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  • 特許-音響式異物除去装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】音響式異物除去装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20231027BHJP
   B08B 3/08 20060101ALI20231027BHJP
   B08B 3/12 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
H01L21/304 645Z
B08B3/08 A
B08B3/12 Z
H01L21/304 643D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020032725
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2021136370
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000146722
【氏名又は名称】ヤマハロボティクスホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル カークビー
(72)【発明者】
【氏名】ランダエズ ガルシア イズマルド ホゼ
(72)【発明者】
【氏名】宗像 広志
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-216126(JP,A)
【文献】特開平7-201799(JP,A)
【文献】特表2017-506157(JP,A)
【文献】特開2009-55024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B08B 3/08
B08B 3/12
B08B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の表面に付着している異物を除去する音響式異物除去装置であって、
保持面に前記対象物を保持するステージと、
前記ステージと離間して配置される音響ヘッドと、
前記音響ヘッドを前記ステージに対して相対移動させる移動機構と、を備え、
前記音響ヘッドは、指向性を有する複数の超音波発生器と、複数の前記超音波発生器から発生した複数の超音波が集中するように複数の前記超音波発生器が取付けられるケーシングと、を有し、
複数の前記超音波発生器から発生した複数の超音波を前記ケーシングと前記ステージの前記保持面との間の空隙で集中させて前記空隙に大気圧よりも圧力が低い低圧領域を形成し、前記対象物の前記表面に付着している前記異物を前記低圧領域に吸引させて前記異物を前記表面から除去し、
前記移動機構は、前記対象物から離間して配置された異物廃棄部まで前記音響ヘッドを相対的に移動させること、
を特徴とする音響式異物除去装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音響式異物除去装置であって、
前記音響ヘッドの前記ケーシングは、円環状又は前記ステージ側が開放されたドーム状で、
複数の前記超音波発生器は複数の超音波スピーカーであり、各軸が前記空隙で集中するように前記ケーシングに取付けられていること、
を特徴とする音響式異物除去装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の音響式異物除去装置であって、
複数の前記超音波発生器を駆動する駆動回路を備え、
前記駆動回路は、各超音波発生器から発生する前記超音波の各位相をそれぞれ調整可能であること、
を特徴とする音響式異物除去装置。
【請求項4】
請求項3に記載の音響式異物除去装置であって、
前記駆動回路は、1つの前記超音波発生器を駆動する駆動ユニットを複数含み、
前記駆動ユニットは、前記超音波発生器から発生する前記超音波の位相を調整可能であること、
を特徴とする音響式異物除去装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の音響式異物除去装置であって、
前記移動機構は、前記音響ヘッドが形成した前記低圧領域を前記ステージの上に保持された前記対象物の前記表面から前記超音波の1/4波長から半波長離間するように前記表面に沿って相対的に移動させること、
を特徴とする音響式異物除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を用いて対象物の表面に付着している異物を除去する音響式異物除去装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサ等の半導体デバイスの表面に付着した異物の除去が求められている。ここのような異物除去の方法として、液体の二酸化炭素(CO)を用いて半導体デバイスの異物を除去する技術が利用されている。この方法は、液体の二酸化炭素を噴射ノズルから対象物の表面に噴射させ、噴射時の断熱膨張により凍結してドライアイスとなったドライアイス粒子を対象物に衝突させて表面の異物の除去を行うものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-117201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されたような方法では、高純度のドライアイスを氷結させる機構部が必要であり装置が大型で複雑になってしまう。