(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】薬剤供給装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20231027BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
(21)【出願番号】P 2022146944
(22)【出願日】2022-09-15
(62)【分割の表示】P 2018138628の分割
【原出願日】2018-07-24
【審査請求日】2022-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 正城
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-133220(JP,A)
【文献】特開2012-236002(JP,A)
【文献】特開2011-193986(JP,A)
【文献】特開平4-269963(JP,A)
【文献】国際公開第2014/175060(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリップ包装体を収容し、処方に従って前記ストリップ包装体を払い出す薬剤供給装置において、
前記ストリップ包装体は、薬剤が個包装された包装体を2以上の所定数有し、前記所定数の前記包装体が一列に並べられて一体的に構成されたものであり、
前記薬剤供給装置は、
前記ストリップ包装体を収容する第1収容部と、
前記ストリップ包装体から1以上の前記包装体が切り離された、前記所定数未満の前記包装体
を有するカット体を収容する第2収容部と、
前記ストリップ包装体
、および
2以上の前記包装体を有する前記
カット体、を切断する切断部と、
前記ストリップ包装体および前記
カット体を、所定の箇所および前記切断部に搬送する搬送部と
、
前記第1収容部、前記第2収容部、前記切断部および前記搬送部を収納する筐体とを備え、
前記切断部は、前記搬送部とは別体に設けられ、前記筐体に取り付けられており、
前記搬送部は、
受け部を有し、
前記第1収容部から前記ストリップ包装体を保持して取り出すとともに前記第2収容部から前記
カット体を保持して取り出し、
取り出した前記ストリップ包装体および前記
カット体を、前記受け部に投入し、この状態で前記所定の箇所に搬送可能であり、かつ、
取り出した前記ストリップ包装体および前記
カット体を、前記受け部に投入することなく保持したまま前記切断部に搬送可能である、薬剤供給装置。
【請求項2】
前記切断部は、前記ストリップ包装体および前記
カット体を、払い出し対象の第1カット体と払い出し対象でない第2カット体とに分断し、
前記搬送部は、
前記切断部から前記第2カット体を保持して受け取り、
受け取った前記第2カット体を、前記受け部に投入することなく保持したまま前記第2収容部に搬送可能である、請求項1に記載の薬剤供給装置。
【請求項3】
前記第1カット体は、前記切断部から前記所定の箇所に移動される、請求項2に記載の薬剤供給装置。
【請求項4】
前記薬剤供給装置の動作を制御するコントローラをさらに備え、
前記コントローラは、
処方に従って前記薬剤供給装置から払い出される前記包装体の必要数が前記所定数で割り切れるか否かを判断し、前記必要数が前記所定数で割り切れない場合は、前記必要数を前記所定数で割った余りと前記第2収容部に収容されている
前記カット体が有する前記包装体の
個数である収容数とを比較し、
前記収容数が前記余りよりも大きいとき、前記必要数を前記所定数で割った商の数の前記ストリップ包装体を前記第1収容部から取り出して前記受け部に投入した後に、前記
カット体を前記第2収容部から取り出し、取り出した前記
カット体を保持したまま搬送し、
前記収容数が前記余りよりも小さいとき、前記
カット体を前記第2収容部から取り出して前記受け部に投入した後に、前記商の数の前記ストリップ包装体を前記第1収容部から取り出して前記受け部に投入し、さらにもう1つの前記ストリップ包装体を前記第1収容部から取り出し、取り出した前記もう1つの前記ストリップ包装体を保持したまま搬送するように、前記搬送部を制御する、請求項1~3のいずれか1項に記載の薬剤供給装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記収容数が前記余りと同じとき、前記商の数の前記ストリップ包装体を前記第1収容部から取り出して前記受け部に投入するとともに、前記
カット体を前記第2収容部から取り出して前記受け部に投入するように、前記搬送部を制御する、請求項4に記載の薬剤供給装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記必要数が前記所定数で割り切れる場合は、前記商の数の前記ストリップ包装体を前記第1収容部から取り出して前記受け部に投入するように、前記搬送部を制御する、請求項4または5に記載の薬剤供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤を区分けした状態で複数封入したシート状の薬剤シートを収納する収納設備に関し、複数の薬剤シートを収容したカセットを複数収納する収納部と、複数のカセットの夫々に対応する位置と薬剤シートを出庫する位置とに移動自在な移動基台と、カセットを収納部における収納位置と移動基台上の取出位置とに移動自在なカセット移動装置と、薬剤シートを切断するシート切断装置とを備える構成が、たとえば特開2013-133220号公報(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献に記載の構成では、カセットから薬剤シートを取り出すために、カセットを収納位置から取出位置に移動する。カセットの移動のためのスペースを確保する必要があることにより、装置が大形化する。
【0005】
本開示では、小形の薬剤供給装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従うと、ストリップ包装体を収容し、処方に従ってストリップ包装体を払い出す薬剤供給装置が提供される。ストリップ包装体は、薬剤が個包装された包装体を2以上の所定数有し、所定数の包装体が一列に並べられて一体的に構成されたものである。薬剤供給装置は、ストリップ包装体を収容する第1収容部と、所定数未満の包装体を収容する第2収容部とを備えている。第1収容部は、1つ以上のストリップ包装体を前後方向に並べて収容し前端部に取出口を有するカセットと、ストリップ包装体を取出口へ向けて移動させる移動動作部とを有している。第2収容部は、取出口を前方から覆う前方位置と、前方位置から退避した退避位置との間を往復するように構成されている。薬剤供給装置はさらに、第1収容部からストリップ包装体を取り出すとともに第2収容部から包装体を取り出すように構成された、搬送部を備えている。
【0007】
上記の薬剤供給装置において、第2収容部は、包装体を立てて収容している。
上記の薬剤供給装置において、搬送部は、ストリップ包装体および包装体を吸引して取り出す吸引装置を有している。
【0008】
上記の薬剤供給装置において、搬送部は、第2収容部を前方位置から退避位置へ移動させる退避動作部を有している。
【0009】
上記の薬剤供給装置は、ストリップ包装体を切断する切断部をさらに備えている。搬送部は、ストリップ包装体を第1収容部から切断部へ移動させる。
【0010】
上記の薬剤供給装置において、切断部は、ストリップ包装体を、払い出し対象の第1カット体と払い出し対象でない第2カット体とに分断する。搬送部は、第2カット体を切断部から第2収容部へ移動させる。
【0011】
上記の薬剤供給装置は、薬剤供給装置の動作を制御するコントローラをさらに備えている。コントローラは、処方に従って薬剤供給装置から払い出される包装体の必要数が所定数で割り切れるか否かを判断し、必要数が所定数で割り切れる場合は、必要数を所定数で割った商の数のストリップ包装体を第1収容部から取り出し第2収容部から包装体を取り出さないように搬送部を制御する。
【0012】
上記の薬剤供給装置において、コントローラは、必要数が所定数で割り切れない場合は、必要数を所定数で割った余りと第2収容部に収容されている包装体の収容数とを比較し、収容数が余り以上であるとき、商の数のストリップ包装体を第1収容部から取り出した後に包装体を第2収容部から取り出すように搬送部を制御する。
