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特許7374156ロボット掃除機の排出用インターフェース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】ロボット掃除機の排出用インターフェース
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20231027BHJP
   A47L 9/10 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
A47L9/28 E
A47L9/10 D
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021164072
(22)【出願日】2021-10-05
(62)【分割の表示】P 2019161280の分割
【原出願日】2019-09-04
(65)【公開番号】P2022019717
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】16/122,432
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】313013863
【氏名又は名称】アイロボット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ウェスリー・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・エイチ・シュリースハイム
(72)【発明者】
【氏名】クァンシ・ファン
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-500998(JP,A)
【文献】特表2017-536938(JP,A)
【文献】特表2018-522613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00 - 9/32
A47L 11/00 - 11/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出ステーションであって、
自律型掃除ロボットを受け入れるように構成されたドッキングプラットフォームと、
前記自律型掃除ロボットと接合するように構成された取り入れ口を備えた1つまたは複数の導管と、
前記自律型掃除ロボットから排出されたゴミを受け入れるように構成されたフィルタ袋と、
前記排出ステーションのステータスを提示するように構成されたインジケータと、
前記自律型掃除ロボットと通信するように構成された送受信機と、を備え、前記送受信機が前記排出ステーションの前記ステータスに基づいて、前記自律型掃除ロボットに信号を送信するように構成され
前記自律型掃除ロボットはゴミ容器を備え、
前記自律型掃除ロボットは、1つまたは複数の条件が満たされたことに基づき、いつ前記ゴミ容器を前記排出ステーションで空にするかを自動的に判断する、
排出ステーション。
【請求項2】
前記インジケータが、前記排出ステーションの前記ステータスに基づいて、第1の状態から第2の状態に変化するように構成された発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を含む、請求項1に記載の排出ステーション。
【請求項3】
前記第1の状態から前記第2の状態への変化が、前記LEDの色の変化または前記LEDの点滅パターンの変化を含む、請求項2に記載の排出ステーション。
【請求項4】
前記第2の状態が、前記排出ステーションでのエラー状態を表す、請求項2に記載の排出ステーション。
【請求項5】
前記エラー状態が、前記排出ステーションが詰まっていることを表す、請求項4に記載の排出ステーション。
【請求項6】
前記エラー状態が、前記排出ステーションの前記フィルタ袋が満杯であることを表す、請求項4に記載の排出ステーション。
【請求項7】
前記エラー状態が、前記排出ステーションの前記フィルタ袋がないことを表す、請求項4に記載の排出ステーション。
【請求項8】
前記エラー状態が、前記自律型掃除ロボットと前記排出ステーションとの間の通信エラーを表す、請求項4に記載の排出ステーション。
【請求項9】
前記エラー状態が、前記排出ステーションの蓋が開いていることを表す、請求項4に記載の排出ステーション。
【請求項10】
前記エラー状態が、モータ故障を表す、請求項4に記載の排出ステーション。
【請求項11】
前記信号が、前記自律型掃除ロボットに音声信号を発させる、または前記自律型掃除ロボットのインジケータを点灯させるための制御信号を含む、請求項1に記載の排出ステーション。
【請求項12】
前記排出ステーションに含まれている1つまたは複数のセンサを介して排出ステーションのステータスを検出して、前記インジケータを制御して排出ステーションのステータスを提示するように構成された制御部を更に備える、請求項1に記載の排出ステーション。
【請求項13】
前記制御部は、圧力センサを介して定常状態圧力を検出して、検出された定常状態圧力に基づいて排出ステーションのステータスを検出するように構成されている、請求項12に記載の排出ステーション。
【請求項14】
前記送受信機は、排出ステーションと動作可能に通信する携帯型デバイスに、排出ステーションのステータスを示すデータを送信するように更に構成されている、請求項1に記載の排出ステーション。
【請求項15】
移動型ロボットシステムであって、
自律型掃除ロボットと、
排出ステーションとを備えていて、前記排出ステーションは、
前記自律型掃除ロボットを受け入れるように構成されたドッキングプラットフォームと、
前記自律型掃除ロボットと接合するように構成された取り入れ口を備えた1つまたは複数の導管と、
前記自律型掃除ロボットから排出されたゴミを受け入れるように構成されたフィルタ袋と、
前記排出ステーションのステータスを提示するように構成されたインジケータと、
前記自律型掃除ロボットと通信するように構成された送受信機と、を含み、前記送受信機が前記排出ステーションの前記ステータスに基づいて、前記自律型掃除ロボットに信号を送信するように構成され
前記自律型掃除ロボットはゴミ容器を備え、
前記自律型掃除ロボットが、1つまたは複数の条件が満たされたことに基づき、いつ前記ゴミ容器を前記排出ステーションで空にするかを自動的に判断する、
移動型ロボットシステム。
【請求項16】
前記排出ステーションの状態が、前記排出ステーションでのエラー状態を表す、請求項15に記載の移動型ロボットシステム。
【請求項17】
前記エラー状態が、前記排出ステーションが詰まっていることを表す、請求項16に記載の移動型ロボットシステム。
【請求項18】
前記エラー状態が、前記自律型掃除ロボットと前記排出ステーションとの間の通信エラーを表す、請求項16に記載の移動型ロボットシステム。
【請求項19】
前記エラー状態が、前記排出ステーションの蓋が開いていることを表す、請求項16に記載の移動型ロボットシステム。
【請求項20】
