(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】車両およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/09 20120101AFI20231027BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20231027BHJP
B60W 30/095 20120101ALI20231027BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20231027BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
B60W30/09
B60W30/06
B60W30/095
B60W50/14
G08G1/16 C
(21)【出願番号】P 2019075023
(22)【出願日】2019-04-10
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0002590
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 亨 俊
(72)【発明者】
【氏名】盧 柱 潤
(72)【発明者】
【氏名】兪 正 在
【審査官】楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-065357(JP,A)
【文献】特開2013-149179(JP,A)
【文献】特開2003-252150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00~60/00
G08G 1/00~ 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が駐車中の駐車ラインを感知する撮影部と、
前記車両の前方および後方のうち少なくとも一つの位置の障害物を感知し、前記車両の後側方から接近するターゲット車両を感知する感知センサと、
前記撮影部が感知した駐車ライン情報、前記感知した障害物情報および前記感知したターゲット車両情報に基づいて前記車両の走行形態を決定し、前記走行形態に基づいて前記車両の衝突危険領域を決定し、前記車両の走行情報および前記ターゲット車両の走行情報に基づいて前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域を決定して、前記衝突予想領域に応じて前記車両の走行制御量を変更する制御部と、
前記車両の走行速度を調節する速度調節部と、を含み、
前記制御部は、前記撮影部が前記車両の駐車中の駐車ラインを感知し、前記感知センサが前記障害物および前記ターゲット車両を感知すると、前記感知した駐車ライン内に駐車していた
前記車両が前記駐車ラインの外に走行するものとして前記車両の走行形態を決定し、
前記制御部は、前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域が決定されると、前記車両が前記決定された衝突予想領域に走行する走行速度が減少するように前記速度調節部を制御することを特徴とする車両。
【請求項2】
前記制御部は、
前記撮影部が前記車両の駐車中の前記駐車ラインを感知せず、前記感知センサが前記障害物を感知せず、前記感知センサが前記ターゲット車両を感知すると、前記車両が駐車されていない状態から走行するものとして前記車両の走行形態を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記制御部は、
前記車両の走行形態により変わる前記車両の操向角および前記車両の後側方から接近する前記ターゲット車両の走行経路に基づいて前記車両の衝突危険領域を決定し、
前記ターゲット車両の走行経路は、前記車両の後方に位置する障害物の有無により決定されることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記車両の走行情報は前記車両の予想走行経路および前記車両の走行速度を含み、
前記ターゲット車両の走行情報は前記ターゲット車両の予想走行経路および前記ターゲット車両の走行速度を含み、
前記制御部は、前記車両の操向角に基づいて前記車両の予想走行経路を決定し、前記感知センサが感知した前記ターゲット車両のリアルタイム位置変化に基づいて前記ターゲット車両の予想走行経路を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記制御部は、
前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域が決定されると、前記決定された衝突予想領域内で前記車両の走行制動量をあらかじめ定められた値よりも増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記制御部は、
前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域が決定されると、前記車両に対する衝突警告時点をあらかじめ定められた時間だけ操り上げることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項7】
前記車両の走行速度を感知する速度感知部および
前記車両のステアリングホイールの回転角を検出する操向角検出部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項8】
前記障害物は、
前記車両の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に駐車している他の車両を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項9】
車両の撮像部が、車両が駐車中の駐車ラインを感知し、
車両の感知センサが、前記車両の前方および後方のうち少なくとも一つの位置の障害物を感知し、
車両の後側方感知センサが、前記車両の後側方から接近するターゲット車両を感知し、
車両の制御部が、
前記感知した駐車ライン情報、前記感知した障害物情報および前記感知したターゲット車両情報に基づいて前記車両の走行形態を決定し、
前記走行形態に基づいて前記車両の衝突危険領域を決定し、
前記車両の走行情報および前記ターゲット車両の走行情報に基づいて前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域を決定し、
前記決定された衝突予想領域に応じて前記車両の走行制御量を変更し、
前記車両の走行形態を決定することは、前記車両が駐車中の駐車ラインを感知し、前記障害物および前記ターゲット車両を感知すると、前記感知した駐車ライン内に駐車されていた
前記車両が前記駐車ラインの外に走行するものと前記車両の走行形態を決定し、
前記車両の走行制御量を変更することは、前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域が決定されると、前記車両が前記決定された衝突予想領域に走行する走行速度が減少するように前記車両の走行速度を制御することを含むことを特徴とする車両制御方法。
【請求項10】
前記車両の走行形態を決定することは、
前記車両が駐車中の前記駐車ラインを感知せず、前記障害物を感知せず、前記ターゲット車両を感知すると、前記車両が駐車されていない状態から走行するものと前記車両の走行形態を決定することを特徴とする請求項9に記載の車両制御方法。
【請求項11】
前記車両の衝突危険領域を決定することは
前記車両の走行形態により変わる前記車両の操向角および前記車両の後側方から接近する前記ターゲット車両の走行経路に基づいて前記車両の衝突危険領域を決定することを含み、前記ターゲット車両の走行経路は、前記車両の後方に位置する障害物の有無により決定されることを特徴とする請求項9に記載の車両制御方法。
【請求項12】
前記車両の走行情報は前記車両の予想走行経路および前記車両の走行速度を含み、
前記ターゲット車両の走行情報は前記ターゲット車両の予想走行経路および前記ターゲット車両の走行速度を含み、
前記車両の操向角に基づいて前記車両の予想走行経路を決定することをさらに含み、
