(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、および、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5375 20140101AFI20231027BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20231027BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20231027BHJP
A63F 13/54 20140101ALI20231027BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20231027BHJP
【FI】
A63F13/5375
A63F13/428
A63F13/55
A63F13/54
G06T19/00 300B
(21)【出願番号】P 2021074630
(22)【出願日】2021-04-27
(62)【分割の表示】P 2018088174の分割
【原出願日】2018-05-01
【審査請求日】2021-04-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】野▲崎▼ 雅人
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特許第6257827(JP,B1)
【文献】特開2015-231443(JP,A)
【文献】ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3,Nintendo DREAM,日本,株式会社アンビット,2016年05月01日,第21巻第5号通巻265号,第34~35頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を、
仮想空間情報を、プレイヤの頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイに出力させる出力制御部と、
前記ヘッドマウントディスプレイの向きを用いて特定される前記プレイヤの注目領域を、前記ヘッドマウントディスプレイに表示させる画像の一部に設定し、少なくとも一部が前記注目領域に位置するオブジェクトを、前記プレイヤが注視しているオブジェクトとして特定するオブジェクト特定部と、
前記プレイヤが所定のアイテムを有している
との条件
が満たされた際に、前記オブジェクト特定部が特定しているオブジェクトに関わる情報であって特定されることで公開されるアシスト情報を出力させる進行管理部として機能させ、
前記オブジェクト特定部が、前
記プレイヤが注視しているオブジェクトとしてアバタが着脱可能な第1のアイテムを特定した場合、
前記進行管理部は、
前記プレイヤが前記所定のアイテムとしての第2のアイテムを有しているとの前記条件が満たされた際に、前記プレイヤが有している前記第2のアイテムに応じて前記アシスト情報の出力態様を変更し、前記出力態様が変更された前記アシスト情報を出力させる
プログラム。
【請求項2】
前記オブジェクト特定部が、前
記プレイヤが注視しているオブジェクトとしてキャラクタを特定した場合、
前記進行管理部は、前記キャラクタの能力を前記アシスト情報として出力させる
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記進行管理部は、前記第1のアイテムから発生する特典又は報償を前記アシスト情報として出力させる
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記オブジェクト特定部が、前
記プレイヤが注視しているオブジェクトとしてキャラクタを特定した場合、
前記進行管理部は、前記キャラクタの心理に関する情報を前記アシスト情報として出力させる
請求項1~3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記オブジェクト特定部が、前
記プレイヤが注視しているオブジェクトとしてキャラクタを特定した場合、
前記進行管理部は、前記キャラクタに対する攻撃が有効に作用する位置又は領域に関する情報を前記アシスト情報として出力させる
請求項1~4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記オブジェクト特定部が、前
記プレイヤが注視しているオブジェクトとして中身を有するオブジェクトを特定した場合、
前記進行管理部は、前記中身の画像を前記アシスト情報として出力させる
請求項1~5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記進行管理部は、前記アシスト情報をテキスト情報として出力する
請求項1~6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記進行管理部は、前記アシスト情報を音声として出力する
請求項1~7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記オブジェクト特定部は、
前記プレイヤが注視していると特定したオブジェクトについて、当該オブジェクトの少なくとも一部が所定期間にわたり障害物で表示を遮られ続けたときに、
当該オブジェクトを
前記プレイヤが注視していないと判断する
請求項1~
8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記オブジェクト特定部は、
前記プレイヤが注視していると特定したオブジェクトが動体である場合に、当該オブジェクトの少なくとも一部が障害物で表示を遮られる期間に、
前記プレイヤが
当該オブジェクトを注視し続けていると判断する
請求項1~
8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記アシスト情報は、前記アシスト情報の出力形式に関する情報を含み、
前記進行管理部は、特定された前記第1のアイテムに関連付けられた前記アシスト情報を取得し、前記アシスト情報を出力する状況において、前記出力形式に関する情報に基づいて前記アシスト情報を出力する
請求項1~
10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
制御部が、
仮想空間情報を、プレイヤの頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイに出力させるステップと、
前記ヘッドマウントディスプレイの向きを用いて特定される前記プレイヤの注目領域を、前記ヘッドマウントディスプレイに表示させる画像の一部に設定し、少なくとも一部が前記注目領域に位置するオブジェクトを、前記プレイヤが注視しているオブジェクトとして特定するステップと、
前記プレイヤが所定のアイテムを有している
との条件
が満たされた際に、前記特定しているオブジェクトに関わる情報であって特定されることで公開されるアシスト情報を出力させる出力ステップとを実行するとともに、
前記オブジェクトを特定するステップにおいて、前
記プレイヤが注視しているオブジェクトとしてアバタが着脱可能な第1のアイテムを特定した場合、
前記出力ステップにおいて、前記プレイヤが前記所定のアイテムとしての第2のアイテムを有しているとの前記条件が満たされた際に、前記プレイヤが有している前記第2のアイテムに応じて前記アシスト情報の出力態様を変更し、前記出力態様が変更された前記アシスト情報を出力させる
情報処理方法。
【請求項13】
仮想空間情報を、プレイヤの頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイに出力させる出力制御部と、
前記ヘッドマウントディスプレイの向きを用いて特定される前記プレイヤの注目領域を、前記ヘッドマウントディスプレイに表示させる画像の一部に設定し、少なくとも一部が前記注目領域に位置するオブジェクトを、前記プレイヤが注視しているオブジェクトとして特定するオブジェクト特定部と、
前記プレイヤが所定のアイテムを有している
との条件
が満たされた際に、前記オブジェクト特定部が特定しているオブジェクトに関わる情報であって特定されることで公開されるアシスト情報を出力させる進行管理部とを備え、
前記オブジェクト特定部が、前
記プレイヤが注視しているオブジェクトとしてアバタが着脱可能な第1のアイテムを特定した場合、
前記進行管理部は、
前記プレイヤが前記所定のアイテムとしての第2のアイテムを有しているとの前記条件が満たされた際に、前記プレイヤが有している前記第2のアイテムに応じて前記アシスト情報の出力態様を変更し、前記出力態様が変更された前記アシスト情報を出力させる
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間の画像をディスプレイに表示させるプログラム、情報処理方法、および、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDと示す)は、ユーザの頭部に装着されて、仮想空間の画像をユーザに向けて表示する。仮想空間の画像に含まれるオブジェクトは、ユーザによるコントローラの操作によって選択される(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バーチャルリアリティゲーム(以下、VRゲームと示す)は、HMDが表示する仮想空間の画像をゲーム画像に用いる。ゲーム画像でのオブジェクトの選択、オブジェクトの移動、オブジェクトの生成、オブジェクトの消滅などは、プレイヤの指示によって進行する。
【0005】
プレイヤによる多くの指示は、通常、コントローラの操作のみで受け付けられる。指示の種類の増加や、指示の機会の増加は、プレイヤをゲームに惹きつけるが、複数の操作ボタンを同時に動かすような、複雑で煩わしい操作を増やしてしまう。現実空間での操作の煩わしさは、仮想空間に対する興味を失わせてしまう要因ともなる。
【0006】
