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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】電動遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/323 20060101AFI20231027BHJP
   E06B 9/38 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
E06B9/323
E06B9/38
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019159124
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021038530
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 修一
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-114796(JP,U)
【文献】特許第3711342(JP,B2)
【文献】特開2015-025270(JP,A)
【文献】特開昭61-109890(JP,A)
【文献】特許第4791447(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びるヘッドボックスと、制御基板と、通信モジュールを備え、
前記ヘッドボックスの内部において前記制御基板から前記通信モジュールを前記長手方向に突出させ、前記通信モジュールのアンテナ部を前記ヘッドボックスの開口面に対向させて配置した、電動遮蔽装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電動遮蔽装置であって、
前記通信モジュールは、前記アンテナ部が、前記開口面との間において前記制御基板又はこれに装着された部材で電波の進行を阻止しないように覆わないように構成され、前記制御基板に装着され電気的に接続される、電動遮蔽装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電動遮蔽装置であって、
前記ヘッドボックスは金属から成り、前記開口面は前記長手方向全長に渡り形成される、電動遮蔽装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の電動遮蔽装置であって、
前記通信モジュールは、前記制御基板の一端に電気的接点を設け、隣接するように位置に配置される、電動遮蔽装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電動遮蔽装置であって、
前記通信モジュールのアンテナ部は平面状であって、前記平面状のアンテナ部は、前記開口面と平行となるように配設する電動遮蔽装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の電動遮蔽装置であって、
前記開口面は、前記ヘッドボックスの上面に設けられ、
前記ヘッドボックスの底面に前記制御基板及び前記アンテナ部を配設し、
前記アンテナ部は、前記ヘッドボックスの上面に向けられる、電動遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動で遮蔽材の開閉を行う電動遮蔽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の電動横型ブラインドでは、有線接続された操作スイッチを用いて、ヘッドボックス内のモーターを制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-29262号公報
【文献】特開2005-179994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操作性を向上させるために、RFリモコンなどの無線リモコンの採用が望まれている。無線リモコンを実現するには、ヘッドボックス内に無線通信のための通信モジュールを組み込む必要があるが、電波感度の低下を抑制しつつ、ヘッドボックス内の限られたスペースに通信モジュールを組み込むことは容易ではない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、通信モジュールの電波感度の低下が抑制された、電動遮蔽装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、ヘッドボックスと、制御基板と、通信モジュールを備え、前記制御基板から前記通信モジュールを突出させ、前記通信モジュールのアンテナ部の電波が進行する向きを前記ヘッドボックスの開口面へ向かうように配置する、電動遮蔽装置が提供される。
【0007】
