(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】遊戯装置、遊戯プログラムおよび遊戯カード
(51)【国際特許分類】
A63F 13/95 20140101AFI20231027BHJP
A63F 1/02 20060101ALI20231027BHJP
A63F 1/06 20060101ALI20231027BHJP
A63F 13/20 20140101ALI20231027BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20231027BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
A63F13/95 A
A63F1/02 A
A63F1/06 Z
A63F13/20 A
A63F13/69 510
G06K19/06 037
G06K19/06 028
(21)【出願番号】P 2021072464
(22)【出願日】2021-04-22
(62)【分割の表示】P 2019109425の分割
【原出願日】2019-06-12
【審査請求日】2022-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】松野 勝太郎
(72)【発明者】
【氏名】北川 敏
(72)【発明者】
【氏名】扇谷 一樹
(72)【発明者】
【氏名】畑山 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】阿部 雄太
【審査官】関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-111745(JP,A)
【文献】特開2006-247166(JP,A)
【文献】特開平11-232479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F9/24
13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有タイトルを有し、当該固有タイトルに対応した識別情報を有する識別情報部を備える遊戯カードを用いた遊戯装置であって、
前記遊戯カードの前記識別情報部が有する前記識別情報を読み取り可能な識別情報読み取り手段と、
読み取った前記識別情報に基づいて前記固有タイトルに対応したスクラッチ画像を記憶部から抽出して画像表示部に表示可能なスクラッチ画像表示手段と、
を備え、
前記スクラッチ画像はスクラッチ部を有し、
さらに、前記遊戯装置は、
前記画像表示部に表示された前記スクラッチ画像の前記スクラッチ部に対してスクラッチ所作を付与可能なスクラッチ所作付与手段を備え、
前記スクラッチ画像表示手段は、前記スクラッチ所作付与手段において付与されるスクラッチ所作に合わせて前記スクラッチ部の画像を部分的に消去することによりスクラッチ部が徐々にスクラッチされていく様子を表示可能であることを特徴とする遊戯装置。
【請求項2】
前記識別情報部は、2次元コードから成る、
請求項1に記載の遊戯装置。
【請求項3】
前記識別情報部は、1次元コードから成る、
請求項1に記載の遊戯装置。
【請求項4】
前記遊戯カードは、仮想スクラッチ部をさらに備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の遊戯装置。
【請求項5】
前記仮想スクラッチ部は、前記識別情報部を囲むように設けられている、
請求項4に記載の遊戯装置。
【請求項6】
前記仮想スクラッチ部は、前記スクラッチ所作を行う際に使用可能なガイド表示を有する、
請求項4または5に記載の遊戯装置。
【請求項7】
前記遊戯カードは、前記固有タイトルが掲載されたタイトル部と、前記固有タイトルに対応した固有ピクチャーが掲載されたピクチャー部とをさらに備える、
請求項1~6のいずれか1項に記載の遊戯装置。
【請求項8】
前記スクラッチ画像の前記スクラッチ部のスクラッチ操作が完了したときに、前記識別情報に基づいて前記固有タイトルに対応したアイテム画像を前記記憶部から抽出して前記画像表示部に表示可能なアイテム画像表示手段をさらに備える、
請求項1~7のいずれか1項に記載の遊戯装置。
【請求項9】
前記画像表示部に表示された前記アイテム画像を登録するアイテム登録手段をさらに備える、
請求
項8に記載の遊戯装置。
【請求項10】
