(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】クーポン発行システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20231027BHJP
【FI】
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2018115108
(22)【出願日】2018-06-18
【審査請求日】2021-05-24
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】323009977
【氏名又は名称】カタリナマーケティングジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【氏名又は名称】梅田 明彦
(72)【発明者】
【氏名】萩原 由衣
(72)【発明者】
【氏名】石井 美帆
(72)【発明者】
【氏名】木前 陽子
(72)【発明者】
【氏名】関 早映子
(72)【発明者】
【氏名】上之 友紀
(72)【発明者】
【氏名】大河内 千尋
(72)【発明者】
【氏名】徳永 美穂
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 光康
(72)【発明者】
【氏名】柳 なつみ
(72)【発明者】
【氏名】穴澤 祐理子
(72)【発明者】
【氏名】秋吉 邦康
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】佐藤 智康
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-245014(JP,A)
【文献】特開2007-299104(JP,A)
【文献】特開平11-219481(JP,A)
【文献】特開2015-1903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置のクーポン発券機と、前記クーポン発券機と通信ネットワークを介して通信するクーポン管理サーバと、を備えるクーポン発行システムであって、
前記クーポン管理サーバは、
クーポン発行対象とする商品種類の決定に関する情報を提供する外部サーバと通信接続するアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)を備える外部情報取得部と、
前記クーポン発行対象とする商品のクーポン種類の情報を記憶するクーポン
種類記憶部と、
前記外部情報取得部が取得した前記商品種類の決定に関する情報を記憶するクーポン発行条件記憶部と、
前記クーポン発行条件記憶部内の前記情報に基づいて、前記クーポン
種類記憶部内に記憶された複数のクーポン種類の中から一つの商品のクーポン種類を選択し決定するクーポン種類決定部と、
前記クーポン種類決定部が決定した前記クーポン種類の情報に基づいて、クーポン種類の券面に表記するクーポン情報を前記クーポン発券機に送信するクーポン発行管理部と、を備え、
前記アプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)は、前記通信ネットワークを通して、天気情報を提供する外部サーバ、地域ごとのイベント情報を提供する外部サーバ、新規登録された地域ごとの競合店の情報を提供する外部サーバ及び交通情報を提供する外部サーバに接続して、当該外部サーバから前記クーポン種類の決定に影響する情報を取得し、
前記クーポン発券機は、前記決定されたクーポン種類の情報を印刷することにより当該クーポン種類のクーポンを発行することを特徴とするクーポン発行システム。
【請求項2】
前記クーポン種類決定部は、前記天気情報を提供する外部サーバから取得した地域ごとの前記天候情報に基づいて前記クーポン種類を決定し、
前記クーポン発行管理部は、決定された前記クーポン種類の前記クーポン情報を該当する地域に設置されている前記クーポン発券機に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のクーポン発行システム。
【請求項3】
前記クーポン種類決定部は、前記イベント情報を提供する外部サーバから取得した地域ごとのイベント情報に基づいて前記クーポン種類を決定し、
前記クーポン発行管理部は、決定された前記クーポン種類の前記クーポン情報を該当する地域に設置されている前記クーポン発券機に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のクーポン発行システム。
【請求項4】
前記クーポン種類決定部は、前記競合店の情報を提供する外部サーバから取得した地域ごとの競合店の登録情報とその地図情報を取得し、
前記新規登録された競合店が所定の距離内の場合、前記クーポン発行管理部は、
前記クーポン種類決定部が選択したクーポン種類のクーポン