本発明の構成では、アンテナ部の電波がヘッドボックス外に伝わりやすいので、電波感度の低下が抑制される。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す種々の実施形態は、互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載の電動遮蔽装置であって、前記通信モジュールは、前記アンテナ部が、前記開口面との間において前記制御基板又はこれに装着された部材で電波の進行を阻止しないように覆わないように構成され、前記制御基板に装着され電気的に接続される、電動遮蔽装置である。
好ましくは、前記記載の電動遮蔽装置であって、前記ヘッドボックスは金属から成り、前記開口面は長手方向全長に渡り形成される、電動遮蔽装置である。
好ましくは、前記記載の電動遮蔽装置であって、前記通信モジュールは、前記制御基板の一端に電気的接点を設け、隣接するように位置に配置される、電動遮蔽装置である。
好ましくは、前記記載の電動遮蔽装置であって、前記通信モジュールのアンテナ部は平面状であって、前記平面状のアンテナ部は、前記開口面と平行となるように配設する電動遮蔽装置である。
好ましくは、前記記載の電動遮蔽装置であって、前記開口面は、前記ヘッドボックスの上面に設けられ、前記ヘッドボックスの底面に前記制御基板及び前記アンテナ部を配設し、前記アンテナ部は、前記ヘッドボックスの上面に向けられる、電動遮蔽装置である。
【0009】
本発明の別の観点によれば、ヘッドボックスと、モーターと、制御基板と、駆動軸と、カバーと、保護シートを備え、前記制御基板は、前記モーターの回転を制御し、前記駆動軸は、前記モーターの回転に伴って回転し、前記カバーは、前記ヘッドボックスの上面開口の少なくとも一部を覆い、前記保護シートは、前記モーターと前記制御基板の間において、前記カバーと前記駆動軸の間に配置され、前記モーターと前記制御基板を繋ぐケーブルは、前記カバーと前記保護シートの間を通るように配置される、電動遮蔽装置が提供される。
好ましくは、前記記載の電動遮蔽装置であって、前記駆動軸の回転に伴って回転する回転部材と、前記回転部材を回転可能に支持するサポート部材を備え、前記回転部材及び前記サポート部材は、前記モーターと前記制御基板の間に配置され、前記保護シートは、前記サポート部材に被さるように配置される、電動遮蔽装置である。
【0010】
本発明の別の観点によれば、上面開口を有するヘッドボックスと、前記上面開口の少なくとも一部を塞ぐカバーと、前記ヘッドボックス内に配置された電源基板と、前記電源基板に一端が連結される電源コードを備え、前記カバーは、前記カバーの長手方向の端に切り欠きを備え、前記電源コードは、前記切り欠きを通じて前記ヘッドボックス外に導出されている電動遮蔽装置が提供される。
好ましくは、前記記載の電動遮蔽装置であって、前記電源コードが前記ヘッドボックスの内面に統制可能に固定されている、電動遮蔽装置である。
好ましくは、前記記載の電動遮蔽装置であって、前記電源コードは、AC電源コードである、電動遮蔽装置である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態の電動横型ブラインド1の斜視図である。
図2図1の状態からサイドキャップ2s及びカバー2cを外し、ヘッドボックス2の前壁2fを除いた状態での、ヘッドボックス2及びその内部構造の斜視図である。
図3図3Aは、サイドキャップ2s及びカバー2cが取り付けられた状態での図2の領域Aに相当する部位の拡大図であり、図3Bは、図2の領域Aの拡大図である。
図4図4Aは、図2の領域Bの拡大図であり、図4Bは、図4Aからケーブル7a,10a及び保護シート18を除いた状態の図である。
図5図5Aは、図2中の制御基板16及びエンコーダユニット20の拡大図であり、図5Bは、図5Aからケース20aを除いた状態の図である。
図6図6A図6Bは、それぞれ、制御基板16がヘッドボックス2に装着された状態での、図5A中の点A及びBを通り且つヘッドボックス2の長手方向に垂直な断面を左から右に向かって見た断面図である。
図7図2中のモーター7,10及び防振材19近傍の構成の拡大図である。
図8図7の分解斜視図である。
図9】連結具7dの分解斜視図である。
図10】連結具7dの断面図である。
図11図11は、第2実施形態の制御基板16近傍の構成を示し、図11A及び図11Bは、別々の角度からみた斜視図である。
図12】第2実施形態の制御基板16及びこれに装着された部材がヘッドボックス2に装着された状態を示す。
図13】第3実施形態の制御基板16近傍の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて、本発明の種々の実施形態を説明する。以下に示す種々の実施形態は、互いに組み合わせ可能である。
【0013】
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態の電動横型ブラインド(「電動遮蔽装置」の一例)1について説明する。