本発明の目的は、仮想空間情報の出力に関わる指示を円滑に出力可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためのプログラムは、制御部に仮想空間情報をプレイヤの頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイに出力させるゲーム処理プログラムであって、前記制御部を、前記ヘッドマウントディスプレイの向きを用いて特定される前記プレイヤの注目領域を、前記ヘッドマウントディスプレイに表示させる画像の一部に設定し、少なくとも一部が前記注目領域に位置するオブジェクトを、前記プレイヤが注視しているオブジェクトとして特定するオブジェクト特定部と、前記プレイヤが所定のアイテムを有していることを条件に、前記オブジェクト特定部が特定しているオブジェクトに関わる情報であって特定されることで公開されるアシスト情報を出力させる進行管理部として機能させる。
【0008】
上記プログラムについて、前記進行管理部は、特定している前記オブジェクトがキャラクタである場合に、前記キャラクタの能力を前記アシスト情報として出力してもよい。
上記プログラムについて、前記進行管理部は、特定している前記オブジェクトがアイテムである場合に、前記アイテムから発生する特典又は報償を前記アシスト情報として出力してもよい。
【0009】
上記プログラムについて、前記進行管理部は、特定している前記オブジェクトがキャラクタである場合に、前記キャラクタの心理に関する情報を前記アシスト情報として出力してもよい。
【0010】
上記プログラムについて、前記進行管理部は、特定している前記オブジェクトがキャラクタである場合に、前記キャラクタに対する攻撃が有効に作用する位置又は領域に関する情報を前記アシスト情報として出力してもよい。
【0011】
上記プログラムについて、前記進行管理部は、特定した前記オブジェクトが中身を有するものである場合、前記中身の画像を出してもよい。
上記プログラムについて、前記進行管理部は、前記アシスト情報をテキスト情報として出力してもよい。
【0012】
上記プログラムについて、前記進行管理部は、前記アシスト情報を音声として出力してもよい。
上記プログラムについて、前記オブジェクト特定部は、前記仮想空間での前記注目領域の動きに追従しているオブジェクトを、プレイヤが注視しているオブジェクトに特定してもよい。
【0013】
上記プログラムについて、前記オブジェクト特定部は、プレイヤが注視していると特定されたオブジェクトについて、当該オブジェクトの少なくとも一部が所定期間にわたり障害物で表示を遮られ続けたときに、該オブジェクトをプレイヤが注視していないと判断してもよい。
上記プログラムについて、前記オブジェクト特定部は、プレイヤが注視していると特定されたオブジェクトが動体である場合に、当該オブジェクトの少なくとも一部が障害物で表示を遮られる期間に、プレイヤが該オブジェクトを注視し続けていると判断してもよい。
【0014】
上記課題を解決する情報処理方法は、制御部が仮想空間情報をプレイヤの頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイに出力する情報処理方法であって、前記制御部が、前記ヘッドマウントディスプレイの向きを用いて特定される前記プレイヤの注目領域を、前記ヘッドマウントディスプレイに表示させる画像の一部に設定し、少なくとも一部が前記注目領域に位置するオブジェクトを、前記プレイヤが注視しているオブジェクトとして特定するステップと、前記プレイヤが所定のアイテムを有していることを条件に、前記特定しているオブジェクトに関わる情報であって特定されることで公開されるアシスト情報を出力させる。
【0015】
上記課題を解決する情報処理装置は、仮想空間情報をプレイヤの頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイに出力する制御部を備えた情報処理装置であって、前記制御部は、前記ヘッドマウントディスプレイの向きを用いて特定される前記プレイヤの注目領域を、前記ヘッドマウントディスプレイに表示させる画像の一部に設定し、少なくとも一部が前記注目領域に位置するオブジェクトを、前記プレイヤが注視しているオブジェクトとして特定するステップと、前記プレイヤが所定のアイテムを有していることを条件に、前記特定しているオブジェクトに関わる情報であって特定されることで公開されるアシスト情報を出力させる出力ステップとを実行する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るゲーム処理プログラム、ゲーム処理方法、および、ゲーム処理装置によれば、仮想空間情報の出力に関わる指示を円滑に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ゲーム処理装置の一実施形態の構成をHMDの構成と共に示す構成図。
【
図2】プレイヤの頭部の位置と向きとの特定に用いられる座標系を示す図。
【
図3】オブジェクト情報に含まれる各情報を示す構成図。
【
図4】注目領域情報に含まれる各情報を示す構成図。
【
図5】仮想空間における注目領域の位置を示す空間図。
【
図6】アシスト情報の出力処理の手順を示すフローチャート。
【
図7】(a)注視オブジェクトの特定例を示す画像図、(b)アシスト情報の出力例を示す画像図、(c)アシスト情報の出力例を示す画像図。
【
図8】(a)(b)アシスト情報の出力例を示す画像図。
【
図9】(a)注視オブジェクトの特定例を示す画像図、(b)注視オブジェクトの特定を継続する例を示す画像図、および、(c)アシスト情報の出力例を示す画像図。
【
図10】(a)注視オブジェクトの特定例を示す画像図、および、(b)アシスト情報の出力例を示す画像図。
【
図11】(a)注視オブジェクトの特定前を示す画像図、(b)注視オブジェクトの特定例を示す画像図、および、(c)アシスト情報の出力例を示す画像図。
【
図12】仮想空間における注視オブジェクトの位置を示す空間図。
【
図13】(a)注視オブジェクトの特定例を示す画像図、および、(b)アシスト情報の出力例を示す画像図。
【
図14】ゲーム処理装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
プログラム、情報処理方法、および情報処理装置の一実施形態を以下に説明する。ゲーム処理装置は、HMDに表示させている仮想空間の画像の中から、プレイヤが注視しているオブジェクト(注視オブジェクト)を特定する。ゲーム処理装置は、特定された注視オブジェクトについて、ゲームの進行に有利な情報(アシスト情報)を抽出し、抽出されたアシスト情報をHMDに出力させる。
【0019】
[HMD]
図1が示すように、HMD10は、HMD制御部11、センサ12、ディスプレイ13、および、スピーカ14を備える。HMD10は、ゲーム処理装置20に各種の情報を出力するとともに、ゲーム処理装置20から各種の情報を入力する。
【0020】
センサ12は、現実空間におけるHMD10の位置と向きとを検出する。センサ12は、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、地磁気センサなどの少なくとも一つを備える。例えば、センサ12は、視線センサをさらに備えて、プレイヤの視線が向けられる方向(視線方向)を、直接的に検出してもよい。
【0021】
HMD制御部11は、センサ12の検出した結果を用いて、プレイヤPの頭部の向き(視点と視線方向)を算出する。HMD制御部11は、プレイヤPの頭部の向きに加え、頭部の位置を算出してもよい。HMD制御部11は、頭部の向きを算出するとき、各軸周りの角度として算出する。HMD制御部11は、頭部の位置を算出するとき、3軸方向の位置を算出する。例えば、
図2が示すように、3軸は、水平方向に沿ったX軸、鉛直方向に沿ったY軸、および、奥行方向に沿ったZ軸である。軸周りの角度は、X軸を中心とした回転方向を示すピッチθp、Y軸を中心とした回転方向を示すヨーθy、および、Z軸を中心とした回転方向を示すロールθrである。
【0022】
HMD制御部11は、入出力インターフェイスを含み、プレイヤPの頭部の向きをゲーム処理装置20に送信する。HMD制御部11のプレイヤPの頭部の位置を算出した場合には、頭部の位置をゲーム処理装置20に送信する。ゲーム処理装置20は、プレイヤPの頭部の位置と向きなどから、仮想空間VにおけるプレイヤPの位置と向き(カメラの視点とカメラの視線方向)とを算出する。
【0023】
ディスプレイ13は、表示装置の一例である。ディスプレイ13は、視差画像を出力して、奥行き感のある立体的な画像をプレイヤPに視認させる。ゲーム処理装置20は、仮想空間VにおけるプレイヤPの位置と向きとに基づいて、視差画像を出力するための画像データを抽出する。ゲーム処理装置20は、抽出した画像データをHMD10に送信する。HMD制御部11は、ゲーム処理装置20から受信した信号を用いて、仮想空間Vの画像をディスプレイ13に表示させる。
【0024】
スピーカ14は、視差画像の背景で流す効果音、音声、および、楽曲などのゲーム音を出力する。ゲーム処理装置20は、ゲームの進捗状況を把握し、ゲームの進捗状況に適した音を出力するための音データを生成する。ゲーム処理装置20は、生成した音データをHMD10に送信する。HMD制御部11は、ゲーム処理装置20から受信した信号を用いて、スピーカ14に音を出力させる。
【0025】
[操作機]
操作機30は、当該操作機30と対応付けられたHMD10と有線または無線により通信可能に構成され、プレイヤPが操作機30を手に持つこと、あるいは、プレイヤPが操作機30を手や腕に装着することによってプレイヤPに携帯される。
【0026】
操作機30は、情報処理部31と、トラッキング情報検出部32と、操作部33とを備える。情報処理部31は、プロセッサ、メモリ、通信用インターフェイス等を含んでいてもよい。情報処理部31は、トラッキング情報検出部32の検出結果に応じた信号、および、操作部33に対する操作に応じた信号をHMD10に出力する。HMD10は、操作機30から入力された信号に応じた信号を、ゲーム処理装置20に出力する。