前記自律型掃除ロボットに送信される信号が、前記自律型掃除ロボットに音声信号を発させる、または前記自律型掃除ロボットのインジケータを点灯させるための制御信号を含む、請求項15に記載の移動型ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は概して、自律型掃除ロボットと、排出ステーションとの制御システムに関する。一例示的システムにおいて、自律型掃除ロボットおよび排出ステーションの管理、制御にユーザインターフェースが使用される。
【背景技術】
【0002】
自律型掃除ロボットは、連続的に人が誘導することのない環境において、吸い込み掃除のような所望の掃除動作を実行できるロボットである。自律型掃除ロボットは、吸い込んだゴミが詰まったゴミ容器を空にするために、自動的に排出ステーションにドッキングできる。排出動作中、排出ステーションはロボットが集めたゴミを排出ステーションに取り込むことができる。取り込んだゴミは、排出ステーション内の貯蔵部内に貯蔵できる。貯蔵部に集められたゴミが、貯蔵部のゴミ容量一杯に溜まると、ユーザは手動でゴミを取り出せる。これにより、排出ステーションはさらに排出動作を実行できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書には、自律型ロボットを制御および管理する方法およびデバイスの例が記載される。当該ロボットは、床面を並進しながら、各種動作を実行するように構成される。各種動作としては、掃除が挙げられるが、それに限られない。自律型掃除ロボットは、そのゴミ収集容器の中身を全て排出ステーション内のフィルタ袋内に排出するため、排出ステーションと接合することができる。自律型掃除ロボットおよび排出ステーションのステータスを、監視、ユーザ制御等のために、携帯型デバイスのディスプレイに提示できる。それによる利点としては、以下に、そして本明細書の他部に記載されるものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0004】
本明細書に記載された利点として、携帯型デバイスにより実行されるモバイルアプリケーションが、ロボットおよび排出ステーションのステータスを、ユーザが遠隔監視できるように提示できることが挙げられる。これにより、ユーザは予定された掃除工程中に、例えばその職場などのような遠隔地からロボットの監視、制御が可能となる。また、自律型掃除ロボットがユーザからの繰返し入力無しでゴミ容器を空にできるように、自動排出設定を変更できる。この処理により、効率的な掃除と、ユーザからの指示待ちによるロボットのダウンタイムの短縮を実現できる。さらに、ステータスの提示により、例えばフィルタ袋満杯のような、排出ステーションにおける一般的な問題を解消するために、モバイルアプリケーションは指示を提示できる。
【0005】
ある態様において、本明細書は、自律型掃除ロボットを動作させる方法を提供する。方法は、携帯型コンピューティングデバイスで、自律型掃除ロボットのゴミ収集容器のステータスであって、容器満杯読取を含む容器のステータスを表すデータを受信することを含む。方法は、携帯型コンピューティングデバイスで、排出ステーションのフィルタ袋のステータスであって、袋満杯読取を含むフィルタ袋のステータスを表すデータを受信することをさらに含む。方法は、携帯型コンピューティングデバイスのディスプレイに、容器満杯読取を表す第1のステータスインジケータを提示することと、携帯型コンピューティングデバイスのディスプレイに、袋満杯読取を表す第2のステータスインジケータの提示することと、をさらに含む。
【0006】
いくつかの形態では、第1のステータスインジケータが、自律型掃除ロボットの容器が満杯であることを示す。
【0007】
いくつかの形態では、第2のステータスインジケータが、排出ステーションのフィルタ袋が満杯であることを示す。
【0008】
いくつかの形態では、方法は、携帯型コンピューティングデバイスから自律型掃除ロボットへの送信を開始することをさらに含み、送信が、自律型掃除ロボットを排出ステーションにドッキングさせて、容器を空にさせるデータを含む。
【0009】
いくつかの形態では、方法は、携帯型コンピューティングデバイスで、自律型掃除ロボットから、容器が空だという通知を受信することをさらに含む。
【0010】
いくつかの形態では、方法は、容器を空にした事例の回数を表す計数を、携帯型コンピューティングデバイスのディスプレイに提示することをさらに含む。
【0011】
いくつかの形態では、方法は、自律型掃除ロボットへの送信を開始することをさらに含み、送信が、容器満杯読取が容器が満杯であることを示すときに自律型掃除ロボットに掃除を継続させるデータを含む。
【0012】
いくつかの形態では、方法は、自律型掃除ロボットへの送信を開始することをさらに含み、送信が、1つまたは複数の条件が満たされたことに基づいて、自律型掃除ロボットを排出ステーションにドッキングさせて、容器を空にさせるデータを含む。
【0013】
いくつかの形態では、方法は、排出ステーションによって自律型掃除ロボットの容器を空にする完了度を示すように構成された進度図形を、携帯型コンピューティングデバイスのディスプレイに提示することをさらに含む。
【0014】
いくつかの形態では、方法は、排出ステーションで自律型掃除ロボットの容器を空にするために経過した時間量を表す時間インジケータを、携帯型コンピューティングデバイスのディスプレイに提示することをさらに含む。
【0015】
いくつかの形態では、携帯型コンピューティングデバイスで受信された、自律型掃除ロボットのゴミ収集容器のステータスを表すデータが、自律型掃除ロボットから受信される。
【0016】
いくつかの形態では、携帯型コンピューティングデバイスで受信された、排出ステーションのフィルタ袋のステータスを表すデータが、自律型掃除ロボットから受信される。
【0017】
別の態様において、1つまたは複数の入力と、ディスプレイと、プロセッサと、を備える携帯型コンピューティングデバイスが開示される。プロセッサが、自律型掃除ロボットの容器のステータスであって、容器満杯読取を含む容器のステータスを表すデータを受信するように構成されている。プロセッサが、排出ステーションのフィルタ袋のステータスであって、袋満杯読取を含むフィルタ袋のステータスを表すデータを受信するように構成されている。プロセッサが、携帯型コンピューティングデバイスのディスプレイに、容器満杯読取を表す第1のステータスインジケータを提示するように構成されている。プロセッサが、携帯型コンピューティングデバイスのディスプレイに、袋満杯読取を表す第2のステータスインジケータを提示するように構成されている。
【0018】
いくつかの形態では、第1のステータスインジケータが、自律型掃除ロボットの容器が満杯であることを示す。
【0019】
いくつかの形態では、第2のステータスインジケータが、排出ステーションのフィルタ袋が満杯であることを示す。
【0020】
いくつかの形態では、プロセッサがさらに、自律型掃除ロボットへの送信を開始するように構成され、送信が、自律型掃除ロボットを排出ステーションにドッキングさせて、容器を空にさせるデータを含む。
【0021】
いくつかの形態では、プロセッサがさらに、自律型掃除ロボットから、容器が空だという通知を受信するように構成されている。
【0022】
いくつかの形態では、プロセッサがさらに、容器を空にした事例の回数を表す計数を、ディスプレイに提示するように構成されている。
