(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】可溶性インターフェロン受容体およびその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/12 20060101AFI20231027BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20231027BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20231027BHJP
C07K 14/715 20060101ALI20231027BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20231027BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20231027BHJP
A61K 38/16 20060101ALI20231027BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231027BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
C12N15/12 ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C07K14/715
C07K19/00
A61K39/395 U
A61K39/395 F
A61K38/16
A61P43/00 111
A61P37/06
(21)【出願番号】P 2020532857
(86)(22)【出願日】2018-08-22
(86)【国際出願番号】 US2018047614
(87)【国際公開番号】W WO2019040674
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-20
(32)【優先日】2017-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520060298
【氏名又は名称】サナバイオ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ポサダ, ジェイムズ アーサー
(72)【発明者】
【氏名】スモラック, パメラ
【審査官】太田 雄三
(56)【参考文献】
【文献】PROTEIN SCIENCE,2013年05月23日,Vol. 22,p. 110-1108
【文献】mAbs,2013年09月,Vol. 5, No. 5,p. 646-654
【文献】Frontiers in Immunology,2016年10月06日,7:394,doi:10.3389/fimmu.2016.00394,p. 1-16
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
C07K 14/00
C07K 19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、前記第1のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体1(IFNAR1)ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体2(IFNAR2)ドメインを含み、
(a)EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含み、前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むか、または
(b)EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含み、前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含み、
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、前記Fcドメインの安定性を促進、増加もしくは増強する、および/または、Fc受容体への結合を低下させる、突然変異をさらに含み、前記突然変異がC220S、P238SおよびP331Sを含む、ヘテロ二量体。
【請求項2】
前記第1のポリペプチドの前記IFNAR1ドメインが、リンカードメインなしで、前記突然変異体Fcドメインに作動可能に連結される、請求項1に記載のヘテロ二量体。
【請求項3】
前記第2のポリペプチドの前記IFNAR2ドメインが、リンカードメインなしで、前記突然変異体Fcドメインに作動可能に連結される、請求項1または2のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項4】
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれがポリペプチドリンカードメインを含むヘテロ二量体と比べて、I型インターフェロンへの結合が増加する、請求項1~3のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項5】
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれがポリペプチドリンカードメインを含むヘテロ二量体と比べて、IFNαへの結合が増加する、請求項4に記載のヘテロ二量体。
【請求項6】
前記第1のポリペプチドが、ポリペプチドリンカーを含み、前記ポリペプチドリンカーが、Gly/Serリンカーである、請求項1に記載のヘテロ二量体。
【請求項7】
前記第2のポリペプチドが、ポリペプチドリンカーを含み、前記ポリペプチドリンカーが、Gly/Serリンカーである、請求項1または6のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項8】
前記ポリペプチドリンカーが、1~50、5~40、10~30または15~20アミノ酸の長さである、請求項1または4~7のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項9】
前記ポリペプチドリンカーが、20アミノ酸もしくはそれ未満、15アミノ酸もしくはそれ未満、10アミノ酸もしくはそれ未満、または5アミノ酸もしくはそれ未満の長さである、請求項1または4~7のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項10】
前記ポリペプチドリンカーが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30アミノ酸の長さである、請求項1または4~7のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項11】
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異体ヒト免疫グロブリンFcドメインを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項12】
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異C226SおよびC229Sをさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項13】
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、CH2ドメインにおける1つまたは複数の突然変異を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項14】
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、CH3ドメインにおける1つまたは複数の突然変異を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項15】
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、CH2ドメインにおける1つまたは複数の突然変異、およびCH3ドメインにおける1つまたは複数の突然変異を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項16】
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項17】
IFNAR1ドメインを含む前記第1のポリペプチドが、配列番号11におけるアミノ酸配列を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項18】
IFNAR2ドメインを含む前記第2のポリペプチドが、配列番号12におけるアミノ酸配列を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項19】
(i)配列番号40のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(ii)配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(iii)配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号55のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;ならびに
(iv)配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号59のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(v)配列番号40のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43、配列番号55および配列番号59から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;(vi)配列番号43のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号40、配列番号53および配列番号57から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(vii)配列番号42のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号41、配列番号45および配列番号47から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(viii)配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42、配列番号49および配列番号51から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(ix)配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43、配列番号55および配列番号59から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(x)配列番号55のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号40、配列番号53および配列番号57から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;(xi)配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43、配列番号55および配列番号59から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xii)配列番号59のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号40、配列番号53および配列番号57から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xiii)配列番号45のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42、配列番号49および配列番号51から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xiv)配列番号47のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42、配列番号49および配列番号51から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xv)配列番号49のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号41、配列番号45および配列番号47から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;ならびに
(xvi)配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号41、配列番号45および配列番号47から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド
から選択される第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体。
【請求項20】
配列番号40のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体。
【請求項21】
配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体。
【請求項22】
配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号55のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体。
【請求項23】
配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号59のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体。
【請求項24】
インターフェロン-α(INFα)、インターフェロン-β(INFβ)、またはINFαおよびINFβの両方から選択されるI型インターフェロンに結合する、請求項1~23のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項25】
前記I型インターフェロンが、INFαである、請求項24に記載のヘテロ二量体。
【請求項26】
前記I型インターフェロンが、INFβである、請求項24に記載のヘテロ二量体。
【請求項27】
INFαの活性を阻害する、請求項1~23のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項28】
INFβの活性を阻害する、請求項1~23のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項29】
INFαおよびINFβの両方の活性を阻害する、請求項1~23のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項30】
I型インターフェロン(IFN)遺伝子発現の誘導を阻害する、請求項1~23のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
【請求項31】
請求項1~30のいずれか一項に記載のヘテロ二量体、および薬学的に許容される担体を含む組成物。
【請求項32】
請求項1~30のいずれか一項に記載のヘテロ二量体の前記第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項33】
請求項1~30のいずれか一項に記載のヘテロ二量体の前記第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項34】
請求項1~30のいずれか一項に記載のヘテロ二量体の第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列および第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項35】
請求項1~30のいずれか一項に記載のヘテロ二量体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項36】
請求項32に記載の核酸を含む組換え発現ベクター。
【請求項37】
請求項33に記載の核酸を含む組換え発現ベクター。
【請求項38】
請求項34または35に記載の核酸配列を含む組換え発現ベクター。
【請求項39】
請求項36に記載の組換え発現ベクターおよび/または請求項37に記載の組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
【請求項40】
請求項38の組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
【請求項41】
請求項1~30のいずれか一項に記載のヘテロ二量体を発現するよう形質転換された宿主細胞を培養することを含む、ヘテロ二量体の製造方法。
【請求項42】
請求項39または40のいずれか一項に記載の細胞を、前記ヘテロ二量体が発現される条件下で維持することを含む、ヘテロ二量体の製造方法。
【請求項43】
前記ヘテロ二量体を得ることをさらに含む、請求項41または42のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項44】
対象におけるインターフェロン(IFN)遺伝子発現を減少させるための、請求項1~30のいずれか一項に記載のヘテロ二量体を含む組成物または請求項31に記載の組成物。
【請求項45】
対象におけるI型インターフェロンの活性を阻害するための、請求項1~30のいずれか一項に記載のヘテロ二量体を含む組成物または請求項31に記載の組成物。
【請求項46】
前記I型インターフェロンが、INFαおよび/またはINFβである、請求項44または45のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
対象における自己免疫性疾患を処置するための、請求項1~30のいずれか一項に記載のヘテロ二量体を含む組成物または請求項31に記載の組成物。
【請求項48】
前記自己免疫性疾患が、SLEである、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記自己免疫性疾患が、シェーグレン症候群である、請求項47に記載の組成物。
【請求項50】
それを必要とする対象における自己免疫性疾患を処置するまたはその進行を遅延させるための医薬の製造における、請求項1~30のいずれか一項に記載のヘテロ二量体および必要に応じた薬学的に許容される担体の使用であって、前記処置が、それを必要とする対象への前記医薬の投与を含む、使用。
【請求項51】
請求項1~30のいずれか一項に記載のヘテロ二量体および必要に応じた薬学的に許容される担体を含む医薬、ならびにそれを必要とする対象における自己免疫性疾患を処置するまたはその進行を遅延させるための前記医薬の投与のための使用説明書を含む添付文書を含むキット。
【請求項52】
請求項1~30のいずれか一項に記載のヘテロ二量体および必要に応じた薬学的に許容される担体を含む容器、ならびにそれを必要とする対象における自己免疫性疾患を処置するまたはその進行を遅延させるための前記ヘテロ二量体の投与のための使用説明書を含む添付文書を含むキット。
【請求項53】
前記自己免疫性疾患が、SLEまたはシェーグレン症候群である、請求項50に記載の使
用。
【請求項54】
前記自己免疫性疾患が、SLEまたはシェーグレン症候群である、請求項51または52に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年8月22日に出願された米国特許仮出願第62/548,737号の利益を主張する。上に参照する仮特許出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
全身性エリテマトーデス(SLE)は、皮膚、CNS、関節、脈管構造および腎臓を含む複数の臓器に影響する多様な疾患所見によって特徴付けられる慢性、多系統、自己免疫性疾患である。インターフェロン(IFN)が、SLEを有する対象において過剰産生され、SLEに特徴的な全身性炎症に寄与することを示唆する証拠がある。特に、I型インターフェロンは、SLEにおける顕著なサイトカインであり、疾患活動性および腎炎と強く相関する。I型インターフェロンは、IFN-α、INF-β、IFN-□、-□、-□、-□、IFN-□、IFN-□を含むインターフェロンタンパク質のサブグループであり;これらは全て、2個の別個のポリペプチド鎖、IFNAR1およびIFNAR2で構成されるIFN-α受容体(IFNAR)に結合する。よって、それを必要とする対象におけるインターフェロンを除去する、および/または炎症を低下させる手段の必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の要旨
本開示は、一部には、インターフェロン(例えば、IFN-α、IFN-β)に結合することができる可溶性インターフェロン受容体に関する。そのような可溶性インターフェロン受容体は、インターフェロン活性の阻害に有用である。一部の態様では、本開示の可溶性インターフェロン受容体は、ヘテロ二量体構築物である。一部の態様では、本開示は、インターフェロンによって特徴付けられる疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)の処置において有益な可溶性インターフェロン受容体に関する。
【0004】
本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、第1のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体1(IFNAR1)ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体2(IFNAR2)ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。
【0005】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、第1のポリペプチドが、リンカードメインなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメインなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドのそれぞれが突然変異体Fcドメインに直接的に連結される(リンカーなしで)本開示のヘテロ二量体は、第1および第2のポリペプチドのそれぞれがポリペプチドリンカードメインを含むヘテロ二量体と比べて、I型インターフェロンへの結合が増加する。
【0006】
一部の態様では、本開示のヘテロ二量体は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、第1のポリペプチドは、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー)ありで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー)ありで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、本開示のヘテロ二量体は、第1のポリペプチドを含み、第1のポリペプチドは、ポリペプチドリンカー(例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))を含む。一部の態様では、本開示のヘテロ二量体は、第2のポリペプチドを含み、第2のポリペプチドは、ポリペプチドリンカー(例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))を含む。一部の態様では、ポリペプチドリンカーは、約1~50、約5~40、約10~30または約15~20アミノ酸の長さである。一部の態様では、ポリペプチドリンカーは、約20アミノ酸もしくはそれ未満、約15アミノ酸もしくはそれ未満、約10アミノ酸もしくはそれ未満、または約5アミノ酸もしくはそれ未満の長さである。一部の態様では、ポリペプチドリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30アミノ酸の長さである。
【0007】
一部の態様では、本開示のヘテロ二量体は、インターフェロン-α(INFα)、インターフェロン-β(INFβ)、またはINFαおよびINFβの両方から選択されるI型インターフェロンに結合する。一部の態様では、I型インターフェロンは、INFαである。一部の態様では、I型インターフェロンは、INFβである。一部の態様では、I型インターフェロンは、INFαおよびINFβの両方である。他の態様では、本開示のヘテロ二量体は、INFαの活性を阻害する。一部の態様では、本開示のヘテロ二量体は、INFβの活性を阻害する。一部の態様では、本開示のヘテロ二量体は、INFαおよびINFβの両方の活性を阻害する。一部の態様では、本開示のヘテロ二量体は、I型インターフェロン(IFN)遺伝子発現の誘導を阻害する。
【0008】
一部の態様では、本開示のヘテロ二量体は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、第1のポリペプチドは、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー)ありまたはなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー)ありまたはなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドのそれぞれの突然変異体Fcドメインは、突然変異体ヒト免疫グロブリンFcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドのそれぞれの突然変異体Fcドメインは、CH2ドメインにおける1つまたは複数の突然変異を含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドのそれぞれの突然変異体Fcドメインは、CH3ドメインにおける1つまたは複数の突然変異を含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドのそれぞれの突然変異体Fcドメインは、CH2ドメインにおける1つまたは複数の突然変異、およびCH3ドメインにおける1つまたは複数の突然変異を含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドのそれぞれの突然変異体Fcドメインは、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドのそれぞれの突然変異体Fcドメインは、突然変異体ヒト IgG4ドメインを含む。
【0009】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T366Yを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異体ヒトIgG4 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、ポリペプチドリンカーを含み、ポリペプチドリンカーは、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である)である。
【0010】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T366Yを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異体ヒトIgG4 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、ポリペプチドリンカーを含み、ポリペプチドリンカーは、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である)である。
【0011】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T366Wを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、ポリペプチドリンカーを含み、ポリペプチドリンカーは、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である)である。
【0012】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T366Wを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、ポリペプチドリンカーを含み、ポリペプチドリンカーは、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である)である。
【0013】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、ポリペプチドリンカーを含み、ポリペプチドリンカーは、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である)である。
【0014】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、ポリペプチドリンカーを含み、ポリペプチドリンカーは、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である)である。
【0015】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T366Yを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異体ヒトIgG4 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、ポリペプチドリンカーを含み、ポリペプチドリンカーは、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である)である。
【0016】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T366Yを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異体ヒトIgG4 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、ポリペプチドリンカーを含み、ポリペプチドリンカーは、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である)である。
【0017】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異体ヒトIgG4 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、ポリペプチドリンカーを含み、ポリペプチドリンカーは、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である)である。
【0018】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー、例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異体ヒトIgG4 Fcドメインを含む。一部の態様では、第1および第2のポリペプチドはそれぞれ、ポリペプチドリンカーを含み、ポリペプチドリンカーは、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である)である。
【0019】
前述のまたは関連する態様のいずれにおいても、本開示のヘテロ二量体は、IFNAR1ドメインを含む第1のポリペプチドおよびIFNAF2ドメインを含む第2のポリペプチドを含み、第1および第2のポリペプチドのそれぞれは、リンカーありまたはなしで、1つまたは複数の突然変異(例えば、1つもしくは複数のCH2突然変異、1つもしくは複数のCH3突然変異、または1つもしくは複数のCH2およびCH3突然変異)を含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結され、1つまたは複数のFc突然変異は、野生型Fcドメイン(例えば、1つまたは複数のFc突然変異がない、同じアイソタイプ(例えば、ヒトIgG1またはヒトIgG4)のFcドメイン)をそれぞれ含む、IFNAR1ドメインを含む第1のポリペプチドおよびIFNAF2ドメインを含む第2のポリペプチドを含むヘテロ二量体と比べて、ヘテロ二量体の形成を促進、増加または増強する。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインである。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、突然変異体ヒトIgG4ドメインである。
【0020】
前述のまたは関連する態様のいずれにおいても、本開示のヘテロ二量体は、IFNAR1ドメインを含む第1のポリペプチドおよびIFNAF2ドメインを含む第2のポリペプチドを含み、第1および第2のポリペプチドのそれぞれは、リンカーありまたはなしで、1つまたは複数の突然変異(例えば、1つもしくは複数のCH2突然変異、1つもしくは複数のCH3突然変異、または1つもしくは複数のCH2およびCH3突然変異)を含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結され、第1のポリペプチドの突然変異体Fcドメインおよび/または第2のポリペプチドの突然変異体Fcドメインは、Fcドメインの安定性を促進、増加もしくは増強する、および/またはFc受容体への結合を低下させる、1つまたは複数の突然変異をさらに含む。一部の態様では、突然変異は、EUナンバリングに従った、C220S、C226S、C229S、P238SおよびP331S、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される。一部の態様では、突然変異は、C220S、P238SおよびP331Sを含む。一部の態様では、突然変異は、C220S、C226S、C229S、P238SおよびP331Sを含む。一部の態様では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異C220S、P238SおよびP331Sを含む突然変異体Fcドメインを含む。一部の態様では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異C220S、C226S、C229S、P238SおよびP331Sを含む突然変異体Fcドメインを含む。
【0021】
前述のまたは関連する態様のいずれにおいても、本開示のヘテロ二量体は、IFNAR1ドメインを含む第1のポリペプチドおよびIFNAF2ドメインを含む第2のポリペプチドを含み、第1および第2のポリペプチドのそれぞれは、リンカーありまたはなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結され、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。
【0022】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T366Yを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号106に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号107に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0023】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Yを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号106に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号107に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0024】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T366Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号108に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号109に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0025】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号108に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号109に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0026】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号9に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号10に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0027】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号9に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号10に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0028】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T366Yを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号122に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号123に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0029】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Yを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号122に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号123に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0030】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T366Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号124に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号125に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0031】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号124に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号125に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0032】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号120に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号121に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0033】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号120に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号121に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0034】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T366Yを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号106に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号107に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0035】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Yを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号106に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号107に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0036】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T366Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号108に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号109に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0037】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号108に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号109に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0038】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号9に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号10に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0039】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号9に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号10に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0040】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T366Yを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号122に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号123に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0041】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Yを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号122に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号123に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0042】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T366Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号124に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号125に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0043】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号124に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号125に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0044】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号120に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号121に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0045】
一部の態様では、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号120に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号121に表記されているアミノ酸配列を含む。
【0046】
他の態様では、本開示は、
(i)配列番号40のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(ii)配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(iii)配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号55のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;ならびに