【0027】
[ゲーム処理装置]
ゲーム処理装置20は、中央演算処理装置、メモリ、および、特定用途向けの集積回路などの各種のハードウェア要素から構成される。ゲーム処理装置20は、制御装置の一例である制御部21と記憶部22とを備える。なお、ゲーム処理装置20とHMD10とは、1台のゲーム処理装置20に1台のHMD10が接続される関係であってもよいし、1台のゲーム処理装置20に複数台のHMD10が接続される関係であってもよい。
【0028】
制御部21は、ハードウェア要素にゲーム処理プログラムを実行させて、オブジェクト特定部21A、および、進行管理部21Bとして機能する。記憶部22は、ゲームの進行に用いられる各種の情報を格納する。記憶部22に格納される情報は、画像情報22A、オブジェクト情報22B、注目領域情報22C、アシスト情報22D、および、ゲーム音情報22Fを含む。
【0029】
画像情報22Aは、仮想空間情報の一例であり、仮想空間Vの画像を表示するための情報である。仮想空間Vの画像は、仮想空間Vの背景となる画像、および、仮想空間Vに存在するオブジェクトの画像を含む。仮想空間Vに存在するオブジェクトは、仮想空間Vのみに存在するオブジェクト、および、現実空間に対応して仮想空間Vに存在するオブジェクトを含む。仮想空間Vは、例えば有限個の要素(ポリゴン)の集合体である。
【0030】
オブジェクトは、ディスプレイ13に表示させる画像の単位要素である。オブジェクトは、例えば、プレイヤキャラクタ、敵キャラクタ、味方キャラクタ、中立キャラクタ、および、育成キャラクタなどのゲームキャラクタ、シューティングゲームやシミュレーションフィッシングゲームやシミュレーションスポーツゲームなどのターゲット、プレイヤPやキャラクタなどのアバタを含む。オブジェクトは、例えば、武器、防具、魔法、乗り物、建物、および、着せ替えアイテムなどのゲームアイテムを含む。オブジェクトは、例えば、テキスト、アイコン、および、マップなどのインデックスを含む。オブジェクトは、注視オブジェクトに特定可能なオブジェクト、および、特定不可能なオブジェクトを含む。オブジェクトは、プレイヤPの操作によって選択可能なオブジェクト、および、選択不可能なオブジェクトを含む。
【0031】
図3が示すように、オブジェクト情報22Bは、オブジェクトの識別子、オブジェクトの種類、および、仮想空間Vにおけるオブジェクトの位置を含む。オブジェクト情報22Bは、オブジェクトの移動方向、および、オブジェクトの移動速度を含むことも可能である。
【0032】
オブジェクトの種類は、注視オブジェクトとして特定可能であるか否かを示す。また、オブジェクトの種類は、プレイヤPの操作によって選択可能であるか否かを示す。また、オブジェクトの種類は、オブジェクトが動体であるか否かを示す。オブジェクトの移動方向は、オブジェクトの向いている方向や、他のオブジェクトの向いている方向に応じた方向である。オブジェクトの移動速度は、予め設定された速度や、他のオブジェクトの移動速度に合わせた速度である。オブジェクトの位置、移動方向、および、移動速度は、ゲームの進行に伴い、制御部21によって更新される。
【0033】
図4が示すように、注目領域情報22Cは、仮想空間Vにおける注目領域Zの位置を含む。注目領域情報22Cは、注目領域Zの移動方向、および、注目領域Zの移動速度を含むことも可能である。
【0034】
図5が示すように、注目領域Zは、プレイヤPが仮想空間Vで注目していると推定される範囲である。注目領域Zは、例えば、HMD10が表示している画像のなかの中央に位置する。注目領域Zは、プレイヤPの視線方向Dにおいて、所定の大きさを有した矩形枠や円形枠などの所定枠で囲まれる。注目領域Zの移動方向DZは、最新の位置に到達するまでの所定期間において、注目領域Zが移動した方向である。注目領域Zの移動速度は、最新の位置に到達するまでの所定期間において、注目領域Zが移動した速度である。注目領域情報22Cは、ゲームの進行に伴い、制御部21によって更新される。
【0035】
アシスト情報22Dは、仮想空間情報の一例であり、オブジェクトの識別子に対応付けられた情報である。アシスト情報22Dは、例えばゲームの進行に有利な情報である。アシスト情報22Dは、HMD10でのアシスト情報22Dの出力形式を定義している。アシスト情報22Dの出力形式は、画像出力、音声出力、および、これらの組み合わせである。進行管理部21Bは、現在の注視オブジェクトを参照し、注視オブジェクトに対応付けられた情報を、アシスト情報22Dの中から抽出する。進行管理部21Bは、アシスト情報22Dを出力する状況であると判断したときに、抽出されたアシスト情報22Dを、それに定義された出力の形式で、HMD10に出力させる。
【0036】
ゲーム音情報22Fは、仮想空間情報の一例であり、HMD10にゲーム音を出力させるための情報である。進行管理部21Bは、プレイヤPに認識させるゲーム音を出力させるための情報を、ゲーム音情報22Fの中から抽出し、抽出された情報を、HMD10に送信する。
【0037】
[注目領域の特定]
オブジェクト特定部21Aは、プレイヤPの頭部の向きに基づいて、仮想空間VでのプレイヤPの視野(画角)を特定する。頭部の位置が算出されている場合には、頭部の位置を用いてもよい。オブジェクト特定部21Aは、プレイヤPの視野に応じた画像を表示するための情報を、画像情報22Aの中から抽出し、抽出された情報を、HMD10に送信する。
【0038】
オブジェクト特定部21Aは、注目領域Zを特定する。オブジェクト特定部21Aは、プレイヤPの頭部の向きに応じて特定される画角の中央部に、注目領域Zを設定する。
【0039】
オブジェクト特定部21Aは、プレイヤPの頭部の向きに応じて特定される視線を用いて注目領域Zを特定するようにしてもよい。仮想空間VでのプレイヤPの視線を特定する方法には、公知の方法が用いられる。例えば、オブジェクト特定部21Aは、プレイヤPの頭部の向きに基づいて、仮想空間Vにおいて、左目位置と右目位置とを結ぶ直線を特定し、その直線に直交する方向に延び、かつ、左目位置と右目位置の中点を通る直線を、視線として特定する。あるいは、オブジェクト特定部21Aは、センサ12の検出した視線の結果に基づいて、右目の視線と左目の視線との交点である注視点F(
図5を参照)を特定する。オブジェクト特定部21Aは、右目位置と左目位置との中点と、特定された注視点Fとを通る直線を、視線として特定してもよい。オブジェクト特定部21Aは、例えば、仮想空間Vにおいて、プレイヤPの視点から視線方向Dに位置する所定枠内を、注目領域Zとして特定する。オブジェクト特定部21Aは、プレイヤPの頭部の位置と向きとのように、注目領域Zを特定するための情報を入力するごとに、注目領域Zを特定して、注目領域情報22Cを更新する。
【0040】
オブジェクト特定部21Aは、注目領域Zを特定する第1領域例として、例えば、プレイヤPの視線を中心とした領域を、注目領域Zに特定する。プレイヤPの視線が、プレイヤPの頭部の位置と向きのみから算出されるとき、注目領域Zの特定は、プレイヤPの注視点Fに関わらず行われる。すなわち、第1注視例での注目領域Zは、プレイヤPの注視点Fを含む場合もあれば、プレイヤPの注視点Fを含まない場合もある。そして、オブジェクト特定部21Aは、プレイヤPの頭部の位置と向きとを入力するごとに、これに基づく注目領域Zを特定して、注目領域情報22Cを更新する。
【0041】
オブジェクト特定部21Aは、注目領域Zを特定する第2領域例として、例えば、プレイヤPの視線が向く方向であって、かつ、注視点Fを中心とする領域を、注目領域Zに特定する。プレイヤPの視線が、プレイヤPの頭部の位置と向き、さらには、右目の視線と左目の視線とに基づいて算出されるとき、注目領域Zの特定は、プレイヤPの注視点Fに基づいて特定される。そして、オブジェクト特定部21Aは、プレイヤPの頭部の位置と向き、および、右目の視線と左目の視線とを入力するごとに、これに基づく注目領域Zを特定して、注目領域情報22Cを更新する。
【0042】
なお、オブジェクト特定部21Aは、例えば、現在までの所定期間において、注目領域Zの位置を追跡し、仮想空間Vにおける注目領域Zの動きを、注目領域Zの特定ごとに更新する。
【0043】
[オブジェクトの特定]
オブジェクト特定部21Aは、HMD10に表示させる仮想空間Vの画像の中から、注視オブジェクトを特定する。オブジェクト特定部21Aは、注視オブジェクトを特定するための情報を入力するごとに、オブジェクト情報22Bを参照し、注視オブジェクトを特定して、注視オブジェクトを更新する。
【0044】
オブジェクト特定部21Aは、注視オブジェクトを特定する第1注視例として、例えば、HMD10に表示させている特定可能な各オブジェクトの位置と、最新の注目領域Zの位置とを用いる。そして、オブジェクト特定部21Aは、少なくとも一部が注目領域Zに位置するオブジェクトを、注視オブジェクトに特定する。なお、オブジェクト特定部21Aは、現在の注目領域Zに複数のオブジェクトが位置する場合に、例えば、注目領域Zの中央に最も近いオブジェクトや、注視点Fに最も近いオブジェクトを、注視オブジェクトに特定する。
【0045】
オブジェクト特定部21Aは、注視オブジェクトを特定する第2注視例として、例えば、HMD10に表示させている特定可能な各オブジェクトの位置と、最新の注目領域Zの位置とを用いる。そして、オブジェクト特定部21Aは、最新の注目領域Zに位置し続ける時間を各オブジェクトについて経時し、少なくとも一部が所定期間にわたり注目領域Zに位置し続けるオブジェクトを、注視オブジェクトに特定する。なお、オブジェクト特定部21Aは、所定期間にわたり複数のオブジェクトが注目領域Zに位置し続ける場合に、例えば、注目領域Zの中央に最も近いオブジェクトや、注視点に最も近いオブジェクトを、注視オブジェクトに特定する。
【0046】