【0023】
いくつかの形態では、プロセッサがさらに、排出ステーションで自律型掃除ロボットの容器を空にするために経過した時間量を表す時間インジケータを、携帯型コンピューティングデバイスのディスプレイに提示するように構成されている。
【0024】
いくつかの形態では、プロセッサがさらに、自律型掃除ロボットへの送信を開始するように構成され、送信が、容器満杯読取が容器が満杯であることを示した後に自律型掃除ロボットに掃除を継続させるデータを含む。
【0025】
いくつかの形態では、プロセッサがさらに、自律型掃除ロボットへの送信を開始するようにさらに構成され、送信が、1つまたは複数の条件が満たされたことに基づいて、自律型掃除ロボットを排出ステーションにドッキングさせて、容器を空にさせるデータを含む。
【0026】
いくつかの形態では、プロセッサがさらに、排出ステーションによって自律型掃除ロボットの容器を空にする完了度を示すように構成された進度図形を、携帯型コンピューティングデバイスのディスプレイに提示するように構成されている。
【0027】
いくつかの形態では、プロセッサが、自律型掃除ロボットの容器のステータスを表すデータを自律型掃除ロボットから受信するように構成されている。
【0028】
いくつかの形態では、プロセッサが、排出ステーションのフィルタ袋のステータスを表すデータを、自律型掃除ロボットから受信するように構成されている。
【0029】
別の態様において、排出ステーションが開示されている。排出ステーションは、自律型掃除ロボットを受け入れるように構成されたドッキングプラットフォームと、自律型掃除ロボットと接合するように構成された取り入れ口を備えた1つまたは複数の導管と、自律型掃除ロボットから排出されたゴミを受け入れるように構成されたフィルタ袋と、排出ステーションのステータスを提示するように構成されたインジケータと、自律型掃除ロボットと通信するように構成された送受信機と、を備え、送受信機が排出ステーションのステータスに基づいて、自律型掃除ロボットに信号を送信するように構成されている。
【0030】
いくつかの形態では、インジケータが、排出ステーションのステータスに基づいて、第1の状態から第2の状態に変化するように構成された発光ダイオード(LED)を含む。いくつかの事例では、第1の状態から第2の状態への変化が、LEDの色の変化を含む。いくつかの事例では、第1の状態から第2の状態への変化が、LEDの点滅パターンの変化を含む。いくつかの事例では、第2の状態が、排出ステーションでのエラー状態を表す。いくつかの事例では、エラー状態が、排出ステーションが詰まっていることを表す。いくつかの事例では、エラー状態が、排出ステーションのフィルタ袋が満杯であることを表す。いくつかの事例では、エラー状態が、排出ステーションのフィルタ袋がないことを表す。いくつかの事例では、エラー状態が、自律型掃除ロボットと排出ステーションとの間の通信エラーを表す。いくつかの事例では、エラー状態が、排出ステーションの蓋が開いていることを表す。いくつかの事例では、エラー状態が、モータ故障を表す。
【0031】
いくつかの形態では、信号が、自律型掃除ロボットに音声信号を発させるための制御信号を含む。
【0032】
いくつかの形態では、信号が、自律型掃除ロボットに、自律型掃除ロボットのインジケータを点灯させるための制御信号を含む。
【0033】
添付の図面と、以下の説明により、1つまたは複数の形態の詳細が示される。説明、図面、さらに請求項から、その他特徴や利点が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】自律型掃除ロボット、携帯型コンピューティングデバイスと、排出ステーションとを含む環境を示す。
図2A図1の排出ステーションの断面図である。
図2B図1の排出ステーションの上部の上面図である。
図3A図1のフィルタリングデバイスの正面斜視図である。
図3B図1のフィルタリングデバイスの側面斜視図であり、フィルタリングデバイスのフィルタ袋を透明に示している。
図4】携帯型デバイス、クラウドコンピューティングデバイス、自律型掃除ロボット、排出ステーション間でのデータの送信処理を示すフローチャートである。
図5図1の排出ステーションでの排出処理を評価するための処理を示すフローチャートである。
図6A図1の自律型掃除ロボットおよび排出ステーションのステータスを示すインターフェースである。
図6B図1の自律型掃除ロボットおよび排出ステーションのステータスを示すインターフェースである。
図6C図1の自律型掃除ロボットおよび排出ステーションのステータスを示すインターフェースである。
図6D図1の自律型掃除ロボットおよび排出ステーションのステータスを示すインターフェースである。
図6E図1の排出ステーションにおける自律型掃除ロボットの排出のステータスを示すインターフェースである。
図7A図1の自律型掃除ロボットのマップおよび掃除作業の掃除パラメータを示すインターフェースである。
図7B図1の自律型掃除ロボットのマップおよび掃除作業の掃除パラメータを示すインターフェースである。
図7C図1の自律型掃除ロボットのマップおよび掃除作業の掃除パラメータを示すインターフェースである。
図8】掃除嗜好メニューを示すインターフェースである。
図9】自動排出設定メニューを示すインターフェースである。
図10図1の排出ステーションの袋を空にするための指示を示すインターフェースである。
図11図1の自律型掃除ロボットの実施履歴を示すインターフェースである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
実行可能なアプリケーションを使用して、床面を並進しながら、各種動作を実行するように構成される自律型ロボットを制御することができる。各種動作としては、掃除が挙げられるが、それに限られない。自律型掃除ロボットは、そのゴミ収集容器の中身を全て排出ステーション内のフィルタ袋内に排出するため、排出ステーションと接合することができる。自律型掃除ロボットおよび排出ステーションのステータスを、監視、ユーザ制御のために、携帯型デバイスのディスプレイに提示できる。
【0036】
図1に、排出ステーション100と、自律型掃除ロボット102と、携帯型コンピューティングデバイス(携帯型デバイス104)とを備える、例えばゴミ収集および監視システムのようなシステムを示す。自律型掃除ロボット102と、排出ステーション100とが互いに接合されると、排出ステーション100は排出動作を実行する。ロボット102は、ロボット102が自律的に部屋中を移動してその部屋の床面からゴミを集めながら、例えば商業用、居住用、工業用、またはその他用途の建物の部屋のような、部屋の中で、掃除動作を実行する。ロボット102は、床面からゴミを収集可能である。例えば、備えられたエアムーバー128が、床面の、ロボット102の下の部分から空気を吸い込むことで、床面の当該部分から、ロボット102内にあらゆるゴミが吸い込まれる。ロボット102はさらに、床面に対向して、床面上のゴミに係合し、ゴミを機械的にロボット102内に移動する、1つまたは複数の回転部材(不図示)を備えてもよい。1つまたは複数の回転部材は、ローラ、ブラシ、箒、またはゴミに係合し、ロボット102内に送り込むことができるその他回転可能部品を含み得る。床面から集められたゴミは、ロボット102のゴミ容器124内に送り込まれる。ロボット102の制御部126は、ロボット102の駆動系(不図示)を操作する。駆動系の例としては、床面を横切るようにロボット102を推進し、ロボット102を部屋中で誘導し、部屋の異なる複数の部分を掃除できるように動作可能なモータおよび車輪が挙げられる。