前記遊戯装置は、装置本体ユニットと操作ユニットとを有し、
前記識別情報読み取り手段と前記スクラッチ所作付与手段は前記操作ユニットに設けられている、
請求項1~9のいずれか1項に記載の遊戯装置。
【請求項11】
前記スクラッチ所作付与手段は、前記操作ユニットに設けられた変位検出部からの検出信号に基づいて前記スクラッチ所作を付与可能に構成されている、
請求項10に記載の遊戯装置。
【請求項12】
前記変位検出部は、3次元変位検出センサを含む、
請求項11に記載の遊戯装置。
【請求項13】
前記変位検出部は、2次元変位検出センサを含む、
請求項11に記載の遊戯装置。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1~13のいずれか1項に記載の遊戯装置の各手段として機能させるための遊戯プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊戯カードと、当該遊戯カードを用いた遊戯装置と、当該遊戯装置で実行可能な遊戯プロラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インターネットを通じて受信側端末に配信された当たり外れくじ代用のスクラッチ画像を当該受信側端末の画面に表示するものが開示されている。また、特許文献2には、受信側端末に広告メールと一緒に配信されたスクラッチ画像を当該受信側端末の画面に表示するものが開示されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1および2に記載のものは、いずれも、配信されたスクラッチ画像が受信側端末の画面に表示されるだけであるため、カードは現実には存在しない。スクラッチカード本来の楽しさは実存するカードのスクラッチ部分をスクラッチすることあるため、遊戯上は、これに近い所作を行えるようにしてスクラッチカード本来の楽しさを味わえるようにすることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-197361号公報
【文献】特開2005-222514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、スクラッチカード本来の楽しさを味わうことができる遊戯カード、遊戯装置および遊戯プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊戯カードは、固有タイトルを有する遊戯カードであって、前記固有タイトルに対応した識別情報を光学的に読み取り可能な形態で有する識別情報部を備えている。一方、本発明に係る遊戯装置は、前掲のカードを用いた遊戯装置であって、前記遊戯カードの前記識別情報部が有する前記識別情報を光学的に読み取り可能な識別情報読み取り手段と、読み取った前記識別情報に基づいて前記固有タイトルに対応したスクラッチ画像を記憶部から抽出して画像表示部に表示可能なスクラッチ画像表示手段と、前記画像表示部に表示された前記スクラッチ画像のスクラッチ部に対してスクラッチ所作を付与可能なスクラッチ所作付与手段とを備えている。本発明に係る遊戯プログラムは、コンピュータを前掲の遊戯装置の各手段として機能させる。また、本発明に係る遊戯装置は、固有タイトルを有し、当該固有タイトルに対応した識別情報を有する識別情報部を備える遊戯カードを用いた遊戯装置であって、前記遊戯カードの前記識別情報部が有する前記識別情報を読み取り可能な識別情報読み取り手段と、読み取った前記識別情報に基づいて前記固有タイトルに対応したスクラッチ画像を記憶部から抽出して画像表示部に表示可能なスクラッチ画像表示手段と、を備え、前記スクラッチ画像はスクラッチ部を有し、さらに、前記遊戯装置は、前記画像表示部に表示された前記スクラッチ画像の前記スクラッチ部に対してスクラッチ所作を付与可能なスクラッチ所作付与手段とを備え、前記スクラッチ画像表示手段は、前記スクラッチ所作付与手段において付与されるスクラッチ所作に合わせて前記スクラッチ部の画像を部分的に消去することによりスクラッチ部が徐々にスクラッチされていく様子を表示可能であることを特徴とする。また、本発明に係る遊戯装置においては、前記識別情報部は、2次元コードから成るようにしてもよい。また、また、本発明に係る遊戯装置においては、前記識別情報部は、1次元コードから成るようにしてもよい。