オブジェクト特定部21Aは、注視オブジェクトを特定する第3注視例として、例えば、HMD10に表示させている特定可能な各オブジェクトの位置と、注視点Fの位置とを用いる。そして、オブジェクト特定部21Aは、注視点Fに位置するオブジェクトを、注視オブジェクトに特定する。なお、オブジェクト特定部21Aは、複数のオブジェクトが注視点Fに位置する場合に、例えば、仮想空間VにおいてプレイヤPの視点に最も近いオブジェクトを、注視オブジェクトに特定する。
【0047】
オブジェクト特定部21Aは、注視オブジェクトを特定する第4注視例として、例えば、HMD10に表示させている特定可能な各オブジェクトの動き(移動方向と移動速度)と、現在までの所定期間における注目領域Zの動き(移動方向と移動速度)とを用いる。そして、オブジェクト特定部21Aは、仮想空間Vにおいて、注目領域Zの動きに追従しているオブジェクトを、注視オブジェクトに特定する。なお、オブジェクト特定部21Aは、注目領域Zの動きに複数のオブジェクトが追従している場合に、例えば、注目領域Zに対する移動量が最も小さいオブジェクトを、注視オブジェクトに特定する。
【0048】
オブジェクト特定部21Aは、注視オブジェクトを特定する第5注視例として、特定された注視オブジェクトが動体であるか否かを判断する。そして、オブジェクト特定部21Aは、特定された注視オブジェクトが動体である場合に、そのオブジェクトの少なくとも一部が他のオブジェクト(障害物)で表示を遮られるとしても、そのオブジェクトを注視オブジェクトに特定し続ける。これに対して、オブジェクト特定部21Aは、特定された注視オブジェクトが静止した物体である場合に、そのオブジェクトの少なくとも一部が障害物で表示を遮られたとき、そのオブジェクトに対する特定を解除する。
【0049】
オブジェクト特定部21Aは、注視オブジェクトを特定する第6注視例として、例えば、特定された注視オブジェクトについて、そのオブジェクトが障害物で表示を遮られているか否かを判断する。そして、オブジェクト特定部21Aは、障害物で表示を遮られている時間を経時し、そのオブジェクトの少なくとも一部が所定期間にわたり障害物で表示を遮られ続けたときに、そのオブジェクトに対する特定を解除する。
【0050】
[アシスト処理]
進行管理部21Bは、プレイヤPによる操作を受け付けて、受け付けた操作に基づく出力をHMD10に行わせるように、ゲームの進行を管理する。進行管理部21Bは、プレイヤPによるオブジェクトの注視を、プレイヤPによる操作の一つとして受け付ける。
【0051】
進行管理部21Bは、ゲームが進行している状況を監視して、アシスト情報22Dを出力させる条件が成立しているか否かを判断する。進行管理部21Bは、アシスト情報22Dを出力するための条件が成立し、かつ、注視オブジェクトが特定されているとき、アシスト情報22DをHMD10に出力させる。アシスト情報22Dを出力させる条件は、例えば、ゲームが所定のステージまで進行したことである。また、アシスト情報22Dを出力させる条件は、例えばプレイヤに関連付けられたパラメータが所定値に到達したことである。また、アシスト情報22Dを出力させる条件は、例えばプレイヤが所定のゲーム媒体を有していることである。所定のステージは、例えば、コントローラでの操作が繁雑となるステージであり、所定のレベルは、例えば、コントローラでの操作が繁雑となるレベルである。ゲーム媒体は、ゲーム処理装置20で実現されるゲームにおいて使用される電子データであり、ユーザによってゲーム内で取得、所有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、贈与、又は前記以外の方法で使用され得る。ゲーム媒体には、例えば、カード、アイテム、仮想通貨、チケット、キャラクタ、アバタ、レベル情報、ステータス情報、及びパラメータ情報(体力値や攻撃力など)、能力情報スキル、アビリティ、呪文、ジョブ、及びこれら以外のゲームで利用可能な各種電子データを含む。ゲーム処理装置20で利用可能なゲーム媒体及びその利用態様は本明細書で明示されるものに限られない。
【0052】
進行管理部21Bは、オブジェクト特定部21Aが特定している注視オブジェクトを参照し、注視オブジェクトに対応付けられたアシスト情報22Dを抽出する。進行管理部21Bは、抽出したアシスト情報22Dを、HMD10に出力させる。
【0053】
進行管理部21Bは、HMD10にアシスト情報22Dを出力させる第1出力例として、例えば、注視オブジェクトの将来状況をHMD10に出力させる。注視オブジェクトの将来状況は、進行管理部21Bが所定時間経過後の注目オブジェクトの状況を取得することによって得られる。
【0054】
例えば、注視オブジェクトの将来状況は、注視オブジェクトがゲームキャラクタである場合に、ゲームキャラクタの動きであって、将来状況を示すアシスト情報22Dの出力直後に行われる動きである。また、例えば、オブジェクトの将来状況は、注視オブジェクトがゲームアイテムである場合に、ゲームアイテムの動きであって、将来状況を示すアシスト情報22Dの出力直後に行われる動きである。又は、アシスト情報22Dは、複数の種類の将来状況を示す情報の組み合わせであってもよい。
【0055】
例えば、進行管理部21Bは、注視オブジェクトの動く軌跡を、注視オブジェクトの将来状況として、HMD10に表示させる。また、進行管理部21Bは、注視オブジェクトの動く先を、注視オブジェクトの将来状況として、HMD10に表示させるかHMD10に音声で出力させる。
【0056】
進行管理部21Bは、HMD10にアシスト情報22Dを出力させる第2出力例として、例えば、注視オブジェクトの属性をHMD10に出力させる。注視オブジェクトの属性は、そのオブジェクトが注視オブジェクトに特定されることではじめて公開される属性である。
【0057】
例えば、注視オブジェクトの属性は、注視オブジェクトがゲームキャラクタである場合に、ゲームキャラクタの得意点、ゲームキャラクタの不得意点、有効な攻撃ができる位置又は領域、および、ゲームキャラクタの心理である。また、例えば、注視オブジェクトの属性は、注視オブジェクトがゲームアイテムである場合に、ゲームアイテムから生み出される特典や報償である。
【0058】
例えば、進行管理部21Bは、ゲームキャラクタの能力、得意点、不得意点、心理などを、注視オブジェクトに付随したテキストとして、HMD10に表示させる。また、進行管理部21Bは、例えば、注視オブジェクトの能力、得意点、不得意点、心理などを、注視オブジェクトの属性として、HMD10に音声で出力させる。又は、アシスト情報22Dは、複数の種類の属性を示す情報の組み合わせであってもよい。
【0059】
進行管理部21Bは、HMD10にアシスト情報22Dを出力させる第3出力例として、注視オブジェクトが選択状態に遷移したことを示す画像を、HMD10に出力させる。この際、進行管理部21Bは、プレイヤPの操作によって発生した他のオブジェクトを、選択状態の注視オブジェクトの動きに追従させてもよい。
【0060】
例えば、進行管理部21Bは、注視オブジェクトが選択状態に遷移したことを示す指標を、注視オブジェクトの周囲に表示させる。又は注視オブジェクトの表示態様を変更するようにしてもよい。例えば、進行管理部21Bは、プレイヤPの操作によって発生した武器の攻撃先を、選択状態の注視オブジェクトに追従させる。
【0061】
進行管理部21Bは、HMD10にアシスト情報22Dを出力させる第4出力例として、例えば、仮想空間Vにおける注視オブジェクトの視野の画像を、所定期間にわたりHMD10に出力させる。
【0062】
例えば、進行管理部21Bは、オブジェクト特定部21Aが注視オブジェクトを特定したときに、画像を抽出するための方向を、注視オブジェクトからプレイヤPの視点に向けた方向に、オブジェクト特定部21Aに変えさせる。また、進行管理部21Bは、オブジェクト特定部21Aに抽出させる画像を、変更後の方向を中心として、オブジェクト特定部21Aに変えさせる。そして、進行管理部21Bは、注視オブジェクトの仮想空間Vでの視野の画像を、注視オブジェクトの特定から所定期間にわたり、HMD10に出力させる。
【0063】
さらに、プレイヤPに関連付けられたパラメータ及び所持するゲーム媒体の少なくとも一方に応じて、アシスト情報22Dの出力態様を変更するようにしてもよい。例えば、プレイヤPに関連付けられたパラメータが所定の条件を満たす場合には、アシスト情報22Dを出力する時点から1秒経過後までの将来状況を出力し、所定の条件を満たさない場合には、アシスト情報22Dを出力する時点から0.5秒経過後までの将来状況を出力するようにしてもよい。また、プレイヤPに関連付けられたパラメータが所定の条件を満たす場合には、所定の第1時間だけオブジェクトを選択状態とし、所定の条件を満たさない場合には、第1時間よりも短い所定の第2時間だけオブジェクトを選択状態として出力するようにしてもよい。また、プレイヤに関連付けられたパラメータが所定の条件を満たす場合には、複数のオブジェクトを選択可能とし、所定の条件を満たさない場合には、1つのオブジェクトだけが選択可能とするようにしてもよい。また、プレイヤに関連付けられたパラメータが所定の条件を満たす場合には、アシスト情報22Dを画像だけでなく音声として出力し、所定の条件を満たさない場合には、アシスト情報22Dを画像のみとして出力してもよい。或いは、プレイヤに関連付けられたパラメータが所定の条件を満たす場合には、アシスト情報22Dを出力し、所定の条件を満たさない場合には、アシスト情報22Dを出力しなくてもよい。
【0064】
[ゲーム処理]
図6が示すように、ゲームが開始されると、進行管理部21Bは、ゲームの進行状況がアシスト情報22Dを出力する状況であるか否かを判断する(ステップS11)。進行管理部21Bは、ゲームの進行状況がアシスト情報22Dを出力する状況でないと判断すると(ステップS11でNO)、ゲームの進行状況がアシスト情報22Dを出力する状況に変わるまで、ゲームの進行状況がアシスト情報22Dを出力する状況であるか否かの判断を繰り返す(ステップS14でNO)。
【0065】