【0013】
上記の薬剤供給装置において、コントローラは、収容数が余りよりも小さいとき、包装体を第2収容部から取り出した後にストリップ包装体を第1収容部から取り出すように搬送部を制御する。
【0014】
上記の薬剤供給装置において、搬送部は、商に1を加えた数のストリップ包装体を第1収容部から取り出す。
【0015】
上記の薬剤供給装置において、第1収容部は、ストリップ包装体の縁部に当たる停止部を取出口に有している。
【0016】
上記の薬剤供給装置において、停止部は、ストリップ包装体の上縁部に当たる押さえ部を有している。
【0017】
上記の薬剤供給装置において、押さえ部は、上下方向に位置調整可能である。
【発明の効果】
【0018】
本開示に従えば、小形の薬剤供給装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に基づく薬剤供給装置の概略構成を示す模式的な正面図である。
【
図5】第1収容部と、前方位置にある第2収容部との模式的な側面図である。
【
図6】第1収容部と、退避位置にある第2収容部との模式的な側面図である。
【
図9】切断されたストリップ包装体の模式図である。
【
図10】薬剤供給装置のシステム構成を示すブロック図である。
【
図11】薬剤供給装置による包装体の取出動作を示す第1のフローチャートである。
【
図12】薬剤供給装置による包装体の取出動作を示す第2のフローチャートである。
【
図13】薬剤供給装置による包装体の取出動作を示す第3のフローチャートである。
【
図14】薬剤供給装置による包装体の取出動作を示す第4のフローチャートである。
【
図15】薬剤供給装置による包装体の取出動作を示す第5のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施形態について図面に基づいて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0021】
[薬剤供給装置1の構成]
図1は、実施形態に基づく薬剤供給装置1の概略構成を示す模式的な正面図である。
図1に示されるように、薬剤供給装置1は、筐体2を備えている。複数の薬剤収容部10が、上下方向に複数(実施形態では6つ)並べられかつ左右方向に複数(実施形態では4つ)並べられて、筐体2に収納されている。筐体2にはまた、搬送部40と、切断部60と、中継容器70とが収納されている。搬送部40、切断部60および中継容器70は、それぞれ別体に設けられ、別個に筐体2に取り付けられている。
【0022】
搬送部40は、薬剤収容部10に対して前方の位置において、上下方向および左右方向に移動可能に構成されている。切断部60および中継容器70は、薬剤収容部10に対して下方に位置している。中継容器70は、切断部60の下方に配置されている。中継容器70の下方には、払出トレイ80が配置されている。払出トレイ80は、筐体2の外部から、筐体2の内部における中継容器70の下方の所定位置に搬送される。また、払出トレイ80は、筐体2の内部における中継容器70の下方の所定位置から、筐体2の外部に搬送される。
【0023】
図2は、ストリップ包装体100の模式図である。
図2に示されるストリップ包装体100は、薬剤供給装置1に収容され、処方に従って薬剤供給装置1から払い出される。
図2に示されるように、ストリップ包装体100は、薬剤200が個包装された包装体110を2以上の所定数(実施形態では3つ)有し、所定数の包装体110が一列に並べられて一体的に構成されたものである。各々の包装体110は、周縁部分にシール部112を有している。シール部112は、包装体110を構成する包材が熱融着されることにより、形成されている。シール部112によって取り囲まれるように形成された空間に、薬剤200が収容されている。薬剤200の剤形は、たとえば、散剤、錠剤などであってもよい。
【0024】
隣り合う包装体110を仕切るシール部112には、ミシン目114が形成されている。ミシン目114に沿ってストリップ包装体100を切り離すことで、隣り合う包装体110が容易に分離される。
【0025】
図3は、第1収容部20の斜視図である。
図1に示される薬剤収容部10は、第1収容部20と、詳細を後述する第2収容部30とを備えている。第1収容部20は、ストリップ包装体100を収容する。第2収容部30は、ストリップ包装体100に含まれている包装体110の個数未満の包装体110を収容する。
図2に示される3つの包装体110が連なったストリップ包装体100の場合、第2収容部30には、ストリップ包装体100が切り離された1つの包装体110または連なった2つの包装体110が収容される。
【0026】
第1収容部20は、カセット21を有している。カセット21は、略平板状の底面部22と、略平板状の一対の側壁23により構成されている。一対の側壁23は、底面部22に対して略垂直に設けられ、かつ互いに平行に配置されている。一対の側壁23は、互いに近づくまたは離れる方向に、底面部22に対して相対移動可能に構成されている。カセット21は、底面部22と側壁23とによって規定される空間内に、1つ以上のストリップ包装体100を立てた状態で前後方向に並べて収容する。カセット21は、前端部に取出口24を有している。取出口24は、カセット21からストリップ包装体100を取り出すための開口である。
【0027】
第1収容部20は、移動動作部26を有している。移動動作部26は、カセット21の底面部22に取り付けられている。移動動作部26は、底面部22に対して略垂直に設けられる板状の形状を有している。移動動作部26は、前後方向に移動可能に構成されている。移動動作部26は、前方に移動することにより、カセット21に収容されているストリップ包装体100を、取出口24へ向けて移動させる。移動動作部26を前方へ向けて付勢するたとえば定荷重ばねなどの付勢部材が、移動動作部26に取り付けられていてもよい。移動動作部26を前後方向に動作させるアクチュエータが設けられてもよい。
【0028】
第1収容部20は、ストリップ包装体100の縁部に当たる停止部25を、取出口24に有している。停止部25は、ストリップ包装体100の下縁部に当たる下方停止部25Aと、ストリップ包装体100の側縁部に当たる側方停止部25Bと、ストリップ包装体100の上縁部に当たる押さえ部25Cとを有している。下方停止部25Aは、底面部22から上方に突き出している。側方停止部25Bは、一対の側壁23の各々に設けられている。一対の側壁23の一方に設けられている側方停止部25Bは、一対の側壁23の他方に向けて突き出している。一対の側壁23の他方に設けられている側方停止部25Bは、一対の側壁23の一方に向けて突き出している。側方停止部25Bは、上下方向に延在している。
【0029】
押さえ部25Cは、前後方向に延在している。押さえ部25Cは、可動部材27に設けられている。各々の側壁23には、側壁23の一部が矩形状に切り欠かれた窓部23Aが形成されている。可動部材27は、窓部23Aに取り付けられている。可動部材27は、窓部23Aよりも上下方向の寸法が小さい。そのため可動部材27は、窓部23A内における上下方向の位置を変更可能である。可動部材27に取り付けられている押さえ部25Cもまた、上下方向に位置調整可能である。一方の側壁23に設けられている可動部材27に取り付けられている押さえ部25Cは、一対の側壁23の他方に向けて突き出している。他方の側壁23に設けられている可動部材27に取り付けられている押さえ部25Cは、一対の側壁23の一方に向けて突き出している。
【0030】
第1収容部20は、一対のリンク部29を有している。リンク部29の一端は、第1リンク軸28に回転可能に取り付けられている。第1リンク軸28は、底面部22の前端に設けられている。第1リンク軸28は、側壁23に対して前方に配置されている。リンク部29の他端は、後述する
図4に示す、第2収容部30の第2リンク軸38に回転可能に取り付けられている。第1収容部20と第2収容部30とは、リンク部29を介して接合されている。リンク部29が第1リンク軸28および第2リンク軸38を中心に回転することにより、第2収容部30は第1収容部20に対して相対移動する。
【0031】
