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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20231027BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20231027BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20231027BHJP
   G06F 21/45 20130101ALI20231027BHJP
【FI】
H04L12/28 500F
H04M11/00 301
G06F21/44
G06F21/45
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020043182
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021144513
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100148518
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134038
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 薫央
(74)【代理人】
【識別番号】100150968
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 悠有子
(72)【発明者】
【氏名】巖 憲介
(72)【発明者】
【氏名】本間 誠
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 徹
(72)【発明者】
【氏名】豊田 聡史
(72)【発明者】
【氏名】小竹 宏
(72)【発明者】
【氏名】武田 賢司
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/172046(WO,A1)
【文献】特開2015-002543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H04M 11/00
G06F 21/44
G06F 21/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して相互に通信可能なIoT機器と、外部サーバと、前記IoT機器の複数のユーザが所有する複数の情報端末と、を備える通信システムであって、
各前記情報端末は、
前記IoT機器と前記情報端末との間で新規な接続が確立される毎に、前記IoT機器と前記外部サーバとの間の接続で使用される機器認証情報を生成し、
各前記ユーザに固有のユーザ情報を用いて前記外部サーバと接続し、前記ユーザ情報は、前記各情報端末が生成した前記機器認証情報に関連付けて前記外部サーバに記憶されており、
前記IoT機器は、
前記情報端末により生成される一の前記機器認証情報のみを保有し、
一の前記情報端末より前記一の機器認証情報と異なる他の前記機器認証情報を用いて前記外部サーバに接続する要求を受け付けた場合、前記一の認証情報を用いた接続を初期化した後に前記他の機器認証情報を用いて接続し、
前記IoT機器に関する情報である機器情報を、保有する前記機器認証情報と関連付けて前記外部サーバに送信し、
前記外部サーバは、
前記機器情報を前記機器認証情報毎に異なる記憶領域を割り当て記憶し、
各前記情報端末より前記機器情報の閲覧を要求された場合、要求した前記情報端末の前記ユーザ情報に関連付けられた前記機器認証情報に割り当てられた前記記憶領域に記憶された前記機器情報を供給する、通信システム。
【請求項2】
前記IoT機器が前記一の情報端末より受け付けた前記要求は、前記IoT機器が前記一の認証情報を既に保有する場合に、前記外部サーバとの間で新規な接続を確立する指示である、請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記機器情報は、前記IoT機器の使用履歴を含む情報である請求項2記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して相互に通信可能なIoT機器と、外部サーバと、情報端末と、を備える通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、風呂機能などを備える給湯装置がインターネットに接続して、いわゆるIoT(Internet of Things)を利用することにより、スマートフォンなどの情報端末と連携し、ユーザの利便性を高めることが行われている。情報端末は、外出先から給湯装置を遠隔操作したり、給湯装置の稼働状況や使用履歴などの情報を閲覧したりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-097027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給湯装置の情報を外部サーバに送信することにより利便性は高まる一方、セキュリティに対する課題も存在する。例えば、賃貸住宅など入居者が都度変更される場合、住宅に据え付けられている給湯装置のユーザはその都度変更される。