進行管理部21Bが、アシスト情報22Dを出力する状況であると判断すると(ステップS11でYES)、オブジェクト特定部21Aは、HMD10に表示させる仮想空間Vの画像の中に、注視オブジェクトが存在するか否かを判断する(ステップS12)。制御部21は、注視オブジェクトが存在しないと判断すると(ステップS12でNO)、仮想空間Vの画像の中から注視オブジェクトを特定するまで、アシスト情報22Dの出力判断(ステップS11)と、注視オブジェクトの存在判断(ステップS12)とを繰り返す。
【0066】
オブジェクト特定部21Aが、注視オブジェクトが存在すると判断すると(ステップS12でYES)、進行管理部21Bは、アシスト情報22Dを出力する(ステップS13)。そして、進行管理部21Bは、アシスト情報22Dの出力を完了すると(ステップS14でYES)、今回のアシスト情報22Dの出力処理を終了する。
【0067】
なお、アシスト情報22Dを出力する状況であるか否かの判断(ステップS11)と、注視オブジェクトが存在するか否かの判断(ステップS12)とは、順番を問わない。例えば、注視オブジェクトが存在するか否かの判断(ステップS12)を先に行い、注視オブジェクトを特定した場合(ステップS12でYES)、アシスト情報22Dを出力する状況であるか否かの判断(ステップS11)を行うようにしてもよい。又は、ステップS11の判断処理とステップS12の判断処理とを並行して行い、注視オブジェクトが存在し、且つアシスト情報22Dを出力する状況である場合に、アシスト情報22Dを出力するようにしてもよい。
【0068】
[出力例]
アシスト情報22Dの出力例を以下に説明する。
図7は、注視オブジェクトの将来状況をアシスト情報22Dとして出力させる第1出力例を示す。なお、
図7が示す例では、ゲーム処理装置20は、第1領域例もしくは第2領域例に準じて、注目領域Zを特定し、第1注視例もしくは第2注視例に準じて、注視オブジェクトを特定する。
【0069】
ゲーム処理装置20は、HMD10に表示させているオブジェクト50の中から、注目領域Zの位置に基づき、注視オブジェクトを特定する。例えば、ゲーム処理装置20は、
図7(a)が示すように、少なくとも一部が注目領域Zに位置する敵キャラクタ50F、あるいは、少なくとも一部が注目領域Zに所定期間にわたり位置する敵キャラクタ50Fを、注視オブジェクトに特定する。敵キャラクタ50Fは、注視オブジェクトに付帯したオブジェクトとして、ゲームアイテムである剣51を所持している。
【0070】
ゲーム処理装置20は、注視オブジェクトを特定するごとに、注視オブジェクトに対応付けられたアシスト情報22Dを抽出する。例えば、ゲーム処理装置20は、敵キャラクタ50Fに対応付けられたアシスト情報22Dを抽出する。敵キャラクタ50Fに対応付けられたアシスト情報22Dは、アシスト情報22Dの出力直後における、敵キャラクタ50Fの状況(将来状況)である。
【0071】
例えば、敵キャラクタ50Fの将来状況は、敵キャラクタ50Fがプレイヤキャラクタに攻撃する状況や、敵キャラクタ50Fがプレイヤキャラクタから逃避する状況を含む。ゲーム処理装置20は、例えば、敵キャラクタ50Fが選択する動きを、ゲームの進行状況から先読みする。そして、ゲーム処理装置20は、アシスト情報22Dの出力直後における、敵キャラクタ50Fの動き、剣51の動き、および、これらに伴う効果音を、アシスト情報22Dとして抽出する。
【0072】
ゲーム処理装置20は、アシスト情報22Dを出力可能と判断するとき、注視キャラクタの将来状況、すなわち、敵キャラクタ50Fの将来状況を、HMD10に出力させる。例えば、ゲーム処理装置20は、
図7(b)が示すように、プレイヤPに迫っている敵キャラクタ50Fの画像を表示してもよい。
図7(b)において破線が示すキャラクタ50Fの位置は、所定時間である先行時間が経過したときの敵キャラクタ50Fの位置である将来位置を示す。先行時間は、例えば1秒という一定時間である。または、先行時間は、各キャラクタに別々に設定された一定時間である。または、先行時間は、敵キャラクタ50Fが注視されている時間に応じて変わる変動時間である。
【0073】
敵キャラクタ50Fの将来位置は、先行時間の経過時での敵キャラクタ50Fの位置である。または、敵キャラクタ50Fの将来位置は、先行時間の経過後の敵キャラクタ50Fの位置である。破線で示す敵キャラクタ50Fは、将来の敵キャラクタ50Fであり、敵キャラクタ50Fの将来状況の一例である。将来の敵キャラクタ50Fの表示は、所定時間が経過するまで継続される。または、将来の敵キャラクタ50Fの表示は、所定時間が経過する間に点滅する。
【0074】
将来の敵キャラクタ50Fは、所定時間の経過時に消去される。または、将来の敵キャラクタ50Fは、将来の敵キャラクタ50Fが表示されてから先行時間が経過する前に消去される。あるいは、将来の敵キャラクタ50Fは、将来の敵キャラクタ50Fが表示されてから先行時間が経過したときに消去される。すなわち、将来の敵キャラクタ50Fは、破線で示す将来の敵キャラクタ50Fが表示されてから、実線で示す敵キャラクタ50Fと破線で示す敵キャラクタ50Fとが重なるタイミングで消去される。
【0075】
なお、
図7(c)が示すように、将来状況として、プレイヤPに迫った敵キャラクタ50FがプレイヤPに向けて飛ばす斬撃52(予測線)の画像を表示させてもよい。
図7(c)では、斬撃52は、将来の敵キャラクタ50Fが持つ剣51の動きを示しているが、将来の敵キャラクタ50Fの位置と現在の敵キャラクタ50Fの位置とが同じ場合には、将来の敵キャラクタ50Fが表示されなくてもよい。または、将来の敵キャラクタ50Fの位置と現在の敵キャラクタ50Fの位置とが異なる場合でも、将来の敵キャラクタ50Fが表示されず、将来の敵キャラクタ50Fが持つ剣51の動きのみが表示されてもよい。
【0076】
将来の敵キャラクタ50Fによる斬撃52は、例えば、先行時間の経過時からさらに所定の動作時間(例えば1秒)が経過するまでの剣51の軌跡を示す。剣51の軌跡を定める動作時間は、将来の敵キャラクタ50Fが剣51を用いた所定の動作を開始してから完了するまでの時間である。または、剣51の軌跡を定める動作時間は、将来の敵キャラクタ50Fが剣51を用いた所定の動作を開始してから1秒間という一定時間である。将来の敵キャラクタ50Fによる斬撃52は、将来の敵キャラクタ50Fによる斬撃52が表示されてから先行時間が経過する前に消去される。または、将来の敵キャラクタ50Fによる斬撃52は、将来の敵キャラクタ50Fによる斬撃52が表示されてから先行時間が経過したときに消去される。あるいは、将来の敵キャラクタ50Fによる斬撃52は、敵キャラクタ50Fが持つ剣51になぞられた箇所から順に消去される。そして、ゲーム処理装置20は、斬撃52の表示とともに、「ズバババッ」という効果音を、HMD10に出力させてもよい。
【0077】
これにより、プレイヤPによる進行状況の先読みは、プレイヤPの注視という指示操作によって実現可能となる。なお、進行状況の先読みは、敵キャラクタ50Fが攻撃してくるか否か、また、敵キャラクタ50Fが攻撃してくるとすれば、どのような方法で攻撃してくるかを把握することである。
【0078】
また、プレイヤPによるオブジェクトの目視は、通常、ゲームの進行を把握するための動きであり、ゲームが進行する全期間にわたり繰り返される動きでもある。そして、プレイヤPによるオブジェクトの注視は、こうした目視の延長でもある。すなわち、プレイヤPによるオブジェクトの注視は、ゲームを進行するためにプレイヤPが取り得る自然な動きの延長である。ゲーム処理装置20は、このような自然な動きの延長を、操作そのものとして採用する。そのため、将来状況を表示させる操作の円滑化を図ることが可能ともなる。
【0079】
また、敵キャラクタ50Fを注視することは、敵キャラクタ50Fの動きを先読みしたいという思念の現れでもある。そして、敵キャラクタ50FがプレイヤPに迫っている画像を出力したり、敵キャラクタ50FがプレイヤPに向けて斬撃52を飛ばしている画像を出力したりすることは、プレイヤPの思念を具体化したものである。すなわち、ゲーム処理装置20は、プレイヤPが思念を送るという現実空間での動きに応じて、仮想空間Vでの出力を変え、さらには、プレイヤPの思念を具体化したような画像や音声を出力させる。そのため、ゲームに対する満足感を高めて、VRゲームを繰り返し利用してもらうことが可能ともなる。
【0080】
図8(a)は、注視オブジェクトの属性をアシスト情報22Dとして出力させる例(第2出力例)を示す。なお、
図8(a)が示す例では、ゲーム処理装置20は、第1領域例もしくは第2領域例に準じて、注目領域Zを特定し、第1注視例もしくは第2注視例に準じて、注視オブジェクトを特定する。
【0081】
ゲーム処理装置20は、
図7で示した例と同じように、敵キャラクタ50Fを、注視オブジェクトに特定する。次いで、ゲーム処理装置20は、敵キャラクタ50Fに対応付けられたアシスト情報22Dを抽出する。
【0082】
この際、ゲーム処理装置20は、ゲームの進行状況を把握し、アシスト情報22Dとして、どの属性を出力するべきかを判断する。例えば、プレイヤPが敵キャラクタ50Fを倒すことに固執していると推定される状況で、ゲーム処理装置20は、敵キャラクタ50Fの弱点、攻撃が有効に作用する位置又は領域を、敵キャラクタ50Fの属性に設定する。なお、敵キャラクタ50Fの弱点は、敵キャラクタ50Fが注視オブジェクトに特定されること、すなわち、敵キャラクタ50FがプレイヤPに注視されることを条件として、はじめて公開される属性である。
【0083】
ゲーム処理装置20は、アシスト情報22Dを出力可能と判断するとき、
図8(a)が示すように、敵キャラクタ50Fの弱点指標53を、HMD10に表示させる。敵キャラクタ50Fの弱点指標53は、例えば、弱点である敵キャラクタ50Fの右羽を強調する表示効果と、弱点であることを示す低い防御値「-12」とである。
【0084】
