(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-26
(45)【発行日】2023-11-06
(54)【発明の名称】力率改善回路及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
H02M 7/12 20060101AFI20231027BHJP
【FI】
H02M7/12 H
H02M7/12 Q
(21)【出願番号】P 2021568803
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(86)【国際出願番号】 CN2019117014
(87)【国際公開番号】W WO2020232993
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】201910413439.X
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920713087.5
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】鮑殿生
【審査官】町田 舞
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-068028(JP,A)
【文献】特開2015-080316(JP,A)
【文献】特開2015-061322(JP,A)
【文献】特開2009-189114(JP,A)
【文献】米国特許第09590494(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第108599549(CN,A)
【文献】特開2002-291260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/00-7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電信号を受信する力率改善モジュールであって、前記給電信号を制御して負荷に給電するように構成されるスイッチングトランジスタを含む力率改善モジュールと、
前記スイッチングトランジスタの駆動入力端に接続され、前記スイッチングトランジスタにスイッチング信号を出力するために用いられる駆動モジュールと、
前記駆動モジュールに接続され、前記スイッチング信号の出力をオンにし又は前記スイッチング信号の出力をオフにするように前記駆動モジュールを制御するために用いられる制御モジュールと、
前記力率改善モジュールの入力側に設けられて、サンプリング信号を収集する変流器と、
前記変流器及び前記制御モジュールに接続され、前記サンプリング信号が第1の安全閾値以上であることを検出すると、前記制御モジュールに保護信号を出力するために用いられる駆動保護モジュールであって、前記保護信号は、前記駆動モジュールの出力をオフにするように前記制御モジュールをトリガするために用いられる駆動保護モジュールと、
前記力率改善モジュールの負極出力端に設けられ、かつ前記駆動保護モジュールに接続されるサンプリング抵抗と、
交流電源のライブラインに設置された第1のリアクトル、及び前記交流電源のニュートラルラインに設けられた第2のリアクトルと、
前記交流電源のライブライン端とニュートラルライン端との間に設けられるとともに、前記制御モジュールに接続され、前記ライブライン端と前記ニュートラルライン端との間のゼロクロス検出信号を収集するために用いられるゼロクロス検出モジュールと、を含み、
前記駆動保護モジュールは前記サンプリング抵抗の電圧降下が第2の安全閾値を超えたことを検出すると、前記制御モジュールに前記保護信号を出力し、
前記制御モジュールはさらに、前記ゼロクロス検出モジュールから出力されたゼロクロス検出信号に基づいて前記交流電源の位相状態を特定して、前記位相状態に基づいて対応するスイッチング制御信号を前記駆動モジュールに出力するために用いられ、
前記交流電源は前記給電信号を出力するために用いられ、前記変流器は、前記交流電源のライブライン端と前記第1のリアクトルとの間に設けられ、又は前記交流電源のニュートラルライン端と前記第2のリアクトルとの間に設けら
れ、
前記力率改善モジュールは、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタ、第3のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタで構成され、前記第1のスイッチングトランジスタ、前記第2のスイッチングトランジスタ、前記第3のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタにはいずれもフリーホイールダイオードが装備され、前記第1のスイッチングトランジスタのドレインと前記第2のスイッチングトランジスタのドレインは直列接続され、接続点が前記力率改善モジュールの正極出力端とされ、前記第3のスイッチングトランジスタのソースと前記第4のスイッチングトランジスタのソースは直列接続され、接続点が前記サンプリング抵抗に直列接続された後に接地され、前記第1のスイッチングトランジスタのソースと前記第3のスイッチングトランジスタのドレインは直列接続され、接続点が前記ライブライン端に接続され、前記第2のスイッチングトランジスタのソースと前記第4のスイッチングトランジスタのドレインは直列接続され、接続点が前記ニュートラルライン端に接続され、
前記制御モジュールはさらに、前記交流電源の入力電圧が正の半周期にある場合、前記ゼロクロス検出信号及び前記スイッチング信号に基づいて前記第3のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタのオン/オフを制御し、前記第3のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタを導通させたとき、前記第1のリアクトルを充電し、前記第3のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタをオフにしたとき、前記第1のスイッチングトランジスタを導通させて、前記第1のリアクトルが負荷に給電するために用いられ、
前記制御モジュールはさらに、前記交流電源の入力電圧が負の半周期にある場合、前記ゼロクロス検出信号及び前記スイッチング信号に基づいて前記第3のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタのオン/オフを制御し、前記第3のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタを導通させたとき、前記第1のリアクトルを充電し、前記第3のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタをオフにしたとき、前記第2のスイッチングトランジスタの導通を駆動して、前記第1のリアクトルが負荷に給電するために用いられて、力率改善を実現する、力率改善回路。
【請求項2】
前記駆動モジュールは、前記第1のスイッチングトランジスタ及び前記第3のスイッチングトランジスタを駆動するための第1の駆動モジュールと、前記第2のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタを駆動するための第2の駆動モジュールとを含み、
前記駆動保護モジュールは前記サンプリング信号が第1の安全閾値より大きいこと及び/又は前記電圧降下が第2の安全閾値より大きいことを検出すると、前記第1の駆動モジュール及び前記第2の駆動モジュールの駆動出力をオフにするように前記制御モジュールをトリガする、請求項
1に記載の力率改善回路。
【請求項3】
前記制御モジュールはさらに、前記交流電源の入力電圧が正の半周期にある場合、前記第1のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタを導通させるためのスイッチング信号を出力するとともに、対応するフリーホイールダイオードをバイパスするように前記駆動モジュールを制御するために用いられ、
前記制御モジュールはさらに、前記交流電源の入力電圧が負の半周期にある場合、前記第2のスイッチングトランジスタ及び前記第3のスイッチングトランジスタを導通させるためのスイッチング信号を出力するとともに、対応するフリーホイールダイオードをバイパスするように前記駆動モジュールを制御するために用いられて、同期整流を実現する、請求項
1に記載の力率改善回路。
【請求項4】
一端が前記正極出力端に接続され、他端が接地される母線コンデンサをさらに含み、駆動モジュールは前記スイッチング信号を出力したとき、前記交流電源により前記母線コンデンサを充電するか、又は前記母線コンデンサを放電させ、駆動モジュールは前記スイッチング信号を出力しないとき、前記母線コンデンサを放電させる、請求項
1~3のいずれか一項に記載の力率改善回路。
【請求項5】
