(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】業務費用立替え支援システム、業務支援装置、立替え支援装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/08 20120101AFI20231027BHJP
G06Q 50/22 20180101ALI20231027BHJP
【FI】
G06Q20/08
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2019074370
(22)【出願日】2019-04-09
【審査請求日】2022-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】519128152
【氏名又は名称】株式会社アド・バンテージ
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 憂
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-015059(JP,A)
【文献】国際公開第2018/179375(WO,A1)
【文献】特開2010-238183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の依頼に応じて行う業務を支援する業務支援装置と、前記業務の費用の一部又は全部の立替えを支援する立替え支援装置と、を備える業務費用立替え支援システムであって、
前記業務は、前記利用者の当該利用者が受ける助成金の申請手続を代行する業務であり、
前記業務支援装置が、
前記業務の進捗を記録するデータベースと、
前記助成金の申請手続が完了した場合であって、前記費用の立替えが可能な場合に前記費用の立替えを要求する立替え要求部と、
を備え、
前記立替え支援装置が、
前記立替えが可能か否かを判定する立替え可否判定部と、
前記要求に応じて費用を立替える費用立替え部と、
前記データベースを監視して
前記助成金の申請に対する審査の完了を検出する業務完了検出部と、
前記助成金の申請に対する審査が完了した場合に前記立替えた費用の回収が可能か否かを判定する回収可否判定部と、
前記利用者に前記助成金が受給され、前記回収が可能な場合に前記立替えた費用の回収を行う立替え費用回収部と、
を備える
ことを特徴とする、業務費用立替え支援システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の業務費用立替え支援システムを形成するための構成を備えたことを特徴とする業務支援装置。
【請求項3】
請求項
1に記載の業務費用立替え支援システムを形成するための構成を備えたことを特徴とする立替え支援装置。
【請求項4】
コンピュータを請求項
2に記載の業務支援装置として機能させることを特徴とする、コンピュータ読み込み可能なプログラム。
【請求項5】
コンピュータを請求項
3に記載の立替え支援装置として機能させることを特徴とする、コンピュータ読み込み可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に対して行う業務において、業務費用の一部又は全部を立替える業務費用立替え支援システム、業務支援装置、立替え支援装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、所定の業務をコンピュータによる情報システムを用いて支援する業務支援システムとして、例えば特許文献1の案件申請装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、省庁等への申請等手続きを代行する業務に対する業務支援を行う情報システムとして構築することが可能である。
【0005】
上記の様な業務の場合、手続きの代行業務は当該代行する手続きの複雑な要件を満たすように業務を遂行する必要があり費用は高額となる傾向にある。一方で、申請者は当該申請が完了するまで業務を開始できない等の制約により、申請を行う時点で高額な申請代行費用を捻出することが困難となる場合がある。
【0006】
また、昨今のビジネス環境の変化により、新たな事業等を行うに際し、事業開始当初は取り扱う商品やサービスの内容を限定して小規模なビジネスとして行い、次第に事業規模を拡大していく、いわゆるスモールスタート方式が広まりつつある。このような形態で事業を開始する場合には、開始当初は小規模に事業を行うため、申請手続き等を他者に委託しようとしても費用的な問題が生じる場合がある。
【0007】