また、また、本発明に係る遊戯装置においては、前記遊戯カードは、仮想スクラッチ部をさらに備えるようにしてもよい。また、本発明に係る遊戯装置においては、前記仮想スクラッチ部は、前記識別情報部を囲むように設けられていてもよい。また、本発明に係る遊戯装置においては、前記仮想スクラッチ部は、前記スクラッチ所作を行う際に使用可能なガイド表示を有するようにしてもよい。また、本発明に係る遊戯装置においては、前記遊戯カードは、前記固有タイトルが掲載されたタイトル部と、前記固有タイトルに対応した固有ピクチャーが掲載されたピクチャー部とをさらに備えるようにしてもよい。また、本発明に係る遊戯装置においては、前記スクラッチ画像の前記スクラッチ部のスクラッチ操作が完了したときに、前記識別情報に基づいて前記固有タイトルに対応したアイテム画像を前記記憶部から抽出して前記画像表示部に表示可能なアイテム画像表示手段をさらに備えるようにしてもよい。また、本発明に係る遊戯装置においては、前記画像表示部に表示された前記アイテム画像を登録するアイテム登録手段をさらに備えるようにしてもよい。また、本発明に係る遊戯装置においては、前記遊戯装置は、装置本体ユニットと操作ユニットとを有し、前記識別情報読み取り手段と前記スクラッチ所作付与手段は前記操作ユニットに設けられているようにしてもよい。また、本発明に係る遊戯装置においては、前記スクラッチ所作付与手段は、前記操作ユニットに設けられた変位検出部からの検出信号に基づいて前記スクラッチ所作を付与可能に構成されてもよい。また、本発明に係る遊戯装置においては、前記変位検出部は、3次元変位検出センサを含むようにしてもよい。また、本発明に係る遊戯装置においては、前記変位検出部は、2次元変位検出センサを含むようにしてもよい。一方、本発明に係る遊戯プログラムは、コンピュータを前掲の遊戯装置の各手段として機能させる。また、本発明に係る遊戯カードは前掲の遊戯装置において用いられるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る遊戯カード、遊戯装置および遊戯プログラムによれば、スクラッチカード本来の楽しさを味わうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1(A)は本発明に係る遊戯カードの表面を示す図、
図1(B)は同遊戯カードの裏面を示す図である。
【
図2】
図2(A)および
図2(B)は
図1(B)の識別情報部の好ましい例を示す拡大図である。
【
図3】
図3は本発明に係る遊戯装置の制御系を示す図である。
【
図5】
図5は遊戯途中の画像表示部の表示画像を示す図である。
【
図6】
図6は遊戯途中の画像表示部の表示画像を示す図である。
【
図7】
図7は遊戯方法の画像表示部の表示画像を示す図である。
【
図8】
図8は遊戯方法の画像表示部の表示画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《遊戯カード》
まず、
図1および
図2を用いて、本発明に係る遊戯カード100の一例について説明する。
図1および
図2に例示した遊戯カード100は紙や合成樹脂等を材料として形成されており、表面(一方の面)100aにタイトル部101とピクチャー部102とコメント部103とを備え、裏面(他方の面)100bに識別情報部105と仮想スクラッチ部105とを備えている。
【0010】
図示例の遊戯カード100は、現実または空想の魚類をモチーフとして各種用意されたものであるため、タイトル部101には固有タイトル(現実または空想の魚の名前等)が掲載され、ピクチャー部102には固有タイトルに対応した固有ピクチャー(現実または空想の魚の絵、写真またはイラストレーション等)が掲載され、コメント部103には固有タイトルおよび固有ピクチャーに関係した説明(現実または空想の魚の名前の由来、属性、生息地、レア度等)が掲載されている。
【0011】
識別情報部104は、固有タイトルに対応した識別情報を光学的に読み取り可能な形態で有している。この識別情報部104が有する識別情報は、固有タイトルに対応したスクラッチ画像IM1を抽出する際(
図5を参照)に用いられる。識別情報部104の形態は識別情報の光学的な読み取りが可能であれば特段の制限は無いが、好ましくは
図2(A)に例示した2次元コード104-1または
図2(B)に例示した1次元コード104-2から成る。
【0012】
