人400が、側溝310に転落する危険性をさらに下げることができる。
【0061】
[動作例3]
次に、照明システム1000の動作例3について説明する。照明器具100の第1光源11の動作については、動作例1と同じである。図6は、動作例3における第2光源12の動作のフローチャートである。
【0062】
制御部13は、通信部15に気象情報を取得させ、得られた気象情報から、街路300が属する地域に雨又は浸水に関する気象警報が発令されているか否かを判定する(S31)。ステップS31の判定は、雨又は浸水に関する気象警報が発令されていると判定されるまで継続される(S31でNo)。つまり、街路300が属する地域に雨又は浸水に関する気象警報が発令されていない間は、第1光源11のみが点灯状態と消灯状態とを日々繰り返し、照明器具100は、通常の街路灯として機能する。
【0063】
ステップS31において雨又は浸水に関する気象警報が発令されたと判定されると(S31でYes)、制御部13は、点灯回路14を介して第2光源12に電力を供給することで、第2光源12を点灯させる。これにより、側溝310の位置を示す表示光112が照射される(S32)。
【0064】
次に、制御部13は、通信部15に気象情報を取得させ、得られた気象情報から、発令された雨又は浸水に関する気象警報が解除されたか否かを判定する(S33)。ステップS33の処理は、発令された雨又は浸水に関する気象警報が解除されたと判定されるまで継続される(S33でNo)。つまり、雨又は浸水に関する気象警報が発令されている間は、第2光源12から表示光112が照射され続ける。
【0065】
ステップS33において雨又は浸水に関する気象警報が解除されたと判定されると(S33でYes)、制御部13は、点灯回路14を介して、電力の供給を止め、第2光源12を消灯させる(S34)。これにより、再び、第1光源11のみが照明光111を街路300に照射し、照明器具100は、通常の街路灯として機能する。
【0066】
以上説明したように、動作例3では、照明器具100は、気象情報を取得し、照明器具100の設置された場所に雨又は浸水に関する気象警報が発令された場合に、側溝310の位置を示す表示光112を第2光源12に照射させる。これにより、街路300が冠水する可能性が高まる際に、表示光112が側溝310の位置を示すため、通行人400は、街路300が冠水した場合でも側溝310を認識しやすくなる。よって、通行人400の安全性を高めることができる。
【0067】
また、表示光112が照射されている間は、雨又は浸水に関する気象警報が発令していることが示されることになるため、通行人400が雨又は浸水に関する気象警報が発令されていることを認識することができる。
【0068】
[効果等]
以上、説明したように、照明器具100は、灯体10と、灯体10内に設けられる第1光源11及び第2光源12と、を備える。第1光源11は、街路300に照明光111を照射し、第2光源12は、街路300に存在する側溝310の位置を示す表示光112を照射する。
【0069】
これにより、照明器具100は、第1光源11の照明光111により、夜間等に通行人400の視認性を高める。また、第2光源12の表示光112により、通行人400が側溝310の位置を認識しやすくなり、側溝310に転落する可能性を下げる。よって、照明器具100は、通行人400の安全性をさらに高めることができる。
【0070】
また、例えば、第2光源12は、街路300の水位レベルhが所定以上になった場合に、表示光112を照射してもよい。
【0071】
これにより、豪雨又は津波等で街路300が冠水し、側溝310が見えづらくなった場合でも、表示光112が側溝310の位置を示すため、通行人400は、側溝310を認識しやすくなり、側溝310に転落して流されることを抑制できる。
【0072】
また、例えば、第2光源12は、街路300が属する地域に、浸水又は雨に関する気象警報が発令された場合に、表示光112を照射してもよい。
【0073】
これにより、街路300が冠水する可能性が高まる際に、表示光112が側溝310の位置を示すため、通行人400は、街路300が冠水した場合でも側溝310を認識しやすくなる。
【0074】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0075】
上記実施の形態の動作例1~動作例3において、照明器具は、制御部が水位レベル又は気象警報に基づいて、第2光源に表示光の照射を制御していたが、これに限らない。照明器具は、制御部及び通信部を備えていなくてもよく、例えば、常時、表示光を照射していてもよいし、スイッチ等によって人が表示光の照射を制御してもよい。
【0076】
また、上記実施の形態において、構造物として側溝を例示したが、これに限らない。構造物は、例えば、マンホール、崖及び用水路等の通行人が転落する可能性のある構造物、並びに、縁石、段差、出っ張り及びポール等の通行人が躓く可能性のある構造物であってもよい。
【0077】
また、上記実施の形態の動作例1~動作例3において、制御部は、水位レベル及び気象警報のいずれかに基づいて、第2光源に表示光を照射させるかを判断していたが、これに限らない。制御部は、水位レベルの情報及び気象情報を入手し、水位レベルが所定以上になった場合。及び気象警報が発令した場合、のいずれの場合にも、第2光源に表示光を照射させてもよい。これにより、センサ及び通信部のいずれか一方が故障した場合にでも、表示光が照射される。
【0078】
また、上記実施の形態の動作例1~動作例3において、水位レベルが所定以下になった場合、又は、気象警報が解除された場合、に第2光源を消灯していたが、これに限らない。制御部は、第2光源を消灯さなくてもよく、例えば、照明器具が消灯ボタン等を備えて、消灯ボタンが押されることにより、第2光源が消灯されてもよい。
【0079】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
10 灯体
11 第1光源
12 第2光源
100 照明器具
111 照明光
112 表示光
200 センサ
300 街路
310 側溝
1000 照明システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6