(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】電動アシスト自転車
(51)【国際特許分類】
B62M 6/45 20100101AFI20231027BHJP
【FI】
B62M6/45
(21)【出願番号】P 2019207320
(22)【出願日】2019-11-15
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 孝紀
(72)【発明者】
【氏名】片尾 公治
(72)【発明者】
【氏名】川上 将史
(72)【発明者】
【氏名】奥田 健斗
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-184147(JP,A)
【文献】特開2017-114449(JP,A)
【文献】特開2019-123476(JP,A)
【文献】特開平11-157474(JP,A)
【文献】特開2019-123474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルへの踏力による人力駆動力に、前記踏力の大きさに応じてモータから出力される第1補助動力を加えて走行する第1モードと、前記モータによる第2補助動力を出力して押し歩く、または前記第2補助動力を出力して自走させる第2モードとを実行可能な電動アシスト自転車であって、
前記電動アシスト自転車を前記第1モードで運転できない状態である場合にのみ、前記第2モードの実行を可能とするように、前記モータに前記第2補助動力を出力させる制御装置と、
ユーザにより操作されたときに、前記電動アシスト自転車を前記第1モードで運転できない状態に移行させる指示装置と、を
備え、
前記第1モードで運転できない状態とは、前記ユーザが前記電動アシスト自転車に乗車できない状態である、
電動アシスト自転車。
【請求項2】
請求項1に記載の電動アシスト自転車において、
前記指示装置は、サドルよりも前方に設けられる、
電動アシスト自転車。
【請求項3】
ペダルへの踏力による人力駆動力に、前記踏力の大きさに応じてモータから出力される第1補助動力を加えて走行する第1モードと、前記モータによる第2補助動力を出力して押し歩く、または前記第2補助動力を出力して自走させる第2モードとを実行可能な電動アシスト自転車であって、
前記電動アシスト自転車を前記第1モードで運転できない状態である場合にのみ、前記第2モードの実行を可能とするように、前記モータに前記第2補助動力を出力させる制御装置と、
前記電動アシスト自転車を前記第1モードで運転できない状態に移行させるための指示信号を、無線通信を介して受信し、前記指示信号を受信したことを表す情報を前記制御装置に送信する受信機と、を
備え、
前記第1モードで運転できない状態とは、ユーザが前記電動アシスト自転車に乗車できない状態である、
電動アシスト自転車。
【請求項4】
請求項1または請求項3に記載の電動アシスト自転車において、
前記ユーザが前記電動アシスト自転車に乗車できない状態とは、
前記ユーザがサドルに座ることができない状態
である、
電動アシスト自転車。
【請求項5】
請求項4に記載の電動アシスト自転車において、
前記サドルに座ることができない状態とは、前記サドルが跳ね上げられた状態である、
電動アシスト自転車。
【請求項6】
請求項1から
請求項5のいずれか1項に記載の電動アシスト自転車において、
前記電動アシスト自転車を前記第1モードで運転できない状態であることを外部に報知する第1モード不可報知装置を備える、
電動アシスト自転車。
【請求項7】
請求項1から
請求項6のいずれか1項に記載の電動アシスト自転車において、
前記第2モードの実行中であることを外部に報知する第2モード実行報知装置を備える、
電動アシスト自転車。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の電動アシスト自転車において、
前記指示装置は、前記第2モードの実行を開始するための操作装置を兼ねる、
電動アシスト自転車。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電動アシスト自転車において、
前記第2モードが実行されている状態において、前記第1補助動力が出力されないように、前記モータを制御する
、
電動アシスト自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動アシスト自転車に関し、特に、モータによる補助動力を出力して押し歩く、または補助動力を出力して自走させるモードを実行可能な電動アシスト自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動アシスト自転車において、ペダル駆動装置を補助する電動駆動装置と、電動駆動装置を自走動作させる手動スイッチと、ペダルを拘束するペダル固定手段とを含み、ペダル固定手段によりペダルが固定されたことが検出手段により検知されたときのみ、手動スイッチが作動可能である構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された構成では、ペダル固定手段でペダルを固定した場合にのみ、手動スイッチをオン状態として電動アシスト自転車を自走状態にすることができる。しかしながら、この場合には、ペダル固定手段について、ユーザが手動でペダルを固定することが必要となり、ユーザの操作が煩雑となる。また、電動アシスト自転車において、モータによる補助動力を出力して押し歩く、または補助動力を出力して自走させるモードの実行時における安全性を向上させることが望まれる。
