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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】接続モードのユーザ機器のアクセス制御
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/18 20090101AFI20231027BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20231027BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20231027BHJP
【FI】
H04W48/18
H04W48/16 130
H04W88/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020573394
(86)(22)【出願日】2018-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 EP2018067793
(87)【国際公開番号】W WO2020007438
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-01-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,スン ファン
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】本郷 彰
【審判官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】3GPP TS 24.501 V15.0.0 (2018-06),[online],2018年06月15日,pages 40-41, 97-98, 143-144,<URL: https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/24_series/24.501/24501-f00.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、
を備える、装置であり、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置に少なくとも、
アクセス試行が規制されていることを下位レイヤが示すと判定することと、
前記アクセス試行をトリガしたイベントが、移動機発SMSオーバ非アクセス層を送信する要求であること、ならびに前記装置が、3GPPアクセス及び非3GPPアクセスの両方を介してネットワークに登録されていることの判定に応答して、非3GPPアクセスを介してアップリンク非アクセス層トランスポートメッセージを送信することと、を行わせるように構成されている、装置。
【請求項2】
前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置に、
他の場合には、規制が緩和されたことを前記下位レイヤが示すときに、移動機起動非アクセス層トランスポートプロシージャを開始させる
ように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置に、前記アクセス試行が規制されていることを前記下位レイヤが示すと判定することと、前記アクセス試行をトリガした前記イベントが、非アクセス層レイヤで、移動機発SMSオーバ非アクセス層を送信するための前記上位レイヤからの前記要求であるかどうかを判定することとを行わせるように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置に、3GPPアクセスを介する前記アクセス試行が規制されていることを前記下位レイヤが示すと判定させるように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置に、前記アクセス試行が規制されていることを前記下位レイヤが示すと判定される場合に、前記アップリンク非アクセス層トランスポートメッセージを送信させるように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記アップリンク非アクセス層トランスポートメッセージが、前記移動機発SMSを搬送し、非3GPPアクセスを介して送信される、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置に、
前記装置が3GPPアクセス及び非3GPPアクセスの両方を介して前記ネットワークに登録されているかどうかを判定させる
ように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記装置に、
非3GPPアクセスが利用可能である場合には、非3GPPアクセスを介して、前記移動機発SMSを搬送する前記アップリンク非アクセス層トランスポートメッセージを送信することと、
それ以外の場合には、規制が緩和されたことを前記下位レイヤが示す場合、3GPPアクセスを介して、前記移動機発SMSを搬送する前記アップリンク非アクセス層トランスポートメッセージを送信することと、
を行わせるようにさらに構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項9】
方法であって、
装置において、アクセス試行が規制されていることを下位レイヤが示すと判定することと、