図2(A)に例示した2次元コード104-1について補足すると、マトリックス式のものとしては、データマトリックスやQRコード(登録商標)やベリコード等の公知のものが適宜使用可能であり、スタック式のものとしては、PDF417やCODE49等の公知のものが適宜使用可能である。また、
図2(B)に例示した1次元コードについて補足すると、JANやITFやNW-7やCODE39やCODE128等の公知のものが適宜使用可能である。
【0013】
仮想スクラッチ部105は、遊戯カード100に設けられた仮想のスクラッチ部分であって、ガイド表示として矢印で表されたなぞり線105aを有している。この仮想スクラッチ部105のなぞり線105aは、スクラッチ画像IM1のスクラッチ部IM1aに対してスクラッチ所作を付与する際(
図6を参照)に用いられる。
図1(B)には識別情報部104を囲むように仮想スクラッチ部105を設けたものものを例示しているが、識別情報部104と仮想スクラッチ部105は左右または上下に並設されていてもよい。また、
図1(B)にはなぞり線105aとして矩形状の螺旋形から成る線および矢印を例示しているが、円状の螺旋形から成る線および矢印や、ジグザグ線から成る線および矢印や、波線から成る線および矢印等をなぞり線105aとして採用してもよい。またガイド表示として、なぞり線以外にも動作内容を指示した文字や画像・マーク等を採用することもできる。
【0014】
《遊戯装置》
次に、
図3を用いて、本発明に係る遊戯装置(符号省略)の一例について説明する。
図3に例示した遊戯装置は、装置本体ユニット200と操作ユニット300とから構成されている。
【0015】
装置本体ユニット200は、所期の動作プログラムが格納されたマイクロコンピュータ構成の主制御部201と、カラー液晶ディスプレイ等の画像表示部202と、スピーカ等の音声出力部203と、記憶部204と、無線通信用の送受信部205とを備えている。この装置本体ユニット200の形態には、好ましくは据え置き可能なユニット筐体に主制御部201と画像表示部202と音声出力部203と記憶部204と送受信部205とを収容した形態が採用できる。図示を省略したが、装置本体ユニット200は、画像表示部202の代わりに既存のカラーテレビを使用するためのインターフェースも備えている。
【0016】
記憶部204には、画像表示部202に表示可能な[1]各種遊戯カード100の固有タイトルに対応した各種スクラッチ画像IM1(
図5を参照)、[2]宝箱画像IM2およびIM2a(
図7および
図8を参照)、および[3]各種遊戯カード100の固有タイトルに対応した各種アイテム画像IM3(
図8を参照)の他、画像表示部202に表示可能な各種文字メッセージと、音声出力203から出力可能な各種音声メーセージが記憶されている。
【0017】
送受信部205は、近距離無線通信規格、例えばBluetooth(登録商標)やNFC等に準拠のデバイスを使用したものであって、操作ユニット300との無線通信を可能としている。
【0018】
一方、操作ユニット300は、所期の動作プログラムが格納されたマイクロコンピュータ構成の主制御部301と、識別情報読み取り部302と、変位検出部303と、指示部304と、送受信部305とを備えている。この操作ユニット300の形態には、好ましくは手持ち可能なユニット筐体に主制御部301と変位検出部303と識別情報読み取り部302と変位検出部303と指示部304と送受信部305とを収容した形態が採用できる。
【0019】
識別情報読み取り部302は、遊戯カード100の識別情報部104から識別情報を光学的に読み取り可能なものであって、識別情報部104が
図2に示した2次元コード104-1またはバーコード104-2から成る場合には、赤外線利用または赤外線非利用のコードリーダやデジタルカメラ等で撮像した画像を2値化して当該2値化画像から識別情報(2値データ)を認識して出力する機能を有している。
【0020】
変位検出部303は、スクラッチ所作の検出に用いられるものであって、例えばジャイロセンサや加速度センサ等から成る3次元変位検出センサの検出信号から操作ユニット300それ自体の3次元変位を得て、当該3次元変位をスクラッチ所作として出力する機能を有している。
【0021】