退去者が情報端末と給湯装置との接続を解除しないまま退去した場合、給湯装置のユーザが変更されたにもかかわらず、引き続き退去者により給湯装置の情報閲覧や遠隔操作が行われてしまう虞がある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、ユーザ変更時のセキュリティが確保できる通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る通信システムは、上述した課題を解決するために、ネットワークを介して相互に通信可能なIoT機器と、外部サーバと、前記IoT機器の複数のユーザが所有する複数の情報端末と、を備える通信システムであって、各前記情報端末は、前記IoT機器と前記情報端末との間で新規な接続が確立される毎に、前記IoT機器と前記外部サーバとの間の接続で使用される機器認証情報を生成し、各前記ユーザに固有のユーザ情報を用いて前記外部サーバと接続し、前記ユーザ情報は、前記各情報端末が生成した前記機器認証情報に関連付けて前記外部サーバに記憶されており、前記IoT機器は、前記情報端末により生成される一の前記機器認証情報のみを保有し、一の前記情報端末より前記一の機器認証情報と異なる他の前記機器認証情報を用いて前記外部サーバに接続する要求を受け付けた場合、前記一の認証情報を用いた接続を初期化した後に前記他の機器認証情報を用いて接続し、前記IoT機器に関する情報である機器情報を、保有する前記機器認証情報と関連付けて前記外部サーバに送信し、前記外部サーバは、前記機器情報を前記機器認証情報毎に異なる記憶領域を割り当て記憶し、各前記情報端末より前記機器情報の閲覧を要求された場合、要求した前記情報端末の前記ユーザ情報に関連付けられた前記機器認証情報に割り当てられた前記記憶領域に記憶された前記機器情報を供給する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る通信システムにおいては、ユーザ変更時のセキュリティが確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る通信システムの一実施形態を示すシステム構成図。
図2】風呂給湯システムの機能構成を示す概略的な機能ブロック図。
図3】外部サーバの機能構成を示す概略的な機能ブロック図。
図4】情報端末の機能構成を示す概略的な機能ブロック図。
図5】本実施形態におけるリモコン制御部により実行される給湯システム側登録処理を説明するフローチャート。
図6】新規登録処理として風呂給湯システム、外部サーバおよび情報端末間で実行される処理を説明するシーケンス図。
図7】追加登録処理として風呂給湯システム、外部サーバおよび情報端末間で実行される処理を説明するシーケンス図。
図8】初期化後新規登録処理として風呂給湯システム、外部サーバおよび情報端末間で実行される処理を説明するシーケンス図。
図9】リモコンのリモコン表示部の表示例を示す遷移図。
図10】端末制御部により実行される情報端末側登録処理を説明するフローチャート。
図11】情報端末の端末表示部の表示例を示す遷移図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る通信システムの一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
本発明に係る通信システムにおいて、例えば、ネットワークとして、インターネットなどの情報通信網を適用できる。IoT機器としては、例えば、宅内に据え付けられる風呂給湯システム、空調システム、床暖房システムなどの住居設備を適用できる。外部サーバとしては、例えば、宅外に配置されネットワークに接続されたクラウドコンピューティングシステムを適用できる。情報端末としては、例えば、宅内および宅外で使用可能なスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどであり、無線または有線でネットワークに接続可能な機器を適用できる。
【0011】
図1は、本発明に係る通信システムの一実施形態を示すシステム構成図である。
【0012】
図2は、風呂給湯システム10の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
【0013】
図3は、外部サーバ30の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
【0014】
図4は、情報端末40の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
【0015】
以下の説明においては、特にIoT機器が宅内5に配置される風呂給湯システム10である例を適用して説明する。「宅内5」は、住宅の内部や、住宅の外部であって住宅の敷地内(住宅の外壁周辺など)を含む。「宅外6」は、宅内5以外の場所である。
【0016】
通信システム1は、ネットワーク2を介して相互に通信可能な風呂給湯システム10と、外部サーバ30と、情報端末40と、を備える。通信システム1においては、風呂給湯システム10がネットワーク2に接続して、いわゆるIoT(Internet of Things)を利用することにより、情報端末40と連携する。情報端末40は、宅内5や宅外6(外出先)から風呂給湯システム10を遠隔操作したり、使用履歴などの情報を閲覧したりすることができる。
【0017】
風呂給湯システム10は、給湯ユニット11と、給湯回路や風呂循環回路(図示せず)と、リモコン15と、を主に有する。
【0018】