前記感知した前記ターゲット車両のリアルタイム位置変化に基づいて前記ターゲット車両の予想走行経路を決定することをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の車両制御方法。
【請求項13】
前記車両の走行制御量を変更することは、
前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域が決定されると、前記決定された衝突予想領域内で前記車両の走行制動量をあらかじめ定められた値よりも増加させることを含むことを特徴とする請求項9に記載の車両制御方法。
【請求項14】
前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域が決定されると、前記車両に対する衝突警告時点をあらかじめ定められた時間だけ操り上げることを含むことを特徴とする請求項9に記載の車両制御方法。
【請求項15】
前記車両の走行速度を感知することをさらに含み、
前記車両のステアリングホイールの回転角を検出することをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両およびその制御方法に係り、より詳しくは、駐車している車両が隣の車線で走行中の他の車両と平行して走行しながら出車する特殊状況において衝突防止制御を遂行する車両およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、道路や線路を走行しながら人や物を目的地まで運搬できる装置であり、主に車体に設置された一つ以上の車輪を利用して多様な位置に移動することができる。このような車両としては、三輪または四輪自動車、バイクなどの二輪自動車、建設機械、自転車および線路上に配置されたレール上で走行する列車などがある。
現代社会において自動車は最も普遍的な移動手段であって、自動車を利用する人々の数は増加している。自動車技術の発展により、長距離の移動が容易となり、生活が便利となるなどの長所もあるが、我が国のように人口密度が高いところでは道路の交通事情が悪化して交通停滞が深刻化する問題がしばしば発生する。
最近では運転者の負担を軽減させて利便性を向上させるために、車両の状態、運転者の状態、および周辺の環境に対する情報を能動的に提供する先端運転者支援システム(Advanced Driver Assist SystemADAS)が搭載された車両に対する研究が活発に行なわれている。
【0003】
車両に搭載される先端運転者支援システムの一例として、後方交差追突警告システム(Rear Cross-Traffic Collision WarningRCCW)および後方交差衝突防止補助システム(Rear Cross-Traffic Collision-Avoidance AssistRCCA)がある。
後方交差衝突防止補助システムは、車両が後進する状況で運転者の不注意または死角地帯から交差する形態で接近する車両を認知できないことによって衝突の危険があると判断されると、車両に装着されたセンサを通じて感知した衝突判断内容に基づいて車両に対するブレーキ制動制御を行うことによって衝突を防止するシステムである。
すなわち、既存の後方交差衝突防止補助システムは、後側方から交差して接近する車両を後側方レーダセンサで認識して、接近する車両との危険状況を制動を通じて衝突を防止するシステムである。しかし、後側方から接近する車両の接近角度が自車両とほぼ平行の場合には、自車両が接近車両を危険車両と認識しないため衝突を防止できない場合が発生する問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、駐車している車両が隣の車線で走行中の他の車両と平行して走行しながら出車するなどの特殊状況においての衝突防止制御を遂行し、車両の走行中に発生し得る誤制御状況を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両が駐車中の駐車ラインを感知する撮影部、前記車両の前方および後方のうち少なくとも一つの位置の障害物を感知し、前記車両の後側方から接近するターゲット車両を感知する感知センサ、前記撮影部が感知した駐車ライン情報、前記感知した障害物情報および前記感知したターゲット車両情報に基づいて前記車両の走行形態を決定し、前記走行形態に基づいて前記車両の衝突危険領域を決定し、前記車両の走行情報および前記ターゲット車両の走行情報に基づいて前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域を決定して、前記衝突予想領域に応じて前記車両の走行制御量を変更する制御部を含むことを特徴とする。
【0007】
前記制御部は、前記撮影部が前記車両が駐車中の駐車ラインを感知し、前記感知センサが前記障害物および前記ターゲット車両を感知すると、前記感知した駐車ライン内に駐車していた前記車両が前記駐車ラインの外に走行するものとして前記車両の走行形態を決定することを特徴とする。
【0008】
前記制御部は、前記撮影部が前記車両の駐車中の前記駐車ラインを感知せず、また前記感知センサが前記障害物を感知せず、前記感知センサが前記ターゲット車両を感知すると、前記車両が駐車していない状態から走行するものとして前記車両の走行形態を決定することを特徴とする。
【0009】
前記制御部は、前記車両の走行形態により変わる前記車両の操向角および前記車両の後側方から接近する前記ターゲット車両の走行経路に基づいて前記車両の衝突危険領域を決定し、前記ターゲット車両の走行経路は、前記車両の後方に位置する障害物の有無により決定されることを特徴とする。
【0010】
前記車両の走行情報は前記車両の予想走行経路および前記車両の走行速度を含み、前記ターゲット車両の走行情報は前記ターゲット車両の予想走行経路および前記ターゲット車両の走行速度を含み、前記制御部は、前記車両の操向角に基づいて前記車両の予想走行経路を決定し、前記感知センサが感知した前記ターゲット車両のリアルタイム位置変化に基づいて前記ターゲット車両の予想走行経路を決定することを特徴とする。
【0011】
前記車両の走行速度を調節する速度調節部をさらに含み、前記制御部は、前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域が決定されると、前記車両が前記決定された衝突予想領域に走行する走行速度が減少するように前記速度調節部を制御することを特徴とする。
【0012】
前記制御部は、前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域が決定されると、前記決定された衝突予想領域内で前記車両の走行制動量をあらかじめ定められた値より増加させることを特徴とする。
【0013】
前記制御部は、前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域が決定されると、前記車両に対する衝突警告時点をあらかじめ定められた時間だけ操り上げることを特徴とする。
【0014】
前記車両の走行速度を感知する速度感知部および前記車両のステアリングホイールの回転角を検出する操向角検出部をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
前記障害物は、前記車両の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に駐車している他の車両を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、車両が駐車中の駐車ラインを感知し、前記車両の前方および後方のうち少なくとも一つの位置の障害物を感知し、また前記車両の後側方から接近するターゲット車両を感知し、前記感知した駐車ライン情報、前記感知した障害物情報および前記感知したターゲット車両情報に基づいて前記車両の走行形態を決定し、前記走行形態に基づいて前記車両の衝突危険領域を決定し、前記車両の走行情報および前記ターゲット車両の走行情報に基づいて前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域を決定し、前記決定された衝突予想領域に応じて前記車両の走行制御量を変更することを特徴とする。