【0005】
本開示の目的の少なくとも1つは、モータによる補助動力を出力して押し歩く、または補助動力を出力して自走させるモードを実行可能とするためのユーザの操作が煩雑となることを防止できる電動アシスト自転車を提供することである。本開示の目的の少なくとも1つは、モータによる補助動力を出力して押し歩く、または補助動力を出力して自走させるモードの実行時における安全性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である第1の電動アシスト自転車は、ペダルへの踏力による人力駆動力に、踏力の大きさに応じてモータから出力される第1補助動力を加えて走行する第1モードと、モータによる第2補助動力を出力して押し歩く、または第2補助動力を出力して自走させる第2モードとを実行可能な電動アシスト自転車であって、電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態である場合にのみ、第2モードの実行を可能とするように、モータに第2補助動力を出力させる制御装置と、ユーザにより操作されたときに、電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態に移行させる指示装置と、を備える、電動アシスト自転車である。
【0007】
また、本開示の一態様である第2の電動アシスト自転車は、ペダルへの踏力による人力駆動力に、踏力の大きさに応じてモータから出力される第1補助動力を加えて走行する第1モードと、モータによる第2補助動力を出力して押し歩く、または第2補助動力を出力して自走させる第2モードとを実行可能な電動アシスト自転車であって、電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態である場合にのみ、第2モードの実行を可能とするように、モータに第2補助動力を出力させる制御装置と、電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態に移行させるための指示信号を、無線通信を介して受信し、指示信号を受信したことを表す情報を制御装置に送信する受信機と、を備える、電動アシスト自転車である。
【0008】
また、本開示の一態様である第3の電動アシスト自転車は、ペダルへの踏力による人力駆動力に、踏力の大きさに応じてモータから出力される第1補助動力を加えて走行する第1モードと、モータによる第2補助動力を出力して押し歩く、または第2補助動力を出力して自走させる第2モードとを実行可能な電動アシスト自転車であって、第2モードが実行されている状態において、第1補助動力が出力されないように、モータを制御する制御装置を備える、電動アシスト自転車である。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る第1及び第2の電動アシスト自転車によれば、モータによる補助動力を出力して押し歩く、または補助動力を出力して自走させるモードを実行可能とするためのユーザの操作が煩雑となることを防止できる。例えば、第1の電動アシスト自転車では、ユーザが指示装置を操作して電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態に移行させることにより、第2モードの実行が可能となる。第2の電動アシスト自転車では、ユーザが、電動アシスト自転車とは別の指示装置により、電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態に移行させるための指示信号を受信器に送信することにより、第2モードの実行が可能となる。これにより、第1及び第2のいずれの電動アシスト自転車によっても、第2モードを実行可能とするためのユーザの操作が煩雑となることを防止できる。
【0010】
また、本開示に係る第3の電動アシスト自転車によれば、モータによる補助動力を出力して押し歩く、または補助動力を出力して自走させるモードの実行時における安全性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態の電動アシスト自転車を示す図である。
【
図2】実施形態において、サドル跳ね上げ機構を、一部を断面にして示す図である。
【
図3】実施形態において、ハンドルの一方側端部に取り付けられた指示装置を示す図である。
【
図4】実施形態の電動アシスト自転車の制御装置を中心とする構成のブロック図である。
【
図5】実施形態の電動アシスト自転車において、制御装置により第2モードの実行に移行する方法を示す図である。
【
図6】実施形態の別例の電動アシスト自転車において、
図4に対応する図である。
【
図7】実施形態の別例の電動アシスト自転車において、
