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特許7374106使い捨て吸収性物品での使用のためのホットメルト組成物を含む自立型繊維化ウェブ及び塗布方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】使い捨て吸収性物品での使用のためのホットメルト組成物を含む自立型繊維化ウェブ及び塗布方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/537 20060101AFI20231027BHJP
【FI】
A61F13/537 210
A61F13/537 310
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020544210
(86)(22)【出願日】2019-02-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019019243
(87)【国際公開番号】W WO2019165273
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-04
(31)【優先権主張番号】62/634,495
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/712,695
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509292766
【氏名又は名称】エイチ.ビー.フラー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ダブリュー・ハリス
(72)【発明者】
【氏名】タラ・ミスラ
(72)【発明者】
【氏名】ノーラン・ティー・ハンソン
(72)【発明者】
【氏名】パグ・モウア
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-515983(JP,A)
【文献】特表2014-518138(JP,A)
【文献】特表平11-512759(JP,A)
【文献】特表2015-532936(JP,A)
【文献】特表2016-526062(JP,A)
【文献】特開平07-194651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップシートと、
吸収性コアと、
前記トップシートと前記吸収性コアとの間に据えられた自立型繊維化ウェブと、を含み、
前記自立型繊維化ウェブは、ホットメルト組成物を含み、吸着材を含まない、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記自立型繊維化ウェブの直上又は直下のいずれか一方に据えられた標準的な捕捉分散層を更に含む、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
前記自立型繊維化ウェブは、約10~約200グラム毎平方メートルの坪量を有する、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記ホットメルト組成物は、室温で不粘着性である、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
前記ホットメルト組成物は、178℃で50,000cP以下の粘度を有する、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
前記ホットメルト組成物は、178℃で約100cP~約30,000cPの粘度を有する、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
前記ホットメルト組成物は、エチレンコポリマーを含む、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
エチレンコポリマーは、エチレンオレフィンコポリマー及びエチレンビニルアセテートコポリマーからなる群から選択される、請求項7に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項9】
前記ホットメルト組成物は、エチレンコポリマーと、約95℃~約140℃の環球式軟化点を有するワックスと、を含む、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
前記ワックスは、フィッシャー・トロプシュワックス及びポリエチレンワックスからなる群から選択される、請求項9に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項11】
前記ホットメルト組成物は、約50重量%~約100重量%の熱可塑性ポリマーを含む、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項12】
自立型繊維化ウェブを形成する方法であって、
a.ホットメルト組成物を得る工程と、
b.溶融するまで前記ホットメルト組成物を加熱する工程と、
c.前記ホットメルト組成物をアプリケータによって噴霧する工程と、
d.オリフィスを通り抜ける際に、前記ホットメルト組成物を空気と混合する工程と、
e.自立型繊維化ウェブとしての前記ホットメルト組成物を、トップシート、吸収性コア、コアラップ、及び標準的な捕捉分散層からなる群から選択される基材上に塗布する工程と、を含む、方法。
【請求項13】
前記アプリケータは、1~30個/インチのオリフィスを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記空気は、加熱されていない、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記空気は、冷却されている、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
接着剤は、基材を共に接着し、2つの基材を互いに固定された関係に維持するために用いられることが多い。工業用接着剤の分野では、不織布基材を含む使い捨て吸収性物品、例えば、成人用失禁製品、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、ベッドパッド、子犬用トイレパッド、医療用ドレッシング材などをはじめとする様々な物品を一体に接着する目的で、ホットメルト接着剤が広く使用されている。