給湯ユニット11は、貯湯タンクおよびヒートポンプを有する。給湯ユニット11は、給湯回路や風呂循環回路を介して浴室(風呂、浴槽)や台所に温水を供給したり、風呂循環回路を介して浴槽から供給される湯水を加温したりする。図2に示すように、給湯ユニット11は、給湯ユニット制御部12と、給湯ユニット記憶部13と、給湯ユニット通信部14と、を有する。給湯ユニット制御部12は、CPU(Central Processing Unit)を有し、給湯ユニット記憶部13に予め記憶されているプログラムに従って給湯ユニット11を電気的に制御する。給湯ユニット記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、給湯ユニット制御部12の制御に必要な各種プログラムや、データを記憶する。給湯ユニット通信部14は、リモコン通信部20と接続され、給湯ユニット11とリモコン15とを双方向に通信可能にする。
【0019】
給湯回路や風呂循環回路は、浴室内の浴槽や、シャワー、カラン、台所のカランなどと接続され、貯湯タンクの湯水を浴室や台所に供給したり、浴槽の湯水を浴槽と貯湯タンクとの間で循環させたりする。給湯回路や風呂循環回路および給湯ユニット11は、温度センサ、流量センサ、水位センサ、などのセンサ類を有する。これらセンサ類から得られる情報は、主に給湯ユニット制御部12に供給され、リモコン15の表示に必要な情報や外部サーバ30が必要とする情報がリモコン制御部16に供給される。
【0020】
リモコン15は、浴室や台所に配置され、ユーザから各種指示を受け付けたり、情報を表示したりする。図2に示すように、リモコン15は、リモコン制御部16と、リモコン記憶部17と、リモコン入力部18と、リモコン表示部19と、リモコン通信部20と、を有する。
【0021】
リモコン制御部16は、CPU(Central Processing Unit)を有し、リモコン記憶部17に予め記憶されているプログラムに従ってリモコン15を制御する。例えば、リモコン制御部16は、リモコン入力部18または情報端末40を介して受け付けるユーザの指示に基づいて制御し、指示を実行する。具体的には、リモコン制御部16は、指示された給湯設定温度や、風呂設定温度、設定湯量などに基づいて給湯運転、風呂自動運転、風呂追いだき運転などを実行する。リモコン制御部16からの指示を受け付けた給湯ユニット制御部12は、センサ類から得られた情報に基づいて各種弁などの作動を制御する。なお、本実施形態においては、説明の簡略化のためリモコン制御部16が、給湯ユニット11を含む風呂給湯システム10の各部を統括的に制御する例を適用して、以下説明する。
【0022】
リモコン記憶部17は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、リモコン制御部16の制御に必要な各種プログラムや、データを記憶する。リモコン入力部18は、ユーザから指示を受け付ける、例えばボタン類である。リモコン表示部19は、ユーザに情報を表示する、例えばディスプレイである。リモコン通信部20は、有線または無線で他の機器とリモコン15とを通信可能に接続する。具体的には、リモコン通信部20は、上述の通り給湯ユニット通信部14と接続することにより、リモコン15と給湯ユニット11とを通信可能に接続する。また、リモコン通信部20は、ルータ3を介してリモコン15をネットワーク2に接続し、ネットワーク2を介して他の機器と所要の情報を送受信する。
【0023】
ルータ3は、宅内5(リモコン15と通信可能な範囲内)に配置され、ルータ3と接続された機器をネットワーク2に接続する。ルータ3は、無線LAN(Local Area Network)通信のアクセスポイントとしての機能も有する。また、ルータ3は、風呂給湯システム10および情報端末40の間で登録処理が行われる場合の初期には、セキュリティ確保のため、同じルータ3(およびルータ3の配下の図示しない中継器)を介した通信のみを許容する。
【0024】
外部サーバ30は、例えば、いわゆるクラウドコンピューティングを利用して実現され、ネットワーク2を介してリモコン15や情報端末40と接続される。図3に示すように、外部サーバ30は、サーバ制御部31と、サーバ記憶部32と、サーバ通信部33と、を有する。サーバ制御部31は、CPU(Central Processing Unit)を有し、サーバ記憶部32に予め記憶されているプログラムに従って外部サーバ30を制御する。
【0025】
サーバ記憶部32は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などからなり、サーバ制御部31の制御に必要な各種プログラムや、データを記憶する。特に、サーバ記憶部32は、風呂給湯システム10から送信される風呂給湯システム10の稼働情報、使用履歴などを含む機器情報を適宜記憶する。サーバ記憶部32は、風呂給湯システム10に関する機器情報を記憶する際、後述する機器認証情報(機器IDなど)毎に異なる記憶領域を割り当て、記憶する。すなわち、サーバ記憶部32(外部サーバ30)は、風呂給湯システム10単位で記憶領域(処理領域)を設定するのではなく、同一の風呂給湯システム10であっても、機器認証情報が異なれば(追加されれば)、異なる記憶領域を設定(追加)する。
【0026】
サーバ通信部33は、外部サーバ30をネットワーク2に接続し、ネットワーク2を介して、風呂給湯システム10および情報端末40と所要の情報を送受信する。
【0027】
情報端末40は、宅内5および宅外6を含むユーザの任意の場所で使用可能な機器である。図4に示すように、情報端末40は、端末制御部41と、端末記憶部42と、端末入力部43と、端末表示部44と、端末通信部45と、移動体通信部46と、を有する。
【0028】