【0017】
前記車両の走行形態を決定することは、前記車両が駐車中の駐車ラインを感知し、前記障害物および前記ターゲット車両を感知すると、前記感知した駐車ライン内に駐車していた前記車両が前記駐車ラインの外に走行するものとして前記車両の走行形態を決定することを特徴とする。
【0018】
前記車両の走行形態を決定することは、前記車両が駐車中の前記駐車ラインを感知せず、前記障害物を感知せず、前記ターゲット車両を感知すると、前記車両が駐車していない状態から走行するものとして前記車両の走行形態を決定することを特徴とする。
【0019】
前記車両の衝突危険領域を決定することは、前記車両の走行形態により変わる前記車両の操向角および前記車両の後側方から接近する前記ターゲット車両の走行経路に基づいて前記車両の衝突危険領域を決定することを含み、前記ターゲット車両の走行経路は、前記車両の後方に位置する障害物の有無により決定されることを特徴とする。
【0020】
前記車両の走行情報は前記車両の予想走行経路および前記車両の走行速度を含み、前記ターゲット車両の走行情報は前記ターゲット車両の予想走行経路および前記ターゲット車両の走行速度を含み、前記車両の操向角に基づいて前記車両の予想走行経路を決定することをさらに含み、前記感知した前記ターゲット車両のリアルタイム位置変化に基づいて前記ターゲット車両の予想走行経路を決定することをさらに含むことを特徴とする。
【0021】
前記車両の走行制御量を変更することは、前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域が決定されると、前記車両が前記決定された衝突予想領域に走行する走行速度が減少するように前記車両の走行速度を制御することを含むことを特徴とする。
【0022】
前記車両の走行制御量を変更することは、前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域が決定されると、前記決定された衝突予想領域内で前記車両の走行制動量をあらかじめ定められた値より増加させることを含むことを特徴とする。
【0023】
前記衝突危険領域内で前記車両と前記ターゲット車両の衝突予想領域が決定されると、前記車両に対する衝突警告時点をあらかじめ定められた時間だけ操り上げることを含むことを特徴とする。
【0024】
前記車両の走行速度を感知することをさらに含み、前記車両のステアリングホイールの回転角を検出することをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、駐車している車両が隣の車線で走行中の他の車両と平行して走行しながら出車するなどの特殊状況においての衝突防止制御を遂行することによって、衝突防止システムを補助する効果がある。また、車両の走行中に発生し得る衝突防止関連誤制御状況を防止する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】一実施例に係る感知センサおよび後側方感知センサが設けられた車両を図示した平面図である。
【
図2】一実施例により駐車中の車両が駐車ラインの外を走行することを図示したものである。
【
図3】一実施例に係る車両の制御ブロック図である。
【
図4】一実施例に係る車両の制御方法を示すフローチャートである。
【
図5】一実施例により車両が駐車ラインの外を走行する場合、車両の衝突危険領域を決定することを図示した図面である。
【
図6】一実施例により
図5の衝突危険領域内で車両とターゲット車両の衝突予想領域を決定することを図示した図面である。
【
図7】一実施例により駐車していない車両が走行する場合、車両の衝突危険領域を決定することを図示した図面である。
【
図8】一実施例により
図7の衝突危険領域内で車両とターゲット車両の衝突予想領域を決定することを図示した図面である。
【
図9】一実施例により車両が左折またはUターンする場合、車両の衝突危険領域を決定することを図示したものである。
【
図10】一実施例により
図9の衝突危険領域内で車両とターゲット車両の衝突予想領域を決定することを図示した図面である。
【
図11】他の実施例により
図9の衝突危険領域内で車両とターゲット車両の衝突予想領域を決定することを図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して本発明の作用原理および実施例について説明する。
図1は、一実施例に係る感知センサおよび後側方感知センサが設けられた車両を図示した平面図である。
以下、説明の便宜のために、一般的に車両1が前進する方向を前方とし、前方を基準として左側方向および右側方向を区分するようにするものの、前方が12時方向である場合、3時方向またはその周辺を右側方向と定義し、9時方向またはその周辺を左側方向と定義する。前方の反対方向は後方となる。また、車両1を中心に底方向を下方とし、反対方向を上方とする。併せて、前方に配置された一面を前面、後方に配置された一面を後面、側方に配置された一面を側面とする。側面のうち左側方向の側面を左側面、右側方向の側面は右側面と定義する。
図面に図示してはいないが、車両1の内部には少なくとも一つの撮影部350が設けられる。
撮影部350は、車両1の走行中または停車中に車両1の周辺映像を撮影することができ、また車両1の周辺の対象体を感知することができ、さらに対象体の種類および位置情報を獲得することができる。車両1の周辺で撮影される対象体は他の車両、歩行者、自転車などを含み、その他動く物体または停止した各種障害物が含まれる。
【0028】
撮影部350は、車両1の周辺の対象体を撮影して映像認識を通じて撮影した対象体の形態を判別することによって対象体の種類を感知することができ、感知した情報を制御部100に伝達することができる。
撮影部350は車両1の周辺の道路を撮影して、道路の形態または道路に表示された区画線などを感知することができる。すなわち、撮影部350は道路に表示された車線または駐車ラインを撮影して、車両1が走行中の道路の車線を認識し、また車両1が駐車中の駐車区域を認識することができる。
撮影部350が設けられる位置は制限がなく、車両1の内部または外部を撮影して映像情報を獲得できる位置であればどこにでも装着される。
撮影部350は少なくとも一つのカメラ(camera)を含むことができ、より正確な映像を撮影するために、3次元空間認識センサおよびレーダセンサおよび超音波センサなどがこれに含まれる。
【0029】
図1に示す通り、車両1には車両の前方に位置する対象体を感知して、感知した対象体の位置情報および走行速度情報のうち少なくとも一つを獲得する感知センサ200が設けられる。
また、後述するように、感知センサ200は車両1の前方に位置する障害物を感知することができるが、車両1が駐車中の場合には車両1の前方に駐車している他の車両を感知することができる。
感知センサ200は車両1を基準として車両1の周辺に位置する対象体の位置情報および速度情報のうち少なくとも一つを獲得することができる。すなわち、感知センサ200は対象体が移動するにつれて変更される座標情報をリアルタイムで獲得することができ、車両1と対象体の間の距離を感知することができる。
制御部は感知センサ200が獲得した対象体の位置情報および速度情報を利用して、車両1と対象体間の相対距離および車両1と対象体間の相対速度を算出することができ、これに基づいて車両1と対象体の衝突予想時間(Time To Collision、TTC)を算出することができる。
また、感知センサ200により獲得した対象体の位置情報および速度情報に基づいて対象体を操向回避するための制御が遂行される。
【0030】
感知センサ200は
図1に示す通り、前方、側方または前側方の物体、一例として他の車両を認識できる適切な位置に設置される。一実施例によると、感知センサ200は車両1の前方と、車両1の左側方および前方の間の方向(以下、左前側方)、車両1の右側方および前方の間の方向(以下、右前側方)のすべてに位置する物体を認識できるように、車両1の前方、左側および右側のすべてに設置されていてもよい。
例えば、第1感知センサ200aはラジエーターグリル6の一部分、一例として内側に設置され、前方に位置する車両を感知できる位置であれば車両1のいずれの位置にも設置される。開示された発明の一実施例では、第1感知センサ200aが車両1の前面の中央に設けられた場合を例にして説明する。また、第2感知センサ200bは車両1の左側面に設けられ、第3感知センサ200cは車両1の右側面に設けられる。