【0014】
1-1.全体構成
図1図4に示すように、電動横型ブラインド1は、ヘッドボックス2と、ラダーコード3と、昇降コード4と、スラット群(「遮蔽材」の一例)5と、ボトムレール6を備える。ラダーコード3及び昇降コード4は、ヘッドボックス2から吊り下げられている。電動横型ブラインド1は、取付ブラケット15を介して窓枠などに取付可能になっている。
【0015】
スラット群5及びボトムレール6は、ラダーコード3によって支持されている。ラダーコード3は、一対の縦糸の間に横糸が複数段設けられて構成されている。スラット群5は、複数段のスラット5aで構成される。
【0016】
ボトムレール6は、スラット群5の下側に配置される。ボトムレール6には、ラダーコード3の下端及び昇降コード4の下端が連結されている。ボトムレール6は、昇降コード4によって昇降可能になっており、ボトムレール6の昇降に伴って、スラット群5が昇降する。
【0017】
図2図4に示すように、ヘッドボックス2内には、昇降モーター(「モーター」の一例)7と、昇降軸(「駆動軸」の一例)8と、巻取筒(「回転部材」の一例)9と、チルトモーター(「モーター」の一例)10と、チルト軸(「駆動軸」の一例)11と、チルタードラム(「回転部材」の一例)12と、サポート部材13と、エンコーダユニット20と、制御基板16と、電源基板17が設けられている。モーター7,10の出力軸は、連結具7d,10dを介して昇降軸8及びチルト軸11に連結されている。モーター7,10は、防振材19によってヘッドボックス2に固定されている。
【0018】
巻取筒9は昇降コード4と同数設けられている。チルタードラム12はラダーコード3と同数設けられている。巻取筒9とチルタードラム12は、サポート部材13によって回転可能に支持されている。
【0019】
昇降モーター7の回転に伴って昇降軸8が回転し、昇降軸8の回転に伴って巻取筒9が回転する。昇降コード4の上端が巻取筒9に連結されており、巻取筒9の回転に伴って昇降コード4が巻取筒9に巻き取り又は巻き戻しされることによって、ボトムレール6が昇降する。
【0020】
チルトモーター10の回転に伴ってチルト軸11が回転し、チルト軸11の回転に伴ってチルタードラム12が回転する。ラダーコード3は、一対の縦糸の上端がチルタードラム12に連結されている。チルタードラム12の回転に伴ってラダーコード3も回転して、スラット群5の傾斜角度が変化する。
【0021】
図3に示すように、ヘッドボックス2は、底壁2bと、前壁2fと、後壁2rを備える。前壁2fと後壁2rは、それぞれ、底壁2bの前縁及び後縁から立ち上がるように設けられる。ヘッドボックス2の両端の開口はサイドキャップ2sで塞がれている。ヘッドボックス2の上面の開口面2dの少なくとも一部は、カバー2cで塞がれている。開口面2dは、ヘッドボックス2の長手方向全長に渡って形成されている。
【0022】
図3Bに示すように、電源基板17は、基板固定具17cによって後壁2rに固定されている。電源基板17には、AC電源コード17aの一端が接続されている。AC電源コード17aの他端にはコンセントプラグ17bが設けられている。コンセントプラグ17bをコンセントに差し込むことによって、電源基板17にAC電力を供給可能になっている。電源基板17は、AC電力をDC電力に変換する機能を有し、不図示のケーブルを介して、DC電力が制御基板16に供給される。AC電源コード17aは、コード固定具17dによってヘッドボックス2の内面に統制可能に固定されている。これによって、AC電源コード17aを引っ張ったときにAC電源コード17aが電源基板17から外れることが抑制される。また、AC電源コード17aは、ヘッドボックス2の上面開口を通じてヘッドボックス2外に導出され、より具体的には、カバー2cに設けられた切り欠き2c1を介してヘッドボックス2外に導出される。このような構成では、AC電源コード17aを孔に通す必要がないので作業性が良好であり、サイドキャップ2sに開口を設ける必要がないので、側面からの意匠性が優れている。本実施形態では、切り欠き2c1は、カバー2cの長手方向の端に設けているが、カバー2cの長手方向の端の近傍において、カバー2cの前縁又は後縁に設けてもよい。
【0023】