端末制御部41は、CPU(Central Processing Unit)を有し、端末記憶部42に予め記憶されているプログラムに従って情報端末40を制御する。端末記憶部42は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、端末制御部41の制御に必要な各種プログラムや、データを記憶する。端末入力部43は、ユーザから指示を受け付ける、例えばタッチパネルやボタン類である。端末表示部44は、ユーザに情報を表示する、例えばディスプレイである。端末通信部45は、有線または無線で他の機器と情報端末40とを通信可能に接続する。具体的には、端末通信部45は、ルータを介して情報端末40をネットワーク2に接続し、ネットワーク2を介して他の機器と所要の情報を送受信する。端末通信部45が接続されるルータは、宅内5に配置されるルータ3と、宅外6に設置される任意のルータを含む。移動体通信部46は、情報端末40を移動体通信ネットワーク4に接続する。
【0029】
次に、風呂給湯システム10、外部サーバ30および情報端末40が新規な接続を確立するための登録処理について説明する。この登録処理は、ユーザの情報端末40が風呂給湯システム10との間における初回の接続時に行われる処理であり、この登録処理が行われた後は、所要の認証情報を用いて適宜各機器間で接続が確立される。認証情報は、風呂給湯システム10と外部サーバ30とが接続を確立するための機器認証情報および外部サーバ30と情報端末40とが接続を確立するためのユーザ認証情報であり、具体的には、ID(Identification)およびパスワードからなる情報である。登録処理には、3通りの処理がある。
【0030】
一つ目の処理は、風呂給湯システム10および情報端末40の間で既に確立された既存の接続が存在しない場合に実行される、新規登録処理である。新規登録処理は、例えば、住宅に新規に据え付けられたいわゆる工場出荷時の風呂給湯システム10と、情報端末40との接続を確立する際に実行される。
【0031】
二つ目の処理は、風呂給湯システム10および情報端末40の間に既存の接続が存在し、その接続にさらに新たな他の情報端末40との接続を追加する場合に実行される、追加登録処理である。追加登録処理は、例えば、既に登録処理が実行された居住者の情報端末40に加え、同居者の別の情報端末40と、風呂給湯システム10との接続を追加する際に実行される。
【0032】
三つ目の処理は、風呂給湯システム10および情報端末40の間に既存の接続が存在し、この既存の接続を初期化した後に実行される、初期化後新規登録処理である。初期化後新規登録処理は、例えば、賃貸住宅の退去者である過去のユーザの情報端末40と、風呂給湯システム10との接続が風呂給湯システム10に記憶されており、これを初期化した上で、この賃貸住宅の入居者である現ユーザの情報端末40と、風呂給湯システム10との接続を確立する際に実行される。
【0033】
本実施形態における通信システム1は、登録処理のセキュリティを高めるため、ユーザが変更されるなどにより風呂給湯システム10と情報端末40との間で新規な接続が確立される毎に、風呂給湯システム10と外部サーバ30との間の接続で使用される機器認証情報であるIDおよびパスワード(以下、「機器IDなど」という。)を生成することで、風呂給湯システム10が固有のIDなどを保有しなくてよい点に特徴を有する。すなわち、機器IDなどはユーザが変更される毎に生成され、風呂給湯システム10は、ユーザが異なれば、異なる機器IDなどを用いて外部サーバ30に接続する。また、風呂給湯システム10は、同時に複数の機器IDを保有しない、すなわち一の機器IDなどのみを保有することで、外部サーバ30に接続可能なユーザを現ユーザのみに制限する。
【0034】
「ユーザ」は、共通の機器IDなどを使用して外部サーバ30と接続を確立する単位をいい、このユーザが使用する情報端末40には単数および複数の情報端末40が含まれる。また、ユーザが異なるという場合、例えば、風呂給湯システム10が据え付けられた住宅の退去者である過去のユーザと、この住宅と同一の住宅の新たな入居者である現ユーザとの関係をいう。
【0035】
これら登録処理は、風呂給湯システム10のリモコン制御部16、外部サーバ30のサーバ制御部31および情報端末40の端末制御部41がそれぞれ実行する処理として説明される。以下、これらの登録処理を、詳細に説明する。
【0036】
まず、風呂給湯システム10において実行される、給湯システム側登録処理について説明する。
【0037】
図5は、本実施形態におけるリモコン制御部16により実行される給湯システム側登録処理を説明するフローチャートである。
【0038】
図6は、新規登録処理として風呂給湯システム10、外部サーバ30および情報端末40間で実行される処理を説明するシーケンス図である。
【0039】
図7は、追加登録処理として風呂給湯システム10、外部サーバ30および情報端末40間で実行される処理を説明するシーケンス図である。
【0040】
図8は、初期化後新規登録処理として風呂給湯システム10、外部サーバ30および情報端末40間で実行される処理を説明するシーケンス図である。
【0041】
図9は、リモコン15のリモコン表示部19の表示例を示す遷移図である。
【0042】
図7から図9のシーケンス図においては、図5の給湯システム側登録処理および後述する図10の情報端末側登録処理に含まれる処理のうち一部の処理は説明が省略されている。
【0043】
ステップS1において、リモコン制御部16は、リモコン入力部18を介して新規な接続を確立するための登録処理を開始する指示を受け付けたか否かを判定する。リモコン制御部16は、例えば、リモコン表示部19に表示される設定画面から、リモコン入力部18を介して指示を受け付けることにより、登録処理を開始する指示を受け付ける。リモコン制御部16は、指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS1のNO)、指示を受け付けるまで待機する。
【0044】