また、ドライアイスの粒子を吹き付ける際に半導体デバイスを損傷させてしまう場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、対象物の損傷を抑制すると共に簡便な構成で異物を除去することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の音響式異物除去装置は、対象物の表面に付着している異物を除去する音響式異物除去装置であって、保持面に対象物を保持するステージと、ステージと離間して配置される音響ヘッドと、音響ヘッドをステージに対して相対移動させる移動機構と、を備え、音響ヘッドは、指向性を有する複数の超音波発生器と、複数の超音波発生器から発生した複数の超音波が集中するように複数の超音波発生器が取付けられるケーシングと、を有し、複数の超音波発生器から発生した複数の超音波をケーシングとステージの保持面との間の空隙で集中させて空隙に大気圧よりも圧力が低い低圧領域を形成し、対象物の表面に付着している異物を低圧領域に吸引させて異物を表面から除去し、移動機構は、対象物から離間して配置された異物廃棄部まで音響ヘッドを相対的に移動させること、を特徴とする。
【0007】
このように、音響ヘッドに形成した低圧領域で対象物の表面に付着した異物を吸引して異物の除去を行うので、対象物の表面に非接触で異物の除去を行うことができ、対象物の損傷を抑制することができる。また、特許文献1に記載された従来技術のようなドライアイスを氷結させる装置が不要となり、簡便な構成で対象物の表面に付着している異物を除去できる。また、吸引した異物を対象物に再付着させることなく廃棄することができる。
【0008】
本発明の音響式異物除去装置において、音響ヘッドのケーシングは、円環状又はステージ側が開放されたドーム状で、複数の超音波発生器は複数の超音波スピーカーであり、各軸が空隙で集中するようにケーシングに取付けられてもよい。
【0009】
このように、複数の超音波スピーカーの各軸がケーシングとステージの保持面との間の空隙に集中するように配置することにより、低圧領域の圧力をより低くすることができ、より大きな吸引力を発生させることができる。
【0010】
本発明の音響式異物除去装置において、複数の超音波発生器を駆動する駆動回路を備え、駆動回路は、各超音波発生器から発生する超音波の各位相をそれぞれ調整可能としてもよい。また、駆動回路は、1つの超音波発生器を駆動する駆動ユニットを複数含み、駆動ユニットは、超音波発生器から発生する超音波の位相を調整可能としてもよい。
【0011】
このように、複数の超音波発生器の超音波の各位相を調整することによって、形成される低圧領域の形状、大きさ、位置を除去しようとしている異物に合わせて自由に調整できる。
【0014】
本発明の音響式異物除去装置において、移動機構は、音響ヘッドが形成した低圧領域をステージの上に保持された対象物の表面から超音波の1/4波長から半波長離間するように表面に沿って相対的に移動させてもよい。
【0015】
対象物の表面で反射した超音波により、低圧領域は対象物の表面から超音波の1/4波長から半波長程度上方に定在する。このため、移動機構により低圧領域を対象物の表面から超音波の1/4波長から半波長離間するように移動させることにより、低圧領域を表面に近接させて効果的に低圧領域に異物を吸引することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、対象物の損傷を抑制すると共に簡便な構成で異物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態の音響式異物除去装置の構成を示す立面図である。
図2】他の実施形態の音響式異物除去装置の構成を示す立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら実施形態の音響式異物除去装置100について説明する。図1に示すように、音響式異物除去装置100は、ステージ10と、音響ヘッド20と、移動機構30と、異物廃棄部16と、を備えている。なお、以下の説明では、図1の紙面に対して垂直方向をX方向、水平面でX方向と直交する方向をY方向、上下方向をZ方向として説明する。
【0019】
ステージ10は、図示しないベースに取付けられている。ステージ10は、上側の保持面10aに対象物である電子部品13を吸着保持する。電子部品13は、例えば、サブスレート11の上に取付けられたイメージセンサ12であってもよい。ステージ10は、電子部品13をX方向に搬送可能である。また、ステージ10の横には、異物廃棄部16が配置されている。異物廃棄部16は、例えば、下方向への真空吸引機構を含んでいる。
【0020】
ステージ10の上方には、ステージ10と離間して音響ヘッド20が配置されている。音響ヘッド20は、ケーシング22と、ケーシング22に取付けられた複数の超音波スピーカー21とで構成されている。音響ヘッド20のケーシング22は、音響ヘッド20をステージ10の保持面10aの上に吸着保持された電子部品13に対して相対的に移動させる移動機構30に接続されている。
【0021】