【0037】
掃除動作中、制御部126はゴミ容器124が満杯であると判定できる。例えば、制御部126は、ゴミ容器124内に蓄積されたゴミが、ゴミ容器124の総ゴミ容量の所定の割合を超えたと判定できる。例えば、ゴミ容器124の総ゴミ容量の70%、80%、90%超である。該判定をすると、制御部126はロボット102の駆動系を動作させて、ロボット102を排出ステーション100に送り込む。いくつかの形態では、ロボット102は、光学センサ、音響センサ、またはロボットが排出ステーション100を探すために部屋中を誘導される際に、排出ステーション100を検出するためのその他適切なセンサを含む、センサシステムを備える。
【0038】
排出ステーション100は、ロボット102のゴミ容器124から、ゴミを排出ステーション100内に取り込むための排出動作を実行できる。排出ステーション100がロボット102からゴミを取り除くことができるように、図1に示すように、ロボット102は、排出ステーション100と接合する。例えば、ロボット102は、排出ステーション100に物理的にドッキングするように、排出ステーション100に対して自律移動可能である。別の形態では、排出ステーション100の導管(不図示)が、ロボット102に対して手動で接続される。排出ステーション100と接合するため、いくつかの形態では、ロボット102は下側に、排出ステーション100の取り入れ口218と係合する排出口(不図示)を備える。これを図2Aに示す。例えば、ロボット102の排出口は、ゴミ容器124の下側に配置されて、取り入れ口218の対応する開口部に係合する開口部であってもよい。
【0039】
ロボット102および排出ステーション100の一方または両方は、排出動作時にエアムーバー216が負圧を作り出した場合にのみ開くバルブ機構を備えてもよい。例えば、ロボット102のバルブ機構(不図示)は、扉、フラップ扉、または例えば排出ステーション100のエアムーバー216により作り出された負圧のような、ゴミ容器124の下側の負圧に応じてのみ開く、その他開閉可能デバイスを含み得る。
【0040】
ロボット102が排出ステーション100と接合される一方で、ゴミ容器124は排出ステーション100のエアムーバー216と空気的に接続される。さらに、いくつかの形態において、ロボット102は排出ステーション100と電気的に接続され、そのためロボット102が排出ステーション100と接合すると、排出ステーション100がロボット102のバッテリを充電することができる。したがって、ロボット102と接合されている間、排出ステーション100は、ロボット102からのゴミの排出を受けながら、同時にロボット102のバッテリを充電することができる。別の形態においては、排出ステーション100は、排出ステーション100がロボット102からゴミを排出していない間にのみ、ロボット102のバッテリを充電する。
【0041】
図1も参照すると、ロボット102および排出ステーション100が、携帯型デバイス104と通信するように構成される。本明細書に記載の携帯型デバイス104は、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末、ノートパソコン、タブレット、スマートウォッチ、またはロボット掃除作業に関する信号を送受信可能なその他携帯型(手持ちサイズの)コンピューティングデバイスを含み得る。携帯型デバイス104は、ディスプレイ106に、ロボット102のステータスおよび排出ステーション100のステータスに関する情報や、ロボット掃除作業に関する情報等を提示するように構成される。携帯型デバイス104はさらに、ユーザからの入力を受信するように構成される。携帯型デバイス104は、ロボット102との間の(インターネット等を介した)データ送受信を開始し、ディスプレイ104上にロボット102および排出ステーション100のステータスに関するインターフェースを提示するように構成されたモバイルアプリケーション110を動作させるように構成されたプロセッサ108を備える。
【0042】
排出ステーション100は、排出ステーションのステータスを示すように構成されたインジケータ120を備える。この例では、インジケータ120はカプセル形状である。いくつかの形態では、インジケータ120は色を変えたり、光量を落としたり、様々なパターンで点滅するように構成された発光ダイオード(LED)を備える。例えば、いくつかの形態において、インジケータ120は、赤く点滅して、注意を惹く必要のある問題(例えば、詰まり、密閉エラー(例えば、上部が閉じられていない、フィルタ袋が正しく装着されていない等)、モータ故障)を示してもよい。別の形態では、インジケータ120は、排出ステーション100において注意を惹く必要のある問題を示すために、赤色が常灯提示されてもよい。例えば、インジケータ120は、排出ステーションの上部116のハウジング112内に配置された、排出ステーション100のフィルタ袋が一杯の場合に、赤色が常灯表示されてもよい。さらに、インジケータ120は、排出ステーション100にフィルタ袋が装着されてない場合にも赤色が常灯表示されてもよい。いくつかの形態では、インジケータ120は、ロボット102からの排出ができたことを示すために、白色が常灯表示されてもよい。
【0043】
図2Aおよび2Bを参照して、排出ステーション200がロボット102と接合されて排出動作が実行されている間、排出ステーション200が生成した気流が、排出ステーション200の気流経路を通じて、ゴミ容器124内を移動し、さらにロボット102から取り込んだゴミを運びながらフィルタリング装置202内を移動する。排出ステーション200の気流経路は、排出ステーション200の1つまたは複数の導管を含む。導管212を含む1つまたは複数の導管はさらに、導管220、214を含んでもよい。導管220は、排出ステーション200の取り入れ口218を含み、導管214に接続され、導管214は導管212に接続される。したがって、気流は導管220、導管214、導管212を通過して移動することで、排出ステーション100の1つまたは複数の導管を通って移動する。気流は排出口226を介して1つまたは複数の導管を出て、フィルタリングデバイス202の入口306(図3A参照)に入り、管308(図3A参照)内を移動する。気流は、さらにフィルタ袋204の壁を通じて、エアムーバー216へと移動する。フィルタ袋204の壁は、気流からゴミ部分を分離するフィルタリング機構として作用する。
【0044】
本明細書に記載のように、排出ステーション200は、排出ステーション200のセンサ208が、フィルタ袋204が満杯であることを検出するまで、排出動作を継続可能である。いくつかの形態では、センサ208は、気流の流路に近接配置される。本明細書に記載のように、いくつかの形態において、センサ208は圧力センサである。別の形態では、センサ208は光学センサ、力センサ、または、フィルタリングデバイス202の満杯状態を示唆可能な1つまたは複数の信号を生成可能なその他センサである。