この発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、業務の費用の一部又は全部を一時的に立替えることで利用しやすい業務を利用者に提供することができる、業務費用立替え支援システム、業務支援装置、立替え支援装置、及びプログラムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる問題を解決するために、請求項1の発明に係る業務費用立替え支援システムは、利用者の依頼に応じて行う業務を支援する業務支援装置と、前記業務の費用の一部又は全部の立替えを支援する立替え支援装置と、を備える業務費用立替え支援システムであって、 前記業務は、前記利用者の当該利用者が受ける助成金の申請手続を代行する業務であり、 前記業務支援装置が、前記業務の進捗を記録するデータベースと、前記助成金の申請手続が完了した場合であって、前記費用の立替えが可能な場合に前記費用の立替えを要求する立替え要求部と、を備え、前記立替え支援装置が、前記立替えが可能か否かを判定する立替え可否判定部と、前記要求に応じて費用を立替える費用立替え部と、前記データベースを監視して前記助成金の申請に対する審査の完了を検出する業務完了検出部と、前記助成金の申請に対する審査が完了した場合に前記立替えた費用の回収が可能か否かを判定する回収可否判定部と、前記利用者に前記助成金が受給され、前記回収が可能な場合に前記立替えた費用の回収を行う立替え費用回収部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の業務費用立替え支援システムを形成するための構成を備えたことを特徴とする業務支援装置であり、請求項3の発明は、請求項1に記載の業務費用立替え支援システムを形成するための構成を備えたことを特徴とする立替え支援装置である。
【0013】
請求項4の発明は、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、コンピュータを請求項2に記載の業務支援装置として機能させることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、コンピュータを請求項3に記載の立替え支援装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の構成によれば、立替え支援装置が、立替えが可能か否かを判定する立替え可否判定部と、当該判定の結果立替えが可能な場合に業務支援装置の要求に応じて費用を立替える費用立替え部を備えている。これにより業務の費用の一部又は全部を立替えることで、利用しやすい業務を利用者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態に係る業務費用立替え支援システム全体の構成を概念的に示すブロック図である。
【
図2】実施の形態に係る業務費用立替え支援システムを使用した際の業務の流れを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る業務費用立替え支援システム100全体の構成を概念的に示すブロック図である。
【0018】
図1に示す業務費用立替え支援システム100は、各種の費用、たとえば特定の助成金の申請を行う利用者500が、各種の費用を提供する人や法人など、例えば特定の助成金を提供のための審査を行い、審査の結果に応じて特定の助成金を利用者500に提供する助成金審査機関800に対して提供する際に用いられるシステムである。
図1で示すように、本実施の形態に係る業務費用立替え支援システム100は、利用者500の依頼に応じて行う所定の業務(後述する「S108」参照。以下同じ。)を支援する業務提供者600が用いる業務支援装置200と、この所定の業務の遂行において発生する費用の一部又は全部を立替える立替え業務提供者700が用いる立替え支援装置300を備えている。なお、業務支援装置200により支援する業務の内容は適宜選択してよい。本実施の形態における業務支援装置200は、利用者500の依頼に応じて、助成金の申請手続きを代行する業務を支援したり、利用者500の依頼に応じて、助成金の申請のために必要な業務を支援したりする。
なお、
図1において、業務費用立替え支援システム100は、利用者500が用いる利用者端末510、助成金審査機関800が用いる審査機関端末810を備えているが、これについては後述する。