制御基板16には、モーター7,10等の制御に必要なプログラムが記録されており、電動横型ブラインド1はこのプログラムに従って動作する。図4Aに示すように、モーター7,10は、それぞれ、ケーブル7a,10aを介して制御基板16に接続されており、ケーブル7a,10aを通じて給電及び制御が可能になっている。ケーブル7a,10aの制御基板16側の端部は、コネクタ7b,10bを介して制御基板16に連結されている。ケーブル7a,10aのモーター7,10側の端部は、モーター端子7c,10cに接続されている。図4Bに示すように、コネクタ7b,10bとモーター端子7c,10cの間には、エンコーダユニット20、巻取筒9及びサポート部材13、防振材19、モーター7,10が存在している。巻取筒9及びサポート部材13は、モーター7,10と制御基板16の間に配置されている。ケーブル7a,10aが底壁2bに沿って配線されると、ケーブル7a,10aが絡まったり、ケーブル7a,10aの繋ぎ間違いをしてしまったり、ケーブル7a,10aがモーター7,10の熱によって劣化してしまったりする虞があるという課題がある。そこで、本実施形態では、モーター7,10と制御基板16の間において、カバー2cと昇降軸8の間に保護シート18を配置し、ケーブル7a,10aがカバー2cと保護シート18の間を通るように配線している。このような構成によれば、上述した課題が解決される。保護シート18は、一例では、エンコーダユニット20、巻取筒9及びサポート部材13、防振材19の少なくとも1つに被さるように配置される。
【0024】
図5に示すように、制御基板16の長手方向の一端及び他端の近傍にはブラケット16a及びエンコーダユニット20が装着されている。図6Aに示すように、ブラケット16aは、溝状の係合部16a3を備え、制御基板16の縁が係合部16a3に係合されることによってブラケット16aが制御基板16に装着される。図6Bに示すように、エンコーダユニット20は、下方に突出する突起20dと爪部20eで構成される係合部20fを備え、制御基板16の縁が係合部20fに係合されることによってエンコーダユニット20が制御基板16に装着される。制御基板16は、位置決め部16fを備え、爪部20eが位置決め部16fに嵌合される。
【0025】
ブラケット16aは、第1及び第2アーム16a1,16a2を備える。ヘッドボックス2の前壁2f及び後壁2rには、それぞれ、長手方向に延びるレール2f1,2r1が設けられている。ブラケット16aは、ヘッドボックス2の端部からヘッドボックス2内に挿入され、レール2f1,2r1に沿って所望の位置にスライド移動可能に構成される。ブラケット16aは、アーム16a1,16a2の上面がレール2f1,2r1に沿うようにスライド移動する。アーム16a2には、ヘッドボックス2の後壁(側壁の一例)2rに向かって突出する突起16a4が設けられている。後壁2rに設けられた不図示の孔部に突起16a4が挿入されることで、ブラケット16aがヘッドボックス2の長手方向に位置決めされる。
【0026】
エンコーダユニット20は、ヘッドボックス2の端部からヘッドボックス2内に挿入され、レール2f1,2r1に沿って所望の位置にスライド移動可能に構成される。エンコーダユニット20は、エンコーダユニット20の上面がレール2f1,2r1の下面に沿うようにスライド移動する。エンコーダユニット20には、ヘッドボックス2の後壁(側壁の一例)2rに向かって突出する突起20gが設けられている。突起20gが後壁2rに当接することでエンコーダユニット20が安定的に支持される。
【0027】
なお、ブラケット16a及びエンコーダユニット20を装着した制御基板16は、ヘッドボックス2の上面の開口面2dから底面に向かって押し込むことによってヘッドボックス2に係合させたり、ヘッドボックス2の上面の開口面2dを工具で前後方向に広げながらヘッドボックス内に収容するようにしたりしてもよい。
【0028】
このように、ブラケット16a及びエンコーダユニット20によって制御基板16がヘッドボックス2の底面に装着される。
【0029】
図5に示すように、エンコーダユニット20は、ケース20aと、カバー20bと、複数の(第1及び第2)エンコーダ8a,11aを備える。エンコーダ8a,11aによって、昇降軸8及びチルト軸11の回転角度が検出可能になる。エンコーダ8a,11aは、ケース20aとカバー20bで構成される筐体内に収容されている。エンコーダ8a,11aは、ヘッドボックス2の前後方向に並列に並ぶように配置される。このような構成によれば、省スペースで部品の配置が可能である。エンコーダ8a,11aは、第1及び第2回転ディスク8a1,11a1を備える。回転ディスク8a1,11a1は、回転可能に支持されている。複数のエンコーダ8a,11aは、複数の(第1及び第2)光センサ8a2,11a2を備える。第1及び第2光センサは、筐体に配置されていてもよく、制御基板16に配置されていてもよい。複数の光センサ8a2,11a2は、制御基板16に電気的に接続されており、複数の光センサ8a2,11a2からの電気信号は、制御基板16に設けられたCPUに個別に伝達される。
【0030】