一対の第1リンク軸28およびリンク部29は、一対の側壁23の各々に固定されて側壁23とともに底面部22に対して相対移動可能に構成されていてもよい。この場合は、第1リンク軸28およびリンク部29を側壁23と一体に移動させることができるので、ストリップ包装体100の寸法に従ったカセット21の調整が容易になる。
【0032】
図4は、第2収容部30の斜視図である。第2収容部30は、細い板状の底部32と、底部32から上方に立ち上がる一対の側壁33とを有している。一対の側壁33は、互いに平行に配置されている。第2収容部30はさらに、一対の側壁33をつなぐ傾斜壁34Aと立壁34Bとを有している。側壁33、傾斜壁34Aおよび立壁34Bは、いずれも薄板状の形状を有している。傾斜壁34Aは、底部32から上方に立ち上がり、底部32に対して傾斜して延びている。立壁34Bは、底部32に対して略垂直に延びている。傾斜壁34Aおよび立壁34Bは、一対の側壁33の両方に対して略垂直に設けられている。
【0033】
第2収容部30は、ストリップ包装体100に含まれている包装体110の個数未満の包装体110(実施形態では1つまたは連なった2つの包装体110)を立てて収容する。第2収容部30に収容された包装体110の下縁部が、底部32によって支持される。包装体110は、傾斜壁34Aおよび立壁34Bにもたれるように配置され、傾斜壁34Aおよび立壁34Bによって支持される。
【0034】
一対の側壁33の、互いに対向する対向面の反対側の外面に、第2リンク軸38が設けられている。上述した通り、第2リンク軸38には、
図3に示すリンク部29の他端が回転可能に取り付けられる。第2リンク軸38は、側壁33の上縁の近傍に設けられている。
【0035】
側壁33の外面にはまた、係合軸部37が設けられている。係合軸部37は、側壁33の外面に対して略垂直に延在し、側壁33から突き出している。係合軸部37は、側壁33の下縁の近傍に設けられている。
【0036】
図4に示す検出装置54は、第2収容部30に収容されている包装体110の収容数を検出するためのセンサである。検出装置54は、光センサであってもよい。検出装置54は、第2収容部30に照射した光の反射を検出する反射型光センサであってもよい。包装体110で反射する光量と第2収容部30の傾斜壁34Aまたは立壁34Bで反射する光量とが異なることに基づいて、第2収容部30において包装体110が存在している範囲を検出することにより、検出装置54は、第2収容部30に収容されている包装体110の収容数を検出することができる。検出装置54は、複数の光センサを含んで構成されていてもよい。複数の光センサが、左右方向に並べられて配置されてもよい。
【0037】
図5は、第1収容部20と、前方位置にある第2収容部30との模式的な側面図である。
図5には、上下に並べられた2つの第1収容部20が、上の第1収容部20を実線で、下の第1収容部20を破線で、示されている。
図5に示される第1収容部20には、4つのストリップ包装体100が、前後方向(
図5においては図中の左右方向)に並んで収容されている。ストリップ包装体100は、移動動作部26によって、前端の取出口24に向かって付勢されている。停止部25(
図5には下方停止部25Aと一方の側方停止部25Bとが図示されている)が、最も前のストリップ包装体100の縁部に係合することで、ストリップ包装体100が停止部25を超えて前方へ移動することが妨げられている。
【0038】
図5に示される第2収容部30は、取出口24を前方(
図5においては左方)から覆う位置に配置されている。
図5における第2収容部30が配置されている位置を、前方位置と称する。第2収容部30が取出口24を塞ぐように配置されていることにより、第1収容部20内のストリップ包装体100への前方からのアクセスが妨げられている。
【0039】
図6は、第1収容部20と、退避位置にある第2収容部30との模式的な側面図である。
図6に示される第2収容部30は、前方位置から退避した、取出口24を覆わない位置に配置されている。
図6における第2収容部30が配置されている位置を、退避位置と称する。第2収容部30は、
図5に示す前方位置と
図6に示す退避位置との間を往復するように構成されている。
図6に示されるように、第2収容部30が取出口24の前方から外れる位置に配置されており、取出口24が開放されていることにより、第1収容部20内のストリップ包装体100への前方からのアクセスが可能となっている。
【0040】
図7は、搬送部40の模式的な側面図である。
図7に示されるように、搬送部40は、中空の箱状のケーシング41を有している。ケーシング41の側面の一部分には、取入口42が形成されている。取入口42は、ケーシング41の側面を厚み方向に貫通する開口である。ケーシング41の内部空間と外部とは、取入口42を介して互いに連通している。取入口42は、ケーシング41の後方に向く外面に開口している。取入口42は、薬剤収容部10に対向するケーシング41の外面に開口している。
【0041】
図4を参照して説明した検出装置54は、ケーシング41の上面上に載置されている。検出装置54は、ケーシング41の上面の後方縁部に設けられている。検出装置54は、取入口42の上方に配置されている。
【0042】
搬送部40は、吸引装置44を有している。吸引装置44は、前後方向(
図7においては図中の左右方向)に往復移動可能である。吸引装置44は、取入口42を経由して、
図7に実線で示すケーシング41の内部の位置と、
図7に破線で示すケーシング41の外部の位置とを往復するように、構成されている。
【0043】
吸引装置44は、吸引口44Aを有している。吸引装置44は、吸引口44Aにストリップ包装体100および包装体110を吸引可能である。吸引装置44は、第1収容部20から最も前にある先頭のストリップ包装体100を吸引して取り出すことができ、また第2収容部30に収容されている包装体110を吸引して取り出すことができる。
【0044】
より詳細には、吸引装置44がケーシング41の外部の位置まで移動し、吸引口44Aをストリップ包装体100または包装体110に接触させた状態で、
図7には図示しない吸引ポンプ40Pなどの負圧発生源を駆動させることにより、ストリップ包装体100または包装体110を吸引口44Aに吸引することができる。
【0045】
ストリップ包装体100を吸引口44Aに吸引した状態で吸引装置44をケーシング41の内部の位置まで移動することにより、第1収容部20からストリップ包装体100を取り出すことができる。最も前の(先頭の)ストリップ包装体100の縁部分が弾性変形することにより、先頭のストリップ包装体100は停止部25を乗り越えて取出口24を通過して第1収容部20から取り出される。このとき、先頭から2番目以降のストリップ包装体100は、移動動作部26によって取出口24へ向かって移動するが、停止部25によって移動が規制されることにより、取出口24を通過することなく第1収容部20内に留まる。
【0046】
包装体110を吸引口44Aに吸引した状態で吸引装置44をケーシング41の内部の位置まで移動することにより、第2収容部30から包装体110を取り出すことができる。包装体110は傾斜壁34Aおよび立壁34Bにもたれるようにして立てた状態で第2収容部30に収容されているので、吸引口44Aを容易に包装体110に接触させることができ、包装体110を第2収容部30から容易に取り出すことができる。
【0047】
ストリップ包装体100または包装体110を吸引口44Aに吸引した吸引装置44がケーシング41の内部の位置まで移動すると、負圧発生源の駆動を停止する。これによりストリップ包装体100または包装体110が吸引装置44によって吸引されなくなり、ストリップ包装体100または包装体110は吸引装置44から落下する。そしてストリップ包装体100または包装体110は、ケーシング41の内部の中空空間である受け部46へ落下する。取入口42の下方に斜面45が設けられており、ストリップ包装体100または包装体110を斜面45に沿って滑らせて受け部46へ落下させることで、受け部46内に収容されるストリップ包装体100または包装体110の姿勢を整えることができる。
【0048】
搬送部40は、開閉底板48を有している。開閉底板48は、ケーシング41の底部、すなわち受け部46の底面を構成している。
図7中の実線および破線で示されるように、開閉底板48は回転軸を中心に回動するように構成されている。開閉底板48が