図1に示すとおり、業務費用立替え支援システム100の一部ないし全部は、ネットワークコンピュータシステムとして構成されている。即ち、業務提供者600の用いる業務支援装置200、立替え業務提供者700の用いる立替え支援装置300、利用者500の用いる利用者端末510、助成金審査機関800の用いる審査機関端末810は、ネットワーク400を介して相互に通信可能に構成されている。
一方、例えば、利用者500が利用者端末510を用いずに業務費用立替え支援システム100を利用することや、助成金審査機関800が審査機関端末810を用いずに業務費用立替え支援システム100を利用する構成とすることも可能である。この場合、利用者500や助成金審査機関800は、利用者500、業務提供者600、立替え業務提供者700、助成金審査機関800との直接交渉(電話等を用いた交渉も含む)にて手続を行うこととなる。同様に、業務提供者600が業務支援装置200を用いずに業務費用立替え支援システム100を利用することや、立替え業務提供者700が立替え支援装置300を用いずに業務費用立替え支援システム100を利用することも可能である。
また、業務支援装置200を用いて業務を行う者と、立替え支援装置300を用いて費用の立替えを行う者は同一でもよいし、異なっていてもよい。本実施の形態では、利用者500に対して業務を提供する業務提供者600(
図2参照)が業務支援装置200を用いて助成金申請手続き代行業務を提供し、金融機関や監査法人等が立替え業務提供者700として立替え支援装置300を用いて費用の立替えを行うが、例えば同一法人において、業務を実施する部署と、会計・財務等を行う部署がそれぞれ業務支援装置200及び立替え支援装置300を用いるようにしてもよい。
【0019】
業務支援装置200は、利用者500の依頼に応じて行う業務を支援する装置であり、データベース201と、業務支援実施部202と、立替え要求部203を備えている。
【0020】
業務支援装置200は後述するように、利用者500から依頼された業務の進捗を管理するためのデータベース201を備えている。データベース201は周知のデータベースを用いて構築してよく、例えばRDBMS(リレーショナル・データベース・マネージメント・システム)を用いてデータベース201を構築してもよいし、或いはより簡略化した構成、例えば任意の表計算アプリケーション・ソフトウェアから読込可能な形式のファイルであってもよい。
【0021】
業務支援実施部202は、利用者500の依頼に応じて行う業務を支援する。前述の通り、本実施の形態では利用者500の助成金申請を代行する業務を支援するが、当該業務を行うにあたって必要な情報の収集及び入力を行い、当該収集・入力した情報に基づいて申請書を生成する。なお、前述の通り、業務の内容は適宜選択してよく、助成金の申請や助成金の申請のために必要な業務以外の業務を支援するようにしてもよい。
【0022】
立替え要求部203は、後述する立替え支援装置300の立替え可否判定部301が、前述の業務における費用の一部又は全部を立替え可能と判定した場合に、費用の立替えを要求する。立替えを要求する具体的な方法は適宜選択してよく、例えば、後述するネットワーク400を介した任意の決済システムを利用して請求書の発行を行うようにしてもよいし、或いは、紙媒体の請求書を印刷するようにしてもよい。
【0023】
本実施の形態において、業務支援装置200は周知のサーバ用コンピュータを用いて構成されている。本実施の形態では、業務支援装置200として用いるコンピュータの二次記憶装置に後述する処理を実行するプログラムが予め記憶されており、当該プログラムをメモリにロードしてCPUが実行することにより、コンピュータを業務支援装置200として機能させるものである。
【0024】
上記の通り、本実施の形態において業務支援装置200はサーバ用途のコンピュータを用いて構成されているが、業務支援装置200に用いるコンピュータは適宜周知のコンピュータを選択してよい。例えば、一般的なパーソナル・コンピュータを用いてよく、業務支援装置200として機能させるにあたって要求される性能、例えば処理速度や耐久性、信頼性その他に応じて任意に変更してよい。
【0025】
また、本実施の形態では、業務支援装置200が単一のコンピュータにより構成されているが、業務支援装置200の機能を二台以上のコンピュータにより発揮するように構成してもよい。また、二台以上のコンピュータにより業務支援装置200を構成する場合にすべてのコンピュータが同一の場所に設置されている必要はなく、例えば遠隔地に配置されたコンピュータがネットワーク400を介して通信する構成としてもよい。
【0026】
立替え支援装置300は、業務支援装置200により支援する業務に係る費用の一部又は全部の一時的な立替えを支援する装置である。本実施の形態における立替え支援装置300は、立替え可否判定部301と、費用立替え部302と、業務完了検出部303と、回収可否判定部304と、立替え費用回収部305を備えている。