前記正極出力端と前記負極出力端との間に設けられ、前記力率改善モジュールの直流出力を受信して、負荷に給電するために用いられる負荷駆動モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは負荷駆動モジュールにさらに接続されて、前記負荷駆動モジュールに逆変換制御信号を出力するために用いられる、請求項
1~3のいずれか一項に記載の力率改善回路。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか一項に記載の力率改善回路を含む空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年5月17日に中国特許庁に提出された、出願番号が201910413439.Xであり、発明の名称が「力率改善回路及び空気調和機」である中国特許出願、及び2019年5月17日に中国特許庁に提出された、出願番号が201920713087.5であり、発明の名称が「力率改善回路及び空気調和機」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てを援用することにより本願に取り入れる。
【0002】
本願は、空調技術分野に関し、具体的には、力率改善回路及び空気調和機に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、力率改善回路(Power Factor Correction、すなわちPFC回路)は、IGBTデバイスの代わりに大電力MOSスイッチング技術を主電力デバイスとして用い、IGBTのオン電圧降下が一定している特性の代わりにMOSの低オン抵抗の特性を利用して中小電力での消費電力の低減を実現して、空気調和機の消費電力の低減を実現する。
【0004】
4つのスイッチングトランジスタで力率改善モジュールを構成し、かつ2つのハーフブリッジ駆動チップを用いて駆動し、そのうちの1つの駆動チップは保護機能を有し、サンプリング抵抗に合わせて過電流検出を行い、大電流を検出すると、4つのスイッチに対する駆動出力のオフをトリガして、過電流保護を行い、この解決手段には以下の欠陥が存在する。
【0005】
図1に示すように、従来の保護手段は上下のQ1とQ3に異常が発生したか、又は上下のQ2とQ4に異常が発生した時の検出しか実現できず、実際に利用する際に、スイッチング駆動モジュール自体にインターロック保護回路が内蔵可能であるため、上下の2つのスイッチングトランジスタにおいて上下のブリッジアームのシュートスルーが発生しにくい。従って、この保護手段に対応する故障が発生する確率が低く、実用性が比較的に低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、従来技術又は関連技術に存在する技術的問題の少なくとも1つを解決することを目的とする。
【0007】
そのため、本願の1つの目的は、力率改善回路を提供する。
【0008】
本願のもう1つの目的は、空気調和機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本願の第1の態様の実施例によれば、給電信号を受信する力率改善モジュールであって、前記給電信号を制御して負荷に給電するように構成されるスイッチングトランジスタを含む力率改善モジュールと、前記スイッチングトランジスタの駆動入力端に接続され、前記スイッチングトランジスタにスイッチング信号を出力するために用いられる駆動モジュールと、前記駆動モジュールに接続され、前記スイッチング信号の出力をオンにし又は前記スイッチング信号の出力をオフにするように前記駆動モジュールを制御するために用いられる制御モジュールと、前記力率改善モジュールの入力側に設けられて、サンプリング信号を収集する変流器と、前記変流器及び前記制御モジュールに接続され、前記サンプリング信号が第1の安全閾値以上であることを検出すると、前記制御モジュールに保護信号を出力するために用いられる駆動保護モジュールであって、前記保護信号は前記駆動モジュールの出力をオフにするように前記制御モジュールをトリガするために用いられる駆動保護モジュールと、を含む力率改善回路を提供する。
【0010】
当該技術的手段において、力率改善モジュールの交流入力端に変流器が設置され、変流器は設置された位置に基づいて、力率改善モジュールの入力電流を収集し、又は電流を出力し、電流を電圧信号に変換して駆動保護モジュールに出力して、駆動保護モジュールにより、過電流現象が発生したか否かを検出し、過電流現象の発生を検出した場合、力率改善モジュールへのスイッチング信号の出力を停止するように制御し、変流器は被検出回路と電気的に接触しないため、被検出電源の電力を消費せず、そのためインバータ装置の高効率で低消費電力の制御に影響を与えない一方で、変流器は力率改善モジュールの入力端電流を直接収集するため、力率改善モジュールが異なる機能操作を実行する時に対応する異なる電流流路は、いずれも変流器により回路異常検出を行うことができ、したがって、整流器に異常が発生したか否かをより直接的に検出することができ、また、異常の発生を確認した場合、異なる動作状態に対応する異常部品を特定することができ、従来技術における、保護機能を有する駆動チップを用いてサンプリング抵抗に合わせて過電流検出を行うという解決手段に比べて、制限性がより小さく、さらに指向性及び実用性を有する。
【0011】
第1の安全閾値は、力率改善モジュールの入力側を検出する安全電圧であり、好ましくは、安全電圧の上限値である。
【0012】
ここで、当業者であれば、変流器は電磁誘導原理に基づいて一次側大電流を二次側小電流に変換して測定する器具であり、変流器は商用電源周波数大電流の測定場合に適用されて、変流と電気分離の機能を実現し、電磁誘導原理に基づいて、出力電圧は交流側電流の変化率に正比例するため、交流側に過電流現象が発生したか否かを正確に検出でき、変流器によりリアクトルを通過する電流信号を収集し、対応する電圧信号に変換して駆動保護モジュールに送信して、変流器により収集された電圧信号に基づいて、過電流現象が発生したか否かを判断することを理解することができる。
【0013】
上記の技術的手段において、前記力率改善モジュールの負極出力端に設けられ、かつ前記駆動保護モジュールに接続されるサンプリングをさらに含み、前記駆動保護モジュールは前記サンプリング抵抗の電圧降下が第2の安全閾値を超えることを検出すると、前記制御モジュールに前記保護信号を出力する。
【0014】
さらに、交流側の電流を検出するために、力率改善モジュールの交流側に1つの変流器を直列接続し、そしてこのセンサから出力された電圧信号を駆動保護モジュールの入力信号とし、力率改善モジュールの負極出力端に直列接続されたサンプリング抵抗と結合し、このサンプリング抵抗で検出された電圧も駆動保護モジュールに入力し、この2つの入力電圧のいずれかが電流検出及び駆動保護モジュールの所定電圧を超えると、電流検出及び駆動保護モジュールの保護をトリガしかつ力率改善モジュールをオフにすることにより、入出力側のいずれにも過電流現象に対する検出機能を実現することができる。
【0015】
第2の安全閾値は、力率改善モジュールの入力側を検出する安全電圧であり、好ましくは、安全電圧の上限値である。
【0016】
上記いずれかの技術的手段において、交流電源のライブラインに設けられた第1のリアクトル、及び前記交流電源のニュートラルラインに設けられた第2のリアクトルと、前記交流電源のライブライン端とニュートラルライン端との間に設けられ、かつ前記制御モジュールに接続され、前記ライブライン端と前記ニュートラルライン端との間のゼロクロス検出信号を収集するために用いられるゼロクロス検出モジュールと、をさらに含み、前記制御モジュールはさらに、前記ゼロクロス検出モジュールから出力されたゼロクロス検出信号に基づいて前記交流電源の位相状態を特定して、前記位相状態に基づいて対応するスイッチング制御信号を前記駆動モジュールに出力するために用いられ、前記交流電源は前記給電信号を出力するために用いられ、前記変流器は前記交流電源のライブライン端と前記第1のリアクトルとの間に設けられ、又は前記交流電源のニュートラルライン端と前記第2のリアクトルとの間に設けられる。
【0017】
当該技術的手段において、単相リアクトル回路に比べて、第1のリアクトル及び第2のリアクトルを設置することにより、2つのリアクトルの相加効果を実現することができる一方で、取り付けにくい大寸法のリアクトルの代わりに、力率改善回路に取り付けることで、取り付け難易度を低減することができる。
【0018】
さらに、力率改善モジュールの交流入力端と交流電源との間に並列接続された第1のリアクトルと第2のリアクトルを設けることにより、交流電源が交流出力を行う場合に、並列接続された第1のリアクトルと第2のリアクトルは交流電源から供給された電気エネルギーを磁気エネルギーに変換してエネルギーとして蓄積することができ、また、このエネルギーを放出することでPFC回路の昇圧及び力率の改善を実現することができる。
【0019】