ちなみに、変位検出部303には、例えば4個のスイッチング素子と可動スティックとの組み合わせデバイス等から成る2次元変位検出センサの検出信号から可動スティックの動きに応じた2次元変位を得て、当該2次元変位をスクラッチ所作として出力する機能を有するものも使用可能であるため、変位検出部303を3次元変位検出センサを用いたものと2次元変位検出センサを用いたものの両方を有するものとしてもよい。
【0022】
指示部304は、遊戯途中で装置本体ユニット200の画像表示部202に表示された文字および音声メッセージに応じて所望の指示を行うためのものであって、例えばスイッチング素子と可動ボタンとの組み合わせデバイス等から成る複数のボタンスイッチの検出信号を所望の指示として出力する機能を有している。
【0023】
送受信部305は、近距離無線通信規格、例えばBluetooth(登録商標)やNFC等に準拠のデバイスを使用したものであって、装置本体ユニット200との無線通信を可能としている。
【0024】
《遊戯方法》
次に、
図4~
図8を用いて、前述の遊戯カード100および遊戯装置(装置本体ユニット200と操作ユニット300)による遊戯方法の一例について説明する。
【0025】
遊戯に際して装置本体ユニット200および操作ユニット300を起動すると、記憶部204から抽出された「遊戯カードの識別情報の読み取りを開始してください」等の文字メーセージが装置本体ユニット200の画像表示部202に表示されるとともに、その音声メッセージが装置本体ユニット200の音声出力部203から出力される(
図4のステップST11を参照)。
【0026】
遊戯者はこのメッセージ出力に基づき、手持ちの遊戯カード100の識別情報部200に操作ユニット300の識別情報読み取り部302を向け、指定された指示部304(複数のボタンスイッチの1つ)を押して、識別情報部200が有する識別情報の読み取りを行う。
【0027】
識別情報の読み取りおよび認識が正常に行われると、認識された識別情報(2値データ)が操作ユニット300から装置本体ユニット200に送られ、当該識別情報に基づいて遊戯カード100の固有タイトルに対応したスクラッチ画像IM1が装置本体ユニット200の記憶部204から抽出され、抽出されたスクラッチ画像IM1が装置本体ユニット200の画像表示部202に表示される(
図4のステップST12およびST14を参照、
図5を参照)。
図5に示したスクラッチ画像IM1は遊戯カード100の裏面100bに一致または略一致し、仮想スクラッチ部105に対応したスクラッチ部IM1aを有しているが、なぞり線105aに該当する線はスクラッチ部IM1aに無くてもよい。
【0028】
なお、読み取りが行われても識別情報の認識が正常に行えないときには、記憶部204から抽出された「識別情報が認識できません。再度読み取りを行ってください」等の文字メーセージが装置本体ユニット200の画像表示部202に表示されるともに、その音声メッセージが装置本体ユニット200の音声出力部203から出力される(
図4のステップST13を参照)。
【0029】
抽出されたスクラッチ画像IM1が装置本体ユニット200の画像表示部202に表示れると、記憶部204から抽出された「遊戯カードの仮想スクラッチ部(105)のなぞり線(105a)を参考として画面上のポインタを移動させてスクラッチを行ってください」等の文字メーセージが装置本体ユニット200の画像表示部202に表示されるとともに、その音声メッセージが装置本体ユニット200の音声出力部203から出力される(
図4のステップST15を参照)。
【0030】
遊戯者はこのメッセージ出力に基づき、指定された指示部304(複数のボタンスイッチの1つ)を押しながら、遊戯カード100の仮想スクラッチ部105のなぞり線105aに沿って操作ユニット300それ自体を動かして画像表示部202に表示されているポインタを移動させるか、あるいは、なぞり線105aと類似の軌跡となるように遊戯カード100から離れた位置(例えば空中)で操作ユニット300それ自体を動かして画像表示部202に表示されているポインタを移動させる。
【0031】
操作ユニット300には3次元変位検出センサを用いた変位検出部303が設けられているため、操作ユニット300それ自体を動かしたときに得られる3次元変位検出センサの検出信号に基づいてポインタ移動(スクラッチ所作の付与)を行うことができる。また、操作ユニット300に2次元変位検出センサを用いた変位検出部が併設されている場合には、可動スティックを動かしてもポインタ移動(スクラッチ所作の付与)を行うことができる。