【0027】
立替え可否判定部301は、利用者500からの依頼に応じて業務を行う際に、当該業務の費用の一部又は全部を立替え可能か否か判定する。判定の条件は任意に選択してよく、例えば利用者500の資力等に基づいて判定するようにして良い。本実施の形態では前述のように助成金の申請代行業務を行うが、例えば利用者500からの依頼内容と、過去の実績等を用いて立替えの可否を判定するようにしてもよい。
【0028】
費用立替え部302は、業務支援装置200の立替え要求部203からの要求に応じて、業務費用の一部又は全部を立替える。立替えの具体的な方法は任意に選択してよく、例えば、前述のように任意の決済システムが利用できる場合には、当該決済システムにより費用の一部又は全部を業務提供者600(
図2参照)に支払うようにしてもよい。
【0029】
なお、この実施の形態において立替えられる業務費用は、たとえば、後述する、利用者500が助成金審査機関800に対して行う助成金の申請手続きに付随して発生する、利用者500が助成金を受ける条件を満たしているか否かを判定するための所定の手続きである、業務提供者600(
図2参照)が利用者500に対して行う労務監査の費用や、助成金を受ける条件を満たしているかを判定するための社会保険労務士を紹介してその社会保険労務士に労務監査を行わせることで発生する労務監査の費用が考えられる。以下は、そのような労務監査の費用の立替えを例にとって説明するが、これは立て替えの費用の一例であり、この実施の形態で立替えられる業務費用は上述の労務監査の費用等のみには限定されない。
【0030】
業務完了検出部303は、業務支援装置200により支援する業務の進捗を監視し、当該業務の完了を検出する。本実施の形態では、業務支援装置200がデータベース201を備えており、当該データベース201に業務の進捗を示す情報が格納されている。業務完了検出部303はデータベース201を監視することにより、業務の完了を検出する。なお、監視の方法は任意に選択してよく、例えば、定期的に立替え支援装置300がデータベース201に問合せ等を発行して進捗を監視するようにしてもよいし、或いは、データベース201の進捗状況が変化した際に業務支援装置200が当該変化した旨を立替え支援装置300に通知し、当該通知をトリガとして業務完了検出部303がデータベース201に問合せを行うようにしてもよい。
【0031】
回収可否判定部304は、前述の業務完了検出部303により業務の完了が検出した場合に、立替えた費用を利用者500から回収可能か否かを判定する。本実施の形態は前述の通り助成金申請の手続き代行業務を支援するが、申請の結果助成金が受給され、かつ、当該受給した助成金の金額が所定の金額を超える場合に回収可能と判定する。
【0032】
立替え費用回収部305は、立替えた費用を利用者500から回収する。回収の方法は任意に選択してよく、本実施の形態では、前述の回収可否判定部304が回収可能と判定した場合に、利用者500に請求書を発行する。
【0033】
本実施の形態において、立替え支援装置300は業務支援装置200と同様に、周知のサーバ用コンピュータを用いて構成されている。立替え支援装置300として用いるコンピュータの二次記憶装置に後述する処理を実行するプログラムが予め記憶されており、当該プログラムをメモリにロードしてCPUが実行することにより、コンピュータを立替え支援装置300として機能させる構成も、業務支援装置200と同様である。
【0034】
また、立替え支援装置300に用いるコンピュータとして適宜周知のコンピュータを使用してよく、単一のコンピュータによって立替え支援装置300を構成してもよいし、二台以上のコンピュータを用いて立替え支援装置300を構成してもよい。
【0035】
利用者端末510は、業務費用立替え支援システム100の利用者500が各種手続きを行う際に使用する端末であって、パーソナル・コンピュータ、スマートフォン、タブレット等、データ通信、データ入力、文字や画像の表示の可能な端末によって構成される。
【0036】
審査機関端末810は、助成金審査機関800(厳密には、助成金審査機関800の構成員や業務委託者等)が、利用者500の助成金申請に関する各種手続を行ったり、助成金の申請に関して利用者500(利用者500の利用者端末510を用いた手続を含む)や、業務提供者600(
図2参照)の業務支援装置200を用いた助成金申請に関する各種手続を行うために用いる端末であって、パーソナル・コンピュータ、スマートフォン、タブレット等、データ通信、データ入力、文字や画像の表示の可能な端末によって構成される。