図7に実線で示す閉位置にあるとき、受け部46に落下したストリップ包装体100または包装体110が開閉底板48によって受けられて、受け部46内に収容される。開閉底板48が
図7に破線で示す開位置にあるとき、受け部46内に収容されたストリップ包装体100および/または包装体110が、ケーシング41から落下して、搬送部40の下方へ移動する。
【0049】
搬送部40はさらに、退避動作部47を有している。退避動作部47は、
図7中の両矢印に示されるように、回転軸を中心に回動するように構成されている。退避動作部47は、
図4に示される係合軸部37に係合可能である。係合軸部37の上方を向く面に退避動作部47が係合した状態で、
図7には図示しない退避モータ40M2の駆動力を受けて退避動作部47が下方へ回動することにより、第2収容部30を押し下げて、
図5に示される前方位置から
図6に示される退避位置へ第2収容部30を移動させることができる。
【0050】
退避動作部47による第2収容部30の押し下げが解除されたときに第2収容部30が退避位置から前方位置へ復帰できるように、
図3に示される第1リンク軸28に付勢ばねを設けて、当該付勢ばねがリンク部29に対して上方へ向く付勢力を作用するように構成してもよい。
【0051】
図8は、切断部60の模式的な正面図である。
図8に示されるように、切断部60は、壁部62と、カッタ64と、位置決め部66とを有している。搬送部40は、ストリップ包装体100を、第1収容部20から切断部60へ移動可能に構成されている。壁部62は、鉛直方向に対して傾斜している。切断部60に搬送されたストリップ包装体100は、壁部62にもたれるように配置され、壁部62によって支持される。カッタ64は、ストリップ包装体100を切断するカット刃64Aを内蔵している。
【0052】
位置決め部66は、カッタ64に対するストリップ包装体100の位置を決める。実施形態の位置決め部66は、ストリップ包装体100を壁部62に沿って移動させて、カッタ64に対するストリップ包装体100の位置を決める。ストリップ包装体100を構成している包装体110の寸法と、第1収容部20から切断部60へ搬送されたストリップ包装体100のうち払い出し対象の包装体110の個数と、に基づいて、カット刃64Aが適切なカット位置に配置されるように、位置決め部66がストリップ包装体100を壁部62に沿ってスライド移動させる。典型的には、カット刃64Aがストリップ包装体100のミシン目114(
図2参照)に位置合わせされる。
【0053】
包装体110の寸法は、ストリップ包装体100の種類に関連付けられて、後述するメモリ91に予め記憶されていてもよい。代替的には、ストリップ包装体100を撮像する後述する撮像装置52を薬剤供給装置1が備える構成とし、撮像装置52によって撮像されたストリップ包装体100の撮像情報に基づいて、包装体110の寸法を求めることができる。
【0054】
位置決め部66は、カッタ64を移動させて、カッタ64に対するストリップ包装体100の位置を決めてもよい。位置決め部66は、カッタ64とストリップ包装体100との両方をそれぞれ独立に移動させて、カッタ64に対するストリップ包装体100の位置を決めてもよい。
【0055】
図9は、切断されたストリップ包装体100の模式図である。
図2,8に示される3つの包装体110を有するストリップ包装体100が、切断部60によって切断されて、第1カット体102Aと第2カット体102Bとに分断されている。
図9に示す例では、第1カット体102Aは1つの包装体110を含んでおり、第2カット体102Bは2つの包装体110を含んでいる。
【0056】
図9に示される例では、切断部60に搬送されたストリップ包装体100のうち、払い出し対象の包装体110の個数は1つである。払い出し対象の包装体110が、第1カット体102Aを構成している。払い出し対象でない包装体110が、第2カット体102Bを構成している。ストリップ包装体100が第1カット体102Aと第2カット体102Bとに分断されるときに、第1カット体102Aは切断部60から下方の中継容器70へ自重で落下するように、切断部60が構成されてもよい。
【0057】
切断部60は、ストリップ包装体100が分断された後にも、第2カット体102Bを支持した状態に保つ。払い出し対象でない第2カット体102Bは、切断部60から第2収容部30へ移動する。搬送部40は、第2カット体102Bを吸引して保持することにより、第2カット体102Bを切断部60から第2収容部30へ移動させる。
【0058】
図1に示される中継容器70は、第1収容部20から取り出されたストリップ包装体100、第2収容部30から取り出された包装体110、および切断部60で切断された第1カット体102Aを受けて、一時的に収容する。
図1には1つの中継容器70が図示されているが、薬剤供給装置1は複数の中継容器70を備えていてもよく、この場合、処方箋に含まれる複数の薬剤200毎に、別々の中継容器70にストリップ包装体100、包装体110および第1カット体102Aが収容されてもよい。
【0059】
図1に示す払出トレイ80は、1つまたは複数の中継容器70に収容されたストリップ包装体100、包装体110および第1カット体102Aを受ける。処方に従った払い出し対象の薬剤200が全て払出トレイ80に入れられると、払出トレイ80ごと薬剤200が薬剤供給装置1の外部に払い出される。
【0060】
図10は、薬剤供給装置1のシステム構成を示すブロック図である。
図10に示されるように、薬剤供給装置1は、コントローラ90と、操作部92とを備えている。
【0061】
操作部92は、薬剤供給装置1を操作する操作者によって操作される。操作者によって操作部92が操作されることで、薬剤供給装置1を用いたストリップ包装体100および/または包装体110の払出動作に必要な情報が、コントローラ90に入力される。払出動作に必要な情報としては、処方箋に基づく処方データおよび種々の設定情報が挙げられる。設定情報としては、各薬剤収容部10に収容されている薬剤200の種類、各薬剤収容部10の第1収容部20に収容されているストリップ包装体100に含まれる包装体110の個数および包装体110の寸法などが挙げられる。払出動作に必要な情報は、外部のコンピュータからコントローラ90に入力されてもよい。
【0062】
コントローラ90は、撮像装置52から、ストリップ包装体100の撮像情報の入力を受ける。なお撮像装置52は、切断部60に支持されているストリップ包装体100を撮像してもよく、第1収容部20または搬送部40に支持されているストリップ包装体100を撮像してもよい。コントローラ90は、検出装置54から、第2収容部30に収容されている包装体110の個数に関する情報の入力を受ける。
【0063】
コントローラ90は、メモリ91を有している。メモリ91は、薬剤供給装置1の各種の動作を実行するためのプログラムを格納するとともに、必要なデータを記憶する領域として設けられている。メモリ91は、払出動作に必要な情報、ストリップ包装体100の撮像情報、および第2収容部30に収容されている包装体110の個数(収容数)を記憶する。
【0064】
コントローラ90は、メモリ91に格納されているプログラム、および払出動作に必要な情報に基づいて、薬剤供給装置1の全体の動作を制御する。コントローラ90は、ストリップ包装体100および/または包装体110の払出動作を制御するための各種処理を実行する。具体的には、コントローラ90は、搬送部40および切断部60を制御する。
【0065】
搬送部40は、搬送部移動モータ40M1と、退避モータ40M2と、吸引装置移動モータ40M3と、開閉モータ40M4と、吸引ポンプ40Pとを有している。コントローラ90は、これらのモータ40M1~40M4およびポンプ40Pに制御信号を出力することにより、モータ40M1~40M4およびポンプ40Pを制御する。モータ40M1~40M4およびポンプ40Pが適宜駆動および停止することにより、搬送部40によるストリップ包装体100または包装体110の搬送が行なわれる。
【0066】
搬送部移動モータ40M1は、搬送部40の全体を上下方向および左右方向に移動させる駆動力を発生する。搬送部移動モータ40M1は、コントローラ90から制御信号を受けて、ストリップ包装体100および/または包装体110を取り出す対象の薬剤収容部10に対応する位置に、搬送部40を移動させる。
【0067】
退避モータ40M2は、第2収容部30を
図5に示す前方位置から