図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る実施形態の電動アシスト自転車について詳細に説明する。以下で説明する数値、形状及び配置位置は、説明のための例示であって、電動アシスト自転車の仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0013】
図1は、本開示に係る実施形態の電動アシスト自転車1を示す図である。なお、本開示に係る電動アシスト自転車は、
図1に例示するようなシティーサイクルに限定されず、例えば、スポーツサイクル、折り畳み式の自転車等であってもよい。
【0014】
図1に例示するように、電動アシスト自転車1は、ペダル7の踏み込みのアシストモードとしての第1モードと、自転車にユーザが乗らない状態でモータ21(
図4)に補助動力を出力させて走行させる第2モードとを実行可能な自転車である。「第1モード」は、ペダル7への踏力による人力駆動力に、踏力の大きさに応じてモータ21から出力される第1補助動力を加えて走行する。「第2モード」は、「押し歩きモード」または「自走モード」である。「押し歩きモード」は、電動アシスト自転車1を人(ユーザ)が押して歩くときに、車体に、モータ21による第2補助動力を付加して押し歩くモードである。押し歩きモードは、人が電動アシスト自転車1に乗車しておらず、電動アシスト自転車1の車体を押しながら歩く場合に実行される。「自走モード」は、電動アシスト自転車1を人が支えた状態で、車体に、モータ21による第2補助動力を付加して自走させるモードである。自走モードは、押し歩きモードと同様に、人が電動アシスト自転車1に乗車しておらず、電動アシスト自転車1の車体を支えながら歩く場合に実行される。自走モードにおいて、人は、車体を前方に押す力を加えていない。グリップ4a(
図3)等に設けられたセンサで自転車の前方に加わる力を検出し、その大きさによって、「押し歩きモード」と「自走モード」とを判別してもよい。「押し歩きモード」と「自走モード」とを判別せずに第2モードとして実行してもよい。後述するように、実施形態の電動アシスト自転車1は、第1モードで運転できない状態である場合にのみ、第2モードの実行を可能とする。
【0015】
電動アシスト自転車1は、フレーム2、前輪3a、後輪3b、ハンドル4、サドル5、クランクアーム6、ペダル7、バッテリユニット10、及びモータユニット20を備える。電動アシスト自転車1は、第1モードが実行されるときに、ユーザがペダル7を踏む力(踏力)をモータユニット20のモータ21(
図4)によりアシストする。実施形態では、ペダル7の踏力及びモータ21の出力が、チェーン8を介して後輪3bに伝達される。
【0016】
フレーム2は、前輪3a、後輪3b、ハンドル4、サドル5等を連結し、バッテリ10及びモータユニット20を支持する。フレーム2は、複数のパイプで構成される。本実施形態では、複数のパイプとして、ヘッドパイプ2a、前フォーク2b、ダウンパイプ2c、シートパイプ2d、チェーンステー2e、シートステー2f、及びボトムブラケット(図示せず)が設けられている。ボトムブラケットは、ダウンパイプ2c、シートパイプ2d、及びチェーンステー2eを繋ぐパイプである。
【0017】
ハンドル4の下端にはステム11を介してステアリングコラム12が連結される。ヘッドパイプ2aの内側には、ステアリングコラム12が回転可能に挿通されて、ステアリングコラム12の下端部に前フォーク2bを支持する。前フォーク2bは、前輪3aを回転可能に支持する一対のレッグを有する。
【0018】
ダウンパイプ2cは、ヘッドパイプ2aとボトムブラケットを繋ぐパイプである。ダウンパイプ2cは、電動アシスト自転車1の前方に近づくほど上方に位置するように傾斜している。シートパイプ2dは、サドル5を保持するパイプであって、上端から下端に向かって電動アシスト自転車1の前方に傾斜している。実施形態では、バッテリユニット10がシートパイプ2dに取り付けられ、モータユニット20がボトムブラケットに取り付けられている。
【0019】
チェーンステー2eは、シートステー2fとボトムブラケットを繋ぐパイプであって、ボトムブラケットの後方端部から自転車の後方に延び、後輪3bを両側から挟むように左右に1本ずつ設けられている。シートステー2fも、チェーンステー2eと同様に、後輪3bを両側から挟むように左右に1本ずつ設けられている。左右のシートステー2fは、シートパイプ2dの上部から後輪3bの径方向中央部まで延び、当該中央部で左右のチェーンステー2eと一対一で連結されている。チェーンステー2eの後方端部には、後輪3bが回転可能に支持されている。サドル5の後側には、荷物を載せるためのキャリア13が配置される。キャリア13の前側は、左右のシートステー2fに接続される。
【0020】
電動アシスト自転車1は、クランクアーム6の一端が取り付けられる図示しない入力軸と、入力軸の回転に伴って回転する駆動スプロケットと、後輪3bに設けられた後輪スプロケットとを備え(いずれも図示せず)、駆動スプロケットと後輪スプロケットがチェーン8を介して連結されている。なお、クランクアーム6及びその他部に取り付けられたペダル7は、電動アシスト自転車1の左右に1つずつ設けられ、一対のクランクアーム6の一端部同士は、入力軸で連結されている。本実施形態では、モータ21の出力としての動力が、減速歯車等を介して駆動スプロケットに伝達され、チェーン8を介して後輪3bに伝達される。