前記アクセス試行をトリガしたイベントが、移動機発SMSオーバ非アクセス層を送信する要求であること、ならびに前記装置が、3GPPアクセス及び非3GPPアクセスの両方を介してネットワークに登録されていることの判定に応答して、前記装置において、非3GPPアクセスを介してアップリンク非アクセス層トランスポートメッセージを送信することと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ワイヤレス通信システムは、対応する地域またはセルの範囲内の1つ以上のユーザ機器にワイヤレス接続を提供する基地局(無線アクセスネットワーク、gNodeB、eNodeB、またはアクセスポイントとも呼ばれる)のネットワークを含む。バッテリ電力を節約して使うために、ユーザ機器は、消費電力が少ないが、ユーザ機器がアップリンクデータをコアネットワークに送信することを許可しないアイドルモードで動作することができる。ユーザ機器は、無線接続を取得して接続モードに入るために、基地局にアクセス試行を送信することが要求され、その接続モードによりユーザ機器はアップリンクデータを送信することが可能になる。ネットワークリソースを使用する、または使用しようとするユーザ機器が多過ぎる場合は、基地局及び/またはコアネットワークが過負荷状態になる可能性がある。したがって、ユーザ機器によるリソース消費の削減または制限のために、アイドル状態のユーザ機器による一部のアクセス試行は規制される(すなわち、阻止される、または禁止される)。例えば、ロングタームエボリューション(LTE)規格などの第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって規定された第4世代(4G)規格に準拠して動作するネットワークでは、アイドル状態のユーザ機器にアクセス制限を課して、アイドル状態のユーザ機器がそのネットワークへの無線リソース制御(RRC)接続の登録または確立を行うことができないようにしている。アクセス規制は、典型的には、どのような場合にアクセス試行が規制されるかをユーザ機器が判定できるように、規制設定をユーザ機器に送信することによって行われる。
【0002】
本開示は、添付の図面を参照することによって一層よく理解することができ、その多数の特徴及び利点が当業者に明らかになる。異なる図面で同じ参照記号を使用する場合は、類似または同一の要素であることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】いくつかの実施形態によるアクセス試行のため、アクセス制御と3GPP接続及び非3GPP接続の選択的使用とをサポートする通信システムのブロック図である。
図2】いくつかの実施形態によるネットワーク機能仮想化(NFV)アーキテクチャのブロック図である。
図3】いくつかの実施形態による初期の非アクセス層(NAS)メッセージに対するアクセス要求を実行するためのメッセージフローである。
図4】いくつかの実施形態による3GPP接続または非3GPP接続を使用して、非初期のNASメッセージに対するアクセス要求を選択的に実行するためのメッセージフローである。
図5】いくつかの実施形態による3GPP接続及び非3GPP接続を介したネットワークアクセスをサポートするユーザ機器のブロック図である。
図6】いくつかの実施形態による通信システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
3GPPによって規定された第5世代(5G)規格は、30~300GHzのミリ波周波数範囲など、6ギガヘルツ(GHz)を超える周波数でのワイヤレス通信をサポートすることで、グローバルな帯域幅不足を緩和することを目的としている。5G規格では、アイドルモード、接続アクティブモード、及び接続インアクティブモードのユーザ機器にアクセス規制を適用する。したがって、アクセス規制は、アイドルモードのユーザ機器から送信される、登録要求、登録解除要求、及びサービス要求など、初期の非アクセス層(NAS)メッセージだけでなく、接続モードのユーザ機器から送信される、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージオーバNASを送信するための要求、パケットデータユニット(PDU)セッションを確立するためのアップリンクNASトランスポートメッセージ、及びPDUセッションの変更を要求するためのアップリンクNASトランスポートメッセージなど、非初期のNASメッセージにも適用される。
【0005】
ただし、現在の5G規格では、非初期のNASメッセージをトリガするアクセス試行が規制されている場合に対処する方法は規定されていない。ユーザ機器のいくつかの実施形態は、同時実行の3GPP接続及び非3GPP接続をサポートする。その結果、5G規格では、移動機(モバイル)発SMSオーバNASメッセージが、3GPPアクセスまたは非3GPPアクセスを介して、例えばWi-Fiアクセスポイントへの接続を介して、ユーザ機器から配信されるようになる。しかし、ユーザ機器の3GPPアクセス下位レイヤ(例えば、アクセス層、AS、NASレイヤより下のレイヤ)が、3GPP接続を介して移動機発SMSオーバNASメッセージを送信する要求などのアクセス試行を規制している場合、接続されたユーザ機器は、非3GPP接続を利用することができない。
【0006】
ユーザ機器の無線リソース制御(RRC)レイヤが、アクセス試行が規制されていることを示す場合、ユーザ機器は、3GPP接続を使用して非初期の非アクセス層(NAS)メッセージ(例えば、アップリンクNASトランスポートメッセージ)を送ることを禁じられる。その後、アクセス試行と関連したアクセスカテゴリの規制が緩和されたことをRRCレイヤが示すと、まだ必要であれば、非初期のNASメッセージが3GPP接続を介して送られる。また一方、ユーザ機器が3GPP接続及び非3GPP接続の両方をサポートする場合、ユーザ機器が接続モードにある間に、ユーザ機器は、3GPP接続または非3GPP接続を介した移動機発メッセージの送信を選択的に要求する。移動機発メッセージを送信するための3GPP接続または非3GPP接続の選択は、その要求がユーザ機器のRRCレイヤで規制されているかどうかに基づいて行われる。例えば、ユーザ機器のNASレイヤが、アクセス要求のカテゴリまたはIDを指定するクエリをRRCレイヤに送信し、RRCレイヤは、アクセスカテゴリまたはアクセスIDが規制されているかどうかを示す結果を返すことができる。ユーザ機器は、RRCレイヤで要求が規制されていることに応答して、可能な場合は、非3GPP接続を介して要求を送信し、RRCレイヤで要求が規制されていないことに応答して、3GPP接続を介して要求を送信する。
【0007】