図6に示す退避位置へ移動させる駆動力を発生する。退避モータ40M2は、コントローラ90から制御信号を受けて、退避動作部47を下向きに回転させ、退避動作部47によって係合軸部37を押し下げることで、第2収容部30を前方位置から退避位置へ移動させる。
【0068】
吸引装置移動モータ40M3は、吸引装置44を前後方向に移動させる駆動力を発生する。吸引装置移動モータ40M3は、コントローラ90から制御信号を受けて、吸引装置44をケーシング41の内部から外部へ前方に移動させ、ストリップ包装体100または包装体110を吸引可能な位置に吸引装置44を位置させる。吸引装置移動モータ40M3は、コントローラ90から制御信号を受けて、吸引装置44をケーシング41の内部へ後方に移動させ、吸引されたストリップ包装体100または包装体110をケーシング41内へ取り入れる。
【0069】
開閉モータ40M4は、開閉底板48を回動させる駆動力を発生する。開閉モータ40M4は、コントローラ90から制御信号を受けて、開閉底板48を閉位置に移動させ、ストリップ包装体100および/または包装体110を受け部46で受けて受け部46内に収容できるようにする。開閉モータ40M4は、コントローラ90から制御信号を受けて、開閉底板48を開位置に移動させ、受け部46内に収容されたストリップ包装体100および/または包装体110を、落下させて搬送部40から排出する。
【0070】
吸引ポンプ40Pは、コントローラ90から制御信号を受けて駆動することにより、負圧を発生する。吸引ポンプ40Pが発生した負圧が吸引装置44の吸引口44Aへ伝わって、吸引口44Aにストリップ包装体100または包装体110が吸引される。
【0071】
切断部60は、位置決め部移動モータ60M1と、カット刃移動モータ60M2とを有している。コントローラ90は、これらのモータ60M1~60M2に制御信号を出力することにより、モータ60M1~60M2を制御する。モータ60M1~60M2が適宜駆動および停止することにより、切断部60によるストリップ包装体100の切断が行なわれる。
【0072】
位置決め部移動モータ60M1は、位置決め部66を移動させる駆動力を発生する。位置決め部移動モータ60M1は、コントローラ90から制御信号を受けて、位置決め部66を壁部62に対して相対移動させ、切断部60に搬送され壁部62に支持されているストリップ包装体100を壁部62に沿って移動させる。位置決め部移動モータ60M1は、ストリップ包装体100の寸法に対応した切断のための位置にストリップ包装体100を移動させて、カッタ64に対するストリップ包装体100の位置決めをする。
【0073】
カット刃移動モータ60M2は、カット刃64Aを移動させる駆動力を発生させる。カット刃移動モータ60M2は、コントローラ90から制御信号を受けて、壁部62に支持されたストリップ包装体100を切断する。ストリップ包装体100の切断が行なわれないとき、カット刃移動モータ60M2は、カット刃64Aを壁部62から一定距離離れた待機位置へ位置させる。
【0074】
[薬剤供給装置1の動作]
以上の構成を備えている薬剤供給装置1による、ストリップ包装体100および/または包装体110を薬剤収容部10から取り出して中継容器70に供給する動作について、以下に説明する。
図11は、薬剤供給装置1による包装体110の取出動作を示す第1のフローチャートである。
【0075】
まずステップS11において、搬送部40を該当の薬剤収容部10に移動する。コントローラ90は、搬送部移動モータ40M1へ制御信号を出力して、ストリップ包装体100および/または包装体110を取り出す対象の薬剤収容部10に対応する位置に、搬送部40を移動させる。
【0076】
次にステップS12において、コントローラ90は、処方に従って薬剤供給装置1から払い出される包装体110の必要数を、ストリップ包装体100に含まれる包装体110の所定数(実施形態では、3)で割る計算を実行して、上記必要数が上記所定数で割り切れるか否かを判断する。
【0077】
包装体110の必要数が割り切れると判断された場合(ステップS12においてYES)、ステップS13に進み、第2収容部30を降下させる。コントローラ90は、退避モータ40M2に制御信号を出力して、退避動作部47を下向きに回転させることにより、第2収容部30を前方位置から退避位置へ降下させる。
【0078】
次にステップS14において、第1収容部20内のストリップ包装体100を吸着して取り出す。先のステップS13で第2収容部30が退避位置へ移動しているので、前方位置に第2収容部30がなく、第1収容部20の取出口24にアクセス可能な状態である。コントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、吸引装置44を前方へ移動させて、吸引口44Aをストリップ包装体100に接触させる。コントローラ90は、吸引ポンプ40Pへ制御信号を出力して負圧を発生させ、ストリップ包装体100を吸引口44Aに吸着させる。さらにコントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、吸引装置44を後方へ移動させて、ストリップ包装体100を第1収容部20から取り出す。
【0079】
次にステップS15において、取り出したストリップ包装体100を受け部46に投入する。コントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、吸引装置44の後方への移動を継続させて、吸引装置44をケーシング41の内部の位置へ移動させる。さらにコントローラ90は、吸引ポンプ40Pへ制御信号を出力して、吸引ポンプ40Pを停止させる。これにより、ストリップ包装体100が吸引口44Aに吸着されなくなり、ストリップ包装体100は自重で落下して、受け部46へ収容される。
【0080】
次にステップS16において、コントローラ90は、第1収容部20から取り出されたストリップ包装体100の数が、ステップS12の計算で算出された商の数に到達したか否かを判断する。商の数に未だ到達していないと判断された場合(ステップS16においてNO)、ステップS14およびステップS15に従って、ストリップ包装体100を第1収容部20から取り出して受け部46へ投入する処理が繰り返される。
【0081】
商の数に到達したと判断された場合(ステップS16においてYES)、包装体110の必要数の全部が取り出されて受け部46へ投入された状態であるので、ステップS17に進み、第2収容部30を元の前方位置に戻す。コントローラ90は、退避モータ40M2へ制御信号を出力して、退避動作部47を上向きに回転させる。退避動作部47から係合軸部37を介して第2収容部30へ伝達される第2収容部30を押し下げる力が解除され、第1リンク軸28に設けられた付勢ばねの付勢力によって、第2収容部30は退避位置から前方位置に移動する。
【0082】
次にステップS18において、搬送部40を中継容器70に移動させる。コントローラ90は、搬送部移動モータ40M1へ制御信号を出力して、搬送部40を下方へ移動させ、中継容器70の上方の位置に搬送部40を移動させる。
【0083】
次にステップS19において、受け部46内のストリップ包装体100を中継容器70に供給する。コントローラ90は、開閉モータ40M4に制御信号を出力して、開閉底板48を閉位置から開位置へ移動させ、受け部46内に収容されているストリップ包装体100を受け部46から落下させて、中継容器70に供給する。
【0084】
ステップS12の判断において、包装体110の必要数がストリップ包装体100に含まれる包装体110の所定数で割り切れないと判断された場合(ステップS12においてNO)、ステップS20に進み、第2収容部30内に包装体110があるか否かの判断が行なわれる。コントローラ90は、検出装置54から入力された第2収容部30内の包装体110の個数に関する情報に基づいて、第2収容部30内に包装体110があるか否か(収容数が1以上であるか否か)を判断する。
【0085】
図12は、薬剤供給装置1による包装体110の取出動作を示す第2のフローチャートである。ステップS20の判断において第2収容部30内に包装体110がある(収容数が1以上)と判断された場合(ステップS20においてYES)、結合子1を介してステップS21に進み、第2収容部30内の包装体110の数が端数よりも多いか否かが判断される。コントローラ90は、ステップS12の計算で算出された余りの数(これを端数とも称する)と、第2収容部30内の包装体110の収容数とを比較して、包装体110の収容数が余りの数よりも多いか否かを判断する。