【0045】
フィルタリングデバイス202(フィルタ袋204を含む)は、排出ステーション200から接続解除および取り外し可能である。図2Bを参照に、排出ステーション200のハウジング206は、排出ステーション200の上部に沿ったカバー228を備える。カバー228は、排出ステーション200の貯蔵部222を覆う。貯蔵部222は、フィルタリングデバイス202を収容可能である。カバー228は、閉位置(図2A参照)と、開位置(図2B参照)との間で移動可能である。カバー228が開位置にある状態で、フィルタリングデバイスは貯蔵部222内に挿入、または貯蔵部222から取り外し可能である。例えば、フィルタリングデバイス202は貯蔵部内に配置されて、排出ステーション200の1つまたは複数の導管に接続されるようにしてもよい。さらに、フィルタリングデバイス202は、排出ステーションの1つまたは複数の導管から接続解除され、貯蔵部222から取り外されてもよい。これにより、貯蔵部内に新たなフィルタリングデバイスが挿入可能となる。
【0046】
図3Aおよび3Bは、フィルタリングデバイス300の一例を示す。図3Aを参照にして、本明細書に記載のフィルタリングデバイス300は、フィルタ袋304と、入口306と、接合アセンブリ310とを備える。この例では、フィルタ袋304は略立方体形である。フィルタリングデバイス300は、例えばフィルタ袋304内に集められたゴミが、貯蔵部302の所定のゴミ容量を超えると、廃棄可能であり得る。
【0047】
フィルタ袋304は、貯蔵部302の少なくとも一部を形成し、通気性材料で形成される。フィルタ袋304の材料は、フィルタ袋304が、排出ステーション200により生成された気流からゴミの少なくとも一部を分離、フィルタリングする分離部として作用可能となるように選択される。例えば、フィルタ袋304は、通気性があるが、汚れやゴミを捕捉して、ゴミを貯蔵部302内に留めるような紙または布から形成されてもよい。フィルタ袋304は可撓性材料製であってもよい。これによりフィルタ袋304が折り畳んで貯蔵しやすくなる。さらに、フィルタ袋304が膨らんで、排出動作中に集められたより多くのゴミをフィルタ袋304に収容できる。フィルタ袋304は多孔性であるので、フィルタリングによりゴミを集めている最中に、気流がフィルタ袋304を透過可能である。この際、気流はフィルタリングデバイス300に入った状態よりも、少ない量のゴミとともに透過する。例えば、フィルタ袋304は、1マイクロメートル超(例えば3マイクロメートル超、10マイクロメートル超、50マイクロメートル超、またはそれ以上)の幅のゴミを収集可能であってもよい。
【0048】
接合アセンブリ310は、カラー312と、カバー314と、密閉部材316と、導管308とを備える。接合アセンブリ310は、排出ステーション200の1つまたは複数の導管、例えば導管212(図2A参照)と接合されるように構成される。例えば、フィルタリングデバイス300が排出ステーション200の貯蔵部222内に配置され、排出ステーション200の導管212が突出位置にある状態で、取り入れ口218がフィルタリングデバイス300の貯蔵部302と空気的に接続される。したがって、ロボット102が排出ステーション200と接合すると、ロボット102のゴミ容器124も、フィルタリングデバイス300の貯蔵部302と空気的に接続される。
【0049】
携帯型デバイス上で動作する、実行可能なアプリケーションは、排出ステーション200およびロボット102と通信して、排出ステーション200およびロボット102のステータスをユーザに監視可能にしてもよい。図4を参照して、フローチャート400は、携帯型デバイス404、クラウドコンピューティングシステム410、自律型掃除ロボット414、排出ステーション418間でのデータ送信処理を示す。このフローチャート400において、携帯型デバイス404は自律型掃除ロボット414を介して排出ステーション418と通信する。いくつかの形態では、携帯型デバイス404および排出ステーション418は、互いに直接通信してもよい。
【0050】
まずは、動作422において、携帯型デバイス404の制御部406は、モバイルアプリケーション408を通じて、ロボット414の(ゴミ容器124のような)容器を空にすることを促す標示を提示する。動作424において、ユーザ402は、例えば、携帯型デバイス404のディスプレイに提示された選択肢を選択することで、容器124を空にする動作を行わせる。容器が空にできるように、動作426において、クラウドコンピューティングシステム410は、プロセッサ412を介して、ロボット414を排出ステーション418にドッキングさせる指示を生成する。このドッキング指示はクラウドコンピューティングシステム410からロボット414に送られ、動作428においてロボット414の駆動系(例えば車輪等)を制御する制御部416により実行される。ロボット414が排出ステーション418にドッキングすると、制御部420は動作430において排出ステーションに、ロボット414の容器124を排出するように指示する。排出中、制御部420は動作436において、エラー確認をするためにデータを(例えばセンサ208等から)受信する。このエラー確認動作436については、図5を参照にして以下により詳細に説明する。動作432、438において、排出ステーション418の制御部420は、ロボット414の制御部416に、排出進度アップデートを送信する。いくつかの形態では、排出進度アップデートは制御部420により、クラウドコンピューティングシステム410に、携帯型デバイス404に直接等送信される。
【0051】
排出進度アップデート432、438に基づいて、携帯型デバイス404はディスプレイ106に、排出進度を提示する(動作434)か、排出が完了できたことを示す標示を提示する(動作440)。排出中にエラーが検出されると、排出ステーション418の制御部420は、動作442において、インジケータ120のステータスを、エラーを示すように変更する(例えば、点滅、色変更等)。排出中にエラーが検出されれば、排出ステーション418の制御部420は、エラーを示す情報を、ロボット414と、携帯型デバイス404とに送信する。この例では、動作444において、ロボット414はエラー標示を受信すると、エラー時行動を実行する(例えば、音声信号を発する、インジケータを点灯する、ドッキング動作を再度試す等)。排出ステーション418から受信したエラー標示に基づいて、携帯型デバイス404は、動作446において、ユーザ402が排出ステーションに注目する必要があることを示すエラーメッセージを提示する。後続の図6A~7Cに示すように、エラー標示はアイコン、テキスト、ボタン等で提示されてもよい。
【0052】
図4に示すエラー検出動作436の一例を、図5により詳細に示す。図5は、排出ステーション100の制御部118により実行される、例示的処理500を示す。ロボット102が排出ステーション100にドッキングすると、制御部118は動作502において、排出処理を開始する。排出処理中、制御部118はエアムーバー216を起動することで、ロボット102のゴミ容器124からゴミを排出するように気流を生成する。