感知センサ200は、車両1の後方、側方、または側方および後方の間の方向(以下、後側方)に存在するか、この方向に接近する歩行者や他の車両を感知する後側方感知センサ201を含むことができる。後側方感知センサ(201:201a~201d)は、
図1に図示した通り、側方、後方または後側方の物体、一例として他の車両を認識できる適切な位置に設置される。
【0031】
後述するように、後側方感知センサ201は車両1の後側方から接近中の他の車両を感知することができ、車両1が駐車中の場合には車両1の後方に駐車している他の車両を感知することもできる。
感知センサ200は、例えば、ミリメートル波やマイクロ波を利用するレーダー(Radar)、パルスレーザー光を利用するライダー(Light Detection And RangingLiDAR)、可視光線を利用するビジョン、赤外線を利用する赤外線センサまたは超音波を利用する超音波センサなどの各種装置を利用して具現される。感知センサ200は、これらのうちいずれか一つのみを利用して具現してもよく、これらを複合的に組み合わせて具現してもよい。一つの車両1に複数の感知センサ200が設けられた場合、それぞれの感知センサ200は同じ装置を利用して具現してもよく、または他の装置を利用して具現してもよい。その他にも設計者が考慮できる多様な装置および組み合わせを利用して感知センサ200は具現可能である。
車両1に設けられたダッシュボード(図示せず)の上部パネルにはディスプレイ部が設置される。ディスプレイ部は車両1の運転者や同乗者に画像で多様な情報を提供することができる。例えばディスプレイ部は、地図、天気、ニュース、各種動映像や停止画像、車両1の状態や動作に関連した各種情報、一例として空調装置に関する情報などの多様な情報を視覚的に提供することができる。また、ディスプレイ部は、危険度による警告を運転者や同乗者に提供することができる。
【0032】
センターフェイシア(図示せず)はダッシュボードの中央に設置され、車両に関連した各種命令を入力するための入力部(318:318a~318c)が設けられる。入力部318a~318cは、物理的なボタン、スイッチ、ノブ、タッチパッド、タッチスクリーン、スティック型操作装置またはトラックボールなどを利用して具現されたものである。運転者は入力部318a~318cを操作することによって、車両1の各種動作を制御することができる。
ダッシュボードの運転席方向にはハンドルとインストルメントパネル(instrument panel)が設けられる。ハンドルは運転者の操作により所定の方向に回転可能に設けられ、ハンドルの回転方向にしたがって車両1の前輪または後輪が回転することによって車両1が操向される。ハンドルには、回転軸と連結されるスポークとスポークと結合されたステアリングホイールが設けられる。スポークには各種命令を入力するための入力手段が設けられ、入力手段は物理的なボタン、スイッチ、ノブ、タッチパッド、タッチスクリーン、スティック型操作装置またはトラックボールなどを利用して具現される。
【0033】
図2は、一実施例により駐車中の車両が駐車ラインの外を走行することを図示したものである。
図2は、車両1は駐車区域の駐車ラインPL内に駐車しており、車両1の前方および後方に駐車している他の車両3、4が存在するのを図示したものである。
車両1が駐車区域内から抜け出る場合、車両1の後側方で走行中のターゲット車両2と衝突危険があるが、既存の後方交差衝突防止補助システム(Rear Cross-Traffic Collision-Avoidance AssistRCCA)によると、
図2のように、車両1に接近するターゲット車両2の接近角度が車両1とほぼ平行な場合には、ターゲット車両2を衝突危険車両と認識しないため衝突を防止できない問題点がある。
また、車両1の前方に駐車している他の車両3が存在する場合、車両1が駐車区域を抜け出すためには、他の車両3を回避して駐車ラインPLの外に抜け出すことができるようにステアリングホイールの操向角が一般的な走行の場合より大きく検出される。
【0034】
一方、後述するように、車両1が
図2のように駐車ラインPL内に駐車しているのではなく、道路の路肩に駐車していて道路に進入して走行するような状況では、ステアリングホイールの操向角が
図2の車両1の走行形態の場合とは異なって検出されるため、車両1の走行形態により衝突防止制御を変えて遂行しなければならない必要性がある。
図3は一実施例に係る車両の制御ブロック図であり、
図4は一実施例に係る車両の制御方法を図示したフローチャートである。
図5は一実施例により車両が駐車ラインの外に走行する場合、車両の衝突危険領域を決定することを図示したものであり、
図6は一実施例により
図5の衝突危険領域内で車両とターゲット車両の衝突予想領域を決定することを図示したものである。
図7は一実施例により駐車していない車両が走行する場合、車両の衝突危険領域を決定することを図示したものであり、
図8は一実施例により
図7の衝突危険領域内で車両とターゲット車両の衝突予想領域を決定することを図示したものである。
図9は、一実施例により車両が左折またはUターンする場合、車両の衝突危険領域を決定することを図示したものである。
図10は一実施例により
図9の衝突危険領域内で車両とターゲット車両の衝突予想領域を決定することを図示したものであり、
図11は他の実施例により
図9の衝突危険領域内で車両とターゲット車両の衝突予想領域を決定することを図示したものである。
【0035】
図3に示す通り、一実施例に係る車両1は、運転者が運転する車両1の走行速度を調節する速度調節部70、車両1の走行速度を感知する速度感知部80、ステアリングホイールの回転角を検出する操向角検出部85、車両1の衝突に関連した警告内容を運転者に提供する通知部88、車両1の制御と関連したデータを保存する保存部90、車両1の各構成を制御して車両1の走行速度を制御する制御部100を含む。
速度調節部70は運転者が運転する車両1の速度を調節することができる。速度調節部70はアクセル駆動部71とブレーキ駆動部72を含む。
アクセル駆動部71は制御部100の制御信号を受けてアクセルを駆動して車両1の速度を増加させ、ブレーキ駆動部72は制御部100の制御信号を受けてブレーキを駆動して車両1の速度を下げることができる。
制御部100は速度調節部70を制御して車両1の制動量を変更することができる。
制御部100は、車両1と他の対象体間の距離と保存部90に保存されているあらかじめ定められた基準距離に基づいて、車両1と他の対象体間の距離が増加したり減少するように車両1の走行速度を増加させたり減少させることができる。
また、制御部100は車両1と対象体間の相対距離および相対速度に基づいて車両1と対象体間の衝突予想時間を算出することができ、算出した衝突予想時間に基づいて車両1の走行速度を制御する信号を速度調節部70に送出することができる。
【0036】
速度調節部70は制御部100の統制下で車両1の走行速度を調節することができるが、車両1と他の対象体との衝突危険度が高い場合には車両1の走行速度を減少させることができる。
速度感知部80は制御部100の統制下で運転者が運転する車両1の走行速度を感知することができる。すなわち、車両1のホイールが回転する速度などを利用して走行速度を感知できるが、走行速度の単位は[kph]で表示することができ、単位時間(h)当たり移動した距離(km)で表すことができる。
操向角検出部85は車両1の走行中にステアリングホイールの回転角である操向角を検出することができる。
車両1の走行中に前方に位置する対象体を回避するために、車両1の運転者がステアリングホイールの操作を通じて操向を開始すると、操向角検出部85はステアリングホイールの操向角情報を獲得して制御部100に伝達することができ、ヨーレイト検出部 は車両1のヨーレイト情報を獲得して制御部100に伝達することができる。
【0037】
図2に示した通り、駐車中の車両1の前方に駐車している他の車両3が存在する場合、車両1の運転者は前方の他の車両3を回避して駐車区域を抜け出すために、ステアリングホイールを一定の回転角度に操作することができ、これに伴い操向角検出部85はステアリングホイールの操向角を検出することができる。