情報を前記クーポン発券機に送信する、ことを特徴とする請求項1に記載のクーポン発行システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポン発行システムに関し、特に、小売店舗での買い物において割引等の特典を顧客に提供するクーポンの発行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、小売店等においては、顧客が商品やサービスを購入したとき、事前に発行したクーポンを提示することで割引等の特典を提供することが行われている。これらのクーポンは、チラシや刊行物等の紙の媒体物に設けられて消費者に配布されるのが一般的である。しかし、こういった配布方法は不特定多数の消費者に大量にクーポンを配布することになるため、実際に顧客によって店頭で使用されるクーポンは一部にとどまり、コスト的にも効率的にも無駄が多いという問題がある。
【0003】
一方、近年においては、インターネットのウェブ上の小売業者のホームページを訪れた消費者が、そこにアップされているクーポンをプリントアウトすることで入手する方法も採られている(例えば、特許文献1を参照)。このような電子的なクーポンの配布方法はウェブサイトにアクセスすることで入手でき、クーポンを必要とする消費者に直接配布できるため効率的であると共に、コストも手間も掛らないという利点がある。
【0004】
しかしながら、従来の紙媒体でのクーポンやネット上で配布するネットクーポンは何れも、クーポンを使用したときに特典が得られる商品は予め一律に決められているため、そのクーポンに興味を示す顧客は限られている。そのため、クーポンを発行してもクーポンを使用する顧客は一部に止まり、店舗への来店効果は限定されたものとなっている。
【0005】
また、クーポンの使用率を高めるために、クーポンを手にした顧客がクーポンを早く使用してもらうように、使用時におけるクーポンの発券時刻からの経過時間に応じて、特典の内容(割引率)を変化させるクーポン発行システムも知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-352131号公報
【文献】特開2004-272463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2のクーポン発行システムは、発行したクーポンの時間の経過でそのクーポン使用によるインセンティブ率を低くすることで、顧客に早期の使用を促すことで使用率を高めようとするものである。よって、クーポンの対象となる商品を購入する意志のある顧客に対して、その使用を促すには効果的な方法である。しかしながら、クーポンの対象商品を購入する意志のない顧客はクーポンを使用する確率は低く、クーポンの使用率を効果的に高めるものではない。
【0008】
本発明は上記点に鑑み、その時々の状況に応じたクーポンを発行することができるクーポン発行システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明によるクーポン発行システムは、店舗に設置のクーポン発券機と、前記クーポン発券機と通信ネットワークを介して通信するクーポン管理サーバと、を備えるクーポン発行システムであって、前記クーポン管理サーバは、クーポン発行対象とする商品種類の決定に関する情報を提供する外部サーバと通信接続するアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)を備える外部情報取得部と、前記クーポン発行対象とする商品のクーポン種類の情報を記憶するクーポン種類記憶部と、前記外部情報取得部が取得した前記商品種類の決定に関する情報を記憶するクーポン発行条件記憶部と、前記クーポン発行条件記憶部内の前記情報に基づいて、前記クーポン種類記憶部内に記憶された複数のクーポン種類の中から一つの商品のクーポン種類を選択し決定するクーポン種類決定部と、前記クーポン種類決定部が決定した前記クーポン種類の情報に基づいて、クーポン種類の券面に表記するクーポン情報を前記クーポン発券機に送信するクーポン発行管理部と、を備え、前記アプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)は、前記通信ネットワークを通して、天気情報を提供する外部サーバ、地域ごとのイベント情報を提供する外部サーバ、新規登録された地域ごとの競合店の情報を提供する外部サーバ及び交通情報を提供する外部サーバに接続して、当該外部サーバから前記クーポン種類の決定に影響する情報を取得し、前記クーポン発券機は、前記決定されたクーポン種類の情報を印刷することにより当該クーポン種類のクーポンを発行することを特徴とする。
【0010】
一つの実施形態においては、前記外部サーバは天候情報を提供するサーバであり、前記クーポン種類決定部は、前記外部情報取得部が取得する前記天候情報に基づき前記クーポン種類を決定する。これによって、天気状況に応じて購入意思が強まる商品のクーポンを発行することで、クーポンの使用率が高まる。
【0011】
さらに、前記クーポン種類決定部は、前記外部サーバが提供する地域ごとの前記天候情報に基づいて前記クーポン種類を決定し、前記クーポン発行管理部は、決定された前記クーポン種類の前記クーポン情報を該当する地域に設置されている前記クーポン発券機に送信することで、局地的に有効なクーポンを発行することができる。
【0012】
