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▶ サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】改良された計量機構および注射デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20231027BHJP
【FI】
A61M5/315 550P
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021510727
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019072760
(87)【国際公開番号】W WO2020043686
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】18191426.8
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ-アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ダーメン
(72)【発明者】
【氏名】ハネス・オベックス
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03299052(EP,A1)
【文献】特表2006-501036(JP,A)
【文献】特表2013-532569(JP,A)
【文献】特表2011-519600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射デバイス用の計量機構であって、
注射デバイスからの用量を設定または放出するための作動要素(1)と、
用量を投薬するための前進運動を生じさせるためのピストンロッド(2)と、
該ピストンロッド(2)をピストンロッドスリーブ(3)に対して回転不能に連結することができるように、ピストンロッド(2)が中に収容されたピストンロッドスリーブ(3)と、
作動要素(1)で設定された用量を放出するために、作動要素(1)の投薬運動が、ピストンロッド(2)に連結されたピストンロッドスリーブ(3)によってピストンロッド(2)に伝達されるように、作動要素(1)とピストンロッドスリーブ(3)とを結合させることができる結合要素(4)と
を含み、
ここで、計量機構は、ピストンロッドスリーブ(3)の一方向への回転を可能にし、反対方向への回転を阻止する、ピストンロッドスリーブ(3)のための逆回転防止要素(5)をさらに含み、
ピストンロッド(2)は、結合スリーブ(7)によってピストンロッドスリーブ(3)に回転不能に連結させることができ、結合スリーブ(7)は、ピストンロッド(2)結合スリーブ(7)、およびピストンロッドスリーブ(3)の間で回転不能の連結を形成するために、ピストンロッドスリーブ(3)に係合することができ、結合スリーブ(7)は、ピストンロッド(2)がピストンロッドスリーブ(3)に対して回転可能になるようにピストンロッドスリーブ(3)との係合を解除することができ、
結合要素(4)は、ピストンロッドスリーブ(3)内で案内される管状部分を含み、ピストンロッド(2)は止め具(2c)を含み、結合要素(4)は逆止め具(4e)を含み、止め具(2c)と逆止め具(4e)が、少なくとも用量の設定中に互いに対して動き、最大用量止め位置において互いに当接し、それにより用量のさらなる設定が防止され、止め具(2c)は、用量の設定中には静止状態に保たれ、止め具(2c)と逆止め具(4e)は、用量設定中に互いに向かって軸方向に動くことを特徴とする、前記計量機構。
【請求項2】
止め具(2c)は、ピストンロッド(2)に一体成形された径方向突出部であることを
特徴とする、請求項1に記載の計量機構。
【請求項3】
逆止め具(4e)は、結合要素(4)に一体成形された径方向突出部であることを特徴とする、請求項1または2に記載の計量機構。
【請求項4】
止め具(2c)と逆止め具(4e)が当接したとき、作動要素(1)で設定される用量を増やす方向への結合要素(4)のさらなる軸方向変位が防止され、作動要素(1)の投薬運動が可能になることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の計量機構。
【請求項5】
作動要素(1)は、用量を設定するための作動要素(1)の軸方向運動が結合要素(4)に伝達されるように、結合要素(4)に結合されることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の計量機構。
【請求項6】
結合要素(4)は結合部材(4a)を有し、作動要素(1)は対応結合部材を有し、結合部材(4a)と対応結合部材は、作動要素(1)に対する結合要素(4)の軸方向または径方向の変位により、互いに対して結合または解放させることができることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の計量機構。
【請求項7】
作動要素(1)は、対応結合部材としてショルダを含み、結合要素(4)は、用量を設定するための作動要素(1)の軸方向運動が結合要素(4)に伝達されるように配置された少なくとも1つの歯(4c)を有するフランジ(4a)を、結合部材として含むことを特徴とする、請求項またはに記載の計量機構。
【請求項8】
結合部材(4a)および対応結合部材に、それぞれ歯が設けられることを特徴とする、請求項またはに記載の計量機構。
【請求項9】
合要素(4)の管状部分およびピストンロッドスリーブ(3)は、リブおよび溝(3d、4d)を含み、結合要素(4)とピストンロッドスリーブ(3)との相対的な回転を防止し、結合要素(4)とピストンロッドスリーブ(3)との相対的な軸方向変位を可能にすることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の計量機構。
【請求項10】
逆回転防止要素(5)とピストンロッドスリーブ(3)は、歯手段またはラッチ手段によって係合し、逆回転防止要素(5)は、ばねアーム(5a)を有するか、ばねアーム(5a)の形態であることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の計量機構。
【請求項11】
逆回転防止要素(5)とピストンロッドスリーブ(3)が結合され、かつ/または逆回転防止要素は、計量機構のハウジング(6)に回転不能にかつ軸方向に固定されて連結されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の計量機構。
【請求項12】
結合スリーブ(7)がピストンロッド(2)と係合していないとき、ピストンロッド(2)は、ピストンロッドスリーブ(3)に対して軸方向に変位可能であることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の計量機構。