一方、リモコン制御部16は、指示を受け付けたと判定した場合(ステップS1のYES)、例えば、図9(a)に示す、新規登録処理または追加登録処理を選択させる接続登録画面を表示する(図6のステップS21、図7のステップS41、図8のステップS61)。リモコン制御部16は、リモコン入力部18を介して、いずれかの登録処理を実行する指示を受け付ける。なお、リモコン制御部16は、ここで既存の接続を初期化する指示を受け付けてもよい。初期化する指示を受け付けた場合には、処理は、例えば初期化実行ステップS6に進む。
【0045】
ステップS2において、リモコン制御部16は、選択された登録処理が追加登録処理であるか否かを判定する。リモコン制御部16は、追加登録であると判定した場合(ステップS2のYES、図7のステップS42)、接続指示判定ステップS12に進む。処理は、図7の追加登録処理として進む。
【0046】
リモコン制御部16は、追加登録ではないと判定した場合、すなわち選択された登録処理が新規登録処理であると判定した場合(ステップS2のNO、図6のステップS22、図8のステップS62)、ステップS3において、既存の接続があるか否かを判定する。すなわち、風呂給湯システム10が他の情報端末40との間で登録処理を実行していた場合、既存の機器IDなどをリモコン記憶部17に記憶している。一方、風呂給湯システム10が情報端末40との間で登録処理を行っていない場合や機器IDなどが初期化されている場合には、機器IDなどを記憶していない。リモコン制御部16は、リモコン記憶部17を参照し機器IDが記憶されているか否かにより、既存の接続の有無を判定する。リモコン制御部16は、既存の接続がないと判定した場合(ステップS3のNO)、接続指示判定ステップS7に進む。すなわち、処理は、図6の新規登録処理として進む。
【0047】
一方、リモコン制御部16は、既存の接続があると判定した場合(ステップS3のYES)、処理は図8の初期化後新規登録処理として進む。ここでは、リモコン制御部16は、既存の接続に用いられる機器ID(一の認証情報)と異なる機器IDを用いて外部サーバ30に接続する要求、すなわち既存機器IDなどを保有する場合に、外部サーバ30との間で新規な接続を確立する指示を受け付けたと判定する。
【0048】
ステップS4において、リモコン制御部16は、既存の接続を初期化するよう、ユーザに要求する(図8のステップS63)。具体的には、リモコン制御部16は、例えば図9(b)に示す、リモコン表示部19に情報端末40(アプリ)との接続を初期化することを促す画面を表示する。この初期化要求ステップS4においては、ユーザが新規の接続を確立すること希望しているにもかかわらず、既存の接続が存在している場合は、風呂給湯システム10の過去のユーザが使用していた接続が残っているものとみなして実行される。例えば、リモコン制御部16は、既存の接続を初期化することを促す画面をリモコン表示部19に表示した上で、例えば図9(c)に示す、接続の初期化を実行する指示を受け付ける画面を表示し、リモコン入力部18から実行の指示を受け付ける。
【0049】
ステップS5において、リモコン制御部16は、接続の初期化を実行する指示を受け付けたか否かを判定する。リモコン制御部16は、初期化を実行する指示を未だ受け付けていないと判定した場合(ステップS5のNO)、指示を受け付けるまで待機する。リモコン制御部16は、この初期化指示判定ステップS5において、接続の初期化を実行する指示を受け付けるまで次の処理に進まず待機することにより、過去のユーザの接続を確実に解除させる。
【0050】
ここで、リモコン制御部16は、この過去のユーザに関連づけられた機器IDを用いた接続を初期化した上で、外部サーバ30および情報端末40と新規な接続を確立する。すなわち、リモコン制御部16は、複数のユーザに関連づけられた複数の機器IDなどを用いた接続が、同時に確立されることがない。
【0051】
リモコン制御部16は、初期化を実行する指示を受け付けたと判定した場合(ステップS5のYES)、ステップS6において、初期化を実行する(図8のステップS64)。初期化実行部としてリモコン制御部16は、リモコン記憶部17に記憶された既存の接続のための機器IDなどを含む、過去のユーザ(情報端末40)に関する情報を消去することにより初期化を実行する。これにより、リモコン15(風呂給湯システム10)は、外部サーバ30および情報端末40と接続するために必要な機器IDなどを保有することなく、情報端末40から新たに機器IDなどを取得するまでは外部サーバ30および情報端末40と接続することができない。リモコン制御部16は、例えば図9(d)に示す、初期化の完了を通知する画面をリモコン表示部19に表示する。
【0052】
リモコン制御部16は、既存の接続がないと判定した場合(ステップS3のNO)、または初期化実行ステップS6の後、ステップS7において、情報端末40との接続を確立する指示を受け付けたか否かを判定する。リモコン制御部16は、例えば、図9(e)に示す、情報端末40との接続を開始するか否かの選択を受け付ける画面をリモコン表示部19に表示することにより、リモコン入力部18を介して指示を受け付ける。
【0053】
リモコン制御部16は、接続を開始する指示を未だ受け付けていないと判定した場合(ステップS7のNO)、指示を受け付けるまで待機する。一方、リモコン制御部16は、接続を開始する指示を受け付けたと判定した場合(ステップS7のYES、図6のステップS23、図8のステップS65)、例えば図9(f)に示す、情報端末40において登録処理を実行するための操作を促す画面をリモコン表示部19に表示する。
【0054】