これにより、プレイヤPによる属性の把握は、プレイヤPの注視という指示操作によって実現可能となる。また、プレイヤPが敵キャラクタ50Fを倒すことに固執していると推定される状況で、プレイヤPが敵キャラクタ50Fを注視することは、敵キャラクタ50Fの弱点を知りたいという思念の現れでもある。すなわち、ゲーム処理装置20は、プレイヤPが思念を送るという現実空間での動きに応じて、仮想空間Vでの出力を変え、さらには、思念が送られている状況を推定して、より的確に思念を具体化した画像を出力させる。そのため、ゲームに対する満足感を高めて、VRゲームを繰り返し利用してもらうことが可能ともなる。
【0085】
また、敵キャラクタ50Fの弱点は、敵キャラクタ50FがプレイヤPに注視されることを条件として、はじめて公開されるものである。そのため、敵キャラクタ50Fの弱点を知ることが特別であること、すなわち、思念を送りつけるように注視することが特別であることを、プレイヤPに強く印象付けられる。また、送りつけた思念が具体化されることは、注視オブジェクトの特定と、アシスト情報22Dの出力とを経て、はじめて実現されるものであり、そもそも特別である。そのため、敵キャラクタ50Fの弱点を知ることが特別であることを、プレイヤPにさらに印象付けられる。結果として、注視による操作の重要性を、ゲームの演出で高めることが可能ともなる。
【0086】
図8(b)は、注視オブジェクトの属性をアシスト情報22Dとして出力させる他の第2出力例を示す。なお、
図8(b)が示す例でも、ゲーム処理装置20は、第1領域例もしくは第2領域例に準じて、注目領域Zを特定し、第1注視例もしくは第2注視例に準じて、注視オブジェクトを特定する。
【0087】
ゲーム処理装置20は、
図8(a)で示した例と同じように、敵キャラクタ50Fを、注視オブジェクトに特定する。次いで、ゲーム処理装置20は、敵キャラクタ50Fに対応付けられたアシスト情報22Dとして、敵キャラクタ50Fの心理を表示するための情報を抽出する。
この際、ゲーム処理装置20は、ゲームの進行状況を把握し、アシスト情報22Dとして、どの心理を出力するべきかを判断する。
【0088】
敵キャラクタ50Fの心理は、敵キャラクタ50Fの心のありさまを、敵キャラクタ50Fの観点から出力するものである。敵キャラクタ50Fの心理は、例えば、攻撃的な心理であり、「右側から斬撃を加えてやる!」というテキスト54や音声で出力される。また、敵キャラクタ50Fの心理は、例えば、逃避的な心理であり、「このプレイヤからは早く逃げよう」というテキストや音声で出力される。また、敵キャラクタ50Fの心理は、例えば、防衛的な心理であり、「弱点の右羽を護らなければ」というテキスト54や音声で出力される。例えば、ゲーム処理装置20は、プレイヤPが対戦に慣れていないと推定される状況で、敵キャラクタ50Fの心理に攻撃的な心理を設定する。例えば、ゲーム処理装置20は、プレイヤPが敵キャラクタ50Fを倒すことに固執していると推定される状況で、敵キャラクタ50Fの心理に逃避的な心理を設定する。
【0089】
ゲーム処理装置20は、アシスト情報22Dを出力可能と判断すると、
図8(b)が示すように、敵キャラクタ50Fの心理を、テキスト54や音声で、HMD10に出力させる。
【0090】
これにより、プレイヤPによる心理の把握が、プレイヤPの注視という指示操作によって実現可能となる。また、プレイヤPが敵キャラクタ50Fを注視することは、敵キャラクタ50Fの心理を知りたいという思念の現れでもある。すなわち、ゲーム処理装置20は、プレイヤPが思念を送るという現実空間での動きに応じて、仮想空間Vでの出力を変え、さらには、思念が送られている状況を推定して、より的確に思念を具体化した画像を出力させる。そのため、ゲームに対する満足感を高めて、VRゲームを繰り返し利用してもらうことが可能ともなる。
【0091】
図9(a)~(c)は、注視オブジェクトの属性をアシスト情報22Dとして出力させる他の第2出力例を示す。なお、
図9が示す例では、ゲーム処理装置20は、第1領域例もしくは第2領域例に準じて、注目領域Zを特定し、第2注視例および第6注視例に準じて、注視オブジェクトを特定する。
【0092】
図9(a)が示すように、ゲーム処理装置20は、HMD10に表示させているオブジェクト50の中から、注目領域Zの位置に基づき、注視オブジェクトを特定する。例えば、ゲーム処理装置20は、少なくとも一部が注目領域Zに所定期間にわたり位置する宝箱50Tを、注視オブジェクトに特定する。宝箱50Tは、ゲームアイテムの一種であり、仮想空間における静止した物体である。
【0093】
オブジェクト特定部21Aは、宝箱50Tの表示が障害物で遮られているか否かを判断する。また、オブジェクト特定部21Aは、宝箱50Tが障害物で表示を遮られ続けている時間を経時する。
【0094】
オブジェクト特定部21Aは、宝箱50Tの少なくとも一部が、所定期間にわたり障害物で表示を遮られたとき、宝箱50Tに対する特定を解除する。これに対して、宝箱50Tの少なくとも一部が、障害物で表示を遮られるが、連続して遮られている時間が、所定期間に満たない長さであるとき、オブジェクト特定部21Aは、宝箱50Tを注視オブジェクトに特定し続ける。なお、オブジェクト特定部21Aが参照する所定期間は、注視オブジェクトが静体であるときの時間であり、注視オブジェクトが動体であるときの期間よりも短い。
【0095】
例えば、
図9(b)が示すように、中立キャラクタ50Mのような動体が、宝箱50Tの障害物であるとき、中立キャラクタ50Mが表示を遮る時間はわずかであり、プレイヤPによる宝箱50Tの注視は、依然として続けられていると推定される。
【0096】
ゲーム処理装置20は、宝箱50Tに対応付けられたアシスト情報22Dとして、宝箱50Tの中身(属性)を表示するための情報を抽出する。例えば、ゲーム処理装置20は、宝箱50Tの中身として宝刀55を表示することをゲームの進行から先読みし、宝刀55を表示するための情報を、アシスト情報22Dとして抽出する。次いで、ゲーム処理装置20は、ゲームの進行状況がアシスト情報22Dを出力できる状況であると判断すると、
図9(c)が示すように、宝箱50Tに重なる宝刀55の画像を、HMD10に表示させる。
【0097】
これにより、プレイヤPによる宝箱50Tの中身の把握は、プレイヤPの注視という指示操作によって実現可能となる。この際、宝箱50Tを注視オブジェクトに特定することは、宝箱50Tの表示が障害物によって遮られ、かつ、それが長時間にわたるときに解除される。一方で、宝箱50Tを注視オブジェクトに特定することは、宝箱50Tの表示が障害物によって遮られたとしても、それが短時間である場合には継続される。そのため、プレイヤPが注視しているオブジェクトを、より的確に特定することが可能となる。そのうえ、宝箱50Tの注視によって宝箱50Tの中身が表示されるため、恰も、プレイヤPの能力によって宝箱50Tの透視が行われたかのように、ゲームの演出を行うことが可能ともなる。
【0098】
図10(a)(b)は、注視オブジェクトが選択状態に遷移したことをアシスト情報22Dとして出力させる第3出力例を示す。なお、
図10が示す例では、ゲーム処理装置20は、第1領域例に準じて、注目領域Zを特定し、第3注視例に準じて、注視オブジェクトを特定する。
【0099】
ゲーム処理装置20は、HMD10に表示させているオブジェクト50の中から、注視と重なるオブジェクトを、注視オブジェクトに特定する。例えば、ゲーム処理装置20は、
図10(a)が示すように、画像の中央に注目領域Zが位置する一方で、センサ12の検出した結果に基づき、その注目領域Zとは異なる位置に注視点Fを特定する。そして、ゲーム処理装置20は、注視点Fと重なる標的キャラクタ56を、注視オブジェクトに特定する。すなわち、ゲーム処理装置20は、注目領域Zの外側に位置する標的キャラクタ56を、注視オブジェクトに特定する。なお、注目オブジェクトは、注目領域Zにその一部が含まれているオブジェクトであってもよい。
【0100】
ゲーム処理装置20は、標的キャラクタ56に対応付けられたアシスト情報22Dを抽出する。標的キャラクタ56に対応付けられたアシスト情報22Dは、注視によって選択されていることを示す情報、例えば、標的キャラクタ56が標的として選択されていることを示す情報である。
【0101】
ゲーム処理装置20は、アシスト情報22Dを出力可能と判断するとき、
図10(b)が示すように、標的として選択されていることを示す画像56Tに、標的キャラクタ56の画像を重ねて、HMD10に表示させる。これにより、プレイヤPによる標的キャラクタ56の選択、および、標的キャラクタ56が選択状態であることの表示を、プレイヤPの注視という指示操作によって実現可能となる。
【0102】
図11(a)~(c)は、注視オブジェクトが選択状態に遷移したことをアシスト情報22Dとして出力させる他の第3出力例を示す。なお、
図11が示す例では、ゲーム処理装置20は、第1領域例または第2領域例に準じて、注目領域Zを特定し、第4注視例および第5注視例に準じて、注視オブジェクトを特定する。
【0103】
ゲーム処理装置20は、HMD10に表示させているオブジェクト50の中から、注目領域Zに位置するオブジェクトを、注視オブジェクトの候補に特定する。例えば、ゲーム処理装置20は、
図11(a)が示すように、注目領域Zに位置する標的キャラクタ56を、注視オブジェクトの候補に特定する。標的キャラクタ56は、ゲームキャラクタの一種であり、仮想空間における動体である。
【0104】
オブジェクト特定部21Aは、仮想空間Vにおいて、標的キャラクタ56が注目領域Zの動きに追従しているか否かを判断する。例えば、ゲーム処理装置20は、注目領域情報22Cを参照し、
図11(b)が示すように、注目領域Zが図中左から右に移動していることを把握する。また、ゲーム処理装置20は、オブジェクト情報22Bを参照し、標的キャラクタ56もまた図中左から右に移動していることを把握する。そして、ゲーム処理装置20は、標的キャラクタ56が注目領域Zの動きに追従していると判断し、標的キャラクタ56を注視オブジェクトに特定する。
【0105】