【0037】
本実施の形態において、業務支援装置200と立替え支援装置300と利用者端末510と審査機関端末810とは、ネットワーク400を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク400はいわゆるインターネットその他の広域的なコンピュータ・ネットワークを用いてよいが、例えば業務を提供する者と立替えを行う者が同一で、一の建物等にすべてのコンピュータが配置されている場合にはローカル・エリア・ネットワーク(LAN)等を用いてもよい。
【0038】
以上が業務費用立替え支援システム100全体の構成である。次いで、本実施の形態において、業務費用立替え支援システム100を用いた際の業務の流れについて説明する。
図2は、本実施の形態に係る業務費用立替え支援システム100を用いて、利用者500に業務を提供し、また、業務の費用の一部又は全部を立替える際の業務の流れをUML(Unified Modeling Language)のシーケンス図形式で示した図である。なお、
図2においては、利用者500が利用者端末510を用いて処理を行い、助成金審査機関800が審査機関端末810を用いて処理を行う場合に基づいて説明するが、上述のとおり、利用者500が利用者端末510を用いずに処理を行ったり、助成金審査機関800が審査機関端末810を用いずに処理を行ったりすることも可能である。
本実施の形態では、前述のように業務支援装置200を用いて業務を行う業務提供者600が利用者500の依頼に応じて助成金申請手続きを代行し、業務提供者600とは別の事業者である立替え業務提供者700が立替え支援装置300を用いて業務費用(ここでは、業務提供者600の利用者500に対する労務監査の実施費用や、社会保険労務士の紹介費用及び社会保険労務士による利用者500に対する労務監査の実施費用等)の一部又は全部を立替える。以下の処理手順では、そのような手順を行う場合について説明する。
【0039】
業務提供者600が利用者500からの業務の依頼を受けると(S101参照)、業務提供者600は、業務支援装置200から利用者端末510へのデータ送信等により、利用者500に立替え業務提供者700を紹介する(S102参照)。本実施の形態では、業務支援装置200が利用者端末510にデータを送信することで提供するWWW(World Wide Web)サイト(図示せず)の申込みフォーム(図示せず)に利用者500が利用者端末510を用いて必要事項を記入して業務支援装置200に送信することで業務の依頼を受理する。また、業務支援装置200から利用者端末510に送られるデータにおいては、上記WWWサイト(図示せず)において業務提供の説明を行う際に、条件を満たすことにより費用の一部又は全部が立替え業務提供者700により立替えられる旨、及び、立替え支援装置300が提供するWWWサイト(図示せず)の費用立替え申込みフォーム(図示せず)へのリンクが提示される。
【0040】
利用者端末510に表示された上記費用立替え申込フォーム(図示せず)に利用者500が必要事項を記入して利用者端末510から立替えの申込みを行うと(S103参照)、この申込みのデータは利用者端末510から立替え業務提供者700の立替え支援装置300に送信される。申込みのデータを受信した立替え支援装置300は、立替え可否判定部301により、利用者500に対して業務費用の一部又は全部を立替え可能か否か判定する(S104参照)。具体的には、立替え可否判定部301は、送信された情報等を立替え可否判定部301に記録された立替え可否判定基準と対比する等の処理を行うことで、利用者500が、立替えを認めてよいか否かの判定を行う。判定した結果は、立替え支援装置300から利用者500の利用者端末510及び業務提供者600の業務支援装置200に通知される(S105及びS106参照)。
【0041】
判定結果を受理した利用者500が改めて利用者端末510から業務提供者600の業務支援装置200に業務を依頼する旨のデータを送信すると(S107参照)、データを受信した業務支援装置200においては、業務支援実施部202が所定の処理を行うことにより、業務提供者600が、利用者500が助成金審査機関800に対して行う助成金の申請手続きに付随して発生する所定の業務を行うものとして処理を行う(S108)。
【0042】
上記の所定の業務の実施(S108)が行われた結果、利用者500が助成金の申請の条件を満たしていることが確認された場合には、業務提供者600は、業務支援装置200から審査機関端末810にデータを送信し(S109)、助成金審査機関800に対して助成金の申請手続を行う。