【0002】
使い捨て吸収性物品の製造において用いられる多くのホットメルト接着剤が存在し得る。例えば、使い捨ておむつの製造では、ホットメルト接着剤は、構造(例えば、バックシートを不織布及び任意に吸収性パッドに接着させる)、弾性材の取り付け(例えば、弾性材料を例えば、脚部領域又は腰部領域等においてバックシートに接着させる)、及びコアの安定化(例えば、接着剤を吸収性コアに塗布してコアの強度を増大させる)に使用される。
【0003】
ホットメルト接着剤はまた、使い捨て物品内で副層を一体に接着する目的で使用することができる。特に、ホットメルト接着剤は、トップシートを、移送層としても知られている捕捉分散層(ADL)に接着するために使用することができる。
【0004】
捕捉分散層は、コアへの流体分散を改善するように設計されている、コアのすぐ上の副層である。
【0005】
様々な層の存在により、生産が複雑化する場合がある。製造プロセスを簡略化することができることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2012/316528号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/006205号明細書
【文献】米国特許第5681305号明細書
【文献】米国特許第6297309号明細書
【発明の概要】
【0007】
典型的な標準的なADLとしては、例えば、カード不織材及び有孔フィルムが挙げられる。これらの材料は、圧延品として使い捨て物品製造業者に供給される。ADLが、概ねコアの標的部分のみを被覆するため、圧延品は、適所において、巻きほどかれ、切断され、位置合わせされ、接着される必要があるため、使い捨て吸収性物品の製造プロセスにおけるADLの配置は複雑化する場合がある。
【0008】
本発明者らは、ホットメルト組成物を利用して、捕捉分散層(ADL)として機能し得る自立型繊維化ウェブを形成することができることを見出した。自立型繊維化ウェブは、流体捕捉時間試験によって証明されるような有効なADLを形成し、ラインで適用することができ、製造プロセスを簡略化させる。
【0009】
一態様では、本発明は、
トップシートと、吸収性コアと、トップシートと吸収性コアとの間に据えられた自立型繊維化ウェブと、を含み、自立型繊維化は、ホットメルト組成物を含み、吸着材を含まない、使い捨て吸収性物品を含む。
【0010】
一実施形態では、自立型繊維化ウェブの直上又は直下のいずれか一方に据えられた標準的な捕捉分散層を更に含む、使い捨て吸収性物品。別の実施形態では、自立型繊維化ウェブは、
約10~約200グラム毎平方メートルの坪量を有する。
【0011】
異なる実施形態では、ホットメルト組成物は、室温で不粘着性である。一実施形態では、ホットメルト組成物は、178℃で50,000cP以下、又は更には178℃で約100cP~約30,000cPの粘度を有する。
【0012】
別の実施形態では、ホットメルト組成物はエチレンコポリマーを含む。
一実施形態では、エチレンコポリマーは、エチレンオレフィンコポリマー及びエチレンビニルアセテートコポリマーからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ホットメルト組成物は、エチレンコポリマーと、約95℃~約140℃の環球式軟化点を有するワックスと、を含む。異なる実施形態では、ワックスは、フィッシャー・トロプシュワックス及びポリエチレンワックスからなる群から選択される。一実施形態では、ホットメルト組成物は、約50重量%~約100重量%の熱可塑性ポリマーを含む。
【0013】
別の態様では、本発明は、ホットメルト組成物を得る工程と、溶融するまでホットメルト組成物を加熱する工程と、ホットメルト組成物をアプリケータによって噴霧する工程と、オリフィスを通り抜ける際に、ホットメルト組成物を空気と混合する工程と、自立型繊維化ウェブとしてのホットメルト組成物を、トップシート、吸収性コア、コアラップ、及び標準的な捕捉分散層からなる群から選択される基材に塗布する工程と、を含む、自立型繊維化ウェブを形成する方法を特徴とする。
【0014】
一実施形態では、アプリケータは、1~30個/インチのオリフィスを含む。別の実施形態では、空気は冷却されている。別の実施形態では、空気は、チューブ式エア冷却器によって冷却されている。
【0015】
一態様では、本発明は、自立型繊維化ウェブを塗布する方法を特徴とし、方法は、ノズルにホットメルト組成物チャネル及び空気チャネルを設けることであって、ホットメルト組成物チャネル及び空気チャネルのうちの少なくとも一方は断熱されている、ことと、
加熱されたホットメルト組成物をホットメルト組成物チャネルに送達することと、
空気を空気チャネルに送達することと、ホットメルト組成物と空気をノズル放出部で混合することと、ホットメルト組成物を基材に塗布することと、を含む。
【0016】
一実施形態では、方法は、噴霧されたホットメルト組成物として、ノズル放出部においてホットメルト組成物を吐出することと、噴霧されたホットメルト組成物を冷却された成形チャンバを通って基材上に送達することと、を更に含む。別の実施形態では、成形チャンバは真空チャンバである。
【0017】
別の実施形態では、方法は、成形チャンバ内にデッケルフレームを提供することであって、デッケルフレームは、基材上の噴霧されたホットメルトの送達境界を画定する、ことを更に含む。一実施形態では、デッケルフレームは、基材上の所定領域における噴霧されたホットメルトの密度を更に画定する。更に別の実施形態では、方法は、噴霧されたホットメルト組成物をノズル放出部から成形チャンバの上面に送達することを更に含み、成形チャンバの底面は排気口を含み、排気口は、成形チャンバから空気を除去するように真空源に接続されている。
【0018】
別の態様では、本発明は、自立型繊維化ウェブを塗布する方法であって、方法は、ノズルにホットメルト組成物チャネル及び空気チャネルを設けることと、加熱されたホットメルト組成物をホットメルト組成物チャネルに送達することと、
