(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】運転者支援システムの制御量についての目標値の制限
(51)【国際特許分類】
B60W 50/06 20060101AFI20231027BHJP
B60W 40/105 20120101ALI20231027BHJP
B60W 40/10 20120101ALI20231027BHJP
B60W 10/04 20060101ALI20231027BHJP
B60W 10/20 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
B60W50/06
B60W40/105
B60W40/10
B60W10/04
B60W10/20
(21)【出願番号】P 2021506993
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(86)【国際出願番号】 DE2019100682
(87)【国際公開番号】W WO2020030218
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】102018213471.5
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】フェルテン・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】クノルン・ローベルト
(72)【発明者】
【氏名】フェンドラー・タマーシュ
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-280392(JP,A)
【文献】特開2018-058494(JP,A)
【文献】特開2004-217177(JP,A)
【文献】特開2005-306285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00 ~ 60/00
B60W 10/00 ~ 10/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機付き車両(KFZ)を制御する運転者支援システム(FAS)であって、運転者支援システム(FAS)は、
-原動機付き車両(KFZ)の制御量についての目標値(v
soll)を決定又は受け取るように、
-原動機付き車両(KFZ)の制御量についての実際値(v
ist)を決定又は受け取るように、
-制御量についての目標値(v
soll)と制御量についての実際値(v
ist)の間の偏差に依存して、制御量についての目標値(v
soll)と制御量についての実際値(v
ist)の間の偏差を低減するための補正量(a)を決定するように、
-補正量(a)を第1の閾値(sw)と比較するように、及び
-制御量についての目標値(v
soll)と制御量についての実際値(v
ist)の間の偏差を拡大する、制御量についての目標値(v
soll)の将来の変化を、第1の閾値(sw)との補正量(a)の比較に依存して少なくとも制限するように
設置されていることを特徴とする運転者支援システム。
【請求項2】
運転者支援システム(FAS)は、
-制御量についての目標値(v
soll)が制御量についての実際値(v
ist)よりも大きく、
-補正量(a)が第1の閾値(sw)以上である
場合に、
制御量についての目標値(v
soll)の将来の変化を少なくとも制限するように設置されていることを特徴とする請求項1に記載の運転者支援システム(FAS)。
【請求項3】
運転者支援システム(FAS)が、制御量についての目標値(v
soll)の将来の変化を、補正量(a)の比較に依存してあらかじめ設定された期間少なくとも制限するように設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の運転者支援システム(FAS)。
【請求項4】
運転者支援システム(FAS)は、
-補正量(a)を第2の閾値(aw)と比較するように、及び
-制御量についての目標値(v
soll)の将来の変化の制限を、第2の閾値(aw)との補正量(a)の比較に依存して少なくとも部分的に取り消すように
設置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の運転者支援システム(FAS)。
【請求項5】
第1の閾値(sw)の大きさが第2の閾値(aw)の大きさよりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の運転者支援システム(FAS)。
【請求項6】
-制御量が原動機付き車両(KFZ)の速度について特徴的であり、及び
-補正量が原動機付き車両(KFZ)の加速度について特徴的である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の運転者支援システム(FAS)。
【請求項7】
-制御量が原動機付き車両(KFZ)の操舵角について特徴的であり、及び
