(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】患者情報配信装置、患者情報配信方法、及び患者情報配信プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20231027BHJP
【FI】
G16H10/60
(21)【出願番号】P 2019130346
(22)【出願日】2019-07-12
【審査請求日】2022-05-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売した場所:一般社団法人兵庫県医師会(兵庫県神戸市中央区磯上通6丁目1番11号) 販売日:平成31年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】503369495
【氏名又は名称】帝人ファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】足立 亮
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】畑田 宏貴
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-073013(JP,A)
【文献】特開2015-035036(JP,A)
【文献】特開2018-190208(JP,A)
【文献】特開2015-015010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の患者の患者情報、前記複数の患者のそれぞれを担当する複数の通常担当者に関する通常担当者情報、及び、複数の当番担当者に関する当番担当者情報を記憶する記憶部と、
前記複数の患者の内の対象患者を担当する対象当番担当者を選択し、前記対象当番担当者が当番担当となる日及び時間を示す当番時間帯を設定する設定部と、
前記対象患者を担当する対象通常担当者から前記対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、前記当番時間帯
、前記当番時間帯より前の時間帯および前記当番時間帯より後の時間帯を含む所定の時間帯では、前記対象当番担当者から前記対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、前記当番時間帯
、前記当番時間帯より前の時間帯および前記当番時間帯より後の時間帯を含む所定の時間帯以外では、前記対象当番担当者から前記対象患者の患者情報への閲覧要求を許可しないように管理する管理部と、
前記管理部によって閲覧要求が許可された前記対象当番担当者又は前記対象通常担当者が有する端末に対して、閲覧が許可された患者情報を送信する配信部と、
を有することを特徴とする患者情報配信装置。
【請求項2】
前記設定部は、
前記複数の患者の内のグループが設定された患者を前記対象患者に設定し、
前記当番担当者の内の前記グループを担当する当番担当者を前記対象当番担当者に設定する、
請求項1に記載の患者情報配信装置。
【請求項3】
前記配信部は、前記当番時間帯の当番開始時刻前において、前記対象当番担当者に当番時間帯及び当番を担当するグループを通知する、請求項1または2に記載の患者情報配信装置。
【請求項4】
前記対象当番担当者の識別情報及び当該対象当番担当者の当番時間帯に関する情報をカレンダー上の対応する位置に表示する当番予定表示部をさらに有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の患者情報配信装置。
【請求項5】
前記患者情報において、前記対象患者にラベルを付ける対象患者識別表示部をさらに有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の患者情報配信装置。
【請求項6】
前記当番担当者情報において、前記対象当番担当者にラベルを付ける当番担当者識別表示部をさらに有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の患者情報配信装置。
【請求項7】
前記グループは、前記対象患者の居住エリア、疾患の内容、病状のうちの少なくとも1つを含む項目ごとに分類される、請求項2または3に記載の患者情報配信装置。
【請求項8】
記憶部が、複数の患者の患者情報、前記複数の患者のそれぞれを担当する複数の通常担当者に関する通常担当者情報、及び、複数の当番担当者に関する当番担当者情報を記憶し、
設定部が、前記複数の患者の内の対象患者を担当する対象当番担当者を選択し、前記対象当番担当者が当番担当となる日及び時間を示す当番時間帯を設定し、
管理部が、前記対象患者を担当する対象通常担当者から前記対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、前記当番時間帯
、前記当番時間帯より前の時間帯および前記当番時間帯より後の時間帯を含む所定の時間帯では、前記対象当番担当者から前記対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、前記当番時間帯
、前記当番時間帯より前の時間帯および前記当番時間帯より後の時間帯を含む所定の時間帯以外では、前記対象当番担当者から前記対象患者の患者情報への閲覧要求を許可しないように管理し、
配信部が、閲覧要求が許可された前記対象当番担当者又は前記対象通常担当者が有する端末に対して、閲覧が許可された患者情報を送信する、
ステップを有することを特徴とする患者情報配信方法。
【請求項9】