空気を空気チャネルに送達することと、ノズル放出部において空気を吐出することと、噴霧されたホットメルト組成物としてノズル放出部においてホットメルト組成物を吐出することと、噴霧されたホットメルト組成物を冷却した成形チャンバを通って基材上に送達することと、を含む。
【0019】
一実施形態では、成形チャンバは真空チャンバである。別の実施形態では、噴霧されたホットメルト組成物は、成形チャンバの上面に送達され、成形チャンバの底面は排気口を含み、排気口は、成形チャンバから空気を除去するように吸引源に接続されている。別の実施形態では、コンベアは、上面及び底面に対して横方向に成形チャンバを通過するように構成され、吸引源はコンベアの下方に設けられている。一実施形態では、コンベアはメッシュコンベアであり、吸引はメッシュコンベアを介して行われる。
【0020】
一実施形態では、方法は、成形チャンバ内にデッケルフレームを提供することであって、デッケルフレームは、基材上の噴霧されたホットメルトの送達境界を画定する、ことを更に含む。別の実施形態では、方法は、コンベアによって成形チャンバに基材を送達することを更に含む。
【0021】
一態様では、本発明は、自立型繊維化ウェブを塗布する方法を特徴とし、方法は、それぞれが隣接して互いから離間している第1のバンクのノズルを提供することと、それぞれが隣接して互いから離間している第2のバンクのノズルを提供することであって、第2のバンクのノズルは、第1のバンクのノズルに隣接して位置付けられ、第1及び第2のバンクのノズルのそれぞれのノズルは、ホットメルト組成物チャネル及び空気チャネルを含む、ことと、
加熱されたホットメルト組成物をそれぞれのノズルのホットメルト組成物チャネルに送達することと、
それぞれのノズルの空気チャネルに空気を送達することと、それぞれのノズルのノズル放出部において空気を吐出することと、噴霧されたホットメルト組成物としてそれぞれのノズルのノズル放出部においてホットメルト組成物を吐出することと、噴霧されたホットメルト組成物をそれぞれのノズルから基材に同時に送達することと、を含む。
【0022】
一実施形態では、それぞれのノズルのホットメルト組成物チャネル及び空気チャネルのうちの少なくとも一方が断熱されている。別の実施形態では、方法は、それぞれのノズル放出部からの噴霧されたホットメルト組成物を、冷却された成形チャンバを通って基材上に送達することを更に含む。
【0023】
異なる実施形態では、成形チャンバは真空チャンバである。
一実施形態では、方法は、成形チャンバ内にデッケルフレームを提供することであって、デッケルフレームは、基材上の噴霧されたホットメルトの送達境界を画定する、ことを更に含む。別の実施形態では、本発明は、噴霧されたホットメルト組成物を、それぞれのノズルのノズル放出部から成形チャンバの上面に送達することを更に含み、成形チャンバの底面は排気口を含み、排気口は、成形チャンバから空気を除去するように真空源に接続されている。
【0024】
図面の簡単な説明
以下の図面は、本開示の特定の実施形態の例示であり、それ故に、本開示の範囲を限定するものではない。図面は、縮尺どおりではなく、以下の詳細な説明における説明と併せて使用することを意図している。以下、添付図面と併せて本開示の実施形態を説明するが、同様の数字は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本開示の一実施形態による、塗布システムの概略図である。
図2】成形チャンバを含む図1のシステムの例示的な使用を示す図である。
図3】コンベアを含む図1のシステムの別の例示的な使用を示す図である。
図4】使い捨て吸収性物品を製造するための図1のシステムの別の例示的な使用を示す図である。
図5】ノズルのバンクを使用する図1のシステムの別の例示的な使用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
用語集
自立型繊維化ウェブは自立することができる繊維の層である。
【0027】
使い捨て吸収性物品
本発明は、トップシートと、吸収性コアと、トップシートと吸収性コアとの間に据えられた自立型繊維化ウェブと、を含み、自立型繊維化ウェブは、ホットメルト組成物を含み、吸着材を含まない、使い捨て吸収性物品を含む。
【0028】
自立型繊維化ウェブは、例えば、ホットメルト接着剤、熱接合、音波接合などを含む様々な手段によって、トップシート及び/又はコアに取り付けることができる。
【0029】
追加の層(例えば、薄織物、不織布、標準的なADLなど)が、自立型繊維化ウェブ、コア、及びトップシートの間に存在してもよい。
【0030】
追加の層は、自立型繊維化ウェブの直上又は直下のいずれか一方に位置付けられた標準的なADLであってもよい。標準的なADLが自立型繊維化ウェブと組み合わせて使用される場合、発明者らは、より低い坪量(すなわち、より安価な標準的なADL)を使用することができることを想定している。
【0031】
トップシート
トップシートは液体透過性であり、使い捨て吸収性物品の身体に対向する層を構成する。
【0032】
トップシートは、有孔フィルム、天然繊維の不織布ウェブ(例えば、木材若しくは綿)、又は合成繊維(例えば、オレフィン繊維(例えば、ポリプロピレン)若しくはポリエステル)、又はかかる繊維の組み合わせを含む広範囲の好適な材料から構成されてもよい。トップシートは、紡糸、接合、又はカード加工されてもよい。トップシートは、疎水性又は親水性であってもよい(例えば、界面活性剤で処理されてもよい)。トップシートは、中心の領域を除いて疎水性であってもよく、親水性であるように界面活性剤で処理することができる。
【0033】
自立型繊維化ウェブ
本発明は、トップシートと吸収性コアとの間に据えられ、捕捉分散層(ADL)又は移送層として機能することができる自立型繊維化ウェブを含み、流体がトップシートを通ってコア内へ移動する速度を向上させている。
【0034】
自立型繊維化ウェブは、コアの一部ではなく、コア内へ流体を輸送する補助を行う。したがって、自立型繊維化ウェブは、例えば、親水性繊維(例えば、セルロース繊維)、毛羽立ちパルプ、高吸水性ポリマー粒子などの吸着材を含まない。
【0035】
自立型繊維化ウェブは、ホットメルト組成物から形成される。自立型繊維化ウェブは、トップシートの吸収性コアに対向する側、又はコアのトップシートに対向する側に塗布することができる。コアがコアラップを含む場合、自立型繊維化ウェブをコアラップに塗布することができる。自立型繊維化ウェブはまた、トップシート、例えば、薄織物層、不織布層、標準的なADL層などに対向するコアのすぐ上の層に塗布することができる。