-補正量が操舵角の時間微分について特徴的である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の運転者支援システム(FAS)。
【請求項8】
運転者支援システム(FAS)が、制御量についての目標値(v
soll)の変化が防止されるよう、制御量についての目標値(v
soll)の将来の変化を制限するように設置されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の運転者支援システム(FAS)。
【請求項9】
原動機付き車両(KFZ)を制御する方法であって、方法は、以下のステップ:
-原動機付き車両(KFZ)の制御量についての目標値(v
soll)を決定又は受け取るステップと、
-原動機付き車両(KFZ)の制御量についての実際値(v
ist)を決定又は受け取るステップと、
-制御量についての目標値(v
soll)と制御量についての実際値(v
ist)の間の偏差に依存して、制御量についての目標値(v
soll)と制御量についての実際値(v
ist)の間の偏差を低減するための補正量(a)を決定するステップと、
-補正量(a)を第1の閾値(sw)と比較するステップと、
-制御量についての目標値(v
soll)と制御量についての実際値(v
ist)の間の偏差を拡大する、制御量についての目標値(v
soll)の将来の変化を、第1の閾値(sw)との補正量(a)の比較に依存して少なくとも制限するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者支援システムと、運転者支援システムの制御量についての目標値を制限する方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
「自動化された走行」という用語は、本明細書の範囲では、自動化された長手方向ガイド(運転)及び横方向ガイド(運転)を伴う走行又は自動化された長手方向ガイド及び横方向ガイドを伴う自動走行と理解され得る。「自動化された走行」という用語は、適宜の自動化度合いを有する自動化された走行を含む。例示的な自動化度合いは、支援された走行、部分自動化された走行、高度に自動化された走行又は完全に自動化された走行である。当該自動化度合いは、ドイツ連邦道路交通研究所(BASt)によって規定された(BASt刊行物「Forshung kompakt」、2012年11月発行参照)。支援された走行では、運転者が長手方向ガイド及び横方向ガイドを継続的に行う一方、システムは、それぞれ他の機能をある程度の限度において担う。部分自動化された走行(TAF)では、システムがある程度の期間において、及び/又は特別な状況において長手方向ガイド及び横方向ガイドを担い、運転者は、支援された走行の場合のようにシステムを継続的に監視する必要がある。高度に自動化された走行(HAF)では、運転者がシステムを継続的に監視する必要なく、システムがある程度の期間において長手方向ガイド及び横方向ガイドを担うが、運転者は、ある程度の時間、車両ガイド(運転)を担うことができるようになっている必要がある。完全に自動化された走行(VAF)では、システムが、特別な使用事例のために、全ての状況における走行を自動的に実行し、当該仕様事例のためには運転者はもはや必要ない。BAStの定義による上述の4つの自動化度合いは、規格SAE J3016(SAE:Society of Automotive Engineering)のSAEレベル1~4に対応している。例えば、BAStによる高度に自動化された走行(HAF)は、SAE J3016のレベル3に対応している。また、SAE J3016では、最高の自動化度合いとして更にSAEレベル5が設けられており、当該SAEレベル5は、BAStの定義には含まれていない。SAEレベル5は運転者なしの走行に対応しており、当該走行では、システムが走行中全体において人間の運転者のように全ての状況を実行することができ、一般的に運転者はもはや不要である。
【0003】
ここで、運転者支援システムの制御量についての目標値を設定する公知の方法は、車両内部の、及び/又は車両外部の外乱を受けやすい。この外乱により、車両の実際の挙動に制御量についての目標値の設定を介して影響を与えることは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、車両の実際の挙動への制御量についての目標値の影響を少なくとも高める運転者支援システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
当該課題は、従属請求項の特徴によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。独立請求項に従属する請求項の追加的な特徴は、独立請求項の特徴なしに、又は独立請求項の特徴の一部との組合せにおいてのみでも、固有の、及び独立請求項の全ての特徴の組合せから独立した発明を形成することができ、当該発明は、独立請求項、分割出願又は後出願の対象に対して行われ得ることを指摘しておく。このことは、独立請求項の特徴のうち1つから独立した発明を形成し得る、明細書に記載された技術的な示唆についても同様に当てはまる。