【請求項13】
注射デバイスであって、請求項1~12のいずれか1項に記載の計量機構を有し、薬剤を収容しているカートリッジ(19)を受けるためのカートリッジホルダ(18)を含み、作動要素(1)で設定された用量がカートリッジ(19)の放出可能な残りの内容物に対応する場合には、止め具(2c)および逆止め具(4e)が互いに当接するように、止め具(2c)および逆止め具(4e)が、カートリッジ(19)の内容物に適用されて配置されることを特徴とする、前記注射デバイス。
【請求項14】
カートリッジホルダ(18)を取り付けることにより、結合スリーブ(7)が、ピストンロッドスリーブ(3)に係合され、カートリッジホルダ(18)を取り外すことにより、結合スリーブ(7)が、ピストンロッドスリーブ(3)から係合解除されることを特徴とする、請求項13に記載の注射デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ユーザにより変更可能ないくつかの薬剤用量を選択および投薬するための薬物送達デバイス、たとえば注射デバイスを対象とする。本発明はさらに、このような注射デバイス用の改良された計量機構を対象とする。
【背景技術】
【0002】
ペン型薬物送達デバイスには、正規の医療訓練を受けていない人々によって定期的な注射が行われるという用途がある。この用途は、糖尿病患者の間でますます一般的になっており、自己治療により、このような患者は自身の病気を効果的に管理できるようになる。実際、このような薬物送達デバイスは、ユーザにより変更可能な複数の薬剤用量を、ユーザが個々に選択および投薬できるようにする。本発明はさらに、設定用量を増やしたり減らしたりすることができない、所定用量の投薬だけが可能ないわゆる固定用量デバイスを対象とする。
【0003】
基本的に2つのタイプの薬物送達デバイスが存在する:再設定可能なデバイス(すなわち、再使用可能)と、再設定不可能なデバイス(すなわち、使い捨て)である。たとえば、使い捨てのペン型送達デバイスは、自己完結型のデバイスとして供給される。このような自己完結型デバイスは、取外し可能な充填済みカートリッジを有していない。むしろ、充填済みカートリッジは、デバイス自体を破壊せずにこれらのデバイスから取外しおよび交換することができない。その結果、このような使い捨てのデバイスは、再設定可能な用量設定機構を有する必要がない。本発明は、両方のタイプのデバイスに、すなわち再使用可能デバイスだけでなく、使い捨てデバイスにも適用可能である。
【0004】
これらのタイプのペン型送達デバイス(大きい万年筆に似ていることが多いのでこう呼ばれる)は、一般に3つの主要な要素を含む:ハウジングまたはホルダに収容されることが多いカートリッジを含むカートリッジセクション、カートリッジセクションの一方の端部に連結されたニードルアセンブリ、およびカートリッジセクションの他方の端部に連結された用量設定セクションである。カートリッジ(アンプルと呼ばれることが多い)は、通常、医薬品(たとえば、インスリン)が充填されたリザーバと、カートリッジリザーバの一方の端部に位置する可動のゴムタイプの栓またはストッパと、細くなっていることが多い他方の端部に位置する穿孔可能なゴム封止部を有する上部とを含む。ゴム封止部を定位置に保持するために、通常、圧着された環状の金属バンドが使用される。カートリッジハウジングは、通常、プラスチックから作られるが、カートリッジリザーバは、伝統的にガラスから作られている。
【0005】
ニードルアセンブリは、通常、交換可能な両頭針アセンブリである。注射前に、交換可能な両頭針アセンブリが、カートリッジアセンブリの一方の端部に取り付けられ、用量が設定され、次いで設定された用量が投与される。こうした取外し可能なニードルアセンブリは、カートリッジアセンブリの穿孔可能な封止端部にねじ込まれるか、押し込まれる(すなわちスナップ嵌めされる)。
【0006】
用量設定セクションまたは用量設定機構は、通常、用量を設定(選択)するために使用されるペン型デバイスの一部分である。注射中、用量設定機構に収容されたスピンドルまたはピストンロッドが、カートリッジの栓またはストッパを押圧する。この力により、カートリッジに収容された医薬品が、取り付けられたニードルアセンブリを通って注射される。ほとんどの薬物送達デバイスおよび/またはニードルアセンブリの製造業者およびサプライヤによって一般に推奨されているように、注射後、ニードルアセンブリは取り外され廃棄される。
【0007】
薬物送達デバイスのタイプのさらなる区別は、駆動機構に関する。手動により、たとえばユーザが注射ボタンに力を加えることにより駆動されるデバイス、ばねなどにより駆動されるデバイス、およびこれら2つの概念を組み合わせたデバイス、すなわちユーザがなお注射力を加える必要があるばね補助式デバイスが存在する。ばねタイプのデバイスは、予圧されたばねと、用量選択中にユーザにより負荷が加えられるばねとを含む。一部のエネルギー蓄積デバイスは、予圧されたばねと、たとえば用量設定中にユーザによって与えられる追加のエネルギーとの組合せを使用する。
【0008】
特許文献1は、注射デバイスによって放出すべき個々の用量を選択するための計量機構を含む再設定可能な注射デバイスを開示している。設定用量は、作動要素を操作することにより増加または減少させることができ、この作動要素は、注射デバイスから用量を放出するためにも使用可能である。この計量機構の欠点は、カートリッジに残った液体の放出可能な量を超える用量の設定を防止する安全機能がないことである。たとえば、カートリッジがほぼ空である場合、ユーザはそれでもなお、カートリッジ内に存在する用量を大きく超える用量を設定することができる。ユーザがこの設定用量を放出する場合、注射デバイスから実際に放出された薬剤量よりも多い用量を放出したとユーザが思い込んでしまうリスクが存在する。このことは、健康問題を引き起こすおそれのある深刻な過少投与につながることがある。
【0009】
カートリッジ内に残った液体の放出可能な量を超える用量の設定を防止する安全機能を有する、注射デバイス用の計量機構が、たとえば特許文献2から知られており、この文献は、歯止めを有する機構であって、この歯止めが、用量設定中にらせん経路に沿って動き、所定位置にあるプランジャの凹部に係合し、それにより歯止めのさらなる回転を防止し、したがって投薬のためにカートリッジ内に残っている用量より多い用量の選択が防止される機構を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】欧州特許第2643036号明細書
