(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】入力軸および減速機
(51)【国際特許分類】
F16H 1/32 20060101AFI20231027BHJP
【FI】
F16H1/32 A
(21)【出願番号】P 2019096986
(22)【出願日】2019-05-23
【審査請求日】2022-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(72)【発明者】
【氏名】鎌形 州一
(72)【発明者】
【氏名】松田 有一郎
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-057661(JP,A)
【文献】特開2017-144960(JP,A)
【文献】特開2009-204156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸受および第2軸受に支持され駆動部品を介して駆動され内部に空洞を有する入力軸であって、
前記第1軸受に支持される第1支持部と、
前記第2軸受に支持される第2支持部と、
前記第1支持部に対して前記第2支持部とは反対側の外周面に配置され前記駆動部品が取り付けられる取付部と、
を有し、
前記第1支持部の外径よりも大きい外径を有する歯車部が、前記第1支持部に対して前記第2支持部とは反対側に配置され
、
前記歯車部の歯底の外径が前記第1支持部の外径と等しい入力軸。
【請求項2】
前記第1支持部と前記第2支持部との間で一定の外径で前記取付部と同じ外径を有する外周部を有する請求項1に記載の入力軸。
【請求項3】
前記取付部は前記駆動部品を相対回転不能に支持する
請求項1または請求項2に記載の入力軸。
【請求項4】
前記取付部と前記第1支持部との間の外周面に配置されシール部材にシールされるシール面を備え、
前記取付部はスプライン軸であり、
前記取付部の外径は前記シール面の外径と等しい
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の入力軸。
【請求項5】
前記歯車部は出力部品と噛み合い、
前記取付部はスプライン軸であり、
前記取付部の外径は前記歯車部の歯底の径と等しい
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の入力軸。
【請求項6】
前記歯車部は出力部品と噛み合い、かつ最大径であり、
前記取付部はスプライン軸であり、
前記取付部の外径は前記歯車部の外径以下である
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の入力軸。
【請求項7】
前記取付部と前記第1支持部との間の外周面に配置されシール部材にシールされるシール面を備え、
前記取付部はスプライン軸であり、
前記取付部の溝の底部の外径は前記シール面の外径以上である
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の入力軸。
【請求項8】
空洞を形成する内周部、第1軸受に支持された第1支持部、第2軸受に支持された第2支持部、前記第1支持部と前記第2支持部との間で一定の外径を有する外周部、および前記第1支持部に対して前記第2支持部とは反対側の外周に形成され駆動部品が取り付けられる取付部を有し、前記第1支持部の外径よりも大きい外径を有する歯車部が、前記第1支持部に対して前記第2支持部とは反対側に配置され
、前記歯車部の歯底の外径が前記第1支持部の外径と等しい入力軸と、
前記入力軸の回転を減速する減速機構と、
前記減速機構から伝達される前記入力軸の回転力によって回転される出力軸と、
を備える減速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力軸および減速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