いくつかの実施形態では、移動機発メッセージの送信を選択的に要求することが、1つ以上の所定のアクセスカテゴリまたはアクセスIDについて行われる。例えば、ユーザ機器は、非アクセス層(NAS)メッセージを介したショートメッセージサービス(SMS)、パケットデータユニット(PDU)セッションを確立するためのアップリンクNASトランスポートメッセージ、またはこれらのアクセスカテゴリのメッセージが規制されているかどうかに基づいてPDUセッションの変更を要求するためのアップリンクNASトランスポートメッセージの送信を選択的に要求することができる。ユーザ機器で規制されているアクセスカテゴリに関連付けられたアクセス試行は、対応するアクセスカテゴリのアクセス規制が緩和されたことをRRCレイヤが示すまで停止する必要がある。アクセス制限が緩和されると、ユーザ機器は、まだ必要であれば、3GPP接続を介したトランスポートプロシージャを起動する。
【0008】
図1は、いくつかの実施形態によるアクセス試行のため、アクセス制御と3GPP接続及び非3GPP接続の選択的使用とをサポートする通信システム100のブロック図である。本明細書で使用するとき、3GPP接続とは、5G規格またはLTE規格など、3GPPによって策定された規格に準拠して動作する接続のことをいう。したがって、3GPP接続は、第1の無線アクセス技術(RAT)に従って動作する接続である。本明細書で使用するとき、非3GPP接続とは、無認可周波数帯域でのワイヤレスアクセスのためのWi-Fi規格などの非3GPP規格に準拠して動作する接続のことをいう。したがって、非3GPP接続は、第1のRATとは異なる第2のRATに従って動作する接続である。通信システム100のいくつかの実施形態は、異なる第1のRAT及び第2のRATを実施するが、本明細書に開示される技法は、分かりやすくするために3GPP接続及び非3GPP接続との関連で説明される。
【0009】
通信システム100は、移動アクセス及び固定アクセスの両方をサポートする。本明細書で使用するとき、用語「移動アクセス」は、エアインタフェースによって通信システム(例えば、通信システム100)にアクセスすることを意味する。したがって、移動アクセスは、ワイヤレスアクセス、移動通信、ワイヤレス通信、またはその他の類似の用語として見なされ得る。用語「固定アクセス」は、通信システムに物理的に接続されたデバイスを使用して通信システムにアクセスすること、例えば、ワイヤ、光ファイバなどを介して通信システム100などの通信システムにアクセスすることを意味する。したがって、固定アクセスは、有線アクセス、有線通信、またはその他の類似の用語として見なされ得る。いくつかの実施形態では、固定アクセス接続の最終段階は、Wi-Fiアクセスポイントなどのワイヤレスアクセスポイントによって提供され得る。通信システム100は、デバイスが移動アクセス及び固定アクセスを使用して通信システム100に同時にアクセスすることを可能にするハイブリッドアクセスをサポートする。
【0010】
通信システム100は、共通のユーザプレーンアクセスと、共通の認証、認可、及び課金(AAA)ならびにポリシー制御をサポートするコントロールプレーンとを使用して、移動デバイスまたは固定デバイスのいずれかによってアクセス可能なコアネットワーク105を含む。本明細書で使用するとき、語句「ユーザプレーン」は、インバウンドインタフェースに到着するパケットのルーティングを実行するルーティングアーキテクチャの一部を指す。例えば、ユーザプレーンは、インバウンドインタフェースからフォワーディングファブリックを経由して適切なアウトゴーイングインタフェースへ至る経路を決定するルーティングテーブルを使用して実施され得る。ユーザプレーンは、データプレーンまたはフォワーディングプレーンと呼ばれることもある。本明細書で使用するとき、語句「コントロールプレーン」は、ネットワークトポロジを定義するルーティングアーキテクチャの一部を指す。例えば、コントロールプレーンは、ユーザプレーン上でパケットを転送するために使用されるルーティングテーブルを構成するのに使用し得る。また、コントロールプレーンロジックを使用して、パケットの優先度もしくはサービス品質を定め、または破棄すべきパケットを識別することもできる。
【0011】
コアネットワーク105は、通信システム100内のデバイスのアクセス制御及びモビリティを管理するアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)110を含む。コアネットワーク105はまた、通信システム100におけるセッションの設立及び管理をネットワークポリシーに準拠して行うセッション管理機能(SMF)115を含む。ユーザ機器とコアネットワーク105との間の関連付けが、SMF115によって管理され得るプロトコルデータユニット(PDU)セッションとして表され得る。PDUセッションは、ユーザ機器とデータネットワークとの間のデータ接続性をサポートする。コアネットワーク105は、コアネットワーク105に接続されているユーザ機器向けのポリシーを格納するポリシー制御機能(PCF)120をさらに含む。それによって、PCF120に格納された情報が、通信システム100内でのモビリティ制限など、ユーザ機器と関連したアクションにポリシーを適用するために使用される。
【0012】
コアネットワーク105はまた、資格情報、位置管理、サブスクリプション管理などを処理する統合データマネージャ(UDM)125を含む。UDM125は、サブスクリプション識別子、セキュリティ証明書、アクセス及びモビリティ関連のサブスクリプションデータ、ならびにセッション関連のサブスクリプションデータなど、ユーザサブスクリプションデータを含むデータを格納する。コアネットワーク105は、通信システム100のユーザにサービスを提供するために、通信システム100に展開し得る1つ以上のユーザプレーン機能(UPF)130をさらに含む。ユーザプレーン機能130は、本明細書で論じられるように、パケットをブロードキャストする、マルチキャストする、またはユニキャストするために使用されるサービスフローのエンドポイントとして機能し得る。そのために、ユーザプレーン機能130は、サービスフローのエンドポイント識別子を格納し得る。ユーザプレーン機能130は、データネットワーク135に接続される。
【0013】