図5に示すように、制御基板16には、切り欠き16bが設けられており、エンコーダユニット20は、底壁2bに向かって突出する脚部20cが切り欠き16b内に配置されるように制御基板16に装着される。切り欠き16bは、制御基板16の一部がエンコーダユニット20よりも制御基板16の長手方向の外側に突出した突出部16cとなる深さとなっており、突出部16cには通信モジュール16dが配置されている。通信モジュール16dは、電動横型ブラインド1の操作に用いる無線リモコンとの間で制御信号の授受を行う機能を有する。このような位置に通信モジュール16dを配置することによって制御信号の受信感度が高められる。図6に示すように、通信モジュール16dは、制御基板16からヘッドボックス2の開口面2dに向かって突出している。通信モジュール16dの上面には、不図示のアンテナ部が設けられており、アンテナ部からの電波は、開口面2dに向かって進行する。ヘッドボックス2が金属から成る場合、ヘッドボックス2は電波を通過させにくいが、アンテナ部の電波が進行する向きを開口面2dに向けることによって、アンテナ部からの電波の減衰が抑制される。開口部2dは、カバー2cで覆われているが、カバー2cは樹脂製であるので、カバー2cによる電波の減衰は小さい。なお、開口面2dは、ヘッドボックス2の側面や底面に設けてもよい。
【0031】
アンテナ部は、平面状であることが好ましく、平面状のアンテナ部は、開口面2dと平行になるように配設することが好ましい。また、アンテナ部が、制御基板16又はこれに装着された部材(例:エンコーダユニット20)で覆われていると電波が減衰するので、アンテナ部は、開口面2dとの間において制御基板16又はこれに装着された部材で電波の進行を阻止しないように覆わないように構成することが好ましい。さらに、アンテナ部は、制御基板16に装着され電気的に接続されることが好ましい。
【0032】
図7図8に示すように、防振材19は、開口部19a,19bを有し、開口部19a,19bにモーター7,10を挿入することによってモーター7,10を収容する。防振材19は、モーター7,10の四方から囲み、モーター7,10の間に壁19cを備える。防振材19は、外周面の少なくとも1面に凹凸構造19dを有する。モーター7,10は、防振材19に収容された状態でヘッドボックス2に固定される。モーター7,10は、ヘッドボックス2の前後方向に並列に並ぶ。防振材19はゴム製であることが好ましく、シリコーンゴム製であることがさらに好ましい。防振材19は、ヘッドボックス2との接触面が最も大きな面の肉厚が最も大きい。本実施形態では、防振材19は、ヘッドボックス2の底面との接触面が最も大きいので、防振材19のうちヘッドボックス2の底面に接触する面の肉厚が最も大きくなっている。
【0033】
図9図10に示すように、連結具7dは、第1部材7d1と、第2部材7d2と、連結ピン7d3を備える。連結ピン7d3は、第1部材7d1と第2部材7d2が所定範囲(本実施形態では60度)内で相対回転可能に第1部材7d1と第2部材7d2を連結する、所定範囲は、例えば、10~180度であり、好ましくは、20~120度であり、さらに好ましくは、30~90度である。
【0034】
第1部材7d1は、内側連結部7d11と、軸挿入筒7d12を備える。第2部材7d2は、外側連結部7d21と、軸挿入筒7d22を備える。軸挿入筒7d12には、昇降モーター7の出力軸7eが挿入され、固定ネジ孔7d13に固定ネジを螺合させて出力軸7eを軸挿入筒7d12に固定させる。軸挿入筒7d22には、昇降軸8が挿入され、固定ネジ孔7d23に固定ネジを螺合させて昇降軸8を軸挿入筒7d22に固定させる。
【0035】
内側連結部7d11には長孔7d14が設けられている。外側連結部7d21には、収容凹部7d24と、ピン挿入孔7d25が設けられている。ピン挿入孔7d25は、収容凹部7d24に繋がるように設けられている。内側連結部7d11を収容凹部7d24内に収容した状態で連結ピン7d3をピン挿入孔7d25及び長孔7d14に挿入することによって、内側連結部7d11と外側連結部7d21が連結される。連結ピン7d3は長孔7d14内を移動可能になっており、内側連結部7d11は、外側連結部7d21に対して、連結ピン7d3が長孔7d14内を移動可能な範囲(本実施形態では60度)内で相対回転可能になっている。このような構成によれば、モーター7の振動が昇降軸8に伝わりにくい。
【0036】
巻取筒9には特許文献2と同様の構成のクラッチを備える障害物検知停止装置が組み込まれており、モーター7の振動によって障害物検知停止装置が誤作動して、昇降軸8の回転が意図せずして停止してしまう虞がある。しかし、本実施形態では、上記構成の連結具7dを介してモーター7の出力軸7eが昇降軸8に連結されているので、モーター7の振動に伴う誤作動が抑制される。
【0037】
2.第2実施形態
図11を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、通信モジュール16dの構成の違いが主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0038】