【0036】
自立型繊維化ウェブは、約10グラム毎平方メートル(gsm)~約200gsm、約10gsm~約100gsm、又は更には約30gsm~約90gsmの坪量を有する。
【0037】
自立型繊維化ウェブは、室温で不粘着性であってもよい。あるいは、自立型繊維化ウェブは、室温で粘着性であってもよい。自立型繊維化ウェブが粘着性を有する場合、流体がトップシートを通ってコア内へ移動する速度を向上させるのに役立つことに加えて、自立型繊維化ウェブはまたコアに接着して、コアの強度を向上させることができることが期待される。
【0038】
自立型繊維化ウェブは、単層又は多層として存在することができる。多層として存在する場合、層は、様々なホットメルト組成物を含んでもよく、又は同一のホットメルト組成物を含んでもよい。層は、様々な坪量を有してもよく、又は同一の坪量を有してもよい。層のうちの1つは粘着性を有してもよく、他の層は粘着性を有さなくてもよい。粘着層は、使い捨て物品の他の層(例えば、コアの一部分、トップシートなど)に非粘着層を取り付ける補助をすることができる。
【0039】
自立型繊維化ウェブは、加熱タンク内でホットメルト組成物を加熱し、ホットメルト組成物を、ノズルを介してアプリケータで噴霧することによって形成される。ホットメルト組成物は、繊維を形成するために、ノズル通り抜ける際に、空気と混合される。一実施形態では、空気は非加熱である。別の実施形態では、空気は、例えば、Vortec/ITW Air Management(Cincinnati,Ohio)から入手可能なボルテックスチューブ式エア冷却器などのチューブ式エア冷却器を使用して冷却される。一実施形態では、ホットメルト組成物は、基材と接触する際、基材に浸透するのではなく、基材の上に層を形成するように冷却される。
【0040】
自立型繊維化ウェブの意匠及び配置は、何ら限定されない。
ホットメルト組成物は、分離領域内に自立型繊維化ウェブを単に置くように断続的に塗布することができる。分離領域は、矩形形状又は任意の他の形状であってもよい。自立型繊維化ウェブは、1つ以上のアプリケータにより塗布されて、層を形成することができる。
【0041】
アプリケータは、計量アプリケータであってもよく、あるいは圧送アプリケータ(例えば、Nordsonから入手可能なUniversal Applicator)であってもよい。アプリケータは、好ましくは複数のオリフィスを有する。アプリケータは、1~30個/インチのオリフィス、10~30個/インチのオリフィス、1~15個/インチのオリフィス、又は更には2~12個/インチのオリフィスを有してもよい。オリフィスは、並列構成、千鳥状構成、又は任意の他の構成を含む任意の可能な構成を有してもよい。
【0042】
ホットメルト組成物
ホットメルト組成物は、熱可塑性ポリマー及び所望によりワックス又は可塑剤を含む。ホットメルト組成物は、ポリマー及びワックスを含んでもよい。
【0043】
ホットメルト組成物は、178℃(350°F)で、約100cP~約50,000cP、約100cP~約30,000cP、約500cP~約20,000cP、又は更には約1000cP~約10,000cPのブルックフィールド粘度を有してもよい。
【0044】
熱可塑性ポリマー
ホットメルト組成物は、ポリマーを含む。ポリマーは、ホットメルト組成物中に、約30重量%~約100重量%、約50重量%~約100重量%、約40重量%~約95重量%、又は更には約50重量%~約90%重量で存在する。
【0045】
ポリマーは、エチレンホモポリマー、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、スチレンブロックコポリマー、これらの官能化型(例えば、OH修飾又は無水マレイン酸修飾)、及びこれらのブレンドからなる群から選択することができる。ポリマーは、シングルサイト(例えば、メタロセン)触媒を使用することによって形成することができる。
【0046】
ポリマーがメタロセン触媒によるプロピレンコポリマー又はプロピレンホモポリマーである場合、ポリマーは、第2のポリマーとブレンドされて、溶融速度及び硬化速度を最適化することができる。
【0047】
ポリマーは、約100~約3000、又は更には約200~約2000のASTM 1238D(190℃、2.16kg)に準拠したメルトフローレートを有してもよい。
【0048】
ポリマーは、エチレンコポリマーであり得る。本明細書で使用するとき、用語「エチレンコポリマー」は、エチレンのコポリマー及びターポリマーを指す。
【0049】
有用なエチレンコポリマーの例としては、エチレン系オレフィンポリマーが挙げられる。エチレン系オレフィンポリマーとしては、少なくとも50重量%のエチレンと、少なくとも3個の炭素原子又は更には3~20個の炭素原子を有する少なくとも1種のα-オレフィンモノマーと、に由来するオレフィンポリマーが挙げられる。有用なα-オレフィンモノマーとしては、例えば、プロピレン、イソブチレン、ブテン、ペンテン、ヘキサン、ヘプタン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、3-メチルペンテン-1、1,3,5,5-トリメチル-ヘキセン-1、5-エチル-1-ノネン、及びこれらの混合物が挙げられる。好適なエチレン系α-オレフィンコポリマーの具体的な例としては、エチレン-プロピレン、エチレン-ヘキセン、エチレン-オクテン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。有用なエチレン系オレフィンポリマーは、例えば、シングルサイト触媒(例えば、メタロセン触媒)、複数のシングルサイト触媒、非メタロセンヘテロアリール触媒、及びこれらの組み合わせを含む各種の触媒を使用して調製することができる。有用な市販のエチレンコポリマーとしては、Dow Chemical Company(Midland,Michigan)からすべて入手可能な、AFFINITY GA 1900、AFFINITY GA 1950、AFFINITY GA 1900 H及びAFFINITY GA 1875が挙げられる。
【0050】