コアネットワーク105内のエンティティは、5Gネットワークアーキテクチャなどの規格に準拠して実施される様々なインタフェースによって接続される。コアネットワーク105のいくつかの実施形態は、認証機能及びネットワーク機能リポジトリ機能などの他の機能を含み、これらは分かりやすくするために図1には示されていない。コアネットワーク105のいくつかの実施形態は、本明細書で論じられるように、ネットワーク機能仮想化及びソフトウェア定義ネットワーキングを使用して実施される。例えば、様々なネットワークスライスを使用して、様々なユーザまたはデバイスに対してAMF110、SMF115、UPF130、またはUDM125の様々なインスタンスをインスタンス化することができる。各プロトコルデータユニット(PDU)セッションは、1つのネットワークスライスの一部である。
【0014】
コアネットワーク105は、移動アクセスを介してユーザ機器140にネットワークアクセスを提供する。例えば、ユーザ機器140は、N2インタフェースなどの対応するインタフェースを介してAMF110に接続された基地局145(または無線アクセスネットワーク)経由でコアネットワーク105にアクセスし得る。基地局145はまた、N3インタフェースなどの対応するインタフェースによってUPF120にも接続されており、これは分かりやすくするために図1には示されていない。基地局145のいくつかの実施形態は、3GPPによって規定された5G規格に準拠して、5GギガビットNodeB(gNB)として実施される。コアネットワーク105はまた、固定アクセスを介してユーザ機器140にネットワークアクセスを提供する。例えば、ユーザ機器140は、イーサネットネットワーク155への有線接続を有する住宅用ゲートウェイ150への接続を確立することができる。図示の実施形態では、ユーザ機器140とコアネットワーク105との間の固定アクセス接続の最終段階が、ワイヤレスアクセス技術を使用して実施される。例えば、固定アクセス接続の最終段階を提供するために、Wi-Fiアクセスポイント160を使用してもよい。また一方、他の場合では、ユーザ機器140は、有線接続を用いて住宅用ゲートウェイ150に接続される。有線接続のいくつかの実施形態では、デジタル加入者線アクセスマルチプレクサ(DSLAM)またはギガビット受動光ネットワーク(GPON)などの回線終端装置を使用する。
【0015】
イーサネットネットワーク155とコアネットワーク105との間には、インターワーキング機能165が配置されている。インターワーキング機能165は、非3GPPインターワーキング機能(N3IWF)と呼ばれることもある。インターワーキング機能165は、固定アクセスユーザ機器が、コアネットワーク105の視点から移動アクセス規格またはプロトコルに準拠してコアネットワーク105にアクセスしているように見えるように、固定アクセスユーザ機器からコアネットワーク105に伝達されるメッセージを変更し、または変換するように構成されている。インターワーキング機能165はまた、固定アクセスユーザ機器によって受信されたメッセージが、対応する固定アクセス規格またはプロトコルに適合するように、コアネットワーク105から固定アクセスユーザ機器に伝達されるメッセージを変更し、または変換するように構成されている。インターワーキング機能165は、AMF110及びUPF130とのインタフェースをサポートする。
【0016】
ユーザ機器140は、アイドルモードで、または2つの接続モード、すなわち、接続インアクティブモード及び接続アクティブモードの一方で動作する。アイドルモードでは、ユーザ機器140は、公共移動通信ネットワーク(PLMN)を選択すること、ブロードキャストシステム情報を受信すること、セル再選択モビリティを実行すること、及び移動機着データの利用可能性をユーザ機器140に通知するページングメッセージを受信することができる。アイドル状態のユーザ機器140は、コアネットワーク105に向けてアップリンクデータを送信しない。アイドル状態のユーザ機器140は、ダウンリンクデータを受信するか、またはアップリンクデータを送信するために、接続モードの1つに移行しなければならない。接続インアクティブモードでは、ユーザ機器140では、ブロードキャストシステム情報を受信すること、セル再選択モビリティを実行すること、無線アクセスネットワークによって起動されるページングメッセージを受信すること、コアネットワーク105とのユーザプレーン接続及びコントロールプレーン接続を維持すること、ならびに無線アクセスネットワーク及びユーザ機器140に格納された対応するコンテキストを有することが行われる。接続アクティブモードでは、ユーザ機器140では、コアネットワーク105とのユーザプレーン接続及びコントロールプレーン接続を維持すること、ならびに無線アクセスネットワーク及びユーザ機器140に格納された対応するコンテキストを有することが行われる。無線アクセスネットワークは、ユーザ機器140を含むセルを識別できる。接続アクティブモードのユーザ機器140との間では、ユニキャストデータが転送され得る。ネットワークはまた、例えば、ユーザ機器140によって実行される測定に基づいて、ユーザ機器140のモビリティを制御し得る。
【0017】
ユーザ機器140のいくつかの実施形態では、異なるRATに従って動作する複数の送信機、受信機、または送受信機を実施する。例えば、ユーザ機器140は、3GPPによって規定された5G規格に準拠して動作する第1の送受信機と、無認可周波数帯域での通信のためのWi-Fiなどの非3GPP規格に準拠して動作する第2の送受信機とを使用する。したがって、ユーザ機器140は、基地局145への5G接続やアクセスポイント160へのWi-Fi接続など、異なるRATに従って動作する別個の、場合によっては同時の接続を維持することができる。
【0018】
ユーザ機器140がアイドルモードにある場合、ユーザ機器140は、コアネットワーク105との通信セッションを起動するために、アクセス要求を送信し得る。例えば、アクセス要求は、初期の非アクセス層(NAS)メッセージとして送信され得る。アクセス要求が受け入れられた場合、ユーザ機器140とコアネットワーク105との間に接続170が確立され、その場合、ユーザ機器140は接続モードに入る。アイドル状態のユーザ機器140はまた、登録解除要求やサービス要求などの他の初期NASメッセージを送信する。ユーザ機器140が接続モードの1つで動作しているとき、ユーザ機器140は非初期のアクセス要求を送信する。非初期のNAS要求には、接続モードのユーザ機器から送信される、NASを介したショートメッセージサービス(SMS)メッセージを送信するための要求、パケットデータユニット(PDU)セッションを確立するためのアップリンクNASトランスポートメッセージ、及びPDUセッションの変更を要求するためのアップリンクNASトランスポートメッセージが含まれる。