(iv)配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号59のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(v)配列番号40のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43、配列番号55および配列番号59から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(vi)配列番号43のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号40、配列番号53および配列番号57から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(vii)配列番号42のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号41、配列番号45および配列番号47から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(viii)配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42、配列番号49および配列番号51から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(ix)配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43、配列番号55および配列番号59から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(x)配列番号55のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号40、配列番号53および配列番号57から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xi)配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43、配列番号55および配列番号59から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xii)配列番号59のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号40、配列番号53および配列番号57から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xiii)配列番号45のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42、配列番号49および配列番号51から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xiv)配列番号47のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42、配列番号49および配列番号51から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xv)配列番号49のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号41、配列番号45および配列番号47から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xvi)配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号41、配列番号45および配列番号47から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xvii)配列番号61のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号67、配列番号75および配列番号82から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xviii)配列番号63のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号65、配列番号73および配列番号81から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xix)配列番号65のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号63、配列番号71および配列番号79から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xx)配列番号67のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号61、配列番号69および配列番号77から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxi)配列番号69のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号67、配列番号75および配列番号82から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxii)配列番号71のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号65、配列番号73および配列番号81から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxiii)配列番号73のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号63、配列番号71および配列番号79から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxiv)配列番号75のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号61、配列番号69および配列番号77から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxv)配列番号77のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号67、配列番号75および配列番号82から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxvi)配列番号79のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号65、配列番号73および配列番号81から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxvii)配列番号81のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号63、配列番号71および配列番号79から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxviii)配列番号82のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号61、配列番号69および配列番号77から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxix)配列番号84のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号89、配列番号97および配列番号105から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxx)配列番号85のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号87、配列番号95および配列番号103から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxi)配列番号87のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号85、配列番号93および配列番号101から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxii)配列番号89のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号84、配列番号91および配列番号99から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxiii)配列番号91のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号89、配列番号97および配列番号105から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxiv)配列番号93のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号87、配列番号95および配列番号103から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxv)配列番号95のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号85、配列番号93および配列番号101から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxvi)配列番号97のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号84、配列番号91および配列番号99から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxvii)配列番号99のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号89、配列番号97および配列番号105から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxviii)配列番号101のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号87、配列番号95および配列番号103から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxix)配列番号103のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号85、配列番号93および配列番号101から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;ならびに
(xl)配列番号105のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号84、配列番号91および配列番号99から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド
から選択される第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体を提供する。
【0047】
一部の態様では、本開示は、配列番号40のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体を提供する。
【0048】
一部の態様では、本開示は、配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体を提供する。
【0049】
一部の態様では、本開示は、配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号55のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体を提供する。
【0050】
一部の態様では、本開示は、配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号59のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体を提供する。
【0051】
前述のまたは関連する態様のいずれにおいても、本開示は、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、I型インターフェロンが、インターフェロン-α(INFα)、インターフェロン-β(INFβ)、またはINFαおよびINFβの両方から選択される、ヘテロ二量体を提供する。一部の態様では、I型インターフェロンは、INFαである。一部の態様では、I型インターフェロンは、INFβである。一部の態様では、I型インターフェロンは、INFαおよびINFβの両方である。一部の態様では、ヘテロ二量体は、INFαの活性を阻害する。一部の態様では、ヘテロ二量体は、INFβの活性を阻害する。一部の態様では、ヘテロ二量体は、INFαおよびINFβの両方の活性を阻害する。一部の態様では、ヘテロ二量体は、I型インターフェロン(IFN)遺伝子発現の誘導を阻害する。
【0052】
前述のまたは関連する態様のいずれにおいても、本開示は、第1および第2のポリペプチドを含む、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、第1および第2のポリペプチドのそれぞれが、突然変異体Fcドメインに直接的に連結され(リンカーなしで)、ヘテロ二量体が、第1および第2のポリペプチドのそれぞれがポリペプチドリンカードメインを含むヘテロ二量体と比べて、I型インターフェロンへの結合が増加する、ヘテロ二量体を提供する。
【0053】
前述のまたは関連する態様のいずれにおいても、本開示は、IFNAR1ドメインを含む第1のポリペプチドおよびIFNAF2ドメインを含む第2のポリペプチドを含む、1型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、第1および第2のポリペプチドのそれぞれが、1つまたは複数の突然変異(例えば、1つもしくは複数のCH2突然変異、1つもしくは複数のCH3突然変異、または1つもしくは複数のCH2およびCH3突然変異)を含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結され、1つまたは複数のFc突然変異が、野生型Fcドメインをそれぞれ含む、IFNAR1ドメインを含む第1のポリペプチドおよびIFNAF2ドメインを含む第2のポリペプチドを含むヘテロ二量体と比べて、ヘテロ二量体の形成を促進、増加または増強する、ヘテロ二量体を提供する。
【0054】
前述のまたは関連する態様のいずれにおいても、本開示のヘテロ二量体は、IFNAR1ドメインを含む第1のポリペプチドおよびIFNAF2ドメインを含む第2のポリペプチドを含み、第1および第2のポリペプチドのそれぞれは、リンカーありまたはなしで、1つまたは複数の突然変異(例えば、1つもしくは複数のCH2突然変異、1つもしくは複数のCH3突然変異、または1つもしくは複数のCH2およびCH3突然変異)を含む突然変異体Fcドメインに作動可能に連結され、第1のポリペプチドの突然変異体Fcドメインおよび/または第2のポリペプチドの突然変異体Fcドメインは、Fcドメインの安定性を促進、増加もしくは増強する、および/またはFc受容体への結合を低下させる、1つまたは複数の突然変異をさらに含む。一部の態様では、突然変異は、EUナンバリングに従った、C220S、C226S、C229S、P238SおよびP331S、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される。一部の態様では、突然変異は、C220S、P238SおよびP331Sを含む。一部の態様では、突然変異は、C220S、C226S、C229S、P238SおよびP331Sを含む。一部の態様では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異C220S、P238SおよびP331Sを含む突然変異体Fcドメインを含む。一部の態様では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドはそれぞれ、突然変異C220S、C226S、C229S、P238SおよびP331Sを含む突然変異体Fcドメインを含む。
【0055】
他の態様では、本開示は、本開示のヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。
【0056】
他の態様では、本開示は、ヘテロ二量体の第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸であって、第1のポリペプチドが、リンカー(例えば、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異体Fcドメイン(例えば、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインまたは突然変異体ヒトIgG4 Fcドメイン)に作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含む、核酸を提供する。一部の態様では、IFNAR1ドメインを含む第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含む。
【0057】
他の態様では、本開示は、ヘテロ二量体の第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸であって、第2のポリペプチドが、リンカー(例えば、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異体Fcドメイン(例えば、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインまたは突然変異体ヒトIgG4 Fcドメイン)に作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、核酸を提供する。一部の態様では、IFNAR2ドメインを含む第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含む。
【0058】
本開示の他の態様は、本開示の核酸を含む組換え発現ベクターおよび宿主細胞を提供する。一部の態様では、組換え発現ベクターおよび宿主細胞は、ヘテロ二量体の第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含み、第1のポリペプチドは、リンカー(例えば、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異体Fcドメイン(例えば、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインまたは突然変異体ヒトIgG4 Fcドメイン)に作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含む。一部の態様では、組換え発現ベクターおよび宿主細胞は、ヘテロ二量体の第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含み、第2のポリペプチドは、リンカー(例えば、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありまたはなしで、突然変異体Fcドメイン(例えば、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインまたは突然変異体ヒトIgG4 Fcドメイン)に作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、組換え発現ベクターおよび宿主細胞は、ヘテロ二量体の第1のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸、およびヘテロ二量体の第2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸の両方を含む。一部の態様では、IFNAR1ドメインを含む第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含む。一部の態様では、IFNAR2ドメインを含む第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含む。
【0059】
本開示の他の態様は、それを必要とする対象におけるインターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。
【0060】
本開示の他の態様は、それを必要とする対象におけるI型インターフェロンを低下、減少または阻害する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。一部の態様では、I型インターフェロンは、INFαである。一部の態様では、I型インターフェロンは、INFβである。一部の態様では、I型インターフェロンは、INFαおよびINFβの両方である。
【0061】
本開示の他の態様は、それを必要とする対象における、I型インターフェロンによって特徴付けられる疾患を処置するまたはその進行を阻害する方法、および自己免疫性疾患を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。一部の態様では、I型インターフェロンは、INFαである。一部の態様では、I型インターフェロンは、INFβである。一部の態様では、I型インターフェロンは、INFαおよびINFβの両方である。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0062】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T366Yを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号106に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号107に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0063】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Yを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号106に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号107に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0064】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T366Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号108に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号109に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0065】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号108に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号109に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0066】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号9に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号10に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0067】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号9に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号10に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0068】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T366Yを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号122に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号123に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0069】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Yを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号122に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号123に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0070】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T366Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号124に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号125に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0071】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号124に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号125に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号120に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号121に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0072】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号120に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号121に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0073】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T366Yを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号106に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号107に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0074】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Yを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号106に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号107に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0075】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T366Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号108に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号109に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0076】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号108に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号109に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0077】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号9に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号10に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0078】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号9に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG1 Fcドメインは、配列番号10に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0079】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T366Yを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号122に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号123に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0080】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Yを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号122に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号123に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0081】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T366Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号124に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号125に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0082】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T336Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号124に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号125に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0083】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号120に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号121に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0084】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、EUナンバリングに従って、第1のポリペプチドが、Gly/Serリンカー(例えば、(G4S)nリンカー(式中、nは、1~5、1、2、3、4または5である))ありで、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、方法を提供する。一部の態様では、第1のポリペプチドは、配列番号11におけるアミノ酸配列を含むIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドは、配列番号12におけるアミノ酸配列を含むIFNAR2ドメインを含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号120に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、配列番号121に表記されているアミノ酸配列を含む。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0085】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、
(i)配列番号40のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(ii)配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(iii)配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号55のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;ならびに
(iv)配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号59のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(v)配列番号40のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43、配列番号55および配列番号59から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(vi)配列番号43のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号40、配列番号53および配列番号57から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(vii)配列番号42のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号41、配列番号45および配列番号47から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(viii)配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42、配列番号49および配列番号51から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(ix)配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43、配列番号55および配列番号59から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(x)配列番号55のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号40、配列番号53および配列番号57から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xi)配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43、配列番号55および配列番号59から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xii)配列番号59のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号40、配列番号53および配列番号57から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xiii)配列番号45のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42、配列番号49および配列番号51から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xiv)配列番号47のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42、配列番号49および配列番号51から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xv)配列番号49のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号41、配列番号45および配列番号47から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xvi)配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号41、配列番号45および配列番号47から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xvii)配列番号61のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号67、配列番号75および配列番号82から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xviii)配列番号63のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号65、配列番号73および配列番号81から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xix)配列番号65のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号63、配列番号71および配列番号79から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xx)配列番号67のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号61、配列番号69および配列番号77から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxi)配列番号69のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号67、配列番号75および配列番号82から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxii)配列番号71のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号65、配列番号73および配列番号81から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxiii)配列番号73のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号63、配列番号71および配列番号79から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxiv)配列番号75のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号61、配列番号69および配列番号77から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxv)配列番号77のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号67、配列番号75および配列番号82から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxvi)配列番号79のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号65、配列番号73および配列番号81から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxvii)配列番号81のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号63、配列番号71および配列番号79から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxviii)配列番号82のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号61、配列番号69および配列番号77から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxix)配列番号84のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号89、配列番号97および配列番号105から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxx)配列番号85のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号87、配列番号95および配列番号103から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxi)配列番号87のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号85、配列番号93および配列番号101から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxii)配列番号89のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号84、配列番号91および配列番号99から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxiii)配列番号91のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号89、配列番号97および配列番号105から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxiv)配列番号93のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号87、配列番号95および配列番号103から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxv)配列番号95のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号85、配列番号93および配列番号101から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxvi)配列番号97のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号84、配列番号91および配列番号99から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxvii)配列番号99のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号89、配列番号97および配列番号105から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxviii)配列番号101のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号87、配列番号95および配列番号103から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxix)配列番号103のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号85、配列番号93および配列番号101から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;ならびに
(xl)配列番号105のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号84、配列番号91および配列番号99から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド
から選択される第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、方法を提供する。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0086】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、配列番号40のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、方法を提供する。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0087】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、方法を提供する。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0088】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号55のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、方法を提供する。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0089】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における、インターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロン(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、および自己免疫性疾患(例えば、SLE、シェーグレン症候群)を処置する方法であって、本開示のヘテロ二量体、またはヘテロ二量体および薬学的に許容される担体を含む本開示の組成物を対象に投与するステップを含み、ヘテロ二量体が、配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号59のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、方法を提供する。一部の態様では、自己免疫性疾患は、SLEである。一部の態様では、自己免疫性疾患は、シェーグレン症候群である。
【0090】
本開示の他の態様は、それを必要とする対象における自己免疫性疾患を処置するまたはその進行を遅延させるための医薬の製造における、本開示のヘテロ二量体および必要に応じた薬学的に許容される担体の使用であって、処置が、それを必要とする対象への医薬の投与を含む、使用を提供する。
【0091】
本開示の他の態様は、本開示のヘテロ二量体および必要に応じた薬学的に許容される担体を含む医薬、ならびにそれを必要とする対象における自己免疫性疾患を処置するまたはその進行を遅延させるための医薬の投与のための使用説明書を含む添付文書を含むキットを提供する。
【0092】
一部の態様では、本開示は、本開示のヘテロ二量体および必要に応じた薬学的に許容される担体を含む容器、ならびにそれを必要とする対象における自己免疫性疾患を処置するまたはその進行を遅延させるためのヘテロ二量体の投与のための使用説明書を含む添付文書を含むキットを提供する。
【0093】
本発明のこれらのおよび他の特徴、態様、および利点は以下の説明および添付図に関してよりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【
図1】
図1は、例示的な可溶性インターフェロン受容体RSLV601-604、RSLV602-603、RSLV606-611、およびRSLV608-613を示す図である。
【0095】
【
図2】
図2は、阻害剤RSLV601-604、RSLV602-603、および抗ヒトIFNα陽性対照による、HEK-Blueα/β細胞におけるIFNα誘導性SEAP産生の阻害を示すグラフである。ヒトIgGを陰性対照として使用した。
【0096】
【
図3】
図3は、阻害剤RSLV601-604、RSLV602-603、および抗ヒトIFNβ陽性対照によるHEK-Blueα/β細胞におけるIFNβ誘導性SEAP産生の阻害を示すグラフである。ヒトIgGを陰性対照として使用した。
【0097】
【
図4】
図4は、HEK-Blueα/β細胞におけるIFNα誘導性SEAP産生の阻害に対するリンカー長の影響を示すグラフである。
【0098】
【
図5】
図5は、HEK-Blueα/β細胞におけるIFNβ誘導性SEAP産生の阻害に対するリンカー長の影響を示すグラフである。
【0099】
【
図6】
図6は、可溶性インターフェロン受容体RSLV601-604を用いたPBMCにおけるSLE血清誘導性インターフェロン遺伝子発現の阻害を示す図である。
【0100】
【
図7】
図7は、可溶性インターフェロン受容体RSLV608-613を用いたPBMCにおけるSLE血清誘導性インターフェロン遺伝子発現の阻害を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0101】
詳細な説明
本開示は、I型インターフェロンに結合する可溶性ヘテロ二量体、ならびにインターフェロン(IFN)遺伝子発現を低下、減少または阻害する方法、I型インターフェロンおよび/またはI型インターフェロン活性(例えば、INFα、INFβ、またはINFαおよびINFβの両方)を低下、減少または阻害する方法、ならびにそれを必要とする対象におけるI型インターフェロン産生によって特徴付けられる疾患を処置する方法を提供する。
【0102】
本開示は、少なくとも一部には、突然変異体Fcドメインにそれぞれ作動可能に連結される、IFNAR1ドメインおよびIFNAR2ドメインを含むヘテロ二量体が、IFNαおよびIFNβ活性を強力に阻害し、SLE血清誘導性インターフェロン遺伝子発現を阻害するという発見に基づく。これらの結果は、本開示のヘテロ二量体が、SLE等の自己免疫性状態を有する対象におけるI型インターフェロンに結合し、その活性を阻害することができることを示す。
【0103】
突然変異体Fcドメインにそれぞれ直接的に作動可能に連結される(すなわち、ポリペプチドリンカーなしで)IFNAR1ドメインおよびIFNAR2ドメインを含むヘテロ二量体が、IFNAR1ドメインおよびIFNAR2ドメインがそれぞれポリペプチドリンカーありで突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるヘテロ二量体と比べて、INFα等のI型インターフェロンに対する増加した結合親和性および効力を有することも発見された。理論に制約されることなく、IFNAR1およびIRNAR2が、I型インターフェロンと相互作用するためのポケットの形成にある程度の柔軟性を要求したと考えられた。IFNAR1およびIFNAR2の細胞外ドメインが、I型インターフェロンに結合し、三元複合体を形成し、このことは、細胞内ドメインを緊密に近接した状態にし、受容体を介したシグナル伝達を調節することが公知であった(Li et al., J. Mol. Biol. (2017) 429, 2571-2589)。受容体構成成分に対するリガンド誘導性立体構造変化は、IFNAR1の膜近位Igドメインへと伝播されるが、このドメインは、リガンドと相互作用しないことも示された(同文献(Id.)2572頁)。注目すべきことに、IFNAR1、IFNAR2およびIFNα2のヘテロ三量体複合体の結晶構造は、両方のIFNARの細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインの間にリンカー様ドメインを描写する(Li et al.、
図1;Piehler et al., Immunological Reviews (2012) 250, 317-334、