【0006】
本発明の第1の態様は、原動機付き車両を制御する運転者支援システムに関するものである。
【0007】
ここで、運転者支援システムは、原動機付き車両の制御量の目標値を決定又は受け取るように設置されている。
【0008】
当該目標値は、特に軌道計画部において決定され、軌道計画部では、設定された将来の計画対象時間にわたって車両の運動が計画される。このとき、例えば、長手方向ガイド軌道/速度軌道及び/又は横方向ガイド軌道/操舵起動を決定することが可能である。
【0009】
さらに、運転者支援システムは、原動機付き車両の制御量の実際値を決定又は受け取るように設置されている。このために、例えば原動機付き車両のセンサを評価することが可能である。
【0010】
運転者支援システムは、制御量についての目標値と制御量についての実際値の間の偏差に依存して、制御量についての目標値と制御量についての実際値の間の偏差を低減するための補正量を決定する。偏差は、特に車両内部又は車両外部の外乱によるものであり得る。例えば、上り坂における原動機付き車両の駆動部の性能限界により、原動機付き車両の実際速度が原動機付き車両の目標速度に到達しないことがあり得る。
【0011】
さらに、運転者支援システムは、補正量を第1の閾値と比較するように、及び制御量についての目標値と制御量についての実際値の間の偏差を拡大する、制御量についての目標値の将来の変化を、第1の閾値との補正量の比較に依存して少なくとも制限するように設置されている。
【0012】
特に、運転者支援システムは、制御量についての目標値が制御量についての実際値よりも大きい場合に、制御量についての目標値の将来の変化を少なくとも制限するように設置されている。
【0013】
有利な実施形態では、運転者支援システムは、制御量についての目標値が制御量についての実際値よりも大きく、補正量が第1の閾値以上である場合に、制御量についての目標値の将来の変化を少なくとも制限するように設置されている。
【0014】
このとき、本発明は、制御量についての目標値と制御量についての実際値の間の偏差につながる外乱は、1つの「方向」においてのみ存在するという認識に基づくものである。例えば制御量が車速であり、外乱が原動機付き車両の駆動部の性能限界への到達であれば、駆動部は、速度についての目標値が速度の現実の実際値以下となる場合には、原動機付き車両が速度についての目標値に到達することを妨げない。
【0015】
別の有利な一実施形態では、運転者支援システムは、制御量についての目標値の将来の変化を、あらかじめ設定された期間にわたって、例えば原動機付き車両の軌道計画の計画対象時間の期間にわたって、補正量の比較に依存して少なくとも制限するように設置されている。
【0016】
別の有利な一実施形態では、運転者支援システムは、補正量を第2の閾値と比較するように、及び制御量についての目標値の将来の変化の制限を、第2の閾値との補正量の比較に依存して少なくとも部分的に取り消すように設置されている。
【0017】
このとき、本発明は、制御量についての目標値と制御量についての実際値の間の偏差の度合いについての量として補正量が用いられ得るという認識に基づくものである。したがって、特に第2の閾値を下回る場合、制御量についての目標値と制御量についての実際値の間の偏差が許容可能であると推測され得る。この場合、目標値の将来の変化の制限が取り消される。
【0018】
したがって、特に、第1の閾値の大きさが第2の閾値の大きさよりも大きい。
【0019】
別の有利な一実施形態では、制御量は原動機付き車両の速度について特徴的であり、補正量は原動機付き車両の加速度について特徴的である。
【0020】
このとき、例えば、制御量は、原動機付き車両の速度又は少なくとも1つの車輪回転数で形成される量であってよい。補正量は、例えば原動機付き車両の加速度又は原動機付き車両の駆動トルクであってよい。
【0021】
別の有利な一実施形態では、制御量は原動機付き車両の操舵角について特徴的であり、補正量は原動機付き車両の操舵角の時間微分について特徴的である。
【0022】
別の有利な一実施形態では、運転者支援システムは、目標値の変化が防止されるよう、目標値の将来の変化を制限するように設置されている。
【0023】
本発明の第2の態様は、原動機付き車両を制御する方法に関するものである。
【0024】
方法の1つのステップは、原動機付き車両の制御量についての目標値を決定及び受け取るステップである。
【0025】
方法の別の1つのステップは、原動機付き車両の制御量についての実際値を決定及び受け取るステップである。
【0026】
方法の別の1つのステップは、制御量についての目標値と制御量についての実際値の間の偏差に依存して、制御量についての目標値と制御量についての実際値の間の偏差を低減するための補正量を決定するステップである。
【0027】
方法の別の1つのステップは、補正量を第1の閾値と比較するステップである。
【0028】