【文献】欧州特許第0474839号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、このような安全機能を有する改良された計量機構、およびこのような計量機構を有する注射デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、請求項1において定義される計量機構、および請求項14において定義される注射デバイスによって解決される。
【0013】
計量機構は、好ましくは、注射デバイスからの用量を設定または放出するための作動要素と、用量を投薬するための前進運動を生じさせるためのピストンロッドと、ピストンロッドをピストンロッドスリーブに対して回転不能に連結することができるように、ピストンロッドが中に収容されたピストンロッドスリーブと、作動要素で設定された用量を放出するために、作動要素の投薬運動が、ピストンロッドに連結されたピストンロッドスリーブによってピストンロッドに伝達されるように、作動要素とピストンロッドスリーブとを結合させることができる結合要素と、ピストンロッドスリーブの一方向への回転を可能にし、反対方向への回転を阻止する、ピストンロッドスリーブのための逆回転防止要素とを含む。本発明によれば、機構は、作動要素によって設定されることになる最大用量を制限するためのリミッタをさらに含む。より詳細には、このリミッタは、ユーザが個々に設定することができる最大用量を制限することが可能であるか、好ましくはリミッタは、注射デバイスのカートリッジ内に残った液体の放出可能な量を超える用量の設定を防止することが可能である。本発明の例は、そのようなリミッタのために、ピストンロッドと結合要素とを使用する。
【0014】
本発明の実施形態では、ピストンロッドは止め具を含み、結合要素は逆止め具を含み、止め具と逆止め具が、少なくとも用量の設定中に互いに対して動き、最大用量止め位置において互いに当接し、それにより用量のさらなる設定が防止される。この実施形態は、止め具と逆止め具が、設定用量の放出中にも互いに対して動くという実施形態を含む。たとえば、止め具と逆止め具は、設定用量の放出中にわずかな距離だけ互いに離れるように動いてもよく、その一方で用量設定中にはより長い距離を、互いに向かって動いてもよい。このことは、結合要素が、用量設定中および用量放出中には比較的大きいストロークで動き、一方でピストンロッドが、用量放出中には比較的小さいストロークでしか動かないこと(および用量設定中には静止状態を保つこと)に対応していてもよい。このような異なるストロークにより、用量放出中にユーザが加えなくてはならない力を低減するための伝動装置と同様の機械的利点が生じる。
【0015】
用量設定中のピストンロッドの止め具と結合要素の逆止め具との相対運動は、ハウジングに対して回転不能に拘束され、ピストンロッドの回転、ひいてはピストンロッドの軸方向運動を防止する逆回転防止要素と、作動要素の軸方向またはらせん状の用量設定運動が結合要素を軸方向に連行するように、結合要素を作動要素に結合することとによって、達成することができる。言い換えれば、ピストンロッドは、用量設定中、逆回転防止要素によって静止状態に保持され、一方で結合要素は、用量設定中、作動要素によって軸方向に動かすことができる。好ましくは、結合要素は、ピストンロッドスリーブ内で案内される管状部分を含む。結合要素は、管状部分によって、ピストンロッドスリーブに対して回転不能に拘束される。
【0016】
たとえば、計量機構の実施形態では、結合要素は、ピストンロッドスリーブ内で案内される管状部分を含み、ピストンロッドは止め具を含み、結合要素は逆止め具を含み、止め具と逆止め具が、少なくとも用量の設定中に互いに対して動き、最大用量止め位置において互いに当接し、それにより用量のさらなる設定が防止され、止め具は、用量の設定中には静止状態に保たれ、止め具と逆止め具は、用量設定中に互いに向かって軸方向に動く。
【0017】
止め具は、ピストンロッドに一体成形された、たとえば径方向外向きに突出するフランジの形態または隔壁の形態の径方向突出部であってもよい。好ましくは、止め具は、ピストンロッドの近位端にまたはその近くに、すなわち注射デバイスのニードル側から離れる方に面する端部に位置付けられる。逆止め具は、結合要素に一体成形された、たとえば径方向内向きに突出するフランジの形態の径方向突出部であってもよい。好ましくは、逆止め具は、結合要素の遠位端にまたはその近くに、すなわち注射デバイスのニードル側に向かって面する端部に位置付けられる。
【0018】
計量機構のリミッタは、用量の設定中に、止め具と逆止め具との相対運動を必要とする。好ましくは、止め具および逆止め具は、互いに向かって軸方向に動く。この実施形態は、止め具および/または逆止め具が、軸方向運動と回転運動が組み合わされた動き、たとえばらせん経路に沿った動きを実行する実施形態を含む。本発明の好ましい実施形態では、用量設定中、止め具は静止状態に保たれ、用量設定中、逆止め具は、止め具に向かって近位方向に線形運動だけを実行する。追加的にまたは代替的に、用量放出中、止め具と逆止め具は、両方とも、それぞれのらせん経路に沿って同じ方向に動いてもよい。たとえば、止め具のらせん経路のピッチは、逆止め具のらせん経路のピッチより小さくてもよい。
【0019】
用量設定がリミッタによって、すなわち止め具と逆止め具との当接によって止められた場合、(制限された)設定用量の放出が望ましい。この目的のために、止め具と逆止め具が当接したとき、作動要素で設定される用量を増やす方向への結合要素のさらなる軸方向変位が防止され、作動要素の投薬運動およびピストンロッドの対応する動きが可能になるように、計量機構が設計される。
【0020】
さらなる実施形態によれば、ピストンロッドは、結合スリーブによってピストンロッドスリーブに回転不能に連結させることができ、結合スリーブは、ピストンロッドと結合スリーブとの間で回転不能の連結を形成するために、ピストンロッドスリーブに係合することができ、結合スリーブは、ピストンロッドがピストンロッドスリーブに対して回転可能になるようにピストンロッドスリーブとの係合を解除することができる。この構成では、再使用可能(リセット可能)な注射デバイスにおいて、空のカートリッジを新規カートリッジに交換する場合に、ピストンロッドの再設定が可能である。計量機構を再設定するために、結合スリーブがピストンロッドと係合していないとき、ピストンロッドは、ピストンロッドスリーブに対して軸方向に変位可能であってもよい。
【0021】
作動要素は、用量を設定するための作動要素の軸方向運動が結合要素に伝達されるように、結合要素に結合させることができる。たとえば、結合要素は、用量設定中に作動要素によって連行される。追加的にまたは代替的に、作動要素は、用量を放出するための作動要素の回転運動、たとえばらせん経路に沿った動きが結合要素に伝達されるように、結合要素に結合させることができる。さらに、結合要素は結合部材を有してもよく、作動要素は対応結合部材を有してもよく、結合部材と対応結合部材は、作動要素に対する結合要素の軸方向または径方向の変位により、互いに対して結合または解放させることができる。たとえば、作動要素は、対応結合部材としてショルダを含んでもよく、結合要素は、用量を設定するための作動要素の軸方向運動が結合要素に伝達されるように配置されたフランジを、結合部材として含んでもよい。結合部材および対応結合部材にそれぞれ歯を設けてもよく、これらの歯は、結合のために係合され、結合解除のために係合解除されるように適用されている。