更なる有用なエチレンコポリマーとしては、エチレンとビニルモノマーとのコポリマーが挙げられ、例えば、エチレン-酢酸ビニル、エチレン-アクリル酸メチル、エチレン-アクリル酸エチル、エチレン-アクリル酸n-ブチル、エチレン-アクリル酸、エチレン-メタクリル酸、エチレン-メタクリル酸メチル、エチレン-アクリル酸2-エチルヘキシル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適なエチレン-酢酸ビニルコポリマーはまた、約5重量%~約50重量%、又は更には約15重量%~約40%の酢酸ビニル含有量を含む。エチレン-酢酸ビニルの好適なコポリマーは、Celanese Corporation(Dallas,Texas)からATEVA 1850A、1880A、2830A及び2850Aを含むATEVAシリーズの商品名、及び、例えば、ExxonMobil Chemical Company(Houston,Texas)からUL8705を含むESCORENEシリーズの商品名で市販されている。
【0051】
ワックス
ホットメルト組成物は、ワックスを含まなくてもよい。しかしながら、いくつかの好ましい実施形態では、ホットメルト組成物は、ワックスを含む。ホットメルト組成物は、0重量%~約60重量%、約5重量%~約50重量%、又は更には10重量%~約45重量%のワックスを含んでもよい。
【0052】
ワックスの有用な部類としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、高密度低分子量ポリエチレンワックス、副生成物ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、酸化フィッシャー・トロプシュワックス、酸修飾ワックス、無水物修飾ワックス、及びヒドロキシル修飾ワックスなどの官能化ワックス、動物性ワックス、植物性ワックス(例えば、大豆ワックス)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0053】
ワックスは、約95℃~約140℃、約100℃~約135℃、又は更には約105℃~約130℃の環球式軟化点を有し得る。
【0054】
ワックスは、フィッシャー・トロプシュワックス及びポリエチレンワックスからなる群から選択することができる。
【0055】
有用なワックスは、様々な供給元から市販されており、Westlake Chemical Corporation(Houston,Texas)からEPOLENE Cシリーズの商品名で入手可能なポリエチレンワックス及びEvonik Corporation(Parsippany,NJ)から入手可能なSARAWAX SX 105が挙げられる。
【0056】
可塑剤
ホットメルト組成物は、可塑剤を含んでもよい。
【0057】
好適な可塑剤としては、例えば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル(例えば、シクロパラフィンオイル)、鉱油、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、オレフィンオリゴマー(例えば、ポリプロピレン、ポリブテン、及び水素添加ポリイソプレンのオリゴマー)、ポリブテン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン、ポリブタジエン、安息香酸エステル、動物油、植物油(例えば、ヒマシ油、大豆油)、オイルの誘導体、脂肪酸のグリセロールエステル、ポリエステル、ポリエーテル、乳酸誘導体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0058】
有用な市販の可塑剤としては、Calumet Specialty Products Partners,LP(Indianapolis,Indiana)製のナフテン系オイルであるCALSOL 550、Sonneborn(Tarrytown,New York)製の鉱油であるKAYDOL OIL、Exxon Mobil Chemical Company(Houston,Texas)製のPARAPOLポリブテン、BASF(Ludwigsjhafen,Germany)製のOPPANOLポリイソブチレン、Petrochem Carless Limited(Surrey,England)製のKRYSTOL 550鉱油、及びPetro Canada Lubricants Inc.(Mississauga,Ontario)製のPURETOL 35鉱油が挙げられる。
【0059】
粘着付与剤
ホットメルト組成物は、粘着付与剤を含まなくてもよく、あるいは、ホットメルト組成物は、1種以上の粘着付与剤を含んでもよい。ホットメルト組成物は、約50重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、0重量%~約50重量%、0重量%~約20重量%、0重量%~約15重量%、約5重量%~約40重量%、又は更には約2重量%~約10重量%の粘着付与剤を含んでもよい。
【0060】
粘着付与剤の好適な部類としては、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環式炭化水素樹脂、芳香族脂肪族混合修飾炭化水素樹脂、芳香族修飾脂肪族炭化水素樹脂、純モノマー芳香族粘着付与樹脂(例えば、α-メチルスチレン樹脂)、及びこれらの水素添加型と、テルペン、変性テルペン、及びこれらの水素添加型と、天然ロジン、変性ロジン、ロジンエステル、及びこれらの水素添加型と、低分子量ポリ乳酸、及びこれらの組み合わせ等と、が挙げられる。有用な天然ロジン及び変性ロジンの例としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、水添ロジン、二量化ロジン、及び重合ロジンが挙げられる。有用なロジンエステルの例としては、例えば、ペールウッドロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、ペールウッドロジンのペンタエリトリトールエステル、水素化ロジンのペンタエリトリトールエステル、トール油ロジンのペンタエリトリトールエステル、及びロジンのフェノール修飾ペンタエリトリトールエステルを含む天然ロジン並びに変性ロジンのペンタエリトリトールエステルが挙げられる。