患者情報配信装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
複数の患者の患者情報、前記複数の患者のそれぞれを担当する複数の通常担当者に関する通常担当者情報、及び、複数の当番担当者に関する当番担当者情報を記憶し、
前記複数の患者の内の対象患者を担当する対象当番担当者を選択し、前記対象当番担当者が当番担当となる日及び時間を示す当番時間帯を設定し、
前記対象患者を担当する対象通常担当者から前記対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、前記当番時間帯
、前記当番時間帯より前の時間帯および前記当番時間帯より後の時間帯を含む所定の時間帯では、前記対象当番担当者から前記対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、前記当番時間帯
、前記当番時間帯より前の時間帯および前記当番時間帯より後の時間帯を含む所定の時間帯以外では、前記対象当番担当者から前記対象患者の患者情報への閲覧要求を許可しないように管理し、
閲覧要求が許可された前記対象当番担当者又は前記対象通常担当者が有する端末に対して、閲覧が許可された患者情報を送信する、
ステップを前記コンピュータに実行させることを特徴とする患者情報配信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者情報配信装置、患者情報配信方法、及び患者情報配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
これまで高齢者は病院で治療を行い、病気が治ったら退院し、治らない場合は病院に留まり病院で亡くなるのが通常であった。しかしながら、高齢者の増加に伴い、病院に通うことなく、在宅で診療を続ける在宅医療・介護が進んでいる。
【0003】
患者が入院している場合は、医師や看護師は病院内のシステムを用いて患者の情報を共有すればよかったが、在宅医療においては、そのようなシステムは存在しなかった。さらに、在宅医療において、患者に関わる医師、看護師、薬剤師、ケアマネージャ等の多職種に渡る利用者は、それぞれ異なる法人等に属するため、1つのシステムで患者の情報を共有することができなかった。
【0004】
そのため、従来は、患者の家に連絡ノートのようなものを置いておき、医師や薬剤師等の利用者が、患者の家を訪問した際に患者の情報をノートに書込み、情報の共有を図ってきた。しかしながら、医師や薬剤師等の利用者が患者宅を訪問した時にしか情報収集ができないために、患者の状態の把握が遅れ、適切な処置を迅速に行うことができないという問題が生じていた。
【0005】
これに対して、医療者・介護者間の情報共有システムやソーシャルネットワークを活用したシステムにより、在宅医療介護の患者の通常担当者が情報共有できるようになってきている。ただし、ここでも通常担当者でない往診担当連携医等が緊急往診を受けても、患者情報共有ができなかった。
【0006】
そこで、効率的かつ確実な診療を行うために、医師間を連携可能な診診連携方法が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載された方法は、患者についての往診要請が連携装置に入力されると、当該患者に割り当てられている連携医グループから1名の往診担当連携医を選出するものである。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、患者についての往診依頼がない限り往診担当連携医は選出されないため、患者の急な病変に迅速に対応できない場合が生じうるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の実施形態に係る患者情報配信装置、患者情報配信方法、及び患者情報配信プログラムは、患者を担当する利用者が確実に患者を担当することができるようにするとともに、患者に関する情報を事前に患者を担当する利用者に配信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の実施形態に係る患者情報配信装置は、複数の患者の患者情報、複数の患者のそれぞれを担当する複数の通常担当者に関する通常担当者情報、及び、複数の当番担当者に関する当番担当者情報を記憶する記憶部と、複数の患者の内の対象患者を担当する対象当番担当者を選択し、対象当番担当者が当番担当となる日及び時間を示す当番時間帯を設定する設定部と、対象患者を担当する対象通常担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、当番時間帯を含む所定の時間帯では、対象当番担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、当番時間帯を含む所定の時間帯以外では、対象当番担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可しないように管理する管理部と、管理部によって閲覧要求が許可された対象当番担当者又は対象通常担当者が有する端末に対して、閲覧が許可された患者情報を送信する配信部と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、設定部は、複数の患者の内のグループが設定された患者を対象患者に設定し、当番担当者の内のグループを担当する当番担当者を対象当番担当者に設定することが好ましい。
【0012】
また、配信部は、当番時間帯の当番開始時刻前において、対象当番担当者に当番時間帯及び当番を担当するグループを通知することが好ましい。