【0086】
包装体110の収容数が余りの数よりも多いと判断された場合(ステップS21においてYES)、ステップS22に進み、コントローラ90は、ステップS12の計算で算出された商の数が1以上であるか否かを判断する。
【0087】
商の数が1以上であると判断された場合(ステップS22においてYES)、続いて、ステップS23において、第2収容部30を降下させる。ステップS24において、第1収容部20内のストリップ包装体100を吸着して取り出す。ステップS25において、取り出したストリップ包装体100を受け部46に投入する。ステップS26において、第1収容部20から取り出されたストリップ包装体100の数が、ステップS12の計算で算出された商の数に到達したか否かを判断する。ステップS27において、第2収容部30を元に戻す。ステップS23~S27における処理は、上述したステップS13~S17で説明した処理と同じである。
【0088】
ステップS22の判断において、商の数が1未満、すなわち商の数がゼロと判断された場合(ステップS22においてNO)、ステップS23~S27の処理は行われず、そのまま次のステップS28に進む。
【0089】
次にステップS28において、第2収容部30内の包装体110を吸着して取り出す。先のステップS27で第2収容部30が前方位置へ移動しているので、第2収容部30にアクセス可能な状態である。コントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、吸引装置44を前方へ移動させて、吸引口44Aを包装体110に接触させる。コントローラ90は、吸引ポンプ40Pへ制御信号を出力して負圧を発生させ、包装体110を吸引口44Aに吸着させる。さらにコントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、吸引装置44を後方へ移動させて、包装体110を第2収容部30から取り出す。
【0090】
次にステップS29において、コントローラ90は、受け部46内にストリップ包装体100があるか否かを判断する。先のステップS25の処理が実行されている場合、受け部46内にストリップ包装体100があることになる。換言すると、ステップS22の判断において商の数が1以上と判断された場合、受け部46内にストリップ包装体100があり、ステップS22の判断において商の数がゼロと判断された場合、受け部46内にストリップ包装体100はないことになる。
【0091】
受け部46内にストリップ包装体100があると判断された場合(ステップS29においてYES)、続いて、ステップS30において、搬送部40を中継容器70に移動させる。ステップS31において、受け部46内のストリップ包装体100を中継容器70に供給する。ステップS30~S31における処理は、上述したステップS18~S19で説明した処理と同じである。
【0092】
ステップS29の判断において、受け部46内にストリップ包装体100がないと判断された場合(ステップS29においてNO)、ステップS30~S31の処理は行われず、そのまま次のステップS32に進む。ステップS29~S31の処理の間、ステップS28で第2収容部30から取り出された包装体110は、吸引装置44によって吸引され保持されたままとされる。
【0093】
次にステップS32において、搬送部40を切断部60に移動する。コントローラ90は、搬送部移動モータ40M1へ制御信号を出力して、搬送部40を切断部60へ移動させる。
【0094】
次にステップS33において、吸着していた包装体110を切断部60に渡す。コントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、吸引装置44を前方へ移動させて、吸引口44Aに吸引された状態の包装体110を、切断部60に支持させる。コントローラ90は、吸引ポンプ40Pへ制御信号を出力して、吸引ポンプ40Pを停止させる。これにより、包装体110が吸引口44Aに吸着されなくなり、包装体110が切断部60に渡される。さらにコントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、切断部60の動作の妨げとならない位置まで吸引装置44を後方へ移動させる。
【0095】
次にステップS34において、包装体110の切断が終了したか否かが判断される。コントローラ90は、位置決め部移動モータ60M1へ適宜制御信号を出力して、壁部62に沿って位置決め部66を移動させて、カッタ64に対して包装体110を相対移動させることで、包装体110における適切なカット位置にカット刃64Aを位置合わせする。
【0096】
コントローラ90は、カット刃移動モータ60M2へ制御信号を出力して、カット刃64Aを移動させる。カット刃64Aは、壁部62に近づく方向に移動し、その後壁部62から遠ざかる方向に移動するように、往復移動する。これにより切断部60は、包装体110を、払い出し対象の第1カット体102Aと払い出し対象でない第2カット体102Bとに分断する。第1カット体102Aが切断部60から中継容器70へ自重で落下するように、薬剤供給装置1が構成されてもよい。または、搬送部40が第1カット体102Aを吸着して切断部60から中継容器70へ搬送するように、薬剤供給装置1が構成されてもよい。
【0097】
切断部60で切断された第1カット体102Aが中継容器70内へ移動すると、包装体110の切断が終了したと判断される(ステップS34においてYES)。
【0098】
包装体110の切断が終了すると、次にステップS35において、搬送部40は、切断部60に残った包装体110、すなわち第2カット体102Bを吸着して、切断部60から受け取る。コントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、吸引装置44を前方へ移動させて、吸引口44Aを第2カット体102Bに接触させる。コントローラ90は、吸引ポンプ40Pへ制御信号を出力して負圧を発生させ、第2カット体102Bを吸引口44Aに吸着させる。さらにコントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、吸引装置44を後方へ移動させて、第2カット体102Bを切断部60から受け取る。
【0099】
次にステップS36において、搬送部40を該当の薬剤収容部10に移動させる。コントローラ90は、搬送部移動モータ40M1へ制御信号を出力して、包装体110を取り出した薬剤収容部10に対応する位置に、搬送部40を戻す。
【0100】
次にステップS37において、吸着していた包装体110(第2カット体102B)を第2収容部30に戻す。コントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、吸引装置44を前方へ移動させて、吸引口44Aに吸引された状態の包装体110を、第2収容部30に支持させる。コントローラ90は、吸引ポンプ40Pへ制御信号を出力して、吸引ポンプ40Pを停止させる。これにより、包装体110が吸引口44Aに吸着されなくなり、包装体110が第2収容部30に戻される。さらにコントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、ケーシング41の内部の位置まで吸引装置44を後方へ移動させる。
【0101】
図13は、薬剤供給装置1による包装体110の取出動作を示す第3のフローチャートである。ステップS21の判断において第2収容部30内の包装体110の数が端数以下であると判断された場合(ステップS21においてNO)、結合子4を介してステップS38に進み、第2収容部30内の包装体110の数が端数と同じであるか否かが判断される。コントローラ90は、ステップS12の計算で算出された余りの数(端数)と、第2収容部30内の包装体110の収容数とを比較して、包装体110の収容数が余りの数と同じであるか否かを判断する。
【0102】