保存部90は車両1の制御と関連した各種データを保存することができる。具体的には、一実施例に係る車両1の走行速度、走行距離および走行時間に関する情報を保存することができ、撮影部350により感知した対象体の種類および位置情報を保存することができる。
保存部90は感知センサ200が感知した対象体の位置情報および速度情報を保存することができ、移動中の対象体のリアルタイムで変更される座標情報、車両1と対象体との相対距離および相対速度に関する情報を保存することができる。
また、保存部90は車両1と他の対象体の衝突予想時間に基づいて、車両1の走行速度を制御するための制動量および車両1の運転者に衝突危険を警告するための警告時点などに関連したデータを保存することができる。
【0038】
保存部90は一実施例に係る車両1を制御するための数式および制御アルゴリズムに関連したデータを保存することができ、制御部100はこのような数式および制御アルゴリズムにより車両1を制御する制御信号を送出することができる。
また、保存部90は車両1が車両1の前方に位置する対象体との衝突を回避できるように設定した操向回避経路に関する情報を保存することができ、操向角検出部85が獲得したステアリングホイールの回転角に関する情報を保存することができる。
このような保存部90は、キャッシュ、ROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)およびフラッシュメモリー(Flash memory)のような不揮発性メモリー素子またはRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリー素子またはハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、CD-ROMのような保存媒体のうち少なくとも一つで具現され得るが、これに限定されない。保存部90は制御部100と関連して前述したプロセッサと別個のチップで具現されたメモリーであり、プロセッサと単一のチップで具現されてもよい。
【0039】
図4を参照して開示された発明の一実施例による車両制御方法を詳察すると、車両1の撮影部350は車両1が駐車中の駐車区域内の駐車ラインPLを感知することができる(1000)。また、車両1の感知センサ200は車両1の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に存在する障害物を感知することができ(1010)、後側方感知センサ201は車両1の後側方から接近するターゲット車両2を感知することができる(1020)。
具体的には、車両1の感知センサ200は車両1の前方に駐車している他の車両3を感知することができ、後側方感知センサ201は車両1の後方に駐車している他の車両4を感知することができる。
図5~
図8に示す通り、制御部100は車両1の周辺の駐車ラインPLの存在の有無と車両1の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に存在する障害物の有無により車両1の走行形態を決定することができる。
まず、制御部100は撮影部350の撮影結果に基づいて車両1の周辺に駐車ラインPLが存在するかを判断することができ、感知センサ200の感知結果に基づいて車両1の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に障害物が存在するかを判断することができる(1030)。
また、制御部100は後側方感知センサ201の感知結果に基づいて車両1の後側方から接近中のターゲット車両2が存在するかを判断することができる(1040)。
【0040】
制御部100は車両1の周辺に駐車ラインPLが存在し、車両1の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に駐車中の他の車両3、4が存在し、車両1の後側方から接近中のターゲット車両2が存在すると、車両1の走行形態を
図5および
図6に図示した通り、車両1が駐車ラインPL内に駐車してから駐車ラインPLの外に走行するものと決定することができる(1050)。
すなわち、
図5に示す通り、駐車ラインPL内に駐車していた車両1が、前方に駐車している他の車両3を回避して駐車区域を抜け出して走行車路に進入する場合、走行車路を走行中のターゲット車両2と衝突危険が存在する。
特に、前述した通り、車両1が駐車ラインPLを抜け出す場合、車両1の出車角度とほぼ平行状態で走行車路を走行中のターゲット車両2については衝突危険車両と判断しないため、車両1の走行形態によりターゲット車両2との衝突危険領域を設定しなければならない。
【0041】
制御部100は車両1の走行形態に基づいて車両1とターゲット車両2の衝突危険領域A1を決定することができるが(1060)、制御部100は車両1の走行形態により変わる車両1の操向角および車両1の後側方から接近するターゲット車両2の走行経路m1に基づいて、車両1の衝突危険領域A1を決定することができる。
すなわち、駐車していた車両1が前方に駐車している他の車両3を回避して駐車区域を抜け出す場合には、前方に駐車している他の車両3がない場合よりも操向角検出部85が検出するステアリングホイールの操向角が大きく検出される。
また、ターゲット車両2の走行経路m1は、車両1の後方に駐車している他の車両4の存在の有無により決定される。すなわち、車両1の後方に他の車両4が駐車している場合には、ターゲット車両2が車両1の後方で走行できずに他の車両4を回避して走行する走行経路m1で走行するためである。
このように、車両1が駐車してから駐車ラインPLを抜け出してターゲット車両2が走行中の走行車路に進入する場合、制御部100は車両1の操向角およびターゲット車両2の走行経路m1に基づいて衝突危険領域A1を決定することができる。
【0042】
具体的には、制御部100は車両1の操向角により車両1が走行できる経路と後側方感知センサ201が感知したターゲット車両2の走行速度に基づいて、車両1とターゲット車両2の衝突危険領域A1を決定することができる。すなわち、駐車されていた車両1の出車方向と後側方から接近中のターゲット車両2の走行速度に基づいて算出された衝突予想時間TTCにより、車両1とターゲット車両2の衝突危険領域A1を決定することができる。
このように、車両1が駐車ラインPL内に駐車されていてから駐車区域を抜け出す場合には、撮影部350により感知した駐車ラインPL情報、車両1の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に駐車している他の車両3、4の位置情報および後側方感知センサ201が感知したターゲット車両2の感知情報にあらかじめ定められた加重値を付与し、車両1の衝突危険領域A1を決定するにおいて、加重値が付与された前記情報を中心に衝突危険領域A1を決定することができる。
【0043】
図6に示す通り、制御部100は車両1の走行情報およびターゲット車両2の走行情報に基づいて、衝突危険領域A1内で車両1とターゲット車両2の衝突予想領域C1を決定することができる。
具体的には、車両1の走行情報は車両1の予想走行経路および車両1の走行速度に関する情報を含む。
制御部100は、車両1の操向角検出部85が検出したステアリングホイールの操向角データにより車両1の予想走行経路に対するデータを獲得することができ、速度感知部80を制御して車両1の走行速度データをリアルタイムで獲得することができる(1070)。
すなわち、
図6に示す通り、車両1が前方に位置する他の車両3を回避して駐車ラインPLを抜け出すためのステアリングホイール操作により、車両1の予想走行経路はr1、r2、r3およびr4に決定される。ただし、車両1の予想走行経路はステアリングホイールの操作による操向角および車両1の走行速度により変わり得る。
また、ターゲット車両2の走行情報はターゲット車両2の予想走行経路およびターゲット車両2の走行速度に関する情報を含む。
【0044】
制御部100は後側方感知センサ201が感知したターゲット車両2のリアルタイム位置変化に基づいて、ターゲット車両2の予想走行経路およびターゲット車両2の走行速度情報を獲得することができる(1080)。