【0013】
また、対象当番担当者の識別情報及び当該対象当番担当者の当番時間帯に関する情報をカレンダー上の対応する位置に表示する当番予定表示部をさらに有することが好ましい。
【0014】
また、患者情報において、対象患者にラベルを付ける対象患者識別表示部をさらに有することが好ましい。
【0015】
また、当番担当者情報において、対象当番担当者にラベルを付ける当番担当者識別表示部をさらに有することが好ましい。
【0016】
また、グループは、対象患者の居住エリア、疾患の内容、病状のうちの少なくとも1つを含む項目ごとに分類されるようにしてもよい。
【0017】
本開示の実施形態に係る患者情報配信方法は、複数の患者の患者情報、複数の患者のそれぞれを担当する複数の通常担当者に関する通常担当者情報、及び、複数の当番担当者に関する当番担当者情報を記憶し、複数の患者の内の対象患者を担当する対象当番担当者を選択し、対象当番担当者が当番担当となる日及び時間を示す当番時間帯を設定し、対象患者を担当する対象通常担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、当番時間帯を含む所定の時間帯では、対象当番担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、当番時間帯を含む所定の時間帯以外では、対象当番担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可しないように管理し、閲覧要求が許可された対象当番担当者又は対象通常担当者が有する端末に対して、閲覧が許可された患者情報を送信する、ステップを有することを特徴とする。
【0018】
本開示の実施形態に係る患者情報配信プログラムは、患者情報配信装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、複数の患者の患者情報、複数の患者のそれぞれを担当する複数の通常担当者に関する通常担当者情報、及び、複数の当番担当者に関する当番担当者情報を記憶し、複数の患者の内の対象患者を担当する対象当番担当者を選択し、対象当番担当者が当番担当となる日及び時間を示す当番時間帯を設定し、対象患者を担当する対象通常担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、当番時間帯を含む所定の時間帯では、対象当番担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、当番時間帯を含む所定の時間帯以外では、対象当番担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可しないように管理し、閲覧要求が許可された対象当番担当者又は対象通常担当者が有する端末に対して、閲覧が許可された患者情報を送信する、ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本開示の実施形態に係る患者情報配信装置、患者情報配信方法、及び患者情報配信プログラムによれば、患者を担当する利用者が確実に患者を担当することができ、患者に関する情報を事前に患者を担当する利用者に配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の実施形態に係る患者情報配信装置により実行される当番機能を含めた医療・介護多職種連携情報共有システムの概略図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る患者情報配信装置の構成図である。
【
図5】対象患者を識別するためのラベルの例を示す図である。
【
図8】対象当番担当者を識別するためのラベルの例を示す図である。
【
図10】患者を新たに登録する手順を説明するためのフローチャートである。
【
図11】対象患者の登録及び削除の手順を説明するためのフローチャートである。
【
図12】各利用者について担当患者情報を編集する手順を説明するためのフローチャートである。
【
図13】利用者を新たに登録する手順を説明するためのフローチャートである。
【
図14】各患者について担当利用者を設定する手順を説明するためのフローチャートである。
【
図15】対象当番担当者の当番予定を登録する手順を説明するためのフローチャートである。
【
図16】各グループについて、当番時間帯及び対象当番担当者を設定する画面の例である。
【
図17】当番予定カレンダーの表示例を示す図である。
【
図18】当番時間帯及びメール配信のタイミングチャートを示す図である。
【
図19】本開示の実施形態に係る患者情報配信方法の手順を説明するためのフローチャートである。
【
図20】本開示の実施形態に係る患者情報配信方法の他の例の手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明に係る患者情報配信装置、患者情報配信方法、及び患者情報配信プログラムについて説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0022】
図1に、本開示の実施形態に係る患者情報配信装置を有するサーバ10を含めた医療・介護多職種連携情報共有システム1000の概略図を示す。医療・介護多職種連携情報共有システムとは、地域包括ケアを担う多職種(例えば、主治医、薬剤師、介護福祉士、訪問看護師等を含む)間で、パソコンやスマートフォン、タブレット等の端末31~35を用いて、サーバ10に蓄積された患者Pの情報を共有するシステムをいう。サーバ10及び端末31~35は、ネットワーク200を介して接続されている。このシステムを用いることにより、タイムラインで書き込まれた情報の共有だけでなく、患者の脈拍、血圧、体温等、人体から取得できる様々な情報であるバイタルデータや、日常生活における状態に関する情報等を共有することができる。