【0021】
バッテリユニット10は、少なくともモータユニット20に電力を供給する電源装置である。バッテリユニット10は、前照灯9等の、モータユニット20以外の機器に電力を供給する構成としてもよい。
【0022】
モータユニット20は、ペダル7の踏力をアシストする駆動ユニットである。モータユニット20は、例えば、上記入力軸に作用するトルクである踏力及び入力軸の単位時間当たりの回転数に基づいて、モータ21を駆動させるように、その出力が制御される。モータ21の駆動は、後述する制御装置40(
図4)によって制御される。制御装置40は、少なくとも一部が、モータユニット20の筐体内にモータ21(
図4)と共に収納されて、モータ21とユニット化されてもよい。
【0023】
図2は、実施形態において、サドル跳ね上げ機構を、一部を断面にして示す図である。サドル5は、ユーザが座ることが可能な部分である。シートパイプ2dの上端にはパイプ上端部材23が固定される。パイプ上端部材23にはサドル5が、自転車の左右方向(
図2の紙面の表裏方向)に延びる軸O1を中心に回動可能に取り付けられる。サドル5の内側には係止部5aが形成され、係止部5aとパイプ上端部材23との間にバネ24が設けられる。バネ24は、サドル5を
図2の二点鎖線で示すように軸O1を中心に回動させて跳ね上げる方向に付勢する。また、パイプ上端部材23には係止片25が自転車の左右方向の軸を中心に回動可能に支持されている。サドル5が
図2の実線で示すようにユーザの乗車可能な位置に回動した状態で、係止片25の先端部が係止部5aに形成された係止孔5bに係合可能としている。パイプ上端部材23と係止片25との間にバネ29が設けられ、このバネ29により係止片25が係止孔5bに係合する方向に付勢されている。係止片25の先端部にはワイヤ26の一端が結合される。ワイヤ26の他端は、
図3に示すハンドル4の周辺部に設けられた後述の操作レバー28に結合される。
【0024】
図3は、実施形態において、ハンドル4の一方側端部に取り付けられた指示装置である操作レバー28を示す図である。ハンドル4の両端部には、グリップ4a及びブレーキレバー4bが取り付けられている。
図3では、ハンドル4のうち、一方側端部のみを示している。グリップ4aはユーザが乗車した状態で、手で握る部分である。グリップ4aは、ユーザが自転車から降りて自転車を押し歩きする場合にもユーザが握る部分として使用される。ブレーキレバー4bが操作されることで、後輪3bに取り付けられたブレーキ装置が駆動される。
図3では図示しないハンドル4の他方側端部に取り付けられたブレーキレバーが操作されることで、前輪3aに取り付けられたブレーキ装置が駆動される。
【0025】
ハンドル4の一方側端部において、グリップ4aの近傍には、レバー支持部27が固定される。レバー支持部27には、操作レバー28が軸O2を中心に回動可能に取り付けられる。これにより、操作レバー28は、電動アシスト自転車1のサドル5よりも前方に設けられる。操作レバー28は、ユーザにより操作可能である。例えば、操作レバー28は、ユーザが自転車から降りて押し歩きを始める際に、操作可能な位置に設けることが好ましい。操作レバー28が、ハンドル4のグリップ4a近傍に設けられることにより、ユーザの操作性が向上する。操作レバー28の操作側端部(
図3の下端部)と反対側にはワイヤ26の他端が結合される。操作レバー28とレバー支持部27との間にバネ(図示せず)が設けられ、このバネにより操作レバー28に所定方向(
図3の矢印A1方向)に回動する方向に付勢されてもよい。操作レバー28が所定方向に回動した状態で、
図2に実線のワイヤ26で示すようにワイヤ26の一端側がサドル5側に押されて係止片25がバネ29の付勢力により係止部5aの係止孔5bに係止される。この状態でユーザのサドル5への着座が可能となる。
【0026】
一方、
図3に示すように、操作レバー28がユーザにより、所定方向と逆方向(
図3の矢印A2方向)に回動するように操作された場合には、ワイヤ26がハンドル4側に引かれて、
図2に示す係止片25が
図2の二点鎖線で示すように回動する。この状態では、係止片25が係止部5aの係止孔5bから外れるので、サドル5がバネ24の付勢力によって
図2の二点鎖線で示すように跳ね上げられる。これにより、ユーザがサドル5に座ることができない状態となる。ユーザが電動アシスト自転車1のサドル5に座ることができない状態は、電動アシスト自転車1を第1モードで運転できない状態に相当する。このため、操作レバー28は、ユーザにより操作されたときに、機構的に、電動アシスト自転車1を第1モードで運転できない状態に移行させる。サドル5、ワイヤ26、係止片25、及びバネ24が、操作レバー28で作動されるサドル踏み上げ機構を構成する。
【0027】
さらに、
図3に示すレバー支持部27には、ユーザによる操作レバー28の操作を検出する指示装置操作センサ31が配置される。指示装置操作センサ31は、例えばリミットスイッチである。指示装置操作センサ31の検出値を表す情報は、制御装置40に送信される。