【0019】
本明細書で詳細に説明するように、ユーザ機器140は、非初期のNAS要求をユーザ機器140が接続170を介して基地局145に送信しないように、非初期のNAS要求が規制されていると判定することができる。場合によっては、ユーザ機器140は、基地局145へ要求を送信する試みが規制されているとの判定に応答して、非初期のNASメッセージを接続175を介してアクセスポイント160に送るための要求を送信する。例えば、ユーザ機器140は、アクセス要求の規制へのアクセスに応答して、接続170を介した要求を停止する。ユーザ機器140は、現在のセルに留まり、第1の接続へのアクセスが規制されていることに応答して、セル再選択プロセスを適用する。次に、ユーザ機器140は、接続170へのアクセスが規制されていることに応答して、接続175を使用して要求を送信することができる。あるいは、ユーザ機器140は、規制が緩和されたことに応答して、要求を停止した後に、要求がなおも必要である場合に、要求を送信する。
【0020】
図2は、いくつかの実施形態によるNFVアーキテクチャ200のブロック図である。NFVアーキテクチャ200は、図1に示す通信システム100のいくつかの実施形態を実施するのに用いられる。例えば、AMF110、SMF115、PCF120、及びUDM125のインスタンスを、NFVアーキテクチャ200内の仮想機能としてインスタンス化することができる。NFVアーキテクチャ200は、コンピューティングハードウェア202、ストレージハードウェア203、及びネットワークハードウェア204を含むハードウェアリソース201を含む。コンピューティングハードウェア202は、1つ以上のプロセッサを使用して実施され、ストレージハードウェア203は、1つ以上のメモリを使用して実施され、ネットワークハードウェア204は、1つ以上の送受信機、送信機、受信機、インタフェースなどを使用して実施される。
【0021】
ハードウェアリソース201の抽象表現を仮想化レイヤ205が提供する。仮想化レイヤ205によってサポートされる抽象表現は、NFV管理及びオーケストレーション(M&O)モジュール215の一部である仮想化インフラストラクチャマネージャ210を使用して管理することができる。マネージャ210のいくつかの実施形態は、NFVアーキテクチャ200で発生する可能性のあるパフォーマンス測定値及びイベントを収集して転送するように構成される。例えば、パフォーマンス測定値は、NFV M&O215で実施されるオーケストレータ(ORCH)217に転送され得る。ハードウェアリソース201及び仮想化レイヤ205は、仮想コンピューティングリソース221、仮想ストレージリソース222、及び仮想ネットワーキングリソース223を含む仮想リソース220を実施するのに用いられ得る。
【0022】
仮想ネットワーキング機能(VNF1、VNF2、VNF3)が、NFVインフラストラクチャ(例えば、ハードウェアリソース201)上で動作し、仮想リソース220を利用する。例えば、仮想ネットワーキング機能(VNF1、VNF2、VNF3)は、仮想コンピューティングリソース221によってサポートされる仮想マシン、仮想ストレージリソース222によってサポートされる仮想メモリ、または仮想ネットワークリソース223によってサポートされる仮想ネットワークを使用して実施され得る。仮想ネットワーキング機能(VNF1、VNF2、VNF3)の管理を、要素管理システム(EMS1、EMS2、EMS3)が担当する。例えば、要素管理システム(EMS1、EMS2、EMS3)は、障害とパフォーマンスの管理を担当し得る。いくつかの実施形態では、仮想ネットワーキング機能(VNF1、VNF2、VNF3)のそれぞれは、情報を交換し、マネージャ210またはオーケストレータ217とアクションを連係させる、対応するVNFマネージャ225によって制御される。
【0023】
NFVアーキテクチャ200は、運用支援システム(OSS)/ビジネス支援システム(BSS)230を含み得る。OSS/BSS230は、OSSの機能を利用した障害管理を含むネットワーク管理を扱う。OSS/BSS230はまた、BSSの機能を利用した顧客及び製品の管理を扱う。NFVアーキテクチャ200のいくつかの実施形態は、NFVアーキテクチャ200によってサポートされるサービス、仮想ネットワーク機能、またはインフラストラクチャの記述を格納するための記述子235のセットを使用する。記述子235内の情報は、NFV M&O215によって更新または変更が行われ得る。
【0024】
NFVアーキテクチャ200は、図1に示すAMF110、SMF115、AUSF120、及びUDM125のインスタンスなどの、コントロールプレーン機能またはユーザプレーン機能を提供するネットワークスライスを実施する。ネットワークスライスは、通信サービス及びネットワーク能力を提供する完全な論理ネットワークであり、スライスごとに異なり得る。ユーザ機器は、コアネットワークとユーザ機器との間の複数のサービスフローをサポートする複数のスライスに同時にアクセスすることができる。ユーザ機器のいくつかの実施形態では、ネットワークスライス選択支援情報(NSSAI)パラメータをネットワークに提供して、ユーザ機器のためのスライスインスタンスの選択を支援する。単一のNSSAIにより、複数のスライスが選択されるに至る場合がある。NFVアーキテクチャ200はまた、デバイス機能、サブスクリプション情報、及びローカルオペレータポリシーを使用して選択を行うことができる。NSSAIは、より小さな構成要素であるシングルNSSAI(S-NSSAI)の集まりであり、これらそれぞれがスライスサービスタイプ(SST)と、場合によってはスライス区分子(SD)とを含む。スライスサービスタイプは、(例えば、ブロードバンドまたは大規模なIoTに特化された)特徴及びサービスの観点から予想されるネットワークの挙動のことを指し、一方、スライス区分子は、同じタイプの複数のネットワークスライスインスタンスの中から選択して、例えば、様々なサービスに関連するトラフィックを別々のスライスに分離するのに役立ち得る。