【0032】
画像表示部202に表示されているポインタが移動すると、当該画像表示部202に表示されているスクラッチ画像IM1のスクラッチ部IM1aにポインタ移動に伴うスクラッチ所作が付与されて、当該スクラッチ部IM1aがスクラッチ所作に合わせて徐々にスクラッチされていく様子IM1b(
図6を参照)が表示される。
【0033】
図6に示したスクラッチ部IM1aがスクラッチ所作に合わせて徐々にスクラッチされていく様子IM1bは、スクラッチ部IM1aの画像をスクラッチ画像IM1の上に重ねて表示し、ポインタ移動に合わせて当該スクラッチ部IM1aの画像を部分的に消去する方法にて表すことができる。
【0034】
スクラッチ所作が正常に付与されると(ここでの「正常に付与」はポインタの移動軌跡がなぞり線105aと完全一致することを意味するものではなく、ポインタの移動軌跡がなぞり線105aの形および長さと概ね合っていることを意味する)、画像表示部202に表示されているスクラッチ画像IM1のスクラッチ部IM1aが閉塞した宝箱画像IM2に切り替わり、その後に当該宝箱画像IM2が開放した宝箱画像IM2aに切り替わるとともに当該開放した宝箱画像IM2aと一緒にアイテム画像IM3が装置本体ユニット200の画像表示部202に表示される(
図4のステップST16およびST18、
図7および
図8を参照)。
図7および
図8に示した閉塞した宝箱画像IM2および開放した宝箱画像IM2aは遊戯カード100の固有タイトルに拘わらず全てで共通としてもよい。一方、
図8に示したアイテム画像IM3は前述の遊戯カード100の固有タイトルに対応したものであって、識別情報に基づいて装置本体ユニット200の記憶部204から抽出され、開放した宝箱画像IM2aと一緒に表示される。
【0035】
ちなみに、アイテム画像IM3に特段の制限はないが、遊戯カード100が現実または空想の魚類をモチーフとして各種用意されたものの場合には、釣り竿、釣り糸、ルアー、リール等の画像をアイテム画像IM3として例示することができる。また、遊戯カード100が釣り関連のゲームソフトウェアで選択可能なモード(例えばスクラッチモード等)と関係している場合には、前記に加えて、釣り場、釣り船、各種薬等の画像をアイテム画像IM3として例示することができる。
【0036】
なお、スクラッチ所作が正常に付与されていないときには(ここでの「正常に付与されていない」はポインタの移動軌跡がなぞり線105aの形および長さと明らかに異なっていることを意味する)、記憶部204から抽出された「スクラッチが行えません。再度スクラッチを行ってください」等の文字メーセージが装置本体ユニット200の画像表示部202に表示されるともに、その音声メッセージが装置本体ユニット200の音声出力部203から出力される(
図4のステップST17を参照)。
【0037】
アイテム画像IM3が表示されると、記憶部204から抽出された「アイテムを登録するときは登録ボタンを、登録しないときは非登録ボタンを押してください」等の文字メーセージが装置本体ユニット200の画像表示部202に表示されるとともに、その音声メッセージが装置本体ユニット200の音声出力部203から出力される(
図4のステップST19を参照)。
【0038】
遊戯者はこのメッセージ出力に基づき、登録する場合には指定された指示部304(複数のボタンスイッチの1つ)を押し、登録しない場合には指定された指示部304(複数のボタンスイッチの1つ)を押す。
【0039】
アイテム登録が選択されると、アイテム画像IM3が装置本体ユニット200の記憶部204に設けられたアイテム図鑑等のフォルダに登録され、記憶部204から抽出された「アイテムの登録が完了しました。続けて、遊戯カードの識別情報の読み取りを行う場合には継続ボタンを、行わない場合には終了ボタンを押してください」等の文字メーセージが装置本体ユニット200の画像表示部202に表示されるとともに、その音声メッセージが装置本体ユニット200の音声出力部203から出力される(
図4のステップST20、ST22およびST23を参照)。
【0040】
遊戯者はこのメッセージ出力に基づき、継続する場合には指定された指示部304(複数のボタンスイッチの1つ)を押し、終了する場合には指定された指示部304(複数のボタンスイッチの1つ)を押す。継続が選択された場合にはステップS11に戻り、終了が選択された場合には一連の処理が終了する。