図5も参照)。理論に制約されることなく、このリンカー様ドメインが、ある程度の柔軟性を与えて、リガンド結合およびシグナル伝達に適切な立体構造で三元複合体の形成を容易にすることができると仮定された。したがって、IFNAR1およびIFNAR2リガンド結合における様々なポリペプチドリンカーの長さの効果を調査するための研究を設計した。予期せぬことに、リンカーなしで突然変異体Fcドメインにそれぞれ直接的に連結されるIFNAR1ドメインおよびIFNAR2ドメインを含むヘテロ二量体が、IFNAR1ドメインおよびIFNAR2ドメインがそれぞれポリペプチドリンカー(例えば、10または20アミノ酸の長さの)ありで突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるヘテロ二量体と比べて、I型インターフェロンに対する増加した結合親和性および効力を示すことが発見された。特に、異なるポリペプチドリンカーの長さを有する構築物を比較した場合、リンカーの長さが減少するにつれて、IFN-α結合親和性および効力が増加することが観察された。
【0104】
したがって、本開示は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、第1のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体を提供する。本開示のヘテロ二量体は、本明細書に記載されている通り、I型インターフェロン遺伝子発現を阻害する方法、I型インターフェロン活性を阻害する方法、および自己免疫性疾患を処置する方法において有用である。
定義
【0105】
特許請求の範囲および明細書で使用されている用語は、他に指定がなければ、下に表記されている通りに定義される。
【0106】
「アミノ酸」は、天然に存在するおよび合成のアミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸アナログおよびアミノ酸ミメティックを指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝暗号によってコードされるアミノ酸と共に、後に修飾されるアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメートおよびO-ホスホセリンである。アミノ酸アナログは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造、すなわち、水素に結合された炭素、カルボキシル基、アミノ基およびR基を有する化合物、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを指す。そのようなアナログは、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造を保持する。アミノ酸ミメティックは、アミノ酸の一般化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能する化学的な化合物を指す。
【0107】
アミノ酸は、IUPAC-IUB生化学命名法委員会(Biochemical Nomenclature Commission)によって推奨される、その一般的に公知の3文字記号または1文字記号のいずれかによって本明細書において参照することができる。ヌクレオチドは、同様に、その一般的に許容される一文字コードによって参照することができる。
【0108】
「アミノ酸置換」は、所定のアミノ酸配列(出発ポリペプチドのアミノ酸配列)における少なくとも1つの現存するアミノ酸残基の、第2の異なる「置き換え」アミノ酸残基による置き換えを指す。「アミノ酸挿入」は、所定のアミノ酸配列への少なくとも1つの追加的なアミノ酸の取り込みを指す。挿入は通常、1または2個のアミノ酸残基の挿入からなるであろうが、より大きい「ペプチド挿入」、例えば、約3~約5個またはさらには最大で約10、15もしくは20個のアミノ酸残基の挿入を行うことができる。挿入される残基(単数または複数)は、上に開示される通り、天然に存在するまたは天然に存在しない残基であり得る。「アミノ酸欠失」は、所定のアミノ酸配列からの少なくとも1つのアミノ酸残基の除去を指す。
【0109】
「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指すように本明細書で互換的に使用されている。これらの用語は、1つまたは複数のアミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人工の化学的ミメティックであるアミノ酸ポリマーと共に、天然に存在するアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しないアミノ酸ポリマーに適用される。
【0110】
「核酸」は、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド、および一本または二本鎖のいずれかの形態でのこれらのポリマーを指す。特に制約がなければ、この用語は、参照核酸と同様の結合特性を有し、天然に存在するヌクレオチドと同様の様式で代謝される天然ヌクレオチドの公知アナログを含有する核酸を包含する。他に断りがなければ、特定の核酸配列は、明確に示される配列のみならず、その保存的に修飾されたバリアント(例えば、縮重コドン置換)および相補配列も暗に包含する。特に、縮重コドン置換は、1つまたは複数の選択された(または全ての)コドンの第3の位置が、混合塩基および/またはデオキシイノシン残基に置換された配列を生成することにより達成することができる(Batzer et al., Nucleic Acid Res 1991;19:5081;Ohtsuka et al., JBC 1985;260:2605-8);Rossolini et al., Mol Cell Probes 1994;8:91-8)。アルギニンおよびロイシンに関して、第2の塩基における修飾が保存的となることもできる。核酸という用語は、遺伝子、cDNA、および遺伝子によってコードされるmRNAと互換的に使用される。
【0111】
本発明のポリヌクレオチドは、未修飾RNAもしくはDNAまたは修飾RNAもしくはDNAとなり得る、いずれかのポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチド(polydeoxribonucleotide)で構成され得る。例えば、ポリヌクレオチドは、一本および二本鎖DNA、一本および二本鎖領域の混合物であるDNA、一本および二本鎖RNA、ならびに一本および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖、またはより典型的には二本鎖、または一本および二本鎖領域の混合物となり得るDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子で構成され得る。加えて、ポリヌクレオチドは、RNAまたはDNA、またはRNAおよびDNAの両方を含む三本鎖領域で構成され得る。ポリヌクレオチドは、安定性または他の理由のために修飾された、1つまたは複数の修飾された塩基またはDNAもしくはRNA骨格を含有することもできる。「修飾された」塩基は、例えば、イノシン等、トリチル化塩基および珍しい塩基を含む。DNAおよびRNAに種々の修飾をなすことができる;よって、「ポリヌクレオチド」は、化学的に、酵素的にまたは代謝的に修飾された形態を包括する。
【0112】
本明細書で使用される場合、用語「作動可能に連結される」または「作動可能に連結される」は、記載されている構成成分が、その意図される様式で機能することを可能にする関係性にある並置を指す。
【0113】
本明細書で使用される場合、用語「グリコシル化」または「グリコシル化された」は、分子への糖部分の付加の過程または結果を指す。
【0114】
本明細書で使用される場合、用語「変更されたグリコシル化」は、非グリコシル化(aglycosylated)、脱グリコシル化(deglycosylated)または不十分グリコシル化(underglycosylated)された分子を指す。
【0115】
本明細書で使用される場合、「グリコシル化部位(単数または複数)」は、炭水化物部分を潜在的に受容し得る部位と、炭水化物部分が実際に付着したタンパク質内の部位の両方を指し、オリゴ糖および/または炭水化物のアクセプターとして作用し得るいずれかのアミノ酸配列を含む。
【0116】
本明細書で使用される場合、用語「非グリコシル化」または「非グリコシル化された」は、グリコシル化されていない(unglycosylated)形態での分子の産生を指す(例えば、グリコシル化のアクセプターとして機能するアミノ酸残基を欠くようにタンパク質またはポリペプチドを操作することにより)。あるいは、タンパク質またはポリペプチドは、例えば、E.coliにおいて発現させて、非グリコシル化されたタンパク質またはポリペプチドを産生することができる。
【0117】
本明細書で使用される場合、用語「脱グリコシル化」または「脱グリコシル化された」は、分子における糖部分の酵素による除去の過程または結果を指す。
【0118】
本明細書で使用される場合、用語「不十分グリコシル化」または「不十分グリコシル化された」は、哺乳動物細胞において産生された場合に正常に存在する筈の1つまたは複数の炭水化物構造が、省略、除去、修飾または遮蔽された分子を指す。
【0119】
本明細書で使用される場合、用語「Fc領域」および「Fcドメイン」は、抗原に結合する可変領域なしで、その2本の重鎖のそれぞれのFcドメイン(またはFc部分)によって形成されたネイティブ免疫グロブリンの部分である。一部の実施形態では、Fcドメインは、パパイン切断部位のすぐ上流のヒンジ領域において始まり、抗体のC末端で終わる。したがって、完全Fcドメインは、少なくともヒンジドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含む。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、次のうち少なくとも1つを含む:ヒンジ(例えば、上部、中央および/または下部ヒンジ領域)ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、CH4ドメイン、またはこれらのバリアント、部分もしくは断片。他の実施形態では、Fcドメインは、完全Fcドメイン(すなわち、ヒンジドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメイン)を含む。一実施形態では、Fcドメインは、CH3ドメイン(またはその部分)に融合されたヒンジドメイン(またはその部分)を含む。別の実施形態では、Fcドメインは、CH3ドメイン(またはその部分)に融合されたCH2ドメイン(またはその部分)を含む。別の実施形態では、Fcドメインは、CH3ドメインまたはその部分からなる。別の実施形態では、Fcドメインは、ヒンジドメイン(またはその部分)およびCH3ドメイン(またはその部分)からなる。別の実施形態では、Fcドメインは、CH2ドメイン(またはその部分)およびCH3ドメインからなる。別の実施形態では、Fcドメインは、ヒンジドメイン(またはその部分)およびCH2ドメイン(またはその部分)からなる。一実施形態では、Fcドメインは、CH2ドメインの少なくとも部分(例えば、CH2ドメインの全体または一部)を欠く。一実施形態では、本発明のFcドメインは、FcRn結合に要求されることが当技術分野で公知のFc分子の少なくとも部分を含む。一実施形態では、本発明のFcドメインは、プロテインA結合に要求されることが当技術分野で公知のFc分子の少なくとも部分を含む。一実施形態では、本発明のFcドメインは、プロテインG結合に要求されることが当技術分野で公知のFc分子の少なくとも部分を含む。本明細書におけるFcドメインは、一般に、免疫グロブリン重鎖のFcドメインの全体または一部を含むポリペプチドを指す。そのようなものとして、CH1、ヒンジ、CH2および/またはCH3ドメイン全体を含むポリペプチドと共に、例えば、ヒンジ、CH2およびCH3ドメインのみを含むそのようなペプチドの断片が挙げられるがこれらに限定されない。Fcドメインは、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgD、IgA、IgEまたはIgM抗体が挙げられるがこれらに限定されない、いずれかの種および/またはいずれかのサブタイプの免疫グロブリンに由来することができる。Fcドメインは、ネイティブFcおよびFcバリアント分子を包含する。FcバリアントおよびネイティブFcと同様に、Fcドメインという用語は、抗体全体から消化されたか、他の手段によって産生されたかにかかわらず、単量体または多量体形態の分子を含む。
【0120】
本明細書に表記される通り、当業者であれば、天然に存在する免疫グロブリン分子のネイティブFcドメインからアミノ酸配列が変動するように、いずれかのFcドメインを改変することができることが理解されるであろう。
【0121】
本開示のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、異なる免疫グロブリン分子に由来することができる。例えば、インターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、IgG1分子に由来するCH2および/またはCH3ドメイン、ならびにIgG3分子に由来するヒンジ領域を含むことができる。別の例では、Fcドメインは、IgG1分子に部分的に由来し、IgG3分子に部分的に由来するキメラヒンジ領域を含むことができる。別の例では、Fcドメインは、IgG1分子に部分的に由来し、IgG4分子に部分的に由来するキメラヒンジを含むことができる。野生型ヒトIgG1 Fcドメインは、配列番号26に表記されているアミノ酸配列を有する。
【0122】
本明細書で使用される場合、用語「血清半減期」は、in vivo血清可溶性インターフェロン受容体濃度が、50%減退するのに要求される時間を指す。可溶性インターフェロン受容体の血清半減期が短いほど、これが治療効果を発揮するのにかかる時間が短くなる。
【0123】
本明細書で使用される場合、用語「可溶性インターフェロン受容体」または「ヘテロ二量体」は、第1のIFNARドメインまたはそのバリアントもしくは断片、および第2のIFNARドメインまたはそのバリアントもしくは断片を含む分子を指す。一部の実施形態では、IFNARドメインは、IFNARの細胞外ドメインである。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、第1のポリペプチドは、IFNARの細胞外ドメインまたはそのバリアントもしくは断片を含み、第2のポリペプチドは、IFNARの細胞外ドメインまたはそのバリアントもしくは断片を含む。一部の実施形態では、第1および第2のポリペプチドは、相互作用して、二量体(例えば、ヘテロ二量体)を形成する。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、リンカードメインありまたはなしで、免疫グロブリンFcドメインまたはそのバリアントもしくは断片に作動可能に連結されるIFNARドメインまたはそのバリアントもしくは断片を含む第1のポリペプチド、およびリンカードメインありまたはなしで、免疫グロブリンFcドメインまたはそのバリアントもしくは断片に作動可能に連結されるIFNARドメインまたはそのバリアントもしくは断片を含む第2のポリペプチド;ならびにそのようなポリペプチドをコードする核酸を含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、リンカードメインありまたはなしで、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片に作動可能に連結されるINFAR1またはそのバリアントもしくは断片を含む。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、リンカードメインありまたはなしで、バリアントFcドメインまたはそのバリアントもしくは断片に作動可能に連結されるINFAR2またはそのバリアントもしくは断片を含む。一部の実施形態では、第1および第2のポリペプチドは、二量体化して、ヘテロ二量体構築物を形成する。一部の実施形態では、第1および/または第2のポリペプチドは、リーダー配列を含んでも含まなくてもよい。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、リーダー配列を含んでも含まなくてもよい。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、2つまたはそれよりも多いインターフェロン受容体Fc構築物を含む。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、I型インターフェロン、例えば、IFN-α、INF-β、IFN-ε、-κ、-τ、-ζ、IFN-ω、IFN-νに結合する。
【0124】
本明細書で使用される場合、用語「インターフェロン受容体Fc構築物」は、リンカードメインありまたはなしで、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片に作動可能に連結されるIFNARドメイン(例えば、IFNAR1またはIFNAR2)またはそのバリアントもしくは断片を含むポリペプチド、およびそのようなポリペプチドをコードする核酸を指す。一部の実施形態では、IFNARドメインは、IFNARの細胞外ドメインである。インターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー配列を含んでも含まなくてもよい。インターフェロン受容体Fc構築物は、「インターフェロン受容体Fcタンパク質」と称される場合もある。
【0125】
本明細書で使用される場合、用語「I型インターフェロン」または「I型IFN」は、ヘテロ二量体の細胞表面受容体である、IFNAR1およびIFNAR2を含むIFN-α受容体(IFNAR)に結合する炎症促進性サイトカインを指す。IFN-α、INF-β、IFN-ε、-κ、-τ、-ζ、IFN-ω、IFN-νを含む、16種のI型IFNがヒトに存在する。I型IFNは、複数の異なる細胞型において急速に産生され、多種多様な効果を有することが公知である。全てのI型IFNが、同じ受容体に結合し、構造的に非常に同様の三元複合体を形成するが、差次的IFN活性は、各受容体鎖における異なる寿命およびリガンド親和性に起因し、これは、シグナル伝達複合体のアセンブリおよび動態を指示する(Piehler, J. et al. (2012) Immunological Reviews 250: 317-334;Li, H. et al. (2017) J Mol Biol 429: 2571-2589)。
【0126】
本明細書で使用される場合、用語「I型IFN活性」は、本明細書に記載されている受容体が挙げられるがこれらに限定されない、受容体(IFNAR)へのI型IFNの相互作用により生じる生物活性を指す。in vivoでのI型IFN産生の正準な帰結は、抗菌細胞プログラムの活性化、ならびに自然および適応免疫応答の発生である。I型IFNは、自然免疫細胞活性化(例えば、樹状細胞の成熟)をモジュレートして、抗原提示およびナチュラルキラー細胞機能を促進する。I型IFNは、高親和性抗原特異的TおよびB細胞応答の発生ならびに免疫記憶も促進する(Ivashkiv and Donlin (2014) Nat Rev Immunol 14(1):36-49)。
【0127】
I型IFNは、樹状細胞(DC)を活性化し、自己分泌シグナル伝達を介してそのT細胞刺激性能力を促進することが示された(Montoya et al., (2002) Blood 99:3263-3271)。I型IFN曝露は、ケモカイン受容体および接着分子(例えば、流入領域リンパ節へのDC遊走を促進するために)、共刺激性分子、ならびにMHCクラスIおよびクラスII抗原提示の発現を増加させることによりDCの成熟を容易にする。I型IFN曝露後に成熟するDCは、防御T細胞応答を有効に予備刺激することができる(Wijesundara et al., (2014) Front Immunol 29(412)およびその中に記載された参考文献)。したがって、一部の実施形態では、I型IFN活性は、DC活性化および/または成熟の増加または誘導である。一部の実施形態では、I型IFN活性は、流入領域リンパ節へのDC遊走の増加または誘導である。
【0128】
さらに、I型IFNは、T細胞活性化、増殖、分化および生存を促進することができる(Crouse et al., (2015) Nat Rev Immunol 15:231-242)。初期研究は、MHC-I発現が、複数の細胞型においてI型IFNに応答して上方調節されることを明らかにし(Lindahl et al., (1976), J Infect Dis 133(Suppl):A66-A68;Lindahl et al., (1976) Proc Natl Acad Sci USA 17:1284-1287)、これは、最適なT細胞刺激、分化、増大化および細胞溶解活性の要件である。加えて、I型IFNは、CD8 T細胞において強力な共刺激性効果を発揮することができ、CD8 T細胞増殖および分化を増強する(Curtsinger et al., (2005) J Immunol 174:4465-4469;Kolumam et al., (2005) J Exp Med 202:637-650)。したがって、一部の実施形態では、I型IFN活性は、T細胞増殖の増加または誘導である。一部の実施形態では、I型IFN活性は、CD8+T細胞増殖の増加または誘導である。一部の実施形態では、I型IFN活性は、T細胞分化の増加または誘導である。一部の実施形態では、I型IFN活性は、CD8+T細胞分化の増加または誘導である。
【0129】
B細胞に関して、I型IFN曝露は、ウイルス感染後にまたは実験的免疫化後にB細胞活性化、抗体産生およびアイソタイプスイッチを促進することが示されてきた(Le Bon et al., (2006) J Immunol 176:4:2074-2078;Swanson et al., (2010) J Exp Med 207:1485-1500)。したがって、一部の実施形態では、I型IFN活性は、抗体産生の増加または誘導である。
【0130】
一部の実施形態では、I型IFN活性は、IFNARへのIFNα結合により生じる。一部の実施形態では、I型IFN活性は、IFNARへのIFNβ結合により生じる。一部の実施形態では、I型IFN活性は、(i)T細胞増殖(例えば、CD8+T細胞増殖)の増加または誘導;(ii)DC成熟の増加または誘導;(iii)流入領域リンパ節へのDC遊走の増加または誘導;(iv)T細胞分化(例えば、CD8+T細胞分化)の増加または誘導;(v)抗体産生の増加または誘導;および(vi)(i)~(v)のいずれかの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、I型IFN活性は、in vitroで決定される。一部の実施形態では、I型IFN活性は、in vivoで決定される。
【0131】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているヘテロ二量体は、I型IFN活性を阻害または低下させる。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載されているヘテロ二量体は、(i)T細胞増殖(例えば、CD8+T細胞増殖)を阻害もしくは低下させる;(ii)DC成熟を阻害もしくは低下させる;(iii)流入領域リンパ節へのDC遊走を阻害もしくは低下させる;(iv)T細胞分化(例えば、CD8+T細胞分化)を阻害もしくは低下させる;(v)IFN媒介性抗体産生を阻害もしくは低下させる;または(vi)(i)~(v)のいずれかの組合せである。一部の実施形態では、本明細書に記載されているヘテロ二量体によるI型IFN活性の阻害または低下は、ヘテロ二量体の非存在下での活性と比べられる。T細胞増殖、DC成熟、DC遊走、T細胞分化およびIFN媒介性抗体産生の阻害または低下を決定するための方法は、当業者に公知である。
【0132】
本明細書で使用される場合、用語「二量体」は、2個の巨大分子(例えば、ポリペプチド)によって形成された巨大分子複合体を指す。「ホモ二量体」は、2個の同一巨大分子(例えば、ポリペプチド)によって形成された二量体を指す。「ヘテロ二量体」は、2個の異なる巨大分子(例えば、ポリペプチド)によって形成された二量体を指す。
【0133】
本明細書で使用される場合、用語「バリアント」は、野生型インターフェロン受容体またはFcドメインに由来し、1つまたは複数の位置における1つまたは複数の変更(単数または複数)、すなわち、置換、挿入および/または欠失が野生型とは異なるポリペプチドを指す。置換は、ある位置を占有するアミノ酸の、異なるアミノ酸による置き換えを意味する。欠失は、ある位置を占有するアミノ酸の除去を意味する。挿入は、ある位置を占有するアミノ酸に直接隣接する1~3個等、1つまたは複数のアミノ酸付加を意味する。バリアントポリペプチドは、必然的に、野生型ポリペプチドと100%未満の配列同一性または類似性を有する。一部の実施形態では、バリアントポリペプチドは、例えば、バリアントポリペプチドの長さにわたり、野生型ポリペプチドのアミノ酸配列と約75%~100%未満のアミノ酸配列同一性もしくは類似性、または約80%~100%未満もしくは約85%~100%未満もしくは約90%~100%未満(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)もしくは約95%~100%未満のアミノ酸配列同一性もしくは類似性を有するアミノ酸配列を有するであろう。
【0134】
ある特定の態様では、インターフェロン受容体Fc構築物は、ポリペプチドリンカー等、1つまたは複数の「リンカードメイン」を用いる。本明細書で使用される場合、用語「リンカードメイン」は、線状ポリペプチド配列において2つまたはそれよりも多いペプチドドメインを接続する1つまたは複数のアミノ酸を指す。本明細書で使用される場合、用語「ポリペプチドリンカー」は、タンパク質の線状アミノ酸配列において2つまたはそれよりも多いポリペプチドドメインを接続するペプチドまたはポリペプチド配列(例えば、合成ペプチドまたはポリペプチド配列)を指す。例えば、ポリペプチドリンカーを使用して、インターフェロン受容体をFcドメインに作動可能に連結することができる。そのようなポリペプチドリンカーは、一部の実施形態では、ポリペプチド分子に柔軟性をもたらす。一部の実施形態では、ポリペプチドリンカーを使用して、例えば、IFNAR1ドメインをFcドメインに、および/またはIFNAR2ドメインをFcドメインに接続(例えば、遺伝学的に融合)する。インターフェロン受容体Fc構築物は、1より多いリンカードメインまたはペプチドリンカーを含むことができる。様々なペプチドリンカーは、当技術分野で公知である。
【0135】
本明細書で使用される場合、用語「gly-serポリペプチドリンカー」は、グリシンおよびセリン残基からなるペプチドを指す。例示的なgly/serポリペプチドリンカーは、アミノ酸配列(Gly4Ser)nを含む。一部の実施形態では、nは、2もしくはそれよりも多い、3もしくはそれよりも多い、4もしくはそれよりも多い、5もしくはそれよりも多い、6もしくはそれよりも多い、7もしくはそれよりも多い、8もしくはそれよりも多い、9もしくはそれよりも多いまたは10もしくはそれよりも多い(例えば、(Gly4Ser)10)等、1または複数である。別の例示的なgly/serポリペプチドリンカーは、アミノ酸配列Ser(Gly4Ser)nを含む。一部の実施形態では、nは、2もしくはそれよりも多い、3もしくはそれよりも多い、4もしくはそれよりも多い、5もしくはそれよりも多い、6もしくはそれよりも多い、7もしくはそれよりも多い、8もしくはそれよりも多い、9もしくはそれよりも多いまたは10もしくはそれよりも多い(例えば、Ser(Gly4Ser)10)等、1または複数である。
【0136】
本明細書で使用される場合、用語「連結される(coupled)」、「コンジュゲートされた」、「連結される(linkde)」、「融合された」または「融合」は、互換的に使用される。これらの用語は、化学的コンジュゲーションまたは組換え手段を含むいずれの手段によるものであれ、2つまたはそれよりも多い(two more)エレメントまたは構成成分またはドメインを一体に連接することを指す。化学的コンジュゲーションの方法(例えば、ヘテロ二官能性架橋剤を使用した)は、当技術分野で公知である。
【0137】
指名されたポリペプチドまたはタンパク質「に由来する」ポリペプチドまたはアミノ酸配列は、ポリペプチドの起源を指す。好ましくは、特定の配列に由来するポリペプチドまたはアミノ酸配列は、当該配列またはその部分と本質的に同一であるアミノ酸配列を有し、この部分は、少なくとも10~20アミノ酸、好ましくは少なくとも20~30アミノ酸、より好ましくは少なくとも30~50アミノ酸からなる、またはこれは、当業者であれば、当該配列にその起源を有すると他の仕方で同定可能である。別のポリペプチドに由来するポリペプチドは、出発ポリペプチドと比べて1つまたは複数の突然変異、例えば、別のアミノ酸残基に置換された、または1つもしくは複数のアミノ酸残基挿入もしくは欠失を有する、1つまたは複数のアミノ酸残基を有することができる。
【0138】
一実施形態では、出発ポリペプチド配列およびそれに由来する配列の間には、1個のアミノ酸の差が存在する。この配列に関する同一性または類似性は、配列を整列し、必要であればギャップを導入して、最大パーセント配列同一性を達成した後に、出発アミノ酸残基と同一(すなわち、同じ残基)である候補配列におけるアミノ酸残基のパーセンテージとして本明細書で定義される。
【0139】
一実施形態では、本開示のポリペプチドは、本明細書に開示されている配列リストまたは配列表に表記されているアミノ酸配列、およびその機能的に活性なバリアントからなる、これから本質的になるまたはこれを含む。ある実施形態では、ポリペプチドは、本明細書に開示されている配列リストまたは配列表に表記されているアミノ酸配列と少なくとも80%、例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、本明細書に開示されている配列リストまたは配列表に表記されている近接アミノ酸配列と少なくとも80%、例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一である近接アミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、本明細書に開示されている配列リストまたは配列表に表記されているアミノ酸配列の少なくとも10、例えば、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400または少なくとも500(またはこれらの数以内のいずれかの整数)個の近接アミノ酸を有するアミノ酸配列を含む。
【0140】
一部の実施形態では、本開示のインターフェロン受容体Fc構築物は、ヌクレオチド配列によってコードされる。本開示のヌクレオチド配列は、クローニング、遺伝子療法、タンパク質発現および精製、突然変異導入、それを必要とする宿主のDNAワクチン接種、例えば、受動免疫化のための抗体生成、PCR、プライマーおよびプローブ生成、siRNA設計および生成(例えば、Dharmacon siDesignウェブサイトを参照)その他を含む多数の適用に有用となり得る。一部の実施形態では、本開示のヌクレオチド配列は、配列表または配列リストから選択されるインターフェロン受容体Fc構築物のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む、これからなるまたはこれから本質的になる。一部の実施形態では、ヌクレオチド配列は、本明細書に開示されている配列リストまたは配列表のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と少なくとも80%、例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ヌクレオチド配列は、本明細書に開示されている配列リストまたは配列表に表記されているアミノ酸配列をコードする近接ヌクレオチド配列と少なくとも80%、例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一である近接ヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ヌクレオチド配列は、本明細書に開示されている配列リストまたは配列表に表記されているアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列の少なくとも10、例えば、少なくとも15、例えば、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400または少なくとも500(またはこれらの数以内のいずれかの整数)個の近接ヌクレオチドを有するヌクレオチド配列を含む。
【0141】
当業者であれば、ネイティブ配列の望ましい活性を保持しつつ、その構成成分(例えば、インターフェロン受容体ドメイン、リンカードメインおよびFcドメイン)が由来する天然に存在するまたはネイティブの配列から配列が変動するように、インターフェロン受容体Fc構築物を変更することができることも理解するであろう。例えば、「非必須」アミノ酸残基に保存的置換または変化をもたらすヌクレオチドまたはアミノ酸置換をなすことができる。非天然バリアントをコードする単離された核酸分子は、コードされるタンパク質に1つまたは複数のアミノ酸置換、付加または欠失が導入されるように、インターフェロン受容体Fc構築物のヌクレオチド配列に1つまたは複数のヌクレオチド置換、付加または欠失を導入することにより作製することができる。突然変異は、部位特異的突然変異誘発およびPCR媒介性突然変異誘発等、標準技法によって導入することができる。
【0142】
インターフェロン受容体Fc構築物は、1つまたは複数のアミノ酸残基、例えば、必須または非必須アミノ酸残基に保存的アミノ酸置換を含むことができる。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、同様の側鎖を有するアミノ酸残基に置き換えられた置換である。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義されており、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、無電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ-分枝状側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。よって、インターフェロン受容体Fc構築物における非必須アミノ酸残基が、同じ側鎖ファミリー由来の別のアミノ酸残基に好ましくは置き換えられる。別の実施形態では、アミノ酸の連なりを、側鎖ファミリーメンバーの順序および/または組成が異なる構造的に同様の連なりに置き換えることができる。あるいは、別の実施形態では、突然変異を、飽和突然変異誘発等によりコード配列の全体または一部に沿ってランダムに導入し、結果としての突然変異体を、インターフェロン受容体Fc構築物に取り込み、所望の標的に結合するその能力に関してスクリーニングすることができる。
【0143】
用語「寛解すること」は、その予防法、重症度もしくは進行の低減、軽快または治癒を含む、疾患状態、例えば、自己免疫性疾患状態(例えば、SLE、シェーグレン症候群)の処置におけるいずれかの治療上有益な結果を指す。
【0144】
用語「in situ」は、生体から分離して成長する、例えば、組織培養において成長する生細胞において起こる過程を指す。
【0145】
用語「in vivo」は、生体において起こる過程を指す。
【0146】
用語「哺乳動物」または「対象」または「患者」は、本明細書で使用される場合、ヒトおよび非ヒトの両方を含み、そのようなものとして、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、マウス、ウシ、ウマおよびブタが挙げられるがこれらに限定されない。
【0147】
2種またはそれよりも多い核酸またはポリペプチド配列の文脈におけるパーセント「同一性」という用語は、後述する配列比較アルゴリズム(例えば、BLASTPおよびBLASTNまたは当業者に利用できる他のアルゴリズム)の1種を使用してまたは目視点検によって測定した場合、比較および整列すると、最大一致に関して、同じである指定のパーセンテージのヌクレオチドまたはアミノ酸残基を有する2種またはそれよりも多い配列または部分配列を指す。適用に応じて、パーセント「同一性」は、比較されている配列の領域にわたって、例えば、機能的ドメインにわたって存在することができる、あるいは、比較しようとする2種の配列の全長にわたって存在することができる。
【0148】
配列比較のため、典型的には、1種の配列が、被験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、被験および参照配列が、コンピュータに入力され、必要であれば部分配列座標が指名され、配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指名される。次いで、配列比較アルゴリズムが、指名されたプログラムパラメーターに基づき、参照配列と比べて被験配列(単数または複数)のパーセント配列同一性を計算する。
【0149】
例えば、Smith & Waterman, Adv Appl Math 1981;2:482の局所的相同性アルゴリズムにより、Needleman & Wunsch, J Mol Biol 1970;48:443の相同性整列アルゴリズムにより、Pearson & Lipman, PNAS 1988;85:2444の類似性方法の検索により、これらのアルゴリズムのコンピュータ処理されたインプリメンテーションにより(GAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA、Wisconsin Genetics Software Package内、Genetics Computer Group、575 Science Dr.、Madison、Wis.)、または目視点検により(全般的に、Ausubel et al、下記を参照)、比較のための配列の最適整列を行うことができる。
【0150】
パーセント配列同一性および配列類似性の決定に適したアルゴリズムの一例は、Altschul et al., J Mol Biol 1990;215:403-10に記載されているBLASTアルゴリズムである。BLAST解析を実行するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationウェブサイトを介して公開されている。
【0151】
用語「十分な量」は、所望の効果の産生に十分な量を意味する。
【0152】
用語「治療有効量」は、疾患の症状の寛解に有効な量である。予防法は治療法と考慮することができるため、治療有効量は、「予防有効量」であり得る。
【0153】
用語「約」は、当業者であれば、これが使用される文脈に応じてある程度まで変動することを理解するであろう。これが使用される文脈を考慮しても当業者に明らかでない、この用語の使用がなされる場合、「約」は、特定の値のプラス・マイナス10%までを意味するであろう。
【0154】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」が、文脈がそれ以外を明らかに指示しない限り、複数形の指示対象を含むことに留意する必要がある。
可溶性インターフェロン受容体
【0155】
一部の実施形態では、本開示の可溶性インターフェロン受容体は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含み、各ポリペプチドは、リーダー配列ありまたはなしで、インターフェロン受容体Fc構築物を含む。インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインありまたはなしで、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片に作動可能に連結される、インターフェロン受容体ドメイン(例えば、IFNAR1またはIFNAR2)、またはそのバリアントもしくは断片を、リーダー配列ありまたはなしで含む。一部の実施形態では、第1および第2のポリペプチドは、二量体化して、二量体;例えば、ヘテロ二量体を形成する。
【0156】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、可溶性インターフェロン受容体を含む。
【0157】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体ドメインは、リンカードメインなしで、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片に作動可能に連結される。
【0158】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体ドメインは、リンカードメインを介して、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片に作動可能に連結される。一部の実施形態では、リンカードメインは、リンカーペプチドである。一部の実施形態では、リンカードメインは、リンカーヌクレオチドである。
【0159】
一部の実施形態では、リンカードメインは、5アミノ酸進行によってリンカーの長さを変更する、(gly4ser)2、3、4または5バリアントを含む。別の実施形態では、リンカードメインは、およそ18アミノ酸の長さであり、in vivoでプロテアーゼ切断に対して感受性となり得るN結合型グリコシル化部位を含む。一部の実施形態では、N結合型グリコシル化部位は、リンカードメインにおける切断から可溶性インターフェロン受容体を保護することができる。一部の実施形態では、N結合型グリコシル化部位は、リンカードメインによって分離される独立した機能的ドメインのフォールディングの分離を支援することができる。
【0160】
一部の実施形態では、リンカードメインは、NLGリンカー(VDGASSPVNVSSPSVQDI)(配列番号18)である。
【0161】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー分子、例えば、リーダーペプチドを含む。一部の実施形態では、リーダー分子は、インターフェロン受容体ドメインのN末端に位置するリーダーペプチドである。一部の実施形態では、本発明のインターフェロン受容体Fc構築物は、分子のN末端にリーダーペプチドを含み、リーダーペプチドは、インターフェロン受容体Fc構築物から後に切断される。組換えタンパク質に融合されるリーダーペプチドをコードする核酸配列を生成するための方法は、当技術分野で周知である。一部の実施形態では、本発明のインターフェロン受容体Fc構築物のいずれかは、そのN末端に融合されたリーダーありまたはなしのいずれかで、発現または合成することができる。融合されたリーダーペプチドの切断後の本開示のインターフェロン受容体Fc構築物のタンパク質配列は、当業者であれば予測および/または推論することができる。
【0162】
一部の実施形態では、リーダーペプチドは、アミノ酸配列:MDWTWRILFLVAAATGTHA(配列番号13)を含む。一部の実施形態では、リーダーは、アミノ酸配列:METPAQLLFLLLLWLPDTTG(配列番号14)を含むVK3リーダーペプチド(VK3LP)である。一部の実施形態では、リーダーペプチドは、インターフェロン受容体Fc構築物のN末端に融合される。そのようなリーダー配列は、哺乳動物細胞におけるインターフェロン受容体Fc構築物の合成および分泌のレベルを改善することができる。一部の実施形態では、リーダーは切断され、インターフェロン受容体Fc構築物を生じる。一部の実施形態では、本発明のインターフェロン受容体Fc構築物は、そのN末端に融合されたリーダーペプチドなしで発現され、その結果生じるインターフェロン受容体Fc構築物は、N末端メチオニンを有する。
【0163】
一部の実施形態では、本開示の可溶性インターフェロン受容体は、第1および第2のポリペプチドを含み、ポリペプチドのそれぞれは、リンカードメインありまたはなしで、免疫グロブリンFcドメインまたはそのバリアントもしくは断片のNまたはC末端に作動可能に連結される、インターフェロン受容体ドメイン(例えば、IFNAR1、IFNAR2)、またはそのバリアントもしくは断片を、リーダー配列ありまたはなしで含む。一部の実施形態では、2個のポリペプチドのそれぞれのインターフェロン受容体ドメインは、異なる、例えば、IFNAR1およびIFNAR2である。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、二量体分子である。一部の実施形態では、第1および第2のポリペプチドは、二量体化して、ヘテロ二量体を形成する。
【0164】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、インターフェロン受容体の実質的に全てまたは少なくとも活性断片を含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体は、IFNAR1、例えば、ヒトIFNAR1の細胞外ドメイン(配列番号11)またはそのバリアントもしくは断片である。一部の実施形態では、インターフェロン受容体は、IFNAR2、例えば、ヒトIFNAR2の細胞外ドメイン(配列番号12)またはそのバリアントもしくは断片である。一部の実施形態では、20または25aaリンカードメインを含有するIFNAR-リンカー-Fcが作製される。一部の実施形態では、10aaリンカードメインを含有するIFNAR-リンカー-Fcが作製される。一部の実施形態では、5aaリンカードメインを含有するIFNAR-リンカー-Fcが作製される。一部の実施形態では、リンカードメインなしのIFNAR-Fcが作製される。一部の実施形態では、インターフェロン受容体は、リーダー配列を含んでも含まなくてもよい。
【0165】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、IFNAR-リンカー-Fcを含み、IFNARドメインは、FcのCOOH側に配置される。他の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、IFNAR-リンカー-Fcを含み、IFNARドメインは、FcのNH2側に配置される。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、IFNAR1-FcおよびIFNAR2-Fc;IFNAR1-リンカー-FcおよびIFNAR2-リンカー-Fc;Fc-IFNAR1およびFc-IFNAR2;Fc-リンカー-IFNAR1およびFc-リンカー-IFNAR2を含む。インターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー配列を含んでも含まなくてもよい。
【0166】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体ドメインおよびインターフェロン受容体Fc構築物の他のドメインの間の融合接合部が、最適化される。
【0167】
図1は、可溶性インターフェロン受容体の例示的な構成を表示し、配列表は、様々な構成の例示的なインターフェロン受容体Fc構築物の配列を提示する。
【0168】
一実施形態では、インターフェロン受容体ドメインは、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片のN末端に作動可能に連結される(例えば、化学的にコンジュゲートまたは遺伝学的に融合される(例えば、直接的に、またはポリペプチドリンカー等のリンカーを介してのいずれかで))。別の実施形態では、インターフェロン受容体ドメインは、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片のC末端に作動可能に連結される(例えば、化学的にコンジュゲートまたは遺伝学的に融合される(例えば、直接的に、またはポリペプチドリンカー等のリンカーを介してのいずれかで))。他の実施形態では、インターフェロン受容体ドメインは、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片のアミノ酸側鎖を介して、作動可能に連結される(例えば、化学的にコンジュゲートまたは遺伝学的に融合される(例えば、直接的に、またはポリペプチドリンカー等のリンカーを介してのいずれかで))。
【0169】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、同じまたは異なるインターフェロン受容体ドメイン(例えば、IFNAR1およびIFNAR2)またはそのバリアントもしくは断片のうち少なくとも2個、および同じまたは異なるFcドメインまたはそのバリアントもしくは断片のうち少なくとも2個を含み、インターフェロン受容体ドメインおよびFcドメインの間の必要に応じたリンカードメインを有する。
【0170】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、ヘテロ二量体を形成する。
【0171】
一部の実施形態では、本開示の可溶性インターフェロン受容体は、本明細書に記載されているFcドメインまたはそのバリアントもしくは断片を含み、これにより、可溶性インターフェロン受容体の血清半減期およびバイオアベイラビリティを増加させる。
【0172】
当業者であれば、インターフェロン受容体ドメインおよびFcドメインの間の必要に応じたリンカーの包接により、インターフェロン受容体ドメインおよびFcドメインの他の構成が可能であることを理解するであろう。インターフェロン受容体ドメインが、検査した特定の構成において活性である限り、ドメイン配向性を変更することができることも理解されるであろう。
【0173】
ある特定の実施形態では、本開示の可溶性インターフェロン受容体は、生物学的効果を媒介する標的分子に特異的な少なくとも1つのインターフェロン受容体ドメインを有する。別の実施形態では、I型インターフェロン(例えば、IFN-α、INF-β、IFN-ε、-κ、-τ、-ζ、IFN-ω、IFN-ν)等の標的分子への本開示の可溶性インターフェロン受容体の結合は、例えば、細胞、組織または循環からの、標的分子の低下または排出をもたらす。
【0174】