別の実施形態においては、前記外部サーバはイベント情報を提供するサーバであり、前記クーポン種類決定部は、前記外部情報取得部が取得する前記イベント情報に基づき前記クーポン種類を決定する。これによって、イベントの有無で購入意思が強まる商品のクーポンを発行することで、クーポンの使用率が高まる。
【0013】
さらに、前記クーポン種類決定部は、前記外部サーバが提供する地域ごとの前記イベント情報に基づいて前記クーポン種類を決定し、前記クーポン発行管理部は、決定された前記クーポン種類の前記クーポン情報を該当する地域に設置されている前記クーポン発券機に送信することで、イベントが開催される限定された地域のみにクーポンを発行することができる。
【0014】
尚、前記クーポン発行管理部は、前記外部サーバから、新規登録された競合店の新規登録情報と地図情報を取得し、前記新規登録された競合店が所定の距離内の場合、前記クーポン種類決定部が選択したクーポン種類のクーポンを発行する、ようにしても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるクーポン発行システムによれば、外部サーバからの外部情報を活用して、その時々の状況に応じて有効なクーポンを発行するために、より多くの顧客に使用してもらえるクーポンが発行される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係わるクーポン発行システムの全体構成を説明するブロック図を示す。
【
図2】クーポンの券面構成の説明図を示す。
図1における店舗側システムの全体構成を説明するブロック図を示す。
【
図3】クーポン発行条件記憶に記憶されているクーポン発行条件テーブルの説明図を示す。
【
図4】気温に基づきクーポンの発行事例の説明図を示す。
【
図5】クーポン発券機の構成を説明するブロック図を示す。
【
図6】本発明に係わるクーポン発行システムにおけるクーポン発行の処理シーケンスの説明図を示す。
【
図7】外部サーバが提供する地図情報を利用したクーポンによるマーケティングの説明図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るクーポン発行システム100の概要を示す構成図である。
図1に示すように、クーポン発行システム100は、クーポン管理サーバ1と、データ通信機能を有するクーポン発券機2とからなり、通信ネットワーク3により相互に通信可能である。通信ネットワーク3は、インターネット、公衆回線網や専用回線などの各種通信経路を含んでいるものとする。
【0018】
クーポン管理サーバ1は、クーポン発行システム100の運用主体である、例えばアプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)によって運営され、ASPは、契約した小売業者に委託されてクーポン発券機2によるクーポン発券を管理する。小売業者とは、一般的には生産者や卸売業者から販売した商品等を最終消費者に売る業者を意味するが、ここでは広義に飲食業者やサービスを提供するサービス業者、さらには卸売業者も含むものとする。尚、クーポン管理サーバ1は、小売業者によって直接、運用されるものであってもよい。
【0019】
クーポン発券機2は、小売業者の店舗内での精算処理時に使用されるPOS端末に接続されて設置されるクーポンプリンタや、小売業者の店舗内や店頭又は人の集まる街頭などに設置されるいわゆるキオスク端末機等であり、クーポンを印刷して発行する。ここでのクーポンとは、
図3に示すように、特定の商品を対象に割引を行う券である。
【0020】
クーポン管理サーバ1は、外部情報取得部11と、クーポン種類決定部12と、クーポン発行管理部13と、クーポン種類記憶部14と、地域記憶部15と、クーポン発行条件記憶部16とを備え、これらの各部の機能は、CPUが所定のプログラムを実行することで実現される。
【0021】
外部情報取得部11は、通信ネットワーク3を通して外部サーバ4とアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)で連携して、外部サーバからクーポン種類の決定に関する情報を取得する。この場合の情報とは、店舗における商品の売り上げに大いに関係する例えば、天気予報や天候に関する種々の指数情報、注意報情報、イベント情報などである。このような、外部サーバ4は、地域別の予想天気・気温等の気象情報や各種注意報を提供するサーバであったり、或いはお祭りや花火大会等のイベント情報を収集して提供するサーバであったりする。外部サーバ4は、ソフトウェアの一部をWEB上に公開することによって、外部情報取得部11でのAPI連携が可能となる。
【0022】
クーポン種類記憶部14は、クーポン発券機2がクーポンを印刷して発行するためのクーポン情報を、クーポンの種類別にすなわちクーポンの対象商品別に記憶している。
図2は、クーポン30の券面の構成を模式的に例示しており、券面にはクーポン対象商品の画像31や特典内容等の文字情報32が表示されている。クーポン情報は、クーポン券面の画像31や文字情報32と、これらを印刷するときのフォーマットデータから構成されていて、クーポン種類記憶部14は、このような対象商品別のクーポン情報が記憶されている。
【0023】