【0023】
当番機能とは、当番設定役Bが医療・介護多職種連携情報共有システム上で作成した「当番予定表」300に従い、患者の担当でない利用者である対象当番担当者が当番時間帯を含む所定時間帯のみ、患者情報の閲覧や連絡帳などの機能を使用することが可能になる機能をいう。ここで、「患者情報」とは、患者に関する情報をいい、患者の医療情報や個人情報等を含む。「医療情報」には、患者のバイタルデータや、日常生活における状態に関する情報等が含まれる。また、「対象当番担当者」とは、通常は対象患者を担当していない利用者であって、当番機能により所定の時間帯のみにおいて対象患者の担当に設定される利用者をいう。また、「対象患者」とは、当番の対象に設定される患者をいう。例えば、重篤な状態にある患者や、看取りが近い患者等を設定することが考えられるが、どのような患者を対象患者と設定するかは任意に決めることができる。医療・介護多職種連携情報共有システムにおいては、通常は患者Pを担当する多職種の利用者同士が情報を共有する。しかしながら、在宅医療においては、患者Pを担当する主治医は通常1人のみであり、主治医が常時患者Pを担当するとなると、主治医に多くの負担がかかることとなる。そこで、例えば週のうちの土曜日及び日曜日において、主治医以外の別の医師が患者Pを担当することが考えられる。
【0024】
しかしながら、主治医に代わる医師に対して事務局がその都度連絡することとすると、事務局の業務負担が大きくなり、担当者設定ミスや当番開始の予告漏れ等が生じる恐れがある。また、主治医に代わる医師が患者を担当する場合、患者に関する情報を全く知らない状態では患者に対して適切な処置を施すことが難しいという問題がある。そこで、本開示の実施形態に係る患者情報配信装置は、当番機能により予め設定した当番時間帯に対象当番担当者を患者の担当に設定し、当番時間帯を含む所定の時間帯に患者に関する情報の閲覧を許可するものである。どの時間帯にどの利用者を当番担当にするかは、予め設定しておくことができるため、主治医に代わって患者を担当する医師を予め設定した時間帯に自動的に設定することができる。また、当番時間帯の所定の前後の時間帯にも患者に関する情報を閲覧することができるため、患者に関する情報を事前に取得することができ、取得した患者の情報に基づいて、患者に対して適切な処置を施すことができる。ここで、対象当番担当者は、患者に関する情報の閲覧だけでなく、患者に関する情報の登録を行うこともできる。また、通常担当者も、患者に関する情報の閲覧だけでなく、患者に関する情報の登録を行うこともできる。なお、対象当番担当者に設定される利用者は医師に限られず、種々の職種に関わる利用者を対象当番担当者に設定することができる。
【0025】
なお、対象当番担当者に患者の情報を閲覧する時間帯を所定の時間帯に限定しているのは、対象当番担当者が担当する可能性がある患者の情報を常時閲覧可能とすると、対象当番担当者の負担が増加し、対象当番担当者が担当する対象患者の情報を確実に把握することが難しくなるためである。
【0026】
また、本開示の実施形態に係る患者情報配信装置により実行される当番機能は、患者が属するグループごとに設定することができる。
図1に示した例では、地区Aに居住する患者について当番機能を設定している。しかしながら、他の地区B及びCに居住する患者に対しても同様に当番機能を設定することができる。さらに、グループ分けは居住エリアに基づいて行う場合に限られず、患者の疾患の内容や、病状等に基づいて行うようにしてもよい。
【0027】
図2に本開示の実施形態に係る患者情報配信装置の構成図を示す。サーバ10に含まれる患者情報配信装置100は、記憶部1と、設定部2と、管理部3と、配信部4と、を有する。患者情報配信装置100は、CPU(コンピュータ)(図示せず)及び記憶部1を備えており、設定部2、管理部3、及び配信部4は、記憶部1に記憶されたプログラムをCPUが実行することにより実現される。
【0028】
患者情報配信装置100は、ネットワーク200を介して、利用者の端末31~36に接続される。利用者の端末の台数は、特定の台数に制限されない。端末31~36には、表示部及び入力部(図示せず)が設けられ、患者情報や利用者情報の設定や変更等を行うことができる。
【0029】
記憶部1は、複数の患者の患者情報、複数の患者のそれぞれを担当する複数の通常担当者に関する通常担当者情報、及び、複数の当番担当者に関する当番担当者情報を記憶する。記憶部1は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置等により構成することができる。
【0030】
図3に患者情報の構成例を示す。患者情報500には、患者ID、対象患者であるか否かを示す情報、氏名、グループ、患者基本情報等が含まれるが、これらに限定されるものではない。患者IDは「P0001」等で示され、各患者に固有に設定され、患者IDにより各患者を特定することができる。対象患者であるか否かを示す情報は、患者が当番機能の対象患者であるか否かを示す情報である。
図3においては、黒丸印で識別する例を示したが、このような例には限られない。対象患者であるか否かを示す情報は、患者が特定のグループに属するように設定された場合に、当該グループ分けと連動して設定されることが好ましい。例えば、患者ID「P0001」の患者をグループ「A」に設定した場合や、患者ID「P0004」の患者をグループ「B」に設定した場合に、これらの患者が対象患者であることを示すようにしてもよい。このように、患者のグループ分けと対象患者の設定とを連動させることにより、患者を特定のグループに設定しない場合は、対象患者ではないものとして扱うことができる。