【0028】
さらに、ハンドル4の一方側端部において、グリップ4aの近傍には、手動スイッチ32が取り付けられる。
図3では、手動スイッチ32は、操作レバー28とハンドル4に対し前後方向(
図3の上下方向)反対側に配置されるが、この配置位置には限定されない。手動スイッチ32は、ユーザが自転車から降りて押し歩きをする際に、操作可能な位置に設けることが好ましい。手動スイッチ32は、第2モードを実行するためにユーザの操作を受け付ける。手動スイッチ32は、例えばモーメンタリスイッチであり、ユーザによって押し下げられている場合のみ、第2モードを実行するための第2モードオン信号を制御装置40に出力し続ける。手動スイッチ32の押し下げが行われない場合には、手動スイッチ32は第2モードオン信号を制御装置40に出力しない。これにより、ユーザは、操作レバー28を操作して、電動アシスト自転車1を第1モードで運転できない状態に移行させた後、手動スイッチ32の押し下げによって第2モードを実行させることができる。これにより、ユーザが自転車を降りて押し歩きする際にユーザが自転車を前方に押す力を軽減できる。手動スイッチ32及び操作レバー28は、ハンドル4の他方側端部に設けられていてもよい。
【0029】
図4、
図5を用いて、電動アシスト自転車1を第2モードへ移行させるための制御装置40を中心とする構成を詳しく説明する。
図4は、実施形態の電動アシスト自転車1の制御装置40を中心とする構成のブロック図である。制御装置40にはモータ21と、センサスイッチ群30と、第1モード不可報知装置38と、第2モード実行報知装置39とが接続される。制御装置40は、例えば、マイクロコンピュータで構成され、演算処理を実行するプロセッサ、演算に使用する計測データ、演算結果、処理プログラム等を記憶するメモリ、及び入出力ポートなどを備える。プロセッサは、例えばCPUで構成され、メモリに記憶された処理プログラムを読み出して実行する機能を有する。一般的に、制御装置40の各機能は当該処理プログラムを実行することで実現される。メモリは、ROM等の不揮発性メモリ、RAM等の揮発性メモリ等である。制御装置40は、電動アシスト自転車1が第1モードで運転できない状態であるか否かを判定する機能と、第1モードを実行させる機能と、第2モードを実行させる機能とを有する。
【0030】
モータ21は、モータユニット20に含まれる駆動回路(図示せず)を介して、制御装置40により出力が制御される。モータ21は、例えば3相ブラシレスDCモータである。モータ21は、バッテリユニット10から供給される電力により駆動される電動機であれば種々の構成を採用できる。
【0031】
センサスイッチ群30は、踏力センサ33、車速センサ34、クランク回転センサ35、指示装置操作センサ31、電源スイッチ36、及び手動スイッチ32を含んでいる。踏力センサ33は、例えば磁歪式のトルクセンサであり、ペダルへの踏力である人力駆動力に基づいて入力軸が回転することにより発生する人力駆動力を検出する。踏力センサ33の検出値を表す情報は、制御装置40に送信される。
【0032】
車速センサ34は、例えば前フォーク2bの下端部に設けられ、前輪3aの単位時間当たりの回転数から電動アシスト自転車1の走行速度を検出する。車速センサ34の検出値を表す情報は、制御装置40に送信される。車速センサ34は、例えばホイールセンサ等の速度センサである。車速センサ34は、後輪3bの回転支持部に取り付けられ、後輪3bの回転数から電動アシスト自転車1の走行速度を検出してもよい。
【0033】
クランク回転センサ35は、入力軸の単位時間当たりの回転数を検出する。クランク回転センサ35の検出値を表す情報は、制御装置40に送信される。クランク回転センサ35は、例えば歯車状の回転体とその両側の光出射部及び受光部とを含んで構成される。
【0034】
電源スイッチ36は、ユーザが第1モードを実行させるためのスイッチである。第1モードは、電源スイッチ36がオンされて、ユーザがペダル7を踏み込み操作することによって実行される。例えば、ユーザが電動アシスト自転車1に乗車してペダル7を踏み込み操作を行い、その操作による踏力が所定値以上となった場合に実行される。制御装置40は、第1モードが実行されると、ペダル7への踏力の検出値と、車速センサ34の検出値とに基づいて、モータ21に出力させる第1補助動力を算出し、算出された第1補助動力でモータ21を駆動する。
【0035】
さらに、制御装置40は、手動スイッチ32のオン操作によって第2モードを実行する場合に、電動アシスト自転車1を第1モードで運転できない状態である場合にのみ、第2モードの実行を可能とするように、モータ21に第2補助動力を出力させる。このために、制御装置40は、電動アシスト自転車1を第1モードで運転できない状態であるか否かを判定する。
【0036】
図5は、実施形態の電動アシスト自転車1において、制御装置40により第2モードの実行に移行する方法を示す図である。