【0043】
助成金審査機関800の審査機関端末810は、業務支援装置200から助成金申請手続きのデータを受領すると(S109)、当該申請の内容を審査する(S110)。
【0044】
具体的には、審査機関端末810は、受信した助成金申請手続きの情報等を審査機関端末810に記録された助成金認否判定基準と対比する等の処理を行うことで、利用者500が、助成金の交付を認めてよいか否かの判定を行う。なお、本実施の形態では、S107における業務提供の依頼は、前述のS101と同様に業務支援装置200が提供するWWWサイトの申込みフォームに利用者500が利用者端末510を用いて必要情報を記入して業務支援装置200に送信することで行われる。
【0045】
一方、業務支援装置200による助成金の申請手続き(S109)が完了すると、業務支援装置200は、業務提供者600による業務(S108)が所定の進捗を満たしたものと判定する。そして、業務支援装置200の立替え要求部203から立替え支援装置300に立替え要求のデータが送信されることにより、業務提供者600から立替え業務提供者700に対し、行われた業務(S108参照)の業務費用の一部又は全部の立替えが要求されることとなる(S111参照)。前述の通り、本実施の形態では、当該要求は立替え要求部203が費用請求書を発行し、発行した費用請求書を立替え支援装置300に送信することで行われる。
【0046】
立替え支援装置300が業務支援装置200の立替え要求部203による費用立替え要求を受理すると、立替え支援装置300の費用立替え部302が当該要求された費用を業務提供者600に支払う処理を行う(S112参照)。具体的には、費用立替え部302は業務支援装置200に対して、行われた所定の業務(S108参照)に要した費用の一部又は全部の立替え分の支払処理を行う。そして、この支払処理が完了すると、立替え支援装置300から利用者端末510に対して費用立替え処理が完了した旨のデータが送信される。これにより、立替え業務提供者700から利用者500に対し、費用立替えを完了した旨の通知が行われる(S113参照)。
【0047】
なお、本実施の形態では助成金の申請手続き(S109参照)が完了した場合をもって所定の進捗を満たしたものとみなして立替え要求を行う(S111参照)構成としたが、所定の進捗は適宜選択してよい。例えば、助成金の申請手続きを行う際に必要な一部業務(S108参照)について立替える場合には、当該一部業務(S108参照)が完了したことをもって、所定の進捗を満たしたものとみなして費用の立替え要求を行う(S111参照)ようにしてもよい。
【0048】
前述のS110において助成金の申請に対して審査が行われ、審査の結果のデータが審査機関端末810から利用者端末510に送信されることで審査の結果が利用者500に通知されると(S114参照)、利用者500は利用者端末510を用いて業務支援装置200にアクセスして審査の結果を送信し、データベース201に審査の結果を記録することでデータベース201を更新する(S115参照)。データベース201の更新は、利用者500が利用者端末510を用いて業務支援装置200の提供するWWWのフォームに所定の記入を行い、記入したデータを利用者端末510から業務支援装置200に送信することで行ってもよいし、利用者500の利用者端末510から送信されたデータの受信や、他の手段(例えば電話連絡も含む直接の連絡等)によって通知を受けた業務提供者600が、業務支援装置200を操作することで行ってもよい。
【0049】
立替え支援装置300の業務完了検出部303は、業務支援装置200における所定の業務(S108参照)の進捗を定期的に確認する(なお、S108の進捗に替えて、S112の費用立替えの処理の進捗の確認を行うものであってもよい。)。業務支援装置200における所定の業務(S108参照)が完了したことが検出されると(S116)、立替え支援装置300は、定期的に業務支援装置200のデータベース201に対してS115のデータベース201の更新の進捗(更新が行われたか否か)を問合せる処理を行う(S117)。この問合わせの処理に対し、業務支援装置200から立替え支援装置300に対し、データベース201の更新が行われたか否かの結果が通知される(S118参照)。
【0050】
S118の問合わせにより、データベース201が更新された旨の結果が回答された場合は、立替え支援装置300の回収可否判定部304が利用者500に立替えた費用の回収が可能か否か判定する(S119参照)。本実施の形態では、業務として助成金の申請代行業務や助成金の申請のために必要な業務を行うが、当該助成金が受給されたか否か、及び、受給された助成金の金額に基づいて、S112で立替えた費用の回収が可能か否かを判定する。