【0025】
図3は、いくつかの実施形態による初期のNASメッセージに対するアクセス要求を実行するためのメッセージフロー300である。メッセージフロー300は、図1に示すユーザ機器140のいくつかの実施形態で実施される。ユーザ機器は、セッション管理レイヤ(5GSM)、モビリティ管理レイヤ(5GMM)、及び無線リソース制御(RRC)レイヤを含む。セッション管理レイヤは「上位」レイヤと呼ばれ、RRCレイヤは「下位」レイヤと呼ばれる。
【0026】
セッション管理レイヤは、PDUセッションの確立または変更の目的で、初期アップリンクNASトランスポートメッセージを送るための要求305を送信する。要求305の受信に応答して、モビリティ管理レイヤは、要求305のアクセスカテゴリまたは1つのアクセスID(または複数のアクセスID)を示すメッセージ310を送出する。要求及びアクセスカテゴリまたはアクセスIDを含むメッセージ310は、アクセス要求が規制されているかどうかを判定する下位RRCレイヤに送信される。RRCレイヤは、例えば、「規制されている」または「規制されていない」といった規制結果を示すメッセージ315を返す。アクセスカテゴリ内のアクセス要求、または1つのアクセスID(または複数のアクセスID)を有するアクセス要求が規制されているかどうかを判定するための技法の例が、2017年8月11日に出願された「NETWORK SLICE-SPECIFIC ACCESS BARRING FOR WIRELESS NETWORKS」(第62/544,519号)に開示されており、この出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。統合アクセス制御の技法の例が、3GPP技術仕様24.501に開示されており、この開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0027】
ユーザ機器は、メッセージ315中の返された情報に基づいて、移動機起動のNASトランスポートプロシージャを開始するかどうかを(320で)判定する。アクセス要求が規制されていることをメッセージ315が示す場合、ユーザ機器は、移動機起動のNASトランスポートプロシージャを開始しない。ユーザ機器は現在のサービングセルに留まり、通常のセル再選択プロセスを適用する。場合によっては、RRCレイヤは、その後、規制が緩和され、アクセス要求がもはや規制されていないことを示す別のメッセージ(図3には示さず)を返す。例えば、RRCレイヤは、以前に規制されたアクセス試行に関連するアクセスカテゴリまたはアクセス識別子に対して規制が緩和されたことを示すメッセージをモビリティ管理レイヤに返し得る。引き続き必要であれば、規制が緩和されたことを示すメッセージの受け取りに応答して、移動機起動のNASトランスポートプロシージャが開始される。
【0028】
図4は、いくつかの実施形態による3GPP接続または非3GPP接続を使用して、非初期のNASメッセージに対するアクセス要求を選択的に実行するためのメッセージフロー400である。メッセージフロー400は、図1に示すユーザ機器140のいくつかの実施形態で実施される。ユーザ機器は、SMSレイヤ(SMS)、モビリティ管理レイヤ(5GMM)、及び無線リソース制御(RRC)レイヤを含む。セッション管理レイヤは「上位」レイヤと呼ばれ、RRCレイヤは「下位」レイヤと呼ばれる。ユーザ機器は、接続モードで動作している。ユーザ機器のいくつかの実施形態は、接続インアクティブモードまたは接続アクティブモードで動作している。ユーザ機器では、例えば、5G規格に準拠した3GPP接続を介した通信と、無認可周波数帯域におけるWi-Fi接続などの非3GPP接続を介した通信とをサポートするために、送信機、受信機、または送受信機の複数のセットを実施する。図示の実施形態では、ユーザ機器は、3GPP接続及び非3GPP接続の両方を介してデータネットワークにアクセスするように登録されている。
【0029】
接続ユーザ機器のSMSレイヤは、3GPP接続を使用して非初期のアップリンクNASトランスポートメッセージを送るための要求405を送信する。図示の実施形態では、SMSレイヤは、移動機発SMSオーバNASメッセージを送るための要求405を送信する。SMSレイヤのいくつかの実施形態はまた、PDUセッションを確立するためのアップリンクNASトランスポートメッセージ、PDUセッションの変更を要求するためのアップリンクNASトランスポートメッセージなどを含む、他の非初期アップリンクNASトランスポートメッセージに対する要求を送信するように構成される。
【0030】
要求405の受信に応答して、モビリティ管理レイヤは、要求405のアクセスカテゴリまたは1つのアクセスID(または複数のアクセスID)を示すメッセージ410を送出する。メッセージ410は、3GPP接続のためのアクセス要求が規制されているかどうかを判定する下位RRCレイヤに送信される。RRCレイヤは、例えば、「規制されている」または「規制されていない」といった規制結果を示すメッセージ415を返す。次に、モビリティ管理レイヤは、非初期アップリンクNASトランスポートメッセージを配信するための接続を選択する。モビリティ管理レイヤのいくつかの実施形態は、第1の接続へのアクセスが規制されていることに応答して、3GPP接続と非3GPP接続とのどちらかを選択する。
【0031】
ユーザ機器は、メッセージ415中の返された情報に基づいて、3GPP接続を使用して、SMSオーバNASメッセージ(または他の非初期アップリンクNASトランスポートメッセージ)を送るための要求を送信するかどうかを(ブロック420で)判定する。アクセス要求が規制されていることをメッセージ415が示す場合、ユーザ機器のモビリティ管理レイヤは3GPP接続を選択しない。ユーザ機器は、3GPP接続のためのアクセス試行を起動する移動機起動NASトランスポートプロシージャを開始しない。ユーザ機器は現在のサービングセルに留まり、通常のセル再選択プロセスを適用する。