また、ライブラインとニュートラルラインとの間にゼロクロス検出モジュールを設けて、ゼロクロス検出モジュールにより交流電源のリアルタイム位相を判断することにより、異なる位相状態に基づいて、スイッチング操作を実行するように力率改善モジュールにおける異なるスイッチングデバイスを駆動して、それぞれ整流機能又は力率改善(PFC)機能を実現し、それにより、整流機能に基づいて負荷端の直流給電を実現し、又はPFC制御により、交流側電圧と交流側電流を位相で一致させる。
【0020】
また、過電流現象の発生には、例えば回路が干渉されて制御モジュールのフリーズとリセットを引き起こし、又は並列接続された第1のリアクトルと第2のリアクトルに短絡異常が発生するなど、様々な原因がある。
【0021】
上記いずれかの技術的手段において、前記変流器は、前記交流電源のライブライン端と前記第1のリアクトルとの間に設けられ、又は前記変流器は、前記交流電源のニュートラルライン端と前記第2のリアクトルとの間に設けられ、前記駆動保護モジュールはさらに、前記電圧信号が第1の安全閾値より大きいことを検出すると、前記制御モジュールに前記保護信号を出力して、前記駆動モジュールの出力をオフにするために用いられる。
【0022】
上記いずれかの技術的手段において、前記力率改善モジュールは、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタ、第3のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタで構成され、前記第1のスイッチングトランジスタ、前記第2のスイッチングトランジスタ、前記第3のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタにはいずれもフリーホイールダイオードが装備され、前記第1のスイッチングトランジスタのドレインと前記第2のスイッチングトランジスタのドレインは直列接続され、接続点が前記力率改善モジュールの正極出力端とされ、前記第3のスイッチングトランジスタのソースと第4のスイッチングトランジスタのソースは直列接続され、接続点が前記サンプリング抵抗に直列接続された後に接地され、前記第1のスイッチングトランジスタのソースと前記第3のスイッチングトランジスタのドレインは直列接続され、接続点が前記ライブライン端に接続され、前記第2のスイッチングトランジスタのソースと前記第4のスイッチングトランジスタのドレインは直列接続され、接続点が前記ニュートラルライン端に接続される。
【0023】
前記力率改善モジュールは、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタ、第3のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタで構成され、第1のスイッチングトランジスタ及び第2のスイッチングトランジスタは力率改善モジュールの上部に設けられ、第3のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタは力率改善モジュールの下部に設けられ、第1のスイッチングトランジスタ及び第3のスイッチングトランジスタは力率改善モジュールの左部に設けられ、第2のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタは力率改善モジュールの右部に設けられ、前記第1のスイッチングトランジスタ、前記第2のスイッチングトランジスタ、前記第3のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタにはいずれもフリーホイールダイオードが装備され、前記第1のスイッチングトランジスタのドレインと前記第2のスイッチングトランジスタのドレインは直列接続され、接続点が前記力率改善モジュールの正極出力端とされ、前記第3のスイッチングトランジスタのソースと第4のスイッチングトランジスタのソースは直列接続され、接続点が前記サンプリング抵抗に直列接続された後に接地され、前記第1のスイッチングトランジスタのソースと前記第3のスイッチングトランジスタのドレインは直列接続され、接続点が前記ライブライン端に接続され、前記第2のスイッチングトランジスタのソースと前記第4のスイッチングトランジスタのドレインは直列接続され、接続点が前記ニュートラルライン端に接続される。
【0024】
具体的には、第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタ、第3のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタはいずれもMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect TransIstor、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、すなわちMOSトランジスタ)、例えばスーパージャンクションMOSFET、又はSiC-MOSFETであってもよい。
【0025】
MOSトランジスタの動作方式として、ゲートによってソースとドレインとの間のオン/オフを制御してスイッチングを実現し、オンにする時にゲート側電源をソース側電源より大きくする必要がある。
【0026】
当該技術的手段において、4つのスイッチングトランジスタで構成された力率改善モジュールを設け、制御モジュールから出力された制御命令に合わせることにより、それぞれ整流操作又は力率改善操作を実行するように回路を制御し、モータ駆動システムの構成部分とする時、「力率改善動作」及び「同期整流動作」を交替で行うことにより昇圧させて、モータ回転数の許容限界を高めるという目的を達成し、また、動作中に、回路に変流器を増設することにより、運転電流を検出し、電流異常の発生を検出した場合、動作を停止するように力率改善モジュールを制御し、異常を排除した後に再運転させ、それにより、モータ駆動過程の安全性を保証する。
【0027】
当該技術的手段において、力率改善モジュールの交流入力端に変流器を設けることにより、整流操作を実行するか、力率改善操作を実行するかにもかかわらず、電流は変流器を流れ、それにより、電流が変流器を流れることを検出した時、このデバイスは対応する電圧を出力し、力率改善モジュールの4つのスイッチングトランジスタが耐えられる電流値に基づいて、駆動保護モジュール又は変流器に内蔵された過電流検出ユニットにおいて保護が必要な電圧値を設定し、第1のスイッチングトランジスタと第2のスイッチングトランジスタをライブラインとニュートラルラインとの間に直列接続し、第3のスイッチングトランジスタと第4のスイッチングトランジスタをライブラインとニュートラルラインとの間に直列接続し、第1のスイッチングトランジスタ-第2のスイッチングトランジスタ又は第3のスイッチングトランジスタ-第4のスイッチングトランジスタに異常な過電流が発生した場合、この電流は変流器により対応する電圧を出力するとともに駆動保護モジュールをトリガし、さらに駆動モジュールのスイッチング信号をオフにし、それにより、スイッチングトランジスタに対する過電流保護を実現し、過電流信号が解除されると、駆動保護モジュールは過電流駆動モジュールに対する制御を解除して、正常動作に復帰し、それにより、整流操作過程、又は力率改善過程において、いずれも確率が比較的高い故障に対するタイムリーで効果的な検出を実現して、PFC回路全体の安全性を向上させるという目的を達成することができる。
【0028】
具体的には、第3のスイッチングトランジスタのソースと第4のスイッチングトランジスタのソースを相互に接続した後、接続点をサンプリング抵抗の一端に接続し、サンプリング抵抗の他端を接地し、サンプリング抵抗の両端の電圧信号を収集し、この電圧信号を駆動保護モジュールに伝送することにより、サンプリング抵抗の両端の電圧降下が第2の安全閾値を超えることを検出した後、前記駆動モジュールの出力をオフにするように制御モジュールをトリガする。
【0029】
変流器及びサンプリング抵抗が設置された力率改善回路については、異なる電流流路においていずれも変流器及び/又はサンプリング抵抗に基づいて電圧をサンプリングし、サンプリング電圧の検出結果に基づいて短絡現象が存在するか否かを確認することができ、そのため、力率改善モジュールにおける第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタ、第3のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタによる異なる結合流路の検出要求を満たすことができる。
【0030】
上記いずれかの技術的手段において、前記駆動モジュールは、前記第1のスイッチングトランジスタ及び前記第3のスイッチングトランジスタを駆動するための第1の駆動モジュールと、前記第2のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタを駆動するための第2の駆動モジュールとを含み、前記駆動保護モジュールは前記サンプリング信号が第1の安全閾値より大きいこと及び/又は前記電圧降下が第2の安全閾値より大きいことを検出すると、前記第1の駆動モジュール及び前記第2の駆動モジュールの駆動出力をオフにするように前記制御モジュールをトリガする。