方法の別の1つのステップは、制御量についての目標値と制御量についての実際値の間の偏差を拡大する、制御量についての目標値の将来の変化を、第1の閾値との補正量の比較に依存して少なくとも制限するステップである。
【0029】
本発明の第1の態様の本発明による運転者支援システムについての上述の形態は、相応する態様で、本発明の第2の態様の本発明による方法についても当てはまる。 ここでは、及び各請求項では明確に記述されていない本発明による方法の有利は実施例は、上述の、又は各請求項に記載された本発明による運転者支援システムの有利な実施例に対応する。
【0030】
以下に、本発明を、添付の図面を参照しつつ実施例に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】原動機付き車両の制御量の目標値及び実際値としての目標速度v
soll及び実際速度v
istの例示的な推移の実施例を示す図である。
【
図2】補正量としての車両加速度aの例示的な推移の実施例を示す図である。
【
図3】本発明の実施例としての概略的な制御器構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1には、運転者支援システムFASによって決定又は得られた、原動機付き車両KFZの制御量についての目標値v
sollの時間的な推移が示されている。
【0033】
ここで、制御量は、例えば、原動機付き車両KFZの速度について特徴的(例えば原動機付き車両KFZ自体の速度)であり、補正量は、原動機付き車両KFZの加速度について特徴的(例えば原動機付き車両KFZ自体の加速度)である。
【0034】
さらに、
図1には、同様に運転者支援システムFASによって決定又は得られた、原動機付き車両KFZの制御量についての実際値v
istの時間的な推移も示されている。
【0035】
ここで、運転者支援システムFASは、制御量についての目標値vsollと制御量についての実際値vistの間の偏差に依存して、制御量についての目標値vsollと制御量についての実際値vistの間の偏差を低減するための補正量aを決定するように設置されている。
【0036】
このとき、制御量についての目標値vsollと制御量についての実際値vistは、実施例の開始時点では、見やすさの理由から同一となっている。実際には、両値は、制御器の使用により生じ得る時間的なずれに基づくだけでもしばしば異なっている。
【0037】
制御量についての目標値vsollは時点t0で増大し始め、制御量についての実際値vistは当該時点ではまだ追従可能である。
【0038】
ただし、時点t1では、制御量についての目標値vsollと制御量についての実際値vistの間の偏差が生じる。偏差の大きさは、時点t2まで増大し、そして一定のままとなる。
【0039】
図2には、制御量についての目標値v
soll及び制御量についての実際値v
istの
図1に示された時間的な推移についての補正量aの時間的な推移が示されている。
【0040】
制御量についての目標値vsollは、時点t1まで制御量についての実際値vistに対応しているため、補正量aは時点t1までは値「ゼロ」である。
【0041】
ただし、制御量についての目標値vsollと制御量についての実際値vistの間の偏差が時点t1から生じるのに伴って、補正量aも増大する。
【0042】
このとき、運転者支援システムFASは、補正量aを第1の閾値swと比較するように、及び制御量についての目標値vsollと制御量についての実際値vistの間の偏差を拡大する、制御量についての目標値vsollの将来の変化を、第1の閾値swとの補正量aの比較に依存して少なくとも制限するように設置されている。
【0043】
本例では、補正量aは、時点t2において第1の閾値swに到達する。したがって、この時点から、目標値vsollの変化が防止されるように制御量についての目標値vsollの更なる増大が制限される。
【0044】
特に、このとき、運転者支援システムFASは、制御量についての目標値vsollが制御量についての実際値vistよりも大きく、補正量aが第1の閾値sw以上である場合に、制御量についての目標値vsollの将来の変化を少なくとも制限するように設置されている。
【0045】
そのほか、運転者支援システムFASは、補正量aを第2の閾値awと比較するように、及び制御量についての目標値vsollの将来の変化の制限を、第2の閾値awとの補正量aの比較に依存して少なくとも部分的に取り消すように設置されている。
【0046】
ここでの場合では、補正量aは、時点t3で再び低下し始め、時点t4で第2の閾値awに到達する。
【0047】
このとき、第1の閾値swの大きさは、第2の閾値awの大きさよりも大きい。このとき、思想は、第2の閾値のより小さな値は制御量についての目標値vsollと制御量についての実際値vistの間の偏差について依然として特徴的であることに基づいている。ただし、これは、例えば許容可能な偏差であってよい。
【0048】
図3には、本発明の実施例としての概略的な制御器構成が示されている。
【0049】