ステップS8において、リモコン制御部16は、情報端末40より接続要求および機器IDなどの送信要求(図10のステップS82)を受信したか否かを判定する。リモコン制御部16は、これら要求を未だ受信していないと判定した場合(ステップS8のNO)、これら要求を受信するまで待機する。一方、リモコン制御部16は、これら要求を受信したと判定した場合(ステップS8のYES、図6のステップS24、図8のステップS66、図10のステップS82)、ステップS9において、接続要求に応答し、機器IDなどを情報端末40に送信する(図6のステップS25、図8のステップS67)。また、リモコン制御部16は、図9(g)に示す、情報端末40と接続中であり、登録処理を実行中である旨を通知する画面をリモコン表示部19に表示する。
【0055】
このとき、リモコン制御部16は、実行されている登録処理が図7の追加登録処理であり、既存の接続がある場合には既に機器IDなど(以下、「既存機器IDなど」という。)を保有しているため、情報端末40に既存機器IDなどを送信する。一方、接続応答ステップS9においては、リモコン制御部16は、実行されている登録処理が図6の新規登録処理または図8の初期化後新規登録処理であり既存の接続がなく、既存機器IDなどを保有していないため、情報端末40には既存機器IDなどがないことを送信する。
【0056】
ステップS10において、リモコン制御部16は、情報端末40より新たに生成された機器IDなどを取得したか否かを判定する。ここで送信される機器IDなどは、後述する情報端末側登録処理のID生成ステップ(図10のステップS85、図6のステップS26、図8のステップS68)で端末制御部41が生成した機器IDなどである。リモコン制御部16は、機器IDなどを取得していないと判定した場合(ステップS10のNO)、機器IDなどを取得するまで待機する。一方、リモコン制御部16は、機器IDなどを取得したと判定した場合(ステップS10のYES、図6のステップS27、図8のステップS69)、ステップS11において、リモコン記憶部17に機器IDなどを記憶する(図6のステップS28、図8のステップS70)。また、リモコン制御部16は、機器IDなどを登録し接続できる状態になった旨を情報端末40に応答する(図6のステップS29、図8のステップS71)。また、リモコン制御部16は、図9(h)に示す、登録処理が完了した旨を通知する画面をリモコン表示部19に表示する。
【0057】
ここで、通信システム1において初期化後新規登録処理が実行されることにより、風呂給湯システム10は、常に一の機器IDなどのみを保有し、複数の機器IDなどを同時に保有することがない。すなわち、風呂給湯システム10は、図7に示す初期化後新規登録処理を実行することにより、一の機器IDなどと異なる機器IDなどを用いて外部サーバ30と接続な接続を確立する要求を受け付けた場合(図8のステップS62)、一の機器IDなどを用いた接続を確実に初期化する。これにより、風呂給湯システム10は、異なるユーザの複数の機器IDなどを用いて、外部サーバ30との接続を同時に確立してしまうことを抑制できる。
【0058】
リモコン制御部16は、追加登録判定ステップS2において追加登録であると判定した場合(ステップS2のYES)、ステップS12において、情報端末40との接続を確立する指示を受け付けたか否かを判定する。リモコン制御部16は、接続指示判定ステップS7同様の処理を実行する。リモコン制御部16は、指示を未だ受け付けていないと判定した場合(ステップS12のNO)、指示を受け付けるまで待機する。一方、リモコン制御部16は、接続を確立する指示を受け付けたと判定した場合(ステップS12のYES、図7のステップS43)、ステップS13において、リモコン制御部16は、情報端末40より接続要求および機器IDなどの送信要求(図10のステップS82)を受信したか否かを判定する。
【0059】
リモコン制御部16は、これら要求を未だ受信していないと判定した場合(ステップS13のNO)、これら要求を受信するまで待機する。一方、リモコン制御部16は、これら要求を受信したと判定した場合(ステップS13のYES、図7のステップS44)、ステップS14において、接続要求に応答し、また機器IDなどを情報端末40に送信する(図7のステップS45)。また、リモコン制御部16は、図9(g)に示す、情報端末40と接続中であり、登録処理を実行中である旨を通知する画面をリモコン表示部19に表示する。接続応答ステップS14においては、リモコン制御部16は、実行されている登録処理が図7の追加登録処理であり、既存の接続で使用された既存機器IDなどを保有しているため、情報端末40に既存機器IDなどを送信する。
【0060】
ステップS15において、リモコン制御部16は、情報端末40より追加登録が完了した旨の通知を受信したか否かを判定する。リモコン制御部16は、通知を受信していないと判定した場合(ステップS15のNO)、通知を受信するまで待機する。一方、リモコン制御部16は、通知を受信したと判定した場合(ステップS15のYES、図7のステップS46)、ステップS16において、その通知を受信した旨を、情報端末40に応答する(図7のステップS47)。
【0061】
リモコン制御部16は、以上で登録処理を完了し(図6のステップS30、図7のステップS48、図8のステップS72)、給湯システム側登録処理を終了する。
【0062】
次に、情報端末40において実行される、情報端末側登録処理について説明する。情報端末側登録処理は、例えば、情報端末40にインストールされたアプリケーションソフト(アプリ)上でユーザが行う操作に基づいて、端末制御部41の制御により実行される。
【0063】
図10は、端末制御部41により実行される情報端末側登録処理を説明するフローチャートである。