図6に示す通り、ターゲット車両2は
図5のように車両1の後方に駐車している他の車両4を回避して走行することができ、制御部100はターゲット車両2の予想走行経路を決定することができる。
制御部100は前述したような方式で獲得した車両1の走行情報およびターゲット車両2の走行情報に基づいて、衝突危険領域A1内で車両1とターゲット車両2の衝突予想領域C1を決定することができる(1090)。
すなわち、制御部100は撮影部350が獲得した車両1の周辺の駐車ラインPL、感知センサ200が獲得した車両1の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に存在する障害物および後側方感知センサ201により感知したターゲット車両2の情報に基づいて車両1の衝突危険領域A1を決定し、車両1の走行情報およびターゲット車両2の走行情報に基づいて、衝突危険領域A1内で車両1とターゲット車両2が実際に衝突する危険がある衝突予想領域C1を決定することができる。
【0045】
従来は、
図5および
図6の実施例のような状況で、車両1の後側方から接近中のターゲット車両2を衝突危険車両と認識しなかったため、衝突を防止することができなかったり、またはターゲット車両2の実際的な走行経路により車両1と衝突が予想されない場合にも車両1に対する衝突防止制御を遂行する場合があった。
しかし、開示した発明の一実施例によると、車両1とターゲット車両2の衝突危険領域A1内で車両1の走行情報およびターゲット車両2の走行情報に基づいて、車両1とターゲット車両2の衝突が現実的に予想される衝突予想領域C1を決定することによって、車両1とターゲット車両2の衝突回避制御に対する誤制御を防止し、不要な制御も防止することができる。
制御部100は
図6のように、決定された衝突予想領域C1に基づいて車両1の走行制御量を変更することができる(1100)。
すなわち、制御部100は、衝突危険領域A1内で衝突予想領域C1については衝突防止制御に対する加重値をあらかじめ定められた値よりも高く設定することができる。
制御部100は車両1が衝突予想領域C1に走行するものと判断すれば、速度調節部70を制御して車両1の走行速度が減少するように制御することができる。
また、制御部100は車両1が衝突予想領域C1に走行するものと判断すれば、衝突予想領域C1内で車両1の走行制動量をあらかじめ定められた値よりも増加させることができ、衝突予想領域C1については車両1の衝突警告時点をあらかじめ定められた時間だけ操り上げることができる。
【0046】
すなわち、制御部100は車両1とターゲット車両2が衝突予想領域C1で衝突することが予想される場合には、衝突予想領域C1にあらかじめ付与された加重値により車両1の制動量を設定値よりも大きく増加させることができ、制動時点も一定時間だけ操り上げて制御することができ、衝突警告も一定時間だけ操り上げて警告することができる。
一方、車両1の衝突警告は通知部88を通じて運転者に提供される。すなわち、制御部100は通知部88を制御して、車両1とターゲット車両2の衝突危険警告音を出力することによって運転者に聴覚的に危険を通知することができ、車両1のディスプレイ部に衝突危険メッセージを表示して運転者に視覚的に危険を通知することもできる。
その反面、制御部100は衝突危険領域A1内で衝突予想領域C1を除いた残りの領域については、衝突防止制御に対する加重値をあらかじめ定められた値よりも低く設定することができる。
これに伴い、制御部100は車両1が衝突予想領域C1を除いた領域に走行する場合には、車両1の制動量を設定値よりも減少させることができ、制動時点も一定時間だけ遅らせることができ、衝突警告時点も一定時間だけ遅らせることができる。
すなわち、開示した発明の一実施例によると、車両1とターゲット車両2の衝突予想領域C1を決定し、決定された領域に加重値を付与して付与された加重値により車両1の衝突回避制御量を変更することができる。
【0047】
再び
図4に示す通り、制御部100は撮影部350の撮影結果に基づいて車両1の周辺に駐車ラインPLが存在するかを判断することができ、感知センサ200の感知結果に基づいて車両1の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に障害物が存在するかを判断することができる(1030)。
また、制御部100は後側方感知センサ201の感知結果に基づいて車両1の後側方から接近中のターゲット車両2が存在するかを判断することができる(1110)。
制御部100は、車両1の周辺に駐車ラインPLが存在せず、車両1の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に駐車中の他の車両3、4が存在せず、車両1の後側方から接近中のターゲット車両2が存在すると、車両1の走行形態を
図7および
図8に図示された通り、車両1が駐車ラインPL内に駐車されていない状態で走行するものと決定することができる(1120)。
すなわち、
図7および
図8では、
図5および
図6に図示した実施例とは異なり、車両1が駐車ラインPL内に駐車している状態ではなく、道路の路肩または走行道路の側面に停車していてから走行車路に進入するために走行を開始する場合に対する実施例である。
この場合には、撮影部350により駐車ラインPLが感知されず、車両1の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に駐車している他の車両もないため、制御部100は車両1が駐車されていない状態で車路に進入するものと車両1の走行形態を決定することができる(1120)。
【0048】
一方、
図7に示す通り、車両1が道路の路肩または走行道路の側面に停車していてから走行車路に進入する場合、車両1の後側方から接近するターゲット車両2と衝突危険が存在する。
すなわち、
図7では
図5および
図6のように車両1が駐車している他の車両3を回避して車路に進入する場合ではないが、車両1の後側方から接近して車両1の側面に走行するターゲット車両2と衝突の危険がある。
制御部100は
図7のように、決定された車両1の走行形態に基づいて車両1とターゲット車両2の衝突危険領域A2を決定することができるが(1060)、制御部100は車両1の
図7の走行形態により変わる操向角および車両1の後側方から接近するターゲット車両2の走行経路m2に基づいて車両1の衝突危険領域A2を決定することができる。
すなわち、駐車していた車両1が前方に駐車している他の車両3を回避して駐車区域を抜け出す
図5および
図6の場合と比べて、車両1の前方に駐車している他の車両3がない場合には操向角検出部85が検出するステアリングホイールの操向角が小さく検出される。
【0049】
また、ターゲット車両2の走行経路は車両1の後方に駐車している他の車両4の存在の有無により決定されるが、
図5および
図6の場合とは異なり、
図7のように車両1の後方に他の車両4が駐車していない場合には、ターゲット車両2が車両1の後方で走行していてから車両1を回避するための経路m2に走行するためである。
このように、車両1が道路の路肩または走行道路の側面に停車していてから走行車路に進入する場合、制御部100は車両1の操向角およびターゲット車両2の走行経路m2に基づいて衝突危険領域A2を決定することができる。
具体的には、制御部100は車両1の操向角により車両1が走行できる経路と後側方感知センサ201が感知したターゲット車両2の走行速度に基づいて、車両1とターゲット車両2の衝突危険領域A2を決定することができる。すなわち、道路の路肩または走行道路の側面に停車していた車両1の出車方向と後側方から接近中のターゲット車両2の走行速度に基づいて算出された衝突予想時間TTCにより、車両1とターゲット車両2の衝突危険領域A2を決定することができる。
【0050】
このように、車両1が道路の路肩または走行道路の側面に停車されていてから走行車路に進入する場合には、撮影部350により感知した駐車ラインPL情報がなく、車両1の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に駐車している他の車両3、4の位置情報もないため、制御部100は駐車ラインPL情報および他の車両3、4の位置情報に加重値を付与せず、後側方感知センサ201が感知したターゲット車両2の感知情報にあらかじめ定められた加重値を付与する。