地域記憶部15は、各地域に設置されている各クーポン発券機2の機器コードを、それぞれが設置されている住所又は地域コードに関連付けて記憶している。
【0024】
クーポン発行条件記憶部16は、例えば
図3で示すように、気象やイベントの影響を受けて売上が増大する商品のクーポン発行条件テーブルが記憶されている。この例でのクーポン発行条件テーブルでは、スポーツドリンク・水・塩飴は熱中症指数(WBGT温度)、アイスクリーム・かき氷・おでんは気温、マスクは花粉飛散データやインフルエンザ流行の注意報レベル、日焼け止め・スキンケア用品はUV指数、リップ・ハンドクリームは素肌乾燥指数、弁当はイベントや行事の開催情報がクーポンの発行条件としている。
【0025】
そして、クーポン発行条件テーブルには、商品毎に応じたクーポン種類のクーポンコードとその発行可能枚数も記憶されており、これらのデータはクーポン発券条件と共に入力部5から入力されて、適宜書き換えられる。
【0026】
クーポン種類決定部12は、外部情報取得部11が外部サーバ4から取得した種々の外部情報をクーポン発行条件記憶部16に記憶されているクーポン発行条件テーブルと照合させて、そのクーポン発券条件が外部情報と一致している商品を検出する。そして、外部情報がクーポンの発行条件を満たす商品を検出すると、当該商品に関するクーポン情報がクーポン種類記憶部14に記憶されているとき、当該商品のクーポンの発行を決定する。例を上げると、外部情報が気温25℃を超える地域を示す情報であると、クーポン種類決定部12は、気温25℃がクーポンの発行条件となっている商品この例ではアイスクリームを検出し、且つアイスクリームがクーポン種類としてクーポン種類記憶部14に記憶されていると、アイスクリームのクーポンの発行を決定する。
【0027】
このように気温の外部情報でクーポン種類を決定する場合、特に高温時に売れる商品のクーポンを発行する場合には、数日後に高気温が予想されるときに発行するのが効果的である。例えば、店舗での所定の買い物でクーポンプリンタからアイスクリームのクーポン券を発行する場合、
図4に示すように、クーポンの発行当日から3日後に気温25℃以上が予想されるときに発行するとよい。これは、顧客の次の買い物で来店するのは3日程度の間があることを考慮したものである。すなわち、顧客が次に来店したとき、暑ければ目的の商品と共にクーポンを使用して、さらにアイスクリームを購入してもらえる可能性が高くなる。あるいは、クーポンを使用してアイスクリームを買い求めに来店した顧客には、ついでに他の商品も購入してもらえることが期待できる。さらに効果的なのは、クーポン発行の当日から3日後の予想気温が25℃以上で、その前日より5℃以上高いことが予想される場合に、アイスクリームのクーポンを発行するとよい。
【0028】
また、外部情報が地域ごとの花火大会や祭りなどのイベントや行事等の開催日の情報であると、クーポン種類決定部12は、イベントや行事の開催がクーポンの発行条件となっている商品(弁当)を検出し、且つ弁当がクーポン種類としてクーポン種類記憶部14に記憶されていると、弁当のクーポンの発行を決定する。
【0029】
クーポン発行管理部13は、クーポン種類記憶部14からクーポン種類決定部12が決定したクーポン種類を印刷するときのクーポン情報を読み出してきて、該当する地域に設置されているクーポン発券機2に送信する。すなわち、アイスクリームのクーポンであれば、気温が25℃を超える地域に設置されているクーポン発券機2にクーポン情報が送信され、弁当のクーポンであればイベントや行事が開催される地域に設置されているクーポン発券機2にクーポン情報が送信される。
【0030】
前述したようにクーポンプリンタ又はキオスク端末であるクーポン発券機2は、
図5に示すように、ネットワーク接続部22、クーポン情報記憶部23、印刷部24、およびクーポン発券機2全体を統括制御するCPU等から成る制御部25、を有している。クーポン情報記憶部23は、クーポン発行管理部13からネットワーク接続部22を通して送られてくるクーポン情報を記憶する。制御部25は、クーポンの発券時にクーポン情報記憶部23に記憶されているクーポン情報に基づき印刷部24が印刷動作を行なうよう制御する。
【0031】
上記構成のクーポン発行システム100のクーポン発行処理を説明する。
図6は、クーポン管理サーバ1とクーポン発券機2の処理シーケンスを示しており、クーポン管理サーバ1は、外部情報取得部11によって外部サーバ4から外部情報を取得する(ステップS1)。そして、クーポン種類決定部12は、クーポン発行条件記憶部16のクーポン発行条件テーブルに記憶されているクーポン発行条件が、この外部情報と一致する商品の有無を検索する(ステップS2)。一致する商品を検出できないと、クーポン管理サーバ1は処理を終了するが、一致する商品を検出すると、次にこの商品がクーポン対象商品としてクーポン種類記憶部14に登録されているか否かを判別する(ステップS3)。
【0032】