他の実施形態では、本開示のインターフェロン受容体Fc構築物は、一体に、または他のインターフェロン受容体Fc構築物もしくはポリペプチドとアセンブルして、2つまたはそれよりも多いポリペプチドを有する結合タンパク質(「多量体」)を形成することができ、多量体の少なくとも1つのポリペプチドは、本開示のインターフェロン受容体Fc構築物である。例示的な多量体形態は、二量体、三量体、四量体および六量体の変更された結合タンパク質その他を含む。一実施形態では、多量体のポリペプチドは、同じである(すなわち、ホモマー結合タンパク質、例えば、ホモ二量体、ホモ四量体)。別の実施形態では、多量体のポリペプチドは、異なる(例えば、ヘテロマー結合タンパク質、例えば、ヘテロ二量体)。
【0175】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片に融合されていない対応するインターフェロン受容体分子と比べて、少なくとも約1.5倍、例えば、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍、少なくとも約300倍、少なくとも約400倍、少なくとも約500倍、少なくとも約600倍、少なくとも約700倍、少なくとも約800倍、少なくとも約900倍、少なくとも約1000倍または1000倍もしくはそれを超えて増加した血清半減期を有する。他の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片に融合されていない対応するインターフェロン受容体分子と比べて、多くても約3分の2、例えば、多くても3分の1、多くても5分の1、多くても10分の1、多くても約20分の1、多くても約50分の1、多くても約100分の1、多くても約200分の1、多くても約300分の1、多くても約400分の1、多くても約500分の1または500分の1もしくはそれよりも低くに減少した血清半減期を有する。常套的な当技術分野で認識される方法を使用して、本開示の可溶性インターフェロン受容体の血清半減期を決定することができる。
【0176】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体におけるインターフェロン受容体(例えば、IFNAR1またはIFNAR2)の活性は、天然に存在する、野生型インターフェロン受容体分子の活性の約10分の1以上の低さ、例えば、9分の1の低さ、8分の1の低さ、7分の1の低さ、6分の1の低さ、5分の1の低さ、4分の1の低さ、3分の1の低さ、または2分の1の低さである。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体におけるインターフェロン受容体の活性は、天然に存在する、野生型インターフェロン受容体分子の活性にほぼ等しい。
【0177】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、インターフェロンに結合し、その効果を減少させることができる。
【0178】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体の活性は、in vitroおよび/またはin vivoで検出可能である。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体構築物は、細胞、疾患細胞、悪性細胞またはがん細胞に結合し、その生物活性に干渉する。
【0179】
別の態様では、I型インターフェロンに標的化されたscFv等、結合特異性を有する酵素または抗体に付着した、多機能性可溶性インターフェロン受容体が提供される。例えば、I型インターフェロンは、IFN-α、INF-β、IFN-ε、-κ、-τ、-ζ、IFN-ω、IFN-νを含む。
【0180】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体のIFNARドメインの標的は、主に細胞外I型インターフェロンである。例えば、IFN-α、INF-β、IFN-ε、-κ、-τ、-ζ、IFN-ω、IFN-ν。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、細胞内小胞の酸性環境において活性である。一部の実施形態では、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片を含む可溶性インターフェロン受容体は、細胞外およびエンドサイトーシス環境の両方で活性となるように適応される。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体のIFNARドメインは、細胞の細胞質において活性ではない。
【0181】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、IFNAR1およびIFNAR2の両方を含む。一部の実施形態では、これらの可溶性インターフェロン受容体は、インターフェロン(IFN)、例えば、IFNαまたはIFNβに結合し、サイトカインの炎症性効果を打ち消すまたは低下させるため、SLEの治療法を改善する。
インターフェロン受容体ドメイン
【0182】
一部の実施形態では、本開示のインターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインありまたはなしで、免疫グロブリンFcドメインまたはそのバリアントもしくは断片に作動可能に連結される、1つまたは複数のインターフェロン受容体ドメイン(IFNAR)またはそのバリアントもしくは断片を含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体ドメインは、インターフェロン受容体ドメインのバリアントまたは断片である。一部の実施形態では、インターフェロン受容体ドメインは、インターフェロン受容体の細胞外ドメインを含む。例えば、IFNAR1の細胞外ドメインまたはIFNAR2の細胞外ドメイン。一部の実施形態では、インターフェロン受容体ドメインは、リーダー配列を含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体ドメインは、リーダー配列を含まない。
【0183】
適したIFNARドメインは、当技術分野で周知であり、そのようなものとして、IFNAR1およびIFNAR2が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、IFNARドメインは、その内容全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる、deWeerd et al., Type I Interferon Receptors: Biochemistry and Biological Functions, J. of Biol. Chem., Vol. 282, No. 28, 20053-20057 (2007)に記述されている。
【0184】
I型インターフェロンα/β受容体(IFNAR)は、IFNAR1およびIFNAR2と命名された複数の構成成分で構成されるヘテロマー細胞表面受容体である。INFAR複合体は、例えば、IFN-αおよびIFN-β、いくつかのIFNαサブタイプ、IFN-ω、IFN-ε、IFN-κその他を含む15種を超える異なるが関連するI型インターフェロン(IFN)リガンドによるシグナル伝達に結合するおよび/またはこれを媒介するため、サイトカイン受容体の間で特有である。I型IFNの結合により、IFNARは、JAK-STATシグナル伝達経路を活性化する。
【0185】
一部の実施形態では、本開示のインターフェロン受容体Fc構築物は、ヘテロ二量体の形態で別のインターフェロン受容体Fc構築物と複合体形成すると、インターフェロン(例えば、IFN-α、INF-β、IFN-□、-□、-□、-□、IFN-□、IFN-□)に結合する。例えば、インターフェロンに結合することができる本開示のヘテロ二量体は、IFNARがIFNAR1である第1のインターフェロン受容体Fc構築物と、IFNARがIFNAR2である第2のインターフェロン受容体Fc構築物とを含む。
【0186】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物のIFNARドメインは、配列番号5として表記されているアミノ酸配列を有する天然に存在する野生型IFNAR1タンパク質である。一部の実施形態では、IFNARドメインは、IFNAR1タンパク質のバリアントまたは断片である。一部の実施形態では、IFNARドメインは、配列番号5として表記されているアミノ酸配列の50~100、100~150、150~200、200~250、250~300、300~350、350~400、400~450、450~500または450~557アミノ酸を含む。一部の実施形態では、IFNARドメインは、配列番号5として表記されているアミノ酸配列の350~360、360~370、370~380、380~390、390~400、400~410、410~420、420~430、430~440、440~450、450~470、460~470、470~480、480~490または490~500アミノ酸を含む。一部の実施形態では、IFNAR1ドメインは、配列番号5として表記されているアミノ酸配列のアミノ酸28~436を含む。
【0187】
一部の実施形態では、IFNARドメインは、配列番号5として表記されているアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0188】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物のIFNARドメインは、配列番号7として表記されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、IFNARドメインは、配列番号11として表記されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、IFNARドメインは、配列番号7または配列番号11として表記されているアミノ酸配列と少なくとも80%同一、例えば、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0189】
一部の実施形態では、IFNARドメインは、配列番号6として表記されているアミノ酸配列を有する天然に存在するヒト野生型IFNAR2タンパク質である。一部の実施形態では、IFNARドメインは、IFNAR2タンパク質のバリアントまたは断片である。一部の実施形態では、IFNARドメインは、配列番号6として表記されているアミノ酸配列の50~100、100~150、150~200、200~250、250~300、300~350、350~400、400~450、450~500または450~515アミノ酸を含む。一部の実施形態では、IFNARドメインは、配列番号6として表記されているアミノ酸配列の150~160、160~170、170~180、180~190、190~200、200~210、210~220、220~230、230~240、240~250、250~260、260~270、270~280、280~290、290~300アミノ酸を含む。一部の実施形態では、IFNAR2ドメインは、配列番号6として表記されているアミノ酸配列のアミノ酸27~243を含む。
【0190】
一部の実施形態では、IFNARドメインは、配列番号6として表記されているアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0191】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物のIFNARドメインは、配列番号8として表記されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、IFNARドメインは、配列番号12として表記されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、IFNARドメインは、配列番号8または配列番号12として表記されているアミノ酸配列と少なくとも80%同一、例えば、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0192】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体ドメインは、インターフェロン受容体の細胞外ドメインを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体ドメインは、IFNAR1の細胞外ドメインを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体ドメインは、IFNAR2の細胞外ドメインを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体(例えば、IFNAR1またはIFNAR2)の細胞外ドメインは、膜貫通および細胞質ドメインを本質的に含まない。一部の実施形態では、インターフェロン受容体(例えば、IFNAR1またはIFNAR2)の細胞外ドメインは、膜貫通および細胞質ドメインに満たないものである。
【0193】
一部の実施形態では、IFNAR1の細胞外ドメインは、配列番号7または配列番号11として表記されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、IFNAR1の細胞外ドメインは、配列番号5として表記されているアミノ酸配列のアミノ酸28~436を含む。一部の実施形態では、IFNAR1の細胞外ドメインは、配列番号5として表記されているアミノ酸配列のアミノ酸1~436を含む。
【0194】
一部の実施形態では、IFNAR2の細胞外ドメインは、配列番号8または配列番号12として表記されているアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、IFNAR2ドメインの細胞外ドメインは、配列番号6として表記されているアミノ酸配列のアミノ酸27~243を含む。一部の実施形態では、IFNAR2ドメインの細胞外ドメインは、配列番号6として表記されているアミノ酸配列のアミノ酸1~243を含む。
【0195】
一部の実施形態では、IFNARドメインは、例えば、アミノ酸付加、欠失または置換をもたらす突然変異によって、変更または改変される。本明細書で使用される場合、用語「IFNARドメインバリアント」は、IFNARドメインが由来する野生型IFNARまたはその断片と比較して、アミノ酸置換等の少なくとも1つのアミノ酸改変を有するIFNARドメインを指す。例えば、IFNARドメインが、ヒト野生型IFNARに由来する場合、バリアントは、ヒト野生型IFNARの対応する位置における野生型アミノ酸と比較して、少なくとも1つのアミノ酸突然変異(例えば、置換)を含む。例えば、IFNARドメインが、ヒトIFNARの細胞外ドメインに由来する場合、バリアントは、細胞外IFNARの対応する位置におけるアミノ酸と比較して、少なくとも1つのアミノ酸突然変異(例えば、置換)を含む。
【0196】
一部の実施形態では、IFNARバリアントは、IFNARの細胞外ドメインに配置されたアミノ酸位置(単数または複数)に1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。
【0197】
本開示の一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、1つまたは複数のIFNARドメインを含む。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、2個のIFNARドメインを含む。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体のIFNARドメインは、異なる(例えば、IFNAR1およびIFNAR2)。
【0198】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドの両方が、インターフェロン受容体Fc構築物を含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物のIFNARドメインは、IFNAR1またはそのバリアントもしくは断片である。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物のIFNARドメインは、IFNAR2またはそのバリアントもしくは断片である。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体の第1のポリペプチドのIFNARドメインは、IFNAR1またはそのバリアントもしくは断片を含む。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体の第2のポリペプチドのIFNARドメインは、IFNAR2またはそのバリアントもしくは断片を含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物のIFNARドメインは、ヒトIFNAR1またはヒトIFNAR2である。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物のIFNARドメインは、IFNAR1の断片もしくはバリアントまたはIFNAR2の断片もしくはバリアントである。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物のIFNARドメインは、ヒトIFNAR1の細胞外ドメインまたはヒトIFNAR2の細胞外ドメインである。
リンカードメイン
【0199】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、複数のリンカードメインを含む。一部の実施形態では、リンカードメインは、ポリペプチドリンカーである。ある特定の態様では、ポリペプチドリンカーを用いて、Fcまたはそのバリアントもしくは断片を1つまたは複数のインターフェロン受容体ドメインと融合させて、インターフェロン受容体Fc構築物を形成することが望ましい。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインを含まない。
【0200】
一実施形態では、ポリペプチドリンカーは、合成である。本明細書で使用される場合、ポリペプチドリンカーに関する用語「合成」は、これが自然状態では天然に連結されていない配列(これは天然に存在しても存在しなくてもよい)(例えば、Fc配列)に、アミノ酸の線状配列において連結されるアミノ酸配列(これは天然に存在しても存在しなくてもよい)を含むペプチド(またはポリペプチド)を含む。例えば、ポリペプチドリンカーは、天然に存在するポリペプチドの改変形態である(例えば、付加、置換または欠失等の突然変異を含む)、または第1のアミノ酸配列(これは天然に存在しても存在しなくてもよい)を含む、天然に存在しないポリペプチドを含むことができる。本発明のポリペプチドリンカーを用いて、例えば、Fcまたはそのバリアントもしくは断片が並置されることを確実にして、機能的Fcまたはそのバリアントもしくは断片の適正なフォールディングおよび形成を確実にすることができる。好ましくは、本発明と適合性であるポリペプチドリンカーは、相対的に非免疫原性であり、結合タンパク質の単量体サブユニットの間のいかなる非共有結合的会合も阻害しないであろう。
【0201】
ある特定の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号18に表記されているNLGリンカーを用いる。
【0202】
ある特定の実施形態では、本開示のインターフェロン受容体Fc構築物は、単一のポリペプチド鎖におけるインフレームでのいずれか2つまたはそれよりも多いドメインの連接にポリペプチドリンカーを用いる。一実施形態では、2つまたはそれよりも多いドメインは、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片、または本明細書に記述されているインターフェロン受容体ドメインのいずれかから独立して選択することができる。例えば、ある特定の実施形態では、ポリペプチドリンカーを使用して、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片をIFNARに融合することができる。一部の実施形態では、本発明のポリペプチドリンカーを使用して、IFNARのC末端をFcドメインまたはそのバリアントもしくは断片のN末端に遺伝学的に融合して、インターフェロン受容体Fc構築物を形成することができる。他の実施形態では、本発明のポリペプチドリンカーを使用して、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片のC末端をIFNARのN末端に遺伝学的に融合して、インターフェロン受容体Fc構築物を形成することができる。他の実施形態では、本発明のポリペプチドリンカーを使用して、IFNARのC末端をFcドメインまたはそのバリアントもしくは断片のC末端に遺伝学的に融合して、インターフェロン受容体Fc構築物を形成することができる。他の実施形態では、本発明のポリペプチドリンカーを使用して、IFNARのN末端をFcドメインまたはそのバリアントもしくは断片のN末端に遺伝学的に融合して、インターフェロン受容体Fc構築物を形成することができる。
【0203】
一実施形態では、ポリペプチドリンカーは、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片の部分を含む。例えば、一実施形態では、ポリペプチドリンカーは、Fc断片(例えば、CまたはNドメイン)、またはFcドメインもしくはそのバリアントの異なる部分を含むことができる。
【0204】
別の実施形態では、ポリペプチドリンカーは、gly-serリンカーを含むまたはこれからなる。本明細書で使用される場合、用語「gly-serリンカー」は、グリシンおよびセリン残基からなるペプチドを指す。例示的なgly/serリンカーは、式(Gly4Ser)nのアミノ酸配列を含み、式中、nは、正の整数(例えば、1~10、1、2、3、4または5)である。好まれるgly/serリンカーは、(Gly4Ser)1である。別の好まれるgly/serリンカーは、(Gly4Ser)2である。別の好まれるgly/serリンカーは、(Gly4Ser)3である。別の好まれるgly/serリンカーは、(Gly4Ser)4である。別の好まれるgly/serリンカーは、(Gly4Ser)5である。ある特定の実施形態では、gly-serリンカーは、ポリペプチドリンカー(例えば、本明細書に記載されているポリペプチドリンカー配列のいずれか)の2個の他の配列の間に挿入することができる。他の実施形態では、gly-serリンカーは、ポリペプチドリンカー(例えば、本明細書に記載されているポリペプチドリンカー配列のいずれか)の別の配列の一方または両方の末端に付着される。さらに他の実施形態では、2つまたはそれよりも多いgly-serリンカーが、ポリペプチドリンカーにおいて連続して取り込まれる。
【0205】
他の実施形態では、本発明のポリペプチドリンカーは、生物学的に関連するペプチド配列またはその配列部分を含む。例えば、生物学的に関連するペプチド配列として、抗拒絶反応または抗炎症性ペプチドに由来する配列を挙げることができるがこれらに限定されない。前記抗拒絶反応または抗炎症性ペプチドは、サイトカイン阻害性ペプチド、細胞接着阻害性ペプチド、トロンビン阻害性ペプチドおよび血小板阻害性ペプチドからなる群から選択され得る。好まれる実施形態では、ポリペプチドリンカーは、IL-1阻害性またはアンタゴニストペプチド配列、エリスロポエチン(EPO)ミメティックペプチド配列、トロンボポエチン(TPO)ミメティックペプチド配列、G-CSFミメティックペプチド配列、TNFアンタゴニストペプチド配列、インテグリン結合ペプチド配列、セレクチンアンタゴニストペプチド配列、抗病原性ペプチド配列、血管作用性小腸ペプチド(VIP)ミメティックペプチド配列、カルモジュリンアンタゴニストペプチド配列、マスト細胞アンタゴニスト、SH3アンタゴニストペプチド配列、ウロキナーゼ受容体(UKR)アンタゴニストペプチド配列、ソマトスタチンまたはコルチスタチンミメティックペプチド配列、ならびにマクロファージおよび/またはT細胞阻害ペプチド配列からなる群から選択されるペプチド配列を含む。そのうちいずれか1種をポリペプチドリンカーとして用いることができる例示的なペプチド配列は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,660,843号に開示されている。
【0206】
インターフェロン受容体Fc構築物における使用に適した他のリンカーは、当技術分野で公知であり、例えば、US5,525,491に開示されているセリンリッチリンカー、Arai et al., Protein Eng 2001;14:529-32に開示されているヘリックス形成ペプチドリンカー(例えば、A(EAAAK)nA(n=2~5))、ならびにChen et al., Mol Pharm 2011;8:457-65に開示されている安定したリンカー、すなわち、ジペプチドリンカーLE、トロンビン感受性ジスルフィドシクロペプチドリンカーおよびアルファ-ヘリックス形成リンカーLEA(EAAAK)4ALEA(EAAAK)4ALE(配列番号19)が挙げられる。
【0207】
他の例示的なリンカーは、GSリンカー(すなわち、(GS)n)、GGSG(配列番号27)リンカー(すなわち、(GGSG)n)、GSATリンカー(配列番号28)、SEGリンカーおよびGGSリンカー(すなわち、(GGSGGS)n)を含み、式中、nは、正の整数(例えば、1、2、3、4または5)である。インターフェロン受容体Fc構築物における使用のための他の適したリンカーは、リンカーデータベース(ibi.vu.nl/programs/linkerdbwww)等、公開データベースを使用して見出すことができる。リンカーデータベースは、新規融合タンパク質において潜在的なリンカーとして機能する多機能性酵素におけるドメイン間リンカーのデータベースである(例えば、George et al., Protein Engineering 2002;15:871-9を参照)。
【0208】
1つまたは複数のアミノ酸置換、付加または欠失が、ポリペプチドリンカーに導入されるように、ポリペプチドリンカーをコードするヌクレオチド配列に1つまたは複数のヌクレオチド置換、付加または欠失を導入することにより、これらの例示的なポリペプチドリンカーのバリアント形態を作製することができることが理解されるであろう。突然変異は、部位特異的突然変異誘発およびPCR媒介性突然変異誘発等、標準技法によって導入することができる。
【0209】
本開示のポリペプチドリンカーは、少なくとも1アミノ酸の長さであり、変動的な長さとなり得る。一実施形態では、本発明のポリペプチドリンカーは、約1~約50アミノ酸の長さである。この文脈で使用される場合、用語「約」は、+/-2アミノ酸残基を示す。リンカーの長さは正の整数でなければならないため、約1~約50アミノ酸の長さという長さは、1から48~52アミノ酸の長さという長さを意味する。別の実施形態では、本開示のポリペプチドリンカーは、約5~10アミノ酸の長さである。別の実施形態では、本開示のポリペプチドリンカーは、約10~20アミノ酸の長さである。別の実施形態では、本開示のポリペプチドリンカーは、約15~30アミノ酸の長さである。別の実施形態では、本開示のポリペプチドリンカーは、約15~約50アミノ酸の長さである。
【0210】
別の実施形態では、本開示のポリペプチドリンカーは、約20~約45アミノ酸の長さである。別の実施形態では、本開示のポリペプチドリンカーは、約15~約25アミノ酸の長さである。別の実施形態では、本開示のポリペプチドリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60もしくは61またはそれよりも多いアミノ酸の長さである。
【0211】
ポリペプチドリンカーは、当技術分野で公知の技法を使用して、ポリペプチド配列に導入することができる。改変は、DNA配列解析によって確認することができる。プラスミドDNAを使用して、産生されるポリペプチドの安定した産生のために宿主細胞を形質転換することができる。
Fcドメイン
【0212】
一部の実施形態では、1つまたは複数のインターフェロン受容体ドメインまたはそのバリアントもしくは断片を含むポリペプチドは、リンカードメインありまたはなしで、足場として、また、ポリペプチドの血清半減期を増加させる手段として機能するFcドメインに作動可能に連結される。一部の実施形態では、1つまたは複数のインターフェロン受容体ドメインおよび/またはFcドメインは、非グリコシル化、脱グリコシル化または不十分グリコシル化されている。一部の実施形態では、Fcドメインは、突然変異体もしくはバリアントFcドメイン、またはFcドメインの断片である。
【0213】
適したFcドメインは、当技術分野で周知であり、そのようなものとして、WO2011/053982、WO02/060955、WO02/096948、WO05/047327、WO05/018572およびUS2007/0111281(前述の内容は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているもの等、FcおよびFcバリアントが挙げられるがこれらに限定されない。本明細書に開示されているインターフェロン受容体Fc構築物(変更されたグリコシル化ありまたはなし)へのFcドメインの導入に常套的な方法(例えば、クローニング、コンジュゲーション)を使用することは、当業者の能力の範囲内にある。
【0214】
一部の実施形態では、Fcドメインは、配列番号26に示されるもの等、野生型ヒトIgG1 Fcである。一部の実施形態では、Fcドメインは、配列番号112に示されるもの等、野生型ヒトIgG4 Fcである。
【0215】
一部の実施形態では、Fcドメインは、例えば、アミノ酸付加、欠失または置換をもたらす突然変異によって変更または改変される。本明細書で使用される場合、用語「Fcドメインバリアント」は、Fcドメインが由来する野生型Fcと比較して、アミノ酸置換等の少なくとも1つのアミノ酸改変を有するFcドメインを指す。例えば、Fcドメインが、ヒトIgG1抗体に由来する場合、バリアントは、ヒトIgG1 Fc領域の対応する位置における野生型アミノ酸と比較して、少なくとも1つのアミノ酸突然変異(例えば、置換)を含む。Fcバリアントのアミノ酸置換(単数または複数)は、抗体のFc領域における当該残基に付与される位置番号(EUインデックスに従ったナンバリング)に対応すると称されるFcドメイン内の位置に配置することができる。
【0216】
一実施形態では、Fcバリアントは、ヒンジ領域またはその部分に配置されるアミノ酸位置(単数または複数)における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。別の実施形態では、Fcバリアントは、CH2ドメインまたはその部分に配置されるアミノ酸位置(単数または複数)における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。別の実施形態では、Fcバリアントは、CH3ドメインまたはその部分に配置されるアミノ酸位置(単数または複数)における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。別の実施形態では、Fcバリアントは、CH4ドメインまたはその部分に配置されるアミノ酸位置(単数または複数)における1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。
【0217】
一部の実施形態では、Fcバリアントは、次のアミノ酸置換のうち1つまたは複数を含む:T350V、L351Y、F405AおよびY407V。一部の実施形態では、Fcバリアントは、次のアミノ酸置換のうち1つまたは複数を含む:T350V、T366L、K392LおよびT394W。一部の実施形態では、Fc領域は、N83(すなわち、KabatナンバリングによるN297)に突然変異を有し、非グリコシル化Fc領域(例えば、Fc N83S)を生じる。
【0218】
一部の実施形態では、Fcドメインは、3個のヒンジ領域システイン(残基220、226および229、EUインデックスに従ったナンバリング)のうち1つまたは複数に突然変異を含む。一部の実施形態では、Fcドメインにおける3個のヒンジシステインのうち1つまたは複数は、SCC(配列番号20)またはSSS(配列番号21)に突然変異することができ、「S」は、セリンによるシステインのアミノ酸置換を表す(CCCは、野生型ヒンジドメインに存在する3個のシステインを指す)。したがって、「SCC」は、3個のヒンジ領域システイン(残基220、226および229、EUインデックスに従ったナンバリング)のうち第1のシステインのみのセリンへのアミノ酸置換を示す一方、「SSS」は、ヒンジ領域における全3個のシステインが、セリンに置換されたことを示す(残基220、226および229、EUインデックスに従ったナンバリング)。
【0219】
一部の態様では、Fcドメインは、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインである。
【0220】
一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、ヒンジ、CH2および/またはCH3ドメインに1つまたは複数の突然変異を含む。
【0221】
一部の態様では、Fcドメインは、突然変異体ヒトIgG4 Fcドメインである。一部の実施形態では、IgG4 Fcドメインにおける突然変異は、突然変異の次の群から選択される1つまたは複数の突然変異を含む:F296Y、E356K、R409KおよびH345R。一部の実施形態では、IgG4 Fcドメインにおける突然変異は、突然変異の次の群から選択される1つまたは複数の突然変異を含む:F296Y、R409KおよびK439E。一部の実施形態では、本明細書に開示されている可溶性インターフェロン受容体は、Fcドメインが突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH345Rを含む、突然変異体IgG4 Fcドメインを含む第1のポリペプチドと、CH3ドメインが突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含む、突然変異体IgG4 Fcドメインを含む第2のポリペプチドとを含む。一部の実施形態では、突然変異体IgG4 Fcドメインは、ヒンジ、CH2および/またはCH3ドメインに1つまたは複数の突然変異を含む。
A.CH2置換
【0222】
一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、P238S突然変異を含む。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、P331S突然変異を含む。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、P238S突然変異およびP331S突然変異を含む。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、EUインデックスに従ったナンバリングで、P238Sおよび/またはP331Sを含み、また、3個のヒンジシステイン(残基220、226および229)のうち1つまたは複数に突然変異を含むことができる。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、EUインデックスに従ったナンバリングで、P238Sおよび/またはP331S、および/または3個のヒンジシステイン(残基220、226および229)における1つもしくは複数の突然変異を含む。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、P238Sおよび/またはP331S、および/またはSCCとなるようヒンジシステインにおけるもしくはSSSとなるよう3個のヒンジシステインにおける突然変異を含む。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、P238SおよびP331S、ならびに3個のヒンジシステインのうち少なくとも1つにおける突然変異を含む。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、P238SおよびP331SおよびSCCを含む。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、P238SおよびP331SおよびSSSを含む。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、P238SおよびSCCまたはSSSを含む。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、P331SおよびSCCまたはSSSを含む(EUインデックスに従った全ナンバリング)。
【0223】
一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、N297等のN結合型グリコシル化の部位における突然変異、例えば、セリン等の別のアミノ酸による(for)アスパラギンの置換、例えば、N297Sを含む。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、N297等のN結合型グリコシル化の部位における突然変異、例えば、セリン等の別のアミノ酸によるアスパラギンの置換、例えば、N297S、および3個のヒンジシステインのうち1つまたは複数における突然変異を含む。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、N297等のN結合型グリコシル化の部位における突然変異、例えば、セリン等の別のアミノ酸によるアスパラギンの置換、例えば、N297S、およびSCCとなるよう3個のヒンジシステインのうち1個またはSSSとなるよう全3個のシステインにおける突然変異を含む。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、N297等のN結合型グリコシル化の部位における突然変異、例えば、セリン等の別のアミノ酸によるアスパラギンの置換、例えば、N297、ならびにP238もしくはP331またはその両方における突然変異、例えば、P238SもしくはP331S、またはP238SおよびP331Sの両方等、FcγR結合および/または補体活性化を減少させるCH2ドメインにおける1つまたは複数の突然変異を含む。一部の態様では、そのような突然変異体Fcドメインは、ヒンジ領域における突然変異、例えば、SCCまたはSSSをさらに含むことができる(EUインデックスに従った全ナンバリング)。一部の態様では、突然変異体Fcドメインは、本明細書における配列表または配列リストに示す通りのものである。
B.CH3置換
【0224】
一部の実施形態では、ヘテロ二量体は、本明細書に開示されているインターフェロン受容体Fc構築物におけるFcドメインのCH3ドメインにおける突然変異によって形成される。重鎖を先ず、「ノブ-イントゥ-ホール」戦略を使用してヘテロ二量体化のために操作した(参照により本明細書に組み込まれるRigway B, et al., Protein Eng., 9 (1996) pp. 617-621)。用語「ノブ-イントゥ-ホール」は、突起(pertuberance)(ノブ)を一方のポリペプチドへと、空洞(ホール)を他方のポリペプチドへと、両者が相互作用する界面において導入することにより、2個のポリペプチドのin vitroまたはin vivoでの一体的なペア形成を方向付ける技術を指す。例えば、WO96/027011、WO98/050431、US5,731,168、US2007/0178552、WO2009089004、US20090182127を参照されたい。特に、CH3ドメインにおける突然変異の組合せを使用して、ヘテロ二量体を形成することができ、例えば、「ノブ」重鎖におけるS354C、T366W、および「ホール」重鎖におけるY349C、T366S、L368A、Y407V。別の例では、「ノブ」重鎖におけるT366Y、および「ホール」重鎖におけるY407T。一部の実施形態では、本明細書に開示されている可溶性インターフェロン受容体は、ノブ突然変異T366Wを有する第1のCH3ドメイン、ならびにホール突然変異T366S、L368AおよびY407Vを有する第2のCH3ドメインを含む(EUインデックスに従ったナンバリング)。一部の実施形態では、本明細書に開示されている可溶性インターフェロン受容体は、ノブ突然変異T366Yを有する第1のCH3ドメイン、およびホール突然変異Y407Tを有する第2のCH3ドメインを含む。
【0225】
一部の実施形態では、CH3突然変異は、これらのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれるUS2012/0149876A1、US2017/0158779、US9574010およびUS9562109;ならびに参照により本明細書に組み込まれるVon Kreudenstein, T.S. et al. mABs, 5 (2013), pp. 646-654に記載されている突然変異であり、次の突然変異を含む:T350V、L351Y、F405AおよびY407V(第1のCH3ドメイン);ならびにT350V、T366L、K392L、T394W(第2のCH3ドメイン)。一部の実施形態では、本明細書に開示されている可溶性インターフェロン受容体は、T350V、L351Y、F405AおよびY407V突然変異を有する第1のCH3ドメイン、ならびにT350V、T366L、K392L、T394W突然変異を有する第2のCH3ドメインを含む(EUインデックスに従ったナンバリング)。
【0226】
一部の実施形態では、ヘテロ二量体は、本明細書に開示されているインターフェロン受容体Fc構築物におけるFcドメインのCH3ドメインにおける突然変異によって形成される。特に、CH3ドメインにおける突然変異の組合せを使用して、高いヘテロ二量体安定性および純度を有するヘテロ二量体を形成することができる;例えば、これらのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる、Von Kreudenstein et al., mAbs 5:5, 646-654; September-October 2013、ならびにUS2012/0149876A1、US2017/0158779、US9574010およびUS9562109を例えば参照されたい。一部の実施形態では、Fcドメインにおける突然変異は、突然変異の次の群から選択される1つまたは複数の突然変異を含む:T350V、L351Y、F405AおよびY407V。一部の実施形態では、Fcドメインにおける突然変異は、突然変異の次の群から選択される1つまたは複数の突然変異を含む:T350V、T366L、K392LおよびT394W。一部の実施形態では、本明細書に開示されているインターフェロン受容体Fc構築物は、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを有するCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、本明細書に開示されているインターフェロン受容体Fc構築物は、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを有するCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、本明細書に開示されている可溶性インターフェロン受容体は、CH3ドメインが突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む、突然変異体Fcドメインを含む第1のポリペプチドと、CH3ドメインが突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む、突然変異体Fcドメインを含む第2のポリペプチドとを含む。
【0227】
FcドメインのCH3ドメインにおける他の突然変異は、ヘテロ二量体を優先的に形成することが企図される。例えば、参照により本明細書に組み込まれるVon Kreudenstein et al., mAbs 5:5, 646-654; September-October 2013を例えば参照されたい。一部の実施形態では、第1のポリペプチドのFcドメインにおける突然変異は、突然変異の次の群から選択される1つまたは複数の突然変異を含み:T350V、L351Y、F405AおよびY407V、第2のポリペプチドのFcドメインにおける突然変異は、突然変異の次の群から選択される1つまたは複数の突然変異を含む:T350V、T366L、K392MおよびT394W。一部の実施形態では、第1のポリペプチドのFcドメインにおける突然変異は、突然変異の次の群から選択される1つまたは複数の突然変異を含み:L351Y、F405AおよびY407V、第2のポリペプチドのFcドメインにおける突然変異は、突然変異の次の群から選択される1つまたは複数の突然変異を含む:T366L、K392MおよびT394W。
【0228】
一部の実施形態では、CH3突然変異は、Moore, G.L. et al. (mABs, 3 (2011), pp. 546-557)によって記載されている突然変異であり、次の突然変異を含む:S364HおよびF405A(第1のCH3ドメイン);ならびにY349TおよびT394F(第2のCH3ドメイン)。一部の実施形態では、本明細書に開示されているインターフェロン受容体Fc構築物は、S364HおよびF405A突然変異を有する第1のCH3ドメイン、ならびにY349TおよびT394F突然変異を有する第2のCH3ドメインを含む(EUインデックスに従ったナンバリング)。
【0229】
一部の実施形態では、CH3突然変異は、Gunasekaran, K. et al. (J. Biol. Chem., 285 (2010), pp. 19637-19646)によって記載されている突然変異であり、次の突然変異を含む:K409DおよびK392D(第1のCH3ドメイン);ならびにD399KおよびE365K(第2のCH3ドメイン)。一部の実施形態では、本明細書に開示されているインターフェロン受容体Fc構築物は、K409DおよびK392D突然変異を有する第1のCH3ドメイン、ならびにD399KおよびE365K突然変異を有する第2のCH3ドメインを含む(EUインデックスに従ったナンバリング)。
【0230】
本開示のインターフェロン受容体Fc構築物は、エフェクター機能および/またはFcR結合に変更を付与することが公知である当技術分野で認識されるFcバリアントを用いることができる。例えば、これらのそれぞれが参照により本明細書に組み込まれる、国際PCT公開第WO88/07089A1、WO96/14339A1、WO98/05787A1、WO98/23289A1、WO99/51642A1、WO99/58572A1、WO00/09560A2、WO00/32767A1、WO00/42072A2、WO02/44215A2、WO02/060919A2、WO03/074569A2、WO04/016750A2、WO04/029207A2、WO04/035752A2、WO04/063351 A2、WO04/074455A2、WO04/099249A2、WO05/040217A2、WO04/044859、WO05/070963A1、WO05/077981A2、WO05/092925A2、WO05/123780A2、WO06/019447A1、WO06/047350A2、およびWO06/085967A2;米国特許出願公開番号第US2007/0231329、US2007/0231329、US2007/0237765、US2007/0237766、US2007/0237767、US2007/0243188、US20070248603、US20070286859、US20080057056;または米国特許第5,648,260; 5,739,277; 5,834,250; 5,869,046; 6,096,871; 6,121,022; 6,194,551; 6,242,195; 6,277,375; 6,528,624; 6,538,124; 6,737,056; 6,821,505; 6,998,253; 7,083,784;および同第7,317,091号に開示されているアミノ酸位置のうち1つまたは複数における変化(例えば、置換)。一実施形態では、特異的変化(例えば、当技術分野に開示されている1つまたは複数のアミノ酸の特異的置換)を、開示されているアミノ酸位置のうち1つまたは複数になすことができる。別の実施形態では、開示されているアミノ酸位置のうち1つまたは複数における異なる変化(例えば、当技術分野に開示されている1つまたは複数のアミノ酸位置の異なる置換)をなすことができる。
【0231】
Fcドメインにおける他のアミノ酸突然変異は、Fcガンマ受容体およびFcガンマ受容体サブタイプへの結合を低下させることが企図される。Fcドメインへのアミノ酸残基番号の割り当ては、Kabatの定義に従う。例えば、これらのそれぞれがあらゆる目的のため参照により本明細書に組み込まれる、Sequences of Proteins of Immunological Interest (Table of Contents, Introduction and Constant Region Sequences sections), 5th edition, Bethesda, MD:NIH vol. 1:647-723 (1991);Kabat et al., ”Introduction” Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Dept of Health and Human Services, NIH, 5th edition, Bethesda, MD vol. 1:xiii-xcvi (1991);Chothia & Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987);Chothia et al., Nature 342:878-883 (1989)を参照されたい。
【0232】