【0041】
一方、アイテム非登録が選択されると、記憶部204から抽出された「続けて、遊戯カードの識別情報の読み取りを行う場合には継続ボタンを、行わない場合には終了ボタンを押してください」等の文字メーセージが装置本体ユニット200の画像表示部202に表示されるとともに、その音声メッセージが装置本体ユニット200の音声出力部203から出力される(
図4のステップST21を参照)。
【0042】
遊戯者はこのメッセージ出力に基づき、継続する場合には指定された指示部304(複数のボタンスイッチの1つ)を押し、終了する場合には指定された指示部304(複数のボタンスイッチの1つ)を押す。継続が選択された場合にはステップS11に戻り、終了が選択された場合には一連の処理が終了する。
【0043】
《主たる作用効果》
次に、前述の遊戯カード100および遊戯装置(装置本体ユニット200と操作ユニット300)によって得られる主たる作用効果について説明する。
【0044】
実存する遊戯カード100に、固有タイトルに対応した識別情報を光学的に読み取り可能な形態で有する識別情報部104を設ける一方、遊戯装置の操作ユニット300の識別情報読み取り部302によって遊戯カード100の識別情報部104から識別情報を読み取って、読み取った識別情報に基づいて固有タイトルに対応したスクラッチ画像IM1を装置本体ユニット200の画像表示部202に表示し、画像表示部に表示されたスクラッチ画像IM1のスクラッチ部IM1aに対し操作ユニット300を利用してスクラッチ所作を付与できるため、遊戯者は実存するカードのスクラッチ部分をスクラッチする場合と同様の楽しさ(スクラッチカード本来の楽しさ)を味わうことができる。
【0045】
また、スクラッチが完了したときに、前記識別情報に基づいて遊戯カード100の固有タイトルに対応したアイテム画像IM3を装置本体ユニット200の画像表示部202に表示し、しかも、当該アイテム画像IM3を選択的に登録できるため、前掲の楽しさに加えて、アイテム取得の楽しさも併せて味わうことができる。とりわけ、遊戯カード100が現実または空想の魚類をモチーフとして各種用意されたものの場合には、釣り竿、釣り糸、ルアー、リール等の画像をアイテム画像IM3と準備しておけば、遊戯カード100に関連するアイテムを取得できるため楽しさがより一層向上する。
【0046】
《変形例》
次に、前述の遊戯カード100および遊戯装置(装置本体ユニット200と操作ユニット300)の変形例について説明する。
【0047】
(1)遊戯カード100として魚類をモチーフとしたものを例示したが、当該遊戯カードは魚類以外の生物や無生物、景色、仮想生命体、空想世界等の様々なものをモチーフとしたものあってもよい。この場合のタイトル部111とピクチャー部102とコメント部103にはモチーフに応じたものが適宜掲載される。
【0048】
(2)遊戯カード100のピクチャー部102に掲載された固有ピクチャーに係る攻撃力や防御力等をコメント部103または別箇所に記載すれば、モチーフに拘わらず、遊戯カード100を一般の対戦カードとして用いた遊戯も可能となる。
【0049】
(3)遊戯装置として、無線通信可能な装置本体ユニット200と操作ユニット300とから構成されたものを例示したが、装置本体ユニット200と操作ユニット300とをケーブルによって接続し当該ケーブルを通じて相互通信を行うようにしてもよい。また、装置本体ユニット200と操作ユニット300が一体化された装置構成としてもよい。
【0050】
(4)遊戯カード100の仮想スクラッチ部105に設けたなぞり線105aをスクラッチ所作を付与する際の参考とするものを例示したが、なぞり線105aを簡略化したもの、例えば左右往復変位や上下往復変位等に準じたものとして、スクラッチ所作の付与の難易度を下げてもよい。この場合、画像表示部202のスクラッチ用のポインタの表示を無くしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10…遊戯カード、101…タイトル部、102…ピクチャー部、104…識別情報部105…仮想スクラッチ部、105a…なぞり線、200…装置本体ユニット、201…主制御部、202…画像表示部、203…音声出力部、204…記憶部、205…送受信部、300…操作ユニット、301…主制御部、302…識別情報読み取り部、303…変位検出部、304…指示部、305…送受信部。