【0031】
当該技術的手段において、駆動モジュールは第1の駆動モジュールと第2の駆動モジュールを含んで、Hブリッジ整流器のハーフブリッジ駆動を実現する。
【0032】
具体的には、第1の駆動モジュールにより第1のスイッチングトランジスタ及び第3のスイッチングトランジスタを駆動し、第2の駆動モジュールにより第2のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタを駆動し、変流器から出力された電圧信号及びサンプリング抵抗の電圧サンプリング信号をいずれも駆動保護モジュールに接続し、駆動保護モジュールは変流器から出力された電圧信号及びサンプリング抵抗の電圧サンプリング信号が所定値を超えることを検出すると、第1の駆動モジュール及び第2の駆動モジュールを強制的にオフにすることより、4つのスイッチングトランジスタを保護する。
【0033】
変流器は主に、電流が第1のスイッチングトランジスタと第2のスイッチングトランジスタを順次通過し、又は電流が第3のスイッチングトランジスタと第4のスイッチングトランジスタを順次通過する時に短絡異常が発生する場合の検出に用いられ、サンプリング抵抗は主に、電流が第1のスイッチングトランジスタと第3のスイッチングトランジスタを順次通過し、又は電流が第2のスイッチングトランジスタと第4のスイッチングトランジスタを順次通過する時に短絡異常が発生する場合の検出に用いられる。
【0034】
当業者であれば、変流器に基づいてトリガして生成された保護信号とサンプリング抵抗に基づいてトリガして生成された保護信号とは優先度が同じであり、いずれか1つに異常が発生すると、いずれも駆動保護モジュールをトリガし、過電流の原因は回路が電磁干渉又はサージ干渉を受けて制御モジュールのフリーズとリセットを引き起こし、又はリアクトルに短絡異常が発生するなどのことであることを理解することができる。
【0035】
上記いずれかの技術的手段において、一端が前記正極出力端に接続され、他端が接地される母線コンデンサをさらに含み、駆動モジュールは前記スイッチング信号を出力したとき、前記交流電源により前記母線コンデンサを充電するか、又は前記母線コンデンサを放電させ、駆動モジュールは前記スイッチング信号を出力しないとき、前記母線コンデンサを放電させる。
【0036】
上記いずれかの技術的手段において、前記制御モジュールはさらに、前記交流電源の入力電圧が正の半周期にある場合、前記第1のスイッチングトランジスタ及び前記第4のスイッチングトランジスタを導通させるためのスイッチング信号を出力するとともに、対応するフリーホイールダイオードをバイパスするように前記駆動モジュールを制御するために用いられ、前記制御モジュールはさらに、前記交流電源の入力電圧が負の半周期にある場合、前記第2のスイッチングトランジスタ及び前記第3のスイッチングトランジスタを導通させるためのスイッチング信号を出力するとともに、対応するフリーホイールダイオードをバイパスするように前記駆動モジュールを制御するために用いられて、同期整流を実現する。
【0037】
第1のスイッチングトランジスタの内部にはフライホイールダイオードを有し、フライホイールダイオードは第1のスイッチングトランジスタのソースとドレインとの間に存在するPN接合の部分であり、第1のスイッチングトランジスタの飽和電圧(オン状態でのドレイン・ソース間電圧)はフライホイールダイオードの順方向の電圧降下より低い。これにより、第1のスイッチングトランジスタのソース・ドレインを流れる電流は、寄生ダイオードを流れる電流に比べて、電圧降下が小さくなり、さらに導通損失を低減することができる。理解しやすく言えば、オン状態となる第1のスイッチングトランジスタを流れる電流は、オフ状態となる第1のスイッチングトランジスタにおけるフライホイールダイオードを流れる電流に比べて、導通損失を小さくさせ、また、他の第2のスイッチングトランジスタ、第3のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタにも適用される。
【0038】
当該技術的手段において、MOSトランジスタの低オン電圧降下の原理を利用することにより、交流電力の位相状態に基づいて対応するMOSトランジスタをオンにすれば低消費電力の同期整流を実現することができる。
【0039】
具体的には、制御モジュールはゼロクロス検出モジュールにより検出された現在の交流電力の位相に基づいて対応する制御信号を出力し、対応するスイッチングトランジスタの動作を駆動する。
【0040】
関連技術において、同期整流を行う場合、交流電源の正の半周期間に、電流は変流器及びリアクトルを経て、続いて第1のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタのフリーホイールダイオードにより整流してシステムに給電し、この時、フリーホイールダイオードの電圧降下が大きいため、エネルギーの浪費を引き起こす。
【0041】
当該技術的手段において、この場合、制御モジュールはゼロクロス検出モジュールにより交流電源の正の半周期の開始時に、電流が変流器及びリアクトルを経過すると判断し、スイッチング信号を出力して第1のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタの導通を駆動し、第1のスイッチングトランジスタ、サンプリング抵抗及び第4のスイッチングトランジスタにおけるフリーホイールダイオードを流れる電流をMOSトランジスタに流れさせ、MOSトランジスタの低オン特性を利用し、フリーホイールダイオードをバイパスし、それにより、導通損失を低減する。同様に、交流電源の負の半周期間に、制御モジュールは第2のスイッチングトランジスタ及び第3のスイッチングトランジスタのオンを制御し、4つのMOSトランジスタに同期整流機能を実現させ、同期整流過程において、変流器及びサンプリング抵抗を経過する電流を検出することにより、過電流現象が発生したか否かを検出する。
【0042】
上記いずれかの技術的手段において、前記制御モジュール30はさらに、前記交流電源の入力電圧が正の半周期にある場合、前記ゼロクロス検出信号及び前記スイッチング信号に基づいて前記第3のスイッチングトランジスタQ3及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4のオン/オフを制御し、前記第3のスイッチングトランジスタQ3及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4を導通させたとき、前記リアクトルL1を充電し、前記第3のスイッチングトランジスタQ3及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4をオフにしたとき、前記第1のスイッチングトランジスタQ1を導通させて、前記リアクトルが負荷に給電するために用いられ、前記制御モジュール30はさらに、前記交流電源の入力電圧が負の半周期にある場合、前記ゼロクロス検出信号及び前記スイッチング信号に基づいて前記第3のスイッチングトランジスタQ3及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4のオン/オフを制御し、前記第3のスイッチングトランジスタQ3及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4を導通させたとき、前記リアクトルL1を充電し、前記第3のスイッチングトランジスタQ3及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4をオフにしたとき、前記第2のスイッチングトランジスタQ2の導通を駆動して、前記リアクトルL1が負荷に給電するために用いられて、力率改善を実現する。
【0043】
当該技術的手段において、回路がPFC操作を行うために用いられる場合、入力が交流電源の正の半周期にある場合、制御モジュールはゼロクロス検出信号に基づいて、第3のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタの導通を駆動して、リアクトルを充電し、充電過程において、変流器の電流を検出することにより短絡現象が発生したか否かを確認し、第3のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタをオフにすると、制御モジュールは第1のスイッチングトランジスタのオンを駆動し、第1のスイッチングトランジスタを介してリアクトルに蓄積された電気エネルギーを後段回路に放出し、母線コンデンサ及び負荷(例えばモータ)に給電し、入力が交流電源の負の半周期にある場合、制御モジュールはゼロクロス検出信号に基づいて、第3のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタの導通を駆動して、リアクトルを充電し、第3のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタをオフにすると、制御モジュールは第2のスイッチングトランジスタのオンを駆動し、第2のスイッチングトランジスタを介してリアクトルに蓄積された電気エネルギーを後段回路に放出し、母線コンデンサ及び負荷(例えばモータ)に給電し、母線コンデンサにリアクトルに蓄積されたエネルギーを放出することにより、母線コンデンサの直流電圧を昇圧し、それにより、短絡電流により、電流波形の歪みを低減し、電流波形を正弦波に近づけることができ、さらに、PFC回路の力率を改善することができ、さらに、負荷の母線電圧に基づいて第3のスイッチングトランジスタ又は第1のスイッチングトランジスタのパルス幅を計算することにより、PFC回路における短絡電流の持続時間を合理的に調整することができ、パルス変化回数に基づいて各スイッチングトランジスタのオン/オフの回数を合理的に制御し、スイッチングユニットの導通損失を低減し、スイッチング損失を低減し、効率を向上させることができる。