図5のフローチャートは、制御装置40により実行される。ステップS10において、指示装置である操作レバー28が操作され、第1モードでの運転ができない状態である(第1モードでの運転が不可である)か否かが判定される。ステップS10の判定が肯定判定(YES)の場合には、ステップS12で手動スイッチ32がオンされているか否かが判定される。ステップS12の判定が肯定判定(YES)の場合には、ステップS14に移行し、第2モードが実行され、処理が終了する。なお前述のとおり、このときサドル5は跳ね上げられることで、ユーザが座ることができない状態となる。第2モードでは、手動スイッチ32がオンされている間、モータ21に第2補助動力を出力させる。これにより、ユーザが自転車を降りた状態で、押し歩きモード、自走モード等の第2モードの実行が可能となる。このとき、制御装置40は、第2モードの実行において、電動アシスト自転車1の自走速度を所定速度以下、例えば時速6km以下、または時速3km以下等に制限する。ステップS10またはステップS12の判定が否定判定(NO)の場合には、ステップS10に戻って処理が繰り返される。
【0037】
図4に戻って、第1モード不可報知装置38は、電動アシスト自転車1が第1モードで運転ができない状態である場合に、制御装置40により作動される。第1モード不可報知装置38は、電動アシスト自転車1の前側に装備された前照灯9、または後側に装備された尾灯等のランプ、またはブザー、音声発生部等の通知音発生部である。ランプにより視覚的に、電動アシスト自転車1を第1モードで運転できない状態であることが外部に報知される。通知音発生部により聴覚的に、電動アシスト自転車1を第1モードで運転できない状態であることが外部に報知される。これにより、ユーザまたは電動アシスト自転車1の周囲にいる人が、電動アシスト自転車1を第1モードで運転できない状態であることを認識できる。また、第1モード不可報知装置38を、制御装置40に接続された送信機として、その送信器から、電動アシスト自転車1を第1モードで運転できない状態であることを表す無線信号を、スマートフォン等の携帯端末や、サーバ等の外部のコンピュータに、通信ネットワーク等を介して送信して報知できる構成としてもよい。なお、グリップ4aに振動を発生させることで触覚的に電動アシスト自転車1が第1モードで運転できない状態であることをユーザへ報知する報知装置を別途設けてもよい。この場合には、報知対象がユーザとなる。
【0038】
第2モード実行報知装置39は、第2モードの実行中である場合に、制御装置40により作動される。第2モード実行報知装置39は、第1モード不可報知装置38と同様のランプ、または通知音発生部、または振動発生部である。第2モード実行報知装置39は、第2モードの実行中であることを外部に報知する。これにより、電動アシスト自転車1から離れた位置にいる周囲の人が、電動アシスト自転車1が第2モードの実行中であることを認識できる。このため、例えば自転車のサドル5の後側のキャリア13に着座したり、ペダル7に乗って立った状態で手動スイッチ32をオン操作して自走させるような不正な行為を目視等により、警察官等の周囲の人が容易に発見できるので、不正な行為を抑制できる。
【0039】
また、第2モード実行報知装置39を、制御装置40に接続された送信機として、その送信器から、電動アシスト自転車1が第2モードの実行中であること表す無線信号を、スマートフォン等の携帯情報端末や、サーバ等の外部のコンピュータに、通信ネットワーク等を介して送信して報知できる構成としてもよい。例えば、ユーザが不正な行為を行っていることを、警察官が携帯情報端末を用いて容易に確認できる。
【0040】
第1モード不可報知装置38及び第2モード実行報知装置39の一方または両方は、自転車から離れた人に報知するために、前照灯9や尾灯等のライトとして、そのライトの発光パターンを点滅させる等、報知時における点灯状態を、通常の点灯状態と異ならせてもよい。このとき、第1モード不可報知装置38または第2モード実行報知装置39は、自転車の左右に分かれて配置された尾灯のライトとすることができ、発光色を通常の点灯状態と異ならせてもよい。
【0041】
上記の電動アシスト自転車1によれば、自転車が第1モードで運転できない状態である場合にのみ第2モードの実行が可能となり、かつ、第2モードを実行可能とするためのユーザの操作が煩雑となることを防止できる。具体的には、ユーザが操作レバー28を操作して電動アシスト自転車1を第1モードで運転できない状態に移行させることにより、第2モードの実行が可能となる。これにより、第2モードを実行可能とするためのユーザの操作が煩雑となることを防止できる。
【0042】
なお、ユーザの指示装置の操作により電動アシスト自転車1を、機構的に第1モードで運転できない状態とするために、サドル跳ね上げ機構以外の構成を採用してもよい。例えば、指示装置の操作によってペダル7の位置がロックされたり、ペダル7の操作に伴うクランクアーム6の回転が妨げられるようにしたり、ハンドル4がロックされ向きを変更できないようにしてもよい。例えば、操作レバー28の操作によりワイヤを引っ張って、ワイヤに接続されたロック装置によりペダル7またはクランクアーム6がロックされたり、ハンドル4がロックされるようにしてもよい。上記のようにペダル7の位置がロックされた場合、または、ペダル7の操作に伴うクランクアーム6の回転が妨げられる場合には、ユーザが電動アシスト自転車1に乗ってペダル7を踏み込み操作することができない状態となる。この状態は、電動アシスト自転車1を第1モードで運転できない状態に相当する。