【0031】
グループは、対象患者の居住エリア、疾患の内容、病状のうちの少なくとも1つを含む項目ごとに分類されることが好ましい。例えば、
図1に示すように、患者Pが地区Aに居住している場合に、地区Aにおいて対象患者となるように設定することができる。あるいは、疾患の内容として疾患の種類等で対象患者をグループ分けしてもよいし、病状のランクによって対象患者をグループ分けしてもよい。このグループは、後述するように、対象患者を担当する対象当番担当者に対しても設定され、グループ毎に対象患者と対象当番担当者とを紐づけることができる。
【0032】
図4に患者基本情報の例を示す。患者基本情報には、団体・施設の名称、氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、グループ、カルテID、施設・診療科、連絡方法等の情報が含まれるが、これらには限られない。患者基本情報には個人情報が多く含まれるため、後述するように、対象当番担当者による閲覧は管理部により制限される。
【0033】
患者情報配信装置100は、患者情報において、対象患者にラベルを付ける対象患者識別表示部5をさらに有することが好ましい。
図5に対象患者を識別するためのラベルの例を示す。患者情報に患者のアバター51を設定した場合、対象患者のアバター51に重ねてラベル52を付けるようにしてもよい。このようにアバター51にラベル52を付けることにより、利用者は患者のアバターを見るだけで対象患者であるか否かを容易に認識することができる。
【0034】
図6に通常担当者情報の例を示す。通常担当者とは、通常、患者の担当に設定されている利用者をいう。例えば、患者の主治医が通常担当者に含まれる。通常担当者情報600は、複数の患者のそれぞれを担当する複数の通常担当者に関する情報である。通常担当者情報600には、利用者名(主治医名)、施設・診療科、担当している患者の氏名、患者の年齢、患者の居住エリア(グループ)、カルテID等が含まれることが好ましい。ただし、このような例には限られない。通常担当者情報600により、例えば、主治医等の利用者が、どの患者を通常担当しているかを認識することができる。
【0035】
図7に、当番担当者情報の例を示す。「当番担当者」とは、対象患者の担当に設定される可能性を有する利用者をいう。対象当番担当者は当番担当者の中から選択される。当番担当者情報700は、複数の当番担当者に関する情報である。当番担当者情報700には、利用者ID、対象当番担当者であるか否かを示す情報、氏名、担当グループに関する情報等が含まれるが、このような例には限られない。
【0036】
利用者IDは「D0001」等で示され、各利用者に固有に設定され、利用者IDにより各利用者を特定することができる。対象当番担当者であるか否かを示す情報は、利用者が対象患者の担当(対象当番担当者)に設定されている否かを示す情報である。
図7においては、星印で識別する例を示したが、このような例には限られない。対象当番担当者であるか否かを示す情報は、利用者が特定のグループに属するように設定された場合にこれと連動して設定されることが好ましい。例えば、利用者ID「D0001」の利用者をグループ「B」に設定した場合や、利用者ID「D0002」の利用者をグループ「A」に設定した場合に、これらの利用者がそれぞれのグループに分類された対象患者の対象当番担当者に設定されていることを示すようにしてもよい。例えば、利用者ID「D0001」の利用者は、担当グループが「B」に設定されているため、グループが「B」に設定された1人または複数の対象患者の担当に設定される。このように、利用者のグループ分けと対象当番担当者の設定とを連動させることにより、利用者を特定のグループに設定しない場合は、対象当番担当者ではないものとして扱うことができる。
【0037】
グループは、対象当番担当者が担当する対象患者の居住エリア、疾患の内容、病状のうちの少なくとも1つを含む項目ごとに分類されることが好ましい。例えば、利用者「D0002」が地区Aの対象患者を担当する対象当番担当者に設定された場合、
図1に示すように、地区Aに居住する患者Pを担当するように設定される。あるいは、疾患の内容として利用者が専門とする疾患の種類等に基づいて利用者をグループ分けしてもよいし、利用者が担当可能な病状のランクに基づいて利用者をグループ分けしてもよい。上述したように、グループは、対象患者に対しても設定され、グループ毎に対象患者と対象当番担当者とを紐づけることができる。このように、設定部2は、複数の患者の内のグループが設定された患者を対象患者に設定し、当番担当者の内のグループを担当する当番担当者を対象当番担当者に設定することができる。本開示の実施形態に係る患者情報配信装置100によれば、対象患者と対象当番担当者とを個別に設定することなく、共通のグループに設定された対象当番担当者を対象患者の担当に設定することができるため、対象当番担当者が担当する対象患者の設定を容易に行うことができる。
【0038】
患者情報配信装置100は、当番担当者情報において、対象当番担当者にラベルを付ける当番担当者識別表示部6をさらに有することが好ましい。
図8に対象当番担当者を識別するためのラベルの例を示す。当番担当者情報に利用者のアバター61を設定した場合、対象当番担当者のアバター61に重ねてラベル62を付けるようにしてもよい。このようにアバター61にラベル62を付けることにより、利用者のアバターを見るだけで対象当番担当者であるか否かを容易に認識することができる。