【0044】
上記いずれかの技術的手段において、前記正極出力端と前記負極出力端との間に設けられ、前記力率改善モジュールの直流出力を受信して、負荷に給電するために用いられる負荷駆動モジュールと、前記力率改善モジュールの直流出力端に接続されるとともに、前記負荷駆動モジュールと並列に設置され、直流母線電圧を検出するために用いられる直流母線電圧検出モジュールと、をさらに含む。
【0045】
当該技術的手段において、負荷がモータである応用シーンにおいて、負荷駆動モジュールは、モータへの給電を実現するように、定電圧直流を三相交流に逆変換して出力するために用いられ、直流母線電圧検出モジュールの設置に合わせて、力率改善モジュールの直流出力の母線電圧の検出、及び前記入力電圧の検出により、力率改善モジュールにおける各スイッチングトランジスタ素子のスイッチ状態及び各スイッチングトランジスタの導通時のパルス幅を制御する。
【0046】
上記いずれかの技術的手段において、前記制御モジュールは負荷駆動モジュールにさらに接続されて、前記負荷駆動モジュールに逆変換制御信号を出力するために用いられる。
【0047】
本願の第2の態様の実施例によれば、本願の第1の態様の技術的手段に記載の力率改善回路を含む空気調和機を提供する。
【0048】
具体的には、力率改善回路は圧縮機のモータ駆動システムに適用され、回路に過電流現象が発生したか否かを検出することにより、過電流時にモータの回転速度が速すぎて、圧縮機に脱磁現象が発生することを防止する。
【0049】
本願のさらなる態様及び利点は、以下の説明部分で記載され、一部が以下の説明から明らかになり、又は本願の実施により了解される。
【0050】
本願の上記及び/又はさらなる態様及び利点は、以下の図面と結び付ける実施例についての説明から明らかかつ理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】関連技術における力率改善回路の概略図である。
【
図2】本願の一実施例に係る力率改善回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本願の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、図面及び具体的な実施形態に合わせて本願についてさらに詳細に説明する。なお、矛盾しない場合、本願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0053】
本願を十分に理解するために、以下の説明において多くの具体的な詳細を説明したが、本願はここで説明されたものと異なる他の形態で実施することもでき、したがって、本願の保護範囲は以下に開示された具体的な実施例に限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
図2に示すように、本願の一実施例に係る力率改善回路は、空気調和機に適用されるものであり、給電信号を受信する力率改善モジュール10であって、前記給電信号を制御して負荷に給電するように構成されるスイッチングトランジスタを含む力率改善モジュール10と、前記スイッチングトランジスタの駆動入力端に接続され、前記スイッチングトランジスタにスイッチング信号を出力するために用いられる駆動モジュールと、前記駆動モジュールに接続され、前記スイッチング信号の出力をオンにし又は前記スイッチング信号の出力をオフにするように前記駆動モジュールを制御するために用いられる制御モジュール30と、前記力率改善モジュールの入力側に設けられて、サンプリング信号を収集する変流器40と、前記変流器及び前記制御モジュールに接続され、前記サンプリング信号が第1の安全閾値以上であることを検出すると、前記制御モジュールに保護信号を出力するために用いられる駆動保護モジュール50であって、前記保護信号は前記駆動モジュールの出力をオフにするように前記制御モジュールをトリガするために用いられる駆動保護モジュール50と、を含む。
【0055】
当該実施例において、力率改善モジュール10の交流入力端に変流器40が設置され、変流器40は設置された位置に基づいて、力率改善モジュール10の入力電流を収集し、又は電流を出力し、電流を電圧信号に変換して駆動保護モジュール50に出力して、駆動保護モジュール50により、過電流現象が発生したか否かを検出し、過電流現象の発生を検出した場合、力率改善モジュール10へのスイッチング信号の出力を停止するように制御し、変流器40は被検出回路と電気的に接触しないため、被検出電源の電力を消費せず、そのためインバータ装置の高効率で低消費電力の制御に影響を与えない一方で、変流器40は力率改善モジュール10の入力端電流を直接収集し、入力端が交流電源のライブラインとニュートラルライン端Nに接続されるため、整流器に異常が発生したか否かをより直接的に検出することができ、また、異常の発生を確認した場合、異なる動作状態に対応する異常部品を特定することができ、従来技術における、保護機能を有する駆動チップを用いてサンプリング抵抗Rsに合わせて過電流検出を行うという解決手段に比べて、制限性がより小さく、さらに指向性及び実用性を有する。
【0056】
ここで、当業者であれば、変流器40は電磁誘導原理に基づいて一次側大電流を二次側小電流に変換して測定する器具であり、変流器40は商用電源周波数大電流の測定場合に適用されて、変流と電気分離の機能を実現し、電磁誘導原理に基づいて、出力電圧は交流側電流の変化率に正比例するため、交流側に過電流現象が発生したか否かを正確に検出でき、変流器40によりリアクトルを通過する電流信号を収集し、対応する電圧信号に変換して駆動保護モジュール50に送信して、変流器40により収集された電圧信号に基づいて、過電流現象が発生したか否かを判断することを理解することができる。
【0057】
(実施例2)
図2に示すように、上記実施例において、前記力率改善モジュール10の負極出力端に設けられ、かつ前記駆動保護モジュール50に接続されるサンプリング抵抗Rsであって、前記駆動保護モジュール50は前記サンプリング抵抗Rsの電圧降下が第2の安全閾値を超えることを検出すると、前記制御モジュール30に前記保護信号を出力するサンプリング抵抗Rsをさらに含む。
【0058】
当該実施例において、交流側の電流を検出するために、力率改善モジュール10の交流側に1つの変流器40を直列接続し、続いてこのセンサから出力された電圧信号を駆動保護モジュール50の入力信号として、力率改善モジュール10の負極出力端に直列接続されたサンプリング抵抗Rsと結合し、このサンプリング抵抗Rsで検出された電圧も駆動保護モジュール50に入力し、この2つの入力電圧のいずれかが電流検出及び駆動保護モジュール50の所定電圧を超えると、電流検出及び駆動保護モジュール50の保護をトリガしかつ力率改善モジュール10をオフにする。
【0059】
図2に示すように、上記いずれかの実施例において、前記交流電源のライブラインに設けられた第1のリアクトルL1、及び前記交流電源のニュートラルラインに設けられた第2のリアクトルL2と、前記交流電源のライブライン端Lとニュートラルライン端Nとの間に設けられ、かつ前記制御モジュール30に接続され、前記ライブライン端Lと前記ニュートラルライン端Nとの間のゼロクロス検出信号を収集するために用いられるゼロクロス検出モジュール60と、をさらに含み、前記制御モジュール30はさらに、前記ゼロクロス検出モジュール60から出力されたゼロクロス検出信号に基づいて前記交流電源の位相状態を特定して、前記位相状態に基づいて対応するスイッチング制御信号を前記駆動モジュールに出力するために用いられ、前記変流器40は前記交流電源のライブライン端Lと前記第1のリアクトルL1との間に設けられ、又は前記交流電源のニュートラルライン端Nと前記第2のリアクトルL2との間に設けられる。
【0060】
当該実施例において、単相リアクトル回路に比べて、2つの並列接続された第1のリアクトルL1及び第2のリアクトルL2を設置することにより、2つのリアクトルの相加効果を実現することができる一方で、取り付けにくい大寸法のリアクトルの代わりに、力率改善回路に取り付けることで、取り付け難易度を低減することができる。
【0061】