すなわち、制御部100は車両1の衝突危険領域A2を決定する際に、加重値が付与されたターゲット車両2の感知情報を中心に衝突危険領域A2を決定することができる。
図8に示す通り、制御部100は車両1の走行情報およびターゲット車両2の走行情報に基づいて、衝突危険領域A2内で車両1とターゲット車両2の衝突予想領域C2を決定することができる。
具体的には、車両1の走行情報は車両1の予想走行経路および車両1の走行速度に関する情報を含む。
制御部100は、車両1の操向角検出部85が検出したステアリングホイールの操向角データにより車両1の予想走行経路に対するデータを獲得することができ、速度感知部80を制御して車両1の走行速度データをリアルタイムで獲得することができる(1070)。
【0051】
すなわち、
図8に示す通り、道路の路肩または走行道路の側面に停車していた車両1が走行車路に進入するためのステアリングホイール操作により、車両1の予想走行経路はr5、r6、r7、r8、r9およびr10に決定される。ただし、車両1の予想走行経路はステアリングホイールの操作による操向角および車両1の走行速度により変わり得る。
また、ターゲット車両2の走行情報はターゲット車両2の予想走行経路およびターゲット車両2の走行速度に関する情報を含む。
制御部100は後側方感知センサ201が感知したターゲット車両2のリアルタイム位置変化に基づいて、ターゲット車両2の予想走行経路およびターゲット車両2の走行速度情報を獲得することができる(1080)。
図8に示す通り、ターゲット車両2は
図6のように、車両1の後方から走行して車両1を回避して車両1の側面に走行することができ、制御部100はターゲット車両2の予想走行経路m2を決定することができる。
制御部100は前述したような方式で獲得した車両1の走行情報およびターゲット車両2の走行情報に基づいて、衝突危険領域A2内で車両1とターゲット車両2の衝突予想領域C2を決定することができる(1090)。
【0052】
すなわち、制御部100は車両1の走行形態および後側方感知センサ201により感知したターゲット車両2の情報に基づいて車両1の衝突危険領域A2を決定し、車両1の走行情報およびターゲット車両2の走行情報に基づいて、衝突危険領域A2内で車両1とターゲット車両2が実際に衝突する危険がある衝突予想領域C2を決定することができる。
従来は、
図7および
図8の実施例のような状況で、車両1の後側方から接近中のターゲット車両2を衝突危険車両と認識しなかったため衝突を防止することができなかったり、またはターゲット車両2の実際的な走行経路により車両1と衝突が予想されない場合にも車両1に対する衝突防止制御を遂行する場合があった。
しかし、開示された発明の一実施例によると、車両1とターゲット車両2の衝突危険領域A2内で車両1の走行情報およびターゲット車両2の走行情報に基づいて、車両1とターゲット車両2の衝突が現実的に予想される衝突予想領域C2を決定することによって、車両1とターゲット車両2の衝突回避制御に対する誤制御を防止して不要な制御も防止することができる。
制御部100は
図8のように、決定された衝突予想領域C2に基づいて車両1の走行制御量を変更することができる(1100)。
すなわち、制御部100は、衝突危険領域A2内で衝突予想領域C2については衝突防止制御に対する加重値をあらかじめ定められた値よりも高く設定することができる。
【0053】
制御部100は車両1が衝突予想領域C2に走行するものと判断すれば、速度調節部70を制御して車両1の走行速度が減少するように制御することができる。
また、制御部100は車両1が衝突予想領域C2に走行するものと判断すれば、衝突予想領域C2内で車両1の走行制動量をあらかじめ定められた値よりも増加させることができ、衝突予想領域C2については車両1の衝突警告時点をあらかじめ定められた時間だけ操り上げることができる。
すなわち、制御部100は車両1とターゲット車両2が衝突予想領域C2で衝突することが予想される場合には、衝突予想領域C2にあらかじめ付与された加重値により車両1の制動量を設定値よりも大きく増加させることができ、制動時点も一定時間だけ操り上げて制御することができ、衝突警告も一定時間だけ操り上げて警告することができる。
一方、車両1の衝突警告は通知部88を通じて運転者に提供される。すなわち、制御部100は通知部88を制御して、車両1とターゲット車両2の衝突危険警告音を出力することによって運転者に聴覚的に危険を通知することができ、車両1のディスプレイ部に衝突危険メッセージを表示して運転者に視覚的に危険を通知することもできる。
【0054】
その反面、制御部100は衝突危険領域A2内で衝突予想領域C2を除いた残りの領域については、衝突防止制御に対する加重値をあらかじめ定められた値よりも低く設定することができる。
これに伴い、制御部100は車両1が衝突予想領域C2を除いた領域に走行する場合には、車両1の制動量を設定値よりも減少させることができ、制動時点も一定時間だけ遅らせることができ、衝突警告時点も一定時間だけ遅らせることができる。
すなわち、開示された発明の一実施例によると、車両1とターゲット車両2の衝突予想領域C2を決定し、決定された領域に加重値を付与して付与された加重値により車両1の衝突回避制御量を変更することができる。
図9~
図11の通り、一実施例により走行中の車両1が左折するかUターンする場合、車両1とターゲット車両2の衝突が予想される場合に対して制御部100は車両1の衝突回避制御を遂行できる。
車両1の撮影部350は車両1が走行中の車路の車線を感知することができ、後側方感知センサ201は車両1の後側方から接近するターゲット車両2を感知することができる。
【0055】
制御部100は撮影部350の撮影結果に基づいて車両1の周辺車線の存在の有無を判断することができ、後側方感知センサ201の感知結果に基づいて車両1の後側方から接近中のターゲット車両2が存在するかを判断することができる。
制御部100は車両1の周辺車路の車線が存在し、車両1の後側方から接近中のターゲット車両2が存在すると、車両1の走行形態が
図9~
図11に図示した通り、一般の道路を走行中のものと決定することができる。
すなわち、
図9~
図11では車両1が道路を走行していて交差点のような位置で車両1が左折するかUターンをする場合に対する実施例である。
この場合、撮影部350により車線が感知され、後側方感知センサ201により車両1の後側方から接近中のターゲット車両2が感知されるため、操向角検出部85が検出した操向角により制御部100は車両1が左折するかUターンをするものと走行形態を決定することができる。
したがって、車両1が左折するかUターンをする場合には、車両1の後側方から接近するターゲット車両2と衝突危険が存在する。
【0056】
制御部100は左折するかUターンをする車両1の走行形態に基づいて車両1とターゲット車両2の衝突危険領域A3を決定することができるが、このとき、制御部100は車両1の操向角検出部85により検出された操向角により左折またはUターンをする車両1の走行経路r11および車両1の後側方から接近するターゲット車両2の走行経路に基づいて、車両1の衝突危険領域A3を決定することができる。
車両1の走行中、運転者からステアリングホイールの操作が入力されると、制御部100はステアリングホイールの操作による操向角を保存部90にあらかじめ保存された基準値と比較することができ、比較結果により車両1が左折またはUターンするものと決定することができる。
すなわち、制御部100は運転者のステアリングホイールの操作により左折またはUターンをする車両1の走行経路を決定することができる。
また、車両1の後側方から接近するターゲット車両2の走行経路は、運転者のステアリングホイールの操作により
図9に図示した通り、m3、m4、m5、m6およびm7等の多様な経路に決定される。走行中のターゲット車両2も車両1と同様に交差点で左折をするかUターンをすることができ、車両1を回避して走行するための走行経路を決定することができる。
【0057】