【0043】
また、指示装置は、サドル5より前方に設けることが好ましいが、ハンドル4以外に、例えばステム11、ステアリングコラム12、またはヘッドパイプ2aに指示装置が設けられてもよい。
【0044】
図6は、実施形態の別例の電動アシスト自転車において、
図4に対応する図である。本例の電動アシスト自転車には、操作レバー28と、サドル跳ね上げ機構とが設けられていない。本例の電動アシスト自転車の場合、センサスイッチ群30aは、制御装置40に接続された第1モード禁止スイッチ41を備える。第1モード禁止スイッチ41は、指示装置に相当する。例えば、第1モード禁止スイッチ41は、
図3で操作レバー28が設けられていた位置と同様に、ハンドル4のグリップ4a近傍等の、サドル5より前方に配置することができる。第1モード禁止スイッチ41は、電動アシスト自転車に、制御的に、第1モードで運転できない状態に移行させる。第1モード禁止スイッチ41は、例えば押しボタンまたはロッカースイッチである。第1モード禁止スイッチ41がオンに操作されることにより、制御装置40の状態が変更される。具体的には、制御装置40は、そのオンを表す信号を受け取って、第1モードの実行を禁止するので第1モードが実行されない状態となる。第1モードが実行されない状態は、電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態である。この第1モードが実行されない状態では、ユーザが手動スイッチ32をオンに操作している間、第2モードの実行が可能となる。このような構成では、
図1~
図5の構成のように操作レバー28及びサドル跳ね上げ機構を設ける構成に比べて部品点数を少なくできる。本例において、その他の構成及び作用は、
図1~
図5の構成と同様である。
【0045】
なお、
図6の構成において、指示装置には、第1モード禁止スイッチ41とは別に第1モード許可スイッチ(図示せず)が設けられてもよい。また、第1モード禁止スイッチ41が、第1モード許可スイッチの機能を持っていてもよい。例えば、第1モード禁止スイッチ41が押しボタンであり、1度押し下げてオンにした後、再度の押し下げによってオフになる構成としてもよい。第1モード許可スイッチのオン、または第1モード禁止スイッチ41のオフを表す信号は制御装置40に出力される。制御装置40は、第1モード許可スイッチのオン、または第1モード禁止スイッチ41のオフを表す信号が入力されることにより、第1モードの実行を可能とする。このとき、第2モードは実行できない状態となる。
【0046】
また、
図6を参照して、実施形態の別例として、電動アシスト自転車がサドルの上に加わった重量を検出するサドル荷重センサ42を備える構成としてもよい。例えば、シートパイプ2d(
図2)の代わりに、外筒とその内側に摺動可能に配置する内筒とでシートパイプを伸縮可能な構成とし、外筒及び内筒の間にシートパイプを伸張する方向に付勢するスプリングを設ける。また、外筒及び内筒で長手方向に挟むように、スプリング及びサドル荷重センサ42としての押下式スイッチを設ける。サドル荷重センサ42の検出値を表す情報は制御装置40に送信される。制御装置40は、第1モード禁止スイッチ41がオンに操作されたときに、サドル荷重センサ42を有効とする。そして、制御装置40は、ユーザがサドル5に着座してサドル荷重センサ42で所定値以上の重量が加わったと検出された場合にのみ、モータ21が第1補助動力及び第2補助動力のいずれも出力しない構成として、電動アシスト自転車を、第1モードで運転できない状態に移行させる。ユーザが電動アシスト自転車から降りた状態で、第1モード禁止スイッチ41がオンに操作されたときには、モータ21による第1補助動力の出力を停止するが、手動スイッチ32のオン操作によって第2補助動力が出力される構成としてもよい。このとき、制御装置40は、第1モード禁止スイッチ41がオンに操作された場合に、手動スイッチ32がオン操作されることにより第2モードが実行されている状態において、第1補助動力が出力されないように、モータ21を制御する。これにより、ユーザが電動アシスト自転車から降りて自転車を保持して歩く場合に、誤ってユーザが電源スイッチ36を押した後、ユーザの体がペダル7に当たっても第1モードが実行されることがなくなる。このため、第1モードでペダル7の回転に伴ってモータ21の第1補助動力が急増するように出力されて自転車が大きく加速することを防止できる。このため、電動アシスト自転車の安全性の向上を図れる。このように、第1モード禁止スイッチ41を指示装置として設ける構成では、指示装置の配置位置の自由度を高くできる。これにより、ユーザが操作しやすい位置に指示装置を配置しやすくなり、電動アシスト自転車を第1モードで運転できないようにするための操作性が向上する。
【0047】
