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特許7373787ソーシャルネットワークサービス提供システム
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  • 特許-ソーシャルネットワークサービス提供システム 図1
  • 特許-ソーシャルネットワークサービス提供システム 図2
  • 特許-ソーシャルネットワークサービス提供システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】ソーシャルネットワークサービス提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20120101AFI20231027BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019092150
(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公開番号】P2020187574
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-04-29
(73)【特許権者】
【識別番号】596177559
【氏名又は名称】インターマン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】上田平 重樹
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-169914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメンバーを有するグループが設定されているソーシャルネットワークサービスにおいて、このグループへの参加リクエストに対して、メンバーの全員に参加承認の是非のアンケートを行い、前記グループのメンバーの複数が賛成した場合に、前記参加リクエストは承認され
当該参加リクエストを行うユーザーは、前記参加リクエストと共に現在位置を示す位置情報も前記ソーシャルネットワークサービスに送信し、当該参加リクエストに賛成するメンバーも前記ソーシャルネットワークサービスに現在位置を示す位置情報を送信し、
前記ユーザーの現在位置と前記参加リクエストに賛成するメンバーの現在位置が同一場所を示していれば、前記参加リクエストに賛成するメンバーが一人であっても、前記参加リクエストは例外的に承認されることを特徴とするソーシャルネットワークサービス提供システム。
【請求項2】
前記参加リクエストは、前記グループのメンバーの過半数が賛成する場合に承認されることを特徴とする請求項1に記載のソーシャルネットワークサービス提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グループへの参加を、そのグループにとって相応しいユーザーに限定することのできるソーシャルネットワークサービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フェイスブック(登録商標)などに代表されるソーシャルネットワークサービス(SNS)技術が広く普及している。このようなSNSでは、ネットワーク上で、ユーザ同士がメッセージの交換、友達関係の設定、グループの生成などを行なうことができ、これにより、ユーザ同士の繋がりが生まれている(特許文献1)。
【0003】
SNSユーザーの増加に伴って、様々な付帯サービスが追加されている。その一つに、グループの生成がある。グループとは、趣味やビジネスなどの共通のテーマのもとにメンバーを集め、情報を共有したり交流したりできるサービスである。読書クラブや家族会などのグループを作成すれば、特定の人々とつながって近況報告や情報交換ができる。
【0004】
このようなSNSにおいて、或るユーザーがグループに参加するには、例えば次のような方法がある。まず、このユーザーが、グループへの参加リクエストを送信する。この参加リクエストに対して、グループの管理者が承認を与えれば、このユーザーは、当該グループに参加してメンバーとなる。または、グループのメンバーにいずれかが、グループへ招待するメッセージをユーザーへ送信する。ユーザーが招待を受ければ、当該グループに参加してメンバーとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-287131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のグループへの参加方法では、グループのメンバーの一人が、グループへのユーザーの参加の可否を決定することができるようになっている。