【0022】
本発明のさらなる態様によれば、結合要素は、ピストンロッドスリーブ内で案内される管状部分を含んでもよく、結合要素の管状部分およびピストンロッドスリーブは、スプラインなどを含んで、結合要素とピストンロッドスリーブとの相対的な回転を防止し、結合要素とピストンロッドスリーブとの相対的な軸方向変位を可能にしてもよい。
【0023】
計量機構の逆回転防止要素とピストンロッドスリーブは、歯手段またはラッチ手段によって係合してもよい。たとえば、逆回転防止要素は、ばねアームを有するか、ばねアームの形態である。さらに、逆回転防止要素とピストンロッドスリーブは、互いに結合させることができる。逆回転防止要素は、たとえば計量機構のハウジングに対して回転不能にかつ軸方向に固定されて連結される。
【0024】
本発明は、さらに、上述した計量機構を有し、薬剤を収容しているカートリッジを受けるためのカートリッジホルダを含む注射デバイスに関する。
【0025】
注射デバイスにおいて、作動要素で設定された用量がカートリッジの放出可能な残りの内容物に実質的に対応する場合、止め具と逆止め具が互いに当接するように、止め具および逆止め具は、好ましくはカートリッジの内容物に適用されて配置される。安全上の理由から、カートリッジを完全に空にできることを確実にすることよりも、カートリッジから完全に放出できるわけではない用量をユーザが設定するのを防止することの方が重要である。言い換えれば、本発明によるリミッタは、実際に設定された用量よりもわずかに多い薬剤量を放出することが理論上可能な状況において、止め具と逆止め具の当接によって有効にすることができる。このことは、止め具と逆止め具との当接によって制限された用量が放出された後で、止め具と逆止め具との当接によって制限された用量よりも少ない用量の設定および/または放出が依然として可能である事例を含んでもよい。
【0026】
再設定可能な注射デバイスについて、カートリッジホルダを注射デバイスまたはそのハウジング構成要素に取り付けることにより、結合スリーブがピストンロッドスリーブに係合され、カートリッジホルダを取り外すことにより、結合スリーブがピストンロッドスリーブから係合解除されるならば、ユーザにとって非常に便利である。これは、たとえば特許文献1に記載の通りに達成することができる。
【0027】
注射デバイスは、通常、薬剤を収容しているカートリッジを含む。「薬剤」という用語は、本明細書で用いられる場合、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態では、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、かつ/あるいはペプチド、タンパク質、多糖、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモン、もしくはオリゴヌクレオチド、または上述した薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態では、薬学的に活性な化合物は、糖尿病もしくは糖尿病に伴う合併症、たとえば、糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害、たとえば、深部静脈血栓塞栓症もしくは肺血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチの治療および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態では、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病に伴う合併症、たとえば、糖尿病性網膜症の治療および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態では、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)もしくはそのアナログもしくは誘導体、もしくはエキセンジン-3もしくはエキセンジン-4またはエキセンジン-3もしくはエキセンジン-4のアナログもしくは誘導体を含む。
【0028】
インスリンアナログは、たとえば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28-B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0029】
インスリン誘導体は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-γ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(N-リトコリル-γ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0030】
エキセンジン-4は、たとえば、H-His-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Leu-Ser-Lys-Gln-Met-Glu-Glu-Glu-Ala-Val-Arg-Leu-Phe-Ile-Glu-Trp-Leu-Lys-Asn-Gly-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-NH2の配列のペプチドであるエキセンジン-4(1-39)を意味する。
【0031】
エキセンジン-4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H-(Lys)4-desPro36,desPro37エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-(Lys)5-desPro36,desPro37エキセンジン-4(1-39)-NH2、
desPro36エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14 Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14 Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39);もしくは