【0064】
図11は、情報端末40の端末表示部44の表示例を示す遷移図である。
【0065】
ステップS81において、端末制御部41は、端末入力部43を介して新規な接続を確立するための登録処理を開始する指示を受け付けたか否かを判定する。端末制御部41は、例えば、端末表示部44に表示される設定画面から、端末入力部43を介して指示を受け付けることにより、登録処理を開始する指示を受け付ける。端末制御部41は、指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS81のNO)、指示を受け付けるまで待機する。
【0066】
一方、端末制御部41は、指示を受け付けたと判定した場合(ステップS81のYES、図6のステップS31、図7のステップS49、図8のステップS73)、例えば図11(a)に示す、風呂給湯システム10において情報端末40との接続を開始する操作をユーザに促す画面を端末表示部44に表示する。また、ステップS82において、端末制御部41は、風呂給湯システム10に対して接続要求を送信する。同時に、端末制御部41は、風呂給湯システム10に対して既存機器IDなどを要求する(図6のステップS24、図7のステップS44、図8のステップS66)。
【0067】
ステップS83において、端末制御部41は、接続要求に対する応答および既存機器IDなどに関する情報を風呂給湯システム10より受信したか否かを判定する。端末制御部41は、給湯システム側登録処理の接続応答ステップS9およびS14で説明したように、風呂給湯システム10が既存機器IDなどを保有している場合にはその既存機器IDなどを受信し、既存機器IDなどを保有していない場合には既存機器IDなどがないことを受信する。端末制御部41は、応答などを未だ受信していないと判定した場合(ステップS83のNO)、応答などを受信するまで待機する。一方、端末制御部41は、応答などを受信したと判定した場合(ステップS83のYES)、図11(b)に示す、風呂給湯システム10を検出した旨を通知する画面、およびユーザが風呂給湯システム10を識別するための名前の入力などを行わせる画面を表示する。
【0068】
ステップS84において、端末制御部41は、風呂給湯システム10が既存機器IDなどを保有しているか否かを判定する。端末制御部41は、風呂給湯システム10が既存機器IDなどを保有していないと判定した場合(ステップS84のNO)、処理は図6の新規登録処理または図8の初期化後新規登録処理として進む。ステップS85において、端末制御部41は、機器認証情報としての機器IDなどを新たに生成する(図6のステップS26、図8のステップS68)。機器IDには、例えばUUID(Universally Unique Identifier)を用いることができる。
【0069】
ステップS86において、端末制御部41は、生成した機器IDなどと、情報端末40と外部サーバ30とを接続するためのユーザ認証情報を外部サーバ30に送信する(図6のステップS32、図8のステップS74)。ユーザ認証情報は、例えば、端末入力部43を介してアプリ上で入力を受け付けることにより、ユーザが任意に設定するユーザIDやパスワードや、MAC(Media Access Control)アドレスなどの情報端末固有の識別情報である。
【0070】
サーバ制御部31は、情報端末40より取得した機器IDなどと、情報端末40のユーザ認証情報と、をサーバ記憶部32に記憶することにより、風呂給湯システム10および情報端末40との接続を行うために必要な認証情報を登録する(図6のステップS33、図8のステップS75)。また、サーバ制御部31は、機器IDなどを登録し接続できる状態になった旨を情報端末40に応答する(図6のステップS34、図8のステップS76)。
【0071】
ここで、初期化後新規登録処理である場合、サーバ記憶部32は、既存機器IDなどをこの既存機器IDに割り当てられた記憶領域に既に保有している。このため、サーバ制御部31は、既存機器IDなどに関連付けられた記憶領域とは異なる記憶領域を追加し、取得した機器IDなどを、記憶する。また、サーバ制御部31は、既存機器IDなどに割り当てられた記憶領域に記憶された、既存機器IDに関する情報や、この既存機器IDと結びついた過去のユーザの情報端末40に関するユーザ認証情報、使用履歴などの機器情報を初期化することなく、そのまま保持する。すなわち、サーバ制御部31(外部サーバ30)は、風呂給湯システム10と接続される現ユーザの情報端末40以外の過去のユーザの情報端末40を含む情報端末40と接続し得る。
【0072】
過去のユーザの情報端末40においても、過去のユーザが外部サーバ30との接続を初期化しない限りは、外部サーバ30との接続をそのまま保持する。このため、過去のユーザは、情報端末40において、ユーザ認証情報を用いて外部サーバ30に引き続き接続でき、風呂給湯システム10の過去の使用履歴などの機器情報を利用(閲覧)できる。また、ユーザが転居先で新たな風呂給湯システム10と接続する場合に、過去の使用履歴や設定内容などを新たな風呂給湯システム10にも再利用できる。外部サーバ30は、情報端末40と接続し、使用履歴などの機器情報の閲覧など情報端末40に関する処理を実行する場合には、その情報端末40のユーザに関連づけられた機器IDなどに割り当てられた記憶領域を使用する。
【0073】
ステップS87において、端末制御部41は、生成した機器IDなどを風呂給湯システム10に送信する(図6のステップS27、図8のステップS69)。リモコン制御部16は、図5の給湯システム側登録処理で説明したとおり、情報端末40より取得した機器IDなどをリモコン記憶部17に記憶し、その旨を情報端末40に応答する(図5のステップS11、図6のステップS28、S29、図8のステップS70、S71)。