移動機構30は、図示しないベースにX方向に移動可能に取付けられたガイドレール31と、ガイドレール31に沿ってY方向に移動するスライダ33とで構成されている。ガイドレール31は、X方向移動機構32によってX方向に移動可能に構成されている。スライダ33は、内部にY方向移動機構34を備えておりガイドレール31にガイドされてY方向に移動可能に構成されている。音響ヘッド20のケーシング22はZ方向に延びるアーム36でスライダ33に接続されている。スライダ33は、内部にアーム36をZ方向に駆動するZ方向移動機構35を備えており、音響ヘッド20をZ方向に移動可能に構成されている。従って、移動機構30は、音響ヘッド20をステージ10の上に吸着保持された電子部品13に対してXYZ方向に相対的に移動可能に構成されている。また、移動機構30は、音響ヘッド20を異物廃棄部16の上方まで移動可能に構成されている。
【0022】
音響ヘッド20のケーシング22は、球形のドーム状で下方のステージ側が開放されている。ケーシング22を構成する球面の球中心26は、下側の開放面25よりも下方のケーシング22の中央下部で、ケーシング22とステージ10の保持面10aとの間の空隙14に位置している。超音波スピーカー21は、指向性を有する超音波発生器であり、軸21aの方向で軸21aを中心とした指向角度θの範囲に超音波24が伝播するように超音波24を発生させる。複数の超音波スピーカー21は、各軸21aがケーシング22の球面の球中心26で交差するようにケーシング22に取付けられている。このため、複数の超音波スピーカー21から発生された各超音波24は、球中心26の位置するケーシング22の中央下部で交差する。球中心26は、ステージ10の保持面10aとの間の空隙14に位置するので、各超音波24は空隙14で集中する。
【0023】
各超音波スピーカー21には、それぞれ超音波スピーカー21を駆動する駆動ユニット23が接続されている。各駆動ユニット23は、接続されている超音波スピーカー21が発生する超音波24の位相を調整可能となっている。また、複数の駆動ユニット23は、複数の超音波スピーカー21で構成される超音波スピーカー群を駆動する駆動回路を構成する。
【0024】
移動機構30のX方向移動機構32と、Y方向移動機構34と、Z方向移動機構35と、各超音波スピーカー21を駆動する駆動ユニット23とは、制御部50に接続されて制御部50の指令によって駆動する。制御部50は、内部に情報処理を行うプロセッサであるCPU51と制御プログラムや制御用データを格納する記憶部52とを備えるコンピュータである。
【0025】
以上のように構成された音響式異物除去装置100の動作について説明する。制御部50は、各駆動ユニット23によって各超音波スピーカー21を駆動して各超音波スピーカーから所定の周波数の超音波24を発生させる。各超音波スピーカー21は、指向性が有り、各軸21aの方向で軸21aを中心とした指向角度θの範囲に伝播していく。各超音波スピーカー21は、各軸21aがケーシング22の中央下部に位置する球中心26で交差するようにケーシング22に取付けられているので、各超音波スピーカー21から発生した超音波24は、ケーシング22の中央下部、或いは、空隙14で交差、集中して重ね合わされる。この超音波24の重ね合わせにより、ケーシング22の中央下部には、大気圧よりも圧力が低い低圧領域40が形成される。低圧領域40は、直径が超音波24の半波長程度の大きさである。
【0026】
制御部50は、移動機構30により低圧領域40がイメージセンサ12の上方、例えば、数mm上方、となるようにXY方向にスキャンするように移動させる。イメージセンサ12の表面15で反射した超音波24により、低圧領域40はイメージセンサ12の表面15から超音波24の1/4波長から半波長離間した上方に定在するので、移動機構30により低圧領域40がイメージセンサ12の表面15から超音波24の1/4波長から半波長上方に離間するように音響ヘッド20をXY方向にスキャンするように移動させてもよい。超音波24の周波数が40kHzの場合、半波長は4.25mm、1/4波長は2.125mmであるから、低圧領域40をイメージセンサ12の表面15から1~5mm程度上方となるように、音響ヘッド20を移動させる。
【0027】
これにより、ケーシング22の中央下部に形成された低圧領域40は、ステージ10の上に保持されたイメージセンサ12の表面15の上方で表面15に沿ってXY方向に移動する。また、各超音波スピーカー21から発生した超音波24がイメージセンサ12の表面15に当たる。そして、低圧領域40がイメージセンサ12の表面15に付着している異物90の上にくると、異物90は超音波24による振動により、イメージセンサ12の表面15から離れる。そして、異物90は、図1の白抜き矢印91のように近接する低圧領域40に吸引されてイメージセンサ12の表面15から除去される。吸引された異物90は、低圧領域40の中に捕捉されて浮遊した状態で音響ヘッド20と共に移動する。
【0028】
制御部50は、イメージセンサ12の上方で音響ヘッド20をXY方向にスキャンしたら、音響ヘッド20を異物廃棄部16の上方に移動させる。異物廃棄部16は、例えば、下方向への真空吸引機構を含んでいる。制御部50は、音響ヘッド20が異物廃棄部16の上方に来たら、各駆動ユニット23による各超音波スピーカー21の駆動を停止する。これにより、低圧領域40が消失し、低圧領域40に捕捉されていた異物90は、下側の異物廃棄部16に真空吸引されて外部に廃棄される。これにより、低圧領域40が吸引した異物90をイメージセンサ12に再付着させることなく廃棄することができる。
【0029】
以上説明したように、音響式異物除去装置100は、音響ヘッド20の形成した低圧領域40で電子部品13の表面15に付着した異物90を吸引して異物90の除去を行うので、電子部品13の表面15に非接触で異物90の除去を行うことができ、電子部品13の損傷を抑制することができる。また、特許文献1に記載された従来技術のようなドライアイスを氷結させる装置が不要となり、簡便な構成で電子部品13の表面15に付着している異物90を除去できる。