例えば、Fc領域の位置238、239、248、249、252、254、255、256、258、265、267、268、269、270、272、279、280、283、285、298、289、290、292、293、294、295、296、298、301、303、305、307、312、315、322、324、327、329、330、331、333、334、335、337、338、340、356、360、373、376、378、379、382、388、389、398、414、416、419、430、434、435、437、438または439における突然変異は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2004年5月18日に発行された米国特許第6,737,056号に記載されている通り、結合を変更することができる。この特許は、IgG3におけるPro331をSerに変化させると、突然変異していないIgG3と比較して、6分の1の親和性がもたらされたことを報告し、FcガンマRI結合におけるPro331の関与を示す。加えて、位置234、235、236および237、297、318、320および322におけるアミノ酸改変は、1997年4月29日に発行された、その全体が参照により本明細書に組み込まれるU.S.5,624,821において、受容体結合親和性を潜在的に変更するものとして開示されている(EUインデックスに従ったナンバリング)。
【0233】
使用に企図されるさらに別の突然変異は、例えば、2006年10月19日に公開された、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2006/0235208号に記載されている突然変異を含む。この刊行物は、232G、234G、234H、235D、235G、235H、236I、236N、236P、236R、237K、237L、237N、237P、238K、239R、265G、267R、269R、270H、297S、299A、299I、299V、325A、325L、327R、328R、329K、330I、330L、330N、330P、330R、および331L(ナンバリングは、EUインデックスに従う)、ならびに二重突然変異体236R/237K、236R/325L、236R/328R、237K/325L、237K/328R、325L/328R、235G/236R、267R/269R、234G/235G、236R/237K/325L、236R/325L/328R、235G/236R/237K、および237K/325L/328Rを含む、Fc領域における少なくとも1つのアミノ酸改変を含む、Fcガンマ受容体への低下した結合、低下した抗体依存性細胞媒介性細胞傷害、または低下した補体依存性細胞傷害を示すFcバリアントについて記載する。この刊行物に記載されている使用に企図される他の突然変異は、227G、234D、234E、234G、234I、234Y、235D、235I、235S、236S、239D、246H、255Y、258H、260H、2641、267D、267E、268D、268E、272H、272I、272R、281D、282G、283H、284E、293R、295E、304T、324G、324I、327D、327A、328A、328D、328E、328F、328I、328M、328N、328Q、328T、328V、328Y、330I、330L、330Y、332D、332E、335D、位置235および236の間へのGの挿入、位置235および236の間へのAの挿入、位置235および236の間へのSの挿入、位置235および236の間へのTの挿入、位置235および236の間へのNの挿入、位置235および236の間へのDの挿入、位置235および236の間へのVの挿入、位置235および236の間へのLの挿入、位置235および236の間へのGの挿入、位置235および236の間へのAの挿入、位置235および236の間へのSの挿入、位置235および236の間へのTの挿入、位置235および236の間へのNの挿入、位置235および236の間へのDの挿入、位置235および236の間へのVの挿入、位置235および236の間へのLの挿入、位置297および298の間へのGの挿入、位置297および298の間へのAの挿入、位置297および298の間へのSの挿入、位置297および298の間へのDの挿入、位置326および327の間へのGの挿入、位置326および327の間へのAの挿入、位置326および327の間へのTの挿入、位置326および327の間へのDの挿入、ならびに位置326および327の間へのEの挿入を含む(ナンバリングは、EUインデックスに従う)。その上、米国特許出願公開第2006/0235208号に記載されている突然変異は、227G/332E、234D/332E、234E/332E、234Y/332E、234I/332E、234G/332E、235I/332E、235S/332E、235D/332E、235E/332E、236S/332E、236A/332E、236S/332D、236A/332D、239D/268E、246H/332E、255Y/332E、258H/332E、260H/332E、264I/332E、267E/332E、267D/332E、268D/332D、268E/332D、268E/332E、268D/332E、268E/330Y、268D/330Y、272R/332E、272H/332E、283H/332E、284E/332E、293R/332E、295E/332E、304T/332E、324I/332E、324G/332E、324I/332D、324G/332D、327D/332E、328A/332E、328T/332E、328V/332E、328I/332E、328F/332E、328Y/332E、328M/332E、328D/332E、328E/332E、328N/332E、328Q/332E、328A/332D、328T/332D、328V/332D、328I/332D、328F/332D、328Y/332D、328M/332D、328D/332D、328E/332D、328N/332D、328Q/332D、330L/332E、330Y/332E、330I/332E、332D/330Y、335D/332E、239D/332E、239D/332E/330Y、239D/332E/330L、239D/332E/330I、239D/332E/268E、239D/332E/268D、239D/332E/327D、239D/332E/284E、239D/268E/330Y、239D/332E/268E/330Y、239D/332E/327A、239D/332E/268E/327A、239D/332E/330Y/327A、332E/330Y/268 E/327A、239D/332E/268E/330Y/327A、挿入G>297-298/332E、挿入A>297-298/332E、挿入S>297-298/332E、挿入D>297-298/332E、挿入G>326-327/332E、挿入A>326-327/332E、挿入T>326-327/332E、挿入D>326-327/332E、挿入E>326-327/332E、挿入G>235-236/332E、挿入A>235-236/332E、挿入S>235-236/332E、挿入T>235-236/332E、挿入N>235-236/332E、挿入D>235-236/332E、挿入V>235-236/332E、挿入L>235-236/332E、挿入G>235-236/332D、挿入A>235-236/332D、挿入S>235-236/332D、挿入T>235-236/332D、挿入N>235-236/332D、挿入D>235-236/332D、挿入V>235-236/332Dおよび挿入L>235-236/332Dを含み(EUインデックスに従ったナンバリング)、使用に企図される。突然変異体L234A/L235Aは、例えば、2003年6月12日に公開された、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0108548号に記載されている。実施形態では、記載されている改変は、個々にまたは組み合わせてのいずれかで含まれる(EUインデックスに従ったナンバリング)。
C.代替足場
【0234】
免疫グロブリンのモジュラーアーキテクチャを利用して、代替足場を作製することができる。例えば、代替足場は、代替Fcフォーマットとなり得る。一部の実施形態では、代替足場を利用して、ヘテロ二量体構築物を生成することができる。
【0235】
本開示の一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、代替Fcドメインを含む。一部の実施形態では、代替Fcドメインは、当技術分野で公知の適した代替Fcフォーマットのいずれかである。例えば、Fcドメインは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Spiess et al. Molecular Immunology, 2015, Oct; 67 (2 Pt A)95-106に記述されている代替Fcフォーマットのいずれかを含むことができる。例えば、代替Fcフォーマットは、次のフォーマットのいずれか1種から選択することができる:(i)二重特異性IgG(BsIgG)、(ii)付属IgG、(iii)二重特異性断片、(iv)二重特異性融合タンパク質、(v)二重特異性コンジュゲート、および(vi)IgG4 Fab腕交換、および(vii)代替足場。
【0236】
一部の実施形態では、本開示のヘテロ二量体は、代替Fcフォーマットを利用することにより形成することができる。一部の実施形態では、Fcドメインは、ヘテロ二量体化を容易にするように操作することができる。一部の実施形態では、ヘテロ二量体は、本明細書に開示されている可溶性インターフェロン受容体のFcドメインのCH3ドメインにおける突然変異によって形成される。
(i)二重特異性IgG(BsIgG)
【0237】
二重特異性IgGは、2個のFcドメインのヘテロ二量体化を容易にし、ホモ二量体化を克服するために利用することができる代替Fcフォーマットである。一部の実施形態では、FcのCH3ドメインは、ヘテロ二量体化を容易にするように突然変異させることができる。
【0238】
一部の実施形態では、「ノブ-イントゥ-ホール」を使用して、Fcドメインのヘテロ二量体化を容易にすることができる。CH3ドメインにおける突然変異の組合せを使用して、ヘテロ二量体を形成することができる。一部の実施形態では、「ノブ」は、CH3ドメイン間の界面における小さいアミノ酸側鎖をより大きいアミノ酸側鎖に置き換えることにより作製され、「ホール」は、CH3ドメイン間の界面における大きいアミノ酸側鎖を小さいアミノ酸側鎖に置き換えることにより作製される。一部の実施形態では、本開示の可溶性インターフェロン受容体は、ノブ突然変異T366Wを有する第1のCH3ドメインを含む第1のインターフェロン受容体Fc構築物、ならびにホール突然変異T366S、L368AおよびY407Vを有する第2のCH3ドメインを含む第2のインターフェロン受容体Fc構築物を含む(両者共に参照により本明細書に組み込まれるRidgeway et al., (1996) Prot. Eng. 9, 617-621およびAtwell et al., (1997) J. Mol. Biol. 270, 26-35)。一部の実施形態では、本開示の可溶性インターフェロン受容体は、ノブ突然変異T366Yを有する第1のCH3ドメインを含む第1のインターフェロン受容体Fc構築物、およびホール突然変異Y407Vを有する第2のCH3ドメインを含む第2のインターフェロン受容体Fc構築物を含む(Ridgeway et al., (1996) Prot. Eng. 9, 617-621)。「ホール」突然変異は、「ノブ」突然変異との効率的ペア形成をもたらして、Fcドメインのヘテロ二量体化を促進する。
【0239】
ある特定の実施形態では、「デュオボディ(duobody)」を使用して、Fcドメインのヘテロ二量体化を容易にすることもできる(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるLabrijn et al., (2013) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 110, 5145-5150)。例えば、第1のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、F405L突然変異を含むことができ、第2のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、K409R突然変異を含むことができる。
【0240】
他の実施形態では、「アジメトリック(azymetric)突然変異」をインターフェロン受容体Fc構築物に導入して、ヘテロ二量体の形成を促進することができる(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるVon Kreudenstein et al., (2013) mAbs 5, 646-654、ならびにこれらのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれるUS2012/0149876A1、US2017/0158779、US9574010およびUS9562109)。一部の実施形態では、アジメトリック突然変異は、第1のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインにT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを、第2のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインにT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む。
【0241】
一部の実施形態では、静電ステアリング突然変異の合理的設計によって同定された「荷電ペア」突然変異をインターフェロン受容体Fc構築物に導入して、ヘテロ二量体化を促進することもできる(両者共に参照により本明細書に組み込まれるGunasekaran et al., (2010) J. Biol. Chem. 285, 19637-19646およびStrop et al., (2012) J. Mol. Biol. 420, 204-219)。「荷電ペア」突然変異は、静電的にマッチしたFc鎖の同時発現が、有利な誘引性相互作用を支持し、これにより、Fcヘテロ二量体形成を促進するように、Fc二量体界面にわたって変更された荷電極性を作製する。有利でない反発的荷電相互作用は、ホモ二量体形成を抑制する(Gunasekaran et al., (2010))。例えば、一部の実施形態では、第1のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、K409DおよびK392Dを含むことができ、第2のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、D399KおよびE356Kを含むことができる。他の実施形態では、第1のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、D221E、P228E、L368Eを含むことができ、第2のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、D221R、P228RおよびK409Rを含むことができる。
【0242】
少なくとも2個のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインのヘテロ二量体化は、「HA-TF」突然変異の導入によって容易となることもできる(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるMoore et al., (2011) mAbs 3, 546-557)。例えば、一部の実施形態では、第1のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、S364HおよびF405Aを含み、第2のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、Y349TおよびT394Fを含む。
【0243】
ヘテロ二量体可溶性インターフェロン受容体の形成は、異なるクラス由来の免疫グロブリン間の構造的類似性および配列相違を活用することにより促進することもできる。例えば、SEEDプラットフォームは、IgGおよびIgAのCH3ドメインの構造的類似性ではなく配列相違を使用する(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるDavis et al., (2010) Protein Eng. Des. Sel. 23, 195-202)。一部の実施形態では、第1のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、IgG/Aキメラを含み、第2のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、IgA/Gキメラを含む。
【0244】
他の実施形態では、IgG3が、プロテインAに結合できないことを、Fcドメインの差次的タグ付けに使用して、ヘテロ二量体の効率的精製を可能にすることができる(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるDavis et al., 2013、米国特許第8,586,713号)。例えば、一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、H354R突然変異を含む。
【0245】
一部の実施形態では、CH3ドメイン突然変異をIgG1、IgG2およびIgG4定常領域に導入して、ヘテロ二量体化を促進することができる。一部の実施形態では、第1のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、407A置換を含むことができ、第2のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、366Vまたは366M置換および409V置換を含むことができる。一部の実施形態では、第1のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、407A置換、ならびに置換の次の群から選択される1つまたは複数の置換:356G、357D、360D、364Q、364Rおよび399Mを含むことができる。一部の実施形態では、第2のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、366Vまたは366M置換および409V置換、ならびに置換の次の群から選択される1つまたは複数の置換:345R、347R、349S、366V、370Yおよび399Mを含むことができる。一部の実施形態では、第2のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、366Vおよび409V置換、ならびに置換の次の群から選択される1つまたは複数の置換:345R、347R、349S、366V、370Yおよび399Mを含むことができる。一部の実施形態では、第2のインターフェロン受容体Fc構築物のFcドメインは、366Mおよび409V置換、ならびに置換の次の群から選択される1つまたは複数の置換:345R、347R、349S、366V、370Yおよび399Mを含むことができる(両者共に参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれるUS2018/0009908およびLewis et al., nature Biotechnology (2014) 32(2), 191-198を参照)。
(ii)付属IgG
【0246】
一部の実施形態では、Fcドメインは、1つまたは複数の結合ドメインをFcドメインのアミノおよび/またはカルボキシル末端に付属させることにより、2個の異なる結合ドメインを含むように操作することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の結合ドメインを、ペプチドリンカーを介してFcドメインに付属させることができる。
【0247】
一部の実施形態では、結合ドメインは、IFNAR(例えば、IFNAR1またはIFNAR2)またはそのバリアントもしくは断片である。一部の実施形態では、結合ドメインは、IFNAR1またはIFNAR2の細胞外ドメインである。
(iii)二重特異性断片
【0248】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、Fcドメインの一部または全体を欠くことができる。一部の実施形態では、Fcドメインの一部または全体を欠く可溶性インターフェロン受容体の結合ドメインおよび部分的Fcドメインは、ペプチドリンカーを介して接続することができる。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、可溶性インターフェロン受容体のドメイン(例えば、結合ドメイン、Fcドメイン)のそれぞれを接続し、これにより、単一のポリペプチド鎖を生成するためのポリペプチドリンカーを使用して生成することができる。
【0249】
一部の実施形態では、結合ドメインは、IFNAR(例えば、IFNAR1またはIFNAR2)またはそのバリアントもしくは断片である。一部の実施形態では、結合ドメインは、IFNAR1またはIFNAR2の細胞外ドメインである。
(iv)二重特異性融合タンパク質
【0250】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体の結合ドメインは、他のタンパク質に連結されて、特異性の追加的な官能性を加える。一部の実施形態では、結合ドメインは、IFNAR(例えば、IFNAR1またはIFNAR2)またはそのバリアントもしくは断片である。一部の実施形態では、結合ドメインは、IFNAR1またはIFNAR2の細胞外ドメインである。
(v)二重特異性コンジュゲート
【0251】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体の結合ドメインは、互いにおよび/またはFcドメインに化学的にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、結合ドメインは、IFNAR(例えば、IFNAR1またはIFNAR2)またはそのバリアントもしくは断片である。一部の実施形態では、結合ドメインは、IFNAR1またはIFNAR2の細胞外ドメインである。
(vi)IgG4 Fab腕交換
【0252】
一部の実施形態では、Fab腕交換を使用して、Fcドメインのヘテロ二量体化を容易にすることができる。Fab腕交換は、IgG4のヒンジ領域に加えてIgG4の第3の定常ドメインが関与するIgG4抗体の翻訳後修飾であり、活性化に還元環境を要求する(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるvan der Neut Kolfschoten et al. (2007) Science 317, 1554-1557)。IgG4抗体は、重鎖を取り替えることによりFab腕を交換し、別の分子由来の重鎖ペアにより軽鎖を付着させ、二重特異性抗体をもたらす(van der Neut Kolfschoten et al. (2007))。一部の実施形態では、本開示の可溶性インターフェロン受容体のヘテロ二量体化は、IgG1 FcにおけるCH3ドメインを、IgG4 Fc由来のCH3ドメインに置き換えると共に、IgG1コアヒンジ配列をIgG4配列に置き換えることにより(すなわち、Pro228をSerに置き換えることにより(P228S))促進することができる。
(vii)追加的な代替足場
【0253】
一部の実施形態では、操作されたタンパク質足場(例えば、アフィボディ(Affibody)、DARPin、アドネクチン(Adnectin))を使用して、少なくとも2個のIFNAR結合ドメインを有する分子を生成することができる。一部の実施形態では、結合ドメインは、IFNAR1またはIFNAR2の細胞外ドメインである。
PK部分
【0254】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、足場として、また、可溶性インターフェロン受容体の血清半減期を増加させる手段として機能するPK部分に作動可能に連結される。
【0255】
適したPK部分は、当技術分野で周知であり、そのようなものとして、アルブミン、トランスフェリン、Fcおよびそれらのバリアント、ならびにポリエチレングリコール(PEG)およびその誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。適したPK部分として、US5,876,969、WO2011/124718およびWO2011/0514789に開示されているもの等、HSAまたはそのバリアントもしくは断片;WO2011/053982、WO02/060955、WO02/096948、WO05/047327、WO05/018572およびUS2007/0111281に開示されているもの等、FcおよびFcバリアント;US7,176,278およびUS8,158,579に開示されているトランスフェリンまたはそのバリアントもしくは断片;ならびにZalipsky et al. (”Use of Functionalized Poly(Ethylene Glycols) for Modification of Polypeptides” in Polyethylene Glycol Chemistry: Biotechnical and Biomedical Applications, J. M. Harris, Plenus Press, New York (1992))およびZalipsky et al. Advanced Drug Reviews 1995:16: 157-182)ならびに米国特許第4,640,835号、同第4,496,689号、同第4,301,144号、同第4,670,417号、同第4,791,192号、同第4,179,337号および同第5,932,462号(前述の内容は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているもの等、PEGまたは誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。常套的な方法を使用して、PK部分を本発明の可溶性インターフェロン受容体に導入すること(例えば、クローニング、コンジュゲーション)は、当業者の能力の範囲内にある。
【0256】
一部の実施形態では、PK部分は、天然に非グリコシル化されたHSAである。
【0257】
一部の実施形態では、PK部分は、野生型Fc(配列番号26)である。
【0258】
ある特定の実施形態では、Fcドメインは、例えば、アミノ酸突然変異(例えば、付加、欠失または置換)によって変更または改変される。本明細書で使用される場合、用語「Fcドメインバリアント」は、Fcドメインが由来する野生型Fcと比較して、アミノ酸置換等の少なくとも1つのアミノ酸改変を有するFcドメインを指す。例えば、Fcドメインが、ヒトIgG1抗体に由来する場合、バリアントは、ヒトIgG1 Fc領域の対応する位置における野生型アミノ酸と比較して、少なくとも1つのアミノ酸突然変異(例えば、置換)を含む。
【0259】
一部の実施形態では、PK部分は、本明細書に記載されているFcバリアントのいずれかである。
【0260】
一部の実施形態では、PK部分は、野生型HSTである。他の実施形態では、PK部分は、N413および/またはN611および/またはS12(S12は、潜在的なO結合型グリコシル化部位である)に突然変異を有するHSTであり、変更されたグリコシル化を有するHSTを生じる(すなわち、HST N413S、HST N611S、HST N413S/N611SおよびHST S12A/N413S/N611S)。
例示的な可溶性インターフェロン受容体
【0261】
本開示の可溶性インターフェロン受容体は、様々なインターフェロン受容体Fc構築物を取り込むように構成することができる。同様に、本発明のインターフェロン受容体Fc構築物は、様々なドメインを取り込むように構成することができる。
【0262】
例えば、一実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(配列番号11)に表記されているIFNAR1ドメインを含むことができる。別の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(配列番号12)に表記されているIFNAR2ドメインを含むことができる。別の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインを含むことができる。別の実施形態では、IFNAR1ドメインは、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー)ありで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結される。一部の実施形態では、IFNAR2ドメインは、リンカードメイン(例えば、ポリペプチドリンカー)ありで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結される。一部の実施形態では、リンカードメインは、ポリペプチドリンカー(例えば、Gly/Serリンカー、例えば、(G4S)n(式中、nは、1~10、2~5、1、2、3、4または5である))である。一部の実施形態では、ポリペプチドリンカーは、約1~50、約5~40、約10~30または約15~20アミノ酸の長さである。一部の態様では、ポリペプチドリンカーは、約20アミノ酸もしくはそれ未満、約15アミノ酸もしくはそれ未満、約10アミノ酸もしくはそれ未満、または約5アミノ酸もしくはそれ未満の長さである。一部の態様では、ポリペプチドリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30アミノ酸の長さである。別の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号15に表記されている(Gly4Ser)4リンカードメインを含むことができる。別の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号38に表記されている(Gly4Ser)2リンカードメインを含むことができる。別の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインを含まない。
【0263】
別の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号13に表記されているリーダー配列を含むことができる。
【0264】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(配列番号10)に表記されている突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインを含むことができる。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(配列番号9)に表記されている突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインを含むことができる。一部の実施形態では、インターフェロンFc受容体構築物は、配列番号106に表記されている突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインを含むことができ、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。一部の実施形態では、インターフェロンFc受容体構築物は、配列番号107に表記されている突然変異Y407Tを含むIgG1 Fcドメインを含むことができ、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。一部の実施形態では、インターフェロンFc受容体構築物は、配列番号108に表記されている突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインを含むことができ、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。一部の実施形態では、インターフェロンFc構築物は、配列番号109に表記されている突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインを含むことができ、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0265】
一部の実施形態では、インターフェロンFc受容体構築物は、EUナンバリングに従った、突然変異S228P、F296Y、E356K、R409K、H435RおよびL445Pを含む突然変異体IgG4 Fcドメインを含む。一部の実施形態では、ヘテロ二量体は、EUナンバリングに従った、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインを含む。一部の実施形態では、インターフェロンFc構築物は、配列番号113に表記されている突然変異S228P、F234A、L235A、L445P(EU)およびK478del(Kabat)を含むIgG4 Fcドメインを含む。一部の実施形態では、インターフェロンFc構築物は、配列番号116に表記されている突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435R(EU)を有するIgG4 Fcドメインを含む。一部の実施形態では、インターフェロンFc構築物は、配列番号117に表記されている突然変異F296Y、R409KおよびK439E(EU)を有するIgG4 Fcドメインを含む。一部の実施形態では、インターフェロンFc構築物は、配列番号118に表記されている突然変異S228P、F296Y、E356K、R409K、H435R、L445P、G446del(EU)およびK478del(Kabat)を有するIgG4 Fcドメインを含む。一部の実施形態では、インターフェロンFc構築物は、配列番号119に表記されている突然変異S228P、F296Y、R409K、K439E、L445P、G446del(EU)およびK478del(Kabat)を有するIgG4 Fcドメインを含む。
【0266】
当業者であれば、これらの個々のドメインを、いずれかの順序で互いに作動可能に連結して、酵素活性があるインターフェロン受容体Fc構築物を形成することができることを理解するであろう。例えば、下の具体例に詳述される通り、IFNAR1細胞外ドメインは、(Gly
4Ser)
4リンカードメインを介してFcドメインに作動可能に連結することができる。別の例では、IFNAR2細胞外ドメインは、(Gly
4Ser)
4リンカードメインを介してFcドメインに作動可能に連結することができる。別の例では、IFNAR1細胞外ドメインは、(Gly
4Ser)
2リンカードメインを介してFcドメインに作動可能に連結することができる。別の例では、IFNAR2細胞外ドメインは、(Gly
4Ser)
2リンカードメインを介してFcドメインに作動可能に連結することができる。別の例では、IFNAR1細胞外ドメインは、Fcドメインに作動可能に連結することができる。別の例では、IFNAR2細胞外ドメインは、Fcドメインに作動可能に連結することができる。様々な他の構成が可能であるが、非限定的な例示的な構成が、本明細書に、
図1および配列表に開示されている。
【0267】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含む。
【0268】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含む。
【0269】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含む。
【0270】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含む。
【0271】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含む。
【0272】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含む。
【0273】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含む。
【0274】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含む。
【0275】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含む。
【0276】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含む。
【0277】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含む。
【0278】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含む。
【0279】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0280】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0281】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0282】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0283】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0284】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0285】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0286】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0287】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0288】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0289】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0290】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0291】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0292】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0293】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0294】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0295】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0296】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0297】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0298】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0299】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0300】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0301】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0302】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含み、これは必要に応じて、C220S、P238SおよびP331Sから選択される1つまたは複数の突然変異を含む。
【0303】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435Rを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1を含む。
【0304】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435Rを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1を含む。
【0305】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435Rを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1を含む。
【0306】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435Rを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2を含む。
【0307】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435Rを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2を含む。
【0308】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435Rを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2を含む。
【0309】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1を含む。
【0310】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1を含む。
【0311】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1を含む。
【0312】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2を含む。
【0313】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2を含む。
【0314】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2を含む。
【0315】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー配列ありまたはなしで、配列番号1として表記されているアミノ酸配列、および配列番号1として表記されているアミノ酸配列をコードする核酸を含む。
【0316】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー配列ありまたはなしで、配列番号2として表記されているアミノ酸配列、および配列番号2として表記されているアミノ酸配列をコードする核酸を含む。
【0317】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー配列ありまたはなしで、配列番号3として表記されているアミノ酸配列、および配列番号3として表記されているアミノ酸配列をコードする核酸を含む。
【0318】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー配列ありまたはなしで、配列番号4として表記されているアミノ酸配列、および配列番号4として表記されているアミノ酸配列をコードする核酸を含む。
【0319】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー配列ありまたはなしで、配列番号52として表記されているアミノ酸配列、および配列番号52として表記されているアミノ酸配列をコードする核酸を含む。
【0320】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー配列ありまたはなしで、配列番号54として表記されているアミノ酸配列、および配列番号54として表記されているアミノ酸配列をコードする核酸を含む。
【0321】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー配列ありまたはなしで、配列番号56として表記されているアミノ酸配列、および配列番号56として表記されているアミノ酸配列をコードする核酸を含む。
【0322】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー配列ありまたはなしで、配列番号58として表記されているアミノ酸配列、および配列番号58として表記されているアミノ酸配列をコードする核酸を含む。
【0323】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、二量体化して、ヘテロ二量体可溶性インターフェロン受容体等、可溶性インターフェロン受容体を形成する。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。
【0324】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。
【0325】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびにリンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、T366L、K392LおよびT394Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびにリンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異C220S、P238S、P331SおよびT350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。
【0326】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。
【0327】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。
【0328】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、およびリンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異Y407Tを含むFcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、およびリンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Yを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。
【0329】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。
【0330】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。
【0331】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびにリンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびにリンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異T366Wを含むIgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2細胞外ドメインを含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。
【0332】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435Rを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1を含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2を含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1を含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)4リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435Rを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2を含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。
【0333】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435Rを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1を含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2を含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体Fc構築物は、(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1を含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびに(Gly4Ser)2リンカードメイン等のリンカードメインを介して、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435Rを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2を含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。