desPro36[Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14 Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)、
desPro36[Met(O)14 Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン-4(1-39)、
(ここで、基-Lys6-NH2が、エキセンジン-4誘導体のC-末端に結合していてもよい);
【0032】
もしくは、以下の配列のエキセンジン-4誘導体:
desPro36エキセンジン-4(1-39)-Lys6-NH2(AVE0010)、
H-(Lys)6-desPro36[Asp28]エキセンジン-4(1-39)-Lys6-NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-Asn-(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-Asn-(Glu)5-desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-(Lys)6-desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-Lys6-NH2、
H-desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-Asn-(Glu)5-desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-Asn-(Glu)5-desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-(Lys)6-desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-Lys6-NH2、
desMet(O)14 Asp28 Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-Asn-(Glu)5-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-Asn-(Glu)5 desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-Lys6-desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-Lys6-NH2、
H-desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
H-Asn-(Glu)5-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2、
H-(Lys)6-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(S1-39)-(Lys)6-NH2、
H-Asn-(Glu)5-desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン-4(1-39)-(Lys)6-NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン-4誘導体の薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物
から選択される。
【0033】
ホルモンは、たとえば、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンである。
【0034】
多糖は、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化形たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩である。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。
【0035】
抗体は、基本構造を共有するイムノグロブリンとしても公知の球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位はイムノグロブリン(Ig)単量体(Ig単位のみを含む)であり、分泌型抗体は、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもありうる。
【0036】
Ig単量体は、4本のポリペプチド鎖;システイン残基間のジスルフィド結合によって結合した2本の同一の重鎖および2本の同一の軽鎖からなる「Y」字型の分子である。各重鎖は約440アミノ酸長であり、各軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化する鎖内ジスルフィド結合を含む。各鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインで構成される。これらのドメインは、70~110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に従って異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的なイムノグロブリン折り畳み構造を有する。
【0037】
α、δ、ε、γ、およびμで表される5タイプの哺乳動物Ig重鎖が存在する。存在する重鎖のタイプにより抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM抗体中に見出される。
【0038】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C)と可変領域(V)とを有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、αおよびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つのイムノグロブリンドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0039】