図6に示した構成では、電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態に移行させる指示装置と、第2モードを実行させる手動スイッチ32とが別に設けられているが、指示装置が、第2モードの実行を開始するための操作装置を兼ねていてもよい。例えば、指示装置を押し下げる等によりオン操作をしたときに、電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態に移行させ、その状態で第2モードを実行するようにモータに第2補助動力を出力させる指示が、指示装置から制御装置40に送信される構成としてもよい。このとき、制御装置40は、第2モードが実行されている状態において、第1補助動力が出力されないように、モータ21を制御する。つまり、第2モードが実行されている間は、第1モードが実行されることはない。これにより、ユーザが電動アシスト自転車から降りて自転車を保持して歩く場合に、誤ってペダル7がユーザの体や段差等の突起に当たってしまった場合でも、第1モードが実行されることがなくなる。このため、第1モードでペダル7の回転に伴ってモータ21の第1補助動力が急増するように出力されて自転車が大きく加速することを防止できる。このため、電動アシスト自転車の安全性の向上を図れる。さらに、指示装置を押しボタンとする場合に、指示装置を1度押し下げると、電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態に移行させ、指示装置を再度押し下げると、第2モードを実行するようにモータに第2補助動力を出力させる構成としてもよい。このように1つの指示装置が、電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態に移行させる機能と、第2モードを実行させる機能とを有する場合には、ユーザの操作がより簡単になり、ユーザの利便性が向上する。
【0048】
図7は、実施形態の別例の電動アシスト自転車において、
図4に対応する図である。本例の構成では、
図6の構成において、センサスイッチ群30bにおいて第1モード禁止スイッチ41を省略する。その代わりに、本例の電動アシスト自転車は、制御装置40に接続された受信機43を備える。受信機43は、電動アシスト自転車に取り付けられるものであればその配置位置は限定されないが、例えば、制御装置40の近くに配置することができる。受信機43は、電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態に移行させるための指示信号を、無線通信を介して受信し、その指示信号を受信したことを表す情報を制御装置40に送信する。
【0049】
一方、受信機43に指示信号を送信するために、電動アシスト自転車とは別の携帯型の通信装置であり、指示装置であるスマートフォン等の携帯情報端末44が用いられる。例えば、携帯情報端末44に所定のアプリケーションプログラムが記憶され、そのプログラムがユーザの操作により実行されることにより、上記の指示信号が受信機43に送信される。制御装置40は、受信機を介してその指示信号を受信したときに、第1モードの実行を禁止する。これにより、第1モードの実行が禁止されている状態で、ユーザが手動スイッチ32をオンに操作している間、第2モードの実行が可能となる。
【0050】
なお、
図7の構成において、指示装置は、通信機能付きのスペアキー等の携帯端末としてもよい。例えば、スペアキーに押しボタン等の操作部が設けられ、ユーザにより操作部が操作されることで、スペアキーから、電動アシスト自転車を第1モードで運転できない状態に移行させるための指示信号が、無線通信により受信機43に送信される構成とする。本例において、その他の構成及び作用は、
図1~
図5の構成、または
図6の構成と同様である。
【0051】
また、
図6、
図7の構成では、第2モードの実行中であることを外部に報知する第2モード実行報知装置39が設けられる。これにより、ユーザにより第1モードの実行を禁止しながら、サドル5に着座した状態で手動スイッチ32をオン操作して自走させるという不正な行為も、警察官等の自転車の周囲にいる人が発見しやすくなるので、不正な行為を抑制できる。また、上記の各実施形態では、第1モード不可報知装置38及び第2モード実行報知装置39を設けているが、各報知装置38,39の一方または両方を省略してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 電動アシスト自転車、2 フレーム、2a ヘッドパイプ、2b 前フォーク、2c ダウンパイプ、2d シートパイプ、2e チェーンステー、2f シートステー、3a 前輪、3b 後輪、4 ハンドル、4a グリップ、4b ブレーキレバー、5 サドル、5a 係止部、5b 係止孔、6 クランクアーム、7 ペダル、8 チェーン、9 前照灯、10 バッテリユニット、11 ステム、12 ステアリングコラム、13 キャリア、20 モータユニット、21 モータ、23 パイプ上端部材、24 バネ、25 係止片、26 ワイヤ、27 レバー支持部、28 操作レバー、29 バネ、30,30a,30b センサスイッチ群、31 指示装置操作センサ、32 手動スイッチ、33 踏力センサ、34 車速センサ、35 クランク回転センサ、36 電源スイッチ、38 第1モード不可報知装置、39 第2モード実行報知装置、40 制御装置、41 第1モード禁止スイッチ、42 サドル荷重センサ、43 受信機、44 携帯情報端末。