包装体110の収容数が余りの数と同じであると判断された場合(ステップS38においてYES)、続いて、ステップS39において、ステップS12の計算で算出された商の数が1以上であるか否かを判断する。ステップS40において、第2収容部30を降下させる。ステップS41において、第1収容部20内のストリップ包装体100を吸着して取り出す。ステップS42において、取り出したストリップ包装体100を受け部46に投入する。ステップS43において、第1収容部20から取り出されたストリップ包装体100の数が、ステップS12の計算で算出された商の数に到達したか否かを判断する。ステップS44において、第2収容部30を元に戻す。ステップS39~S44における処理は、上述したステップS22~S27で説明した処理と同じである。
【0103】
次にステップS45において、第2収容部30内の包装体110を吸着して取り出す。先のステップS44で第2収容部30が前方位置へ移動しているので、第2収容部30にアクセス可能な状態である。コントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、吸引装置44を前方へ移動させて、吸引口44Aを包装体110に接触させる。コントローラ90は、吸引ポンプ40Pへ制御信号を出力して負圧を発生させ、包装体110を吸引口44Aに吸着させる。さらにコントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、吸引装置44を後方へ移動させて、包装体110を第2収容部30から取り出す。
【0104】
次にステップS46において、取り出した包装体110を受け部46に投入する。コントローラ90は、吸引装置移動モータ40M3へ制御信号を出力して、吸引装置44の後方への移動を継続させて、吸引装置44をケーシング41の内部の位置へ移動させる。さらにコントローラ90は、吸引ポンプ40Pへ制御信号を出力して、吸引ポンプ40Pを停止させる。これにより、包装体110が吸引口44Aに吸着されなくなり、包装体110は自重で落下して、受け部46へ収容される。
【0105】
次にステップS47において、搬送部40を中継容器70に移動させる。コントローラ90は、搬送部移動モータ40M1へ制御信号を出力して、中継容器70の上方の位置に搬送部40を移動させる。
【0106】
次にステップS48において、受け部46内の包装体110を中継容器70に供給する。コントローラ90は、開閉モータ40M4に制御信号を出力して、開閉底板48を閉位置から開位置へ移動させ、受け部46内に収容されている包装体110を受け部46から落下させて、中継容器70に供給する。
【0107】
図14は、薬剤供給装置1による包装体110の取出動作を示す第4のフローチャートである。ステップS38の判断において第2収容部30内の包装体110の数が端数と同じでないと判断された場合(ステップS38においてNO)、ステップS21およびステップS38の判断を経ることで、第2収容部30内の包装体110の収容数が端数(余りの数)よりも小さいと判断される。
【0108】
この場合、結合子5を介してステップS49に進み、第2収容部30内の包装体110を吸着して取り出す。このとき、第2収容部30を降下する処理は行われておらず、第2収容部30は前方位置に留まっており、第2収容部30にアクセス可能な状態である。次にステップS50において、取り出した包装体110を受け部46に投入する。ステップS49~S50における処理は、上述したステップS45~S46で説明した処理と同じである。
【0109】
次にステップS51において、第2収容部30を降下させる。ステップS51における処理は、上述したステップS13で説明した処理と同じである。
【0110】
次にステップS52において、ステップS12の計算で算出された商の数が1以上であるか否かを判断する。ステップS52における処理は、上述したステップS22で説明した処理と同じである。
【0111】
次に、ステップS53において、第1収容部20内のストリップ包装体100を吸着して取り出す。ステップS54において、取り出したストリップ包装体100を受け部46に投入する。ステップS55において、第1収容部20から取り出されたストリップ包装体100の数が、ステップS12の計算で算出された商の数に到達したか否かを判断する。ステップS53~S55における処理は、上述したステップS14~S16で説明した処理と同じである。
【0112】
次にステップS56において、第1収容部20内のストリップ包装体100を吸着して取り出す。ステップS56における処理は、上述したステップS14で説明した処理と同じである。ステップS53におけるストリップ包装体100の取り出しと、ステップS56におけるストリップ包装体100の取り出しとによって、ステップS12の計算で算出された商に1を加えた数のストリップ包装体100が、第1収容部20から取り出されることになる。
【0113】
次に、ステップS57において、第2収容部30を元の前方位置に戻す。ステップS58において、搬送部40を中継容器70に移動させる。ステップS59において、受け部46内の包装体110を中継容器70に供給する。ステップS57~S59における処理は、上述したステップS17~S19で説明した処理と同じである。この場合、受け部46内には、ステップS50において受け部46に投入された包装体110と、ステップS54において受け部46に投入されたストリップ包装体100との両方が収容されているので、ステップS59においては、これらの包装体110およびストリップ包装体100の両方が、受け部46から中継容器70に供給される。
【0114】
次にステップS60において、搬送部40を切断部60に移動する。ステップS60における処理は、上述したステップS32で説明した処理と同じである。
【0115】
次に、ステップS61において、吸着していたストリップ包装体100を切断部60に渡す。ステップS62において、ストリップ包装体100の切断が終了したか否かが判断される。ステップS63において、切断部60に残った包装体110を吸着して、切断部60から受け取る。ステップS64において、搬送部40を該当の薬剤収容部10に移動させる。ステップS65において、吸着していた包装体110を第2収容部30に戻す。ステップS61~S65における処理は、切断される対象が包装体110からストリップ包装体100に変わっていることを除いて、上述したステップS33~S37で説明した処理と同じである。
【0116】
図15は、薬剤供給装置1による包装体110の取出動作を示す第5のフローチャートである。ステップS20の判断において第2収容部30内に包装体110がない(収容数がゼロ)と判断された場合(ステップS20においてNO)、結合子2を介してステップS66に進み、第2収容部30を降下させる。ステップS67において、ステップS12の計算で算出された商の数が1以上であるか否かを判断する。ステップS68において、第1収容部20内のストリップ包装体100を吸着して取り出す。
【0117】
ステップS69において、取り出したストリップ包装体100を受け部46に投入する。ステップS70において、第1収容部20から取り出されたストリップ包装体100の数が、ステップS12の計算で算出された商の数に到達したか否かを判断する。ステップS71において、第1収容部20内のストリップ包装体100を吸着して取り出す。ステップS72において、第2収容部30を元の前方位置に戻す。ステップS66~S72における処理は、上述したステップS51~S57で説明した処理と同じである。
【0118】
次に、ステップS73において、受け部46内にストリップ包装体100があるか否かが判断される。ステップS74において、搬送部40を中継容器70に移動させる。ステップS75において、受け部46内のストリップ包装体100を中継容器70に供給する。ステップS73~S75における処理は、上述したステップS29~S31で説明した処理と同じである。
【0119】
次に、ステップS76において、搬送部40を切断部60に移動する。ステップS77において、吸着していたストリップ包装体100を切断部60に渡す。ステップS78において、ストリップ包装体100の切断が終了したか否かが判断される。ステップS79において、切断部60に残った包装体110を吸着して、切断部60から受け取る。ステップS80において、搬送部40を該当の薬剤収容部10に移動させる。ステップS81において、吸着していた包装体110を第2収容部30に戻す。ステップS76~S81における処理は、上述したステップS60~S65で説明した処理と同じである。