この様なシステムでは、グループが家族会や、特定の業務連絡用グループのような、通常では部外者の参加を簡単には行わないような場合であっても、メンバーの一人が、不用意に不適切なユーザーをメンバーに加えてしまうということが起こってしまう危惧がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ソーシャルネットワークサービスのグループにおいて、メンバーとして相応しくないユーザーの参加を抑制することができるソーシャルネットワークサービス提供システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の1つの様相によるソーシャルネットワークサービス提供システムは、複数のメンバーを有するグループが設定されているソーシャルネットワークサービスにおいて、このグループへの参加リクエストに対して、メンバーの全員に参加承認の是非のアンケートを行い、前記グループのメンバーの複数が賛成した場合に、前記参加リクエストは承認され、当該参加リクエストを行うユーザーは、前記参加リクエストと共に現在位置を示す位置情報も前記ソーシャルネットワークサービスに送信し、当該参加リクエストに賛成するメンバーも前記ソーシャルネットワークサービスに現在位置を示す位置情報を送信し、前記ユーザーの現在位置と前記参加リクエストに賛成するメンバーの現在位置が同一場所を示していれば、前記参加リクエストに賛成するメンバーが一人であっても、前記参加リクエストは例外的に承認されることを特徴とする。
【0009】
また、一つの実施例では、前記参加リクエスト、前記グループのメンバーの過半数が賛成する場合に承認されることを特徴とする
【発明の効果】
【0010】
本発明に係わるソーシャルネットワークサービス提供システムによれば、グループに参加するには、複数のメンバーの賛同を得ることが要件となっているため、メンバーとして相応しくないようなユーザーの参加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明に係るソーシャルネットワークサービス管理サーバーによるソーシャルネットワークサービスの実施態様を説明するためのネットワーク図である。
図2図2は、本発明に係るソーシャルネットワークサービスにおける新たなユーザーの参加の賛否を問うアンケートのダイアログを示す図である。
図3図3は、本発明に係るソーシャルネットワークサービスにおける新たなユーザーの参加を知らせるダイアログを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明によるソーシャルネットワークサービス提供システムの実施例1を説明する。このソーシャルネットワークサービス提供システムは、インターネットに接続して、ユーザーにソーシャルネットワークサービスを提供するソーシャルネットワークサービス管理サーバーとして実装されている。
【0013】
図1は、このソーシャルネットワークサービス管理サーバー1によるソーシャルネットワークサービスの実施態様を説明するためのネットワーク図である。ここで、インターネットには、ソーシャルネットワークサービス管理サーバー1と、このソーシャルネットワークサービスを利用する多数のユーザー端末が接続されている。ここでは、簡略化してユーザーAが携帯しているスマートフォン3と、ユーザーBが使用しているパーソナルコンピュータ5およびユーザーCが使用しているパーソナルコンピュータ7のみが例示されている。
【0014】
ユーザーA、ユーザーBおよびユーザーCは、このソーシャルネットワークサービスのアカウントを持ち、ソーシャルネットワークサービス管理サーバー1へログオンし、様々なコミュニケーション機能を利用し、他のユーザーとの交流を行うことができる。
【0015】
また、このソーシャルネットワークサービスでは、「グループ」を作成できる。グループとは、そのグループのメンバー間でメッセージを投稿したり、写真や動画を共有したりできるものである。投稿された情報は、メンバー以外には非公開とすることができる。
【0016】
従来のソーシャルネットワークサービスでは、グループへのユーザーの参加は、そのグループの管理者など一人のメンバーの承認で許可されていた。しかしながら、一人のメンバーの気まぐれで、あまり相応しくないユーザーがメンバーとしてグループへ加わることで、グループの運営に支障をきたすということもあった。
【0017】
そこで、本発明によるソーシャルネットワークサービス提供システムが提供するグループ機能では、2名以上のメンバーから成るグループへの参加は、そのグループの複数のメンバーによる賛成が必要とされる。特に、本実施例によるグループ機能では、グループへの参加は、そのグループの過半数のメンバーによる賛成が必要とされる。
【0018】