【0334】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435Rを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1を含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびにリンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2を含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体Fc構築物は、リンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、R409KおよびK439Eを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1を含むインターフェロン受容体Fc構築物、ならびにリンカードメインなしで、リーダー配列ありまたはなしで、突然変異F296Y、E356K、R409KおよびH435Rを含むIgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2を含むインターフェロン受容体Fc構築物を含むヘテロ二量体を含む。
【0335】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、配列番号1に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチド、および配列番号4に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むヘテロ二量体である。
【0336】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、配列番号2に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチド、および配列番号3に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むヘテロ二量体である。
【0337】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、配列番号52に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチド、および配列番号54に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むヘテロ二量体である。
【0338】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、配列番号56に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチド、および配列番号58に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むヘテロ二量体である。
【0339】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、配列番号40に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチド、および配列番号43に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むヘテロ二量体である。
【0340】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、配列番号41に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチド、および配列番号42に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むヘテロ二量体である。
【0341】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、配列番号53に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチド、および配列番号55に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むヘテロ二量体である。
【0342】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、配列番号57に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチド、および配列番号59に表記されているアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むヘテロ二量体である。
【0343】
一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号58のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号41のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号55のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも70%同一、例えば、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1~4、52、54、56、58、40、43、41、42、43、55、57または59のうちいずれか1種から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0344】
一部の実施形態では、前述のインターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー配列を有する。一部の実施形態では、前述のインターフェロン受容体Fc構築物は、リーダー配列を持たない。
【0345】
当業者であれば、リーダーおよびリンカー配列が、必要に応じたものであり、上述の実施形態に記載されているものに限定されないことを理解するであろう。例えば、IFNARドメイン(例えば、IFNAR1、IFNAR2)は、Fcドメインまたはそのバリアントもしくは断片のNおよび/またはC末端に直接的に融合されていてよい;リーダードメインは、その意図される目的、例えば、タンパク質発現および/または分泌を増加させるのに有用であることが当技術分野で公知のドメインのいずれかであり得る(例えば、MDWTWRILFLVAAATGTHA;配列番号13);リンカーは、本明細書に記載されている通り、当技術分野で公知のいずれかのリンカー、例えば、(Gly4Ser)n、NLG(VDGASSPVNVSSPSVQDI;配列番号18)、LE、トロンビン感受性ジスルフィドシクロペプチドリンカー、LEA(EAAAK)4ALEA(EAAAK)4(配列番号19)、またはin vivo切断可能ジスルフィドリンカーであり得る。常套的なクローニングおよび組換え方法を使用して、インターフェロン受容体Fc構築物のアミノ酸配列に対応する変化を作製することが、当業者の能力の範囲内にあることも理解されるであろう。
可溶性インターフェロン受容体を作製する方法
【0346】
本開示のインターフェロン受容体Fc構築物は、大部分は、組換えDNA技法を使用して、形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞において作製することができる。これをなすために、ペプチドをコードする組換えDNA分子が調製される。そのようなDNA分子を調製する方法は、当技術分野で周知である。例えば、インターフェロン受容体Fc構築物をコードする配列は、適した制限酵素を使用して、DNAから切除することができる。あるいは、DNA分子は、ホスホロアミド酸塩方法等、化学合成技法を使用して合成することができる。また、これらの技法の組合せを使用することができる。
【0347】
本発明は、また、適切な宿主においてインターフェロン受容体Fc構築物を発現することができるベクターを含む。ベクターは、適切な発現制御配列に作動可能に連結される、インターフェロン受容体Fc構築物をコードするDNA分子を含む。DNA分子がベクターに挿入される前または後に、この作動可能な連結に影響を与える方法が周知である。発現制御配列は、プロモーター、アクチベーター、エンハンサー、オペレーター、リボソームヌクレアーゼドメイン、開始シグナル、終止シグナル、キャップシグナル、ポリアデニル化シグナル、および転写または翻訳の制御に関与する他のシグナルを含む。
【0348】
DNA分子を有するその結果生じるベクターは、適切な宿主の形質転換またはトランスフェクトに使用される。一部の実施形態では、本開示の可溶性インターフェロン受容体は、インターフェロン受容体Fc構築物をコードするDNAを含む2種またはそれよりも多い発現ベクターを適切な宿主にコトランスフェクトまたは同時形質転換することにより作製することができる。この形質転換またはトランスフェクションは、当技術分野で周知の方法を使用して行うことができる。
【0349】
多数の利用でき周知の宿主細胞のいずれかを、本発明の実施において使用することができる。特定の宿主の選択は、当技術分野で認識される多数の因子に依存する。そのようなものとして、例えば、選ばれた発現ベクターとの適合性、DNA分子によってコードされるインターフェロン受容体Fc構築物の毒性、形質転換またはトランスフェクションの率、インターフェロン受容体Fc構築物の回収の容易さ、発現特徴、バイオセイフティーおよび費用が挙げられる。これらの因子は、全ての宿主が特定のDNA配列の発現に等しく有効となり得るとは限らないことの理解と均衡を取らなければならない。これらの一般ガイドライン内で、有用な微生物宿主は、細菌(E.coli等)、酵母(Saccharomyces等)および他の真菌、昆虫、植物、培養中の哺乳動物(ヒトを含む)細胞、または当技術分野で公知の他の宿主を含む。一部の実施形態では、インターフェロン受容体Fc構築物は、CHO細胞において産生される。
【0350】
次に、形質転換またはトランスフェクトされた宿主が培養され、精製される。宿主細胞は、所望の化合物が発現されるように、従来の発酵または培養条件下で培養することができる。そのような発酵および培養条件は、当技術分野で周知である。最後に、インターフェロン受容体Fc構築物が、当技術分野で周知の方法によって培養物から精製される。
【0351】
化合物は、合成方法によって作製することもできる。例えば、固相合成技法を使用することができる。適した技法は、当技術分野で周知であり、Merrifield (1973), Chem. Polypeptides, pp. 335-61 (Katsoyannis and Panayotis eds.);Merrifield (1963), J. Am. Chem. Soc. 85: 2149;Davis et al., Biochem Intl 1985;10: 394-414;Stewart and Young (1969), Solid Phase Peptide Synthesis;米国特許第3,941,763号;Finn et al. (1976), The Proteins (3rd ed.) 2: 105-253;およびErickson et al. (1976), The Proteins (3rd ed.) 2: 257-527に記載されている技法を含む。一部の実施形態では、誘導体化ペプチドを含有するまたは非ペプチド基を含有する化合物は、周知の有機化学技法によって合成することができる。
【0352】
分子発現/合成の他の方法は、当業者にとって一般に当技術分野で公知である。
変更されたグリコシル化を有する可溶性インターフェロン受容体
【0353】
グリコシル化(例えば、O結合型(O-lined)またはN結合型グリコシル化)は、例えば、マンノースおよびアシアロ糖タンパク質受容体ならびに他のレクチン様受容体による、その循環からの除去を最小化することにより、本開示の可溶性インターフェロン受容体の血清半減期に影響を与えることができる。したがって、一部の実施形態では、本開示の可溶性インターフェロン受容体は、非グリコシル化、脱グリコシル化または不十分グリコシル化形態で調製される。好ましくは、N結合型グリコシル化は変更され、可溶性インターフェロン受容体は非グリコシル化(aglycosyated)される。
【0354】
一部の実施形態では、Asn-X-Ser/Thr(Xは、Proを除く他のいずれかの天然に存在するアミノ酸であり得る)コンセンサスに適合する可溶性インターフェロン受容体における全てのアスパラギン残基は、N結合型グリコシル化のアクセプターとして機能しない残基(例えば、セリン、グルタミン)に突然変異され、これにより、タンパク質をグリコシル化する細胞において合成されたときに、可溶性インターフェロン受容体のグリコシル化を排出する。
【0355】
一部の実施形態では、N結合型グリコシル化部位を欠く可溶性インターフェロン受容体は、哺乳動物細胞において産生される。一実施形態では、哺乳動物細胞は、CHO細胞である。したがって、特異的な実施形態では、非グリコシル化された可溶性インターフェロン受容体は、CHO細胞において産生される。
【0356】
他の実施形態では、N-グリコシル化の低下または欠如は、例えば、宿主(例えば、E.coli等の細菌)、グリコシル化に重要な1種もしくは複数の酵素を欠くように操作された哺乳動物細胞、またはツニカマイシン(Dol-PP-GlcNAc形成の阻害剤)等のグリコシル化を防止する薬剤で処置された哺乳動物細胞において可溶性インターフェロン受容体を産生することによって達成される。
【0357】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、高マンノース型糖ではなく複合N-グリカンを有する糖タンパク質を産生するように操作された下等真核生物において産生される(例えば、US2007/0105127を参照)。
【0358】
一部の実施形態では、グリコシル化された可溶性インターフェロン受容体(例えば、CHO細胞等の哺乳動物細胞において産生された受容体)は、化学的にまたは酵素的に処置されて、1つもしくは複数の炭水化物残基(例えば、1つまたは複数のマンノース、フコースおよび/またはN-アセチルグルコサミン残基)を除去する、または1つもしくは複数の炭水化物残基を修飾もしくは遮蔽する。そのような修飾または遮蔽は、マンノース受容体および/またはアシアロ糖タンパク質受容体および/または他のレクチン様受容体への可溶性インターフェロン受容体の結合を低下させることができる。化学的脱グリコシル化は、例えば、Sojar et al., JBC 1989;264:2552-9およびSojar et al., Methods Enzymol 1987;138:341-50に開示されている通り、トリフルオロメタンスルホン酸(TFMS)で可溶性インターフェロン受容体を処置することにより、またはSojar et al.(1987、上記参照)に開示されている通り、フッ化水素で処置することにより達成することができる。可溶性インターフェロン受容体からのN結合型炭水化物の酵素による除去は、Thotakura et al. (Methods Enzymol 1987;138:350-9)に開示されている通り、タンパク質N-グリコシダーゼ(PNGase)AまたはFで可溶性インターフェロン受容体を処置することにより達成することができる。使用に適した他の当技術分野で認識されている市販の脱グリコシル化酵素は、エンド-アルファ-N-アセチル-ガラクトサミニダーゼ、エンドグリコシダーゼF1、エンドグリコシダーゼF2、エンドグリコシダーゼF3およびエンドグリコシダーゼHを含む。一部の実施形態では、これらの酵素のうち1種または複数を使用して、本開示の可溶性インターフェロン受容体を脱グリコシル化することができる。脱グリコシル化のための代替方法は、例えば、US8,198,063に開示されている。
【0359】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、部分的に脱グリコシル化されている。部分的脱グリコシル化は、複合型炭水化物ではなくN結合型高マンノース炭水化物を切断するエンドグリコシダーゼ(例えば、エンドグリコシダーゼH)で可溶性インターフェロン受容体を処置し、アスパラギンに連結される単一GlcNAc残基を残すことにより達成することができる。エンドグリコシダーゼHで処置された可溶性インターフェロン受容体は、高マンノース炭水化物を欠き、肝マンノース受容体との相互作用低下をもたらすであろう。この受容体は、末端GlcNAcを認識するが、タンパク質表面における単一GlcNAcとの生産的相互作用の確率は、インタクト高マンノース構造との生産的相互作用の確率ほど大きくはない。
【0360】
他の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体のグリコシル化は、例えば、酸化、還元、脱水、置換、エステル化、アルキル化、シアリル化、炭素間結合切断その他によって修飾されて、血液からの可溶性インターフェロン受容体のクリアランスを低下させる。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、過ヨウ素酸塩および水素化ホウ素ナトリウムで処置されて、炭水化物構造を修飾する。過ヨウ素酸塩処置は、近接ジオールを酸化し、炭素間結合を切断し、ヒドロキシル基をアルデヒド基に置き換える;水素化ホウ素は、アルデヒドをヒドロキシルに還元する。多くの糖残基は、近接ジオールを含み、したがって、この処置によって切断される。過ヨウ素酸塩および水素化ホウ素ナトリウムによる延長された血清半減期は、これらの薬剤によるリソソーム酵素β-グルクロニダーゼの逐次処置によって例証される(例えば、Houba et al. (1996) Bioconjug Chem 1996:7:606-11;Stahl et al. PNAS 1976;73:4045-9;Achord et al. Pediat. Res 1977;11:816-22;Achord et al. Cell 1978;15:269-78を参照)。過ヨウ素酸塩および水素化ホウ素ナトリウムによる処置のための方法は、Hickman et al., BBRC 1974;57:55-61に開示されている。リシンの血清半減期および組織分布を増加させる、過ヨウ素酸塩およびシアノ水素化ホウ素による処置のための方法は、Thorpe et al. Eur J Biochem 1985;147:197-206に開示されている。
【0361】
一実施形態では、可溶性インターフェロン受容体の炭水化物構造は、マンノースもしくはアシアロ糖タンパク質受容体または他のレクチン様受容体による構造の認識に干渉する1つまたは複数の追加的な部分(例えば、炭水化物基、リン酸基、アルキル基等)の付加によって遮蔽することができる。
【0362】
一部の実施形態では、1つまたは複数の潜在的グリコシル化部位は、可溶性インターフェロン受容体をコードする核酸の突然変異によって除去され、これにより、タンパク質をグリコシル化する細胞、例えば、CHO細胞等の哺乳動物細胞において合成されるときに、可溶性インターフェロン受容体のグリコシル化を低下させる(不十分グリコシル化)。一部の実施形態では、例えば、不十分グリコシル化された可溶性インターフェロン受容体が、増加した活性を示す場合、または増加した血清半減期に寄与する場合、その中の潜在的N結合型グリコシル化部位を突然変異させることにより、可溶性インターフェロン受容体を選択的に不十分グリコシル化することが望ましくなり得る。他の実施形態では、例えば、そのような修飾が、可溶性インターフェロン受容体の血清半減期を改善する場合、ある特定のドメインがN-グリコシル化を欠くように、可溶性インターフェロン受容体の部分を不十分グリコシル化することが望ましくなり得る。あるいは、グリコシル化アクセプター近傍の他のアミノ酸を修飾し、正常にグリコシル化されるであろうアミノ酸を必ずしも変化させなくても、グリコシル化酵素のための認識モチーフを破壊することができる。
【0363】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体のグリコシル化は、グリコシル化部位を導入することにより変更することができる。例えば、可溶性インターフェロン受容体のアミノ酸配列は、Asn-X-Ser/Thr(Xは、プロリン以外のいずれかのアミノ酸である)のN結合型グリコシル化のためのコンセンサス配列を導入するように修飾することができる。追加的なN結合型グリコシル化部位は、可溶性インターフェロン受容体のアミノ酸配列のどの箇所に付加してもよい。好ましくは、グリコシル化部位は、可溶性インターフェロン受容体の活性を実質的に低下させないアミノ酸配列における位置に導入される。
【0364】
O結合型グリコシル化部位の付加は、成長ホルモン、卵胞刺激ホルモン、IGFBP-6、第IX因子およびその他多く等、タンパク質の血清半減期を変更することが報告された(例えば、Okada et al., Endocr Rev 2011;32:2-342;Weenen et al., J Clin Endocrinol Metab 2004;89:5204-12;Marinaro et al., European Journal of Endocrinology 2000;142:512-6;US2011/0154516に開示されている通り)。したがって、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体のO結合型グリコシル化(セリン/スレオニン残基における)が変更される。O結合型グリコシル化を変更するための方法は、当技術分野で常套的であり、例えば、ベータ-排出によって(例えば、Huang et al., Rapid Communications in Mass Spectrometry 2002;16:1199-204;Conrad, Curr Protoc Mol Biol 2001; Chapter 17:Unit17.15A;Fukuda, Curr Protoc Mol Biol 2001;Chapter 17;Unit 17.15B;Zachara et al., Curr Protoc Mol Biol 2011; Unit 17.6; を参照);市販のキット(例えば、GlycoProfile(商標)ベータ-排出キット、Sigma)を使用することによって;またはGal β1-3GalNAcおよび/またはGlcNAc β1-3GalNAcのみが残るまで、β1-4ガラクトシダーゼおよびβ-N-アセチルグルコサミニダーゼ等が挙げられるがこれらに限定されない一連のエキソグリコシダーゼによる処置に続く、例えば、エンド-α-N-アセチルガラクトサミニダーゼ(すなわち、O-グリコシダーゼ)による処置に可溶性インターフェロン受容体を付すことによって、達成することができる。そのような酵素は、例えば、New England Biolabsから市販されている。さらに他の実施形態では、例えば、Okada et al.(上記参照)、Weenen et al.(上記参照)、US2008/0274958;およびUS2011/0171218に開示されている通り、可溶性インターフェロン受容体は、可溶性インターフェロン受容体にO結合型グリコシル化を導入するように変更される。一部の実施形態では、CXXGGT/S-C(配列番号29)(van den Steen et al., In Critical Reviews in Biochemistry and Molecular Biology, Michael Cox, ed., 1998;33:151-208)、NST-E/D-A(配列番号30)、NITQS(配列番号31)、QSTQS(配列番号32)、D/E-FT-R/K-V(配列番号33)、C-E/D-SN(配列番号34)およびGGSC-K/R(配列番号35)等、1つまたは複数のO結合型グリコシル化コンセンサス部位が、可溶性インターフェロン受容体に導入される。追加的なO結合型グリコシル化部位は、可溶性インターフェロン受容体のアミノ酸配列のどの箇所に付加してもよい。好ましくは、グリコシル化部位は、可溶性インターフェロン受容体の活性を実質的に低下させないアミノ酸配列における位置に導入される。あるいは、O結合型糖部分は、例えば、WO87/05330およびAplin et al., CRC Crit Rev Biochem 1981;259-306)に記載されている通り、可溶性インターフェロン受容体におけるアミノ酸を化学修飾することにより導入される。
【0365】
一部の実施形態では、N結合型およびO結合型グリコシル化部位の両方が、可溶性インターフェロン受容体に、好ましくは、可溶性インターフェロン受容体の活性を実質的に低下させないアミノ酸配列における位置に導入される。
【0366】
可溶性インターフェロン受容体におけるグリコシル化(例えば、N結合型またはO結合型グリコシル化)を導入、低下または排出し、当技術分野で常套的な方法を使用して、グリコシル化状態におけるそのような修飾が、可溶性インターフェロン受容体の活性または血清半減期を増加または減少させるか決定することは、十分に当業者の能力の範囲内にある。
【0367】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体は、変更されたグリコフォーム(例えば、不十分フコシル化(underfucosylated)またはフコース不含グリカン)を含むことができる。
【0368】
一部の実施形態では、変更されたグリコシル化を有する可溶性インターフェロン受容体は、対応するグリコシル化された可溶性インターフェロン受容体(例えば、潜在的N結合型グリコシル化部位が突然変異されていない可溶性インターフェロン受容体)と比べて、少なくとも約1.5倍、例えば、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍、少なくとも約300倍、少なくとも約400倍、少なくとも約500倍、少なくとも約600倍、少なくとも約700倍、少なくとも約800倍、少なくとも約900倍、少なくとも約1000倍もしくは1000倍またはそれを超えて増加した血清半減期を有する。常套的な当技術分野で認識される方法を使用して、変更されたグリコシル化状態を有する可溶性インターフェロン受容体の血清半減期を決定することができる。
【0369】
一部の実施形態では、変更されたグリコシル化を有する可溶性インターフェロン受容体(例えば、非グリコシル化、脱グリコシル化または不十分グリコシル化された可溶性インターフェロン受容体)は、対応するグリコシル化された可溶性インターフェロン受容体(例えば、潜在的N結合型グリコシル化部位が突然変異されていない可溶性インターフェロン受容体)の活性の少なくとも50%、例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%または100%を保持する。
【0370】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体のグリコシル化状態の変更は、活性を直接的に増加させることにより、またはバイオアベイラビリティ(例えば、血清半減期)を増加させることにより、活性を増加させることができる。したがって、一部の実施形態では、変更されたグリコシル化を有する可溶性インターフェロン受容体の活性は、対応するグリコシル化された可溶性インターフェロン受容体(例えば、潜在的N結合型グリコシル化部位が突然変異されていない可溶性インターフェロン受容体)と比べて、少なくとも1.3倍、例えば、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9倍、少なくとも9.5倍もしくは10倍またはそれを超えて増加される。
【0371】
当業者は、当技術分野で認識される方法を使用して、可溶性インターフェロン受容体のグリコシル化状態を容易に決定することができる。好まれる実施形態では、グリコシル化状態は、質量分析を使用して決定される。他の実施形態では、コンカナバリンA(Con A)との相互作用を評価して、可溶性インターフェロン受容体が不十分グリコシル化されているか決定することができる。不十分グリコシル化された可溶性インターフェロン受容体は、対応するグリコシル化された可溶性インターフェロン受容体と比較して、Con A-セファロースへの結合低下を示すと予想される。SDS-PAGE解析を使用して、不十分グリコシル化されたタンパク質および対応するグリコシル化されたタンパク質の移動度を比較することもできる。不十分グリコシル化されたタンパク質は、グリコシル化されたタンパク質と比較して、SDS-PAGEにおけるより大きい移動度を有すると予想される。タンパク質グリコシル化状態を解析するための、他の適した当技術分野で認識される方法は、例えば、Roth et al., International Journal of Carbohydrate Chemistry 2012;1-10に開示されている。
【0372】
異なるグリコシル化状態を有する可溶性インターフェロン受容体の血清半減期等の薬物動態は、常套的な方法を使用して、例えば、マウスに、例えば、静脈内に可溶性インターフェロン受容体を導入し、所定の時点で血液試料を採取し、試料における可溶性インターフェロン受容体のレベルおよび/または活性をアッセイおよび比較することにより、アッセイすることができる。
医薬組成物
【0373】
ある特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を単独で投与する。ある特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を少なくとも1つの他の治療剤の投与前に投与する。ある特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を少なくとも1つの他の治療剤の投与と同時に投与する。ある特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を少なくとも1つの他の治療剤の投与の後に投与する。他の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を少なくとも1つの他の治療剤の投与前に投与する。当業者には理解されるように、一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を他の薬剤/化合物と組み合わせる。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体と他の薬剤を同時に投与する。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体と他の薬剤を同時には投与せず、可溶性インターフェロン受容体を、薬剤を投与する前、またはその後に投与する。一部の実施形態では、対象は、同じ防止期間、障害の発症、および/または処置期間中、可溶性インターフェロン受容体と他の薬剤の両方を受ける。
【0374】
本開示の医薬組成物は、併用療法で、すなわち、他の薬剤と組み合わせて投与することができる。ある特定の実施形態では、併用療法は、可溶性インターフェロン受容体と少なくとも1つの他の薬剤の組合せを含む。薬剤としては、これだけに限定されないが、in vitroで合成により調製された化学組成物、抗体、抗原結合性領域、ならびにその組合せおよびコンジュゲートが挙げられる。ある特定の実施形態では、薬剤は、アゴニスト、アンタゴニスト、アロステリックなモジュレーター、または毒素としての機能を果たし得る。
【0375】
ある特定の実施形態では、本開示は、可溶性インターフェロン受容体を薬学的に許容される希釈剤、担体、可溶化剤、乳化剤(emulsifier)、防腐剤および/またはアジュバントと共に含む医薬組成物を提供する。
【0376】
ある特定の実施形態では、本発明は、可溶性インターフェロン受容体および治療有効量の少なくとも1つの追加的な治療剤を、薬学的に許容される希釈剤、担体、可溶化剤、乳化剤、防腐剤および/またはアジュバントと共に含む医薬組成物を提供する。
【0377】
ある特定の実施形態では、許容される製剤材料は、使用される投与量および濃度でレシピエントに対して無毒性であることが好ましい。一部の実施形態では、製剤材料(単数または複数)は、s.c.投与用および/またはI.V.投与用である。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、例えば、組成物のpH、重量オスモル濃度、粘度、清澄性、色、等張性、匂い、無菌性、安定性、溶解または放出の速度、吸着または透過を改変する、維持するまたは保存するための製剤材料を含有し得る。ある特定の実施形態では、適切な製剤材料としては、これだけに限定されないが、アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンもしくはリジン等);抗菌薬;抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウムもしくは亜硫酸水素ナトリウム等);緩衝液(例えば、ホウ酸、炭酸水素、Tris-HCl、クエン酸、リン酸もしくは他の有機酸等);増量剤(例えば、マンニトールもしくはグリシン等);キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等);錯化剤(例えば、カフェイン、ポリビニルピロリドン、ベータ-シクロデキストリンもしくはヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン等);充填剤;単糖;二糖;および他の炭水化物(例えば、グルコース、マンノースもしくはデキストリン等);タンパク質(例えば、ゼラチン等);着色剤、香味剤および希釈剤;乳化剤(emulsifying agent);親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン等);低分子量ポリペプチド;塩形成性対イオン(例えば、ナトリウム等);防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸もしくは過酸化水素等);溶媒(例えば、グリセリン、プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコール等);糖アルコール(例えば、マンニトールもしくはソルビトール等);懸濁化剤;界面活性物質もしくは湿潤剤(例えば、プルロニック(登録商標)、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート20、ポリソルベート80等のポリソルベート、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサポール等);安定性増強剤(例えば、スクロースもしくはソルビトール等);張度増強剤(例えば、ハロゲン化アルカリ金属、好ましくは塩化ナトリウムもしくは塩化カリウム、マンニトールソルビトール等);送達ビヒクル;希釈剤;賦形剤および/または医薬アジュバントが挙げられる(Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, A. R. Gennaro, ed., Mack Publishing Company (1995))。一部の実施形態では、製剤は、PBS;20mMのNaOAC、pH5.2、50mMのNaCl;および/または10mMのNAOAC、pH5.2、9%スクロースを含む。
【0378】
ある特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体および/または治療用分子を当技術分野で公知の半減期延長ビヒクルと連結する。そのようなビヒクルとしては、これだけに限定されないが、ポリエチレングリコール、グリコーゲン(例えば、可溶性インターフェロン受容体のグリコシル化)、およびデキストランが挙げられる。そのようなビヒクルは、例えば、米国特許出願第09/428,082号、現在米国特許第6,660,843号および特許公開第WO99/25044号に記載されている。
【0379】
ある特定の実施形態では、最適な医薬組成物は、当業者により、例えば、意図された投与経路、送達形式および所望の投与量に基づいて決定される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、上記を参照されたい。ある特定の実施形態では、そのような組成物は、本発明の抗体の物理的な状態、安定性、in vivo放出の速度およびin vivoクリアランスの速度に影響を及ぼす可能性がある。
【0380】
ある特定の実施形態では、医薬組成物中の主要なビヒクルまたは担体は、水性であっても非水性であってもよい。例えば、ある特定の実施形態では、適切なビヒクルまたは担体は、場合によって非経口投与用の組成物によく見られる他の材料を補充した、注射用水、生理的食塩水または人工脳脊髄液であり得る。一部の実施形態では、生理食塩水は、等張性リン酸緩衝食塩水を含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約pH7.0~8.5のトリス緩衝液または約pH4.0~5.5の酢酸緩衝液を含み、したがって、ソルビトールまたは適切な代用物をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を少なくとも1つの追加的な治療剤を伴ってまたは伴わずに含む組成物を、保管のために、所望の程度の純度を有する選択された組成物を必要に応じた製剤化剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences、上記)と混合することにより、凍結乾燥したケーキまたは水溶液の形態で調製することができる。さらに、ある特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を少なくとも1つの追加的な治療剤を伴ってまたは伴わずに含む組成物を、スクロース等の妥当な賦形剤を使用し、凍結乾燥物として製剤化することができる。
【0381】
ある特定の実施形態では、医薬組成物を非経口送達のために選択することができる。ある特定の実施形態では、組成物を、経口的に等の、吸入または消化管を通じた送達のために選択することができる。そのような薬学的に許容される組成物の調製は、当業者の能力の範囲内に入る。
【0382】
ある特定の実施形態では、製剤構成成分は、投与の部位に許容される濃度で存在する。ある特定の実施形態では、組成物を生理的pHまたはわずかに低いpH、典型的には約5~約8までのpH範囲内に維持するために緩衝液を使用する。
【0383】
ある特定の実施形態では、非経口投与が企図されている場合、治療用組成物は、薬学的に許容されるビヒクル中の、パイロジェンフリーであり、所望の可溶性インターフェロン受容体を追加的な治療剤を伴ってまたは伴わずに含む、非経口的に許容される水溶液の形態であり得る。ある特定の実施形態では、非経口注射用のビヒクルは、適正に保存された、可溶性インターフェロン受容体が少なくとも1つの追加的な治療剤を伴ってまたは伴わずに滅菌等張性溶液として製剤化された滅菌蒸留水である。ある特定の実施形態では、調製は、所望の分子を、製品の制御放出または持続放出をもたらすことができ、そしてデポ注射によって送達することができる注射用マイクロスフェア、生物侵食性粒子、高分子化合物(例えば、ポリ乳酸またはポリグリコール酸等)、ビーズまたはリポソーム等の薬剤と共に製剤化することを伴う。ある特定の実施形態では、ヒアルロン酸を使用することもでき、これには、循環中の長期にわたる持続時間を促進する効果がある。ある特定の実施形態では、埋め込み型薬物送達デバイスを使用して所望の分子を導入することができる。
【0384】
ある特定の実施形態では、医薬組成物を吸入用に製剤化することができる。ある特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を、少なくとも1つの追加的な治療剤を伴ってまたは伴わずに、吸入用の乾燥粉末として製剤化することができる。ある特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を少なくとも1つの追加的な治療剤を伴ってまたは伴わずに含む吸入溶液を、エアロゾル送達用の噴射剤を用いて製剤化することができる。ある特定の実施形態では、溶液を噴霧することができる。経肺投与は、化学修飾されたタンパク質の経肺送達について記載されているPCT出願第PCT/US94/001875号にさらに記載されている。
【0385】
ある特定の実施形態では、製剤を経口投与できることが企図されている。ある特定の実施形態では、この方式で投与される、少なくとも1つの追加的な治療剤を伴うまたは伴わない可溶性インターフェロン受容体は、錠剤およびカプセル剤等の固体剤形の配合において習慣的に使用される担体を伴ってまたは伴わずに製剤化することができる。ある特定の実施形態では、カプセル剤を、製剤の活性部分が、胃腸管内で生物学的利用能が最大化され、かつ前全身性(pre-systemic)分解が最小化される時点で放出されるように設計することができる。ある特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体および/または任意の追加的な治療剤の吸収を容易にするために、少なくとも1つの追加的な薬剤を含めることができる。ある特定の実施形態では、希釈剤、香味剤、低融点ワックス、植物油、滑沢剤、懸濁化剤、錠剤崩壊剤、および結合剤も使用することができる。
【0386】
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、有効な数量の可溶性インターフェロン受容体を、少なくとも1つの追加的な治療剤を伴ってまたは伴わずに、錠剤の製造に適した無毒性賦形剤との混合物として伴い得る。ある特定の実施形態では、錠剤を滅菌水または別の妥当なビヒクルに溶解させることにより、溶液を単位用量形態で調製することができる。ある特定の実施形態では、適切な賦形剤として、これだけに限定されないが、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムもしくは炭酸水素、ラクトースもしくはリン酸カルシウム等の不活性希釈剤;またはデンプン、ゼラチンもしくはアラビアゴム等の結合剤;またはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸もしくはタルク等の潤滑剤が挙げられる。
【0387】
持続送達または制御送達製剤としての、可溶性インターフェロン受容体を少なくとも1つの追加的な治療剤を伴ってまたは伴わずに伴う製剤を含めた追加的な医薬組成物が当業者には明らかになろう。ある特定の実施形態では、リポソーム担体、生物侵食性微小粒子または多孔質ビーズおよびデポ注射等の種々の他の持続送達または制御送達手段を製剤化するための技法も当業者には公知である。例えば、医薬組成物を送達するための多孔質ポリマー微小粒子の制御放出について記載されているPCT出願第PCT/US93/00829号を参照されたい。ある特定の実施形態では、持続放出調製物は、造形品、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形態の半透性ポリマーマトリックスを含み得る。持続放出マトリックスとしては、ポリエステル、ハイドロゲル、ポリ乳酸(米国特許第3,773,919号およびEP058,481)、L-グルタミン酸とガンマエチル-L-グルタミン酸の共重合体(Sidman et al, Biopolymers, 22:547-556 (1983))、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリル酸)(Langer et al., J Biomed Mater Res, 15: 167-277 (1981)およびLanger, Chem Tech, 12:98-105 (1982))、エチレン酢酸ビニル(Langer et al,、上記)またはポリ-D(-)-3-ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が挙げられる。ある特定の実施形態では、持続放出組成物は、リポソームも含み得、これは、当技術分野で公知のいくつかの方法のいずれかによって調製することができる。例えば、Eppstein et al, PNAS, 82:3688-3692 (1985);EP036,676;EP088,046およびEP143,949を参照されたい。
【0388】
in vivo投与のために使用される医薬組成物は、典型的には滅菌されている。ある特定の実施形態では、これは、滅菌濾過膜を通す濾過によって実現することができる。ある特定の実施形態では、組成物を凍結乾燥させる場合、この方法を使用した滅菌を凍結乾燥前、または凍結乾燥および再構成後のいずれかに行うことができる。ある特定の実施形態では、非経口投与用の組成物を凍結乾燥形態でまたは溶液として保存することができる。ある特定の実施形態では、非経口用組成物は、一般に、滅菌された、アクセスポートを有する容器、例えば皮下注射針で穴をあけることができる止め栓を有する静脈内溶液バッグまたはバイアルに入れられる。
【0389】
ある特定の実施形態では、医薬組成物を製剤化したら、溶液、懸濁液、ゲル、エマルション、固体、または脱水もしくは凍結乾燥した粉末として滅菌バイアル中に保管する。ある特定の実施形態では、そのような製剤は、すぐに使える形態で保管することもでき、投与前に再構成される形態(例えば、凍結乾燥した形態)で保管することもできる。
【0390】
ある特定の実施形態では、単回用量の投与単位を生産するためのキットが提供される。ある特定の実施形態では、キットは、乾燥させたタンパク質を有する第1の容器と水性製剤を有する第2の容器の両方を含有し得る。ある特定の実施形態では、単一チャンバーおよびマルチチャンバー充填済みシリンジ(例えば、液体シリンジおよび分散シリンジ(lyosyringe))を含有するキットが含まれる。
【0391】
ある特定の実施形態では、治療的に使用される、可溶性インターフェロン受容体を少なくとも1つの追加的な治療剤を伴ってまたは伴わずに含む医薬組成物の有効量は、例えば、治療の状況および目的に依存する。したがって、ある特定の実施形態によると、処置のために妥当な投与量レベルは、送達される分子、可溶性インターフェロン受容体が少なくとも1つの追加的な治療剤を伴ってまたは伴わずに使用される適応症、投与経路、ならびに患者のサイズ(体重、体表または臓器サイズ)および/または状態(年齢および全体的な健康)に一部応じて変動することが当業者には理解されよう。ある特定の実施形態では、最適な治療効果を得るために、臨床医が投与量を用量設定し、投与経路を改変することができる。ある特定の実施形態では、典型的な投与量は、上記の因子に応じて、約0.1μg/kgから最大約100mg/kgまたはそれよりも多くまでにわたり得る。ある特定の実施形態では、投与量は、0.1μg/kgから最大約100mg/kgまで;または1μg/kgから最大約100mg/kgまで;または5μg/kgから最大約100mg/kgまでにわたり得る。
【0392】
ある特定の実施形態では、投薬の頻度については、使用される製剤中の可溶性インターフェロン受容体および/または任意の追加的な治療剤の薬物動態パラメーターを考慮する。ある特定の実施形態では、臨床医が組成物を所望の効果が実現される投与量に達するまで投与する。ある特定の実施形態では、したがって、組成物を、単回用量として、または2回またはそれよりも多くの用量として(所望の分子を同じ量含有してもよく同じ量含有しなくてもよい)、経時的に、または埋め込み型デバイスまたはカテーテルを介した連続注入として投与することができる。妥当な投与量のさらなる精密化が当業者によって常套的に行われ、当業者が常套的に実施する課題の範囲内に入る。ある特定の実施形態では、妥当な用量応答データを使用することによって妥当な投与量を確認することができる。
【0393】
ある特定の実施形態では、医薬組成物の投与経路は、公知の方法と一致して、例えば、経口的に、静脈内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋肉内、皮下、眼内、動脈内、門脈内、または病巣内経路による注射によるもの;持続放出系によるもの、または埋め込み型デバイスによるものである。ある特定の実施形態では、組成物をボーラス注射によって、または注入によってもしくは埋め込み型デバイスによって連続的に投与することができる。
【0394】
ある特定の実施形態では、組成物を、所望の分子を吸収させたまたは封入した膜、海綿または別の妥当な材料を埋め込むことによって局所的に投与することができる。埋め込み型デバイスを使用するある特定の実施形態では、デバイスを任意の適切な組織または臓器に埋め込むことができ、所望の分子の送達は、拡散、持効性ボーラス、または連続投与であり得る。
【0395】
ある特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を少なくとも1つの追加的な治療剤を伴ってまたは伴わずに含む医薬組成物をex vivo様式で使用することが望ましい場合がある。そのような例では、患者から取り出した細胞、組織および/または臓器を、可溶性インターフェロン受容体を少なくとも1つの追加的な治療剤を伴ってまたは伴わずに含む医薬組成物に曝露させ、その後に続けて、細胞、組織および/または臓器を患者に埋め込み戻す。
【0396】
ある特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体および/または任意の追加的な治療剤を、遺伝子操作されたある特定の細胞を本明細書に記載のもの等の方法を使用して埋め込んでポリペプチドを発現および分泌させることによって送達することができる。ある特定の実施形態では、そのような細胞は、動物またはヒト細胞であってよく、また、自己、異種(heterologous)、または異種(xenogeneic)であってよい。ある特定の実施形態では、細胞を不死化することができる。ある特定の実施形態では、免疫学的応答の可能性を低下させるために、細胞を封入して周囲の組織の浸潤を回避することができる。ある特定の実施形態では、封入材料は、典型的には、タンパク質製品(単数または複数)の放出を可能にするが、患者の免疫系によるまたは周囲の組織に由来する他の有害因子による細胞の破壊は防止する生体適合性の半透性ポリマー封入物または膜である。
in vitroアッセイ
【0397】
当技術分野で公知の種々のin vitroアッセイを使用して、本発明の可溶性インターフェロン受容体の有効性を評価することができる。
【0398】