哺乳動物では、λおよびκで表される2タイプのイムノグロブリン軽鎖が存在する。軽鎖は、2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211~217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を含み、哺乳動物の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0040】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(VH)について3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0041】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化により、Igプロトタイプが3つのフラグメントに切断される。1つの完全なL鎖と約半分のH鎖とをそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズは同等であるが鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶化可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH-H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合を、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域を融合して、単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することができる。
【0042】
薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩は、たとえば、HClまたはHBr塩である。塩基性塩は、たとえば、アルカリもしくはアルカリ土類、たとえば、Na+、もしくはK+、もしくはCa2+から選択されるカチオン、またはアンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)、(式中、R1~R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1~C6アルキル基、場合により置換されたC2~C6アルケニル基、場合により置換されたC6~C10アリール基、または場合により置換されたC6~C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容可能な塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0043】
薬学的に許容可能な溶媒和物は、たとえば、水和物である。
【0044】
次に添付図面を参照しながら、本発明の非限定的な例示的実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】先行技術による注射デバイスの概略図である。
図2】本発明の実施形態による計量機構の構成要素部品の概略分解断面図である。
図3】用量の設定が可能な状態の、図2の計量機構の概略断面図である。
図4】用量の設定を防止する状態の、図2の計量機構の概略断面図である。
図5図2の計量機構を有する注射デバイスの実施形態のさらなる概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1を参照すると、計量機構を有する特許文献1に開示された注射デバイスが示してある。計量機構は、用量を設定および送達するための作動要素1を含む。作動要素1は雄ねじ1bを有し、この雄ねじ1bは、計量機構の内側ハウジング6の雌ねじ内へと案内される。用量を設定するために、作動要素1がハウジング6から出るように回され、一方で用量を送達(放出)するために、作動要素1がハウジング6内にねじ戻される。数字スリーブ9(表示スリーブ)が、作動要素1に軸方向に配置され回転不能に固定されて、ハウジング6を同軸状に囲む外側ハウジングスリーブ21の表示窓21aに、実際に設定された用量を表示する。雄ねじ1bの遠位端に、ハウジング6の対応する逆カム6a(図5に示す)と協働して最大用量の設定を制限するための止めカム1aがある。止め具が接触した状態では、作動要素1をハウジング6からさらに回し抜くことができない。最小用量止め具としてさらなる止めカム6bが設けてあり、通常、用量値ゼロを下回る用量の設定を防ぐ。
【0047】
計量機構には、用量を投薬するための動きを生じさせるための雄ねじ2aにより、ピストンロッド2が可動に取り付けられる。ピストンロッド2の遠位端には、圧力足部またはフランジ11が回転可能に配置される。ピストンロッド2の前進運動中、フランジ11はゴム栓に当接し、これが、注射デバイスから薬剤を送達するためにカートリッジ19内で可動に受けられる。カートリッジ19は、カートリッジホルダ18に受けられる。取外し可能な保護キャップ20が、カートリッジホルダ18を受けるために設けられる。
【0048】
ピストンロッド2の雄ねじ2aは、ねじ切りスリーブ12の雌ねじとねじ係合する。ねじ切りスリーブ12は、外側ハウジングスリーブ21によって、ハウジング6に対して軸方向に、かつ回転不能に拘束される。ねじ切りスリーブ12は、ピストンロッド2の回転運動を、回転運動と軸方向運動が組み合わされたピストンロッド2の動きに変換する。ピストンロッド2の止めカム2bは、カートリッジ19が空のとき、ねじ切りスリーブ12に当接することができる。カートリッジホルダ18の遠位端は、ニードルユニットをカートリッジ19に連結するためのねじ山18bを有する。カートリッジホルダ18の近位端には、外向きに突出したロックカム18aが存在し、このロックカム18aは、ねじ切りスリーブ12の案内部12aに係合されて、差込みロックを形成することができる。
【0049】
ピストンロッドスリーブ3が、ピストンロッド2を同軸状に囲む。ピストンロッド2を、ピストンロッドスリーブ3に取外し可能に結合するために、結合スリーブ7が設けられる。この目的のために、たとえば結合スリーブ7の内側表面に設けられたリブ7aが、ピストンロッド2の長手方向に延びている溝2d(図5を参照)に係合することによって、結合スリーブ7はピストンロッド2に対して回転不能に拘束される。さらに、長手方向に延びているリブ7bが、結合スリーブ7の外側表面に配置され、このリブ7bが、ピストンロッドスリーブ3の内側表面の溝3aに係合する。
【0050】
作動要素1の用量放出運動が、ピストンロッドスリーブ3および結合スリーブ7を介して、ピストンロッド2に伝達可能になるように、作動要素1とピストンロッドスリーブ3とを結合するための結合要素4が設けられる。結合要素4の内側表面に長手方向に延びているリブ4bが配置され、このリブ4bは、ピストンロッドスリーブ3の外側表面上に延びている対応するリブ3cに係合して、結合要素4とピストンロッドスリーブ3との回転不能に固定された連結を実現する。しかし、リブ連結であることから、結合要素4は、ピストンロッドスリーブ3に対して軸方向に動くことができる。結合要素4には、歯4cを有するフランジの形態の結合要素4aが設けられ、この歯4cが、作動要素1の内側ショルダに配置された対応する結合要素、たとえば歯のリング(図示せず)と係合することができる。