【0053】
いくつかの形態では、センサ208(図2A参照)は、排出ステーション200の貯蔵部222内の定常状態圧力を示す1つまたは複数の信号を生成する圧力センサであってもよい。排出処理中、制御部118は(送受信機を介して)、定常状態圧力や、排出ステーション200の満杯状態を示すデータを、携帯型デバイス104に送信してもよい。例えば、制御部118は。例えばBluetooth(登録商標)、LAN、またはその他適切な無線通信プロトコルにより、データを直接携帯型デバイス104してもよい。あるいは、制御部118はデータを、遠隔サーバを介して携帯型デバイス104に送信してもよい。
【0054】
動作504において、制御部118は、排出ステーション100の流路に、詰まり、またはその他障害物が存在しているか否かを判定する。制御部118が、詰まり、またはその他障害物が存在すると判定した場合、動作512において、制御部118はエアムーバー216を停止して、詰まりまたはその他障害物が検出されたという通知を、(送受信機を介して)携帯型デバイス104を介して、ユーザに送信してもよい。制御部はさらに、インジケータ120の状態を(例えば赤く点滅に)変えて、ユーザに排出ステーション100に注目する必要があることを示すこともできる。
【0055】
動作506において、制御部118は、密閉部材316と、導管212との間に密閉結合が適切に実現されているかを判定する。制御部118が適切な密閉係合が適切に実現されていないと判定すると、動作514において、制御部118はエアムーバー216を停止して、携帯型デバイス104を介してユーザに、密閉結合が適切に実現されていないことを示す通知を送信してもよい。制御部はさらに、インジケータ120の状態を(例えば赤く点滅に)変えて、ユーザに排出ステーション100に注目する必要があることを示すこともできる。
【0056】
動作508において、制御部118は、フィルタリングデバイス300の貯蔵部302が満杯かを判定する。制御部118が、フィルタリングデバイス300の貯蔵部302が満杯であると判定すると、動作516において制御部118はエアムーバー216を停止して、携帯型デバイス104を介してユーザに、フィルタリングデバイス300の貯蔵部302が満杯であることを示す通知を送信してもよい。制御部はさらに、インジケータ120の状態を(例えば赤く点灯し続ける)変えて、ユーザに排出ステーション100に注目する必要があることを示すこともできる。
【0057】
制御部118は、センサ208から受信した1つまたは複数の信号を使用して、動作504、506、508における判定を実行できる。本明細書に記載のとおり、センサ208は、排出ステーション200の貯蔵部222内の定常状態圧力を示す1つまたは複数の信号を生成する圧力センサであってもよく、この定常状態圧力が、詰まりまたはその他障害物が存在するか否か、密閉係合が適切に実現されたか否か、フィルタリングデバイス300の満杯状態等を示すものであってもよい。例えば、1つまたは複数の信号が定常状態圧力の想定範囲を超える定常状態圧力を示す場合、制御部118は排出ステーション100の気流経路内に詰まりまたはその他障害物が存在すると判定してもよい。定常状態圧力の想定範囲は、排出ステーション100により、以前に適切に実行できた排出処理においてセンサ208が検出した定常状態圧力の範囲に基づいて計算されてもよい。
【0058】
動作510において、動作504、506、508に繋がるイベントが起きないまま、排出処理の所要時間(例えば設定所要時間)が経過した場合、制御部118は排出処理を終了する。制御部118はエアムーバー216を停止して、排出処理が完了したことを示す通知を送信してもよい。制御部はまた、排出が適切に完了したことをユーザに示すように、インジケータ120の状態を(例えば、白く常灯するように)変更してもよい。
【0059】
図6Aから図11は、携帯型デバイス104のディスプレイ106上で提示、編集等可能な各種情報を示す。例えば、情報は、ユーザ402に排出ステーション200およびロボット102のステータスを伝えるように、ディスプレイ106に提示されてもよい。これにより、ユーザは容器124の排出等を開始できる。
【0060】
図6Aを参照して、インターフェース600は、ユーザ402にロボット102による掃除作業を行わせることができるように、「掃除」ボタン602を提示する。テキストインジケータ604およびアイコン606は、ユーザ402に、フィルタ袋304が満杯で空にする必要があることを示す。ロボット102は、排出ステーション200のフィルタ袋304が満杯である場合に掃除作業を実行できるため、「掃除」ボタン602は選択可能である。インターフェース600にはさらに、ユーザ402をモバイルアプリケーション408のその他機能(例えば、スケジューリング、マッピング等)に案内できるように、アイコンが複数並んでいてもよい。ユーザ402が「掃除」ボタン602を押すことで開始された掃除作業がロボット102で実行されることで、ロボット102の容器124がゴミで満たされていく。インターフェース600はさらに、選択不能の「容器を空にする」ボタン608(例えば、ボタン608はグレーがかっている)を提示する。これは、排出ステーション200のフィルタ袋304が満杯であるため、ロボット102の容器124の排出ができないことを示す。
【0061】
図6Bを参照すると、インターフェース620はテキストインジケータ624およびアイコン626を提示する。これらは、排出ステーション200のフィルタ袋304と、ロボット102のゴミ容器124とが満杯であることをユーザ402に示すものである。インターフェース620はさらに、選択不能な「容器を空にする」ボタン628(例えば、ボタン628がグレーになっている)も提示する。これは、排出ステーション200のフィルタ袋304も満杯であるため、ロボット102の容器124の排出ができないことを示す。インターフェース620において、「掃除」ボタン622も選択不能である(例えば、「掃除」ボタン602がグレーになっている)。これは、ロボットの容器124が満杯で、空にできない(排出ステーション200のフィルタ袋304も満杯であるため)場合に、ロボット102に掃除作業の実行を指示することはできないことを示す。
【0062】
図6Cを参照すると、インターフェース640はテキストインジケータ644と、アイコン646とを示す。これらは、ロボット102のゴミ容器124が満杯であることをユーザ402に示す。インターフェース640はさらに、選択可能な「容器を空にする」ボタン648を示す。これは、排出ステーション200のフィルタ袋304が満杯ではなく、排出ステーション200においてロボット102を空にできることを示す。「容器を空にする」ボタン648(ここでは、「容器を空にする」ボタン648が選択可能であることを示すように濃く表示されている)を選択すると、ロボット102が排出ステーション200にドッキングする動作を開始する。排出ステーション200にドッキングすると、排出ステーション200は容器124の排出を開始する。インターフェース640は、選択可能な「掃除」ボタン642も提示する。これは、容器124が満杯であるにも関わらず、ユーザ402に掃除作業を発することを可能とするものである。例えば、容器124は圧縮可能物質(例えばペットの毛、塵等)で満杯であり得る。これらは、ロボット102が掃除作業においてさらにゴミを取ることで圧縮可能である。