【0061】
有用な粘着付与剤は、様々な商品名で市販されており、例えば、ESCOREZ 5400、ESCOREZ 5415、ESCOREZ 5600を含むExxon Mobil Chemical Company(Houston,Texas)製のESCOREZシリーズの商品名での炭化水素粘着付与樹脂、並びに、例えば、PICCOTAC 8095、KRISTALEX 3100、PLASTOLYN 240及びPLASTOLYN 290を含むEastman Chemical Company(Kingsport,Tennessee)製のKRISTALEX及びPLASTOLYNシリーズの商品名での純モノマー芳香族粘着付与樹脂が挙げられる。
【0062】
追加成分
ホットメルト組成物は、追加成分を所望により含み、例えば、安定剤、酸化防止剤、追加のポリマー、接着促進剤、紫外線安定剤、腐食防止剤、着色剤(例えば、顔料及び染料)、芳香剤、充填剤、界面活性剤、ホットメルト組成物の親水性特性を増加させる他の材料(例えば、モノステアリン酸グリセロール)、湿り度指示薬、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0063】
有用な酸化防止剤としては、例えば、テトラキス[3,(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸]ペンタエリトリトール;2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール);例えば、亜リン酸トリス-(p-ノニルフェニル)(TNPP)及び二亜リン酸ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4’-ジフェニレンを含む亜リン酸エステル;3,3’-チオジプロピオン酸ジステアリル(DSTDP);並びにこれらの組み合わせが挙げられる。有用な酸化防止剤は、様々な商品名で市販されており、例えば、いずれもBASF社(Florham Park,New Jersey)から入手可能な、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であるIRGANOX1010、IRGANOX565、及びIRGANOX1076、並びに亜リン酸系酸化防止剤であるIRGAFOS168を含むIRGANOXシリーズの商品名、並びにETHYL 702 4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)が挙げられる。存在する場合、組成物は、好ましくは、約0.1重量%~約2重量%の酸化防止剤を含む。
【0064】
吸収性コア
吸収性コアは、コア及び所望によりコアラップを含む。コアは、意匠、形状、及び使用される材料が多様であってもよい。コアは、長い矩形のような形状、又はドッグボーンのような形状であってもよい。コアは、物品内で概ね中央に置かれ、トップシートとバックシートとの間にしっかりと固定されている。コアは、トップシート、自立型繊維化ウェブ、及び所望によりコアラップを通って受け取られる体液及び固形物を吸収することができる吸着材を含む。吸着材としては、毛羽(例えば、セルロース系)、超吸収材(例えば、超吸収性粒子)、不織布、薄織物、発泡体、又は任意の他の吸着材を挙げることができる。
【0065】
コアラップは、コアの構成要素を適所に保持するためにコアの周囲を包む任意の材料であり得る。コアラップは、概ね、コアの2つの長辺の周りに巻き付けられ、端部が開放状態になる。コアラップは、不織布及び薄織物からなる群から選択され得る。
【0066】
追加層
追加層(例えば、薄織物、不織布など)は、自立型繊維化ウェブと、コアと、トップシートとの間に存在し得る。
【0067】
追加層は、自立型繊維化ウェブの直上又は直下のいずれか一方に据えられた標準的な捕捉分散層であってもよい。
【0068】
標準的なADLが含まれる場合、これは親水性不織布であり得る。親水性不織布は、水に対する親和性を有する。この親和性は、親水性繊維を含む不織布を使用することによって得られる。あるいは、疎水性不織布を化学物質(例えば、界面活性剤、湿潤剤など)で処理して、疎水性不織布の水に対する親和性を向上させてもよい。ADLは、高ロフトの不織布であり得る。標準的なADLが含まれる場合、これは低秤量材料であり得、そうすることで、標準的なADLと組み合わせた自立型繊維化ウェブの使用により、使い捨て吸収性物品の総コストを低下させることができる。
【0069】
標準的なADLは、約10グラム毎平方メートル(gsm)~約200gsm、約10gsm~約100gsm、約30gsm~約90gsm、約5gsm~約40gsm、又は更には約10gsm~約30gsmの坪量を有し得る。
【0070】
本明細書に開示される組成物を塗布する方法
本明細書に開示されるホットメルト組成物は、様々な異なる種類の装置及び方法を使用して、様々な異なる方法で塗布することができる。いくつかの例では、以下で論じられる特定の塗布方法で使用される特定の機器は、様々な異なる塗布方法で使用することができる。いくつかの例では、本明細書に開示されるホットメルト組成物は、別の組成物及び/又は材料と併せて塗布することができる。いくつかの例では、それぞれの組成物を断続的に又は同時に塗布して、基材上に別個の層を形成することができる。
【0071】
図1は、ホットメルト組成物塗布システム100を示す。システム100は、空気供給源102と、ホットメルト組成物供給源104と、アプリケータ106と、基材108と、を含む。アプリケータ106は、複数のノズル107を含むように図示されている。図示されるシステム100は、全体的なシステムの一部であり得る。例えば、基材108は、コンベアなどの搬送手段によってアプリケータ106を通過して輸送され得る。他の例では、複数のアプリケータ106が、単一の基材108と共に使用される。
【0072】
空気供給源102は、圧縮空気、吹込空気などの様々な空気供給源のいずれかであり得る。いくつかの例では、空気供給源102をアプリケータ106に接続する空気供給源ライン110は断熱されている。いくつかの例では、アプリケータ106は、吸気口112を有し、それぞれの個々のノズル107は、空気チャネル113を含む。空気は、加熱されてもよく、非加熱であってもよく、又は冷却されてもよい。好ましい実施形態では、空気は、非加熱であるか、又は冷却されている。