クーポン発行条件に一致する商品がクーポン種類記憶部14に登録されていると、クーポン種類決定部12は、当該クーポンの発行を決定する。ここで一致する商品が登録されていないと、クーポン管理サーバ1は処理を終了する。しかし、クーポン発行を決定したとき、次にクーポン発行管理部13は、地域記憶部15を参照して、外部情報とクーポン発行条件とが一致している地域に設置されているクーポン発券機2を選定し(ステップS4)、このクーポン発券機2にクーポンの発行を決定したクーポン種類のクーポン情報とクーポンコードとを送信する(ステップS5)。
【0033】
クーポン発券機2は、クーポン情報及びクーポンコードをクーポン情報記憶部23に記憶する(ステップS6)。そして、クーポン発券機2は、クーポン発行指令に応答して、印刷部24がクーポン情報に基づく印刷動作を行なうよう制御してクーポンを発行する(ステップS7)。クーポン発行指令は、クーポン発券機2がPOS端末に接続されて設置されるクーポンプリンタであれば、POS端末を操作することで出力され、クーポン発券機2がキオスク端末機であれば、クーポン発行希望者が入力部に予め定められた入力操作を行うことで出力される。そして、クーポンの発行終了によりクーポン発券機2は、発行終了信号をクーポンコードと共にクーポン管理サーバ1へ送信する(ステップS8)。
【0034】
クーポン管理サーバ1は発行終了信号を受信すると(ステップS9)、クーポン発行管理部13によって送られてきたクーポンコードに関連付けて、クーポン発行条件記憶部16のクーポン発行条件テーブルに記憶している発行枚数から1枚を減算する(ステップS10)。そして、クーポン発行管理部13は、減算の結果、発行可能枚数が「0」となったか否かを判別し(ステップS11)、「0」でないときにはステップS9に戻り、クーポン発券機2から次の発行終了信号が送信されてくるのを待機する。
【0035】
よって、クーポン管理サーバ1は、クーポン情報を送信した各クーポン発券機2がクーポンを発券して発行終了信号が送信されてくる度に、クーポンコードに関連付けてクーポン発行条件記憶部16に記憶している発行枚数を1枚ずつ減算していく。そして、発行可能枚数が「0」となると(ステップS11の「YES」)、クーポン発行の対象となっている各クーポン発券機2にクーポン発行の終了を指示して(ステップS12)、これにより各クーポン発券機2は、クーポン情報記憶部23に記憶しているクーポン情報を消去してクーポンの発行を停止する(ステップS13)。
【0036】
以上、本発明を、クーポン管理サーバ1が外部サーバ4から取得する天気予報及び天候に関する種々の指数情報やイベント情報に基づいて各種のクーポンを発行する例で説明したが、天気予報や各種指数情報に応じて発行するクーポンの種類の他の例も列挙しておく。
・気温が前日比+5℃で且つ20℃以上のときに、冷やし麺のクーポンを発券
・鍋もの指数が70以上のときに、おでんのクーポンを発券
・ビール指数が80以上のときに、ビールのクーポンを発券
・アイスクリーム指数が80以上のときに、アイスクリームのクーポンを発券
・汗かき指数が「タラタラ」であるときに、汗拭きシートのクーポンを発券
・3日後に乾燥注意報が発令されているときに、リップ・ハンドクリームのクーポンを発券
・紅葉前線の到達や桜の予想開花日の3日前に、弁当やソフトドリンクのクーポンを発券
・震度1~3の地震が発生したときに、水や缶詰などのクーポンを発券
また、クーポン管理サーバ1は、天気予報や各種指数情報やイベント情報を提供する外部サーバに限らず、地図情報を提供する外部サーバ4とAPI連携すれば、地図情報を利用してクーポンによるマーケティングを行うことができる。
図7は、外部サーバ4が提供する地図情報を示しており、外部情報取得部11は、外部サーバ4が定期的に更新する地
図6に新規の競合店7が登録されたことを確認すると、クーポン発行管理部13は、競合店7の所定の距離圏9、例えば半径500メートル圏内に位置している自社の店舗8内に設置されているクーポン発券機2にクーポンの発行を指示する。このときのクーポンは、圏内の自社の店舗8に顧客を留めておく目的で発行されるもので、クーポン種類や発行枚数はクーポン発行条件記憶部16に記憶しているクーポン発行条件テーブルから選択されてもよいし、別途に入力部5から入力される商品のクーポン種類であってもよい。
【0037】
他にもクーポン管理サーバ1は、種々の情報配信の外部サーバ4とAPI連携して、クーポンを有効に発券することができる。例えば、電車遅延情報の配信サイトとAPI連携することで、電車の大幅遅延時・停止の情報を取得したとき、対象区間の駅から500m以内の店舗に値引きクーポンを発券することができる。また、交通情報サイトとAPI連携することで、渋滞の予測を取得したとき、渋滞地域のインター周辺・高速道路サービスエリア内での店舗にてソフトドリンクや軽食のクーポンを発券することができる。さらに、ニュースサイトとAPI連携して、サッカーや野球などのスポーツチームが勝利したときに、当該チームのデザインの入った値引きクーポンを発券することができる。このとき、そのチームがフランチャイズにしている地域や地方の店舗にクーポンを発行することもできる。
【符号の説明】
【0038】
1 クーポン管理サーバ
2 クーポン発券機
3 通信ネットワーク
4 外部サーバ
11 外部情報取得部
12 クーポン種類決定部
13 クーポン発行管理部
100 クーポン発行システム