【0051】
ノブ8が、スナップ連結8aによって、作動要素1に回転可能に取り付けられる。ばね13が、ノブ8内に配設され、遠位端では結合要素4のフランジ4aに支持され、近位端ではノブ18に保持されたばねホルダ14に支持される。
【0052】
計量機構は、ばねアーム5aを有する逆回転防止要素5をさらに含む。逆回転防止要素5は、回転不能にかつ軸方向にハウジング6に固定される。ばねアーム5aは、ピストンロッドスリーブの径方向に突出したフランジにある歯3bに係合する。ばねアーム5aおよび歯3bは、ピストンロッドスリーブ3が、ばねアーム5aに対して、つまり用量放出中に、一方向にしか回転できないように設計される。
【0053】
結合スリーブ7、結合リング15、結合ホルダ16、およびクラッチばね17は、ねじ切りスリーブ12に取り付けられる。結合スリーブ7は、その遠位端に、外向きに突出したリング7cを有する。結合リング15は、環状溝15aが設けられた、長手方向に延びているウェブを含む。結合スリーブ7のリング7cは、環状溝15aにおいて軸方向に固定されるが、結合リング15に対して自由に回転できる。案内カム15bは、結合ホルダ16の案内トラック16aに係合するように、結合リング15の遠位端に配置される。案内トラック16aは、結合リング15の回転中に、ねじ切りスリーブ12に対して案内カム15bを案内できるように設計される。
【0054】
クラッチばね17は、その近位端でねじ切りスリーブ12に支持され、その遠位端で結合ホルダ16に支持される。結合ホルダ16は、ねじ切りスリーブ12に対して軸方向に変位可能でかつ回転可能であり、その一方で結合リング15は、ねじ切りスリーブ12に対して軸方向に可動であるが、回転不能に固定される。カートリッジホルダ18は凹部18cを有し、この凹部18cは、結合ホルダ16のカム16cに係合することができる。結合ホルダ16は、ねじ切りスリーブにおいて案内されて、ロック位置にあるカートリッジホルダ18に結合ホルダ16を取り付けるための突出部16bを有する。内向きに突出するウェブ15cが、結合リング15の内側表面に取り付けられ、このウェブ15cが、ねじ切りスリーブ12の長手方向溝12cに受けられる。結合ホルダ16と結合リング15との間に案内スロットがあることから、ねじ切りスリーブ12に対する結合ホルダ16の回転は、ねじ切りスリーブ12に対する結合リング15(および結合スリーブ7)の軸方向運動になり、それにより、結合ホルダの回転方向に応じて、すなわちカートリッジホルダ18の取付けまたは取外しに応じて、結合スリーブ7がピストンロッドスリーブ3に係合および係合解除される。
【0055】
図1の注射デバイスを用いて用量を設定するために、ユーザは、作動要素1を第1の方向に回転させ、それにより作動要素1が、雄ねじ1bによって案内されてハウジング6およびハウジングスリーブ21から出るように巻かれる。結合要素4は、フランジ4aが作動要素1の対応するショルダに当接した状態で、作動要素1によって軸方向に連行される。歯4cが、作動要素1の歯に乗り上げて、ばね13を押し付ける。結合要素4はピストンロッドスリーブ3とスプライン係合しているので、結合要素4は、ピストンロッドスリーブ3に作用する逆回転防止要素5によって、回転が防止される。カートリッジホルダ18がねじ切りスリーブ12に取り付けられた状態で、結合スリーブ7がピストンロッドスリーブ3に係合し、それによりピストンロッド2の回転も防止される。用量設定中、数字スリーブ9が作動要素1とともに回転するので、数字スリーブ9に印刷されたそれぞれの用量値が、窓21aに表示される。
【0056】
用量の設定が完了した後、ユーザはノブ8を押すことによって、用量を放出することができる。それにより、ばね13が圧縮され、これにより歯4cが、作動要素1のそれぞれの歯と係合した状態に保たれる。さらに、作動要素1は、巻き戻されてハウジング6およびハウジングスリーブ21に入り、作動要素1の回転は、結合要素4を介してピストンロッドスリーブ3に、ひいては結合スリーブ7を介してピストンロッド2に伝達される。ピストンロッド2とねじ切りスリーブ12がねじ係合しているので、ピストンロッド2が軸方向に遠位方向に並進し、フランジ11がカートリッジ19内の栓(図示せず)に作用する。
【0057】
用量設定および用量放出の動作、ならびにカートリッジ19の交換およびピストンロッド2の再設定のさらなる詳細事項に関しては、特許文献1が参照される。
【0058】
ここで図2図5を見ながら、上に述べた、特許文献1に開示された注射デバイスに基づく本発明の実施形態を説明する。図1に関して上述した構成要素に対応する構成要素については、同様の参照符号を使用する。
【0059】
図2からわかるように、図1のピストンロッドに対してピストンロッド2は、ピストンロッド2の近位端にフランジ状止め具2cが設けられている点が修正されている。止め具2cの位置は、カートリッジ19がほぼ空のときに、止め具2cがピストンロッドスリーブの遠位部分に到達するように選択される。ピストンロッドは、雄ねじ2aを有する細長い部材であるが、この雄ねじ2aは図2図5に示していない。
【0060】
ピストンロッドスリーブ3と結合要素4は、両方とも細長い管状要素であり、互いに案内される。結合要素4は、ピストンロッドスリーブ3内で案内される管状部分を有する。ピストンロッドスリーブ3および結合要素4は、結合要素4が小さい直径を有し、直径が大きいピストンロッドスリーブ3の中に配置される点で、図1に対して修正されている。ピストンロッドスリーブ3および結合要素4は、結合要素4の(リブ間の)外側溝4dと、ピストンロッドスリーブ3の内側リブ3dとによって、互いに回転不能に拘束される。ピストンロッドスリーブ3と結合要素4との間の相対的な軸方向運動は、依然として可能である。逆止め具4eが、径方向内向きに突出するフランジの形態で、結合要素4の遠位端に設けられる。カートリッジ19がほぼ空であるときには、逆止め具4eが止め具2cに接触できるが、カートリッジ19が実質的にいっぱいであるとき、すなわちピストンロッド2が遠位方向に変位されすぎない限り、逆止め具4eが止め具2cに干渉しないように、結合要素の長さおよび逆止め具4eの位置が選択される。
【0061】
図2図4に示す例示的実施形態では、ピストンロッドスリーブ3に、内向きに突出した任意選択のフランジ3eが設けられて、ピストンロッド2のための案内部分が形成される。ピストンロッド2が、ねじ切りスリーブ12、結合スリーブ7、および任意選択で結合要素4の逆止め具4eにおいて案内される場合には、突出フランジ3eを省略してもよい。計量機構は、図2図4に示してあるピストンロッド2、ピストンロッドスリーブ3、結合要素4、および結合スリーブ7に加えて、図1に示す作動要素、および図1に示す逆回転防止要素を含んでもよい。
【0062】