【0120】
このようにして、ステップS19、ステップS37、ステップS48、ステップS65またはステップS81における処理の完了をもって、ストリップ包装体100および/または包装体110を薬剤収容部10から取り出して中継容器70に供給する動作が終了する(
図11の「終了」)。
【0121】
[作用および効果]
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
【0122】
本実施形態の薬剤供給装置1は、
図3~5に示されるように、所定数の包装体110が並べられて一体に構成されたストリップ包装体100を収容する第1収容部20と、所定数未満の包装体110を収容する第2収容部30とを備えている。第2収容部30は、第1収容部20のカセット21の取出口24を前方から覆う
図5に示す前方位置と、前方位置から退避した
図6に示す退避位置との間を往復するように構成されている。薬剤供給装置1はさらに、第1収容部20からストリップ包装体100を取り出すとともに第2収容部30から包装体110を取り出すように構成された、搬送部40を備えている。
【0123】
第2収容部30を前方位置から退避位置に移動させると、第1収容部20からストリップ包装体100の取り出しが可能になる。第1収容部20からのストリップ包装体100の取り出しのために、第1収容部20の全体を引き出す必要がない。第1収容部20の移動のためのスペースを確保する必要がないため、薬剤供給装置1を小形化することができる。
【0124】
搬送部40は、第1収容部20からストリップ包装体100を取り出す動作と、第2収容部30から包装体110を取り出す動作との、両方を実行することができる。共通の搬送部40がストリップ包装体100と包装体110との両方を取り出す構成であるので、ストリップ包装体100の取り出しと包装体110の取り出しとのために別々の装置を設ける必要がない。したがって、搬送部40を小形化することができ、ひいては薬剤供給装置1の全体を小形化することができる。
【0125】
図5に示されるように、第2収容部30は、包装体110を立てて収容している。第2収容部30が包装体110を収容するために必要なスペースが低減されることにより、薬剤供給装置1を小形化することができる。
【0126】
図7に示されるように、搬送部40は、ストリップ包装体100および包装体110を吸引して取り出す吸引装置44を有している。共通の吸引装置44がストリップ包装体100と包装体110との両方を取り出す構成であるので、搬送部40の構成を簡素化することができる。
【0127】
図7に示されるように、搬送部40は、第2収容部30を前方位置から退避位置へ移動させる退避動作部47を有している。第2収容部30の移動のための構成を搬送部40が有している構成であるので、薬剤供給装置1の構成を簡素化することができる。
【0128】
図8に示されるように、薬剤供給装置1は、ストリップ包装体100を切断する切断部60をさらに備えている。搬送部40は、ストリップ包装体100を第1収容部20から切断部60へ移動させる。ストリップ包装体100および包装体110の取り出しのための搬送部40に、切断部60へストリップ包装体100を移動させる機能を持たせて、一つの搬送部40が種々の動作を実行できるように構成することにより、薬剤供給装置1の構成を簡素化することができる。
【0129】
図9に示されるように、切断部60は、ストリップ包装体100を払い出し対象の第1カット体102Aと払い出し対象でない第2カット体102Bとに分断する。搬送部40は、第2カット体102Bを切断部60から第2収容部30へ移動させる。切断後に残った第2カット体102Bを有効に利用でき、包装体110の無駄を削減できる構成であるので、低ランニングコストの薬剤供給装置1を実現することができる。
【0130】
図11に示されるように、処方に従って薬剤供給装置1から払い出される包装体110の必要数がストリップ包装体100に含まれる包装体110の所定数で割り切れる場合は、コントローラ90は、上記必要数を上記所定数で割った商の数のストリップ包装体100を第1収容部20から取り出し第2収容部30から包装体110を取り出さないように、搬送部40を制御する。このようにすれば、ストリップ包装体100を切断する必要がなく、薬剤供給装置1の無駄な動作を低減できるので、取り出し作業を効率化することができる。
【0131】
図12,13に示されるように、第2収容部30内の包装体110の収容数が上記必要数を上記所定数で割った余り以上であるとき、コントローラ90は、上記必要数を上記所定数で割った商の数のストリップ包装体100を第1収容部20から取り出した後に包装体110を第2収容部30から取り出すように、搬送部40を制御する。このようにすれば、第2収容部30を上げ下げする回数が1回で済み、薬剤供給装置1の無駄な動作を低減できるので、取り出し作業を効率化することができる。
【0132】
図14に示されるように、上記収容数が上記余りよりも小さいとき、コントローラ90は、包装体110を第2収容部30から取り出した後にストリップ包装体100を第1収容部20から取り出すように、搬送部40を制御する。このようにすれば、第2収容部30を上げ下げする回数が1回で済み、薬剤供給装置1の無駄な動作を低減できるので、取り出し作業を効率化することができる。
【0133】
図14に示されるように、上記収容数が上記余りよりも小さいとき、コントローラ90は、上記商に1を加えた数のストリップ包装体100を第1収容部20から取り出すように、搬送部40を制御する。このようにすれば、最後に1つ余分に取り出したストリップ包装体100を切断することで必要な数の包装体110を取り出すことができ、薬剤供給装置1の無駄な動作を低減できるので、取り出し作業を効率化することができる。
【0134】
図3に示されるように、第1収容部20は、ストリップ包装体100の縁部に当たる停止部25を取出口24に有している。係る構成によれば、第1収容部20内の先頭のストリップ包装体100を搬送部40で吸着して取り出すときに、先頭から2番目以降のストリップ包装体100の取出口24への移動が停止部25によって規制されるので、ストリップ包装体100を1つずつ確実に取り出すことができる。ストリップ包装体100は撓みやすいので、搬送部40に先頭のストリップ包装体100を保持させて搬送部40を取出口24から離すように直線的に移動させるように動作させれば、先頭のストリップ包装体100を容易に第1収容部20から取り出すことができる。
【0135】
図3に示されるように、停止部25は、ストリップ包装体100の上縁部に当たる押さえ部25Cを有している。係る構成によれば、先頭から2番目以降のストリップ包装体100が停止部25を乗り越えて取出口24へ移動することが抑制されるので、ストリップ包装体100を1つずつ確実に取り出すことができる。
【0136】
図3に示されるように、押さえ部25Cは、上下方向に位置調整可能である。係る構成によれば、第1収容部20に収容するストリップ包装体100の上下方向の寸法に応じて、適切な位置に押さえ部25Cを配置することができる。
【0137】
以上、実施形態について説明を行なったが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0138】
1 薬剤供給装置、2 筐体、10 薬剤収容部、20 第1収容部、21 カセット、22 底面部、23,33 側壁、23A 窓部、24 取出口、25 停止部、25A 下方停止部、25B 側方停止部、25C 押さえ部、26 移動動作部、27 可動部材、28 第1リンク軸、29 リンク部、30 第2収容部、32 底部、34A 傾斜壁、34B 立壁、37 係合軸部、38 第2リンク軸、40 搬送部、40M1~40M4,60M1~60M2 モータ、40P ポンプ、41 ケーシング、42 取入口、44 吸引装置、44A 吸引口、45 斜面、46 受け部、47 退避動作部、48 開閉底板、52 撮像装置、54 検出装置、60 切断部、62 壁部、64 カッタ、64A カット刃、66 位置決め部、70 中継容器、80 払出トレイ、90 コントローラ、91 メモリ、92 操作部、100 ストリップ包装体、102A 第1カット体、102B 第2カット体、110 包装体、112 シール部、114 ミシン目、200 薬剤。