ここで、軌道計画ユニットTPによって、原動機付き車両KFZの制御量についての目標値vsollが決定され運転者支援システムFASへ伝達される。
【0050】
さらに、運転者支援システムFASは、原動機付き車両KFZの制御量についての実際値vistも受け取る。
【0051】
ここで、運転者支援システムFASは、外乱sによって生じる、制御量についての目標値vsollと制御量についての実際値vistの間の偏差に依存して、制御量についての目標値vsollと制御量についての実際値vistの間の偏差を低減するための補正量aを決定する。補正量aは、例えば制御器の制御量である。
【0052】
さらに、運転者支援システムは、補正量aを第1の閾値swと比較するように、及び適当な制限信号bを軌道計画ユニットへ伝達することで、制御量についての目標値vsollと制御量についての実際値vistの間の偏差を拡大する、制御量についての目標値vsollの将来の変化を、第1の閾値swとの補正量aの比較に依存して少なくとも制限するように設置されている。
なお、本発明は、以下の態様も包含し得る:
1.原動機付き車両(KFZ)を制御する運転者支援システム(FAS)であって、運転者支援システム(FAS)は、
-原動機付き車両(KFZ)の制御量についての目標値(v
soll
)を決定又は受け取るように、
-原動機付き車両(KFZ)の制御量についての実際値(v
ist
)を決定又は受け取るように、
-制御量についての目標値(v
soll
)と制御量についての実際値(v
ist
)の間の偏差に依存して、制御量についての目標値(v
soll
)と制御量についての実際値(v
ist
)の間の偏差を低減するための補正量(a)を決定するように、
-補正量(a)を第1の閾値(sw)と比較するように、及び
-制御量についての目標値(v
soll
)と制御量についての実際値(v
ist
)の間の偏差を拡大する、制御量についての目標値(v
soll
)の将来の変化を、第1の閾値(sw)との補正量(a)の比較に依存して少なくとも制限するように
設置されていることを特徴とする運転者支援システム。
2.運転者支援システム(FAS)は、
-制御量についての目標値(v
soll
)が制御量についての実際値(v
ist
)よりも大きく、
-補正量(a)が第1の閾値(sw)以上である
場合に、
制御量についての目標値(v
soll
)の将来の変化を少なくとも制限するように設置されていることを特徴とする上記1.に記載の運転者支援システム(FAS)。
3.運転者支援システム(FAS)が、制御量についての目標値(v
soll
)の将来の変化を、補正量(a)の比較に依存してあらかじめ設定された期間少なくとも制限するように設置されていることを特徴とする上記1.又は2.に記載の運転者支援システム(FAS)。
4.運転者支援システム(FAS)は、
-補正量(a)を第2の閾値(aw)と比較するように、及び
-制御量についての目標値(v
soll
)の将来の変化の制限を、第2の閾値(aw)との補正量(a)の比較に依存して少なくとも部分的に取り消すように
設置されていることを特徴とする上記1.~3.のいずれか1つに記載の運転者支援システム(FAS)。
5.第1の閾値(sw)の大きさが第2の閾値(aw)の大きさよりも大きいことを特徴とする上記4.に記載の運転者支援システム(FAS)。
6.-制御量が原動機付き車両(KFZ)の速度について特徴的であり、及び
-補正量が原動機付き車両(KFZ)の加速度について特徴的である
ことを特徴とする上記1.~5.のいずれか1つに記載の運転者支援システム(FAS)。
7.-制御量が原動機付き車両(KFZ)の操舵角について特徴的であり、及び
-補正量が操舵角の時間微分について特徴的である
ことを特徴とする上記1.~5.のいずれか1つに記載の運転者支援システム(FAS)。
8.運転者支援システム(FAS)が、制御量についての目標値(v
soll
)の変化が防止されるよう、制御量についての目標値(v
soll
)の将来の変化を制限するように設置されていることを特徴とする上記1.~7.のいずれか1つに記載の運転者支援システム(FAS)。
9.原動機付き車両(KFZ)を制御する方法であって、方法は、以下のステップ:
-原動機付き車両(KFZ)の制御量についての目標値(v
soll
)を決定又は受け取るステップと、
-原動機付き車両(KFZ)の制御量についての実際値(v
ist
)を決定又は受け取るステップと、
-制御量についての目標値(v
soll
)と制御量についての実際値(v
ist
)の間の偏差に依存して、制御量についての目標値(v
soll
)と制御量についての実際値(v
ist
)の間の偏差を低減するための補正量(a)を決定するステップと、
-補正量(a)を第1の閾値(sw)と比較するステップと、
-制御量についての目標値(v
soll
)と制御量についての実際値(v
ist
)の間の偏差を拡大する、制御量についての目標値(v
soll
)の将来の変化を、第1の閾値(sw)との補正量(a)の比較に依存して少なくとも制限するステップと
を含む方法。