【0039】
設定部2は、複数の患者の内の対象患者を担当する対象当番担当者を選択し、対象当番担当者が当番担当となる日及び時間を示す当番時間帯を設定する。
図9に当番予定表の表示例を示す。当番予定表800は、グループ名、当番日、当番の時間帯、及び、対象当番担当者の氏名に関する情報を含む。対象当番担当者に設定されるのは医師に限られず、利用者のうちのいずれの職種に属する利用者にも設定することができる。また、当番の時間帯は、各職種ごとに設定してもよいし、少なくとも一部の職種で共通の時間帯となるように設定してもよい。また、時間帯が予めテンプレートとして用意されている場合には、当番日のみを設定するようにしてもよい。
【0040】
管理部3は、対象患者を担当する対象通常担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可する。ここで、対象通常担当者とは、通常、対象患者を担当する利用者である。例えば、主治医Xがある対象患者Yを担当している場合、対象患者Yの担当を対象当番担当者Zが代わっている場合であっても、対象通常担当者である主治医Xは、制限されずに対象患者Yの患者情報を閲覧することができる。これにより、対象通常担当者は、常時、継続的に対象患者の状態を認識することができる。
【0041】
管理部3は、当番時間帯を含む所定の時間帯では、対象当番担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可し、当番時間帯を含む所定の時間帯以外では、対象当番担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可しないように管理する。
【0042】
従って、対象当番担当者は対象患者を担当する時間より前の時点から、対象患者に関する情報を収集することができ、収集した情報に基づいて、対象患者に対して適切な処置を施すことができる。また、対象当番担当者は対象患者の担当が終了した時点から所定の時間において患者情報を閲覧することができるため、担当した対象患者の担当後一定期間の情報を閲覧することができる。
【0043】
また、当番時間帯を含む所定の時間帯以外では、対象当番担当者から対象患者の患者情報への閲覧要求を許可しないようにすることにより、対象当番担当者が新たに担当する対象患者の処置等に専念することができる。
【0044】
配信部4は、管理部3によって閲覧要求が許可された対象当番担当者又は対象通常担当者が有する端末(例えば、31)に対して、閲覧が許可された患者情報を送信する。閲覧が許可された患者情報は端末(例えば、31)に設けられた表示部(図示せず)に表示することができる。
【0045】
配信部4は、当番時間帯の当番開始時刻前において、対象当番担当者に当番時間帯及び当番を担当するグループを通知するようにしてもよい。配信部4から対象当番担当者への通知は、配信部4が利用者の端末(例えば、31)にメール400(
図1参照)を配信することにより行うことができる。ただし、このような例には限られず、自動音声通話や、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用したメッセージの送信により通知を行うようにしてもよい。対象当番担当者は、対象患者の当番担当となる時間帯の所定時間前に通知を受けることにより、余裕をもって患者を担当することができる。
【0046】
(患者の登録)
次に、新たに患者を追加するために、患者アカウントを新規に登録する方法について説明する。
図10に患者を新たに登録する手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、ステップS101において、端末31~36を利用して表示部(図示せず)の表示を管理メニューに切り替える。次に、ステップS102において、表示部へ患者アカウント一覧を表示する。患者アカウント一覧には、過去に登録された患者のアカウントが存在する場合には、登録済みの患者アカウントが表示される。
【0047】
次に、ステップS103において、患者を登録するために、患者追加ボタンをクリックする。次に、ステップS104において、
図4に示すような患者アカウント登録画面から、各項目を入力する。各項目の情報には、例えば、施設・診療科、氏名、アバター画像、アカウント名、電話番号、メールアドレス、性別、生年月日、データ持出し可否等の情報が含まれる。以上の手順により、患者情報を新規に登録することができる。登録した患者情報は、例えば
図3のように表示することができる。患者を対象患者に設定したか否かに関する情報は
図3に示した患者情報に表示することができる。
【0048】
(対象患者の登録及び削除)
次に、患者を対象患者に登録する方法、及び対象患者の登録を削除する方法について説明する。
図11に対象患者の登録及び削除の手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、ステップS201において、患者一覧から当番対象に登録または削除する患者IDを選択する。次に、ステップS202において、患者の基本情報を表示する。
【0049】
次に、ステップS203において、選択した患者を対象患者として登録するか否かを判断する。選択した患者を対象患者として登録する場合には、ステップS204において、患者の基本情報のうちの当番グループにグループ(例えば、A、B等)を設定する。
【0050】