【0051】
具体的には、例えば、S118における回答にて、データベース201に記録された情報が、利用者500が助成金審査機関800から助成金を受けられる旨の回答であり、かつ、受けられる助成金の額が予め設定された所定の金額を上回る金額であった場合には、回収可否判定部304は、S112で立替えた費用を利用者500から回収可能と判定し、後述するS120、S121の手順に進む。一方、利用者500が助成金審査機関800から助成金を受けられる旨の回答であるが、受けられる助成金の額が予め設定された所定の金額以下である場合や、利用者500が助成金審査機関800から助成金を受けられない旨の回答である場合には、回収可否判定部304は、S112で立替えた費用を利用者500から回収可能と判定し、後述するS120、S121の手順には進まずに処理を終了させる。
【0052】
S119による判定の結果、回収可否判定部304が立替金の回収が可能であると判定した場合には、立替え支援装置300の立替え費用回収部305により、費用の回収がおこなわれる(S120参照)。本実施の形態では、立替え費用回収部305により利用者500に対して請求書が発行される(S121参照)。発行された請求書は、立替え支援装置300から利用者端末510に送信される。
【0053】
なお、この実施の形態では、S121で発行される請求書の請求額には、S112における立替え費用に加え、立替え業務提供者700の立替え手数料や業務手数料等が加算されて請求されることが望ましい。
【0054】
以上が、本実施の形態における業務費用立替え支援システム100を用いた業務の流れである。本実施の形態では、利用者500が業務提供者600に対して業務を依頼する際に、立替え支援装置300による立替え可否判定を行った上で、費用の立替えが可能な利用者500に提供される業務の費用の一部又は全部を立替える。この構成により、業務提供者600が提供する業務の費用の一部又は全部を一時的に立替えることで、利用しやすい業務を利用者500に提供することができる。また、業務提供者600による業務完了を立替え支援装置300の業務完了検出部303が検出することにより、立替え費用の回収処理を確実に行うことができる。
【0055】
本実施の形態の説明は以上であるが、本発明の構成は上記実施の形態に限られるものではない。例えば、本実施の形態では、業務支援装置200が支援する業務は助成金の申請代行業務や助成金の申請のために必要な業務であったが、これら以外であっても、利用者500の依頼に応じて行う業務であれば、適宜当該業務を支援するように構成してよい。
【0056】
具体的には、例えば、インターネット等のネットワーク400を介して自社又は他社の製造した商品の販売や、自社又は他社によるサービスの提供等を行う、EC(Electronic Commerce)サイトやインターネットショッピングモール等に出品や出店を行う者が利用者500で、その利用者500の初期費用や店舗開設費用を立替え業務提供者700が立替える処理を行う際に、この実施の形態の業務費用立替え支援システム100を用いることができる。この場合、S119、S120では、ECサイトやインターネットショッピングモール等に出品、出展した利用者500の所定期間ごと(例えば月ごと)の売上げ額を回収可否の判定に用い、所定の規定に基づく金額について回収を行う。また例えば、上記以外の様々な初期費用の立替え処理に、この実施の形態の業務費用立替え支援システム100を用いることができる。
【0057】
また、本実施の形態では、提供される業務が助成金申請の代行業務や助成金の申請のために必要な業務であることを想定し、審査の結果を待って立替えた費用の回収が可能か否かを回収可否判定部304により判定する構成としたが、審査の結果によらず回収の可否を判定可能な場合には、回収可否判定部304による判定処理を省く構成としてもよい。
その他の具体的な構成も本実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
100 業務費用立替え支援システム
200 業務支援装置
201 データベース
202 業務支援実施部
203 立替え要求部
300 立替え支援装置
301 立替え可否判定部
302 費用立替え部
303 業務完了検出部
304 回収可否判定部
305 立替え費用回収部
400 ネットワーク
500 利用者
600 業務提供者
700 立替え業務提供者