さらに、力率改善モジュール10の交流入力端と交流電源との間に並列接続された第1のリアクトルL1と第2のリアクトルL2を設けることにより、交流電源が交流出力を行う場合に、並列接続された第1のリアクトルL1と第2のリアクトルL2は交流電源から供給された電気エネルギーを磁気エネルギーに変換してエネルギーとして蓄積することができ、また、このエネルギーを放出することでPFC回路の昇圧及び力率の改善を実現することができる。
【0062】
また、ライブラインとニュートラルラインとの間にゼロクロス検出モジュール60を設けて、ゼロクロス検出モジュール60により交流電源のリアルタイム位相を判断することにより、異なる位相状態に基づいて、スイッチング操作を実行するように力率改善モジュール10における異なるスイッチングデバイスを駆動して、それぞれ整流機能又は力率改善(PFC)機能を実現し、それにより、整流機能に基づいて負荷端の直流給電を実現し、又はPFC制御により、交流側電圧と交流側電流を位相で一致させる。
【0063】
また、過電流現象の発生には、例えば回路が干渉されて制御モジュール30のフリーズとリセットを引き起こし、又は第1のリアクトルL1と第2のリアクトルL2に短絡異常が発生するなど、様々な原因がある。
【0064】
(実施例3)
図2に示すように、上記いずれかの実施例において、前記力率改善モジュール10は、第1のスイッチングトランジスタQ1、第2のスイッチングトランジスタQ2、第3のスイッチングトランジスタQ3及び第4のスイッチングトランジスタQ4で構成され、第1のスイッチングトランジスタQ1及び第2のスイッチングトランジスタQ2は力率改善モジュール10の上部に設けられ、第3のスイッチングトランジスタQ3及び第4のスイッチングトランジスタQ4は力率改善モジュール10の下部に設けられ、第1のスイッチングトランジスタQ1及び第3のスイッチングトランジスタQ3は力率改善モジュール10の左部に設けられ、第2のスイッチングトランジスタQ2及び第4のスイッチングトランジスタQ4は力率改善モジュール10の右部に設けられ、前記第1のスイッチングトランジスタQ1、前記第2のスイッチングトランジスタQ2、前記第3のスイッチングトランジスタQ3及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4にはいずれもフリーホイールダイオードが装備され、前記第1のスイッチングトランジスタQ1のドレインと前記第2のスイッチングトランジスタQ2のドレインは直列接続され、接続点が前記力率改善モジュール10の正極出力端とされ、前記第3のスイッチングトランジスタQ3のソースと第4のスイッチングトランジスタQ4のソースは直列接続され、接続点が前記前記サンプリング抵抗Rsに直列接続された後に接地され、前記第1のスイッチングトランジスタQ1のソースと前記第3のスイッチングトランジスタQ3のドレインは直列接続され、接続点が前記ライブライン端Lに接続され、前記第2のスイッチングトランジスタQ2のソースと前記第4のスイッチングトランジスタQ4のドレインは直列接続され、接続点が前記ニュートラルライン端Nに接続される。
【0065】
具体的には、第1のスイッチングトランジスタQ1、第2のスイッチングトランジスタQ2、第3のスイッチングトランジスタQ3及び第4のスイッチングトランジスタQ4はいずれもMOSFT(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect TransIstor、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、すなわちMOSトランジスタ)、例えばスーパージャンクションMOSFT、又はSiC-MOSFTであってもよい。
【0066】
MOSトランジスタの動作方式として、ゲートによってソースとドレインとの間のオン/オフを制御してスイッチングを実現し、オンにする時にゲート側電源をソース側電源より大きくする必要がある。
【0067】
当該実施例において、4つのスイッチングトランジスタで構成された力率改善モジュール10を設け、制御モジュール30から出力された制御命令に合わせることにより、それぞれ整流操作又は力率改善操作を実行するように回路を制御し、モータ駆動システムの構成部分とする時、「力率改善動作」及び「同期整流動作」を交替で行うことにより昇圧させて、モータ回転数の許容限界を高めるという目的を達成し、また、動作中に、回路に変流器40を増設することにより、運転電流を検出し、電流異常の発生を検出した場合、動作を停止するように力率改善モジュール10を制御し、異常を排除した後に再運転させ、それにより、モータ駆動過程の安全性を保証する。
【0068】
上記いずれかの実施例において、前記駆動モジュールは、前記第1のスイッチングトランジスタQ1及び前記第3のスイッチングトランジスタQ3を駆動するための第1の駆動モジュール202と、前記第2のスイッチングトランジスタQ2及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4を駆動するための第2の駆動モジュール204とを含み、前記駆動保護モジュール50は前記電圧信号が第1の安全閾値より大きいこと及び/又は前記電圧降下が第2の安全閾値より大きいことを検出すると、前記第1の駆動モジュール202及び前記第2の駆動モジュール204の駆動出力をオフにするように前記制御モジュール30をトリガする。
【0069】
当該実施例において、駆動モジュールは第1の駆動モジュール202と第2の駆動モジュール204を含んで、Hブリッジ整流器のハーフブリッジ駆動を実現する。
【0070】
具体的には、第1の駆動モジュール202により第1のスイッチングトランジスタQ1及び第3のスイッチングトランジスタQ3を駆動し、第2の駆動モジュール204により第2のスイッチングトランジスタQ2及び第4のスイッチングトランジスタQ4を駆動し、変流器40から出力された電圧信号及びサンプリング抵抗Rsの電圧サンプリング信号をいずれも駆動保護モジュール50に接続し、駆動保護モジュール50は変流器40から出力された電圧信号及びサンプリング抵抗Rsの電圧サンプリング信号が所定値を超えることを検出すると、第1の駆動モジュール202及び第2の駆動モジュール204を強制的にオフにすることより、4つのスイッチングトランジスタを保護する。
【0071】
上記いずれかの実施例において、一端が前記正極出力端に接続され、他端が接地される母線コンデンサEをさらに含み、駆動モジュールは前記スイッチング信号を出力したとき、前記交流電源により前記母線コンデンサを充電するか、又は前記母線コンデンサを放電させ、駆動モジュールは前記スイッチング信号を出力しないとき、前記母線コンデンサを放電させる。
【0072】
(実施例4)
図2に示すように、上記いずれかの実施例において、前記変流器40は、前記交流電源のライブライン端Lと前記第1のリアクトルL1との間に設けられ、又は前記変流器40は、前記交流電源のニュートラルライン端Nと前記第2のリアクトルL2との間に設けられる。
【0073】
当該実施例において、力率改善モジュール10の交流入力端に変流器40を設けることにより、整流操作を実行するか、力率改善操作を実行するかにもかかわらず、電流は変流器40を流れ、それにより、電流が変流器40を流れることを検出した時、このデバイスは対応する電圧を出力し、力率改善モジュール10の4つのスイッチングトランジスタが耐えられる電流値に基づいて、駆動保護モジュール50又は変流器40に内蔵された過電流検出ユニットにおいて保護が必要な電圧値を設定し、第1のスイッチングトランジスタQ1と第2のスイッチングトランジスタQ2をライブラインとニュートラルラインとの間に直列接続し、第3のスイッチングトランジスタQ3と第4のスイッチングトランジスタQ4をライブラインとニュートラルラインとの間に直列接続し、第1のスイッチングトランジスタQ1-第2のスイッチングトランジスタQ2又は第3のスイッチングトランジスタQ3-第4のスイッチングトランジスタQ4に異常な過電流が発生した場合、この電流は変流器40により対応する電圧を出力するとともに駆動保護モジュール50をトリガし、さらに駆動モジュールのスイッチング信号をオフにし、それにより、スイッチングトランジスタに対する過電流保護を実現し、過電流信号が解除されると、駆動保護モジュール50は過電流駆動モジュールに対する制御を解除して、正常動作に復帰し、それにより、整流操作過程、又は力率改善過程において、いずれも確率が比較的高い故障に対するタイムリーで効果的な検出を実現して、PFC回路全体の安全性を向上させるという目的を達成することができる。
【0074】
図2に示すように、第3のスイッチングトランジスタQ3のソースと第4のスイッチングトランジスタQ4のソースを相互に接続した後、接続点をサンプリング抵抗Rsの一端に接続し、サンプリング抵抗Rsの他端を接地し、サンプリング抵抗Rsの両端の電圧信号を収集し、この電圧信号を駆動保護モジュール50に伝送することにより、サンプリング抵抗Rsの両端の電圧降下が第2の安全閾値を超えることを検出した後、前記駆動モジュールの出力をオフにするように制御モジュール30をトリガする。
【0075】