例えば、ユーザーAがグループを作成した直後は、ユーザーAのみがメンバーなので、ユーザーAの承認でユーザーBをメンバーに加えることができる。ユーザーAとユーザーBがメンバーとなったグループに対して、ユーザーCがグループへの参加リクエストを行った場合、メンバーの全員、すなわちユーザーAとユーザーBに参加承認の是非のアンケートが行われる(図2)。この場合、メンバーの数は2なので、ユーザーAとユーザーBの双方が賛成した時のみ過半数となり、ユーザーCのグループへの参加が認められる。つまり、参加リクエストは承認される。この承認結果、すなわちユーザーCのグループへの参加の事実は、グループの各メンバーへ通知される(図3)。
【0019】
更に、別のユーザーDがグループへの参加リクエストを行った場合も、メンバーの全員、すなわちユーザーA、ユーザーBおよびユーザーCに参加承認の是非のアンケートが行われる。この場合、メンバーの数は3なので、その過半数すなわちユーザーA、ユーザーBおよびユーザーCの中の二人または三人の賛成により、ユーザーCのグループへの参加が認められる。
【0020】
このようにグループのメンバーの過半数の賛成により参加リクエストは承認される。例えば、メンバーの数が100名であれば、51名以上の賛成により参加リクエストは承認される。
【実施例2】
【0021】
実施例1では、2名以上のメンバーから成るグループへの参加は、そのグループの複数のメンバーによる賛成が必要とされている。この実施例2でも、複数のメンバーによる賛成が、グループ参加の基本的な条件となっているが、例外が設けられる。
【0022】
すなわち、特別な条件が満たされれば、一人のメンバーによる賛成でもグループへの参加が認められる。この特別な条件とは、賛成するメンバーが、グループへの参加を希望するメンバーと同一場所にいるという条件である。言い換えれば、この二人が会っており、面識のあるユーザー同士であるということである。
【0023】
この為、参加を希望するユーザーが参加リクエストを送信する際には、現在位置を示す位置情報もソーシャルネットワークサービス管理サーバー1に送信する。同様に、このユーザーの参加に賛成する一人のメンバーも、現在位置を示す位置情報もソーシャルネットワークサービス管理サーバー1に送信する。
【0024】
これらの現在位置が同一場所を示していれば、賛成するメンバーが一人であっても、ソーシャルネットワークサービス管理サーバー1は、この参加リクエストを承認し、参加を希望するユーザーを当該グループへ新たなメンバーとして追加する。もしも、これらの現在位置が同一場所を示していなければ、賛成するメンバーが一人のみであれば、ソーシャルネットワークサービス管理サーバー1は、この参加リクエストを承認せず、参加を希望するユーザーを当該グループへ新たなメンバーとして追加することはしない。
【0025】
実際には、ソーシャルネットワークサービス提供システムでは、参加を希望するユーザーの現在位置と、賛成するメンバーの現在位置が、一定の間隔、具体的には10mから1kmの間で決められた間隔、例えば100m以内であれば同一場所とみなして、参加リクエストを承認する。この間隔以上離れていれば、参加リクエストを承認しない。
【0026】
この場合、面識のある場合に限り、メンバーの一人だけでも新たなユーザーをグループのメンバーへ追加することができる。従って、グループのメンバーの一人が、不用意に良く分からないユーザーをメンバーへ追加してしまうという事態は防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明に係わるソーシャルネットワークサービス提供システムによれば、ユーザーの参加リクエストに対して、複数のメンバーによる賛成が必要となっているので、グループへの参加を、そのグループにとって相応しいユーザーに限定することができる。
【0028】
複数のメンバーとしては、実施例1に示したように、そのグループに属するメンバーの過半数とすることができるが、これに限らない。例えば、メンバーの数とは無関係に二人のメンバーの賛成を、グループへの参加の要件としても良い。すなわち、100人のメンバーからなるグループであっても、二人のメンバーからなるグループであっても、承認するメンバーが二人いれば、参加リクエストを受理するようにしても良い。
【0029】
同様に、メンバーの数とは無関係に3人のメンバーの賛成を、グループへの参加の要件としても良いし、メンバーの数とは無関係に4人のメンバーの賛成を、グループへの参加の要件としても良い。あるいは、メンバーの1/3や2/3といったメンバーの一定割合を超える賛成により、グループへの参加を認めるようにしても良い。
【0030】
また、逆に最も厳しい条件として、メンバーの数とは無関係にメンバー全員の賛成を、グループへの参加の要件としても良い。すなわち、10人のメンバーからなるグループであれば、10人すべての賛成を必要とする。
【符号の説明】
【0031】
1 ソーシャルネットワークサービス管理サーバー
3 スマートフォン
5、7 パーソナルコンピュータ
図1
図2
図3