【0030】
また、音響式異物除去装置100の各駆動ユニット23は、接続されている超音波スピーカー21が発生する超音波24の位相を調整可能となっており、各位相を調整することによって、形成される低圧領域40の形状、大きさ、位置を除去しようとしている異物90に合わせて自由に調整できる。
【0031】
また、音響式異物除去装置100では、ケーシング22は球形のドーム状で、各超音波スピーカー21は、各軸21aが球中心26で交差するように取り付けられている。このように、各超音波24を一点で重ね合わせることにより、より圧力の低い低圧領域40を安定して形成できる。このため、低圧領域40の位置がふらつかず、確実に異物90を吸引することができる。
【0032】
ただし、ケーシング22の形状はこのような球形に限らない。例えば、ケーシング22は楕円球形のドーム形状であってもよい。また、各超音波スピーカー21は、各軸21aがケーシング22の中央下部で交差してなくても、各軸21aが中央下部で集中しており、各超音波スピーカー21から発生された各超音波24がケーシング22の中央下部で集中するようにケーシング22に取付けられていればよい。例えば、各超音波スピーカー21の各軸21aを中心とした各指向角度θの範囲が交差するように配置されていればよい。
【0033】
また、超音波スピーカー21を駆動する駆動ユニット23は、各超音波スピーカー21にそれぞれ接続されていることとして説明したが、これに限らず、いくつかの超音波スピーカー21を一つの駆動ユニット23で駆動するように構成してもよい。
【0034】
また、移動機構30は、X方向に移動するガイドレール31とY方向に移動するスライダ33と、スライダ33に取付けられたZ方向移動機構35とで構成されることとして説明したが、これに限らない。例えば、XYZ方向に自在に移動可能なロボットアームの先端に音響ヘッド20を取付けてもよい。この場合ロボットアームが移動機構30を構成する。また、ステージ10をXYZ方向に移動させるように構成してもよいし、ステージ10上に載置されている電子部品13をXY方向に移動させるように構成してもよい。
【0035】
次に図2を参照しながら他の実施形態の音響式異物除去装置200について説明する。先に図1を参照して説明した音響式異物除去装置100と同様の部分には、同様の符号を付して説明は省略する。図2に示すように、音響式異物除去装置200の音響ヘッド60は、円環状のケーシング62に複数の超音波スピーカー21が取付けられている。
【0036】
図2に示すように、ケーシング62は、上側が小径の開放面64で下側が大径の開放面65の球台型の環状部材であり、球帯面63に複数の超音波スピーカー21が取付けられている。球帯面63の球中心66は、下側の開放面65よりも下方のケーシング62の中央下部で、音響ヘッド60とステージ10の保持面10aとの空隙14に位置している。複数の超音波スピーカー21は、各軸21aがケーシング62の球面の球中心66で交差するようにケーシング62に取付けられている。先に図1を参照して説明した音響式異物除去装置100と同様、各超音波スピーカー21から発生した超音波24は、ケーシング22の中央下部で交差し、集中して重ね合わされる。この超音波24の重ね合わせにより、ケーシング22の中央下部には、大気圧よりも圧力が低い低圧領域40が形成される。
【0037】
ケーシング62の上側の開放面64には、ステー67が取付けられており、ステー67には、アーム36が接続されている。音響ヘッド60は、先に図1を参照して説明した音響式異物除去装置100の音響ヘッド20と同様、移動機構30によりステージ10の上に吸着保持された電子部品13に対してXYZ方向に相対的に移動可能となっている。
【0038】
音響式異物除去装置200の動作は、先に図1を参照して説明した音響式異物除去装置100の動作と同様で、電子部品13の損傷を抑制しつつ異物90の除去を行うことができる。
【0039】
音響式異物除去装置200は、ケーシング62が球台型の環状部材で構成されているので、Z方向の厚さを薄くすることができ、小型のボンディング装置等に組み込むことが可能となる。
【0040】
以上の説明では、音響ヘッド60のケーシング62は、上側が小径の開放面64で下側が大径の開放面65の球台型の環状部材として説明したが、これに限らず、上側の開放面64に蓋を取付けるようにしてもよい。この場合、超音波スピーカー21から発生する超音波24が外気の影響を受けにくくなるので、低圧領域40の位置、大きさをより安定させることができる。また、蓋に超音波スピーカー21を取付けてもよい。これにより、低圧領域40の圧力をより低くして大きな異物90を吸引することができる。
【符号の説明】
【0041】
10 ステージ、10a 保持面、11 サブスレート、12 イメージセンサ、13 電子部品、14 空隙、15 表面、16 異物廃棄部、20,60 音響ヘッド、21 超音波スピーカー、21a 軸、22,62 ケーシング、23 駆動ユニット、24 超音波、25,64,65 開放面、26 球中心、30 移動機構、31 ガイドレール、32 X方向移動機構、33 スライダ、34 Y方向移動機構、35 Z方向移動機構、40 低圧領域、50 制御部、51 CPU、52 記憶部、63 球帯面、66 球中心、67 ステー、90 異物、100,200 音響式異物除去装置。
図1
図2