変流器40及びサンプリング抵抗Rsが設置された力率改善回路に対し、異なる電流流路においていずれも変流器40及び/又はサンプリング抵抗Rsに基づいて電圧をサンプリングし、サンプリング電圧の検出結果に基づいて短絡現象が存在するか否かを確認することができ、そのため、力率改善モジュール10における第1のスイッチングトランジスタQ1、第2のスイッチングトランジスタQ2、第3のスイッチングトランジスタQ3及び第4のスイッチングトランジスタQ4による異なる結合流路の検出要求を満たすことができる。
【0076】
第1の駆動モジュール202により第1のスイッチングトランジスタQ1及び第3のスイッチングトランジスタQ3を駆動し、第2の駆動モジュール204により第2のスイッチングトランジスタQ2及び第4のスイッチングトランジスタQ4を駆動し、変流器40から出力された電圧信号及びサンプリング抵抗Rsの電圧サンプリング信号をいずれも駆動保護モジュール50に接続し、駆動保護モジュール50は変流器40から出力された電圧信号及びサンプリング抵抗Rsの電圧サンプリング信号が所定値を超えることを検出すると、第1の駆動モジュール202及び第2の駆動モジュール204を強制的にオフにすることより、4つのスイッチングトランジスタを保護する。
【0077】
変流器40は主に、電流が第1のスイッチングトランジスタQ1と第2のスイッチングトランジスタQ2を順次通過し、又は電流が第3のスイッチングトランジスタQ3と第4のスイッチングトランジスタQ4を順次通過する時に短絡異常が発生する場合の検出に用いられ、サンプリング抵抗Rsは主に、電流が第1のスイッチングトランジスタQ1と第3のスイッチングトランジスタQ3を順次通過し、又は電流が第2のスイッチングトランジスタQ2と第4のスイッチングトランジスタQ4を順次通過する時に短絡異常が発生する場合の検出に用いられる。
【0078】
当業者であれば、変流器40に基づいてトリガして生成された保護信号とサンプリング抵抗Rsに基づいてトリガして生成された保護信号とは優先度が同じであり、いずれか1つに異常が発生すると、いずれも駆動保護モジュール50をトリガし、過電流の原因は回路が電磁干渉又はサージ干渉を受けて制御モジュール30のフリーズとリセットを引き起こし、又はリアクトルに短絡異常が発生するなどのことであることを理解することができる。
【0079】
(実施例5)
上記いずれかの実施例において、前記制御モジュール30はさらに、前記交流電源の入力電圧が正の半周期にある場合、前記第1のスイッチングトランジスタQ1及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4を導通させるためのスイッチング信号を出力するとともに、対応するフリーホイールダイオードをバイパスするように前記駆動モジュールを制御するために用いられ、前記制御モジュール30はさらに、前記交流電源の入力電圧が負の半周期にある場合、前記第2のスイッチングトランジスタQ2及び前記第3のスイッチングトランジスタQ3を導通させるためのスイッチング信号を出力するとともに、対応するフリーホイールダイオードをバイパスするように前記駆動モジュールを制御するために用いられて、同期整流を実現する。
【0080】
第1のスイッチングトランジスタQ1の内部にはフライホイールダイオードを有し、フライホイールダイオードは第1のスイッチングトランジスタQ1のソース電極とドレイン電極との間に存在するP接合の部分であり、第1のスイッチングトランジスタQ1の飽和電圧(オン状態でのドレイン・ソース間電圧)はフライホイールダイオードの順方向の電圧降下より低い。これにより、第1のスイッチングトランジスタQ1のソース・ドレインを流れる電流は、寄生ダイオードを流れる電流に比べて、電圧降下が小さくなり、さらに導通損失を低減することができる。理解しやすく言えば、オン状態となる第1のスイッチングトランジスタQ1を流れる電流は、オフ状態となる第1のスイッチングトランジスタQ1におけるフライホイールダイオードを流れる電流に比べて、導通損失を小さくさせ、また、他の第2のスイッチングトランジスタQ2、第3のスイッチングトランジスタQ3及び第4のスイッチングトランジスタQ4にも適用される。
【0081】
当該実施例において、MOSトランジスタの低オン電圧降下の原理を利用することにより、交流電力の位相状態に基づいて対応するMOSトランジスタをオンにすれば低消費電力の同期整流を実現することができる。
【0082】
具体的には、制御モジュール30はゼロクロス検出モジュール60により検出された現在の交流電力の位相に基づいて対応する制御信号を出力し、対応するスイッチングトランジスタの動作を駆動する。
【0083】
関連技術において、同期整流を行う場合、交流電源の正の半周期間に、電流は変流器40及びリアクトルを経て、続いて第1のスイッチングトランジスタQ1及び第4のスイッチングトランジスタQ4のフリーホイールダイオードにより整流してシステムに給電し、この時、フリーホイールダイオードの電圧降下が大きいため、エネルギーの浪費を引き起こす。
【0084】
当該実施例において、この場合、制御モジュール30はゼロクロス検出モジュール60により交流電源の正の半周期の開始時に、電流が変流器40及びリアクトルを経過すると判断し、スイッチング信号を出力して第1のスイッチングトランジスタQ1及び第4のスイッチングトランジスタQ4の導通を駆動し、第1のスイッチングトランジスタQ1、サンプリング抵抗Rs及び第4のスイッチングトランジスタQ4におけるフリーホイールダイオードを流れる電流をMOSトランジスタに流れさせ、MOSトランジスタの低オン特性を利用し、フリーホイールダイオードをバイパスし、それにより、導通損失を低減する。同様に、交流電源の負の半周期間に、制御モジュール30は第2のスイッチングトランジスタQ2及び第3のスイッチングトランジスタQ3のオンを制御し、4つのMOSトランジスタに同期整流機能を実現させ、同期整流過程において、変流器40及びサンプリング抵抗Rsを経過する電流を検出することにより、過電流現象が発生したか否かを検出する。
【0085】
(実施例6)
上記いずれかの実施例において、前記制御モジュール30はさらに、前記交流電源の入力電圧が正の半周期にある場合、前記ゼロクロス検出信号に基づいて前記第3のスイッチングトランジスタQ3及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4の導通を駆動して、前記リアクトルを充電し、前記第3のスイッチングトランジスタQ3及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4をオフにし、前記第1のスイッチングトランジスタQ1のオンを駆動すると、第1のスイッチングトランジスタQ1を介して前記リアクトルに蓄積された電気エネルギーを放出して負荷に給電するために用いられ、前記制御モジュール30はさらに、前記交流電源の入力電圧が負の半周期にある場合、前記ゼロクロス検出信号に基づいて前記第3のスイッチングトランジスタQ3及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4の導通を駆動して、前記リアクトルを充電し、前記第3のスイッチングトランジスタQ3及び前記第4のスイッチングトランジスタQ4をオフにし、前記第1のスイッチングトランジスタQ1のオンを駆動すると、第1のスイッチングトランジスタQ1を介して前記リアクトルに蓄積された電気エネルギーを放出して負荷に給電するために用いられて、力率改善を実現する。
【0086】
当該実施例において、回路がPFC操作を行うために用いられる場合、入力が交流電源の正の半周期にある場合、制御モジュール30はゼロクロス検出信号に基づいて、第3のスイッチングトランジスタQ3及び第4のスイッチングトランジスタQ4の導通を駆動して、リアクトルを充電し、第3のスイッチングトランジスタQ3及び第4のスイッチングトランジスタQ4をオフにすると、制御モジュール30は第1のスイッチングトランジスタQ1のオンを駆動し、第1のスイッチングトランジスタQ1を介してリアクトルに蓄積された電気エネルギーを後段回路に放出し、母線コンデンサE及び負荷(例えばモータ)に給電し、入力が交流電源の負の半周期にある場合、制御モジュール30はゼロクロス検出信号に基づいて、第3のスイッチングトランジスタQ3及び第4のスイッチングトランジスタQ4の導通を駆動して、リアクトルを充電し、第3のスイッチングトランジスタQ3及び第4のスイッチングトランジスタQ4をオフにすると、制御モジュール30は第2のスイッチングトランジスタQ2のオンを駆動し、第2のスイッチングトランジスタQ2を介してリアクトルに蓄積された電気エネルギーを後段回路に放出し、母線コンデンサE及び負荷(例えばモータ)に給電し、母線コンデンサEにリアクトルに蓄積されたエネルギーを放出することにより、母線コンデンサEの直流電圧を昇圧し、それにより、短絡電流により、電流波形の歪みを低減し、電流波形を正弦波に近づけることができ、さらに、PFC回路の力率を改善することができ、さらに、負荷の母線電圧に基づいて第3のスイッチングトランジスタQ3又は第1のスイッチングトランジスタQ1のパルス幅を計算することにより、PFC回路における短絡電流の持続時間を合理的に調整することができ、パルス変化回数に基づいて各スイッチングトランジスタのオン/オフの回数を合理的に制御し、スイッチングユニットの導通損失を低減し、スイッチング損失を低減し、効率を向上させることができる。