減速機は、中央部に配置された円筒状の入力軸を備え、全体として筒状に形成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。入力軸には、減速機に回転力を入力するためのプーリーや歯車等といった駆動部品が取り付けられる場合がある。駆動部品を入力軸に取り付ける方法として、入力軸の端面に雌ねじを形成し、入力軸の端面の雌ねじにねじ込まれたボルト等の締結材により駆動部品を入力軸に締結する方法が取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、全体として筒状に形成された減速機においては、入力軸の内側にケーブル等を通すため、入力軸の内径を大きくしたいという要望がある。しかしながら、上述したように入力軸の端面の雌ねじを形成して入力軸に駆動部品を締結する場合、入力軸の肉厚を雌ねじの内径以上に設定する必要がある。このため、入力軸の内径の拡大には限界がある。
【0005】
そこで本発明は、内径の拡大が図られた中空の入力軸、およびその入力軸を備えた減速機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る入力軸は、第1軸受および第2軸受に支持され駆動部品を介して駆動され内部に空洞を有する入力軸であって、前記第1軸受に支持される第1支持部と、前記第2軸受に支持される第2支持部と、前記第1支持部に対して前記第2支持部とは反対側の外周面に配置され前記駆動部品が取り付けられる取付部と、を有し、前記第1支持部の外径よりも大きい外径を有する歯車部が、前記第1支持部に対して前記第2支持部とは反対側に配置され、前記歯車部の歯底の外径が前記第1支持部の外径と等しい。
【0007】
本発明の一態様に係る入力軸によれば、取付部が外周面に配置されるので、端部に駆動部品を取り付ける場合、従来技術のように入力軸の端面に雌ねじを形成する構成と比較して、入力軸の肉厚を薄くすることが可能となる。したがって、内径の拡大が図られた中空の入力軸を提供できる。
【0008】
上記態様の入力軸であって、前記第1支持部と前記第2支持部との間で一定の外径で前記取付部と同じ外径を有する外周部を有していてもよい。
【0009】
上記態様の入力軸であって、前記取付部は前記駆動部品を相対回転不能に支持してもよい。
【0010】
上記態様の入力軸であって、前記取付部と前記第1支持部との間の外周面に配置されシール部材にシールされるシール面を備え、前記取付部はスプライン軸であり、前記取付部の外径は前記シール面の外径と等しくてもよい。
【0011】
上記態様の入力軸であって、前記歯車部は出力部品と噛み合い、前記取付部はスプライン軸であり、前記取付部の外径は前記歯車部の歯底の径と等しくてもよい。
【0012】
上記態様の入力軸であって、前記歯車部は出力部品と噛み合い、かつ最大径であり、前記取付部はスプライン軸であり、前記取付部の外径は前記歯車部の外径以下であってもよい。
【0013】
上記態様の入力軸であって、前記取付部と前記第1支持部との間の外周面に配置されシール部材にシールされるシール面を備え、前記取付部はスプライン軸であり、前記取付部の溝の底部の外径は前記シール面の外径以上であってもよい。
【0014】
本発明の一態様に係る減速機は、空洞を形成する内周部、第1軸受に支持された第1支持部、第2軸受に支持された第2支持部、前記第1支持部と前記第2支持部との間で一定の外径を有する外周部、および前記第1支持部に対して前記第2支持部とは反対側の外周に形成され駆動部品が取り付けられる取付部を有し、前記第1支持部の外径よりも大きい外径を有する歯車部が、前記第1支持部に対して前記第2支持部とは反対側に配置され、前記歯車部の歯底の外径が前記第1支持部の外径と等しい入力軸と、前記入力軸の回転を減速する減速機構と、前記減速機構から伝達される前記入力軸の回転力によって回転される出力軸と、を備える。
【0015】
本発明の一態様に係る減速機によれば、入力軸の取付部が外周面に配置されるので、端部に駆動部品を取り付ける場合、従来技術のように入力軸の端面に雌ねじを形成する構成と比較して、入力軸の肉厚を薄くすることが可能となる。よって、内径の拡大が図られた中空の入力軸が得られる。したがって、入力軸の内側により多くのケーブル等を通すことが可能な減速機を提供できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、内径の拡大が図られた中空の入力軸、およびその入力軸を備えた減速機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る減速機の一部を破断した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る入力軸2を備えた減速機1について添付の図面を参照して説明する。本実施形態の減速機1は、例えばロボットアームの関節部等に適用される偏心揺動型の歯車伝動装置である。