【0032】
ユーザ機器は、Wi-Fi接続などの非3GPP接続を介してデータネットワークと通信するように登録されているので、ユーザ機器は、非3GPP接続が利用可能かどうかを判定する。非3GPP接続が利用可能であれば、モビリティ管理レイヤは、ユーザ機器が非3GPP接続を介してSMSオーバNASメッセージ(または他の非初期アップリンクNASトランスポートメッセージ)を送信できると(ブロック425で)判定する。その結果として、ユーザ機器のモビリティ管理レイヤは、非3GPP接続を選択し、ユーザ機器で実施される非3GPPアクセス下位レイヤ(Wi-Fi)に要求430を送信する。要求430は、ユーザ機器が利用可能な非3GPP接続を使用して、SMSオーバNASメッセージ(または他の非初期アップリンクNASトランスポートメッセージ)を送ることである。
【0033】
非3GPP接続は、ユーザ機器にとって常に利用できるものではないため、ユーザ機器は、必ずしも非3GPP接続を介してSMSオーバNASメッセージ(または他の非初期アップリンクNASトランスポートメッセージ)を送ることができるとは限らない。その場合、ユーザ機器は、規制のため、アクセスを試みないことを継続する。その後、RRCレイヤが、規制が緩和され、以前に規制されたアクセス試行に関連するアクセスカテゴリまたはアクセス識別子に対してアクセス要求が規制されなくなったことを示す別のメッセージ(図4には示さず)を返す場合、規制が緩和されたことを示すそのメッセージの受信に応答して、移動機起動NASトランスポートプロシージャが(ブロック435で)起動される。
【0034】
図5は、いくつかの実施形態による3GPP接続及び非3GPP接続を介したネットワークアクセスをサポートするユーザ機器500のブロック図である。ユーザ機器500は、図1に示すユーザ機器140のいくつかの実施形態を実施するのに用いられる。ユーザ機器500は、図3に示すメッセージフロー300と、図4に示すメッセージフロー400とのいくつかの実施形態を実施するように構成される。
【0035】
ユーザ機器500は、SMSオーバNASメッセージを送るための要求を生成するSMSレイヤ505を含む。SMSレイヤ505のいくつかの実施形態はまた、PDUセッションを確立するためのアップリンクNASトランスポートメッセージ、PDUセッションの変更を要求するためのアップリンクNASトランスポートメッセージなどを含む、他の非初期アップリンクNASメッセージに対する要求を生成する。ユーザ機器500はまた、初期アップリンクNASメッセージを生成するセッション管理レイヤなどの他のレイヤ(図5には示さず)を実施し得る。ユーザ機器500は、PDUセッションの確立または変更の目的で、初期アップリンクNASトランスポートメッセージを送るように構成されたセッション管理レイヤ510を含む。
【0036】
ユーザ機器500のモビリティ管理レイヤ515は、SMSレイヤ505またはセッション管理レイヤ510のいずれかから要求を受け取ることに応答して、アクセス規制ステータスを判定するように構成される。モビリティ管理レイヤ515のいくつかの実施形態は、NASレイヤとも呼ばれ、要求に対するアクセスカテゴリまたは1つのアクセスID(または複数のアクセスID)を示すメッセージを生成する。モビリティ管理レイヤ515は、要求をRRCレイヤ520に送信し、RRCレイヤ520は、アクセス要求が3GPP接続に対して規制されているかどうかを判定する。RRCレイヤ520は、例えば、「規制されている」または「規制されていない」といった規制結果を示すメッセージをモビリティ管理レイヤ515に返す。
【0037】
ユーザ機器500はまた、Wi-Fi接続などの非3GPP接続を介した通信をサポートするための非3GPPアクセスレイヤ525を含む。RRCレイヤ520が、3GPP接続に対してアクセス要求が規制されていることを示すメッセージを返すことに応答して、モビリティ管理レイヤ515は、非3GPP接続を介して非初期アップリンクNASメッセージを送るために、非3GPPアクセスレイヤ525に要求を送信する。その結果、ユーザ機器500は、3GPP接続を介したアクセスが規制されているかどうかに応じて、3GPP接続または非3GPP接続を介して、非初期アップリンクNASメッセージを選択的に送信することができる。
【0038】
図6は、いくつかの実施形態による通信システム600のブロック図である。通信システム600は、5G規格に準拠して動作する基地局610を含む無線アクセスネットワークを介してアクセス可能であり、かつWi-Fi規格に準拠して動作するアクセスポイント615を介してアクセス可能である、コアネットワーク605を含む。通信システム600のいくつかの実施形態は、基地局610及びアクセスポイント615の代わりに、または基地局610及びアクセスポイント615と組み合わせて、RATに従って動作する他のデバイスを介してアクセス可能である。
【0039】
通信システム600は、図1に示すユーザ機器140と、図5に示すユーザ機器500とのいくつかの実施形態を実施するのに用いられるユーザ機器620を含む。ユーザ機器620は、アンテナ630を介して信号の送信及び受信を行うための送受信機625を含む。送受信機625のいくつかの実施形態は、3GPP接続640を介した基地局610との通信のための無線機635や、非3GPP接続650を介した無認可のWi-Fi周波数帯域(Wi-Fi)での通信のための無線機645など、種々の無線アクセス技術に従って通信するための複数の無線機を含む。ユーザ機器620はまた、プロセッサ655及びメモリ660を含む。プロセッサ655は、メモリ660に格納された命令を実行し、実行した命令の結果などの情報をメモリ660に格納する。送受信機625、プロセッサ655、及びメモリ660のいくつかの実施形態は、図3に示すメッセージフロー300と、図4に示すメッセージフロー400とを部分的に実行するように構成される。
【0040】
したがって、ユーザ機器620は、以下のような異常な場合を識別して、対処することができる。
異常な場合:下位レイヤは、アクセス試行が規制されていることを示す。