【0063】
図6Dを参照すると、インターフェース660はテキストインジケータ664と、アイコン668とを示す。これらは、ロボット102のゴミ容器124が満杯であることをユーザ402に示す。インターフェース660は、選択不能な「掃除」ボタン662を提示する。これは、容器124が空になるまで、掃除作業が開始できないことを示す。インターフェース660には「容器を空にする」ボタン648が存在しない。これは、ロボット102が、容器124を空にするために排出ステーション200でのドッキング開始が既に起きたことを示す。
【0064】
いくつかの形態では、携帯型デバイス104は、ディスプレイ106に、ロボット102の容器124が満杯であることを示す第1のアイコンと、排出ステーション200のフィルタ袋304が満杯であることを示す第2のアイコンを提示してもよい。第1および第2のアイコンには、テキスト標示が付されてもよい。
【0065】
図6Eを参照すると、インターフェース680はテキストインジケータ690を提示する。これは、ユーザ402に、排出ステーション200においてロボット102の容器124が排出中であることを示す。インターフェース680はさらに。「キャンセル」ボタン692を示す。これはユーザ402に排出動作を取り消し可能にさせるものである。インターフェース680は、選択可能な「掃除」ボタン682を囲う排出ステータスインジケータ684も提示する。排出ステータスインジケータ684は、満たされた部分686と、満たされていない部分688とを含み、それぞれ異なる色で提示する。満たされた部分686は、排出動作が進むにつれて、満たされていない部分688を侵食していく。満たされた部分686の、排出ステータスインジケータ684に対する面積の比が、完了した排出動作の割合に対応する。
【0066】
概して、図7Aから7Cに、3つの異なる掃除作業を示す。図7Aを参照すると、インターフェース700はマップ702を提示する。これは、掃除作業中にロボット102が掃除した領域に対応する。インターフェース700はさらに、掃除作業のステータスメッセージ704を提示する。ここでは、作業が適切に完了したことを示している。インターフェースはさらに、作業集計概要706を提示する。これは、掃除した面積の分量712、汚れ部分(例えば、ロボット102が、ゴミが集中している箇所を検出した場合の事例)検出回数714、作業経過時間716を含む。インターフェース700はさらに、作業経過時間716の内訳708を示す円グラフ710を提示する。ここで、円グラフ710の部位は、掃除時間パラメータ718の色に一致する。これにより、作業経過時間716の100%が掃除に費やされたことを示す。各形態では、円グラフ710は、内訳708に示されるその他パラメータ(例えば、充電、休止、等)に対応する複数の色を含んでもよい。この場合、円グラフ710の各色の部位は作業経過時間716の内、各状態に費やされた各部位を表す。ただしここでは、経過時間716の全てが掃除に費やされているため、円グラフ710は掃除時間パラメータ718の色に一致する1つの部位を含んでいる。
【0067】
図7Bを参照すると、インターフェース730は、掃除作業の間にロボット102が掃除した領域に対応するマップ732を表す。インターフェース730はさらに、掃除作業のステータス734を表す。ここでは、排出ステーション200のフィルタ袋304が満杯であり、かつロボット102の容器124を空にできないため作業が停止していたことを表す。ステータス734は、選択可能なテキストインジケータ748を含む。これは、選択されると、テキストインジケータ748で特定された問題の修正方法をユーザ402に知らせる指示を含む指示インターフェースを開く。例えば、選択可能なテキストインジケータ748が選択されると、図10に示すように、新しいフィルタ袋304を排出ステーション200に取り付ける方法をユーザに知らせる図1002およびテキスト指示1004を含むインターフェース1000が開く。インターフェース1000の「次へ」ボタン1006が選択されると、作業概要インターフェース730へ、またはユーザ402に掃除作業を再び開始させるための別のインターフェースへと、ユーザ402を戻してもよい。
【0068】
インターフェースはさらに、掃除した面積742、汚れ部分の検出回数744、および作業経過時間746を含む作業集計の概要736を表す。インターフェース730はさらに、作業経過時間746の内訳738のグラフ表示740を表す。ここで、グラフ表示740は、掃除時間パラメータ718の色に一致する。これにより、作業経過時間746の100%が掃除に費やされたことを示す。
【0069】
図7Cを参照すると、インターフェース760は、掃除作業の間にロボット102が掃除した領域に対応するマップ762を表す。インターフェース760はさらに、掃除作業のステータス764を表す。ここでは、排出ステーション200の詰まりにより作業が停止していたことを示す。ステータス764は、選択可能なテキストインジケータ778を含む。これは、選択されると、テキストインジケータ778で特定された問題の修正方法をユーザ402に知らせる指示を含む指示インターフェースを開く。インターフェースはさらに、掃除した面積772、汚れ部分の検出回数774、および作業経過時間776を含む作業集計の概要766を表す。インターフェース760はさらに、作業経過時間776の内訳768のグラフ表示770を表す。ここで、グラフ表示770は、掃除時間パラメータ778の色に一致する。これにより、作業経過時間776の100%が掃除に費やされたことを示す。
【0070】
図8を参照すると、インターフェース800は、携帯型デバイス104のディスプレイ106に提示され、選択可能な掃除設定804、806、808、812を含む掃除嗜好メニュー802を示す。選択可能な掃除設定804および806は、 ユーザ402に、カーペットブースト設定およびクリーニングパス設定をそれぞれ操作、変更可能とする。選択可能な掃除設定808は、ユーザ402にトグル810により、端の掃除をONまたはOFFにすることを可能とする。選択可能な掃除パラメータ812は、図9に示すように、ユーザ402に、自動に空にする設定にアクセスして変更することを可能とする。選択可能な掃除パラメータ812を選択すると、自動排出設定を含むメニュー902を含むインターフェース900が開く。ユーザ402は、ロボット102の自動排出設定を設定するため、選択肢904、906、908の1つを選択できる。チェックマーク910は、選択肢904、906、908の内のどれを選択したかを示す。ユーザが設定904を選択すると、ロボット102はスマート排出プロトコルに基づいて動作する。すなわち、ロボット102が、1つまたは複数の条件が満たされたことに基づき、いつ自動的に容器124を排出ステーション200で空にするかを判断する。この判断は、ロボット102で得られたセンサデータに基づいてもよい。