【0019】
最初に実施形態の減速機1の概略構成について説明する。
図1は、実施形態に係る減速機の一部を破断した側面図である。
図1に示すように、減速機1は、内部に空洞Cを有する入力軸2と、入力軸2の回転を減速する減速機構3と、減速機構3から伝達される入力軸2の回転力によって回転される出力軸としてのキャリア4と、減速機構3を収容するケース5と、を備える。減速機1は、入力軸2をケース5に対して回転させ、入力軸2の入力回転から減速した出力回転を得るように、ケース5とキャリア4とを相対回転させる偏心揺動型の歯車伝動装置である。なお、以下の説明では、入力軸2の回転軸線Oに沿う方向を軸方向といい、回転軸線Oに直交して回転軸線Oから放射状に延びる方向を径方向といい、回転軸線O回りに周回する方向を周方向という。
【0020】
減速機1は、全体としての回転軸線Oを中心とする円筒状に形成されている。ケース5は、回転軸線Oを中心とする円筒状に形成されている。キャリア4は、ケース5の内側に配置されている。キャリア4は、ケース5と同軸の円筒状に形成されている。キャリア4は、軸方向の第1側からケース5に覆われている。キャリア4は、ケース5から軸方向の第2側に突出している。キャリア4は、ケース5に対して回転軸線O回りに相対回転する。キャリア4は、減速機構3を保持している。
【0021】
入力軸2は、駆動部品としてのプーリーPから伝達されたトルクを、出力部品としての減速機構3の歯車に伝達する。ここでいう駆動部品は、入力軸2に対してトルクの伝達方向上流側に配置される部品である。出力部品は、入力軸2に対してトルクの伝達方向の下流側に配置される部品である。入力軸2には、図示しないモータの駆動力がベルトBおよびプーリーPを介して入力される。入力軸2は、キャリア4の内側に挿入されている。入力軸2は、キャリア4に対して回転軸線O回りに相対回転する。入力軸2は、第1軸受6Aおよび第2軸受6Bを介してキャリア4に回転可能に支持されている。第1軸受6Aおよび第2軸受6Bは、互いに軸方向に離間して配置されている。第1軸受6Aは、第2軸受6Bよりも軸方向の第1側に配置されている。
【0022】
入力軸2には、第1シール部材7Aおよび第2シール部材7Bが装着されている。第1シール部材7Aおよび第2シール部材7Bは、第1軸受6Aおよび第2軸受6Bを軸方向の両側から挟むように配置されている。第1シール部材7Aは、第1軸受6Aに対して第2軸受6Bとは反対側で、ケース5と入力軸2との間に配置されている。第2シール部材7Bは、第2軸受6Bに対して第1軸受6Aとは反対側で、キャリア4と入力軸2との間に配置されている。
【0023】
続いて第1実施形態の入力軸2の詳細構成について説明する。
入力軸2は、空洞Cを形成する内周部10と、第1軸受6Aに支持された第1支持部12と、第2軸受6Bに支持された第2支持部14と、第1支持部12と第2支持部14との間で一定の外径を有する外周部16と、プーリーPが取り付けられる取付部18と、減速機構3の歯車(出力部品)と噛み合う歯車部20と、第1シール部材7Aにシールされる第1シール面22と、第2シール部材7Bにシールされる第2シール面24と、を備える。
【0024】
内周部10は、一定の内径で入力軸2の両端部間を軸方向に連続して延びている。内周部10は、軸方向の両側に開口している。これにより、空洞Cは、入力軸2の両端部で入力軸2の外部空間に連続している。
【0025】
第1支持部12は、入力軸2の外周面に配置されている。第1支持部12には、第1軸受6Aが装着される。
【0026】
第2支持部14は、入力軸2の外周面に配置されている。第2支持部14は、第1支持部12に対して軸方向の第2側に間隔をあけて配置されている。第2支持部14には、第2軸受6Bが装着される。第2支持部14の外径は、第1支持部12の外径と等しい。なお、第2支持部14の外径は、第1支持部12の外径よりも小さくてもよい。