【0074】
外部サーバ30および風呂給湯システム10は、以後、記憶した機器IDなどに基づいて、互いの接続要求を認証し、接続を確立する。また、外部サーバ30および情報端末40は、記憶したユーザ認証情報に基づいて、互いの接続要求を認証する。風呂給湯システム10および情報端末40は、外部サーバ30を介して接続する。すなわち、外部サーバ30は、情報端末40より受信した機器IDとユーザ認証情報とを関連付けて記憶することにより、情報端末40から送信された情報を関連付けられている風呂給湯システム10に送信する。
【0075】
一方、端末制御部41は、ステップS84において風呂給湯システム10が既存機器IDなどを保有していると判定した場合(ステップS84のYES)、処理は図7の追加登録処理として進む。ステップS88において、端末制御部41は、他の情報端末40との間で既に実行された登録処理を経て確立された接続に新たな情報端末40を追加登録するよう、外部サーバ30に要求する(図7のステップS50)。サーバ制御部31は、情報端末40より取得した追加登録に必要な情報端末40の情報であるユーザ認証情報などを、既存の機器IDと関連付けてサーバ記憶部32に記憶する(図7のステップS51)。また、サーバ制御部31は、情報端末40を追加登録し接続できる状態になった旨を、情報端末40に応答する(図7のステップS52)。
【0076】
ステップS89において、端末制御部41は、既存の接続に対して新たに情報端末40を追加登録した旨(情報端末40との接続を追加する要求)を、風呂給湯システム10に通知する(図7のステップS46)。リモコン制御部16は、図5の給湯システム側登録処理で説明したとおり、追加登録が完了した通知を受信した旨を情報端末40に応答する(図5のステップS16、図7のステップS47)。
【0077】
リモコン入力部18を介してユーザより追加登録処理を実行する指示を受け付けた場合に、情報端末40がこのような処理を実行することにより、他の情報端末40が既に実行した登録処理で生成された既存機器IDなどを用いて、風呂給湯システム10および外部サーバ30は引き続き接続を確立する。すなわち、端末制御部41は、新たに機器IDなどを生成しない。また、端末制御部41は、外部サーバ30に対し、既に確立されている接続と同一ユーザの情報端末40として新たに追加するよう要求し、風呂給湯システム10に対して、情報端末40との接続が新たに追加された旨を通知することで、新たな情報端末40が既存の接続(既存機器IDなどを用いた接続)に追加される。
【0078】
端末制御部41は、以上で、登録処理を完了し(図6のステップS30、図7のステップS48、図8のステップS72)、情報端末側登録処理を終了する。
【0079】
このような通信システム1は、風呂給湯システム10と外部サーバ30との間の接続に、ユーザ毎に異なる機器IDを用いる。また、通信システム1は、風呂給湯システム10に関する処理に必要な情報や、風呂給湯システム10から取得する情報を、機器ID毎に異なる記憶領域に記憶する。これにより、ユーザ変更時のセキュリティが確保できる。
【0080】
例えば、風呂給湯システム10が固有の機器IDなどを保有している場合には、風呂給湯システム10が設置された住宅の居住者以外の第三者がこの固有の機器IDなどを知った場合、意図せず、または悪意で風呂給湯システム10と情報端末40との接続を確立してしまう虞がある。具体例としては、賃貸住宅などで居住者が入れ替わると、旧居住者はこの固有の機器IDを知っていることとなり、現居住者が風呂給湯システム10を利用しているにもかかわらず、旧居住者が遠隔操作できてしまったり、使用状況を閲覧できてしまったりする虞がある。しかし、本実施形態における通信システム1においては、実際に風呂給湯システム10を使用するユーザ毎に機器IDなどが生成されて、関連付けられ、さらには外部サーバ30は機器ID毎に記憶領域を異ならせる。このため、現ユーザ以外の過去のユーザが風呂給湯システム10と接続しかつ外部サーバ30に接続し現ユーザの機器情報を閲覧できてしまうリスクを低減できる。
【0081】
また、風呂給湯システム10が過去のユーザに関連付けられた機器IDなどを用いた接続を初期化した場合であっても、外部サーバ30はこの機器IDなどに割り当てられた記憶領域に記憶された情報を初期化することなく保持する。過去のユーザが使用する情報端末40は引き続き外部サーバ30に接続でき、機器情報などを閲覧できる。よって、現ユーザと過去ユーザとの間のセキュリティに対する課題を解消しつつも、過去の使用履歴などの機器情報を閲覧したいユーザや、機器情報を用いてビッグデータとして分析や開発に用いたい外部サーバ30の運用者などの使い勝手を損なうことがない。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1 通信システム
2 ネットワーク
3 ルータ
4 移動体通信ネットワーク
10 風呂給湯システム
11 給湯ユニット
12 給湯ユニット制御部
13 給湯ユニット記憶部
14 給湯ユニット通信部
15 リモコン
16 リモコン制御部
17 リモコン記憶部
18 リモコン入力部
19 リモコン表示部
20 リモコン通信部
30 外部サーバ
31 サーバ制御部
32 サーバ記憶部
33 サーバ通信部
40 情報端末
41 端末制御部
42 端末記憶部
43 端末入力部
44 端末表示部
45 端末通信部
46 移動体通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11