一方、選択した患者を対象患者として登録しない場合、あるいは既に対象患者として登録済みの対象患者としての登録を削除する場合は、ステップS205において、患者の基本情報のうちの当番グループに空欄を設定する。
【0051】
以上のように、患者を対象患者として登録するか否かを患者の基本情報の当番グループにグループを設定するか、あるいは空欄を設定するかにより行っているため、患者の対象患者への登録及び削除を容易に行うことができる。
【0052】
(担当患者の編集)
次に、利用者がどの患者を担当しているかを表す担当患者情報の編集方法について説明する。
図12に各利用者について担当患者情報を編集する手順を説明するためのフローチャートを示す。利用者は医療・介護多職種連携情報共有システムにログインすると、担当患者情報が患者一覧として表示される。まず、ステップS301において、利用者が使用する端末31等の表示部に担当患者編集画面を表示する。次に、ステップS302において、患者一覧から担当する患者の「担当」欄にチェックを入力する。また、既に登録済みの担当患者の登録を解除する場合は、「担当」欄に入れられているチェックを外すことにより、登録を解除することができる。以上により、各利用者について、どの患者が担当患者であるかを登録することができる。利用者は医療・介護多職種連携情報共有システムに再度ログインすると、担当患者が編集された患者一覧として表示される。
【0053】
(利用者の新規登録)
次に、利用者を新規に登録する方法について説明する。
図13に利用者を新たに登録する手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、ステップS401において、利用者の端末31等の表示部(図示せず)の画面を管理メニューに切り替える。次に、ステップS402において、利用者アカウント一覧画面を表示する。
【0054】
次に、ステップS403において、アカウント追加ボタンをクリックする。次に、ステップS404において、利用者アカウント登録画面から、各項目を入力する。この各項目には、氏名、アバター画像、管理権限・利用権限、施設(〇〇病院)、診療科(内科、外科等)、職種(医師、歯科医、看護師、薬剤師、研究助士、等)、電話番号、メールアドレス、活動状況等が含まれることが好ましい。
【0055】
次に、ステップS405において、ID(アカウント)とパスワードを発行する。利用者は、発行されたIDとパスワードにより医療・介護多職種連携情報共有システムにログインすることができる。
【0056】
(担当編集)
次に、各患者を担当する利用者を設定するための担当編集について説明する。この担当編集は、上述の「担当患者の編集」と同様に、どの患者がどの利用者の担当となっているかを設定するものであるが、この担当編集は、個々の患者に対して担当する利用者を登録するものである。
図14に各患者について担当する利用者を設定する手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、ステップS501において、利用者の端末31等の表示部(図示せず)に、患者アカウント一覧画面から患者を選択した後、担当編集画面を表示する。次に、ステップS502において、患者の担当の割り当て等を編集できる担当管理者を設定する。
【0057】
次に、ステップS503において、担当者一覧から担当する利用者の「担当」欄にチェックする。以上により、個々の患者について、どの利用者が担当者であるかを設定することができる。
【0058】
(当番予定の登録)
次に、対象当番担当者の当番時間帯の設定方法について説明する。
図15に対象当番担当者の当番予定を登録する手順を説明するためのフローチャートを示す。
図16に各グループについて、当番時間帯及び対象当番担当者を設定する画面の例を示す。まず、ステップS601において、当番予定を作成するグループを設定する。具体的には、当番時間帯設定画面900において、グループ設定欄41に設定するグループ名を入力する。グループ名が予め選択されるように設定されている場合は、プルダウンメニューから選択することができる。即ち、グループ設定欄41の右側にある三角形の印をクリックすることにより、入力候補の項目が一覧表示され、その中から選択して入力することができる。
【0059】
次に、ステップS602において、当番予定を作成する月を設定する。具体的には、当番時間帯設定画面900において、開始日時の入力欄42及び終了日時の入力欄44に年月までを入力する。次に、ステップS603において、時間帯テンプレートを利用するか否かを判断する。
【0060】
時間帯テンプレート利用する場合には、時分の値を設定する必要がないため、ステップS604において、開始と終了の年月日をそれぞれ入力する。具体的には、当番時間帯設定画面900において、開始日時の入力欄42及び終了日時の入力欄44に年月日をそれぞれ入力する。
【0061】
一方、時間帯テンプレート利用しない場合は、ステップS605において、開始日時及び終了日時をそれぞれ入力する。具体的には、当番時間帯設定画面900において、開始日時の入力欄42及び終了日時の入力欄44に年月日をそれぞれ入力し、さらに開始時分の入力欄43及び終了時分の入力欄45に時分の値をそれぞれ入力する。
【0062】
次に、ステップS606において、当番担当者を入力する。具体的には、当番時間帯設定画面900において、当番担当者ID入力欄46に当番担当に設定する利用者のIDを入力する。当番担当に設定する利用者を予め決められた利用者の中から選択する場合はプルダウンメニューの中から担当する利用者を選択するようにしてもよい。
【0063】