【0027】
第2支持部14には、第1止め輪溝26が隣接している。第1止め輪溝26は、第2支持部14に対して第1支持部12とは反対側(軸方向の第2側)に形成されている。第1止め輪溝26には、第2軸受6Bの移動を規制する止め輪8Aが嵌め込まれている。
【0028】
外周部16は、入力軸2の外周面に配置されている。外周部16は、第1支持部12と第2支持部14との間に配置されている。外周部16は、一定の外径で軸方向に延びている。外周部16の外径は、第1支持部12の外径、および第2支持部14の外径よりも小さい。
【0029】
取付部18は、入力軸2の外周面に配置されている。取付部18は、プーリーPを相対回転不能に支持する。取付部18は、プーリーPと嵌め合うスプライン軸(雄スプライン)である。取付部18は、第1支持部12に対して第2支持部14とは反対側に配置されている。
【0030】
取付部18には、第2止め輪溝28が隣接している。第2止め輪溝28は、取付部18に対して第1支持部12とは反対側に形成されている。第2止め輪溝28には、プーリーPの移動を規制する止め輪8Bが嵌め込まれている。
【0031】
歯車部20は、入力軸2の外周面に配置されている。歯車部20は、第1支持部12に対して外周部16とは反対側で、第1支持部12に隣接している。歯車部20は、第1支持部12と取付部18との間に配置されている。歯車部20は、入力軸2で最大径を有する。歯車部20の歯底の外径は、第1支持部12の外径と等しい。歯車部20には、第1軸受6Aが軸方向で当接している。
【0032】
第1シール面22は、入力軸2の外周面に配置されている。第1シール面22は、第1支持部12と取付部18との間に配置されている。第1シール面22は、歯車部20と取付部18との間で歯車部20に対して間隔をあけて配置され、取付部18に隣接している。第1シール面22は、一定の外径で軸方向に延びている。
【0033】
第2シール面24は、入力軸2の外周面に配置されている。第2シール面24は、第2支持部14に対して外周部16とは反対側に配置されている。第2シール面24は、入力軸2における軸方向の第2側の端部に形成されている。第2シール面24の外径は、第2支持部14の外径よりも小さい。
【0034】
取付部18の外径は、歯車部20の外径以下である。さらに、取付部18の外径は、歯車部20の歯底の外径と等しい。また、取付部18の外径は、第1シール面22の外径と等しい。入力軸2の外径は、第1シール面22よりも軸方向の第1側の全体で第1シール面22の外径以下になっている。
【0035】
また、入力軸2の外径は、第1支持部12よりも軸方向の第2側の全体で、第1支持部12の外径以下になっている。さらに、入力軸2の外径は、第2支持部14よりも軸方向の第2側の全体で、第2支持部14の外径以下になっている。これにより、第1軸受6Aおよび第2軸受6Bを入力軸2の軸方向第2側の端部から装着できる。
【0036】
以上に説明したように、本実施形態の入力軸2では、取付部18が外周面に配置される。この構成によれば、入力軸の端部にプーリーPを取り付ける場合、従来技術のように入力軸の端面に雌ねじを形成する構成と比較して、入力軸2の肉厚を薄くすることが可能となる。したがって、内径の拡大が図られた中空の入力軸2を提供できる。そして、本実施形態の減速機1は、上述した入力軸2を備えるので、入力軸2の内側により多くのケーブル等を通すことが可能となる。
【0037】
また、入力軸2は、第1支持部12と第2支持部14との間で一定の外径を有する外周部16を備える。外周部16の外径は第1支持部12の外径より小さいので、第1軸受6Aを第2支持部14側から外周部16を通過させて第1支持部12に装着することができる。これにより、第1支持部12に対して第2支持部14とは反対側で入力軸2の外径を第1支持部12の外径よりも大きくできるので、入力軸2の内径の更なる拡大を図ることができる。
【0038】
また、取付部18は、プーリーPを相対回転不能に支持する。この構成によれば、取付部18を設けたことで従来技術のような締結構造を省略でき、上述した作用効果を奏することができる。
【0039】