オブジェクト特定部21Aは、特定された標的キャラクタ56の表示が障害物で遮られているか否かを判断する。また、オブジェクト特定部21Aは、標的キャラクタ56が障害物で表示を遮られ続けている時間を経時する。
【0106】
オブジェクト特定部21Aは、標的キャラクタ56の少なくとも一部が、所定期間にわたり障害物で表示を遮られたとき、標的キャラクタ56に対する特定を解除する。これに対して、標的キャラクタ56の少なくとも一部が、障害物で表示を遮られるが、連続して遮られている時間が、所定期間に満たない長さであるとき、オブジェクト特定部21Aは、標的キャラクタ56を注視オブジェクトに特定し続ける。なお、オブジェクト特定部21Aが参照する所定期間は、注視オブジェクトが動体であるときの時間であり、注視オブジェクトが静体であるときの期間よりも長い。
【0107】
例えば、
図11(b)が示すように、標的キャラクタ56のような動体は、中立キャラクタ50Mの背後に隠れたり、中立キャラクタ50Mと連れ動いたりする場合がある。そして、標的キャラクタ56が中立キャラクタ50Mの背後に隠れている期間も、所定期間未満であれば、プレイヤPによる標的キャラクタ56の注視は、依然として続けられていると推定される。そのため、プレイヤPが注視している動体のオブジェクトを、より的確に特定することが可能となる。
【0108】
ゲーム処理装置20は、標的キャラクタ56に対応付けられたアシスト情報22Dを抽出する。標的キャラクタ56に対応付けられたアシスト情報22Dは、
図10で示した例と同じく、注視によって選択されていることを示す情報、例えば、標的キャラクタ56が標的として選択されていることを示す情報である。
【0109】
ゲーム処理装置20は、アシスト情報22Dを出力可能と判断するとき、
図11(b)が示すように、標的として選択されていることを示す画像56Tに、標的キャラクタ56の画像を重ねて、HMD10に表示させる。これにより、プレイヤPによる標的キャラクタ56の選択、および、標的キャラクタ56が選択状態であることの表示を、プレイヤPの注視という指示操作によって実現可能となる。この際、ゲーム処理装置20は、プレイヤPの操作によって発生した武器57の攻撃先を、標的キャラクタ56の動きに追従させる。そして、ゲーム処理装置20は、
図11(c)が示すように、武器57の攻撃先が標的キャラクタ56を追尾している指標57Lを、HMD10に表示させる。
【0110】
これにより、標的キャラクタ56を攻撃先に選択すること、および、その選択が行われていることを表示することが、プレイヤPの注視という1つの指示操作によって実現可能となる。そのうえ、選択状態の標的キャラクタ56が、武器57の攻撃先として自動的に追尾されるため、恰も、プレイヤPの能力によって自動追尾が発揮されたかのように、ゲームの演出を行うことが可能ともなる。
【0111】
図12,13は、注視オブジェクトの視野の画像をアシスト情報22Dとして出力させる第4出力例を示す。なお、
図12,13が示す例では、ゲーム処理装置20は、第1領域例もしくは第2領域例に準じて、注目領域Zを特定し、第1注視例、第2注視例、もしくは第3注視例に準じて、注視オブジェクトを特定する。
【0112】
図12が示すように、各プレイヤP1,P2は、別々のHMD10を装着し、1台のゲーム処理装置20は、各プレイヤP1,P2に1つずつの注目領域Z1,Z2を特定する。ゲーム処理装置20は、各HMD10に出力させる画面に、各プレイヤP1,P2に関連付けられたアバタA1,A2を含める。各アバタA1,A2は、例えば、戦闘員のキャラクタである。各プレイヤP1,P2に関連付けられたアバタA1,A2は、それに関連付けられた各プレイヤP1,P2の頭の位置と向きとに基づく画像を表示する。
【0113】
ゲーム処理装置20は、各プレイヤP1,P2が注視しているオブジェクトを特定する。ゲーム処理装置20は、注視オブジェクトに対応付けられたアシスト情報22Dを抽出する。例えば、ゲーム処理装置20は、
図13(a)が示すように、敵キャラクタ501を注視オブジェクトに特定し、敵キャラクタ501に対応付けられたアシスト情報22Dを抽出する。敵キャラクタ501に対応付けられたアシスト情報22Dは、敵キャラクタ501がプレイヤP1の標的として選択されていることを示す情報である。
【0114】
ゲーム処理装置20は、アシスト情報22Dを出力可能と判断するとき、標的として選択されていることを示す画像56Tに、敵キャラクタ501の画像を重ねて、プレイヤP1のHMD10に表示させる。また、ゲーム処理装置20は、プレイヤP2のHMD10に対しても、標的として選択されていることを示す画像56Tに、敵キャラクタ502の画像を重ねて表示させる。
【0115】
ゲーム処理装置20は、画像56Tを表示させた後、仮想空間Vにおける敵キャラクタ501の視野の画像を、アシスト情報22Dとして、所定期間にわたりプレイヤP1のHMD10に出力させる。例えば、ゲーム処理装置20は、画像を抽出するための視線方向を、敵キャラクタ501からプレイヤPの視点に向けた方向に変える。また、ゲーム処理装置20は、プレイヤP1のHMD10に表示させる画像を、変更後の視線方向を中心とした画像に変える。そして、ゲーム処理装置20は、例えば、
図13(b)が示すように、敵キャラクタ501の仮想空間Vにおける視野での画像を、敵キャラクタ501の特定から所定期間にわたり、プレイヤP1のHMD10に出力させる。なお、ゲーム処理装置20は、プレイヤP2のHMD10に対しても、敵キャラクタ502の仮想空間Vでの視野の画像を、敵キャラクタ502の特定から所定期間にわたり、プレイヤP2のHMD10に出力させる。
【0116】
これにより、プレイヤP1,P2の視野とは異なる視野での状況把握が、プレイヤP1,P2の注視という指示操作によって実現可能となる。そして、敵キャラクタ501の視野での画像をプレイヤP1が把握可能となり、また、敵キャラクタ502の視野での画像をプレイヤP2が把握可能となる。
【0117】
各敵キャラクタ501,502の視野での画像は、その敵キャラクタ501,502が次の動きを定めるための情報でもある。そのため、各プレイヤP1,P2は、自身が注視している敵キャラクタ501,502について、それが取り得る次の動きを予測することが可能ともなる。さらに、各敵キャラクタ501,502の視野での画像は、各プレイヤP1,P2の背後に存在するオブジェクト503も表示する。そのため、各プレイヤP1,P2は、通常ならば把握できない自身の背後を考慮して、次の動きを定めることが可能ともなる。
【0118】
このように、注視オブジェクトを頭部の向きに基づいて特定することによって注視オブジェクトについてアシスト情報22Dを表示するため、HMD10でプレイヤの手元が見えない状況であってもアシスト情報22Dの表示を指示することができる。
【0119】
[ハードウェア構成]
図14は、ゲーム処理装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。ゲーム処理装置20は、デスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯情報端末(PDA)、サーバ、および、他の種類のコンピュータのいずれか1つである。
図11に示すハードウェア要素と、ハードウェア要素間の接続形態は、一例である。
【0120】
ゲーム処理装置20は、プロセッサ601、および、メモリ602を備える。ゲーム処理装置20は、ノースブリッジ603、サウスブリッジ604、および、記憶装置605を備える。プロセッサ601、メモリ602、各ブリッジ603,604は、各種バス606によって相互に接続されている。プロセッサ601は、ゲームの進行を統括するとともに、ノースブリッジ603に接続されるHMD10に画像を表示させる。なお、ゲーム処理装置20は、プロセッサ601の機能を複数のプロセッサで実現することも可能であり、メモリ602の機能を複数のメモリで実現することも可能である。
【0121】
メモリ602は、ノースブリッジ603に接続されて、ゲームの処理に関する情報をプロセッサ601に出力する。例えば、メモリ602は、揮発性記憶装置、または、不揮発性記憶装置である。また、例えば、メモリ602は、磁気、または、光ディスクなどの記憶媒体である。
【0122】
記憶装置605は、サウスブリッジ604に接続されて、ゲームの処理に関する情報をプロセッサ601に出力する。例えば、記憶装置605は、ハードディスク装置、光ディスク装置、フラッシュメモリ、または、その他の記憶装置である。
【0123】
ノースブリッジ603は、HMD10やコントローラ608に接続されている。サウスブリッジ604は、拡張ポート707に接続されている。拡張ポート707は、各種の通信ポート(例えば、USB、ブルートゥース(登録商標)、イーサネット(登録商標)、ワイヤレスイーサネット)を含んでいてもよく、キーボード、マウス、ネットワーク装置等の入出力装置に接続されてもよい。
【0124】
上記構成において、プロセッサ601、メモリ602、および、ノースブリッジ603が制御部21に対応し、メモリ602、および、記憶装置605が、記憶部22に対応する。
【0125】
以上説明したように、上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)プレイヤP,P1,P2が注視しているオブジェクトが特定されて、特定された注視オブジェクトに関わるアシスト情報22Dが出力される。そのため、プレイヤP,P1,P2によるオブジェクトの注視を、アシスト情報22Dの出力指示として採用可能となる。結果として、アシスト情報22Dの出力に関わる指示を円滑に出力可能となる。
【0126】
(2)プレイヤPの思念がプレイヤPの能力によって具体化したかのように、ゲームの演出を行うことが可能ともなる。結果として、仮想空間Vの画像やそれを用いた演出に、プレイヤPをさらに惹きつけることが可能ともなる。
【0127】
(3)第3出力例を用いる場合には、注視オブジェクトの選択指示、および、注視オブジェクトの追従指示を、円滑に出力可能ともなる。また、第4出力例を用いる場合には、注視オブジェクトの選択指示、および、注視オブジェクトの視野での画像の表示指示を、円滑に出力可能ともなる。