図1に示してある逆回転防止要素5の代替形態として、ピストンロッドスリーブ3の遠位フランジ上にまたはその近くに設けられた、たとえば周方向に延びているラチェットアームを含むものとして、逆回転防止要素を設計してもよく、この場合、このフランジの歯3bを省略してもよい。このようなラチェットアームは、ピストンロッドスリーブ3の回転が、一方向(用量放出)には可能になるが、反対方向には阻止されるように、ハウジング6の内側表面にある歯またはリブと相互作用することができる。図1に示してある逆回転防止要素5のさらなる代替形態は、ハウジング6の一体部分として設けられたラチェットアームを含み、このラチェットアームが、ピストンロッドスリーブ3のたとえば遠位フランジに設けられた歯またはリブに作用してもよい。
【0063】
図1に示してある例では、結合スリーブ7は、ピストンロッド2にスプライン係合され、ねじ切りスリーブ12とねじ係合している。代替形態として、結合スリーブ7に雌ねじを設け、この雌ねじが、ピストンロッド2の雄ねじ2aに係合するとともに、ピストンロッド2がスリーブ12とスプライン係合し、それにより、スリーブ12に対するピストンロッド2の回転が防止されるが、スリーブ12に対するピストンロッド2の軸方向変位は可能になってもよい。これにより、用量を放出するときに、ピストンロッド2は回転することなく変位することになる。
【0064】
図3は、ピストンロッド2が後退(近位)位置にあり、それにより止め具2cが、逆止め具4eから軸方向に離間している状態の計量機構を示す。たとえば、結合要素4に結合された作動要素を回転させることにより用量が設定されるとき、結合要素4は、ピストンロッド2に対して近位方向に後退し、ピストンロッド2は、用量設定中にピストンロッドスリーブ3とともに静止した状態に保たれる。ピストンロッドスリーブ3およびピストンロッド2の回転は、逆回転防止要素によって防止される。ピストンロッドスリーブ3に対する結合要素4の相対的な軸方向運動により、用量設定中に逆止め具4eが、止め具2cに向かう方向に軸方向に動く。しかし、ピストンロッド2がその後退(近位)位置にあるので、止め具2cは、用量設定(用量増加)中に逆止め具4eに干渉しない。
【0065】
図4は、複数回分の用量が放出され、それにより止め具2cを有するピストンロッド2が、図3に示してある状態に比べて遠位方向に変位した後の計量機構を示している。さらに、逆止め具4eを有する結合要素4がピストンロッドスリーブ3に対して近位方向に変位していることからわかるように、図4に示してある状態で用量が設定される。これは、最大用量止め位置である。
【0066】
図4において、用量設定は、カートリッジ19の薬剤の放出可能な量に実質的に対応する。この状況において、止め具2cが逆止め具4eに当接しており、それによりピストンロッド2に対する結合要素4のさらなる近位方向への動きが防止される。逆回転防止要素がピストンロッドスリーブ3に対して作用することから、ピストンロッド2が近位方向に後退することが防止されるので、この当接により、結合要素4のさらなる近位方向への動きが止められる。これにより、フランジ4cによって、結合要素4と軸方向に係合している作動要素の用量設定運動が止められることになる。言い換えれば、止め具2cおよび逆止め具4eは、カートリッジ19内に残っている薬剤量を超える用量の設定を防止するリミッタを形成する。
【0067】
図4に示してある状態では、作動要素を巻いて機構に戻し入れながら、作動要素と結合要素4との間で結合部を係合させることにより、設定用量を、図1に関して上で説明したように、注射デバイスから放出することが可能になる。これにより、作動要素、結合要素4、ピストンロッドスリーブ3、結合スリーブ7、およびピストンロッド2が、共同で回転することになる。ピストンロッド2がねじ切りスリーブ12とねじ係合していることから、この回転は、ねじ切りスリーブ12およびピストンロッドスリーブ3に対してピストンロッド2を遠位方向に駆動する。しかし、図4に示してある状態では、設定用量を増やすことは不可能である。これにより、過少用量のリスクが防止される。
【0068】
注射デバイスが再設定可能な注射デバイスである場合には、(限られた)用量を放出した後、カートリッジ19を満杯のカートリッジと交換することができる。この目的のために、特許文献1においてさらに詳細に説明されているように、結合リング16と結合ホルダ15の相互作用に起因して、カートリッジホルダ18がねじ切りスリーブ12から取り外され、これにより結合スリーブ7がピストンロッドスリーブ3から結合解除される。次いで、ピストンロッド2は、結合スリーブ7内で案内されて図3に示してある位置まで押し戻されることが可能であるが、ピストンロッド2の回転はピストンロッドスリーブ3に伝達されない。ピストンロッド2を押し戻すとき、止め具2cは、逆止め具4eから離れるように並進し、こうして新規カートリッジのために再び用量設定が可能になる。
【0069】
図5は、図1の注射デバイスに実装された図2図4の計量機構に類似した計量機構を、図3における線X-Xに沿った断面図において概略的に示す。構成要素部品の全体的な設計および配置、ならびにそれらの相互作用は、図2図4に示してある実施形態と同じであるが、図5に示してある計量機構の構成要素部品の寸法が、図2図4とわずかに異なっている。図5は、ピストンロッド2を結合スリーブ7内で回転不能に固定して案内できるようにするために、リブ7a(図5には示さず)に係合する溝2dを示す。
【0070】
本発明によるリミッタを有する計量機構は、再設定可能(すなわち再使用可能)なデバイス、および再設定不可能(すなわち使い捨て)のデバイスにおいて使用可能である。さらに、リミッタは、図1図5に関して説明した手動により駆動される注射デバイスにおいてのみ使用可能なわけではなく、ばね駆動式またはばね補助式のデバイスにおいても使用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 作動要素
1a カム
1b 雄ねじ
2 ピストンロッド
2a 雄ねじ
2b カム
2c 止め具
2d 溝
3 ピストンロッドスリーブ
3a 溝
3b 歯
3c リブ
3d リブ
3e フランジ
4 結合要素
4a フランジ
4d リブ
4c 歯
4d 溝
4e 逆止め具
5 逆回転防止要素
5a アーム
6 ハウジング
6a カム
6b カム
7 結合スリーブ
7a リブ
7b リブ
7c リング
8 ノブ
8a スナップ機能
9 数字スリーブ
11 フランジ
12 ねじ切りスリーブ
12a 案内部
12c 溝
13 ばね
14 ばねホルダ
15 結合リング
15a 溝
15b カム
15c ウェブ
16 結合ホルダ
16a 案内トラック
16b 突出部
16c カム
17 ばね
18 カートリッジホルダ
18a カム
18b ねじ山
18c 凹部
19 カートリッジ
20 キャップ
21 ハウジングスリーブ
21a 窓
図1
図2
図3
図4
図5