本実施形態では、通信モジュール16dは、制御基板16とは別体になっている。制御基板16の一端に不図示の電気的接点が設けられており、通信モジュール16dに設けられた電気的接点と制御基板16の電気的接点が接触するように通信モジュール16dを装着することによって、制御基板16と通信モジュール16dの間での信号の授受が可能になっている。制御基板16の電気的接点は、制御基板16の下面に設けられており、通信モジュール16dは、制御基板16の下面に装着される。さらに、通信モジュール16dと制御基板16の間にスペーサー16d1が設けられているので、通信モジュール16dは、制御基板16の下面から突出した位置に設けられている。このため、通信モジュール16dは、制御基板16からのノイズの影響を受けにくくなっている。
【0039】
通信モジュール16dは、アンテナ部16d2を有しており、アンテナ部16d2は、制御基板16の一端に設けられた切り欠き16bにおいて、制御基板16から長手方向に突出している。このため、アンテナ部16d2が制御基板16やこれに装着された部材に覆われることがなく、電波の減衰が抑制される。また、図12に示すように、アンテナ部16d2の電波が進行する向きがヘッドボックス2の開口面2dに向いている点は、第1実施形態と同様である。
【0040】
3.第3実施形態
図13を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に類似しており、通信モジュール16d及び制御基板16の構成の違いが主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0041】
本実施形態では、通信モジュール16dのアンテナ部16d2は、制御基板16の下方に突出をした位置に設けられているが、制御基板16の長手方向には突出していない。制御基板16には、開口部16eが設けられており、アンテナ部16d2が開口部16eによって覆われないようになっているので、第2実施形態と同様に電波の減衰が抑制される。
【0042】
4.その他の実施形態
本発明は、以下の形態でも実施可能である。
・上記実施形態の構成は、電動横型ブラインド以外にも任意の電動遮蔽装置(例えば、電動プリーツスクリーン、電動ローマンシェード)にも適用可能である。
・上記実施形態では、2つのモーターは、昇降モーターとチルトモーターであるが、2つの遮蔽材が前後方向又は上下方向に並んで配置される電動遮蔽装置に設けられる2つの昇降モーターであってもよい。同様に、上記実施形態では、2つの軸は、昇降軸とチルト軸であるが、2つの昇降軸であってもよい。
・連結具7dは、任意の2つの軸の連結に利用可能である。
・上記実施形態では、エンコーダ8a,11aは、一体の筐体内に収容されているが、別々の筐体内に収容してもよい。
・エンコーダ8a,11aは、前後方向に並列に並ばないように配置してもよい。
・上記実施形態の電動遮蔽装置は、RFリモコンと赤外線リモコンとを双方のリモコンで操作可能であるので、操作性が優れている。・上記実施形態の電動遮蔽装置を複数台設置する場合、中央制御装置からブロードキャスト通信によって複数台の電動遮蔽装置を同じタイミングで動作させることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 :電動横型ブラインド
2 :ヘッドボックス
2b :底壁
2c :カバー
2c1 :切り欠き
2d :開口面
2f :前壁
2f1 :レール
2r :後壁
2r1 :レール
2s :サイドキャップ
3 :ラダーコード
4 :昇降コード
5 :スラット群
5a :スラット
6 :ボトムレール
7 :昇降モーター
7a :ケーブル
7b :コネクタ
7c :モーター端子
7d :連結具
7d1 :第1部材
7d11 :内側連結部
7d12 :軸挿入筒
7d13 :固定ネジ孔
7d14 :長孔
7d2 :第2部材
7d21 :外側連結部
7d22 :軸挿入筒
7d23 :固定ネジ孔
7d24 :収容凹部
7d25 :ピン挿入孔
7d3 :連結ピン
7e :出力軸
8 :昇降軸
8a :エンコーダ
8a1 :第1回転ディスク
8a2 :第1光センサ
9 :巻取筒
10 :チルトモーター
10a :ケーブル
10b :コネクタ
10c :モーター端子
10d :連結具
11 :チルト軸
11a :エンコーダ
11a1 :第2回転ディスク
11a2 :第2光センサ
12 :チルタードラム
13 :サポート部材
15 :取付ブラケット
16 :制御基板
16a :ブラケット
16a1 :第1アーム
16a2 :第2アーム
16a3 :係合部
16a4 :突起
16b :切り欠き
16c :突出部
16d :通信モジュール
16d1 :スペーサー
16d2 :アンテナ部
16e :開口部
17 :電源基板
17a :AC電源コード
17b :コンセントプラグ
17c :基板固定具
17d :コード固定具
18 :保護シート
19 :モーターブラケット
19a :開口部
19b :開口部
20 :エンコーダユニット
20a :ケース
20b :カバー
20c :脚部
20d :突起
20e :係合爪
20f :係合部
20g :突起
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