すなわち、注視オブジェクトを選択する指示と、それ以外の他の指示とを兼ね備えた操作を、1つの注視によって行うことが可能ともなる。
【0128】
(4)第4注視例を用いる場合には、注目領域Zの動きに追従しているオブジェクトが、プレイヤPが注視しているオブジェクトに特定されるため、注視オブジェクトの特定精度を向上することが可能となる。
【0129】
(5)第5注視例や第6注視例を用いる場合には、障害物に表示を遮られている時間が所定時間に満たないことに基づいて、注視オブジェクトが特定される。そのため、障害物が存在する場合であっても、注視オブジェクトを特定することが可能となる。また、障害物に表示を遮られ続けている注視オブジェクトについて、その特定を解除することが可能ともなる。結果として、注視オブジェクトの特定精度を向上することが可能となる。
【0130】
なお、上記各実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・ゲーム処理装置20は、プレイヤキャラクタの将来の経験値などを将来状況として、その将来状況の出力に、第1出力例を適用することも可能である。例えば、ゲーム処理装置20は、ゲームをプレイしている頻度、クエストに対する参加申請の推移、プレイヤキャラクタの過去の経験値などのゲームの進行状況を把握して、プレイヤキャラクタの今後の経験値の推移を推定する。例えば、ゲームを進行させることにプレイヤPが積極的であると推定される状況では、プレイヤキャラクタの経験値が短期間で上昇すると推定する。そして、ゲーム処理装置20は、プレイヤキャラクタの経験値を示すテキストを注視オブジェクトに特定すると、プレイヤキャラクタの経験値の将来状況を、HMD10に出力させる。
【0131】
・ゲーム処理装置20は、注視オブジェクトの過去状況を出力させることも可能である。過去状況を出力させるためのアシスト情報22Dは、例えば、注視オブジェクトに設定されたゲームキャラクタの現在に至るまでの回想シーンである。そして、ゲーム処理装置20は、ゲームキャラクタを注視オブジェクトに特定すると、そのゲームキャラクタの回想シーンを、HMD10に出力させる。
【0132】
・ゲーム処理装置20は、第3出力例をサッカーゲームや野球ゲームに適用することも可能である。例えば、サッカーゲームに適用される場合、ゲーム処理装置20は、ゴールの中に複数のオブジェクトを表示させると共に、プレイヤPが注視しているオブジェクトを注視オブジェクトに特定する。そして、ゲーム処理装置20は、プレイヤPの蹴る動作によって発生するボールを注視オブジェクトまで導く。例えば、野球ゲームに適用される場合、ゲーム処理装置20は、ピッチャーの投げたボールをプレイヤPが注視しているか否かを判断する。ゲーム処理装置20は、プレイヤPが注視していると判断したボールを、注視オブジェクトに特定し、プレイヤPの振る動作によって発生するバットの軌道を、注視オブジェクトに合わせる。
【0133】
・ゲーム処理装置20は、センサ12の検出した結果を用いて、プレイヤPの頭部の位置と向きとを算出することも可能である。あるいは、HMD10は、センサ12の検出した結果と、ディスプレイ13の出力している画像とを用いて、注視オブジェクトを特定することも可能である。このように、HMD10の機能の一部を、ゲーム処理装置20が備えることも可能である。また、ゲーム処理装置20の機能の一部を、HMD10が備えることも可能である。
【0134】
・オブジェクト特定部は、視線が向かう方向を、例えば、鼻の位置や向き、または、口の位置や向きに基づいて特定することも可能である。なお、鼻や口の向きは、例えば、後頭部から鼻または口へ向かう方向として定めてもよい。
【0135】
上記実施形態、および、変形例から導き出される技術的思想を以下に付記する。
[付記1]
仮想空間情報の出力を制御装置に制御させる画像表示プログラムであって、前記制御装置を、表示装置に表示させている仮想空間の画像の中からユーザが注視しているオブジェクトを特定するオブジェクト特定部と、前記オブジェクト特定部が特定しているオブジェクトに関わる情報であって、仮想空間の把握に有利な情報であるアシスト情報を出力させる進行管理部として機能させる画像表示プログラム。
【0136】
上記付記1によれば、画像表示プログラムを、バーチャルリアリティシステムに適用することが可能である。バーチャルリアリティシステムは、例えば、移動体の運転訓練や職業訓練などの各種シミュレーション、医療分野におけるトレーニング、製品のモニター、映画や音楽の鑑賞などである。そして、これらのバーチャルリアリティシステムにおいても、仮想空間情報の出力に関わる指示の円滑化を実現できる。
【0137】
[付記2]
仮想空間情報の出力を制御装置に制御させる画像表示プログラムであって、前記制御装置を、表示装置に表示させている仮想空間の画像の中からユーザが注視しているオブジェクトを特定するオブジェクト特定部であって、プレイヤが注視していると特定されたオブジェクトについて、当該オブジェクトの少なくとも一部が所定期間にわたり障害物で表示を遮られ続けたときに、該オブジェクトをプレイヤが注視していないと判断する前記オブジェクト特定部として機能させる画像表示処理プログラム。
【0138】
[付記3]
仮想空間情報の出力を制御装置に制御させる画像表示プログラムであって、前記制御装置を、表示装置に表示させている仮想空間の画像の中からユーザが注視しているオブジェクトを特定するオブジェクト特定部であって、前記オブジェクト特定部は、プレイヤが注視していると特定されたオブジェクトが動体である場合に、当該オブジェクトの少なくとも一部が障害物で表示を遮られる期間に、プレイヤが該オブジェクトを注視し続けていると判断する前記オブジェクト特定部として機能させる画像表示処理プログラム。
【0139】
上記付記2、3においても、画像表示プログラムを、バーチャルリアリティシステムに適用することが可能である。バーチャルリアリティシステムは、例えば、移動体の運転訓練や職業訓練などの各種シミュレーション、医療分野におけるトレーニング、製品のモニター、映画や音楽の鑑賞などである。そして、これらのバーチャルリアリティシステムにおいても、注視オブジェクトの特定精度を高めることが可能となる。
〔1〕
仮想空間情報の出力を制御装置に制御させるゲーム処理プログラムであって、
前記制御装置を、
表示装置に表示させている仮想空間の画像の中からプレイヤが注視しているオブジェクトを特定するオブジェクト特定部と、
前記オブジェクト特定部が特定しているオブジェクトに関わる情報であって、ゲームの進行に有利な情報であるアシスト情報を出力させる進行管理部として機能させるゲーム処理プログラム。
〔2〕
前記アシスト情報は、前記進行管理部が取得した前記オブジェクトの将来状況を含む〔1〕に記載のゲーム処理プログラム。
〔3〕
前記アシスト情報は、オブジェクトの属性であって、前記オブジェクト特定部に特定されることを条件として公開される属性を含む〔1〕または〔2〕に記載のゲーム処理プログラム。
〔4〕
前記アシスト情報は、前記オブジェクトから見た前記仮想空間での画像を含む〔1〕から3のいずれか一項に記載のゲーム処理プログラム。
〔5〕
前記アシスト情報は、プレイヤの注視によってオブジェクトが選択状態に遷移したことを示す情報を含み、
前記進行管理部は、プレイヤの操作によって発生した他のオブジェクトの動きを、前記選択状態のオブジェクトの動きに追従させる〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載のゲーム処理プログラム。
〔6〕
前記オブジェクト特定部は、プレイヤの体の所定部位の位置と向きとから特定されるプレイヤの注目領域を、前記表示装置に表示させる画像の一部に設定し、少なくとも一部が前記注目領域に位置するオブジェクトを、プレイヤが注視しているオブジェクトに特定する〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載のゲーム処理プログラム。
〔7〕
前記オブジェクト特定部は、前記仮想空間での前記注目領域の動きに追従しているオブジェクトを、プレイヤが注視しているオブジェクトに特定する〔6〕に記載のゲーム処理プログラム。
〔8〕
前記オブジェクト特定部は、プレイヤが注視していると特定されたオブジェクトについて、当該オブジェクトの少なくとも一部が所定期間にわたり障害物で表示を遮られ続けたときに、該オブジェクトをプレイヤが注視していないと判断する〔6〕または〔7〕に記載のゲーム処理プログラム。
〔9〕
前記オブジェクト特定部は、プレイヤが注視していると特定されたオブジェクトが動体である場合に、当該オブジェクトの少なくとも一部が障害物で表示を遮られる期間に、プレイヤが該オブジェクトを注視し続けていると判断する〔6〕または〔7〕に記載のゲーム処理プログラム。
〔10〕
仮想空間情報の出力を制御装置が制御するゲーム処理方法であって、
前記制御装置が、表示装置に表示させている仮想空間の画像の中からプレイヤが注視しているオブジェクトを特定して、当該特定しているオブジェクトに関わる情報であって、ゲームの進行に有利な情報であるアシスト情報を出力させるゲーム処理方法。
〔11〕
仮想空間情報の出力を制御する制御装置を備えたゲーム処理装置であって、
前記制御装置は、表示装置に表示させている仮想空間の画像の中からプレイヤが注視しているオブジェクトを特定して、当該特定しているオブジェクトに関わる情報であって、ゲームの進行に有利な情報であるアシスト情報を出力させるゲーム処理装置。
【符号の説明】
【0140】
F…注視点、P…プレイヤ、V…仮想空間、Z…注目領域、10…HMD、11…HMD制御部、12…センサ、13…ディスプレイ、14…スピーカ、20…ゲーム処理装置、21…制御部、21A…オブジェクト特定部、21B…進行管理部、22…記憶部、22A…画像情報、22B…オブジェクト情報、22C…注目領域情報、22D…アシスト情報、50…オブジェクト。