【0087】
図2に示すように、上記いずれかの実施例において、前記正極出力端と前記負極出力端との間に設けられ、前記力率改善モジュール10の直流出力を受信して、負荷に給電するために用いられる負荷駆動モジュール70と、前記力率改善モジュール10の直流出力端に接続されるとともに、前記負荷駆動モジュール70と並列に設置され、直流母線電圧を検出するために用いられる直流母線電圧検出モジュール(図示せず)と、をさらに含む。
【0088】
当該実施例において、負荷がモータである応用シーンにおいて、負荷駆動モジュール70は、モータへの給電を実現するように、定電圧直流を三相交流に逆変換して出力するために用いられ、直流母線電圧検出モジュールの設置に合わせて、力率改善モジュール10の直流出力の母線電圧の検出、及び前記入力電圧の検出により、力率改善モジュール10における各スイッチングトランジスタ素子のスイッチ状態及び各スイッチングトランジスタの導通時のパルス幅を制御する。
【0089】
上記いずれかの実施例において、前記制御モジュール30は負荷駆動モジュール70にさらに接続されて、前記負荷駆動モジュール70に逆変換制御信号を出力するために用いられる。
【0090】
本願の実施例に係る空気調和機は、上記いずれかの実施例に記載の力率改善回路を含む。
【0091】
具体的には、力率改善回路は圧縮機のモータ駆動システムに適用され、回路に過電流現象が発生したか否かを検出することにより、過電流時にモータの回転速度が速すぎて、圧縮機に脱磁現象が発生することを防止する。
【0092】
従来技術に比べ、本願の技術的手段にて開示された実施例は少なくとも以下の有益な効果を有する。
【0093】
(1)変流器は力率改善モジュールの入力端電流を直接収集するため、力率改善モジュールが異なる機能操作を実行する時に対応する異なる電流流路は、いずれも変流器により回路異常検出を行うことができ、したがって、整流器に異常が発生したか否かをより直接的に検出することができ、また、異常が発生すると確認する場合、異なる動作状態に対応する異常部品を特定することができ、従来技術における、保護機能を有する駆動チップを用いてサンプリング抵抗に合わせて過電流検出を行うという解決手段に対して、制限性がより小さく、さらに指向性及び実用性を有する。
【0094】
(2)交流側の電流を検出するために、力率改善モジュールの交流側に1つの変流器を直列接続し、続いてこのセンサから出力された電圧信号を駆動保護モジュールの入力信号として、力率改善モジュールの負極出力端に直列接続されたサンプリング抵抗と結合し、このサンプリング抵抗で検出された電圧も駆動保護モジュールに入力し、この2つの入力電圧のいずれかが電流検出及び駆動保護モジュールの所定電圧を超えると、電流検出及び駆動保護モジュールの保護をトリガしかつ力率改善モジュールをオフにすることにより、入出力側のいずれにも過電流現象に対する検出機能を実現することができる。
【0095】
(3)変流器及びサンプリング抵抗が設置された力率改善回路に対し、異なる電流流路においていずれも変流器及び/又はサンプリング抵抗に基づいて電圧をサンプリングし、サンプリング電圧の検出結果に基づいて短絡現象が存在するか否かを確認することができ、そのため、力率改善モジュールにおける第1のスイッチングトランジスタ、第2のスイッチングトランジスタ、第3のスイッチングトランジスタ及び第4のスイッチングトランジスタによる異なる結合流路の検出要求を満たすことができる。
【0096】
以上は図面に合わせて本願の技術的手段を詳細に説明し、交流側の電流を検出するために、力率改善モジュールの交流側に1つの変流器を直列接続し、続いてこのセンサから出力された電圧信号を駆動保護モジュールの入力信号として、力率改善モジュールの負極出力端に直列接続されたサンプリング抵抗と結合し、このサンプリング抵抗で検出された電圧も駆動保護モジュールに入力し、この2つの入力電圧のいずれかが電流検出及び駆動保護モジュールの所定電圧を超えると、電流検出及び駆動保護モジュールの保護をトリガしかつ力率改善モジュールをオフにする。
【0097】
当業者であれば、本願の実施例は方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供されてもよいことを理解されたい。したがって、本願は完全なハードウェアの実施例、完全なソフトウェアの実施例、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせる態様の実施例の形態を用いることができる。また、本願は、コンピュータの使用可能なプログラムコードを含むコンピュータの使用可能な1つ以上の記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むがこれらに限定されない)で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を用いることができる。
【0098】
本願は、本願の実施例に係る方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら説明される。コンピュータプログラム命令によりフローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの結合を実現してもよいことを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込み処理機器又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサへ提供されて、これらの命令がコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行されるときフローチャートの1つ以上のフロー及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおいて指定された機能を実現するように、装置を製造してもよい。
【0099】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を特定の方式で動作させるコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶することで、このコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶される命令により、フローチャートの1つ以上のフロー及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおいて指定された機能を実現する命令装置を含む製品を製造するようにしてもよい。
【0100】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、又は他のプログラマブル装置に一連の動作ステップを実行させて、コンピュータにより実施可能な処理を生成するように、コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードしてもよく、それにより、コンピュータ、又は他のプログラマブル装置において実行される命令は、フローチャートの1つ以上のフロー及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおいて指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0101】
特許請求の範囲において、括弧にあるあらゆる参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとすべきではないことに留意されたい。単語の「含む」は、特許請求の範囲においてに列挙されていない部品又はステップの存在を排除しない。部品の前にある単語の「一」又は「1つ」は、そのような部品が複数存在することを排除しない。本願は、複数の異なる部品を含むハードウェアにより、また、適切にプログラムされたコンピュータにより実施され得る。複数の装置を列挙するモジュールの請求項において、これらの装置のうちの複数は同一のハードウェア項目によって具現され得る。単語の第1、第2、及び第3などの使用はいかなる順序も示さない。これらの単語を名称として解釈してもよい。
【0102】
本願の好ましい実施例を説明したが、当業者は基本的な創造性概念を知ると、これらの実施例に対して他の変更及び修正を行うことができる。したがって、添付の特許請求の範囲は好ましい実施例及び本願の範囲に属する全ての変更及び修正を含むものとして解釈されたい。
【0103】
明らかに、当業者は、本願の特許請求の範囲及びその同等の技術の範囲から逸脱せず、本願に対して様々な変更及び変形を行うことができ、本願はこれらの変更及び変形を含むことも意図している。