このように、走行中の車両1が左折するかUターンする場合、制御部100は車両1の操向角による走行経路r11および後側方から接近するターゲット車両2の走行経路m3~m7に基づいて衝突危険領域A3を決定することができる。
具体的には、制御部100は車両1の操向角により車両1が左折したりUターンできる経路と後側方感知センサ201が感知したターゲット車両2の走行速度により決定されたターゲット車両2の走行経路に基づいて、車両1とターゲット車両2の衝突危険領域A3を決定することができる。すなわち、走行中の車両1の左折またはUターン方向と後側方から接近中のターゲット車両2の走行速度に基づいて算出された衝突予想時間TTCにより、車両1とターゲット車両2の衝突危険領域A3を決定することができる。
このように、車路で走行中の車両1が左折またはUターンする場合には、撮影部350により感知した駐車ラインPL情報がなく、車両1の前方および後方のうち少なくとも一つの位置に駐車している他の車両3、4の位置情報もないため、制御部100は駐車ラインPL情報および他の車両3、4の位置情報に加重値を付与しない。ただし、制御部100は撮影部350が感知した走行車路の車線に関する情報および後側方感知センサ201が獲得したターゲット車両2の感知情報にあらかじめ定められた加重値を付与する。
すなわち、制御部100は車両1の衝突危険領域A3を決定するにおいて、加重値が付与された車線情報およびターゲット車両2の感知情報を中心に衝突危険領域A3を決定することができる。
【0058】
図10に示す通り、制御部100は車両1の走行情報およびターゲット車両2の走行情報に基づいて、衝突危険領域A3内で車両1とターゲット車両2の衝突予想領域C3を決定することができる。
具体的には、車両1の走行情報は車両1の予想走行経路および車両1の走行速度に関する情報を含む。
制御部100は車両1の操向角検出部85が検出したステアリングホイールの操向角データにより、左折またはUターンする車両1の予想走行経路に対するデータを獲得することができ、速度感知部80を制御して車両1の走行速度データをリアルタイムで獲得することができる。
すなわち、
図10に示した通り、走行中の車両1が左折またはUターンをするためのステアリングホイールの操作により決定される車両1の予想走行経路はr11に決定される。ただし、車両1の予想走行経路はステアリングホイールの操作による操向角および車両1の走行速度により変わる。
また、ターゲット車両2の走行情報はターゲット車両2の予想走行経路およびターゲット車両2の走行速度に関する情報を含む。
制御部100は後側方感知センサ201が感知したターゲット車両2のリアルタイム位置変化に基づいて、ターゲット車両2の予想走行経路およびターゲット車両2の走行速度情報を獲得することができる。
【0059】
図10に示した通り、ターゲット車両2は車両1の隣の車線で車両1の後側方に走行することができ、制御部100はターゲット車両2の予想走行経路m3~m7を決定することができる。
制御部100は前述したような方式で獲得した車両1の走行情報およびターゲット車両2の走行情報に基づいて、衝突危険領域A3内で車両1とターゲット車両2の衝突予想領域C3を決定することができる。
すなわち、制御部100は車両1の走行形態および後側方感知センサ201により感知したターゲット車両2の情報に基づいて車両1の衝突危険領域A3を決定し、車両1の走行情報およびターゲット車両2の走行情報に基づいて、衝突危険領域A3内で車両1とターゲット車両2が実際に衝突する危険がある衝突予想領域C3を決定することができる。
従来は、
図10の実施例のような状況のように、車両1およびターゲット車両2の実際的な走行経路により車両1と衝突が予想されない場合にも車両1に対する衝突防止制御を遂行する場合があった。
開示した発明の一実施例によると、車両1とターゲット車両2の衝突危険領域A3内で車両1の走行情報およびターゲット車両2の走行情報に基づいて、車両1とターゲット車両2の衝突が現実的に予想される衝突予想領域C3を決定することによって、車両1とターゲット車両2の衝突回避制御に対する誤制御を防止して不要な制御も防止することができる。
【0060】
すなわち、
図10では制御部100が決定した衝突予想領域C3を抜け出して車両1が左折するかUターンすることになるため、車両1が衝突予想領域C3に走行しない。したがって、衝突予想領域C3で車両1とターゲット車両2が衝突しないため、制御部100は車両1に対する衝突防止制御を遂行しない。
一方、
図11のように、制御部100が車両1の衝突危険領域A4を決定し、車両1とターゲット車両2が実際に衝突する危険がある衝突予想領域C4を決定した場合、車両1が衝突予想領域C4に走行してターゲット車両2との衝突が予想されると、制御部100は車両1の走行制御量を変更することができる。
すなわち、制御部100は衝突危険領域A4内で衝突予想領域C4については衝突防止制御に対する加重値をあらかじめ定められた値よりも高く設定することができる。
制御部100は車両1が衝突予想領域C4に走行するものと判断すれば、速度調節部70を制御して車両1の走行速度が減少するように制御することができる。
また、制御部100は車両1が衝突予想領域C4に走行するものと判断すれば、衝突予想領域C4内で車両1の走行制動量をあらかじめ定められた値よりも増加させることができ、衝突予想領域C4については車両1の衝突警告時点をあらかじめ定められた時間だけ操り上げることができる。
【0061】
すなわち、制御部100は車両1とターゲット車両2が衝突予想領域C4で衝突することが予想される場合には、衝突予想領域C4にあらかじめ付与された加重値により車両1の制動量を設定値よりも大きく増加させることができ、制動時点も一定時間だけ操り上げて制御することができ、衝突警告も一定時間だけ操り上げて警告することができる。
一方、車両1の衝突警告は通知部88を通じて運転者に提供される。すなわち、制御部100は通知部88を制御して車両1とターゲット車両2の衝突危険警告音を出力することによって運転者に聴覚的に危険を通知することができ、車両1のディスプレイ部に衝突危険メッセージを表示して運転者に視覚的に危険を通知することもできる。
その反面、制御部100は衝突危険領域A4内で衝突予想領域C4を除いた残りの領域については、衝突防止制御に対する加重値をあらかじめ定められた値よりも低く設定することができる。
これに伴い、制御部100は車両1が衝突予想領域C4を除いた領域に走行する場合には、車両1の制動量を設定値よりも減少させることができ、制動時点も一定時間だけ遅らせることができ、衝突警告時点も一定時間だけ遅らせることができる。
【0062】
すなわち、開示した発明の一実施例によると、車両1とターゲット車両2の衝突予想領域C4を決定し、決定された領域に加重値を付与して付与された加重値により車両1の衝突回避制御量を変更することができる。
このように、開示した発明の一実施例に係る車両およびその制御方法によると、駐車ラインPL内に駐車している車両1が隣の車線で走行中のターゲット車両2と平行して走行しながら出車するか、走行中の車両1が左折またはUターンする場合等の特殊状況においての衝突防止制御を遂行することによって、衝突防止システムを補助する効果がある。また、車両1の走行中に発生し得る衝突防止関連誤制御状況を防止する効果がある。
一方、開示した実施例は、コンピュータによって遂行可能な命令語を保存する記録媒体の形態で具現される。命令語はプログラムコードの形態で保存され、プロセッサによって遂行された時、プログラムモジュールを生成して開示された実施例の動作を遂行できる。記録媒体はコンピュータ読み込み可能記録媒体で具現される。
コンピュータ読み込み可能記録媒体としては、コンピュータによって解読できる命令語が保存されたすべての種類の記録媒体を含む。例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気テープ、磁気ディスク、フラッシュメモリ、光データ保存装置などがある。
【0063】
以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1,2,3,4:車両
70:速度調節部
80:速度感知部
85:操向角検出部
88:通知部
90:保存部
100:制御部
200:感知センサ
201:後側方感知センサ
318:入力部
350:撮影部