UEは、UE起動のNASトランスポートプロシージャを開始してはならない。UEは、現在のサービングセルに留まり、通常のセル再選択プロセスを適用することができる。
アクセス試行をトリガしたイベントが、移動機発SMSオーバNASを送信するための上位レイヤからの要求であり(例えば、移動機発SMSオーバNASを送るための上位レイヤからの要求により、アクセス試行は(移動機発SMS用の)アクセスカテゴリ6に分類される)、ユーザ機器(UE)が3GPPアクセス及び非3GPPアクセスの両方を介してネットワークに登録されている場合、UEは、利用可能であれば、非3GPPアクセスを介して、UL NASトランスポートメッセージを送信することができる。
それ以外の場合、アクセス試行と関連したアクセスカテゴリに対して規制が緩和されたことを下位レイヤが示すときに、まだ必要であれば、UE起動のNASトランスポートプロシージャが開始される。
【0041】
いくつかの実施形態では、上に述べた技法の特定の態様は、ソフトウェアを実行する処理システムの1つ以上のプロセッサによって実施され得る。このソフトウェアは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるか、または別の方法で有形に具体化される1つ以上の実行可能命令のセットを含む。ソフトウェアは、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、上記の技法の1つ以上の態様を実施するように1つ以上のプロセッサを操作する命令及び特定のデータを含み得る。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体には、例えば、磁気ディスクもしくは光ディスクの記憶デバイス、フラッシュメモリ、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのソリッドステート記憶デバイス、またはその他の1つもしくは複数の不揮発性メモリデバイスなどが含まれ得る。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に格納される実行可能命令は、ソースコード、アセンブリ言語コード、オブジェクトコード、または1つ以上のプロセッサによって解釈されるか、もしくは別の方法で実行可能な他の命令形式であってもよい。
【0042】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令及び/またはデータをコンピュータシステムに提供するために、使用中にコンピュータシステムによってアクセス可能な任意の記憶媒体、または記憶媒体の組み合わせを含み得る。そのような記憶媒体には、光媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク)、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、磁気テープ、または磁気ハードドライブ)、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)またはキャッシュ)、不揮発性メモリ(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)またはフラッシュメモリ)、または微小電気機械システム(MEMS)ベースの記憶媒体が含まれ得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティングシステムに組み込まれてもよく(例えば、システムRAMまたはROM)、コンピューティングシステムに固定的に取り付けられてもよく(例えば、磁気ハードドライブ)、コンピューティングシステムに取り外し可能に取り付けられてもよく(例えば、光学ディスクまたはユニバーサルシリアルバス(USB)ベースのフラッシュメモリ)、または有線もしくは無線ネットワークを介してコンピュータシステムに結合されてもよい(例えば、ネットワークアクセス可能ストレージ(NAS))。
【0043】
説明したものに加えて、上記の一般的説明で述べたアクティビティまたは要素の全てが必須ではないこと、特定のアクティビティまたはデバイスの一部は必要ない場合があること、及び1つ以上の追加のアクティビティを実行することができ、または要素を含めることができることに留意されたい。さらに、アクティビティがリストにされている順序は、必ずしもそれらが実行される順序ではない。また、概念は、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載された本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行い得ることが理解されよう。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で捉えられるべきであり、そのような修正は全て、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0044】
特定の実施形態に関して、利益、他の利点、及び問題に対する解決策を上記で説明している。ただし、利益、利点、及び問題に対する解決策、ならびに任意の利益、利点、または解決策を生じさせ得るか、もしくはより顕著になり得る任意の特徴(複数可)が、いずれかまたは全ての請求項の重要な、必須の、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0045】
さらに、開示された主題は、本明細書の教示の恩恵を受ける当業者には明らかな、異なっているが同等であるようにして修正され、実施され得るため、上記に開示された特定の実施形態は例示的なものに過ぎない。以下の特許請求の範囲に記載されている以外に、本明細書に示されている構造または設計の詳細については、いかなる制限も意図されていない。したがって、上記に開示された特定の実施形態は、変更または修正され得ることは明らかであり、そのような全ての変形は、開示された主題の範囲内で考慮される。したがって、本明細書で求められている保護は、以下の特許請求の範囲に記載されている通りである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6