例えば、可溶性インターフェロン受容体を、HEK-Blueα/β細胞におけるIFN-αおよび/またはIFN-β誘導性分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)産生を阻害するそれらの能力について評価することができる。HEK-Blue IFN-α/β細胞(Invivogen、カタログ番号hkb-ifnab)は、IFN-αまたはIFN-βによる刺激に応答してSEAPを産生し、分泌する。
【0399】
IFN-αおよび/またはIFN-β活性を阻害する可溶性インターフェロン受容体の能力を評価するために、IFNαおよび/またはIFN-βを阻害剤(例えば、可溶性インターフェロン受容体(例えば、RSLV-601-604、RSLV-602-603)ならびに抗IFN-α、抗IFN-βおよびヒトIgG等の対照分子を組織培養プレートに添加することができる。次いで、HEK-Blue IFN-α/β細胞をプレートに添加し、37℃で所定時間にわたってインキュベートすることができる。次いで、SEAP活性を評価するために、細胞の上清をQUANTI-Blue試薬に添加し、37℃で所定時間にわたってインキュベートすることができる。620nmにおける吸光度を測定することによってSEAP活性を検出することができる。
【0400】
本明細書に開示される可溶性インターフェロン受容体で処理した細胞のアッセイの結果と対照で処理した細胞のアッセイの結果を比較することにより、可溶性インターフェロン受容体の効果を実証する。有効な可溶性インターフェロン受容体で処理した後、IFN-αおよび/またはIFN-βのレベルは、一般に、抗IFN-αまたは抗IFN-β対照で処理した後に測定されるレベルと同等である。有効な可溶性インターフェロン受容体で処理した後、IFN-αおよび/またはIFN-βのレベルは、一般に、ヒトIgG等の陰性対照で処理した後に測定されるレベルと比べて低下する。
処置の方法
【0401】
本開示の可溶性インターフェロン受容体は、自己免疫障害または異常な免疫応答の処置において特に有効である。この点について、本開示の可溶性インターフェロン受容体を、インターフェロンの過剰な産生に起因する調節不全免疫応答を制御する、抑制する、モジュレートする、処置する、または排除するために使用することできることが理解されよう。
【0402】
別の態様では、哺乳動物における自己免疫疾患等の疾患または障害を、可溶性インターフェロン受容体を治療有効量またはそれを必要とする哺乳動物に十分な量で投与することによって防止(予防的)または処置(治療的)するために、可溶性インターフェロン受容体を適合させ、ここで、疾患が防止または処置される。所望の効果を実現するために適切な任意の投与経路が本発明により企図されている(例えば、静脈内、筋肉内、皮下)。疾患状態の処置により、状態に付随する症状の低減をもたらすことができ、これは、長期もしくは短期のものであり得る、またはさらには一過性の有益な効果であり得る。
【0403】
多数の疾患状態が本開示の可溶性インターフェロン受容体を用いた処置に適している。例えば、一部の態様では、疾患または障害は、自己免疫疾患またはがんである。一部のそのような態様では、自己免疫疾患は、インスリン依存性糖尿病、多発性硬化症、実験的自己免疫性脳脊髄炎、関節リウマチ、実験的自己免疫性関節炎、重症筋無力症、甲状腺炎、ぶどう膜網膜炎の実験的形態、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、甲状腺中毒症、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、早発閉経、男性不妊症、若年性糖尿病、グッドパスチャー症候群、尋常性天疱瘡、類天疱瘡、交感性眼炎、水晶体原性ぶどう膜炎、自己免疫性溶血性貧血、特発性白血球減少、原発性胆汁性肝硬変、活動性慢性肝炎Hbs-ve、特発性硬変症、潰瘍性大腸炎、シェーグレン症候群、強皮症、ヴェグナー肉芽腫症、多発性筋炎、皮膚筋炎、円板状LE、SLE、または結合組織疾患である。
【0404】
特定の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を使用して、SLEまたはシェーグレン症候群を防止または処置する。可溶性インターフェロン受容体の効果は、ある特定の公知のIFNにより調節される遺伝子の発現のレベルを本明細書に開示される可溶性インターフェロン受容体を用いて処置した哺乳動物と対照製剤を用いて処置した哺乳動物とで比較することによって実証される。一部の実施形態では、1種、2種、3種、4種、5種またはそれよりも多くのIFNにより調節される遺伝子の発現レベルを測定する。例えば、一部の実施形態では、3種またはそれよりも多くのIFNにより調節される遺伝子(例えば、HERC5、EPSTI、CMPK2)の発現レベルを測定する。一部の実施形態では、IFNにより調節される遺伝子として、その両方が参照により本明細書に組み込まれるBennett et al., J. Exp. Med., Vol. 197, No. 6, 711-723, March 2003.およびKennedy et al. Lupus Science and Medicine, 2015;2: e00080. Doi:10.1136/lupus-2014-000080.に記載のものが挙げられる。
【0405】
例えば、処置を必要とするヒト対象を選択または同定する(例えば、American College of Rheumatology criteria for SLEを満たす患者、またはAmerican-European Consensus Sjogren’s Classification Criteriaを満たす患者)。対象は、例えば、SLEまたはシェーグレン症候群の原因または症状を低減する必要があり得る。対象の同定は、臨床的状況で行うこともでき、他の場所で、例えば、対象の自宅において、対象自身が自己検査キットを使用することによって行うこともできる。
【0406】
ゼロ時間において、適切な第1の用量の可溶性インターフェロン受容体を対象に投与する。可溶性インターフェロン受容体は本明細書に記載の通り製剤化される。第1の用量後のある期間後、例えば、7日後、14日後、および21日後に、対象の状態を、例えば、IFNにより調節される遺伝子発現を測定することによって評価する。例えば、インターフェロンにより刺激される遺伝子であるHERC5、EPSTI、およびCMPK2のうちの1つまたは複数の発現を評価することができる。他の関連性のある判断基準も測定することができる。用量の数および強度を対象の必要性に応じて調整する。IFNにより調節される遺伝子発現の変化をアッセイすることによって処置の進行をモニタリングすることができる。処置後に、対象のIFNにより調節される遺伝子発現の発現に関して、処置前のIFNにより調節される遺伝子発現と比べた、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象において測定されたレベルと比べた減少および/または改善を認めることができる。例えば、インターフェロンにより刺激される遺伝子であるHERC5、EPSTI、および/またはCMPK2の発現が、処置前のこれら3種の遺伝子の発現と比べて、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象におけるこれらの遺伝子のレベルと比べて減少することになる。
【0407】
一部の実施形態では、IFNにより調節される遺伝子発現を、対象から全血を採取し、RNAを抽出し、インターフェロンにより調節される遺伝子(例えば、HERC5、EPSTI、および/またはCMPK2)の発現をPCR等の当技術分野で周知の技法を使用することにより解析することによって測定する。IFNにより調節される遺伝子発現をアッセイするための方法は、その両方が参照により本明細書に組み込まれるKennedy et al. Lupus Science and Medicine, 2015; 2:e00080. Doi:10.1136/lupus-2014-000080およびFurie et al., Arthritis & Rheumatology, Vo. 69, No. 2, Feb 2017, 376-386に記載されている。
【0408】
別の例では、処置を必要とする齧歯類対象を選択または同定する。対象の同定は、実験室の状況で行うこともでき、他の場所で行うこともできる。ゼロ時間において、適切な第1の用量の可溶性インターフェロン受容体を対象に投与する。可溶性インターフェロン受容体は本明細書に記載の通り製剤化される。第1の用量後のある期間後、例えば、7日後、14日後、および21日後に、対象の状態を、例えば、IFNにより調節される遺伝子発現を測定することによって評価する。他の関連性のある判断基準も測定することができる。用量の数および強度を対象の必要性に応じて調整する。IFNにより調節される遺伝子発現の変化をアッセイすることによって処置の進行をモニタリングすることができる。
【0409】
処置後に、対象のIFNにより調節される遺伝子発現は、処置前のIFNにより調節される遺伝子発現と比べて、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象において測定されたレベルと比べて低下するおよび/または改善される。
【0410】
一部の実施形態では、自己免疫障害(例えば、SLE)において上方調節される可能性があるIFNにより調節される遺伝子として、IFN誘導性IFP35、IRF7B、MX1、MX2、XIAP関連因子、GS3686、P69 2’5’オリゴAシンテターゼ、hep-C関連微小管凝集タンパク質、マウスLy6と類似したRIGE/TSA1、アグリン前駆体、IFN誘導性IFI-56、IFN ind 17kDタンパク質と類似したEST、cig5、ISG15、TRIP14 2’5’オリゴAシンテターゼ様、cig49、MCP-1単球化学誘引物質、PCTAIREに関連するTudorリピート、MMTRA 1Bリン脂質スクランブラーゼ、FACL1脂肪酸補酵素Aリガーゼ、TRAIL、2’5’オリゴAシンテターゼE18アイソフォーム、GBP-1グアニル酸結合性タンパク質1、C1-INH CC1阻害剤、IgGのFc断片のCD64受容体、C2補体成分、hPD-ECGF血小板由来内皮GF1、ISGF3、EST hute1、TSC403 DC LAMP、MAC2-BPスカベンジャー受容体、1-8U、TAP1、IFI 6-16、新規ホルボリン様遺伝子、G6PDグアノシンモノPレダクターゼ、HERC5、EPSTI、およびCMPK2が挙げられる。
【0411】
一部の実施形態では、自己免疫障害(例えば、SLE)において下方調節される可能性のあるIFNにより調節される遺伝子として、TCRγT細胞受容体デルタ、LEU1白血病関連遺伝子1、COX11P cyt Cオキシダーゼ関連タンパク質、JKTBP nucリボ核タンパク質D様、TPRDテトラトリコペプチドリピート、DAP3死関連タンパク質、mRNA U90916、PRIPプリオンタンパク質、ANT3 ADP.ATPトランスロカーゼ、E1F-4B翻訳開始因子、PABP4ポリA結合性タンパク質、RAB 4A GTP結合性タンパク質、およびCD3γが挙げられる。
【0412】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体の効果は、本明細書に開示される可溶性インターフェロン受容体を用いて処置した哺乳動物において、Cutaneous Lupus Erythematosus Disease Area and Severity Index(CLASI)、British Isles Lupus Assessment Group(BILAG)指数、Systemic Lupus Erythematosus(SLE)Responder Index(SRI-4)、および/またはFunctional Assessment of Chronic Illness Therapy(FACIT)疲労尺度を、対照製剤を用いて処置した哺乳動物と比較して評価することによって実証される。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を用いて処置した哺乳動物では、処置前の哺乳動物のCLASI重症度指数、BILAG指数、SRI-4指数、および/またはFACIT疲労尺度と比較して、または対照製剤を用いて処置した哺乳動物と比較して、CLASI重症度指数、BILAG指数、SRI-4指数、および/またはFACIT疲労尺度の改善が実証される。
【0413】
一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体の効果は、本明細書に開示される可溶性インターフェロン受容体を用いて処置した哺乳動物における、対照製剤を用いて処置した哺乳動物と比較したステロイド使用の減少を評価することによって実証される。一部の実施形態では、可溶性インターフェロン受容体を用いて処置した哺乳動物では、処置前の哺乳動物のステロイド使用と比較して、または対照製剤を用いて処置した哺乳動物と比較して、ステロイド使用の減少が実証される。
【0414】
例えば、処置を必要とするヒト対象を選択または同定する(例えば、American College of Rheumatology criteria for SLEを満たす患者、またはAmerican-European Consensus Sjogren’s Classification Criteriaを満たす患者)。対象は、例えば、SLEまたはシェーグレン症候群の原因または症状を低減する必要があり得る。対象の同定は、臨床的状況で行うこともでき、他の場所で、例えば、対象の自宅において、対象自身が自己検査キットを使用することによって行うこともできる。
【0415】
ゼロ時間において、適切な第1の用量の可溶性インターフェロン受容体を対象に投与する。可溶性インターフェロン受容体は本明細書に記載の通り製剤化される。第1の用量後のある期間後、例えば、7日後、14日後、および21日後に、対象の状態を、例えば、CLASI重症度指数、BILAG指数、SRI-4指数、FACIT疲労尺度、および/またはステロイド使用の減少によって評価する。他の関連性のある判断基準も測定することができる。用量の数および強度を対象の必要性に応じて調整する。処置後に、以下の転帰の1つまたは複数の改善を認めることができる:(1)処置前のCLASI重症度指数と比べた、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象と比べたCLASI重症度指数の改善、(2)処置前のBILAG指数と比べた、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象と比べたBILAG指数の改善、(3)処置前のSRI-4指数と比べた、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象と比べたSRI-4指数の改善、(4)処置前のFACIT疲労尺度と比べた、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象と比べたFACIT疲労尺度の改善を認めることができる、(5)処置前のステロイド使用と比べた、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象と比べたステロイド使用の減少。
【0416】
別の例では、処置を必要とする齧歯類対象を選択または同定する。対象の同定は、実験室の状況で行うこともでき、他の場所で行うこともできる。ゼロ時間において、適切な第1の用量の可溶性インターフェロン受容体を対象に投与する。可溶性インターフェロン受容体は本明細書に記載の通り製剤化される。第1の用量後のある期間後、例えば、7日後、14日後、および21日後に、対象の状態を、例えば、CLASI重症度指数、BILAG指数、SRI-4指数、FACIT疲労尺度、および/またはステロイド使用の減少によって評価する。他の関連性のある判断基準も測定することができる。用量の数および強度を対象の必要性に応じて調整する。
【0417】
処置後に、以下の転帰の1つまたは複数の改善を認めることができる:(1)処置前のCLASI重症度指数と比べた、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象と比べたCLASI重症度指数の改善、(2)処置前のBILAG指数と比べた、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象と比べたBILAG指数の改善、(3)処置前のSRI-4指数と比べた、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象と比べたSRI-4指数の改善、(4)処置前のFACIT疲労尺度と比べた、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象と比べたFACIT疲労尺度の改善を認めることができる、(5)処置前のステロイド使用と比べた、または同様に罹患しているが無処置の/対照の対象と比べたステロイド使用の減少。
【0418】
本発明の別の態様は、1つまたは複数の可溶性インターフェロン受容体を用いて障害、疾患、および状態を処置または防止するための遺伝子治療法を使用することである。遺伝子治療法は、インターフェロン受容体Fc構築物核酸(DNA、RNAおよびアンチセンスDNAまたはRNA)配列を、それを必要とする動物に導入して、本開示のポリペプチド(単数または複数)の発現を実現することに関する。この方法は、標的組織によるポリペプチドの発現に必要なプロモーターおよび任意の他の遺伝子エレメントに作動可能に連結される本開示のインターフェロン受容体Fc構築物をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドの導入を含み得る。
【0419】
遺伝子治療の適用では、治療的に有効な遺伝子産物のin vivo合成を実現するために、インターフェロン受容体Fc構築物遺伝子を細胞に導入する。「遺伝子治療」は、単回処置によって永続効果が実現される従来の遺伝子治療、および治療的に有効なDNAまたはmRNAを1回または反復投与することを伴う遺伝子治療剤の投与のどちらも含む。オリゴヌクレオチドを、それらの取り込みが増強されるように、例えば、それらの負に荷電したリン酸ジエステル基を非荷電基で置換することによって修飾することができる。
他の実施形態
【0420】
本開示は、本開示のヘテロ二量体およびその使用を特徴とする以下の実施形態にも関する。この節全体を通して、実施形態という用語は、「E」、続いて順序で略される。例えば、E1は、実施形態1と等しい。
【0421】
E1.第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むヘテロ二量体であって、第1のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、バリアントFcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体1(IFNAR1)ドメインを含み、第2のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、バリアントFcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体2(IFNAR2)ドメインを含む、ヘテロ二量体。
【0422】
E2.第1または第2のポリペプチドのバリアントFcドメインが、野生型と比較してヘテロ二量体の形成を増加させる1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、請求項E1のヘテロ二量体。
【0423】
E3.第1または第2のポリペプチドのバリアントFcドメインが、T350V、L351Y、F405A、およびY407Vからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、請求項E2のヘテロ二量体。
【0424】
E4.第1または第2のポリペプチドのバリアントFcドメインが、T350V、T366L、K392L、およびT394Wからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、請求項E2のヘテロ二量体。
【0425】
E5.第1または第2のポリペプチドのFcドメインが、ヒトIgG1 Fcドメイン等のヒト免疫グロブリンFcドメインを含む、請求項E1のヘテロ二量体。
【0426】
E6.第1または第2のポリペプチドのFcドメインが、ヒンジドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含む、請求項E5のヘテロ二量体。
【0427】
E7.Fcドメインが、アミノ酸置換P238S、P331S、SCC、SSS(残基220、226、および229)、G236R、L328R、L234A、およびL235Aの1つまたは複数を有するアミノ酸配列を含む、請求項E5のヘテロ二量体。
【0428】
E8.第1または第2のポリペプチドのバリアントFcドメインが、C220S、P238S、およびP331Sからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換をさらに含む、請求項E1のヘテロ二量体。
【0429】
E9.バリアントFcドメインが、C220S、P238S、およびP331Sからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換をさらに含む、請求項E1~E4のいずれか一項のヘテロ二量体。
【0430】
E10.第1のポリペプチドのインターフェロン受容体1(IFNAR1)ドメインが、リンカードメインを介してバリアントFcドメインに作動可能に連結される、請求項E1のヘテロ二量体。
【0431】
E11.第2のポリペプチドのインターフェロン受容体2(IFNAR2)ドメインが、リンカードメインを介してバリアントFcドメインに作動可能に連結される、請求項E1のヘテロ二量体。
【0432】
E12.リンカードメインが、ポリペプチドリンカーである、請求項E10または請求項E11のヘテロ二量体。
【0433】
E13.前記リンカードメインが、Gly-Serリンカーである、請求項E12のヘテロ二量体。
【0434】
E14.第1のポリペプチドのバリアントFcドメインが第2のポリペプチドのバリアントFcドメインと異なる、請求項E1のヘテロ二量体。
【0435】
E15.第1のポリペプチドのバリアントFcドメインが、T350V、L351Y、F405A、およびY407Vからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、第2のポリペプチドのバリアントFcドメインが、T350V、T366L、K392L、およびT394Wからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、請求項E14のヘテロ二量体。
【0436】
E16.第1のポリペプチドのバリアントFcドメインが、T350V、T366L、K392L、およびT394Wからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、第2のポリペプチドのバリアントFcドメインが、T350V、L351Y、F405A、およびY407Vからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含む、請求項E14のヘテロ二量体。
【0437】
E17.第1のポリペプチドのバリアントFcドメインが、C220S、P238S、およびP331Sからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換をさらに含み、第2のポリペプチドのバリアントFcドメインが、C220S、P238S、およびP331Sからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換をさらに含む、請求項E15またはE16のいずれか一項のヘテロ二量体。
【0438】
E18.第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むヘテロ二量体であって、
第1のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、T350V、L351Y、F405A、およびY407Vからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含むバリアントFcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体2(IFNAR2)ドメインを含み、
第2のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、T350V、T366L、K392L、およびT394Wからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含むバリアントFcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体1(IFNAR1)ドメインを含む、
ヘテロ二量体。
【0439】
E19.第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むヘテロ二量体であって、
第1のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、T350V、L351Y、F405A、およびY407Vからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含むバリアントFcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体1(IFNAR1)ドメインを含み、
第2のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、T350V、T366L、K392L、およびT394Wからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含むバリアントFcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体2(IFNAR2)ドメインを含む、
ヘテロ二量体。
【0440】
E20.第1のポリペプチドのバリアントFcドメインが、C220S、P238S、およびP331Sからなる群から選択される1つまたは複数の突然変異をさらに含み、第2のポリペプチドのバリアントFcドメインが、C220S、P238S、およびP331Sからなる群から選択される1つまたは複数の突然変異をさらに含む、請求項E18~E19のいずれか一項のヘテロ二量体。
【0441】
E21.第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むヘテロ二量体であって、
第1のポリペプチドが、Gly-Serリンカードメインを介してバリアントFcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体2(IFNAR2)ドメインを含み、第1のポリペプチドのバリアントFcドメインが、T350V、L351Y、F405A、およびY407Vからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、第1のポリペプチドのバリアントFcドメインが、C220S、P238S、およびP331Sからなる群から選択される1つまたは複数の突然変異をさらに含み、
第2のポリペプチドが、Gly-Serリンカードメインを介してバリアントFcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体1(IFNAR1)を含み、第2のポリペプチドのバリアントFcドメインが、T350V、T366L、K392L、およびT394Wからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、第2のポリペプチドのバリアントFcドメインが、C220S、P238S、およびP331Sからなる群から選択される1つまたは複数の突然変異をさらに含む、
ヘテロ二量体。
【0442】
E22.第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含むヘテロ二量体であって、
第1のポリペプチドが、Gly-Serリンカードメインを介してバリアントFcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体1(IFNAR1)ドメインを含み、第1のポリペプチドのバリアントFcドメインが、T350V、L351Y、F405A、およびY407Vからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、第1のポリペプチドのバリアントFcドメインが、C220S、P238S、およびP331Sからなる群から選択される1つまたは複数の突然変異をさらに含み、
第2のポリペプチドが、Gly-Serリンカードメインを介してバリアントFcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体2(IFNAR2)を含み、第2のポリペプチドのバリアントFcドメインが、T350V、T366L、K392L、およびT394Wからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、第2のポリペプチドのバリアントFcドメインが、C220S、P238S、およびP331Sからなる群から選択される1つまたは複数の突然変異をさらに含む、
ヘテロ二量体。
【0443】
E23.先行する請求項のいずれかのヘテロ二量体、および薬学的に許容される担体を含む組成物。
【0444】
E24.請求項E1によるヘテロ二量体の第1のポリペプチドをコードする核酸。
【0445】
E25.請求項E1によるヘテロ二量体の第2のポリペプチドをコードする核酸。
【0446】
E26.請求項E24による核酸を含む組換え発現ベクター。
【0447】
E27.請求項E25による核酸を含む組換え発現ベクター。
【0448】
E28.請求項E26の組換え発現ベクターおよび請求項E27の組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
【0449】
E29.請求項E1のヘテロ二量体を作製する方法であって、第1のポリペプチドをコードする核酸配列および第2のポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を準備するステップと、宿主細胞を第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドが発現される条件下で維持するステップとを含む方法。
【0450】
E30.異常な免疫応答に関連する状態を処置または防止するための方法における使用のための、請求項E1のヘテロ二量体。
【0451】
E31.状態が、自己免疫疾患である、請求項E30のヘテロ二量体。
【0452】
E32.自己免疫疾患が、SLEである、請求項E31のヘテロ二量体。
【0453】
E33.異常な免疫応答に関連する状態を処置または防止するための医薬の製造における使用のための、請求項E1のヘテロ二量体。
【0454】
E34.状態が、自己免疫疾患である、請求項E33のヘテロ二量体。
【0455】
E35.自己免疫疾患が、SLEである、請求項E34のヘテロ二量体。
【0456】
E36.ヘテロ二量体が、I型インターフェロンに結合する、請求項E1のヘテロ二量体。
【0457】
E37.I型インターフェロンが、インターフェロンαである、請求項E36のヘテロ二量体。
【0458】
E38.I型インターフェロンが、インターフェロンβである、請求項E36のヘテロ二量体。
【0459】
E39.ヘテロ二量体が、インターフェロンαに対照抗IFNα抗体と同様の程度で結合する、請求項E1のヘテロ二量体。
【0460】
E40.ヘテロ二量体が、インターフェロンβに対照抗IFNβ抗体と同様の程度で結合する、請求項E1のヘテロ二量体。
【実施例】
【0461】
以下は、本発明を実行するための特定の実施形態の例である。実施例は、単に例示的な目的で提供されており、いかなる形でも本発明の範囲を限定するものではない。使用される数字(例えば、量、温度等)に関しては正確さを確実にするための試みが行われているが、いくらかの実験的誤差および偏差は当然許容されるべきである。
【0462】
本発明の実施には、別段の指定のない限り、当技術分野の範囲内に入るタンパク質化学、生化学、組換えDNA技法および薬理学の従来の方法を使用する。そのような技法は、文献において十分に説明されている。例えば、T.E. Creighton, Proteins: Structures and Molecular Properties (W.H. Freeman and Company, 1993);A.L. Lehninger, Biochemistry (Worth Publishers, Inc., current addition);Sambrook, et al, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Edition, 1989);Methods In Enzymology (S. Colowick and N. Kaplan eds., Academic Press, Inc.);Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Edition (Easton, Pennsylvania: Mack Publishing Company, 1990);Carey and Sundberg Advanced Organic Chemistry 3rd Ed. (Plenum Press) Vols A and B (1992)を参照されたい。
(実施例1)
可溶性インターフェロン受容体の生成
【0463】
可溶性インターフェロン受容体の種々の実施形態を
図1に示し、それぞれのアミノ酸配列を表1に提示する。以下のインターフェロン受容体細胞外ドメイン(ECD)-免疫グロブリンFc融合タンパク質を構築した:RSLV-601、RSLV-602、RSLV-603、RSLV-604、RSLV-606、RSLV-608、RSLV-611、およびRSLV-613(
図1)。市販のサービスを使用した直接合成によって構築物を生成した。アミノ酸配列をGeneArtに提供した;コドン利用を最適化し、遺伝子を合成し、哺乳動物細胞発現ベクターpcDNA3.1
+に挿入した。
【0464】
RSLV-601(配列番号1)は、リーダー配列(MDWTWRILFLVAAATGTHA)-IFNAR1 ECD-(Gly4Ser)4-突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/T366L/K392L/T394Wを有するFcドメイン(216~447)の配置を有し、ここで、IFNAR1 ECDは、(Gly4Ser)4配列を介して、突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/T366L/K392L/T394Wを有するFcドメイン(216~447)に作動可能に連結されている。
【0465】
RSLV-602(配列番号2)は、リーダー配列(MDWTWRILFLVAAATGTHA)-IFNAR2 ECD-(Gly4Ser)4-突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/T366L/K392L/T394Wを有するFcドメイン(216~447)の配置を有し、ここで、IFNAR2 ECDは、(Gly4Ser)4配列を介して突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/T366L/K392L/T394Wを有するFcドメイン(216~447)に作動可能に連結されている。
【0466】
RSLV-603(配列番号3)は、リーダー配列(MDWTWRILFLVAAATGTHA)-IFNAR1 ECD-(Gly4Ser)4-突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/L351Y/F405A/Y407Vを有するFcドメイン(216~447)の配置を有し、ここで、IFNAR1 ECDは、(Gly4Ser)4配列を介して突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/L351Y/F405A/Y407Vを有するFcドメイン(216~447)に作動可能に連結されている。
【0467】
RSLV-604(配列番号4)は、リーダー配列(MDWTWRILFLVAAATGTHA)-IFNAR2 ECD-(Gly4Ser)4-突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/L351Y/F405A/Y407Vを有するFcドメイン(216~447)の配置を有し、ここで、IFNAR2 ECDは、(Gly4Ser)4配列を介して突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/L351Y/F405A/Y407Vを有するFcドメイン(216~447)に作動可能に連結されている。
【0468】
RSLV-606(配列番号52)は、リーダー配列(MDWTWRILFLVAAATGTHA)-IFNAR1 ECD-(Gly4Ser)2-突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/T366L/K392L/T394Wを有するFcドメイン(216~447)の配置を有し、ここで、IFNAR1 ECDは、(Gly4Ser)2配列を介して突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/T366L/K392L/T394Wを有するFcドメイン(216~447)に作動可能に連結されている。
【0469】
RSLV-608(配列番号56)は、リーダー配列(MDWTWRILFLVAAATGTHA)-IFNAR1 ECD-突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/T366L/K392L/T394Wを有するFcドメイン(216~447)の配置を有し、ここで、IFNAR1 ECDは、突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/T366L/K392L/T394Wを有するFcドメイン(216~447)に作動可能に連結されている。
【0470】
RSLV-611(配列番号54)は、リーダー配列(MDWTWRILFLVAAATGTHA)-IFNAR2 ECD-(Gly4Ser)2-突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/L351Y/F405A/Y407Vを有するFcドメイン(216~447)の配置を有し、ここで、IFNAR2 ECDは、(Gly4Ser)2配列を介して突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/L351Y/F405A/Y407Vを有するFcドメイン(216~447)に作動可能に連結されている。
【0471】
RSLV-613(配列番号58)は、リーダー配列(MDWTWRILFLVAAATGTHA)-IFNAR2 ECD-突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/L351Y/F405A/Y407Vを有するFcドメイン(216~447)の配置を有し、ここで、IFNAR2 ECDは、(Gly4Ser)配列を介して突然変異C220S/P238S/P331S/T350V/L351Y/F405A/Y407Vを有するFcドメイン(216~447)に作動可能に連結されている。
【0472】
本発明のインターフェロン受容体Fc構築物は、当技術分野で周知の従来のクローニング技法を使用して、例えば、インターフェロン受容体Fc構築物の各構成成分(例えば、INFAR ECD、リンカードメイン、Fc)モジュラーカセットを、適合性の制限酵素部位を用いてシャトリングおよびドメインスワッピングを可能になるように調製することによって生成することもできる。インターフェロン受容体Fc構築物の各構成成分(例えば、INFAR ECD、リンカードメイン、免疫グロブリンFc)をコードするポリヌクレオチドを、目的の構成成分を妥当なcDNAライブラリーからポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して増幅することによって容易に得ることができる。例えば、ヒトINFAR ECDの全長ヌクレオチド配列、リンカードメイン、および免疫グロブリンFcを、市販のヒト膵臓全RNAに由来するランダムプライミングしたcDNAおよびオリゴdTプライミングしたcDNAから、増幅される構成成分の公開された配列に基づいた配列特異的5’および3’プライマーを使用して増幅することができる。
【0473】
リンカー(例えば、(Gly4Ser)4)リンカーを、常套的な方法を使用してオーバーラップPCRによって、または市販のサービスを使用した直接合成によって生成し、他の目的のドメインとの融合を可能にするためのその後のクローニングを容易にするために突出部を有するようにまたは平滑になるように設計することができる。
(実施例2)
可溶性インターフェロン受容体の一過性発現
【0474】
一過性発現のために、実施例1からのインターフェロン受容体ECD-Fc構築物を含有する発現ベクターの対をCHO-S細胞にコトランスフェクトした。例えば、RSLV-601およびRSLV-604;RSLV-602およびRSLV-603;RSLV-606およびRSLV-611;およびRSLV-608およびRSLV-613をCHO-S細胞にコトランスフェクトした。
【0475】
GeneArtから入手したプラスミドをDH10BコンピテントE.coliに入れて形質転換し、培養物をアンピシリン選択下で増大させた。その後、QIAGEN plasmid plus maxi kitを使用して培養物からプラスミドDNAを単離した。
【0476】
Life Technologiesから入手したFreeStyle MAX CHO Expression Systemを使用してトランスフェクションを実施した。トランスフェクションの1日前に、CHO-S細胞を、8mMのL-グルタミンを補充したFreeStyle CHO発現培地100ml中に1ml当たり細胞5×105個の密度で播種した;その後、フラスコを120~135rpmで回転するオービタルシェーカーに置き、8%CO2インキュベーター中、37℃で一晩インキュベートした。トランスフェクションの日に、CHO-S細胞を収集し、次いで、8mMのL-グルタミンを補充したFreeStyle CHO発現培地100ml中に1ml当たり細胞1×106個の密度で再播種した。1:1コトランスフェクションを実施した。62.5μgのRSLV-601と62.5μgのRSLV-604;および62.5μgのRSLV-602と62.5μgまたはRSLV-603をOptiPRO SFMに最終体積2mlで添加し、繰り返し反転させることによって混合した。別々の管の中で、FreeStyle MAXトランスフェクション試薬125μlをOptiPRO SFM、1875μlと混合し、繰り返し反転させることによって混合した。次いで、希釈したFreeStyle MAXトランスフェクション試薬を希釈したプラスミドDNA溶液にすぐに添加した(総体積=4ml);得られた溶液を反転させることによって穏やかに混合し、室温で10分間にわたって複合体を形成させた。次いで、トランスフェクション混合物をCHO-S細胞の培養物100mlにフラスコを穏やかに旋回させながらゆっくりと添加した。同様に、37.5μgのRSLV-606と37.5μgのRSLV-611;および37.5μgのRSLV-608と37.5μgのRSLV-613をCHO-S培養物60mlにコトランスフェクトした。
【0477】
培養物をオービタルシェーカープラットフォーム(120~135rpm)で、8%CO2インキュベーター中、37℃でインキュベートした。7日間成長させた後、細胞を遠心分離(1000rpmで10分間)によって収集し、馴化培地を回収し、0.22μmの膜を通過させることによって濾過した。
【0478】
清澄化した培養培地それぞれ(RSLV-601/604、RSLV-602/603、RSLV-606/611、およびRSLV-608/613をコトランスフェクトしたもの)を、プロテインAカラム(Bio-Rad BioScale Mini Protein A、カタログ番号7324600)を通過させることによって精製し、10カラム体積のPBS緩衝液、pH7.2で洗浄した。結合した材料を5カラム体積のクエン酸緩衝液、pH3.6を用いて溶出し、各画分をTRIS、pH11で中和した。タンパク質を含有する画分をプールし、10kのMWCO透析単位で透析することによってPBS中に平衡化した。
【0479】
ウエスタンブロット解析:可溶性インターフェロン受容体の発現を標準のウエスタンブロット解析によってアッセイした。推定されるタンパク質濃度に基づいて、タンパク質4μgを各レーンにローディングし、試料を、変性条件+/-還元剤(R、NR)の下でNovex 4~20%Tris Glycine勾配ゲルで電気泳動した。精製したrhu IFNAR1およびrhu IFNAR2試料(Sino Biological、カタログ番号13222-H08Hおよび番号10359-H08H)を対照として流した。2連のゲルを調製し、各ゲルが分子量標準物質の単一のレーンを含有した。電気泳動した後、タンパク質をニトロセルロース上にブロットし、その後、ブロットをOdyssey Blocking Buffer中で1時間インキュベートすることによってブロッキングした。次いで、ブロット1を0.1μg/mlのポリクローナルヤギ抗ヒトIFNAR1抗体(R&D Systems、カタログ番号AF245)、およびDylight 800とコンジュゲートしたロバ抗ヤギIgG(Rockland、カタログ番号605-745-002)の1:10,000希釈物に逐次的に曝露させた。ブロット2を1μg/mlのポリクローナルヒツジ抗ヒトIFNAR2(R&D Systems、カタログ番号AF4015)、およびAlexa Fluor 680とコンジュゲートしたAffiniPure Donkey Anti-Sheep IgG(Jackson、カタログ番号713-625-147)の1:50,000希釈物に逐次的に曝露させた。Licor Odysseyを使用してブロットを画像化した。
【0480】
RSLV601-604およびRSLV602-603可溶性インターフェロン受容体の発現は、予測された分子量よりもわずかに高いところに流れることが観察され、これはおそらくタンパク質のグリコシル化に起因する(データは示していない)。
【0481】
SDS-PAGE、クーマシーブルー:可溶性インターフェロン受容体を精製し、電気泳動し、クーマシーブルーを使用して可視化した。CHO-S細胞におけるRSLV601-604、RSLV602-603、およびRSLV608-613コトランスフェクションから収集された馴化培地のプロテインA精製の間に生成した画分を、クーマシーブルー染色を伴うSDS-PAGEによって可視化した。各試料15ulを4×タンパク質ローディング緩衝液5ulで希釈し、熱変性させた。試料をNovex 4~20%Tris Glycine勾配ゲルに適用し、電気泳動後にSimply Blue Safe染色で染色し、Licor Odysseyを使用して画像化した。各ゲルが参照のためにMW標準物質の単一のレーンを有した。
【0482】
同定された陽性画分をプールし、10kのMWCO透析カセットを使用して透析することによってPBS中に平衡化した。タンパク質濃度の推定値をOD280値によって決定した。各可溶性インターフェロン受容体(RSLV601-604、RSLV602-603、およびRSLV608-613)500ng+/-還元剤をNovex 4~20%Tris Glycine勾配ゲルに適用し、電気泳動後にSimply Blue Safe染色で染色し、Licor Odysseyを使用して画像化した。
【0483】
主要なバンドが出発材料および精製されたRSLV602-603可溶性インターフェロン受容体の画分2~5において検出された(データは示していない)。RSLV-602-603可溶性インターフェロン受容体の理論的質量は130,754ダルトンであり、SDS-PAGEにおいて予測よりも高いところに流れ、これはおそらくグリコシル化に起因する。同様に、出発材料および精製されたRSLV601-604可溶性インターフェロン受容体の画分2~4において主要なバンドが検出された(データは示していない)。RSLV-601-604可溶性インターフェロン受容体の理論的質量は130,754ダルトンであり、SDS-PAGEにおいて予測よりも高いところに流れ、これはおそらくグリコシル化に起因する。RSLV-608-613ならびにRSLV-606およびRSLV-611について同様の結果が得られた(データは示していない)。プロテインA精製されたRSLV608-613の還元画分および非還元画分をSDS-PAGE分析に供し、CHO上清において発現されたRSLV608-613の同一性および分子量を、抗IFNAR抗体を使用したウエスタンブロットによって検証した(データは示していない)。
(実施例3)
IFNα活性の阻害
【0484】
可溶性インターフェロン受容体を、HEK-Blueα/β細胞におけるIFNα誘導性分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)産生を阻害するそれらの能力について評価した。
【0485】
HEK-Blue IFN-α/β細胞(Invivogen、カタログ番号hkb-ifnab)は、IFN-αまたはIFN-βによる刺激に応答してSEAPを産生し、分泌する。IFN-α活性の阻害を評価するために、阻害剤(RSLV601-604、RSLV602-603、および抗ヒトIFNα対照)の反復力価測定を96ウェルプレートで調製した。固定濃度のIFNα(最終濃度0.2ng/ml)をウェルに添加した。次いで、HEK-Blue IFN-α/β細胞をプレートに細胞50,000個/ウェルで添加し、プレートを5%CO2中、37℃で20~24時間インキュベートした。次いで、細胞の上清20μlを96ウェル組織培養プレート中、QUANTI-Blue試薬180μlに添加し、37℃で1~3時間インキュベートした。次いで、620nmにおける吸光度を測定することによってSEAP活性を検出した。
【0486】
IFNα活性の阻害アッセイを3連で実施した。