【0073】
いくつかの例では、吸気口112及び/又はそれぞれのノズル用空気チャネル113は、断熱されており、アプリケータ106及びノズル107内の任意の加熱されたホットメルト組成物からの熱による、空気の加温を軽減している。いくつかの例では、上述のように、空気供給源がボルテックス冷却器などの冷却器116によって冷却される場合、空気がウォームダウンされるのを防ぐために、断熱を使用してもよい。いくつかの例では、アプリケータ106に送達される空気は、約30°F~70°Fの温度に冷却されてもよい。いくつかの例では、アプリケータ106に送達される空気は、約55°F~65°Fの温度に冷却されてもよい。
【0074】
ホットメルト組成物供給源104は、タンクなどであってもよい。ホットメルト組成物供給源104からのホットメルト組成物を加熱し、溶融させる。ホットメルト組成物供給源104は、上記の例示的なADL用ホットメルト組成物のいずれかであり得る。いくつかの例では、ホットメルト組成物は、ホットメルト組成物供給源104からアプリケータ106にポンプ移送される。いくつかの例では、アプリケータ106へのホットメルト組成物供給源ライン118は断熱されている。いくつかの例では、空気供給源102及び空気チャネル113のように、アプリケータ106は、ホットメルト組成物注入口120を有し、それぞれのノズル107は、ホットメルト組成物チャネル122を有する。いくつかの例では、ホットメルト組成物注入口120及び/又はそれぞれのノズル用ホットメルト組成物チャネル122は、断熱/遮蔽されており、熱が逃れ、空気チャネル113内の空気を加温することを軽減している。いくつかの例では、ホットメルト組成物注入口120及び/又はそれぞれのノズル用ホットメルト組成物チャネル122は、アプリケータ106及び/又はノズル107内の吸気口112及び/又はそれぞれのノズル用空気チャネル113から最大距離だけ離間されて、これらの間の熱伝達を軽減している。
【0075】
アプリケータ106は、上記のアプリケータと実質的に同様であり得る。アプリケータのそれぞれのノズル107は、空気チャネル113及びホットメルト組成物チャネル122をそれぞれ通って、空気供給源102及びホットメルト組成物供給源104と流体連通するように構成されている。いくつかの例では、ノズル107は、ホットメルト組成物のパターン124をノズル出口126から外へ、ADL層として機能し得る基材108上に噴射するように構成されている。いくつかの例では、ノズルは、空気及びホットメルト組成物の送達のためのシムプレートスタックを利用してもよい。
【0076】
基材108は、様々な基材のいずれかであり得る。いくつかの例では、基材108は、吸収性コアである。他の例では、基材108は、トップシートである。更に他の例では、基材108は、トップシートに対向するコアの上の層である。
【0077】
図2は、成形チャンバ128を含むシステム100を示す。成形チャンバ128は、基材108に到達する前にホットメルト組成物が通過する内部容積101を含むことができる。いくつかの例では、成形チャンバ128は、側面109を有する箱である。しかしながら、成形チャンバ128は、様々な種類の材料から様々な異なる形状で製造することができる。いくつかの例では、成形チャンバ128は、80mm~100mmの高さ及び80mm~100mmの幅の寸法である側面109を有する箱であり得る。
【0078】
いくつかの例では、成形チャンバ128は、ホットメルト組成物が基材108に突き当たる前に、ノズル出口126からのホットメルト組成物を冷却する。他の例では、成形チャンバ128は、ホットメルト組成物をノズル出口126から基材108上に引き出す。成形チャンバ128は、アプリケータ106及び成形チャンバ128を移動させることなく、複数の基材をホットメルト組成物で処理することができるように、基材108が成形チャンバ128を通過することを可能にするように構成されてもよい。いくつかの例では、基材108は、コンベアによって成形チャンバの側面109に送達され、コンベアによって成形チャンバ128の反対側の側面109から取り除かれる。いくつかの例では、基材108は、ホットメルト組成物がノズル放出部126から出る方向に対して概ね横断する方向に移動される。
【0079】
図示の例では、成形チャンバ128は、成形チャンバ128と連通する吸引源130を含む。いくつかの例では、吸引源130は、成形チャンバ128から空気を除去する。いくつかの例では、吸引源130は、成形チャンバ128内に真空を生成する。他の例では、吸引源130は、成形チャンバ128内の基材108に向かって下向きの空気流を生成する。いくつかの例では、成形チャンバ128はまた、冷却空気を成形チャンバ128に提供する吸気源132を含んでもよい。いくつかの例では、吸気源132は、30°F~70°Fの温度の冷却空気を成形チャンバ128に供給する。ホットメルト組成物がノズル出口126から噴射されると、ホットメルト組成物は、基材108に突き当たる前に成形チャンバ128を通過する。いくつかの例では、吸引源130は、アプリケータ106及びノズル107の反対側の成形チャンバの底面111に位置付けられている。
【0080】
いくつかの例では、成形チャンバ128は、ホットメルト組成物の送達境界を基材108上に画定するように位置付けられたデッケルフレーム134を含むことができる。いくつかの例では、デッケルフレーム134は、成形チャンバ128の側面109及び/又は底部111に固定することができる。いくつかの例では、デッケルフレーム134は、メッシュコンベア136の下面に固定することができる。いくつかの例では、デッケルフレーム134は、内部に穿孔を有する少なくとも1つのデッケルプレートを含むことができる。いくつかの例では、デッケルフレーム134は、複数のデッケルプレートを含むことができ、複数のデッケルプレートの一部は、内部に穿孔を有する。いくつかの例では、プレート内の穿孔は、ホットメルト組成物がノズル出口126を出る際にホットメルト組成物に導入される吸引源130からの吸引量を変更することができる。吸引を変更することにより、より多量のホットメルト組成物が、基材108の特定の領域に対して他の領域よりも多い量で引き出される。これらのより多い量により、デッケルフレーム134及び/又はデッケルプレートの位置付けに応じて、基材108の所定の領域に送達されるホットメルト組成物の密度(すなわち、gsm量)を変化させることができる。いくつかの例では、デッケルフレーム134は、基材108の異なる部分でホットメルト組成物を輪郭形成すること、例えば、基材108の異なる部分に異なるgsm値でホットメルト組成物を送達することを容易にすることができる。いくつかの例では、デッケルフレーム134は、ホットメルト組成物が基材108の中心で80gsmに達することを可能にすることができる。