センサデータの例としては、容器満杯読取、誘導データ、掃除時間(例えば、ロボット102の掃除時間が所与の時間量よりも少ない場合に空にしない)、ロボット102がどのように排出ステーション200に取り付けられたか(例えば、ロボット102が排出ステーション200に乗り入れた場合は排出するが、ロボット102が手動で排出ステーション120に置かれた場合しない)、前回の排出が成功したか、失敗したか(ロボット102が前回ドッキングした際に、排出を試みたが失敗した場合に空にする)等が挙げられる。センサデータのその他の例として、時間対、吸込み掃除した面積、吸込み掃除した特定の箇所、ロボット102の排出ステーション200に対する近さ、掃除予定箇所に対する掃除された箇所(例えば、リビングに入る前に空にする)、ユーザのスケジュール(例えば、ユーザが家を空けるときに排出ステーション200を空にする)等が挙げられる。ユーザが設定906を選択すると、ロボット102は、ロボット102が排出ステーション200に置かれたら常に容器124を自動的に空にする。ユーザが設定908を選択すると、ロボット102は、自動的に容器124を空にしない。つまり、ユーザ402が排出ステーションにあるロボット102の排出を(例えば、ロボットに付いているボタンまたは携帯型デバイス104のモバイルアプリケーション110において選択可能なボタンにより)開始する必要がある。
【0071】
図11を参照すると、携帯型デバイス104のディスプレイ106に、インターフェース1100が提示されている。これは、ロボット102および排出ステーション200の実施履歴を示す。インターフェース1100は、完了した掃除作業の数、合計実行時間、掃除した総面積、汚れ部分の検出回数、総自動排出時間、自動的に空にされた容器の数1108を含む、掃除作業に関する集計1102を含む。ロボット102の容器124が排出ステーション200で空にされる度に、排出ステーション200の制御部118またはロボット102の制御部126は、排出動作が完了されたことを示す標示を携帯型デバイス104に送信する。受信に応じて、携帯型デバイス104は、項目1108に提示されたカウントを1増やす。
【0072】
インターフェースはさらに、トグル1106を含む。これにより、ユーザ402は、耐用期間集計の提示と領域に基づく集計の提示とを切り替えることができる。例えば、耐用期間集計が、ロボット102が完了した、または試みた全ての掃除作業に基づいてもよい。別の例では、領域に基づく集計が、特定の領域(例えば、ユーザの家のある階またはある部屋)において、ロボット102(モバイルアプリケーション104と通信する別のロボット102であってもよい)が完了した、または試みた全ての掃除作業に基づいてもよい。耐用期間集計と領域に基づく集計とを切り替えることにより、概要1102の項目に提示されたカウントが変化する。インターフェース1100はさらに、最近の掃除作業のリスト1104を含む。矢印、例えば、矢印1110により、ユーザ402は選択された掃除作業を開くことができる。ここでは、図7Aから7Cに示すインターフェース700、730、760等のインターフェースが、掃除作業に関する詳細とともにユーザ402に提示されてもよい。
【0073】
本明細書に記載のロボットおよび技術、またはその部分は、1つまたは複数の非一時的機械読取可能な記憶媒体に記憶された指示を含むコンピュータプログラムプロダクトによって制御可能である。この指示は、1つまたは複数の処理デバイスにおいて実行可能であり、本明細書に記載の動作を制御(例えば、連係)する。本明細書に記載のロボット、またはその部分は、1つまたは複数の処理デバイスと、各種動作を実施するために実行可能な指示を記憶するためのメモリとを含み得る、装置または電子システムの全てまたは一部として実施することができる。
【0074】
ロボット動作の全てまたは一部の実施に関する操作や、本明細書に記載の制御は、本明細書に記載の機能を実行するための1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサによって実行することができる。例えば、携帯型デバイス、携帯型デバイスおよび自律型掃除ロボットと通信するように構成されたクラウドコンピューティングシステム、およびロボットの制御部は全て、信号の送信、推定値の計算、または信号の解釈等の機能を実行するためのコンピュータプログラムによってプログラムされたプロセッサを含んでもよい。コンピュータプログラムは、コンパイラ型またはインタープリタ型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンのプログラムとして、またはモジュール、要素、サブルーチン、またはコンピューティング環境に適した他の単位として等、任意の形式で展開することができる。
【0075】
本明細書に記載の制御部および携帯型デバイスは、1つまたは複数のプロセッサを備え得る。コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサの例としては、汎用および専用マイクロプロセッサや、デジタルコンピュータの任意の種類のいずれか1つまたは複数のプロセッサが挙げられる。一般的に、プロセッサは、読み取り専用記憶領域またはランダムアクセス記憶領域、またはその両方から指示やデータを受信する。コンピュータの要素は、指示を実行するための1つまたは複数のプロセッサと、指示やデータを記憶するための1つまたは複数の記憶領域デバイスを含む。一般的に、コンピュータはさらに、1つまたは複数の機械読み取り可能記憶媒体を備えるかそれに動作可能に接続されることで、当該媒体とデータの送および/または受信を行う。この媒体の例としては、データを記憶するための大PCB、例えば磁気、磁気光学ディスク、または光学ディスクが挙げられる。コンピュータプログラム指示およびデータの実施に適した機械読み取り可能記憶媒体は、あらゆる形態の不揮発性記憶領域を含む。当該領域としては、例として、半導体記憶領域デバイス(例えばEPROM、EEPROM、フラッシュ記憶領域デバイス、磁気ディスク(例えば、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク)、磁気光学ディスク、CD-ROMやDVD-ROMディスクが挙げられる。
【0076】
本明細書に記載のロボット制御および操作技術は、掃除ロボット以外のその他携帯型ロボットの制御に適用可能である。例えば、芝刈りロボットまたは宇宙観察ロボットを学習させて、本明細書明細に記載のとおりに、庭または宇宙の特定の場所にて動作するようにしてもよい。
【0077】
本明細に記載の異なる様々な形態の各要素を組み合わせて、特に上述されていない別の形態を実現してもよい。本明細書に記載の構造から、当該構造の動作に悪影響を与えない範囲で、要素を省略してもよい。さらに、各種別個の要素を組み合わせて、本明細書に記載の機能を実行する、1つまたは複数の個別要素にしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
100 排出ステーション
102 自律型掃除ロボット
104 携帯型コンピューティングデバイス
124 ゴミ容器
126 制御部
128 エアムーバー
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11