また、入力軸2は、取付部18と第1支持部12との間の外周面に配置され第1シール部材7Aにシールされる第1シール面22を備える。取付部18は、スプライン軸である。取付部18の外径は、第1シール面22の外径と等しい。ここで、取付部を通過させて第1シール部材を第1シール面に装着する際に、取付部の外径が第1シール面の外径よりも大きいと第1シール部材が損傷する可能性がある。上記構成によれば、取付部18を通過させて第1シール部材7Aを第1シール面22に装着する際に、第1シール部材7Aが損傷することを抑制できる。
【0040】
また、取付部18の外径が第1シール面22の外径と等しいので、取付部の外径が第1シール面の外径よりも小さい場合と比較して、取付部18の溝の底部の外径を第1シール面22の外径に近付けることができる。これにより、取付部18における入力軸2の肉厚が第1シール面22における入力軸2の肉厚に対して極端に薄くなることを抑制できる。したがって、入力軸2の強度の低下を抑制しつつ、入力軸2の内径の拡大を図ることができる。
【0041】
また、入力軸2は、減速機構3の歯車と噛み合う歯車部20を備える。取付部18は、スプライン軸である。取付部18の外径は、歯車部20の歯底の径と等しい。この構成によれば、歯車部20の歯底と取付部18の外周とを同時に加工できる。よって、入力軸2の加工が容易になるので、入力軸2の製造コストの低減を図ることができる。
【0042】
また、入力軸2は、減速機構3の歯車と噛み合う最大径の歯車部20を備える。取付部18は、スプライン軸である。取付部18の外径は、歯車部20の外径以下である。ここで、取付部の外径が歯車部の外径よりも大きい構成と歯車部の外径以下の構成とを比較すると、歯車部の外径を同一とした場合、取付部の外径が歯車部の外径よりも大きい構成では入力軸の材料となる管材の外径および肉厚が大きくなる。よって、本実施形態によれば、比較的外径が小さく安価な管材を使用できるとともに、加工も容易になるので、入力軸2の製造コストの低減を図ることができる。
【0043】
なお、上記実施形態では、取付部18の外径が第1シール面22と等しい。しかしながらこれに限定されず、取付部の溝の底部の外径が第1シール面の外径以上であってもよい。これにより、取付部における入力軸の肉厚を第1シール面における入力軸の肉厚と同等以上にすることができる。よって、入力軸の内径を第1シール面の外径に近付けるようにして、入力軸の内径の更なる拡大を図ることができる。
【0044】
また、上記実施形態では、取付部18の外径は歯車部20の歯底の外径と等しく、歯車部20の歯底の外径は第1支持部12の外径と等しく、外周部16の外径は第1支持部12の外径よりも小さい。すなわち、外周部16は、取付部18よりも小さい外径を有する。しかしながらこれに限定されず、外周部は取付部と同じ外径を有していてもよい。これにより、外周部が取付部よりも小さい外径を有している場合と比較して、外周部における入力軸の肉厚が取付部における入力軸の肉厚に対して極端に薄くなることを抑制できる。したがって、入力軸の内径の拡大を図ることができる。
【0045】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、取付部18にプーリーPが取り付けられているが、これに限定されず、例えば歯車が取り付けられてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、取付部18はスプライン軸である。しかしながら取付部の構造はこれに限定されない。例えば、取付部は、入力軸、およびプーリー等の駆動部品の両方に組み付けられるキーが入り込むキー溝を備えていてもよい。また、取付部は、駆動部品の一部が嵌り込む凹部を備えてもよい。また、取付部は、駆動部品の内周面に設けられた凹部に嵌り込む凸部を備えてもよい。
【0047】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…減速機 2…入力軸 3…減速機構(出力部品) 6A…第1軸受 6B…第2軸受 7A…第1シール部材(シール部材) 10…内周部 12…第1支持部 14…第2支持部 16…外周部 18…取付部 20…歯車部 22…第1シール面 C…空洞 P…プーリー(駆動部品)