【0081】
図3は、コンベア136と共に使用されるシステム100の一例を示す。図示のように、アプリケータ106は、ノズル107から成形チャンバ128内の基材108にホットメルト組成物を送達する。吸引源/真空源130は、成形チャンバの底面111に設けられている。図示の例では、基材108は、回転手段138によって移動されるコンベア136によって成形チャンバ128に送達される。いくつかの例では、コンベア136は、メッシュコンベアである。いくつかの例では、基材108を成形チャンバ128に輸送するために、コンベア136の代わりに、又はコンベア136と共に真空ローラー/ドラムが利用されてもよい。いくつかの例では、吸引源130は、基材108を通って吸引を提供して基材108上にホットメルト組成物を引き出すように、コンベア136の下方に位置付けられている。
【0082】
図4は、使用中のシステム100の別の例を示す。図示の例では、基材108は、トップシート140であり、ホットメルト組成物は、トップシートに断続的に塗布されて、溶融高ロフト層141を形成する。図示のように、ホットメルト組成物は、成形チャンバ128を通ってトップシート140上に塗布される。次いで、基材は、コア層142と接合するように搬送される。コア層142は、トップシート、ホットメルト組成物、及びコア接合部が使い捨て吸収性物品144を形成するように、ホットメルト組成物が塗布された状態のトップシートに向かって個別に搬送される。
【0083】
図5は、使用中のシステム100の別の例を示す。図示のように、一対の隣接するアプリケータ106a、106bが示されており、それぞれが、それぞれのノズル107が互いに隣接するノズル107のバンク105a、105bを含むことが示されている。基材108がアプリケータ106a、106bのノズル107を通過して移動するとき、アプリケータ106a、106bは、ホットメルト組成物を基材108に同時に送達するように構成されている。様々な異なる数のノズル107及びノズル107のバンク105を利用して、基材108上にホットメルト組成物の特定のパターン/密度を形成することができる。いくつかの例では、それぞれのアプリケータ106a、106bのノズル107は、基材108の移動方向に互いに整列することができる。他の例では、図5に示すように、1つのアプリケータ106aのノズル107は、追加のアプリケータ106bのノズル107と、基材108の移動方向に千鳥状構成をなしてもよい。
【0084】
次に本発明を以下の非限定的な実施例により説明する。実施例に記載されるすべての部、比、百分率及び量は、特に指定のない限り、重量を基準としたものである。
【実施例
【0085】
試験手順
実施例において、また、本明細書の全体を通じて使用される試験手順は、特に明記されていない限り、以下のものを含む。
【0086】
試料の調製
ホットメルト組成物を、バッチサイズが5000グラムのシグマブレードミキサーで調製した。177℃前後の加熱油温度を使用した。ポリマー、粘着付与剤及び添加剤を最初に添加し、滑らかになるまで混ぜ合わせた後、可塑剤を小分けして添加した。混合物を均質になるまで混合し、次いで、取り出した。それぞれの試料は、製造に約1時間を要した。
【0087】
粘度試験法
粘度は、表題が「Standard Test Method for Apparent viscosity of Adhesives and Coating Materials」であるASTM D-3236(1988年10月31日)に従い、ブルックフィールド社製のモデルRVDV2、スピンドル番号27のThermosel粘度計を用いて測定する。結果はセンチポアズ(cP)で報告される。
【0088】
環球式軟化点は、ASTM D36を使用して測定される。
【0089】
噴射試験方法
Nordson UAスプレーアプリケータを、Signature 12オリフィスノズルを装備して使用した。それぞれの組成物を標準的な不織布(15gsmスパンボンドポリプロピレン)上に噴射した。以下の試験条件を使用した。ライン速度:4.57メートル/分(15フィート/分)、ウェブからのアプリケータの距離:27.9センチメートル(11インチ)、空気圧:103.4キロパスカル(kPa)(15ポンド毎平方インチ(psi))、システム圧力:(2068.4kPa)300psi~(3447.4kPa)500psi、空気加熱なし。
【0090】
流体捕捉時間
試験構造体を製造し、100ミリリットル(mL)の生理食塩水溶液(0.09%生理食塩水、青色染料含有)を吸収するのに必要な時間を測定した。
【0091】
構造体は、10層(32gsmのセルロース/薄織物複合体)のコア材料からなるコア及びトップシート(15gsmスパンボンドポリプロピレン不織布)から構成された。試験される捕捉分散層は、コアとトップシートとの間に積層された。
【0092】
2.5センチメートル(cm)幅(内径)の管及び両端に24cm長さの開口部を含み、同様の寸法の開口部が取り付けられた金属基部に固定された試験固定具を、金属基部側を下にしておむつ構造体のトップシート側に配置した。250mL容量分液漏斗(バルブが開いたときに7mL/秒の流れをもたらすように設定済み)を、バルブが閉鎖された状態で管に入れた。生理食塩水溶液を漏斗に注ぎ入れた。バルブを解除したときにタイマーを始動した。流体の最後の量がトップシートに吸収されたときにタイマーを停止した。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
標準的なADLは、80gsmの坪量の不織布(7.5cm×17cm)であり、Tecnosur WINNYブランドおむつ(サイズ0、新生児用)から得た
【0095】
【表3】
【0096】
その他の実施形態は、請求項内にある。
図1
図2
図3
図4
図5