患者情報配信装置100は、対象当番担当者の識別情報及び当該対象当番担当者の当番時間帯に関する情報をカレンダー上の対応する位置に表示する当番予定表示部7をさらに有することが好ましい。
図17に当番予定カレンダーの表示例を示す。対象当番担当者の識別情報、及び当該対象当番担当者の当番時間帯に関する情報をカレンダー上の対応する位置に表示することにより、どの対象当番担当者が、いつ、どのような時間帯に担当に設定されているかを容易に認識することができる。
【0064】
(当番時間帯とメール配信のタイミングとの関係)
図18に、当番時間帯及びメール配信のタイミングチャートを示す。「当番時間帯」は、実世界において当番医として患者への対応義務がある時間帯である。つまり、普段の主治医は、この時間帯は当番医に対応を引き継いで休んでいる。ただ、当番医が「当番時間帯」への引継ぎ後しか患者情報にアクセスできないと、前もって患者情報の把握ができないため、「当番時間帯」の所定時間前に対象当番担当者にすることで、患者情報にアクセスできるようにする。
【0065】
また「当番時間帯」の終了後も、対象通常担当者への報告や質疑応答があるため、所定時間後まで対象当番担当者にしておくことで、患者情報にアクセスできるようにする。ここで、
図18における当番時間帯の開始日時から所定時間前までの時間と、当番時間帯の終了日時から所定時間後までの時間は、同一でなくてもよい。
【0066】
配信部が対象当番担当者に時間帯及び当番を担当するグループを通知する当番通知メールは、「〇日〇時から当番開始です。」という案内であり、そのメールを受信したら対象当番担当者は患者情報を閲覧できることが望ましい。そのため配信部は、当番時間帯の所定時間前ちょうど(当番開始日時より所定時間1だけ前の時点)、あるいは、それより少し後(当番開始日時より所定時間2だけ前の時点)で、当番通知メールを配信することが好ましい。
【0067】
あるいは、所定時間よりずっと前(患者情報にまだアクセスできない)に、予告として当番通知メールを配信するようにしてもよい。あるいは、所定時間前ちょうどに当番通知メールを配信した後、開始日時の直前に、再度、当番通知メールを配信するようにしてもよい。
【0068】
(患者情報配信方法の手順)
次に、患者情報配信方法の手順について説明する。
図19に本開示の実施形態に係る患者情報配信方法の手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、ステップS701において、当番開始日時の所定時間前の時点に到達したか否かを判断する。当番開始日時の所定時間前の時点に到達していない場合は、ステップS701に戻って、当番開始日時の所定時間前の時点に到達するまで待つ。
【0069】
当番開始日時の所定時間前の時点に到達した場合は、ステップS702において、対象当番担当者を対象患者の当番担当に設定する。さらに、ステップS703において、対象当番担当者にメールを送信して、当番時間帯が迫っていることを通知する。
【0070】
次に、ステップS704において、当番終了日時の所定時間後の時点に到達したか否かを判断する。当番終了日時の所定時間後の時点に到達していない場合は、ステップS704に戻って、当番終了日時の所定時間後の時点に到達するまで待つ。
【0071】
当番終了日時の所定時間後の時点に到達した場合は、ステップS705において、対象当番担当者を対象患者の当番担当から解除する。
【0072】
図20に、本開示の実施形態に係る患者情報配信方法の他の例の手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、ステップS801において、当番開始日時の所定時間1だけ前の時点に到達したか否かを判断する。当番開始日時の所定時間1だけ前の時点に到達していない場合は、ステップS801に戻って、当番開始日時の所定時間1だけ前の時点に到達するまで待つ。
【0073】
当番開始日時の所定時間1だけ前の時点に到達した場合は、ステップS802において、対象当番担当者を対象患者の当番担当に設定する。
【0074】
次に、ステップS803において、当番開始日時の所定時間2だけ前の時点に到達したか否かを判断する。当番開始日時の所定時間2だけ前の時点に到達していない場合は、ステップS803に戻って、当番開始日時の所定時間2だけ前の時点に到達するまで待つ。
【0075】
当番開始日時の所定時間2だけ前の時点に到達した場合は、ステップS804において、対象当番担当者にメールを送信して、当番時間帯が迫っていることを通知する。
【0076】
次に、ステップS805において、当番終了日時の所定時間後の時点に到達したか否かを判断する。当番終了日時の所定時間後の時点に到達していない場合は、ステップS805に戻って、当番終了日時の所定時間後の時点に到達するまで待つ。
【0077】
当番終了日時の所定時間後の時点に到達した場合は、ステップS806において、対象当番担当者を対象患者の当番担当から解除する。
【0078】
以上のように、対象当番担当者に当番時間帯の開始時刻前に対象患者の当番担当となることを通知しているため、対象患者に対して余裕をもって対応することができる。また、対象当番担当者が対象患者の患者情報を閲覧可能な時間帯を、当番時間帯を含む所定時間帯に限定することにより、担当患者に対して適切に対応することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 記憶部
2 設定部
3 管理部
4 配信部
5 対象患者識別表示部
6 当番担当者識別表示部
7 当番予定表示部
10 サーバ
31~36 端末
100 患者情報配信装置
200 ネットワーク
500 患者情報