図2に示されている通り、RSLV601-604およびRSLV602-603はどちらもIFNα誘導性SEAP産生を抗IFNα対照分子と同様の程度に阻害することができた。RSLV601-604のIC
50値は0.534nMであり、RSLV602-603のIC
50値は0.461nMであり、抗IFNα対照のIC
50値は0.138nMであった。
(実施例4)
IFNβ活性の阻害
【0487】
可溶性インターフェロン受容体を、HEK-Blueα/β細胞におけるIFNβ誘導性分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)産生を阻害するそれらの能力について評価した。
【0488】
HEK-Blue IFN-α/β細胞(Invivogen、カタログ番号hkb-ifnab)は、IFN-αまたはIFN-βによる刺激に応答してSEAPを産生し、分泌する。IFN-β活性の阻害を評価するために、阻害剤(RSLV601-604、RSLV602-603、および抗ヒトIFNβ対照)の反復力価測定を96ウェルプレートで調製した。固定濃度のIFNβ(最終濃度5pg/ml)をウェルに添加した。次いで、HEK-Blue IFN-α/β細胞をプレートに細胞50,000個/ウェルで添加し、プレートを5%CO2中、37℃で20~24時間インキュベートした。次いで、細胞の上清20μlを96ウェル組織培養プレート中、QUANTI-Blue試薬180μlに添加し、37℃で1~3時間インキュベートした。次いで、620nmにおける吸光度を測定することによってSEAP活性を検出した。
【0489】
IFNβ活性の阻害アッセイを4回反復して実施した。
図3に示されている通り、RSLV601-604およびRSLV602-603はどちらもIFNβ誘導性SEAP産生を抗IFNβ対照分子よりも大きな程度で阻害することができた。RSLV601-604のIC
50値は0.020nMであり、RSLV602-603のIC
50値は0.015nMであり、抗IFNβ対照のIC
50値は0.059nMであった。
(実施例5)
IFN-α活性の阻害に対するリンカー長の影響
【0490】
IFN-αを阻害する可溶性インターフェロン受容体の能力に対するリンカー長の影響を、実施例3に記載されている方法に従ってアッセイした。アッセイに使用した阻害剤は、RSLV601-604、RSLV606-611、RSLV608-613、および抗ヒトIFNα対照であった。RSLV601-604は(Gly4Ser)4リンカーを有し、RSLV606-611は(Gly4Ser)2リンカーを有し、RSLV608-613はリンカードメインを含まない。
【0491】
IFNα活性の阻害アッセイを2回実施した。
図4に示されている通り、全ての構築物がIFNα誘導性SEAP産生を阻害することができたが、リンカーなしの構築物またはリンカーが短縮された構築物がより強力であると思われる。例えば、RSLV601-604のIC
50値は1.051nMであり、RSLV606-611のIC
50値は0.835nMであり、RSLV608-613のIC
50値は0.375であった。抗ヒトIFNα対照のIC
50値は0.640nMであった。異なるリンカーを有する構築物を互いと比較し、IFN-α結合親和性および効力が、リンカー長が減少するにしたがって増大することが観察された。
(実施例6)
IFN-β活性の阻害に対するリンカー長の影響
【0492】
IFN-βを阻害する可溶性インターフェロン受容体の能力に対するリンカー長の影響を実施例4に記載されている方法に従ってアッセイした。アッセイに使用した阻害剤は、RSLV601-604、RSLV606-611、RSLV608-613、および抗ヒトIFNα対照であった。RSLV601-604は(Gly4Ser)4リンカーを有し、RSLV606-611は(Gly4Ser)2リンカーを有し、RSLV608-613はリンカードメインを含まない。
【0493】
IFNβ活性の阻害アッセイを2回実施した。
図5に示されている通り、全ての構築物がIFNβ誘導性SEAP産生を抗IFNβ対照分子よりも大きな程度で阻害することができた。RSLV601-604のIC
50値は0.011nMであり、RSLV606-611のIC
50値は0.015nMであり、RSLV608-613のIC
50値は0.010であった。抗ヒトIFNβ対照のIC
50値は0.043nMであった。異なるリンカーを有する構築物を互いと比較した場合、リンカー長はIFN-β結合親和性および効力に影響を及ぼさないことが観察された。
(実施例7)
PBMCにおけるSLE血清誘導性インターフェロン遺伝子発現の阻害に対する可溶性インターフェロン受容体構築物の影響
【0494】
インターフェロン(IFN)遺伝子発現を可溶性インターフェロン受容体構築物によって阻害することができるかどうかを評価するために、健康な志願者から得た末梢血単核細胞(PBMC)において、IFN遺伝子シグネチャー陽性であることが予め同定された全身性エリテマトーデス(SLE)患者からの血清を使用してインターフェロンにより調節される遺伝子を誘導した。例えば、インターフェロンシグネチャー(IS)の代理である(インターフェロンシグネチャー計量(ISM))3種の遺伝子(HERC5、EPSTI、およびCMPK2)を、SLEを有する患者を血清学的特性で区別するためのバイオマーカーとして使用することができる(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるKennedy et al., Lupus Science and Medicine, 2015; 2:e000080. Doi10.1136/lupus-2014-000080)。
PBMCの解凍
【0495】
単一の健康な志願者由来のPBMCを以下のプロトコールに従って解凍した:10%熱失活FBSおよび1%pen/strepを添加することによってRPMI完全培地を作製した。解凍される各クライオバイアルに対してRPMI完全培地9mlを15mlのコニカルに分注した。各クライオバイアルを37℃水浴に部分的に浸し、前後に動かしてバイアルを部分的に解凍した。次いで、バイアルを水浴から取り出し、外側に70%エタノールを噴霧した。次いで、クライオバイアルのキャップを外し、RPMI完全培地1mlをバイアルに液滴で添加した。次いで、解凍されたPMBCをRPMI完全培地の9mlアリコートに移した。次いで、RPMI完全培地中のPBMC細胞を室温、300×gで7~10分遠心分離した。上清を細胞から除去し、細胞をRPMI完全培地に1ml当たり細胞2×106個で懸濁させた。次いで、細胞を25mlの組織培養フラスコに移し、5%CO2中、37℃で一晩静置した。
SLE患者血清+/-RSLV阻害剤を用いたPBMCの刺激
【0496】
PBMCを、6名の患者由来のSLE患者血清(RSLV608-613阻害剤ありもしくはなしで、またはRSLV601-604阻害剤ありもしくはなしで)以下のプロトコールに従って刺激した:SLE患者血清を、RSLV608-613、15μg(555μg/mlのRSLV-608-613、27μl)またはRSLV601-604、15μg(306μg/mlのRSLV601-604、50μl)を、24ウェルプレートの2連のウェル中、SLE患者血清200μlに添加することにより、RSLV阻害剤と一緒にプレインキュベートした。阻害剤なしのSLE患者血清については、RPMI完全培地27μlを24ウェルプレートの2連のウェル中、SLE患者血清200μlに添加した。試料を穏やかに混合し、37℃で30分インキュベートした。30分のインキュベーション中、PBMCを組織培養フラスコ25mlから収集し、遠心分離してペレット化した。PBMCを計数し、RPMI完全培地中に1ml当たり細胞2×107個まで再懸濁させた。再懸濁させたPBMCを、SLE血清を含有するウェルに添加し、5%CO2中、37℃で6時間インキュベートした。
RNeasy Plus Mini Kitを使用した、刺激されたPBMCからのRNAの調製
【0497】
PBMCをRSLV構築物ありまたはなしでインキュベートした後、刺激されたPBMC由来のRNAを、Qiagen(登録商標)のRNeasy(登録商標)Plus Mini Kitを使用し、製造業者のプロトコールに従って調製した。PBMCを24ウェルプレートの各ウェルから収集し、1.5mlのEppendorf管に入れ、1000×gで2分遠心分離して、細胞をペレット化した。上清を管から吸引し、ペレット化した細胞を保持した。24ウェルプレート中のウェル中の残りのPBMC全てを緩衝液RLTプラス350mlで溶解させた。次いで、細胞溶解物を妥当な細胞ペレットに添加し、30秒ボルテックスした。ホモジナイズした溶解物をgDNA Eliminatorスピンカラムに移し、2mlコレクション管に入れた。管を≧8000×g(≧10,000rpm)で30秒遠心分離した。フロースルーを保存し、カラムを廃棄した。70%エタノール350μlをフロースルーに添加し、ピペッティングによって十分に混合した。あらゆる沈殿物を含む試料700μlをすぐにRNeasyスピンカラムに移し、2mlコレクション管に入れた。管を≧8,000×gで15秒遠心分離し、フロースルーを廃棄した。緩衝液RW1、700μlをRNeasy Miniスピンカラムに添加し(2mlコレクション管中)、蓋を閉め、管を≧8,000×gで15秒遠心分離した。フロースルーを廃棄した。緩衝液RPE、500μlをRNeasy Miniスピンカラムに添加し(2mlコレクション管中)、蓋を閉め、管を≧8,000×gで15秒遠心分離した。フロースルーを廃棄した。緩衝液RPE、500μlをRNeasy Miniスピンカラムに添加し(2mlコレクション管中)、蓋を閉め、管を≧8,000×gで2分遠心分離した。フロースルーを廃棄した。次いで、RNeasyスピンカラムを新しい2mlコレクション管に入れ、フルスピードで1分遠心分離して、膜をさらに乾燥させた。次いで、RNeasyスピンカラムを新しい1.5mlコレクション管に入れ、RNaseを含まない水30μlをスピンカラム膜に直接添加した。蓋を閉じ、次いで、管を≧8,000×gで1分遠心分離してRNAを溶出させた。
cDNAの合成
【0498】
RSLV構築物ありまたはなしで処置したPBMC由来のRNAを以下の通りcDNAに変換した:第1鎖cDNAを、単離されたRNA(上記の通り)からSuperScript VILO cDNA合成キット(Life Technologies)を使用して生成した。cDNAを、RNA、10ngから20μlの反応で合成した。各試料について逆転写酵素なしの対照も実施した。RNAをNanodrop 2000分光光度計(ThermoFisher)で260nmにおける吸光度に基づき、1A260=40μg/mlの換算係数を使用して定量化した。RNA、10ngをcDNA合成のためのインプットとして使用した。
【0499】
cDNA反応混合物を実行する全ての反応について調製した。単一反応のためのミックスは、5×VILO Reaction Mix、4μl、10×SuperScript Enzyme Mix、2μl、および分子グレード水10μlからなった。10×Enzyme mixを欠く十分な反応ミックスを、各試料(RSLV阻害剤ありまたはなしの患者試料、IFN陽性RNA対照、およびIFN陰性RNA対照)からの1つのRNA試料と共に使用するために調製した。cDNA反応プレートを氷上に置き、各反応について妥当な反応ミックス16μlを96ウェルQPCRプレートの所望のウェルに添加した。RNA、4μlを各反応ウェルに添加し、数回ピペッティングで上下することによって混合した。ウェルにキャップをし、プレートをサーマルサイクラーに移し、25℃で10分インキュベートし、その後、42℃で1時間インキュベートし、その後、80℃で5分インキュベートした。RNaseを含まない水80μl各cDNA反応に添加し、数回ピペッティングで上下することによって混合した。
インターフェロンシグネチャーのQPCR測定
【0500】
QPCR(Taqman)を使用して、上で調製したcDNAに存在する3種のインターフェロン誘導性遺伝子(HERC5、EPSTI1、およびCMPK2)ならびに3種の参照遺伝子(HPRT1、GUSB、およびTFRC)のレベルを測定した。1mMのROX参照色素(Brilliant Multiplex Masters Mixで提供される)1μlを水500μlに添加して、2μMのストック溶液を作製した。全ての反応についてQPCR反応ミックスを調製した。
【0501】
QPCR反応ミックスを、6種のプライマー/プローブセット(以下に示す配列)のそれぞれと、それに加えてRTなし対照のセットのためのミックスの追加的なアリコートのための、十分な反応ミックスを伴う7つのアリコートに分けた。各アリコートに単一のプライマー/プローブセットを添加した。プライマープローブセットのストック濃度は40×であった。したがって、25μlの反応それぞれにプライマー/プローブ0.625μlを使用した。6種の遺伝子それぞれに対してプライマーおよびプローブセットを調製し、RTなし対照ウェルに対して単一のプライマー/プローブセットを調製した。各反応混合物20μlをQPCR 96ウェルプレートのウェルに移した。各cDNA試料5μlを各プライマー/プローブミックスを含有するQPCRウェルにローディングし、ピペッティングで上下することによって徹底的に混合した。全てのウェルにQPCRストリップキャップでキャップし、プレートを1000rpmで短時間高速回転させた。プレートをMx3005p QPCR機器にローディングし、以下のサイクル条件に従って実行した:95℃で10分、その後、95℃で15秒および60℃で1分を40サイクル。以下の検出設定を使用した:各60℃ステップの最後にFAM、およびROXフィルターセットを使用してデータを集めた(フィルター利得設定:ROX×1、FAM×8)。
【化1】
【化2】
データ解析
【0502】
次いで、QPCRデータを解析した。各QPCR反応についてのサイクル閾値(Ct)値を、MxProバージョン4.10ソフトウェアを使用して得た。閾値蛍光値はソフトウェアにより、増幅に基づく閾値、適応するベースライン、および移動平均オプションが確認され自動的に設定された。各試料について、IFNにより調節される遺伝子のlog2スケール相対発現量を3種のIFNにより調節される遺伝子(CMPK2、HERC5、およびEPSTI1)の平均Ctから3種の参照遺伝子(GUSB、HPRT1、およびTFRC)の平均Ctを引いたものとして算出した。この数量に-1を掛けて値に正しい方向性をもたらした。
要約
【0503】
図6に示されている通り、RSLV-601-604により、SLE患者6名それぞれ由来のPBMCにおけるSLE血清誘導性インターフェロン遺伝子発現が阻害された。同様に、RSLV608-613によってもSLE患者血清誘導性インターフェロン遺伝子刺激が阻害され(
図7)、これらのデータから、可溶性インターフェロン受容体構築物がSLE血清におけるインターフェロン遺伝子発現の誘導に関与するサイトカインの阻害に有効であることが実証される。
【0504】
本発明を好ましい実施形態および種々の代替実施形態を参照して詳しく示し、説明してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく形態および詳細の種々の変化をなすことができることが当業者には理解されよう。
【0505】
本明細書の本文で引用されている全ての参考文献、発行特許および特許出願は、あらゆる目的に関してその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【表1-23】
【表1-24】
【表1-25】
【表1-26】
【0506】
【0507】
当業者は、常套的な実験だけを使用して、本明細書に記載の特定の実施形態の多くの等価物を認識するまたは確認することができよう。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されるものとする。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、前記第1のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体1(IFNAR1)ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、リンカードメインありまたはなしで、突然変異体Fcドメインに作動可能に連結されるインターフェロン受容体2(IFNAR2)ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目2)
インターフェロン-α(INFα)、インターフェロン-β(INFβ)、またはINFαおよびINFβの両方から選択されるI型インターフェロンに結合する、項目1に記載のヘテロ二量体。
(項目3)
前記I型インターフェロンが、INFαである、項目2に記載のヘテロ二量体。
(項目4)
前記I型インターフェロンが、INFβである、項目2に記載のヘテロ二量体。
(項目5)
INFαの活性を阻害する、項目1~2のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目6)
INFβの活性を阻害する、項目1~2のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目7)
I型インターフェロン(IFN)遺伝子発現の誘導を阻害する、項目1~2のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目8)
前記第1のポリペプチドの前記IFNAR1ドメインが、リンカードメインなしで、前記突然変異体Fcドメインに作動可能に連結される、項目1~7のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目9)
前記第2のポリペプチドの前記IFNAR2ドメインが、リンカードメインなしで、前記突然変異体Fcドメインに作動可能に連結される、項目1~8のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目10)
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれがポリペプチドリンカードメインを含むヘテロ二量体と比べて、I型インターフェロンへの結合が増加する、項目1~9のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目11)
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれがポリペプチドリンカードメインを含むヘテロ二量体と比べて、IFNαへの結合が増加する、項目10に記載のヘテロ二量体。
(項目12)
前記第1のポリペプチドが、ポリペプチドリンカーを含み、前記ポリペプチドリンカーが、Gly/Serリンカーである、項目1~7のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目13)
前記第2のポリペプチドが、ポリペプチドリンカーを含み、前記ポリペプチドリンカーが、Gly/Serリンカーである、項目1~7または12のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目14)
前記ポリペプチドリンカーが、約1~50、約5~40、約10~30または約15~20アミノ酸の長さである、項目10~13のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目15)
前記ポリペプチドリンカーが、約20アミノ酸もしくはそれ未満、約15アミノ酸もしくはそれ未満、約10アミノ酸もしくはそれ未満、または約5アミノ酸もしくはそれ未満の長さである、項目10~13のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目16)
前記ポリペプチドリンカーが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30アミノ酸の長さである、項目10~13のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目17)
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異体ヒト免疫グロブリンFcドメインを含む、項目1~16のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目18)
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、CH2ドメインにおける1つまたは複数の突然変異を含む、項目17に記載のヘテロ二量体。
(項目19)
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、CH3ドメインにおける1つまたは複数の突然変異を含む、項目17に記載のヘテロ二量体。
(項目20)
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、CH2ドメインにおける1つまたは複数の突然変異、およびCH3ドメインにおける1つまたは複数の突然変異を含む、項目17に記載のヘテロ二量体。
(項目21)
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異体ヒトIgG1 Fcドメインを含む、項目18~20のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目22)
前記第1および第2のポリペプチドのそれぞれの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異体ヒトIgG4ドメインを含む、項目18~20のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目23)
EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T366Yを含み、前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異Y407Tを含む、項目21または22のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目24)
EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異Y407Tを含み、前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T336Yを含む、項目21または22のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目25)
EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T366Wを含み、前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む、項目21に記載のヘテロ二量体。
(項目26)
EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含み、前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T366Wを含む、項目21に記載のヘテロ二量体。
(項目27)
EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含み、前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む、項目21に記載のヘテロ二量体。
(項目28)
EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含み、前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む、項目21に記載のヘテロ二量体。
(項目29)
EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T366Yを含み、前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む、項目22に記載のヘテロ二量体。
(項目30)
EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含み、前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T366Yを含む、項目22に記載のヘテロ二量体。
(項目31)
EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含み、前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む、項目22に記載のヘテロ二量体。
(項目32)
EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含み、前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む、項目22に記載のヘテロ二量体。
(項目33)
前記1つまたは複数のFc突然変異が、野生型Fcドメインをそれぞれ含む、IFNAR1ドメインを含む第1のポリペプチドおよびIFNAF2ドメインを含む第2のポリペプチドを含むヘテロ二量体と比べて、ヘテロ二量体の形成を促進、増加または増強する、項目18~32のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目34)
前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインおよび/または前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、前記Fcドメインの安定性を促進、増加もしくは増強する、および/またはFc受容体への結合を低下させる1つまたは複数の突然変異をさらに含む、項目21または23~28のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目35)
前記突然変異が、EUナンバリングに従った、C220S、C226S、C229S、P238SおよびP331S、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される、項目34に記載のヘテロ二量体。
(項目36)
前記突然変異が、C220S、P238SおよびP331Sを含む、項目35に記載のヘテロ二量体。
(項目37)
前記突然変異が、C220S、C226S、C229S、P238SおよびP331Sを含む、項目35に記載のヘテロ二量体。
(項目38)
IFNAR1ドメインを含む前記第1のポリペプチドが、配列番号11におけるアミノ酸配列を含む、先行する項目のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目39)
IFNAR2ドメインを含む前記第2のポリペプチドが、配列番号12におけるアミノ酸配列を含む、先行する項目のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目40)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドが、突然変異T366Yを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目41)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、突然変異T336Yを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目42)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドが、突然変異T366Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目43)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、突然変異T336Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目44)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目45)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG1 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目46)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドが、突然変異T366Yを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目47)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドが、突然変異Y407Tを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、突然変異T336Yを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目48)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドが、突然変異T366Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目49)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドが、突然変異T366S、L368AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、突然変異T336Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目50)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目51)
第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体であって、EUナンバリングに従って、前記第1のポリペプチドが、突然変異T350V、L351Y、F405AおよびY407Vを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR1ドメインを含み、前記第2のポリペプチドが、突然変異T350V、T366L、K392LおよびT394Wを含む突然変異体IgG4 Fcドメインに作動可能に連結されるIFNAR2ドメインを含む、ヘテロ二量体。
(項目52)
インターフェロン-α(INFα)、インターフェロン-β(INFβ)、またはINFαおよびINFβの両方から選択されるI型インターフェロンに結合する、項目40~51のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目53)
前記I型インターフェロンが、INFαである、項目52に記載のヘテロ二量体。
(項目54)
前記I型インターフェロンが、INFβである、項目52に記載のヘテロ二量体。
(項目55)
INFαの活性を阻害する、項目51~52のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目56)
INFβの活性を阻害する、項目51~52のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目57)
I型インターフェロン(IFN)遺伝子発現の誘導を阻害する、項目51~52のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目58)
前記1つまたは複数のFc突然変異が、野生型Fcドメインをそれぞれ含む、IFNAR1ドメインを含む第1のポリペプチドおよびIFNAF2ドメインを含む第2のポリペプチドを含むヘテロ二量体と比べて、ヘテロ二量体の形成を促進、増加または増強する、項目40~57のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目59)
前記第1のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインおよび/または前記第2のポリペプチドの前記突然変異体Fcドメインが、EUナンバリングに従った、C220S、C226S、C229S、P238SおよびP331S、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の突然変異をさらに含む、項目40~45のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目60)
前記突然変異が、C220S、P238SおよびP331Sを含む、項目59に記載のヘテロ二量体。
(項目61)
前記突然変異が、C220S、C226S、C229S、P238SおよびP331Sを含む、項目59に記載のヘテロ二量体。
(項目62)
IFNAR1ドメインを含む前記第1のポリペプチドが、配列番号11におけるアミノ酸配列を含む、項目40~61のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目63)
IFNAR2ドメインを含む前記第2のポリペプチドが、配列番号12におけるアミノ酸配列を含む、項目40~62のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目64)
(i)配列番号40のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(ii)配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(iii)配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号55のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;ならびに
(iv)配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号59のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(v)配列番号40のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43、配列番号55および配列番号59から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;(vi)配列番号43のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号40、配列番号53および配列番号57から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(vii)配列番号42のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号41、配列番号45および配列番号47から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(viii)配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42、配列番号49および配列番号51から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(ix)配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43、配列番号55および配列番号59から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(x)配列番号55のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号40、配列番号53および配列番号57から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;(xi)配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43、配列番号55および配列番号59から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xii)配列番号59のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号40、配列番号53および配列番号57から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xiii)配列番号45のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42、配列番号49および配列番号51から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xiv)配列番号47のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42、配列番号49および配列番号51から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xv)配列番号49のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号41、配列番号45および配列番号47から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xvi)配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号41、配列番号45および配列番号47から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xvii)配列番号61のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号67、配列番号75および配列番号82から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xviii)配列番号63のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号65、配列番号73および配列番号81から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xix)配列番号65のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号63、配列番号71および配列番号79から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xx)配列番号67のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号61、配列番号69および配列番号77から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxi)配列番号69のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号67、配列番号75および配列番号82から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxii)配列番号71のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号65、配列番号73および配列番号81から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxiii)配列番号73のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号63、配列番号71および配列番号79から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxiv)配列番号75のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号61、配列番号69および配列番号77から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxv)配列番号77のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号67、配列番号75および配列番号82から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxvi)配列番号79のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号65、配列番号73および配列番号81から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxvii)配列番号81のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号63、配列番号71および配列番号79から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxviii)配列番号82のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号61、配列番号69および配列番号77から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxix)配列番号84のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号89、配列番号97および配列番号105から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxx)配列番号85のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号87、配列番号95および配列番号103から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxi)配列番号87のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号85、配列番号93および配列番号101から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxii)配列番号89のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号84、配列番号91および配列番号99から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxiii)配列番号91のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号89、配列番号97および配列番号105から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxiv)配列番号93のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号87、配列番号95および配列番号103から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxv)配列番号95のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号85、配列番号93および配列番号101から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxvi)配列番号97のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号84、配列番号91および配列番号99から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxvii)配列番号99のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号89、配列番号97および配列番号105から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxviii)配列番号101のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号87、配列番号95および配列番号103から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;
(xxxix)配列番号103のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号85、配列番号93および配列番号101から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド;ならびに
(xl)配列番号105のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号84、配列番号91および配列番号99から選択されるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドから選択される第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体。
(項目65)
配列番号40のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号43のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体。
(項目66)
配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号42のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体。
(項目67)
配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号55のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体。
(項目68)
配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド、および配列番号59のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドを含む、I型インターフェロンに結合するヘテロ二量体。
(項目69)
インターフェロン-α(INFα)、インターフェロン-β(INFβ)、またはINFαおよびINFβの両方から選択されるI型インターフェロンに結合する、項目64~68のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目70)
前記I型インターフェロンが、INFαである、項目69に記載のヘテロ二量体。
(項目71)
前記I型インターフェロンが、INFβである、項目69に記載のヘテロ二量体。
(項目72)
INFαの活性を阻害する、項目64~68のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目73)
INFβの活性を阻害する、項目64~68のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目74)
I型インターフェロン(IFN)遺伝子発現の誘導を阻害する、項目64~68のいずれか一項に記載のヘテロ二量体。
(項目75)
先行する項目のいずれかに記載のヘテロ二量体、および薬学的に許容される担体を含む組成物。
(項目76)
項目1~74のいずれか一項に記載のヘテロ二量体の前記第1のポリペプチドをコードする核酸。
(項目77)
項目1~74のいずれか一項に記載のヘテロ二量体の前記第2のポリペプチドをコードする核酸。
(項目78)
項目76に記載の核酸を含む組換え発現ベクター。
(項目79)
項目77に記載の核酸を含む組換え発現ベクター。
(項目80)
項目78に記載の組換え発現ベクターおよび項目79に記載の組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
(項目81)
対象におけるインターフェロン(IFN)遺伝子発現を減少させる方法であって、項目1~74のいずれか一項に記載のヘテロ二量体または項目75に記載の組成物を前記対象に投与するステップを含む方法。
(項目82)
対象におけるI型インターフェロンの活性を阻害する方法であって、項目1~74のいずれか一項に記載のヘテロ二量体または項目75に記載の組成物を前記対象に投与するステップを含む方法。
(項目83)
前記I型インターフェロンが、INFαである、項目82に記載の方法。
(項目84)
前記I型インターフェロンが、INFβである、項目82および83のいずれか一項に記載の方法。
(項目85)
対象における自己免疫性疾患を処置する方法であって、項目1~74のいずれか一項に記載のヘテロ二量体または項目75に記載の組成物を前記対象に投与するステップを含む方法。
(項目86)
前記自己免疫性疾患が、SLEである、項目85に記載の方法。
(項目87)
前記自己免疫性疾患が、シェーグレン症候群である、項目85に記載の方法。
(項目88)
それを必要とする対象における自己免疫性疾患を処置するまたはその進行を遅延させるための医薬の製造における、項目1~74のいずれか一項に記載のヘテロ二量体および必要に応じた薬学的に許容される担体の使用であって、前記処置が、それを必要とする対象への前記医薬の投与を含む、使用。
(項目89)
項目1~74のいずれか一項に記載のヘテロ二量体および必要に応じた薬学的に許容される担体を含む医薬、ならびにそれを必要とする対象における自己免疫性疾患を処置するまたはその進行を遅延させるための前記医薬の投与のための使用説明書を含む添付文書を含むキット。
(項目90)
項目1~74のいずれか一項に記載のヘテロ二量体および必要に応じた薬学的に許容される担体を含む容器、ならびにそれを必要とする対象における自己免疫性疾患を処置するまたはその進行を遅延させるための前記ヘテロ二量体の投与のための使用説明書を含む添付文書を含むキット。
【配列表】